(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019144690
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】車両制御装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20190802BHJP
   B60W 30/10 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !G08G1/16 D
   !B60W30/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】2018026300
(22)【出願日】20180216
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】柳原 秀
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
(72)【発明者】
【氏名】三浦 弘
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
(72)【発明者】
【氏名】齊京 真里奈
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA15
3D241CE02
3D241CE04
3D241CE05
3D241DB02Z
3D241DB05Z
3D241DB12Z
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3D241DC35Z
3D241DC50Z
5H181AA01
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5H181CC14
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5H181FF04
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5H181FF14
5H181FF22
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
5H181LL14
(57)【要約】
【課題】道路に特定区域が設けられる場所で左折または右折を適切に行うことができる車両制御装置を提供する。
【解決手段】外界認識部54が第1走行路122と第2走行路124との間に自車両10が走行可能な特定区域130(イエローレーン128Y)を認識する場合には、車両制御部62は、自車両10を、第1走行路122から特定区域130に移動させ、更に特定区域130で第1走行路122に沿って走行させた後に特定区域130から第2道路140に進入させる。一方、外界認識部54が、特定区域130を認識しない場合には、車両制御部62は、自車両10を、第1走行路122から第2道路140に進入させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周辺状態を認識する外界認識部と、
前記外界認識部の認識結果に基づいて前記自車両の走行制御を行う車両制御部と、を備える車両制御装置であって、
前記自車両が、相反する方向を進行方向とする第1走行路と第2走行路とを有する道路のうちの前記第1走行路を走行し、前記第1走行路から前記第2走行路側の目標領域に前記第2走行路を横断して進入する際、
前記外界認識部が前記第1走行路と前記第2走行路との間に前記自車両が走行可能な特定区域を認識する場合には、前記車両制御部は、前記自車両を、前記第1走行路から前記特定区域に移動させ、更に前記特定区域で前記第1走行路に沿って走行させた後に前記特定区域から前記目標領域に進入させ、
前記外界認識部が、前記特定区域を認識しない場合には、前記車両制御部は、前記自車両を、前記第1走行路から前記目標領域に進入させる
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両制御装置において、
前記外界認識部が前記特定区域を認識する場合には、前記車両制御部は、前記自車両を、前記目標領域から所定距離手前の前記特定区域に移動させるか、または、前記目標領域への到達予定時間よりも所定時間前の時点で前記特定区域に移動させる
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両制御装置において、
前記車両制御部は、前記自車両を前記第1走行路から前記特定区域に移動させる前に、前記特定区域で走行させるための速度制御を行う
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項4】
請求項2に記載の車両制御装置において、
前記所定距離を第1所定距離とし、
前記第1所定距離よりも長い距離を第2所定距離とし、
前記所定時間を第1所定時間とし、
前記第1所定時間よりも長い時間を第2所定時間とし、
