【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
また、本明細書および図面において、実質的に同一又は類似の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する場合がある。ただし、実質的に同一又は類似の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。また、異なる実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合がある。ただし、類似する構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0023】
また、以下に説明する本発明の実施形態に係る現金管理システムは、金融機関等の本支店等やスーパーマーケット等の店舗等で利用されることに限定されるものではなく、様々な業種における現金の管理に適用することができる。
【0024】
<本発明の実施形態をなすに至った経緯>
まずは、本発明の実施形態の説明に先立ち、本発明者が本発明の実施形態をなすに至った経緯について説明する。
【0025】
上述した現金管理機は、顧客の応対を行う担当者に対して、釣銭の入出金と売上金の収納とを行う装置である。具体的には、現金管理機は、支店等の窓口担当者や店舗等のレジ担当者が使用する装置であり、担当者毎に釣銭の出金を行うための出金取引と、釣銭の返却と売上金の収納のための入金取引を行う。また、支店では、支店長や出納責任者等は、本店から釣銭準備金を受領し、受領した釣銭準備金を当該支店に設置された、上述したような複数の現金管理機や、当該支店に所属する分室に分配し、日々の支店における業務を行っている。
【0026】
さらに、支店に分配された釣銭準備金の金額やその分配の内訳は、先に説明したように、支店に属する出納責任者によって、帳簿に手書きされることにより、管理されている。また、受領した釣銭準備金から各現金管理機に分配され、充填された釣銭については、各収納した釣銭の金額の情報が印字された有高照会レシート等を現金管理機において毎日発行し、出納責任者は、当該有高照会レシート等を上記帳簿に貼り付けることにより、管理されている。加えて、受領した釣銭準備金から分室に分配された釣銭については、出納責任者が、分配及び返却のたびに手書きで上記帳簿に記入することにより管理されている。
【0027】
そして、先に説明したように、支店長は、本店から受領した釣銭準備金が適切に運用されているかどうかを、出納責任者が管理する帳簿や当該帳簿に貼付された有高照会レシート等を参照することにより、日々確認することができる。
【0028】
しかしながら、支店長が、現金管理機が発行する有高照会レシートの印字項目を熟知していないことに起因して、当該有高照会レシート又は現金管理機における釣銭の管理の不備等を見過ごす場合がある。さらに、上述した手書きの帳簿の不備等を、支店長が見過ごす場合もある。そして、このような見過ごしから、釣銭準備金の運用確認が適切に行われず、釣銭の違算や不正行為を許してしまうことにもつながる。
【0029】
具体的に説明すると、支店における釣銭準備金の運用確認業務においては、支店長は、帳簿の記載と複数の現金管理機が発行した有高照会レシート等を参照することにより、本店から受領した釣銭準備金が適切に運用されているかを確認する。従来、現金管理機が発行する有高照会レシート等のレシートには、現金管理機内に収納された釣銭の金額、及び、現金管理機に収納されていない釣銭の金額については、印字されているものの、これらの金額の総額である、当該現金管理機で管理されている釣銭の総額については印字されていない。従って、支店長は、上記有高照会レシートに印字された、他の金額の情報(現金管理機内に収納された現金の有高、売上金額、現金管理機に収納されていない未収納の釣銭の金額等)を参照して、手計算を行うことにより、上記釣銭総額を取得する。そして、支店長は、手計算で取得した釣銭総額と、当該現金管理機に分配された釣銭準備金の金額とが一致しているかを確認することにより、釣銭準備金が適切に運用されているかを確認している。すなわち、支店長は、帳簿の記載だけでなく、帳簿の記載に基づいて手計算等を行うことにより、支店の釣銭準備金の運用確認業務を行っている。
【0030】
さらに具体的に、例を挙げて、支店長による釣銭準備金の運用確認業務について説明する。
【0031】
例えば、支店は、本店から釣銭準備金として350万円を受領したものとする。さらに、当該支店においては、この受領した釣銭準備金から、当該支店に設置された2つの現金管理機(現金管理機1号機及び現金管理機2号機)に、それぞれ150万円ずつの釣銭を分配して、充填し、残りの50万円については、当該支店に属する分室に釣銭として分配するものとする。なお、この本店から受領した釣銭準備金の金額や内訳は、出納責任者により帳簿に手書きで記入される。
【0032】
さらに、当該支店において締上げを行ったところ、現金管理機1号機においては、当該現金管理機1号機内の現金有高と、売上金額と、当該現金管理機1号機に未収納の釣銭の金額とは、350万円、200万円、0円であった。さらに、現金管理機2号機においては、当該現金管理機2号機内の現金有高と、売上金額と、未収納の釣銭の金額とは、450万円、350万円、40万円であった。そして、各現金管理機1号機及び2号機は、上述した各金額等を印字した有高照会レシートを発行する。
【0033】
そして、上記出納責任者は、上述した締上げの結果を帳簿に記入し、さらに、各現金管理機1号機及び2号機によって発行された2つの有高照会レシートを帳簿の該当箇所に貼付する。
【0034】
このような状況において、支店長は、上記帳簿と上記帳簿に貼付された有高照会レシートを参照して、現金管理機2号機において、10万円分の釣銭が不足していることを発見しなくてはならない。詳細には、現金管理機1号機においては、150万円の釣銭準備金が充填され、売上金が200万円であることから、当該現金管理機1号機で管理されている現金は350万円(150万円+200万円)であるべきである。そして、締上げの結果、現金管理機1号機内の現金有高350万円と、当該現金管理機1号機で管理されているべき現金の金額350万円とが一致していることから、過不足なく現金(売上金及び釣銭)が適切に管理されていることがわかる。
【0035】
一方、現金管理機2号機においては、150万円の釣銭準備金が充填され、売上金が350万円であり、未収納の釣銭の金額が40万円であることから、当該現金管理機2号機で管理されるべき現金は460万円(150万円+350万円−40万円)であるべきである。しかしながら、締上げの結果、現金管理機2号機内の現金有高450万円と、当該現金管理機2号機で管理されているべき現金の金額460万円とが一致していないことから、10万円分の釣銭が不足していることがわかる。すなわち、現金管理機2号機では、適切に現金(釣銭)が管理されていないことがわかる。
【0036】
