(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019144127
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】表示機構、ムーブメントおよび時計
(51)【国際特許分類】
   G04C 3/00 20060101AFI20190802BHJP
   G04B 19/26 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !G04C3/00 B
   !G04B19/26 A
   !G04B19/26 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】26
(21)【出願番号】2018028889
(22)【出願日】20180221
(71)【出願人】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
【住所又は居所】千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】藤田 和弘
【住所又は居所】千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セイコーインスツル株式会社内
【テーマコード(参考)】
2F101
【Fターム(参考)】
2F101AA00
2F101AB00
2F101AC01
2F101AC07
2F101AD04
2F101AE03
(57)【要約】
【課題】互いに相違するパラメータに応じて変化する複数の情報を同時に表示できる表示機構を提供する。
【解決手段】表示機構は、複数のモータと、複数のモータによりそれぞれ独立して駆動され、互いに同軸に設けられた複数の出力軸と、第2出力軸に取り付けられ、太陽マーク43および月マークが表示された表示面41を有する下表示板40と、第1出力軸に取り付けられ、下表示板40に対して回転可能に設けられ、下表示板40の表示面41の一部を覆う上表示板50と、複数のモータを制御する制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモータと、
前記複数のモータによりそれぞれ独立して駆動され、互いに同軸に設けられた複数の出力軸と、
前記出力軸に取り付けられ、太陽および月のうち少なくともいずれか一方を示す絵柄が表示された表示面を有する下表示板と、
前記出力軸に取り付けられ、前記下表示板に対して回転可能に設けられ、前記下表示板の前記表示面の一部を覆う上表示板と、
前記複数のモータを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする表示機構。
【請求項2】
前記上表示板は、前記出力軸の軸方向に互いに重ねて設けられた第1上表示板および第2上表示板を備え、
前記第1上表示板および前記第2上表示板は、互いに独立して回転可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示機構。
【請求項3】
前記絵柄は、月を示す月マークを含み、
前記制御部は、前記上表示板によって前記月マークの一部を覆いつつ前記下表示板および前記上表示板を回転させるように、前記モータを制御する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示機構。
【請求項4】
前記月マークは、
円形状の満月マークと、
半円状の半月マークと、
を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の表示機構。
【請求項5】
前記絵柄は、太陽を示す太陽マークを含み、
前記制御部は、前記上表示板によって覆われる前記太陽マークの面積が変化するように、前記モータを制御する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示機構。
【請求項6】
前記上表示板には、時計の文字板に表示された目盛りを指示する目盛り指示部が設けられ、
前記制御部は、前記目盛りと前記目盛り指示部との組み合わせによって、日の出の時刻、および日没時刻のうち少なくともいずれか一方を表示するように、前記モータを制御する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の表示機構。
【請求項7】
前記絵柄は、月を示す月マークを含み、
前記上表示板は、
前記出力軸回りの周方向のうち第1方向に向き、前記第1方向に向かって膨出する第1凸端縁と、
前記周方向のうち前記第1方向とは反対方向の第2方向に向き、前記第2方向に向かって膨出する第2凸端縁と、
前記第1方向に向き、前記第2方向に向かって窪む第1凹端縁と、
前記第2方向に向き、前記第1方向に向かって窪む第2凹端縁と、
を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の表示機構。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の表示機構を備えることを特徴とするムーブメント。
【請求項9】
請求項8に記載のムーブメントを備えることを特徴とする時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示機構、ムーブメントおよび時計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
腕時計等の時計は、時刻を表示する機能に加えて、時刻以外の情報を表示する機能も有している場合がある。例えば、時刻の表示機能以外に、月の満ち欠けを表示する、いわゆるムーンフェイズ表示機能や、日出没の状態を表示する機能を備えた時計が知られている。この種の時計は、月や太陽等を示す絵柄が表示された部材と、月や太陽等を示す絵柄を覆うことが可能な部材と、のうちいずれか一方が回転することによって、月や太陽等を示す絵柄の視認状態を変化させる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、日出没の状態の表示用の太陽マークが表示されるとともに月を表す月マークが形成された文字板と、文字板を覆って24時間周期で回転する回転部材と、を備え、回転部材は、回転位置に応じて太陽マークの視認状態を変化させる日出没指示部と、回転位置に応じて月マークの視認状態を変化させる月指示部と、を有する時計が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2017/154887号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術にあっては、月や太陽等を示す絵柄が表示された部材と、月や太陽等を示す絵柄を覆うことが可能な部材と、のうち一方の部材のみが回転するので、1つの部材の回転位置に応じた情報しか表示できない。例えば、第1部材を回転させて第2部材に表示された絵柄の視認状態を変化させる際に、表示機構が絵柄の視認状態以外に表示できる情報は、絵柄の視認状態の変化に連動した情報に限定される。したがって、例えば時刻に応じて変化する情報、および日付に応じて変化する情報のように、互いに相違するパラメータに応じて変化する複数の情報を同時に表示することが難しい。
【0006】
そこで本発明は、互いに相違するパラメータに応じて変化する複数の情報を同時に表示できる表示機構、ムーブメント、および時計を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の表示機構は、複数のモータと、前記複数のモータによりそれぞれ独立して駆動され、互いに同軸に設けられた複数の出力軸と、前記出力軸に取り付けられ、太陽および月のうち少なくともいずれか一方を示す絵柄が表示された表示面を有する下表示板と、前記出力軸に取り付けられ、前記下表示板に対して回転可能に設けられ、前記下表示板の前記表示面の一部を覆う上表示板と、前記複数のモータを制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、制御部によって下表示板および上表示板を互いに独立して任意に回転させることができる。このため、下表示板の表示面に表示された絵柄の位置を変化させることができるとともに、上表示板によって絵柄を覆うことで絵柄の視認状態を変化させることができる。したがって、互いに相違するパラメータに応じて変化する複数の情報を同時に表示できる。
また、下表示板および上表示板は、制御部によって任意に回転するので、現在時刻にのみ連動して回転する場合と比較して、表示できる情報の種類が多くなる。
【0009】
上記の表示機構において、前記上表示板は、前記出力軸の軸方向に互いに重ねて設けられた第1上表示板および第2上表示板を備え、前記第1上表示板および前記第2上表示板は、互いに独立して回転可能に設けられている、ことが望ましい。
【0010】
本発明によれば、上表示板によって覆われる下表示板の表示面の面積を適宜変化させることができる。これにより、例えば、日の出から日没までの時間に太陽を示す絵柄を上表示板から露出した領域で移動させる際に、上表示板から露出した表示面の面積を地域や日付等に応じて変化させることで、日の出から日没までの時間の長さを地域や日付等に応じて表示することができる。したがって、より多くの情報を表示することが可能となる。
