前記管理手段は、前記占有時間に基づいて前記使用の予約の終了時までの残り時間を特定すると共に、前記集配物の集配送の使用の予約が受け付けられた予約元の端末に対し、前記使用の予約の終了時までの残り時間を通知する、請求項1に記載の情報システム。
前記管理手段は、前記1以上の領域に集配物を積載した状態で前記車両の移動が検出されたときには、前記集配物の集配送の使用の予約が受け付けられた予約元の端末に対し、前記車両の位置情報を通知する、請求項4に記載の情報システム。
前記管理手段は、前記所要時間に基づいて、前記1以上の領域に積載された集配物の回収予想時刻を推定すると共に、前記回収予想時刻を前記車両の所有者の端末に通知する、請求項6に記載の情報システム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、一実施の形態に係るトランクシェアシステムについて説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本トランクシェアシステムは実施形態の構成には限定されない。
【0020】
<1.システム構成>
図1は、本実施形態に係るトランクシェアシステム1の構成の一例を示す図である。トランクシェアシステム1は、集配物(荷物)の集配作業を依頼する者と当該集配物の集配作業を実施する者との間で、車両30の車室または荷室(トランク・ルーム)等を集配物の受け渡し場所として共用する集配サービスを提供するためのシステムである。集配物の受け渡し場所として使用される車両30は、電子キーを用いて施錠・解錠が可能な車両であり、集配作業を依頼する者によって指定される。
以下の実施の形態では、車両30の車室または荷室等を共用することをトランクシェアという。また、トランクシェアシステム1が提供する集配サービスをトランクシェアサービスという。さらにまた、トランクシェアサービスを単にトランクシェアともいう。ただし、本実施形態に係るトランクシェアシステム1では、複数人によって車両30の少なく
とも一部を共有する集配サービスが提供される。以下、「シェア」には共用と共有の少なくとも一方を含むものとする。
トランクシェアシステム1において、「集配作業を依頼する者」は、車両30の車室または荷室等を荷物の配送先、あるいは、荷物の集荷先として利用する利用者である。当該利用者には、車両30の所有者や権利者である車両オーナの他、トランクシェアの利用に貸出された車両を配送先や集荷先に利用する利用者が含まれる。本実施形態においては、車両オーナ以外の利用者を「依頼ユーザ」とも称する。車両オーナは所有者端末60を有し、依頼ユーザは依頼者端末40を有する。
また、「集配作業を実施する者」は、車両30の車室または荷室等を配送先とする荷物、あるいは、車両30の車室または荷室等に収納された荷物を集配送する業者であり、「集配ユーザ」とも称する。集配ユーザには、配送物等を配送先に届ける宅配サービスを提供する宅配業者、配送物等の拠点間の輸送サービスを提供する物流業者が含まれる。集配員は、集配ユーザの社員や、集配ユーザからの委託を受けて集配送作業を実施する実施者である。集配員は、集配員端末50を有する。
また、集配物の受け渡し場所として使用される車室または荷室等には、例えば、車両30のボンネット、助手席や後部座席といった集配物の保管および施解錠が可能な車両30内の領域が含まれるとして説明する。以下、車室または荷室等を単に「荷室等」ともいう。
【0021】
図1に例示のトランクシェアシステム1は、ネットワークNによって相互に接続される、シェア管理サーバ10、センタサーバ20、車両30に搭載される通信装置32、依頼者端末40、集配員端末50、所有者端末60を含む。同様にして、トランクシェアシステム1は、ネットワークNによって相互に接続される、集配ユーザの運営する外部サーバ70A、ネットショッピングを事業として提供する電子商取引業者等の運営する外部サーバ70Bを含む。
ネットワークNは、インターネット等の公衆ネットワーク、携帯電話網の無線ネットワーク、VPN(Virtual Private Network)等の専用ネットワーク、LAN(Local Area Network)等のネットワークを含む。また、車両30に搭載される車載装置31は、例え
ば、近距離無線通信等を介して依頼者端末40、集配員端末50に接続される。ネットワークNには、不図示の他のセンタサーバ20、車両30の通信装置32、依頼者端末40、集配員端末50、所有者端末60、外部サーバ70A、70Bが複数に接続され得る。
【0022】
シェア管理サーバ10は、上記トランクシェアサービスを事業として提供する事業者(以下、「提供業者」とも称す)である。提供業者として、例えば、配達物等を配送先に届ける宅配サービスを提供する宅配業者や配達物等の拠点間の輸送サービスを提供する物流業者、ネットショッピングを事業として提供する電子商取引業者が例示される。但し、提供業者は、宅配業者や物流業者、電子商取引業者の何れかの事業者による連携組織が運営する場合もある。また、提供業者は、車両30の販売を仲介する商社、代理店等の仲介業者であってもよく、車両30の貸出サービスや貸付サービス等を提供するレンタル業者やリース業者、あるいは、複数のレンタル業者やリース業者が連携して機能する場合もある。あるいは、車両30の製造業者や販売業者、製造業者の一部門や関連会社、商社や代理店、レンタル業者やリース業者、宅配業者や物流業者、電子商取引業者の何れかの事業者による連携組織が提供業者として機能する場合もあり得る。
【0023】
提供業者は、例えば、シェア管理サーバ10を備えるサービスサイトを運用し、車両30の荷室の解錠・施錠を可能にする鍵情報を管理するセンタサーバ20と連携させることで、荷室等をシェアする複数の依頼ユーザと集配ユーザに対してトランクシェアサービスを提供する。
【0024】
シェア管理サーバ10は、シェア管理データベース(DB)200を有する。また、シ
ェア管理サーバ10は、少なくとも、予約登録処理部110、占有期間検知部120、車両状態管理部130、課金処理部140の各情報処理機能を提供する。ここで、シェア管理サーバ10は、単一のコンピュータであってもよく、複数のコンピュータの集まり、例えば、クラウドと呼ばれるシステムであってもよい。同様にして、シェア管理DB200は、単一の、あるいは、複数のデータベースサーバによって構築されてもよい。
【0025】
本実施形態に係るシェア管理サーバ10は、依頼ユーザの依頼者端末40から車両30を集配先に指定した集配物の利用予約を受け付ける。依頼者端末40にはトランクシェアシステム1による集配サービスを利用するためのアプリケーションプログラム(以下、「所定アプリ」とも称す)がインストールされる。依頼ユーザは、例えば、ネットショッピングサイトで購入した物品を集配物として集配ユーザに配送してもらう場合に、上記所定アプリによって、その集配物の集配送に関する情報をシェア管理サーバ10に登録することができる。
本実施形態に係るシェア管理サーバ10は、例えば、登録された依頼ユーザの集配物の利用予約に対して、当該集配物が車両30を占有している占有時間を計測すると共に、当該集配物の実質的な占有時間に応じて、集配先に指定された車両30の使用料を変動させる。ここで、「実質的な占有時間」とは、集配先に指定された車両30の荷室等に集配物が存在する期間であり、例えば、集配員が荷室等に集配物を配置してから依頼ユーザの受け取りが完了するまでの期間をいう。同様にして、集配物の集荷を依頼する依頼ユーザが、荷室等に集配物を配置してから集配員による集荷が完了するまでの期間をいう。
集配物の実質的な占有時間に応じて決定された車両30の使用料は、シェア管理サーバ10を介して依頼ユーザに請求される。本実施形態に係るシェア管理サーバ10では、集配物を荷室等に預け入れてからの経過時間に応じて使用料を変動させることにより、当該車両30を集配先として利用する複数の依頼ユーザ間の公平性の確保が可能になる。
【0026】
集配物の占有期間は、例えば、車両30に搭載された各種センサの検知情報に基づいて計測される。このような車両30に搭載可能なセンサとして、例えば、カメラ等の撮像装置や圧力分布検出センサ等が例示される。シェア管理サーバ10は、後述のように、荷室等の施錠・解錠が行われた際に上記センサを介して検知された検知情報(撮像画像、圧力分布データ)を取得する。検知情報の取得は、例えば、車両30に搭載される通信装置32を介して行われる。そして、シェア管理サーバ10は、通信装置32を介して取得された施錠・解錠に伴う荷室等内の検知情報に基づいて、荷室等内への集配物の収納、あるいは、荷室用に収納された集配物の引き取りを特定する。特定された、荷室等内への集配物の収納、あるいは、荷室用に収納された集配物の引き取りは、時刻情報に関連付けされてシェア管理サーバ10に認識される。シェア管理サーバ10は、上記時刻情報に基づいて、集配員が荷室等に集配物を配置してから依頼ユーザの受け取りが完了するまでの期間を車両30に対する集配物の実質的な占有期間として計測できる。
【0027】
また、シェア管理サーバ10は、荷室等に集配物が存在するときには、集配先に指定された車両30の移動の有無を検出する。シェア管理サーバ10は、車両30の移動の有無を検出することで、利用者(依頼ユーザ)に対する使用料の請求の際に、移動が生じたことによる占有期間の超過といった事情を配慮(例えば、使用料の減額等)することが可能になる。
【0028】
また、シェア管理サーバ10は、利用予約を受け付けた際に、車両オーナの車両30の使用スケジュールに基づいて、利用予約日、利用時間帯を決定するようにしてもよい。車両30の使用スケジュールは、例えば、所定アプリが搭載された所有者端末60を介して取得される。シェア管理サーバ10は、車両30を集配物の集配先として利用する依頼ユーザの、車両移動に起因する集配物の引き取り不可といった状態を事前に抑制できる。
【0029】
さらに、シェア管理サーバ10、あるいは、シェア管理サーバ10と連携するコンピュータが車両オーナの使用スケジュールを学習し、車両30の使用が見込まれる曜日、時間帯を予想してもよい。例えば、シェア管理サーバ10、あるいは、シェア管理サーバ10と連携するコンピュータは、所有者端末60を介して取得した車両30の使用スケジュールを蓄積する。そして、シェア管理サーバ10、あるいは、シェア管理サーバ10と連携するコンピュータは、蓄積された使用スケジュールから車両30の使用頻度等を解析し、車両30が使用される曜日や時間帯等を推定する。シェア管理サーバ10、あるいは、シェア管理サーバ10と連携するコンピュータは、推定された曜日や時間帯を基準データにして、当該基準データに対して実際に車両の使用が生じた曜日や時間帯を反映することで学習すればよい。上記シェア管理サーバ10等は、例えば、統計的アルゴリズムにより曜日ごと時間帯ごとの車両の占有確率を推定してもよい。例えば、直近1年、1ヶ月、1週間等の履歴データを基に車両の占有確率を算出すればよい。ただし、シェア管理サーバ10等は、深層学習によって、曜日ごと時間帯ごとの車両の占有確率を推定してもよい。
【0030】
例えば、図3に例示の車両の情報、当該車両に関するシェア管理情報(図4)により蓄積された履歴、当該依頼者について蓄積されたシェア管理情報等の各要素を入力パラメータ列(xi、i=1,2,・・・)とする。シェア管理サーバ10等は、入力パラメータを重み係数{wi,j,l,(ここで、jは1から畳み込み演算される要素数Mまでの値、lは1から階層の数Lまでの値)}で積和演算する畳み込み処理と、畳み込み処理の結果を判定する活性化関数と、畳み込み処理に対する活性化関数の判定結果から一部を間引く処理であるプーリング処理とを実行すればよい。そして、シェア管理サーバ10等は、以上の処理を複数階層Lに渡って繰り返し実行し、最終段階の全結合層で出力パラメータ(または出力パラメータ列){yk、k=1,・・・、P}として曜日ごと時間帯ごとの車両の領域ごとの占有確立を出力すればよい(ニューラルネットの処理)。このような複数階層のニューラルネットを用いた深層学習による認識処理により、シェア管理サーバ10等は、曜日ごと時間帯ごとの車両の各領域の占有確率を推定できる。なお、入力パラメータ列(xi、i=1,2,・・・)は、上記のすべてを用いる必要がなく、その一部でもよい。また、入力パラメータ列上記に限定されず、他の情報、例えば、荷物の種類、季節、祝日か平日か、利用者の職業等、様々な要素を利用できる。