しかしながら、先に説明したように、支店長が、各現金管理機1号機及び2号機が発行する有高照会レシート等の印字項目を熟知していないことや、確認すべき帳票とレシートとが別々になっていることにより、釣銭準備金の金額やその分配額や現金管理機において管理されている釣銭の金額を把握することができないことがある。そして、支店長が、このように把握できないことに起因して、帳簿や有高照会レシート等の不備、すなわち、上述の例においては、現金管理機2号機で10万円分の釣銭が不足していることを見過ごす場合がある。
【0037】
加えて、上述したような確認作業が難しいことから、支店長が、受領した釣銭準備金が適切に運用されているかの運用確認を、出納責任者に一任してしまうことも多くなる。その結果、支店における釣銭に係る不正行為が起きてしまうことにもなりかねない。
【0038】
従来の現金管理システムにおいては、売上金に関する不正行為は、不正行為に係る現金の金額が比較的に多額になることが多いことから、売上金に対する不正行為を防止するための対策が行われてきた。例えば、現金管理機が発行する有高照会レシートにおいては、売上金の金額を見易く、且つ、分かりやすく印字することで、現金管理システムにおいて売上金の金額の把握が容易になるような対策を行ってきた。あるいは、従来の現金管理システムにおいては、現金管理システムと協働又は内包される売上情報管理サーバと現金管理機とで売上金に関する情報を共有するようにすることで、売上金を現金管理機に入金する際に、入金する現金の過不足が生じることを防止することができるような対策が施されてきた。
【0039】
しかしながら、近年、売上金に関する不正行為は、上述したような対策により、発生頻度が低下してきている。そして、売上金に関する不正行為の発生頻度が低下してきたことから、釣銭に関する不備(不正行為)が注目されるようになり、現金管理システムにおいて、釣銭に関する不備を防止する対策を行うことが望まれるようになった。
【0040】
そこで、このような状況を鑑みて、本発明者は、本発明の実施形態に係る情報管理装置及び情報管理システムを創作するに至った。すなわち、本発明の実施形態においては、釣銭準備金の運用確認において見過ごしを防ぐことができる。
【0041】
詳細には、本発明の実施形態は、支店に設置した釣銭や売上金を管理する現金管理機の集計やそれを利用する社員登録を行うことができる現金管理システムにおいて、現金管理機で管理されている釣銭総額(釣銭情報)、すなわち、現金管理機内の現金の有高から、現金管理機に係る売上金額を差し引いて、当該現金管理機に未収納の釣銭の金額を足した釣銭の総額(釣銭総額)に関する情報を集計表として出力することができる。加えて、本実施形態においては、支店に設置された管理端末に、本店から受領した釣銭準備金の金額と、支店に設置された1つ又は複数の現金管理機及び当該支店に属する分室への釣銭準備金の分配額(内訳)を入力できるようにし、入力したこれら受領情報を上記集計表に出力することもできる。
【0042】
そして、本実施形態においては、支店長は、管理端末によって画面出力又は印刷出力された上記集計表を参照することで、容易に、本店から受領した釣銭準備金の金額や内訳、さらに、現金管理機で管理されている釣銭総額を一目で確認することできることから、釣銭準備金の運用確認における見過ごしを防ぐことができる。以下、このような本発明の実施形態を順次詳細に説明する。
【0043】
<現金管理システム1の構成>
まずは、本発明の実施形態に係る現金管理システム(情報処理システム)1の構成を、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る現金管理システム1の構成例を説明する説明図である。図1に示すように、本実施形態に係る現金管理システム1は、現金管理機(現金管理装置)100と、窓口端末200と、釣銭機300と、売上情報管理サーバ400と、管理端末(情報処理装置)500と、携帯端末600とを主に含む。なお、図1においては、現金管理機100、窓口端末200、釣銭機300、管理端末500、及び携帯端末600は1台ずつ図示されているが、本実施形態においては、これらは1台に限定されるものではなく、それぞれ複数台含まれていてもよい。
【0044】
本実施形態に係る現金管理システム1は、顧客に応対する担当者毎に、現金管理機100から出金した釣銭の出金金額の情報と、顧客へ販売した日時や商品名、商品単価、数量、合計金額等の売上情報とを管理し、売上金額等の締上げ(集計)を行うシステムである。具体的には、担当者が、釣銭機300と接続された窓口端末200等を操作することによって、売上情報等を売上情報管理サーバ400に格納する。売上情報管理サーバ400は、該当する担当者が窓口端末200で締上げを行うことによって該当計理日の売上金を確定させて売上情報を生成する。さらに、売上情報管理サーバ400は、管理端末500に対して、該当する担当者の釣銭の入出金の情報と売上情報とを送信することもできる。以下に、本実施形態に係る現金管理システム1に含まれる各装置の概要について説明する。
【0045】
(現金管理機100)
現金管理機100は、窓口端末200及び釣銭機300を操作して、顧客から商品代金等を受領する担当者に対して、釣銭の入出金と売上金の収納とを行う装置である。詳細には、現金管理機100は、担当者との間で、後述する各釣銭機300等に収納するための釣銭(紙幣及び硬貨)を出金する出金取引と、各釣銭機300から回収した売上金(紙幣及び硬貨)及び釣銭の入金する入金取引を行う。上記出金取引においては、現金管理機100は、本店から受領した釣銭準備金から分配され、充填された釣銭準備金から、予め設定されている金額、金種別枚数あるいは指定する金額、金種別枚数の釣銭を出金する。上記入金取引においては、現金管理機100は、売上情報管理サーバ400から取得した担当者毎の釣銭の出金情報と売上情報とに従って、釣銭と売上金との合計金額に係る現金の入金を行う。ここで、例えば、担当者が、業務開始時に現金管理機100を操作して、釣銭として20万円分の現金を出金し、業務中に顧客から商品代金として60万円分受領した場合を考える。この場合には、上記担当者は、業務終了時に現金管理機100を操作して、60万円と20万円との合計金額である80万円分の現金を入金する。また、現金管理機100は、釣銭の入出金の詳細情報や、入金された売上金の詳細を後述する売上情報管理サーバ400や管理端末500に送信してもよい。なお、現金管理機100の詳細構成については後述する。
【0046】
(窓口端末200)
窓口端末200は、支店等の窓口において担当者等が作業等を行うためのコンピュータ又はパーソナルコンピュータ(PC)等により実現され、後述する各釣銭機300に接続され、当該釣銭機300の入出金を管理し、売上情報管理サーバ400と連携して担当者による締上げ処理を行う。また、窓口端末200は、図1に示すように、入力部202と表示部204とを主に有する。詳細には、窓口端末200は、担当者による入力部202に対する操作を受け付け、受け付けた操作に応じて釣銭機300を制御する。さらに、窓口端末200は、釣銭機300の入出金の状況を表示部204に表示させたり、釣銭機300の入出金の情報を売上情報管理サーバ400へ送信したりすることもできる。そして、窓口端末200は、図1に示すように、プリンタ210と接続されており、当該プリンタ210を制御することにより、入出金の状況等の情報を紙面に印刷して出力することもできる。