【0011】
上記の表示機構において、前記絵柄は、月を示す月マークを含み、前記制御部は、前記上表示板によって前記月マークの一部を覆いつつ前記下表示板および前記上表示板を回転させるように、前記モータを制御する、ことが望ましい。
【0012】
本発明によれば、月マークの一部のみが視認可能な状態で、月マークの位置を変化させることができる。これにより、表示機構は、月齢に応じた満ち欠けが表現された月マークを移動させることができる。したがって、月齢および月の位置を同時に表示することができる。また、表示機構は、月食を表示することができる。
【0013】
上記の表示機構において、前記月マークは、円形状の満月マークと、半円状の半月マークと、を含む、ことが望ましい。
【0014】
本発明によれば、半月マークの全体を視認させることにより、上弦の月および下弦の月のうち少なくともいずれか一方を表現することができる。したがって、表示機構は、月齢に応じた月の満ち欠けをより忠実に表現することができる。
【0015】
上記の表示機構において、前記絵柄は、太陽を示す太陽マークを含み、前記制御部は、前記上表示板によって覆われる前記太陽マークの面積が変化するように、前記モータを制御する、ことが望ましい。
【0016】
本発明によれば、上表示板の任意の回転位置において、太陽マークの視認状態を変化させることができる。これにより、日出没時のように太陽の一部が地平線下に位置する状態を任意の位置に表示することができる。したがって、太陽マークおよび上表示板の回転位置を日出没時刻に対応付けることで、日出没時の太陽の状態と、日出没時刻と、を同時に表示することができる。また、表示機構は、日食を表示することができる。
【0017】
上記の表示機構において、前記上表示板には、時計の文字板に表示された目盛りを指示する目盛り指示部が設けられ、前記制御部は、前記目盛りと前記目盛り指示部との組み合わせによって、日の出の時刻、および日没時刻のうち少なくともいずれか一方を表示するように、前記モータを制御する、ことが望ましい。
【0018】
本発明によれば、上表示板の回転位置を地域や日付等に応じて設定することによって、地域や日付等に応じた日出没時刻を表示することができる。
【0019】
上記の表示機構において、前記絵柄は、月を示す月マークを含み、前記上表示板は、前記出力軸回りの周方向のうち第1方向に向き、前記第1方向に向かって膨出する第1凸端縁と、前記周方向のうち前記第1方向とは反対方向の第2方向に向き、前記第2方向に向かって膨出する第2凸端縁と、前記第1方向に向き、前記第2方向に向かって窪む第1凹端縁と、前記第2方向に向き、前記第1方向に向かって窪む第2凹端縁と、を備える、ことが望ましい。
【0020】
本発明によれば、第1凸端縁または第2凸端縁を月マークに重ねることによって、半月よりも欠けた月の形状を表現することができる。また、第1凹端縁または第2凹端縁を月マークに重ねることによって、半月よりも満ちた月の形状を表現することができる。
【0021】
本発明のムーブメントは、上記の表示機構を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、互いに相違するパラメータに応じて変化する複数の情報を同時に表示できるムーブメントを提供できる。
【0023】
本発明の時計は、上記のムーブメントを備えることを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、互いに相違するパラメータに応じて変化する複数の情報を同時に表示できる時計を提供できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、互いに相違するパラメータに応じて変化する複数の情報を同時に表示できる表示機構、ムーブメント、および時計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1実施形態の時計の平面図である。
【図2】第1実施形態のムーブメントを裏側から見た斜視図である。
【図3】第1実施形態のムーブメントを表側から見た斜視図である。
【図4】第1実施形態のムーブメントの一部を示す分解斜視図である。
【図5】第1実施形態の表示機構の表示例を示す図である。
【図6】第1実施形態の表示機構の表示例を示す図である。
【図7】第2実施形態の時計の平面図である。
【図8】第2実施形態のムーブメントを裏側から見た斜視図である。
【図9】第2実施形態のムーブメントを表側から見た斜視図である。
【図10】第2実施形態のムーブメントの一部を示す分解斜視図である。
【図11】第2実施形態の表示機構の表示例を示す図である。
【図12】第2実施形態の表示機構の表示例を示す図である。
【図13】第3実施形態の時計の平面図である。
【図14】第3実施形態のムーブメントの一部を示す分解斜視図である。
【図15】第3実施形態の表示機構の表示例を示す図である。
【図16】第4実施形態の時計の平面図である。
【図17】第4実施形態のムーブメントの一部を示す分解斜視図である。
【図18】第4実施形態の表示機構の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、時計の一例として、スマートフォン等の外部機器との間で通信可能に形成されたアナログクォーツ式の電子時計を例に挙げて説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0028】
[第1実施形態]
最初に第1実施形態の時計1、ムーブメント10および表示機構20について説明する。以下では、まず時計1および時計1に組み込まれたムーブメント10について説明したあと、表示機構20の詳細について説明する。
【0029】
(時計)
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、指針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。また、ムーブメントに対する時計ケースのガラス側、すなわち、文字板側をムーブメントの「裏側」と称する。また、ムーブメントに対する時計ケースのケース裏蓋側、すなわち、文字板とは反対側をムーブメントの「表側」と称する。
【0030】
図1は、第1実施形態の時計の平面図である。
図1に示すように、時計1のコンプリートは、ケース裏蓋(不図示)およびガラス3を含む時計ケース4の内部に、ムーブメント10、文字板11、時針12および分針13を備える。時針12および分針13は、時刻を指示する。時針12および分針13は、文字板11の中心を通る第1軸線O回りに回転する。第1軸線Oは、ムーブメント10の表裏方向に沿って延びている。
【0031】
文字板11は、円板状に形成されている。文字板11には、文字板11を貫通する窓部14と、窓部14の開口縁に沿って配置された目盛り15と、が設けられている。窓部14は、第1軸線Oに対して6時側の領域に設けられている。窓部14は、第2軸線Pを中心とする円形状に形成されている。第2軸線Pは、第1軸線Oと平行に設けられている。目盛り15は、時刻に関する情報を示す数字目盛り16と、方向に関する情報を示す方向目盛り17と、を備える。
【0032】
数字目盛り16は、後述する目盛り指示部54A,54Bとの組み合わせにより24時間制の時刻を表示する。ここで、第1軸線Oに対する12時側を上側、第1軸線Oに対する6時側を下側、第1軸線Oに対する3時側を右側、第1軸線Oに対する9時側を左側として上下左右方向を定義する。図示の例では、数字目盛り16は、第2軸線P回りを等角度間隔で並ぶ「1」から「24」の整数を表示している。この場合、数字目盛り16の「6」は、窓部14に対する左側に表示されている。数字目盛り16の「12」は、窓部14に対する上側に表示されている。数字目盛り16の「18」は、窓部14に対する右側に表示されている。数字目盛り16の「24」は、窓部14に対する下側に表示されている。
【0033】
方向目盛り17は、後述する太陽マーク43および月マーク44との組み合わせにより太陽および月の方向を表示する。図示の例では、方向目盛り17は、「東」、「西」、「正中」および「地」の文字を表示している。この場合、方向目盛り17の「東」は、窓部14に対する左側に表示されている。方向目盛り17の「西」は、窓部14に対する右側に表示されている。方向目盛り17の「正中」は、窓部14に対する上側に表示されている。方向目盛り17の「地」は、窓部14に対する下側に表示されている。
【0034】
時計ケース4の側面のうち、2時に位置する部分、および4時に位置する部分のそれぞれにはボタン5が設けられている。ボタン5は、時針12および分針13が示す時刻を修正する時刻修正や、時計1が実行するモードの切り替え等に用いられる。
【0035】
(ムーブメント)
図2は、第1実施形態のムーブメントを裏側から見た斜視図である。図3は、第1実施形態のムーブメントを表側から見た斜視図である。
