(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019145694
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20190802BHJP
   H01L 23/08 20060101ALI20190802BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20190802BHJP
   H01L 23/28 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !H01L33/62
   !H01L23/08 A
   !H01L23/02 F
   !H01L23/28 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】2018029323
(22)【出願日】20180222
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
【住所又は居所】徳島県阿南市上中町岡491番地100
(72)【発明者】
【氏名】堀川 裕太
【住所又は居所】徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化学工業株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】藤本 幸二
【住所又は居所】徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化学工業株式会社内
【テーマコード(参考)】
4M109
5F142
【Fターム(参考)】
4M109AA01
4M109BA01
4M109EA02
4M109EA07
4M109EA10
5F142AA32
5F142AA65
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5F142CA02
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5F142DA73
5F142DB16
5F142FA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ワイヤの断線が抑制された半導体装置を提供する。
【解決手段】一対のリードの上面の一部が樹脂部から露出した底面を有する凹部2を備える樹脂パッケージと、半導体素子と、一対のリードとを電気的に接続するワイヤ6と、を備える半導体装置であって、凹部の底面は、上面視において、4つの辺を有する略矩形形状であり、周囲の少なくとも一部が樹脂部30により囲まれ、かつ、半導体素子が載置される素子載置領域と、素子載置領域と樹脂部を介して離間し、周囲が樹脂部により囲まれ、かつ、ワイヤが接続されるワイヤ接続領域と、周囲の少なくとも一部が樹脂部により囲まれる第1領域と、を有し、凹部の底面において、素子載置領域、ワイヤ接続領域および第1領域が樹脂部から露出し、第1領域とワイヤ接続領域との最短距離は、凹部の底面にある4つの辺のうちもっとも長い辺の長さの半分以上である、半導体装置。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子と、
一対のリードと、前記一対のリードを保持する樹脂部と、を備え、前記一対のリードの上面の一部が前記樹脂部から露出した底面を有する凹部を備える樹脂パッケージと、
前記半導体素子と、前記一対のリードとを電気的に接続するワイヤと、を備える半導体装置であって、
前記凹部の底面は、上面視において、4つの辺を有する略矩形形状であり、
前記凹部の底面において、前記一対のリードは、上面視において前記半導体素子と略同じ大きさを有し、周囲の少なくとも一部が前記樹脂部により囲まれ、かつ、前記半導体素子が載置される素子載置領域と、前記素子載置領域と前記樹脂部を介して離間し、周囲が前記樹脂部により囲まれ、かつ、前記ワイヤが接続されるワイヤ接続領域と、周囲の少なくとも一部が前記樹脂部により囲まれる第1領域と、を有し、
前記凹部の底面において、前記素子載置領域、前記ワイヤ接続領域および前記第1領域が前記樹脂部から露出し、その他の領域は前記樹脂部により被覆され、
前記ワイヤ接続領域および前記第1領域は、上面に銀含有層を有し、
前記第1領域と前記ワイヤ接続領域との最短距離は、前記凹部の底面にある前記4つの辺のうちもっとも長い辺の長さの半分以上である、半導体装置。
【請求項2】
前記一対のリードは、前記凹部の底面に位置する前記一対のリードの上面の一部において、前記樹脂部の一部が配置される上面窪み部を有し、
