(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019144820
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20190802BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20190802BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20190802BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !G06F3/12 340
   !B41J29/38 Z
   !B41J29/46 Z
   !G06F3/12 311
   !G06F3/12 326
   !G06F3/12 332
   !G06F3/12 359
   !G06F3/12 360
   !H04N1/00 E
   !H04N1/00 127A
   !H04N1/00 912
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】2018028117
(22)【出願日】20180220
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エフレン・デュラン ジュニア
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 京セラドキュメントソリューションズ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】デックシー ジェイ アッルハス
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 京セラドキュメントソリューションズ株式会社内
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR03
2C061AS02
2C061HJ08
2C061HK16
2C061HK23
2C061HN05
2C061HP00
2C061HP01
2C061HP02
2C061HP06
2C061HP08
2C061HQ01
2C061HV09
2C061HV13
2C061HV14
2C061HV35
2C061HV44
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB22
5C062AB38
5C062AC04
5C062AC34
5C062AC58
5C062AF07
5C062AF15
5C062BA04
(57)【要約】
【課題】印刷ジョブを複数に分割して複数の画像形成装置に実行させる場合において、当該分割した複数の分割ジョブの各完了タイミングの時間差を小さくする。
【解決手段】情報処理装置は、ジョブ分割処理を行うとき、複数の分割ジョブ実行先装置のそれぞれの印刷速度と印刷ジョブの総印刷枚数とに基づき、分割ジョブの開始から完了までにかかるジョブ時間の時間差が複数の分割ジョブ実行先装置間で最小となるように、複数の分割ジョブ実行先装置にそれぞれ実行させる複数の分割ジョブの各印刷枚数を設定する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成装置と、
複数の前記画像形成装置と通信可能に接続される情報処理装置と、を備え、
前記情報処理装置は、ユーザーが実行を指示した印刷ジョブの印刷設定の設定内容で前記印刷ジョブを実行できる前記画像形成装置の複数を分割ジョブ実行先装置に設定し、その後、前記印刷ジョブを複数の前記分割ジョブ実行先装置と同数に分割し、当該分割した複数の分割ジョブをそれぞれ複数の前記分割ジョブ実行先装置に実行させるジョブ分割処理を行い、
前記情報処理装置は、前記ジョブ分割処理を行うとき、複数の前記分割ジョブ実行先装置のそれぞれについて単位時間当たりの印刷可能枚数を示す印刷速度を認識し、複数の前記分割ジョブ実行先装置のそれぞれの前記印刷速度と前記印刷ジョブの総印刷枚数とに基づき、前記分割ジョブの開始から完了までにかかるジョブ時間の時間差が複数の前記分割ジョブ実行先装置間で最小となるように、複数の前記分割ジョブ実行先装置にそれぞれ実行させる複数の前記分割ジョブの各印刷枚数を設定することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、複数の前記分割ジョブ実行先装置のそれぞれの前記印刷速度を合計した合計値で前記印刷ジョブの総印刷枚数を除算することによって得られる時間を目標時間として求めた後、複数の前記分割ジョブ実行先装置のそれぞれごとに、前記分割ジョブ実行先装置に実行させる前記分割ジョブの印刷枚数を設定する枚数設定処理を前記ジョブ分割処理の一処理として行い、
前記情報処理装置は、前記枚数設定処理を行うとき、実行させる前記分割ジョブの印刷枚数を未だ設定していない前記分割ジョブ実行先装置を対象として選択し、対象の前記分割ジョブ実行先装置の前記印刷速度に前記目標時間を乗算した値を枚数対応値として求め、前記枚数対応値に基づき、対象の前記分割ジョブ実行先装置に実行させる前記分割ジョブの印刷枚数を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記枚数対応値が小数部を含む場合、前記枚数対応値の小数点以下を切り捨てた値を対象の前記分割ジョブ実行先装置に実行させる前記分割ジョブの印刷枚数に設定する処理を前記枚数設定処理として行い、その後、前記印刷ジョブの総印刷枚数から複数の前記分割ジョブの各印刷枚数を合計した合計枚数を減算することによって得られる枚数を補正枚数として求め、前記印刷速度が最速の前記分割ジョブ実行先装置に実行させる前記分割ジョブの印刷枚数に前記補正枚数を加算する補正処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記印刷設定の設定内容で前記印刷ジョブを実行できる前記画像形成装置のいずれかを選択する第1選択操作をユーザーから受け付け、前記第1選択操作で選択された前記画像形成装置を前記分割ジョブ実行先装置に設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記分割ジョブ実行先装置は、前記分割ジョブの実行中にエラーが発生したことによって前記分割ジョブを停止したとき、エラー発生通知を前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