(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019145642
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】保護膜形成装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20190802BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20190802BHJP
   B05C 11/08 20060101ALI20190802BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !H01L21/78 L
   !H01L21/304 651B
   !H01L21/304 651L
   !B05C11/08
   !B05C11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】2018027830
(22)【出願日】20180220
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
【住所又は居所】東京都大田区大森北二丁目13番11号
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】特許業務法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 博斗
【住所又は居所】東京都大田区大森北二丁目13番11号 株式会社ディスコ内
【テーマコード(参考)】
4F042
5F063
5F157
【Fターム(参考)】
4F042AA07
4F042BA08
4F042CC04
4F042CC07
4F042EB05
4F042EB09
4F042EB18
5F063AA15
5F063AA29
5F063BA07
5F063CB02
5F063CB06
5F063DD25
5F063DF06
5F063DF19
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5F063FF01
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5F157AA98
5F157AB02
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5F157CB15
5F157DB45
(57)【要約】
【課題】テープを介してリングフレームに支持されたウェーハの上面に保護膜を形成する際に、リングフレームの上面に付着した樹脂の除去を効率よく行う。
【解決手段】保護膜形成装置2では、供給手段23が、ワークセットWSのウェーハWの上面中央に水溶性樹脂を供給する樹脂ノズル24と、ワークセットWのリングフレームFの上面に水を供給する水ノズル25と、ワークセットWSのリングフレームFの上面にエアを供給するエアノズル26とを備え、樹脂ノズル24と水ノズル25とエアノズル26とは、保持テーブル20の保持面方向に延在するアーム27に配設され、水ノズル25より保持テーブル20の回転方向下流側にエアノズル26が配設されるため、ウェーハWの上面に水溶性保護膜を形成するときに、リングフレームFの上面も効率よく洗浄でき、リングフレームFの上面に水溶性樹脂を残存させない。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リングフレームの開口を塞いで該リングフレームに貼着したテープにウェーハが貼着されて構成されるワークセットを保持する保持テーブルと、該保持テーブルの保持面の中心を軸に該保持テーブルを回転させる回転手段と、該保持テーブルが保持したウェーハの上面に水溶性樹脂を供給する供給手段とを備え、該保持テーブルを回転させてウェーハの上面に水溶性保護膜を形成する保護膜形成装置であって、
該供給手段は、該保持テーブルが保持したワークセットのウェーハの上面中央に水溶性樹脂を供給する樹脂ノズルと、
該保持テーブルが保持したワークセットのリングフレームの上面に水を供給する水ノズルと、
該保持テーブルが保持したワークセットの該リングフレームの上面にエアを供給するエアノズルと、を備え、
該樹脂ノズルと該水ノズルと該エアノズルとは、該保持テーブルの保持面方向に延在するアームに配設され、
該水ノズルより該保持テーブルの回転方向下流側に該エアノズルが配設される保護膜形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハの上面に保護膜を被覆する保護膜形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
