(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019145282
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/00 20180101AFI20190802BHJP
   F21S 43/00 20180101ALI20190802BHJP
   F21S 45/00 20180101ALI20190802BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20190802BHJP
   F21W 104/00 20180101ALN20190802BHJP
   F21W 105/00 20180101ALN20190802BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20190802BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20190802BHJP
【FI】
   !F21S8/12 253
   !F21S8/12 263
   !F21S8/10 520
   !F21W101:10
   !F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】2018027206
(22)【出願日】20180219
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
【住所又は居所】東京都目黒区中目黒2丁目9番13号
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 卓杜
【住所又は居所】東京都目黒区中目黒2丁目9番13号 スタンレー電気株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】小菅 悠
【住所又は居所】東京都目黒区中目黒2丁目9番13号 スタンレー電気株式会社内
【テーマコード(参考)】
3K243
【Fターム(参考)】
3K243AA08
3K243AB01
3K243AC06
3K243BA07
3K243BB01
3K243BC01
3K243BE08
3K243CA02
3K243CB18
3K243CC05
(57)【要約】
【課題】リフレクタの変形を抑制して所望の配光を得ることができる車両用灯具を提供すること。
【解決手段】ハウジング2とその開口部を覆うアウタレンズ3によって画成された灯室4内に、光源であるLED5,6と、該LED5,6を保持するLED保持ブラケット7と、前記LED5,6から出射する光を反射させるリフレクタ8を収容して成る車両用灯具1において、前記LED保持ブラケット7を前記リフレクタ8に固定し、該LED保持ブラケット7を前記ハウジング2に固定する。又、前記LED保持ブラケット7をエーミング機構11によって前記ハウジング2に傾動可能に固定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングとその開口部を覆うアウタレンズによって画成された灯室内に、光源であるLEDと、該LEDを保持するLED保持ブラケットと、前記LEDから出射する光を反射させるリフレクタを収容して成る車両用灯具において、
前記LED保持ブラケットを前記リフレクタに固定し、該LED保持ブラケットを前記ハウジングに固定したことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記LED保持ブラケットは、その複数箇所が前記リフレクタに固定される垂直なベース板と、該ベース板から前記アウタレンズに向かって水平に延びるLED保持板とで構成され、前記LED保持板が前記リフレクタに上下方向中央部に形成された開口部を貫通し、その貫通した部分の上下面に前記LEDをそれぞれ実装したことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記LED保持ブラケットをエーミング機構によって前記ハウジングに傾動可能に固定したことを特徴とする請求項1又は2記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源としてLED(発光ダイオード)を使用する車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両の前部左右に配置されるヘッドランプ等として使用される車両用灯具には、光源としてLEDを使用するものがある(例えば、特許文献1参照)。斯かる車両用灯具の一例を図4に示す。
【0003】
即ち、図4は従来の車両用灯具の側断面図であり、図示の車両用灯具101は、車両の前部左右に配置されるヘッドランプとして使用されるものであって、ハウジング102とその前面開口部を覆う透明なアウタレンズ103によって画成された灯室104内に、光源である2つのLED105,106と、これらのLED105,106を保持するLED保持ブラケット107と、前記各LED105,106から出射する光を反射させるリフレクタ108を収容して構成されている。
【0004】
上記LED保持ブラケット107は、その上下がネジ109によってリフレクタ108の背面の上下に突設されたボス108Aに固定された垂直なベース板107Aと、該ベース板107Aの上下方向中央から車両前方(図4の左方)に向かって水平に延びるLED保持板107Bとで横T字状に成形されている。
【0005】
又、前記リフレクタ108は、その上下方向中央部に開口部108Bが形成されており、その内面に形成された楕円曲面状の反射面は、開口部108Bを境として上部反射面108aと下部反射面108bとに区画されている。ここで、リフレクタ108の開口部108Bには、LED保持ブラケット107の水平なLED保持板107Bが貫通して車両前方に延びており、その延びた部分の上下面に前記LED105,106がそれぞれ実装されている。
【0006】
そして、リフレクタ108は、エーミング機構(光軸調整機構)111によってハウジング102に固定されている。ここで、エーミング機構111は、当該車両用灯具101の光軸を上下方向に調整するための機構であって、リフレクタ108の背面上部の左右に水平に突設された2つのボス108D(図4には1つのみ図示)に螺着されたボールジョイント112をハウジング102の後壁内面の上部に突設された軸受ボス102Aに回動可能に嵌合するとともに、リフレクタ108の背面下部に突設された横L字状のブラケット108Cに、ハウジング102の後壁下部を貫通するアジャストボルト113を螺合させることによって構成されている。