上面視において、前記素子載置領域と前記ワイヤ接続領域とは、前記上面窪み部に配置された前記樹脂部を介して離間している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1領域は、前記凹部の底面の外縁と接する位置にある、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1領域は、上面視において、前記素子載置領域の少なくとも1つと連続する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記一対のリードは、第1リードおよび第2リードであり、
前記第1リードおよび前記第2リードは、前記半導体装置の下面において前記樹脂部から露出し、
前記第1リードは、下面に前記樹脂部の一部が入り込む下面窪み部を有し、
前記第1リードは、前記半導体装置の下面において、前記下面窪み部に入り込んだ前記樹脂部を介して、複数の領域に分離される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1領域は、前記下面窪み部の上方に位置する、請求項5に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、発光素子が搭載される搭載部およびワイヤが接続される接続部以外の領域を反射枠体で被覆することが開示されている。また、搭載部と接続部の上面には銀めっき層が配置されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2011/125346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の発光装置では、封止樹脂を通過してくる大気中の硫黄成分等が、例えば、ワイヤが接続される接続部に集中し、接続部の上面の銀めっき層が劣化することでワイヤが断線する可能性がある。
【0005】
そこで、本発明の一実施形態では、ワイヤの断線が抑制された半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態の半導体装置は、半導体素子と、一対のリードと、一対のリードを保持する樹脂部と、を備え、一対のリードの上面の一部が樹脂部から露出した底面を有する凹部を備える樹脂パッケージと、半導体素子と、一対のリードとを電気的に接続するワイヤと、を備える半導体装置であって、凹部の底面は、上面視において、4つの辺を有する略矩形形状であり、凹部の底面において、一対のリードは、上面視において半導体素子と略同じ大きさを有し、周囲の少なくとも一部が樹脂部により囲まれ、かつ、半導体素子が載置される素子載置領域と、素子載置領域と樹脂部を介して離間し、周囲が樹脂部により囲まれ、かつ、ワイヤが接続されるワイヤ接続領域と、周囲の少なくとも一部が樹脂部により囲まれる第1領域と、を有し、凹部の底面において、素子載置領域、ワイヤ接続領域および第1領域が樹脂部から露出し、その他の領域は樹脂部により被覆され、ワイヤ接続領域および第1領域は、上面に銀含有層を有し、第1領域とワイヤ接続領域との最短距離は、凹部の底面にある4つの辺のうちもっとも長い辺の長さの半分以上である。
【0007】
本発明の一実施形態により、ワイヤの断線が抑制された半導体装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】一の実施形態に係る半導体装置の模式的上面図である。
【図1B】一の実施形態に係る半導体装置の模式的下面図である。
【図1C】一の実施形態に係る樹脂パッケージの模式的上面図である。
【図1D】図1A中の1D−1D線における模式端面図である。
【図1E】図1A中の1E−1E線における模式端面図である。
【図2A】一の実施形態に係る一対のリードの模式的上面図である。
【図2B】一の実施形態に係る一対のリードの模式的下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて詳細に説明する。複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下は、本発明の技術思想を具体化するための半導体装置を例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置をわかり易さのために用いているに過ぎない。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、理解を容易にする等のために誇張している場合がある。
【0010】
なお、本明細書中および図面中において、X方向は、横方向を示し、右方向(X方向)および左方向(X方向)の双方を含む。また、Y方向は、縦方向を示し、上方向(Y方向)および下方向(Y方向)の双方を含む。また、上面とは、上から見たときに見える面を指す場合と、高さ方向において最も高い位置にある面を指す場合とがある。下面とは、下から見たときに見える面を指す場合と、高さ方向において、最も低い位置にある面を指す場合とがある。