前記外界認識部が前記特定区域に他車両を認識する場合には、前記車両制御部は、前記目標領域から前記第2所定距離手前の位置、または、前記目標領域への到達予定時間よりも前記第2所定時間前に前記自車両が走行する位置から前記他車両に対する速度制御を行う
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項5】
請求項2に記載の車両制御装置において、
前記外界認識部が前記目標領域から前記所定距離手前の位置、または、前記目標領域への到達予定時間よりも前記所定時間前に前記自車両が走行する位置に障害物を認識する場合には、前記車両制御部は、前記自車両が前記障害物を通過した後に、前記自車両を、前記第1走行路から前記特定区域に移動させる
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項6】
請求項2に記載の車両制御装置において、
前記外界認識部が前記目標領域から前記所定距離手前の位置で交通渋滞を認識する場合には、前記車両制御部は、前記自車両が前記位置に到達する前に前記特定区域側のウインカを点灯させる
ことを特徴とする車両制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両を走行路から目標領域に進入させるように制御する車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、左側通行の地域において、車両が交差点で第1道路から第2道路に右折する際に、第1道路に対する進行許可信号の残時間と、車両の速度等の車両情報に基づいて、車両が交差点で右折完了可能か否かを判定する装置が開示される。このように、右折用(地域によっては左折用)の走行レーンが設けられる場所では、車両はその走行レーンを利用して右折(地域によっては左折)すればよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−149053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、地域によっては、互いに相反する方向を進行方向とする第1走行路と第2走行路を有する道路のうち、第1走行路と第2走行路との間に相反する両方向に走行が可能な特定区域(イエローレーンや導流帯)が設けられることがある。このような地域では、車両は特定区域を適切に利用して右折または左折する必要がある。
【0005】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、道路に特定区域が設けられる場所で左折または右折を適切に行うことができる車両制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
自車両の周辺状態を認識する外界認識部と、
前記外界認識部の認識結果に基づいて前記自車両の走行制御を行う車両制御部と、を備える車両制御装置であって、
前記自車両が、相反する方向を進行方向とする第1走行路と第2走行路とを有する道路のうちの前記第1走行路を走行し、前記第1走行路から前記第2走行路側の目標領域に前記第2走行路を横断して進入する際、
前記外界認識部が前記第1走行路と前記第2走行路との間に前記自車両が走行可能な特定区域を認識する場合には、前記車両制御部は、前記自車両を、前記第1走行路から前記特定区域に移動させ、更に前記特定区域で前記第1走行路に沿って走行させた後に前記特定区域から前記目標領域に進入させ、
前記外界認識部が、前記特定区域を認識しない場合には、前記車両制御部は、前記自車両を、前記第1走行路から前記目標領域に進入させる
ことを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、自車両を、第1走行路から特定区域に移動させて第1走行路に沿って走行させた後に目標領域に進入させる。このため、特定区域が設けられる場所で、特定区域を利用して自車両の進行方向の変更(右左折)を適切に行うことができる。
【0008】
本発明において、
前記外界認識部が前記特定区域を認識する場合には、前記車両制御部は、前記自車両を、前記目標領域から所定距離手前の前記特定区域に移動させるか、または、前記目標領域への到達予定時間よりも所定時間前の時点で前記特定区域に移動させてもよい。
【0009】
上記構成によれば、特定区域の走行距離または走行時間が設定される場合に、その設定に従って自車両の進行方向の変更(左折または右折)を行うことができる。
【0010】
本発明において、
前記車両制御部は、前記自車両を前記第1走行路から前記特定区域に移動させる前に、前記特定区域で走行させるための速度制御を行ってもよい。
【0011】
特定区域への移動を行いつつ減速を行うと、自車両には減速度と横加速度の両者が同時に発生する。このため、乗員が自車両の動作に違和感を覚える可能性がある。上記構成によれば、自車両を特定区域に移動させる前に、予め自車両の速度制御、例えば減速制御を行うため、特定区域への移動を行いつつ減速する必要がなくなる。このため、乗員が自車両の動作に違和感を覚えることがなくなる。
【0012】