図2および図3に示すように、ムーブメント10は、第1機構モジュール21Aおよび第2機構モジュール21Bと、第1機構モジュール21Aおよび第2機構モジュール21Bの表側に配置され第1機構モジュール21Aおよび第2機構モジュール21Bを制御する制御部23と、第1機構モジュール21A、第2機構モジュール21Bおよび制御部23を保持するモジュール枠25と、第2機構モジュール21Bに取り付けられた下表示板40および上表示板50と、を備えている。
【0036】
第1機構モジュール21Aおよび第2機構モジュール21Bは、同様に構成されている。以下、第1機構モジュール21Aおよび第2機構モジュール21Bを区別しない場合は、機構モジュール21A,21Bと表記する。機構モジュール21A,21Bは、複数(本実施形態では2個)のモータ30A,30Bと、互いに独立して駆動される複数(本実施形態では2個)の出力軸31A,31Bと、モータ30A,30Bの駆動力を出力軸31A,31Bに伝達する輪列(不図示)と、モータ30A,30Bや輪列等を支持する支持体33と、を備えている。支持体33は、機構モジュール21A,21Bの外郭を形成する。支持体33は、モータ30A,30Bや輪列等、機構モジュール21A,21Bの各構成要素を支持している。支持体33は、時計本体に対して着脱可能の別体のユニットの形態として構成され、当該形態はいわゆるカセットタイプやカートリッジタイプと称することもできる。この場合、機構モジュール21A,21Bは、時計本体を完成品とした場合の半製品、中間製品として取り扱われるものである。
【0037】
複数のモータ30A,30Bは、パルス信号を入力されることによってステップ駆動するステッピングモータである。複数のモータ30A,30Bは、第1モータ30Aと、第2モータ30Bと、である。
【0038】
複数の出力軸31A,31Bは、複数のモータ30A,30Bと同数設けられている。複数の出力軸31A,31Bは、第1モータ30Aにより駆動される第1出力軸31Aと、第2モータ30Bにより駆動される第2出力軸31Bと、である。複数の出力軸31A,31Bは、互いに同軸に設けられている。第2出力軸31Bは、中空状に形成され、第1出力軸31Aに外挿されている。
【0039】
図1および図2に示すように、複数の出力軸31A,31Bは、ムーブメント10の表裏方向に沿って延び、ムーブメント10の裏側に向かって突出している。第1機構モジュール21Aの出力軸31A,31Bは、第1軸線Oを中心軸線とし、文字板11の中心から突出している。第1機構モジュール21Aの第1出力軸31Aには、分針13が取り付けられている。第1機構モジュール21Aの第2出力軸31Bには、時針12が取り付けられている。第2機構モジュール21Bの出力軸31A,31Bは、第2軸線Pを中心軸線とし、文字板11の窓部14の中心と同心となるように配置されている。第2機構モジュール21Bの出力軸31A,31Bには、下表示板40および上表示板50が取り付けられている(詳細は後述)。なお、以下の説明では、第2軸線P回りの周方向のうち、ムーブメント10の裏側から見て時計回り方向をCW方向(第1方向)と称し、ムーブメントの裏側から見て反時計回り方向をCCW方向(第2方向)と称する。
【0040】
図3に示すように、制御部23は、プリント基板である基板本体24に、図示しないICや水晶ユニット、外部機器と通信するアンテナ等が実装されたものである。基板本体24は、ムーブメント10の表裏方向から見て円形状に形成されている。基板本体24における機構モジュール21A,21Bと対向する面には、プリント配線からなる送信端子(不図示)が形成されている。送信端子には、複数のモータ30A,30Bが電気的に接続される。制御部23は、送信端子から複数のモータ30A,30Bに駆動パルスを送信して、複数のモータ30A,30Bを制御する。また、制御部23は、スマートフォン等の外部機器と通信して各種情報を取得する。制御部23が外部機器から取得する情報は、日の出の時刻や正中の時刻、日没時刻、月の出の時刻、月の入りの時刻、月齢等は含む。例えば、制御部23が外部機器から取得する情報は、時計1または外部機器の現在地に基づく。
【0041】
図2に示すように、モジュール枠25は、例えば樹脂材料等により、制御部23と略同径の円盤状に形成されている。モジュール枠25には、モジュール配置部25aが形成されている。モジュール配置部25aは、モジュール枠25をムーブメント10の表裏方向に貫通している。モジュール配置部25aは、ムーブメント10の表裏方向から見て機構モジュール21A,21Bに対応する形状に形成されている。モジュール配置部25aには、機構モジュール21A,21Bが配置される。図3に示すように、機構モジュール21A,21Bは、複数のネジ26により制御部23に固定された状態で、モジュール枠25に取り付けられる。
【0042】
図4は、第1実施形態のムーブメントの一部を示す分解斜視図である。
図4に示すように、下表示板40および上表示板50は、第2機構モジュール21Bの複数の出力軸31A,31Bのうち、互いに異なる出力軸に取り付けられている。下表示板40は、第2機構モジュール21Bの第2出力軸31Bに取り付けられている。上表示板50は、第2機構モジュール21Bの第1出力軸31Aに取り付けられている。下表示板40および上表示板50は、ムーブメント10の表裏方向から見て、文字板11の窓部14の内側に配置されている(図1参照)。
【0043】
下表示板40は、第2軸線Pを中心とする円板状に形成されている。下表示板40は、ムーブメント10の裏側を向く表示面41を有する。表示面41は、文字板11の窓部14(図1参照)を通じて視認可能とされている。表示面41には、昼間表示領域41aと、夜間表示領域41bと、が設けられている。昼間表示領域41aおよび夜間表示領域41bは、それぞれ表示面41を2分割して形成された半円状の領域である。表示面41には、太陽を示す太陽マーク43と、月を示す月マーク44と、を含む絵柄が表示されている。太陽マーク43は、昼間表示領域41aにおいて、第2軸線P回りの周方向の中央に表示されている。太陽マーク43は、円形状の本体部43aと、本体部43aの周囲に放射状に設けられた放射部43bと、を備えている。月マーク44は、夜間表示領域41bにおいて、第2軸線P回りの周方向の中央に表示されている。月マーク44は、太陽マーク43の本体部43aと略同大の円形状に形成されている。なお、図示の例では、表示面41に表示された絵柄として、複数の星マークを含んでいる。複数の星マークは、夜間表示領域41bに表示され、月マーク44を避けつつランダムに配置されている。
【0044】
上表示板50は、下表示板40に対して回転可能に設けられている。上表示板50は、下表示板40の表示面41の一部を覆う。上表示板50は、第2軸線Pを中心とする半円状に形成されている。上表示板50は、CW方向に向く第1端縁51と、CCW方向に向く第2端縁52と、を備えている。第1端縁51は、CW方向に向かって膨出する円弧状に延びている。第2端縁52は、CCW方向に向かって膨出する円弧状に延びている。
【0045】
上表示板50におけるムーブメント10の裏側を向く面には、一対の目盛り指示部54A,54Bが設けられている。目盛り指示部54A,54Bは、上表示板50の回転位置に応じて、文字板11の目盛り15(図1参照)を指示するマークである。一対の目盛り指示部54A,54Bは、第2軸線P回りの周方向で互いに180°ずれた位置に設けられている。第1の目盛り指示部54Aは、上表示板50の径方向において、第1端縁51の外側の端部近傍に設けられている。第2の目盛り指示部54Bは、上表示板50の径方向において、第2端縁52の外側の端部近傍に設けられている。なお、図示の例では、上表示板50におけるムーブメント10の裏側を向く面には、複数の星マークが表示されている。複数の星マークは、ランダムに配置されている。
【0046】
本実施形態のムーブメント10は、第2機構モジュール21Bの複数のモータ30A,30Bおよび複数の出力軸31A,31Bと、下表示板40と、上表示板50と、制御部23と、を有する表示機構20をさらに備えている。表示機構20は、太陽および月の状態表示を行う。以下、本実施形態の表示機構20の動作について、図5および図6を参照して説明する。なお、以下の説明における各構成部品の符号については、図1から図4を参照されたい。
【0047】
最初に日の出前から日没後までの表示形態について説明する。
図5および図6は、第1実施形態の表示機構の表示例を示す図である。図5で示す例は、夏至の日の出前から、夏至の翌日の日の出前までの表示形態である。図6で示す例は、冬至の日の出前から、冬至の翌日の日の出前までの表示形態である。
表示機構20は、日の出の時刻の第1所定時間(図5に示す例では30分、図6に示す例では28分)前の薄明時から、日没時刻の第1所定時間経過後まで、太陽の位置、および日の出の時刻または日没時刻を表示する。
【0048】
制御部23は、日の出前の薄明時に、上表示板50の第1の目盛り指示部54Aによって数字目盛り16における日の出の時刻を指示するように、第1モータ30Aを制御する。また、制御部23は、日の出前の薄明時に、上表示板50によって太陽マーク43の本体部43aが覆われつつ、上表示板50の第1端縁51から太陽マーク43の放射部43bがCW方向に露出するように、第2モータ30Bを制御する。これにより、表示機構20は、方向目盛り17の「東」の文字が表示された領域の近傍で太陽マーク43の放射部43bを露出させることにより、日の出直前であることを表示する。
