(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019145438
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】金属空気電池、及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 12/06 20060101AFI20190802BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20190802BHJP
   H01M 2/04 20060101ALI20190802BHJP
   H01M 2/36 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !H01M12/06 A
   !H01M2/02 Z
   !H01M2/04 Z
   !H01M2/36 101B
   !H01M2/36 101N
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】2018030514
(22)【出願日】20180223
(71)【出願人】
【識別番号】000005175
【氏名又は名称】藤倉コンポジット株式会社
【住所又は居所】東京都江東区有明三丁目5番7号 TOC有明
(74)【代理人】
【識別番号】100083286
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100166408
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦陽
(72)【発明者】
【氏名】高橋 昌樹
【住所又は居所】埼玉県さいたま市岩槻区上野6−12−8 藤倉ゴム工業株式会社 岩槻工場内
(72)【発明者】
【氏名】雨森 由佳
【住所又は居所】埼玉県さいたま市岩槻区上野6−12−8 藤倉ゴム工業株式会社 岩槻工場内
(72)【発明者】
【氏名】阪間 寛
【住所又は居所】埼玉県さいたま市岩槻区上野6−12−8 藤倉ゴム工業株式会社 岩槻工場内
【テーマコード(参考)】
5H011
5H023
5H032
【Fターム(参考)】
5H011AA10
5H011BB04
5H011CC00
5H023AA05
5H023AA07
5H023AS01
5H023CC27
5H032AA02
5H032AS01
5H032CC01
5H032EE00
(57)【要約】
【課題】簡単な構造で、長期保管性に優れる金属空気電池、及びその使用方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の金属空気電池(1)は、金属空気電池本体(2)と、前記金属空気電池本体を収納する収納体と、を有して構成され、前記収納体は、バリア性素材を有して構成されることを特徴とする。例えば、前記収納体は、前記金属空気電池本体を収納可能なケース(3)と、前記ケースの開口を塞ぐ前記ケースとは別体の蓋体(4)と、を有して構成され、前記ケース及び前記蓋体は、バリア性素材を有して構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属空気電池本体と、前記金属空気電池本体を収納する収納体と、を有して構成され、
前記収納体は、バリア性素材を有して構成されることを特徴とする金属空気電池。
【請求項2】
前記収納体は、全体、外面、或いは内面の少なくともいずれか一つが、前記バリア性素材で形成されることを特徴とする請求項1に記載の金属空気電池。
【請求項3】
前記収納体は、前記金属空気電池本体を収納可能なケースと、前記ケースの開口を塞ぐ前記ケースとは別体の蓋体と、を有して構成され、前記ケース及び前記蓋体は、バリア性素材を有して構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属空気電池。
【請求項4】
前記収納体は、前記金属空気電池本体を収納する袋体であり、前記袋体は、バリア性素材を有して構成されており、前記袋体に収納された前記金属空気電池本体は、ケースに収納されることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属空気電池。
【請求項5】
前記金属空気電池本体を取り除いた前記ケース内に電解液が収容可能とされており、前記金属空気電池本体が前記電解液を収容した前記ケース内に挿入されて、発電が開始されることを特徴とする請求項3又は4に記載の金属空気電池。
【請求項6】
前記金属空気電池本体の上面には、前記ケースへの着脱用の掴み部が設けられていることを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の金属空気電池。
【請求項7】
前記ケースと、前記ケースの開口を塞ぐ蓋体とが、接着、融着又は圧着されていることを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載の金属空気電池。
【請求項8】
請求項3から7のいずれかに記載の金属空気電池の使用方法であって、
前記金属空気電池本体を前記ケースから引き出す工程、
前記ケース内に、電解液を供給する工程、
