(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019144415
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】投影装置及び車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20190802BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !G02B27/01
   !B60K35/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】2018028639
(22)【出願日】20180221
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
【住所又は居所】東京都港区三田1丁目4番28号
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 伸幸
【住所又は居所】静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社内
【テーマコード(参考)】
2H199
3D344
【Fターム(参考)】
2H199DA03
2H199DA14
2H199DA15
2H199DA17
2H199DA20
2H199DA23
2H199DA29
2H199DA30
2H199DA33
2H199DA42
2H199DA43
2H199DA44
3D344AA03
3D344AA21
3D344AA27
3D344AC25
(57)【要約】
【課題】表示画面の拡大化を図ると共に、筐体の小型化を図ることができる投影装置及び車両用表示装置を提供する。
【解決手段】投影装置1Aは、基準振動方向に振動する第1直線偏光を出射する表示器3Aと、筐体2の開口2aを閉塞し、表示器3Aから出射された第1直線偏光を反射させる透明カバー5Bと、透明カバー5Bから入射する第1直線偏光を、基準振動方向と直交する方向に振動する第2直線偏光に変換して透過させる1/2波長板10とを備える。透明カバー5Bは、筐体2の内方に向けて突出させた凸状曲面5aを有し、表示器3Aから出射された第1直線偏光を1/2波長板に向けて反射させ、かつ反射ミラー7Bからの第2直線偏光をコンバイナ20に向けて透過させる構造を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられた被投影部材に投影される表示画像を表示光として出射する表示器と、
筐体に設けられた開口を閉塞し、かつ前記表示器から出射された前記表示光を反射させるカバー部材と、
前記表示器から前記被投影部材までの前記表示光の光路を折り返す位置にあって、前記カバー部材から入射された前記表示光を反射させる非球面ミラーと、
前記表示光の光路上にあって前記カバー部材と対向する位置に配置され、前記カバー部材から入射する前記表示光を前記非球面ミラーに向けて透過させる1/2波長板と、
を備え、
前記表示器は、
基準振動方向に振動する第1直線偏光を出射し、
前記1/2波長板は、
前記カバー部材から入射する前記第1直線偏光を、前記基準振動方向と直交する方向に振動する第2直線偏光に変換して透過させ、
前記カバー部材は、
前記筐体の内方に向けて突出させた凸状曲面を有し、前記表示器から出射された前記第1直線偏光を前記1/2波長板に向けて反射させ、かつ前記非球面ミラーからの前記第2直線偏光を前記被投影部材に向けて透過させる構造を有する
ことを特徴とする投影装置。
【請求項2】
車両に設けられた被投影部材に投影される表示画像を表示光として出射する表示器と、
筐体に設けられた開口を閉塞し、かつ前記表示器から出射された前記表示光を反射させるカバー部材と、
前記表示器から前記被投影部材までの前記表示光の光路を折り返す位置にあって、前記カバー部材から入射された前記表示光を反射させる非球面ミラーと、
前記表示光の光路上にあって前記カバー部材と対向する位置に配置され、前記非球面ミラーから入射する前記表示光を前記カバー部材に向けて透過させる1/2波長板と、
を備え、
前記表示器は、
基準振動方向に振動する第1直線偏光を出射し、
前記1/2波長板は、
前記非球面ミラーから入射する前記第1直線偏光を、前記基準振動方向と直交する方向に振動する第2直線偏光に変換して透過させ、
前記カバー部材は、
前記筐体の内方に向けて突出させた凸状曲面を有し、前記表示器から出射された前記第1直線偏光を前記非球面ミラーに向けて反射させ、かつ前記1/2波長板を透過した前記第2直線偏光を前記被投影部材に向けて透過させる構造を有する
ことを特徴とする投影装置。
【請求項3】
被投影部材に投影される表示画像を表示光として出射する表示器と、
車両の車室内側でかつ前記車両の前後方向の前方側に当該車両の前後方向と交差する幅方向に沿って延在して設けられる内装部材の一部を構成し、前記表示器から出射される前記表示光の少なくとも一部を反射させる偏光部材と、
前記偏光部材から前記被投影部材までの前記表示光の光路を折り返す位置にあって前記表示光を反射させる反射部材と、
前記表示光の光路上にあって前記表示光を透過させる波長板と、
を備え、
前記表示器は、
基準振動方向に振動する第1直線偏光を出射し、
前記波長板は、
前記第1直線偏光を、前記基準振動方向と直交する方向に振動する第2直線偏光に変換し、
前記偏光部材は、