分割予定ラインによって区画された領域にデバイスが形成されたウェーハの分割予定ラインに沿ってウェーハに対して吸収性を有する波長のパルスレーザビームを照射してウェーハを分割するアブレーション加工では、レーザビームの照射によってウェーハが溶融して生じたデブリがデバイスに付着するのを防止するため、レーザビームの照射前にウェーハの上面に水溶性保護膜を形成してデバイスを保護している。また、レーザビームの照射後は、水溶性保護膜に水を供給することにより、水溶性保護膜を、水溶性保護膜に付着したデブリとともに除去している。
【0003】
ウェーハ上面への水溶性保護膜の形成時は、中央に開口部を有するリングフレームに当該開口部を閉塞するように貼着した粘着テープの粘着面にウェーハの下面を貼着することによりワークセットを形成してリングフレームによってウェーハを支持する。そして、ウェーハの上に適量の水溶性液状樹脂を滴下し、ワークセットをスピン回転させて水溶性液状樹脂を広げて乾燥させることにより、ウェーハの上面に水溶性保護膜を被覆している。
【0004】
このように、ワークセットをスピン回転させて水溶性液状樹脂をウェーハ上面に被覆すると、リングフレームの上面にも水溶性樹脂が付着する。そして、リングフレームの上面に樹脂が付着していると、その水溶性樹脂が空気中の水分を吸収すること等によって粘着力を備えることがある。そのため、搬送手段がリングフレームを吸着して搬送しようとすると、水溶性樹脂が備えた粘着力によってリングフレームが搬送手段のパッドにくっつき、パッドからリングフレームを離すことができなくなるという問題がある。そこで、リングフレームに付着した水溶性樹脂に水をかけて水溶性樹脂を除去することも提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017−092379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1に記載された発明では、ウェーハに保護膜を被覆して乾燥させた後に、リングフレームに水をかけ、その水を滞留させることによりリングフレームに付着した樹脂を溶解させ、エアの噴出によりリングフレームから樹脂を除去するため、樹脂の除去に時間を要するという問題がある。
【0007】
本発明は、このような問題にかんがみなされたもので、テープを介してリングフレームに支持されたウェーハの上面に保護膜を形成する場合において、リングフレームの上面に付着した樹脂の除去を効率よく行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、リングフレームの開口を塞いで該リングフレームに貼着したテープにウェーハが貼着されて構成されるワークセットを保持する保持テーブルと、該保持テーブルの保持面の中心を軸に該保持テーブルを回転させる回転手段と、該保持テーブルが保持したウェーハの上面に水溶性樹脂を供給する供給手段とを備え、該保持テーブルを回転させてウェーハの上面に水溶性保護膜を形成する保護膜形成装置であって、該供給手段は、該保持テーブルが保持したワークセットのウェーハの上面中央に水溶性樹脂を供給する樹脂ノズルと、該保持テーブルが保持したワークセットのリングフレームの上面に水を供給する水ノズルと、該保持テーブルが保持したワークセットの該リングフレームの上面にエアを供給するエアノズルと、を備え、該樹脂ノズルと該水ノズルと該エアノズルとは、該保持テーブルの保持面方向に延在するアームに配設され、該水ノズルより該保持テーブルの回転方向下流側に該エアノズルが配設される。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る保護膜形成装置は、リングフレームの開口を塞いで該リングフレームに貼着したテープにウェーハが貼着されて構成されるワークセットを保持する保持テーブルと、保持テーブルの保持面の中心を軸に該保持テーブルを回転させる回転手段と、保持テーブルが保持したウェーハの上面に水溶性樹脂を供給する供給手段とを備え、供給手段は、保持テーブルが保持したワークセットのウェーハの上面中央に水溶性樹脂を供給する樹脂ノズルと、保持テーブルが保持したワークセットのリングフレームの上面に水を供給する水ノズルと、保持テーブルが保持したワークセットのリングフレームの上面にエアを供給するエアノズルとを備え、樹脂ノズルと水ノズルとエアノズルとは、保持テーブルの保持面方向に延在するアームに配設され、水ノズルより保持テーブルの回転方向下流側にエアノズルが配設されるため、ウェーハの上面に水溶性保護膜を形成するときに、リングフレームの上面も効率よく洗浄することができる。したがって、本発明によれば、リングフレームの上面に水溶性樹脂を残存させず、水溶性保護膜が形成されたワークセットを例えば搬送手段で加工テーブルに搬送するときに、搬送手段に水溶性樹脂が付着することがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】加工装置及び保護膜形成装置の構成を示す斜視図である。
