前記第1半導体ナノ結晶のバンドギャップは、前記第3半導体ナノ結晶のバンドギャップと同一であるか、又は小さいことを特徴とする請求項1に記載の半導体ナノ結晶粒子。
前記第1電極と前記量子ドット発光層との間、前記第2電極と前記量子ドット発光層との間、又は前記第1電極と前記量子ドット発光層との間及び前記第2電極と前記量子ドット発光層との間に電荷補助層を含むことを特徴とする請求項21に記載の電界発光素子。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係る半導体ナノ結晶粒子とその製造方法、及びその集団、並びに電界発光素子を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0017】
しかし、実施する形態は以下に開示する実施形態に限定されるのではない。
他の定義がなければ本明細書で使用される全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は該当技術分野における通常の知識を有する者に共通的に理解できる意味として使用することができるはずである。
また、一般に使用される辞典に定義されている用語は明白に特に定義されていない限り、理想的に又は過度に解釈されない。
明細書全体である部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
また、単数型は、文句で特に言及しない限り、複数型も含む。
図面から様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書全体にわたって類似の部分については同一図面符号を付けた。
層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0018】
以下で別途の定義がない限り、「置換」とは、化合物又は該当残基が、水素の代わりに、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアルキルアリール基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のヘテロアルキル基、炭素数3〜30のヘテロアルキルアリール基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数3〜15のシクロアルケニル基、炭素数6〜30のシクロアルキニル基、炭素数2〜30のヘテロシクロアルキル基、ハロゲン(−F、−Cl、−Br又は−I)、ヒドロキシ基(−OH)、ニトロ基(−NO
2)、シアノ基(−CN)、アミノ基(−NRR’、ここで、RとR’は互いに独立して、水素又は炭素数1〜6のアルキル基である)、アジド基(−N
3)、アミジノ基(−C(=NH)NH
2)、ヒドラジノ基(−NHNH
2)、ヒドラゾノ基(=N(NH
2))、アルデヒド基(−C(=O)H)、カルバモイル基(carbamoyl group、−C(O)NH
2)、チオール基(−SH)、エステル基(−C(=O)OR、ここで、Rは炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基である)、カルボキシル基(−COOH)又はその塩(−C(=O)OM、ここで、Mは有機又は無機陽イオンである)、スルホン酸基(−SO
3H)又はその塩(−SO
3M、ここで、Mは有機又は無機陽イオンである)、リン酸基(−PO
3H
2)又はその塩(−PO
3MH又は−PO
3M
2、ここで、Mは有機又は無機陽イオンである)及びこれらの組み合わせから選択された置換基で置換されたことを意味する。
【0019】
ここで、炭化水素基とは、炭素と水素を含む基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はアリール基など)を言う。炭化水素基は、アルカン、アルケン、アルキン、又はアレーンから1つ以上の水素原子の除去によって形成される1価以上の基であり得る。
炭化水素基において、一つ以上のメチレンはオキシド残基、カルボニル残基、エステル残基、−NH−、又はこれらの組み合わせで代替できる。
代案的に、炭化水素基は炭素及び水素からなり得る。
ここで、アルキルとは、線状又は側鎖型の飽和1価炭化水素基(メチル、エチル、ヘキシルなど)である。
ここで、アルケニルとは、1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する線状又は側鎖型の1価の炭化水素基をいう。
ここで、アルキニルとは、1ケ以上の炭素−炭素三重結合を有する線状又は側鎖型の1価の炭化水素基をいう。
ここで、アリールとは、芳香族基から一つ以上の水素が除去されることによって形成される基(例えば、フェニル又はナフチル基)を言う。
ここで、ヘテロとは、N、O、S、Si、P、又はこれらの組み合わせであり得る、1〜3個のヘテロ原子を含むものをいう。
ここで、族とは、周期律表上の族(group)を言う。
【0020】
量子ドットとも呼ばれる、半導体ナノ結晶粒子は、励起源から光を吸収してそのエネルギーバンドギャップに該当する光を放出することができる。
量子ドットのエネルギーバンドギャップは、ナノ結晶の大きさ及び組成によって変化可能である。
例えば、量子ドットは、大きさが増加するほど狭いエネルギーバンドギャップを有することができ、発光波長が増加可能である。
半導体ナノ結晶は、ディスプレイ装置、エネルギー装置、又は生体発光素子など多様な分野で発光素材として注目されている。
【0021】
実質的に、応用可能な水準の発光物性を有する大多数の量子ドットは、カドミウム(Cd)に基づく。
カドミウムは、深刻な環境/保健問題を引き起こし、複数の国家での有害物質制限指針(RoHS)上の規制対象元素である。
したがって、向上した発光特性を有する無カドミウム量子ドットの開発が必要となっている。
【0022】
一方、量子ドットベースの発光デバイス(QLED)を含む表示素子での応用のために、比較的に狭い半値幅を有して所望の波長(例えば、PLピーク450nm〜460nm又は455nm程度)の光(例えば、青色光)を放出することができる量子ドットが必要となっている。
例えば、次世代色標準のBT2020を基準にして、比較的に高い色再現率を有する表示素子のためには、40nm未満の狭い半値幅及び向上した効率で光を放出することができる材料が必要である。
しかし、応用可能な水準の発光物性と前述のPLピーク波長を示すことができる無カドミウム量子ドットの合成は容易でないか、まだ報告されていない。
【0023】
本発明の一実施形態による半導体ナノ結晶粒子は、第1半導体ナノ結晶を含むコア、コア上に配置され(例えば、コアを囲んで)第1半導体ナノ結晶と異なる組成を有する第2半導体ナノ結晶を含む第1シェル、及び第1シェル上に配置され(例えば、第1シェルを囲んで)第2半導体ナノ結晶と異なる組成を有する第3半導体ナノ結晶を含む第2シェルを有するコア−多層シェル構造を有する。
第1半導体ナノ結晶は、亜鉛及び硫黄を含み、第3半導体ナノ結晶は、亜鉛及び硫黄を含む。
第2半導体ナノ結晶のエネルギーバンドギャップ(以下、バンドギャップという)は第1半導体ナノ結晶より小さく、第2半導体ナノ結晶のバンドギャップは第3半導体ナノ結晶より小さい。
前記第1半導体ナノ結晶のバンドギャップは第3半導体ナノ結晶のバンドギャップと同一であるか小さくてもよい。