一方、上記のような認識処理を複数の車両(Cn,n=1,2,・・・)と利用者(Hm、m=1,2,・・・)の組合せに対して、実際の図3に例示の車両の情報の履歴、当該車両に関するシェア管理情報(図4)により蓄積された履歴、当該依頼者について蓄積されたシェア管理情報の履歴を入力パラメータし、実際に発生した過去の曜日ごと時間帯ごとの車両の領域ごとの占有確率を教師データに用いて、深層学習を実行し、重み係数を調整できる。
【0031】
そして、シェア管理サーバ10等は、特定の車両、特定の利用者について上記入力パラメータを抽出し、抽出された入力パラメータを、重み係数が調整された(つまり学習済みの)上記ニューラルネットに入力し、将来の曜日ごと時間帯ごとの車両の占有確率を推定すればよい。ニューラルネットは、シェア管理サーバ10等に内蔵されるハードウェアであってもよいし、コンピュータプログラムにより仮想的に実装されるものであってもよいし、シェア管理サーバ10等と連携する専用の学習マシンに実装されるものであってもよい。
シェア管理サーバ10は、例えば、受け付けた利用予約日、利用時間帯が、車両オーナの使用予想日や使用予想時間帯に該当するときには、使用料金を相対的に高額に設定する、あるいは、シェア管理サーバ10は、車両オーナの使用予想日や使用予想時間帯以外の使用料金を相対的に低額に設定することで、車両30を集配物の集配先に利用する依頼ユーザの利用予約を上記使用予想日や使用予想時間帯以外の日時に誘導することが期待できる。
【0032】
また、シェア管理サーバ10は、例えば、依頼ユーザや集配員から車両30の一時的な施錠・解錠を行う鍵情報の発行要求を受け付けたときには、センタサーバ20に対して鍵情報の発行要求を通知する。シェア管理サーバ10は、例えば、車両30を特定する情報、車両30内の受け渡し場所等を含む発行要求をセンタサーバ20に通知する。センタサーバ20は、例えば、車両30を特定する情報、車両30内の受け渡し場所(利用箇所)、発行要求を受けたときの時刻情報を含む情報に基づいて、依頼者端末40、集配員端末50を一時的な電子キーとして機能させる鍵情報を発行する。発行された鍵情報は、例えば、シェア管理サーバ10を介し、依頼者端末40、集配員端末50に配信される。
【0033】
センタサーバ20は、車両30の施錠・解錠を可能にする鍵情報を管理する管理業者が有するPC(Personal Computer)、WS(WorkStation)、サーバ等のコンピュータである。センタサーバ20は、単一のコンピュータであってもよく、クラウドといった複数のコンピュータの集まりから構成されるシステムであってもよい。ここで、センタサーバ20を有する管理業者とは、例えば、車両30の製造業者の一部門や関連会社、あるいは、上記製造業者等から委託を受けて鍵情報の管理業務を運営する事業者である。
【0034】
センタサーバ20は、シェア管理サーバ10と連携し、集配物の受け渡し場所として予め登録された車両30の荷室等の施錠・解錠を可能にする鍵情報を管理する。そして、センタサーバ20は、連携するシェア管理サーバ10からの鍵情報の発行要求を受け付けると共に、集配物の受け渡し場所に指定された車両30内の領域に応じた鍵情報を発行する。
ここで、「鍵情報」とは、電子キーを用いた施錠・解錠が可能な車両30を利用するための認証情報である。車両30に搭載された車載装置31には、例えば、車両側認証情報が登録されている。センタサーバ20は、車載装置31を搭載する車両30の識別情報と関連付けて車両側認証情報を管理する。
【0035】
そして、センタサーバ20は、例えば、シェア管理サーバ10からの鍵情報の発行要求を受け付けると、車両30に関連付けされた車両側認証情報に基づいて、一時的に車両30の施錠・解錠を可能にする認証情報を鍵情報(ワンタイムキー)として発行する。発行されたワンタイムキーは、ネットワークNを介して発行要求のあった依頼者端末40、集配員端末50に送信される。依頼ユーザや集配員は、例えば、依頼者端末40、集配員端末50に配信されたワンタイムキーによって車載装置31への認証に成功すると、車載装置31を介して車両30の荷室等のロックを施錠・解錠することが可能になる。
【0036】
車両30に搭載される通信装置32は、ネットワークNに接続可能な無線通信装置である。通信装置32は、車両30内のCAN(Controller Area Network)等の車内ネット
ワークに接続される。車内ネットワークには、車両30に搭載される各種ECU(Electronic Control Unit)が接続される。通信装置32は、例えば、車両30に搭載された、
図示しないカーナビゲーション装置やGPS(Global Positioning System)ユニットと
連動し、車両30の現在位置に応じた渋滞情報、道路状況、天気情報、ニュース情報等の各種情報を取得する。
本実施形態において通信装置32は、車両30の施錠・解錠に伴って各種センサを介して検知された荷室等の撮像画像および圧力分布データを取得し、取得した当該検知情報をシェア管理サーバ10に通知する。また、通信装置32は、車両30のエンジン始動・停止時、走行時においては一定の周期間隔、あるいは、一定の走行距離ごとにGPSユニット等を介して取得された自車両の位置情報(緯度、経度)をシェア管理サーバ10に通知する。シェア管理サーバ10は、例えば、通信装置32から通知されたステータス値、位置情報に基づいて車両30の移動を管理することが可能になる。
【0037】
<2.ハードウェア構成>
図2は、トランクシェアシステム1を構成するシェア管理サーバ10、センタサーバ20、車載装置31、依頼者端末40、集配員端末50の各ハードウェア構成を例示する図である。なお、図1に例示の所有者端末60の構成は、依頼者端末40と同様であるので、図2では省略する。また、図1に例示の外部サーバ70A、70Bの構成はシェア管理サーバ10と同様であるので図2では省略する。
本実施形態においては、車載装置31は、キーユニット80と施解錠装置90を含み構成される。キーユニット80は、スマートキーと称される電子キー(以下、携帯機)と同様の無線インターフェースを有しており、車載装置31を構成する既設の施解錠装置90との間で通信を行う。車両30の荷室等を物品の集配先として利用する依頼ユーザは、例えば、依頼者端末40に保持された認証情報に対するキーユニット80の認証を受けることで、物理的な鍵を用いることなく車両30の荷室や車室等の施錠・解錠を行うことができる。すなわち、キーユニット80は、上記認証情報を保持する依頼者端末40または集配員端末50(以下、依頼者端末40等)との間で近距離無線通信を行い、依頼者端末40等を認証した結果に基づいて、自身が車両30の電子キーとして振る舞うか否かを決定する。
【0038】
依頼者端末40等は、例えば、集配物の配送・集荷のために車両30の荷室等にアクセスする際に、当該荷室等の施錠・解錠をするための認証情報を、上記の通りシェア管理サーバ10を介してセンタサーバ20に発行してもらう。依頼者端末40等からキーユニット80に送信された認証情報は、キーユニット80に予め記憶された車両側認証情報と照合される。認証処理が成功すると、依頼者端末40等は、車載装置31を正当に作動させる端末として認証される。
依頼者端末40等が認証されると、キーユニット80は、キーユニット80に予め記憶され、車両側認証情報と対応付けられた車両30のキーIDを、施錠・解錠信号とともに施解錠装置90に送信する。施解錠装置90は、キーユニット80から受信したキーIDが、施解錠装置90に予め格納されるキーIDと一致する場合に車両30を施錠・解錠する。なお、キーユニット80に予め記憶されるキーIDは、車両側認証情報によって暗号化されていてもよい。この場合、キーユニット80は、依頼者端末40等の認証処理が成功すると、キーIDを車両側認証情報によって復号してから施解錠装置90に送信すればよい。キーユニット80および施解錠装置90は、車両30に搭載されるバッテリから供給される電力で動作する。但し、キーユニット80および施解錠装置90は、車両30に搭載されるバッテリ以外に、一般的な電池から供給される電力で動作するようにしてもよい。
【0039】
施解錠装置90は、車両30の車室や荷室のドアを施錠および解錠するための装置であり、スマートキーシステムの一部を構成する既設の装置である。施解錠装置90は、車両30に対応する携帯機から、高周波(Radio Frequency,以下、RFと称する)帯の電波
を介して送信される施錠信号および解錠信号に応じて、車両30のドアを施錠および解錠する。また、携帯機を検索するための、低周波(Low Frequency,以下、LFと称する)
帯の電波を送信する機能を有している。
【0040】
本実施形態では、上記の携帯機の代わりに、キーユニット80が施解錠装置90との間でRF帯およびLF帯の電波を送受信することで、車両30の荷室等のドアの施錠・解錠を制御する。以降、断りがない限り、施解錠装置90の通信先をキーユニット80に限定して説明を行う。
【0041】
施解錠装置90は、LF送信機91、RF受信機92、照合ECU93、ボディECU94、ドアロックアクチュエータ95を含んで構成される。LF送信機91は、キーユニット80を検索(ポーリング)するための低周波数帯(例えば、100KHz〜300KHz)の電波を送信する手段である。LF送信機91は、例えば、車室内のセンタコンソ
ールやハンドルの近傍に内蔵される。RF受信機92は、キーユニット80から送信された高周波数帯(例えば、100MHz〜1GHz)の電波を受信する手段である。RF受信機92は、車室内のいずれかの場所に内蔵される。
【0042】
照合ECU93は、キーユニット80からRF帯の電波を介して送信された信号(施錠信号または解錠信号)に基づいて、車両30の車室や荷室のドアを施錠および解錠する制御を行うコンピュータである。照合ECU93は、例えば、マイクロコンピュータによって構成される。なお、以下の説明において、施錠信号と解錠信号を施解錠信号とも称する。施解錠信号という用語は総称であり、施錠信号と解錠信号の少なくともいずれかを表す。
【0043】
照合ECU93は、キーユニット80から送信された施解錠信号が、正当な装置から送信されたものであることを認証する。具体的には、施解錠信号に含まれるキーIDが、照合ECU93が有する記憶部に予め記憶されたキーIDと一致するか否かを判定する。そして、照合ECU93は、この判定の結果に基づいて、ボディECU94に解錠指令または施錠指令を送信する。この解錠指令または施錠指令は、CAN等の車内ネットワークを介して送信される。
【0044】
ボディECU94は、車両30のボディ制御を行うコンピュータである。ボディECU94は、照合ECU93から受信した解錠指令または施錠指令に基づいてドアロックアクチュエータ95を制御することで、車両30の車室ドアや荷室ドアの解錠および施錠を同時にまたは独立して行う機能を有している。車両30のボンネットには、例えば、車室ドアの解錠後、運転席近傍に設けられた所定部品の操作を介してアクセスされる。なお、照合ECU93とボディECU94とは一体のものであってもよい。
【0045】
ドアロックアクチュエータ95は、車両30の乗降用ドアやリアゲート、荷室への荷物の積み卸しの際に開閉される荷室ドアを施錠および解錠するアクチュエータである。ドアロックアクチュエータ95は、ボディECU94から送信された信号に基づいて動作する。なお、ドアロックアクチュエータ95は、車両30における乗降用ドアやリアゲートと荷室ドアとを独立して施錠および解錠することができるように構成されてもよい。
【0046】
次に、キーユニット80について説明する。キーユニット80は、車両30の車室内の所定の位置(例えばグローブボックス内)に配置された装置である。キーユニット80は、依頼者端末40等と近距離無線通信を行って該依頼者端末40等を認証する機能と、この認証結果に基づいて、RF帯の電波を用いて施解錠信号を送信する機能を有している。キーユニット80は、LF受信機81、RF送信機82、近距離通信部83、制御部84を有して構成される。
【0047】
LF受信機81は、施解錠装置90から、LF帯の電波を介して送信されたポーリング信号を受信する手段である。LF受信機81は、LF帯の電波を受信するためのアンテナ(以下、LFアンテナ)を有している。RF送信機82は、RF帯の電波を介して、施解錠装置90に対して施解錠信号を送信する手段である。