置は、前記エラー発生通知を受信すると、前記エラーの発生で停止した前記分割ジョブのうち実行されなかった印刷を残りジョブに設定し、前記印刷設定の設定内容で前記印刷ジョブを実行できる前記画像形成装置のうち前記エラーが発生した前記分割ジョブ実行先装置以外のいずれかに前記残りジョブを実行させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記印刷設定の設定内容で前記印刷ジョブを実行できる前記画像形成装置のうち前記エラーが発生した前記分割ジョブ実行先装置以外のいずれかを選択する第2選択操作をユーザーから受け付け、前記第2選択操作で選択された前記画像形成装置に前記残りジョブを実行させることを特徴とする請求項5に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ジョブを実行する画像形成装置を備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、たとえば、ユーザーにより使用されるパーソナルコンピューターから印刷ジョブの実行指示を受け付ける。画像形成装置は、実行指示を受けた印刷ジョブを実行する。
【0003】
印刷ジョブの総印刷枚数が多い場合には、印刷ジョブの開始から完了までの時間が長くなる。この場合には、画像形成装置に対して印刷ジョブの実行を指示してからの待ち時間が長くなるので、画像形成装置から出力される印刷ジョブの印刷物を速やかに取得したいユーザーにとっては利便性が悪い。
【0004】
そこで、従来、実行指示を受けた印刷ジョブを複数に分割し、当該分割した複数の分割ジョブをそれぞれ複数の画像形成装置に実行させる画像形成システムが提案されている。このような画像形成システムは、たとえば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−292963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
たとえば、印刷ジョブを2つに分割し、当該分割した2つの分割ジョブをそれぞれ2台の画像形成装置に実行させる場合、2台の画像形成装置の各印刷速度(単位時間当たりの印刷可能枚数)が互いに同じであれば、2台の画像形成装置がそれぞれ実行する各分割ジョブの完了タイミングが略同じになる。
【0007】
しかし、2台の画像形成装置のうち一方の画像形成装置の印刷速度よりも他方の画像形成装置の印刷速度が遅い場合には、一方の画像形成装置により実行されていた分割ジョブが完了しても、他方の画像形成装置では未だ分割ジョブが続行されている、という状況になる。ユーザーからすると、一方の画像形成装置から出力された印刷物を取得した後、他方の画像形成装置から出力される印刷物が全て揃うまで待たなければならないので、利便性が悪い。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、印刷ジョブを複数に分割して複数の画像形成装置に実行させる場合において、当該分割した複数の分割ジョブの各完了タイミングの時間差を小さくすることが可能な画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成システムは、複数の画像形成装置と、複数の画像形成装置と通信可能に接続される情報処理装置と、を備える。情報処理装置は、ユーザーが実行を指示した印刷ジョブの印刷設定の設定内容で印刷ジョブを実行できる画像形成装置の複数を分割ジョブ実行先装置に設定し、その後、印刷ジョブを複数の分割ジョブ実行先装置と同数に分割し、当該分割した複数の分割ジョブをそれぞれ複数の分割ジョブ実行先装置に実行させるジョブ分割処理を行う。情報処理装置は、ジョブ分割処理を行うとき、複数の分割ジョブ実行先装置のそれぞれについて単位時間当たりの印刷可能枚数を示す印刷速度を認識し、複数の分割ジョブ実行先装置のそれぞれの印刷速度と印刷ジョブの総印刷枚数とに基づき、分割ジョブの開始から完了までにかかるジョブ時間の時間差が複数の分割ジョブ実行先装置間で最小となるように、複数の分割ジョブ実行先装置にそれぞれ実行させる複数の分割ジョブの各印刷枚数を設定する。
【0010】
本発明の構成では、情報処理装置がジョブ分割処理を行うことにより、分割ジョブの開始から完了までにかかるジョブ時間の時間差が複数の分割ジョブ実行先装置間で最小となる。これにより、或る画像形成装置(分割ジョブ実行先装置)により実行されている分割ジョブおよび他の画像形成装置(分割ジョブ実行先装置)により実行されている分割ジョブの各完了タイミングの時間差を小さくする(略無くす)ことができる。したがって、或る画像形成装置により実行されていた分割ジョブが完了しても、他の画像形成装置では未だ分割ジョブが続行されている、という状況になり難くなり、ユーザーにとっては利便性が良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明の構成では、印刷ジョブを複数に分割して複数の画像形成装置に実行させる場合において、当該分割した複数の分割ジョブの各完了タイミングの時間差を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態による画像形成システムの構成を示す図
【図2】本発明の一実施形態による画像形成システムのパーソナルコンピューターが表示する印刷設定画面を示す図
【図3】本発明の一実施形態による画像形成システムのサーバーが行う第1処理の流れを示すフローチャート
【図4】本発明の一実施形態による画像形成システムのパーソナルコンピューターが行う第2処理の流れを示すフローチャート
【図5】本発明の一実施形態による画像形成システムのパーソナルコンピューターが表示する第1選択画面を示す図
【図6】本発明の一実施形態による画像形成システムのパーソナルコンピューターが行う枚数設定処理について説明するための図
【図7】本発明の一実施形態による画像形成システムのパーソナルコンピューターが行う枚数設定処理(補正処理)について説明するための図
【図8】本発明の一実施形態による画像形成システムのパーソナルコンピューターが行うエラー対策処理の流れを示すフローチャート
【図9】本発明の一実施形態による画像形成システムのパーソナルコンピューターが表示する第2選択画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
<画像形成システムの構成>