前記第1直線偏光を反射し、かつ前記第2直線偏光を前記被投影部材に向けて透過させる構造を有する
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項4】
前記波長板は、
前記偏光部材と前記反射部材との間に配置され、前記偏光部材または前記反射部材のいずれか一方で反射された前記第1直線偏光を前記第2直線偏光に変換する
請求項3に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記被投影部材は、
光透過性を有し、前記車室内側に向かって前記車室内のドライバが目視可能な位置に配置される
請求項3または4に記載の車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影装置及び車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両には、ヘッドアップディスプレイ装置(HUD:Head Up Display)等の車両用表示装置を搭載するものがある。ヘッドアップディスプレイ装置は、表示器に表示される表示画像を反射ミラー等を介してウインドシールドまたはコンバイナに投影することで、運転者に虚像として視認させるものである(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された車両用表示装置では、インストルメントパネルの開口部に表示画像を透過させる透明カバーが設けられ、この透明カバーによって装置の内部に埃等が入り込まないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、車両用表示装置では、反射ミラーに非球面の凹面ミラーを用いて表示画像の大画面化が図られている。しかしながら、反射ミラーの曲率を大きくして拡大倍率を上げるにも限度がある。また、複数の反射ミラーを配置することで対応が可能であるが、複数の反射ミラーを収容する筐体が大型化するおそれがある。
【0005】
本発明は、表示画面の拡大化を図ると共に、筐体の小型化を図ることができる投影装置及び車両用表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る投影装置は、車両に設けられた被投影部材に投影される表示画像を表示光として出射する表示器と、筐体に設けられた開口を閉塞し、かつ前記表示器から出射された前記表示光を反射させるカバー部材と、前記表示器から前記被投影部材までの前記表示光の光路を折り返す位置にあって、前記カバー部材から入射された前記表示光を反射させる非球面ミラーと、前記表示光の光路上にあって前記カバー部材と対向する位置に配置され、前記カバー部材から入射する前記表示光を前記非球面ミラーに向けて透過させる1/2波長板と、を備え、前記表示器は、基準振動方向に振動する第1直線偏光を出射し、前記1/2波長板は、前記カバー部材から入射する前記第1直線偏光を、前記基準振動方向と直交する方向に振動する第2直線偏光に変換して透過させ、前記カバー部材は、前記筐体の内方に向けて突出させた凸状曲面を有し、前記表示器から出射された前記第1直線偏光を前記1/2波長板に向けて反射させ、かつ前記非球面ミラーからの前記第2直線偏光を前記被投影部材に向けて透過させる構造を有することを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る投影装置は、車両に設けられた被投影部材に投影される表示画像を表示光として出射する表示器と、筐体に設けられた開口を閉塞し、かつ前記表示器から出射された前記表示光を反射させるカバー部材と、前記表示器から前記被投影部材までの前記表示光の光路を折り返す位置にあって、前記カバー部材から入射された前記表示光を反射させる非球面ミラーと、前記表示光の光路上にあって前記カバー部材と対向する位置に配置され、前記非球面ミラーから入射する前記表示光を前記カバー部材に向けて透過させる1/2波長板と、を備え、前記表示器は、基準振動方向に振動する第1直線偏光を出射し、前記1/2波長板は、前記非球面ミラーから入射する前記第1直線偏光を、前記基準振動方向と直交する方向に振動する第2直線偏光に変換して透過させ、前記カバー部材は、前記筐体の内方に向けて突出させた凸状曲面を有し、前記表示器から出射された前記第1直線偏光を前記非球面ミラーに向けて反射させ、かつ前記1/2波長板を透過した前記第2直線偏光を前記被投影部材に向けて透過させる構造を有することを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用表示装置は、被投影部材に投影される表示画像を表示光として出射する表示器と、車両の車室内側でかつ前記車両の前後方向の前方側に当該車両の前後方向と交差する幅方向に沿って延在して設けられる内装部材の一部を構成し、前記表示器から出射される前記表示光の少なくとも一部を反射させる偏光部材と、前記偏光部材から前記被投影部材までの前記表示光の光路を折り返す位置にあって前記表示光を反射させる反射部材と、前記表示光の光路上にあって前記表示光を透過させる波長板と、を備え、前記表示器は、基準振動方向に振動する第1直線偏光を出射し、前記波長板は、前記第1直線偏光を、前記基準振動方向と直交する方向に振動する第2直線偏光に変換し、前記偏光部材は、前記第1直線偏光を反射し、かつ前記第2直線偏光を前記被投影部材に向けて透過させる構造を有することを特徴とする。
【0009】
