(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019144700
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】試験システム、試験方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/26 20060101AFI20190802BHJP
   G06F 11/36 20060101ALI20190802BHJP
   G06F 11/22 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !G06F11/26 610
   !G06F11/36 196
   !G06F11/22 647
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】2018026425
(22)【出願日】20180216
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
【住所又は居所】神奈川県川崎市高津区北見方二丁目6番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】金丸 利彦
【住所又は居所】神奈川県川崎市高津区北見方二丁目6番1号 NECプラットフォームズ株式会社内
【テーマコード(参考)】
5B042
5B048
【Fターム(参考)】
5B042HH07
5B042HH49
5B042JJ16
5B048AA18
5B048BB02
5B048DD14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】計算機システムに一部の構成装置が実装されていない状態で、比較的高精度に試験を行えるようにする試験システム、試験方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】試験システム100が、試験対象の計算機システムを構成する構成装置900を用いた試験の可否を判定する接続状況判定部191と、試験が可能と判定された構成装置について当該構成装置を用いて試験を行い、試験が不可能と判定された構成装置について、当該構成装置の動作を模擬して試験を行う試験処理部192と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験対象の計算機システムを構成する構成装置を用いた試験の可否を判定する接続状況判定部と、
前記構成装置を用いた試験が可能と判定された構成装置について、当該構成装置を用いて試験を行い、前記構成装置を用いた試験が不可能と判定された構成装置について、当該構成装置の動作を模擬して試験を行う試験処理部と、
を備える試験システム。
【請求項2】
前記接続状況判定部は、前記試験対象の計算機システムが備えるCPUを前記構成装置として、前記CPUを用いた試験の可否を判定し、
前記試験処理部は、前記CPUを用いた試験が可能と判定されたCPUについて、当該CPUを用いて試験を行い、前記CPUを用いた試験が不可能と判定されたCPUについて、当該CPUの動作を模擬して試験を行う、
請求項1に記載の試験システム。
【請求項3】
前記構成装置である前記CPUに実行させるための部分試験プログラムを試験の種類毎に記憶する部分試験プログラム記憶部をさらに備え、
前記試験処理部は、前記CPUを用いた試験が不可能と判定されたCPUの動作を模擬して、前記部分試験プログラムのうち実行対象の種類の試験の部分試験プログラムを実行する、
請求項2に記載の試験システム。
【請求項4】
前記接続状況判定部は、前記構成装置である前記CPU毎に、当該CPUが前記試験対象の計算機システムに実装されているか否かを判定した判定結果を、前記CPU毎に前記判定結果を示す資源管理テーブルに書き込み、
前記試験処理部は、前記資源管理テーブルを参照して、前記資源管理テーブルが示すCPU毎に当該CPUを用いた試験の可否を判定する、
請求項2または請求項3に記載の試験システム。
【請求項5】
試験対象の計算機システムを構成する構成装置を用いた試験の可否を判定する工程と、
前記構成装置を用いた試験が可能と判定された構成装置について、当該構成装置を用いて試験を行う工程と、
前記構成装置を用いた試験が不可能と判定された構成装置について、当該構成装置の動作を模擬して試験を行う工程と
を含む試験方法。
【請求項6】
コンピュータに、
試験対象の計算機システムを構成する構成装置を用いた試験の可否を判定する工程と、
前記構成装置を用いた試験が可能と判定された構成装置について、当該構成装置を用いて試験を行う工程と、
前記構成装置を用いた試験が不可能と判定された構成装置について、当該構成装置の動作を模擬して試験を行う工程と