与えられた半導体材料のバルクエネルギーバンドギャップは、当該半導体材料を含む半導体ナノ結晶のものを代表し得、バルクエネルギーバンドギャップは知られているか、知られている方法で測定し得る。
例えば、ZnSの「bulk energy bandgap」(バルクエネルギーバンドギャップ)は、ZnSe及びZnSeTeのバルクエネルギーバンドギャップより大きくてもよい。
ZnSeのバルクエネルギーバンドギャップは、ZnSeTeより大きくてもよい。
ZnSeSのバルクエネルギーバンドギャップは、ZnSeより大きくてもよい。
【0024】
本発明の半導体ナノ結晶粒子はカドミウムを含まない。
コア、第1シェル、及び第2シェルは、II−VI族化合物を含み得る。
コア、第1シェル、及び第2シェルはIII−V族化合物を含んでいなくてもよい。
第1シェルまたは第2半導体ナノ結晶は、亜鉛、セレニウム、及び選択によってテルルを含んでもよい。
第1シェルは第1層及び第2層を含み、第1層に含まれている半導体ナノ結晶のバンドギャップが第2層に含まれている半導体ナノ結晶のバンドギャップより小さくてもよい。
一実施形態で、コア、第1シェル、及び第2シェルは、亜鉛を含み得る。
一実施形態で、第1シェル又は第2半導体ナノ結晶は、セレニウム及び選択によってテルルを含み得る。
コアに含まれている第1半導体ナノ結晶は、ZnS、ZnSeS、又はこれらの組み合わせを含み得る。
コアの大きさ(例えば、直径)は、2nm以上、3nm以上、又は3.5nm以上であり得る。
コアの大きさは、5nm以下、又は4nm以下であり得る。
第1半導体ナノ結晶(又はコア又は量子ドット)は、銅、マンガン、又はこれらの組み合わせを含まないことが好ましい。
【0025】
コア又は半導体ナノ結晶粒子の組成は、任意の適切な手段によって確認することができる。
例えば、半導体ナノ結晶の組成は、透過電子顕微鏡のエネルギー分散型X線分光分析(Energy Dispersive X−ray Spectroscopy:EDS)マッピング分析及び/又はイメージ強度測定などによって確認することができる。
コア上には、コアを囲んで第1半導体ナノ結晶と異なる組成を有する第2半導体ナノ結晶を含む第1シェルが配置される。
第2半導体ナノ結晶は、バンドギャップが前記第1半導体ナノ結晶及び後述の第2シェルに含まれる第3半導体ナノ結晶より小さい。
第1シェル(例えば、第2半導体ナノ結晶)は、亜鉛及びセレニウムを含み得る。
例えば、第2半導体ナノ結晶は、ZnSe、ZnSeTe、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0026】
第1シェルは複数の層を有し、隣接する層は相異なる組成の半導体ナノ結晶を含み得る。
例えば、第1シェルは、第1層及び第2層を含み、第1層に含まれている半導体ナノ結晶のバンドギャップは第2層に含まれている半導体ナノ結晶のバンドギャップより小さいことが好ましい。
第1シェルの第1層は、ZnSeTeを含み得る。
第1シェルの第2層は、ZnSeを含み得る。
第1シェルはテルルを含むことができ、テルルに対して半径方向に変化する(例えば、コアに向かって増加又は減少する)濃度勾配を有し得る。
【0027】
第1シェルがテルルを含む場合、半導体ナノ結晶粒子で、テルル含量は、セレニウム1モルに対して、0.001モル以上、例えば、0.002モル以上、0.003モル以上、又は0.004モル以上であり得る。
半導体ナノ結晶粒子で、セレニウム含量に対するテルルの含量は、セレニウム1モルに対して、0.1モル以下、0.09モル以下、0.08モル以下、0.07モル以下、0.06モル以下、0.05モル以下、0.049モル以下、0.048モル以下、0.047モル以下、0.046モル以下、0.045モル以下、0.044モル以下、0.043モル以下、0.042モル以下、0.041モル以下、0.04モル以下、0.039以下、0.035以下、0.03以下、0.029以下、0.025以下、0.024以下、0.023以下、0.022以下、0.021以下、0.02以下、0.019以下、0.018以下、0.017以下、0.016以下、0.015以下、0.014以下、0.013以下、0.012以下、0.011以下、0.01以下、又は0.009以下であり得る。
【0028】
第1シェルがテルルを含む場合、半導体ナノ結晶粒子で、亜鉛に対するテルルの含量は、亜鉛1モルに対して、0.001以上、例えば、0.002以上及び0.02以下、例えば、0.015以下、0.01以下、0.009以下、又は0.008以下であり得る。
半導体ナノ結晶粒子で、亜鉛に対するセレニウムのモル比(Se/Zn)は、0.1以上、例えば、0.2以上、0.25以上、又は0.3以上及び1以下、例えば、0.9以下、0.8以下、0.7以下、又は0.6以下であり得る。
半導体ナノ結晶粒子で、亜鉛に対する硫黄のモル比(S/Zn)は、0.1以上、例えば、0.2以上、0.25以上、又は0.3以上及び1以下、例えば、0.9以下、0.8以下、0.7以下、又は0.6以下であり得る。
【0029】
半導体ナノ結晶粒子で、セレニウムの含量は硫黄の含量より高いことが好ましい。
他の実施形態で、半導体ナノ結晶粒子で、セレニウムの含量は硫黄の含量より低いことが好ましい。
一実施形態で、セレニウムに対する硫黄のモル比(S/Se)は、0.2以上、0.3以上、0.4以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、又は1以上であり得る。
一実施形態で、セレニウムに対する硫黄のモル比(S/Se)は、2以下、例えば、1.9以下、1.8以下、1.7以下、又は1.65以下であり得る。一実施形態で、セレニウムに対する硫黄のモル比(S/Se)は1以下であり得る。
半導体ナノ結晶粒子で、亜鉛に対する硫黄及びセレニウムの総合のモル比(S+Se/Zn)は、0.5以上、0.6以上、0.7以上、又は0.8以上及び1.5以下、1以下、又は0.9以下であり得る。
半導体ナノ結晶粒子で、各元素の含量又はこれらの間の比率は、誘導結合プラズマ−原子発光分析など適切な手段によって確認することができる。
【0030】
第1シェルの厚さは、3モノレイヤー以上、例えば、4モノレイヤー以上、5モノレイヤー以上、6モノレイヤー以上、7モノレイヤー以上、又は8モノレイヤー以上であり得る。
第1シェルの厚さは、15モノレイヤー以下、12モノレイヤー以下、又は10モノレイヤー以下であり得る。
【0031】
本発明の一実施形態による半導体ナノ結晶粒子は、第1シェル上に配置され、第2半導体ナノ結晶と異なる組成を有する第3半導体ナノ結晶を含む第2シェルを有する。
第2シェルは、半導体ナノ結晶粒子の最外殻層であり得る。
一実施形態で、半導体ナノ結晶粒子は、ZnSコア(例えば、亜鉛硫化物を含むか、これからなるコア)及びコア上に配置されたZnSe
1−xTe
x/ZnS多層シェル(xは0以上及び1以下)を有し得る。
一実施形態で、半導体ナノ結晶粒子は、ZnSコア及びZnSe
1−xTe
x/ZnSe/ZnS(xは0超過及び1以下)多層シェルを有することができる。
一実施形態で、半導体ナノ結晶粒子は、ZnSeSコア及びZnSe
1−xTe
x/ZnS(xは0以上及び1以下)多層シェルを有し得る。
【0032】
本発明の一実施形態による半導体ナノ結晶は、前述のコア及び多層シェル構造を有することによって所望の範囲(例えば、青色)の最大発光ピーク波長を有しながら、向上した水準の量子効率及び30nm以下の半値幅を示すことができる。
