(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019145408
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】蓄電装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20190802BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20190802BHJP
   H01M 2/08 20060101ALI20190802BHJP
   H01G 11/86 20130101ALI20190802BHJP
   H01G 11/80 20130101ALI20190802BHJP
【FI】
   !H01M10/04 Z
   !H01M2/02 K
   !H01M2/08 K
   !H01G11/86
   !H01G11/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】2018029999
(22)【出願日】20180222
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
【住所又は居所】愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】竹中 泰亮
【住所又は居所】愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会社豊田自動織機内
(72)【発明者】
【氏名】秋山 泰有
【住所又は居所】愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会社豊田自動織機内
(72)【発明者】
【氏名】弘瀬 貴之
【住所又は居所】愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会社豊田自動織機内
【テーマコード(参考)】
5E078
5H011
5H028
【Fターム(参考)】
5E078AA12
5E078AA14
5E078AB02
5E078EA12
5E078EA14
5H011AA09
5H011CC02
5H011DD03
5H011DD07
5H011DD13
5H011FF02
5H011GG01
5H011HH02
5H011JJ02
5H011JJ25
5H028AA01
5H028BB01
5H028BB04
5H028BB05
5H028CC02
5H028CC19
5H028EE06
(57)【要約】
【課題】蓄電装置の品質を向上できる蓄電装置の製造方法を提供できる。
【解決手段】溶着工程S13では、電極板15及び一次封止体21に熱を付与する熱付与部材61を電極板15の少なくとも一部の外周縁15dの位置に配置させる。このような構成によれば、電極板15の外周縁15dに切断時にバリEが形成されていた場合、プレス時に熱付与部材61がバリEを押し潰すことができる。従って、熱付与部材61がバリEを押し潰すことで、バリEによる一次封止体21への影響を抑制できる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方面に正極が形成され、他方面に負極が形成された電極板からなるバイポーラ電極を有する蓄電装置の製造方法であって、
前記電極板の縁部に沿って封止体を積層させてプレスすることで、前記封止体を前記電極板に溶着させる溶着工程、を備え、
前記溶着工程では、前記電極板及び前記封止体に熱を付与する熱付与部材を前記電極板の少なくとも一部の外周縁の位置に配置させる、蓄電装置の製造方法。
【請求項2】
前記電極板は、前記一方面及び前記他方面のうち一方から切断具を押し付けて母材を切断することによって形成され、
前記溶着工程では、前記一方面及び前記他方面の前記一方に前記封止体を積層させる、請求項1に記載の蓄電装置の製造方法。
【請求項3】
前記熱付与部材は平面を有し、当該平面と前記電極板の前記外周縁とを当接させる、請求項1又は2に記載の蓄電装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の蓄電装置として、バイポーラ電極を備えたバイポーラ電池が知られている(例えば特許文献1参照)。バイポーラ電極とは、電極板の一方面に正極が形成され、他方面に負極が形成された電極である。バイポーラ電極の縁部には封止体が積層される。この封止体により、複数のバイポーラ電極を積層させたときに、各バイポーラ電極間の封止がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−190713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バイポーラ電極の電極板は、母材を所望の形状に切断することによって形成される。