【0007】
以上のように構成された車両用灯具101において、不図示の電源から上下2つのLED105,106にそれぞれ給電されてこれらのLED105,106が発光すると、各LED105,106から上下に向かってそれぞれ出射する光は、リフレクタ108の上部反射面108aと下部反射面108bでそれぞれ反射して車両前方へと向かい、透明なアウタレンズ102を通過して車両前方へと出射して車両前方を照明する。この場合、車両用灯具101の光軸がエーミング機構111によって調整され、光の上下の出射方向が調整される。即ち、ハウジング102の外部からエーミングボルト113を回せば、このエーミングボルト113が螺合するブラケット108Cがリフレクタ108と共に前後方向に移動するため、リフレクタ108が左右のボールジョイント112を中心として上下に傾動し、これによって当該車両用灯具101からの光の出射方向が上下に調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013−197022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図4に示す従来の車両用灯具101においては、LED保持ブラケット107がリフレクタ108の上下のボス108Aやブラケット108Cとの干渉を避けてリフレクタ108の中央部付近に固定されていたため、このLED保持ブラケット107によるリフレクタ108の変形防止効果が小さく、リフレクタ108の変形によって配光に悪影響が生じる可能性がある。特に、光軸調整時にエーミング機構111を操作すると、操作力がリフレクタ108に直接加わるために該リフレクタ108が変形し、所望の配光が得られない。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、リフレクタの変形を抑制して所望の配光を得ることができる車両用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ハウジングとその開口部を覆うアウタレンズによって画成された灯室内に、光源であるLEDと、該LEDを保持するLED保持ブラケットと、前記LEDから出射する光を反射させるリフレクタを収容して成る車両用灯具において、前記LED保持ブラケットを前記リフレクタに固定し、該LED保持ブラケットを前記ハウジングに固定したことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記LED保持ブラケットは、その複数箇所が前記リフレクタに固定される垂直なベース板と、該ベース板から前記アウタレンズに向かって水平に延びるLED保持板とで構成され、前記LED保持板が前記リフレクタに上下方向中央部に形成された開口部を貫通し、その貫通した部分の上下面に前記LEDをそれぞれ実装したことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記LED保持ブラケットをエーミング機構によって前記ハウジングに傾動可能に固定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、リフレクタに固定されたLED保持ブラケットをハウジングに固定することによって、リフレクタをLED保持ブラケットを介してハウジングに固定するようにしたため、LED保持ブラケットをリフレクタの中央部から離れた端部付近に固定することができる。この結果、LED保持ブラケットによるリフレクタの変形防止効果が高められ、リフレクタの変形が抑制されて所望の配光が得られることとなる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、リフレクタの上下方向中央部に形成された開口部によって該リフレクタの剛性が低くなって当該リフレクタが変形し易くなるが、このリフレクタの剛性がLED保持ブラケットによって高められるため、該リフレクタの変形が抑制されて所望の配光が得られる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、LED保持ブラケットをエーミング機構によってハウジングに固定したため、光軸調整時のエーミング機構の操作力がLED保持ブラケットに作用するだけで、リフレクタには操作力が直接作用することがない。このため、操作力によるリフレクタの変形が抑制されて所望の配光が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る車両用灯具のアウタレンズを取り外した状態の正面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明に係る車両用灯具のアウタレンズを省略して示す分解斜視図である。
【図4】従来の車両用灯具の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明に係る車両用灯具のアウタレンズを取り外した状態の正面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は同車両用灯具のアウタレンズを省略して示す分解斜視図であり、図示の車両用灯具1は、車両の前部左右に配置されるヘッドランプとして使用されるものであって、その基本構成は左右で同じであるため、以下、一方の車両用灯具1についてのみ図示及び説明する。
【0020】
図示の車両用灯具1は、車両の前部左右に配置されるヘッドランプとして使用されるものであって、図2に示すように、ハウジング2とその前面開口部を覆う透明なアウタレンズ3によって画成された灯室4内に、光源である2つのLED5,6と、これらのLED5,6を保持するLED保持ブラケット7と、前記各LED5,6からそれぞれ出射する光を反射させるリフレクタ8を収容して構成されている。
【0021】