前記ケース内に、前記金属空気電池本体を挿入する工程、
を有することを特徴とする金属空気電池の使用方法。






【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属空気電池、及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属空気電池では、正極である空気極において、大気中の酸素を正極活物質として利用し、当該酸素の酸化還元反応が行われる。一方、負極である金属極において、金属の酸化還元反応が行われる。金属空気電池のエネルギー密度は高く、災害時等における非常用電源等の役割として期待されている。電解液を金属空気電池に給水する事で発電が開始される。
【0003】
従来においては、様々な金属空気電池の構造が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
【0004】
特許文献1によれば、金属極と空気極とを筐体内に組み込んだセルに電解液を注入し、発電させている。
【0005】
特許文献2によれば、金属極と空気極とを筐体内に組み込んだセルとは別に、電解液を入れた容器を用意し、セルを容器内に入れることで、電解液をセル内に流入させ発電させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016−131063号公報
【特許文献2】特開2016−71986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来においては、販売時に、金属空気電池を梱包する等していたが、梱包材を用いると、使用時の開梱に手間が生じる問題があった。また、酸化等による劣化を抑制すべく優れた長期保管性を有することが必要とされる。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で、長期保管性に優れる金属空気電池、及びその使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の金属空気電池は、金属空気電池本体と、前記金属空気電池本体を収納する収納体と、を有して構成され、前記収納体は、バリア性素材を有して構成されることを特徴とする。
【0010】
本発明では、前記収納体は、全体、外面、或いは内面の少なくともいずれか一つが、前記バリア性素材で形成されることが好ましい。
【0011】
本発明では、前記収納体は、前記金属空気電池本体を収納可能なケースと、前記ケースの開口を塞ぐ前記ケースとは別体の蓋体と、を有して構成され、前記ケース及び前記蓋体は、バリア性素材を有して構成されることが好ましい。
【0012】
或いは、本発明では、前記収納体は、前記金属空気電池本体を収納する袋体であり、前記袋体は、バリア性素材を有して構成されており、前記袋体に収納された前記金属空気電池本体は、ケースに収納されることが好ましい。
【0013】
本発明では、前記金属空気電池本体を取り除いた前記ケース内に電解液が収容可能とされており、前記金属空気電池本体が前記電解液を収容した前記ケース内に挿入されて、発電が開始されることが好ましい。
【0014】
本発明では、前記金属空気電池本体の上面には、前記ケースへの着脱用の掴み部が設けられていることが好ましい。
【0015】
本発明では、前記ケースと、前記ケースの開口を塞ぐ蓋体とが、接着、融着又は圧着されていることが好ましい。
【0016】
本発明は、上記に記載の金属空気電池の使用方法であって、前記金属空気電池本体を前記ケースから引き出す工程、前記ケース内に、電解液を供給する工程、前記ケース内に、前記金属空気電池本体を挿入する工程、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の金属空気電池によれば、簡単な構造で、長期保管性に優れる。したがって、使用時には、金属空気電池を簡単に取り出すことができ、また、保管時には、酸化等による劣化を長期間防止することができる。また、金属空気電池本体を収納する収納体にバリア性を持たせたことで、金属空気電池を新たに外層フィルムで包む等の必要性が無くなる。このため、金属空気電池を構成するケース等の設計の自由度が増し、意匠性を向上させることができる。
【0018】
また、本発明の金属空気電池の使用方法によれば、金属空気電池本体を取り外したケース内に電解液を供給し、そのケース内に金属空気電池本体を挿入することで、簡単に且つ素早く発電させることができる。したがって、非常用電池としての利便性を従来よりも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態の金属空気電池の斜視図である。
【図2】ケース内に収納された金属空気電池本体の一部が見えるように、図1に示すケース及び蓋体を一部切り取った金属空気電池の斜視図である。
【図3】本実施形態の金属空気電池本体の斜視図である。
【図4】第1実施形態の金属空気電池の断面図である。
【図5】第1実施形態の金属空気電池本体をケースから取り出し、ケース内に電解液を供給した状態を示す断面図である。
【図6】本実施形態の金属空気電池本体を、電解液を有するケース内に挿入した状態を示す断面図である。
