(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019145568
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】発光素子収納用パッケージ、発光装置および発光モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/022 20060101AFI20190802BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20190802BHJP
   H01L 23/13 20060101ALI20190802BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !H01S5/022
   !H01L23/02 F
   !H01L23/12 C
   !H01L23/12 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】2018026013
(22)【出願日】20180216
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
【住所又は居所】京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】上山 大輔
【住所又は居所】京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地 京セラ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】堂本 千秋
【住所又は居所】京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地 京セラ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】神川 剛
【住所又は居所】京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地 京セラ株式会社内
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173MC12
5F173MD04
5F173MD13
5F173MD16
5F173MD75
5F173ME22
5F173ME33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】熱導電性の高い発光素子収納用パッケージと、それを用いた、放熱性に優れる発光装置および発光モジュールを提供する。
【解決手段】本開示の発光素子収納用パッケージは、発光素子搭載用の第1凹部1bを有する第1面1aを含む素子基板1を備え、前記第1凹部1bの底面における、少なくとも前記搭載される発光素子と対向する領域の表面粗さSaは、前記第1面1aにおける、前記第1凹部以外の領域の表面粗さSaより小さいことを特徴とする。また、本開示の発光装置は、前述の発光素子収納用パッケージと、該パッケージに収納された発光素子と、を備える。さらに、また、本開示の発光モジュールは、前記の発光装置と、該発光装置を搭載するモジュール基板と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子搭載用の第1凹部を有する第1面を含む基部を備え、
前記第1凹部の底面における、少なくとも前記搭載される発光素子と対向する領域の表面粗さSaは、前記第1面における、前記第1凹部以外の領域の表面粗さSaより小さい、発光素子収納用パッケージ。
【請求項2】
前記発光素子と対向する領域の表面粗さSaが0.1μm以下であり、前記第1凹部以外の領域の表面粗さSaが0.1μmより大きい、請求項1に記載の発光素子収納用パッケージ。
【請求項3】
前記第1凹部の底面の、前記第1面の上面からの深さが100nm以上50μm以下である、請求項1または2に記載の発光素子収納用パッケージ。
【請求項4】
前記第1凹部の底面の、前記発光素子と対向する領域は、その表面に金属からなる膜を有する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光素子収納用パッケージ。
【請求項5】
前記第1面に、前記第1凹部の周囲を囲む枠部を備え、
前記枠部内の空間が、発光素子収容用の第2凹部であり、
該枠部の上端面が、前記第2凹部の開口を封止する封止部材が載置される封止面である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発光素子収納用パッケージ。
【請求項6】
前記封止面の表面粗さSaが0.1μm以下である、請求項5に記載の発光素子収納用パッケージ。
【請求項7】
前記封止面は、その表面に金属からなる膜を有する、請求項5または6に記載の発光素子収納用パッケージ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の発光素子収納用パッケージと、該パッケージに収納された発光素子と、を備える発光装置。
【請求項9】
前記発光素子は、半導体レーザ素子を含む、請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の発光装置と、該発光装置を搭載するモジュール基板と、を備える発光モジュール。
【請求項11】
前記モジュール基板の発光装置搭載面は、前記発光装置位置決め用の第3凹部を含む、請求項10に記載の発光モジュール。
【請求項12】
前記3凹部の底面の表面粗さSaが0.1μm以下である、請求項11に記載の発光モジュール。
【請求項13】
前記第3凹部の底面は、その表面に金属からなる膜を有する、請求項11または12に記載の発光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品収納用または発光素子収納用のパッケージ、発光装置および発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特許文献1には、レーザダイオード・ペレット(LDペレット)がサブマウント基板(モジュール用基板)を介してステムに固定・実装された半導体レーザ装置、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−38208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような装置では、放熱性の向上が求められている。