【0011】
図1Aは半導体装置100の模式的上面図であり、図1Bは半導体装置100の模式的下面図であり、図1Cは半導体素子1を搭載する前の樹脂パッケージ10を示す模式的上面図である。図1Aおよび図1Cにおいてハッチングを施した部分は、樹脂部30から露出する一対のリード5を示す。また、図1Aでは、封止部材40は省略して図示している。
図1Aで示す半導体装置100は、半導体素子1と、凹部2を有する樹脂パッケージ10と、樹脂パッケージ10と発光素子とを電気的に接続するワイヤ6とを備える。
【0012】
[半導体素子1]
半導体素子1は、例えば、発光ダイオードやレーザダイオード等の発光素子に加えて、ツェナーダイオード等の保護素子を含む。半導体素子1は、凹部2の底面にある一対のリード5の上面の一領域(後述する素子載置領域11)に載置される。半導体素子1が一対のリードの上面に載置されることで、半導体素子1が発する熱を一対のリード5側に効率的に放熱することができる。半導体素子1は、ワイヤ6を介して樹脂パッケージ10と電気的に接続される。半導体素子1として、例えば、上面に正負一対の電極が位置する半導体素子や、上面および下面に電極を有する半導体素子が好適に用いられる。
【0013】
図1Aで示す半導体装置100では、半導体素子1として第1発光素子1a、第2発光素子1b、第3発光素子1cおよび第4発光素子1dの4つの発光素子を備えている。第1発光素子1aは第1素子載置領域11aに載置され、第2発光素子1bは第2素子載置領域11bに載置され、第3発光素子1cは第3素子載置領域11cに載置され、第4発光素子1dは第4素子載置領域11dに載置されている。4つの発光素子は、上面視において、それぞれ樹脂部30を介して離間している。
【0014】
半導体装置100が半導体素子1として複数の発光素子を備える場合、X方向およびY方向の少なくとも一方向において、発光素子同士の側面の全てが完全に対向しないように配置することが好ましい。例えば、図1Aで示す半導体装置100では、第1発光素子1aの側面は、第3発光素子1cの側面と一部が対向し、かつ、その他の一部が第3発光素子1cと対向していない。同様に、第4発光素子1dの側面は、第2発光素子1bの側面と一部が対向し、かつ、その他の一部が第2発光素子1bと対向していない。また、第2発光素子1bの側面の一部は、第3発光素子1cの側面および第4発光素子1dの側面と対向し、第2発光素子1bの側面のその他の一部は、第3発光素子1cと第4発光素子1dとの間の領域と対向している。また、第3発光素子1cの側面の一部は、第1発光素子1aの側面および第2発光素子1bの側面と対向し、第3発光素子1cの側面のその他の一部は、第1発光素子1aと第2発光素子1bとの間の領域と対向している。複数の発光素子を、上記のように配置することで、発光素子から出射される光が、隣接する発光素子に吸収される割合を低減することができる。これにより、光取り出しが良好な半導体装置とすることができる。
【0015】
なお、図1Aで示す半導体装置100では、例えば、第1発光素子1aの側面の一部が第3発光素子1cの側面の一部と対向しているが、本発明はこれに限られない。X方向およびY方向の少なくとも一方向において、発光素子同士の側面が全く対向しないように発光素子を配置することができる。これにより、発光素子から出射される光が、隣接する発光素子に吸収される割合をさらに低減することができる。
半導体素子1の平面積、数、または配置は用途に応じて適宜設定することができる。
【0016】
半導体装置100が複数の半導体素子1を備える場合、各半導体素子は直列、並列または直列と並列の組み合わせで電気的に接続される。図1Aで示す半導体装置100では、4つの発光素子は全て直列に接続されている。これにより、所定の電流を流すことで明るい半導体装置とすることができる。
【0017】
[樹脂パッケージ10]
樹脂パッケージ10は、半導体素子1を載置するための基台である。樹脂パッケージ10は、樹脂部30と、樹脂部30に埋設される第1リード51及び第2リード52とを有する。樹脂パッケージ10は、上面80aにおいて開口を有する凹部2を有する。凹部2の底面は、上面視において、4つの辺を有する略矩形形状である。例えば、図1Cで示す樹脂パッケージ10では、凹部2の底面は、第1辺21と、第1辺21と反対側に位置する第2辺22と、第1辺21と第2辺22とに接続する第3辺23と、第3辺23と反対側に位置する第4辺24とを有する。
【0018】