【0047】
(釣銭機300)
釣銭機300は、顧客から受け取った売上金を入金し、顧客に釣銭の出金を行う装置である。具体的には、釣銭機300は、担当者が顧客から受け取った紙幣や硬貨を収納し、さらに、窓口端末200の制御に応じて、顧客に釣銭として支払う紙幣や硬貨を払い出す。なお、釣銭機300は、手提げ金庫(図示省略)やドロワー(図示省略)であってもよい。
【0048】
(売上情報管理サーバ400)
売上情報管理サーバ400は、各支店や、複数の支店等における現金の有高及び現金の移動、各担当者の売上情報等を管理するコンピュータであり、現金管理機100や窓口端末200等からの情報を取得して、売上と現金の有高等を管理する。具体的には、売上情報管理サーバ400は、現金管理機100や窓口端末200等から送られてくる取引結果等の情報を履歴として格納し、さらに、現金管理機100や窓口端末200等から送られてくる売上金額や有高、金種毎の出金枚数や入金枚数等の情報に基づいて、釣銭や売上高を集計管理する。なお、売上情報管理サーバ400の詳細構成については後述する。
【0049】
(管理端末500)
管理端末500は、支店等に設置され、現金管理機100に格納された情報や社員情報を管理者が管理するための装置であり、例えば、管理者(支店長等)等が作業等を行うためのPC(パーソナルコンピュータ)等により実現される。例えば、管理端末500は、管理者等による入力操作に応じて、売上情報管理サーバ400に履歴として格納された情報(例えば、売上情報)と、現金管理機100等の入出金状況の情報とを表示することができる。そして、管理者等は、表示された情報に基づいて、上記履歴情報と、現金管理機100における入出金とが一致しているかを表示される画面や図示しないプリンタによって印字出力した帳票等によって確認することができる。なお、管理端末500の詳細構成については後述する。
【0050】
(携帯端末600)
携帯端末600は、顧客宅や顧客の職場等を訪問する担当者等が外出先で使用するタブレット端末、スマートフォン等の携帯端末等により実現され、商品販売に関わる売上金と釣銭の入出金を管理する。携帯端末600は、図1に示すように、入力部602と表示部604とを主に有する。具体的には、上記担当者は、外出先で顧客から受け取った商品代金を売上金として携帯する釣銭袋(図示省略)等に収納し、当該釣銭袋から現金を取り出して釣銭として顧客に払い出す。さらに、図1に示すように、携帯端末600は、例えば携帯可能なプリンタ610と接続されており、当該プリンタ610を制御することにより、入出金の状況等の情報を紙面に印刷して出力することができる。
【0051】
(通信網700)
通信網700は、1つ又は複数の本支店内及び支店外の情報の送受信に利用されるネットワークである。通信網700は、有線又は無線であることができ、例えば、電話回線、衛星通信網等の公衆回線網や、インターネット、専用回線、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)などの任意の通信ネットワークから構成される。さらに、専用回線は、IP−VPN(Internet Protocol‐Virtual Private Network)等から構成されてもよい。また、専用回線に対して、何らかのセキュリティ手段(例えば、Secure Sockets Layer(SSL)等)が施されていてもよい。
【0052】
<現金管理機100の詳細構成>
以上、本実施形態に係る現金管理システム1の構成を説明した。次に、図2を参照して、本実施形態に係る現金管理機100の詳細構成を説明する。図2は、本実施形態に係る現金管理機100のブロック図である。図2に示すように、現金管理機100は、入力部102、表示部104、紙幣入出金部106、硬貨入出金部108、プリンタ部(印刷部)110、通信部114、及び制御部120を主に有する。以下に、現金管理機100の各機能部について説明する。
【0053】
(入力部102)
入力部102は、現金管理機100を操作する担当者の入力操作を受け付ける機能部であり、例えば、各種ボタン、テンキー、キーボード等から実現される。
【0054】
(表示部104)
表示部104は、担当者に対して、操作画面や取引(処理)内容を表示する機能部であり、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置等により実現される。なお、上述の入力部102は、当該表示部104を構成する上記ディスプレイ装置に重ねて設けられたタッチパネルにより実現されてもよい。
【0055】
(紙幣入出金部106)
紙幣入出金部106は、紙幣の入出金を行う機能部であり、具体的には、担当者の求めに応じて、紙幣の入金を受け付け、紙幣の種別を鑑別し、種別毎に計数し収納する。さらに、紙幣入出金部106は、担当者の求めに応じて収納した紙幣を出金する。
【0056】
(硬貨入出金部108)
硬貨入出金部108は、硬貨の入出金を行う機能部であり、具体的には、担当者の求めに応じて、硬貨の入金を受け付け、硬貨の種別を鑑別し、種別毎に計数し収納する。さらに、硬貨入出金部108は、担当者の求めに応じて収納した硬貨を出金する。
【0057】
(プリンタ部110)
プリンタ部110は、レシート等の印刷機能を有し、取引結果等を印刷して、担当者に対してレシートして発行することができる。例えば、プリンタ部110は、後述する集計部(算出部)126によって集計された金額等を有高照会レシート930(図7 参照)として印字することができる。
【0058】
(通信部114)
通信部114は、例えば通信網700等を介して、管理端末500や売上情報管理サーバ400へ、現金の入出金の情報等を送信したり、売上情報管理サーバ400から売上情報などを受信したりすることができる。例えば、通信部114は、後述する集計部126から取得した、現金管理機100で管理されている釣銭の総額(釣銭情報)、すなわち、現金管理機100内の現金の有高から、現金管理機100に係る売上金額を差し引いて、当該現金管理機100に未収納の釣銭の金額を足した釣銭総額の情報を、管理端末500へ送信することができる。
【0059】
(制御部120)
制御部120は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等を中心に構成されており、現金管理機100の各機能部を制御して、各種の取引を実行する。具体的には、制御部120は、図2に示すように、現金管理処理部124、集計部(算出部)126及び記憶部130等のブロックを有する。以下に、制御部120の各ブロックの詳細について説明する。
【0060】
−現金管理処理部124−
現金管理処理部124は、現金管理機100で行われる取引(例えば、入金取引、出金取引等)を実行すべく、紙幣入出金部106、硬貨入出金部108等を制御する。
【0061】
−集計部126−
