(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019145184
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】測定用媒体及び媒体処理装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/455 20060101AFI20190802BHJP
   G11B 5/49 20060101ALI20190802BHJP
   G11B 5/48 20060101ALI20190802BHJP
   G11B 5/56 20060101ALI20190802BHJP
   G11B 5/00 20060101ALI20190802BHJP
   G07D 9/00 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !G11B5/455 D
   !G11B5/49 B
   !G11B5/48 C
   !G11B5/56 S
   !G11B5/00 D
   !G07D9/00 436Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】33
(21)【出願番号】2018027423
(22)【出願日】20180219
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区虎ノ門一丁目7番12号
(74)【代理人】
【識別番号】100082740
【弁理士】
【氏名又は名称】田辺 恵基
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】高野 貴史
【住所又は居所】東京都港区虎ノ門一丁目7番12号 沖電気工業株式会社内
【テーマコード(参考)】
3E040
5D042
5D091
【Fターム(参考)】
3E040AA05
3E040BA03
3E040CA07
3E040DA06
3E040EA10
5D042AA08
5D042BA01
5D042EA02
5D091AA12
5D091JJ21
(57)【要約】
【課題】従来と比べて容易且つ正確に磁気ヘッドの調整を行うことができるようにする。
【解決手段】小切手処理機1が、アジマス測定用媒体P1に印字された、傾きが異なる磁気バーMb0、Mb+1、Mb−1、Mb+2、Mb−2を、MICRヘッド21で読み取り、この読取結果をもとに、MICRヘッド21のアジマスのずれ量を検出するようにした。これにより、従来と比べて容易且つ正確にアジマスのずれ量を検出することができるので、従来と比べて容易且つ正確に磁気ヘッドの調整を行うことができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体処理装置で読み取り可能な紙葉状の測定用媒体であり、
少なくとも一面に、前記媒体処理装置の磁気ヘッドで読み取り可能な棒状の磁気バーが、当該測定用媒体の搬送方向に間隔を空けて複数設けられ、
前記複数の磁気バーは、
それぞれ前記磁気バーの長手方向と前記測定用媒体の搬送方向との角度が所定角度に選定され、且つそれぞれ前記測定用媒体の搬送方向と平行な一辺からの距離が所定距離に選定されている
ことを特徴とする測定用媒体。
【請求項2】
前記複数の磁気バーは、
前記磁気バーの短手方向が磁界方向となるように磁化される
ことを特徴とする請求項1に記載の測定用媒体。
【請求項3】
前記複数の磁気バーとして、
前記磁気バーの長手方向と前記測定用媒体の搬送方向との角度が90°に選定された第1の磁気バーと、当該第1の磁気バーに対して前記測定用媒体の搬送方向上流側に所定角度傾けられた第2の磁気バーと、前記第1の磁気バーに対して前記測定用媒体の搬送方向下流側に所定角度傾けられた第3の磁気バーとが設けられ、
前記第1の磁気バー、前記第2の磁気バー、及び前記第3の磁気バーは、
前記測定用媒体の前記一辺からの距離が等しく、
前記第1の磁気バー、前記第2の磁気バー、及び前記第3の磁気バーを、前記磁気ヘッドで読み取ったときの読取結果が、前記磁気ヘッドの取付角度における規定値からのずれ量の検出に用いられる
ことを特徴とする請求項2に記載の測定用媒体。
【請求項4】
前記第1の磁気バー、前記第2の磁気バー、前記第3の磁気バーが、それぞれ複数本ずつ設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の測定用媒体。
【請求項5】
前記複数の磁気バーとして、
前記測定用媒体の前記一辺からの距離が所定距離に選定されている第4の磁気バーと、当該第4の磁気バーに対して前記測定用媒体の前記一辺側に所定距離ずらされた第5の磁気バーと、前記第4の磁気バーに対して前記測定用媒体の前記一辺側とは反対側に所定距離ずらされた第6の磁気バーとが設けられ、
前記第4の磁気バー、前記第5の磁気バー、及び前記第6の磁気バーは、
前記磁気バーの長手方向と前記測定用媒体の搬送方向との角度が等しく、
前記第4の磁気バー、前記第5の磁気バー、及び前記第6の磁気バーを、前記磁気ヘッドで読み取ったときの読取結果が、前記磁気ヘッドの取付位置における規定値からのずれ量の検出に用いられる
ことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の測定用媒体。
【請求項6】
前記第4の磁気バー、前記第5の磁気バー、前記第6の磁気バーが、それぞれ複数本ずつ設けられている
ことを特徴とする請求項5に記載の測定用媒体。
【請求項7】
媒体を搬送する搬送部と、
前記媒体に記録されている磁気情報を読み取る磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドの取り付けに関する規定値からのずれ量を検出するずれ量検出部と
を備え、
前記媒体の1つとして、少なくとも一面に、前記磁気ヘッドで読み取り可能な棒状の磁気バーが、当該媒体の搬送方向に間隔を空けて複数設けられ、且つ前記複数の磁気バーが、それぞれ当該磁気バーの長手方向と前記搬送方向との角度が所定角度に選定され、且つ前記測定用媒体の前記搬送方向と平行な一辺からの距離が所定距離に選定されている測定用媒体があり、
前記ずれ量検出部は、
前記磁気ヘッドが前記測定用媒体から前記磁気バーを読み取ったときの読取結果に基づいて、前記磁気ヘッドの前記規定値からのずれ量を検出する
ことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項8】
前記複数の磁気バーは、
前記磁気バーの短手方向が磁界方向となるように磁化され、
前記磁気ヘッドは、
前記搬送部により搬送されている前記測定用媒体に設けられた前記複数の磁気バーのそれぞれから磁界の変化量を読み取り、
前記ずれ量検出部は、
前記磁気ヘッドの読取結果として得られる前記磁気バーごとの磁気情報リード値をもとに、前記磁気ヘッドの前記規定値からのずれ量を検出する
ことを特徴とする請求項7に記載の媒体処理装置。
【請求項9】
前記測定用媒体は、
前記複数の磁気バーとして、前記磁気バーの長手方向と前記測定用媒体の搬送方向との角度が90°に選定された第1の磁気バーと、当該第1の磁気バーに対して前記測定用媒体の搬送方向上流側に所定角度傾けられた第2の磁気バーと、前記第1の磁気バーに対して前記測定用媒体の搬送方向下流側に所定角度傾けられた第3の磁気バーとが設けられ、且つ前記第1の磁気バー、前記第2の磁気バー、及び前記第3の磁気バーは、前記測定用媒体の前記一辺からの距離が等しくなっていて、
前記ずれ量検出部は、
前記第1の磁気バー、前記第2の磁気バー、及び前記第3の磁気バーのそれぞれから得られた前記磁気情報リード値のレベルをもとに、前記磁気ヘッドの取付角度の規定値からのずれ量を検出する
ことを特徴とする請求項8に記載の媒体処理装置。
【請求項10】
さらに、前記ずれ量検出部により検出された前記磁気ヘッドの取付角度の規定値からのずれ量をもとに、前記磁気ヘッドの取付角度を規定値に調整するための角度調整量を算出する角度調整量算出部を備える
ことを特徴とする請求項9に記載の媒体処理装置。
【請求項11】
さらに、前記ずれ量検出部により検出された前記磁気ヘッドの取付角度の規定値からのずれ量をもとに、前記磁気ヘッドの取付角度を規定値に調整するヘッド角度調整部を備える
ことを特徴とする請求項9に記載の媒体処理装置。
【請求項12】
前記測定用媒体には、前記第1の磁気バー、前記第2の磁気バー、及び前記第3の磁気バーが、それぞれ複数本ずつ設けられ、
前記ずれ量検出部は、
前記第1の磁気バー、前記第2の磁気バー、及び前記第3の磁気バーのそれぞれから得られた磁気情報リード値のレベルを、前記第1の磁気バー、前記第2の磁気バー、及び前記第3の磁気バーごとに平均化した平均レベルをもとに、前記磁気ヘッドの取付角度の規定値からのずれ量を検出する
ことを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の媒体処理装置。
【請求項13】
前記測定用媒体は、
前記複数の磁気バーとして、前記測定用媒体の前記一辺からの距離が所定距離に選定されている第4の磁気バーと、当該第4の磁気バーに対して前記測定用媒体の前記一辺側に所定距離ずらされた第5の磁気バーと、前記第4の磁気バーに対して前記測定用媒体の前記一辺側とは反対側に所定距離ずらされた第6の磁気バーとが設けられ、且つ前記第4の磁気バー、前記第5の磁気バー、及び前記第6の磁気バーは、前記磁気バーの長手方向と前記測定用媒体の搬送方向との角度が等しくなっていて、
前記ずれ量検出部は、
前記第4の磁気バー、前記第5の磁気バー、及び前記第6の磁気バーのそれぞれから得られた前記磁気情報リード値のレベルをもとに、前記磁気ヘッドの取付位置の規定値からのずれ量を検出する
ことを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の媒体処理装置。
【請求項14】
さらに、前記ずれ量検出部により検出された前記磁気ヘッドの取付位置の規定値からのずれ量をもとに、前記磁気ヘッドの取付位置を規定値に調整するための位置調整量を算出する位置調整量算出部を備える
ことを特徴とする請求項13に記載の媒体処理装置。
【請求項15】
さらに、前記ずれ量検出部により検出された前記磁気ヘッドの取付位置の規定値からのずれ量をもとに、前記磁気ヘッドの取付位置を前記規定値に調整するヘッド位置調整部を備える
ことを特徴とする請求項13に記載の媒体処理装置。
【請求項16】
前記測定用媒体には、前記第4の磁気バー、前記第5の磁気バー、及び前記第6の磁気バーが、それぞれ複数本ずつ設けられ、
前記ずれ量検出部は、
前記第4の磁気バー、前記第5の磁気バー、及び前記第6の磁気バーのそれぞれから得られた磁気情報リード値のレベルを、前記第4の磁気バー、前記第5の磁気バー、及び前記第6の磁気バーごとに平均化した平均レベルをもとに、前記磁気ヘッドの取付位置の規定値からのずれ量を検出する
ことを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の媒体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気情報が記録されている媒体から磁気情報を読み取る磁気ヘッドの調整に用いる測定用媒体、及び磁気ヘッドを有する媒体処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
磁気情報が印字されている小切手の入金機として、金融機関等で使用される小切手受付装置がある。この小切手受付装置は、例えば、小切手を束で投入できるようになっていて、顧客により受渡口に投入された小切手の束を装置内部に引き込んで1枚ずつ分離し、小切手の幅寄せ機能を有するアライナ部により小切手を幅寄せ基準面側に幅寄せした後、小切手を搬送しながら、小切手の一面の所定位置に小切手の搬送方向に沿って印字されている磁気情報を磁気ヘッドで読み取るようになっている。
【0003】