図1Bおよび図1Cで示す樹脂パッケージ10は、上面視において略矩形の外形形状を有し、第1外側面81、第1外側面81と反対側に位置する第2外側面82、第3外側面83、および第3外側面83と反対側に位置する第4外側面84を有する。また、樹脂パッケージ10は、上面80aおよび上面80aと反対側に位置する下面80bとを有する。樹脂パッケージ10の下面80bは、実装基板に実装する実装面として機能する。樹脂パッケージ10の下面80bにおいて、第1リード51の第1部分510と第2部分520および第2リード52は樹脂部30から露出している。これにより、半導体素子1が発する熱を第1リード51および第2リード52を介して効率的に放熱することができる。第1リード51の第1部分510および第2部分520は、第1リード51の一部位であり、樹脂パッケージ10の下面において、第1部分510および第2部分520は樹脂部30を介して離間している。
【0019】
凹部2の底面において、素子載置領域11、ワイヤ接続領域12および第1領域13が樹脂部30から露出し、その他の領域は樹脂部30により被覆される。なお、本明細書において、凹部2の底面において、素子載置領域11、ワイヤ接続領域12および第1領域13が樹脂部30から露出するとは、上面視において、素子載置領域11、ワイヤ接続領域12および第1領域13が樹脂部30から露出していればよい。つまり、凹部2の底面において、図1Dおよび図1Eで示すように、素子載置領域11等の上面と樹脂部30とが略同一面に位置していてもよく、素子載置領域11等の上面が樹脂部30よりも高い位置に位置していてもよく、また素子載置領域11等の上面が樹脂部30よりも低い位置に位置していてもよい。
【0020】
素子載置領域11、ワイヤ接続領域12および第1領域13は、一対のリード5の上面の一部である。素子載置領域11は半導体素子1が載置される領域であり、1つの素子載置領域11に1つの半導体素子1が載置される。また、素子載置領域11は、上面視において半導体素子1と略同じ大きさを有し、周囲の少なくとも一部が樹脂部30により囲まれる。ワイヤ接続領域12は、半導体素子1の電極と接続するワイヤ6の一端が接続する領域である。また、ワイヤ接続領域12は、素子載置領域11と樹脂部30を介して離間し、周囲が樹脂部30により囲まれる。第1領域13は、半導体素子1およびワイヤ6の接続部のいずれもが位置しない領域であり、周囲の少なくとも一部が樹脂部30により囲まれる。また、第1領域13は、上面視において、ワイヤ接続領域12と樹脂部30を介して離間する。
【0021】
凹部2の底面において、素子載置領域11、ワイヤ接続領域12および第1領域13のみが樹脂部30から露出することで、例えば、大気中の酸素や硫黄等が凹部2内に進入したとしても、一対のリード5の上面うち酸素や硫黄等に曝露される領域を低減することができる。これにより、例えば半導体素子1として発光素子を用いる場合、樹脂パッケージ10の光反射率の低下を招く可能性を抑制することができ、樹脂パッケージ10は長期間において発光素子からの光を効率良く外部に取り出すことができる。なお、樹脂部30として、光や熱により劣化しにくく、かつ、光反射性の高い部材を用いることが好ましい。このような樹脂部30として、例えば、エポキシ系またはシリコーン系の樹脂材料に酸化チタン等の光反射性物質を含有したものを用いることができる。
【0022】
図1Cで示す樹脂パッケージ10では、凹部2の底面において、第1素子載置領域11a、第2素子載置領域11b、第3素子載置領域11c、第4素子載置領域11d、第1ワイヤ接続領域12a、第2ワイヤ接続領域12bおよび第1領域13が樹脂部30から露出している。第1素子載置領域11a、第2素子載置領域11b、第3素子載置領域11c、第4素子載置領域11d、第1ワイヤ接続領域12aおよび第1領域13は第1リード51の上面に位置し、第2ワイヤ接続領域12bは第2リード52の上面に位置している。また、上面視において、第1素子載置領域11a、第2素子載置領域11b、第3素子載置領域11c、第4素子載置領域11d、第1ワイヤ接続領域12aおよび第2ワイヤ接続領域12bは、それぞれ、樹脂部30を介して離間している。また、上面視において、第1領域13は、第1ワイヤ接続領域12aおよび第2ワイヤ接続領域12bと樹脂部30を介して離間している。
【0023】
ワイヤ接続領域12および第1領域13は、上面に銀含有層4を有する。これにより、半導体素子1として発光素子を用いる場合、発光素子から出射される光をワイヤ接続領域12および第1領域13の上面で効率的に反射させることができる。銀含有層4として、例えば、銀または銀を含む合金からなるめっき層を用いることができる。なお、銀含有層4は、ワイヤ接続領域12および第1領域13の上面に加えて、素子載置領域11の上面や、素子載置領域11、ワイヤ接続領域12および第1領域13以外の一対のリード5の上面に位置していてもよい。さらに、銀含有層4は、一対のリード5の側面および下面にあってもよい。
