(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019145705
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】処理容器内の部材をクリーニングする方法、半導体装置の製造方法、基板処理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20190802BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20190802BHJP
   C23C 16/42 20060101ALI20190802BHJP
   H01L 21/318 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !H01L21/31 E
   !C23C16/44 J
   !C23C16/42
   !H01L21/318 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】34
(21)【出願番号】2018029643
(22)【出願日】20180222
(71)【出願人】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
【住所又は居所】東京都千代田区神田鍛冶町3丁目4番地
(74)【代理人】
【識別番号】100145872
【弁理士】
【氏名又は名称】福岡 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100091362
【弁理士】
【氏名又は名称】阿仁屋 節雄
(72)【発明者】
【氏名】栗林 幸永
【住所又は居所】富山県富山市八尾町保内二丁目1番地 株式会社日立国際電気内
(72)【発明者】
【氏名】亀田 賢治
【住所又は居所】富山県富山市八尾町保内二丁目1番地 株式会社日立国際電気内
(72)【発明者】
【氏名】鎌倉 司
【住所又は居所】富山県富山市八尾町保内二丁目1番地 株式会社日立国際電気内
(72)【発明者】
【氏名】花島 建夫
【住所又は居所】富山県富山市八尾町保内二丁目1番地 株式会社日立国際電気内
(72)【発明者】
【氏名】平松 宏朗
【住所又は居所】富山県富山市八尾町保内二丁目1番地 株式会社日立国際電気内
(72)【発明者】
【氏名】江端 慎也
【住所又は居所】富山県富山市八尾町保内二丁目1番地 株式会社日立国際電気内
(72)【発明者】
【氏名】山岸 裕人
【住所又は居所】富山県富山市八尾町保内二丁目1番地 株式会社日立国際電気内
(72)【発明者】
【氏名】久門 佐多雄
【住所又は居所】富山県富山市八尾町保内二丁目1番地 株式会社日立国際電気内
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 隆史
【住所又は居所】富山県富山市八尾町保内二丁目1番地 株式会社日立国際電気内
(72)【発明者】
【氏名】山口 天和
【住所又は居所】富山県富山市八尾町保内二丁目1番地 株式会社日立国際電気内
(72)【発明者】
【氏名】西堂 周平
【住所又は居所】富山県富山市八尾町保内二丁目1番地 株式会社日立国際電気内
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
4K030AA06
4K030AA13
4K030AA18
4K030BA40
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4K030LA15
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5F058BF37
(57)【要約】      (修正有)
【課題】処理容器内のクリーニング処理の均一性を向上する。
【解決手段】(a)基板に対して処理を行った後の処理容器内へ、少なくとも3つの供給部のうちいずれか2つの供給部より、クリーニングガス(Fガス)と、クリーニングガスと反応する添加ガス(NOガス)とを、それぞれ別々に供給する工程と、(b)処理容器内へ、少なくとも3つの供給部のうちいずれか2つの供給部より、クリーニングガスを供給する供給部および添加ガスを供給する供給部のうち少なくともいずれかを、(a)におけるそれ、もしくは、それらと異ならせて、クリーニングガスと、添加ガスとを、それぞれ別々に供給する工程と、を含むサイクルを所定回数行うことで、処理容器内の部材をクリーニングする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)基板に対して処理を行った後の処理容器内へ、少なくとも3つの供給部のうちいずれか2つの供給部より、クリーニングガスと、前記クリーニングガスと反応する添加ガスとを、それぞれ別々に供給する工程と、
(b)前記処理容器内へ、前記少なくとも3つの供給部のうちいずれか2つの供給部より、前記クリーニングガスを供給する供給部および前記添加ガスを供給する供給部のうち少なくともいずれかを、(a)におけるそれ、もしくは、それらと異ならせて、前記クリーニングガスと、前記添加ガスとを、それぞれ別々に供給する工程と、
を含むサイクルを所定回数行うことで、前記処理容器内の部材をクリーニングする方法。
【請求項2】
(a)および(b)のうち少なくともいずれかでは、前記少なくとも3つの供給部のうち前記クリーニングガスと前記添加ガスとの供給を不実施とする供給部のガス噴出口から、該供給部内へ、前記処理容器内へ供給された前記クリーニングガスと前記添加ガスとを侵入させる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(a)および(b)のうち少なくともいずれかは、
(c)前記処理容器内の排気を停止した状態で、前記処理容器内へ前記クリーニングガスと前記添加ガスとを供給する工程と、
(d)前記処理容器内の排気を停止した状態で、前記処理容器内への前記クリーニングガスと前記添加ガスとの供給を停止して、前記処理容器内へ前記クリーニングガスと前記添加ガスとを封じ込めた状態を維持する工程と、
(e)前記処理容器内を排気する工程と、
を含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
(c)では、前記少なくとも3つの供給部のうち前記クリーニングガスと前記添加ガスとの供給を不実施とする供給部のガス噴出口から、該供給部内へ、前記処理容器内へ供給された前記クリーニングガスと前記添加ガスとを侵入させ、
(d)では、少なくとも前記クリーニングガスと前記添加ガスとの供給を不実施とする供給部のガス噴出口から、該供給部内へ、前記処理容器内へ封じ込められた前記クリーニングガスと前記添加ガスとを侵入させる請求項3に記載の方法。
【請求項5】
(d)では、前記少なくとも3つの供給部のそれぞれのガス噴出口から、それぞれの供給部内へ、前記処理容器内へ封じ込められた前記クリーニングガスと前記添加ガスとを侵入させる請求項4に記載の方法。
【請求項6】
処理容器内の基板に対して処理を行う工程と、
前記基板に対して処理を行った後の前記処理容器内の部材をクリーニングする工程と、
を有し、前記クリーニングする工程では、
(a)前記処理容器内へ、少なくとも3つの供給部のうちいずれか2つの供給部より、クリーニングガスと、前記クリーニングガスと反応する添加ガスとを、それぞれ別々に供給する工程と、
(b)前記処理容器内へ、前記少なくとも3つの供給部のうちいずれか2つの供給部より、前記クリーニングガスを供給する供給部および前記添加ガスを供給する供給部のうち少なくともいずれかを、(a)におけるそれ、もしくは、それらと異ならせて、前記クリーニングガスと、前記添加ガスとを、それぞれ別々に供給する工程と、
を含むサイクルを所定回数行う半導体装置の製造方法。
【請求項7】
基板に対して処理が行われる処理容器と、
前記処理容器内へガスを供給する少なくとも3つの供給部と、
前記処理容器内へクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給系と、
前記処理容器内へ前記クリーニングガスと反応する添加ガスを供給する添加ガス供給系と、
(a)基板に対して処理を行った後の前記処理容器内へ、前記少なくとも3つの供給部のうちいずれか2つの供給部より、前記クリーニングガスと、前記添加ガスとを、それぞれ別々に供給する処理と、(b)前記処理容器内へ、前記少なくとも3つの供給部のうちいずれか2つの供給部より、前記クリーニングガスを供給する供給部および前記添加ガスを供給する供給部のうち少なくともいずれかを、(a)におけるそれ、もしくは、それらと異ならせて、前記クリーニングガスと、前記添加ガスとを、それぞれ別々に供給する処理と、を含むサイクルを所定回数行うことで、前記処理容器内の部材をクリーニングするように、前記クリーニングガス供給系および前記添加ガス供給系を制御するよう構成される制御部と、
を有する基板処理装置。
【請求項8】
(a)基板に対して処理を行った後の基板処理装置の処理容器内へ、少なくとも3つの供給部のうちいずれか2つの供給部より、クリーニングガスと、前記クリーニングガスと反応する添加ガスとを、それぞれ別々に供給する手順と、
(b)前記処理容器内へ、前記少なくとも3つの供給部のうちいずれか2つの供給部より、前記クリーニングガスを供給する供給部および前記添加ガスを供給する供給部のうち少なくともいずれかを、(a)におけるそれ、もしくは、それらと異ならせて、前記クリーニングガスと、前記添加ガスとを、それぞれ別々に供給する手順と、
を含むサイクルを所定回数行うことで、前記処理容器内の部材をクリーニングする手順をコンピュータによって前記基板処理装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理容器内の部材をクリーニングする方法、半導体装置の製造方法、基板処理装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程の一工程として、処理容器内の基板を処理する工程が行われる場合がある。この工程を行うことにより、処理容器内に所定量の堆積物が付着すると、所定のタイミングで処理容器内のクリーニング処理が行われる場合がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−153956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、処理容器内のクリーニング処理の均一性を向上させることが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、
(a)基板に対して処理を行った後の処理容器内へ、少なくとも3つの供給部のうちいずれか2つの供給部より、クリーニングガスと、前記クリーニングガスと反応する添加ガスとを、それぞれ別々に供給する工程と、
(b)前記処理容器内へ、前記少なくとも3つの供給部のうちいずれか2つの供給部より、前記クリーニングガスを供給する供給部および前記添加ガスを供給する供給部のうち少なくともいずれかを、(a)におけるそれ、もしくは、それらと異ならせて、前記クリーニングガスと、前記添加ガスとを、それぞれ別々に供給する工程と、
を含むサイクルを所定回数行うことで、前記処理容器内の部材をクリーニングする技術が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、処理容器内のクリーニング処理の均一性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態で好適に用いられる基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面図で示す図である。
【図2】本発明の実施形態で好適に用いられる基板処理装置の縦型処理炉の一部の概略構成図であり、処理炉の一部を図1のA−A線断面図で示す図である。
【図3】本発明の実施形態で好適に用いられる基板処理装置のコントローラの概略構成図であり、コントローラの制御系をブロック図で示す図である。
【図4】本発明の一実施形態のクリーニング処理のガス供給シーケンスを示す図である。
【図5】本発明の一実施形態のクリーニング処理のガス供給シーケンスの変形例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態のクリーニング処理のガス供給シーケンスの変形例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態のクリーニング処理のガス供給シーケンスの変形例を示す図である。
【図8】(a)、(b)は、それぞれ、クリーニング処理を実施した際の排気管の温度変化を例示する図である。
【図9】(a)、(b)は、それぞれ、クリーニング処理を実施した際の排気管の温度変化を例示する図である。
【図10】(a)、(b)は、それぞれ、縦型処理炉の変形例を示す横断面図であり、反応管、バッファ室およびノズル等を部分的に抜き出して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について図1〜図4を参照しながら説明する。
【0009】
(1)基板処理装置の構成
図1に示すように、処理炉202は加熱機構(温度調整部)としてのヒータ207を有する。ヒータ207は円筒形状であり、保持板に支持されることにより垂直に据え付けられている。ヒータ207は、ガスを熱で活性化(励起)させる活性化機構(励起部)としても機能する。
【0010】
ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応管203が配設されている。反応管203は、例えば石英(SiO)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料により構成され、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。反応管203の下方には、反応管203と同心円状に、マニホールド209が配設されている。マニホールド209は、例えばステンレス(SUS)等の金属材料により構成され、上端および下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド209の上端部は、反応管203の下端部に係合しており、反応管203を支持するように構成されている。マニホールド209と反応管203との間には、シール部材としてのOリング220aが設けられている。反応管203はヒータ207と同様に垂直に据え付けられている。主に、反応管203とマニホールド209とにより処理容器(反応容器)が構成される。処理容器の筒中空部には処理室201が形成される。処理室201は、基板としてのウエハ200を収容可能に構成されている。この処理室201内でウエハ200に対する処理が行われる。
【0011】
処理室201内には、第1供給部〜第3供給部としてのノズル249a〜249cが、マニホールド209の側壁を貫通するように設けられている。ノズル249a〜249cを第1ノズル〜第3ノズルとも称する。ノズル249a〜249cには、ガス供給管232a〜232cがそれぞれ接続されている。ノズル249a〜249cはそれぞれ異なるノズルであり、ノズル249a,249cのそれぞれは、ノズル249bに隣接して設けられており、ノズル249bを両側から挟むように配置されている。
【0012】
ガス供給管232a〜232cには、ガス流の上流側から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241a〜241cおよび開閉弁であるバルブ243a〜243cがそれぞれ設けられている。ガス供給管232a〜232cのバルブ243a〜243cよりも下流側には、ガス供給管232d〜232fがそれぞれ接続されている。ガス供給管232d〜232fには、ガス流の上流側から順に、MFC241d〜241fおよびバルブ243d〜243fがそれぞれ設けられている。
【0013】
図2に示すように、ノズル249a〜249cは、反応管203の内壁とウエハ200との間における平面視において円環状の空間に、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の配列方向上方に向かって立ち上がるようにそれぞれ設けられている。すなわち、ノズル249a〜249cは、ウエハ200が配列されるウエハ配列領域の側方の、ウエハ配列領域を水平に取り囲む領域に、ウエハ配列領域に沿うようにそれぞれ設けられている。ノズル249bは、平面視において、処理室201内に搬入されるウエハ200の中心を挟んで、後述する排気口231aと一直線上に対向するように配置されている。ノズル249a,249cは、ノズル249bを挟んでその両側に、すなわち、反応管203の内壁(ウエハ200の外周部)に沿ってノズル249bを両側から挟み込むように配置されている。ノズル249a〜249cの側面には、ガスを供給するガス噴出口250a〜250cがそれぞれ設けられている。ガス噴出口250a〜250cは、それぞれが、平面視において排気口231aと対向するように開口しており、ウエハ200に向けてガスを供給することが可能となっている。ガス噴出口250a〜250cは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられている。
【0014】
ガス供給管232aからは、後述する原料とは化学構造(分子構造)が異なる反応体(リアクタント)として、例えば、窒素(N)含有ガスとしての窒化ガスである窒化水素系ガスが、MFC241a、バルブ243a、ノズル249aを介して処理室201内へ供給される。窒化水素系ガスは、Nソースとして作用する。窒化水素系ガスとしては、例えば、アンモニア(NH)ガスを用いることができる。
【0015】
ガス供給管232bからは、原料(原料ガス)として、例えば、膜を構成する所定元素(主元素)としてのSiおよびハロゲン元素を含むハロシラン系ガスが、MFC241b、バルブ243b、ノズル249bを介して処理室201内へ供給される。原料ガスとは、気体状態の原料、例えば、常温常圧下で液体状態である原料を気化することで得られるガスや、常温常圧下で気体状態である原料等のことである。ハロシランとは、ハロゲン基を有するシランのことである。ハロゲン基には、クロロ基、フルオロ基、ブロモ基、ヨード基等が含まれる。すなわち、ハロゲン基には、塩素(Cl)、フッ素(F)、臭素(Br)、ヨウ素(I)等のハロゲン元素が含まれる。ハロシラン系ガスとしては、例えば、SiおよびClを含む原料ガス、すなわち、クロロシラン系ガスを用いることができる。クロロシラン系ガスは、Siソースとして作用する。クロロシラン系ガスとしては、例えば、ヘキサクロロジシラン(SiCl、略称:HCDS)ガスを用いることができる。HCDSガスは、上述の処理条件下においてそれ単独で固体となる元素(Si)を含むガス、すなわち、上述の処理条件下においてそれ単独で膜を堆積させることができるガスである。
【0016】
ガス供給管232a〜232cからは、クリーニングガスとして、フッ素系ガスが、MFC241a〜241c、バルブ243a〜243c、ガス供給管232a〜232c、ノズル249a〜249cをそれぞれ介して処理室201内へ供給される。フッ素系ガスとしては、例えば、フッ素(F)ガスを用いることができる。
【0017】
ガス供給管232a〜232cからは、添加ガスとして、酸化窒素系ガスが、MFC241a〜241c、バルブ243a〜243c、ガス供給管232a〜232c、ノズル249a〜249cをそれぞれ介して処理室201内へ供給される。酸化窒素系ガスは、それ単体ではクリーニング作用を奏しないが、フッ素系ガスと反応することで例えばハロゲン化ニトロシル化合物等の活性種を生成し、フッ素系ガスのクリーニング作用を向上させるように作用する。酸化窒素系ガスとしては、例えば、一酸化窒素(NO)ガスを用いることができる。
【0018】
ガス供給管232d〜232fからは、不活性ガスとして、例えば、窒素(N)ガスが、それぞれMFC241d〜241f、バルブ243d〜243f、ガス供給管232a〜232c、ノズル249a〜249cを介して処理室201内へ供給される。Nガスは、パージガス、キャリアガス、希釈ガス等として作用する。
【0019】
主に、ガス供給管232a、MFC241a、バルブ243aにより、反応体供給系が構成される。主に、ガス供給管232b、MFC241b、バルブ243bにより、原料供給系が構成される。主に、ガス供給管232a〜232c、MFC241a〜241c、バルブ243a〜243cにより、クリーニングガス供給系および添加ガス供給系がそれぞれ構成される。主に、ガス供給管232d〜232f、MFC241d〜241f、バルブ243d〜243fにより、不活性ガス供給系が構成される。
【0020】
上述の各種供給系のうち、いずれか、或いは、全ての供給系は、バルブ243a〜243fやMFC241a〜241f等が集積されてなる集積型供給システム248として構成されていてもよい。集積型供給システム248は、ガス供給管232a〜232fのそれぞれに対して接続され、ガス供給管232a〜232f内への各種ガスの供給動作、すなわち、バルブ243a〜243fの開閉動作やMFC241a〜241fによる流量調整動作等が、後述するコントローラ121によって制御されるように構成されている。集積型供給システム248は、一体型、或いは、分割型の集積ユニットとして構成されており、ガス供給管232a〜232f等に対して集積ユニット単位で着脱を行うことができ、集積型供給システム248のメンテナンス、交換、増設等を、集積ユニット単位で行うことが可能なように構成されている。
【0021】
反応管203の側壁下方には、処理室201内の雰囲気を排気する排気口231aが設けられている。図2に示すように、排気口231aは、平面視において、ウエハ200を挟んでノズル249a〜249c(ガス噴出口250a〜250c)と対向(対面)する位置に設けられている。排気口231aは、反応管203の側壁の下部より上部に沿って、すなわち、ウエハ配列領域に沿って設けられていてもよい。排気口231aには排気管231が接続されている。排気管231には、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245および圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ244を介して、真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されている。APCバルブ244は、真空ポンプ246を作動させた状態で弁を開閉することで、処理室201内の真空排気および真空排気停止を行うことができ、さらに、真空ポンプ246を作動させた状態で、圧力センサ245により検出された圧力情報に基づいて弁開度を調節することで、処理室201内の圧力を調整することができるように構成されている。主に、排気管231、APCバルブ244、圧力センサ245により、排気系が構成される。真空ポンプ246を排気系に含めて考えてもよい。
【0022】
なお、排気管231は、耐熱性や耐食性に優れた合金によって構成されている。合金としては、SUSの他、例えば、ニッケル(Ni)に鉄(Fe)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)等を添加することで耐熱性、耐食性を高めたハステロイ(登録商標)や、NiにFe、Cr、ニオブ(Nb)、Mo等を添加することで耐熱性、耐食性を高めたインコネル(登録商標)等を好適に用いることができる。
【0023】
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、例えばSUS等の金属材料により構成され、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220bが設けられている。シールキャップ219の下方には、後述するボート217を回転させる回転機構267が設置されている。回転機構267の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217に接続されている。回転機構267は、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は、反応管203の外部に設置された昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されている。ボートエレベータ115は、シールキャップ219を昇降させることで、ウエハ200を処理室201内外に搬入および搬出(搬送)する搬送装置(搬送機構)として構成されている。マニホールド209の下方には、シールキャップ219を降下させボート217を処理室201内から搬出した状態で、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシャッタ219sが設けられている。シャッタ219sは、例えばSUS等の金属材料により構成され、円盤状に形成されている。シャッタ219sの上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220cが設けられている。シャッタ219sの開閉動作(昇降動作や回動動作等)は、シャッタ開閉機構115sにより制御される。
【0024】
基板支持具としてのボート217は、複数枚、例えば25〜200枚のウエハ200を、水平姿勢で、かつ、互いに中心を揃えた状態で垂直方向に整列させて多段に支持するように、すなわち、間隔を空けて配列させるように構成されている。ボート217は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料により構成される。ボート217の下部には、例えば石英やSiC等の耐熱性材料により構成される断熱板218が多段に支持されている。
【0025】
反応管203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されている。温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電具合を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となる。温度センサ263は、反応管203の内壁に沿って設けられている。
【0026】
図3に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ121は、CPU(Central Processing Unit)121a、RAM(Random Access Memory)121b、記憶装置121c、I/Oポート121dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM121b、記憶装置121c、I/Oポート121dは、内部バス121eを介して、CPU121aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ121には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置122が接続されている。
【0027】