【図2】保護膜形成装置の構成を示す拡大斜視図である。
【図3】供給手段が供給位置に位置づけられた状態を示す平面図である。
【図4】供給手段が待機位置に位置づけられた状態を示す平面図である。
【図5】供給手段の変形例が樹脂供給位置に位置づけられた状態を示す平面図である。
【図6】供給手段の変形例がリングフレーム洗浄位置に位置づけられた状態を示す平面図である。
【図7】供給手段の変形例が待機位置に位置づけられた状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示すウェーハWは、円形板状の基板を有する被加工物の一例であって、その上面には、格子状の分割予定ラインSによって区画されたそれぞれの領域にデバイスDが形成されている。中央が開口したリングフレームFでウェーハWを支持するために、リングフレームFの開口を塞ぐようにリングフレームFの下面にテープTを貼着し、リングフレームFの開口部分から露出したテープTにウェーハWを貼着して上面を上向きに露出させる。このようにして、リングフレームFの開口を塞いで貼着したテープTを介してウェーハWを支持したワークセットWSを形成する。ワークセットWSの形態で、加工装置1に搬送され、ウェーハWの上面に対して保護膜の形成とレーザー加工とが施される。
【0012】
加工装置1は、装置ベース10と、装置ベース10のY軸方向後部側に立設されたコラム11とを備えている。また、加工装置1は、装置ベース10のX軸方向前部側でコラム11に隣接配置された本発明に係る保護膜形成装置2と、ウェーハWを吸引保持する保持面12aを有する加工テーブル12と、加工テーブル12を加工送り方向(X軸方向)に加工送りする加工送り手段14と、加工テーブル12を割り出し送り方向(Y軸方向)に割り出し送りする割り出し送り手段15と、加工テーブル12と保護膜形成装置2との間でウェーハWを搬送する搬送手段16と、ワークセットWSを構成するウェーハWにレーザービームを照射するレーザー加工手段17と、各種駆動機構を制御する制御手段18とを備えている。
【0013】
保護膜形成装置2は、筒状の加工室200を有しており、ワークセットWSを保持する保持テーブル20と、保持テーブル20の保持面20aの中心を軸に保持テーブル20を回転させる回転手段21と、保持テーブル20の外周側に配設されリングフレームFを保持するフレーム保持手段22と、保持テーブル20が保持するウェーハWの上面に水溶性樹脂を供給する供給手段23とを備えている。
【0014】
保持テーブル20の上面は、ウェーハWを吸引保持する保持面20aとなっている。回転手段21は、図示しないモータを備え、モータが駆動することにより、保持テーブル20を所定の回転速度で回転させることができる。保持テーブル20の外周側には、リングフレームFを保持するための複数(図示の例では4つ)のフレーム保持手段22が配設されている。フレーム保持手段22は、リングフレームFが載置されるフレーム載置台220と、フレーム載置台220に載置されたリングフレームFをクランプするクランプ部221とを備えている。
【0015】
図2に示すように、供給手段23は、保持テーブル20が保持したワークセットWSのウェーハWの上面中央に水溶性樹脂を供給樹脂ノズル24と、保持テーブル20が保持したワークセットWSのリングフレームFの上面に水を供給する水ノズル25と、保持テーブル20が保持したワークセットWSのリングフレームFの上面にエアを供給するエアノズル26とを備えている。樹脂ノズル24と水ノズル25とエアノズル26とは、保持テーブル20の保持面方向に延在するアーム27に配設されている。
【0016】
本実施形態に示すアーム27は、第1アーム27aと第1アーム27aよりも短い第2アーム27bとを含む構成となっている。第1アーム27aおよび第2アーム27bの内部には、流体が流れる流路が形成されている。第1アーム27aは、その先端が保持テーブル20の中央側まで位置づけられる程度の長さに形成されている。第1アーム27aの先端は下方に屈曲されており、かかる先端に樹脂ノズル24が取り付けられている。樹脂ノズル24には、樹脂供給源が接続されている。
【0017】