母材を切断すると、切断部分に係る電極板の外周縁にバリが形成される場合がある。バイポーラ電極を積層すると、電極板は他のバイポーラ電極の封止体に当接する。このとき、電極板のバリが封止体と当接することで、局所的に積層厚みが厚くなることや、封止体にダメージが及ぼされることなどの問題が生じる場合がある。これにより蓄電装置の品質が低下するという問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、蓄電装置の品質を向上できる蓄電装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る蓄電装置の製造方法は、一方面に正極が形成され、他方面に負極が形成された電極板からなるバイポーラ電極を有する蓄電装置の製造方法であって、電極板の縁部に沿って封止体を積層させてプレスすることで、封止体を電極板に溶着させる溶着工程、を備え、溶着工程では、電極板及び封止体に熱を付与する熱付与部材を電極板の少なくとも一部の外周縁の位置に配置させる。
【0007】
この蓄電装置の製造方法では、電極板の縁部に沿って封止体を積層させてプレスすることで、封止体を電極板に溶着させる溶着工程、を備えている。このような封止体は、バイポーラ電極を複数積層させた場合に、各バイポーラ電極間を封止する。ここで、溶着工程では、電極板及び封止体に熱を付与する熱付与部材を電極板の少なくとも一部の外周縁の位置に配置させる。このような構成によれば、電極板の外周縁に切断時にバリが形成されていた場合、プレス時に熱付与部材がバリを押し潰すことができる。従って、バイポーラ電極を積層させたときに、電極板の外周縁のバリが他のバイポーラ電極に溶着された封止体に影響を及ぼすことを抑制できる。以上により、蓄電装置の品質を向上できる。
【0008】
また、蓄電装置の製造方法において、電極板は、一方面及び他方面のうち一方から切断具を押し付けて母材を切断することによって形成され、溶着工程では、一方面及び他方面の一方に封止体を積層させてよい。この場合、電極板の外周縁には、切断具が押し付けられる面とは反対側の面から突出するようなバリが形成され易い。従って、一方面及び他方面の一方の面にはバリが突出していないため、封止体をバリが突出していない方の面に積層することができる。これにより、熱付与部材は、封止体とは反対側にて、バリを押し潰すことができる。
【0009】
また、蓄電装置の製造方法において、熱付与部材は平面を有し、当該平面と電極板の外周縁とを当接させてよい。これにより、熱付与部材は、平面にてバリと当接するため、バリを押し潰し易くなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、蓄電装置の品質を向上できる蓄電装置の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】蓄電装置の一実施形態を示す概略断面図である。
【図2】蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。
【図3】封止体の構成を示す概略断面図である。
【図4】蓄電装置の製造方法の流れを示すフロー図である。
【図5】蓄電装置の製造方法を説明するための概念図である。
【図6】蓄電装置の製造方法を説明するための概念図である。
【図7】蓄電装置の製造方法を説明するための概念図である。
【図8】蓄電装置の製造方法を説明するための概念図である。
【図9】蓄電装置の製造方法を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の一側面に係る電極製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は、蓄電装置の一実施形態を示す概略断面図である。同図に示す蓄電装置1は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置1は、複数の蓄電モジュール4を積層してなる蓄電モジュール積層体2と、蓄電モジュール積層体2に対して積層方向に拘束荷重を付加する拘束部材3とを備えて構成されている。
【0014】
蓄電モジュール積層体2は、複数(本実施形態では3体)の蓄電モジュール4と、蓄電モジュール4,4間に配置された複数の導電板5とによって構成されている。蓄電モジュール4は、例えば後述するバイポーラ電極14を備えたバイポーラ電池であり、積層方向から見て矩形状をなしている。蓄電モジュール4は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池、或いは電気二重層キャパシタである。以下の説明では、ニッケル水素二次電池を例示する。
【0015】