【0005】
本発明の目的は、熱導電性の高い発光素子収納用パッケージと、それを用いた、放熱性に優れる発光装置および発光モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の発光素子収納用パッケージは、発光素子搭載用の第1凹部を有する第1面を含む基部を備え、
前記第1凹部の底面における、少なくとも前記搭載される発光素子と対向する領域の表面粗さSaは、前記第1面における、前記第1凹部以外の領域の表面粗さSaより小さいことを特徴とする。
【0007】
本開示の発光装置は、前述の発光素子収納用パッケージと、該パッケージに収納された発光素子と、を備える。
【0008】
また、本開示の発光モジュールは、前記の発光装置と、該発光装置を搭載するモジュール基板と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の発光素子収納用パッケージは、熱導電性が高いため、発熱量が大きな発光素子でも安定して搭載することができる。また、前記の発光素子収納用パッケージを搭載・実装した発光装置および発光モジュールは、放熱性に優れる発光装置および発光モジュールとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態の発光素子収納用パッケージの構成を示す(a)斜視図および(b)断面図である。
【図2】第2実施形態の発光素子収納用パッケージの構成を示す(a)斜視図および(b)断面図である。
【図3】第3実施形態の発光装置の構成を示す(a)斜視図および(b)断面図である。
【図4】第4実施形態の発光モジュールの構成を示す断面図である。示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示の発光素子収納用パッケージの一例について、添付の図面を参照しつつ説明する。図1および図2は、それぞれ、第1実施形態および第2実施形態の発光素子収納用パッケージの(a)斜視図と(b)断面図である。なお、同様の図面において同じ機能を有する部材には、同じ符号を付与してその詳細な説明を省略する。
【0012】
図1に示す第1実施形態の発光素子収納用パッケージ10は、以降の各実施形態でも用いられる、最も基本的な構成である。発光素子収納用パッケージ10は、平板状または略直方体状の基部(素子基板1)と、その図示上面である第1面1aに設けられた第1配線導体11および第2配線導体12と、素子基板1の幅方向(図示左右方向)中央部の、素子搭載領域に配設された金属膜(導電体層1d)とを備える。
【0013】
第1配線導体11および第2配線導体12と導電体層1dは、たとえばタングステン、モリブデン、銅、銀または銀パラジウム等の金属粉末の焼結体等から構成されている。なかでも、導電体層1dの材料としては、金が好適に使用される。
【0014】
素子基板1は、たとえば、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al)等のセラミックス、または、ガラス−セラミックス等のセラミック材料である絶縁材料等からなる。素子基板1は、絶縁材料を用いて一体的に作製されたものであってもよく、絶縁材料からなる絶縁層を複数積層して作製されたものであってもよい。
【0015】
素子基板1上面の、発光素子搭載面である第1面1aには、図1(b)の断面図に示すように、発光素子(符号LD,仮想線:二点鎖線で表示)と対向する発光素子搭載領域の直下に、発光素子の外形形状に対応する第1凹部1bが形成されており、その底面1cの表面粗さSaは、第1凹部1b以外の第1面1aの表面粗さSaより小さくなっている。
【0016】
具体的には、発光素子(LD)と対向する底面1cの表面粗さSaは0.1μm以下になっており、第1凹部1b以外の第1面1aの表面粗さSaは、約1μmになっている。
【0017】
なお、以下、表面粗さSaが0.1μm以下の平坦な面を「平坦面」と呼ぶ場合がある。前述の「表面粗さSa」は、ISO25178に準拠して測定を行ったものであり、測定機器として、レーザ顕微鏡や走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope:SPM)等を用いた。
【0018】
また、前述の第1凹部1bの表面粗さは、プラズマを用いた研磨加工や、基板成形時に、底面1cに対応する面の表面粗さSaが0.1μm以下になっている成形型を用いて、その平坦面(鏡面)を前記底面1cに転写することにより、調整することができる。また、これらの方法により、第1面1aの表面(基板表面の高さ基準面)からの深さが、100nm以上50μm以下の凹部を形成することができる。
【0019】
さらに、第1凹部1bの深さを1〜200μm程度とし、その深い第1凹部1bに発光素子(LD)の底部または底面を嵌合させることにより、第1凹部1bを、発光素子(LD)の位置決め、あるいは、光軸合わせ(アライメント)に用いてもよい。
【0020】
以上の構成により、発光素子(LD)の位置決め精度と、導電体層1dを介した、発光素子(LD)と素子基板1との間の熱伝導が、底面1cが平坦でない従来のものより、向上する。したがって、発光素子(LD)から発せられる熱の放熱を、下側の素子基板1に向けて、効率的に行うことができる。
【0021】
なお、第1凹部1b以外の第1面1aは、表面粗さSaが0.1μmを超える、表面積の大きな平坦でない面であるため、素子基板1上方に向けての放熱効果は、変わらず維持されている。
【0022】
また、発光素子(LD)における、第1凹部1bと当接する面(底面もしくは下面)の表面に、前記導電体層1dと同様の金属膜(たとえば、金等)を形成してもよい。これにより、発光素子(LD)と、素子基板1との熱伝導を、より向上させることができる。
【0023】
