(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019145455
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】燃料電池自動車の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04119 20160101AFI20190802BHJP
   B60L 50/40 20190101ALI20190802BHJP
   B60L 50/50 20190101ALI20190802BHJP
   B60L 53/00 20190101ALI20190802BHJP
   B60L 55/00 20190101ALI20190802BHJP
   B60L 58/00 20190101ALI20190802BHJP
【FI】
   !H01M8/04119
   !B60L11/18 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】2018030728
(22)【出願日】20180223
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】難波 良一
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】馬屋原 健司
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】石川 智隆
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】小川 朋宏
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】山中 富夫
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
【テーマコード(参考)】
5H125
5H127
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AC07
5H125AC12
5H125BD02
5H125BD07
5H125BD12
5H125DD01
5H125EE42
5H127AB04
5H127AB29
5H127AC11
5H127BA02
5H127BA22
5H127BA23
5H127BB02
5H127BB07
5H127BB12
5H127BB37
5H127BB39
5H127CC07
5H127DA08
5H127DB69
5H127DC22
5H127DC45
5H127DC57
5H127DC68
(57)【要約】
【課題】アイドル運転中の燃料電池の端部セル、中央セルの両方の滞留水を適切に排出できる燃料電池自動車の制御方法を提供する。
【解決手段】燃料電池の制御方法は、通常運転モード(ステップS10)中にシフトポジションがPレンジに入ってアイドル運転になったら、間欠運転モードに移行し(ステップS20のYES)、また、エアブローを行い(ステップS30のYES)、エアブロー完了(ステップS40)後に、燃料電池の出力電流を強制的に0アンペアとして非発電状態を継続する間欠制御を一定期間行う(ステップS50)。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイドル運転中に、
燃料電池に所定量の酸化ガスを所定期間供給して前記燃料電池の滞留水を排出するエアブローステップと、
前記エアブローステップ後に、車両要求電力よりも前記燃料電池の出力電力を低下させる出力低下ステップと
を有する燃料電池自動車の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料電池自動車の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水素を含む燃料ガスと、酸素を含む酸化ガスとの電気化学反応を利用して発電を行う燃料電池システムが知られている。
例えば、特許文献1には、燃料電池システムにおいて、燃料電池の端部にヒータを設け、アイドル運転中のセル間温度バラツキを抑制し、端部セルに反応生成水による水分(滞留水)が過剰に溜まることを防いで燃料電池の適正な発電を実現することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−283210号公報
【特許文献2】特開2017−143020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にも記載されているように、燃料電池ではその中央セルにも滞留水が溜まることがあり、燃料電池の端部にヒータを設けても、端部セル、中央セルの両方の滞留水を時間的、量的に適切に排出することができないことがあった。
そこで、本発明は、アイドル運転中に、燃料電池の端部セル、中央セルの両方の滞留水を適切に排出することができる燃料電池自動車の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る燃料電池自動車の制御方法は、アイドル運転中に、燃料電池に所定量の酸化ガスを所定期間供給して燃料電池の滞留水を排出するエアブローステップと、エアブローステップ後に車両要求電力よりも燃料電池の出力電力を低下させる出力低下ステップとを有するものである。
【0006】