【0049】
制御部23は、日の出の時刻から第2所定時間後(図示の例では2分後)にかけて、太陽マーク43の本体部43aが上表示板50の第1端縁51から徐々に露出するように、第2モータ30Bを制御する。具体的に、制御部23は、上表示板50を静止させつつ、下表示板40をCW方向に回転させるように、第2モータ30B制御する。この際、制御部23は、日の出の時刻の第2所定時間後に、太陽マーク43の本体部43aが上表示板50から完全に露出するように、第2モータ30Bを制御する。これにより、表示機構20は、日の出の様子を表示する。
【0050】
制御部23は、日の出の時刻の第2所定時間経過後から、日没時刻の第2所定時間前にかけて、下表示板40および上表示板50をCW方向に回転させるように、複数のモータ30A,30Bを制御する。この際、制御部23は、正中の時刻に、第2軸線P周りの周方向において太陽マーク43が方向目盛り17の「正中」の文字と同じ位置に位置するように、第2モータ30Bを制御する。すなわち、制御部23は、正中の時刻に、第2軸線Pに対する上側に太陽マーク43が位置するように、第2モータ30Bを制御する。また、制御部23は、正中の時刻に第1の目盛り指示部54Aが数字目盛り16の「6」を指示し、第2の目盛り指示部54Bが数字目盛り16の「18」を指示するように、第1モータ30Aを制御する。なお、日の出の時刻の第2所定時間経過後から、日没時刻の第2所定時間前にかけての下表示板40および上表示板50の移動は、CW方向に回転させること以外、特に限定されない。例えば、下表示板40および上表示板50は、日の出の時刻の第2所定時間経過後から、日没時刻の第2所定時間前にかけて、連続的にCW方向に回転する。
【0051】
制御部23は、日没時刻の第2所定時間前に、上表示板50の第2の目盛り指示部54Bによって、数字目盛り16における日没時刻の時に対応する数字を指示するように、第1モータ30Aを制御する。また、制御部23は、日没の第2所定時間前から日没時刻にかけて、太陽マーク43の本体部43aが上表示板50の第2端縁52の内側に徐々に覆われるように、第2モータ30Bを制御する。具体的に、制御部23は、上表示板50を静止させつつ、下表示板40をCW方向に回転させるように、第2モータ30Bを制御する。この際、制御部23は、日没時刻に、太陽マーク43の本体部43aが上表示板50によって完全に覆われるように、第2モータ30Bを制御する。これにより、表示機構20は、日没の様子を表示する。その後、制御部23は、日没時刻から第1所定時間後まで、表示状態を維持する。
【0052】
このように、制御部23は、日出没時において、上表示板50によって覆われる太陽マーク43の面積が変化するように、複数のモータ30A,30Bを制御する。また、制御部23は、日の出時において、数字目盛り16と目盛り指示部54A,54Bとの組み合わせによって日の出の時刻を表示するように、複数のモータ30A,30Bを制御する。また、制御部23は、日没時において、数字目盛り16と目盛り指示部54A,54Bとの組み合わせによって日没時刻を表示するように、複数のモータ30A,30Bを制御する。
【0053】
次に、日没後から日の出前までの表示形態について説明する。
表示機構20は、日没時刻の第1所定時間経過後から、翌日の日の出の時刻の第1所定時間前まで、月の位置および月齢を表示する。
【0054】
制御部23は、月マーク44と方向目盛り17との組み合わせによって現在時刻における月の位置を表示するように第2モータ30Bを制御する。例えば、月マーク44が第2軸線P周りの周方向において方向目盛り17の「正中」の文字と同じ位置に位置するとき、月が正中したことを意味する。また、月マーク44の中心が方向目盛り17の「東」と「西」とを結ぶ線分よりも下側に位置する場合、月が月の入りし、月が地平線下に位置していることを意味する。
【0055】
制御部23は、上表示板50の第1端縁51または第2端縁52を月マーク44に重ねることによって当日の月齢に応じた月の形状を表現するように、第1モータ30Aを制御する。具体的に、制御部23は、月齢が1以上15未満の場合、上表示板50の第1端縁51を月マーク44に重ねるように、第1モータ30Aを制御する。また、制御部23は、月齢が16以上29未満の場合、上表示板50の第2端縁52を月マーク44に重ねるように、第1モータ30Aを制御する。また、制御部23は、月齢が0以上1未満の場合、および月齢が29以上の場合、上表示板50を月マーク44の全体に重ねるように、第1モータ30Aを制御する。また制御部23は、月齢が15以上16未満の場合、上表示板50が月マーク44に重ならないように、第1モータ30Aを制御する。
【0056】
このように、制御部23は、日没後から日の出前までにおいて、上表示板50によって月マーク44の一部を覆いつつ下表示板40および上表示板50を回転させるように、複数のモータ30A,30Bを制御する。
【0057】
以上に詳述したように、本実施形態の表示機構20は、複数のモータ30A,30Bと、複数のモータ30A,30Bによりそれぞれ独立して駆動され、互いに同軸に設けられた複数の出力軸31A,31Bと、第2出力軸31Bに取り付けられ、太陽マーク43および月マーク44が表示された表示面41を有する下表示板40と、第1出力軸31Aに取り付けられ、下表示板40に対して回転可能に設けられ、下表示板40の表示面41の一部を覆う上表示板50と、複数のモータ30A,30Bを制御する制御部23と、を備える。
この構成によれば、制御部23によって下表示板40および上表示板50を互いに独立して任意に回転させることができる。このため、下表示板40の表示面41に表示された太陽マーク43および月マーク44の位置を変化させることができるとともに、上表示板50によって太陽マーク43および月マーク44を覆うことで太陽マーク43および月マーク44の視認状態を変化させることができる。したがって、時刻に応じて変化する情報、および日付に応じて変化する情報のように、互いに相違するパラメータに応じて変化する複数の情報を同時に表示できる。
【0058】
また、下表示板40および上表示板50は、制御部23によって任意に回転するので、現在時刻にのみ連動して回転する場合と比較して、表示できる情報の種類が多くなる。
【0059】
また、制御部23は、上表示板50によって月マーク44の一部を覆いつつ下表示板40および上表示板50を回転させるように、複数のモータ30A,30Bを制御する。この構成によれば、月マーク44の一部のみが視認可能な状態で、月マーク44の位置を変化させることができる。これにより、表示機構20は、月齢に応じた満ち欠けが表現された月マーク44を移動させることができる。したがって、月齢および月の位置を同時に表示することができる。
【0060】
また、制御部23は、上表示板50によって覆われる太陽マーク43の面積が変化するように、複数のモータ30A,30Bを制御する。この構成によれば、上表示板50の任意の回転位置において、太陽マーク43の視認状態を変化させることができる。これにより、日出没時のように太陽の一部が地平線下に位置する状態を任意の位置に表示することができる。したがって、太陽マーク43および上表示板50の回転位置を日出没時刻に対応付けることで、日出没時の太陽の状態と、日出没時刻と、を同時に表示することができる。
【0061】
また、制御部23は、数字目盛り16と目盛り指示部54A,54Bとの組み合わせによって、日の出の時刻、および日没時刻を表示するように、複数のモータ30A,30Bを制御する。この構成によれば、上表示板50の回転位置を地域や日付等に応じて設定することによって、地域や日付等に応じた日出没時刻を表示することができる。
【0062】
そして、本実施形態のムーブメント10は、上述の表示機構20を備えている。また、本実施形態の時計1は、ムーブメント10を備える。このため、互いに相違するパラメータに応じて変化する複数の情報を同時に表示できるムーブメント10および時計1を提供できる。
【0063】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の時計101、ムーブメント110および表示機構120について説明する。第2実施形態では、上表示板150が第1上表示板150Aおよび第2上表示板150Bを備える点で、第1実施形態と異なっている。なお、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0064】
図7は、第2実施形態の時計の平面図である。
図7に示すように、時計101のコンプリートは、時計ケース4の内部に、ムーブメント110、文字板11、時針12および分針13を備える。
【0065】
図8は、第2実施形態のムーブメントを裏側から見た斜視図である。図9は、第2実施形態のムーブメントを表側から見た斜視図である。
図8および図9に示すように、ムーブメント110は、第1機構モジュール21Aおよび第2機構モジュール121Bと、制御部23と、モジュール枠25と、第2機構モジュール121Bに取り付けられた下表示板40および上表示板150と、を備えている。
【0066】
図10は、第2実施形態のムーブメントの一部を示す分解斜視図である。