記憶装置121cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置121c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件等が記載されたプロセスレシピや、後述するクリーニング処理の手順や条件等が記載されたクリーニングレシピ等が、読み出し可能に格納されている。プロセスレシピは、後述する基板処理における各手順をコントローラ121に実行させ、所定の結果を得ることができるように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。クリーニングレシピは、後述するクリーニング処理における各手順を、コントローラ121に実行させ、所定の結果を得ることができるように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、プロセスレシピ、クリーニングレシピ、制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。また、プロセスレシピやクリーニングレシピを、単に、レシピともいう。本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、レシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。RAM121bは、CPU121aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0028】
I/Oポート121dは、上述のMFC241a〜241f、バルブ243a〜243f、圧力センサ245、APCバルブ244、真空ポンプ246、温度センサ263、ヒータ207、回転機構267、ボートエレベータ115、シャッタ開閉機構115s等に接続されている。
【0029】
CPU121aは、記憶装置121cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置122からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置121cからレシピを読み出すように構成されている。CPU121aは、読み出したレシピの内容に沿うように、MFC241a〜241fによる各種ガスの流量調整動作、バルブ243a〜243fの開閉動作、APCバルブ244の開閉動作および圧力センサ245に基づくAPCバルブ244による圧力調整動作、真空ポンプ246の起動および停止、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、回転機構267によるボート217の回転および回転速度調節動作、ボートエレベータ115によるボート217の昇降動作、シャッタ開閉機構115sによるシャッタ219sの開閉動作等を制御するように構成されている。
【0030】
コントローラ121は、外部記憶装置123に格納された上述のプログラムを、コンピュータにインストールすることにより構成することができる。外部記憶装置123は、例えば、HDD等の磁気ディスク、CD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリ等の半導体メモリ等を含む。記憶装置121cや外部記憶装置123は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成されている。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置121c単体のみを含む場合、外部記憶装置123単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。なお、コンピュータへのプログラムの提供は、外部記憶装置123を用いず、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。
【0031】
(2)基板処理
上述の基板処理装置を用い、半導体装置の製造工程の一工程として、基板としてのウエハ200上に膜を形成する基板処理シーケンス例、すなわち、成膜シーケンス例について説明する。以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。
【0032】
本実施形態の成膜シーケンスでは、
処理容器内のウエハ200に対して原料としてHCDSガスを供給するステップ1と、処理容器内のウエハ200に対して反応体としてNHガスを供給するステップ2と、を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、ウエハ200上に、膜として、SiおよびNを含む膜であるシリコン窒化膜(SiN膜)を形成する。
【0033】
本明細書では、上述の成膜シーケンスを、便宜上、以下のように示すこともある。以下の変形例等の説明においても、同様の表記を用いる。
【0034】
(HCDS→NH)×n ⇒ SiN
【0035】
本明細書において「ウエハ」という言葉を用いた場合は、ウエハそのものを意味する場合や、ウエハとその表面に形成された所定の層や膜との積層体を意味する場合がある。本明細書において「ウエハの表面」という言葉を用いた場合は、ウエハそのものの表面を意味する場合や、ウエハ上に形成された所定の層等の表面を意味する場合がある。本明細書において「ウエハ上に所定の層を形成する」と記載した場合は、ウエハそのものの表面上に所定の層を直接形成することを意味する場合や、ウエハ上に形成されている層等の上に所定の層を形成することを意味する場合がある。本明細書において「基板」という言葉を用いた場合も、「ウエハ」という言葉を用いた場合と同義である。
【0036】
(ウエハチャージおよびボートロード)
複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ)されると、シャッタ開閉機構115sによりシャッタ219sが移動させられて、マニホールド209の下端開口が開放される(シャッタオープン)。その後、図1に示すように、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内へ搬入(ボートロード)される。この状態で、シールキャップ219は、Oリング220bを介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。
【0037】
(圧力調整および温度調整)
処理室201内、すなわち、ウエハ200が存在する空間が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ246によって真空排気(減圧排気)される。この際、処理室201内の圧力は圧力センサ245で測定され、この測定された圧力情報に基づきAPCバルブ244がフィードバック制御される。また、処理室201内のウエハ200が所望の温度となるように、ヒータ207によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合がフィードバック制御される。また、回転機構267によるウエハ200の回転を開始する。処理室201内の排気、ウエハ200の加熱および回転は、いずれも、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。
【0038】
(成膜ステップ)
その後、次のステップ1,2を順次実行する。
【0039】
[ステップ1]
このステップでは、処理室201内のウエハ200に対してHCDSガスを供給する(HCDSガス供給ステップ)。具体的には、バルブ243bを開き、ガス供給管232b内へHCDSガスを流す。HCDSガスは、MFC241bにより流量調整され、ノズル249bを介して処理室201内へ供給され、排気口231aより排気される。このとき、ウエハ200に対してHCDSガスが供給される。このとき、バルブ243d〜243fのうち少なくともいずれかを開き、ノズル249a〜249cのうち少なくともいずれかを介して処理室201内へNガスを供給するようにしてもよい。
【0040】
本ステップにおける処理条件としては、
HCDSガス供給流量:0.01〜2slm、好ましくは0.1〜1slm
ガス供給流量(ガス供給管毎):0〜10slm
各ガス供給時間:1〜120秒、好ましくは1〜60秒
処理温度:250〜800℃、好ましくは400〜700℃
処理圧力:1〜2666Pa、好ましくは67〜1333Pa
が例示される。なお、本明細書における「250〜800℃」のような数値範囲の表記は、下限値および上限値がその範囲に含まれることを意味する。よって、例えば、「250〜800℃」とは「250℃以上800℃以下」を意味する。他の数値範囲についても同様である。
【0041】
上述の条件下でウエハ200に対してHCDSガスを供給することにより、ウエハ200の最表面上に、第1層として、Clを含むSi含有層が形成される。Clを含むSi含有層は、ウエハ200の最表面に、HCDSが物理吸着したり、HCDSの一部が分解した物質(以下、SiCl)が化学吸着したり、HCDSが熱分解したりすること等により形成される。Clを含むSi含有層は、HCDSやSiClの吸着層(物理吸着層や化学吸着層)であってもよく、Clを含むSi層であってもよい。本明細書では、Clを含むSi含有層を、単に、Si含有層とも称する。
【0042】
第1層が形成された後、バルブ243bを閉じ、処理室201内へのHCDSガスの供給を停止する。そして、処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留するガス等を処理室201内から排除する(パージステップ)。このとき、バルブ243d〜243fを開き、処理室201内へNガスを供給する。Nガスはパージガスとして作用する。
【0043】
原料としては、HCDSガスの他、モノクロロシラン(SiHCl、略称:MCS)ガス、ジクロロシラン(SiHCl、略称:DCS)ガス、トリクロロシラン(SiHCl、略称:TCS)ガス、テトラクロロシラン(SiCl、略称:STC)ガス、オクタクロロトリシラン(SiCl、略称:OCTS)ガス等のクロロシラン系ガスを用いることができる。これらのガスは、HCDSガスと同様、上述の処理条件下においてそれ単独で膜を堆積させることができるガスである。
【0044】
不活性ガスとしては、Nガスの他、Arガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスを用いることができる。この点は、後述するステップ2およびクリーニング処理においても同様である。
【0045】
[ステップ2]
ステップ1が終了した後、処理室201内のウエハ200、すなわち、ウエハ200上に形成された第1層に対してNHガスを供給する(NHガス供給ステップ)。具体的には、バルブ243aを開き、ガス供給管232a内へNHガスを流す。NHガスは、MFC241aにより流量調整され、ノズル249aを介して処理室201内へ供給され、排気口231aより排気される。このとき、ウエハ200に対してNHガスが供給される。このとき、バルブ243d〜243fのうち少なくともいずれかを開き、ノズル249a〜249cのうち少なくともいずれかを介して処理室201内へNガスを供給するようにしてもよい。
【0046】
本ステップにおける処理条件としては、
NHガス供給流量:0.1〜10slm
ガス供給流量(ガス供給管毎):0〜2slm
NHガス供給時間:1〜120秒、好ましくは1〜60秒
処理圧力:1〜4000Pa、好ましくは1〜3000Pa
が例示される。他の処理条件は、ステップ1における処理条件と同様な処理条件とする。
【0047】
上述の条件下でウエハ200に対してNHガスを供給することにより、ウエハ200上に形成された第1層の少なくとも一部が窒化(改質)される。第1層が改質されることで、ウエハ200上に、SiおよびNを含む第2層、すなわち、SiN層が形成される。第2層を形成する際、第1層に含まれていたCl等の不純物は、NHガスによる第1層の改質反応の過程において、少なくともClを含むガス状物質を構成し、処理室201内から排出される。これにより、第2層は、第1層に比べてCl等の不純物が少ない層となる。
【0048】
第2層が形成された後、バルブ243aを閉じ、処理室201内へのNHガスの供給を停止する。そして、ステップ1のパージステップと同様の処理手順により、処理室201内に残留するガス等を処理室201内から排除する(パージステップ)。
【0049】
反応体としては、NHガスの他、例えば、ジアゼン(N)ガス、ヒドラジン(N)ガス、Nガス等の窒化水素系ガスを用いることができる。
【0050】
[所定回数実施]
上述したステップ1,2を非同時に、すなわち、同期させることなく行うサイクルを所定回数(n回、nは1以上の整数)行うことにより、ウエハ200上に、所定組成および所定膜厚のSiN膜を形成することができる。上述のサイクルは、複数回繰り返すのが好ましい。すなわち、上述のサイクルを1回行う際に形成される第2層の厚さを所望の膜厚よりも薄くし、第2層を積層することで形成されるSiN膜の膜厚が所望の膜厚になるまで、上述のサイクルを複数回繰り返すのが好ましい。
【0051】
(アフターパージおよび大気圧復帰)
成膜ステップが終了した後、ノズル249a〜249cのそれぞれからパージガスとしてのNガスを処理室201内へ供給し、排気口231aから排気する。これにより、処理室201内がパージされ、処理室201内に残留するガスや反応副生成物が処理室201内から除去される(アフターパージ)。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され(不活性ガス置換)、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。