【0048】
近距離通信部83は、依頼者端末40等と通信を行う手段である。近距離通信部83は、所定の無線通信規格を用いて、近距離(車室内と車室外で通信が行える程度)における通信を行う。
【0049】
本実施形態では、近距離通信部83は、Bluetooth(登録商標)LowEnergy規格(以下、BLE)によるデータ通信を行う。BLEとは、Bluetoothによる低電力通信規格であり、機器同士のペアリングを必要とせず、相手を検知すること
ですぐに通信を開始できるという特徴を有する。なお、本実施形態ではBLEを例示するが、他の無線通信規格も利用可能である。例えば、NFC(Near Field Communication)、UWB(Ultra Wideband)、WiFi(登録商標)などを利用することもできる。
【0050】
制御部84は、近距離通信部83を介して依頼者端末40等と近距離無線通信を行い、依頼者端末40等を認証する制御と、認証結果に基づいて施解錠信号を送信する制御を行うコンピュータである。制御部84は、例えば、マイクロコンピュータによって構成される。
【0051】
制御部84は、記憶部84aおよび認証部84bを有している。記憶部84aには、キーユニット80を制御するための制御プログラムが記憶されている。制御部84は、記憶部84aに記憶されている制御プログラムをCPU(Central Processing Unit、不図示
)によって実行することで、認証部84bを含む種々の機能を実現してもよい。例えば、制御部84は、施解錠装置90からLF帯の電波として送信されたポーリング信号をLF受信機81を介して受信する機能、施解錠装置90にRF帯の電波として施解錠信号をRF送信機82を介して送信する機能、近距離通信部83を介して行われる依頼者端末40等との通信を処理する機能、認証部84bによる依頼者端末40等の認証が成功した場合に施解錠信号を生成する機能等を実現する。
【0052】
認証部84bは、依頼者端末40等から送信された施錠要求または解錠要求(以下、施解錠要求と総称する)に含まれる認証情報に基づいて、依頼者端末40等の認証を行う。具体的には、記憶部84aに記憶された車両側認証情報と、依頼者端末40等から送信された認証情報とを比較し、これらが所定の関係にある場合に、認証成功と判断する。双方の認証情報が所定の関係を満たさない場合、認証失敗と判断する。ここで、所定の関係とは、記憶部84aに記憶された車両側認証情報と、依頼者端末40等から送信された認証情報とが一致する場合のほか、2つの認証情報(車両側認証情報、依頼者端末40等から送信された認証情報)を用いた所定の暗号化・複合化等の処理結果が一致する場合、2つの認証情報の一方に復号処理を行った結果が他方に一致する場合等を含む。
【0053】
認証部84bが依頼者端末40等の認証に成功した場合、依頼者端末40等から受信した要求に応じて生成された施解錠信号がRF送信機82を介して施解錠装置90へ送信される。認証部84bが行う認証方式は、上述のように2つの認証情報を単純に比較して同一性を検証する方式であってもよく、非対称暗号を用いた方式であってもよい。以降、説明の必要に応じて、キーユニット80に記憶される車両側認証情報を装置認証情報、依頼者端末40等から送信される認証情報を端末認証情報とも称する。キーユニット80は、施解錠信号とともに、上記のキーIDを施解錠装置90に送信する。
【0054】
シェア管理サーバ10は、一般的なコンピュータの構成により例示される。シェア管理サーバ10は、接続バス16によって相互に接続されたCPU11、主記憶装置12、補助記憶装置13、通信IF(Interface)14、入出力IF15を備える。主記憶装置1
2および補助記憶装置13は、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。上記の構成要素はそれぞれ複数に設けられてもよいし、一部の構成要素を設けないようにしてもよい。
【0055】
CPU11は、コンピュータ全体の制御を行う中央処理演算装置である。CPU11は、MPU(Microprocessor Unit)、プロセッサとも呼ばれる。但し、CPU11は、単
一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPUがマルチコア構成であってもよい。CPU11は、例えば、補助記憶装置13に記憶されたプログラムを主記憶装置12の作業領域に実行可能に展開し、プログラムの実行を通じて周辺機器の制御を行うことで所定の目的に合
致した機能を提供する。
【0056】
主記憶装置12は、CPU11が実行するコンピュータプログラム、CPU11が処理するデータ等を記憶する。主記憶装置12は、例えば、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。補助記憶装置13は、各種のプログラムおよび各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶装置13は、例えば、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、シリコン
ディスク、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)等である。また、補助
記憶装置13は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリや、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等のディスク記録媒体といった可搬記録媒体を含むことができる。補助記憶装置13には、例えば、OS(Operating System)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、例えば、通信IF14を介してネットワークNに接続される他の情報処理装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。
【0057】
通信IF14は、ネットワークNとの通信インターフェースである。通信IFとして、例えば、LANインターフェースボード、無線通信のための無線通信回路等が例示される。入出力IF15は、コンピュータに接続される機器との間でデータの入出力を行うインターフェースである。入出力IF15には、例えば、キーボード、タッチパネルやマウス等のポインティングデバイス、マイクロフォン等の入力デバイスが接続される。入出力IF15を介し、入力デバイスを操作する操作者からの操作指示等が受け付けられる。
また、入出力IF15には、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electroluminescence)パネル、有機ELパネル等の表示デバイス、スピーカ等の出力デバイ
スが接続される。入出力IF15を介して、CPU11で処理されるデータや情報、主記憶装置12、補助記憶装置13に記憶されるデータや情報が出力される。
【0058】
シェア管理サーバ10は、CPU11のプログラムの実行により、少なくとも、予約登録処理部110、占有期間検知部120、車両状態管理部130、課金処理部140の情報処理機能を提供する。但し、上記処理機能の少なくとも一部が、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、GPU(Graphics Processing Unit)等によって提供されてもよい。また、上記処理機能の少なくと
も一部が、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、数値演算プロセッサ、画像処
理プロセッサ等の専用LSI(large scale integration)、その他のディジタル回路で
あってもよい。
【0059】
予約登録処理部110は、例えば、依頼者端末40を介して入力された車両30の利用予約が所定の条件を満たすときには、シェア管理DB200の依頼者情報に登録する。占有期間検知部120は、荷室等内に積載された集配物の占有期間を検知する。車両状態管理部130は、車両30の移動状態等を管理する。課金処理部140は、集配物の占有期間等に応じて使用料を算出すると共に、算出された使用料の依頼ユーザへの支払請求を行う。予約登録処理部110、占有期間検知部120、車両状態管理部130、課金処理部140の詳細処理については、図6から図11を用いて後述する。
【0060】
センタサーバ20は、シェア管理サーバ10と同様に、接続バス26によって相互に接続されたCPU21、主記憶装置22、補助記憶装置23、通信IF24、入出力IF25を備える。CPU21、主記憶装置22、補助記憶装置23、通信IF24、入出力IF25の各構成は、シェア管理サーバ10のCPU11、主記憶装置12、補助記憶装置13、通信IF14、入出力IF15と同様であるため、説明が省略される。
【0061】
センタサーバ20は、補助記憶装置23等に構築された不図示の車両管理データベース
を備え、集配物の集配先として利用される車両30の車両属性情報に関連付けされて鍵情報が管理される。車両属性情報には、例えば、車両の所有者を一意に識別する識別情報、所有者端末60の識別情報、住所、氏名、連絡先、車両30の型式、製造年、排気量、車両種別、色、製造番号、保険番号、自動車登録番号標(カーナンバー)等が含まれる。所有者端末60の識別情報には、所有者端末60の電話番号、IPアドレス、メールアドレス、MAC(Media Access Control)アドレス等が含まれる。また、車両属性情報には、車両30の駐車位置を特定する情報、車両30に搭載された通信装置32の識別情報等が含まれる。車両30の駐車位置を特定する情報には、車両30が駐車された駐車場の所在地を示す住所情報(駐車場住所)、駐車場の中の駐車位置を示す情報(緯度・経度)が含まれる。駐車位置を示す情報は、例えば、車両30に搭載された通信装置32、あるいは、通信機能を有するカーナビゲーション装置から取得される。通信装置32の識別情報には、通信装置32のIPアドレス、MACアドレス等が含まれる。
【0062】
依頼者端末40および集配員端末50は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、個人情報端末、ウェアラブルコンピュータ(スマートウォッチ等)といった小型のコンピュータである。なお、依頼者端末40は、ネットワークNを介してシェア管理サーバ10に接続されるPCであってもよい。
【0063】
依頼者端末40は、接続バス46によって相互に接続されたCPU41、主記憶装置42、補助記憶装置43、通信IF44a、近距離通信IF44b、入出力IF45を備える。CPU41、主記憶装置42、補助記憶装置43、入出力IF45は、シェア管理サーバ10のCPU11、主記憶装置12、補助記憶装置13、入出力IF15と同様の構成であるため、説明が省略される。通信IF44aは、例えば、携帯電話網の無線ネットワークを通じてインターネット等の公衆ネットワークにアクセスし、シェア管理サーバ10等とデータ通信を行うための通信回路である。近距離通信IF44bは、所定の通信規格に従って、近距離通信を行うための通信回路である。所定の通信規格は、例えば、BLE、NFC、UWB等である。なお、入出力IF45には、押しボタン等の入力デバイスを含むとしてもよく、カメラ等の映像や画像を入力するための入力デバイスを含むとしてもよい。
【0064】
依頼者端末40は、CPU41のブラウザプログラムの実行により、例えば、ネットショッピングを事業として提供する電子商取引業者等の運営するサーバに接続される。依頼者端末40は、依頼ユーザの操作入力を介し、集配ユーザとの間で共用可能な車両30の情報を購入物の配送先として指定することができる。また、依頼者端末40は、CPU41の所定アプリの実行により、シェア管理サーバ10に接続される。依頼者端末40では、依頼ユーザの操作入力を介して、車両30内の所定領域を集配先に指定した集配物の利用予約登録が行われる。利用予約登録後の依頼者端末40には、集配物の集配先として登録された車両30を特定する情報がHTML(HyperText Markup Language)等で記述さ
れたコンテンツとして開示される。
【0065】