図9および図10に示すように、第2機構モジュール121Bは、複数(本実施形態では3個)のモータ130A,130B,130Cと、互いに独立して駆動される複数(本実施形態では3個)の出力軸131A,131B,131Cと、を備えている。複数のモータ130A,130B,130Cは、第1モータ130Aと、第2モータ130Bと、第3モータ130Cと、である。
【0067】
複数の出力軸131A,131B,131Cは、複数のモータ130A,130B,130Cと同数設けられている。複数の出力軸131A,131B,131Cは、第1モータ130Aにより駆動される第1出力軸131Aと、第2モータ130Bにより駆動される第2出力軸131Bと、第3モータ130Cにより駆動される第3出力軸131Cと、である。複数の出力軸131A,131B,131Cは、互いに同軸に設けられている。第2出力軸131Bは、中空状に形成され、第1出力軸131Aに外挿されている。第3出力軸131Cは、中空状に形成され、第2出力軸131Bに外挿されている。
【0068】
図7および図10に示すように、複数の出力軸131A,131B,131Cは、ムーブメント110の表裏方向に沿って延び、ムーブメント110の裏側に向かって突出している。出力軸131A,131B,131Cは、第2軸線Pを中心軸線とし、文字板11の窓部14の中心と同心となるように配置されている。第2機構モジュール121Bの出力軸131A,131B,131Cには、下表示板40および上表示板150が取り付けられている。
【0069】
図10に示すように、下表示板40は、第2機構モジュール121Bの第3出力軸131Cに取り付けられている。上表示板150は、第2軸線Pの軸方向に互いに重ね合わせて設けられた第1上表示板150Aおよび第2上表示板150Bを備える。第1上表示板150Aおよび第2上表示板150Bは、互いに独立して回転可能に設けられている。第1上表示板150Aは、第2機構モジュール121Bの第1出力軸131Aに取り付けられている。第2上表示板150Bは、第2機構モジュール121Bの第2出力軸131Bに取り付けられている。上表示板150は、ムーブメント110の表裏方向から見て、文字板11の窓部14の内側に配置されている(図7参照)。
【0070】
第1上表示板150Aは、下表示板40に対して回転可能に設けられている。第1上表示板150Aは、下表示板40の表示面41の一部を覆う。第1上表示板150Aは、第2軸線Pを中心とする中心角が180°よりも小さい扇形状に形成されている。第1上表示板150Aは、CW方向に向く第1端縁151A(第1凹端縁)と、CCW方向に向く第2端縁152A(第2凸端縁)と、を備えている。第1端縁151Aは、CCW方向に向かって窪む円弧状に延びている。第2端縁152Aは、CCW方向に向かって膨出する曲線状に延びている。
【0071】
第2上表示板150Bは、下表示板40に対して回転可能に設けられている。第2上表示板150Bは、下表示板40の表示面41の一部を覆う。第2上表示板150Bは、ムーブメント110の表裏方向から見て、第2軸線P回りの周方向で対称となるように形成されている。第2上表示板150Bは、CW方向に向く第1端縁151B(第1凸端縁)と、CCW方向に向く第2端縁152B(第2凹端縁)と、を備えている。第1端縁151Bは、CW方向に向かって膨出する曲線状に延びている。第2端縁152Bは、CW方向に向かって窪む円弧状に延びている。
【0072】
上表示板150におけるムーブメント110の裏側を向く面には、一対の目盛り指示部54A,54Bが設けられている。目盛り指示部54A,54Bは、上表示板150の回転位置に応じて、文字板11の目盛り15(図7参照)を指示するマークである。第1の目盛り指示部54Aは、第2上表示板150Bの径方向において、第2上表示板150Bの第1端縁151Bの外側の端部近傍に設けられている。第2の目盛り指示部54Bは、第1上表示板150Aの径方向において、第1上表示板150Aの第2端縁152Aの外側の端部近傍に設けられている。なお、図示の例では、第1上表示板150Aおよび第2上表示板150Bにおけるムーブメント110の裏側を向く面には、複数の星マークが表示されている。複数の星マークは、ランダムに配置されている。
【0073】
本実施形態のムーブメント110は、第2機構モジュール121Bの複数のモータ130A,130B,130Cおよび複数の出力軸131A,131B,131Cと、下表示板40と、上表示板150と、制御部23と、を有する表示機構120をさらに備えている。表示機構120は、太陽および月の状態表示を行う。以下、本実施形態の表示機構120の動作について、図11および図12を参照して説明する。なお、以下の説明における各構成部品の符号については、図7から図10を参照されたい。
【0074】
最初に日の出前から日没後までの表示形態について説明する。
図11は、第2実施形態の表示機構の表示例を示す図である。図11に示す例は、夏至および冬至における正中時の表示形態である
【0075】
図11に示すように、表示機構120は、日の出の時刻の第1所定時間前から、日没時刻の第1所定時間経過後まで、太陽の位置、日の出の時刻、および日没時刻を表示する。制御部23は、日の出の時刻の第1所定時間前の薄明時から、日没時刻の第1所定時間経過後まで、第2上表示板150Bの第1の目盛り指示部54Aによって数字目盛り16における日の出の時刻を指示するように、第2モータ130Bを制御する。また、制御部23は、日の出の時刻の第1所定時間前の薄明時から、日没時刻の第1所定時間経過後まで、第1上表示板150Aの第2の目盛り指示部54Bによって数字目盛り16における日没時刻を指示するように、第1モータ130Aを制御する。
【0076】
制御部23は、図示しないが、日の出の時刻から第2所定時間後にかけて、太陽マーク43の本体部43aが第2上表示板150Bの第1端縁151Bから徐々に露出するように、第3モータ130Cを制御する。具体的に、制御部23は、上表示板150を静止させつつ、下表示板40をCW方向に回転させるように、第3モータ130Cを制御する。これにより、表示機構120は、日の出の様子を表示する。
【0077】
制御部23は、日の出の時刻の第2所定時間経過後から、日没時刻の第2所定時間前にかけて、下表示板40をCW方向に回転させるように、第3モータ130Cを制御する。この際、制御部23は、正中の時刻に、第2軸線P回りの周方向において太陽マーク43が方向目盛り17の「正中」の文字と同じ位置に位置するように、第3モータ130Cを制御する。この間、上表示板150は静止している。
【0078】
制御部23は、図示しないが、日没の第2所定時間前から日没時刻にかけて、太陽マーク43の本体部43aが第1上表示板150Aの第2端縁152Aの内側に徐々に覆われるように、第3モータ130Cを制御する。具体的に、制御部23は、上表示板150を静止させつつ、下表示板40をCW方向に回転させるように、第3モータ130Cを制御する。この際、制御部23は、日没時刻に、太陽マーク43の本体部43aが上表示板150によって完全に覆われるように、第3モータ130Cを制御する。これにより、表示機構120は、日没の様子を表示する。
【0079】
このように、制御部23は、日出没時において、上表示板150によって覆われる太陽マーク43の面積が変化するように、複数のモータ130A,130B,130Cを制御する。また、制御部23は、日出没時を含む日の出から日没までの時間において、数字目盛り16と目盛り指示部54A,54Bとの組み合わせによって、日の出の時刻、および日没時刻の両方を表示するように、複数のモータ130A,130B,130Cを制御する。
【0080】
次に、日没後から日の出前までの表示形態について説明する。
図12は、第2実施形態の表示機構の表示例を示す図である。図12に示す例は、月齢の異なる複数の日の夜間の表示形態である。
【0081】
図12に示すように、表示機構120は、第1実施形態の表示機構20と同様に、日没時刻の第1所定時間経過後から、翌日の日の出の時刻の第1所定時間前まで、月の位置および月齢を表示する。制御部23は、第1上表示板150Aの第1端縁151Aもしくは第2端縁152A、または第2上表示板150Bの第1端縁151Bもしくは第2端縁152Bを月マーク44に重ねることによって、当日の月齢に応じた月の形状を表現するように、第1モータ130Aおよび第2モータ130Bを制御する。月の位置の表現方法は、第1実施形態の表示機構20と同様である。
【0082】
ここで、表示機構120における月齢に応じた月の形状の表現方法について詳述する。
制御部23は、月齢が1以上7未満の場合、第2上表示板150Bの第1端縁151Bを月マーク44に重ねるように、かつ第1上表示板150Aが月マーク44に重ならないように、第1モータ130Aおよび第2モータ130Bを制御する。さらに、制御部23は、第1上表示板150Aおよび第2上表示板150Bによって下表示板40の昼間表示領域41aの略全体を覆うように、第1モータ130Aおよび第2モータ130Bを制御する。これにより、表示機構120は、三日月のように、上弦の月(半月)よりも欠けた月の形状を表現することができる。
【0083】