図1に示すように、本実施形態の画像形成システムSは、複数の画像形成装置100(100A、100B、100C、100D、100E、100Fおよび100G)を備える。複数の画像形成装置100は、LANなどのネットワークNTに接続される。なお、画像形成システムSに含める画像形成装置100の台数は特に限定されない。
【0014】
複数の画像形成装置100は、それぞれ、印刷部10を備える。印刷部10は、印刷ジョブの実行時に、収容用紙を用紙搬送路に沿って搬送するとともに、印刷すべき画像(トナー像)を形成し、搬送中の用紙に画像を印刷する。たとえば、複数の画像形成装置100は、複合機(MFP)やプリンターである。
【0015】
なお、本実施形態では、複数の画像形成装置100の各仕様が互いに異なるとする。たとえば、仕様としての印刷速度が互いに異なる複数の画像形成装置100が画像形成システムSに含まれる。印刷速度は単位時間(1分)当たりの印刷可能枚数で定義される。このような印刷速度の単位はPPM(Page Per Minute)で示される。
【0016】
画像形成システムSは、サーバー200をさらに備える。サーバー200は、サーバー制御部21、サーバー通信部22およびサーバー記憶部23を備える。
【0017】
サーバー制御部21は、CPUやメモリー(ROMおよびRAM)を含む。サーバー制御部21は、サーバー200の全体の制御を行う。
【0018】
サーバー通信部22は、サーバー200をネットワークNTに接続するための通信インターフェースであり、通信回路や通信メモリーを含む。サーバー通信部22は、サーバー制御部21に接続される。サーバー制御部21は、サーバー通信部22を用いてネットワークNTにアクセスし、複数の画像形成装置100と通信する。また、サーバー制御部21は、サーバー通信部22を用いて、後述するパーソナルコンピューター300と通信する。
【0019】
サーバー記憶部23は、ROM(EEPROMなど)やHDDのような不揮発性の記憶デバイスを含む。サーバー記憶部23は、サーバー制御部21に接続される。サーバー制御部21は、サーバー記憶部23への情報の書き込みやサーバー記憶部23からの情報の読み出しを行う。
【0020】
画像形成システムSは、パーソナルコンピューター300をさらに備える。パーソナルコンピューター300は、「情報処理装置」に相当する。以下、パーソナルコンピューター300をPC300と称する。PC300は、ユーザーにより使用されるユーザー端末である。PC300は、操作表示部30、PC制御部31、PC通信部32およびPC記憶部33を備える。
【0021】
操作表示部30は、表示装置および入力装置を備える。表示装置は、たとえば、LCDである。入力装置は、たとえば、ハードウェアキーボードやポインティングデバイスである。表示装置は、ユーザーから指示を受け付けるための画面を表示する。入力装置は、ユーザーから操作(指示)を受け付ける。
【0022】
PC制御部31は、CPUやメモリー(ROMおよびRAM)を含む。PC制御部31は、PC300の全体の制御を行う。また、PC制御部31は、操作表示部30に接続される。PC制御部31は、操作表示部30の表示動作を制御するとともに、操作表示部30が受け付けた操作を検知する。
【0023】
PC通信部32は、PC300をネットワークNTに接続するための通信インターフェースであり、通信回路や通信メモリーを含む。PC通信部32は、PC制御部31に接続される。PC制御部31は、PC通信部32を用いてネットワークNTにアクセスし、複数の画像形成装置100と通信する。また、PC制御部31は、PC通信部32を用いてサーバー200と通信する。
【0024】
PC記憶部33は、ROM(EEPROMなど)やHDDのような不揮発性の記憶デバイスを含む。PC記憶部33は、PC制御部31に接続される。PC制御部31は、PC記憶部33への情報の書き込みやPC記憶部33からの情報の読み出しを行う。
【0025】
PC記憶部33には、PC300にインストールされたドキュメント作成ソフトウェア331(以下、DS331と称する)を記憶する。また、PC300にはプリンタードライバー332(以下、PD332と称する)がインストールされ、PC記憶部33に記憶される。
【0026】
DS331をPC300にインストールすることにより、ユーザーはPC300を用いてドキュメントファイルを作成することができる。また、PD332をPC300にインストールすることにより、ユーザーはPC300を用いて作成したドキュメントファイルに基づく印刷ジョブを画像形成装置100に実行させることができる。
【0027】
<印刷ジョブの実行指示>
PC制御部31は、操作表示部30がDS331の起動指示をユーザーから受け付けると、DS331を起動する。DS331が起動することにより、ドキュメントファイルを作成するためのファイル作成画面(図示せず)が操作表示部30に表示される。これにより、ユーザーはドキュメントファイルを作成することができる。
【0028】
PC制御部31は、ファイル作成画面の表示中、操作表示部30が印刷設定画面300S(図2参照)の表示指示をユーザーから受け付けると、PD332を起動し、印刷設定画面300Sを操作表示部30に表示させる。印刷設定画面300Sは、印刷ジョブに関する設定項目の設定値の設定(印刷設定)をユーザーから受け付けるための画面である。たとえば、印刷設定画面300Sでは、印刷部数、印刷に用いる用紙サイズ、濃度および倍率などの設定受付が行われる。また、印刷設定画面300Sでは、複数の画像形成装置100のうちユーザー指定の画像形成装置100(印刷ジョブを実行させたい画像形成装置100)の設定受付が行われる。
【0029】
印刷設定画面300Sには、印刷ジョブの実行指示をユーザーから受け付けるための印刷ボタン301が配される。PC制御部31は、印刷ボタン301が操作されると、操作表示部30が印刷ジョブの実行指示を受け付けたと判断する。このとき、PC制御部31は、印刷対象のドキュメントファイル(ユーザーが印刷しようとしているドキュメントファイル)を認識する。ユーザーが印刷ジョブの実行を指示したときに開いていたドキュメントファイルが印刷対象となる。
【0030】
PC制御部31は、印刷ジョブの実行指示を受け付けると、ユーザー指定の画像形成装置100に対し、PC通信部32を用いて、印刷ジョブの実行指示を含むジョブデータを送信する。印刷ジョブのジョブデータには、印刷対象のドキュメントファイルを印刷するための印刷データ(たとえば、PDFデータ)や印刷設定の設定内容を示す設定データなども含められる。
【0031】