集配員端末50は、依頼者端末40と同様にして、接続バス56によって相互に接続されたCPU51、主記憶装置52、補助記憶装置53、通信IF54a、近距離通信IF54b、入出力IF55を備える。上記構成は、依頼者端末40のCPU41、主記憶装置42、補助記憶装置43、通信IF44a、近距離通信IF44b、入出力IF45と同様であるため、説明が省略される。
【0066】
集配員端末50は、CPU51の所定アプリの実行により、シェア管理サーバ10に接続される。シェア管理サーバ10に接続された集配員端末50には、集配員の操作入力に基づいて、集配物の受け渡し場所として指定された車両30の情報が開示される。例えば、集配員端末50のLCD等の表示デバイスには、依頼ユーザによって利用が予約された
車両30の情報がHTML等で記述されたコンテンツとして表示される。
【0067】
図3は、依頼者端末40、集配員端末50に開示される、集配先として使用される車両30の開示情報を説明する図である。図3は、車両30の情報の一例がテーブル形式で例示される。図3に示すように、車両30の情報は、車両メーカ、車種、ナンバー、駐車場住所、車両位置、色、集配箇所、集配日時、集配区分の各フィールドを有する。
車両メーカは、当該車両を製造したメーカを示す情報である。車種はセダンやワンボックスといった車両の属するタイプを示す情報である。ナンバーは、車両の前後に取付けられた標識(ナンバープレート)の自動車登録番号である。駐車場住所は、車両が駐車された駐車場の所在地を示す住所情報である。車両位置は、駐車場の中の駐車位置を示す情報である。車両位置として、例えば、車両が駐車する位置の緯度・経度が例示される。色は、車両の色種別を示す情報である。色に代えて、当該車両の画像情報が提示されるとしてもよい。集配箇所は、集配先として使用される車両30内の領域を示す情報である。集配箇所には、例えば、ボンネット、助手席、助手席側後部席、運転席側後部席、荷室が含まれる。集配箇所フィールドに格納される領域は、「集配物の集配先として利用可能な車両内の、1以上の領域」ということができる。集配日時は、該当する車両30の集配作業の日時と時間帯を示す情報である。集配区分は、集配作業の集荷、配送を示す区分である。
【0068】
(シェア管理DB)
シェア管理サーバ10において、図1に示すように、シェア管理DB200には、少なくとも依頼者情報、集配業者情報、シェア管理情報、課金管理情報が格納される。
【0069】
依頼者情報は、シェア管理サーバ10に利用予約が登録された依頼ユーザの情報である。依頼者情報には、依頼ユーザを一意に識別する識別情報、住所、氏名、依頼者端末40以外の連絡先、登録日、依頼者端末40の識別情報が含まれる。依頼者端末40の識別情報には、依頼者端末40の電話番号、IPアドレス、メールアドレス、MACアドレス等が含まれる。依頼者情報は、シェア管理サーバ10あるいはシェア管理サーバ10と連携するコンピュータが、登録時の情報に基づいてシェア管理DB200に登録する。但し、依頼者情報は、提供業者、あるいは、提供業者の委託によるシェア管理DB200の管理者が、利用予約の登録時の情報に基づいてシェア管理DB200に登録してもよい。
【0070】
集配業者情報は、シェア管理サーバ10に登録された集配ユーザの情報である。集配業者情報には、集配ユーザを一意に識別する識別情報、名称、集配ユーザの事業者コード、集配ユーザのサービス拠点情報、連絡先、集配員の使用する集配員端末50の識別情報が含まれる。集配員端末50の識別情報には、例えば、集配員端末50の電話番号、IPアドレス、メールアドレス、MACアドレス、シェア管理サーバ10から提供された支援アプリの識別番号等が含まれる。集配業者情報のシェア管理DB200への登録は、依頼者情報と同様にして行われる。
【0071】
シェア管理情報は、集配物の集配先として利用予約が受け付けられた車両毎の集配送状態を管理する情報である。図4は、シェア管理情報を説明する図である。図4においては、シェア管理DB200に格納されたシェア管理情報の一例がテーブル形式で例示される。図4に示すように、シェア管理情報には、車両ID、予約期間、利用形態、積載状態、業者ステータス、依頼者ステータス、依頼者ID、依頼者端末、利用箇所、装置IDの各フィールドが含まれる。
【0072】
車両IDは、車両30を識別する識別情報である。車両30の識別情報は、例えば、センタサーバ20が管理する車両30の車両属性情報と関連付けされている。予約期間は、車両30の集配送が予約された集配日と集配時間帯を示す情報である。利用形態は、集配送の区分を示す情報である。積載状態は、車両30における集配物の占有状態を示す情報
である。例えば、集配物が荷室等に収納されたときには、荷積み完了の時刻情報が格納される。また、荷室等に収納された集配物が引き取られたときには、荷下し完了の時刻情報が格納される。なお、荷室等の利用予約の登録時の積載状態には、空白(ブランク)状態が格納される。積載状態フィールドに格納される情報については、図7を用いて後述する。
【0073】
業者ステータスは、集配員による、予約された集配物の集配送の完了・未完了のステータスを示す情報である。依頼者ステータスは、依頼ユーザによる、予約された集配物の受け渡しの完了・未完了のステータスを示す情報である。利用予約の登録時において、業者ステータス、依頼者ステータスには初期値として「未完了」が格納される。
依頼者IDは、依頼ユーザを識別する識別情報である。依頼者端末は、依頼者端末40の識別情報であり、利用箇所は、集配物の集配先として指定された車内の領域を示す情報である。利用箇所は、集配先として使用される車両30内の領域(ボンネット、助手席、助手席側後部席、運転席側後部席、荷室)を示す情報である。装置IDは、集配物の集配先として指定された車両30に搭載される通信装置32の識別情報(IPアドレス、MACアドレス等)である。装置IDは、例えば、センタサーバ20が管理する車両30の車両属性情報から取得される。なお、シェア管理情報には、鍵情報が発行された集配員端末50の識別情報、集配作業の完了時刻等が含まれるとしてもよい。
【0074】
課金管理情報は、シェア管理サーバ10に利用予約が登録された依頼ユーザの、荷室等の使用料を管理する情報である。図5は、課金管理情報を説明する図である。図5においては、シェア管理DB200に格納された課金管理情報の一例がテーブル形式で例示される。図5に示すように、課金管理情報には、依頼者ID、課金ID、予約期間、占有期間、利用箇所、車両ID、車両移動、課金体系、使用料金、支払口座、支払ステータスの各フィールドが含まれる。依頼者ID、予約期間、利用箇所、車両IDの各フィールドは、図4と同様である。
課金IDは、利用予約毎に発生した使用料を一意に識別する識別番号である。占有期間は、予約期間における集配物の荷室等の占有時間(分単位)を示す情報である。後述するように、占有期間フィールドに格納される占有時間は、シェア管理情報の積載状態フィールドに格納された時刻情報に基づいて特定される。なお、予約登録時の占有期間には、空白(ブランク)状態が格納される。
車両移動は、荷室等に集配物が存在する状態で発生した車両30の移動に関する情報が格納される。後述するように、車両30の移動に関する情報として、車両30の移動開始および移動終了の時刻情報が格納される。なお、移動が発生しない場合には、空白状態が格納される。
課金体系は、荷室等の使用料を決定するため情報である。当該情報は、例えば、分単位の課金レートが予め記述された料金テーブルとして例示される。料金テーブルは、例えば、補助記憶装置13に予め複数に保持されている。課金体系には、利用予約の登録時に利用予約日(曜日)、予約時間帯に応じて決定された料金テーブルを指定する情報(識別番号)が格納される。後述するように、料金テーブルは、例えば、車両オーナの使用が予想される曜日、時間帯の利用予約のときには、相対的に課金レートを高めに設定した料金テーブルが選択される。また、車両オーナの使用が予想される曜日、時間帯以外の利用予約のときには、相対的に課金レートを低めに設定した料金テーブルが選択される。
支払口座は、集配物の集配先として利用された車両30の使用料の支払いが行われる依頼ユーザの支払口座情報である。支払ステータスは、依頼ユーザに請求された使用料の支払い状態を管理する情報である。依頼ユーザに請求された使用料の支払いが行われた場合には、「済」のステータスが支払ステータスに格納される。また、依頼ユーザに請求された使用料の支払いが未納の場合には、「未納」のステータスが支払ステータスに格納される。なお、予約登録時の支払ステータスには、空白状態が格納される。
【0075】
<3.処理の流れ>
次に、図6から図11を参照し、本実施形態に係るシェア管理サーバ10の、占有時間に応じた課金処理を説明する。図6は、利用予約登録処理の一例を示すフローチャートである。図6に例示の処理により、車両オーナの車両スケジュール等に応じた利用の可否や、課金体系が決定される。なお、シェア管理サーバ10は、例えば、CPU11等が補助記憶装置13に記憶された各種プログラムや各種データを読み出して実行することで、図6から図11に例示の処理を提供する。図6に例示の処理は、主に予約登録処理部110の情報処理機能により提供される。
【0076】
図6のフローチャートにおいて、処理の開始は、所定アプリの実行を介した依頼者端末40の、車両30を指定した集配物の利用予約の登録のときが例示される。シェア管理サーバ10は、依頼者端末40からの利用予約に関する情報を受け付ける(S1)。利用予約に関する情報には、例えば、依頼ユーザの氏名、集配先に利用する車両30を特定する情報(ナンバー等)、予約期間、集配送区分、集配先に使用される車両30内の領域の指定(荷室、助手席、助手席側後部席、運転席側後部席、ボンネット等)が含まれる。
依頼ユーザは、例えば、依頼者端末40の所定アプリを介し、センタサーバ20あるいはセンタサーバ20と連携するコンピュータに対して、集配物の集配先として利用可能な車両30の検索依頼を行う。集配物の集配先として利用可能な車両30の検索は、例えば、依頼ユーザの指定する住所等に基づいて行われる。センタサーバ20等は、例えば、依頼ユーザの希望する予約期間で荷室蝋の利用が可能な車両候補の検索結果を依頼者端末40に通知する。依頼ユーザは、依頼者端末40に通知された車両候補の中から集配物の集配先に使用する車両を選別する。シェア管理サーバ10は、例えば、依頼者端末40のIPアドレス等に関連付けて受け付けた利用予約に関する情報を主記憶装置12の所定の領域に一時的に記憶する。ここで、シェア管理サーバ10が実行するS1の処理で受け付けられる「集配先に使用される車両30内の領域の指定」は、「集配物の集配先として利用可能な車両内の、1以上の領域への集配送の使用の予約」ということができる。従って、シェア管理サーバ10によって実行されるS1の処理は、「1以上の領域への集配物の集配送の使用の予約を受け付ける受付手段」の一例に相当するということができる。
【0077】
シェア管理サーバ10は、車両オーナの車両使用スケジュールを取得する(S2)。シェア管理サーバ10は、例えば、依頼ユーザから受け付けた車両30を特定する情報に含まれるナンバー等を連携するセンタサーバ20に通知し、該当車両30の検索を依頼する。センタサーバ20は、例えば、ナンバー情報に基づいて車両管理データベースの検索を行い、車両30に関連付けされた車両属性情報を抽出する。そして、センタサーバ20は、抽出された車両30の車両属性情報をシェア管理サーバ10に通知する。シェア管理サーバ10は、センタサーバ20から通知された車両30の車両属性情報を主記憶装置12の所定の領域に一時的記憶すると共に、車両属性情報に含まれる車両オーナの所有者端末60を特定する。そして、シェア管理サーバ10は、所有者端末60に搭載された所定アプリを介して、利用期間(利用日、時間帯)の車両オーナの車両使用スケジュールを取得する。取得された車両使用スケジュールは、車両30の車両属性情報に関連付けされて記憶される。ここで、シェア管理サーバ10が実行するS2の処理は、「車両の所有者の端末から車両の使用の予定を取得する手段」の一例に相当する。
【0078】
シェア管理サーバ10は、依頼ユーザから受け付けた予約期間と当該予約期間に対応する車両使用スケジュールとを比較し、当該予約期間が車両30の使用予定であるかを判定する(S3)。シェア管理サーバ10は、依頼ユーザから受け付けた予約期間において車両30の使用が予定されている場合には(S3、“Yes”)、S7の処理に移行する。