ここで、「アイドル運転中」とは、例えば、車速が0km/hであって、アクセルペダルを通じて運転手から要求されるトルクが0N・mである場合をいう。また、「車両要求電力」とは、アイドル運転中に車両システムを起動状態にしておくのに必要な電力をいい、具体的には、燃料電池システムを維持するための燃料ガス供給系補機部品、酸化ガス供給系補機部品、冷却系補機部品などの消費電力と、エアコン、カーナビなどの車両搭載部品の消費電力とを合計したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、アイドル運転中に、燃料電池の端部セル、中央セルの両方の滞留水を適切に排出できる燃料電池自動車の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係る燃料電池システム1の概略構成を示す図である。
【図2】比較例に係る燃料電池システムの制御方法を説明するための図である。
【図3】実施の形態1に係る燃料電池システム1の制御方法を説明するための図である。
【図4】実施の形態1に係る補機消費電力又はSOCと、間欠維持時間との関係を示す図である。
【図5】実施の形態1に係る燃料電池システム1の制御方法の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態2に係る燃料電池システム1の制御方法を説明するための図である。
【図7】実施の形態2に係る補機消費電力又はSOCと、不足電力との関係を示す図である。
【図8】実施の形態2に係る燃料電池システム1の制御方法の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、各実施の形態に係る燃料電池自動車の制御方法について説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態1に係る燃料電池自動車の制御方法は、エアブロー後に燃料電池の出力電流を所定期間、強制的に0アンペアとして非発電状態を継続するものである。
【0010】
まず、本実施の形態1に係る燃料電池自動車の制御方法の対象となる燃料電池システムの構成について簡単に説明する。
図1は、本実施の形態1に係る燃料電池システム1の概略構成を示す図である。
燃料電池システム1は、燃料電池自動車の車載電源システムとして機能するもので、燃料電池10、酸化ガス供給系20、燃料ガス供給系30、電力系40、冷却系50、コントローラ60、電圧センサ71、電流センサ72などで構成される。
【0011】
燃料電池10は、複数のセルを直列に積層したスタック構造(図示せず)を有しており、反応ガス(燃料ガス及び酸化ガス)の供給を受けて発電する。
酸化ガス供給系20は、フィルタ21、エアコンプレッサ22、エアバルブA1、A2などを備え、酸化ガスとしての空気を燃料電池10に供給する。
燃料ガス供給系30は、高圧水素タンク、水素吸蔵合金などの燃料ガス供給源31などを備え、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池10に供給する。
【0012】
電力系40は、バッテリ41、トラクションモータ42などを備え、電力の充放電を制御する。
バッテリ41は、例えば、二次電池であって、余剰電力の貯蔵源、回生制動時の回生エネルギ貯蔵源、燃料電池自動車の加速又は減速に伴う負荷変動時のエネルギーバッファなどとして機能する。
【0013】
冷却系50は、ラジエータ51、冷却水ポンプ(WP:Water Pump)52などを備え、燃料電池10に不凍液冷却水などを循環させて燃料電池10中の各セルの温度を制御する。
コントローラ60は、燃料電池システム1全体を統括制御する。
電圧センサ71、電流センサ72は、燃料電池10の出力電圧又は出力電流を検出する。なお、電圧センサ71、電流センサ72に代えて、燃料電池出力センサを用いても良い。
【0014】
なお、図1に示す構成は、特許文献2の図1に示される構成に、冷却系50を追加したものであり、各構成の詳細については、特許文献1、2などを参照することができる。つまり、燃料電池システム1には、公知の燃料電池システムを用いることができる。
【0015】
次に、本実施の形態1に係る燃料電池自動車の制御方法について、特に、アイドル運転中の燃料電池システム1の制御方法について説明する。
まずは、本実施の形態1に係る燃料電池システム1の制御方法の理解を助けるために、比較例に係る燃料電池システムの制御方法について説明する。
【0016】
図2は、比較例に係る燃料電池システムの制御方法を説明するための図である。
燃料電池システム1は、コントローラ60が電圧センサ71及び電流センサ72の出力値からアイドル運転状態を検出すると、通常運転モードから間欠運転モードへと移行し、通常間欠及び0V間欠を行う(時刻t51〜t52)。
【0017】
通常運転モードとは、燃料電池システム1に対する負荷要求が、予め設定した基準値を超えるときに選択される運転モードであって、トラクションモータ42の要求電力を含む負荷要求の少なくとも一部を、燃料電池10が発電する電力によりまかなう運転モードである。
【0018】
また、間欠運転モードとは、燃料電池システム1に対する負荷要求が、予め設定した基準値以下のときに選択される運転モードである。
コントローラ60は、燃料電池10から引き出すべき電力(出力要求)が小さく、バッテリ41のみからの出力電力によって出力要求を満たす電力を供給できると判断したときに、通常運転モードから間欠運転モードへと移行し、燃料電池10の発電を一時的に停止させる。