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験システム、試験方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
計算機システムの有効利用に関連して幾つかの技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、ハードウェア資源を一括管理してハードウェア資源の有効利用を図るマシン資源管理システムが記載されている。特許文献1に記載のマシン資源管理システムでは、アプリケーション実行部が共通ハードウェアにアクセスしようとすると、資源割当要求手段が資源割当確保手段に共通ハードウェアの割当を要求する。資源割当確保手段は、資源テーブルを検索して割り当て可能な共通ハードウェアに関する情報を資源リンク手段に通知する。資源リンク手段は、通知のあった共通ハードウェアにアプリケーション実行部をアクセスさせる。アクセスが完了すると、資源解放手段が共通ハードウェアを解放する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−100984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
計算機システムの有効利用のために、システム試験の実施が重要である。例えば、計算機システムのシステム試験を行って計算機システムが正常に動作することを確認することが、システムの稼働率を高めることにつながる。また、計算機システムの性能評価試験を行って所望の性能を確保することが、計算機システムの実用性の観点から重要である。
一方、全ての構成装置が計算機システムに実装されて試験可能な状態にあるとは限らない。例えば、計算機システムの構築段階では、一部の構成装置が未だ計算機システムに実装されていないことが考えられる。これに対し、計算機システムのリリースのスケジュールからできるだけ早期にシステム試験を行うことが求められる場合が考えられる。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決することのできる試験システム、試験方法およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、試験システムは、試験対象の計算機システムを構成する構成装置を用いた試験の可否を判定する接続状況判定部と、前記構成装置を用いた試験が可能と判定された構成装置について、当該構成装置を用いて試験を行い、前記構成装置を用いた試験が不可能と判定された構成装置について、当該構成装置の動作を模擬して試験を行う試験処理部と、を備える。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、試験方法は、試験対象の計算機システムを構成する構成装置を用いた試験の可否を判定する工程と、前記構成装置を用いた試験が可能と判定された構成装置について、当該構成装置を用いて試験を行う工程と、前記構成装置を用いた試験が不可能と判定された構成装置について、当該構成装置の動作を模擬して試験を行う工程とを含む。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、プログラムは、コンピュータに、試験対象の計算機システムを構成する構成装置を用いた試験の可否を判定する工程と、前記構成装置を用いた試験が可能と判定された構成装置について、当該構成装置を用いて試験を行う工程と、前記構成装置を用いた試験が不可能と判定された構成装置について、当該構成装置の動作を模擬して試験を行う工程とを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、計算機システムに一部の構成装置が実装されていない状態で、比較的高精度に試験を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係る試験環境の構成例を示す概略ブロック図である。
【図2】実施形態に係る試験システムによる接続状況の問い合わせ前の資源管理テーブルの例を示す図である。
【図3】実施形態に係る試験システムによる接続状況の問い合わせ後の資源管理テーブルの例を示す図である。
【図4】実施形態に係る接続状況判定部が装置群の装置の接続状況を判定する際の、接続状況判定部およびCPUの動作の例を示す図である。
【図5】実施形態に係る試験処理部が装置群のシステム試験を行う処理手順の例を示す図である。
【図6】実施形態に係る試験処理部が、拡張試験モードにて個々の装置の試験を行う処理手順の例を示す図である。