制御部23は、月齢が7以上15未満の場合、第1上表示板150Aの第1端縁151Aを月マーク44に重ねるように、かつ第2上表示板150Bが月マーク44に重ならないように、第1モータ130Aおよび第2モータ130Bを制御する。さらに、制御部23は、第1上表示板150Aおよび第2上表示板150Bによって下表示板40の昼間表示領域41aの略全体を覆うように、第1モータ130Aおよび第2モータ130Bを制御する。これにより、表示機構120は、上弦の月(半月)よりも満ちた月の形状を表現することができる。
【0084】
制御部23は、月齢が16以上22未満の場合、第2上表示板150Bの第2端縁152Bを月マーク44に重ねるように、かつ第1上表示板150Aが月マーク44に重ならないように、第1モータ130Aおよび第2モータ130Bを制御する。さらに、制御部23は、第1上表示板150Aおよび第2上表示板150Bによって下表示板40の昼間表示領域41aの略全体を覆うように、第1モータ130Aおよび第2モータ130Bを制御する。これにより、表示機構120は、下弦の月(半月)よりも満ちた月の形状を表現することができる。
【0085】
制御部23は、月齢が22以上29.5未満の場合、第1上表示板150Aの第2端縁152Aを月マーク44に重ねるように、かつ第2上表示板150Bが月マーク44に重ならないように、第1モータ130Aおよび第2モータ130Bを制御する。さらに、制御部23は、第1上表示板150Aおよび第2上表示板150Bによって下表示板40の昼間表示領域41aの略全体を覆うように、第1モータ130Aおよび第2モータ130Bを制御する。これにより、表示機構120は、下弦の月(半月)よりも欠けた月の形状を表現することができる。
【0086】
なお図示しないが、制御部23は、月齢が15以上16未満の場合、第1上表示板150Aおよび第2上表示板150Bが月マーク44に重ならないように、第1モータ130Aおよび第2モータ130Bを制御する。さらに、制御部23は、第1上表示板150Aおよび第2上表示板150Bによって下表示板40の昼間表示領域41aの略全体を覆うように、第1モータ130Aおよび第2モータ130Bを制御する。これにより、表示機構120は、満月の形状を表現することができる。
【0087】
また、制御部23は、月齢が0以上1未満の場合、および月齢が29.5以上の場合、第1上表示板150Aまたは第2上表示板150Bが月マーク44の全体に重なるように、第1モータ130Aおよび第2モータ130Bを制御する。さらに、制御部23は、第1上表示板150Aおよび第2上表示板150Bによって下表示板40の昼間表示領域41aの略全体を覆うように、第1モータ130Aおよび第2モータ130Bを制御する。これにより、表示機構120は、新月を表現することができる。
【0088】
このように、制御部23は、日没後から日の出前までにおいて、上表示板150によって月マーク44の一部を覆いつつ下表示板40および上表示板150を回転させるように、複数のモータ130A,130B,130Cを制御する。
【0089】
以上に詳述したように、本実施形態の表示機構120は、複数のモータ130A,130B,130Cと、複数のモータ130A,130B,130Cによりそれぞれ独立して駆動され、互いに同軸に設けられた複数の出力軸131A,131B,131Cと、第3出力軸131Cに取り付けられた下表示板40と、第1出力軸131Aおよび第2出力軸131Bに取り付けられ、下表示板40に対して回転可能に設けられ、下表示板40の表示面41の一部を覆う上表示板150と、複数のモータ130A,130B,130Cを制御する制御部23と、を備える。この構成によれば、第1実施形態の表示機構20と同様の効果を奏することができる。
【0090】
さらに、本実施形態では、上表示板150は、第2軸線Pの軸方向に互いに重ね合わせて設けられた第1上表示板150Aおよび第2上表示板150Bを備える。第1上表示板150Aおよび第2上表示板150Bは、互いに独立して回転可能に設けられている。この構成によれば、上表示板150によって覆われる下表示板40の表示面41の面積を適宜変化させることができる。これにより、例えば、日の出から日没までの時間に太陽マーク43を上表示板150から露出した領域で移動させる際に、上表示板150から露出した表示面41の面積を地域や日付等に応じて変化させることで、日の出から日没までの時間の長さを地域や日付等に応じて表示することができる。したがって、より多くの情報を表示することが可能となる。
【0091】
また、上表示板150は、CW方向に向き、CW方向に向かって膨出する第1端縁151Bと、CCW方向に向き、CCW方向に向かって膨出する第2端縁152Aと、CW方向に向き、CCW方向に向かって窪む第1端縁151Aと、CCW方向に向き、CW方向に向かって窪む第2端縁152Bと、を備える。この構成によれば、第1端縁151Bまたは第2端縁152Aを月マーク44に重ねることによって、半月よりも欠けた月の形状を表現することができる。また、第1端縁151Aまたは第2端縁152Bを月マーク44に重ねることによって、半月よりも満ちた月の形状を表現することができる。
【0092】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の時計201、ムーブメント210および表示機構220について説明する。第3実施形態では、下表示板240の表示面241に太陽マークが表示されていない点で、第1実施形態と異なっている。なお、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0093】
図13は、第3実施形態の時計の平面図である。
図13に示すように、時計201のコンプリートは、時計ケース4の内部に、ムーブメント210、文字板211、時針12および分針13を備える。
【0094】
文字板211は、円板状に形成されている。文字板211には、文字板211を貫通する窓部14と、窓部14の開口縁に沿って配置された目盛り215と、が設けられている。目盛り215は、時間に関する情報を示す数字目盛り216と、方向に関する情報を示す方向目盛り17と、を備える。
【0095】
数字目盛り216は、後述する目盛り指示部246との組み合わせにより月の出からの経過時間を表示する。図示の例では、数字目盛り216は、第2軸線P回りを等角度間隔で並ぶ「0」から「24」の整数を表示している。この場合、数字目盛り216は、窓部14に対する上側に表示された「0」を起点とし、ムーブメント210の裏側から見て第2軸線P回りの時計回り方向に順に「0」から「24」まで並んでいる。
【0096】
図14は、第3実施形態のムーブメントの一部を示す分解斜視図である。
図14に示すように、ムーブメント210は、第2機構モジュール21Bと、第2機構モジュール21Bに取り付けられた下表示板240および上表示板250と、を備えている。
【0097】
下表示板240および上表示板250は、第2機構モジュール21Bの複数の出力軸31A,31Bのうち、互いに異なる出力軸に取り付けられている。下表示板240は、第2機構モジュール21Bの第2出力軸31Bに取り付けられている。上表示板250は、第2機構モジュール21Bの第1出力軸31Aに取り付けられている。下表示板240および上表示板250は、ムーブメント210の表裏方向から見て、文字板211の窓部14の内側に配置されている(図13参照)。
【0098】
下表示板240は、第2軸線Pを中心とする円板状に形成されている。下表示板240は、ムーブメント210の裏側を向く表示面241を有する。表示面241は、文字板211の窓部14を通じて視認可能とされている(図13参照)。表示面241の全体には、夜間表示領域241bが設けられている。表示面241の夜間表示領域241bには、月を示す月マーク44を含む絵柄が表示されている。月マーク44は、円形状に形成されている。なお、図示の例では、表示面241に表示された絵柄として、複数の星マークを含んでいる。複数の星マークは、表示面241の全体において、月マーク44を避けつつランダムに配置されている。
【0099】
また、下表示板240の表示面241には、目盛り指示部246が設けられている。目盛り指示部246は、下表示板240の回転位置に応じて、文字板211の目盛り215(図13参照)を指示するマークである。目盛り指示部246は、第2軸線P回りの周方向において、月マーク44の中心に対してCW方向に90°ずれた位置に設けられている。
【0100】
上表示板250は、下表示板240に対して回転可能に設けられている。上表示板250は、下表示板240の表示面241の一部を覆う。上表示板250は、第2軸線Pを中心とする中心角が180°よりも大きい扇形状に形成されている。上表示板250は、CW方向に向く第1端縁251(第1凸端縁)と、CCW方向に向く第2端縁252(第2凸端縁)と、を備えている。第1端縁251は、CW方向に向かって膨出する円弧状に延びている。第2端縁252は、CCW方向に向かって膨出する円弧状に延びている。
【0101】