積層方向に隣り合う蓄電モジュール4,4同士は、導電板5を介して電気的に接続されている。導電板5は、積層端に位置する蓄電モジュール4の外側にもそれぞれ配置されている。蓄電モジュールの外側に配置された一方の導電板5には、正極端子6が接続されている。また、蓄電モジュールの外側に配置された他方の導電板5には、負極端子7が接続されている。正極端子6及び負極端子7は、例えば導電板5の縁部から積層方向に交差する方向に引き出されている。正極端子6及び負極端子7により、蓄電装置1の充放電が実施される。
【0016】
各導電板5の内部には、空気等の冷媒を流通させる複数の流路5aが設けられている。各流路5aは、例えば積層方向と、正極端子6及び負極端子7の引き出し方向とにそれぞれ直交する方向に互いに平行に延在している。これらの流路5aに冷媒を流通させることで、導電板5は、蓄電モジュール4,4同士を電気的に接続する接続部材としての機能のほか、蓄電モジュール4で発生した熱を放熱する放熱板としての機能を併せ持つ。なお、図1の例では、積層方向から見た導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積よりも小さいが、放熱性の向上の観点から、導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積と同じであってもよく、蓄電モジュール4の面積よりも大きくてもよい。
【0017】
拘束部材3は、蓄電モジュール積層体2を積層方向に挟む一対のエンドプレート8,8と、エンドプレート8,8同士を締結する締結ボルト9及びナット10とによって構成されている。エンドプレート8は、積層方向から見た蓄電モジュール4及び導電板5の面積よりも一回り大きい面積を有する矩形の金属板である。エンドプレート8の内側面(蓄電モジュール積層体2側の面)には、電気絶縁性を有するフィルムFが設けられている。フィルムFにより、エンドプレート8と導電板5との間が絶縁されている。
【0018】
エンドプレート8の縁部には、蓄電モジュール積層体2よりも外側となる位置に挿通孔8aが設けられている。締結ボルト9は、一方のエンドプレート8の挿通孔8aから他方のエンドプレート8の挿通孔8aに向かって通され、他方のエンドプレート8の挿通孔8aから突出した締結ボルト9の先端部分には、ナット10が螺合されている。これにより、蓄電モジュール4及び導電板5がエンドプレート8,8によって挟持されて蓄電モジュール積層体2としてユニット化されると共に、蓄電モジュール積層体2に対して積層方向に拘束荷重が付加される。
【0019】
次に、蓄電モジュール4の構成について更に詳細に説明する。図2は、蓄電モジュール4の内部構成を示す概略断面図である。同図に示すように、蓄電モジュール4は、電極積層体11と、電極積層体11を封止する封止体12とを備えて構成されている。
【0020】
電極積層体11は、セパレータ13を介して複数のバイポーラ電極14を積層することによって構成されている。バイポーラ電極14は、一方面15a側に正極16が形成され、かつ他方面15b側に負極17が形成された電極板15からなる電極である。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の正極16は、セパレータ13を挟んで積層方向に隣り合う一方のバイポーラ電極14の負極17と対向している。また、電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の負極17は、セパレータ13を挟んで積層方向に隣り合う他方のバイポーラ電極14の正極16と対向している。
【0021】
また、電極積層体11の積層端の一方には、負極終端電極18が配置され、電極積層体11の積層端の他方には、正極終端電極19が配置されている。負極終端電極18は、内面側(積層方向の中心側)に負極17が形成された電極板15であり、正極終端電極19は、内面側(積層方向の中心側)に正極16が形成された電極板15である。負極終端電極18の負極17は、セパレータ13を介して積層端の一方のバイポーラ電極14の正極16と対向している。正極終端電極19の正極16は、セパレータ13を介して積層端の他方のバイポーラ電極14の負極17と対向している。負極終端電極18の電極板15及び正極終端電極19の電極板15は、蓄電モジュール4に隣接する導電板5(図1参照)に対して電気的に接続される。
【0022】
電極板15は、例えばニッケルからなる矩形の金属箔である。電極板15の縁部(バイポーラ電極14の縁部)15cは、正極活物質及び負極活物質の塗工されない未塗工領域となっており、当該未塗工領域は、封止体12に埋没して保持されている。正極16を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。また、負極17を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。本実施形態では、電極板15の他方面15bにおける負極17の形成領域は、電極板15の一方面15aにおける正極16の形成領域に対して一回り大きくなっている。