集計部126は、締め上げ時等に、現金管理機100内の現金の有高から、現金管理機100に係る売上金額を差し引いて、当該現金管理機100に未収納の釣銭の金額を足した釣銭総額を集計(算出)し、集計結果(算出結果)を上述したプリンタ部110や通信部114へ出力する。
【0062】
−記憶部130−
記憶部130は、制御部120の有する、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等から実現され、現金管理機100の動作を制御するための制御プログラムや、現金管理機100の取引時における入力データ、表示画面等が格納されている。
【0063】
<売上情報管理サーバ400の詳細構成>
以上、本実施形態に係る現金管理機100の詳細構成を説明した。次に、図3を参照して、本実施形態に係る売上情報管理サーバ400の詳細構成を説明する。図3は、本実施形態に係る売上情報管理サーバ400のブロック図である。図3に示すように、売上情報管理サーバ400は、通信部414及び制御部420を主に有する。以下に、売上情報管理サーバ400の各機能部について説明する。
【0064】
(通信部414)
通信部414は、例えば通信網700等を介して、現金管理機100や管理端末500等からの情報を受信することができ、管理端末500等へ情報を送信することができる。
【0065】
(制御部420)
制御部420は、例えば、CPU等を中心に構成されており、現金管理機100等からの情報を取得し、後述する記憶部430に格納する。また、制御部420は、記憶部430に格納した情報を、管理端末500へ出力することもできる。詳細には、制御部420は、図3に示すように記憶部430を有する。以下に、制御部420の有する記憶部430について説明する。
【0066】
−記憶部430−
記憶部430は、制御部420の有する、ROM、RAM、HDD(Hard Disk Drive)等から実現され、本支店内等の現金等に関する情報等が格納されている。
【0067】
<管理端末500の詳細構成>
以上、本実施形態に係る売上情報管理サーバ400の詳細構成を説明した。次に、図4を参照して、本実施形態に係る管理端末500の詳細構成を説明する。図4は、本実施形態に係る管理端末500のブロック図である。例えば、管理端末500は、各現金管理機100で管理されている釣銭の総額(釣銭総額)等の情報を集計表として出力することはできる。さらに、管理端末500は、本店から受領した釣銭準備金の金額等の受領情報を上記集計表にまとめて出力することができる。
【0068】
詳細には、図4に示すように、管理端末500は、入力部502、表示部(出力部)504、通信部514、プリンタ部(出力部)516及び制御部520を主に有する。以下に、管理端末500の各機能部について説明する。
【0069】
(入力部502)
入力部502は、管理端末500を操作する管理者(支店長等)の入力操作を受け付ける機能部であり、例えば、テンキー、キーボード等から実現される。例えば、入力部502は、出納責任者等による、本店(外部)から受領した釣銭準備金の金額(受領釣銭準備金額)と、支店に設置された1つ又は複数の現金管理機100及び当該支店に属する分室への釣銭準備金の分配額(内訳)との入力を受け付けることができる。
【0070】
(表示部504)
表示部504は、管理者(支店長等)に対して、画面等を表示する機能部であり、例えば、CRTディスプレイ装置、LCD装置、OLED装置等により実現される。なお、上述の入力部502は、当該表示部504を構成する上記ディスプレイ装置に重ねて設けられたタッチパネルにより実現されてもよい。例えば、表示部504は、上記集計表を表示(画面出力)することができる。さらに、表示部504は、日時情報や該当する現金管理機100の識別情報とともに、上記集計表を表示してもよい。
【0071】
(通信部514)
通信部514は、例えば、通信網700等を介して、現金管理機100等から各種情報を受信することができ、現金管理機100へ社員情報等を送信することができる。
【0072】
(プリンタ部516)
プリンタ部516は、上述した集計表等を印刷(印字出力)することができる。例えば、プリンタ部516は、日時情報や該当する現金管理機100の識別情報とともに、上記集計表を印字してもよい。
【0073】
(制御部520)
制御部520は、例えば、CPU等を中心に構成されており、管理端末500の各機能部を制御して、担当者毎の取引状況を管理して表示し、現金管理機100と協働して日締めを行ったり、社員情報の設定変更等を現金管理機100に反映させたり、現金管理機100からの情報に基づいて集計を行ったりすることができる。具体的には、制御部520は、図4に示すように、情報取得部522、集計部524、比較部526及び記憶部530を有する。以下に、制御部520の各機能ブロックの詳細について説明する。
【0074】
−情報取得部522−
情報取得部522は、上述した入力部502が受け付けた情報、及び、上述した通信部514を介して受信した現金管理機100からの情報を取得し、後述する集計部524、比較部526及び記憶部530に出力する。例えば、情報取得部522は、上述した入力部502が受け付けた受領情報や、現金管理機100から受信した釣銭情報を取得し、集計部524等に出力する。
【0075】
−集計部524−
集計部524は、所定の期間内に現金管理機100から受信した釣銭情報に基づき、現金管理機100で管理されている釣銭の総額(釣銭総額)を、現金管理機100別や、同一の管理グループ別、日時別に集計する。さらに、集計部524は、集計した集計結果を上述した表示部504やプリンタ部516、及び、後述する比較部526や記憶部530に出力することができる。
【0076】
−比較部526−
比較部526は、上述した入力部502が受け付けた受領情報と、上述した集計部524の集計結果とを比較し、比較結果を上述した表示部504やプリンタ部516に出力する。例えば、比較部526は、現金管理機100に分配された釣銭準備金の金額(上記受領情報に含まれる)と、対応する現金管理機100で管理されている釣銭総額(上記集計結果に含まれる)とが一致しているかどうかを比較する。そして、比較部526は、一致していない場合には、管理者(例えば、支店長等)に対して一致していない旨のアラームを出力するように、比較結果を表示部504やプリンタ部516に出力する。さらに、これら表示部504やプリンタ部516は、比較部526から出力された比較結果に基づき、アラーム等を出力する。
【0077】
なお、本実施形態においては、管理端末500の制御部520に比較部526が設けられていることに限定されるものではく、例えば、設けられていなくてもよい。
【0078】
−記憶部530−
記憶部530は、制御部520の有する、ROM、RAM、HDD等から実現され、入力部502が受け付けた受領情報等を格納する。
【0079】
なお、本実施形態においては、管理端末500は、その機能の一部を売上情報管理サーバ400と協働して行ってもよく、もしくは、管理端末500の代わりに、売上情報管理サーバ400が上述の管理端末500の機能の一部を行ってもよく、特に限定されるものではない。