従来、このような小切手受付装置では、小切手に印字されている磁気情報を磁気ヘッドで正確に読み取ることができるように、磁気ヘッドの調整作業(これを磁気ヘッド調整作業と呼ぶ)を行うようになっている(例えば特許文献1参照)。この磁気ヘッド調整作業では、例えば、磁気ヘッドのアジマス(取付角度)が規定値となるように調整したり、幅寄せ基準面に対する磁気ヘッドの取付位置が規定値となるように調整したりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−129724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の小切手受付装置では、磁気ヘッドの近くに測定器を挿入し、この測定器により磁気ヘッドのアジマスや取付位置の規定値からのずれ量を測定したうえで、このずれ量が0となるように磁気ヘッド調整作業を行うようになっている。しかしながら、小切手受付装置では、磁気ヘッドが狭い場所に設けられているため、測定器による測定が困難で測定ミスが発生し易く、正確に磁気ヘッドの調整を行うことが難しかった。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来と比べて容易且つ正確に磁気ヘッドの調整を行うことができる測定用媒体及び媒体処理装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明の測定用媒体は、媒体処理装置で読み取り可能な紙葉状の測定用媒体であり、少なくとも一面に、前記媒体処理装置の磁気ヘッドで読み取り可能な棒状の磁気バーが、当該測定用媒体の搬送方向に間隔を空けて複数設けられ、前記複数の磁気バーは、それぞれ前記磁気バーの長手方向と前記測定用媒体の搬送方向との角度が所定角度に選定され、且つそれぞれ前記測定用媒体の搬送方向と平行な一辺からの距離が所定距離に選定されている。
【0008】
また本発明の媒体処理装置は、媒体を搬送する搬送部と、前記媒体に記録されている磁気情報を読み取る磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドの取り付けに関する規定値からのずれ量を検出するずれ量検出部とを備え、前記媒体の1つとして、少なくとも一面に、前記磁気ヘッドで読み取り可能な棒状の磁気バーが、当該媒体の搬送方向に間隔を空けて複数設けられ、且つ前記複数の磁気バーが、それぞれ当該磁気バーの長手方向と前記搬送方向との角度が所定角度に選定され、且つ前記測定用媒体の前記搬送方向と平行な一辺からの距離が所定距離に選定されている測定用媒体があり、前記ずれ量検出部は、前記磁気ヘッドが前記測定用媒体から前記磁気バーを読み取ったときの読取結果に基づいて、前記磁気ヘッドの前記規定値からのずれ量を検出する。
【0009】
本発明は、媒体処理装置が、測定用媒体から磁気バーを読みとったときの読取結果をもとに自動的に磁気ヘッドのずれ量を検出できるので、測定器を用いることなく、正確に磁気ヘッドの調整を行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来と比べて容易且つ正確に磁気ヘッドの調整を行うことができる測定用媒体及び媒体処理装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施の形態による小切手処理機の構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態による小切手及びMICRヘッドの構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態によるアジマス測定用媒体の構成を示す図である。
【図4】第1の実施の形態による小切手処理機の機能構成を示すブロック図である。
【図5】第1の実施の形態による磁気バーとMICRヘッドのリード軸とが平行な場合と傾いている場合とを示す図である。
【図6】第1の実施の形態による磁気情報リード値のレベルの時間的な変化を示すグラフである。
【図7】第1の実施の形態によるMICRヘッドのアジマスのずれ量と、磁気情報リード値のピークレベルとの関係を示すグラフである。
【図8】第1の実施の形態によるアジマス検出処理手順を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態によるヘッド角度調整機構の構成を示す図である。
【図10】第2の実施の形態による小切手処理機の機能構成を示すブロック図である。
【図11】第2の実施の形態によるアジマス自動調整処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態によるヘッド位置測定用媒体の構成を示す図である。
【図13】第3の実施の形態による小切手処理機の機能構成を示すブロック図である。
【図14】第3の実施の形態によるMICRヘッドの読取幅と、磁気バーの読取部分長と、磁気情報リード値のレベルとの関係を示す図及びグラフである。
【図15】第3の実施の形態によるMICRヘッドのヘッド位置が規定値にある場合と、規定値から+1mmずれた場合とを示す図である。
【図16】第3の実施の形態による磁気バーから得られる磁気情報リード値のレベルと、磁気バーの基準位置からのずれ量との関係を示すグラフである。
【図17】第3の実施の形態によるヘッド位置検出処理手順を示すフローチャートである。
【図18】第4の実施の形態によるヘッド位置調整機構の構成を示す図である。
【図19】第4の実施の形態による小切手処理機の機能構成を示すブロック図である。
【図20】第4の実施の形態によるヘッド位置自動調整処理手順を示すフローチャートである。
【図21】他の実施の形態によるアジマス/ヘッド位置両測定用媒体の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0013】
[1.第1の実施の形態]
[1−1、小切手処理機の構成]
まず、第1の実施の形態について説明する。図1に、第1の実施の形態による小切手処理機1の模式的な側面図を示す。小切手処理機1は、利用者との間で入金処理等の小切手に関する取引を行う小切手受付装置の受付機筐体(図示せず)内に設けられ、小切手に関する種々の処理を行う。この小切手処理機1は、直方体状に形成された筐体2の内部に、小切手に関する種々の処理を行う複数の処理ユニットが組み込まれた構成となっている。
【0014】
尚、ここでは、小切手処理機1の筐体2における、利用者が対峙する側(図中右側)を前側とし、その反対側(図中左側)を後側とし、前側に対峙した利用者から見て上下左右をそれぞれ上側、下側、左側及び右側と定義する。
【0015】
筐体2内部の所定位置には、全体を統括的に制御する制御部3が設けられている。この制御部3は、CPUを中心に構成され、ROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金取引に関する種々の処理を行う。また制御部3は、内部にRAMや、ハードディスク、フラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に各種プログラムや入金取引に関する種々の情報を記憶している。また、制御部3は、筐体2内部に設けられた各センサの監視や、各アクチュエータの駆動、各種判断等を行うと共に、小切手受付装置全体を制御する上位の主制御部との通信を行う。
【0016】
この筐体2の前側上部には、小切手Cを束で受け付けるバンドル部10が配置されている。このバンドル部10の後端には、小切手Cの束を1枚ずつ分離して繰り出す分離部11が配置されている。さらに、分離部11の後方で筐体2の後側上部には、分離部11から1枚ずつ繰り出されてくる小切手Cを搬送しながら幅寄せするアライナ部12が配置されている。
【0017】
さらに、アライナ部12の後方且つ下方には、小切手Cの画像読み取り、磁気情報読み取り、スタンプ押印、裏書印字などの機能を有するスキャナ部13が配置されている。さらにバンドル部10の下方には、小切手Cを一時保留するエスクロ部14が配置され、スキャナ部13の下方には、利用者が取り忘れた小切手Cなどを収納するリトラクト部15が配置されている。さらに、エスクロ部14及びリトラクト部15の下方で筐体2内の下部には、小切手Cを収納する2個のスタッカ16、17が前後方向に並べて配置されている。
【0018】
これら、バンドル部10、分離部11、アライナ部12、スキャナ部13、エスクロ部14、リトラクト部15、スタッカ16、17は、搬送路R(R1、R2、R3)によって接続されている。すなわち、搬送路Rは、バンドル部10から分離部11を介してアライナ部12へと延び、さらにアライナ部12の内部を通ってスキャナ部13へと延びている。さらに、搬送路Rは、スキャナ部13の内部に入ると、アライナ部12の後方で下方にカーブして下方へと延び、その後、前方に折り返されてスキャナ部13の前端まで延び、そこから前方のエスクロ部14まで延びている。
【0019】
スキャナ部13は、内部を通る搬送路Rの下側の直線部分R2に、後方から順に、小切手Cの表面と裏面の画像を読み取るCIS(Contact Image Sensor)部20、小切手Cから磁化された磁気情報を読み取るMICRヘッド21、小切手Cの表面にスタンプを押印するスタンプ22、小切手Cの裏面に印字するプリンタ23が配置されている。尚、小切手Cは、例えば、長方形で紙葉状の媒体であり、表面にはMICRと呼ばれる磁気インクを用いた特殊なフォントで磁気情報が印字されていて、長手方向に搬送されるようになっている。ここで、アライナ部12とスキャナ部13を通る搬送路Rのうち、この直線部分R2以外の部分を第1の搬送路R1と呼び、この直線部分R2を第2の搬送路R2と呼ぶ。さらにスキャナ部13は、内部を通る第1の搬送路R1に、小切手Cに印字されている磁気情報を磁化するための着磁用磁石Mgが配置されている。つまり、スキャナ部13は、小切手Cが第1の搬送路R1を通る際に、着磁用磁石Mgによって小切手Cの磁気情報を磁化させ、その後、小切手Cが第2の搬送路R2を通る際に、MICRヘッド21によって、小切手Cから磁化された磁気情報を読み取るようになっている。また、スキャナ部13は、小切手Cが第2の搬送路R2を通る際に、CIS部20による画像読み取り、スタンプ22によるスタンプ押印、プリンタ23による裏書印字などを行うようになっている。
【0020】
第1の搬送路R1と第2の搬送路R2は、全体として横向きのU字形状(つまり折り返し形状)となっている。よって、例えば、表面を上側とする向きで第1の搬送路R1へと送られた小切手Cは、第2の搬送路R2を通過するときには表面が下側となる向きで搬送されることになる。
【0021】
さらに、搬送路Rは、第1の搬送路R1と第2の搬送路R2との接続箇所(すなわちスキャナ部13の内部を通る搬送路Rのエスクロ部14側に折り返されている箇所)に第3の搬送路R3が接続されている。第3の搬送路R3は、第1の搬送路R1と第2の搬送路R2との接続箇所から下方に分岐して、リトラクト部15の後側を下方へと延び、スタッカ16上部の後方で前方にカーブして前方へと延び、スタッカ16内の上部及びスタッカ17内の上部を通って筐体2の前面まで延びている。また、この第3の搬送路R3は、リトラクト部15の後側を下方へと延びている部分の途中で前方に分岐して、リトラクト部15へと延びている。
【0022】
さらに、第1の搬送路R1と第2の搬送路R2と第3の搬送路R3の接続箇所には、小切手Cの搬送経路を切り替えるためのブレード30が設けられている。第1の搬送路R1と第2の搬送路R2と第3の搬送路R3の接続箇所には、第1の搬送路R1と第2の搬送路R2とを繋ぐ搬送経路、第1の搬送路R1と第3の搬送路R3とを繋ぐ搬送経路、第2の搬送路R2と第3の搬送路R3とを繋ぐ搬送経路の3つの搬送経路が形成されていて、これら3つの搬送経路をブレード30によって切り替えることができるようになっている。さらに、第3の搬送路R3上の分岐箇所には、小切手Cの搬送経路を、リトラクト部15へと搬送する搬送経路又はスタッカ16、17へと搬送する搬送経路に切り替えるためのブレード31が設けられている。これらブレード30、31による搬送経路の切り替えは、制御部3によって行われる。
【0023】
また、搬送路Rには、小切手Cを厚さ方向に挟んで搬送する搬送ローラなどの搬送機構が設けられていて、制御部3は、この搬送機構を制御するとともに、ブレード30、31による搬送経路の切り替えを制御することにより、小切手Cを各部に搬送するようになっている。
【0024】
小切手処理機1の構成は、以上のようになっている。ここで、このような構成でなる小切手処理機1の入金取引時の動作について説明する。
【0025】
[1−2.小切手処理機の動作]