【0019】
なお、間欠運転モードには、更に、燃料電池10が発電を停止する通常間欠、0V間欠などの非発電モードと、燃料電池10が微小な発電を行なう微小発電モードとがある。0V間欠では、セル電圧が許容下限値となるようにしている。
【0020】
非発電モードでは、バッテリ41からエアコンプレッサ22、各種バルブなどの補機への電力供給がなされ、バッテリ電力が大きく消費される。
通常間欠及び0V間欠(時刻t51〜t52)によりバッテリ41の残容量SOC(State Of Charge)が徐々に低下して許容下限値となると、通常運転モードにいったん戻ってPチャージを行う(時刻t52〜t53)。
Pチャージとは、燃料電池の発電量を増やしてSOCを増加させるものである。
【0021】
PチャージによりSOCが所定値にまで増加したら、改めて間欠運転モードに移行し、微小発電を行う(時刻t53〜t54)。微小発電は、燃料電池10の出力電圧が目標電圧値となるように制御しつつ、燃料電池10の予め定めた目標発電量から理論的に導出される必要酸素量を燃料電池10に供給し、補機が必要とする電力、すなわち、車両要求電力に等しい電力を補機に供給するものである。
【0022】
なお、Pチャージ及び微小発電の間に、各セルでは反応生成水による滞留水が少しずつ増加する。滞留水が増加すると、燃料電池10の電解質膜の機械劣化、電極の触媒の溶出などのスタック劣化が起こる。このことは、特に、シフトポジションをPレンジ又はNレンジに入れてアイドル運転の状態で長時間放置するような商用の燃料電池自動車(例えば、バス、タクシー、フォークリフトなど)で問題となる。
【0023】
このため、滞留水が許容上限量にまで増加したら、通常運転モードにまた戻って、燃料電池に所定量、例えば、微小発電のときよりは明らかに多く、Pチャージのときと同等以上の量の酸化ガスを所定期間供給するエアブローを行い、滞留水を吹き飛ばす(時刻t54〜t55)。なお、酸化ガスの当該所定量とは、滞留水を吹き飛ばすのに十分な量であって、かつ、電解質膜が過乾燥にならない量であり、実験や計算により予め求められる量である。また、当該所定期間に供給する水素量(水素圧力)は当該所定期間前と同等もしくはそれよりも少ない。
また、アイドル運転時のエアブローにより燃料電池10の電極が高電位となると、触媒が溶出してしまうため、エアブローのときは電極が高電位とならないように、燃料電池10から電流を掃引してバッテリ41を充電する。
【0024】
エアブローの後は、微小発電を改めて行い(時刻t55〜t56)、滞留水が増加したらエアブローを改めて行う(時刻t56〜t57)。つまり、微小発電と、エアブローとを交互に繰り返す。
しかしながら、アイドル運転時にエアブローと電流の掃引とを繰り返すことにより、SOCがPチャージ以降徐々に増加して許容上限値に達し、この値以上にバッテリ41の充電ができなくなり(時刻t57)、電極が高電位になることを回避できず、燃料電池が劣化するという新たな問題が発生する。
【0025】
そこで、本実施の形態1に係る燃料電池システム1の制御方法では、エアブロー後に通常間欠を行うことにより、滞留水を適切に排出しつつ、電極が高電位になることを回避できるようにする。
【0026】
図3は、本実施の形態1に係る燃料電池システム1の制御方法を説明するための図である。
コントローラ60がアイドル運転状態を検出し、間欠運転モードの通常間欠及び0V間欠(時刻t1〜t2)、そして、通常運転モードのPチャージ(時刻t2〜t3)を行うまでは比較例と同様の処理であって、ここではその説明を省略する。
【0027】
本実施の形態1では、Pチャージの後であって、エアブローの前に、通常間欠(時刻t3〜t4)を改めて行って、SOCをいったん低減させる。これにより、次のエアブロー(時刻t5〜t6)によるバッテリ41の充電に対する準備(余力)ができる。
また、微小発電(時刻t4〜t5)及びエアブロー(時刻t5〜t6)の後に、通常間欠(時刻t6〜t7)を改めて行って、SOCを再度低減させる。
この後は、アイドル運転が続く間は、微小発電、エアブロー、通常間欠の順番で処理を繰り返す。
【0028】
なお、通常間欠(時刻t3〜t4、時刻t6〜t7など)の処理時間は、スタック耐久性と電力収支とのバランスに基づいて所定時間、例えば、30秒程度とすることができる。つまり、SOCを低下させるには通常間欠を長時間に設定することが好ましいが、通常間欠中にセル電圧低下による触媒劣化が起こる可能性もあり、これらのバランスから通常間欠の時間を設定することが好ましい。
また、本実施の形態1では、時刻t3〜t4、時刻t6〜t7に、通常間欠に代えて又は通常間欠に加えて、0V間欠を用いてSOCを低下させることもできる。
【0029】
図4は、本実施の形態1に係る補機消費電力又はSOCと、間欠維持時間との関係を示す図である。
通常間欠の処理持続時間は、このように、補機消費電力(又は、SOC低下速度)やSOCに応じて変更可能としても良い。
【0030】
なお、エアブロー後に通常間欠を行うときは、燃料電池10が開回路(Open Circuit Voltage:OCV)状態となる。OCV状態では水素分圧と酸素分圧との関係から電圧が求まるため、セル内の現象が把握しやすいという利点がある。具体的には、電圧低下挙動、水素圧低下挙動からスタック劣化やスタック滞留水のリセット状態の推定が可能となる。例えば、電圧低下が顕著であれば膜裂けなどを検知することができる。
【0031】