本発明において、
前記所定距離を第1所定距離とし、
前記第1所定距離よりも長い距離を第2所定距離とし、
前記所定時間を第1所定時間とし、
前記第1所定時間よりも長い時間を第2所定時間とし、
前記外界認識部が前記特定区域に他車両を認識する場合には、前記車両制御部は、前記目標領域から前記第2所定距離手前の位置、または、前記目標領域への到達予定時間よりも前記第2所定時間前に前記自車両が走行する位置から前記他車両に対する速度制御を行ってもよい。
【0013】
上記構成によれば、他車両に対する速度制御を行うため、特定区域への移動後に自車両を円滑に走行させることができる。
【0014】
本発明において、
前記外界認識部が前記目標領域から前記所定距離手前の位置、または、前記目標領域への到達予定時間よりも前記所定時間前に前記自車両が走行する位置に障害物を認識する場合には、前記車両制御部は、前記自車両が前記障害物を通過した後に、前記自車両を、前記第1走行路から前記特定区域に移動させてもよい。
【0015】
上記構成によれば、特定区域に障害物があったとしても、自車両を特定区域で走行させることができる。
【0016】
本発明において、
前記外界認識部が前記目標領域から前記所定距離手前の位置で交通渋滞を認識する場合には、前記車両制御部は、前記自車両が前記位置に到達する前に前記特定区域側のウインカを点灯させてもよい。
【0017】
上記構成によれば、自車両の挙動を予め周囲に認識させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、特定区域が設けられる場所で、特定区域を利用して自車両の進行方向の変更(右左折)を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は本実施形態に係る車両制御装置を備える車両のブロック図である。
【図2】図2は演算装置の機能ブロック図である。
【図3】図3は第1走行路と第2走行路との間に特定区域が設けられる場面で、自車両が第1走行路から第2道路に左折して進入するときに生成される走行軌道を示す図である。
【図4】図4は第1走行路と第2走行路との間に特定区域が設けられかつ障害物がある場面で、自車両が第1走行路から第2道路に左折して進入するときに生成される走行軌道を示す図である。
【図5】図5は第1走行路と第2走行路との間に特定区域が設けられない場面で、自車両が第1走行路から第2道路に左折して進入するときに生成される走行軌道を示す図である。
【図6】図6は本実施形態に係る車両制御装置が行う主処理のフローチャートである。
【図7】図7は移動前処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る車両制御装置について、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
[1.自車両10の構成]
図1に示されるように、自車両10は、各種情報を取得または記憶する入力系装置群14と、入力系装置群14から出力される情報を入力する制御機50と、制御機50から出力される各種指示に応じて動作する出力系装置群70と、を備える。本実施形態に係る車両制御装置12は、入力系装置群14と制御機50とを含む。自車両10は、制御機50により走行制御が行われる自動運転車両(完全自動運転車両を含む。)、または、一部の走行制御を支援する運転支援車両である。
【0022】
[1.1.入力系装置群14]
入力系装置群14には、外界センサ16と車両側通信装置28と地図ユニット34とナビゲーション装置36と車両センサ44とが含まれる。外界センサ16は、自車両10の周囲(外界)の状態を検出する。外界センサ16には、外界を撮像する複数のカメラ18と、自車両10と周囲の物体との距離および相対速度を検出する複数のレーダ24および1以上のLIDAR26と、が含まれる。カメラ18には、自車両10の前方を撮像する前方カメラ20と、自車両10の側方を撮像する側方カメラ22と、が含まれる。車両側通信装置28には、第1通信装置30と、第2通信装置32と、が含まれる。第1通信装置30は、他車両100に設けられる通信装置102との間で車車間通信を行い、他車両100の情報(車種、走行状態、走行位置等)を含む外界情報を取得する。第2通信装置32は、道路110等のインフラに設けられる路側通信装置112との間で路車間通信を行い、道路情報(交通信号機に関する情報、渋滞情報等)を含む外界情報を取得する。地図ユニット34は、レーン数、レーン種類、レーン幅等を記憶する。ナビゲーション装置36は、衛星航法および/または自立航法で自車両10の位置を計測する測位部38と、地図情報42と、地図情報42に基づいて自車両10の位置から目的地までの予定経路を設定する経路設定部40と、を備える。車両センサ44は、自車両10の走行状態を検出する。車両センサ44には、図示しない車速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ、傾斜センサ、走行距離センサ等が含まれる。
【0023】
[1.2.出力系装置群70]