上記車両用表示装置において、前記波長板は、前記内装部材と前記反射部材との間に配置され、前記内装部材または前記反射部材のいずれか一方で反射された前記第1直線偏光を前記第2直線偏光に変換するものである。
【0010】
上記車両用表示装置において、前記被投影部材は、光透過性を有し、前記車室内側に向かって前記車室内のドライバが目視可能な位置に配置されるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る投影装置及び車両用表示装置によれば、表示画面の拡大化を図ると共に、筐体の小型化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、第1実施形態に係る投影装置の概略構成図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る投影装置の表示光の変化を示す模式図である。
【図3】図3は、第2実施形態に係る車両用表示装置の概略構成図である。
【図4】図4は、第3実施形態に係る車両用表示装置の概略構成図である。
【図5】図5は、第4実施形態に係る投影装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る投影装置及び車両用表示装置の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、下記の実施形態における構成要素は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0014】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る投影装置1Aについて図1、図2を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る投影装置の概略構成図である。図2は、第1実施形態に係る投影装置の表示光の変化を示す模式図である。なお、図2は、図1に示す表示器3Baからコンバイナ20までの表示光の光路を表したものである。
【0015】
投影装置1Aは、例えば自動車等の車両100のインストルメントパネル(不図示)の内側に配置され、ウインドシールド101及びコンバイナ20の少なくとも一方に表示画像を投影するヘッドアップディスプレイ装置である。投影装置1Aは、ウインドシールド101に表示画像を投影して、ドライバ200のアイポイント201の前方に虚像110を表示する。ウインドシールド101は、被投影部材であり、入射する光の一部を反射し、他の一部を透過させる半透過性を有している。具体的には、ウインドシールド101は、車両100の前景を透過させながら、投影装置1Aから投影される表示画像を表示光としてドライバ200のアイポイント201に反射する。ウインドシールド101は、車両100のインストルメントパネルの上方に配置されている。アイポイント201は、車両100のドライバ200の視点位置として予め想定される。ドライバ200は、ウインドシールド101によって反射された表示画像を虚像110として認識する。虚像110は、ドライバ200にとって、ウインドシールド101よりも前方に認識される。
【0016】
投影装置1Aは、コンバイナ20に表示画像を投影して、ドライバ200のアイポイント201の前方に虚像111を表示する。コンバイナ20は、被投影部材であり、例えば、矩形に成形されたハーフミラー等から成る凹面ミラーである。コンバイナ20は、入射する光の一部を反射し、他の一部を透過させる半透過性を有している。コンバイナ20は、筐体2の前後方向の前方の縁部に立設され、遮光壁2bの上下方向の上方側に延在する。
【0017】
なお、本明細書において、特に記載しない限り、「前後方向」は車両100の前後方向を示すものとする。また、特に記載しない限り、「上下方向」は車両100の上下方向を示し、「幅方向」は車両100の車幅方向を示すものとする。
【0018】
投影装置1Aは、筐体2と、表示器3Ba,3Bbと、透明カバー5Bと、1/2波長板10と、反射ミラー7A,9A,7Bとを含んで構成される。本実施形態の投影装置1Aは、表示器3Baからコンバイナ20までの表示光の光路と、表示器3Bbからウインドシールド101までの表示光の光路とを有するものである。
【0019】
筐体2は、内部が中空の箱状に形成され、内部空間に複数の表示器3Ba,3Bb、複数の反射ミラー7A,9A等を収容するものである。筐体2は、ウインドシールド101及びコンバイナ20に向けて出射される表示光が通過する開口2aが形成されている。開口2aは、筐体2の上下方向の上方側に当該筐体2の前後方向及び幅方向に沿って延在して設けられ、ウインドシールド101に対向する位置に配置される。筐体2は、開口2aの前後方向の前方の縁部に遮光壁2bが立設されている。遮光壁2bは、上下方向の上方に突出し、かつ幅方向に沿って延在して形成される。具体的には、遮光壁2bは、透明カバー5Bの前後方向の前方の縁部から上方に突出し、当該透明カバー5Bの幅方向に沿って延在して形成される。遮光壁2bは、透明カバー5Bの前後方向の前方にて外光SLを遮光し、当該透明カバー5Bで外光SLが反射することを防止する。外光SLは、例えば車両100の外部から車両内に入射する太陽光、街灯の光等である。
【0020】