小切手処理機1は、制御部3と、小切手受付装置に設けられた表示部及び操作部(図示せず)とにより、利用者から入金指示を受けたことを認識すると、バンドル部10の前端に設けられたシャッタ10Aを開くことにより、バンドル部10の前端に設けられた受渡口10Bを開放して小切手Cを受け入れる。
【0026】
バンドル部10は、受渡口10Bから小切手Cの束が挿入されると、内部に設けられた束搬送機構により小切手Cの束をそのまま後方の分離部11へと搬送する。分離部11は、小切手Cの束の一番上に位置する小切手Cから順に1枚ずつ分離して、後方のアライナ部12へ送り出す。アライナ部12は、分離部11から受け取った小切手Cを第1の搬送路R1に沿って搬送しながら、小切手Cを第1の搬送路R1の幅方向の一端側に設けられた幅寄せ基準面ガイド(図示せず)に突き当てるように幅寄せして、スキャナ部13に引き渡す。
【0027】
スキャナ部13へと引き渡された小切手Cは、幅寄せ基準面ガイドに突き当てられた状態のまま、第1の搬送路R1から第2の搬送路R2へと搬送される。そして、スキャナ部13は、小切手Cを第2の搬送路R2に沿って前方に搬送しながら、CIS部20により小切手Cの両面の画像を撮像し、MICRヘッド21により小切手Cから磁気情報を読み取る。その後、スキャナ部13からエスクロ部14へと小切手Cが引き渡され、エスクロ部14が、スキャナ部13から受け取った小切手Cを内部に一時的に保留する。ここまでの処理を読取処理と呼ぶ。
【0028】
制御部3は、バンドル部10に投入された全ての小切手Cをエスクロ部14に一時保留すると、小切手Cから読み取った画像や磁気情報を、小切手受付装置の表示部(図示せず)に表示させ、利用者に取引内容の確認を促す。
【0029】
ここで、制御部3は、例えば表示部に表示されている確認キー(図示せず)を利用者が押下することにより、利用者が取引内容を承認したと認識すると、小切手Cをエスクロ部14から繰り出してスタッカ16、17に収納する収納処理を開始する。一方で、制御部3は、例えば表示部に表示されているキャンセルキー(図示せず)を利用者が押下することにより、利用者が取引内容をキャンセルしたと認識すると、小切手Cをエスクロ部14から繰り出して受渡口10Bまで戻して利用者に返却する返却処理を開始する。
【0030】
ここで、小切手Cをエスクロ部14から繰り出してスタッカ16、17に収納する収納処理を開始すると、制御部3は、エスクロ部14に一時保留されている小切手Cを、エスクロ部14から順に繰り出してスキャナ部13へと搬送する。スキャナ部13は、小切手Cを第2の搬送路R2に沿って読取処理時とは逆方向(後方)に搬送しながら、プリンタ23により小切手Cの裏面に取引情報を印字する。このとき、スキャナ部13は、仕様によっては、スタンプ22により小切手Cの表面にスタンプ押印を行う。
【0031】
取引情報が印字された小切手Cは、第2の搬送路R2ら第3の搬送路R3へと搬送され、第3の搬送路R3を通ってスタッカ16又はスタッカ17へと搬送される。
【0032】
スタッカ16内の上部には、第3の搬送路R3に沿って複数の搬送ローラ32が設けられ、さらにスタッカ16内の下部には、小切手Cを集積する集積庫16Aが設けられている。さらにスタッカ16内の上部には、スタッカ16内の第3の搬送路R3上に停止させた小切手Cを集積庫16A内に押し込んで集積する集積機構16Bが設けられている。同様に、スタッカ17内にも、複数の搬送ローラ32、集積庫17A及び集積機構17Bが設けられている。
【0033】
スタッカ16、17の集積機構16B、17Bは、制御部3により制御されるようになっている。例えば、小切手Cをスタッカ16に収納する場合、制御部3は、小切手Cをスタッカ16内の上部中央まで搬送して停止させる。そして、スタッカ16の集積機構16Bが、搬送ローラ32による小切手Cの挟持状態を解除して、図示しない押込プレートで小切手Cを集積庫16A内に押し込んで集積する。
【0034】
また、小切手Cをスタッカ17に収納する場合、制御部3は、小切手Cをスタッカ17内の上部中央まで搬送して停止させる。そして、スタッカ17の集積機構17Bが、搬送ローラ32による小切手Cの挟持状態を解除して、図示しない押込プレートで小切手Cを集積庫17A内に押し込んで集積する。制御部3は、エスクロ部14に一時保留していた全ての小切手Cを、スタッカ16、17に収納し終えると、収納処理を終了する。
【0035】
一方で、小切手Cをエスクロ部14から繰り出して受渡口10Bまで戻して利用者に返却する返却処理を開始すると、制御部3は、エスクロ部14に一時保留されている小切手Cを、エスクロ部14から順に繰り出してスキャナ部13へと搬送する。スキャナ部13は、小切手Cを第2の搬送路R2に沿って読取処理時とは逆方向(後方)に搬送する。このとき、スキャナ部13は、プリンタ23による印字及びスタンプ22によるスタンプ押印は行わずに、そのまま小切手Cを搬送する。
【0036】
そして、この小切手Cは、第2の搬送路R2から第1の搬送路R1へと搬送され、第1の搬送路R1を通ってアライナ部12へと搬送される。
【0037】
アライナ部12は、小切手Cを幅寄せせずに、そのまま前方へと搬送して前方の分離部11へと搬送する。分離部11は、アライナ部12から搬送されてくる小切手Cを上下方向に集積する。制御部3は、エスクロ部14に一時保留している全ての小切手Cを、分離部11に集積し終えると、分離部11に集積された小切手Cの束を、バンドル部10により受渡口10Bまで搬送して利用者に返却する。
【0038】
すなわち、バンドル部10は、シャッタ10Aを開いて受渡口10Bを開放することにより、小切手Cの束を排出可能な状態に遷移した後、内部に設けられた束搬送機構により、分離部11に集積された小切手Cの束を前方(つまり受渡口10B側)へと搬送する。そして、バンドル部10は、束搬送機構により、小切手Cの束の前端部が受渡口10Bから外部に露出するまで搬送した後、搬送を停止させる。
【0039】
制御部3は、小切手Cの束の前端部を受渡口10Bから外部に露出させた後、小切手受付装置の表示部(図示せず)に、小切手Cの束を受け取るよう促すガイダンスを表示させ、利用者に小切手Cの束の受け取りを促す。
【0040】
ここで、制御部3は、バンドル部10及び分離部11内に設けられた複数のセンサで、バンドル部10及び分離部11内に存在する小切手Cを検出し、複数のセンサの検知結果をもとに、バンドル部10及び分離部11内に小切手Cが存在しないことを確認すると、利用者が小切手Cの束を受け取ったと認識して、返却処理を終了する。
【0041】
また一方で、制御部3は、予め設定された時間内に利用者が小切手Cの束を受け取ったと認識できなかった場合(すなわち受渡口10Bに戻した小切手Cの束を利用者が取り忘れた場合)、返却処理を終了して、利用者が取り忘れた小切手(これを以下、取り忘れ小切手と呼ぶ)Cを、小切手処理機1の内部に取り込んでリトラクト部15に収納する取込処理を実行する。
【0042】
すなわち、制御部3は、受渡口10Bから露出させている小切手(すなわち取り忘れ小切手)Cを、バンドル部10の束搬送機構により、バンドル部10の内部に引き込み、そのまま後方の分離部11へと搬送する。分離部11は、取り忘れ小切手Cの束を1枚ずつ分離して、後方のアライナ部12へ送り出す。アライナ部12は、分離部11から受け取った取り忘れ小切手Cを第1の搬送路R1に沿って搬送しながら幅寄せして、スキャナ部13に引き渡す。
【0043】
スキャナ部13へと引き渡された小切手Cは、第1の搬送路R1から第3の搬送路R3へと搬送され、さらに第3の搬送路R3を通ってリトラクト部15へと搬送され、リトラクト部15に収納される。制御部3は、全ての取り忘れ小切手Cを、リトラクト部15に収納し終えると、取込処理を終了する。
【0044】
尚、取込処理として、取り忘れ小切手Cの画像をスキャナ部13のCIS部20により取得してからリトラクト部15に収納するようにしてもよい。この場合、制御部3は、受渡口10Bから露出させている小切手(すなわち取り忘れ小切手)Cを、バンドル部10の束搬送機構によりバンドル部10の内部に引き込み、分離部11、アライナ部12を介して、スキャナ部13に引き渡す。
【0045】
スキャナ部13へと引き渡された取り忘れ小切手Cは、第1の搬送路R1から第2の搬送路R2へと搬送される。そして、スキャナ部13は、取り忘れ小切手Cを第2の搬送路R2に沿って前方に搬送しながら、CIS部20により小切手Cの両面の画像を撮像するとともに、MICRヘッド21により小切手Cから磁気情報を読み取る。その後、取り忘れ小切手Cは、スキャナ部13からエスクロ部14へと引き渡され、エスクロ部14に一時保留される。
【0046】
制御部3は、全ての取り忘れ小切手Cをエスクロ部14に一時保留すると、エスクロ部14に一時保留されている取り忘れ小切手Cを、エスクロ部14から順に繰り出してスキャナ部13へと搬送する。スキャナ部13は、取り忘れ小切手Cを第2の搬送路R2に沿って逆方向(後方)に搬送する。このとき、スキャナ部13は、プリンタ23による印字及びスタンプ22によるスタンプ押印は行わずに、そのまま取り忘れ小切手Cを搬送する。
【0047】
そして、この取り忘れ小切手Cは、第2の搬送路R2から第3の搬送路R3へと搬送され、さらに第3の搬送路R3を通ってリトラクト部15へと搬送され、リトラクト部15に収納される。制御部3は、全ての取り忘れ小切手Cを、リトラクト部15に収納し終えると、取込処理を終了する。小切手処理機1による、小切手Cを入金するときの基本的な動作は、以上のようになっている。
【0048】
ところで、この小切手処理機1では、小切手Cに印字されている磁気情報をMICRヘッド21で正確に読み取ることができるように、例えば小切手受付装置を稼働する前に、作業員がMICRヘッド21のアジマスを調整する作業(これをアジマス調整作業と呼ぶ)を行うようになっている。
【0049】
ここで、MICRヘッド21のアジマス調整作業について簡単に説明する。図2に、スキャナ部13内の第2の搬送路R2に沿って搬送される小切手Cを上側から見た上面図を示す。この図2に示すように、小切手Cの表面には、一方の長辺Caの近傍に、長辺Caに沿って(つまり長手方向に沿って)磁気情報Miが印字されている。小切手Cは、アライナ部12により幅寄せされた状態でスキャナ部13へと搬送される。スキャナ部13では、磁気情報Miが幅寄せ基準面ガイド40側となるように幅寄せされた状態の小切手Cを、表面が下側となる向きで第2の搬送路R2に沿って搬送しながら、小切手Cの表面に印字された磁気情報MiをMICRヘッド21で読み取る。
【0050】
ここで、小切手Cの一方の長辺Caから小切手Cの短手方向における磁気情報Miの中心までの距離をL1とすると、MICRヘッド21は、幅寄せ基準面ガイド40から、第2の搬送路R2の幅方向と平行なMICRヘッド21の読取幅Lrの中心までの距離L2が距離L1と等しくなるように、スキャナ部13に取り付けられている。こうすることで、スキャナ部13では、MICRヘッド21の真上を小切手Cの磁気情報Miが通過する。
【0051】
このときのMICRヘッド21のギャップ方向(図中矢印Aで示す方向)と、磁気情報Miの走行方向(小切手Cの搬送方向、且つ幅寄せ基準面ガイド40と平行な方向であり、図中矢印Bで示す方向)とのなす角度αがアジマスであり、MICRヘッド21で小切手Cの磁気情報Miを正確に読み取るためには、このアジマスが90°となっていることが望ましい。ゆえに、MICRヘッド21のアジマス調整作業では、アジマスが規定値である90°となるように、MICRヘッド21のアジマスを調整するようになっている。
【0052】
尚、詳しくは後述するが、小切手処理機1には、図3(A)、(B)に示すアジマス測定用の媒体(これをアジマス測定用媒体と呼ぶ)P1が用意されている。そして、小切手処理機1では、例えば作業員が小切手受付装置の操作部を介してアジマス調整作業を開始する旨を入力し、アジマス測定用媒体P1が受渡口10Bから挿入されると、これをスキャナ部13へと搬送してMICRヘッド21で読み取り、その読取結果をもとに、MICRヘッド21のアジマスの規定値(90°)からのずれ量(ずれの大きさと方向)を例えば−2°〜+2°程度の範囲で検出できるようになっている。そして、作業者は、このようにして検出されたアジマスの規定値からのずれ量が0となるように、MICRヘッド21のアジマス(すなわち取付角度)を調整する。
【0053】
[1−3.アジマス測定用媒体の構成]