出力系装置群70には、駆動力出力装置72と操舵装置74と制動装置76と方向指示装置78と報知装置82とが含まれる。駆動力出力装置72には、駆動力出力ECUと、エンジンや駆動モータ等の駆動源と、が含まれる。駆動力出力装置72は、乗員が行うアクセルペダルの操作または制御機50から出力される駆動の制御指示に応じて駆動力を発生させる。操舵装置74には、電動パワーステアリングシステム(EPS)ECUと、EPSアクチュエータと、が含まれる。操舵装置74は、乗員が行うステアリングホイールの操作または制御機50から出力される操舵の制御指示に応じて操舵力を発生させる。制動装置76には、ブレーキECUと、ブレーキアクチュエータと、が含まれる。制動装置76は、乗員が行うブレーキペダルの操作または制御機50から出力される制動の制御指示に応じて制動力を発生させる。方向指示装置78には、ウインカECUと、ウインカ80と、が含まれる。方向指示装置78は、乗員が行うウインカスイッチの操作および/または制御機50から出力されるウインカ80の指令信号に応じてウインカ80を点灯または消灯させる。報知装置82には、報知ECUと、情報伝達装置(表示装置、音響装置、触覚装置等)と、が含まれる。報知装置82は、制御機50または他のECUから出力される報知指示に応じて乗員に対する報知を行う。
【0024】
[1.3.制御機50]
制御機50はECUにより構成され、プロセッサ等の演算装置52と、ROMやRAM等の記憶装置66と、を備える。制御機50は、演算装置52が記憶装置66に記憶されるプログラムを実行することにより各種機能を実現する。図2に示されるように、演算装置52は、外界認識部54と自車位置認識部56と行動計画部58と車両制御部62と報知制御部64として機能する。
【0025】
外界認識部54は、外界センサ16、車両側通信装置28、地図ユニット34、ナビゲーション装置36から出力される情報に基づいて、自車両10の周辺を認識する。例えば、外界認識部54は、カメラ18により取得される画像情報、レーダ24およびLIDAR26により取得される情報、第1通信装置30により取得される外界情報に基づいて、自車両10の周辺で走行または停車する他車両100の存在、位置、大きさ、種別、進行方向を認識すると共に、自車両10と他車両100との距離、相対速度を認識する。また、外界認識部54は、カメラ18により取得される画像情報、レーダ24およびLIDAR26により取得される情報、地図ユニット34に記憶される高精度地図、ナビゲーション装置36に記憶される地図情報42、第2通信装置32により取得される外界情報に基づいて、道路環境に含まれる認識対象物(道路110、レーンマーク126、中央分離帯、道路周辺の施設、スペース)の形状、位置を認識する。また、外界認識部54は、カメラ18により取得される画像情報、または、第2通信装置32により取得される外界情報に基づいて、交通信号機が示す信号(進行可能状態、進行不可状態)を認識する。
【0026】
自車位置認識部56は、地図ユニット34およびナビゲーション装置36から出力される情報に基づいて、自車両10の位置を認識する。
【0027】
行動計画部58は、外界認識部54および自車位置認識部56の認識結果と、入力系装置群14の検出情報および記憶情報と、に基づいて自車両10の最適な行動を計画する。例えば、行動計画部58は、各時点で自車両10の挙動を計画し、その挙動を実現するための目標走行軌道および目標速度を生成する。また、行動計画部58は、予定経路が設定されている場合には自車両10を予定経路に沿って目的地に到達させる行動を計画し、予定経路が設定されていない場合には自車両10を道なりに走行させる行動を計画する。また、行動計画部58は、走行制御以外の行動、例えば乗員に対する報知の内容、タイミングや、ウインカ80の動作タイミング等を計画する。
【0028】
車両制御部62は、行動計画部58により計画される行動に基づいて出力系装置群70を制御する。例えば、車両制御部62は、行動計画部58で生成される目標走行軌道に応じた操舵指令値、および、目標速度に応じた加減速指令値を算出し、駆動力出力装置72、操舵装置74、制動装置76に対して制御指示を出力する。また、車両制御部62は、操舵前に方向指示装置78に対してウインカ80の動作指示を出力する。
【0029】
報知制御部64は、行動計画部58により計画される報知行動に基づいて報知装置82に対して報知指示を出力する。
【0030】
図1に示される記憶装置66は、演算装置52により実行される各種プログラムの他に、各処理の比較や判定等に用いられる閾値等の数値を記憶する。例えば、自車両10がイエローレーン128Yを走行すべき距離を示す第1所定距離D1と、第1所定距離D1よりも長い第2所定距離D2を記憶する。
【0031】
[2.本実施形態で想定する状況]