表示器3Baは、コンバイナ20に投影される表示画像を表示光として出射するものである。表示器3Baは、例えば、液晶パネル(不図示)、バックライトユニット(不図示)を含んで構成される。液晶パネルは、例えば光透過型または光半透過型のTFT液晶(Thin Film Transistor Liquid Crystal Display)等から成る。液晶パネルは、裏面側から照明されることで表面側の表示面が発光する。バックライトユニットは、液晶パネルを裏面側から照明するものである。バックライトユニットは、例えば、車両100内のバッテリー(不図示)から得られる電力により駆動する。本実施形態の表示器3Baは、図2に示すように、基準振動方向に振動する直線偏光を表示光L1として出射する。
【0021】
表示器3Bbは、ウインドシールド101に投影される表示画像を表示光として出射するものである。表示器3Bbは、表示器3Baと同様に、液晶パネル(不図示)、バックライトユニット(不図示)を含んで構成される。本実施形態の表示器3Bbは、基準振動方向と直交する方向に振動する直線偏光を出射する。つまり、表示器3Bbは、水平方向の偏光軸を有し、当該偏光軸と平行な表示光L3を出射するものである。表示器3Bbは、例えば、液晶パネルを構成する偏光板のうち、光が出射する側の偏光板の偏光軸(透過軸)が水平方向になるように配置される。
【0022】
透明カバー5Bは、筐体2に設けられた開口2aを閉塞し、表示光の少なくとも一部を反射させるカバー部材である。透明カバー5Bは、開口2aを閉塞することで、外部から筐体2内へのホコリ等の侵入を防止する。透明カバー5Bは、表示器3Ba,3Bbから出射された表示光を透過させる光透過性を有する部材、例えば、ガラスやアクリル、ポリカーボネート等の合成樹脂等と、当該部材に組み合わされた偏光部材とで構成される。偏光部材は、例えば偏光フィルム等が含まれる。偏光フィルムは、例えば、透明カバー5Bの筐体内側に向けた面に貼付され、光透過性を有する部材に組み合わされる。偏光部材は、典型的には偏光軸を有し、当該偏光軸と平行に振動する光を透過する一方、当該偏光軸と直交する方向に振動する光を反射する。すなわち、透明カバー5Bは、図2に示すように、垂直方向と直交する水平方向の偏光軸を有し、当該偏光軸と平行な方向(基準振動方向に直交する方向)に振動する表示光L3を透過させる一方、偏光軸と直交する方向(基準振動方向)に振動する表示光L1を反射させる。本実施形態の透明カバー5Bは、表示器3Baから出射された表示光を1/2波長板10に向けて反射させる一方、反射ミラー7Bで反射された表示光をコンバイナ20に向けて透過させる構成を有する。また、透明カバー5Bは、反射ミラー7Aで反射された表示光をウインドシールド101に向けて透過させることができる。
【0023】
透明カバー5Bは、筐体2の内方に向けて突出させた凸状曲面5aと、凸状曲面5aの反対側の面に設けられ、筐体2の外方に凹んだ凹状曲面5bとを有する。凸状曲面5a及び凹状曲面5bは、例えば、非球面(自由曲面を含む)で構成される。本実施形態の凸状曲面5aは、反射ミラー7A等の光学系に含まれる曲面、及び車両100のウインドシールド101の表面形状の少なくとも一方の影響により生じる像面湾曲の収差を補正する形状を有する。本実施形態の凹状曲面5bは、車両100の外部から透明カバー5Bに入射する外光SLを反射させる反射ミラーとしての機能を有する。すなわち、凹状曲面5bは、透明カバー5Bに入射する外光SLを、ドライバ200のアイポイント201に向かうアイポイント方向とは異なる方向に向けて反射させる。例えば、凹状曲面5bは、入射する外光SLを遮光壁2bに向けて反射させる。凸状曲面5aと凹状曲面5b間の厚み、すなわち透明カバー5Bの厚みは、強度を考慮すると厚くすることが好ましいが、当該厚みを厚くした場合に、凸状曲面5aや凹状曲面5bの裏面反射による表示画像への影響が大きくなる可能性もあるので、それらを考慮した厚みであることが好ましい。透明カバー5Bは、凸状曲面5a側に、反射面5aaと、透過面5abとを有する。反射面5aaは、表示器3Baから出射された垂直方向の直線偏光(第1直線偏光)を1/2波長板10に向けて反射する面である。透過面5abは、透明カバー5Bから1/2波長板10を透過して偏光された水平方向の直線偏光(第2直線偏光)をウインドシールド101に向けて透過させる面である。本実施形態の反射面5aa及び透過面5abは、透明カバー5Bにおける凸状曲面5a側の異なる位置に設けられている。これにより、1/2波長板10の配置位置を容易に確保することができる。なお、反射面5aa及び透過面5abは、透明カバー5Bにおける凸状曲面5a側の同一の位置に設けられていてもよい。
【0024】
1/2波長板10は、表示光の光路上にあって、透明カバー5Bと対向する位置に配置され、透明カバー5Bから入射される表示光を反射ミラー7Bに向けて透過させる。1/2波長板10は、いわゆる波長板の一種であり、例えば複屈折材料等で構成される。1/2波長板10は、振動方向が互いに直交する2つの直線偏光に位相差(光路差)を持たせたものである。本実施形態の1/2波長板10は、表示器3Baから出射される表示光の振動方向を基準振動方向として、透明カバー5Bから入射する表示光L1を、基準振動方向に対して90°傾けた方向に振動する表示光L3に変換する。すなわち、1/2波長板10は、図2に示すように、透明カバー5Bの凸状曲面5aにより反射された直線偏光(表示光L1)を、基準振動方向と直交する方向に振動する直線偏光(表示光L3)に変換する。このように、1/2波長板10は、透過する直線偏光の偏光軸を、垂直方向から水平方向に変換する。
【0025】