【0024】
一般的に、酸素や硫黄等の成分は、銀含有層と結合しやすい。第1領域13は、大気中の酸素や硫黄等が凹部2内に進入した場合に、酸素や硫黄等がワイヤ接続領域12に集中することを抑制し、自己の上面に酸素や硫黄等を導く領域としての役割を有する。半導体装置100は、銀含有層4を上面に有する第1領域13を有することで、酸素や硫黄等がワイヤ接続領域12に集中することを抑制することができ、ワイヤ6の断線を効果的に抑制することができる。なお、半導体装置100は、第1領域13を1つだけ備えていてもよく、また2つ以上の第1領域13を備えていてもよい。
【0025】
第1領域13とワイヤ接続領域12との最短距離は、上面視において凹部2の底面にある4つの辺のうちもっとも長い辺の長さの半分以上である。これにより、ワイヤ接続領域12と第1領域13とを十分に離間させることができ、酸素や硫黄等が第1領域13の上面に位置する場合に、その酸素や硫黄等の成分がワイヤ接続領域12まで達する可能性を低減することができる。これにより、ワイヤ6の断線を効果的に抑制することができる。
【0026】
第1領域13は、凹部2の底面の外縁と接する位置にあることが好ましい。第1領域13が凹部2の底面のうち外側の領域に位置することで、第1領域13が酸素や硫黄等により劣化したとしても、半導体素子1の光が達する割合を低減することができる。その結果、光取り出しが良好な半導体装置とすることができる。図1Cにおいて、第1領域13は、凹部2の底面の第4辺24と接する位置にある。また、第1領域13は、上面視において、素子載置領域11の少なくとも1つと連続することが好ましい。これにより、半導体素子1が発する熱を、素子載置領域11に加えて第1領域13からも効率的に放熱することができる。また、例えば、半導体装置100の凹部2内において、後述する酸化ケイ素等の保護層をスパッタにより形成する場合に、半導体素子1の側面等に遮られることに起因して、第1領域13の一部に保護層が形成されない領域を意図的に形成することができる。これにより、例えば、第1領域13に酸素や硫黄等を効果的に導くことができる。なお、第1領域13と素子載置領域11とは、上面視において樹脂部30を介して分離していてもよい。
【0027】
次に、図2Aおよび図2Bを参照して、一対のリード5について説明する。図2Aは、一対のリード5を示す模式的上面図である。図2Aにおいて、破線Xは凹部2の底面の外縁を示す。図2Aで示す一対のリード5は、上面に上面窪み部7aを有している。上面窪み部7aには、樹脂部30の一部が入り込む。上面窪み部7aは、上面視において、凹部2の底面に位置する領域と、凹部2の底面の外側に位置する樹脂部30に埋まる領域とを有している。一対のリード5が上面窪み部7aを有することで、樹脂部30と一対のリード5との密着性を向上させることができる。また、上面窪み部7a内に樹脂部30を入り込ませることで、凹部2の底面で樹脂部30から露出する一対のリード5の領域を低減することができる。
【0028】
一対のリード5は、本体部と、本体部の一部から外側に延びる延伸部15を有することが好ましい。図2Aにおいて、延伸部15は、本体部の一部からX方向またはY方向に延びている。一対のリード5が本体部の一部から外側に延びる延伸部15を有することで、一対のリードと樹脂部30との密着性が向上する。
【0029】
図2Bは、一対のリード5を示す模式的下面図である。一対のリード5は、下面において下面窪み部7bを有する。図2Bにおいてハッチングを施した領域が、下面窪み部7bである。また、一対のリード5の内側において破線で囲まれた領域は、一対のリード5の上面にある上面窪み部7aである。下面窪み部7bには、樹脂部30の一部が入り込む。一対のリード5が下面窪み部7bを有することで、樹脂部30と一対のリード5との密着性を向上させることができる。また、第1リード51は、下面において、第1部分510および第2部分520を有する。第1部分510と第2部分520とは、下面窪み部7bを介して分離している。第1リード51の下面を複数の部位に分離するように下面窪み部7bを設けることで、例えば、第2リード52よりも平面積が大きい第1リード51において、樹脂部30との密着性がさらに向上し、第1リード51と樹脂部30との剥離を抑制することができる。また、第1リード51の形状が、例えば、図2Bで示すように幅狭部9aと幅広部9bとを有する形状である場合に、一対のリード5の下面において半田等の接合部材が溶融した際に、幅狭部9aにおける接合部材の表面張力と幅広部9bにおける接合部材の表面張力とが異なることに起因して、半導体装置100が回転して配置される可能性がある。そのため、第1リード51の下面を、幅狭部9aと幅広部9bとに分離するように下面窪み部7bを設けることで、各部位の表面張力を分離して働かせることができ、半導体装置100のセルフアライメント性を効果的に向上させることができる。なお、図2BのX方向において、幅狭部9aの幅が幅広部9bの幅よりも狭くなっている。