また、半導体ナノ結晶粒子がシェル形成によって増加した大きさを有する場合にも膜を形成するのに有利な均一なモルフォロジーを有することができるため、素子(装置)への適用が容易になり得る。
【0033】
本発明の一実施形態による半導体ナノ結晶粒子の構造及びバンドギャップ構造を図を参照して説明する。
図面において半導体ナノ結晶粒子の断面は円形に示したが、これに制限されるわけではなく、多角形断面など多様な断面を有することができる。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態による半導体ナノ結晶粒子の模式的断面図と、その模式的エネルギーバンド構造を示す図である
図1を参照すると、本発明の一実施形態による半導体ナノ結晶粒子は、バンドギャップが比較的に広いコア(例えば、ZnS基盤のコア)を有し、コアの上に、コアより狭いバンドギャップを有する第1シェル(例えば、ZnSe、ZnSeS、ZnSeTe、又はこれらの組み合わせ)を有する。
第1シェル上には、バンドギャップが比較的に広い第2シェル(例えば、ZnS又はZnSeS)が配置される。
【0035】
図2は、本発明の他の実施形態による半導体ナノ結晶粒子の模式的断面図とその模式的エネルギーバンド構造を示す図である。
図2を参照すると、本発明の他の実施形態の半導体ナノ結晶粒子は、バンドギャップが比較的に広いコア(例えば、ZnS又はZnSeSベースのコア)を有し、コア上に、コアより狭いバンドギャップを有する第1シェル(例えば、ZnSe又はZnSeTe)を有する。
第1シェル上には、バンドギャップが第1シェルより広い第2シェル(例えば、ZnS又はZnSeS)が配置される。
【0036】
上述の構造を有する半導体ナノ結晶の最大光の発光ピークは、所望の範囲を有する(特に、青色の)光の発光波長と比較的に狭い半値幅を示すことができる。
前述の構造を有する半導体ナノ結晶は、向上した溶液安定性を示し、溶液中時間による光効率の減少現像が低減/抑制され得る。
特定理論によって拘束しようとするものではないが、本発明の一実施形態による半導体ナノ結晶粒子では、最終半導体ナノ結晶の光の発光ピークの波長が第1シェルの組成/厚さなどによって実質的に変化可能であり、第2シェルの広いエネルギーバンドギャップが第1シェルのバンドギャップを十分にカバーして励起された電子及び/又は正孔が第1シェル内によく拘束(confine)され得ると思われる。
本発明の一実施形態による半導体ナノ結晶粒子は、緩和された格子不整合(lattice mismatch)を有し、均一に成長した比較的に厚いシェルを含むことができる。
したがって、これを含むフィルムは(例えば、均一性など)向上したモルフォロジーを示すことができる。
【0037】
本発明の一実施形態の半導体ナノ結晶粒子は、その大きさが8nm又は9nmを超過する場合にも(例えば、TEMイメージで)比較的に一定の粒子形状を維持することができる。
素子(装置)への適用のために半導体ナノ結晶粒子を単膜として製造する場合、製造された単膜のフィルムモルフォロジーの均一性が向上できる。
第2シェルの厚さは、1モノレイヤー(ML)以上、例えば、2ML以上及び11ML以下、例えば、10ML以下、9ML以下、8ML以下、7ML以下、6ML以下、5ML以下、4ML以下、又は3ML以下であり得る。
【0038】
量子ドットは(即ち、半導体ナノ結晶粒子は)、任意の形状を有することができる。
量子ドットは、球形、多面体、マルチポッド型、又はこれらの組み合わせを含み得る。
量子ドットの大きさは、3nm以上、例えば、4nm以上、5nm以上、又は6nm以上であり得る。
量子ドットの大きさは、50nm以下、例えば、45nm以下、40nm以下、35nm以下、30nm以下、25nm以下、24nm以下、23nm以下、22nm以下、21nm以下、20nm以下、19nm以下、18nm以下、17nm以下、又は16nm以下であり得る。
ここで、量子ドットの大きさは直径であるが、球形でない場合、量子ドットの大きさは、電子顕微鏡によって確認される2次元イメージから球形を仮定して計算される直径であり得る。
量子ドットの大きさは、電子顕微鏡分析によって確認できるが、これに制限されない。
【0039】
本発明の一実施形態による半導体ナノ結晶粒子は、420nm以上(例えば、430nm以上、433nm以上、440nm以上、445nm以上、又は450nm以上)及び470nm以下(例えば、470nm未満、465nm以下、又は460nm以下)の波長で最大光発光ピークを有する青色光を放出することができる。
青色光は450nm〜460nmの最大発光ピーク波長を有し得る。
最大光の発光ピークは、416nm以上及び460nm以下の範囲にあり得る。
一実施形態による半導体ナノ結晶粒子は、400nm以上及び500nm以下の範囲で最大光発光ピークを示し得る。
最大光の発光ピークは、50nm以下、例えば、49nm以下、48nm以下、47nm以下、46nm以下、45nm以下、44nm以下、43nm以下、42nm以下、41nm以下、40nm以下、39nm以下、38nm以下、37nm以下、36nm以下、35nm以下、34nm以下、33nm以下、32nm以下、31nm以下、30nm以下、29nm以下、又は28nm以下の半値幅を有し得る。
【0040】
半導体ナノ結晶粒子は、40%以上、50%以上、60%以上、61%以上、62%以上、63%以上、64%以上、65%以上、66%以上、67%以上、68%以上、69%以上、又は70%以上の量子効率(quantum efficiency)を有し得る。
半導体ナノ結晶粒子は、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上、又は100%の量子効率を示し得る。
【0041】
本発明の半導体ナノ結晶粒子は、後述の方法によって製造でき、したがって、粒子表面に配位された(後述する)有機リガンドを含み得る。
本発明の実施形態による上述の半導体ナノ結晶粒子を製造する方法は、
第1半導体ナノ結晶を含む(コアを含む)コア粒子を得る段階と、
有機溶媒内で、コア及び有機リガンドの存在下で、第2半導体ナノ結晶のための第2金属前駆体及び第2非金属前駆体間の反応を行って、コア上に第2半導体ナノ結晶を含む第1シェルを形成する(即ち、第1シェルが形成された粒子を含む反応液を得る)段階と、
(例えば、反応液に第3半導体ナノ結晶のための第3金属前駆体及び第3半導体ナノ結晶のための第3非金属前駆体を付加し)有機溶媒内で第1シェルが形成された粒子及び有機リガンドの存在下で、第3半導体ナノ結晶のための第3金属前駆体及び第3非金属前駆体間の反応を行って、第1シェル上に第3半導体ナノ結晶を含む第2シェルを形成する段階を含む。
【0042】
第1シェルを形成する段階は、有機溶媒、有機リガンド、及び第2金属前駆体の混合物を第1温度で加熱し、第1温度で加熱された混合物にコア粒子及び第2非金属前駆体を付加する段階をさらに含み得る。
コアを得る段階は、有機リガンドの存在下で第1半導体ナノ結晶のための第1金属前駆体及び第1非金属前駆体を有機溶媒内で反応させることを含み得る。
コアを得る段階は、反応生成物から合成されたコアを分離する段階を含み得る。
コア、第1シェル、及び第2シェルに関する内容は、前述のとおりである。
【0043】