【0052】
(ボートアンロードおよびウエハディスチャージ)
ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降され、マニホールド209の下端が開口される。そして、処理済のウエハ200が、ボート217に支持された状態でマニホールド209の下端から反応管203の外部に搬出(ボートアンロード)される。ボートアンロードの後は、シャッタ219sが移動させられ、マニホールド209の下端開口がOリング220cを介してシャッタ219sによりシールされる(シャッタクローズ)。処理済のウエハ200は、反応管203の外部に搬出された後、ボート217より取り出される(ウエハディスチャージ)。
【0053】
(3)クリーニング処理
上述の基板処理を行うと、処理容器の内部、例えば、反応管203の内壁、ノズル249a〜249cの表面、ボート217の表面等に、SiN膜等の薄膜を含む堆積物が累積する。すなわち、この薄膜を含む堆積物が、成膜温度に加熱された処理室201内の部材の表面等に付着して累積する。
【0054】
また、成膜温度に加熱されたノズル249a〜249cの内部にも、SiN膜等の薄膜を含む堆積物が付着して累積する場合がある。というのも、上述のステップ1において、HCDSガスの供給を不実施とするノズル249a,249cのそれぞれからNガスを供給しても、ノズル249a,249cの内部に所定量のHCDSガスが侵入する場合がある。また、上述のステップ2において、NHガスの供給を不実施とするノズル249b,249cのそれぞれからNガスを供給しても、ノズル249b,249cの内部に所定量のNHガスが侵入する場合がある。このような場合、ノズル249a〜249cの内部において、上述の成膜反応に相当する反応が進行し、SiN膜等の薄膜を含む堆積物が累積する場合がある。特に、それ単独で固体となる元素であるSiを含むHCDSガスを供給するノズル249bの内部には、ノズル249a,249cの内部に比べ、堆積物が累積しやすく、また、Siリッチな堆積物が累積する傾向がある。
【0055】
本実施形態では、処理容器内に累積した堆積物の量、すなわち、累積膜厚が、堆積物に剥離や落下が生じる前の所定の量(厚さ)に達したところで、処理容器内をクリーニングする。本明細書では、処理容器に対して行うこの処理を、クリーニング処理と称する。
【0056】
クリーニング処理では、
上述の基板処理を行った後の処理容器内へ、少なくとも3つの供給部としてのノズル249a〜249cのうちいずれか2つのノズルより、クリーニングガスと、添加ガスとを、それぞれ別々に供給するステップaと、
上述の処理容器内へ、ノズル249a〜249cのうちいずれか2つのノズルより、クリーニングガスを供給するノズルおよび添加ガスを供給するノズルのうち少なくともいずれかを、ステップaにおけるそれ、もしくは、それらと異ならせて、クリーニングガスと、添加ガスとを、それぞれ別々に供給するステップbと、
を含むサイクルを所定回数行う。
【0057】
以下、クリーニングガスとしてFガスを、添加ガスとしてNOガスを用いるクリーニング処理の一例を、主に図4を用いて説明する。図4では、ステップa,bの実施期間をそれぞれa,bと表している。また、ステップa,bの実施期間中に行う後述するステップc1,d1,e1,c2,d2,e2の実施期間を、それぞれ、c1,d1,e1,c2,d2,e2と表している。また、ノズル249a〜249cを、便宜上、R1〜R3と表している。これらの点は、後述する各変形例のガス供給シーケンスを示す図5〜図7においても同様である。
【0058】
図4に示すように、本実施形態のクリーニング処理では、ステップbにおいてFガスを供給するノズルを、ステップaにおけるそれと異ならせる。また、ステップbにおいてNOガスを供給するノズルを、ステップaにおけるそれと異ならせる。すなわち、ステップbにおいてFガスを供給するノズルおよびNOガスを供給するノズルの両方を、ステップaにおけるそれらと異ならせる。
【0059】
具体的には、ステップaにおいて、ノズル249aよりFガスを、ノズル249cよりNOガスを、処理容器内へそれぞれ別々に供給する。この際、上述の成膜ステップにおいてHCDSガスの供給に用いたノズル249bからのFガス、NOガスの供給をそれぞれ不実施とする。また、ステップbにおいて、ノズル249cよりFガスを、ノズル249aよりNOガスを、処理容器内へそれぞれ別々に供給する。この際、上述の成膜ステップにおいてHCDSガスの供給に用いたノズル249bからのFガス、NOガスの供給をそれぞれ不実施とする。
【0060】
以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。
【0061】
(ボートロード)
シャッタ開閉機構115sによりシャッタ219sが移動させられて、マニホールド209の下端開口が開放される(シャッタオープン)。その後、空のボート217、すなわち、ウエハ200を装填していないボート217が、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内に搬入される。この状態で、シールキャップ219は、Oリング220bを介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。
【0062】
(圧力調整および温度調整)
処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ246によって真空排気される。また、処理室201内が所望の温度となるように、ヒータ206によって加熱される。このとき、処理室201内の部材、すなわち、反応管203の内壁、ノズル249a〜249cの表面や内部(内壁)、ボート217の表面等も、所望の温度に加熱される。処理室201内の温度が所望の温度に到達したら、後述するクリーニングステップが完了するまでの間は、その温度が維持されるように制御する。続いて、回転機構254によるボート217の回転を開始する。ボート217の回転は、後述するクリーニングステップが完了するまでの間は、継続して行われる。ボート217は回転させなくてもよい。
【0063】
(クリーニングステップ)
その後、次のステップa,bを順に実行する。
【0064】
[ステップa]
まず、ステップaを開始する。本ステップでは、まず、処理容器内の排気を停止した状態、すなわち、排気系を閉塞した状態で、処理容器内へFガスとNOガスとを別々に供給する(ステップc1)。具体的には、APCバルブ244を全閉(フルクローズ)とし、排気系による処理室201内の排気を停止する。また、バルブ243a,243cを開き、ガス供給管232a内へFガスを、ガス供給管232c内へNOガスを、それぞれ流す。Fガス、NOガスは、それぞれ、MFC241a,241cにより流量調整され、ノズル249a,249cを介して処理室201内へ供給される。このとき同時にバルブ243eを開き、ガス供給管232e内へNガスを流す。Nガスは、MFC241eにより流量調整され、ノズル249bを介して処理室201内へ供給される。
【0065】
ステップc1における処理条件としては、
ガス供給流量:0.5〜10slm
NOガス供給流量:0.5〜5slm
NOガス/Fガス流量比:0.5〜2
ガス供給流量:0.01〜0.5slm、好ましくは0.01〜0.1slm
各ガス供給時間:1〜100秒、好ましくは5〜60秒
処理温度:400℃未満、好ましくは200〜350℃
が例示される。
【0066】
排気系を閉塞した状態で、処理室201内へFガス、NOガス等を供給することで、処理室201内の圧力が上昇し始める。ガスの供給を継続することで最終的に到達する処理室201内の圧力(到達圧力)は、例えば、1330〜53320Pa、好ましくは9000〜15000Paの範囲内の圧力とする。
【0067】
処理室201内の圧力が所定の圧力まで上昇したら、処理容器内の排気を停止した状態で、処理容器内へのFガスとNOガスとの供給を停止して、処理容器内へFガスとNOガスとを封じ込めた状態を維持する(ステップd1)。具体的には、APCバルブ244を全閉とした状態で、バルブ243a,243cを閉じ、処理室201内へのFガス、NOガスの供給をそれぞれ停止し、この状態を所定時間維持する。このとき同時にバルブ243d〜243fを開き、ガス供給管232d〜232f内へNガスを供給する。Nガスは、MFC241d〜241fにより流量調整され、ノズル249a〜249cを介して処理室201内へ供給される。ノズル249a〜249cより供給するNガスの流量は、例えば、同一流量とする。
【0068】
ステップd1における処理条件としては、
ガス供給流量(各ガス供給管):0.01〜0.5slm、好ましくは0.01〜0.1slm
封じ込め時間:10〜200秒、好ましくは50〜120秒
が例示される。他の処理条件は、処理室201内へのNガスの供給により、処理室201内の圧力が僅かに上昇し続けることを除き、ステップc1における処理条件と同様な処理条件とする。
【0069】
ステップc1,d1を行うことで、FガスおよびNOガスを処理室201内で混合させて反応させることが可能となる。この反応により、処理室201内で、例えば、フッ化ニトロシル(FNO)等の活性種を生成することが可能となる。その結果、処理室201内には、FガスにFNO等が添加されてなる混合ガスが存在することとなる。そして、FガスにFNO等が添加されてなる混合ガスは、処理室201内の部材、例えば、反応管203の内壁、ノズル249a〜249cの表面、ボート217の表面等に接触する。このとき、熱化学反応(エッチング反応)により、処理室201内の部材に付着していた堆積物を除去することが可能となる。FNOは、Fガスによるエッチング反応を促進させ、堆積物のエッチングレートを増大させるように、すなわち、エッチングをアシストするように作用する。この点は、後述するノズル249a〜249c内で進行する各エッチング反応や、後述するステップbで進行する各エッチング反応においても同様である。
【0070】
なお、ステップc1の実施期間中は、ガス噴出口250aから噴出するFガスの流れ、および、ガス噴出口250cから噴出するNOガスの流れがそれぞれ形成される。ステップc1の実施期間中、ノズル249aの近傍の部材、すなわち、Fガスの主流があたる部材(Fガスの主流にさらされる部材)では、他の部材、すなわち、Fガスの主流があたらない部材(Fガスの主流にさらされない部材)に比べ、堆積物の除去が高いレートで進行する。
【0071】
これに対し、ステップd1の実施期間中は、ステップc1において処理室201内に形成されていたFガス、NOガスの流れがそれぞれ消滅し、Fガス、NOガスは処理室201内に均等に拡散する。そのため、ステップd1の実施期間中、堆積物の除去は、処理室201内の全域にわたり略均一なレートで進行する。
【0072】
また、ステップc1,d1においては、処理室201内へ供給され、封じ込められたFガスおよびNOガスを、ノズル249a〜249cのうち、少なくともいずれかのノズルの内部へと拡散(逆拡散)させることが可能となる。
【0073】
例えば、ステップc1において、ノズル249bからのFガスとNOガスとの供給を不実施としつつ、ノズル249bから供給するNガスの流量を、ノズル249aから供給するFガスの流量、および、ノズル249cから供給するNOガスの流量のそれぞれよりも、小さな流量とする。これにより、ステップc1では、FガスとNOガスとの供給を不実施とするノズル249bのガス噴出口250bから、ノズル249b内へ、処理室201内へ供給されたFガスとNOガスとをそれぞれ侵入させることが可能となる。ノズル249b内では、FガスとNOガスとが混合して反応することにより、FNO等の活性種が生成される。処理室201内で生成されたFNO等の活性種がノズル249b内へ侵入する場合もある。その結果、ノズル249b内には、FガスにFNO等が添加されてなる混合ガスが存在することとなる。そして、FガスにFNO等が添加されてなる混合ガスによるエッチング反応により、ノズル249bの内壁に付着していた堆積物が除去される。なお、ステップc1では、ノズル249aからFガスを、ノズル249cからNOガスを、それぞれ比較的大きな上述の流量で供給する。そのため、ステップc1の実施期間中は、ノズル249a内へのNOガス等の侵入や、ノズル249c内へのFガス等の侵入は生じにくい。ステップc1の実施期間中は、ノズル249a,249cの内部においてFNO等の活性種が発生し難く、FNOによる上述のエッチングアシストの作用が得られ難くなる。これらのことから、ステップc1の実施期間中は、ノズル249bの内部でのみ集中的に堆積物を除去しつつ、ノズル249a,249cの内部では堆積物の除去を殆ど或いは全く行わないようにすることが可能となる。
【0074】
なお、ノズル249bから供給するNガスの流量を調整することにより、ノズル249b内へのFガスおよびNOガスの侵入度合や濃度等を調整し、ノズル249b内のクリーニング範囲を調整することができる。例えば、ノズル249bから供給するNガスの流量を0.01〜0.1slmとすることで、ノズル249b内の全体を充分にクリーニングすることが可能となる。また例えば、ノズル249bから供給するNガスの流量を0.2〜0.5slmとすることで、ノズル249b内の先端部のみをクリーニングすることが可能となる。なお、ノズル249bから供給するNガスの流量を0.5slmを超える流量、例えば1.0slmとすることで、ノズル249b内のクリーニングを行わないようにすることもできる。このようにノズル249b内のクリーニング範囲を調整可能なことは、後述するステップc2においても同様である。