【0023】
セパレータ13は、例えばシート状に形成されている。セパレータ13を形成する材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。また、セパレータ13は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されたものであってもよい。なお、セパレータ13は、シート状に限られず、袋状のものを用いてもよい。
【0024】
封止体12は、例えば絶縁性の樹脂によって矩形の筒状に形成されている。封止体12を構成する樹脂材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)などが挙げられる。封止体12は、バイポーラ電極14の積層によって形成される電極積層体11の側面11aを取り囲むように構成されている。
【0025】
封止体12は、図2及び図3に示すように、バイポーラ電極14の電極板15の縁部に沿って設けられた一次封止体21と、一次封止体21を包囲するように設けられた二次封止体22とによって構成されている。一次封止体21は、例えば樹脂の射出成形によって形成され、電極板15の一方面15a側の縁部15c(未塗工領域)において、電極板15の全ての辺にわたって連続的に設けられている。一次封止体21は、例えば溶着によって当該縁部15cに対して結合されている。
【0026】
一次封止体21は、積層方向に隣り合うバイポーラ電極14,14間を封止するほか、積層方向に隣り合うバイポーラ電極14,14の電極板15,15間のスペーサとして機能する。電極板15,15間には、一次封止体21の厚さによって規定される内部空間Vが形成され、当該内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液からなる電解液(不図示)が収容されている。なお、図2及び図3の例では、電極板15の一方面15a側にのみ一次封止体21が形成されているが、一次封止体21は、一方面15a及び他方面15b側の双方に形成されていてもよく、電極板15の縁部15cが埋没するように形成されていてもよい。
【0027】
二次封止体22は、例えば樹脂の射出成形によって形成され、電極積層体11における積層方向の全長にわたって延在している。二次封止体22は、例えば射出成型時の熱により、一次封止体21の外表面及び電極板15の縁部15cの端面のそれぞれに対して溶着されている。二次封止体22には、図3に示すように、電極積層体11の外側に突出した肉厚部23が設けられている。肉厚部23は、二次封止体22の他の部分に対して倍程度の厚さを有しており、電極板15の各辺の中央部分に対応して一定の幅で設けられている。
【0028】
続いて、上述した蓄電装置1の製造方法について説明する。
【0029】
図4に示すように、本実施形態に係る蓄電装置1の製造方法は、電極製造工程S1と、電極積層体形成工程S2と、封止体形成工程S3とを含んで構成されている。電極製造工程S1は、バイポーラ電極14を製造する工程である。電極製造工程S1は、一次封止体形成工程S10と、電極形成工程S11と、積層工程S12と、溶着工程S13と、を備える。なお、図5〜図9を適宜参照して製造方法を説明するが、図5〜図9は、製造方法を説明するために、各構成要素の縁部の大きさや重なり具合などがデフォルメされた状態で示されている。
【0030】
一次封止体形成工程S10は、一次封止体21を形成する工程である。一次封止体21を形成する方法は特に限定されない。例えば、図5(a)に示すように、一次封止体21は、樹脂のシート材50を所望の形状に打ち抜くことで形成されてよい。
【0031】
電極形成工程S11は、電極板15を形成する工程である。電極板形図5(b)に示すように、電極板成工程S11では、母材51を切断することで電極板15が形成される。母材51は、長尺な金属箔のシート部材であり、長手方向に沿って等ピッチで正極16及び負極17(図2に示すように電極板15に対し、正極16の反対側の面に形成される)を有している。母材51は、長手方向に隣り合う一対の正極16間の切断ラインCLにて切断される。母材51を切断ラインCLで切断することによって形成される切り口が、電極板15において互いに対向する外周縁15d及び外周縁15eとなる。なお、母材51の側縁は、電極板15において互いに対向する外周縁15f及び外周縁15gとなる。本実施形態では、外周縁15d,15eが電極板15の短辺となり、外周縁15f,15gが電極の長辺となる。
【0032】
電極形成工程S11では、図9に示すように、一方面15aから切断具60を押し付けることで母材51を切断する。切断具60は、母材51の切断ラインCL(図5(b)参照)に沿った刃部を有する。切断具60は、一方面15aから他方面15bへ向かって移動することで、母材51を切断する。このとき、外周縁15d,15eが切断具60によって一方面15aから他方面15bへ押し込まれる。従って、バリEが、外周縁15d,15eに形成される。バリEは、他方面15bから切断方向(切断具60を押し付ける方向)へ突出する。