【0080】
<動作>
以上、本実施形態に係る管理端末500の詳細構成について説明した。次に、本実施形態に係る現金管理システム1の動作について、図5から図8を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る動作のシーケンス図である。図6は、本実施形態に係る入力画面900の一例を説明するための説明図である。図7は、本実施形態に係る有高照会レシート930の一例を説明するための説明図であり、詳細には、図7は、現金管理機100において釣銭の管理の不備が生じていない場合の有高照会レシート930の一例を示している。また、図8は、本実施形態に係る集計表904の一例を説明するための説明図である。
【0081】
詳細には、本実施形態に係る動作は、図5のシーケンス図に示すように、ステップS101からステップS115までの複数のステップを含むことができる。以下に、本実施形態に係る動作の各ステップの詳細を説明する。
【0082】
(ステップS101)
例えば、支店の出納責任者は、管理端末500に対して、本店から受領した釣銭準備金の金額及びその分配の内訳を入力する。詳細には、出納責任者は、図6に示すような、管理端末500の表示部504に表示された入力画面900に含まれる交付釣銭準備金額入力欄902に、本店から受領した釣銭準備金の金額、支店に設置された2つの現金管理機100(詳細には、現金管理機1号機及び現金管理機2号機)に充填されることとなる釣銭準備金の金額と、支店に属する分室に分配される釣銭準備金の金額とを入力する。入力されたこれらの情報は、管理端末500の記憶部530に格納される。
【0083】
具体的には、図6に示す例では、当該支店は、本店から270万円の釣銭準備金を受領し、現金管理機1号機には70万円、現金管理機2号機には150万円、さらに支店に属する分室には50万円を分配した場合の入力画面900の一例が示されている。なお、本実施形態においては、入力画面900は、図6に示すような形態に限定されるものではなく、例えば、他の操作ボタンや他の表示等が含まれていてもよい。
【0084】
(ステップS103)
次に、担当者は、本店から受領した釣銭準備金から、ステップS101で定められた内訳に応じて、釣銭準備金の一部または全部を各現金管理機100に充填する。この際、各現金管理機100に釣銭準備金を充填した担当者は、現金管理機100が受け入れ、計数した釣銭準備金の金額が、上記内訳の該当する金額と一致するかを確認し、支店の営業を開始する。
【0085】
(ステップS105)
支店において、営業が行われる。
【0086】
例えば、支店の営業中においては、担当者Aが、現金管理機100から釣銭を出金する。現金管理機100は、出金された釣銭の金額の情報を格納する。さらに、担当者Aは、出金した釣銭を釣銭機300に収納して、自身の業務を開始する。なお、当該業務中に担当者Aが顧客から受け取った商品代金は、その都度、釣銭機300に収納され、窓口端末200によって、上記商品代金の金額等の売上情報が売上情報管理サーバ400へ送信される。さらに、担当者Aは、自身の業務時間が終了すると、窓口端末200を操作して、集計を行い、自身の業務時間中に顧客から受け取った商品代金の総額を売上金として集計する。
【0087】
続いて、担当者Aは、集計結果に基づいて、釣銭機300から売上金及び釣銭を回収する。なお、上述の集計によって得られた集計情報は、窓口端末200から売上情報管理サーバ400へ送信されてもよい。そして、担当者Aは、現金管理機100において入金取引を実施し、現金管理機100に売上金及び釣銭を入金する。さらに、現金管理機100は、入金された現金を計数して、計数された現金と売上金及び釣銭の合計金額との一致を確認し、入金レシート(図示省略)を担当者Aに対して発行する。
【0088】
なお、以下の説明においては、支店の営業中、支店の営業時間等に応じて、例えば、10時から12時までを担当者Aが上記釣銭機300を担当し、次に、12時から15時までを担当者Bが担当し、15時から18時までを担当者Cが担当するといったように、複数の担当者によって交代して行われる場合には、上述したような現金管理機100からの出金及び入金が繰り返されることとなる。そして、現金管理機100は、有高照会や補充回収、締上げ、入出金などの取引を行った際には、取引に直接関わる金額情報等の情報を管理端末500に送信してもよい。
【0089】
(ステップS107)
支店での営業が終了し、管理者(担当者)が現金管理機100において締上げ処理を行う。詳細には、現金管理機100は、収納された現金を計数して、計数された現金と売上金及び釣銭の合計金額等の情報を取得する。さらに、現金管理機100は、次に説明するステップS109において、計数された現金と売上金及び釣銭の合計金額等の情報が印字された有高照会レシート930(図7 参照)として発行する。また、現金管理機100は、締上げによって得た情報(例えば、釣銭情報)を、管理端末500や売上情報管理サーバ400へ送信する。
【0090】
詳細には、現金管理機100は、現金管理機100内に収納された現金の合計金額や種別ごとの枚数等である有高について、この時点までの装填、補充又は回収した現金の金額、あるいは入金又は出金した現金の金額に基づいて集計する。また、現金管理機100は、売上金の金額は、現金管理機100に入力された売上金額の情報によって集計することができる。さらに、現金管理機100は、釣銭の金額は、釣銭の出金及び入金の情報に基づいて集計することができる。
【0091】
さらに、本実施形態においては、現金管理機100は、現金管理機100内の現金の有高から、現金管理機100に係る売上金額を差し引いて、当該現金管理機100に未収納の釣銭の金額を足した釣銭の総額を釣銭総額(釣銭情報)として集計する。そして、現金管理機100は、このようにして得られた各種の金額情報(上記釣銭情報を含む)を、管理端末500や売上情報管理サーバ400へ送信する。すなわち、本実施形態においては、上記現金管理機100から管理端末500へ送信される情報(電文)には、上述のように集計した現金管理機100で管理されている釣銭総額の情報が含まれている。
【0092】
なお、現金管理機100は、上述のような締上げ処理の際だけでなく、有高照会や補充回収、入出金等の取引を行った際に、その時点での釣銭総額を集計し、管理端末500や売上情報管理サーバ400へ送信してもよい。また、このような場合、ステップS109で発行されるレシートは、後述するような有高照会レシート930以外の他の種別のレシートであってもよく、他の種別のレシートであっても、後述する有高照会レシート930と同様に、上記釣銭総額が印字されることとなる。
【0093】
(ステップS109)