【0075】
また例えば、ステップd1では、ノズル249a〜249cのそれぞれのガス噴出口250a〜250cから、ノズル249a〜249c内へ、処理室201内へ封じ込められたFガスとNOガスとを侵入させることが可能となる。ノズル249a〜249c内では、それぞれ、FガスとNOガスとが混合して反応することにより、FNO等の活性種が生成される。処理室201内で生成されたFNO等の活性種がノズル249a〜249c内へ侵入する場合もある。その結果、ノズル249a〜249c内には、FガスにFNO等が添加されてなる混合ガスが存在することとなる。そして、FガスにFNO等が添加されてなる混合ガスによるエッチング反応により、ノズル249a〜249cの内壁に付着していた堆積物がそれぞれ除去される。ステップd1においてノズル249a〜249cのそれぞれからNガスを同一流量で供給する場合、ノズル249a〜249c内へ侵入するFガス等の量は、ノズル間で互いに略同等な量となる。このことから、ステップd1では、ノズル249a〜249c内のそれぞれで、堆積物の除去を略均一なレートで進行させることが可能となる。
【0076】
なお、ノズル249a〜249cのそれぞれから供給するNガスの流量を調整することにより、ノズル249a〜249c内へのFガスおよびNOガスの侵入度合や濃度等を調整し、ノズル249a〜249c内のクリーニング範囲を調整することができる。例えば、ノズル249a〜249cのそれぞれから供給するNガスの流量を0.01〜0.1slmとすることで、ノズル249a〜249c内の全体を充分にクリーニングすることが可能となる。また例えば、ノズル249a〜249cのそれぞれから供給するNガスの流量を0.2〜0.5slmとすることで、ノズル249a〜249c内の先端部のみをクリーニングすることが可能となる。なお、ノズル249a〜249cのそれぞれから供給するNガスの流量を0.5slmを超える流量、例えば1.0slmとすることで、ノズル249a〜249c内のクリーニングを行わないようにすることもできる。このようにノズル249a〜249c内のクリーニング範囲を調整可能なことは、後述するステップd2においても同様である。
【0077】
所定の封じ込め時間が経過した後、APCバルブ244を開き、処理室201内を排気する(ステップe1)。このとき、バルブ243d〜243fを開き、処理室201内へNガスを供給する。Nガスはパージガスとして作用する。
【0078】
[ステップb]
続いて、ステップbを開始する。本ステップでは、ステップc1と同様の処理手順により、まず、処理容器内の排気を停止した状態で、処理容器内へFガスとNOガスとを別々に供給する(ステップc2)。本ステップでは、Fガスを供給するノズルおよびNOガスを供給するノズルの両方を、ステップaにおけるそれらと異ならせる。具体的には、APCバルブ244を全閉とした状態で、バルブ243c,243aを開き、ガス供給管232c内へFガスを、ガス供給管232a内へNOガスを、それぞれ流す。Fガス、NOガスは、それぞれ、MFC241c,241aにより流量調整され、ノズル249c,249aを介して処理室201内へ供給される。このとき同時にバルブ243eを開き、ノズル249bを介して処理室201内へNガスを供給する。
【0079】
処理室201内の圧力が所定の圧力まで上昇したら、ステップd1と同様の処理手順により、処理容器内の排気を停止した状態で、処理容器内へのFガスとNOガスとの供給を停止して、処理容器内へFガスとNOガスとを封じ込めた状態を維持する(ステップd2)。
【0080】
ステップc2,d2におけるそれぞれの処理条件は、FガスとNOガスの供給箇所以外は、ステップc1,d1におけるそれぞれの処理条件と同様とする。
【0081】
ステップc2,d2を行うことで、FガスおよびNOガスを、処理室201内で混合させて反応させることができる。この反応により、処理室201内でFNO等の活性種が生成される。その結果、処理室201内には、FガスにFNO等が添加されてなる混合ガスが存在することとなる。そして、FガスにFNO等が添加されてなる混合ガスによるエッチング反応により、処理室201内の部材に付着していた堆積物を除去することができる。
【0082】
なお、ステップc2の実施期間中は、ガス噴出口250cから噴出するFガスの流れ、および、ガス噴出口250aから噴出するNOガスの流れがそれぞれ形成される。ステップc2の実施期間中、ノズル249cの近傍の部材、すなわち、Fガスの主流があたる部材では、他の部材、すなわち、Fガスの主流があたらない部材に比べ、堆積物の除去が高いレートで進行する傾向がある。
【0083】
これに対し、ステップd2の実施期間中は、ステップc2において処理室201内に形成されていたFガス、NOガスの流れがそれぞれ消滅し、Fガス、NOガスは処理室201内に均等に拡散する。そのため、ステップd2の実施期間中、堆積物の除去は、処理室201内の全域にわたり略均一なレートで進行する。
【0084】
また、ステップc2,d2においては、処理室201内へ供給され、封じ込められたFガスおよびNOガスを、ノズル249a〜249cのうち、少なくともいずれかのノズルの内部へと拡散(逆拡散)させることができる。
【0085】
例えば、ステップc2において、ノズル249bからのFガスとNOガスとの供給を不実施としつつ、ノズル249bから供給するNガスの流量を、ノズル249cから供給するFガスの流量、および、ノズル249aから供給するNOガスの流量のそれぞれよりも、小さな流量とする。これにより、ステップc2では、FガスとNOガスとの供給を不実施とするノズル249bのガス噴出口250bから、ノズル249b内へ、処理室201内へ供給されたFガスとNOガスとをそれぞれ侵入させたり、処理室201内で生成されたFNO等の活性種を侵入させたりすることが可能となる。その結果、ノズル249b内には、FガスにFNO等が添加されてなる混合ガスが存在することとなり、ステップc1と同様に、FガスにFNO等が添加されてなる混合ガスによるエッチング反応により、ノズル249bの内壁に付着していた堆積物が除去される。なお、ステップc2の実施期間中は、ノズル249a内へのFガス等の侵入や、ノズル249c内へのNOガス等の侵入は生じにくい。ステップc2においても、ステップc1と同様に、ノズル249bの内部でのみ集中的に堆積物を除去しつつ、ノズル249a,249cの内部では堆積物の除去を殆ど或いは全く行わないようにすることが可能となる。
【0086】
また例えば、ステップd2では、ノズル249a〜249cのそれぞれのガス噴出口250a〜250cから、ノズル249a〜249c内へ、処理室201内へ封じ込められたFガスとNOガスとを侵入させたり、処理室201内で生成されたFNO等の活性種を侵入させたりすることが可能となる。その結果、ノズル249a〜249c内には、FガスにFNO等が添加されてなる混合ガスが存在することとなり、ステップd1と同様に、FガスにFNO等が添加されてなる混合ガスによるエッチング反応により、ノズル249a〜249cの内壁に付着していた堆積物がそれぞれ除去される。ステップd2においてノズル249a〜249cのそれぞれからNガスを同一流量で供給する場合、ノズル249a〜249c内へ侵入するFガス等の量は、ノズル間で互いに略同等な量となる。このことから、ステップd2では、ノズル249a〜249c内のそれぞれで、堆積物の除去を略均一なレートで進行させることが可能となる。
【0087】
所定の封じ込め時間が経過した後、APCバルブ244を開き、処理室201内を排気する(ステップe2)。このとき、バルブ243d〜243fを開き、処理室201内へNガスを供給する。Nガスはパージガスとして作用する。
【0088】
[所定回数実施]
上述したステップa,bを含むサイクルを所定回数(1回以上)行うことにより、処理室201内の部材の表面に付着した堆積物、および、ノズル249a〜249cの内部に付着した堆積物を、それぞれ除去することができる。
【0089】
クリーニングガスとしては、Fガスの他、フッ化水素(HF)ガス、フッ化塩素(ClF)ガス、フッ化窒素(NF)ガス、或いは、これらの混合ガスを用いることができる。
【0090】
添加ガスとしては、NOガスの他、水素(H)ガス、酸素(O)ガス、亜酸化窒素(NO)ガス、イソプロピルアルコール((CHCHOH、略称:IPA)ガス、メタノール(CHOH)ガス、水蒸気(HOガス)、或いは、これらの混合ガスを用いることができる。
【0091】
なお、クリーニングガスとしてHFガスを、添加ガスとしてIPAガス、メタノールガス、およびHOガスのうち少なくともいずれかを用いる場合には、クリーニング処理における上述の処理温度を、例えば30〜300℃の範囲内の所定の温度とすることができる。
【0092】
(アフターパージおよび大気圧復帰)
処理容器内のクリーニングが完了したら、上述の基板処理工程におけるアフターパージと同様の処理手順により、処理室201内をパージする(アフターパージ)。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され(不活性ガス置換)、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。
【0093】
(ボートアンロード)
ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降され、マニホールド209の下端が開口される。そして、空のボート217が、マニホールド209の下端から反応管203の外部へ搬出される(ボートアンロード)。これら一連の工程が終了すると、上述の基板処理工程が再開される。
【0094】
(3)本実施形態による効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果が得られる。
【0095】
(a)ステップa,bを含むサイクルを所定回数行うことで、処理容器内のクリーニング処理の均一性を向上させることが可能となる。
【0096】
というのも、ステップaのうちステップc1においては、ノズル249aよりFガスを供給し、ノズル249cよりNOガスを供給する。ステップaのうちステップc1の実施期間中、ノズル249aの近傍の部材、すなわち、Fガスの主流があたる部材では、他の部材、すなわち、Fガスの主流があたらない部材に比べ、堆積物の除去が高いレートで進行する。また、ステップbのうちステップc2の実施期間中、ノズル249cの近傍の部材、すなわち、Fガスの主流があたる部材では、他の部材、すなわち、Fガスの主流があたらない部材に比べ、堆積物の除去が高いレートで進行する。
【0097】
本実施形態のように、ステップc1を含むステップaと、ステップc2を含むステップbと、を交互に所定回数実施することにより、処理容器内をバランスよくクリーニングすることが可能となる。すなわち、堆積物のエッチンレートが比較的大きくなる領域を交互に切り替えながらクリーニング処理を行うことが可能となり、これにより、処理容器内の全域にわたり、略均一にクリーニング処理を行うことが可能となる。また、Fガスの主流があたる部材を交互に切り替えながらクリーニング処理を行うことが可能となり、これにより、処理容器内に設けられた石英部材の局所的なエッチングダメージ等を低減させることも可能となる。なお、発明者等の鋭意研究によれば、Fガスの流量とNOガスの流量との比率が2:1(=F:NO)となる箇所において、堆積物のエッチングレートが最大となり、石英部材のエッチングダメージが進行しやすいことが分かっている。
【0098】
(b)ステップc1,c2を行った後、処理容器内へFガスとNOガスとを封じ込めた状態を維持するステップd1,d2をそれぞれ行うことで、処理容器内のクリーニング処理の均一性をさらに向上させることが可能となる。これは、ステップc1,c2を行った後、処理容器内へFガスとNOガスとを封じ込めた状態を維持することで、FガスおよびNOガスを処理室201内の全体に拡散させ、処理室201内の全域にわたって広く行き渡らせることが可能となるためである。
【0099】
なお、ステップc1,c2の実施期間中は、処理容器内において、ガス噴出口250a,250cから噴出するFガス等の流れが形成される。そのため、処理容器内には、Fガス等が供給されやすい箇所だけでなく、Fガス等が供給されにくい箇所が発生することとなる。本実施形態のようにステップd1,d2を実行することにより、処理容器内にFガス等を均等に拡散させ、ステップc1,c2の実施期間中においてFガス等が供給されにくかった箇所へFガス等を供給することが可能となる。すなわち、Fガス等が供給されにくい箇所を減少或いは消滅させることが可能となる。これにより、処理容器内のクリーニング処理の均一性をさらに向上させることが可能となる。
【0100】
(c)排気系を閉塞した状態でステップc1,c2,d1,d2をそれぞれ行うことで、FガスとNOガスとの反応時間を長く確保することができ、FNO等の活性種の生成効率を高めることが可能となる。また、FガスにFNO等が添加されてなる混合ガスと堆積物との反応時間を長く確保することも可能となる。これらの結果、クリーニング処理の効率を向上させることが可能となる。
【0101】
(d)排気系を閉塞した状態でステップc1,c2,d1,d2をそれぞれ行うことで、クリーニング処理に寄与することなく排気口231aより排気されてしまうFガスおよびNOガスの量をそれぞれ減少させ、ガスコストを低減することが可能となる。本実施形態においては、排気系を閉塞することなく処理室201内へFガスとNOガスとを供給する場合に比べ、クリーニング処理を完了させるのに必要となるFガスおよびNOガスの使用量を、それぞれ、例えば1/3以下にまで減らすことが可能となる。
【0102】