【0033】
積層工程S12は、バイポーラ電極14の電極板15と一次封止体21とを積層する工程である。積層工程S12では、図6(a)に示すように、一次封止体21は、電極板15の縁部15cを覆うように配置される。一次封止体21の外周縁21aは、電極板15の縁部15cよりも外周側へはみ出るように配置される。一次封止体21の内周縁21bは、電極板15の縁部15cよりも内周側に配置される。一次封止体21は、電極板15の一方面15a側に積層される(図7参照)。
【0034】
溶着工程S13は、電極板15の縁部15cに沿って一次封止体21を積層させてプレスすることで、一次封止体21を電極板15に溶着させる工程である。溶着工程S13では、図6(b)に示すように、電極板15の縁部15cの四方の辺に対して溶着部53が形成される。溶着部53は、四方の辺のうち、電極板15の縁部15cと一次封止体21とが重なる部分に形成される。
【0035】
ここで、図7を参照して、溶着工程S13についてより詳細に説明する。なお、図7においては、紙面の右側が「外周側」に該当し、紙面の左側が「内周側」に該当するものとする。溶着工程S13では、熱付与部材61とプレス部材63とが、一次封止体21及び電極板15を挟み込むことによって、溶着を行う。これにより、一次封止体21のうち、電極板15との間の境界部付近が溶融して溶着部53が形成される(図8(b)参照)。一次封止体21は、電極板15の一方面15a側に積層されている。従って、電極板15の他方面15bは露出した状態となっている。これに対し、熱付与部材61は、電極板15の他方面15bと対向する位置に配置されている。従って、熱付与部材61は、プレス時には、他方面15bと当接する位置に配置されている。熱付与部材61は、電極板15と反対側の面にてベース部材62に支持されている。プレス部材63は、一次封止体21を介して電極板15の一方面15aと対向する位置に配置されている。プレス部材63は、ゴムなどの弾性材料によって構成される。ただし、ベース部材62及び熱付与部材61の硬度が高い場合は、プレス部材63は弾性材料によって構成されていなくともよい。
【0036】
本実施形態では、熱付与部材61は、電極板15及び一次封止体21に熱を付与する熱付与部材61を電極板15の少なくとも一部の外周縁の位置に配置させる。図7では、外周縁15dの位置に熱付与部材61が配置されている。図示されない外周縁15e,15f,15gの位置にも熱付与部材61が配置される。前述のように、外周縁15dには、他方面15bから突出するバリEが形成されている。従って、外周縁15dの下端部は、バリEと共に熱付与部材61と当接する。これにより、プレス時には、バリEは熱付与部材61によって押しつぶされる。
【0037】
熱付与部材61は、溶着のための熱を発生させ、電極板15及び一次封止体21に熱を付与するための部材である。熱付与部材61は、電極板15と接触する接触部としての平面61aを有している。熱付与部材61は、当該平面61aと電極板15の外周縁15dとを当接させる。熱付与部材61は、外周縁15dが延びる方向と同方向(図7の紙面前後方向)に延びている。熱付与部材61は、図6(b)の溶着部53に対応する位置に配置されるように、ベース部材62上に形成される。
【0038】
熱付与部材61の外周縁61bは、電極板15の外周縁15dよりも外周側へはみ出る位置に配置されている。また、熱付与部材61の外周縁61bは、一次封止体21の外周縁21aよりも内周側の位置に配置される。なお、熱付与部材61のうち、一次封止体21と直接接触する部分の面積は、一次封止体21の熱収縮抑制の点から、小さくすることが好ましい。従って、熱付与部材61が外周縁15dから外周側へはみ出る量、すなわち、外周縁15dと外周縁61bとの間の水平方向の寸法L1は、1〜3mm程度に設定される。熱付与部材61の内周縁61cは、外周縁15dよりも内周側に配置される。熱付与部材61は、外周縁15dと内周縁61cとの間の領域にて、電極板15と当接する。熱付与部材61のうち、電極板15と当接する領域の面積は、電極板15からはみ出る領域の面積よりも広くなる。
【0039】
熱付与部材61のうち、電極板15と接触する部分(ここでは平面61a)の硬度は、ビッカース硬さ20HV以上であり、更に100HV以上であることが好ましい。これにより、熱付与部材61は、バリEを十分に押しつぶすことができる。熱付与部材61の構成は特に限定されないが、ヒータの周囲を絶縁部材で覆うことによって構成されてよい。この場合、絶縁部材が厚い(0.2mm以上)構成では平面61aの硬度は絶縁部材が支配的になるため、絶縁部材の硬度が上述の条件を満たせばよい。ヒータとして、ニッケルクロム合金、ステンレスを適用してよい。なお、電極板15と直接接触可能もしくは絶縁部材が薄い(0.2mm以下)ヒータを用いる場合、ヒータの表面の硬度が上述の条件を満たせばよい。