ユーザー指定の画像形成装置100は、印刷ジョブの実行指示(印刷ジョブのジョブデータ)を受信すると、実行指示を受けた印刷ジョブのジョブデータに含まれる設定データに基づき、実行指示を受けた印刷ジョブの印刷設定(印刷部数や用紙サイズなど)を認識する。そして、ユーザー指定の画像形成装置100は、当該認識した印刷設定に従って、実行指示を受けた印刷ジョブのジョブデータに含まれる印刷データに基づく印刷を行う(印刷ジョブを実行する)。
【0032】
ここで、印刷設定画面300Sには、共有印刷ボタン302が配される。PC制御部31は、共有印刷ボタン302が操作されると、共有印刷機能(2台以上の画像形成装置100で単一の印刷ジョブを実行する機能)を有効に設定する。そして、PC制御部31は、共有印刷機能を有効に設定した状態で、印刷ボタン301が操作されると、ユーザーが実行を指示した印刷ジョブのジョブデータをサーバー200に送信する。
【0033】
サーバー制御部21は、サーバー通信部22が印刷ジョブのジョブデータ(印刷データおよび設定データ)を受信すると、共有印刷機能が有効に設定されていると判断する。そして、サーバー制御部21は、共有印刷機能に関する第1処理を行う。また、PC制御部31は、サーバー制御部21による第1処理の結果に基づき、共有印刷機能に関する第2処理を行う。
【0034】
<共有印刷機能に関する処理>
以下に、第1処理および第2処理について説明する。以下の説明では、ユーザーが実行を指示した印刷ジョブ(サーバー200に送信されたジョブデータに対応する印刷ジョブ)を単に印刷ジョブと称する。
【0035】
まず、図3に示すフローチャートを参照し、サーバー制御部21が行う第1処理の流れを説明する。図3に示すフローチャートは、サーバー通信部22が印刷ジョブのジョブデータを受信したときにスタートする。
【0036】
ステップS1において、サーバー制御部21は、サーバー通信部22を用いて、複数の画像形成装置100に対し、画像形成装置100の仕様を示す仕様情報および画像形成装置100の状態を示す状態情報を含む装置情報のサーバー200への送信を要求する。これにより、複数の画像形成装置100の各装置情報がサーバー200に送信される。装置情報には、画像形成装置100の印刷速度を示す情報などが仕様情報として含められる。また、装置情報には、画像形成装置100の現在の収容用紙のサイズや残量を示す情報、画像形成装置100の現在のトナー残量、および、画像形成装置100が他のジョブを現在実行しているか否かを示す情報などが状態情報として含められる。
【0037】
複数の画像形成装置100の各装置情報をサーバー通信部22が受信すると、ステップS2において、サーバー制御部21は、印刷ジョブのジョブデータに含まれる設定データに基づき、印刷設定画面300Sでユーザーが設定した印刷ジョブの印刷設定を対象印刷設定として認識する。また、サーバー制御部21は、複数の画像形成装置100の各装置情報に基づき、複数の画像形成装置100のうち対象印刷設定の設定内容で印刷ジョブを実行できる画像形成装置100を認識する。そして、サーバー制御部21は、当該認識した画像形成装置100を印刷ジョブの実行先候補に設定する。
【0038】
たとえば、対象印刷設定がB5サイズの用紙に両面印刷を行うという設定内容である場合には、両面印刷機能を搭載するとともにB5サイズの用紙を収容し、かつ、他のジョブを現在実行していない画像形成装置100が印刷ジョブの実行先候補に設定される。この場合、両面印刷機能を搭載していない画像形成装置100やB5サイズの用紙を収容していない画像形成装置100は印刷ジョブの実行先候補に設定されない。また、他のジョブを現在実行している画像形成装置100も印刷ジョブの実行先候補に設定されない。
【0039】
なお、印刷ジョブの実行先候補に設定される画像形成装置100は複数である。仮に、対象印刷設定の設定内容で印刷ジョブを実行できる画像形成装置100が1台だけの場合には、サーバー200からPC300に対し、キャンセル通知が送信される。PC通信部32がキャンセル通知を受信すると、PC制御部31は、共有印刷機能を無効に設定する。また、PC制御部31は、共有印刷機能を無効に設定した旨のメッセージや、ユーザー指定の画像形成装置100の設定を促すメッセージを含むキャンセルメッセージを操作表示部30に表示させる。たとえば、キャンセル通知には、対象印刷設定で印刷ジョブを実行できる画像形成装置100の装置IDが含まれる。操作表示部30は、キャンセルメッセージとして、対象印刷設定の設定内容で印刷ジョブを実行できる画像形成装置100の装置IDも表示する。
【0040】
PC300にキャンセルメッセージが表示されると、ユーザーは印刷ジョブを実行させる画像形成装置100(ユーザー指定の画像形成装置100)を設定する。その後、ユーザーは印刷ジョブの実行を指示する(印刷ボタン301を操作する)。
【0041】
印刷ジョブの実行先候補の設定後、ステップS3に移行する。ステップS3に移行すると、サーバー制御部21は、実行先候補に設定した画像形成装置100の装置IDを含む候補情報を生成する。候補情報には、実行先候補に設定された画像形成装置100の印刷速度も含められる。候補情報の生成後、サーバー制御部21は、PC300に対し、サーバー通信部22を用いて、候補情報を送信する。
【0042】
次に、図4に示すフローチャートを参照し、PC制御部31が行う第2処理の流れを説明する。図4に示すフローチャートは、PC通信部32が候補情報を受信したときにスタートする。
【0043】
ステップS11において、PC制御部31は、候補情報に基づき、実行先候補に設定された複数の画像形成装置100(対象印刷設定の設定内容で印刷ジョブを実行できる複数の画像形成装置100)の各装置IDを認識し、当該認識した各装置IDを操作表示部30に表示させる。このとき、操作表示部30は、第1選択画面310(図5参照)を表示する。
【0044】
第1選択画面310には、図5に示すように、実行先候補に設定された複数の画像形成装置100の各装置IDが選択肢C1(図5では、破線で囲む)として表示される。ここでは、6台の画像形成装置100A〜100Fが実行先候補に設定されている(画像形成装置100Gは対象印刷設定の設定内容で印刷ジョブを実行できない)とする。以下の説明では、画像形成装置100Aの装置IDが「MFP1」であり、画像形成装置100Bの装置IDが「MFP2」であり、画像形成装置100Cの装置IDが「MFP3」であり、画像形成装置100Dの装置IDが「Printer1」であり、画像形成装置100Eの装置IDが「Printer2」であり、画像形成装置100Fの装置IDが「Printer3」であるとする。
【0045】