現金管理機100は、有高照会レシート930を印字する。詳細には、有高照会レシート930は、図7に示すように、有高照会レシート930が印字された日時、処理の特定するためのシーケンスな数字等からなる識別番号(ID番号)、処理を行った担当者の所属する課や担当者を識別するための識別情報(課番号、社員番号)等が印字されている。また、有高照会レシート930には、当該時点での、現金管理機100内に収納された現金の合計金額や種別ごとの枚数等である有高が印字されている。さらに、有高照会レシート930には、現金管理機100によって、入金された売上金を回収と未回収、及び、締上げ前と締上げ後に区別して集計された、売上金の金額が印字されている。
【0094】
また、有高照会レシート930には、釣銭の金額が、現金管理機100において収納と未収納とを区別して集計され、印字されている(図7中の934及び936が対応)。具体的には、図7に示す例では、有高照会レシート930には、現金管理機100に収納された釣銭の金額として685000円が印字されており(図7中の934に対応)、現金管理機100に収納されていない未収納の釣銭の金額として15000円が印字されている(図7中の936に対応)。
【0095】
さらに、本実施形態においては、有高照会レシート930には、上述したステップS107で集計された釣銭総額(図7中の932に対応)が印字されている。なお、本実施形態においては、現金管理機100で釣銭が適切に管理されていれば、図7中の934に対応する現金管理機100に収納された釣銭の金額と、図7中の936に対応する現金管理機100に収納されていない未収納の釣銭の金額との合計金額(例えば、図7中の934と図7中の936との合計金額は70万となる)が、上記釣銭総額932と一致することとなる。なお、図7に示される有高照会レシート930の例においては、現金管理機100において釣銭の管理の不備が生じていない場合を示しており、当該有高照会レシート930は、現金管理機100内に、出金可能な現金の総額693000円とリジェクト紙幣(2千円札1枚及び千円札1枚)の総額3000円との合計金額である696000円分の現金が収納されていることを示している。さらに、現金管理機100においては、未回収の売上金、すなわち、現金管理機100に収納されているべき未回収の売上金が11000円であることから、現金管理機100に収納されている釣銭の合計金額は、696000円から11000円を差し引いた685000円(図7中の934に対応)となっている。また、当該現金管理機100においては、未収納の釣銭の金額が15000円(図7の936に対応)であることから、685000円(図7中の934に対応)と15000円(図7の936に対応)との合計額である70万円が、当該現金管理機100で管理されているべき釣銭の合計金額(図7の中の932に対応)となっている。
【0096】
なお、本実施形態においては、有高照会レシート930は、図7に示すような形態に限定されるものではなく、例えば、他の表示等が含まれていてもよい。
【0097】
(ステップS111)
管理端末500は、上述したステップS107において、各現金管理機100から送信された各種の金額情報(上記釣銭情報を含む)を取得し、記憶部530に格納する。例えば、本実施形態においては、管理端末500は、記憶部530内に、釣銭総額を格納するデータベース(図示省略)を設け、現金管理機100から送信された釣銭総額を当該データベースに格納する。
【0098】
(ステップS113)
管理端末500は、1つ又は複数の現金管理機100から送信された釣銭総額を、現金管理機100別、もしくは、日別に集計する。詳細には、管理端末500は、現金管理機100毎に所定の期間内において受信した各種の金額情報から、釣銭総額を抽出し、抽出した複数の現金管理機100の釣銭総額を日毎に集計し(言い換えると、複数の現金管理機100の釣銭総額の合計値を算出する)、日付情報ともに集計した釣銭総額を日別の釣銭総額として記憶部530に格納する。また、管理端末500、現金管理機100毎に所定の期間内において受信した各種金額情報から、釣銭総額を抽出し、現金管理機100を識別する識別情報ともに抽出した釣銭総額を現金管理機100別の釣銭総額として記憶部530に格納してもよい。
【0099】
(ステップS115)
管理端末500は、管理者(支店長等)の求めに応じて、表示部504に集計表を出力する。本実施形態に係る集計表904(図8 参照)には、上述したステップS113において集計された日別の釣銭総額(集計結果)が、過去の所定の日数分だけ表示される。さらに、当該集計表904には、ステップS101で入力された受領情報(本店から受領した釣銭準備金の金額と、現金管理機100や分室向けに分配した釣銭準備金の金額額の内訳)も表示される。
【0100】
詳細には、図8に示すように、集計表904には、本店から受領した釣銭準備金の金額と当該釣銭準備金の分配の内訳を表示する交付釣銭準備金額表示欄908が設けられている。従って、当該交付釣銭準備金額表示欄908には、上述したステップS101で入力された本店から受領した釣銭準備金の金額及びその分配の内訳が表示されている。具体的には、図6に示す例と同様に、図8に示す交付釣銭準備金額表示欄908には、当該支店は本店から270万円の釣銭準備金を受領し、現金管理機1号機には70万円、現金管理機2号機には150万円、さらに支店に属する分室には50万円を分配した場合の表示の一例が示されている。
【0101】
さらに、集計表904には、過去所定の日数分の、上述したステップS113において集計された日別の釣銭総額(集計結果)を表示する集計結果表示欄906が含まれている。すなわち、管理端末500は、記憶部530に格納している現金管理機100で締上げを実施した時点での各現金管理機100の釣銭総額を、過去数日分、例えば10日分に渡って遡り抽出し、各日ごとに、複数の現金管理機100の釣銭総額の合計値を集計し、集計結果を集計結果表示欄906に表示する。より具体的には、図8に示す集計結果表示欄906には、図8に示す交付釣銭準備金額表示欄908に対応する4月21日における現金管理機100(現金管理機1号機及び2号機)の釣銭総額の合計値220万円が、4月12日における釣銭総額(集計結果)として表示されている。このような集計表904には、過去所定の日数分の釣銭総額(集計結果)が表示されていることから、本実施形態においては、当該集計表904により、他の日と釣銭総額(集計結果)が異なる日を一目で認識することができることから、釣銭総額に不備があることの発見が容易となる。
【0102】
なお、本実施形態においては、集計表904は、図8に示すような形態に限定されるものではなく、例えば、ネットワーク障害などの影響で、管理端末500において現金管理機100から釣銭総額等の情報が適切に受信できていない場合は、適切に受信できていない旨を示すフラグ等が含まれていてもよく、もしくは、このよう場合、釣銭総額の表示の形態(色彩、文字の大きさ、太さ等)を適切に受信できている場合の表示の形態を異なるものとしてもよい。
【0103】
また、上述の説明においては、集計表904は、管理端末500の表示部504に表示することとして説明したが、本実施形態においては、これに限定されるものではなく、集計表904は、支店長等の求めに応じて、プリンタ部516によって印刷されてもよい。
【0104】
<実施例>