S7の処理では、シェア管理サーバ10は、受け付けた予約期間には車両オーナによる車両使用が予定されている旨と共に、当該車両30の集配先への利用は不可である旨を依頼ユーザに通知する。依頼ユーザは、例えば、センタサーバ20あるいはセンタサーバ2
0と連携するコンピュータに対して、集配物の集配先として利用可能な車両30の検索依頼を行い、依頼ユーザが希望する予約期間での荷室等の利用可能な他の車両30を選定する。依頼ユーザは、選定された他の車両を集配先に指定し、再びシェア管理サーバ10に対して利用予約登録を行う。S7の処理後、図6の処理が終了する。
【0079】
S4の処理では、シェア管理サーバ10は、予約期間に応じた荷室等の使用料金を決定する。S4の処理では、図5を用いて説明したように、課金管理情報の課金体系フィールドに格納される料金テーブルが決定される。シェア管理サーバ10は、例えば、予め補助記憶装置13に格納された複数の料金テーブルの対応条件を参照し、当該対応条件と予約期間との対比に基づいて、予約期間に対応する料金テーブルを選定する。料金テーブルの対応条件には、既に説明したように、車両オーナによる車両30の使用が予想される曜日や時間帯、または、上記曜日や時間帯を除く期間等が関連付けされている。シェア管理サーバ10は、例えば、依頼ユーザから受け付けた予約期間が、車両オーナの使用が予想される曜日、時間帯に該当する場合には、相対的に課金レートを高めに設定した料金テーブルを選択する。同様にして、依頼ユーザから受け付けた予約期間が、車両オーナの使用が予想される曜日、時間帯以外の場合には、相対的に課金レートを低めに設定した料金テーブルが選択される。シェア管理サーバ10は、選択された料金テーブルを指示する情報(例えば、料金テーブルを識別する識別番号)をS5の処理に引き渡す。ここで、シェア管理サーバ10が実行するS3、S4の処理は、「受け付けられた予約が前記車両の使用が予想される期間に該当するときには、占有時間に基づいて算出された使用料を所定の割合で増加させる」管理手段の一例に相当する。
【0080】
S5の処理では、シェア管理サーバ10は、依頼ユーザから受け付けた利用予約をシェア管理DB200に登録する。例えば、シェア管理サーバ10は、依頼ユーザを一意に識別する識別情報(依頼者ID)を付与し、S1の処理で受け付けた各種情報をシェア管理DB200の依頼者情報に登録する。同様にして、シェア管理サーバ10は、S1の処理で受け付けた各種情報、S2の処理でセンタサーバ20から取得した車両属性情報をシェア管理DB200のシェア管理情報に登録する。同様にして、シェア管理サーバ10は、依頼者IDと、予約期間と、車両30に付与された識別情報(車両ID)と、S4の処理から引き渡された料金テーブルの識別番号とを関連付けてシェア管理DB200の課金管理情報に登録する。シェア管理サーバ10は、S5の処理後、S6の処理に移行する。
【0081】
S6の処理では、シェア管理サーバ10は、依頼ユーザの依頼者端末40に対して利用予約確定の通知を行う。依頼者端末40には、例えば、車両30への利用予約が確定した旨の通知と共に、図3に例示の利用予約が確定した車両30の情報が開示される。S6の処理後、図6の処理が終了する。
【0082】
次に、図7のフローチャートを説明する。
図7は、集配物による荷室等の占有期間を検知する処理の一例を示すフローチャートである。図7に例示の処理は、主に占有期間検知部120の情報処理機能により提供される。図7においては、集配員が荷室等内に集配物を収納後に依頼ユーザによる集配物の回収、あるいは、依頼ユーザ荷室等に集配物を収納後に集配員による集配物の集荷が行われることを想定する。車両30が集配物の配送先に指定される場合には、例えば、集配員は解錠後の荷室等に集配物を収納し施錠を行う。荷室等の施錠・解錠は、集配員端末50に配信されたワンタイムキーを用いて行われる。依頼ユーザは、依頼者端末40に配信されたワンタイムキーを用いて集配物が収納された荷室等を解錠し、収納された集配物を回収後に施錠を行う。車両30が集配物の集荷先に指定される場合においても、同様の手順で荷室等の解錠・施錠が行われる。
【0083】
図7のフローチャートにおいて、処理の開始は、依頼者端末40または集配員端末50
への鍵情報の配信のときが例示される。シェア管理サーバ10は、鍵情報配信後の、集配先に指定された車両30に搭載された通信装置32から送信された解錠通知を検知する(S11)。シェア管理サーバ10は、解錠通知を検知した場合には(S11、“Yes”)、S12の処理に移行する。一方、シェア管理サーバ10は、解錠通知を検知しない場合には(S11、“No”)、解錠通知を検知するまで待機する。
【0084】
S12の処理では、シェア管理サーバ10は、車両30の解錠に伴い、通信装置32を介して取得されたセンサの検知情報を取得する。ここで、通信装置32を介して取得されたセンサの検知情報には、車両30の解錠直後の荷室等内を撮影した撮像画像、解錠直後に検知された荷室等内の圧力分布検知データ等が含まれる。解錠直後の撮像画像、あるいは、圧力分布検知データには、集配送前の荷室等の状態を示す情報が含まれる。
シェア管理サーバ10は、取得した検知情報を時刻情報に対応付けて主記憶装置12の所定の領域に一時的に記憶する。そして、シェア管理サーバ10は、通信装置32から送信された施錠通知を検知する(S13)。シェア管理サーバ10は、施錠通知を検知した場合には(S13、“Yes”)、S14の処理に移行する。一方、シェア管理サーバ10は、施錠通知を検知しない場合には(S13、“No”)、施錠通知を検知するまで待機する。
【0085】
S14の処理では、シェア管理サーバ10は、車両30の施錠に伴い、通信装置32を介して取得されたセンサの検知情報(施錠直後の荷室等の撮像画像、圧力分布データ)を取得する。解錠直後の撮像画像、あるいは、圧力分布検知データには、集配送後の荷室等の状態を示す情報が含まれる。シェア管理サーバ10は、取得した検知情報を時刻情報に対応付けて主記憶装置12の所定の領域に一時的に記憶し、S15の処理に移行する。ここで、シェア管理サーバ10が実行する、S11からS14の処理は、「集配物の積載状態を検知するセンサから、1以上の領域についての集配物の検知情報を取得する手段」に相当する。
【0086】
S15の処理では、シェア管理サーバ10は、解錠直後に取得したセンサ検知情報(S12)および施錠直後に取得したセンサ検知情報(S14)間の差分を検知する。シェア管理サーバ10は、例えば、解錠直後に撮影された撮像画像の撮像領域と施錠直後に撮影された撮像画像の撮像領域との比較を行い、上記解錠・施錠間で画素等が変化する撮像領域(差分領域)の有無を特定する。圧力分布検出データの場合も、同様にして、解錠・施錠間で圧力分布が変化する分布領域の有無が特定される。シェア管理サーバ10は、解錠直後に取得されたセンサ検知情報と、施錠直後に取得されたセンサ検知情報との間に差分が有るか否かを判定する(S16)。シェア管理サーバ10は、差分が有る場合には(S16、“Yes”)、S17の処理に移行する。一方、差分が無い場合には(S16、“No”)、図7に示す処理を終了する。
【0087】
S17の処理では、シェア管理サーバ10は、解錠および施錠間で検出された荷室等内の差分が、相対的な増加変化であるか減少変化であるかを判定する。シェア管理サーバ10は、例えば、S15の処理で特定された差分領域が、解錠直後に撮影された撮像画像に対して増加変化である場合には(S17、“増加”)、S18の処理に移行する。一方、シェア管理サーバ10は、例えば、S15の処理で特定された差分領域が、解錠直後に撮影された撮像画像に対して減少変化である場合には(S17、“減少”)、S19の処理に移行する。圧力分布検知データについても、同様の判定が行われる。
【0088】
S18の処理では、シェア管理サーバ10は、車両30の荷室等を集配先に指定した集配物の積載(荷積み)が完了したことをシェア管理DB200のシェア管理情報に記録する。シェア管理サーバ10は、例えば、車両30に搭載された通信装置32のIPアドレス、MACアドレス等に基づいて、該当車両のシェア管理情報を特定する。そして、シェ
ア管理サーバ10は、S14の処理で取得したセンサ検知情報の時刻情報に対応する予約期間が格納された行の積載状態フィールドに、荷積み完了を示す情報および施錠後に取得したセンサ検知情報の時刻情報を格納する。図4に例示のように、シェア管理情報の積載状態フィールドには、荷積み完了を示す情報と共に、施錠後に取得したセンサ検知情報の時刻情報が記録される。
【0089】
S19の処理では、シェア管理サーバ10は、車両30の荷室等を集配先に指定した集配物の受け取り(荷下し)が完了したことをシェア管理DB200のシェア管理情報に記録する。シェア管理サーバ10は、S18の処理と同様にして該当車両30のシェア管理情報を特定し、積載状態フィールドに、荷下し完了を示す情報および施錠後に取得したセンサ検知情報の時刻情報を格納する。S18、S19の処理後、図7の処理が終了する。
【0090】
次に、図8のフローチャートを説明する。
図8は、荷積み完了後の時間経過に伴う依頼ユーザへのアナウンス処理の一例を示すフローチャートである。図8から図10に例示の処理は、主に車両状態管理部130の情報処理機能により提供される。図8の処理により、車両30を配送先に指定した依頼ユーザに対して、荷積み完了後の時間経過に伴う各種通報が行われる。
【0091】
図8のフローチャートにおいて、処理の開始は、車両30の荷室等への集配物の荷積み完了のときが例示される。シェア管理サーバ10は、例えば、図7に示すS18の処理の実行を契機として、図8に例示の処理を開始する。
【0092】
シェア管理サーバ10は、当該車両のシェア管理情報から、積載状態フィールドに荷積み完了が記録された行の各フィールドに格納された情報を抽出する。抽出された各情報は、主記憶装置12の所定の領域に一時的に記憶される。そして、シェア管理サーバ10は、抽出された各情報から、利用形態フィールドに格納された集配区分情報および予約期間フィールドに格納された日時情報を取得する(S21)。予約期間フィールドに格納された日時情報は、S24の処理に引き渡される。
【0093】
シェア管理サーバ10は、利用形態フィールドに格納された集配区分情報が、配送を示す情報であるか集荷を示す情報であるかを判定する(S22)。シェア管理サーバ10は、利用形態フィールドに格納された情報が集荷を示す場合には(S22、“集荷”)、図8に示す処理を終了する。一方、シェア管理サーバ10は、利用形態フィールドに格納された情報が配送を示す場合には(S22、“配送”)、S23の処理に移行する。
【0094】
シェア管理サーバ10は、現時点の時刻情報を取得し、S24の処理に引き渡す(S23)。シェア管理サーバ10は、S21から引き渡された日時情報から予約期間の終了時刻(予約終了時刻)を特定し、現時点の時刻が予約終了時刻に到達しているか否かを判定する(S24)。
シェア管理サーバ10は、予約終了時刻に到達していない場合には(S24、“No”)、S25の処理に移行する。一方、シェア管理サーバ10は、予約終了時刻に到達していない場合には(S24、“Yes”)、S26の処理に移行する。
【0095】
S25の処理では、シェア管理サーバ10は、現時点の時刻情報と荷積み完了の時刻情報から集配物の占有時間を特定する。また、シェア管理サーバ10は、現時点から予約終了時刻までの残り時間を特定する。そして、シェア管理サーバ10は、占有時間および予約終了時刻までの残り時間を依頼ユーザに通知する。シェア管理サーバ10は、例えば、シェア管理情報の依頼者端末フィールドに格納された情報から依頼ユーザの依頼者端末40を特定し、上記占有時間および予約終了時刻までの残り時間を依頼ユーザに通知する。
なお、シェア管理サーバ10は、上記占有時間および予約終了時刻までの残り時間の通
知と共に、占有時間に応じた使用料を通知してもよい。シェア管理サーバ10は、例えば、シェア管理情報の依頼者IDフィールドに格納された依頼者IDおよび当該車両の車両IDから、課金管理情報の課金体系フィールドに格納された料金テーブルを特定する。そして、シェア管理サーバ10は、例えば、料金テーブルに設定された分単位の課金レートと占有時間に基づいて現時点の使用料を算出し、依頼ユーザに通知すればよい。依頼ユーザは、現時点で発生している課金状況が把握できる。S25の処理後、処理はS27の処理に移行する。