第1選択画面310に表示されている各装置IDには、チェックボックスCBが付される。チェックボックスCBを操作することにより、チェックボックスCBからチェックを外したり、チェックボックスCBにチェックを入れたりすることができる。第1選択画面310の表示開始時点では、全てのチェックボックスCBにチェックが入った状態となっている。
【0046】
第1選択画面310には、OKボタン311が配される。OKボタン311は、印刷ジョブの実行先を確定する旨の指示をユーザーから受け付けるためのボタンである。操作表示部30は、OKボタン311に対する操作を第1選択操作として受け付ける。いずれかのチェックボックスCBに対する操作が行われてから、OKボタン311に対する操作が行われた場合には、当該一連の操作を第1選択操作として操作表示部30が受け付ける。
【0047】
図4に戻り、第1選択操作の受付後、ステップS12に移行する。ステップS12に移行すると、PC制御部31は、第1選択操作で選択された画像形成装置100(ユーザーが印刷ジョブの実行先として選択し確定した画像形成装置100)を認識する。言い換えると、PC制御部31は、チェックが入っているチェックボックスCBが付された装置IDに対応する画像形成装置100を認識する。そして、PC制御部31は、当該認識した画像形成装置100を印刷ジョブの実行先に設定する。印刷ジョブの実行先に設定された画像形成装置100は「分割ジョブ実行先装置」に相当し、以下の説明では分割ジョブ実行先装置100と称する。
【0048】
たとえば、実行先候補の画像形成装置100の全てを印刷ジョブの実行先に設定したい場合には、全てのチェックボックスCBにチェックが入った状態でOKボタン311を操作すればよい。実行先候補のいずれかの画像形成装置100を印刷ジョブの実行先から外したい場合には、当該画像形成装置100の装置IDに付されたチェックボックスCBのチェックを外した状態でOKボタン311を操作すればよい。
【0049】
なお、図5に示すように、第1選択画面310には、キャンセルボタン312がさらに配される。PC制御部31は、キャンセルボタン312に対する操作が行われると、操作表示部30による第1選択画面310の表示を停止させ、代わりに、印刷設定画面300Sを操作表示部30に表示させる。すなわち、操作表示部30は、ユーザー指定の画像形成装置100の設定を受け付ける。また、操作表示部30は、印刷ジョブの実行指示をユーザーから受け付ける。ユーザーが印刷設定画面300Sの共有印刷ボタン302を操作した場合には、再度、操作表示部30に第1選択画面310が表示される。
【0050】
図4に戻り、印刷ジョブの実行先の設定後、ステップS13に移行する。ステップS13に移行すると、PC制御部31は、印刷ジョブを複数の分割ジョブ実行先装置100と同数に分割し、当該分割した複数の分割ジョブをそれぞれ複数の分割ジョブ実行先装置100に実行させる処理(ジョブ分割処理)を行う。
【0051】
ジョブ分割処理を行うとき、PC制御部31は、印刷ジョブのジョブデータに含まれる印刷データのページ数N1を認識するとともに、印刷ジョブのジョブデータに含まれる設定データに基づき印刷部数N2を認識し、ページ数N1および印刷部数N2に基づき、印刷ジョブの総印刷枚数Nt(=N1×N2)を求める。また、PC制御部31は、候補情報に基づき、複数の分割ジョブ実行先装置100のそれぞれの印刷速度(PPM)を認識する。
【0052】
そして、PC制御部31は、複数の分割ジョブ実行先装置100のそれぞれの印刷速度と印刷ジョブの総印刷枚数とに基づき、複数の分割ジョブ実行先装置100にそれぞれ実行させる複数の分割ジョブの各印刷枚数を設定する。このとき、PC制御部31は、分割ジョブの開始から完了までにかかるジョブ時間の時間差が複数の分割ジョブ実行先装置100間で最小となるように、複数の分割ジョブの各印刷枚数を設定する。なお、複数の分割ジョブの各印刷枚数を合計した合計枚数は印刷ジョブの総印刷枚数と同じになる。
【0053】
具体的には、PC制御部31は、複数の分割ジョブ実行先装置100のそれぞれの印刷速度を合計した速度合計値Vtを求める。そして、PC制御部31は、印刷ジョブの総印刷枚数Ntを速度合計値Vtで除算することにより得られる時間を目標時間T(=Nt/Vt)として求める。
【0054】
一例(第1の例)として、画像形成装置100A(MFP1)の印刷速度が35PPMであり、画像形成装置100B(MFP2)の印刷速度が50PPMであり、画像形成装置100C(MFP3)の印刷速度が45PPMであり、画像形成装置100D(Printer1)の印刷速度が20PPMであり、画像形成装置100E(Printer2)の印刷速度が30PPMであるとする。そして、画像形成装置100A〜100Eが印刷ジョブの実行先(分割ジョブ実行先装置100)であるとする。また、印刷ジョブの総印刷枚数が45000枚であるとする。
【0055】
第1の例では、画像形成装置100A〜100Eの各印刷速度を合計した速度合計値Vtが180PPMとなる。このため、目標時間Tは250分(T=45000/180)となる。
【0056】
目標時間を求めた後、PC制御部31は、複数の分割ジョブ実行先装置100のそれぞれの印刷速度と目標時間とに基づき、複数の分割ジョブ実行先装置100にそれぞれ実行させる複数の分割ジョブの各印刷枚数を設定する枚数設定処理を行う。なお、PC制御部31は、複数の分割ジョブ実行先装置100のそれぞれごとに、分割ジョブ実行先装置100に実行させる分割ジョブの印刷枚数を設定する(枚数設定処理を行う)。
【0057】
PC制御部31は、枚数設定処理を行うとき、いずれかの分割ジョブ実行先装置100(実行させる分割ジョブの印刷枚数を未だ設定していない分割ジョブ実行先装置100)を対象として選択する。また、PC制御部31は、対象の分割ジョブ実行先装置100の印刷速度Vを認識し、当該認識した印刷速度Vに目標時間Tを乗算した値を枚数対応値N(=V×T)として求める。そして、PC制御部31は、枚数対応値Nに基づき、対象の分割ジョブ実行先装置100に実行させる分割ジョブの印刷枚数を設定する。枚数対応値Nが小数部を含まない場合、PC制御部31は、枚数対応値Nを対象の分割ジョブ実行先装置100に実行させる分割ジョブの印刷枚数として設定する。
【0058】
なお、PC制御部31は、対象の分割ジョブ実行先装置100に実行させる分割ジョブの印刷枚数を設定した後、実行させる分割ジョブの印刷枚数を未だ設定していない分割ジョブ実行先装置100が残っていれば、当該分割ジョブ実行先装置100を新たな対象として選択し、新たな対象の分割ジョブ実行先装置100に実行させる分割ジョブの印刷枚数を設定する。