【図7】本発明に係る試験システムの最小構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、実施形態に係る試験環境の構成例を示す概略ブロック図である。図1に示す構成で、試験環境1は、試験システム100と、装置群900とを備える。試験システム100は、通信部110と、表示部120と、操作入力部130と、記憶部180と、制御部190とを備える。記憶部180は、資源管理テーブル記憶部181と、試験プログラム記憶部182と、部分試験プログラム記憶部183と、拡張試験プログラム記憶部184とを備える。制御部190は、接続状況判定部191と、試験処理部192とを備える。
【0012】
装置群900は、CPU(Central Processing Unit1、中央処理装置)901−1〜901−Mと、IOP(Input Output Processor、入出力プロセッサ)902−1〜902−Nと、プリンタ903と、周辺装置904と、エミュレータ(Emulator)905−1〜905−Lと、FD(Floppy Disk)/CD(Compact Disk)906とを備える構成となっている。Mは、装置群900が備えるCPUの数を示す正整数である。Nは、装置群900が備えるIOPの数を示す正整数である。Lは、装置群900が備えるエミュレータの数を示す正整数である。
【0013】
装置群900は、試験対象の計算機システムである。装置群900は、例えばワークステーション(Workstation)またはパソコン(Personal Computer;PC)等のコンピュータと周辺装置とを組み合わせて構成されている。図1に示す装置群900の構成は一例であり、特定の構成に限定されない。装置群900の構成は、試験システム100からの接続状況の問い合わせに回答可能、かつ、システム試験を実施可能な構成であればよい。
【0014】
ここでいう接続状況は、装置群900を構成する装置が、装置群900に実装されているか否かである。以下では、装置群900を構成する装置を、装置群900の構成装置、または単に構成装置と称する。
装置群900が構築段階にある場合など、装置群900の構成装置の一部が未だ実装されていない場合がある。かかる場合のように、装置群900の構成装置が試験システム100からの接続状況の問い合わせに回答しないとき、この構成装置は「未接続」として扱われる。「未接続」は、構成装置が装置群900の一部として動作しない状態を示す。したがって、試験システム100は「未接続」の構成装置の実機を用いて試験を行うことはできない。
一方、装置群900の構成装置が試験システム100からの接続状況の問い合わせに回答したとき、この構成装置は「接続」として扱われる。「接続」は、構成装置が装置群900の一部として動作可能な状態を示す。したがって、試験システム100は「接続」の構成装置の実機を用いて試験を行うことができる。
【0015】
以下では、接続状況の問い合わせ対象、および、装置レベルの試験のために試験プログラムを実行する対象が、いずれもCPU901−1〜901−Mである場合を例に説明する。装置群900の構成が、複数のコンピュータが通信ネットワークに接続され、各コンピュータに周辺装置等の装置が付属している構成となっている場合が、この例に該当する。コンピュータおよび当該コンピュータに付属する装置を単位として、当該コンピュータが備えるCPUが単位毎に接続状況を判定し、また、試験プログラムを実行する。
以下では、CPU901−1〜901−Mに実行させるための試験プログラムを部分試験プログラムと称する。
【0016】
ただし、接続状況の問い合わせ対象および試験プログラムを実行する対象がCPU以外の構成部分であってもよい。例えば、装置群900の構成部分のうちCPU以外のプロセッサが試験システム100からの問い合わせに回答可能、かつ、試験プログラムを実行可能な場合、試験システム100が、当該プロセッサに接続状況を問い合わせ、また、試験プログラムを実行させるようにしてもよい。
【0017】
試験システム100は、装置群900のシステム試験を実施する。装置群900のシステム試験は、構成装置単体の試験を含んでいる。また、試験システム100は、試験環境1におけるユーザインタフェースとして機能する。
試験システム100は、例えばワークステーションまたはパソコン等のコンピュータを用いて構成される。試験システム100が、1台のコンピュータを用いて構成されていてもよいし、複数台のコンピュータを用いて構成されていてもよい。また、試験システム100が仮想マシンを用いて構成されていてもよい。
【0018】
通信部110は、他の装置と通信を行う。特に通信部110は、装置群900の構成装置と通信を行って各構成装置の接続状況を問い合わせる。また、通信部110は、装置群900に部分試験プログラムを送信して装置群900のCPU901−1〜901−Mに実行させ、試験結果情報を受信する。