【0096】
S26の処理では、シェア管理サーバ10は、現時点の時刻情報および予約終了時刻から、予約終了時刻からの経過時間を特定し、特定した経過時間を依頼ユーザにアラーム通知する。依頼ユーザの依頼者端末40の特定は、S25の処理と同様である。
また、シェア管理サーバ10は、S25の処理と同様にして課金管理情報の課金体系フィールドに格納された料金テーブルを特定する。そして、シェア管理サーバ10は、料金テーブルに設定された分単位の課金レートと予約終了時刻までの占有時間から正規の使用料を算出すると共に、経過時間に基づいて現時点の超過料金を算出し、正規使用料に超過料金を加えた使用料を依頼ユーザに通知するとしてもよい。この場合においても、依頼ユーザは、現時点で発生している課金状況が把握できる。S26の処理後、処理はS27の処理に移行する。
【0097】
S27の処理では、シェア管理サーバ10は、シェア管理DB200に格納された当該車両のシェア管理情報に荷下し完了時刻が記録されているか否かを判定する。シェア管理サーバ10は、シェア管理情報に荷下し完了時刻が記録されている場合には(S27、“Yes”)、図8の処理を終了する。一方、シェア管理サーバ10は、シェア管理情報に荷下し完了時刻が記録されていない場合には(S27、“No”)、S23からS27の処理を一定の周期間隔で繰り返す。
ここで、シェア管理サーバ10が実行する、S21からS25の処理は、「占有時間に基づいて使用の予約の終了時までの残り時間を特定すると共に、集配物の集配送の使用の予約が受け付けられた予約元の端末に対し、使用の予約の終了時までの残り時間を通知する」管理手段の一例に相当する。
【0098】
次に、図9のフローチャートを説明する。
図9は、荷積み完了後の時間経過に伴う依頼ユーザへの他のアナウンス処理の一例を示すフローチャートである。図9の処理により、依頼ユーザ、車両オーナに対し、荷室等に集配物が荷積みされた車両位置および依頼者端末40を有する依頼ユーザ位置に基づく各種通報が行われる。
【0099】
図9のフローチャートにおいて、処理の開始は、車両30の荷室等への集配物の荷積み完了のときが例示される。シェア管理サーバ10は、例えば、図7に示すS18の処理の実行を契機として、図9に例示の処理を開始する。
【0100】
シェア管理サーバ10は、当該車両のシェア管理情報から、積載状態フィールドに荷積み完了が記録された行の各フィールドに格納された情報を抽出する。抽出された各情報は、主記憶装置12の所定の領域に一時的に記憶される。そして、シェア管理サーバ10は、抽出された各情報から、予約期間フィールドに格納された日時情報および依頼者端末フィールドに格納された依頼者端末40の識別情報(IPアドレス等)を取得する(S31)。
そして、シェア管理サーバ10は、依頼者端末40に搭載された所定アプリに対して位置情報(緯度、経度)の通知要求を行う。位置情報の通知要求を受けた所定アプリは、例えば、API(Application Programming Interface)を介し、依頼者端末40に搭載さ
れたナビゲーションアプリから依頼者端末40の現時点の位置情報を取得する。取得され
た依頼ユーザ(依頼者端末40)の位置情報は、所定アプリを介してシェア管理サーバ10に通知される。
【0101】
シェア管理サーバ10は、依頼者端末40から通知された位置情報を取得する(S32)。シェア管理サーバ10は、取得した位置情報を時刻情報に対応付けて主記憶装置12の所定の領域に一時的に記憶し、S33の処理に移行する。
S33の処理では、シェア管理サーバ10は、当該車両30の駐車位置(所定位置)とS32の処理で取得した依頼ユーザの位置との間の地点間の距離を算出する。シェア管理サーバ10は、例えば、センタサーバ20に当該車両30に搭載された通信装置32の装置IDを通知し、該当する車両30の検索を依頼する。センタサーバ20は、通知された通信装置32の装置IDに基づいて車両管理データベースの検索を行い、車両30に関連付けされた車両属性情報を抽出する。抽出された車両30の車両属性情報は、シェア管理サーバ10に通知される。シェア管理サーバ10は、センタサーバ20から通知された車両30の車両属性情報を主記憶装置12の所定の領域に一時的に記憶すると共に、車両属性情報に含まれる駐車位置情報(緯度、経度)を取得する。そして、シェア管理サーバ10は、車両30の駐車位置と依頼者端末40から取得した依頼ユーザ位置とに基づいて地点間の距離を算出する。算出された距離は、S34の処理に引き渡される。
【0102】
S34の処理では、荷室等に荷積みされた集配物(荷物)を依頼ユーザが回収するまでの所要時間が推定される。シェア管理サーバ10は、例えば、補助記憶装置13に、距離値と所要時間とを関連付けたテーブルを予め保持する。そして、シェア管理サーバ10は、上記テーブルを参照し、S33の処理から引き渡された車両30の駐車位置と依頼ユーザ位置との間の距離に基づいて、所要時間を推定すればよい。なお、上記テーブルでは、荷室等を解錠して集配物を回収するまでの作業予測時間が含まれる。シェア管理サーバ10は、推定された所要時間をS35、S36の処理に引き渡す。ここで、シェア管理サーバ10が実行するS32の処理は、「受付手段において集配物の集配送の使用の予約が受け付けられた予約元の端末から位置情報を取得する手段」の一例に相当する。また、シェア管理サーバ10が実行するS33からS34の処理は、「1以上の領域に集配物が積載された状態のときに、車両の駐車位置と予約元の端末から取得された位置情報とに基づいて集配物を回収するまでの所要時間を算出する」管理手段の一例である。
【0103】
S35の処理では、シェア管理サーバ10は、推定された所要時間に基づいて使用料の予想額を依頼ユーザに通知する。シェア管理サーバ10は、例えば、シェア管理情報の依頼者IDフィールドに格納された依頼者IDおよび当該車両の車両IDから、課金管理情報の課金体系フィールドに格納された料金テーブルを特定する。そして、シェア管理サーバ10は料金テーブルに設定された分単位の課金レートと推定された所要時間に基づいて使用料の予想額を算出し、依頼ユーザに通知すればよい。S35の処理後、処理はS36に移行する。シェア管理サーバ10が実行するS35の処理は、「所要時間から算出された使用料の予想額を予約元の端末に通知する」管理手段の一例である。
【0104】
S36の処理では、シェア管理サーバ10は、推定された所要時間に基づいて集配物を回収する予想時刻を車両オーナに通知する。シェア管理サーバ10は、例えば、S33の処理でセンタサーバ20から取得した車両30の車両属性情報から車両オーナの所有者端末60を特定する。そして、シェア管理サーバ10は、現時点の時刻情報に推定された所要時間を足し合せ、依頼ユーザが集配物を回収する予想時刻を算出する。そして、シェア管理サーバ10は、車両オーナの所有者端末60に対して算出された予想時刻を通知すればよい。S36の処理後、図9の処理が終了する。シェア管理サーバ10が実行するS36の処理は、「所要時間に基づいて、1以上の領域に積載された集配物の回収予想時刻を推定すると共に、回収予想時刻を車両の所有者の端末に通知する」管理手段の一例に相当する。
【0105】
次に、図10のフローチャートを説明する。
図10は、荷積み完了後の車両30に移動が生じた際のアナウンス処理の一例を示すフローチャートである。図10の処理により、車両30を集配物の配送先に指定する依頼ユーザには、移動する車両の位置情報が所定の周期間隔で通知される。また、図10の処理により、移動が生じた車両30の移動開始時刻、移動終了時刻が記録される。
【0106】
図10のフローチャートにおいて、処理の開始は、車両30に搭載された通信装置32からのエンジン始動の通知のときが例示される。既に説明したように、通信装置32は、エンジン始動・停止時の位置情報、走行時においては一定の周期間隔、あるいは、一定の走行距離ごとに自車両の位置情報をシェア管理サーバ10に通知する。
【0107】
シェア管理サーバ10は、通信装置32から通知された車両30の位置情報を取得する(S41)。シェア管理サーバ10は、取得した位置情報に時刻情報および通信装置32のIPアドレス等を関連付けて主記憶装置12の所定の領域に一時的に記憶する。そして、シェア管理サーバ10は、取得した位置情報が集配先に指定された車両30の駐車位置(所定位置)であるかを判定する(S42)。
シェア管理サーバ10は、例えば、センタサーバ20に通信装置32の装置ID(IPアドレス等)を通知し、当該通信装置32を搭載する車両30の検索を依頼する。センタサーバ20は、車両管理データベースを検索し、上記通信装置32を搭載する車両30の車両属性情報を抽出するとともに、抽出された車両属性情報をシェア管理サーバ10に通知する。シェア管理サーバ10は、通知された車両属性情報を主記憶装置12の所定の領域に一時的に記憶すると共に、当該車両属性情報に含まれる車両30の駐車位置情報(緯度、経度)に基づいて、S42の処理で取得した位置情報が所定位置であることを判定する。
シェア管理サーバ10は、S41で取得した位置情報が車両30の駐車位置である場合には(S42、“Yes”)、S50の処理に移行する。一方、シェア管理サーバ10は、S41で取得した位置情報が車両30の駐車位置でない場合には(S42、“No”)、S43の処理に移行する。
【0108】
S43の処理では、シェア管理サーバ10は、通信装置32のIPアドレス(装置ID)等に基づいて、通信装置32を搭載する車両30のシェア管理情報を抽出する。抽出されたシェア管理情報は、主記憶装置12の所定の領域に一時的に記憶される。そして、シェア管理サーバ10は、抽出されたシェア管理情報から現時点の時刻情報(日付を含む)に対応する予約期間が存在するか否かを判定する(S44)。
シェア管理サーバ10は、現時点の時刻情報を含む予約期間が存在する場合には(S44、“有”)、S45に移行する。一方、シェア管理サーバ10は、現時点の時刻情報を含む予約期間が存在しない場合には(S44、“無”)、図10の処理を終了する。
【0109】
S45の処理では、シェア管理サーバ10は、現時点の時刻情報に対応する予約期間の利用形態が配送であるか集荷であるかを判定する。シェア管理サーバ10は、現時点の時刻情報に対応する予約期間の利用形態が配送である場合には(S45、“配送”)、S46に移行する。一方、シェア管理サーバ10は、現時点の時刻情報に対応する予約期間の利用形態が集荷である場合には(S45、“集荷”)、図10の処理を終了する。
S46の処理では、シェア管理サーバ10は、当該車両の荷室等内に配送物が存在するか否かを判定する。シェア管理サーバ10は、例えば、現時点の時刻情報に対応する予約期間の積載状態フィールドに、荷積み完了時刻が記録され、かつ、荷下し完了時刻が記録されていない場合には、当該車両の荷室等には配送物が存在すると判定する。また、上記以外の場合には、シェア管理サーバ10は、当該車両の荷室等内に配送物が存在しないと判定する。シェア管理サーバ10は、当該車両の荷室等内に配送物が存在すると判定する
場合には(S46、“有”)、S47の処理に移行する。一方、シェア管理サーバ10は、当該車両の荷室等内に配送物が存在しないと判定する場合には(S46、“無”)、図10の処理を終了する。
【0110】
S47の処理では、シェア管理サーバ10は、S41の処理で取得した車両30の位置情報を依頼ユーザに通知する。シェア管理サーバ10は、例えば、S43の処理で抽出されたシェア管理情報から依頼者端末40を特定し、該特定した依頼者端末40に車両30の位置情報を通知する。シェア管理サーバ10から通知を受けた依頼者端末40は、例えば、ナビゲーションアプリを起動させて車両30の位置情報を地図画面上に表示させる。依頼ユーザは、地図画面上に表示された車両30の位置を閲覧することで、集配先に指定した車両30の現時点における車両位置が把握できる。S47の処理後、処理はS48に移行する。
なお、S47の処理において、シェア管理サーバ10は、取得された車両30の位置情報と所定位置(駐車位置)との間の地点間の距離に基づいて、移動された車両30の所定位置に戻る予想時刻を通知してもよい。
ここで、シェア管理サーバ10の実行するS47の処理は、「1以上の領域に集配物を積載した状態で車両の移動が検出されたときには、集配物の集配送の使用の予約が受け付けられた予約元の端末に対し、車両の位置情報を通知する」管理手段の一例に相当する。