以上、本発明の実施形態における動作の詳細について説明した。次に、具体的な実施例を示しながら、本実施形態に係る動作の例についてより具体的に説明する。以下の実施例においては、現金管理機1号機において、釣銭の管理の不備(1000円の釣銭が不足している)が生じている場合を例に説明する(対応する日は4月15日とする)。なお、以下に示す実施例は、本実施形態に係る動作のあくまでも一例であって、本実施形態に係る動作が下記の例に限定されるものではない。
【0105】
以下の例においては、支店は、本店から釣銭準備金として270万円を受領したものとする。この受領した釣銭準備金のうち、当該支店に設置された2つの現金管理機100(現金管理機1号機及び2号機)には、それぞれ70万円、150万円ずつの釣銭を分配して、充填し、残りの50万円の釣銭については、当該支店に属する分室に分配するものとする。なお、この本店から受領した釣銭準備金の金額や内訳は、支店に属する出納責任者が帳簿に手書きで記入し、且つ、上述のステップS101のように、出納責任者により管理端末500に対して入力されるものとする。
【0106】
さらに、上述のステップS107及びステップS109のように、当該支店において締上げを行ったところ、現金管理機1号機においては、当該現金管理機1号機内の現金有高と、売上金額と、未収納の釣銭の金額とが、696000円、11000円、14000円であった(なお、現金管理機1号機において、釣銭の管理の不備が生じていなかった場合には、現金有高と、売上金額と、未収納の釣銭の金額とは、696000円、11000円、15000円となっているべきである)。さらに、現金管理機2号機においては、当該現金管理機2号機内の現金有高と、売上金額と、未収納の釣銭の金額とが、450万円、350万円、50万円であった。そして、これら現金管理機1号機及び2号機は、上述のステップS109のように、上述の各金額を印字した有高照会レシート930を発行する。
【0107】
具体的には、現金管理機1号機が発行した有高照会レシート930には、現金管理機1号機1号機内の現金の有高として696000円と、売上金11000円と、現金管理機1号機に未収納の釣銭金額14000円(図7中の936と対応する。しかしながら、当該実施例においては、現金管理機1号機において、釣銭の管理の不備(1000円の釣銭が不足している)が生じているため、本来15000円と印字されるべきところ、14000円と印字されてしまう)とが印字されている。さらに、当該有高照会レシート930には、現金有高である696000円から売上金11000円を引いて得られた現金管理機1号機内に収納された釣銭の金額(685000円)(図7中の934と対応する)に、現金管理機1号機に未収納の未収納釣銭の金額14000円を加えた金額である釣銭総額699000円(図7中の932と対応する。しかしながら、当該実施例においては、現金管理機1号機において、釣銭の管理の不備(1000円の釣銭が不足している)が生じているため、本来70万円と印字されるべきところ、699000円と印字されてしまう)も印字される。
【0108】
同様に、現金管理機2号機が発行した有高照会レシート930には、現金管理機2号機内の現金の有高として450万円と、売上金350万円と、現金管理機2号機に未収納の釣銭金額50万円とが印字されている。さらに、当該有高照会レシート930には、現金有高である450万円からから売上金額350万円を引いて得られた現金管理機2号機内に収納された釣銭の金額(100万円)に、現金管理機2号機に未収納の未収納釣銭額50万円を加えた金額である釣銭総額150万円も印字される。
【0109】
次に、出納責任者は、上述のステップS115のようにして、管理端末500を用いて集計表904を出力する。
【0110】
当該集計表904には、先に説明したように、本店から受領した釣銭準備金の金額と当該釣銭準備金の分配の内訳を表示する交付釣銭準備金額表示欄908が設けられている。具体的には、上記集計表904の交付釣銭準備金額表示欄908には、当該支店が本店から270万円の釣銭準備金を受領し、受領した釣銭準備金から、現金管理機1号機には70万円、現金管理機2号機には150万円、さらに支店に属する分室には50万円の釣銭を分配したことが表示される。
【0111】
さらに、集計表904には、過去所定の日数分の、上述したステップS113において集計された日別の釣銭総額の集計結果を表示する集計結果表示欄906が含まれている。具体的には、当該集計結果表示欄906の該当する日の釣銭総額は、現金管理機1号機からの釣銭総額699000円と、現金管理機2号機からの釣銭総額150万円とに基づいて集計された、2199000円が表示されることとなる。より具体的には、図8に示す集計結果表示欄906には、当該実施例に対応する4月15日における現金管理機100(現金管理機1号機及び2号機)の釣銭総額の合計値2199000万円が、4月15日における釣銭総額(集計結果)として表示されている。
【0112】
そして、上記出納責任者は、管理端末500に表示された締上げの結果を帳簿に記入し、さらに、上記集計表904を印刷し、現金管理機1号機及び2号機によって発行された2つの有高照会レシート930と共に、帳簿の該当箇所に貼付する。
【0113】
このような状況において、支店長は、上記帳簿と上記帳簿に貼付された集計表904及び有高照会レシート930を参照して、1000円の釣銭が不足していることを容易に発見することができる。
【0114】
詳細には、集計表904の交付釣銭準備金額表示欄908を参照すると、本店から受領した釣銭準備金から、現金管理機1号機には70万円、現金管理機2号機には150万円の釣銭が分配されたことがわかる。さらに、これらの金額から、現金管理機1号機及び現金管理機2号機に分配された釣銭の合計金額は、220万円であることもわかる。一方、集計表904の集計結果表示欄906を参照すると、該当する日(4月15日)の釣銭総額の集計結果として2199000円が表示されている。従って、支店長は、現金管理機1号機及び現金管理機2号機に分配された釣銭の合計金額220万円と、釣銭総額の集計結果2199000円との間に1000円の差があることを容易に把握することができることから、1000円の釣銭が不足していることを容易に発見することができる。
【0115】
さらに、支店長は、詳細を確認するために、帳票に貼付された有高照会レシート930を参照する。本来、釣銭準備金額から分配された釣銭の金額から、現金管理機1号機で管理されるべき釣銭の金額が70万円であるべきである。しかし、支店長は、現金管理機1号機が発行した有高照会レシート930に釣銭総額(図7の932と対応する。しかしながら、現金管理機1号機において、釣銭の管理の不備(1000円の釣銭が不足している)が生じているため、本来70万円と印字されるべきところ、699000円と印字されてしまう)として699000円が印字されていることから、現金管理機1号機で管理されるべき釣銭の金額が70万円と、釣銭総額699000円とが一致していないことに容易に気が付くことができる。その結果、支店長は、1000円の釣銭の不足は、現金管理機1号機における不備であることを容易に発見することができ、出納責任者に指摘することができる。