【図7】第2実施形態の金属空気電池の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0021】
<金属空気電池>
図1及び図2に示すように、金属空気電池1は、金属空気電池本体2と、ケース3と、蓋体4と、を有して構成される。
【0022】
図2、図3に示すように、金属空気電池本体2は、例えば、複数の金属空気電池セル22を備えて構成される。金属空気電池セル22の内部構造は後述する。図3では、金属空気電池セル22の数は、3つであるが、金属空気電池セル22の数を限定するものでなく、1つであっても、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0023】
図2、図3に示すように、各金属空気電池セル22の上面には、天井部8が取り付けられている。図2、図3に示すように、天井部8には、多数の空気穴8aが設けられており、各金属空気電池セル22の空気室に空気を供給できるようにされている。
【0024】
また、天井部8に、電池出力を外部へ供給する外部接続用端子を設置することもできる。外部接続用端子は、コネクタや、USB端子等であり、特に限定するものではない。外部接続端子は、天井部8の上面に設けられることが好ましい。図2に示す実施形態では、金属空気電池本体2の全体が、ケース3内に収納されるため、天井部8の上面に外部接続端子を設けることで、簡単に携帯機器等を外部接続端子の接続することが可能になる。
【0025】
図3に示すように、天井部8の上面には、掴み部9が設けられている。この掴み部9に指を入れて、金属空気電池本体2をケース3から取り外したり、或いは、金属空気電池本体2をケース3内に挿入することが簡単に行える。掴み部9は、図3に示すような天井部8に指穴が設けられた形態のみならず、例えば、取っ手を天井部8の上面に設けた構成としてもよい。また、掴み部9を、天井部8の中央付近に設けることが好ましい。
【0026】
図4に示すように、各金属空気電池セル22には、空気室10と液室11とが設けられる。空気室10は、例えば、上部を除いて周囲が囲まれている。空気室10の上面側には、図3に図示した天井部8が配置されており、天井部8の空気穴8aから空気室10に空気が入るようになっている。なお、図4には、天井部8の図示を省略した。一方、液室11は、給水口13を除いて周囲が囲まれている。給水口13は、図4に示すように、液室11の下部に設けられている。図4に示すように、空気室10と液室11とは隔離されており、液室11に注入された電解液が、空気室10に漏れ出ることがない。
【0027】
図4に示すように、各金属空気電池セル22は、電極として、空気極6と、金属極7とを、有して構成される。空気極6及び金属極7は、夫々、金属空気電池セル22を構成する筐体に支持されている。図4に示すように、空気極6と金属極7とは、液室11にて対向配置されている。空気極6の一方の面は、液室11に露出し、空気極6の他方の面は、空気室10に露出している。
【0028】
図4に示すように、金属極7は、空気極6から液室11内に所定距離だけ離れた位置に配置されている。金属極7は、その上部が固定されるが、下部は、自由端(非固定)とされている。
【0029】
図1、図2、図4に示すケース3は、金属空気電池本体2を収容可能な大きさの上面が開口した容器である。ケース3は、金属空気電池本体2の縦幅及び横幅よりもやや大きい。すなわち、ケース3と、金属空気電池本体2との間には、多少の隙間が空いている。また、図2に示すように、ケース3内に収納された金属空気電池本体2の上面と蓋体4との間には空間15が設けられている。図2に示すように、この空間15に、金属空気電池1の付属品16を置くことができる。例えば、付属品16は、袋に入った食塩や説明書等であり、付属品16を、図2に示す小型ケース内に収納することができる。使用者は、食塩を水に溶かすことで、電解液を作ることができる。
【0030】
図4に示すように、ケース3は、ケース本体3aと、ケース本体3aの内面に設けられたバリア層3bとを有して構成される。ケース本体3aの材質を問うものではないが、例えば、樹脂材や紙材で形成されることがコスト面で好ましい。また、バリア層3bは、ガスバリア性に優れることが好ましい。ガスバリア性は、例えば、酸素透過度で評価される。酸素透過度は、70cc・20μm/m・day・atm以下であることが好ましい。なお、酸素透過度の測定は、JIS K 7126−1、又は、JIS K 7126−2による。バリア層3bの材質を限定するものではないが、例えば、バリア層3bは、Alの蒸着層や、EVOH等のバリア性樹脂である。このように、ケース本体3aにバリア性素材のバリア層3bを形成することで、高バリア性のケース3を形成することができる。EVOH等のバリア性樹脂は、透明性を付与させる場合に使用することができる。
【0031】
図4では、ケース本体3aの内面にバリア層3bを形成したが、ケース本体3a全体、ケース本体3bの外面、或いは内面の少なくともいずれか1つが、バリア性素材で形成されていればよい。また、バリア性素材を、ケース本体3aの外面及び内面の双方に設けることもできる。
【0032】