第2アーム27bは、その先端が保持テーブル20の外周側に位置づけられる程度の長さに形成されている。第2アーム27bの先端は下方に屈曲されており、かかる先端に水ノズル25が取り付けられている。水ノズル25には、水供給源が接続されている。水ノズル25が配設された側と反対側の第1アーム27aの側方側にエアノズル26が配設されている。エアノズル26には、図3に示す複数の噴射口260が直線上に整列して形成されている。エアノズル26には、エア供給源が接続されている。
【0018】
アーム27の他端には、鉛直方向の軸心を有する回転軸28が接続されている。回転軸28には、正転・逆転可能なモータが接続されている。モータの駆動により回転軸28が回転すると、保持テーブル20に保持されたウェーハWの上方で、アーム27が水平方向に旋回し、樹脂ノズル24と水ノズル25とエアノズル26とを同時に移動させることができる。これにより、保持テーブル20に保持されるワークセットWSの外周縁からウェーハWの中央部分の半径領域を径方向に樹脂ノズル24を往復移動させることができ、保持テーブル20に保持されるワークセットWSのリングフレームFの上方側で径方向に水ノズル25とエアノズル26とを往復移動させることができる。供給手段23では、1つの駆動源で樹脂ノズル24と水ノズル25とエアノズル26とを互いに干渉させることなく、所望の位置に移動させることができる。
【0019】
また、供給手段23では、水ノズル25より保持テーブル20の回転方向下流側にエアノズル26が配設されている。そのため、リングフレームFの上面に付着した水溶性樹脂を除去する際には、水ノズル25から洗浄水をリングフレームFの上面に供給しつつ、エアノズル26からエアをリングフレームFの上面に供給することにより、保持テーブル20の回転方向下流側に流れてくる洗浄水をエアによってリングフレームFの外側へ吹き飛ばすことができる。このように、供給手段23によれば、ウェーハWの上面に水溶性保護膜を形成すると同時に、リングフレームFの上面に付着した水溶性樹脂を洗浄水によって溶解させて除去できることから、洗浄効率が向上する。
【0020】
図1に示す搬送手段16は、ワークセットWSを保持する保持部160と、X軸方向に延在するボールネジ161と、ボールネジ161の一端に接続されたモータ162と、ボールネジ161と平行に延在する一対のガイドレール163と、保持部160を支持しX軸方向に移動可能な移動部164とを備えている。移動部164には一対のガイドレール163が摺接し、移動部164の中央部に形成されたナットにはボールネジ161が螺合している。保持部160でワークセットWSを保持した状態で、モータ162によって駆動されたボールネジ161が回動することにより、移動部164がガイドレール163に沿ってX軸方向に移動し、加工テーブル12と保持テーブル20との間でワークセットWSを搬送することができる。加工テーブル12の外周側には、リングフレームFを保持するフレーム保持手段13が複数配設されている。フレーム保持手段13は、リングフレームFが載置されるフレーム載置台130と、フレーム載置台130に載置されたリングフレームFをクランプするクランプ部131とを備えている。
【0021】
加工送り手段14は、X軸方向に延在するボールネジ140と、ボールネジ140の一端に接続されたモータ141と、ボールネジ140と平行に延在する一対のガイドレール142と、X軸方向に移動可能なX軸ベース143とを備えている。X軸ベース143の一方の面には加工テーブル12が支持され、X軸ベース143の他方の面には一対のガイドレール142が摺接し、X軸ベース143の中央部に形成されたナットにはボールネジ140が螺合している。モータ141によって駆動されたボールネジ140が回動することにより、X軸ベース143がガイドレール142に沿ってX軸方向に移動し、加工テーブル12をX軸方向に加工送りすることができる。
【0022】
割り出し送り手段15は、Y軸方向に延在するボールネジ150と、ボールネジ150の一端に接続されたモータ151と、ボールネジ150と平行に延在する一対のガイドレール152と、Y軸方向に移動可能なY軸ベース153とを備えている。Y軸ベース153の一方の面には加工送り手段14を介して加工テーブル12が支持され、Y軸ベース153の他方の面には一対のガイドレール152が摺接し、Y軸ベース153の中央部に形成されたナットにはボールネジ150が螺合している。モータ151によって駆動されたボールネジ150が回動することにより、Y軸ベース153がガイドレール152に沿ってY軸方向に移動し、加工テーブル12をY軸方向に割り出し送りすることができる
【0023】
レーザー加工手段17は、Y軸方向に延在するケーシング170と、ケーシング170の先端に配設された加工ヘッド171とを備えている。ケーシング170の内部には、水溶性樹脂に対して吸収性を有する波長のレーザービームを発振する発振器が収容されている。加工ヘッド171の内部には、発振器から発振されたレーザービームを集光するための集光レンズ(図示せず)が内蔵されている。