表示部120は、例えば液晶パネルまたはLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)パネル等の表示画面を備え、各種画像を表示する。例えば、表示部120は、装置群900の試験結果を表示する。
【0019】
操作入力部130は、例えばキーボードおよびマウス等の入力デバイスを備え、ユーザ操作を受ける。例えば、操作入力部130は、システム試験開始を指示するユーザ操作を受ける。
記憶部180は、各種情報を記憶する。記憶部180は、試験システム100が備える記憶デバイスを用いて構成される。
資源管理テーブル記憶部181は、資源管理テーブルを記憶する。資源管理テーブルは、装置群900の装置の状態を示す情報である。特に、資源管理テーブルは、装置群900の装置の接続状況を示す。
【0020】
図2は、試験システム100による接続状況の問い合わせ前の資源管理テーブルの例を示す図である。図2の例で、資源管理テーブルは、「装置名」欄と、「状態」欄と、「接続」欄とを含む表形式のデータとして構成されている。
「装置名」欄には、接続状況の問い合わせ対象であるCPUの名称が格納されており、資源管理テーブルの1行が1つのCPU分の情報を示す。CPU−1〜CPU−Mは、図1のCPU901−1〜901−Mの名称である。
【0021】
「状態」欄には、CPUに部分試験プログラムを実行させる通常試験の可否を示す情報が格納される。図2の例では、「状態」欄は空になっている。
「状態」欄の値「ACT」は、CPUに部分試験プログラムを実行させる通常試験を実行可能であることを示す。値「拡張試験対象」は、CPUに部分試験プログラムを実行させることができないため、CPUの動作を模擬して試験を行う拡張試験を行うことを示す。
試験システム100は、接続状況の問い合わせの結果に応じて「状態」欄に値を格納する。
【0022】
「接続」欄には、装置群900の装置の接続状況を示す情報が格納される。「接続」欄の値「CONNECT」は、装置が装置群900に実装されていることを示す。「接続」欄の値「未接続」は、装置が装置群900に実装されていないことを示す。
「接続」欄に、さらに詳細な情報を格納するようにしてもよい。例えば、CPUは装置群900に実装されているが、付属装置が未実装である場合、「接続」欄に未実装の付属装置の名称を格納するようにしてもよい。
このように、資源管理テーブルが「状態」欄と別に「接続」欄を備えることで、装置の接続状況をより正確に示すことができる。
【0023】
図3は、試験システム100による接続状況の問い合わせ後の資源管理テーブルの例を示す図である。図3の例では、図2の資源管理テーブルの「状態」欄および「接続」欄に値が格納されている。試験システム100からの接続状況の問い合わせにて「接続」とされたCPUについては、「状態」欄の値が「ACT」となり、「接続」欄の値が「CONNECT」となっている。一方、試験システム100からの接続状況の問い合わせにて「未接続」とされたCPUについては、「状態」欄の値が「拡張試験対象」となり、「接続」欄の値が「未接続」となっている。
【0024】
試験プログラム記憶部182は、システム試験のためのプログラムを格納する。
部分試験プログラム記憶部183は、部分試験プログラムを格納する。部分試験プログラムは、CPUに実行させるための試験プログラムである。試験システム100からの接続状況の問い合わせにて「接続」とされたCPUには、部分試験プログラムを実行させることで試験を行う。
拡張試験プログラム記憶部184は、拡張試験プログラムを格納する。拡張試験プログラムは、試験システム100からの接続状況の問い合わせにて「未接続」とされたCPUについて、PCUの動作を模擬して試験を行うためのプログラムである。
【0025】
制御部190は、試験システム100の各部を制御して各種処理を実行する。制御部190は、試験システム100が備えるCPUが記憶部180からプログラムを読み出して実行することで構成される。
接続状況判定部191は、上述した接続状況の問い合わせを行う。具体的には、接続状況判定部191は、通信部110を介してCPU901−1〜901−Mの各々に対して接続状況の問い合わせを送信し、通信部110が受信する回答を取得する。接続状況判定部191は、CPUからの回答の有無に応じて資源管理テーブルを更新する。
【0026】
試験処理部192は、装置群900のシステム試験を行う。試験処理部192は、試験プログラム記憶部182が記憶しているシステム試験のためのプログラムを実行することでシステム試験を行う。システム試験中のCPU単位での試験(装置レベルの試験)について、試験処理部192は、資源管理テーブルを参照して通常試験または拡張試験の何れかを行う。通常試験の場合、試験処理部192は、通信部110を介してCPUに部分試験プログラムを送信して当該プログラムを実行させる。拡張試験の場合、試験処理部192は、拡張試験プログラムを実行することでCPUの動作を模擬して試験を行う。