図5は、本実施の形態1に係る燃料電池システム1の制御方法の処理手順を示すフローチャートである。燃料電池10が、エアブロー後に通常間欠(間欠制御)を行う場合の処理手順を示している。
コントローラ60は、通常運転モード(ステップS10)中にシフトポジションがPレンジ(アイドル運転)に入っているかを判定する(ステップS20)。
Pレンジに入っていると判定したら(ステップS20のYES)、次に、エアブローを行っている(エアブローフラグON)か判定する(ステップS30)。
【0032】
エアブローを行っていると判定したら(ステップS30のYES)、エアブロー完了(ステップS40)後に、間欠制御を一定時間行う(ステップS50)。間欠制御では、燃料電池の出力電流を所定期間、強制的に0アンペアとし、車両要求電力よりも燃料電池の出力電力を低下させる
そして、通常間欠、微小発電、エアブローを繰り返した後に、例えば、シフトチェンジに伴い、ステップS10へ戻る(ステップS60)。
【0033】
なお、Pレンジに入ってないと判定したとき(ステップS20のNO)、エアブローを行っていないと判定したとき(ステップS30のNO)は、例えば、ステップS10又はステップS20に戻る(ステップS60)。
【0034】
以上、説明したように、本実施の形態1に係る燃料電池自動車の制御方法は、エアブロー後に通常間欠を行って、各セルの滞留水を適切に排出し、かつ、電極が高電位となるのを回避することに加えて、SOCの過上昇を抑制することができるものである。
【0035】
(実施の形態2)
本実施の形態2に係る燃料電池自動車の制御方法は、エアブロー後に、燃料電池の動作点(出力電圧、出力電流)を低出力側にシフトさせ、車両要求電力よりも少ない出力電力を一定時間継続するものである。
【0036】
なお、本実施の形態2に係る燃料電池自動車の制御方法の対象となる燃料電池システムの構成は、実施の形態1に係る燃料電池システム1のものと同様で良く、ここでは図示及び説明を省略する。
【0037】
次に、本実施の形態2に係る燃料電池自動車の制御方法について、特に、アイドル運転中の燃料電池システム1の制御方法について説明する。
図6は、本実施の形態2に係る燃料電池システム1の制御方法を説明するための図である。
コントローラ60がアイドル運転状態を検出し、通常間欠及び0V間欠(時刻t11〜t12)、Pチャージ(時刻t12〜t13)を行うまでは比較例又は実施の形態1の処理と同様であって、説明は省略する。
【0038】
本実施の形態2では、Pチャージの後であって、エアブローの前に、比較例と同様に間欠運転モードの微小発電(時刻t13〜t14)を行うが、このときの燃料電池10の発電電力を、車両要求電力以下、すなわち、補機などの消費電力以下とし、バッテリ電力による補機などの電力負担を増加させ、SOCを徐々に低下させる。これにより、次のエアブロー(時刻t14〜t15)までの間にSOCに余裕が生まれ、電力収支を調整することができる。
エアブロー(時刻t14〜t15)後の微小発電(時刻t15〜t16)についても、同様に、燃料電池の出力電力を車両要求電力よりも小さくして、SOCを低下させる。
【0039】
図7は、本実施の形態2に係る補機消費電力又はSOCと、不足電力との関係を示す図である。
車両要求電力よりも低く設定する電力量(不足電力)αkWは、補機消費電力量(又は、SOC低下速度)やSOCに応じて変更することができ、エアブローにより発生する電力とSOC消費量とをつり合せてSOC収支を±0%とすることもできる。
【0040】
図8は、本実施の形態2に係る燃料電池システム1の制御方法の処理手順を示すフローチャートである。燃料電池10が、エアブロー後に車両要求電力よりも少ない出力電力で微小発電を行う場合の処理手順を示している。
エアブロー完了までの処理手順(ステップS110〜S140)は、図5に示す実施の形態1のもの(ステップS10〜S40)と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0041】
エアブロー完了(ステップS140)後に、車両要求電力よりも少ない出力電力で微小発電を行う(ステップS150)。
そして、エアブロー、微小発電を繰り返した後に、例えば、シフトチェンジに伴い、ステップS110へ戻る(ステップS160)。
【0042】
以上、説明したように、本実施の形態2に係る燃料電池自動車の制御方法は、エアブロー後に車両要求電力よりも少ない出力電力で微小発電を行って、各セルの滞留水を適切に排出し、かつ、電極が高電位となるのを回避することに加えて、SOCの過上昇を抑制することができるものである。
【0043】
なお、他の実施の形態に係る燃料電池システムの制御方法として、実施の形態1と実施の形態2とを組み合わせることもできる。すなわち、Pチャージ及びエアブローの後に、通常間欠及び車両要求電力よりも少ない出力電力の微小発電をそれぞれ行っても良い。これによれば、より一層SOCを低下させることができる。
また、実施の形態1、2ではシフトポジションが「Pレンジ」であることを条件としたが、シフトポジションが「Nレンジ」であることを条件としても良い。
【符号の説明】
【0044】
1 燃料電池システム
10 燃料電池
20 酸化ガス供給系
22 エアコンプレッサ
30 燃料ガス供給系
40 電力系
41 バッテリ
50 冷却系
60 コントローラ
71 電圧センサ
72 電流センサ
A1、A2 エアバルブ
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】