つぎに、図2に示す第2実施形態の発光素子収納用パッケージ20は、発光素子収納用パッケージ10の構成に加え、上面である第1面1aに、第1凹部1bの周囲を囲む枠部(枠体2)を備えており、この枠体2内の空間が、発光素子(LD)収容用の第2凹部2aとなっている。また、枠体2の上端面2bが、第2凹部2aの開口を封止するための封止部材(後記の蓋体3)が載置される封止面となっている。
【0024】
なお、枠体2の上端面2bには、この面の熱伝導を向上させる金属膜2cが配設されているが、図2(b)の断面図では、記載を省略している。
【0025】
また、枠体2の図示奥側の切り欠き2dは、発光素子収納用パッケージ20内の発光素子搭載領域(導電体層1d上)に対応して設けられているものであり、この切り欠き2d部から図示後方に向かって、レーザ光線等の発光が通り抜けできるようになっている。この切り欠き2d内には、ガラス製や樹脂製等の、透明で透光性を有するブロックが、第2凹部2aの密封(封止)のために配設される。
【0026】
また、第2凹部2aの上面開口の密封(封止)ために、枠体2の上側には、前記上端面2bに当接する封止部材(後記の蓋体3)が配設される。
【0027】
上記構成によっても、導電体層1dを介した、発光素子(LD)と素子基板1との間の熱伝導が、底面1cが平坦でない従来のものより、向上する。したがって、発光素子(LD)から発せられる熱の放熱を、下側の素子基板1に向けて、効率的に行うことができる。
【0028】
さらに、発光素子収納用パッケージ20は、枠体2の上端面2bに金属膜2cが設けられているため、その上側に位置する封止部材に向けて、効率的に放熱を行うことができる。
【0029】
なお、枠体上端面2bの金属膜2cの構成方法は限定されるものではない。金属材料の塗布や焼成等に形成してもよく、金属板等を蓋体3との間に介在配置させてもよい。また、金属膜2cは、たとえばタングステン、モリブデン、銅、銀または銀パラジウム等の金属粉末から構成されている。なかでも、熱導電性の高い金が、好適に使用される。
【0030】
さらに、金属膜2cの下地となる枠体2の上端面2bは、他の部位より、表面粗さSaの小さい平坦な面としてもよい。具体的には、上端面2bの表面粗さSaを0.1μm以下としてもよい。これにより、より熱伝導を向上させることができる。
【0031】
つぎに、図3に示す第3実施形態の発光装置30は、前述(第2実施形態)の発光素子収納用パッケージ20の所定位置(搭載位置)に、発光素子LDを搭載するとともに、発光素子LD上側の電極を、ボンディングワイヤBWを介して、第2配線導体12に接続したものである。なお、発光素子LD下側の電極は、先に述べた金属膜(導電体層1d)を介して、第1配線導体11に接続されている。
【0032】
また、発光素子LDが搭載された発光装置30の枠体2の上には、金属製の蓋体3が載置されており、前述の金属膜2cを介して、発光素子LDから発せられた熱が、この蓋体3に向けて伝達されるようになっている。
【0033】
以上の構成によっても、発光素子LDから発せられた熱が、下側の素子基板1に向けて、および、上側の蓋体3に向けて、それぞれ効率的に放熱される。したがって、第3実施形態の発光装置30は、発光素子LDから発せられる熱の放熱が効果的に行われ、結果、発光素子LDの温度を低下させることができる。また、発光素子LDの温度が低下することにより、その寿命を向上させることができる。
【0034】
また、発光素子LDにおける、第1凹部1bと当接する面(底面もしくは下面)の表面に、前記導電体層1dと同様の金属膜(たとえば、金等)を形成してもよい。これにより、発光素子LDと素子基板1との間の熱伝導を、より向上させることができる。
【0035】
つぎに、図4に示す第4実施形態の発光モジュール40は、第3実施形態の発光装置30を、このような発光装置30を複数搭載可能なモジュール基板4に実装したものである。モジュール基板4には、図示のような第3凹部4aが、複数形成されている。
【0036】
このモジュール基板4の第3凹部4aは、発光装置30の底部もしくは底面と嵌合可能な形状に形成されている。また、第3凹部4aの底面およびその周囲のモジュール基板4の上面(発光装置搭載面)には、先に述べた金属膜2c等と同様の金属膜4bが形成されている。
【0037】
なお、図4のように、上記第3凹部4aに嵌合する素子基板1の底面にも、金属膜4bと同様の金属膜1eを配設してもよい。これにより、素子基板1とモジュール基板4との間の熱伝導を向上させることができる。また、金属膜4bおよび金属膜1eも、たとえばタングステン、モリブデン、銅、銀または銀パラジウム等の金属粉末から構成されている。なかでも、熱導電性の高い金が、好適に使用される。
【0038】
以上の構成によって、各発光装置30とモジュール基板4との間を、熱伝導性の高い接続とすることができる。したがって、第4実施形態の発光モジュール40は、発光素子LDから発せられる熱の放熱が効果的に行われ、結果、発光素子LDの温度を低下させることができる。また、発光素子LDの温度が低下することにより、その寿命を向上させることができる。
【0039】
また、第4実施形態の発光モジュール40は、モジュール基板4の前記第3凹部4aと発光装置30の嵌め合いにより、各発光装置30を、予め決められた所定位置に正確に光軸合わせ(アライメント)して、位置決め・固定することができる。したがって、発光装置30および発光モジュール40の生産性と歩留まりとを、向上させることができる。
【0040】
さらに、素子基板1下面1の金属膜1eおよびモジュール基板上面の金属膜4bの下地となる面は、他の部位より、表面粗さSaの小さい平坦な面としてもよい。具体的には、これら下地面の表面粗さSaを0.1μm以下としてもよい。これにより、より熱伝導を向上させることができる。
【0041】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 素子基板
1a 第1面
1b 第1凹部
1c 底面
1d 導電体層
1e 金属膜
2 枠体
2a 第2凹部
2b 上端面
2c 金属膜
2d 切り欠き
3 蓋体
4 モジュール基板
4a 第3凹部
4b 金属膜
10 発光素子収納用パッケージ
11 第1配線導体
12 第2配線導体
20 発光素子収納用パッケージ
30 発光装置
40 発光モジュール
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】