さらに、上表示板250には、下表示板240の表示面241をムーブメント210の裏側に向けて露出させる開口部256が形成されている。開口部256は、第2軸線P回りの周方向の中央に設けられている。開口部256は、上表示板250の外周縁から第2軸線Pに向かって切り欠かれている。開口部256は、CW方向に向く第1開口縁257(第1凹端縁)と、CCW方向に向く第2開口縁258(第2凹端縁)と、により画成されている。第1開口縁257は、CCW方向に向かって窪む円弧状に延びている。第2開口縁258は、CW方向に向かって窪む円弧状に延びている。開口部256は、第1開口縁257と第2開口縁258との間に月マーク44の全体が配置可能に形成されている。上表示板250は、第1端縁251と第2開口縁258との間の部分、および第2端縁252と第1開口縁257との間の部分のそれぞれによって、月マーク44の全体を覆うことが可能となるように形成されている。
【0102】
本実施形態のムーブメント210は、第2機構モジュール21Bの複数のモータ30A,30Bおよび複数の出力軸31A,31Bと、下表示板240と、上表示板250と、制御部23と、を有する表示機構220をさらに備える。以下、本実施形態の表示機構220の動作について、図15を参照して説明する。なお、以下の説明における各構成部品の符号については、図13および図14を参照されたい。
【0103】
図15は、第3実施形態の表示機構の表示例を示す図である。図15に示す例は、月齢の異なる複数の日の夜間の表示形態である。
表示機構220は、第1実施形態の表示機構20と同様に、日没時刻から第1所定時間経過後から、翌日の日の出の時刻の第1所定時間前まで、月の位置、月の出からの経過時間、および月齢を表示する。制御部23は、上表示板250の第1端縁251もしくは第2端縁252、または上表示板250の開口部256の第1開口縁257もしくは第2開口縁258を月マーク44に重ねることによって、当日の月齢に応じた月の形状を表現するように、第1モータ30Aを制御する。月の位置の表現方法は、第1実施形態の表示機構20と同様である。月の出からの経過時間は、目盛り指示部246によって指示される数字目盛り216の数字である。
【0104】
ここで、表示機構220における月齢に応じた月の形状の表現方法について詳述する。
制御部23は、月齢が1以上7未満の場合、上表示板250の第1端縁251を月マーク44に重ねるように、第1モータ30Aを制御する。これにより、表示機構220は、三日月のように、上弦の月(半月)よりも欠けた月の形状を表現することができる。
【0105】
制御部23は、月齢が7以上15未満の場合、上表示板250の開口部256の第1開口縁257を月マーク44に重ねるように、第1モータ30Aを制御する。これにより、表示機構220は、上弦の月(半月)よりも満ちた月の形状を表現することができる。
【0106】
制御部23は、月齢が15以上16未満の場合、上表示板250の開口部256の内側に月マーク44が位置するように、第1モータ30Aを制御する。これにより、表示機構220は、満月の形状を表現することができる。なお、制御部23は、月齢が15以上16未満の場合、上表示板250の第1端縁251よりもCW方向下流側、かつ第2端縁252よりもCCW方向下流側に月マーク44が位置するように、第1モータ30Aを制御してもよい。
【0107】
制御部23は、月齢が16以上22未満の場合、上表示板250の開口部256の第2開口縁258を月マーク44に重ねるように、第1モータ30Aを制御する。これにより、表示機構220は、下弦の月(半月)よりも満ちた月の形状を表現することができる。
【0108】
制御部23は、月齢が22以上29.5未満の場合、上表示板250の第2端縁252を月マーク44に重ねるように、第1モータ30Aを制御する。これにより、表示機構220は、下弦の月(半月)よりも欠けた月の形状を表現することができる。
【0109】
なお図示しないが、制御部23は、月齢が0以上1未満の場合、および月齢が29.5以上の場合、上表示板250が月マークの全体に重なるように、第1モータ30Aを制御する。これにより、表示機構220は、新月を表現することができる。
【0110】
このように、制御部23は、日没後から日の出前までにおいて、上表示板250によって月マーク44の一部を覆いつつ下表示板240および上表示板250を回転させるように、複数のモータ30A,30Bを制御する。
【0111】
以上に詳述したように、本実施形態の表示機構220は、複数のモータ30A,30Bと、複数のモータ30A,30Bによりそれぞれ独立して駆動され、互いに同軸に設けられた複数の出力軸31A,31Bと、第2出力軸31Bに取り付けられ、月マーク44が表示された表示面241を有する下表示板240と、第1出力軸31Aに取り付けられ、下表示板240に対して回転可能に設けられ、下表示板240の表示面241の一部を覆う上表示板250と、複数のモータ30A,30Bを制御する制御部23と、を備える。この構成によれば、第1実施形態の表示機構20と同様に、時刻に応じて変化する情報、および日付に応じて変化する情報のように、互いに相違するパラメータに応じて変化する複数の情報を同時に表示できる。
【0112】
さらに、本実施形態では、上表示板250は、CW方向に向き、CW方向に向かって膨出する第1端縁251と、CCW方向に向き、CCW方向に向かって膨出する第2端縁252と、CW方向に向き、CCW方向に向かって窪む第1開口縁257と、CCW方向に向き、CW方向に向かって窪む第2開口縁258と、を備える。この構成によれば、第2実施形態の表示機構120と同様に、半月よりも欠けた月の形状、および半月よりも満ちた月の形状を表現することができる。
【0113】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態の時計301、ムーブメント310および表示機構320について説明する。第4実施形態では、下表示板340の表示面341に、半円状に形成された月マークを含む月マーク344が表示されている点で、第3実施形態と異なっている。なお、以下で説明する以外の構成は、第3実施形態と同様である。
【0114】
図16は、第4実施形態の時計の平面図である。
図16に示すように、時計301のコンプリートは、時計ケース4の内部に、ムーブメント310、文字板311、時針12および分針13を備える。
【0115】
文字板311は、円板状に形成されている。文字板311には、文字板311を貫通する窓部14と、窓部14の開口縁に沿って配置された方向目盛り17と、が設けられている。
【0116】
図17は、第4実施形態のムーブメントの一部を示す分解斜視図である。
図17に示すように、ムーブメント310は、第2機構モジュール21Bと、第2機構モジュール21Bに取り付けられた下表示板340および上表示板350と、を備えている。
【0117】
下表示板340および上表示板350は、第2機構モジュール21Bの複数の出力軸31A,31Bのうち、互いに異なる出力軸に取り付けられている。下表示板340は、第2機構モジュール21Bの第2出力軸31Bに取り付けられている。上表示板350は、第2機構モジュール21Bの第1出力軸31Aに取り付けられている。下表示板340および上表示板350は、ムーブメント310の表裏方向から見て、文字板311の窓部14の内側に配置されている(図16参照)。
【0118】
下表示板340は、第2軸線Pを中心とする円板状に形成されている。下表示板340は、ムーブメント310の裏側を向く表示面341を有する。表示面341は、文字板311の窓部14を通じて視認可能とされている(図16参照)。表示面341の全体には、夜間表示領域341bが設けられている。表示面341の夜間表示領域341bには、月を示す月マーク344を含む絵柄が表示されている。月マーク344は、円形状に形成され満月を示す満月マーク344Aと、満月マーク344Aと同径の半円状に形成され上弦の月を示す上弦月マーク344B(半月マーク)と、満月マーク344Aと同径の半円状に形成され下弦の月を示す下弦月マーク344C(半月マーク)と、を含む。月マーク344は、満月マーク344A、上弦月マーク344B、下弦月マーク344Cがこの順にCCW方向に並ぶように設けられている。なお、図示の例では、表示面341に表示された絵柄として、複数の星マークを含んでいる。複数の星マークは、表示面341の全体において、月マーク344を避けつつランダムに配置されている。
【0119】
上表示板350は、下表示板340に対して回転可能に設けられている。上表示板350は、下表示板340の表示面341の一部を覆う。上表示板350は、第2軸線Pを中心とする円形状に形成されている。上表示板350には、下表示板340の表示面341をムーブメント310の裏側に向けて露出させる第1開口部356Aおよび第2開口部356Bが形成されている。第1開口部356Aは、上表示板350の外周縁から第2軸線Pに向かって切り欠かれている。第1開口部356Aは、CW方向に向く第1開口縁351(第1凸端縁)と、CCW方向に向く第2開口縁352(第2凸端縁)と、により画成されている。第1開口縁351は、CW方向に向かって膨出する円弧状に延びている。第2開口縁352は、CCW方向に向かって膨出する円弧状に延びている。第1開口部356Aは、第1開口縁351と第2開口縁352との間に満月マーク344Aの全体が配置可能に形成されている。これにより、第1開口部356Aは、第1開口縁351と第2開口縁352との間に上弦月マーク344Bの全体、および下弦月マーク344Cが各別に配置可能となっている。
【0120】