第1金属/非金属前駆体、第2金属/非金属前駆体、及び第3金属/非金属前駆体は、それぞれ、第1半導体ナノ結晶、第2半導体ナノ結晶、及び第3半導体ナノ結晶の組成によって選択する。
一実施形態で、第1金属前駆体及び前記第3金属前駆体、そして選択によって第2金属前駆体は亜鉛前駆体を含み得る。
亜鉛前駆体は、亜鉛粉末、アルキル化亜鉛化合物(例えば、炭素数2〜30のアルキル(例えば、ジアルキル)亜鉛、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛)、亜鉛アルコキシド、亜鉛カルボキシレート、亜鉛ニトレート、亜鉛ペルコレート、亜鉛ペルクロレート、亜鉛スルフェート、亜鉛アセチルアセトネート、亜鉛ハロゲン化物、亜鉛シアン化物、亜鉛ヒドロキシド、ZnO、亜鉛ペルオキシド、亜鉛カーボネート、又はこれらの組み合わせであり得るが、これに制限されない。
【0044】
亜鉛前駆体の例は、亜鉛オレート、亜鉛ステアレートなどのように長アルキル鎖(long alkyl chain)を有するカルボキシリック亜鉛、ジメチル亜鉛(dimethyl zinc)、ジエチル亜鉛(diethyl zinc)、亜鉛アセテート(zinc acetate)、亜鉛アセチルアセトネート(zinc acetylacetonate)、亜鉛アイオダイド(zinc iodide)、亜鉛ブロミド(zinc bromide)、亜鉛クロリド(zinc chloride)、亜鉛フルオリド(zinc fluoride)、亜鉛カーボネート(zinc carbonate)、亜鉛シアニド(zinc cyanide)、亜鉛ニトレート(zinc nitrate)、亜鉛オキシド(zinc oxide)、亜鉛ペルオキシド(zinc peroxide)、亜鉛ペルクロレート(zinc perchlorate)、亜鉛スルフェート(zinc sulfate)、及びこれらの組み合わせを含むことができる。
(コアまたはシェルの形成において)亜鉛前駆体は、亜鉛カルボキシレート(例えば、亜鉛アセテート)、アルキル亜鉛(例えば、ジアルキル亜鉛)、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0045】
第1非金属前駆体は、硫黄前駆体及び選択によってセレニウム前駆体を含む。
第3非金属前駆体は、硫黄前駆体を含む。
第2非金属前駆体は、セレニウム前駆体及び選択によってテルル前駆体を含み得る。
第3非金属前駆体は、セレニウム前駆体、テルル前駆体、又はこれら全てを含まないことが好ましい。
第2非金属前駆体は、硫黄前駆体を含まないことが好ましい。
セレニウム前駆体、硫黄前駆体、及びテルル前駆体の種類は、適切に選択することができる。
【0046】
一実施形態で、セレニウム前駆体は、セレニウム元素の有機溶媒分散液を含み得る。
例えば、セレニウム前駆体は、セレン−トリオクチルホスフィン(Se−TOP)、セレン−トリブチルホスフィン(Se−TBP)、セレン−トリフェニルホスフィン(Se−TPP)、セレン−ジフェニルホスフィン(Se−DPP)、セレン−トリオクチルホスフィンオキシド、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0047】
一実施形態で、テルル前駆体は、テルル元素の有機溶媒分散液を含み得る。
例えば、テルル前駆体は、テルル−トリオクチルホスフィン(TOP)、テルル−トリブチルホスフィン(Te−TBP)、テルル−トリフェニルホスフィン(Te−TPP)、テルル−ジフェニルホスフィン(Te−DPP)、テルル−トリオクチルホスフィンオキシド、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0048】
一実施形態で、硫黄前駆体は、ヘキサンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、メルカプトプロピルシラン、サルファー−トリオクチルホスフィン(S−TOP)、サルファー−トリブチルホスフィン(S−TBP)、サルファー−トリフェニルホスフィン(S−TPP)、サルファー−トリオクチルアミン(S−TOA)、ビストリメチルシリルサルファー(bistrimethylsilyl sulfur)、硫化アンモニウム、硫化ナトリウム、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0049】
第1金属/非金属前駆体、第2金属/非金属前駆体、第3金属/非金属前駆体の種類は、最終半導体ナノ結晶粒子の組成及び化合物の反応性を考慮して適切に選択することができる。
有機リガンドは、半導体ナノ結晶の表面に配位し、半導体ナノ結晶が溶液上によく分散されるようにするだけでなく、発光及び電気的特性に影響を与えることができる。
有機リガンドは、RCOOH、RNH
2、R
2NH、R
3N、RSH、RH
2PO、R
2HPO、R
3PO、RH
2P、R
2HP、R
3P、ROH、RCOOR’、RPO(OH)
2、RHPOOH、R
2POOH(ここで、R、R’はそれぞれ独立して、水素、炭素数1〜40の置換又は非置換の脂肪族炭化水素、又は炭素数6〜40の置換又は非置換の芳香族炭化水素、又はこれらの組み合わせを含み、各リガンドで、少なくとも一つのRは水素でない)、又はこれらの組み合わせを含み得る。
リガンドは、単独で又は2以上の化合物の混合物で使用され得る。
【0050】
有機リガンド化合物の具体的な例としては、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、ブタンチオール、ペンタンチオール、ヘキサンチオール、オクタンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、ベンジルチオール、メタンアミン、エタンアミン、プロパンアミン、ブタンアミン、ペンタンアミン、ヘキサンアミン、オクタンアミン、ドデカンアミン、ヘキサデシルアミン、オレイルアミン、オクタデシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メタン酸、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ドデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、オレイン酸、安息香酸、パルミチン酸(palmitic acid)、ステアリン酸(stearic acid)、メチルホスフィン、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、ペンチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィンなどのホスフィン、メチルホスフィンオキシド、エチルホスフィンオキシド、プロピルホスフィンオキシド、ブチルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシドなどのホスフィン化合物又はそのオキシド化合物、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン化合物又はそのオキシド化合物、ホスホン酸(phosphonic acid)、ホスフィン酸(phosphinic acid)などが挙げられるが、これらに制限されるのではない。
【0051】