ここで、図3(A)、(B)を用いて、アジマス測定用媒体P1の構成について説明する。尚、図3(A)は、スキャナ部13内の第2の搬送路R2に沿って搬送されているアジマス測定用媒体P1を上側(裏面側)から見た場合の上面図であり、図3(B)は、アジマス測定用媒体P1を表面側から見た場合の部分拡大図である。アジマス測定用媒体P1は、例えば、小切手Cと同型、同サイズの紙葉状となっている。このアジマス測定用媒体P1の表面には、一方の長辺P1aの近傍に、磁気情報として、アジマス測定用媒体P1の短手方向に延びる棒状の磁気バーMbが、アジマス測定用媒体P1の長手方向(つまり搬送方向)に間隔を空けて複数本印字されている。
【0054】
図3(B)に示すように、アジマス測定用媒体P1に印字された磁気バーMbには、その長手方向とアジマス測定用媒体P1の長手方向(搬送方向)とのなす角度が90°であり、アジマス測定の基準となる磁気バーMb0と、基準の磁気バーMb0に対してアジマス測定用媒体P1の搬送方向に+1°傾けられた磁気バーMb+1と、+2°傾けられた磁気バーMb+2と、−1°傾けられた磁気バーMb−1と、−2°傾けられた磁気バーMb−2との計5パターンがあり、各パターンごとに所定数ずつ並べて印字されている。尚、この場合の搬送方向に+1°傾くというのは、アジマス測定用媒体P1の搬送方向上流側に1°傾くことであり、搬送方向に−1°傾くというのは、アジマス測定用媒体P1の搬送方向下流側に1°傾くことを意味する。
【0055】
図3(B)に示す例では、アジマス測定用媒体P1の表面に、読取処理時の搬送方向上流側(図中右側)から、所定数の磁気バーMb−1、所定数の磁気バーMb+1、所定数の磁気バーMb0、所定数の磁気バーMb−2、所定数の磁気バーMb+2の順に印字されている。尚、図3(B)に示すアジマス測定用媒体P1は、図3(Aに示すアジマス測定用媒体P1を表裏反転したものであるため、搬送方向上流側は図中右側となる。
【0056】
尚、詳しくは後述するが、MICRヘッド21のアジマス調整が90°±2°の範囲で行われることから、アジマス測定用媒体P1には、傾き0°の磁気バーMb0を基準として、傾き−1°の磁気バーMb−1、傾き+1°の磁気バーMb+1、傾き−2°の磁気バーMb−2、傾き+2°の磁気バーMb+2が印字されるようになっている。
【0057】
各磁気バーMbは、それぞれMICRヘッド21の読取幅Lrに収まる大きさであり、且つアジマス測定用媒体P1の一方の長辺P1aから各磁気バーMbの長手方向の中心までの距離がL1となっている。つまり、アジマス測定用媒体P1の短手方向における磁気バーMbの印字位置は、小切手Cの短手方向における磁気情報Miの印字位置と等しくなっている。さらに、各磁気バーMbは、アジマス測定用媒体P1がスキャナ部13内部の第1の搬送路R1を通る際に、着磁用磁石Mgによって、磁気バーMbの短手方向が磁界方向となるように磁化されるようになっている。つまり、各磁気バーMbは、着磁用磁石Mgによって、短手方向の一端側がN極、他端側がS極となるように磁化されるようになっている。尚、本実施の形態では、例えば、MICRヘッド21の読取幅Lrが8mm、各磁気バーMbの長手方向の長さが3mmとなっている。
【0058】
[1−4.小切手処理機の機能構成]
次に、小切手処理機1の機能構成について図4を用いて説明する。ここでは、小切手処理機1の機能構成のうち、MICRヘッド21のアジマス調整に関わる部分の機能構成についてのみ説明する。図4は、アジマス調整に係る部分の機能構成を示すブロック図である。この図4に示すように、小切手処理機1のアジマス調整に関わる機能構成は、MICRヘッド21と、磁気情報変換部50と、制御部3と、搬送部51とで構成されている。
【0059】
MICRヘッド21は、小切手Cに印字されている磁気情報Mi、及びアジマス測定用媒体P1に印字されている磁気情報としての磁気バーMbを読み取る磁気ヘッドであり、磁気情報Mi及び磁気バーMbによる磁界の時間的変化量を電流に変換するデバイスである。磁気情報変換部50は、オペアンプやアナログ・デジタルコンバータなどで構成され、MICRヘッド21から出力される電流をデジタル値である磁気情報リード値に変換するデバイスである。
【0060】
制御部3は、小切手処理機1全体を制御するとともに、磁気情報変換部50から得られた磁気情報リード値のレベル(つまり大きさ)を解析する磁気情報レベル解析部52、及び磁気情報レベル解析部52により解析された磁気情報リード値のレベルをもとに、MICRヘッド21のアジマスの規定値からのずれ量を検出するアジマスずれ量検出部53としても機能する。尚、アジマスのずれ量の検出方法については、後述する。搬送部51は、搬送路Rに沿って設けられた搬送ローラ、搬送ベルト(ともに図示せず)、ブレード30、31などで構成され、制御部3による制御のもと、搬送路Rに沿って小切手Cやアジマス測定用媒体P1を搬送する。
【0061】
[1−5.MICRヘッドのアジマスのずれ量検出]
次に、アジマス測定用媒体P1を用いて、MICRヘッド21のアジマスのずれ量を検出する方法と具体的な処理手順について順に説明する。まず、アジマス測定用媒体P1に印字された磁気バーMbをMICRヘッド21で読み取ったときの磁気情報リード値のレベルと、アジマスのずれ量との関係について説明する。
【0062】
図5(A)は、磁気バーMb(例えば磁気バーMb0)の長手方向と、MICRヘッド21のギャップを表すリード軸21aとが平行な場合、つまり磁気バーMbの長手方向に対する、MICRヘッド21のリード軸21aの傾きが0°であり、磁気バーMbの磁界方向と、MICRヘッド21のギャップ方向とが直交する場合を示している。また、図5(B)は、MICRヘッド21のリード軸21aが、磁気バーMbの長手方向に対して−2°傾いている場合、つまり磁気バーMbの長手方向に対する、MICRヘッド21のリード軸21aの傾きが−2°である場合を示している。尚、本実施の形態では、磁気バーMbは、その短手方向の一端側(図中左側)がS極、他端側(図中右側)がN極となるように、着磁用磁石Mg(図1)によって磁化されているが、磁気バーMbの磁界方向は着磁用磁石Mgの向きによって変わるため、着磁用磁石Mgの向きを変えることで、磁気バーMbの磁界方向を、図5(A)、図5(B)とは逆方向にしてもよい。この場合、磁気バーMbは、短手方向の一端側(図中左側)がN極、他端側(図中右側)がS極となるように磁化されることになる。
【0063】
さらに、図6は、1本の磁気バーMb(例えば磁気バーMb0)をMICRヘッド21で読み取ったときの磁気情報リード値のレベルの時間的な変化を示すグラフである。このグラフには、磁気バーMbの長手方向に対する、MICRヘッド21のリード軸21aの傾きが0°の場合(図5(A)の場合)に得られた磁気情報リード値のレベルと、±1°の場合に得られた磁気情報リード値のレベルと、±2°の場合(図5(B)の場合)に得られた磁気情報リード値のレベルとが示されている。
【0064】
このグラフに示すように、磁気情報リード値のピークレベルは、磁気バーMbの長手方向に対する、MICRヘッド21の傾きが0°の場合(図5(A)の場合)に最も大きくなり、この傾きが±1°、±2°と大きくなるにつれて小さくなる。この理由は、磁気バーMbの長手方向に対する、MICRヘッド21の傾きが0°の場合、磁気バーMbの磁界方向とMICRヘッド21のギャップ方向とが直交してMICRヘッド21が読み取る磁界の時間的な変化量が最も大きくなり、この傾きが±1°、±2°と大きくなるにつれて、MICRヘッド21が読み取る磁界の時間的な変化量が小さくなるからである。このように、磁気情報リード値のピークレベルは、磁気バーMbの長手方向と、MICRヘッド21のリード軸21aとが平行な場合に、最も大きくなる。
【0065】
尚、図6のグラフに示すように、磁気情報リード値のピークレベルは、磁気バーMbのS極側とN極側との2箇所に正負反転した状態で現れる。ゆえに、これら2箇所のピークレベルのうちの一方の絶対値、もしくは2箇所のピークレベルの絶対値の平均値を、磁気バーMbから得られた磁気情報リード値のピークレベルとする。また、本実施の形態では、図6のグラフに示すように、磁気情報リード値が、先に正の値となり、その後、負の値となるように変化するが、磁気バーMbの磁界方向や、磁気情報変換部50の変換処理を変更することで、図6のグラフとは反対に、磁気情報リード値が、先に負の値となり、その後、正の値となるように変化するようになっていてもよい。
【0066】
また一方で、図3(B)に示すように、アジマス測定用媒体P1には、基準となる傾き0°の磁気バーMb0、傾き+1°の磁気バーMb+1、傾き−1°の磁気バーMb−1、傾き+2°の磁気バーMb+2、傾き−2°の磁気バーMb−2の計5パターンの磁気バーMbが印字されている。各磁気バーMb(Mb0、Mb+1、Mb−1、Mb+2、Mb−2)の傾きは、それぞれMICRヘッド21のアジマスのずれ量に対応している。
【0067】
つまり、MICRヘッド21のアジマスのずれ量が0°の場合(MICRヘッド21のアジマスが規定値の場合)、基準となる傾き0°の磁気バーMb0の長手方向と、MICRヘッド21のリード軸21aとが平行になる。この場合、5パターンの磁気バーMbのそれぞれから得られた磁気情報リード値のピークレベルのうち、磁気バーMb0から得られたピークレベルが最も大きくなる。
【0068】
また、例えば、アジマスのずれ量が−2°の場合、傾き−2°の磁気バーMb−2の長手方向と、MICRヘッド21のリード軸21aとが平行になる。この場合、5パターンの磁気バーMbのそれぞれから得られた磁気情報リード値のピークレベルのうち、磁気バーMb−2から得られたピークレベルが最も大きくなる。
【0069】
このような、MICRヘッド21のアジマスのずれ量と、磁気情報リード値のピークレベルとの関係を、図7のグラフに示す。このグラフに示すように、磁気バーMbから得られる磁気情報リード値のピークレベルは、MICRヘッド21のアジマスのずれ量(−2°〜+2°)と、磁気バーMbの傾き(−2°〜+2°)とが近いほど、大きくなる。
【0070】
つまり、傾きが異なる5パターンの磁気バーMbのうち、磁気情報リード値のピークレベルが最大となる磁気バーMbを特定できれば、MICRヘッド21のアジマスのずれ量を検出できる。よって、制御部3では、各磁気バーMbから得られる磁気情報リード値のピークレベルをもとに、ピークレベルが最大となる磁気バーMbを特定することで、アジマスのずれ量を検出するようになっている。
【0071】
ここで、図8に示すフローチャートを用いて、アジマスのずれ量を検出する処理手順(これをアジマス検出処理手順と呼ぶ)について説明する。尚、このアジマス検出処理手順は、制御部3が主体となって実行する処理であり、MICRヘッド21によるアジマス測定用媒体P1に印字された磁気バーMbの読み取りが完了した後に実行される処理である。
【0072】
ステップSP1において、制御部3の磁気情報レベル解析部52は、MICRヘッド21により各磁気バーMbから得られた磁気情報リード値をもとに、磁気バーMbごとのピークレベルを抽出する。さらに、磁気情報レベル解析部52は、磁気バーMbごとに抽出したピークレベルを、磁気バーMbの傾きごとに平均化することで、磁気バーMb0、Mb+1、Mb−1、Mb+2、Mb−2のそれぞれについてのピークレベルを得る。
【0073】
尚、磁気情報レベル解析部52では、アジマス測定用媒体P1の長手方向における各磁気バーMbの位置と、アジマス測定用媒体P1の搬送速度と、磁気情報リード値の取得タイミングとをもとに、磁気情報リード値が、どの磁気バーMbから得られたものか特定できるようになっている。
【0074】
つづくステップSP2において、磁気情報レベル解析部52は、磁気バーMb0、Mb+1、Mb−1、Mb+2、Mb−2のそれぞれのピークレベルを比較することで、傾きが異なる5パターンの磁気バーMbのうち、ピークレベルが最大となる磁気バーMbを特定する。このとき、MICRヘッド21のアジマスのずれ量によっては、ピークレベルが最大となる磁気バーMbが2つ特定される場合がある。具体的には、アジマスのずれ量が±0.5°、±1.5°の場合であり、例えば、アジマスのずれ量が+0.5°の場合、傾き0°の磁気バーMb0から得られたピークレベルと、傾き+1°の磁気バーMb+1から得られたピークレベルとが、同等且つ最大となる。尚、ここでは、例えば、2つのピークレベルの差が、所定値以下である場合に、2つのピークレベルを同等とみなすようになっている。