【0030】
第1領域13は、上面視において、第1リード51を複数の部位に分離する下面窪み部7bと重なることが好ましい。これにより、例えば、リード厚みが薄くなる下面窪み部7bの上方に第1領域13を配置することで、一対のリード5と樹脂部30との密着性を向上させつつ、半導体装置100の放熱性を向上させることができる。
【0031】
図2Bにおいて、破線Yは半導体装置100の外側面の位置を示す。第1リード51および第2リード52は、外側面において、樹脂部30から露出し、且つ、樹脂部30と略同一面になっている。このように、外側面において、第1リード51および第2リード52が樹脂部30から外側に延出しないことで、占有面積の小さい小型の半導体装置100を提供することができる。
【0032】
上面窪み部7aおよび下面窪み部7bは、第1リード51および第2リード52の上面または下面に設けられ、第1リード51および第2リード52の深さ方向において非貫通の窪みである。上面窪み部7aの深さは、例えば、第1リード51および第2リード52の厚みに対して、0.1〜0.9倍であり、0.2〜0.8倍であることが好ましく、0.4〜0.6倍であることがより好ましい。また、下面窪み部7bの深さは、第1リード51および第2リード52の厚みに対して、0.1〜0.9倍であり、0.2〜0.8倍であることが好ましく、0.4〜0.7倍であることがより好ましい。例えば、第1リード51および第2リード52の厚みが0.2mmである場合、上面窪み部7aの深さは0.08mm〜0.11mmであり、下面窪み部7bの深さは0.12mm〜0.15mmである。なお、上面窪み部7aおよび下面窪み部7bの深さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、上面窪み部7a内または下面窪み部7b内において、各領域で深さが異なっていてもよい。例えば、一のワイヤ接続領域12の近傍に位置する上面窪み部7aの深さは、一の素子載置領域11の近傍に位置する上面窪み部7aの深さよりも深くすることができる。これにより、例えば、一のワイヤ接続領域12の近傍において、樹脂部30と一対のリード5との密着性が向上し、ワイヤ接続領域12に接続されるワイヤ6の断線を効果的に防ぐことができる。
【0033】
[ワイヤ6]
ワイヤ6は、具体的には、金、銅、銀、白金、アルミニウム、パラジウム等の金属またはこれらの合金の金属線を用いることができる。ワイヤが金と銀を含む合金ワイヤである場合、銀の含有比率は、例えば、15〜20%、45〜55%、70〜90%または95%〜99%とすることができる。ワイヤの線径は、適宜選択できるが、5μm以上50μm以下が好ましく、10μm以上40μm以下がより好ましく、15μm以上30μm以下がさらに好ましい。
【0034】
以下、本発明の半導体装置100に用いられる各部材について詳細に説明する。
【0035】
(樹脂パッケージ)
樹脂パッケージ10は、発光素子を配置するための基台である。樹脂パッケージ10は、一対のリード5と、一対のリード5を保持する樹脂部30とを備える。樹脂パッケージ10は、凹部2を有する。樹脂パッケージ10の上面視における外形形状は、例えば、3.0mm×1.4mm、2.5mm×2.5mm、3.0mm×3.0mm、4.5mm×4.5mmの四角形である。なお、樹脂パッケージ10の外形形状は、上面視において、四角形に限られず、他の多角形や楕円形等の形状であってもよい。また、凹部2の深さは、例えば、樹脂パッケージ10の高さに対して、0.5〜0.8倍である。樹脂パッケージ10は、図1Cで示すように、例えば角部近傍にリードの極性を示すアノードマークまたはカソードマークMを備えることができる。
【0036】
また、図1Cで示す樹脂パッケージ10では、樹脂パッケージ10の外側面において、第1リード51および第2リード52は樹脂部30から外側に延出していないが、本実施形態の樹脂パッケージはこれに限られない。つまり、樹脂パッケージ10の外側面において、第1リード51および第2リード52は樹脂部30から外側に延出していてもよい。これにより、発光素子が発する熱を効率的に外側に放熱することができる。
【0037】
(樹脂部)