有機リガンド化合物は、単独で又は2種以上の混合物で使用することができる。
一実施形態で、有機リガンド化合物は、RCOOHとアミン(例えば、RNH
2、R
2NH、及び/又はR
3N)の組み合わせであり得る。
有機溶媒は、ヘキサデシルアミンなどの炭素数6〜22の1次アミン、ジオクチルアミンなどの炭素数6〜22の2次アミン、トリオクチルアミンなどの炭素数6〜40の3次アミン、ピリジンなどの窒素含有ヘテロ環化合物、オクタデセンなどの炭素数6〜40のオレフィン、ヘキサデカン、オクタデカン、スクアレン(squalane)などの炭素数6〜40の脂肪族炭化水素、フェニルドデカン、フェニルテトラデカン、フェニルヘキサデカンなど炭素数6〜30のアルキル基で置換された芳香族炭化水素、少なくとも一つ(例えば、一つ、2つ、又は3つ)の炭素数6〜22のアルキル基で置換された1次、2次、又は3次ホスフィン(例えば、トリオクチルホスフィン)、(例えば、1つ、2つ、又は3つ)の炭素数6〜22のアルキル基で置換されたホスフィンオキシド(例えば、トリオクチルホスフィンオキシド)、フェニルエーテル、ベンジルエーテルなど炭素数12〜22の芳香族エーテル、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0052】
コア形成及び/又はシェル形成のための反応温度、時間などの反応条件は、特に制限されず、適切に選択することができる。
一実施形態で、真空下で、溶媒及び選択によってリガンド化合物を所定の温度(例えば、100℃以上)で加熱(又は真空処理)し、不活性気体雰囲気に変えて再び所定の温度(例えば、100℃以上)で加熱する。
次いで、コア及び/又は金属/非金属前駆体を順次に又は同時に投入し、所定の反応温度で加熱して反応を行う。
シェル前駆体は、相異なる比率の混合物を反応時間の間に順次に投入することができる。
反応温度は適切に選択することができ、特に制限されない。
例えば、コアの製造のための反応温度は、260℃以上、270℃以上、280℃以上、290℃以上、又は295℃以上、及び340℃以下、例えば、335℃以下、330℃以下、325℃以下であり得る。
第1シェル及び第2シェルの形成のための反応温度は、260℃以上、270℃以上、280℃以上、290℃以上、295℃以上、300℃以上、310℃以上、325℃以上、330℃以上、または335℃以上、及び340℃以下、例えば、335℃以下、330℃以下、又は325℃以下であり得る。
【0053】
反応終了後、反応生成物に非溶媒(nonsolvent)を付加すれば、リガンド化合物が配位されたナノ結晶粒子が分離され得る。
非溶媒は、コア形成及び/又はシェル形成反応に使用された溶媒と混和されるが、製造されたナノ結晶を分散させることができない極性溶媒であり得る。
非溶媒は、反応に使用した溶媒によって決定することができ、例えば、アセトン、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、エタンジオール、水、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエチルエーテル(diethylether)、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、エチレングリコール、前記羅列した溶媒と類似の溶解度パラメータ(solubility parameter)を有する溶媒、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0054】
分離は、遠心分離、沈殿、クロマトグラフィー、又は蒸留を用いることができる。
分離されたナノ結晶は、必要によって洗浄溶媒に付加されて洗浄され得る。
洗浄溶媒は特に制限されず、リガンドと類似の溶解度パラメータを有する溶媒を使用することができ、その例としてはヘキサン、ヘプタン、オクタン、クロロホルム、トルエン、ベンゼンなどが挙げられる。
【0055】
本発明の他の実施形態で、電子素子(装置)は、前述の半導体ナノ結晶粒子を含む。
電子素子(装置)は、表示素子、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、量子ドットLED、センサー(sensor)、太陽電池、イメージングセンサー、又は液晶表示装置を含むが、これに制限されない。
また他の実施形態で、電子素子は、光発光素子(例えば、量子ドットシート、量子ドットレールなど照明装置、液晶表示装置など)又は電界発光素子(例えば、QD LED)であり得る。
また他の実施形態で、電子素子は、量子ドットシートを含むことができ、前述の半導体ナノ結晶粒子は、量子ドットシート内に(例えば、半導体ナノ結晶−ポリマー複合体の形態で)含まれ得る。
【0056】
本発明の一実施形態で、電子素子は電界発光素子であり得る。
図3は、本発明の一実施形態によるQD(量子ドット)LED素子の模式的断面図である。
図3を参照すると、電子素子は、互いに対向するアノード1とカソード5及びアノードとカソードの間に配置され複数の量子ドットを含む量子ドット発光層3を含むことができ、複数の量子ドットは前述の半導体ナノ結晶粒子を含み得る。
発光素子は、第1電極と発光層の間に正孔注入層(hole injecting layer:HIL)、正孔輸送層(hole transporting layer:HTL)、電子遮断層(electron blocking layer:EBL)、及びこれらの組み合わせから選択される正孔補助層をさらに含み得る。
発光素子は、第2電極と発光層の間に電子注入層(electron injecting layer:EIL)、電子輸送層(electron transporting layer:ETL)、正孔遮断層(hole blocking layer:HBL)、及びこれらの組み合わせから選択される電子補助層をさらに含み得る。
【0057】
本発明の他の実施形態は、発光素子(例えば、電界発光素子)を含む表示装置である。
カソードは、低い仕事関数を有する電子注入導体を含み得る。
アノードは、比較的に高い仕事関数を有する正孔注入導体を含み得る。
電子/正孔注入導体は、(アルミニウム、マグネシウム、タングステン、ニッケル、コバルト、白金、パラジウム、カルシウム、LiF)などの金属ベースの材料(例えば、金属、金属化合物、合金、これらの組み合わせ)、ガリウムインジウム酸化物、インジウム錫酸化物などの金属酸化物、又はポリエチレンジオキシチオフェンなど(例えば、比較的に高い仕事関数の)導電性ポリマーなどを含み得るが、これに制限されない。
【0058】
カソードとアノードの内の少なくとも一つは、透光電極又は透明電極であり得る。
一実施形態で、アノード及びカソードは全て透光電極であり得る。
電極はパターン化され得る。
透光電極は、例えば、インジウム錫酸化物(indium tin oxide:ITO)又はインジウム亜鉛酸化物(indium zinc oxide:IZO)、ガリウムインジウム錫酸化物、亜鉛インジウム錫酸化物、チタニウム窒化物、ポリアニリン、LiF/Mg:Agなどのような透明導電体、又は薄い厚さの単一層又は複数層の金属薄膜から製造することができるが、これに制限されない。
カソードとアノードの内の一つが不透光電極である場合、例えば、アルミニウム(Al)、リチウムアルミニウム(Li:Al)合金、マグネシウム−銀合金(Mg;Ag)、リチウムフルオリド−アルミニウム(LiF:Al)のような不透明導電体から製造することができる。