【0075】
つづくステップSP3において、アジマスずれ量検出部53は、ピークレベルが最大となる磁気バーMbの傾きを、MICRヘッド21のアジマスのずれ量とする。ここで、ピークレベルが最大となる磁気バーMbが2つ特定されている場合、アジマスずれ量検出部53は、特定された2つの磁気バーMbの傾きの中間値を、アジマスのずれ量とする。例えば、特定された2つの磁気バーMbの傾きが+1°と+2°であった場合、これらの中間値である+1.5°を、アジマスのずれ量とする。
【0076】
つづくステップSP4において、アジマスずれ量検出部53は、MICRヘッド21のアジマスのずれ量をもとに、MICRヘッド21の角度調整量を算出する。具体的には、アジマスのずれ量の符号を反転した量を、角度調整量とする。この理由は、MICRヘッド21のアジマスのずれ量=MICRヘッド21の取付角度のずれ量であり、アジマスのずれ量が+1°である場合、MICRヘッド21の取付角度をアジマスのずれ量とは逆方向に1°調整すれば、アジマスのずれ量が0°となるからである。
【0077】
つづくステップSP5において、制御部3は、アジマスのずれ量と、角度調整量とを、例えば、小切手受付装置の表示部に表示させる。作業員は、表示部に表示された角度調整量に合わせてMICRヘッド21の取付角度を調整することで、MICRヘッド21のアジマスを規定値(90°)に調整する。具体的には、作業員は、例えば、角度調整量を入力することでMICRヘッド21の取付角度を調整することができる専用の器具を有していて、この器具に角度調整量を入力することによりMICRヘッド21のアジマス調整を行う。アジマス検出処理手順は、以上のようになっている。
【0078】
尚、アジマス測定用媒体P1については、MICRヘッド21での読取完了後、エスクロ部14に一時的に保留した後、エスクロ部14から繰り出して受渡口10Bまで戻して作業員に返還してもよいし、エスクロ部14から繰り出してリトラクト部15に収納させてもよい。
【0079】
[1−6.まとめと効果]
ここまで説明したように、第1の実施の形態では、アジマス測定用媒体P1の表面に、MICRヘッド21のアジマスのずれ量が0°のときのギャップ方向と平行になる磁気バーMb0と、MICRヘッド21のアジマスのずれ量が+1°のときのギャップ方向と平行になるよう、磁気バーMb0に対して+1°傾けられた磁気バーMb+1と、アジマスのずれ量が−1°のときのギャップ方向と平行になるよう、磁気バーMb0に対して−1°傾けられた磁気バーMb−1と、アジマスのずれ量が+2°のときのギャップ方向と平行になるよう、磁気バーMb0に対して+2°傾けられた磁気バーMb+2と、アジマスのずれ量が−2°のときのギャップ方向と平行になるよう、磁気バーMb0に対して−2°傾けられた磁気バーMb−2とを印字するようにした。
【0080】
一方、小切手処理機1は、このアジマス測定用媒体P1に印字された各磁気バーMb(Mb0、Mb+1、Mb−1、Mb+2、Mb−2)を、MICRヘッド21で読み取ることで磁気情報リード値を得る。そして、小切手処理機1は、各磁気バーMbから得られた磁気情報リード値のピークレベルをもとに、ピークレベルが最大となる磁気バーMbを特定して、特定した磁気バーMbの傾きを、アジマスのずれ量として検出するようにした。
【0081】
これにより、小切手処理機1は、MICRヘッド21のアジマスのずれ量を測定する測定器を、スキャナ部13の内部に挿入するようなことなく、MICRヘッド21のアジマスのずれ量を容易且つ正確に検出できるので、測定器によりアジマスのずれ量を測定するときのような測定ミスをなくして、容易且つ正確にMICRヘッド21のアジマス調整を行うことができる。
【0082】
また、小切手処理機1では、検出したアジマスのずれ量をもとに、アジマスを規定値に調整するためのMICRヘッド21の角度調整量を得、これを表示部に表示するようにしたことにより、作業員に対して、MICRヘッド21のアジマス調整を容易に行わせることができる。
【0083】
さらに、小切手処理機1では、例えば、MICRヘッド21が小切手処理機1に対して着脱可能なユニットに取り付けられるようになっていて、このユニットを小切手処理機1に取り付ける際に、MICRヘッド21のアジマスが規定値からずれてしまうような場合でも、ユニットを取り付けた後に、アジマス測定用媒体P1を利用してMICRヘッド21のアジマス調整を容易且つ正確に行うことができる。
【0084】
さらに、この第1の実施の形態では、アジマス測定用媒体P1に、傾きが異なる磁気バーMb0、Mb+1、Mb−1、Mb+2、Mb−2をそれぞれ複数本設けるようにした。そして、小切手処理機1が、各磁気バーMbから得られた磁気情報リード値のピークレベルを、磁気バーMb0、Mb+1、Mb−1、Mb+2、Mb−2ごとに平均化した平均ピークレベルを用いるようにした。こうすることで、小切手処理機1では、磁気バーMb0、Mb+1、Mb−1、Mb+2、Mb−2のそれぞれについて、得られるピークレベルのばらつきを抑制することができる。
【0085】
[2.第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、第1の実施の形態の小切手処理機1に、MICRヘッド21のアジマスを自動調整する機能(これをアジマス自動調整機能と呼ぶ)を追加した実施の形態である。ゆえに、ここでは、小切手処理機1の構成及び動作のうち、アジマス自動調整機能に関わる構成及び動作についてのみ説明する。
【0086】
[2−1.MICRヘッドのアジマス調整機構]
まず、図9を用いて、MICRヘッド21のヘッド角度調整機構100について説明する。ヘッド角度調整機構100は、MICRヘッド21を回転可能に支持するステージ101と、ステージ101を回転させるステージ回転用モータ102とで構成される。このヘッド角度調整機構100は、ステージ回転用モータ102によりステージ101を回転させることで、MICRヘッド21の取付角度(つまりアジマス)を自動で調整できるようになっている。尚、このヘッド角度調整機構100は、一例であり、ヘッド角度調整機構100とは異なる機構を用いて、MICRヘッド21の取付角度を調整するようにしてもよい。
【0087】
[2−2.小切手処理機の機能構成]
次に、第2の実施の形態の小切手処理機1の機能構成について、図3に対応する図10を用いて説明する。図10に示すように、第2の実施の形態の小切手処理機1の機能構成は、第1の実施の形態の小切手処理機1の機能構成に、ヘッド角度調整部103を追加したものとなっている。ゆえに、ここでは、追加されたヘッド角度調整部103についてのみ説明する。
【0088】
ヘッド角度調整部103は、制御部3による制御のもと、ステージ回転用モータ102を駆動させることで、MICRヘッド21の取付角度(つまりアジマス)を調整する。
【0089】
[2−3.アジマス自動調整処理手順]
次に、アジマス測定用媒体P1を用いて、MICRヘッド21のアジマスのずれ量を検出し、このずれ量をもとに、MICRヘッド21のアジマスを自動調整するアジマス自動調整処理の手順(これをアジマス自動調整処理手順と呼ぶ)について、図11に示すフローチャートを用いて説明する。尚、このアジマス自動調整処理手順は、図8に示した第1の実施の形態のアジマス検出処理手順のステップSP5の処理内容を、後述するステップSP10の処理内容に代えたものである。ゆえに、ここでは、ステップSP10についてのみ説明する。
【0090】
ステップSP10において、制御部3は、ステップSP1からステップSP4までの処理により得られたMICRヘッド21の角度調整量を、ヘッド角度調整部103に送る。ヘッド角度調整部103は、この角度調整量に応じてステージ回転用モータ102を駆動させることで、MICRヘッド21のアジマスが規定値(90°)となるようにMICRヘッド21の取付角度を自動調整する。アジマス自動調整処理手順は、以上のようになっている。
【0091】
[2−4.まとめと効果]
ここまで説明したように、第2の実施の形態では、小切手処理機1に、MICRヘッド21の取付角度を自動で調整可能なヘッド角度調整機構100を設けた。そして、第2の実施の形態の小切手処理機1では、アジマス測定用媒体P1を用いて、MICRヘッド21のアジマスのずれ量を検出して、このずれ量をもとに、MICRヘッド21のアジマスを規定値に調整するための角度調整量を得、この角度調整量をもとに、ヘッド角度調整機構100によりMICRヘッド21の角度調整を自動で行うようにした。
【0092】
このように、第2の実施の形態の小切手処理機1では、アジマス測定用媒体P1を用いて、MICRヘッド21のアジマスのずれ量の検出から、アジマス調整までを全て自動で行うことができるので、第1の実施の形態と比べて一段と容易且つ正確にMICRヘッド21のアジマス調整を行うことができる。
【0093】
[3.第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態は、MICRヘッド21のアジマスのずれ量ではなく、MICRヘッド21の取付位置(以下、これをヘッド位置と呼ぶ)のずれ量を検出するようにした実施の形態である。ゆえに、ここでは、小切手処理機1の構成及び動作のうち、ヘッド位置のずれ量検出に関わる部分についてのみ説明する。
【0094】
すなわち、この第3の実施の形態の小切手処理機1では、小切手Cに印字されている磁気情報MiをMICRヘッド21で正確に読み取ることができるように、例えば小切手受付装置を稼働する前に、作業員がMICRヘッド21のヘッド位置を調整する作業(これをヘッド位置調整作業と呼ぶ)を行うようになっている。
【0095】
ここで、ヘッド位置調整作業について簡単に説明する。図2に示したように、MICRヘッド21で小切手Cの磁気情報Miを正確に読み取るためには、幅寄せ基準面ガイド40からMICRヘッド21の読取幅Lrの中心までの距離L2が、小切手Cの一方の長辺Caから磁気情報Miの中心までの距離L1と等しくなっていることが望ましい。ゆえに、ヘッド位置調整作業では、距離L2=距離L1となるように、第2の搬送路R2の幅方向におけるMICRヘッド21のヘッド位置を調整するようになっている。
【0096】
尚、詳しくは後述するが、第3の実施の形態の小切手処理機1には、図12(A)、(B)に示すヘッド位置測定用媒体P2が用意されている。そして、小切手処理機1では、例えば作業員が小切手受付装置の操作部を介してヘッド位置調整作業を開始する旨を入力し、ヘッド位置測定用媒体P2が受渡口10Bから挿入されると、これをスキャナ部13へと搬送してMICRヘッド21で読み取り、その読取結果をもとに、ヘッド位置の規定置(距離L2=距離L1となる位置)からのずれ量(ずれの大きさと方向)を例えば−2.5mm〜+2.5mm程度の範囲で検出できるようになっている。そして、作業者は、このようにして検出されたヘッド位置の規定値からのずれ量が0となるように、MICRヘッド21のヘッド位置を調整する。
【0097】
[3−1.ヘッド位置測定用媒体の構成]
ここで、図12(A)、(B)を用いて、ヘッド位置測定用媒体P2の構成について説明する。尚、図12(A)は、スキャナ部13内の第2の搬送路R2に沿って搬送されているヘッド位置測定用媒体P2を上側(裏面側)から見た場合の上面図であり、図12(B)は、ヘッド位置測定用媒体P2を表面側から見た場合の部分拡大図である。ヘッド位置測定用媒体P2は、例えば、小切手Cと同型、同サイズの紙葉状となっている。このヘッド位置測定用媒体P2の表面には、一方の長辺P2aの近傍に、磁気情報として、ヘッド位置測定用媒体P2の短手方向(つまり搬送方向と直交する方向)に延びる棒状の磁気バーMxが、ヘッド位置測定用媒体P2の長手方向(つまり搬送方向)に間隔を空けて複数本印字されている。各磁気バーMxは、その長手方向とヘッド位置測定用媒体P2の長手方向とのなす角度が90°となるように印字されている。
【0098】