【0027】
次に、図4〜図6を参照して試験システム100および装置群900の動作について説明する。
図4は、接続状況判定部191が装置群900の装置の接続状況を判定する際の、接続状況判定部191およびCPU901−1〜901−Mの動作の例を示す図である。図4では、接続状況判定部191およびCPU901−1〜901−Mの動作をシーケンス図風に示している。例えば、ユーザがシステム試験実行を指示するユーザ操作を操作入力部130にて行うと、接続状況判定部191が、システム試験の前処理として装置群900の装置の接続状況の判定を行う。
図4の処理で、接続状況判定部191は、接続状況を確認する対象の装置を選択する(シーケンスS111)。図4の例では接続状況判定部191は、資源管理テーブルを参照して、資源管理テーブルに記載されているCPU901−1〜901−Mの各々を、接続状況を確認する対象の装置に選択する。
【0028】
次に、接続状況判定部191は、通信部110を介してCPU901−1〜901−Mの各々に接続状況の問い合わせを送信する(シーケンスS112)。このとき、接続状況判定部191は、CPU901−1〜901−Mの各々を初期化するため、CPU901−1〜901−Mの各々に対し、接続状況の問い合わせに起動指示を含めて送信する。
接続状況判定部191が、接続状況の問い合わせをブロードキャストで送信するようにしてもよい。あるいは、接続状況判定部191が、CPU901−1〜901−Mそれぞれ宛に接続状況の問い合わせを送信するようにしてもよい。
【0029】
CPU901−1〜901−Mの各々は、接続状況の問い合わせを受けて起動または再起動し(シーケンスS121)、接続状況を確認して確認結果を回答する(シーケンスS122)。
接続状況判定部191は、CPU901−1〜901−Mからの回答に応じて資源管理テーブルを更新する(シーケンスS131)。具体的には、接続状況判定部191は、CPU901−1〜901−MのうちシーケンスS122で回答のあったCPUを「接続」として扱い、回答のなかったCPUを「未接続」として扱う。接続状況判定部191は、「接続」としたCPUについて、資源管理テーブルの「状態」欄の値を「ACT」にし、「接続」欄の値を「CONNECT」にする。一方、接続状況判定部191は、「未接続」としたCPUについて、資源管理テーブルの「状態」欄の値を「拡張試験対象」にし、「接続」欄の値を「未接続」にする。
シーケンスS131の後、図4の処理を終了する。
【0030】
図5は、試験処理部192が装置群900のシステム試験を行う処理手順の例を示す図である。図5では、試験処理部192が行う処理の手順をフローチャート風に示している。
図5の処理で、試験処理部192が、拡張試験モードに設定されているか否かを判定する(ステップS211)。例えば、ユーザが、システム試験の実行を指示する前に予め、拡張試験モードまたは従来試験モードの何れかに設定しておく。
【0031】
拡張試験モードであると判定した場合(ステップS211:YES)、試験処理部192は、拡張対応システム試験にて装置群900の試験を行う(ステップS221)。拡張対応システム試験では、装置群900の個々の装置の試験(ステップS222)を行う際、接続状況の問い合わせで「未接続」とされたCPUについて、拡張試験プログラムを用いてCPUの動作を模擬して試験を行う。
ステップS221の後、試験処理部192は、図5の処理を終了する。
【0032】
一方、ステップS211で拡張試験モードではないと判定した場合(ステップS211:NO)、試験処理部192は、従来の方式によるシステム試験にて装置群900のシステム試験を行う(ステップS231)。従来の方式によるシステム試験では、試験処理部192は、接続状況の問い合わせにて「未接続」とされたCPUについて、個々の装置の試験を行わない。
ステップS231の後、試験処理部192は、図5の処理を終了する。
【0033】
図6は、試験処理部192が、拡張試験モードにて個々の装置の試験を行う処理手順の例を示す図である。試験処理部192は、図5の拡張対応システム試験(ステップS221)における個々の装置の試験(ステップS222)にて図6の処理を行う。図6では、試験処理部192が行う処理の手順をフローチャート風に示している。
【0034】
図6の処理で、試験処理部192は、資源管理テーブルを参照して、試験対象の装置(具体的にはCPU)の「状態」欄の値が「ACT」か否かを判定する(ステップS311)。
「状態」欄の値が「ACT」になっていると判定した場合(ステップS311:YES)、試験処理部192は、個々の装置の試験を通常試験にて行う(ステップS321)。通常試験では、試験処理部192は、試験対象の装置に部分試験プログラムを実行させ、試験結果の情報を取得する。