【0059】
透光電極は(例えば、絶縁性の)透明基板上に配置され得る。
基板は、硬いか柔軟であってもよい。
基板は、プラスチック、ガラス、又は金属であり得る。
アノード及びカソードの厚さは、特に限定されず、素子効率を考慮して適切に選択することができる。
例えば、アノード(又はカソード)の厚さは、5nm以上、例えば、50nm以上であり得るが、これに制限されない。
例えば、アノード(又はカソード)の厚さは、100μm以下、例えば、10μm以下、又は1μm以下、900nm以下、500nm以下、又は100nm以下であり得るが、これに制限されない。
【0060】
量子ドット発光層は複数の量子ドットを含む。
複数の量子ドットは、前述の実施形態による青色発光半導体ナノ結晶粒子を含む。
量子ドット発光層は、青色発光半導体ナノ結晶粒子のモノレイヤーを含み得る。
発光層は、量子ドットを溶媒に分散させた分散液をスピンコーティング、インクジェット又はスプレーコーティングなどの方法で塗布した後に乾燥して形成することができる。
発光層は、約5nm以上、約10nm以上、約15nm以上、約20nm以上、又は25nm以上及び100nm以下、例えば約90nm以下、80nm以下、70nm以下、約60nm以下、約50nm以下、約40nm以下、又は約30nm以下の厚さで形成し得る。
【0061】
電子素子は、アノードとカソードの間に電荷(正孔又は電子)補助層を含むことができる。
例えば、電子素子は、アノードと量子ドット発光層の間に正孔補助層2、及び/又はカソードと量子ドット発光層の間に電子補助層4を含み得る(参照図3)。
図3では正孔/電子補助層が単一層で形成されたものを示したが、これに限定されず、2層以上が積層された複数層で形成することもできる。
正孔補助層は、例えば、正孔の注入を容易にする正孔注入層(HIL)、正孔の輸送を容易にする正孔輸送層(HTL)、電子の移動を阻止する電子遮断層(EBL)又はこれらの組み合わせを含み得る。
例えば、正孔輸送層とアノードの間に正孔注入層が配置され得る。
例えば、電子遮断層は、発光層と正孔輸送(注入)層の間に配置されてもよいが、これに制限されない。
【0062】
各層の厚さは、適切に選択することができる。
例えば、各層の厚さは、1nm以上、5nm以上、10nm以上、15nm以上、20nm以上、又は25nm以上、及び500nm以下、400nm以下、300nm以下、200nm以下、100nm以下、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下、又は50nm以下であり得るが、これに制限されない。
正孔注入層は、PEDOT:PSSのように溶液工程(例えば、スピンコーティングなど)によって形成される有機層であり得る。
正孔輸送層も溶液工程(例えば、スピンコーティングなど)によって形成される有機層であり得る。
【0063】
電子補助層は、例えば、電子の注入を容易にする電子注入層(EIL)、電子の輸送を容易にする電子輸送層(ETL)、正孔の移動を阻止する正孔遮断層(HBL)又はこれらの組み合わせを含み得る。
例えば、電子輸送層とカソードの間に電子注入層が配置され得る。
例えば、正孔遮断層は発光層と電子輸送(注入)層の間に配置されてもよいが、これに制限されない。
各層の厚さは、適切に選択することができる。
例えば、各層の厚さは、1nm以上、5nm以上、10nm以上、15nm以上、20nm以上、又は25nm以上、及び500nm以下、400nm以下、300nm以下、200nm以下、100nm以下、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下、又は50nm以下であり得るが、これに制限されない。
【0064】
電子注入層は、蒸着によって形成される有機層であり得る。
電子輸送層は、無機酸化物(ナノ又は微細)粒子を含むか、あるいは蒸着によって形成される有機層であり得る。
量子ドット発光層は、正孔注入(又は輸送)層又は電子注入(輸送)層内に配置され得る。
量子ドット発光層は、正孔補助層と電子補助層の間に別途の層として配置され得る。
電荷補助層、電子遮断層、及び正孔遮断層は、例えば有機物、無機物又は有機−無機物を含み得る。
有機物は、正孔又は電子関連物性を有する有機化合物であり得る。
無機物は、例えばモリブデン酸化物、タングステン酸化物、亜鉛酸化物、ニッケル酸化物のような金属酸化物であり得るが、これに制限されない。
【0065】
正孔輸送層(HTL)及び/又は正孔注入層は、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホネート)(poly(3,4−ethylenedioxythiophene):poly(styrenesulfonate)、PEDOT:PSS)、ポリ(9,9−ジオクチル−フルオレン−コ−N−(4−ブチルフェニル)−ジフェニルアミン)(Poly(9,9−dioctyl−fluorene−co−N−(4−butylphenyl)−diphenylamine)、TFB)、ポリアリールアミン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(poly(N−vinylcarbazole)、ポリアニリン(polyaniline)、ポリピロール(polypyrrole)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)−ベンジジン(N,N,N’,N’−tetrakis(4−methoxyphenyl)−benzidine:TPD)、4−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(4−bis[N−(1−naphthyl)−N−phenyl−amino]biphenyl、α−NPD)、m−MTDATA(4,4’,4”−Tris[phenyl(m−tolyl)amino]triphenylamine)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)−トリフェニルアミン(4,4’,4”−tris(N−carbazolyl)−triphenylamine:TCTA)、1,1−ビス[(ジ−4−トリル)アミノ)フェニルシクロヘキサン(TAPC)、p型金属酸化物(例えば、NiO、WO
3、MoO
3など)、グラフェンオキシドなど炭素ベースの材料、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも一つを含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0066】