本実施形態では図3〜図5に示される状況を想定する。図3〜図5に示される道路110は右側通行である。図3〜図5に示されるように、第1道路120には、互いに相反(対向)する方向を進行方向とする第1走行路122と第2走行路124が含まれる。本道である第1道路120の第2走行路124側には、間道である第2道路140(目標領域)が交差する。図3、図4に示される第1道路120には第1走行路122と第2走行路124との間に、両走行路に隣接する特定区域130が設けられ、図5に示される第1道路120には特定区域130は設けられない。図3、図4に示される特定区域130は、幅方向の両側を黄色の実線と破線の2本のレーンマーク126Yで区画されるイエローレーン128Yである。イエローレーン128Yは、米国等の道路110に設けられており、車両が互いに相反する方向に向かって走行可能な走行レーン128である。車両は、第1走行路122から第2走行路124側の領域(第2道路140等)に左折して進入する際に、イエローレーン128Yに移動し、イエローレーン128Yを走行してから左折する。また、車両は、第2走行路124から第1走行路122側の領域に左折して進入する際も同じようにイエローレーン128Yを利用して左折する。また、車両は、第2道路140から第1走行路122に左折して進入する際に、イエローレーン128Yに進入し、イエローレーン128Yを走行してから第1走行路122の走行レーン128に移動する。図3〜図5は、自車両10が第1道路120の第1走行路122から第2道路140に左折して進入するときに生成される走行軌道150a〜150c、152a〜152c、154a、154bを示す。
【0032】
[3.車両制御装置12の動作]
図6および図7を用いて車両制御装置12の動作を説明する。
【0033】
[3.1.主処理]
図6に示される主処理のステップS1において、行動計画部58は、自車位置認識部56が認識する自車両10の位置と地図情報42または地図ユニット34の情報と予定経路とに基づいて自車両10に発生するイベントを判定する。図3〜図5に示されるように、第1走行路122を走行する自車両10が第2道路140に接近すると、第1走行路122を直進する、または、第2道路140へ進入する、というイベントが発生する。自車両10が第2走行路124を横断して第2道路140に進入する場合(ステップS1:YES)、処理はステップS2に移行する。一方、自車両10が第2道路140に進入しない場合(ステップS1:NO)、図6に示される一連の処理は一旦終了する。
【0034】
ステップS2において、外界認識部54は、入力系装置群14から出力される最新の情報に基づいて自車両10の周辺、ここでは第1道路120に含まれる各走行レーン128を認識する。例えば、外界認識部54は、地図情報42または地図ユニット34の情報に基づいて第1道路120に含まれる各走行レーン128を認識することができる。
【0035】
また、外界認識部54は、カメラ18で取得される画像情報に基づいて第1道路120に含まれる各走行レーン128を認識することもできる。このとき、外界認識部54は、画像情報に基づいてレーンマーク126(黄色のレーンマーク126Y、センターライン126Cを含む。)を認識する。そして、第1道路120の中心領域に、黄色のレーンマーク126Yまたは内側の破線と外側の実線からなる2本線のレーンマーク126Yで両側を区画される走行レーン128を認識する場合に、その走行レーン128をイエローレーン128Yとして認識する。
【0036】
図3、図4に示されるように第2道路140と自車両10との間にイエローレーン128Yがある場合、外界認識部54はイエローレーン128Yを認識する。この場合(ステップS3:YES)、処理はステップS4に移行する。一方、図5に示されるように第2道路140と自車両10との間にイエローレーン128Yがない場合、外界認識部54はイエローレーン128Yを認識しない。この場合(ステップS3:NO)、処理はステップS8に移行する。
【0037】
ステップS3からステップS4に移行すると、図7に示される移動前処理が行われる。移動前処理には、自車両10がイエローレーン128Yに移動する前に行う所定の判定および処理が含まれる。移動前処理で行う判定および処理は任意に設定可能である。本実施形態では、移動前処理において、第1走行路122からイエローレーン128Yにレーン変更するための走行軌道150a(図3)、走行軌道152a(図4)、目標速度が生成される。移動前処理については下記[3.2]で説明する。
【0038】
移動前処理が終了すると、ステップS5において、車両制御部62は、自車両10を第1走行路122からイエローレーン128Yに移動させる。すなわち、車両制御部62は、移動前処理で生成された走行軌道150a、152aに沿って自車両10を走行させる。このとき、車両制御部62は車速を略等速に維持する。駆動力出力装置72および制動装置76は、車両制御部62から出力される等速指示に応じて動作する。また、操舵装置74は、車両制御部62から出力される操舵指示に応じて動作する。
【0039】