ステップS321の後、試験処理部192は、図6の処理を終了する。
【0035】
一方、ステップS311で「状態」欄の値が「ACT」ではないと判定した場合、試験処理部192は、拡張試験プログラムを実行することで装置の動作を模擬して試験を行う。
図6の例では、試験の種類として「移送」、「制御」、「性能」および「通信」が示されている。これら試験の種類は部分試験プログラムに反映される。具体的には、部分試験プログラム記憶部183は、部分試験プログラムとして試験の種類毎に、移送試験プログラム、制御試験プログラム、性能試験プログラムおよび通信試験プログラムを記憶しておく。
【0036】
試験の種類は、例えば、CPU(を備えるコンピュータ)に接続している周辺装置等の種類、または、試験の進行具合、あるいはこれらの組み合わせから決定される。例えば、通信装置を制御するCPUには、通信の試験用の部分プログラムを実行させる。また、試験の進行具合に応じていろいろなレベルの試験用の部分プログラムを使い分けることが考えられる。
あるいは、ユーザが試験の種類を指示するようしてもよい。例えば、ユーザが、試験起動コマンドのパラメータにて試験の種類を指示するようにしてもよい。
試験処理部192は、拡張試験プログラムを実行することでCPUの動作を模擬し、試験の種類に応じた部分試験プログラムを実行する。
【0037】
具体的には、ステップS311で「状態」欄の値が「ACT」ではないと判定した場合(ステップS311:NO)、試験処理部192は、試験の種類が「移送」か否かを判定する(ステップS331)。試験の種類が「移送」であると判定した場合(ステップS331:YES)、試験処理部192は、部分試験プログラム記憶部183が試験の種類毎に記憶している部分試験プログラムのうち移送試験プログラムを読み出して実行する(ステップS332)。
ステップS332の後、試験処理部192は、図6の処理を終了する。
【0038】
一方、ステップS331で試験の種類が「移送」ではないと判定した場合(ステップS331:NO)、試験処理部192は、試験の種類が「制御」か否かを判定する(ステップS341)。試験の種類が「制御」であると判定した場合(ステップS341:YES)、試験処理部192は、部分試験プログラム記憶部183が試験の種類毎に記憶している部分試験プログラムのうち制御試験プログラムを読み出して実行する(ステップS342)。
ステップS342の後、試験処理部192は、図6の処理を終了する。
【0039】
一方、ステップS341で試験の種類が「制御」ではないと判定した場合(ステップS341:NO)、試験処理部192は、試験の種類が「性能」か否かを判定する(ステップS351)。試験の種類が「性能」であると判定した場合(ステップS351:YES)、試験処理部192は、部分試験プログラム記憶部183が試験の種類毎に記憶している部分試験プログラムのうち性能試験プログラムを読み出して実行する(ステップS352)。
ステップS352の後、試験処理部192は、図6の処理を終了する。
【0040】
一方、ステップS351で試験の種類が「性能」ではないと判定した場合(ステップS351:NO)、試験処理部192は、試験の種類が「通信」か否かを判定する(ステップS361)。試験の種類が「通信」であると判定した場合(ステップS361:YES)、試験処理部192は、部分試験プログラム記憶部183が試験の種類毎に記憶している部分試験プログラムのうち通信試験プログラムを読み出して実行する(ステップS362)。
ステップS362の後、試験処理部192は、図6の処理を終了する。
一方、ステップS361で試験の種類が「通信」ではないと判定した場合(ステップS361:NO)、試験処理部192は、ステップS331〜S362の処理と同様に、試験の種類を判定し、判定した試験の種類に応じた部分試験プログラムを実行した後、図6の処理を終了する。
【0041】
以上のように、接続状況判定部191は、装置群900を構成する構成装置を用いた試験の可否を判定する。試験処理部192は、構成装置を用いた試験が可能と判定された構成装置について、当該構成装置を用いて試験を行い、構成装置を用いた試験が不可能と判定された構成装置について、当該構成装置の動作を模擬して試験を行う。
これにより、試験システム100では、装置群900に未だ実装されていない構成装置についても試験を行うことができ、試験における網羅率を高めることができる。試験システム100によればこの点で、装置群900に一部の構成装置が実装されていない状態で、比較的高精度に試験を行うことができる。
また、試験システム100によれば、未実装の構成装置の試験を行わない場合よりも試験スケジュールを早めることができ、試験スケジュールの要求に比較的柔軟に対応することができる。