【0024】
制御手段18は、CPU及びメモリなどの記憶素子を備えている。制御手段18は、例えば、供給手段23の樹脂ノズル24,水ノズル25及びエアノズル26から同時に流体を噴射するように制御することができる。また、制御手段18では、樹脂ノズル24と水ノズル25及びエアノズル26とを別々のタイミングで流体を噴射するように制御することも可能となっている。また、制御手段18のメモリには、水溶性保護膜の形成条件、レーザー加工条件、加工対象となるウェーハWの情報等が記憶される。
【0025】
次に、保護膜形成装置2の動作例について詳述する。ワークセットWSを準備したら、レーザー加工手段7でウェーハWの上面にレーザー加工を実施するのに先立ってウェーハWの上面に保護膜を形成する。まず、図1に示すように、保持テーブル20にワークセットWSを載置して、図示しない吸引源が作動することによって、保持面20aでウェーハWを吸引保持するとともに、フレーム保持手段22によってリングフレームFを保持する。
【0026】
図2に示すように、モータによって回転軸28が例えば反時計回り方向に回転することにより、アーム27が保持テーブル20の保持面20aに対して水平方向に旋回し、図3に示すように、供給手段23を待機位置SPから供給位置P1に移動させる。待機位置SPは、樹脂ノズル24,水ノズル25及びエアノズル26がいずれもワークセットWSの上方側から退避した位置である。供給位置P1は、樹脂ノズル24がウェーハWの中央の上方に位置づけられ、水ノズル25及びエアノズル26がリングフレームFの上方に位置づけられた位置である。
【0027】
図2に示した回転手段21によって保持テーブル20を回転させることにより、ワークセットWSを例えば矢印A方向に回転させる。樹脂ノズル24は、ウェーハWの上面に向けて所定量の水溶性樹脂を滴下して塗布する。水溶性樹脂としては、例えばPVP(ポリビニルピロリドン)やPVA(ポリビニルアルコール)などの水溶性の液状樹脂を使用する。そして、保持テーブル20に発生する遠心力によってウェーハWの中央から外周縁にむけて水溶性樹脂を流動させてウェーハWの上面の全面に拡散させる。
【0028】
供給手段23では、樹脂ノズル24から所定量の水溶性樹脂を塗布してウェーハWの上面に水溶性保護膜を形成すると同時に、水ノズル25からリングフレームFの上面に洗浄水を供給するとともに、エアノズル26の複数の噴射口260からリングフレームFの上面にエアを噴射する。これにより、リングフレームFの上面に水溶性樹脂が付着したとしても、洗浄水によって除去されるとともに、保持テーブル20の回転により発生する遠心力とエアとによってリングフレームFの外側へ水溶性樹脂を含んだ洗浄水が吹き飛ばされる。
【0029】
ウェーハWの上面の全面を覆うように所望の水溶性保護膜を形成した後、図4に示すように、モータによって回転軸28が例えば時計回りに回転することにより、アーム27が保持テーブル20の保持面20aに対して水平方向に旋回し、供給手段23を供給位置P1から待機位置SPに移動させる。その後、図1に示した搬送手段16によって加工テーブル12にワークセットWSが搬送され、レーザー加工手段17によりウェーハWの上面に所定のレーザー加工が施される。
【0030】
このように、本発明に係る保護膜形成装置2では、供給手段23が、保持テーブル20が保持したワークセットWSのウェーハWの上面中央に水溶性樹脂を供給する樹脂ノズル24と、保持テーブル20が保持したワークセットWSのリングフレームFの上面に水を供給する水ノズル25と、保持テーブル20が保持したワークセットWSのリングフレームFの上面にエアを供給するエアノズル26とを備え、樹脂ノズル24と水ノズル25とエアノズル26とは、保持テーブル20の保持面方向に延在するアーム27に配設され、水ノズル25より保持テーブル20の回転方向下流側にエアノズル26が配設されるため、ウェーハWの上面に水溶性保護膜を形成するときに、リングフレームFの上面も効率よく洗浄することができる。したがって、リングフレームFの上面に水溶性樹脂を残存させることがない。そして、水溶性保護膜が形成されたワークセットWSを搬送手段16で加工テーブル12に搬送するときに、搬送手段16に水溶性樹脂が付着することがない。
【0031】
上記した供給手段23は、ウェーハWの上面に対する保護膜形成とリングフレームFの洗浄と同時に行うのに適した構成としたが、かかる構成に限定されない。例えば、図5に示す供給手段23Aは、上記した供給手段23の変形例であり、保護膜形成とフレーム洗浄とを別々に行うことができる構成となっている。供給手段23Aは、供給手段23と同様に、樹脂ノズル24aと水ノズル25aとエアノズル26aとを備え、樹脂ノズル24aと水ノズル25aとエアノズル26aとは、保持テーブル20の保持面方向に延在するアーム29に配設されている。