【0111】
S48の処理では、シェア管理サーバ10は、車両30の移動開始時刻が記録されているか否かを判定する。シェア管理サーバ10は、例えば、S43の処理で抽出されたシェア管理情報から依頼者IDを特定し、当該依頼者IDに対応する課金管理情報を特定する。そして、シェア管理サーバ10は、課金管理情報の車両30の車両IDおよび予約期間に対応する車両移動フィールドを特定する。
シェア管理サーバ10は、車両移動フィールドに移動開始時刻が格納されている場合には(S48、“Yes”)、既に移動開始時刻が記録されていると判定し、図10の処理を終了する。一方、シェア管理サーバ10は、車両移動フィールドに移動開始時刻が格納されていない場合には(S48、“No”)、移動開始時刻が記録されていないと判定し、S49の処理に移行する。S49の処理では、シェア管理サーバ10は、課金管理情報の車両30の車両IDおよび予約期間に対応する車両移動フィールド内に移動開始時刻を記録する。シェア管理サーバ10は、例えば、S41の処理で位置情報を取得した時刻情報を移動開始時刻として記録する。S49の処理後、図10の処理を終了する。
【0112】
S50の処理では、S48の処理と同様の処理が行われる。シェア管理サーバ10は、車両移動フィールドに移動開始時刻が格納されていない場合には(S50、“No”)、移動開始時刻が記録されていないと判定し、図10の処理を終了する。一方、シェア管理サーバ10は、車両移動フィールドに移動開始時刻が格納されている場合には(S50、“Yes”)、既に移動開始時刻が記録されていると判定し、S51の処理に移行する。
S51の処理では、シェア管理サーバ10は、課金管理情報の車両30の車両IDおよび予約期間に対応する車両移動フィールド内に移動終了時刻を記録する。シェア管理サーバ10は、例えば、S41の処理で位置情報を取得した時刻情報を移動終了時刻として記録する。S51の処理後、図10の処理を終了する。
【0113】
次に、図11のフローチャートを説明する。
図11は、課金請求処理の一例を示すフローチャートである。図11に例示の処理は、主に課金処理部140の情報処理機能により提供される。図11の処理により、荷室等の集配物の占有時間に応じて変動する使用料が依頼ユーザに請求される。
【0114】
図11のフローチャートにおいて、処理の開始は、依頼ユーザに対する使用料の請求のときが例示される。例えば、依頼ユーザの、依頼者端末40を介した受け渡し完了通知の
記録のときが例示される。同様にして、集配員の、集配員端末50を介した集配完了通知の記録のときが例示される。依頼者端末40からの受け渡し完了通知、および、集配員端末50からの集配完了通知には、施錠・解錠の対象になる車両30の識別情報(車両ID)が含まれる。また、上記受け渡し完了通知の記録後、シェア管理情報の依頼者ステータスには「完了」ステータスが記録される。同様にして、上記集配完了通知の記録後、シェア管理情報の業者ステータスには「完了」ステータスが記録される。
【0115】
シェア管理サーバ10は、上記受け渡し完了通知の記録後あるいは集配完了通知の記録後の当該車両のシェア管理情報を取得する(S61)。そして、シェア管理サーバ10は、当該車両のシェア管理情報において、予約された利用は完了したか否かを判定する(S62)。
シェア管理サーバ10は、例えば、受け渡し完了通知が記録された予約期間において、利用形態フィールドが「配送」のときに、積載状態フィールドに荷積み完了時刻および荷下し完了時刻が記録されている場合には、予約された配送利用は完了したと判定する。また、受け渡し完了通知が記録された予約期間において、上記以外の場合には、シェア管理サーバ10は、予約された利用は完了していないと判定する。
同様にして、シェア管理サーバ10は、例えば、集配完了通知が記録された予約期間において、利用形態フィールドが「集荷」のときに、積載状態フィールドに荷積み完了時刻および荷下し完了時刻が記録されている場合には、予約された集荷利用は完了したと判定する。また、集配完了通知が記録された予約期間において、上記以外の場合には、シェア管理サーバ10は、予約された利用は完了していないと判定する。
【0116】
シェア管理サーバ10は、当該車両の予約された利用が完了したと判定する場合には(S62、“Yes”)、S63の処理に移行する。一方、シェア管理サーバ10は、当該車両の予約された利用が完了していないと判定する場合には(S62、“No”)、図11の処理を終了する。
【0117】
S63の処理では、シェア管理サーバ10は、集配先に利用された荷室等の集配物の占有時間を算出する。シェア管理サーバ10は、例えば、シェア管理情報の積載フィールドに記録された荷積み完了時刻、および、荷下し完了時刻から荷室等の占有時間を分単位で算出する。そして、シェア管理サーバ10は、算出した占有時間を課金管理情報に記録すする。ここで、シェア管理情報の積載フィールドは、センサからの集配物の検知情報を記録する。したがって、シェア管理サーバ10の実行するS63の処理は、「検知情報に基づいて、1以上の領域に積載された集配物の占有時間を特定する」ことの一例といえる。
シェア管理サーバ10は、例えば、当該予約期間に対応する依頼者IDに基づいて、当該依頼者IDに対応する課金管理情報を特定する。そして、シェア管理サーバ10は、課金管理情報の、当該予約期間に対応する占有期間フィールドに上記算出した占有時間を格納する。S63の処理後、処理はS64の処理に移行する。
【0118】
S64の処理では、シェア管理サーバ10は、依頼ユーザの課金体系を取得する。シェア管理サーバ10は、例えば、S63の処理で特定された課金管理情報の課金体系フィールドに格納された料金テーブルの識別番号を取得する。そして、補助記憶装置13を参照して識別番号に対応する料金テーブルを取得し、主記憶装置12の所定の領域に一時的に記憶する。S64の処理後、処理はS65の処理に移行する。
【0119】
S65の処理では、シェア管理サーバ10は、予約期間の車両移動の有無を判定する。シェア管理サーバ10は、例えば、課金管理情報の車両移動フィールドに移動開始時刻および移動終了時刻が格納されている場合には、予約期間における車両移動が有ったと判定する。また、シェア管理サーバ10は、例えば、課金管理情報の車両移動フィールドに移動開始時刻および移動終了時刻が格納されていない場合には、予約期間における車両移動
は無いと判定する。
シェア管理サーバ10は、予約期間の車両移動が有ったと判定する場合には(S64、“Yes”)、S66の処理に移行する。一方、シェア管理サーバ10は、予約期間の車両移動は無いと判定する場合には(S65、“No”)、S67の処理に移行する。
【0120】
S66の処理では、シェア管理サーバ10は、車両移動に応じた使用料を算出する。なお、使用料の算出は、S64の処理で取得された料金テーブルに設定された課金レートと占有時間に基づいて算出される。算出された使用料は、S68の処理に引き渡される。
車両移動に応じた使用料の算出として、例えば、シェア管理サーバ10は、移動開始時刻および移動開始時刻から当該車両の移動時間を分単位で算出する。そして、シェア管理サーバ10は、占有期間フィールドに格納された占有時間(分単位)から移動時間を差し引いた占有時間を課金対象時間にする。あるいは、シェア管理サーバ10は、占有期間の開始時刻(荷積み完了時刻)から移動開始時刻までの期間を課金対象時間にしてもよい。また、シェア管理サーバ10は、車両移動が有った場合には、所定の割引率を料金テーブルの課金レートに掛け合わせて占有時間に応じた使用料を算出してもよい。
【0121】
S67の処理では、シェア管理サーバ10は、集配物の占有時間に応じた使用料を算出する。使用料の算出は、S64の処理で取得された料金テーブルに設定された課金レートと占有時間に基づいて算出される。但し、使用料の算出においては、予約期間の予約終了時刻を超過した時間が割増料金として算出される。割増料金に対応する課金レートは料金テーブルに予め設定される。
シェア管理サーバ10は、例えば、占有期間の終了時刻(荷下し完了時刻)と予約期間の終了時刻とを比較する。そして、シェア管理サーバ10は、占有期間の終了時刻が予約期間の終了時刻を超えている場合には、予約期間の終了時刻から占有時間の終了時刻までの期間を割増料金分の課金対象時間にする。シェア管理サーバ10は、予約期間の終了時刻からの超過時間を含む占有時間に応じて使用料を算出し、算出された使用料をS68の処理に引き渡す。
【0122】
S68の処理では、シェア管理サーバ10は、S66、S67の処理から引き渡された使用料を、課金管理情報の使用料金フィールドに記録する。S68の処理後、シェア管理サーバ10は、依頼ユーザの依頼者端末40に対して使用料を通知すると共に、当該使用料の支払請求を通知する(S69)。シェア管理サーバ10は、使用料の支払い請求の通知後、課金管理情報の支払いステータスフィールドに「未納」ステータスを格納する。S69の処理後、図11の処理を終了する。
【0123】
依頼者端末40を介して使用料の通知および支払請求の通知を受けた依頼ユーザは、例えば、所定の支払い口座を介して請求された使用料の支払いを行う。シェア管理サーバ10、あるいは、シェア管理サーバ10と連携するコンピュータは、依頼ユーザの使用料の支払い確認後、課金管理情報の支払いステータスフィールドに「済」ステータスを格納する。
ここで、シェア管理サーバ10が実行するS63の処理において、シェア管理情報の積載フィールドに記録された荷積み完了時刻、および、荷下し完了時刻は、集配物の積載状態を検知するセンサから取得した「1以上の領域についての集配物の検知情報」に相当する。このため、シェア管理サーバ10が実行する、S69の処理は、「受付手段において集配物の集配送の使用の予約が受け付けられた予約元の端末に対し、占有時間に基づいて算出された使用料の支払いを請求する管理手段」の一例に相当するといえる。
また、シェア管理サーバ10が実行するS65の処理は、「車両の位置情報の時間経過に伴う変化から前記車両の移動を検出する手段」の一例に相当する。また、シェア管理サーバ10が実行するS66の処理は、「1以上の領域に集配物を積載した状態で車両の移動が検出されたときには、占有時間に基づいて算出された使用料の一部あるいは全部を減
額する」管理手段の一例に相当する。
【0124】
次に、トランクシェアシステム1における鍵情報を用いた集配送処理の流れを説明する。
図12は、鍵情報を用いた車両30への集配送処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図12においては、シェア管理サーバ10から鍵情報の発行要求を受けたセンタサーバ20が鍵情報を発行する形態が例示される。集配員端末50には、集配先の車両30を特定する情報(車両メーカ名、車種、色または車両画像、ナンバー等)、駐車位置情報(駐車場住所、駐車位置等)、集配物の配置先等が開示されているものとする。
【0125】
集配員は、例えば、指定された配送日時に、駐車位置情報の示す住所等をカーナビ等で確認しながら集配先に指定された車両30の駐車位置に到達する。そして、集配員は、車両30を特定する情報から集配先に指定された車両30を特定すると、集配員端末50を介して、集配物の配置先に対応する荷室ドア、車室ドアを解錠・施錠する鍵情報の発行要求をシェア管理サーバ10に対して送信する(S71)。集配員端末50からの鍵情報の発行要求には、少なくとも配送先に指定された車両30を特定する情報が含まれる。
【0126】
集配員端末50からの鍵情報の発行要求を受け付けたシェア管理サーバ10は、センタサーバ20に対してワンタイムキーの発行を要求する。シェア管理サーバ10は、集配員端末50からの鍵情報の発行要求に含まれる車両30を特定する情報に基づいて車両30のシェア管理情報を特定し、集配物の配置先(利用箇所)を特定する。そして、シェア管理サーバ10は、センタサーバ20に対して集配物の配置先情報および車両30の識別情報(車両ID)を含むワンタイムキーの発行を要求する(S72)。
【0127】