反射ミラー7A,9Aは、表示器3Bbからウインドシールド101までの表示光の光路を折り返す位置にあって、表示光を反射させるものである。反射ミラー7A,9Aは、筐体2内において、表示器3Bbから出射された表示光の光路を変更する光学系である。本実施形態の反射ミラー7A,9Aは、拡大ミラーであり、例えば、反射面が凹状の非球面ミラー(自由曲面ミラーを含む)で形成される。本実施形態の反射ミラー9Aは、表示器3Bbから出射された表示光を反射ミラー7Aに向けて全反射させる。本実施形態の反射ミラー7Aは、反射ミラー9Aにより反射された表示光をウインドシールド101に向けて全反射させる。反射ミラー7は、筐体2に固定されているが、ウインドシールド101に照射する表示光の反射角度を微調整するための調整機構により支持されていてもよい。
【0026】
反射ミラー7Bは、表示器3Baからコンバイナ20までの表示光の光路を折り返す位置にあって、表示光を反射させるものである。反射ミラー7Bは、筐体2内において、表示器3Baから出射された表示光の光路を変更する光学系である。本実施形態の反射ミラー7Bは、拡大ミラーであり、例えば、反射面が凹状の自由曲面を有する凹面ミラーで構成される。すなわち、反射ミラー7Bは、当該反射ミラー7Bにて反射する前の表示光が表す表示画像と比較して当該反射ミラー7Bにて反射した後の表示光が表す表示画像が相対的に大きくなるように当該表示画像を拡大して反射する。本実施形態の反射ミラー7Bは、透明カバー5Bにより反射された表示光をコンバイナ20に向けて全反射させる。反射ミラー7Bは、筐体2に固定支持されているが、コンバイナ20に照射する表示光の反射角度を微調整するための調整機構により支持されていてもよい。
【0027】
次に、投影装置1Aにおける投影動作について図1を参照して説明する。まず、表示器3Baから出射された表示光は、透明カバー5Bに向かう。透明カバー5Bは、表示器3Baから入射する表示光を、凸状曲面5aにより1/2波長板10に向けて反射させる。1/2波長板10は、透明カバー5Bから入射する表示光を、反射ミラー7Bに向けて透過させる。反射ミラー7Bに入射する表示光は、凹状の反射面により全反射して、再度、透明カバー5Bに向かう。透明カバー5Bは、反射ミラー7Bから入射する表示光を、凸状曲面5aから凹状曲面5bを介してコンバイナ20に向けて透過させる。これにより、コンバイナ20に表示画像が投影され、ドライバ200のアイポイント201の前方に虚像111が表示される。
【0028】
一方、表示器3Bbから出射された表示光は、反射ミラー9Aに向かう。反射ミラー9Aに入射する表示光は、凹状の反射面により全反射して、反射ミラー7Aに向かう。反射ミラー7Aは、反射ミラー9Aから入射する表示光を、透明カバー5Bに向けて全反射させる。透明カバー5Bは、反射ミラー7Aから入射する表示光を、凸状曲面5aから凹状曲面5bを介してウインドシールド101に向けて透過させる。これにより、ウインドシールド101に表示画像が投影され、ドライバ200のアイポイント201の前方に虚像110が表示される。
【0029】
以上説明した投影装置1Aは、筐体2の開口2aを閉塞する透明カバー5Bを有し、透明カバー5Bが、表示器3Baから出射された表示光を1/2波長板10に向けて反射させ、反射ミラー7Bから反射された表示光をコンバイナ20に向けて透過させる。このように、表示光を透明カバー5Bで反射させることで、表示光の光路長を伸ばすことができ、長くなった光路長で表示光を表す表示画像を拡大して、表示画面の拡大化を図ることができる。また、新たな光学系部品を追加することなく、表示光の光路長を伸ばすことができるので、筐体2の小型化を図ることができる。
【0030】
なお、上記実施形態では、表示器3Baは、透明カバー5Bを透過する水平方向の直線偏光に対して、垂直方向に振動する直線偏光を出射するが、これに限定されるものではない。例えば、表示器3Baが水平方向に振動する直線偏光を出射し、透明カバー5Bが垂直方向に振動する直線偏光を透過させるように構成してもよい。
【0031】
また、上記実施形態では、投影装置1Aは、表示器3Baからコンバイナ20までの表示光の光路上に2つの反射ミラー7Aが配置されているが、これに限定されず、当該光路上に複数の反射ミラーが配置されていてもよい。
【0032】
また、上記実施形態では、透明カバー5Bは、凸状曲面5aが像面湾曲の収差を補正する形状を有する。これにより、表示光が透明カバー5Bの凸状曲面5aを反射することで表示光が表す表示画像の表示歪みを補正することが可能となり、表示品位の向上を図ることができる。
【0033】
また、上記実施形態では、反射ミラー7A,7B,9Aは、拡大ミラーとしての機能を有するが、これに限定されず、上述した補正ミラーとしての機能を有してもよい。拡大ミラー及び補正ミラーとして機能する反射ミラー7A,7B,9Aは、球面、放物面と異なり、光軸に対して非対称な形状の自由曲面ミラーとして形成される。
【0034】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る車両用表示装置1Bについて図3を参照して説明する。図3は、第2実施形態に係る車両用表示装置の概略構成図である。なお、以下では、上述した実施形態と同様の構成要素には共通の符号を付すとともに、共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する。
【0035】