ステップS6において、車両制御部62は、自車両10をイエローレーン128Yで走行させる。すなわち、行動計画部58は、イエローレーン128Yを利用して自車両10を第2道路140の手前まで走行させる走行軌道150b、152b(図3、図4)および目標速度を生成する。車両制御部62は、走行軌道150b、152bに沿って自車両10を走行させると共に、目標速度に応じて加減速を制御する。駆動力出力装置72および制動装置76は、車両制御部62から出力される加減速指示に応じて動作する。すると、図3に示されるように、自車両10はイエローレーン128Yを第1所定距離D1だけ走行する。図4に示されるように、第1道路120に障害物160(例えば中央分離帯等のような道路構造物や他車両100等)がある場合、自車両10はイエローレーン128Yを第3所定距離D3(<D1)だけ走行する。
【0040】
ステップS7において、車両制御部62は、自車両10をイエローレーン128Yから第2道路140に進入させる。すなわち、行動計画部58は、自車両10をイエローレーン128Yから第2道路140に進入させる走行軌道150c(図3)、走行軌道152c(図4)、目標速度を生成する。車両制御部62は、走行軌道150c、152cに沿って自車両10を走行させると共に、目標速度に応じて加減速を制御する。駆動力出力装置72および制動装置76は、車両制御部62から出力される加減速指示に応じて動作する。また、操舵装置74は、車両制御部62から出力される操舵指示に応じて動作する。
【0041】
ステップS3からステップS8に移行すると、車両制御部62は、自車両10を第1走行路122で走行させる。すなわち、行動計画部58は、第1走行路122を利用して自車両10を第2道路140の手前まで走行させる走行軌道154a(図5)、目標速度を生成する。車両制御部62は、走行軌道154aに沿って自車両10を走行させると共に、目標速度に応じて加減速を制御する。駆動力出力装置72および制動装置76は、車両制御部62から出力される加減速指示に応じて動作する。
【0042】
ステップS9において、車両制御部62は、自車両10を第1走行路122から第2道路140に進入させる。すなわち、行動計画部58は、自車両10を第1走行路122から第2道路140に進入させる走行軌道154b(図5)、目標速度を生成する。車両制御部62は、走行軌道154bに沿って自車両10を走行させると共に、目標速度に応じて加減速を制御する。駆動力出力装置72および制動装置76は、車両制御部62から出力される加減速指示に応じて動作する。また、操舵装置74は、車両制御部62から出力される操舵指示に応じて動作する。
【0043】
[3.2.移動前処理]
図6に示されるステップS3からステップS4に移行すると、図7に示される一連の処理が行われる。ステップS11において、外界認識部54は、画像情報または第2通信装置32により取得される外界情報に基づいて、第2道路140から第1所定距離D1手前の第1走行路122で渋滞が発生しているか否かを認識する。渋滞が発生している場合(ステップS11:YES)、処理はステップS12に移行する。一方、渋滞が発生していない場合(ステップS11:NO)、処理はステップS13に移行する。
【0044】
ステップS11からステップS12に移行すると、行動計画部58は、第1所定距離D1の位置よりも更に手前の位置からイエローレーン128Y側、ここでは左側のウインカ80を点灯する行動を計画する。車両制御部62は、行動計画部58で定められた所定のタイミングで方向指示装置78に対してウインカ80の点灯指示を出力する。方向指示装置78は点灯指示に応じてウインカ80を点灯させる。
【0045】
ステップS13において、外界認識部54は、画像情報、地図ユニット34に記憶される高精度地図、地図情報42のうち少なくとも1つの情報に基づいて、第2道路140から第1所定距離D1手前に障害物160があるか否かを認識する。障害物160がない場合(ステップS13:YES)、処理はステップS14に移行する。一方、障害物160がある場合(ステップS13:NO)、処理はステップS15に移行する。
【0046】
ステップS13からステップS14に移行すると、行動計画部58は、第1走行路122からイエローレーン128Yへレーン変更するための走行軌道150a(図3)および目標速度を生成する。走行軌道150aの起点Sは、自車両10の前方であって第1走行路122内の略中央位置に設定される。走行軌道150aの終点Eは、第2道路140から第1所定距離D1手前であってイエローレーン128Y内の略中央位置に設定される。
【0047】
ステップS13からステップS15に移行すると、行動計画部58は、第1走行路122からイエローレーン128Yへレーン変更するための走行軌道152b(図4)および目標速度を生成する。走行軌道152aの起点Sは、障害物160とイエローレーン128Yとの境界162の位置であって第1走行路122内の略中央位置に設定される。走行軌道152aの終点Eは、第2道路140よりも自車両10側であってイエローレーン128Y内の中央位置に設定される。
【0048】
ステップS14またはステップS15からステップS16に移行すると、外界認識部54は自車両10に向かってイエローレーン128Yを走行する他車両100があるか否かを認識する。イエローレーン128Yを走行する他車両100がある場合(ステップS16:YES)、処理はステップS17に移行する。一方、イエローレーン128Yを走行する他車両100がない場合(ステップS16:NO)、処理はステップS19に移行する。