上記ハウジング2は、光不透過性の樹脂によって矩形ボックス状に一体成形されており、その開口部周縁には凹溝2aが全周に亘って形成されている。そして、このハウジング2の凹溝2aには、前記アウタレンズ3の外周縁が嵌め込まれ、その嵌め込み部をホットメルト等の不図示の接着剤によって接着することによって、該アウタレンズ3がハウジング2に固定され、両者の間に前記灯室4が形成されている。尚、アウタレンズ3は、光透過性の透明樹脂によって一体成形されている。
【0022】
前記LED保持ブラケット7は、熱伝導率の高いアルミニウム等の金属によって構成されており、その上下がネジ9によってリフレクタ8の背面の上下に固定された垂直な矩形のベース板7Aと、該ベース板7Aの上下方向中央から車両前方(図2の左方)に向かって水平に延びるLED保持板7Bとで横T字状に成形されている。ここで、図2及び図3に示すように、リフレクタ8の背面の上下には、四角柱状のボス8Aが車両後方(図2の右方)に向かってそれぞれ水平に突設されており、LED保持ブラケット7のベース板7Aの上下2箇所(リフレクタ8の上下のボス8Aに対応する上下2箇所)に形成された円孔7a(図3参照)に挿通するネジ9(図2参照)をリフレクタ8の上下のボス8Aにねじ込むことによって、LED保持ブラケット7(ベース板7A)の上下がリフレクタ8の背面に突設された上下のボス8Aに固定されている。
【0023】
又、リフレクタ8には、図2及び図3に示すように、その上下方向中央部に横方向(図2の紙面垂直方向)に長い矩形の開口部8Bが形成されており、その内面に形成された楕円曲面状の反射面は、開口部8Bを境として上部反射面(Loビーム用反射面)8aと下部反射面(Hiビーム用反射面)8bとに区画されている。ここで、リフレクタ8の開口部8Bには、LED保持ブラケット7の水平なLED保持板7Bが貫通して車両前方に延びており、その延びた部分の上下面に前記LED5,6がそれぞれ実装されている。ここで、上側のLED5は、その光出射方向が上向きとなるように実装され、下側のLED6は、その光出射方向が下向きとなるように実装されている。又、図2に示すように、LED保持ブラケット7のLED保持板7Bの前端近傍には、断面コの字状のシェード10が配置されている。
【0024】
そして、リフレクタ8に固定されたLED保持ブラケット7は、エーミング機構(光軸調整機構)11によってハウジング2に固定されている。ここで、エーミング機構11は、当該車両用灯具1の光軸を上下方向に調整するための機構であって、LED保持ブラケット7のベース板7Aの背面の上部左右に車両後方に向かって水平に突設された円柱状のボス7b(図3参照)にそれぞれ螺着されたボールジョイント12をハウジング2の後壁内面の上部左右(ボールジョイント12に対応する左右2箇所)に突設された軸受ボス2A(図2には1つのみ図示)に回動可能に嵌合させるとともに、ベース板7Aの背面下部に突設された四角柱状のボス7cに、ハウジング2の後壁下部(ボス7cに対応する箇所)に形成された円孔2bを水平に貫通するアジャストボルト13を螺合させることによって構成されている。従って、本実施の形態に係る車両用灯具1においては、リフレクタ8は、LED保持ブラケット7を介してエーミング機構11によってハウジング2に固定されている。
【0025】
以上のように構成された車両用灯具1において、不図示の電源から上下2つのLED5,6にそれぞれ給電されてこれらのLED5,6が発光すると、各LED5,6から上下に向かってそれぞれ出射する光は、リフレクタ8の上部反射面8aと下部反射面8bでそれぞれ反射して車両前方へと向かい、透明なアウタレンズ3を通過して車両前方へと出射して車両前方を照明する。この場合、必要な場合は車両用灯具1の光軸がエーミング機構11によって調整され、光の上下の出射方向が調整される。即ち、ハウジング2の外部からエーミングボルト13を回せば、このエーミングボルト13が螺合するLED保持ブラケット7のボス7cがリフレクタ8と共に前後方向に移動するため、リフレクタ8が左右のボールジョイント12を中心として上下に傾動し、これによって当該車両用灯具1からの光の出射方向が上下に調整される。
【0026】
而して、本発明に係る車両用灯具1によれば、リフレクタ8に固定されたLED保持ブラケット7をハウジング2に固定することによって、リフレクタ8をLED保持ブラケット7を介してハウジング2に固定するようにしたため、LED保持ブラケット7に突設された上下のボス7b,7cとの干渉を考慮することなくボス8Aをリフレクタ8の背面の中央部から離れた上下の位置に配置することができる。このため、LED保持ブラケット7をリフレクタ8の中央部から離れた端部付近の上下に固定することができる。この結果、LED保持ブラケット7によるリフレクタ8の変形防止効果が高められ、リフレクタ8の変形が抑制されて所望の配光が得られることとなる。特に、本実施の形態に係る車両用灯具1においては、リフレクタ8の上下方向中央部に形成された開口部8Bによって該リフレクタ8の剛性が低くなって当該リフレクタ8が変形し易くなるが、このリフレクタ8の剛性がLED保持ブラケット7によって高められるため、該リフレクタ8の変形が抑制されて所望の配光が得られる。
【0027】
又、本実施の形態においては、LED保持ブラケット7をエーミング機構11によってハウジング2に固定したため、光軸調整時のエーミング機構11の操作力がLED保持ブラケット7に作用するだけで、リフレクタ8には操作力が直接作用することがない。このため、操作力によるリフレクタ8の変形が抑制されて所望の配光が得られる。
【0028】
尚、以上は本発明を車両の前部左右に配置されるヘッドランプとして使用される車両用灯具に対して適用した形態について説明したが、本発明は、LEDを光源として使用する他の任意の車両用灯具に対しても同様に適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0029】
1 車両用灯具
2 ハウジング
2A 軸受ボス
3 アウタレンズ
4 灯室
5,6 LED
7 LED保持ブラケット
7A LED保持ブラケットのベース板
7B LED保持ブラケットのLED保持板
7a LED保持ブラケットの円孔
7b,7c LED保持ブラケットのボス
8 リフレクタ
8A リフレクタのボス
8B リフレクタの開口部
8a リフレクタの上部反射面
8b リフレクタの下部反射面
9 ネジ
10 シェード
11 エーミング機構
12 ボールジョイント
13 アジャストスクリュー
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】