【0059】
第1の例では、図6に示すように、画像形成装置100A(MFP1)が実行する分割ジョブの印刷枚数は8750枚(=35×250)に設定される。画像形成装置100B(MFP2)が実行する分割ジョブの印刷枚数は12500枚(=50×250)に設定される。画像形成装置100C(MFP3)が実行する分割ジョブの印刷枚数は11250枚(=45×250)に設定される。画像形成装置100D(Printer1)が実行する分割ジョブの印刷枚数は5000枚(=20×250)に設定される。画像形成装置100E(Printer2)が実行する分割ジョブの印刷枚数は7500枚(=30×250)に設定される。
【0060】
ここで、枚数対応値が小数部を含む場合がある。この場合、PC制御部31は、枚数対応値の小数点以下を切り捨てた値を求め、当該求めた値を対象の分割ジョブ実行先装置100に実行させる分割ジョブの印刷枚数として設定する処理を枚数設定処理として行う。
【0061】
また、枚数対応値が小数部を含む場合、PC制御部31は、複数の分割ジョブの各印刷枚数を合計した合計枚数を求め、当該求めた合計枚数を印刷ジョブの総印刷枚数から減算することにより得られる枚数を補正枚数として求める。そして、PC制御部31は、印刷速度が最速の分割ジョブ実行先装置100に実行させる分割ジョブの印刷枚数に補正真数を加算する補正処理を行う。
【0062】
たとえば、第1の例において、印刷ジョブの総印刷枚数が45000枚ではなく30000枚であったとする(この例を第2の例とする)。第2の例では、目標時間は166.66となる。便宜上、小数点第3位以下を切り捨てる。以下の枚数対応値についても同様とする。
【0063】
第2の例では、図7に示すように、画像形成装置100A(MFP1)が実行する分割ジョブに対応する枚数対応値は5833.33となり、枚数設定処理では当該分割ジョブの印刷枚数が5833枚に設定される。画像形成装置100B(MFP2)が実行する分割ジョブに対応する枚数対応値は8333.33となり、枚数設定処理では当該分割ジョブの印刷枚数が8333枚に設定される。画像形成装置100C(MFP3)が実行する分割ジョブに対応する枚数対応値は7500.00となり、枚数設定処理では当該分割ジョブの印刷枚数が7500枚に設定される。画像形成装置100D(Printer1)が実行する分割ジョブに対応する枚数対応値は3333.33となり、枚数設定処理では当該分割ジョブの印刷枚数が3333枚に設定される。画像形成装置100E(Printer2)が実行する分割ジョブに対応する枚数対応値は5000.00となり、枚数設定処理では当該分割ジョブの印刷枚数が5000枚に設定される。
【0064】
そして、第2の例では、印刷ジョブの総印刷枚数が30000枚であるのに対し、枚数設定処理で設定された各分割ジョブの印刷枚数の合計が29999枚となるので、1枚不足する。すなわち、補正枚数が1枚となる。このため、印刷速度が最速の画像形成装置100B(MFP2)が実行する分割ジョブの印刷枚数が8333枚から1枚加算されて8334枚に補正される。
【0065】
複数の分割ジョブの各印刷枚数を設定した後、PC制御部31は、PC通信部32を用いて、複数の分割ジョブ実行先装置100のそれぞれに対し、対応する分割ジョブの実行指示を含むジョブデータを送信する。分割ジョブのジョブデータには、印刷データおよび設定データに加え、対応する分割ジョブの印刷枚数を示す印刷枚数情報が含められる。印刷枚数情報には、たとえば、印刷データの何ページ目から印刷すべきかを示す情報や、当該印刷すべきページの印刷枚数を示す情報などが含められる。
【0066】
複数の分割ジョブ実行先装置100は、それぞれ、分割ジョブの実行指示(分割ジョブのジョブデータ)を受信すると、実行指示を受けた分割ジョブのジョブデータに含まれる印刷データや設定データに基づき、実行指示を受けた分割ジョブのジョブデータに含まれる印刷枚数情報で示される枚数分の印刷を行う(分割ジョブを実行する)。
【0067】
<エラー発生時の処理>
複数の分割ジョブ実行先装置100のうち分割ジョブの実行中にエラーが発生した分割ジョブ実行先装置100は、実行中の分割ジョブを停止する。たとえば、ジャム、用紙切れおよびトナー切れなどのエラーが分割ジョブの実行中に発生すると、エラーが発生した分割ジョブ実行先装置100により実行されている分割ジョブが停止する。
【0068】
エラーが発生した分割ジョブ実行先装置100は、分割ジョブを停止すると、エラー発生通知をPC300に送信する。エラー発生通知には、エラー発生通知の送信元の装置IDが含まれる。また、エラー発生通知には、進捗状況(何枚目の印刷まで完了したか、あるいは、何枚目の印刷時にエラーが発生したか)を示す進捗情報が含まれる。
【0069】
PC制御部31は、PC通信部32がエラー発生通知を受信すると、いずれかの分割ジョブ実行先装置100でエラーが発生したことにより分割ジョブが停止したと判断する。そして、PC制御部31は、エラー対策処理を行う。
【0070】
以下に、図8に示すフローチャートを参照し、PC制御部31が行うエラー対策処理の流れを説明する。図8に示すフローチャートは、PC通信部32がエラー発生通知を受信したときにスタートする。
【0071】
ステップS21において、PC制御部31は、エラー発生通知に含まれる装置IDに基づき、エラーが発生した分割ジョブ実行先装置100(分割ジョブを停止した分割ジョブ実行先装置100)を特定する特定処理を行う。また、ステップS22において、PC制御部31は、エラー発生通知に含まれる進捗情報に基づき、エラーの発生で停止した分割ジョブの進捗状況(何枚目の印刷まで完了しているか)を認識する。そして、ステップS23において、PC制御部31は、エラーの発生で停止した分割ジョブのうち実行されなかった印刷(ジョブの残り)を残りジョブとして設定する。
【0072】
その後、PC制御部31は、複数の画像形成装置100のうち、残りジョブを実行させる画像形成装置100の選択をユーザーから受け付けるための処理を行う。なお、当該選択では、対象印刷設定の設定内容で印刷ジョブを実行できない画像形成装置100や、エラーが発生した画像形成装置100を選択することはできない。
【0073】
具体的には、ステップ23からステップS24に移行する。ステップS24に移行すると、PC制御部31は、候補情報(図3のステップS3でサーバー200がPC300に送信した候補情報)で示される装置IDのうち、エラーが発生した分割ジョブ実行先装置100の装置ID以外の装置IDを認識し、当該認識した装置IDを操作表示部30に表示させる。このとき、操作表示部30は、第2選択画面320(図9参照)を表示する。