【0032】
アーム29の内部には流体が流れる流路が形成されている。アーム29は、その先端が保持テーブル20の中央側まで位置づけられる程度の長さに形成されている。樹脂ノズル24aは、アーム29の先端に配設されている。水ノズル25aは、樹脂ノズル24aが配設された側と反対側のアーム29の先端に配設されている。エアノズル26aは、水ノズル25a側で、かつ、アーム29の側方側に配設されている。アーム29の他端には、上記した供給手段23と同様に、鉛直方向の軸心を有する回転軸28aが接続されている。回転軸28aには、正転・逆転可能なモータ(図示せず)が接続されている。
【0033】
供給手段23Aは、樹脂供給位置P2とリングフレーム洗浄位置P3と待機位置SPとにそれぞれ移動することができる。樹脂供給位置P2は、樹脂ノズル24がウェーハWの中央の上方に位置づけられた位置であり、リングフレーム洗浄位置P3は、水ノズル25及びエアノズル26がリングフレームFの上方に位置づけられた位置である。
【0034】
供給手段23Aを用いてウェーハWの上面に保護膜を形成する場合は、モータによって回転軸28aが例えば反時計回りに回転することにより、アーム29が保持テーブル20の保持面20aに対して水平方向に旋回し、供給手段23Aを待機位置SPから樹脂供給位置P2に移動させる。図2に示した回転手段21によって保持テーブル20を回転させることにより、ワークセットWSを例えば矢印B方向に回転させる。樹脂ノズル24aは、ウェーハWの上面に向けて所定量の水溶性樹脂を滴下して塗布する。そして、保持テーブル20に発生する遠心力によってウェーハWの中央から外周縁にむけて水溶性樹脂を流動させてウェーハWの上面の全面に拡散させて、ウェーハWの上面の全面を覆うように所望の水溶性保護膜を形成する。
【0035】
ウェーハWの上面に水溶性保護膜を形成するときに、図6に示すように、モータによって回転軸28aが例えば時計回りに回転することにより、アーム29が保持テーブル20の保持面20aに対して水平方向に旋回し、供給手段23Aを樹脂供給位置P2からリングフレーム洗浄位置P3に移動させる。水ノズル25aからリングフレームFの上面に洗浄水を供給するとともに、エアノズル26aの複数の噴射口260からリングフレームFの上面にエアを噴射する。これにより、リングフレームFの上面に水溶性樹脂が付着したとしても、洗浄水によって除去されるとともに、保持テーブル20の回転によって発生する遠心力とエアとによってリングフレームFの外側へ水溶性樹脂を含んだ洗浄水が吹き飛ばされ乾燥される。
【0036】
ウェーハWの上面の全面を覆うように所望の水溶性保護膜を形成するとともにリングフレームFの上面を洗浄した後、図7に示すように、モータによって回転軸28がさらに時計回りに回転することにより、アーム29が保持テーブル20の保持面20aに対して水平方向に旋回し、供給手段23Aをリングフレーム洗浄位置P3から待機位置SPに移動させる。その後、図1に示した搬送手段16によって加工テーブル12にワークセットWSが搬送され、レーザー加工手段17によりウェーハWの上面に所定のレーザー加工が施される。供給手段23Aにおいても、1つの駆動源で樹脂ノズル24aと水ノズル25aとエアノズル26aとを互いに干渉させることなく、所望の位置に移動させることができる。
【0037】
上記実施形態に示した保護膜形成装置2は、加工装置1に組み込んで構成したが、加工装置1から独立した単体の構成でもよい。
【符号の説明】
【0038】
1:加工装置 10:装置ベース 11:コラム
12:加工テーブル 13:フレーム保持手段
14:加工送り手段 140:ボールネジ 141:モータ 142:ガイドレール
143:X軸ベース
15:割り出し送り手段 150:ボールネジ 151:モータ
152:ガイドレール 153:Y軸ベース
16:搬送手段 160:保持部 161:ボールネジ 162:モータ
163:ガイドレール 164:移動部
17:レーザー加工手段 170:ケーシング 171:加工ヘッド
18:制御手段
2:保護膜形成装置 200:加工室
20:保持テーブル 21:回転手段 22:フレーム保持手段
23,23A:供給手段
24,24a:樹脂ノズル 25,25a:水ノズル 26,26a:エアノズル
27:アーム 27a:第1アーム 27b:第2アーム 28:回転軸 29:アーム
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】