車両用表示装置1Bは、例えば自動車等の車両100のインストルメントパネル(以下、単に「インパネ」とも呼ぶ。)102の内側に配置され、スクリーンSに表示画像を投影する投影装置である。インパネ102は、車両100において運転席等が設けられる車室内側でかつ車両100の前後方向の前方側に当該車両100の前後方向と交差する幅方向に沿って延在して設けられる内装部材である。車両用表示装置1Bは、スクリーンSに表示画像を投影して、ドライバ200のアイポイント201の前方に表示画像を表示する。スクリーンSは、被投影部材であり、インパネ102に設けられるスクリーンである。スクリーンSは、インパネ102において、車両用表示装置1Bから表示画像を表す表示光が投影される部材であり、任意の位置に配置される。スクリーンSは、インパネ102において、車両用表示装置1B側から車室内側のアイポイント201側に光を透過し、かつ当該透過する光を散乱させる透過型のスクリーンを構成する。なお、アイポイント201は、車両100のドライバ200を想定しているがこれに限らず、車両100の他の乗員を想定してもよい。スクリーンSは、リアプロジェクションスクリーンなどと呼ばれる場合もある。すなわち、スクリーンSは、車両用表示装置1Bから表示画像を表す表示光が入射すると、その表示光を透過させると共に散乱させることで、ドライバ200等に表示画像を視認させる。スクリーンSは、インパネ102において車両用表示装置1Bから投影される表示画像を表す表示光を良好に透過、散乱させるため、例えば、ビニル樹脂やアクリル樹脂、ガラス等の光透過性の半透明部材によって構成される。スクリーンSは、全体が車両用表示装置1Bと接するように設けられる。
【0036】
車両用表示装置1Bは、筐体2と、表示器3Aと、偏光部材5Aと、反射ミラー7と、1/2波長板10とを含んで構成される。本実施形態の車両用表示装置1Bは、表示器3AからスクリーンSまでの表示光の光路を有するものである。
【0037】
筐体2は、内部が中空の箱状に形成され、内部空間に表示器3A、反射ミラー7、及び1/2波長板10を収容するものである。筐体2は、前後方向の後方に形成され、かつインパネ102の一部を構成する壁面21を有する。壁面21は、インパネ102の車室内側で当該インパネ102と同一面に形成される。
【0038】
表示器3Aは、スクリーンSに投影される表示画像を表示光として出射するものである。表示器3Aは、例えば、液晶パネル(不図示)、バックライトユニット(不図示)を含んで構成される。液晶パネルは、例えば光透過型または光半透過型のTFT液晶(Thin Film Transistor Liquid Crystal Display)等から成る。液晶パネルは、裏面側から照明されることで表面側の表示面が発光する。バックライトユニットは、液晶パネルを裏面側から照明するものである。バックライトユニットは、例えば、車両内のバッテリー(不図示)から得られる電力により駆動する。本実施形態の表示器3Aは、基準振動方向に振動する直線偏光(第1直線偏光)を出射する。ここで基準振動方向は、例えば垂直方向であり、表示器3Aの偏光軸と平行な方向である。つまり、表示器3Aは、垂直方向の偏光軸を有し、当該偏光軸と平行な表示光を出射するものである。表示器3Aは、例えば、液晶パネルを構成する偏光板のうち、光が出射する側の偏光板の偏光軸(透過軸)が垂直方向になるように配置される。
【0039】
偏光部材5Aは、表示器3Aと対向する位置に配置され、表示器3Aから出射される表示光の少なくとも一部を反射させるものである。本実施形態の偏光部材5Aは、インパネ102の一部を構成する筐体2の壁面21に設けられている。すなわち、偏光部材5Aは、インパネ102の一部を構成する。偏光部材5Aは、壁面21と共に、インパネ102の車室内側と同一面となるように形成されているが、これに限定されるものではない。偏光部材5Aは、表示器3Aから出射された表示光を透過させる光透過性を有する部材、例えば、ガラスやアクリル、ポリカーボネート等の合成樹脂等と、当該部材に組み合わされた偏光フィルムとで構成される。偏光部材5Aは、垂直方向と直交する水平方向の透過軸を有し、垂直方向(基準振動方向)に振動する直線偏光を反射させ、当該透過軸と平行な水平方向(基準振動方向に直交する方向)に振動する直線偏光を透過させるものである。本実施形態の偏光部材5Aは、図1に示すように、表示器3Aから出射された垂直方向の直線偏光(第1直線偏光)を反射ミラー7に向けて反射し、かつ反射ミラー7から1/2波長板10を透過して偏光された水平方向の直線偏光(第2直線偏光)をスクリーンSに向けて透過させる構成を有する。偏光部材5Aは、反射面5Aaと、透過面5Abとを有する。反射面5Aaは、表示器3Aから出射された垂直方向の直線偏光(第1直線偏光)を反射ミラー7に向けて反射する面である。透過面5Abは、反射ミラー7から1/2波長板10を透過して偏光された水平方向の直線偏光(第2直線偏光)をスクリーンSに向けて透過させる面である。本実施形態の反射面5Aa及び透過面5Abは、偏光部材5Aにおける異なる位置に設けられている。これにより、1/2波長板10の配置位置を容易に確保することができる。なお、反射面5Aa及び透過面5Abは、偏光部材5Aにおける同一の位置に設けられていてもよい。
【0040】