樹脂部30は、母材となる樹脂材料として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。具体的には、エポキシ樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物、シリコーン変性エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂組成物、エポキシ変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂組成物、変成シリコーン樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂組成物、変性ポリイミド樹脂組成物等の硬化体、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂等の樹脂を用いることができる。特に、樹脂部30の樹脂材料として、耐熱性および耐光性に優れたエポキシ樹脂組成物やシリコーン樹脂組成物の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
【0038】
樹脂部30は、上記の母材となる樹脂材料に、光反射性物質を含有することが好ましい。光反射性物質としては、発光素子からの光を吸収しにくく、且つ、母材となる樹脂材料に対して屈折率差の大きい部材を用いることが好ましい。このような光反射性物質は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等である。
【0039】
また、樹脂部30は、半導体装置100のコントラストを向上させるために、半導体装置100の外光(多くの場合、太陽光)に対して光反射率が低い充填剤を含有してもよい。この場合、樹脂部30は、例えば、黒色ないしそれに近似した色である。充填剤としては、アセチレンブラック、活性炭、黒鉛などのカーボンや、酸化鉄、二酸化マンガン、酸化コバルト、酸化モリブデンなどの遷移金属酸化物、もしくは有色有機顔料などを目的に応じて利用することができる。
【0040】
(第1リード、第2リード)
第1リード51および第2リード52は、導電性を有し、発光素子に給電するための電極として機能する。第1リード51および第2リード52は、母材として、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、鉄、ニッケル、又はこれらの合金、燐青銅、鉄入り銅などの金属を用いることができる。これらは単層であってもよいし、積層構造(例えば、クラッド材)であってもよい。特に、母材には安価で放熱性が高い銅を用いることが好ましい。また、第1リード51および第2リード52は、表面に銀含有層4を有する。なお、第1リード51および第2リード52は、母材と銀含有層4との間に中間層を有することができる。中間層は、例えば、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、ロジウム、金、銅、又はこれらの合金などを含む。なお、銀含有層4または中間層は、第1リード51および第2リード52の全面に設けられていてもよいし、部分的に設けられていてもよい。また、例えば、リードの上面側に形成される銀含有層4または中間層は、リードの下面側に形成される銀含有層4または中間層よりも厚くすることができる。
【0041】
第1リード51および第2リード52の最表面(例えば、銀含有層4の表面)には、酸化ケイ素等の保護層を設けることができる。銀含有層4の表面に保護層を設けることで、例えば、凹部2内に硫黄等が進入した場合に、銀含有層4の劣化の進行を保護層によって効果的に阻害することができる。保護層の成膜方法は、例えばスパッタ等の真空プロセスによって成膜することができるが、その他の既知の方法を用いてもよい。
【0042】
樹脂パッケージ10は、少なくとも第1リード51、第2リード52を備えていればよい。なお、樹脂パッケージ10は、3つ以上のリードを備えていてもよく、例えば、第1リード51および第2リード52に加えて第3リードを備えることができる。第3リードは、放熱部材として機能してもよいし、第1リード51等と同様に電極として機能してもよい。
【0043】
(半導体素子)
半導体素子には、発光ダイオード素子などを用いることができ、可視域の発光が可能な窒化物半導体(InAlGa1−x−yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を好適に用いることができる。図1Aで示す半導体装置100は、4つの発光素子を備えているが、本実施形態の半導体装置はこれに限られない。半導体装置100は、少なくとも1つの半導体素子を備えていればよく、半導体素子の個数は目的や用途に応じて変更可能である。
【0044】