ケース3の内壁面には、目印17が設けられている。目印17は、ケース3内に電解液を供給したときの給水量の目安を示す表示体(例えば、水位線)である。すなわち、電解液をあまり入れすぎると、天井部8を通して電解液が空気室10内に入ってしまう可能性があるため、給水量の目安としての目印17を付けておくことが好ましい。
【0033】
金属空気電池本体2をケース3内から取り出し、ケース3内に電解液を入れ、該ケース3内に、金属空気電池本体2を挿入することで、発電を開始することができる。
【0034】
また、蓋体4は、シート材4aであり、シート材4aの内面にバリア層4bを有することが好ましい。蓋体4もケース3と同様に、ガスバリア性及び水蒸気バリア性に優れ、70cc・20μm/m・day・atm以下の酸素透過度を有することが好ましい。バリア層4bは、ケース3のバリア層3bと同様に、Alの蒸着層や、EVOH等のバリア性樹脂であることが好ましい。蓋体4を構成するシート材4a自体、シート材4aの外面、或いは内面の少なくともいずれか1つが、バリア性素材で形成されていればよい。また、バリア性素材を、シート材4aの外面及び内面の双方に設けることもできる。
【0035】
蓋体4は、ケース3の鍔部3cにシールされている。ケース3と蓋体4とは、接着、融着又は圧着されていることが好ましい。使用者の力で、蓋体4をケース3から剥離することができる。図1、図2に示すように、ケース3と蓋体4に囲まれた内部空間は密閉空間とされる。その密閉空間内に、金属空気電池本体2が収納されている。例えば、金属空気電池本体2をケース3内に収納し、付属品16を金属空気電池本体2の上面に載置し、真空引きしながら蓋体4をシールする。これにより、金属空気電池本体2の全面が、バリア層3b、4bで囲まれた状態になり、金属空気電池本体2を、酸化や水蒸気等から適切に保護することができる。以上により、簡単な構造で、長期保管が可能である。また、樹脂材や紙材にAlを蒸着したり、EVOH等のバリア性樹脂を備えたケース3や蓋体4を用いることで素材単価を低減できコスト面でも優れる。また、樹脂ケースや樹脂フィルム自体、或いは、樹脂ケースや樹脂フィルムにバリア層として、EVOH等のバリア性樹脂を用いることで、高バリア性の透明樹脂とすることができる。また、使用する際には、蓋体4を剥がし、金属空気電池本体2をケース3から取り出せばよいので、従来のように、開梱に手間がかかる等の不具合は生じない。
【0036】
また、本実施形態では、ケース3及び蓋体4をバリア性素材としたことで、例えば、金属空気電池1を外層フィルムで包む等の制限を受けず、金属空気電池1を構成するケース3及び蓋体4の設計の自由度を向上させることができる。このため、例えばケース3の意匠性を高めることができる。
【0037】
<金属空気電池の使用方法>
次に、本実施形態の金属空気電気電池の使用方法について説明する。
【0038】
本実施形態では、蓋体4をケース3から剥がし、金属空気電池本体2をケース3から取り出す。蓋体4とケース3は、接着、融着又は圧着されているので、使用者の力で簡単に、蓋体4をケース3から剥離することができ、ケース3からスムースに金属空気本体2を取り出すことができる。このとき、図3に示す摘み部9に指を入れて、金属空気電池本体2をケース3内から上方に持ち上げることができる。金属空気電池本体2をケース3から取り出した後、図5に示すように、ケース3内に電解液5を供給する。電解液5は、付属品16としての食塩をケース3内に入れ、水に溶かして電解液としての食塩水を生成する。このとき、水の供給量がわかるように、ケース3の内壁面には目印17としての水位線が設けられていることが好ましい。これにより、使用者は、水位線まで水を入れることができる。そして、食塩を水に混ぜることで、食塩水を生成することができる。
【0039】
次に、ケース3の開口した上部3cから、一度取り出した金属空気電池本体2を、再び、ケース3内に挿入する。
【0040】
図6に示すように、電解液5は、各金属空気電池セル22の給水口13から各液室11内に導かれる。電解液5は、給水口13を介して各液室11内に同時に注入される。このとき、図6に示すように、電解液5は、空気室10に流れ込むことがない。また、電解液5は、図5に示すように、一定の水位まで給水されているため、各液室11内の電解液5も一定の水位まで満たされる。
【0041】
図6に示すように、電解液5が液室11に供給されると、例えば、金属極7がマグネシウムであるとき、金属極7の近傍においては、下記(1)で示す酸化反応が生じる。また、空気極6においては、下記(2)で示す還元反応が生じる。マグネシウム空気電池全体としては、下記(3)に示す反応が起こり、発電が開始される。
(1)2Mg →2Mg2++4e
(2)O+2HO+4e →4OH
(3)2Mg+O+2HO →2Mg(OH)
【0042】
また、図示しないが、金属極7の周辺には、電池反応にて発生した水素等の生成ガスを液室11から外部へ排出する穴が、設けられていることが好ましい。
【0043】
また、図6に示すように、金属極7は、各金属空気電池セル22の底部に設けられた給水口13と対向して配置されることが好ましい。金属極7と空気極6の酸化還元反応の際に生じる生成物を、給水口13を介してケース3側に放出しやすい。これにより、生成物が、各金属空気電池セル22内に溜まることによる電極の破損や電気特性の劣化を抑制することが可能である。