電子遮断層(EBL)及び/又は電子注入層は、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホネート)(poly(3,4−ethylenedioxythiophene):poly(styrenesulfonate)、PEDOT:PSS)、ポリ(9,9−ジオクチル−フルオレン−コ−N−(4−ブチルフェニル)−ジフェニルアミン)(Poly(9,9−dioctyl−fluorene−co−N−(4−butylphenyl)−diphenylamine)、TFB)、ポリアリールアミン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(poly(N−vinylcarbazole))、ポリアニリン(polyaniline)、ポリピロール(polypyrrole)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)−ベンジジン(N,N,N’,N’−tetrakis(4−methoxyphenyl)−benzidine:TPD)、4−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(4−bis[N−(1−naphthyl)−N−phenyl−amino]biphenyl:α−NPD)、m−MTDATA、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)−トリフェニルアミン(4,4’,4”−tris(N−carbazolyl)−triphenylamine:TCTA)及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも一つを含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0067】
電子輸送層(ETL)は、例えば、1,4,5,8−ナフタレン−テトラカルボキシリックジアンヒドリド(1,4,5,8−naphthalene−tetracarboxylic dianhydride:NTCDA)、バソクプロイン(bathocuproine:BCP)、トリス[3−(3−ピリジル)−メシチル]ボラン(3TPYMB)、LiF、Alq
3、Gaq
3、Inq
3、Znq
2、Zn(BTZ)
2、BeBq
2、ET204(8−(4−(4,6−di(naphthalen−2−yl)−1,3,5−triazin−2−yl)phenyl)quinolone)、8−ヒドロキシキノリナトリチウム(Liq)、n型金属酸化物(例えば、亜鉛オキシド化合物、HfO
2など)、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも一つを含むことができるが、これに限定されるのではない。
n型金属酸化物は、結晶性であり得る。
電子輸送層は、亜鉛オキシド化合物(ZnO、ZnMgO)を含む結晶性ナノ粒子を含み得る。
【0068】
正孔遮断層(HBL)は、例えば、1,4,5,8−ナフタレン−テトラカルボキシリックジアンヒドリド(1,4,5,8−naphthalene−tetracarboxylic dianhydride:NTCDA)、バソクプロイン(BCP)、トリス[3−(3−ピリジル)−メシチル]ボラン(3TPYMB)、LiF、Alq
3、Gaq
3、Inq
3、Znq
2、Zn(BTZ)
2、BeBq
2、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも一つを含み得るが、これに限定されるのではない。
上記で「q」は「8−hydroxyquinoline」、「BTZ」は「2−(2−hydroxyphenyl)benzothiazolate」、「Bq」は「10−hydroxybenzo[h]quinoline」を示す。
【0069】
図4は、本発明の一実施形態によるQD LED素子の模式的断面図である。
図4を参照すると、本発明の一実施形態による素子で、透明基板100の上に配置されたアノード10は金属酸化物ベースの透明電極(例えば、ITO電極)を含むことができ、アノードと対向するカソード50は所定の(比較的低い)仕事関数の金属(Mg、Alなど)を含み得る。
正孔補助層20、例えば、TFB及び/又はPVKが正孔輸送層として、及び/又はPEDOT:PSS及び/又はp型金属酸化物などが正孔注入層として、透明電極10と発光層30の間に配置され得る。
量子ドット発光層30とカソード50の間には、電子注入層/輸送層など電子補助層40が配置されてもよい。
【0070】
図5は、本発明の一実施形態によるQD LED素子の模式的断面図である。
図5を参照すると、他の実施形態の素子は、逆構造(Inverted structure)を有する。
ここでは、透明基板100の上に配置されたカソード50が金属酸化物ベースの透明電極(例えば、ITO)を含むことができ、カソード50と対向するアノード10は比較的に高い仕事関数の金属(Au、Agなど)を含み得る。
例えば、n型金属酸化物(ZnO)などが電子補助層(例えば、電子輸送層)40としてカソード50と発光層30の間に配置され得る。
金属のアノード10と量子ドット発光層30の間には正孔補助層20(例えば、TFB及び/又はPVKを含む正孔輸送層、そして/あるいはMoO
3又は他のp型金属酸化物を含む正孔注入層)が配置され得る。
以下、具体的な実施例を提示する。
但し、下記に記載された実施例は発明を具体的に例示するか説明するためのものに過ぎず、これによって発明の範囲が制限されてはならない。
【0071】
≪実施例≫
<分析方法>
[1]光発光(Photoluminescence)分析
Hitachi F−7000スペクトロメーターを用いて照射波長372nmで製造されたナノ結晶の光発光(photoluminescence:PL)スペクトルを得る。
[2]UV分光分析
Hitachi U−3310スペクトロメーターを用いてUV分光分析を行って紫外可視(UV−Visible)吸収スペクトルを得る。
[3]TEM分析
UT F30 Tecnai electron microscopeを用いて製造されたナノ結晶の透過電子顕微鏡写真を得る。
[4]ICP−AES分析
Shimadzu ICPS−8100を用いて誘導結合プラズマ原子発光分光分析(ICP−AES)を行う。
合成は、特に言及しない限り、不活性気体雰囲気(窒素flowing条件下)で行う。
【0072】
<実施例1:ZnS/ZnSe/ZnS>
セレニウム及び硫黄をトリオクチルホスフィン(TOP)に分散させて1MのSe/TOP原液(stock solution)及び1MのS/TOP原液を準備する。
1MのZn原液をシグマアルドリッチ(sigma Aldrich)社から購買する。
【0073】
[1]300mLの反応フラスコ内に、オレイン酸を含む有機リガンド及びジエチル亜鉛原液をトリオクチルアミンに溶解させ真空下で、120℃で加熱する。
フラスコ内を不活性気体で置換し、S/TOP原液を注入し、温度を300℃まで上げて40分間反応させる。
反応後、常温に速やかに冷ました反応溶液にエタノールを入れ、遠心分離してZnSコア粒子を回収する。
回収したZnSコア粒子は、トルエンに分散させる。
使用されたZn前駆体及びS前駆体の含量比(Zn:S、モル比)は、大略2:1である。
コア粒子に対して透過電子顕微鏡分析を行う。
その結果、得られたコア粒子は大体球形の形状を有し、平均大きさが2.6nm程度であるのを確認する。
コア粒子に対して、UV−vis分光分析及び光発光分光分析を行い、その結果を下記に示す表1に整理した。
【0074】
[2]300mLの反応フラスコ内にTOAを入れ、亜鉛アセテートとオレイン酸を付加した後、120℃で真空処理する。
窒素(N
2)で反応フラスコ内を置換する。