【0049】
ステップS16からステップS17に移行すると、行動計画部58は、第1速度制御を行うことを計画する。第1速度制御とは、自車両10をイエローレーン128Yで走行させるための速度制御である。ここでは、行動計画部58は、走行軌道150a、152aの終点Eにおいて設定すべき目標速度を走行軌道150a、152aの起点Sにおける目標速度とする。車両制御部62は、走行軌道150a、152aの起点Sにおいて自車両10を目標速度で走行させるために必要な加減速度を算出する。駆動力出力装置72および制動装置76は、車両制御部62から出力される加減速指示に応じて動作する。
【0050】
ステップS18において、自車位置認識部56は、自車両10が走行軌道150a、152aの起点Sの位置、すなわちイエローレーン128Yへのレーン変更位置に達したか否かを判定する。自車両10がレーン変更位置に達した場合(ステップS18:YES)、移動前処理は終了する。一方、自車両10がレーン変更位置に達していない場合(ステップS18:NO)、処理はステップS17に戻る。
【0051】
ステップS16からステップS19に移行すると、行動計画部58は、自車両10から第2道路140までの距離Dが第2所定距離D2以下であるか否かを判定する。距離Dが第2所定距離D2以下になった場合(ステップS19:YES)、処理はステップS20に移行する。一方、距離Dが第2所定距離D2よりも大きい場合(ステップS19:NO)、処理はステップS16に戻る。
【0052】
ステップS19からステップS20に移行すると、行動計画部58は、第2速度制御を行うことを計画する。第2速度制御とは、イエローレーン128Yを走行する他車両100に対する速度制御である。ここでは、行動計画部58は、例えば他車両100が自車両10の前方のイエローレーン128Yを通過するまで所定の減速度で自車両10を減速、または、停車させる速度制御を計画する。このとき、行動計画部58は、他車両100と自車両10との相対位置、相対速度に応じて目標速度を設定する。車両制御部62は、自車両10を目標速度で走行させるために必要な加減速度を算出する。駆動力出力装置72および制動装置76は、車両制御部62から出力される減速指示に応じて動作する。
【0053】
ステップS21において、外界認識部54は、他車両100が自車両10の前方のイエローレーン128Yを通過したか否かを認識する。他車両100がイエローレーン128Yを通過した場合(ステップS21:YES)、処理はステップS22に移行する。一方、他車両100が自車両10のイエローレーン128Yを通過していない場合(ステップS21:NO)、処理はステップS20に戻る。
【0054】
ステップS21からステップS22に移行すると、行動計画部58は、走行軌道150a(図3)および目標速度を修正する。その後、処理はステップS18に移行する。
【0055】
[4.変形例]
上述した実施形態では、図3に示されるように、自車両10を、イエローレーン128Yで第1所定距離D1だけ走行させる。これに代わり、自車両10を、イエローレーン128Yで第1所定時間だけ走行させるようにしてもよい。この場合、行動計画部58は、イエローレーン128Yにおける自車両10の車速(所定値)または減速度(所定値)に基づいて、自車両10が左折開始位置への到達予定時間を計算する。そして、行動計画部58は、到達予定時間よりも第1所定時間前の時点で自車両10をイエローレーン128Yに移動させる行動を計画する。車両制御部62は、行動計画部58の計画に応じて自車両10を第1走行路122からイエローレーン128Yに移動させるために必要な加減速指示および操舵指示を出力する。
【0056】
また、外界認識部54が、第1所定時間前の時点で自車両10が走行する位置に障害物160を認識することがある。この場合には、行動計画部58は、自車両10が障害物160とイエローレーン128Yとの境界162を通過した後に、自車両10を、第1走行路122からイエローレーン128Yに移動させる行動を計画する。車両制御部62は、行動計画部58の計画に応じて自車両10を第1走行路122からイエローレーン128Yに移動させるために必要な加減速指示および操舵指示を出力する。
【0057】
上述した実施形態では、自車両10から第2道路140までの距離Dが第2所定距離D2以下になった場合(ステップS19:YES)に、第2速度制御を開始するようにしている。これに代わり、第2道路140への到達予定時間よりも第2所定時間前に自車両10が走行する位置から第2速度制御を開始するようにしてもよい。この場合、第2所定時間は、上述した第1所定時間よりも長い時間とする。
【0058】
特定区域130は、イエローレーン128Y以外でもよい。例えば、日本等の道路110に設けられる導流帯でもよい。この場合、外界認識部54は白色の実線で囲まれる縞模様の地帯の有無を認識する。
【0059】