図12(B)に示すように、ヘッド位置測定用媒体P2に印字される磁気バーMxは、その長手方向の中心が、ヘッド位置測定用媒体P2の長辺P2aから距離L1(すなわち小切手Cの長辺Caから磁気情報Miの中心までの距離)の位置にあり、ヘッド位置測定の基準となる磁気バーMx0と、その長手方向の中心が、基準の磁気バーMx0の長手方向の中心に対して−方向(長辺P2a側)に1mmずれているMx−1と、2mmずれているMx−2と、3mmずれているMx−3と、4mmずれているMx−4と、5mmずれているMx−5と、その長手方向の中心が、基準の磁気バーMx0の長手方向の中心に対して+方向(長辺P2a側とは反対側)に1mmずれているMx+1と、2mmずれているMx+2と、3mmずれているMx+3と、4mmずれているMx+4と、5mmずれているMx+5との計11パターンがあり、各パターンごとに所定数ずつ並べて印字されている。
【0099】
図12(B)に示す例では、ヘッド位置測定用媒体P2の表面に、読取時の搬送方向上流側(図中右側)から、所定数の磁気バーMx+5、所定数の磁気バーMx+4、所定数の磁気バーMx+3、所定数の磁気バーMx+2、所定数の磁気バーMx+1、所定数の磁気バーMx0、所定数の磁気バーMx−1、所定数の磁気バーMx−2、所定数の磁気バーMx−3、所定数の磁気バーMx−4、所定数の磁気バーMx−5の順に印字されている。
【0100】
各磁気バーMxは、それぞれ長手方向の長さがMICRヘッド21の読取幅Lrより短くなっている。具体的には、各磁気バーMxの長手方向の長さLfが例えば3mm、MICRヘッド21の読取幅Lrが例えば8mmとなっている。さらに、各磁気バーMxは、着磁用磁石Mg(図1)によって、磁気バーMxの短手方向が磁界方向となるように磁化されるようになっている。つまり、各磁気バーMxは、着磁用磁石Mgによって、短手方向の一端側がN極、他端側がS極となるように磁化されるようになっている。
【0101】
尚、基準の磁気バーMx0は、MICRヘッド21のヘッド位置が規定値の場合に、その長手方向の中心と、MICRヘッド21の読取幅Lrの中心とが一致する位置に印字されている。
【0102】
[3−2.小切手処理機の機能構成]
次に、第3の実施の形態の小切手処理機1の機能構成について図13を用いて説明する。ここでは、小切手処理機1の機能構成のうち、MICRヘッド21のヘッド位置調整に関わる部分の機能構成についてのみ説明する。図13に示すように、小切手処理機1のヘッド位置調整に関わる機能構成は、MICRヘッド21と、磁気情報変換部50と、制御部3と、搬送部51とで構成されている。ここで、MICRヘッド21、磁気情報変換部50、搬送部51は、第1の実施の形態と同様であり、詳しい説明は省略する。
【0103】
制御部3は、小切手処理機1全体を制御するとともに、磁気情報変換部50から得られた磁気情報リード値のレベル(つまり大きさ)を解析する磁気情報レベル解析部52、及び磁気情報レベル解析部52により解析された磁気情報リード値のレベルをもとに、MICRヘッド21のヘッド位置の規定値からのずれ量を検出するヘッド位置ずれ量検出部200としても機能する。尚、ヘッド位置のずれ量の検出方法については、後述する。
【0104】
[3−3.ヘッド位置のずれ量検出]
次に、ヘッド位置測定用媒体P2を用いて、MICRヘッド21のヘッド位置のずれ量を検出する方法と具体的な処理手順について順に説明する。まず、ヘッド位置測定用媒体P2に印字された磁気バーMxをMICRヘッド21で読み取ったときの磁気情報リード値のレベルと、ヘッド位置のずれ量との関係について説明する。
【0105】
図14(A)に示すように、MICRヘッド21により磁気バーMxを読み取る際に、磁気バーMxの全長Lfのうち、MICRヘッド21の読取幅Lrの内側に入っている部分の長さ(つまり、磁気バーMx全体のうち、MICRヘッド21により読み取ることができる部分の長さであり、以下、読取部分長と呼ぶ)をLiとする。ここで、MICRヘッド21で1本の磁気バーMxを読み取った際の磁気情報リード値のレベルと、磁気バーMxの読取部分長Liとの関係を、図14(B)のグラフに示す。尚、図14(B)に示す磁気情報リード値のレベルは、例えば、磁気情報リード値のピークレベルとする。
【0106】
このグラフに示すように、磁気情報リード値のレベル(つまりピークレベル)は、磁気バーMxの読取部分長Liと比例関係にあり、読取部分長Liが大きくなるほど磁気情報リード値のレベルも大きくなっていき、読取部分長Li=磁気バーMxの全長Lfとなったとき(つまり磁気バーMxの全体がMICRヘッド21の読取幅Lrの内側に入っているとき)に最大となる。この理由は、読取部分長Liが大きくなるほど、MICRヘッド21が読み取る磁界の時間的な変化量が大きくなるからである。このように、磁気情報リード値のレベルは、磁気バーMxの全体がMICRヘッド21の読取幅Lrの内側に入っている場合に最大となり、磁気バーMxの全体のうち読取幅Lrの外側に出ている部分が大きくなるほど、小さくなるようになっている。
【0107】
また一方で、ヘッド位置測定用媒体P2には、基準となる磁気バーMx0、磁気バーMx0に対して+方向に1mm、2mm、3mm、4mm、5mmずれている磁気バーMx+1、Mx+2、Mx+3、Mx+4、Mx+5と、磁気バーMx0に対して−方向に1mm、2mm、3mm、4mm、5mmずれている磁気バーMx−1、Mx−2、Mx−3、Mx−4、Mx−5とが印字されている。
【0108】
ここで、MICRヘッド21のヘッド位置が規定値にある場合、図15(A)に示すように、ヘッド位置測定用媒体P2をMICRヘッド21で読み取る際に、基準となる磁気バーMx0の長手方向の中心と、MICRヘッド21の読取幅Lrの中心とが一致するとともに、読取幅Lrの両端が、それぞれ磁気バーMx+3、Mx−3上を通過するようになっている。つまり、この場合、磁気バーMx0、Mx+1、Mx+2、Mx−1、Mx−2については、全体がMICRヘッド21の読取幅Lrの内側に入る一方で、磁気バーMx+3、Mx+4、Mx+5、Mx−3、Mx−4、Mx−5については、一部がMICRヘッド21の読取幅Lrの外側にはみ出るようになっている。尚、図15(A)では、説明を簡単にするため、磁気バーMx0、Mx+1、Mx+2、Mx+3、Mx+4、Mx+5、Mx−1、Mx−2、Mx−3、Mx−4、Mx−5を、それぞれ1本にまとめている。
【0109】
ゆえに、この場合、磁気バーMx0、Mx+1、Mx+2、Mx−1、Mx−2のそれぞれから得られる磁気情報リード値のレベルは最大値となる一方で、磁気バーMx+3、Mx+4、Mx+5、Mx−3、Mx−4、Mx−5のそれぞれから得られる磁気情報リード値のレベルは、最大値より小さい値となる。また、磁気バーMx+3、Mx+4、Mx+5、Mx−3、Mx−4、Mx−5のそれぞれから得られる磁気情報リード値のレベルは、読取幅Lrの外側にはみ出ている部分が大きいほど、小さくなる。
【0110】
このときの各磁気バーMxから得られる磁気情報リード値のレベルと、各磁気バーMxの基準位置(磁気バーMx0の位置)からのずれ量との関係を、図16のグラフ上に折線Lsで示す。このグラフは、磁気情報リード値のレベルをY軸(図16に示すグラフの縦軸)、磁気バーMxのずれ量をX軸(図16に示すグラフの横軸)とするものであり、折線Lsは、MICRヘッド21のヘッド位置が規定値にある場合の各磁気バーMxから得られる磁気情報リード値のレベルの変化を示している。
【0111】
これに対して、MICRヘッド21のヘッド位置が例えば+方向に1mmずれている場合、図15(B)に示すように、ヘッド位置測定用媒体P2をMICRヘッド21で読み取る際に、基準となる磁気バーMx0の長手方向の中心に対して、MICRヘッド21の読取幅Lrの中心が+方向に1mmずれるとともに、読取幅Lrの両端が、それぞれ磁気バーMx+4、Mx−2上を通過するようになっている。つまり、この場合、磁気バーMx0、Mx+1、Mx+2、Mx+3、Mx−1については、全体がMICRヘッド21の読取幅Lrの内側に入る一方で、磁気バーMx+4、Mx+5、Mx−2、Mx−3、Mx−4、Mx−5については、一部がMICRヘッド21の読取幅Lrの外側にはみ出るようになっている。
【0112】
ゆえに、この場合、磁気バーMx0、Mx+1、Mx+2、Mx+3、Mx−1のそれぞれから得られる磁気情報リード値のレベルは最大値となる一方で、磁気バーMx+4、Mx+5、Mx−2、Mx−3、Mx−4、Mx−5のそれぞれから得られる磁気情報リード値のレベルは、最大値より小さい値となる。また、磁気バーMx+4、Mx+5、Mx−2、Mx−3、Mx−4、Mx−5のそれぞれから得られる磁気情報リード値のレベルは、読取幅Lrの外側にはみ出ている部分が大きいほど、小さくなる。
【0113】
このときの各磁気バーMxから得られる磁気情報リード値のレベルと、各磁気バーMxの基準位置からのずれ量との関係を、図16のグラフに折線Ldで示す。つまり折線Ldは、MICRヘッド21のヘッド位置が規定値からずれている場合の各磁気バーMxから得られる磁気情報リード値のレベルの変化を示している。
【0114】
このグラフからわかるように、MICRヘッド21のヘッド位置が規定値にある場合の磁気情報リード値のレベルの変化を示す折線(以下、これを基準折線と呼ぶ)Lsと、MICRヘッド21のヘッド位置が規定値からずれている場合の磁気情報リード値のレベルの変化を示す折線Ldとは、同一形状であり、基準折線Lsと折線LdのX軸方向のずれ量が、MICRヘッド21のヘッド位置の規定値からのずれ量と等しくなっている。
【0115】
よって、基準折線Lsに対する折線LdのX軸方向のずれ量を特定できれば、MICRヘッド21のヘッド位置の規定値からのずれ量を検出できる。よって、制御部3では、各磁気バーMxから得られる磁気情報リード値のレベルを、図16に示すグラフ上にプロットすることで折線(以下、これを読取折線と呼ぶ)Ldを得、基準折線Lsに対する読取折線LdのX軸方向のずれ量を特定することで、ヘッド位置のずれ量を検出するようになっている。
【0116】
ここで、図17に示すフローチャートを用いて、ヘッド位置のずれ量を検出する処理手順(これをヘッド位置検出処理手順と呼ぶ)について説明する。尚、このヘッド位置検出処理手順は、制御部3が主体となって実行する処理であり、MICRヘッド21によるヘッド位置測定用媒体P2に印字された磁気バーMxの読み取りが完了した後に実行される処理である。
【0117】
ステップSP20において、制御部3の磁気情報レベル解析部52は、MICRヘッド21により各磁気バーMxから得られた磁気情報リード値をもとに、磁気バーMxごとのピークレベルを抽出する。さらに、磁気情報レベル解析部52は、磁気バーMxごとに抽出したピークレベルを、磁気バーMxのずれ量ごとに平均化することで、11パターンの磁気バーMx0、Mx+1、Mx+2、Mx+3、Mx+4、Mx+5、Mx−1、Mx−2、Mx−3、Mx−4、Mx−5のそれぞれについてのピークレベルを得る。
【0118】
尚、磁気情報レベル解析部52では、ヘッド位置測定用媒体P2の長手方向における各磁気バーMxの位置と、ヘッド位置測定用媒体P2の搬送速度と、磁気情報リード値の取得タイミングとをもとに、磁気情報リード値が、どの磁気バーMxから得られたものか特定できるようになっている。
【0119】
つづくステップSP21において、ヘッド位置ずれ量検出部200は、磁気バーMx0、Mx+1、Mx+2、Mx+3、Mx+4、Mx+5、Mx−1、Mx−2、Mx−3、Mx−4、Mx−5のそれぞれから得られた磁気情報リード値のピークレベルを、図16に示すグラフ上にプロットすることで、ヘッド位置測定用媒体P2から読み取った磁気情報リード値のピークレベルの変化を示す読取折線Ldを得る。
【0120】
つづくステップSP22において、ヘッド位置ずれ量検出部200は、MICRヘッド21のヘッド位置が規定値にある場合の磁気情報リード値のレベルの変化を示す基準折線Lsと、ステップSP21で得られた読取折線Ldとをもとに、ヘッド位置のずれ量を検出する。すなわち、ヘッド位置ずれ量検出部200は、基準折線Lsに対する読取折線LdのX軸方向のずれ量を算出して、これをヘッド位置のずれ量として検出する。
【0121】
具体的に説明すると、ヘッド位置ずれ量検出部200は、読取折線Ldから、磁気情報リード値のレベルが減衰している直線部分(これを減衰直線部分と呼ぶ)の方程式を求める。尚、読取折線Ldには、X軸の+側と−側とに、それぞれ1本ずつ計2本の減衰直線部分が存在する。ゆえに、ヘッド位置ずれ量検出部200は、+側の減衰直線部分の方程式と、−側の減衰直線部分の方程式とを求め、さらにこれらの交点を算出する。この交点のX座標が、現在のMICRヘッド21の読取幅Lrの中心位置を表す。
【0122】