【0074】
第2選択画面320には、図9に示すように、対象印刷設定の設定内容で印刷ジョブを実行できる複数の画像形成装置100のうち、エラーが発生した分割ジョブ実行先装置100以外の画像形成装置100の各装置IDが選択肢C2(図9では、破線で囲む)として表示される。ここでは、6台の画像形成装置100A〜100Fが実行先候補に設定されていた(6台の画像形成装置100A〜100Fの各装置IDが候補情報に含まれていた)とする。また、6台の画像形成装置100A〜100Fのうち5台の画像形成装置100A〜100Eが実行先に設定されていたとする。そして、5台の画像形成装置100A〜100Eがそれぞれ分割ジョブを実行しているときに、画像形成装置100Bでエラーが発生した(画像形成装置100Bが実行していた分割ジョブが停止した)とする。
【0075】
この場合には、画像形成装置100Aの装置ID(当該装置IDは「MFP1」である)、画像形成装置100Cの装置ID(当該装置IDは「MFP3」である)、画像形成装置100Dの装置ID(当該装置IDは「Printer1」である)、画像形成装置100Eの装置ID(当該装置IDは「Printer2」である)、および、画像形成装置100Fの装置ID(当該装置IDは「Printer3」である)が選択肢C2として第2選択画面320に表示される。一方で、エラーが発生した画像形成装置100Bの装置IDは第2選択画面320に表示されない。また、画像形成装置100Gは対象印刷設定の設定内容で印刷ジョブを実行できないので、画像形成装置100Gの装置IDは第2選択画面320に表示されない。
【0076】
なお、上記した例において、画像形成装置100Fの装置ID(当該装置IDは「Printer3」である)については選択肢C2として第2選択画面320に表示されなくてもよい。すなわち、ユーザーによる第1選択操作で印刷ジョブの実行先として選択された分割ジョブ実行先装置100のうち、エラーが発生した分割ジョブ実行先装置100以外の分割ジョブ実行先装置100の装置IDだけが選択肢C2として第2選択画面320に表示されてもよい。
【0077】
第2選択画面320に表示されている各装置IDには、ラジオボタンRBが付される。ラジオボタンRBを操作することにより、ラジオボタンRBからチェックを外したり、ラジオボタンRBにチェックを入れたりすることができる。
【0078】
第2選択画面320には、OKボタン321が配される。OKボタン321は、残りジョブの実行先を確定する旨の指示をユーザーから受け付けるためのボタンである。操作表示部30は、いずれかのラジオボタンRBに対する操作を行ってからOKボタン321に対する操作を行う、という一連の操作を第2選択操作として受け付ける。
【0079】
なお、第2選択画面320には、ラジオボタンB21およびB22がさらに配される。ラジオボタンB21にチェックを入れる操作が行われた場合、PC制御部31は、エラー対策処理を終了する。この場合には、エラーが発生した分割ジョブ実行先装置100に対してエラー解消作業をユーザーが行い、それによってエラーが解消されると、当該分割ジョブ実行先装置100にて分割ジョブが再開される。一方で、ラジオボタンB22にチェックを入れる操作が行われた場合、PC制御部31は、いずれかのラジオボタンRBにチェックを入れる操作を有効操作として検知する。
【0080】
図8に戻り、第2選択操作の受付後、ステップS25に移行する。ステップS25に移行すると、PC制御部31は、第2選択操作で選択された画像形成装置100(ユーザーが残りジョブの実行先として選択し確定した画像形成装置100)を認識する。言い換えると、PC制御部31は、チェックが入っているラジオボタンRBが付された装置IDに対応する画像形成装置100を認識する。
【0081】
そして、PC制御部31は、当該認識した画像形成装置100を残りジョブの実行先に設定する。分割ジョブを現在実行している画像形成装置100(分割ジョブ実行先装置100)が残りジョブの実行先として設定される場合もあるし、対象印刷設定の設定内容で印刷ジョブ(分割ジョブ)を実行できるが分割ジョブの実行先として設定されていなかった画像形成装置100が残りジョブの実行先として設定される場合もある。
【0082】
その後、ステップS26において、PC制御部31は、PC通信部32を用いて、残りジョブの実行先に設定した画像形成装置100に対し、残りジョブの実行指示(残りジョブのジョブデータ)を送信するとともに、印刷データの何ページ目から印刷すべきかを示す情報や当該印刷すべきページの印刷枚数を示す情報などを含む残りジョブ情報を送信する。これにより、残りジョブの実行指示を受けた画像形成装置100にて残りジョブが実行される。
【0083】
なお、変形例として、ステップS24の処理が省略されてもよい。この場合、PC制御部31は、分割ジョブの実行先に設定した複数の分割ジョブ実行先装置100のうち、エラーが発生した分割ジョブ実行先装置100以外の分割ジョブ実行先装置100を自動的に残りジョブの実行先に設定する。
【0084】
エラーが発生した分割ジョブ実行先装置100以外の分割ジョブ実行先装置100が複数存在する場合、PC制御部31は、エラーが発生した分割ジョブ実行先装置100以外の複数の分割ジョブ実行先装置100を残りジョブの実行先に設定し、残りジョブを対象にジョブ分割処理を行う。すなわち、PC制御部31は、エラーが発生した分割ジョブ実行先装置100以外の複数の分割ジョブ実行先装置100と同数に残りジョブを分割し、エラーが発生した分割ジョブ実行先装置100以外の複数の分割ジョブ実行先装置100のそれぞれの印刷速度と残りジョブの総印刷枚数とに基づき、当該分割した複数の分割ジョブ(残りジョブを分割したもの)の各印刷枚数を設定する。
【0085】
本実施形態の画像形成システムSは、上記のように、複数の画像形成装置100と、複数の画像形成装置100と通信可能に接続されるPC300(情報処理装置)と、を備える。PC300は、対象印刷設定の設定内容で印刷ジョブを実行できる画像形成装置100の複数を分割ジョブ実行先装置100に設定し、その後、印刷ジョブを複数の分割ジョブ実行先装置100と同数に分割し、当該分割した複数の分割ジョブをそれぞれ複数の分割ジョブ実行先装置100に実行させるジョブ分割処理を行う。PC300は、ジョブ分割処理を行うとき、複数の分割ジョブ実行先装置100のそれぞれについて単位時間当たりの印刷可能枚数を示す印刷速度を認識し、複数の分割ジョブ実行先装置100のそれぞれの印刷速度と印刷ジョブの総印刷枚数とに基づき、分割ジョブの開始から完了までにかかるジョブ時間の時間差が複数の分割ジョブ実行先装置100間で最小となるように、複数の分割ジョブ実行先装置100にそれぞれ実行させる複数の分割ジョブの各印刷枚数を設定する。