(e)排気系を閉塞した状態でステップc1,c2,d1,d2をそれぞれ行うことで、クリーニング処理を実施することにより、排気管231内で生じる発熱反応を抑え、排気管231の温度上昇を抑制することが可能となる。
【0103】
というのも、上述の基板処理を行うと、処理室201内や排気管231内を流通するHCDSガスに含まれるClと、処理室201内や排気管231内を流通するNHガス等に含まれるNやHとが、特に低温部において反応し、低温部である排気管231の内壁に、塩化アンモニウム(NHCl)等を含む反応副生成物が付着する場合がある。排気管231が、内壁に凹凸構造を有するベローズ管として構成されている場合、反応副生成物の付着量が増加しやすくなる。排気管231の内壁に反応副生成物が付着した状態で、排気系を閉塞することなく処理室201内へFガスとNOガスとを供給すると、排気管231内へ流れ込んだFガス等と、上述の反応副生成物とが、反応する場合がある。この反応で発生する反応熱によって、排気管231の温度が上昇する場合がある。排気管231の内壁に反応副生成物が多量に付着した状態でFガス等を排気管231内へ流すと、排気管231の温度が過剰に上昇し、排気管231の内壁が高温下でFガス等にさらされ、排気管231が腐食してしまう場合がある。
【0104】
本実施形態のように、排気系を閉塞した状態でステップc1,c2,d1,d2をそれぞれ行うことで、ステップc1,c2,d1,d2のそれぞれにおいて、排気管231内へのFガス等の流れ込みを防止でき、Fガス等と、上述の反応副生成物と、の反応を抑えることができる。これにより、上述の反応熱の発生を抑制し、排気管231の温度上昇を防止することが可能となる。
【0105】
ここで、本実施形態のように、ステップc1,c2,d1,d2を行った後、ステップe1,e2を行う場合、処理室201内に封じ込められていたFガス等が排気管231内へ一気に流れ込み、反応副生成物と反応して反応熱を生じさせる事態も考えられる。しかしながら、ステップc1,c2,d1,d2において処理室201内に封じ込められていたFガス等は、処理室201内の堆積物と反応することで、その大部分が消費され、失活状態となる。また、上述したように、本実施形態のように排気系を閉塞した状態でステップc1,c2,d1,d2をそれぞれ行う場合、排気系を閉塞することなく処理室201内へFガス等を供給する場合に比べ、Fガス等の使用量を大幅に低減でき、排気管231内を流れるFガス等の絶対量を少なくすることが可能となる。これらのことから、ステップc1,c2,d1,d2を実施した後、ステップe1,e2を行っても、排気管231の内部ではFガス等と反応副生成物との反応は過剰には進行せず、排気管231の温度上昇は非常に緩やかとなる。
【0106】
このように、本実施形態によれば、排気管231の温度上昇を抑制したり、排気管231を降温させたりすることが可能となる。その結果、排気管231内が高温下でFガス等にさらされることを抑制でき、排気管231の腐食を抑制することが可能となる。
【0107】
(f)クリーニング処理では、ステップa,bのそれぞれにおいて、処理室201内へ供給されたFガスおよびNOガスを、ノズル249a〜249cの内部へと拡散させることが可能となる。これにより、ノズル249a〜249cの内壁に付着していた堆積物を除去することが可能となる。
【0108】
例えば、ステップc1,c2では、FガスとNOガスとの供給を不実施とするノズル249bのガス噴出口250bから、ノズル249b内へ、処理室201内へ供給されたFガスとNOガスとを侵入させることが可能となる。上述したように、ノズル249bの内部には、ノズル249a,249cの内部に比べ、堆積物が累積しやすい傾向がある。ステップc1,c2を行うことにより、堆積物が累積しやすいノズル249bの内部のクリーニングを、集中的に行うことが可能となる。なお、ステップc1の実施期間中は、ノズル249a内へのNOガス等の侵入や、ノズル249c内へのFガス等の侵入は生じにくく、また、ステップc2の実施期間中は、ノズル249a内へのFガス等の侵入や、ノズル249c内へのNOガス等の侵入は生じにくい。これらのことから、ステップc1,c2においては、ノズル249b内に比べ、ノズル249a,249c内におけるクリーニング処理は進行しにくくなる。
【0109】
また例えば、ステップd1,d2では、ノズル249a〜249cのそれぞれのガス噴出口250a〜250cから、ノズル249a〜249c内へ、処理室201内へ封じ込められたFガスとNOガスとを侵入させることが可能となる。本実施形態のようにステップd1,d2においてノズル249a〜249cのそれぞれからNガスを同一流量で供給する場合、ノズル249a〜249c内へ侵入するFガス等の量を、ノズル間で互いに略同等な量とすることができる。結果として、ノズル249a〜249c内のそれぞれにおいて、クリーニング処理を略均一な度合で進行させることが可能となる。
【0110】
このように、本実施形態のクリーニング処理では、ノズル249a〜249cの内壁に付着していた堆積物を除去することが可能となる。また、ノズル249b内を集中的にクリーニングするステップc1,c2と、ノズル249a〜249c内を略均一な度合でクリーニングするステップd1,d2と、を組み合わせて行うことにより、ノズル249a〜249cの内部に付着している堆積物の量に応じて、エッチング処理の度合を個別に調整することが可能となる。これにより、ノズル249a〜249cの内壁のオーバーエッチングを抑制しつつ、ノズル249a〜249cのそれぞれの内部を確実にクリーニングすることが可能となる。
【0111】
(g)本実施形態によれば、処理室201内のクリーニング処理と、ノズル249a〜249c内のクリーニング処理とを、同一の温度条件下で同時に進行させることが可能となる。すなわち、処理室201内のクリーニング処理と、ノズル249a〜249c内のクリーニング処理とを、異なる温度条件下で別々に行う場合のように、それぞれのクリーニング処理時間を設ける必要がないし、また、それらの間で、処理温度を変更させるための待機時間を設ける必要がない。したがって、本実施形態によれば、処理室201内のクリーニング処理と、ノズル249a〜249c内のクリーニング処理と、の温度条件を異ならせる場合と比較して、クリーニング処理の所要時間を大幅に短縮させることが可能となる。
【0112】
(h)本実施形態によれば、ステップc1,c2においてはノズル249bからNガスを供給し、ステップd1,d2においてはノズル249a〜249cからNガスを供給することで、ノズル249a〜249c内へのFガス、NOガスの過剰な逆拡散を抑制することが可能となる。これにより、集積型供給システム248を保護することが可能となり、その故障を回避することが可能となる。
【0113】
(i)上述の効果は、クリーニング処理において、Fガス以外のクリーニングガスを用いる場合や、NOガス以外の添加ガスを用いる場合や、Nガス以外の不活性ガスを用いる場合にも、同様に得ることができる。また、上述の効果は、基板処理において、HCDSガス以外の原料を用いる場合や、NHガス以外の反応体を用いる場合や、Nガス以外の不活性ガスを用いる場合にも、同様に得ることができる。
【0114】
(4)変形例
本実施形態におけるクリーニング処理は、図4に示す態様に限定されず、以下に示す変形例のように変更することができる。これらの変形例は、任意に組み合わせることができる。特に説明がない限り、各変形例の各ステップにおける処理手順、処理条件は、図4に示すクリーニング処理の各ステップにおける処理手順、処理条件と同様とすることができる。
【0115】
(変形例1)
図5に示すように、ステップa,bでは、処理容器内を排気した状態、すなわち、排気系を開放した状態で、処理容器内へFガスとNOガスとを供給するステップf1,f2と、処理容器内を排気(パージ)するステップe1,e2と、を行うようにしてもよい。図5では、ステップf1,f2の実施期間を、それぞれ、f1,f2と表している。ステップf1,f2における処理手順、処理条件は、APCバルブ244を全閉とすることなく開いた状態とする点、および、それに伴い変化する条件を除き、ステップc1,c2における処理手順、処理条件と同様とすることができる。
【0116】
なお、ステップaにおいてステップf1,e1を実施し、ステップbにおいて上述のステップc2,d2,e2を実施するようにしてもよい。また、ステップaにおいて上述のステップc1,d1,e1を実施し、ステップbにおいてステップf2,e2を実施するようにしてもよい。また、図5に示すようにステップaにおいてステップf1,e1を実施し、ステップbにおいてステップf2,e2を実施するようにしてもよい。すなわち、処理容器内へのFガスとNOガスとの封じ込めは、ステップa,bのうちいずれか一方において不実施としてもよく、図5に示すようにステップa,bの両方において不実施としてもよい。
【0117】
本変形例においても、図4に示すクリーニング処理と略同様の効果が得られる。ただし、図4に示すクリーニング処理の方が、本変形例のクリーニング処理よりも、処理容器内にFガス等をより均一に拡散させることができ、クリーニング処理の均一性をより向上させることが可能となる点で好ましい。また、図4に示すクリーニング処理の方が、本変形例のクリーニング処理よりも、ガスコストを低減させることが可能となる点で好ましい。また、図4に示すクリーニング処理の方が、本変形例のクリーニング処理よりも、排気管231の温度上昇を抑制することが可能となる点で好ましい。
【0118】
(変形例2)
図6に示すように、ステップa,bでは、処理室201内へのFガスの供給をノズル249a,249cよりこれらを交互に切り換えながら行い、処理室201内へのNOガスの供給をノズル249bより他のノズルへ切り換えることなく行うようにしてもよい。
【0119】
具体的には、ステップaのステップc1において、ノズル249aよりFガスを、ノズル249bよりNOガスを、図4に示すクリーニング処理のステップc1におけるFガス、NOガスの流量と同様の流量で処理容器内へそれぞれ供給する。このときノズル249cよりNガスを、例えば0.01〜0.5slm、好ましくは0.01〜0.1slmの流量で供給する。また、ステップbのステップc2において、ノズル249cよりFガスを、ノズル249bよりNOガスを、図4に示すクリーニング処理のステップc1におけるFガス、NOガスの流量と同様の流量で処理容器内へそれぞれ供給する。このときノズル249aよりNガスを、例えば0.01〜0.5slm、好ましくは0.01〜0.1slmの流量で供給する。このように、ステップbにおいてFガスを供給するノズルおよびNOガスを供給するノズルの一方のみ(ここではFガスを供給するノズルのみ)を、ステップaにおけるそれと異ならせてもよい。
【0120】
本変形例においても、図4に示すクリーニング処理と略同様の効果が得られる。但し、図4に示すクリーニング処理の方が、本変形例に比べて、処理容器内のクリーニングの均一性を向上させることが可能となる点で好ましい。
【0121】
なお、本変形例においては、ステップc1とステップc2とで、FガスとNOガスとの供給を不実施とするノズルを変更して、FガスとNOガスとを侵入させるノズルを変更するようにしている。具体的には、ステップc1では、ノズル249c内へFガスとNOガスとを侵入させ、ステップc2では、ノズル249a内へFガスとNOガスとを侵入させるようにしている。本変形例においては、ステップc1を含むステップaと、ステップc2を含むステップbと、を交互に所定回数行うことにより、2本のノズル249c,249a内をまんべんなくクリーニングすることが可能となる。本変形例は、ノズル249a,249c内の方がノズル249b内よりも堆積物が堆積しやすくなるような処理手順で基板処理を行う場合、例えば、成膜ステップのステップ1においてノズル249a,249cよりHCDSガスを供給し、ステップ2においてノズル249bよりNHガスを供給することで、ウエハ200上にSiN膜を形成するような場合に、特に有効である。
【0122】
(変形例3)
図7に示すように、ステップa,bでは、処理室201内へのFガスの供給をノズル249bより他のノズルへ切り換えることなく行い、処理室201内へのNOガスの供給をノズル249a,249cよりこれらを交互に切り換えながら行うようにしてもよい。
【0123】
具体的には、ステップaのステップc1において、ノズル249bよりFガスを、ノズル249aよりNOガスを、図4に示すクリーニング処理のステップc1におけるFガス、NOガスの流量と同様の流量で処理容器内へそれぞれ供給する。このときノズル249cよりNガスを、例えば0.01〜0.5slm、好ましくは0.01〜0.1slmの流量で供給する。また、ステップbのステップc2において、ノズル249bよりFガスを、ノズル249cよりNOガスを、図4に示すクリーニング処理のステップc1におけるFガス、NOガスの流量と同様の流量で処理容器内へそれぞれ供給する。このときノズル249aよりNガスを、例えば0.01〜0.5slm、好ましくは0.01〜0.1slmの流量で供給する。このように、ステップbにおいてFガスを供給するノズルおよびNOガスを供給するノズルの一方のみ(ここではNOガスを供給するノズルのみ)を、ステップaにおけるそれと異ならせてもよい。
【0124】
本変形例においても、図4に示すクリーニング処理と略同様の効果が得られる。但し、図4に示すクリーニング処理や、上述の変形例2の方が、本変形例に比べて、処理容器内のクリーニングの均一性を向上させることが可能となる点で好ましい。
【0125】