一方、基準折線Lsにおける減衰直線部分の交点のX座標は、MICRヘッド21が規定値にある場合の読取幅Lrの中心位置を表していて、X=0である。よって、読取折線Ldにおける減衰直線部分の交点のX座標は、そのまま現在のMICRヘッド21のヘッド位置の規定値からのずれ量となる。つまり、読取折線Ldにおける減衰直線部分の交点のX座標が+1mmであるならば、このとき、MICRヘッド21のヘッド位置は、規定値から+1mmずれていることを意味する。ヘッド位置ずれ量検出部200は、このようにしてヘッド位置のずれ量を検出する。
【0123】
つづくステップSP23において、ヘッド位置ずれ量検出部200は、MICRヘッド21のヘッド位置のずれ量をもとに、MICRヘッド21の位置調整量を算出する。具体的には、ヘッド位置のずれ量の符号を反転した量を、位置調整量とする。この理由は、ヘッド位置のずれ量が+1mmである場合、MICRヘッド21の取付位置をヘッド位置のずれ量とは逆方向に1mm調整すれば、ヘッド位置のずれ量が0°となるからである。
【0124】
つづくステップSP24において、制御部3は、ヘッド位置のずれ量と、位置調整量とを、例えば、小切手受付装置の表示部に表示させる。作業員は、表示部に表示された位置調整量に合わせてMICRヘッド21のヘッド位置を調整することで、MICRヘッド21のヘッド位置を規定値に調整する。具体的には、作業員は、例えば、位置調整量を入力することでMICRヘッド21のヘッド位置を調整することができる専用の器具を有していて、この器具に位置調整量を入力することによりMICRヘッド21のヘッド位置調整を行う。ヘッド位置検出処理手順は、以上のようになっている。
【0125】
尚、ヘッド位置測定用媒体P2についても、MICRヘッド21での読取完了後、エスクロ部14に一時的に保留した後、エスクロ部14から繰り出して受渡口10Bまで戻して作業員に返還してもよいし、エスクロ部14から繰り出してリトラクト部15に収納させてもよい。
【0126】
[3−4.まとめと効果]
ここまで説明したように、第3の実施の形態では、ヘッド位置測定用媒体P2の表面に、MICRヘッド21のヘッド位置が規定値にある場合の読取幅Lrの中心と、長手方向の中心とが一致する磁気バーMx0と、この磁気バーMx0に対して、ヘッド位置測定用媒体P2の長辺P2a側に、1mm、2mm、3mm、4mm、5mmだけずらして配置された磁気バーMx−1、Mx−2、Mx−3、Mx−4、Mx−5と、磁気バーMx0に対して、長辺P2a側とは反対側に、1mm、2mm、3mm、4mm、5mmだけずらして配置された磁気バーMx+1、Mx+2、Mx+3、Mx+4、Mx+5とを印字するようにした。
【0127】
一方、小切手処理機1は、このヘッド位置測定用媒体P2に印字された各磁気バーMb(Mx0、Mx+1〜Mx+5、Mx−1〜Mx−5)を、MICRヘッド21で読み取ることで磁気情報リード値を得る。そして、小切手処理機1は、各磁気バーMxから得られた磁気情報リード値のレベルをもとに、磁気情報リード値のレベルの変化を示す読取折線Ldを得、MICRヘッド21が規定値にある場合の磁気情報リード値のレベルの変化を示す基準折線Lsに対する、読取折線Ldのずれ量を特定して、特定したずれ量を、ヘッド位置のずれ量として検出するようにした。
【0128】
これにより、小切手処理機1は、MICRヘッド21のヘッド位置のずれ量を測定する測定器を、スキャナ部13の内部に挿入するようなことなく、MICRヘッド21のヘッド位置のずれ量を容易且つ正確に検出できるので、測定器によりヘッド位置のずれ量を測定するときのような測定ミスをなくして、容易且つ正確にMICRヘッド21のヘッド位置調整を行うことができる。
【0129】
また、小切手処理機1では、検出したヘッド位置のずれ量をもとに、ヘッド位置を規定値に調整するための位置調整量を得、これを表示部に表示するようにしたことにより、作業員に対して、MICRヘッド21の位置調整を容易に行わせることができる。
【0130】
さらに、小切手処理機1では、例えば、MICRヘッド21が小切手処理機1に対して着脱可能なユニットに取り付けられるようになっていて、このユニットを小切手処理機1に取り付ける際に、MICRヘッド21のヘッド位置が規定値からずれてしまうような場合でも、ユニットを取り付けた後に、ヘッド位置測定用媒体P2を利用してMICRヘッド21のヘッド位置調整を容易且つ正確に行うことができる。
【0131】
さらに、この第3の実施の形態では、ヘッド位置測定用媒体P2に、ヘッド位置測定用媒体P2の短手方向における位置が異なる磁気バーMx0、Mx+1、Mx+2、Mx+3、Mx+4、Mx+5、Mx−1、Mx−2、Mx−3、Mx−4、Mx−5をそれぞれ複数本設けるようにした。そして、小切手処理機1が、各磁気バーMxから得られた磁気情報リード値のピークレベルを、磁気バーMx0、Mx+1、Mx+2、Mx+3、Mx+4、Mx+5、Mx−1、Mx−2、Mx−3、Mx−4、Mx−5ごとに平均化した平均ピークレベルを用いるようにした。こうすることで、小切手処理機1では、磁気バーMx0、Mx+1、Mx+2、Mx+3、Mx+4、Mx+5、Mx−1、Mx−2、Mx−3、Mx−4、Mx−5のそれぞれについて、得られるピークレベルのばらつきを抑制することができる。
【0132】
[4.第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態は、第3の実施の形態の小切手処理機1に、MICRヘッド21のヘッド位置を自動調整する機能(これをヘッド位置自動調整機能と呼ぶ)を追加した実施の形態である。ゆえに、ここでは、小切手処理機1の構成及び動作のうち、ヘッド位置自動調整機能に関わる構成及び動作についてのみ説明する。
【0133】
[4−1.MICRヘッドのヘッド位置調整機構]
まず、図18を用いて、MICRヘッド21のヘッド位置調整機構300について説明する。ヘッド位置調整機構300は、MICRヘッド21を第2の搬送路R2の幅方向に移動可能に支持するステージ301と、ステージ301を移動させるステージ移動用モータ302とで構成される。このヘッド位置調整機構300は、ステージ移動用モータ302によりステージ301を移動させることで、MICRヘッド21の取付位置を自動で調整できるようになっている。尚、このヘッド位置調整機構300は、一例であり、ヘッド位置調整機構300とは異なる機構を用いて、MICRヘッド21の取付位置を調整するようにしてもよい。
【0134】
[4−2.小切手処理機の機能構成]
次に、第4の実施の形態の小切手処理機1の機能構成について、図13に対応する図19を用いて説明する。図19に示すように、第4の実施の形態の小切手処理機1の機能構成は、第3の実施の形態の小切手処理機1の機能構成に、ヘッド位置調整部303を追加したものとなっている。ゆえに、ここでは、追加されたヘッド位置調整部303についてのみ説明する。
【0135】
ヘッド位置調整部303は、制御部3による制御のもと、ステージ移動用モータ302を駆動させることで、MICRヘッド21のヘッド位置を調整する。
【0136】
[4−3.ヘッド位置自動調整処理手順]
次に、ヘッド位置測定用媒体P2を用いて、MICRヘッド21のヘッド位置のずれ量を検出して、このずれ量をもとに、MICRヘッド21のヘッド位置を自動調整するヘッド位置自動調整処理の手順(これをヘッド位置自動調整処理手順と呼ぶ)について、図20に示すフローチャートを用いて説明する。尚、このヘッド位置自動調整処理手順は、図17に示した第3の実施の形態のヘッド位置検出処理手順のステップSP24の処理内容を、後述するステップSP30の処理内容に代えたものである。ゆえに、ここでは、ステップSP30についてのみ説明する。
【0137】
ステップSP30において、制御部3は、ステップSP20からステップSP23までの処理により得られたMICRヘッド21の位置調整量を、ヘッド位置調整部303に送る。ヘッド位置調整部303は、この位置調整量に応じてステージ移動用モータ302を駆動させることで、MICRヘッド21のヘッド位置が規定値となるように、MICRヘッド21のヘッド位置を自動調整する。ヘッド位置自動調整処理手順は、以上のようになっている。
【0138】
[4−4.まとめと効果]
ここまで説明したように、第4の実施の形態では、小切手処理機1に、MICRヘッド21のヘッド位置を自動で調整可能なヘッド位置調整機構300を設けた。そして、第4の実施の形態の小切手処理機1では、ヘッド位置測定用媒体P2を用いて、MICRヘッド21のヘッド位置のずれ量を検出して、このずれ量をもとに、MICRヘッド21のヘッド位置を規定値に調整するための位置調整量を得、この位置調整量をもとに、ヘッド位置調整機構300によりMICRヘッド21の位置調整を自動で行うようにした。
【0139】
このように、第4の実施の形態の小切手処理機1では、ヘッド位置測定用媒体P2を用いて、MICRヘッド21のヘッド位置のずれ量の検出から、ヘッド位置の調整までを全て自動で行うことができるので、第3の実施の形態と比べて一段と容易且つ正確にMICRヘッド21の位置調整を行うことができる。
【0140】
[5.他の実施の形態]
[5−1.他の実施の形態1]
尚、上述した第1及び第2の実施の形態では、各磁気バーMbから得られる磁気情報リード値のピークレベルをもとに、アジマスのずれ量を検出するようにしたが、第1及び第2の実施の形態で採用した方法とは異なる方法で、磁気情報リード値のピークレベルをもとにアジマスのずれ量を検出するようにしてもよい。
【0141】
例えば、図7のグラフに示すように、各磁気バーMbから得られる磁気情報リード値のピークレベルは、最大値を頂点として左右対称な山状に変化するようになっている。よって、例えば、傾き0°の磁気バーMb0から得られるピークレベルが最大となる場合、傾き−1°の磁気バーMb−1から得られるピークレベルと、傾き+1°の磁気バーMb+1から得られるピークレベルが同等になる。
【0142】
この現象を利用して、アジマスずれ量検出部53が、各磁気バーMbから得られる磁気情報リード値のピークレベルをもとに、磁気情報リード値のピークレベルが同等となる磁気バーMbの傾きを2つ特定し、その傾きの中間値(この中間値がピークレベルが最大の傾きとなる)をアジマスのずれ量として検出するようにしてもよい。尚、この場合、図7のグラフからわかるように、例えば、ピークレベルが最大となる磁気バーMbの傾きが+2°である場合、ピークレベルが同等となる磁気バーMbの傾きを2つ特定するには、磁気バーMbの傾きが+3°の場合のピークレベルが必要になってくる。ゆえに、2つの傾きのアジマスの調整範囲よりも、磁気バーMbの傾きの範囲を広くすることが望ましい。例えば、アジマスの調整範囲が90°±2°の場合、磁気バーMbの傾きの範囲を0°±3°とすればよい。この場合、図は省略するが、アジマス測定用媒体P1に、傾き+3°の磁気バーMbと、傾き−3°の磁気バーMbを追加すればよい。
【0143】
[5−2.他の実施の形態2]
また、上述した第3及び第4の実施の形態では、各磁気バーMxから得られる磁気情報リード値のレベルをもとに、ヘッド位置のずれ量を検出するようにしたが、第3及び第4の実施の形態で採用した方法とは異なる方法で、磁気情報リード値のレベルをもとにヘッド位置のずれ量を検出するようにしてもよい。
【0144】
例えば、図15(B)に示すように、MICRヘッド21が規定値から+1mmずれている場合、MICRヘッド21の読取幅Lrの−側の端(図中上端)が磁気バーMx−2上を通過する。このとき、磁気バーMx−2の全長Lfのうち、読取幅Lrの内側に入っている読取部分長Liは、磁気バーMx−2から得られた磁気情報リード値のレベルをもとに算出することができる。具体的には、磁気バーMx−2から得られた磁気情報リード値のレベルと、読取幅Lr内に全体が入っている磁気バーMx0から得られた磁気情報リード値のレベルとを比較する。ここで、例えば、磁気バーMx−2から得られたレベルが、磁気バーMx0から得られたレベルの83.33%であったとすると、磁気バーMx−2の全長Lfは3mmであるから、読取部分長Liは、3mm×83.33≒2.5mmとなる。このことから、読取幅Lrの−側の端は、磁気バーMx−2の+側の端(図中下端)から−方向(図中上方向)に2.5mm離れた位置を通過していることがわかる。
【0145】