【0086】
本実施形態の構成では、PC300がジョブ分割処理を行うことにより、分割ジョブの開始から完了までにかかるジョブ時間の時間差が複数の分割ジョブ実行先装置100間で最小となる。これにより、或る画像形成装置100(分割ジョブ実行先装置100)により実行されている分割ジョブおよび他の画像形成装置100(分割ジョブ実行先装置100)により実行されている分割ジョブの各完了タイミングの時間差を小さくする(略無くす)ことができる。したがって、或る画像形成装置100により実行されていた分割ジョブが完了しても、他の画像形成装置100では未だ分割ジョブが続行されている、という状況になり難くなり、ユーザーにとっては利便性が良い。
【0087】
また、本実施形態では、上記のように、PC300は、複数の分割ジョブ実行先装置100のそれぞれの印刷速度を合計した合計値で印刷ジョブの総印刷枚数を除算することによって得られる時間を目標時間として求めた後、複数の分割ジョブ実行先装置100のそれぞれごとに、分割ジョブ実行先装置100に実行させる分割ジョブの印刷枚数を設定する枚数設定処理をジョブ分割処理の一処理として行う。PC300は、枚数設定処理を行うとき、実行させる分割ジョブの印刷枚数を未だ設定していない分割ジョブ実行先装置100を対象として選択し、対象の分割ジョブ実行先装置100の印刷速度に目標時間を乗算した値を枚数対応値として求め、枚数対応値に基づき、対象の分割ジョブ実行先装置100に実行させる分割ジョブの印刷枚数を設定する。この構成では、容易に、分割ジョブの開始から完了までにかかるジョブ時間の時間差が複数の分割ジョブ実行先装置100間で最小となるように、複数の分割ジョブの各印刷枚数を設定することができる。
【0088】
また、本実施形態では、上記のように、PC300は、枚数対応値が整数部および小数部を含む場合、枚数対応値の小数点以下を切り捨てた値(すなわち、整数部の値)を対象の分割ジョブ実行先装置100に実行させる分割ジョブの印刷枚数に設定する処理を枚数設定処理として行い、その後、印刷ジョブの総印刷枚数から複数の分割ジョブの各印刷枚数を合計した合計枚数を減算することによって得られる枚数を補正枚数として求め、印刷速度が最速の分割ジョブ実行先装置100に実行させる分割ジョブの印刷枚数に補正枚数を加算する補正処理を行う。この構成では、複数の分割ジョブの各印刷枚数の設定に用いる枚数対応値が小数部を含む場合であっても、複数の分割ジョブの各印刷枚数を適切に設定することができる。さらに、印刷枚数に補正枚数が加算される分割ジョブは印刷速度が最速の分割ジョブ実行先装置100により実行される分割ジョブであるので、当該分割ジョブの完了タイミングが遅くなるのを抑制することができる。
【0089】
また、本実施形態では、上記のように、PC300は、対象印刷設定の設定内容で印刷ジョブを実行できる画像形成装置100のいずれかを選択する第1選択操作をユーザーから受け付け、第1選択操作で選択された画像形成装置100を分割ジョブ実行先装置100に設定する。この構成では、分割ジョブを実行させる複数の画像形成装置100を任意に選択することができるので、ユーザーにとっては利便性が良い。たとえば、印刷物を取りに行くときの移動距離を短くするため、ユーザーの近くに設置された画像形成装置100だけに分割ジョブを実行させる、といったことを行える。
【0090】
また、本実施形態では、上記のように、PC300は、エラー発生通知を受信すると、エラーの発生で停止した分割ジョブのうち実行されなかった印刷を残りジョブに設定し、対象印刷設定の設定内容で印刷ジョブを実行できる画像形成装置100のうちエラーが発生した分割ジョブ実行先装置100以外のいずれかに残りジョブを実行させる。この構成では、エラーが発生した分割ジョブ実行先装置100に対してエラー解消作業を直ちに行わなくても、エラーが発生した分割ジョブ実行先装置100以外の画像形成装置100に残りジョブを実行させることができるので、ユーザーにとっては利便性が良い。
【0091】
また、本実施形態では、上記のように、PC300は、対象印刷設定の設定内容で印刷ジョブを実行できる画像形成装置100のうちエラーが発生した分割ジョブ実行先装置100以外のいずれかを選択する第2選択操作をユーザーから受け付け、第2選択操作で選択された画像形成装置100に残りジョブを実行させる。この構成では、残りジョブを実行させる画像形成装置100を任意に選択することができるので、ユーザーにとっては利便性が良い。
【0092】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0093】
たとえば、上記実施形態では、第1処理をサーバー200が行い、第2処理をPC300が行うよう構成したが、本発明はこれに限らず、第1処理および第2処理の両方をPC300が行うよう構成してもよい。この場合には、画像形成システムSからサーバー200を省略することができる。
【0094】
また、上記実施形態では、ジョブ分割処理をPC300が行うよう構成したが、本発明はこれに限らず、ジョブ分割処理をサーバー200が行うよう構成してもよい(サーバー200を「情報処理装置」として機能させてもよい)。この場合、PC300は、第1選択操作で印刷ジョブ(分割ジョブ)の実行先として選択された複数の画像形成装置100の各装置IDを示す実行先情報をサーバー200に送信する。サーバー200は、実行先情報を受信すると、実行先情報に基づき第1選択操作で選択された複数の画像形成装置100を認識し、当該認識した複数の画像形成装置100を分割ジョブ実行先装置100に設定する。そして、サーバー200は、印刷ジョブを複数の分割ジョブ実行先装置100と同数に分割し、複数の分割ジョブ実行先装置100のそれぞれの印刷速度と印刷ジョブの総印刷枚数とに基づき、当該分割した複数の分割ジョブの各印刷枚数を設定する。その後、サーバー200は、複数の分割ジョブ実行先装置100のそれぞれに対し、対応する分割ジョブの実行指示を含むジョブデータを送信する。
【符号の説明】
【0095】
100 画像形成装置、分割ジョブ実行先装置
300 PC(情報処理装置)
S 画像形成システム
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】