【0040】
電極積層体形成工程S2は、一次封止体21が溶着された状態のバイポーラ電極14を複数枚積層することで、電極積層体11を形成する工程である。図8に示すように、電極積層体11の各バイポーラ電極14は、位置決め部材66によって位置決めされる。位置決め部材66は、積層方向に延びる部材であり、各段における一次封止体21の外周縁21aと当接する。ここでは、一次封止体21の長辺と短辺のそれぞれ一辺に対して、位置決め部材66が設けられる。
【0041】
封止体形成工程S3は、電極積層体11の側面11aに封止体12を形成する工程である(図2参照)。封止体形成工程S3では、射出成形の金型内に電極積層体11を配置する。金型内に樹脂を射出し、金型と電極積層体11との間の空間に樹脂を充填させる。これにより、一次封止体21を包囲するように二次封止体22が形成され、電極積層体11の側面11aに封止体12が設けられる。以上により、図4に示す処理が終了する。
【0042】
次に、本実施形態に係る蓄電装置1の製造方法の作用・効果について説明する。
【0043】
本実施形態に係る蓄電装置1の製造方法は、電極板15の縁部15cに沿って一次封止体21を積層させてプレスすることで、一次封止体21を電極板15に溶着させる溶着工程S13、を備えている。このような一次封止体21は、バイポーラ電極14を複数積層させた場合に、各バイポーラ電極14間を封止する。ここで、溶着工程S13では、電極板15及び一次封止体21に熱を付与する熱付与部材61を電極板15の少なくとも一部の外周縁の位置に配置させる。このような構成によれば、電極板15の外周縁に切断時にバリEが形成されていた場合、プレス時に熱付与部材61がバリEを押し潰すことができる。例えば、図8(b)の仮想線で示すように外周縁15dにバリEが残っていた場合、バイポーラ電極14を積層させたときに、電極板15の外周縁15dのバリEが他のバイポーラ電極14に溶着された一次封止体21と接触する。この場合、一次封止体21と電極板15との積層厚みが局所的に厚くなり、二次封止体22の射出成形時の型閉め不良やショートなどが生じる可能性がある。また、バリEが一次封止体21を突き破ることによって、他層の電極板15と短絡する可能性がある。従って、熱付与部材61によって電極板15に形成されたバリEを押し潰して電極板15の外周縁15dが他方面15bから突出しないようにすることで、これらの問題が生じることを抑制できる。以上により、蓄電装置1の品質を向上できる。
【0044】
また、蓄電装置1の製造方法において、電極板15は、一方面15aから切断具60を押し付けて母材51を切断することによって形成され、溶着工程S13では、一方面15aに一次封止体(封止体)21を積層させている。この場合、電極板15の外周縁15dには、切断具60が押し付けられる一方面15aとは反対側の他方面15bから突出するようなバリEが形成され易い。従って、一方面15aにはバリEが突出していないため、一次封止体21をバリEが突出していない方の一方面15aに積層することができる。これにより、熱付与部材61は、一次封止体21とは反対側にて、バリEを押し潰すことができる。
【0045】
また、蓄電装置1の製造方法において、熱付与部材61は平面61aを有し、当該平面61aと電極板15の他方面15b及び外周縁15dとを当接させている。これにより、熱付与部材61は、平面61aにて外周縁15dに他方面15bから突出して形成されたバリEと当接するため、バリEを押し潰し易くなる。
【0046】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、バリEが他方面15b側に突出しており、溶着対象となる一次封止体21が一方面15a側に積層されていた。これに代えて、切断具60を他方面15b側から押し付けて、バリEが一方面15aから突出するようにしてもよい。この場合、一次封止体21は、他方面15b側に積層される。
【0047】
また、上述の実施形態では、電極板15の四方の外周縁15d,15e,15f,15gの全てに対して熱付与部材61が配置されていた。ただし、図5(b)のような方法で母材51から電極板15を切断する場合、外周縁15f,15gにはバリEが形成されない。従って、熱付与部材61は、切断の際の切り口である外周縁15d,15eに対応する位置に設け、外周縁15f,15gに対応する位置には設けられていなくともよい。
【符号の説明】
【0048】
1…蓄電装置、14…バイポーラ電極、15…電極板、15a…一方面、15b…他方面、15c…縁部、15d,15e,15f,15g…外周縁、21…一次封止体(封止体)、60…切断具、61…熱付与部材、61a…平面。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】