反射ミラー7は、反射部材であり、表示器3AからスクリーンSまでの表示光の光路を折り返す位置にあって表示光を反射させるものである。反射ミラー7は、表示器3Aから出射された表示光の光路を変更する光学系である。本実施形態の反射ミラー7は、拡大ミラーとしての機能を有し、例えば、反射面が非球面の凹状曲面(または凸状曲面)で形成される。すなわち、反射ミラー7は、当該反射ミラー7にて反射する前の表示光が表す表示画像と比較して当該反射ミラー7にて反射した後の表示光が表す表示画像が相対的に大きくなるように当該表示画像を拡大して反射する。本実施形態の反射ミラー7は、偏光部材5Aから入射した表示光を、1/2波長板10に向けて全反射させる。反射ミラー7は、筐体2に固定支持されているが、スクリーンSに照射する表示光の反射角度を微調整するための調整機構により支持されていてもよい。
【0041】
1/2波長板10は、表示光の光路上にあって表示光を透過させる波長板である。1/2波長板10は、反射ミラー7と偏光部材5Aとの間の表示光の光路上に配置され、反射ミラー7側から入射した表示光を偏光部材5Aに向けて透過させる。1/2波長板10は、いわゆる波長板の一種であり、例えば複屈折材料等で構成される。1/2波長板10は、典型的には、入射する直線偏光の振動方向を90°回転させるものである。すなわち、1/2波長板10は、反射ミラー7から入射される第1直線偏光を透過して第2直線偏光に変換する。本実施形態の1/2波長板10は、表示器3Aから出射される表示光の振動方向を基準振動方向として、反射ミラー7から入射する表示光を、基準振動方向に対して90°傾けた方向に振動する表示光に変換して透過させる。すなわち、1/2波長板10は、偏光部材5Aにより反射された垂直方向の直線偏光(第1直線偏光)を、水平方向の直線偏光(第2直線偏光)に変換する。なお、1/2波長板10は、反射ミラー7と偏光部材5Aとの間の表示光の光路上において、反射ミラー7を基準とする上流側(表示器3A側)に配置されていてもよいし、図3に示すように、下流側(1/2波長板側)に配置されていてもよい。
【0042】
次に、車両用表示装置1Bにおける表示動作について図1を参照して説明する。まず、表示器3Aから出射された表示光は、偏光部材5Aに向かう。偏光部材5Aは、表示器3Aから入射する表示光を、反射ミラー7に向けて反射させる。反射ミラー7に入射する表示光は、凹状の反射面により全反射して、1/2波長板10に向かう。1/2波長板10は、反射ミラー7から入射する表示光を偏光部材5Aに向けて透過させる。偏光部材5Aは、1/2波長板10から入射する表示光をスクリーンSに向けて透過させる。これにより、スクリーンSに表示画像が投影され、ドライバ200のアイポイント201の前方に表示画像が表示される。
【0043】
以上説明した車両用表示装置1Bは、インパネ102の一部を構成し表示器3Aからの第1直線偏光を反射させる偏光部材5Aを有し、偏光部材5Aが、1/2波長板10を透過させて第1直線偏光から変換された第2直線偏光をスクリーンSに向けて透過させる。このように、表示光を偏光部材5Aで反射させることで、表示光の光路長を伸ばすことができ、長くなった光路長で表示光を表す表示画像を拡大して、表示画面の拡大化を図ることができる。また、新たな光学系部品を追加することなく、表示光の光路長を伸ばすことができるので、筐体2の小型化及び薄型化を図ることができる。また、表示光の光路長を伸ばすことで、表示画像の遠視点表示が容易になる。
【0044】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る車両用表示装置1Cについて図4を参照して説明する。図4は、第3実施形態に係る車両用表示装置の概略構成図である。本実施形態に係る車両用表示装置1Cは、上記車両用表示装置1Bに対して、反射ミラー7と偏光部材5Aとの間の表示光の光路上に、1/2波長板10に代えて1/4波長板11が配置されている点が異なる。車両用表示装置1Cは、筐体2と、表示器3Aと、偏光部材5Aと、反射ミラー7と、1/4波長板11とを含んで構成される。
【0045】
1/4波長板11は、表示光の光路上にあって反射ミラー7と対向する位置に配置され、偏光部材5Aから入射される表示光を透過し、かつ反射ミラー7から入射される表示光を透過するものである。1/4波長板11は、いわゆる波長板の一種であり、例えば複屈折材料等で構成される。1/4波長板11は、典型的には、入射する直線偏光の振動方向を45°傾けた方向に振動する円偏光に変えるものである。本実施形態の1/4波長板11は、表示器3Aから出射される表示光の振動方向を基準振動方向として、偏光部材5Aから入射する表示光を、基準振動方向に対して45°傾けた方向に振動する表示光(円偏光)に変換して透過させる。すなわち、1/4波長板11は、偏光部材5Aにより反射された直線偏光を45°傾けた左回りの円偏光に変換する。また、1/4波長板11は、反射ミラー7で反射して偏光部材5Aに向けて透過する表示光を、基準振動方向と直交する方向に振動する表示光(円偏光)に変換する。すなわち、1/4波長板11は、反射ミラー7で反射された円偏光を、基準振動方向と直交する直線偏光に変換する。このように、1/4波長板11は、透過する直線偏光を円偏光に変換し、かつ、透過する円偏光を直線偏光に変換する。ここで、反射ミラー7から偏光部材5A側に向けて1/4波長板11を透過した円偏光は、偏光部材5Aから反射ミラー7側に向けて1/4波長板11を透過した円偏光に対して逆回りの円偏光となる。
【0046】