第2開口部356Bは、第2軸線P回りの周方向において、第1開口部356Aに対して180°ずれた位置に設けられている。第2開口部356Bは、上表示板350の外周縁から第2軸線Pに向かって切り欠かれている。第2開口部356Bは、CW方向に向く第3開口縁357(第1凹端縁)と、CCW方向に向く第4開口縁358(第2凹端縁)と、により画成されている。第3開口縁357は、CCW方向に向かって窪む円弧状に延びている。第4開口縁358は、CW方向に向かって窪む円弧状に延びている。第2開口部356Bは、第3開口縁357と第4開口縁358との間に月マーク44の全体が配置可能に形成されている。上表示板350は、第1開口縁351と第4開口縁358との間の部分、および第2開口縁352と第3開口縁357との間の部分のそれぞれによって、満月マーク344A、上弦月マーク344Bおよび下弦月マーク344Cそれぞれの全体を各別に覆うことが可能となるように形成されている。
【0121】
本実施形態のムーブメント310は、第2機構モジュール21Bの複数のモータ30A,30Bおよび複数の出力軸31A,31Bと、下表示板340と、上表示板350と、制御部23と、を有する表示機構320をさらに備える。以下、本実施形態の表示機構320の動作について、図18を参照して説明する。なお、以下の説明における各構成部品の符号については、図16および図17を参照されたい。
【0122】
図18は、第4実施形態の表示機構の表示例を示す図である。図18に示す例は、月齢の異なる複数の日の夜間の表示形態である。 表示機構320は、第3実施形態の表示機構220と同様に、月の位置、および月齢を表示する。制御部23は、上表示板350の第1開口部356Aの第1開口縁351もしくは第2開口縁352、または上表示板350の第2開口部356Bの第3開口縁357もしくは第4開口縁358を月マーク344に重ねることによって、当日の月齢に応じた月の形状を表現するように、第1モータ30Aを制御する。月の位置の表現方法は、第1実施形態の表示機構20と同様である。
【0123】
図18において、表示機構320における月齢に応じた月の形状の表現方法について詳述する。
制御部23は、月齢が0以上1未満の場合、および月齢が29.5以上の場合、上表示板350が月マーク344の全体に重なるように、第1モータ30Aを制御する。これにより、表示機構320は、新月を表現することができる。
【0124】
制御部23は、月齢が1以上7未満の場合、上表示板350の第1開口部356Aの第1開口縁351を上弦月マーク344Bに重ねるように、第1モータ30Aを制御する。これにより、表示機構320は、三日月のように、上弦の月(半月)よりも欠けた月の形状を表現することができる。なお、制御部23は、月齢が1以上7未満の場合、上表示板350の第1開口部356Aの第1開口縁351を満月マーク344Aに重ねるように、第1モータ30Aを制御してもよい。
【0125】
制御部23は、月齢が8以上9未満の場合、上表示板350の第1開口部356Aの内側に上弦月マーク344Bが位置するように、第1モータ30Aを制御する。これにより、表示機構320は、上弦の月の形状を表現することができる。
【0126】
制御部23は、月齢が9以上15未満の場合、上表示板350の第2開口部356Bの第3開口縁357を満月マーク344Aに重ねるように、第1モータ30Aを制御する。これにより、表示機構220は、上弦の月(半月)よりも満ちた月の形状を表現することができる。
【0127】
制御部23は、月齢が15以上16未満の場合、上表示板350の第2開口部356Bの内側に満月マーク344Aが位置するように、第1モータ30Aを制御する。これにより、表示機構220は、満月の形状を表現することができる。なお、制御部23は、月齢が15以上16未満の場合、上表示板350の第1開口部356Aの内側に満月マーク344Aが位置するように、第1モータ30Aを制御してもよい。
【0128】
制御部23は、月齢が16以上22未満の場合、上表示板350の第2開口部356Bの第4開口縁358を満月マーク344Aに重ねるように、第1モータ30Aを制御する。これにより、表示機構220は、下弦の月(半月)よりも満ちた月の形状を表現することができる。
【0129】
制御部23は、月齢が22以上23未満の場合、上表示板350の第2開口部356Bの内側に下弦月マーク344Cが位置するように、第1モータ30Aを制御する。これにより、表示機構320は、下弦の月の形状を表現することができる。
【0130】
制御部23は、月齢が23以上29.5未満の場合、上表示板350の第1開口部356Aの第2開口縁352を下弦月マーク344Cに重ねるように、第1モータ30Aを制御する。これにより、表示機構320は、下弦の月(半月)よりも欠けた月の形状を表現することができる。なお、制御部23は、月齢が22以上23未満の場合、上表示板350の第1開口部356Aの第2開口縁352を満月マーク344Aに重ねるように、第1モータ30Aを制御してもよい。
【0131】
このように、制御部23は、上表示板350によって月マーク344の一部を覆いつつ下表示板340および上表示板350を回転させるように、複数のモータ30A,30Bを制御する。
【0132】
以上に詳述したように、本実施形態の表示機構320は、複数のモータ30A,30Bと、複数のモータ30A,30Bによりそれぞれ独立して駆動され、互いに同軸に設けられた複数の出力軸31A,31Bと、第2出力軸31Bに取り付けられ、月マーク344が表示された表示面341を有する下表示板340と、第1出力軸31Aに取り付けられ、下表示板340に対して回転可能に設けられ、下表示板340の表示面341の一部を覆う上表示板350と、複数のモータ30A,30Bを制御する制御部23と、を備える。この構成によれば、第1実施形態の表示機構20と同様に、時刻に応じて変化する情報、および日付に応じて変化する情報のように、互いに相違するパラメータに応じて変化する複数の情報を同時に表示できる。
【0133】
また、月マーク344は、円形状の満月マーク344Aと、半円状の上弦月マーク344Bおよび下弦月マーク344Cと、を含む。これにより、上弦月マーク344Bまたは下弦月マーク344Cの全体を視認させることにより、上弦の月および下弦の月のそれぞれを表現することができる。したがって、表示機構320は、月齢に応じた月の満ち欠けをより忠実に表現することができる。
【0134】
さらに、本実施形態では、上表示板350は、CW方向に向き、CW方向に向かって膨出する第1開口縁351と、CCW方向に向き、CCW方向に向かって膨出する第2開口縁352と、CW方向に向き、CCW方向に向かって窪む第3開口縁357と、CCW方向に向き、CW方向に向かって窪む第4開口縁358と、を備える。この構成によれば、第2実施形態の表示機構120と同様に、半月よりも欠けた月の形状、および半月よりも満ちた月の形状を表現することができる。
【0135】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、下表示板の表示面に少なくとも月マーク44が表示された構成を説明したが、これに限定されず、太陽マークのみが表示された構成であってもよい。
【0136】
また、上記実施形態では、下表示板40,240,340および上表示板50,150,250,350が文字板11の窓部14の内側に配置されているが、これに限定されない。例えば文字板に窓部を設けず、下表示板および上表示板が目盛り15,215の内側において文字板に重なるように設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、表示機構が文字板11を含まないものとして説明したが、これに限定されない。すなわち、ムーブメントに文字板11を含めるとともに、表示機構に目盛り15,215を含めてもよい。
【0137】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0138】
1,101,201…時計 10,110,210,310…ムーブメント 11…文字板 15…目盛り 20,120,220,320…表示機構 23…制御部 30A,130A…第1モータ(モータ) 30B,130B…第2モータ(モータ) 31A,131A…第1出力軸(出力軸) 31B,131B…第2出力軸(出力軸) 40,240,340…下表示板 41,241,341…表示面 43…太陽マーク(絵柄) 44,344…月マーク(絵柄) 50,150,250,350…上表示板 54A,54B,246…目盛り指示部 130C…第3モータ(モータ) 131C…第3出力軸(出力軸) 150A…第1上表示板 150B…第2上表示板 151A…第1端縁(第1凹端縁) 151B…第1端縁(第1凸端縁) 152A…第2端縁(第2凸端縁) 152B…第2端縁(第2凹端縁) 246…目盛り指示部 251…第1端縁(第1凸端縁) 252…第2端縁(第2凸端縁) 257…第1開口縁(第1凹端縁) 258…第2開口縁(第2凹端縁) 351…第1開口縁(第1凸端縁) 352…第2開口縁(第2凸端縁) 357…第3開口縁(第1凹端縁) 358…第4開口縁(第2凹端縁)
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】