なお、本変形例においては、変形例2と同様、ステップc1とステップc2とで、FガスとNOガスとの供給を不実施とするノズルを変更して、FガスとNOガスとを侵入させるノズルを変更するようにしている。具体的には、ステップc1では、ノズル249c内へFガスとNOガスとを侵入させ、ステップc2では、ノズル249a内へFガスとNOガスとを侵入させるようにしている。本変形例においては、ステップc1を含むステップaと、ステップc2を含むステップbと、を交互に所定回数行うことにより、2本のノズル249c,249a内をまんべんなくクリーニングすることが可能となる。本変形例は、ノズル249a,249c内の方がノズル249b内よりも堆積物が堆積しやすくなるような処理手順で基板処理を行う場合、例えば、成膜ステップのステップ1においてノズル249a,249cよりHCDSガスを供給し、ステップ2においてノズル249bよりNHガスを供給することで、ウエハ200上にSiN膜を形成するような場合に、特に有効である。
【0126】
(変形例4)
図4に示すクリーニング処理(クリーニング処理A)と、図6に示すクリーニング処理(クリーニング処理B)と、図7に示すクリーニング処理(クリーニング処理C)と、を含むサイクルを1サイクルとして、このサイクルを所定回数行うようにしてもよい。
【0127】
本変形例においても、図4に示すクリーニング処理や、変形例2,3と略同様の効果が得られる。なお、クリーニング処理Aにおいては、上述したように、ノズル249b内のクリーニング処理が、ノズル249a,249c内のクリーニング処理よりも進行しやすい傾向がある。また、クリーニング処理B,Cにおいては、上述したように、ノズル249a,249c内のクリーニング処理が、ノズル249b内のクリーニング処理よりも進行しやすい傾向がある。そのため、本変形例において、ノズル249b内のクリーニング処理をノズル249a,249c内よりも優先的に行いたい場合には、クリーニング処理Aにおけるステップc1,c2の合計実施期間(ノズル249b内へFガス等が逆拡散する合計時間)を、クリーニング処理B,Cにおけるステップc1,c2の合計実施期間(ノズル249a,249c内へFガス等が逆拡散する合計時間)よりも、長く設定するのがよい。
【0128】
(変形例5)
ステップc1,d1,c2,d2のうち少なくともいずれかでは、ノズル249a〜249cからのNガスの供給を不実施としてもよい。
【0129】
例えば、ステップc1,c2においてノズル249bからのNガスの供給を不実施とするようにしてもよい。この場合においても、図4に示すクリーニング処理と略同様の効果が得られる。また、この場合、図4に示すクリーニング処理に比べて、ステップc1,c2におけるノズル249b内へのFガスとNOガスとの侵入をさらに促すことが可能となる。結果として、ノズル249b内の集中的なクリーニングをさらに促進させることが可能となる。
【0130】
なお、このとき、ノズル249bから少量のNOガスを供給することで、NOガス雰囲気としたノズル249b内にFガス等を侵入させることができ、ノズル249b内の集中的なクリーニングをさらに促進させることが可能となる。ノズル249bから供給するNOガスの流量は、ノズル249b内へのFガス等の侵入を許す程度とするのがよく、例えば0.01〜0.1slm程度とするのが好ましい。なお、このとき、ノズル249bから少量のNOガスを供給する代わりに、少量のFガスを供給するようにしても、上述と同様の効果が得られる。
【0131】
また例えば、ステップd1,d2においてノズル249a〜249cからのNガスの供給をそれぞれ不実施とするようにしてもよい。この場合においても、図4に示すクリーニング処理と略同様の効果が得られる。また、この場合、図4に示すクリーニング処理に比べて、ステップd1,d2におけるノズル249a〜249c内へのFガスとNOガスとの侵入をそれぞれさらに促すことが可能となる。結果として、ノズル249a〜249c内をより効率的にクリーニングすることが可能となる。
【0132】
なお、このとき、ノズル249a〜249cのそれぞれから少量のNOガスを供給することで、NOガス雰囲気としたノズル249a〜249c内にFガス等を侵入させることができ、ノズル249a〜249c内をさらに効率的にクリーニングすることが可能となる。ノズル249a〜249cのそれぞれから供給するNOガスの流量は、ノズル249a〜249c内へのFガス等の侵入を許す程度とするのがよく、それぞれ例えば0.01〜0.1slm程度とするのが好ましい。なお、このとき、ノズル249a〜249cのそれぞれから少量のNOガスを供給する代わりに、少量のFガスを供給するようにしても、上述と同様の効果が得られる。
【0133】
また例えば、ステップd1,d2においてノズル249bからのNガスの供給を不実施としつつ、ノズル249a,249cからのNガスの供給をそれぞれ実施するようにしてもよい。この場合においても、図4に示すクリーニング処理と略同様の効果が得られる。また、この場合、ステップd1,d2においてノズル249b内へのFガスとNOガスとの侵入をさらに促しつつ、ノズル249a,249c内へのFガスとNOガスとの侵入をそれぞれ抑制することが可能となる。結果として、図4に示すクリーニング処理に比べて、ノズル249b内の集中的なクリーニングをさらに促進させることが可能となる。また、ノズル249a,249cの内壁のオーバエッチングを適正に抑制することが可能となる。
【0134】
なお、このとき、上述と同様に、ノズル249bから少量のNOガスやFガスを供給することで、上述と同様の理由により、ノズル249b内の集中的なクリーニングをさらに促進させることが可能となる。
【0135】
(変形例6)
ステップd1,d2のうち少なくともいずれかでは、ノズル249a〜249cから供給するNガスの流量を互いに異ならせてもよい。例えば、ステップd1,d2において、ノズル249bから供給するNガスの流量を、ノズル249a,249cから供給するNガスの流量よりも大きな流量に設定してもよい。この場合においても、図4に示すクリーニング処理と略同様の効果が得られる。なお、この場合、ステップd1,d2においてノズル249b内へのFガスとNOガスとの侵入を抑制しつつ、ノズル249a,249c内へのFガスとNOガスとの侵入をそれぞれ促すことが可能となる。結果として、図4に示すクリーニング処理に比べて、ノズル249b内のクリーニングを抑制することが可能となり、ノズル249bの内壁のオーバエッチングを適正に抑制することが可能となる。
【0136】
(変形例7)
ステップa,bを含むサイクルを所定回数行う際、ステップe1,e2のうち少なくともいずれかを不実施としてもよい。例えば、図4に示すクリーニング処理において、ステップd1とステップc2との間、および、ステップd2とステップc1との間のうち少なくともいずれかで、処理容器内のパージ(ステップe1,e2)を行うことなく、ステップa,bを含むサイクルを所定回数行うようにしてもよい。また例えば、図5に示すクリーニング処理において、ステップf1とステップf2との間、および、ステップf2とステップf1との間のうち少なくともいずれかで、処理容器内のパージ(ステップe1,e2)を行うことなく、ステップa,bを含むサイクルを所定回数行うようにしてもよい。本変形例においても、図4に示すクリーニング処理と略同様の効果が得られる。また、本変形例では、ノズル249a,249c内におけるFガスとNOガスとの混合を促すことが可能となる。結果として、図4や図5に示すクリーニング処理に比べて、ノズル249a,249c内のクリーニングをさらに促進させることが可能となる。
【0137】
(変形例8)
クリーニング処理において行う上述のサイクルは、以下のサイクルA,Bを含むようにしてもよい。
【0138】
サイクルAにおけるステップa,bは、図4に示すクリーニング処理のステップa,bと同様に行うことができる。すなわち、サイクルAにおけるステップa,bでは、
処理容器内の排気を停止した状態で、処理容器内へFガスとNOガスとを供給するステップc1,c2と、
処理容器内の排気を停止した状態で、処理容器内へのFガスとNOガスとの供給を停止して、処理容器内へFガスとNOガスとを封じ込めた状態を維持するステップd1,d2と、
処理容器内を排気するステップe1,e2と、をそれぞれ行うことができる。
【0139】
サイクルBにおけるステップa,bは、図5に示すクリーニング処理のステップa,bと同様に行うことができる。すなわち、サイクルBにおけるステップa,bでは、
処理容器内を排気した状態で、処理容器内へFガスとNOガスとを供給するステップf1,f2と、
処理容器内を排気(パージ)するステップe1,e2と、をそれぞれ行うことができる。
【0140】
このように、処理容器内へのFガスとNOガスとの封じ込めを実施するサイクルAと、処理容器内へのFガスとNOガスとの封じ込めを不実施とするサイクルBと、を含むサイクルを所定回数行うようにしてもよい。すなわち、図4に示すクリーニング処理のサイクル(サイクルA)と、図5に示すクリーニング処理のサイクル(サイクルB)と、を含むサイクルを所定回数行うようにしてもよい。
【0141】
本変形例においても、図4に示すクリーニング処理や変形例1と略同様の効果が得られる。なお、本変形例においては、変形例1よりも、処理容器内にFガス等を均一に拡散させ、クリーニング処理の均一性を向上させることが可能となる点で好ましい。また、本変形例においては、変形例1よりも、排気管231の温度上昇を抑制することが可能となる点で好ましい。また、本変形例においては、変形例1よりも、Fガス等の使用量を低減でき、ガスコストを低減することが可能となる点で好ましい。なお、本変形例においては、サイクルAをサイクルBよりも先行して行うのが好ましい。このようにする場合は、サイクルBをサイクルAよりも先行して行う場合に比べて、排気管231の温度上昇レートを緩やかにすることが可能となる。
【0142】
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。但し、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0143】
上述の実施形態では、処理容器内のウエハ上にSiN膜を形成した後、処理容器内やノズル内をクリーニングする例について説明した。しかしながら、本発明はこのような態様に限定されない。例えば、上述のクリーニング処理は、処理容器内のウエハ上に、シリコン酸化膜(SiO膜)、シリコン酸炭窒化膜(SiOCN膜)、シリコン酸炭化膜(SiOC膜)、シリコン酸窒化膜(SiON膜)、シリコン炭窒化膜(SiCN膜)、シリコン硼炭窒化膜(SiBCN膜)、シリコン硼窒化膜(SiBN膜)等のシリコン系絶縁膜を形成した後、処理容器内やノズル内をクリーニングする場合にも、好適に適用可能である。
【0144】
基板処理やクリーニング処理に用いられるレシピは、処理内容に応じて個別に用意し、電気通信回線や外部記憶装置123を介して記憶装置121c内に格納しておくことが好ましい。そして、基板処理やクリーニング処理を開始する際、CPU121aが、記憶装置121c内に格納された複数のレシピの中から、基板処理やクリーニング処理の内容に応じて、適正なレシピを適宜選択することが好ましい。これにより、1台の基板処理装置で様々な膜種、組成比、膜質、膜厚の膜を、再現性よく形成することが可能となる。また、処理容器(処理室201)内や供給部(ノズル)内に付着した様々な膜を含む堆積物に応じ、適正なクリーニング処理を行うことが可能となる。また、オペレータの負担を低減でき、操作ミスを回避しつつ、処理を迅速に開始できるようになる。
【0145】
上述のレシピは、新たに作成する場合に限らず、例えば、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを変更することで用意してもよい。レシピを変更する場合は、変更後のレシピを、電気通信回線や当該レシピを記録した記録媒体を介して、基板処理装置にインストールしてもよい。また、既存の基板処理装置が備える入出力装置122を操作し、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを直接変更するようにしてもよい。
【0146】
上述の実施形態では、第1〜第3供給部としての第1〜第3ノズル(ノズル249a〜249c)が反応管の内壁に沿うように処理室内に設けられている例について説明した。しかしながら、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば図10(a)に縦型処理炉の断面構造を示すように、反応管の側壁にバッファ室を設け、このバッファ室内に、上述の実施形態と同様の構成の第1〜第3ノズルを、上述の実施形態と同様の配置で設けるようにしてもよい。図10(a)では、反応管の側壁に供給用のバッファ室と排気用のバッファ室とを設け、それぞれを、ウエハを挟んで対向する位置に配置した例を示している。なお、供給用のバッファ室と排気用のバッファ室のそれぞれは、反応管の側壁の下部より上部に沿って、すなわち、ウエハ配列領域に沿って設けられている。また、図10(a)では、供給用のバッファ室を複数(3つ)の空間に仕切り、それぞれの空間に各ノズルを配置した例を示している。バッファ室の3つの空間の配置は、第1〜第3ノズルの配置と同様となる。第1〜第3ノズルが配置されるそれぞれの空間を、第1〜第3バッファ室と称することもできる。第1ノズルおよび第1バッファ室、第2ノズルおよび第2バッファ室、第3ノズルおよび第3バッファ室を、それぞれ、第1供給部、第2供給部、第3供給部と考えることもできる。また例えば、図10(b)に縦型処理炉の断面構造を示すように、図10(a)と同様の配置でバッファ室を設け、バッファ室内に第2ノズルを設け、このバッファ室の処理室との連通部を両側から挟むとともに反応管の内壁に沿うように第1、第3ノズルを設けるようにしてもよい。第1ノズル、第2ノズルおよびバッファ室、第3ノズルを、それぞれ、第1供給部、第2供給部、第3供給部と考えることもできる。図10(a)、図10(b)で説明したバッファ室や反応管以外の構成は、図1に示す処理炉の各部の構成と同様である。これらの処理炉を用いた場合であっても、上述の実施形態と同様に、処理室内や供給部(ノズル、バッファ室)内のクリーニング処理を行うことができ、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