上述した実施形態では、目標領域を第2道路140とし、第1走行路122から第2道路140に第2走行路124を横断して進入する場面で本発明を使用する例を説明した。これとは別に、目標領域を第2走行路124の脇の駐車場等とし、第1走行路122から駐車場等に第2走行路124を横断して進入する場面でも本発明を使用可能である。
【0060】
また、車両側通信装置28により取得される外界情報がイエローレーン128Yの有無を示す情報を含む反面、詳細な位置情報を含まないことも考えられる。このような場合に行動計画部58は、外界情報に基づいて第1道路120にイエローレーン128Yがあることを想定し、仮想のイエローレーン128Yを生成したうえで、各種制御を行うようにしてもよい。
【0061】
[5.本実施形態および変形例の要点]
車両制御装置12は、自車両10の周辺状態を認識する外界認識部54と、外界認識部54の認識結果に基づいて自車両10の走行制御を行う車両制御部62と、を備える。自車両10が、相反する方向を進行方向とする第1走行路122と第2走行路124とを有する第1道路120のうちの第1走行路122を走行し、第1走行路122から第2走行路124側の第2道路140(目標領域)に第2走行路124を横断して進入する際、車両制御部62は次の処理を行う。すなわち、外界認識部54が第1走行路122と第2走行路124との間に自車両10が走行可能な特定区域130(イエローレーン128Y)を認識する場合には、車両制御部62は、自車両10を、第1走行路122から特定区域130に移動させ、更に特定区域130で第1走行路122に沿って走行させた後に特定区域130から第2道路140に進入させる。一方、外界認識部54が、特定区域130を認識しない場合には、車両制御部62は、自車両10を、第1走行路122から第2道路140に進入させる。
【0062】
上記構成によれば、自車両10を、第1走行路122から特定区域130に移動させて第1走行路122に沿って走行させた後に第2道路140に進入させる。このため、特定区域130が設けられる場所で特定区域130を利用して自車両10の進行方向の変更(左折または右折)を適切に行うことができる。
【0063】
外界認識部54が特定区域130を認識する場合には、車両制御部62は、自車両10を、第2道路140から第1所定距離D1手前の特定区域130に移動させる。または、車両制御部62は、自車両10を、第2道路140への到達予定時間よりも所定時間前の時点で特定区域130に移動させる。
【0064】
上記構成によれば、特定区域130の走行距離または走行時間が設定される場合に、その設定に従って自車両10の進行方向の変更(左折または右折)を行うことができる。
【0065】
車両制御部62は、自車両10を第1走行路122から特定区域130に移動させる前に、特定区域130で走行させるための速度制御を行う。
【0066】
特定区域130への移動を行いつつ減速を行うと、自車両10には減速度と横加速度の両者が同時に発生する。このため、乗員が自車両10の動作に違和感を覚える可能性がある。上記構成によれば、自車両10を特定区域130に移動させる前に、予め自車両10の速度制御、例えば減速制御を行うため、特定区域130への移動を行いつつ減速する必要がなくなる。このため、乗員が自車両10の動作に違和感を覚えることがなくなる。
【0067】
外界認識部54が特定区域130に他車両100を認識する場合には、車両制御部62は、第2道路140から第2所定距離D2手前の位置、または、第2道路140への到達予定時間よりも第2所定時間前に自車両10が走行する位置から他車両100に対する速度制御を行う。
【0068】
上記構成によれば、他車両100に対する速度制御を行うため、特定区域130への移動後に自車両10を円滑に走行させることができる。
【0069】
外界認識部54が第2道路140から第1所定距離D1手前の位置、または、第2道路140への到達予定時間よりも所定時間前に自車両10が走行する位置に障害物160を認識する場合には、車両制御部62は、自車両10が障害物160を通過した後に、自車両10を、第1走行路122から特定区域130に移動させる。
【0070】
上記構成によれば、特定区域130に障害物160があったとしても、自車両10を特定区域130で走行させることができる。
【0071】
外界認識部54が第2道路140から第1所定距離D1手前の位置で交通渋滞を認識する場合には、車両制御部62は、自車両10がその位置に到達する前に特定区域130側のウインカ80を点灯させる。
【0072】
上記構成によれば、自車両10の挙動を予め周囲に認識させることができる。
【0073】
なお、本発明に係る車両制御装置は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0074】
10…自車両 12…車両制御装置
54…外界認識部 62…車両制御部
100…他車両 120…第1道路
122…第1走行路 124…第2走行路
130…特定区域 140…第2道路
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】