半導体装置100が複数の発光素子を備える場合は、複数の発光素子は、例えば、青色光を出射する複数の青色発光素子、青色光、緑色光および赤色光をそれぞれ出射する3つの発光素子、または、青色光を出射する発光素子と緑色光を出射する発光素子とを組み合わせたものを含むことができる。半導体装置100を液晶表示装置等の光源として用いる場合、発光素子として、青色光を出射する発光素子、または、青色光を出射する発光素子と緑色光を出射する発光素子との組み合わせを用いることが好ましい。青色光を出射する発光素子と緑色光を出射する発光素子は、いずれも半値幅が40nm以下の発光素子を用いることが好ましく、半値幅が30nm以下の発光素子を用いることがより好ましい。これにより、青色光および緑色光が容易に鋭いピークを持つことができる。その結果、例えば、発光装置を液晶表示装置等の光源として用いる場合、液晶表示装置は高い色再現性を達成することができる。
【0045】
(封止部材)
半導体装置100は、半導体素子1を被覆する封止部材40を備えることができる。封止部材40は、半導体素子等を外力や埃、水分などから保護することができる。封止部材40は、例えば、発光素子から出射される光の60%以上を透過するもの、さらに90%以上を透過するものが好ましい。封止部材40の母材としては、樹脂部30で用いられる樹脂材料を用いることができる。母材となる樹脂材料として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができ、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂またはこれらを1つ以上含む樹脂を用いることができる。封止部材は単一層から形成することもでき、また、複数層から構成することもできる。また、封止部材40には、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムなどの光散乱粒子を分散させることができる。
【0046】
封止部材40は、発光素子からの光の波長を変換する1種または複数種の蛍光体を含むことができる。蛍光体は、発光素子の光で励起する蛍光体であればよく、例えば、(Ca,Sr,Ba)(PO(Cl,Br):Eu、(Sr,Ca,Ba)Al1425:Eu、(Ca,Sr,Ba)MgSi16(F,Cl,Br):Eu、(Y,Lu,Gd)(Al,Ga)12:Ce、(Sr,Ca)AlSiN:Eu、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn、(x-s)MgO・(s/2)Sc・yMgF・uCaF・(1-t)GeO・(t/2)M:zMn、CaScSi12:Ce、CaSc:Ce、(La,Y)Si11:Ce、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si12:Eu、(Ba,Sr,Ca)Si:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、(Ca,Sr,Ba)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)Ga:Eu、K(Si,Ti,Ge)F:Mn、Si6−zAl8−z:Eu(0<z<4.2)、の蛍光体を用いることができる。
【0047】
特に、蛍光体として、Si6−zAl8−z:Eu(0<z<4.2)とK(Si,Ti,Ge)F:Mnとの2種の蛍光体を組み合わせたものを用いることが好ましい。これらの2種の蛍光体と青色発光素子とを組み合わせることで、色再現性が良好な発光装置とすることができる。また、Si6−zAl8−z:Eu(0<z<4.2)とK(Si,Ti,Ge)F:Mnとの2種の蛍光体に加えて、(Sr,Ca)AlSiN:Euの蛍光体を組み合わせることがより好ましい。蛍光体として、(Sr,Ca)AlSiN:Euの蛍光体を組み合わせることで、例えば、発光装置の残光を低減することができる。
【0048】
光散乱粒子および/又は蛍光体の含有量は、例えば、封止部材40の全重量に対して10〜150重量%程度であることが好ましい。
【符号の説明】
【0049】
100 半導体装置
10 樹脂パッケージ
1 半導体素子
1a 第1発光素子
1b 第2発光素子
1c 第3発光素子
1d 第4発光素子
11 素子載置領域
11a 第1素子載置領域
11b 第2素子載置領域
11c 第3素子載置領域
11d 第4素子載置領域
12 ワイヤ接続領域
12a 第1ワイヤ接続領域
12b 第2ワイヤ接続領域
13 第1領域
15 延伸部
2 凹部
21 第1辺
22 第2辺
23 第3辺
24 第4辺
30 樹脂部
4 銀含有層
40 封止部材
5 一対のリード
51 第1リード
52 第2リード
510 第1部分
520 第2部分
6 ワイヤ
7a 上面窪み部
7b 下面窪み部
80a 上面
80b 下面
81 第1外側面
82 第2外側面
83 第3外側面
84 第4外側面
9a 幅狭部
9b 幅広部
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2A】
【図2B】