また、試験システム100によれば、構成装置の手配が間に合っていない場合に、レンタル等によって試験用に装置を用意する必要がない。試験システム100によればこの点でコストの増加を抑制することができる。
【0042】
また、接続状況判定部191は、装置群900が備えるCPU901−1〜901Mを構成装置として、CPU901−1〜901−Mの各々を用いた試験の可否を判定する。試験処理部192は、CPU901−1〜901−Mのうち当該CPUを用いた試験が可能と判定されたCPUについて、当該CPUを用いて試験を行う。一方、試験処理部192は、CPU901−1〜901−Mのうち当該CPUを用いた試験が不可能と判定されたCPUについて、当該CPUの動作を模擬して試験を行う。
このように試験システム100では、CPUを単位として構成装置の試験を行うことで、CPUに周辺装置を制御させて試験を行うことができ、試験対象の実運用時の動作と同様の動作を試験することができる。
【0043】
また、試験プログラム記憶部182は、構成装置であるCPU901−1〜901−Mに実行させるための部分試験プログラムを試験の種類毎に記憶する。試験処理部192は、CPU901−1〜901−Mのうち当該CPUを用いた試験が不可能と判定されたCPUの動作を模擬して、部分試験プログラムのうち実行対象の種類の試験の部分試験プログラムを実行する。
これにより、試験処理部192は、試験プログラムを実行するという、構成装置の実機を用いる場合の試験と同様の方法で試験を行うことができる。試験システム100によればこの点で、装置群900に一部の構成装置が実装されていない状態で、比較的高精度に試験を行うことができる。
また、試験処理部192は、試験の種類毎に用意されている部分試験プログラムを用いることで、CPUに接続されている周辺装置の構成、および、試験の進行状況などの条件に対応して試験を行うことができる。
【0044】
また、接続状況判定部191は、構成装置であるCPU毎に、当該CPUが前記試験対象の計算機システムに実装されているか否かを判定した判定結果を、CPU毎に判定結果を示す資源管理テーブルに書き込む。前記試験処理部192は、資源管理テーブルを参照して、資源管理テーブルが示すCPU毎に当該CPUを用いた試験の可否を判定する。
このように、試験システム100では、資源管理テーブルを用いることで接続状況判定部191と試験処理部192との同期をとる必要なしに試験を行うことができる。また、試験処理部192は、接続状況判定部191による判定が全て終わるのを待つ必要なしに、接続状況判定部191による判定結果が試験管理テーブルに記載されているCPUについて試験を進めることができる。
【0045】
次に、図7を参照して、本発明の最小構成について説明する。
図7は、本発明に係る試験システムの最小構成の例を示す図である。図7に示す試験システム10は、接続状況判定部11と、試験処理部12とを備える。
かかる構成にて、接続状況判定部11は、試験対象の計算機システムを構成する構成装置を用いた試験の可否を判定する。試験処理部12は、構成装置を用いた試験が可能と判定された構成装置について、当該構成装置を用いて試験を行い、構成装置を用いた試験が不可能と判定された構成装置について、当該構成装置の動作を模擬して試験を行う。
これにより、試験システム10では、試験対象の計算機システムに未だ実装されていない構成装置についても試験を行うことができ、試験における網羅率を高めることができる。試験システム10によればこの点で、試験対象の計算機システムに一部の構成装置が実装されていない状態で、比較的高精度に試験を行うことができる。
【0046】
なお、試験システム10および100の機能の全部または一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺装置等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0047】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1 試験環境
10、100 試験システム
11、191 接続状況判定部
12、192 試験処理部
110 通信部
120 表示部
130 操作入力部
180 記憶部
181 資源管理テーブル記憶部
182 試験プログラム記憶部
183 部分試験プログラム記憶部
184 拡張試験プログラム記憶部
190 制御部
900 装置群
901−1〜901−M CPU
902−1〜902−N IOP
903 プリンタ
904 周辺装置
905−1〜905−L エミュレータ
906 FD/CD
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】