センタサーバ20は、シェア管理サーバ10から送信されたワンタイムキーの発行要求を受け付け、鍵情報を発行する(S73)。センタサーバ20は、少なくともワンタイムキーの発行要求に含まれる車両30の識別情報、集配物の配置先情報、発行要求を受け付けた時刻情報に基づいて、集配員端末50を一時的な電子キーとして機能させる鍵情報を発行する。このような、集配物の配置先情報に応じた鍵情報の発行は、予めシェア管理サーバ10とセンタサーバ20との間で設定しておけばよい。センタサーバ20は、集配物の配置先(例えば、ボンネット、助手席、助手席側後部席、運転席後部席、荷室)に対応した鍵情報を発行できる。
【0128】
センタサーバ20は、発行した鍵情報をワンタイムキーとしてシェア管理サーバ10に引き渡すと、シェア管理サーバ10は、センタサーバ20から引き渡されたワンタイムキーを集配員端末50に配信する(S74)。集配員端末50は、シェア管理サーバ10から配信されたワンタイムキーを受信し、主記憶装置52の所定の領域に一時的に記憶する(S75)。なお、ワンタイムキーは、センタサーバ20から直接に集配員端末50に発行されてもよい。
【0129】
集配員は、鍵情報が記憶された集配員端末50を一時的な電子キーとして動作させて、集配物の配置先に対応するドアの解錠要求を送信する(S76)。車両30に搭載された車載装置31のキーユニット80は、集配員端末50からの解錠要求に伴う認証を実行し、認証が成功すると施解錠装置90に対して施解錠信号およびキーIDを送信する。キーユニット80から送信された施解錠信号およびキーIDに従って施解錠装置90による解錠処理が行われ、車両30の利用箇所に応じたドア等が解錠される(S77)。集配員端末50やシェア管理サーバ10には、車載装置31からの解錠通知が通知される(S78)。シェア管理サーバ10は、例えば、解錠通知が通知された時刻情報を取得し、該時刻情報を車両30のシェア管理情報に記録してもよい。
集配員は、解錠された車両30のドア等を開閉し、配置先への配送物の収納あるいは配
置先に配置された集荷物の集荷を行い、施錠を行う(S79)。施錠においては、S77、S78で説明した処理と同様の処理が行われる(S80、S81)。集配員は、例えば、集配員端末50を介して集配完了通知をシェア管理サーバ10に送信する(S82)。シェア管理サーバ10では、例えば、集配完了通知に基づいて車両30のシェア管理情報の該当する予約期間の業者ステータスに「完了」が記録される(S83)。
【0130】
シェア管理サーバ10は、集配員端末50に保持されたワンタイムキーを無効化する(S84)。シェア管理サーバ10は、例えば、集配完了通知に伴うシェア管理情報への記録を契機として、集配員端末50に対して保持された鍵情報の消去指示を行う。集配員端末50では、例えば、鍵情報の消去指示を受けた所定アプリの処理を介して、主記憶装置52の所定の領域に一時的に保持されたワンタイムキーの鍵情報が消去される(S85)。なお、集配員端末50は、集配完了通知の送信を契機として、主記憶装置52の所定の領域に一時的に保持されたワンタイムキーの鍵情報を消去してもよい。
【0131】
図12に例示の処理の流れは、当該車両の荷室等に収納された配送物の回収、あるいは、集荷物を荷室等に収納する依頼ユーザの依頼者端末40に対しても、同様に適用される。但し、S82の処理において、依頼者端末40からシェア管理サーバ10対位置される情報は、受け取り完了通知になる。
【0132】
以上、説明したように、本実施形態に係るシェア管理サーバ10は、集配先に予約された車両に搭載されるセンサ情報に基づいて、荷室等の集配物の積載状態を特定することができる。シェア管理サーバ10は、特定された集配物の積載状態から、集配物の占有時間を算出し、算出された占有時間に応じて変動する料金を依頼ユーザに請求することができる。この結果、本実施形態に係るシェア管理サーバ10によれば、複数の利用者に対して公平性を確保可能な課金技術が提供できる。
【0133】
また、シェア管理サーバ10は、占有時間に基づいて利用の予約期間の終了時までの残り時間を特定することができる。そして、シェア管理サーバ10は、依頼ユーザに対して上記利用の予約期間の終了時までの残り時間をアナウンスすることができる。シェア管理サーバ10は、荷室等を使用する複数の利用者に荷物が車両にあることを通知し、早期の引き取りを促すことができる。
【0134】
また、シェア管理サーバ10は、車両オーナの所有者端末60から車両の使用の予定を取得することができる。そして、シェア管理サーバ10は、依頼ユーザから受け付けた予約が車両の使用が予想される期間に該当するときには、課金レートを相対的に高めに設定した料金テーブルを適用できる。シェア管理サーバ10は、依頼ユーザから受け付けた予約が車両の使用が予想される期間に該当するときには、占有時間に基づく使用料を所定の割合で増加させることができる。使用料の増加により、荷室等を使用する複数の依頼ユーザに対して、集配先に指定された車両への、集配物の占有期間の超過の抑制が期待できる。
【0135】
また、シェア管理サーバ10は、車両30の移動時の位置情報を通信装置32を介して取得できる。シェア管理サーバ10は、取得した位置情報の時間経過に伴う変化から車両の移動開始時刻および移動終了時刻を特定できる。そして、シェア管理サーバ10は、荷室等に集配物が積載された状態で車両の移動が生じたときには、移動開始時刻および移動終了時刻に基づいて算出された移動時間に基づいて、依頼ユーザの使用料を減額、すなわち、占有時間に基づく使用料の一部の返還することができる。この結果、集配物が荷室等に積載された状態で車両に移動が生じた際の、集配物の受け渡しに関する利用者に対する不利益な行為についての金額補償が可能になる。
【0136】
また、シェア管理サーバ10は、荷室等に集配物を積載した状態で車両が移動したときには、依頼ユーザの依頼者端末40に対し、車両の位置情報が通知できる。依頼ユーザは、例えば、依頼者端末40に搭載されたナビゲーションアプリを介して、通知された車両の位置情報を地図画面上で把握することができる。このため、集配物が荷室等に積載された状態で車両に移動が生じた際の、依頼ユーザに対するユーザビリティを高めることができる。
【0137】
また、シェア管理サーバ10は、依頼者端末40を介して依頼ユーザの位置情報を取得することができる。シェア管理サーバ10は、依頼ユーザの位置情報と集配先に指定された車両30の駐車位置から、荷室等に積載された集配物を回収するまでの所要時間を推定することができる。そして、シェア管理サーバ10は、推定された所要時間に基づいて、使用料の予想額を算出し、依頼ユーザに通知できる。依頼ユーザは、発生する使用料が事前に把握できるため、依頼ユーザに対する利便性を高めることができる。
【0138】
また、シェア管理サーバ10は、算出された所要時間に基づく集配物の回収予想時刻を推定し、推定した回収予想時刻を車両オーナの所有者端末60に通知することができる。車両オーナは、例えば、通知された回収予想時刻に基づいて、車両30の使用スケジュールの再計画が可能になる。
【0139】
<4.変形形態>
上記の実施形態は一例であり、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。
(変形例1)
実施形態では、キーユニット80において認証処理が成功した場合に、施解錠装置90によって車両30が施解錠される例を説明した。変形例1では、施解錠装置90において、キーユニット80の処理が実行されるようにしてもよい。つまり、施解錠装置90は、依頼者端末40等から受信した認証情報を認証するための制御ユニット(ECU)を備え、当該制御ユニットは、依頼者端末40等の認証が成功すると、CAN等の車内ネットワークを介して、ボディECU94に解錠指令または施錠指令を送信するようにしてもよい。変形例1のトランクシェアシステム1によれば、キーユニット80を設置することなく簡易な構成により、トランクシェアの利用が可能になる。
【0140】
(変形例2)
実施形態では、センタサーバ20が発行した鍵情報を依頼者端末40等が受信し、受信した鍵情報の認証情報に基づいて依頼者端末40等が認証されると、キーユニット80から施解錠信号が施解錠装置90に送信されて車両30が施解錠される。変形例2では、認証情報は、依頼者端末40等を認証するための情報ではなく、車両30を解施錠するためのキーIDの情報を含むものとする例である。
【0141】
この場合、依頼者端末40等は、車両30を施解錠するためのキーIDを含む鍵情報をセンタサーバ20等から受信し、受信したキーIDを施解錠信号とともに、施解錠装置90に送信する。施解錠装置90は、受信したキーIDと施解錠装置90に予め記憶されたキーIDとを照合し、一致した場合に車両30を施解錠する。キーIDは、依頼者端末40等と、センタサーバ20等または施解錠装置90との間で、暗号化して送受信されるようにしてもよい。センタサーバ20は、例えば、キーIDを時刻情報とともに所定のアルゴリズムで暗号化することでワンタイムキーを生成してもよい。施解錠装置90は、受信したワンタイムキーを、センタサーバ20と同じ所定のアルゴリズムによって復号して、施解錠装置90に予め記憶されたキーIDと照合すればよい。依頼者端末40等は、ワンタイムキーの受領から所定時間が経過するとワンタイムキーを削除することで、無効化すればよい。
変形例1のトランクシェアシステム1によれば、キーIDおよび時刻情報から生成されるワンタイムキーを鍵情報にすることで、センタサーバ20等は、発行要求ごとに、一時的に有効な鍵情報を依頼者端末40等に送信できる。
【0142】
(変形例3)
実施形態および変形例2では、センタサーバ20は、キーユニット80に固有な固定の認証情報に対応する依頼者端末40等用の認証情報、または車両30の施解錠装置90に予め記憶されたキーIDを送信した。しかし、依頼者端末40等とキーユニット80との間の認証情報は、上記のものに限定されない。変形例3では、例えば、センタサーバ20は、依頼者端末40等から鍵情報の発行要求を受け付ける度に、新たな認証情報を生成し依頼者端末40等に発行してもよい。この場合、センタサーバ20等は、新たな認証情報に対応するキーユニット80用の車両側認証情報を、通信装置32を介して、キーユニット80に格納するようにすればよい。キーユニット80は、CAN等の車内ネットワークを通じて通信装置32に接続される。但し、センタサーバ20は、依頼者端末40等に発行する認証情報を、例えば、車両30を識別する識別情報と時刻情報とによって生成した上で、認証情報と時刻情報とを依頼者端末40等に引き渡すとしてもよい。この場合では、車両30のキーユニット80は、センタサーバ20と同一のアルゴリズムで車両側認証情報を生成すればよい。依頼者端末40等は、鍵情報として発行された認証情報と時刻情報とをキーユニット80に送信し、認証を受ければよい。
【0143】
(その他)
実施形態および各変形例のトランクシェアシステム1において、車両30の施解錠は、セキュリティを考慮して、荷室ドアのみ解錠・施錠制御が行われ、車室ドアの解錠・施錠制御は行われずにロック状態は保持されるものと想定する。そうすると、例えば、荷室と車室とが隔てられていないボディ構造を持つ車両30、所謂、ワンボックスと俗称されるタイプでは、荷室ドアを解錠することで車室へのアクセスが可能になるため、車両30の所有者、利用者等はセキュリティ上の懸念を抱く可能性がある。
【0144】
そこで、荷室と車室とが隔てられていない車両30では、荷室ドアが開扉されたときに、室内も撮影可能なドライブレコーダ等が室内の動画撮影を行い、撮影動画に基づいて荷室から車室への侵入の有無を判定すればよい。例えば、ドライブレコーダを制御するECUは、荷室から車室への侵入が有ったと判定した場合には、撮影動画の保存、車載アラームの作動、業者へ通知、車両の所有者へ通知等を行う。一方、ECUは、車室への侵入が無かったと判定した場合には、荷室ドアの閉扉およびロック動作が行われた時点で、撮影動画を消去してもよい。ドライブレコーダは、ユーザ・サービスの一環として、車室内への侵入の有無に関わらず、撮影動画を車両30の車両オーナである所有者端末60等に送信してもよい。
【0145】
《コンピュータが読み取り可能な記録媒体》
情報処理装置その他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記何れかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0146】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体とし
てハードディスクやROM等がある。