300℃以上の反応温度まで加熱しながら製造されたZnSコアのトルエン分散液を迅速に入れ、次いでZn前駆体(ジエチル亜鉛ヘキサン溶液)と共にSe/TOP原液を数回付加し、1時間以上反応させてコア粒子上にZnSe層を形成する。
その後、Zn前駆体と共にS/Top原液を付加し、50分反応させてZnSe層上にZnS層を形成する。
使用されたZn前駆体、Se前駆体、S前駆体の含量モル比は、5:2:3である。
反応後、常温に速やかに冷ました反応溶液にエタノールを入れ、遠心分離してコア/シェル粒子を回収し、有機溶媒(例えば、トルエン又はオクタン)に分散させる。
【0075】
[3]製造された半導体ナノ結晶粒子に対して透過電子顕微鏡分析及びエネルギー分散型X線分光分析(EDS)を行って、その結果を図6、図7及び図8にそれぞれ示す。
透過電子顕微鏡での分析の結果、製造された半導体ナノ結晶の大きさは、9.5±0.7nmの平均大きさを有し、均一な形状分布を有するのを確認した。
EDS分析及びイメージ強度分析結果、製造された半導体ナノ結晶がZnSコア及びZnS最外殻シェルを有するのを確認した。
【0076】
[4]製造された半導体ナノ結晶粒子に対して、UV−vis分光分析及び光発光分光分析を行い、その結果を下記表1に整理した。
製造された半導体ナノ結晶粒子に対して、誘導プラズマ原子発光分析を行い、その結果を表2に整理した。
【0077】
<実施例2:ZnS/ZnSeTe/ZnSe/ZnS>
実施例1と同一な方式で、セレニウム前駆体溶液、硫黄前駆体溶液、及び亜鉛前駆体溶液を準備する。
テルルをトリオクチルホスフィン(TOP)に分散させて、0.1MのTe/TOP原液を準備する。
【0078】
[1]実施例1と同一の方式でZnSコアを準備する。
[2]300mLの反応フラスコ内にTOAを入れ、亜鉛アセテートとオレイン酸を付加した後、120℃で真空処理する。
窒素(N
2)で反応フラスコ内を置換する。
300℃まで加熱しながら製造されたZnSコアのトルエン分散液を迅速に入れ、次いでZn原液と共にSe/TOP原液及びTe/TOP原液を数回付加し、1時間以上反応させてZnSコア上にZnTeSe層を形成する。
次いで、Zn原液と共にSe/TOP原液を付加し、20分程度反応させてZnSe層を形成し、再びZn前駆体と共にS/Top原液を付加し、50分反応させてZnS層を形成する。
使用されたZn前駆体、Se前駆体、S前駆体、Te前駆体の含量モル比は、大略5:2:3:0.01である。
反応後、常温に速やかに冷ました反応溶液にエタノールを入れ、遠心分離してコア/シェル粒子を回収し、有機溶媒(例えば、トルエン又はオクタン)に分散させる。
【0079】
[3]製造された半導体ナノ結晶粒子に対して透過電子顕微鏡分析を行い、その結果を図9にそれぞれ示す。
透過電子顕微鏡での分析の結果、製造された半導体ナノ結晶の大きさは、9.5±0.6nmの平均大きさを有し、均一な形状分布を有するのを確認した。
EDS分析及びイメージ強度の分析の結果、製造された半導体ナノ結晶は、ZnSコア及びZnS最外殻シェルを有するのを確認した。
製造された半導体ナノ結晶粒子に対して、UV−vis分光分析及び光発光分光分析を行い、その結果を下記に示す表1に整理した。
製造された半導体ナノ結晶粒子に対して誘導プラズマ原子発光分析を行い、その結果を表2に整理した。
【0080】
【表1】
コアは、光発光物性を示さないが、シェル形成によって顕著に向上した光発光物性(狭い半値幅及び高いQYを有する青色光)を示すのを確認した。
【表2】
【0081】
<比較例1:ZnTeSe/ZnSe/ZnS>
実施例1と同一の方式で、セレニウム前駆体溶液、硫黄前駆体溶液、及び亜鉛前駆体溶液を準備する。
テルルをトリオクチルホスフィン(TOP)に分散させて0.1MのTe/TOP原液を準備する。
【0082】
[1]300mLの反応フラスコ内に、オレイン酸を含む有機リガンド及びジエチル亜鉛原液をトリオクチルアミンに溶解させ、真空下で、120℃で加熱する。
フラスコ内を不活性気体で置換し、Se/TOP原液及びTe/TOP原液をTe/Se比率1/25で注入した後、温度を300℃まで上げて40分間反応させる。
反応後、常温に速やかに冷ました反応溶液にエタノールを入れ、遠心分離してZnSeTeコア粒子を回収する。
回収したZnSeTeコア粒子はトルエンに分散させる。
使用されたZn前駆体、Se前駆体、Te前駆体の含量モル比は、大略5:2:0.01である。
【0083】
[2]上記の製造したZnSeTeコアを使用し、前記コア上にZnSeTe層を形成しないことを除いては実施例1と同一の方式でZnSe/ZnS多層シェルを形成する。
反応後、常温に速やかに冷ました反応溶液にエタノールを入れ、遠心分離してコア/シェル粒子を回収し、有機溶媒(例えば、トルエン又はオクタン)に分散させる。
【0084】
<比較例2:ZnSe/ZnS>
実施例1と同一の方式で、セレニウム前駆体溶液、硫黄前駆体溶液、及び亜鉛前駆体溶液を準備する。
【0085】
[1]300mLの反応フラスコ内に、オレイン酸を含む有機リガンド及びジエチル亜鉛原液をトリオクチルアミンに溶解させ、真空下で、120℃で加熱する。
フラスコ内を不活性気体で置換し、Se/TOP原液を注入した後、温度を大略300℃程度に上げて40分間反応させる。
反応後、常温に速やかに冷ました反応溶液にエタノールを入れ、遠心分離してZnSeコア粒子を回収する。
回収したZnSeコア粒子はトルエンに分散させる。
使用されたZn前駆体及びSe前駆体の含量モル比は、2:1程度である。
【0086】
[2]300mLの反応フラスコ内にTOAを入れ、亜鉛アセテートとオレイン酸を付加した後、120℃で真空処理する。
窒素(N
2)で反応フラスコ内を置換する。
反応温度まで加熱しながら製造されたZnSeコアのトルエン分散液を迅速に入れ、S/Top原液を付加し、1時間程度反応させてZnS層を形成する。
使用されたZn前駆体及びS前駆体の含量モル比は、1:2程度である。
反応後、常温に速やかに冷ました反応溶液にエタノールを入れ、遠心分離してコア/シェル粒子を回収し、有機溶媒(例えば、トルエン又はオクタン)に分散させる。
【0087】
≪実験例1:溶液安定性評価≫
実施例2で製造された半導体ナノ結晶粒子のトルエン分散液、比較例1で製造された半導体ナノ結晶粒子のトルエン分散液、及び比較例2で製造された半導体ナノ結晶粒子のトルエン分散液の光発光効率(励起光波長:372nm)をそれぞれ測定した。
これらに対して25℃で空気中に30分間放置した後、光発光効率を測定した。
その結果、比較例1の半導体ナノ結晶粒子及び比較例2の半導体ナノ結晶粒子より、実施例2で製造された半導体ナノ結晶粒子は、それぞれ2.5倍及び2倍さらに高い発光効率維持率を示すことができるのを確認した。
【0088】
≪実験例2:薄膜形成≫
実施例1で製造した半導体ナノ結晶粒子のオクタン分散液及び比較例2で製造した半導体ナノ結晶粒子のオクタン分散液をガラス基板にスピンコーティングして量子ドットを含む層を形成した。
形成された層を透過電子顕微鏡で観察し、その結果を図10(実施例1の半導体ナノ結晶粒子)と図11(比較例2の半導体ナノ結晶粒子)にそれぞれ示す。
図10と図11の結果から、実施例1の半導体ナノ結晶粒子を含む薄膜は、比較例2の半導体ナノ結晶粒子を含む薄膜に比べて向上した均一度を示すことができるのを確認した。
【0089】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。