【0116】
以上のように、本発明の実施形態においては、本店から受領した釣銭準備金の金額とその内訳、及び、現金管理機100の釣銭総額の集計結果とが表示された集計表904を出力する。このような本実施形態によれば、支店長は、管理端末500で出力した集計表904を参照することで、現金管理機100に分配された釣銭準備金の金額と、現金管理機100で管理されている釣銭総額とが一致しているかを容易に確認することができることから、釣銭準備金の運用確認業務を容易に行うことができる。
【0117】
さらに、本実施形態においては、現金管理機100により、釣銭総額を印字した有高照会レシート930を発行する。このような本実施形態によれば、支店長は、詳細を確認したい場合、上記有高照会レシート930を参照することで、各現金管理機100の釣銭準備金の運用確認を容易に行うことができる。すなわち、本実施形態に係る集計表904や有高照会レシート930によれば、釣銭準備金の運用確認において見過ごしを防ぐことができる。その結果、本実施形態によれば、支店内での釣銭準備金の運用に関して、出納責任者と支店長とによる二重チェックが有効に機能し、釣銭に関する不正行為を未然に防止することができる。
【0118】
さらに、本実施形態においては、過去の所定の日数分の現金管理機100の釣銭総額を一覧表にして集計表904に表示することにより、釣銭総額の金額に変化が発生した時期、すなわち不備が生じた時期の把握及び発見を容易にすることができる。
【0119】
<変形例>
なお、本実施形態においては、集計表904の形態は、図8に示すような形態に限定されるものではなく、様々に変形することができる。以下に、本実施形態に係る集計表の様々な変形例を説明する。
【0120】
(変形例1)
上述した本発明の実施形態においては、各現金管理機100に分配された釣銭準備金の金額と、各現金管理機100の釣銭総額の集計結果とが一致しないことを、集計表904を参照して、支店長自ら発見していた。しかしながら、本実施形態においては、現金管理システム1側で、上記釣銭準備金の金額と釣銭総額とが一致しないことを検出し、支店長に対して出力してもよい。このような本実施形態の変形例1を、図9を参照して説明する。図9は、本発明の実施形態の変形例1に係る集計表910の一例を説明するための説明図である。
【0121】
詳細には、本変形例においては、管理端末500の制御部520の比較部526によって、管理端末500に入力された各現金管理機100に分配された釣銭準備金の金額と、各現金管理機100の釣銭総額の集計結果とを比較し、比較結果に応じて、当該比較結果を集計表910に出力する。
【0122】
例えば、比較部526において、管理端末500に入力された各現金管理機100に分配された釣銭準備金の金額と、各現金管理機100の釣銭総額の集計結果とが一致しない旨の比較結果が得られた場合には、管理端末500は、図9に示すようなアラートウィンドウ912を表示する。詳細には、図9のアラートウィンドウ912は、管理端末500に入力された各現金管理機100に分配された釣銭準備金の金額と、現金管理機100の釣銭総額の集計結果とが一致しない旨を支店長等に伝達するための表示であり、より具体的には、4月15日において、上記釣銭準備金の金額と釣銭総額の集計結果とが一致しないことを示している。
【0123】
なお、本変形例においては、アラートウィンドウ912は、図9に示すような形態に限定されるものではなく、例えば、他の表示等が含まれていてもよい。また、管理端末500に入力された現金管理機100に分配された釣銭準備金の金額と、複数の現金管理機100の釣銭総額の集計結果とが一致しない旨の表示は、例えば、表中のフラグによって示されてもよく、あるいは、釣銭総額の集計結果の表示の色彩や、文字の大きさ、太さ、字体や、網掛け等を、一致した場合の釣銭総額の集計結果の表示と異なるようにして示してもよい。
【0124】
(変形例2)
上述した本発明の実施形態においては、管理端末500は、対象となる(同一の管理グループに属する)現金管理機100からの釣銭総額を集計し、集計結果を集計表904の集計結果表示欄906に表示していた。しかしながら、本実施形態においては、このような表示に限定されるものではなく、現金管理機100毎に釣銭総額を表示してもよい。このような本実施形態の変形例2を、図10を参照して説明する。図10は、本発明の実施形態の変形例2に係る集計表918の一例を説明するための説明図である。
【0125】
詳細には、図10に示されるように、本変形例2に係る集計表918は、現金管理機100毎に釣銭総額を表示する集計結果表示欄920、922を含む。さらに、図10の集計表918には、ネットワーク障害などの影響で、管理端末500が現金管理機100から釣銭総額等の情報を適切に受信できてない旨を示すフラグ924が含まれていてもよい。
【0126】
なお、本変形例においては、集計表918は、図10に示すような形態に限定されるものではなく、例えば、他の表示等が含まれていてもよい。
【0127】
<<まとめ>>
以上のように、本発明の実施形態においては、本店から受領した釣銭準備金の金額とその内訳、及び、現金管理機100の釣銭総額の集計結果等とが表示された集計表904を出力する。このような本実施形態によれば、支店長は、管理端末500で出力した集計表904を参照することで、現金管理機100に分配された釣銭準備金の金額と、現金管理機100で管理されている釣銭総額とが一致しているかを容易に確認することができることから、釣銭準備金の運用確認業務を容易に行うことができる。その結果、本実施形態によれば、支店内での釣銭準備金の運用に関して、出納責任者と支店長とによる二重チェックが有効に機能し、釣銭に関する不正行為を未然に防止することができる。
【0128】
<<補足>>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0129】
また、上述した本発明の実施形態の情報処理方法における各ステップは、必ずしも記載された順序に沿って処理されなくてもよい。例えば、各ステップは、適宜順序が変更されて処理されてもよい。また、各ステップは、時系列的に処理される代わりに、一部並列的に又は個別的に処理されてもよい。さらに、各ステップの処理についても、必ずしも記載された方法に沿って処理されなくてもよく、例えば、他の機能部によって他の方法で処理されていてもよい。
【0130】
さらに、上記の実施形態に係る情報処理方法の少なくとも一部は、コンピュータを機能させる情報処理プログラムとして、ソフトウェアで構成することが可能であり、ソフトウェアで構成する場合には、これらの方法の少なくとも一部を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記録媒体に収納し、PC等に読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。さらに、これらの方法の少なくとも一部を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。