【0044】
また、各金属空気電池セル22の底部以外に給水口13を設ける場合でも、例えば、給水口13を、金属空気電池セル22の側部の下側に配置し、金属極7を、給水口13と対向配置させてもよい。「側部の下側」とは、側部の高さ寸法の下半分、好ましくは、高さ寸法の1/2以下の下側部分、より好ましくは、高さ寸法の1/3以下の下側部分である。これによっても、生成物の放出効果を得ることができる。
【0045】
また、本実施形態では、金属極7の下部を自由端としている。これにより、金属極7を適切に給水口13に対向して配置することができる。また、金属極7の下部を自由端とすることで、金属極7の下部を揺動させることができる。このため、空気極6と金属極7との間に生成物が堆積したときに、金属極7を撓らせることができ、生成物による押圧力を緩和でき、金属極7及び空気極6の破損を抑制することが出来る。
【0046】
図6に示すように、電解液5が入ったケース3内に金属空気電池本体2を挿入することで、例えば上記した反応が起こり、発電が開始される。発電を停止したい場合は、金属空気電池本体2をケース3から取り出せばよい。
【0047】
このように、本実施形態の金属空気電池1の使用方法によれば、金属空気電池本体2を取り外したケース3内に電解液5を供給し、そのケース3内に金属空気電池本体2を挿入することで、簡単に且つ素早く発電させることができる。したがって、非常用電池としての利便性を従来よりも向上させることができる。
【0048】
また、廃棄する際には、図6の状態から、ケース3から金属空気電池本体2を取り出すと共に、ケース3内の電解液5を除去したうえで、金属空気電池本体2をケース3に入れて処分する。或いは、ケース3と金属空気電池本体2とを分別して処分する。上記のようにケース3内の電解液5を除去しているから、そのケース3内に、金属空気電池本体2を入れても発電せず、水素発生や電解液の漏れ出し等なく廃棄処分が可能である。
【0049】
金属空気電池の別の実施形態について、図7を用いて説明する。図7では、金属空気電池本体2が、袋体31に収納されている。袋体31は、全体がバリア性素材で形成され、或いは、袋体31の外面、袋体31の内面、又は、外面及び内面の双方にバリア層が形成された形態である。袋体31の開口は、接着、融着又は圧着されて閉じられている。使用者が、容易に袋体31の閉じた箇所を容易に剥がして、袋体31から金属空気電池本体2を取り出すことができる。
【0050】
本実施形態では、袋体31に収納された金属空気電池本体2をケース30に収め、ケース30の鍔部30aに、蓋体32をシールしている。ケース30と蓋体32は、接着、融着又は圧着されており、使用者が簡単に、蓋体32をケース30から剥がすことができる。
【0051】
この実施形態では、ケース30及び蓋体32は、バリア性素材で形成されていなくてもよい。ただし、ケース30及び蓋体32もバリア性素材で形成されていれば、より効果的に、バリア性を高めることができ、長期保管性に優れる。
【0052】
また、図7に示す実施形態では、袋体31と、ケース30の底面との間、或いは、袋体31と蓋体32との間に、空間を設けて、食塩やUSBインターフェイス基板等を収容することも可能である。
【0053】
使用方法は、上記に記載した使用方法に準ずる。まず、蓋体32をケース30から剥がし、袋体31に入った金属空気電池本体2を取り出す。次に、金属空気電池本体2を、袋体31から取り出す。ケース30には食塩を入れて水に溶かし、食塩水を生成する。そして、金属空気電池本体2を、食塩水の入ったケース30内に挿入する。これにより、発電が開始される。
【0054】
上記では、金属空気電池本体2を収納する収納体として、ケースや袋体を例示したが、収納体の形態は、これらに限定されるものではない。ただし、金属空気電池本体2を収納可能で且つ食塩水を生成可能なケースを備えることが好ましい。
【0055】
本実施の形態における金属空気電池1は、マグネシウム空気電池であっても他の金属空気電池であっても適用可能である。
【0056】
また、各金属空気電池セル22の各電極を直列接続しても並列接続してもよく、配線方法を特に限定するものではない。
【0057】
また、金属空気電池本体2及びケース3は、直方体や立方体等の多面体であってもよいし、円柱状等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の金属空気電池によれば、ケースから金属空気電池本体を簡単に取り出すことができ、誰でも簡単に且つ素早く発電させることができる。したがって、本発明の金属空気電池を、災害時等における非常用電源等として有効に適用することが出来る。
【符号の説明】
【0059】
1 :金属空気電池
2 :金属空気電池本体
3、30 :ケース
3a :ケース本体
3b :バリア層
4、32 :蓋体
4a :シート材
4b :バリア層
5 :電解液
6 :空気極
7 :金属極
8 :天井部
8a :空気穴
9 :摘み部
10 :空気室
11 :液室
13 :給水口
15 :空間
16 :付属品
17 :目印
22 :金属空気電池セル
31 :袋体
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】