一方で、MICRヘッド21が規定値にある場合、MICRヘッド21の読取幅Lrの−側の端は、磁気バーMx−2の+側の端から−方向に3.5mm離れた位置を通過する。よって、MICRヘッド21が規定値にある場合の読取幅Lrの端の位置と、磁気情報リード値のレベルから得られた読取幅Lrの端の位置との差分が、ヘッド位置のずれ量となる。すなわち、MICRヘッド21のヘッド位置は、3.5mm−2.5mm=+1mmだけずれていることになる。このように、MICRヘッド21が規定値にある場合の読取幅Lrの端の位置と、磁気情報リード値のレベルから得られた読取幅Lrの端の位置との差分を、ヘッド位置ずれ量検出部200に算出させることで、ヘッド位置のずれ量を検出するようにしてもよい。
【0146】
また、図16のグラフに示すように、磁気情報リード値のレベルの変化を示す読取折線Ldは、+側の減衰直線部分と−側の減衰直線部分が、MICRヘッド21の読取幅Lrの中心を境に左右対称となっていることから、ヘッド位置ずれ量検出部200が、読取折線Ldの+側の減衰直線部分と−側の減衰直線部分から磁気情報リード値のレベルが同等となる磁気バーMbの位置を2つ特定し、その位置の中間値をヘッド位置のずれ量として検出するようにしてもよい。例えば、ヘッド位置が+1mmずれている場合、磁気バーMx0から−方向に3mmずれている磁気バーMx−3のレベルと、+方向に5mmずれている磁気バーMx+5のレベルとが同等になる。このとき、−3mmと+5mmの中間値は+1mmであり、このことからヘッド位置が+1mmずれているとわかる。
【0147】
[5−3.他の実施の形態3]
さらに、上述した第1及び第2の実施の形態では、小切手処理機1が測定用媒体としてのアジマス測定用媒体P1を用いてアジマスのずれ量を検出し、上述した第3及び第4の実施の形態では、小切手処理機1が測定用媒体としてのヘッド位置測定用媒体P2を用いてヘッド位置のずれ量を検出するようにした。これに限らず、図21に示すように、アジマス測定用媒体P1に印字されている磁気バーMbと、ヘッド位置測定用媒体P2に印字されている磁気バーMxの両方が印字された測定用媒体としてのアジマス/ヘッド位置両測定用媒体P3を用いて、小切手処理機1がアジマスのずれ量検出とヘッド位置のずれ量検出の両方を一度にもしくは順番に行うようにしてもよい。
【0148】
図21に示すアジマス/ヘッド位置両測定用媒体P3には、一例として、長手方向の中央部と、一端部と、他端部の3箇所に、それぞれ磁気バーMx0、Mx+1、Mx+2、Mx+3、Mx+4、Mx+5、Mx−1、Mx−2、Mx−3、Mx−4、Mx−5が所定数ずつ並べて印字されている。さらに、このアジマス/ヘッド位置両測定用媒体P3には、長手方向の中央部に印字された磁気バーMxと一端部に印字された磁気バーMxとの間に、磁気バーMb+1、Mb−1が所定数ずつ並べて印字され、中央部に印字された磁気バーMxと他端部に印字された磁気バーMxとの間に、磁気バーMb+2、Mb−2が所定数ずつ並べて印字されている。また、このアジマス/ヘッド位置両測定用媒体P3では、中央部に印字された磁気バーMx0が、磁気バーMb0としての役割を兼ねるようになっている。
【0149】
この場合、小切手処理機1の制御部3には、アジマスずれ量検出部53とヘッド位置ずれ量検出部200の両方の機能を持たせるようにする。そして、制御部3は、アジマス/ヘッド位置両測定用媒体P3に印字された磁気バーMbをMICRヘッド21で読み取り、その読取結果をもとにアジマスのずれ量を検出する。また、制御部3は、アジマス/ヘッド位置両測定用媒体P3に印字された磁気バーMxをMICRヘッド21で読み取り、その読取結果をもとにヘッド位置のずれ量を検出する。尚、アジマスのずれ量の検出方法、及びヘッド位置のずれ量の検出方法については、上述した第1乃至第4の実施の形態、もしくは上述した他の実施の形態1、2で説明した方法を用いればよい。
【0150】
また、アジマス/ヘッド位置両測定用媒体P3を用いて、アジマスのずれ量検出とヘッド位置のずれ量検出を順番に行う場合、制御部3は、例えば、アジマス/ヘッド位置両測定用媒体P3に印字された磁気バーMbをMICRヘッド21で読み取り、その読取結果をもとにアジマスのずれ量を検出する。このとき、制御部3は、アジマス/ヘッド位置両測定用媒体P3のエスクロ部14からバンドル部10へと戻してバンドル部10に退避させる。そして、作業員は、小切手処理機1に対してアジマス調整作業を行う。制御部3は、アジマス調整作業が完了したことを作業員による操作部の操作などにより認識すると、バンドル部10に退避させているアジマス/ヘッド位置両測定用媒体P3をスキャナ部13へと搬送して、今度はアジマス/ヘッド位置両測定用媒体P3に印字された磁気バーMxをMICRヘッド21で読み取り、その読取結果をもとにヘッド位置のずれ量を検出する。そして、作業員は、小切手処理機1に対してヘッド位置調整作業を行う。
【0151】
またこれに限らず、アジマス/ヘッド位置両測定用媒体P3を用いて、小切手処理機1が、アジマスのずれ量検出とヘッド位置のずれ量検出のどちらか一方のみを行うようにしてもよい。さらに、例えば、アジマスのずれ量検出機能しか持たない小切手処理機1が、アジマス/ヘッド位置両測定用媒体P3を用いて、アジマスのずれ量検出のみを行うようにしてもよいし、ヘッド位置のずれ量検出機能しか持たない小切手処理機1が、アジマス/ヘッド位置両測定用媒体P3を用いて、ヘッド位置のずれ量検出のみを行うようにしてもよい。この場合、小切手処理機1側では、アジマス/ヘッド位置両測定用媒体P3上のどの位置に、磁気バーMbもしくは磁気バーMxが印字されているか特定するようになっている。
【0152】
またこれに限らず、小切手処理機1に、MICRヘッド21の取付角度と取付位置の両方を自動で調整可能なヘッド角度/ヘッド位置調整機構(図示せず)を設け、制御部3が、アジマス/ヘッド位置両測定用媒体P3の読取結果から得られたアジマスのずれ量と、ヘッド位置のずれ量とをもとに、ヘッド角度/ヘッド位置調整機構を動作させることで、MICRヘッド21の角度調整と位置調整を自動で行うようにしてもよい。
【0153】
[5−4.他の実施の形態4]
さらに上述した第1及び第2の実施の形態では、アジマス測定用媒体P1に、基準となる第1の磁気バーとしての磁気バーMb0と、基準の磁気バーMb0に対して+方向(搬送方向上流側)に傾けられた第2の磁気バーとしての磁気バーMb+1、Mb+2と、基準の磁気バーMb0に対して−方向(搬送方向下流側)に傾けられた第3の磁気バーとしての磁気バーMb−1、Mb−2との5パターンの磁気バーMbを設けた。これに限らず、アジマス測定用媒体P1には、アジマス調整の範囲にもよるが、少なくとも、基準の磁気バーMbと、基準の磁気バーMbに対して+方向に傾けられた磁気バーMbと、基準の磁気バーMbに対して−方向に傾けられた磁気バーMbとの3パターンが設けられていればよい。例えば、基準の磁気バーMbを1パターンと、基準の磁気バーMbに対して+方向に傾けられた磁気バーMbを3パターンと、基準の磁気バーMbに対して−方向に傾けられた磁気バーMbを3パターンとする計7パターンの磁気バーMbを設けるなどしてもよい。
【0154】
さらに、上述した第1及び第2の実施の形態では、磁気バーMbの傾きを1°ずつずらすようにしたが、これに限らず、例えば、磁気バーMbの傾きをより細かくずらすようにしたり、より大雑把にずらすようにしたりしてもよい。
【0155】
また、上述した第3及び第4の実施の形態では、ヘッド位置測定用媒体P2に、基準となる第4の磁気バーとしての磁気バーMx0と、基準の磁気バーMx0に対して−方向(長辺P2a側)にずらされた第5の磁気バーとしての磁気バーMx−1〜Mx−5と、+方向(長辺P2aとは反対側)にずらされた第6の磁気バーとしての磁気バーMx+1〜Mx+5との11パターンの磁気バーMxを設けた。これに限らず、ヘッド位置測定用媒体P2には、ヘッド位置調整の範囲にもよるが、少なくとも、基準の磁気バーMxと、基準の磁気バーMxに対して−方向にずらされた磁気バーMxと、基準の磁気バーMxに対して+方向にずらされた磁気バーMxとの3パターンが設けられていればよい。例えば、基準の磁気バーMxを1パターンと、基準の磁気バーMxに対して−方向に傾けられた磁気バーMxを3パターンと、基準の磁気バーMxに対して+方向に傾けられた磁気バーMxを3パターンとする計7パターンの磁気バーMxを設けるなどしてもよい。
【0156】
さらに、上述した第1及び第2の実施の形態では、磁気バーMxの位置を1mmずつずらすようにしたが、これに限らず、例えば、磁気バーMxの位置をより細かくずらすようにしたり、より大雑把にずらすようにしたりしてもよい。
【0157】
[5−5.他の実施の形態5]
さらに、上述した第1及び第2の実施の形態では、アジマス測定用媒体P1に印字された磁気バーMb、及びヘッド位置測定用媒体P2に印字された磁気バーMxを、小切手処理機1の内部に設けられた着磁用磁石Mgにより磁化するようにしたが、これに限らず、予めアジマス測定用媒体P1に印字された磁気バーMb、及びヘッド位置測定用媒体P2に印字された磁気バーMxが磁化されていてもよい。アジマス/ヘッド位置両測定用媒体P3についても同様である。
【0158】
[5−6.他の実施の形態6]
さらに、上述した各実施の形態では、本発明を、小切手Cから磁気情報Miを読み取るMICRヘッド21を有する媒体処理装置としての小切手処理機1に適用したが、これに限らず、媒体から磁気情報を読み取る磁気ヘッドを有する媒体処理装置であれば、小切手処理機1とは異なる構成の媒体処理装置にも適用できる。例えば、紙幣から磁気情報を読み取る磁気ヘッドを有する現金自動預け払い機など、小切手C以外の紙葉状の媒体から磁気情報を読み取る磁気ヘッドを備えた媒体処理装置にも適用できる。
【0159】
[5−7.他の実施の形態7]
さらに、上述した各実施の形態では、媒体に記録されている磁気情報を読み取る磁気ヘッドの具体例として、MICRヘッド21を用いたが、このMICRヘッド21は、小切手Cから磁気情報Miを読み取る場合に用いられるものであり、例えば、小切手以外の媒体から磁気情報を読み取る場合には、MICRヘッド21とは異なる磁気ヘッドを用いてもよい。さらに、上述した各実施の形態では、磁気ヘッドの取り付けに関する規定値からのずれ量を検出するずれ量検出部の具体例として、制御部3に含まれるアジマスずれ量検出部53、及びヘッド位置ずれ量検出部200を用いた。これに限らず、例えば、アジマスずれ量検出部53やヘッド位置ずれ量検出部200を、制御部3とは別に設けるなどしてもよい。
【0160】
さらに、上述した各実施の形態では、磁気ヘッドの取付角度を規定値に調整するための角度調整量を算出する角度調整量算出部の具体例として、アジマスずれ量検出部53を用いた。これに限らず、例えば、アジマスずれ量検出部53とは別に、角度調整量算出部を設けるなどしてもよい。さらに、上述した各実施の形態では、磁気ヘッドの取付位置を規定値に調整するための位置調整量を算出する位置調整量算出部の具体例として、ヘッド位置ずれ量検出部200を用いた。これに限らず、例えば、ヘッド位置ずれ量検出部200とは別に、位置調整量算出部を設けるなどしてもよい。
【0161】
[5−8.他の実施の形態8]
さらに、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した第1乃至第4の実施の形態と他の実施の形態の一部または全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【産業上の利用可能性】
【0162】
本発明は、例えば媒体から磁気情報を読み取る磁気ヘッドを備えた様々な媒体処理装置で利用できる。
【符号の説明】
【0163】
1……小切手処理機、3……制御部、13……スキャナ部、21……MICRヘッド、50……磁気情報変換部、51……搬送部、52……磁気情報レベル解析部、53……アジマスずれ量検出部、100……ヘッド角度調整機構、101、301……ステージ、102……ステージ回転用モータ、103……ヘッド角度調整部、200……ヘッド位置ずれ量検出部、300……ヘッド位置調整機構、302……ステージ移動用モータ、Mb、Mx……磁気バー、P1……アジマス測定用媒体、P2……ヘッド位置測定用媒体、P3……アジマス/ヘッド位置両測定用媒体、C……小切手。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】