次に、車両用表示装置1Cにおける表示動作について図4を参照して説明する。まず、表示器3Aから出射された表示光は、偏光部材5Aに向かう。偏光部材5Aは、表示器3Aから入射する表示光を、1/4波長板11に向けて反射させる。1/4波長板11は、偏光部材5Aから入射する表示光を、反射ミラー7に向けて透過させる。反射ミラー7に入射する表示光は、凹状の反射面により全反射して、再度、1/4波長板11に向かう。1/4波長板11は、反射ミラー7から入射する表示光を、偏光部材5Aに向けて透過させる。偏光部材5Aは、1/4波長板11から入射する表示光を、スクリーンSに向けて透過させる。これにより、スクリーンSに表示画像が投影され、ドライバ200のアイポイント201の前方に表示画像が表示される。
【0047】
以上説明した車両用表示装置1Cは、インパネ102の一部を構成し表示器3Aからの第1直線偏光を反射させる偏光部材5Aを有し、偏光部材5Aが、表示器3Aから出射された表示光を1/4波長板11に向けて反射させ、反射ミラー7から反射された表示光をスクリーンSに向けて透過させる。このように、表示光を偏光部材5Aで反射させることで、上記車両用表示装置1Bにより得られる効果と同様の効果が得られる。
【0048】
なお、上記第2及び第3実施形態では、偏光部材5Aは、光透過性を有する部材と偏光フィルムとを組み合わせて成形されたものであるが、これに限定されず、光透過性を有する部材と偏光板とが一体的に成形されたものであってもよい。
【0049】
また、上記第2及び第3実施形態では、反射ミラー7は、拡大ミラーとしての機能を有するが、これに限定されず、上述した補正ミラーとしての機能を有してもよい。拡大ミラー及び補正ミラーとして機能する反射ミラー7,9は、球面、放物面と異なり、光軸に対して非対称な形状の自由曲面ミラーとして形成される。これにより、表示光が反射ミラー7を反射することで表示光が表す表示画像の表示歪みを補正することが可能となり、表示品位の向上を図ることができる。
【0050】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る投影装置1Dについて図5を参照して説明する。図5は、第4実施形態に係る車両用表示装置の概略構成図である。本実施形態に係る投影装置1Dは、上記投影装置1Aに対して、1/2波長板10が、透明カバー5Bと対向する位置に配置され、かつ反射ミラー7Aから入射される表示光を透明カバー5Bに向けて透過させる点が異なる。投影装置1Dは、筐体2と、表示器3Baと、透明カバー5Bと、1/2波長板10と、反射ミラー7A,9Aとを含んで構成される。
【0051】
1/2波長板10は、表示光の光路上にあって透明カバー5Bと対向する位置に配置され、反射ミラー7Aから入射する表示光を透明カバー5Bに向けて透過させる。本実施形態の1/2波長板10は、表示器3Baから出射される表示光の振動方向を基準振動方向として、反射ミラー7Aから入射する表示光を、基準振動方向に対して90°傾けた方向に振動する表示光に変換して透過させる。1/2波長板10は、透明カバー5Bの凸状曲面5aにより反射された直線偏光を、基準振動方向と直交する方向に振動する直線偏光に変換する。
【0052】
本実施形態の反射ミラー7A,9Aは、筐体2内において、透明カバー5Bにより反射された表示光を1/2波長板10に向けて反射させるものである。本実施形態の反射ミラー9Aは、透明カバー5Bで反射された表示光を反射ミラー7Aに向けて全反射させる。本実施形態の反射ミラー7Aは、反射ミラー9Aにより反射された表示光を、1/2波長板10及び透明カバー5Bを介してウインドシールド101に向けて全反射させる。
【0053】
次に、投影装置1Dにおける投影動作について図5を参照して説明する。まず、表示器3Baから出射された表示光は、透明カバー5Bに向かう。透明カバー5Bは、表示器3Baから入射する表示光を、凸状曲面5a(の反射面5aa)により反射ミラー9Aに向けて反射させる。反射ミラー9Aは、透明カバー5Bから入射する表示光を、反射ミラー7Aに向けて反射させる。反射ミラー7Aに入射する表示光は、凹状の反射により全反射して、1/2波長板10に向かう。1/2波長板10は、反射ミラー7Aから入射する表示光を、透明カバー5Bに向けて透過させる。透明カバー5Bは、1/2波長板10から入射する表示光を、凸状曲面5a(透過面5ab)から凹状曲面5bを介してウインドシールド101に向けて透過させる。これにより、ウインドシールド101に表示画像が投影され、ドライバ200のアイポイント201の前方に虚像110が表示される。
【0054】
以上説明した投影装置1Dは、透明カバー5Bが、表示器3Baから出射された第1直線偏光を反射させ、1/2波長板10により第1直線偏光から変換された第2直線偏光をウインドシールド101に向けて透過させる。このように、透明カバー5Bに偏光板としての機能を持たせ表示光を透明カバー5Bで反射及び透過させることで、上記投影装置1Aにより得られる効果と同様の効果が得られる。
【0055】
上記第1〜第4実施形態では、本発明を車両100に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば船舶や航空機等の車両100以外のものに適用してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1A 投影装置
1B,1C 車両用表示装置
2 筐体
2a 開口
2b 遮光壁
3Ba,3Bb 表示器
5A 偏光部材
7 反射ミラー
10 1/2波長板
11 1/4波長板
21 壁面
100 車両
101 ウインドシールド
110,111 虚像
200 ドライバ
201 アイポイント
S スクリーン
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】