【0147】
上述の実施形態では、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されず、例えば、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用できる。また、上述の実施形態では、ホットウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されず、コールドウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用できる。
【0148】
これらの基板処理装置を用いる場合においても、上述の実施形態や変形例と同様なシーケンス、処理条件にて基板処理やクリーニング処理を行うことができ、上述の実施形態や変形例と同様の効果が得られる。
【0149】
また、上述の実施形態や変形例等は、適宜組み合わせて用いることができる。このときの処理手順、処理条件は、例えば、上述の実施形態の処理手順、処理条件と同様とすることができる。
【実施例】
【0150】
実施例1として、図1に示す基板処理装置を用いて上述の基板処理(SiN膜形成)を行った後、排気管の温度を測定しながら、図4に示すクリーニング処理を実施した。実施例1においては、図8(a)に示すように、図4に示すステップa,bをこの順に行うサイクル(Packing CLN)を8回実施した。すなわち、実施例1では、Packing CLNのみを繰り返し実施した。基板処理、クリーニング処理の各ステップにおける処理条件は、上述の実施形態に記載の処理条件範囲内の所定の条件とした。
【0151】
実施例2として、図1に示す基板処理装置を用いて上述の基板処理(SiN膜形成)を行った後、排気管の温度を測定しながら、図4に示すクリーニング処理と、図5に示すクリーニング処理と、を交互に実施した。実施例2においては、図8(b)に示すように、図5に示すステップa,bをこの順に行うサイクル(non−Packing CLN)を1,4,7サイクル目にそれぞれ実施し、図4に示すステップa,bをこの順に行うサイクル(Packing CLN)を2,3,5,6,8サイクル目にそれぞれ実施した。すなわち、実施例2では、Packing CLNとnon−Packing CLNとを組み合わせて実施し、その際、non−Packing CLNをPacking CLNよりも先行して実施した。基板処理、クリーニング処理の各ステップにおける処理条件は、上述の実施形態に記載の処理条件範囲内の所定の条件とした。
【0152】
実施例3として、図1に示す基板処理装置を用いて上述の基板処理(SiN膜形成)を行った後、排気管の温度を測定しながら、図4に示すクリーニング処理と、図5に示すクリーニング処理と、を交互に実施した。実施例3においては、図9(a)に示すように、図4に示すステップa,bをこの順に行うサイクル(Packing CLN)を1,2,5〜7サイクル目にそれぞれ実施し、図5に示すステップa,bをこの順に行うサイクル(non−Packing CLN)を3,4サイクル目にそれぞれ実施した。すなわち、実施例3では、Packing CLNとnon−Packing CLNとを組み合わせて実施し、その際、Packing CLNをnon−Packing CLNよりも先行して実施した。基板処理、クリーニング処理の各ステップにおける処理条件は、上述の実施形態に記載の処理条件範囲内の所定の条件とした。
【0153】
実施例4として、図1に示す基板処理装置を用いて上述の基板処理(SiN膜形成)を行った後、排気管の温度を測定しながら、図5に示すクリーニング処理を実施した。実施例4においては、図9(b)に示すように、図5に示すステップa,bをこの順に行うサイクル(non−Packing CLN)を6回実施した。すなわち、実施例4では、non−Packing CLNのみを繰り返し実施した。基板処理、クリーニング処理の各ステップにおける処理条件は、上述の実施形態に記載の処理条件範囲内の所定の条件とした。
【0154】
図8(a)、図8(b)、図9(a)、図9(b)に、実施例1〜4のクリーニング処理を実施した際における排気管の温度変化をそれぞれ示す。これらの図の横軸はそれぞれ経過時間(a.u.)を、縦軸はそれぞれ排気管の温度(a.u.)を示している。これらの図では、排気管に腐食が生じる温度である限界温度(例えば150〜200℃程度)をそれぞれ一点鎖線で示している。
【0155】
図8(a)に示すように、Packing CLNのみを繰り返し実施した実施例1では、処理容器内およびノズル内のクリーニング処理を均一に行いつつ、排気管の温度上昇を効果的に抑制することができた。
【0156】
図8(b)に示すように、non−Packing CLNをPacking CLNよりも先行して実施した実施例2では、non−Packing CLNを実施するたびに実施例1よりも高いレートで排気管の温度が上昇するものの、処理容器内およびノズル内のクリーニング処理を均一に行いつつ、排気管の温度が限界温度を超えない程度に排気管の温度上昇を適正に抑制することができた。本実施例では、Packing CLNを適正なタイミングで実施することにより、すなわち、排気系を閉塞して排気管内におけるFガス等と反応副生成物との反応を一時的に停止する期間を適正なタイミングで設けることにより、排気管の過剰な温度上昇を回避することができた。
【0157】
図9(a)に示すように、Packing CLNをnon−Packing CLNよりも先行して実施した実施例3では、実施例1よりも高いレートで排気管の温度が上昇する期間が一時的に存在するものの、処理容器内およびノズル内のクリーニング処理を均一に行いつつ、排気管の温度上昇レートを緩やかにすることができた。本実施例では、non−Packing CLNを実施する前にPacking CLNを先行して行う(1,2サイクル目)ことで、排気管の温度上昇を実施例1と同様に抑制しながら、排気管内に付着していた反応副生成物の大部分を除去することが可能となる。これにより、本実施例では、non−Packing CLNを行った際(3,4サイクル目)における排気管の温度上昇レートを、実施例2においてクリーニング処理の初回(1サイクル目)にnon−Packing CLNを行った際における排気管の温度上昇レートよりも抑制することが可能となる。
【0158】
図9(b)に示すように、non−Packing CLNのみを繰り返し実施した実施例4では、処理容器内およびノズル内のクリーニング処理を均一に行うことができたものの、実施例1〜3に比べて、排気管の温度上昇が大きくなった。実施例4では、排気管の温度が限界温度を超えないようにするため、non−Packing CLNを例えば3回程度実施したら、冷却待ちのための待機時間を設ける必要があった。
【0159】
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
【0160】
(付記1)
本発明の一態様によれば、
(a)基板に対して処理を行った後の処理容器内へ、少なくとも3つの供給部のうちいずれか2つの供給部より、クリーニングガスと、前記クリーニングガスと反応する添加ガスとを、それぞれ別々に供給する工程と、
(b)前記処理容器内へ、前記少なくとも3つの供給部のうちいずれか2つの供給部より、前記クリーニングガスを供給する供給部および前記添加ガスを供給する供給部のうち少なくともいずれかを、(a)におけるそれ、もしくは、それらと異ならせて、前記クリーニングガスと、前記添加ガスとを、それぞれ別々に供給する工程と、
を含むサイクルを所定回数行うことで、前記処理容器内の部材をクリーニングする方法が提供される。
【0161】
(付記2)
付記1に記載の方法であって、好ましくは、
(b)において前記クリーニングガスを供給する供給部を、(a)におけるそれと異ならせる。または、(b)において前記添加ガスを供給する供給部を、(a)におけるそれと異ならせる。または、(b)において前記クリーニングガスを供給する供給部および前記添加ガスを供給する供給部の両方を、(a)におけるそれらと異ならせる。
【0162】
(付記3)
付記1に記載の方法であって、好ましくは、
(b)では、(a)において前記添加ガスを供給した供給部より、前記クリーニングガスを供給し、(a)において前記クリーニングガスを供給した供給部より、前記添加ガスを供給する。または、(b)では、(a)において前記クリーニングガスと前記添加ガスとの供給を不実施とした供給部より、前記クリーニングガスを供給し、(a)において前記添加ガスを供給した供給部または前記クリーニングガスを供給した供給部より、前記添加ガスを供給する。
【0163】
(付記4)
付記1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(a)と(b)との間で前記処理容器内のパージを行いつつ、前記サイクルを所定回数行う。もしくは、(a)と(b)との間で前記処理容器内のパージを行うことなく、前記サイクルを所定回数行う。
【0164】
(付記5)
付記1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(a)および(b)のうち少なくともいずれかでは、前記少なくとも3つの供給部のうち前記クリーニングガスと前記添加ガスとの供給を不実施とする供給部のガス噴出口から、該供給部内へ、前記処理容器内へ供給された前記クリーニングガスと前記添加ガスとを侵入させる。なお、前記クリーニングガスと前記添加ガスとの供給を不実施とする供給部は、前記基板を処理する際に、前記処理容器内へ、それ単独で固体となる元素を含むガス、すなわち、それ単独で膜を堆積させることができるガスを供給する供給部とするのが好ましい。なお、(a)と(b)とで、前記クリーニングガスと前記添加ガスとの供給を不実施とする供給部を変更して、前記クリーニングガスと前記添加ガスとを侵入させる供給部を変更するようにしてもよい。
【0165】
(付記6)
付記1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(a)および(b)のうち少なくともいずれかでは、前記少なくとも3つの供給部のそれぞれから不活性ガスを同一流量で供給する。あるいは、(a)および(b)のうち少なくともいずれかでは、前記少なくとも3つの供給部のそれぞれからの不活性ガスの供給を不実施とする。なお、このとき、前記少なくとも3つの供給部のうち前記クリーニングガスと前記添加ガスとの供給を不実施とする供給部からの不活性ガスの供給を不実施とし、他の供給部から不活性ガスを供給するようにしてもよい。
【0166】
(付記7)
付記1〜6のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(a)および(b)のうち少なくともいずれかは、
(c)前記処理容器内の排気を停止した状態で、前記処理容器内へ前記クリーニングガスと前記添加ガスとを供給する工程と、
(d)前記処理容器内の排気を停止した状態で、前記処理容器内への前記クリーニングガスと前記添加ガスとの供給を停止して、前記処理容器内へ前記クリーニングガスと前記添加ガスとを封じ込めた状態を維持する工程と、
(e)前記処理容器内を排気する工程と、
を含む。
【0167】
(付記8)
付記7に記載の方法であって、好ましくは、
(c)では、前記少なくとも3つの供給部のうち前記クリーニングガスと前記添加ガスとの供給を不実施とする供給部のガス噴出口から、該供給部内へ、前記処理容器内へ供給された前記クリーニングガスと前記添加ガスとを侵入させ、
(d)では、少なくとも(c)において前記クリーニングガスと前記添加ガスとの供給を不実施とした供給部のガス噴出口から、該供給部内へ、前記処理容器内へ封じ込められた前記クリーニングガスと前記添加ガスとを侵入させる。
【0168】
(付記9)
付記8に記載の方法であって、好ましくは、
(d)では、前記少なくとも3つの供給部のそれぞれのガス噴出口から、それぞれの供給部内へ、前記処理容器内へ封じ込められた前記クリーニングガスと前記添加ガスとを侵入させる。
【0169】
(付記10)
付記7〜9のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(c)および(d)のうち少なくともいずれかでは、前記少なくとも3つの供給部のそれぞれから不活性ガスを同一流量で供給する。あるいは、(c)および(d)のうち少なくともいずれかでは、前記少なくとも3つの供給部のそれぞれからの不活性ガスの供給を不実施とする。なお、このとき、前記少なくとも3つの供給部のうち前記クリーニングガスと前記添加ガスとの供給を不実施とする供給部からの不活性ガスの供給を不実施とし、他の供給部から不活性ガスを供給するようにしてもよい。
【0170】
(付記11)
付記1〜10のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
前記サイクルは、サイクルAと、サイクルBと、を含み、
前記サイクルAにおける(a)および(b)は、
(c)前記処理容器内の排気を停止した状態で、前記処理容器内へ前記クリーニングガスと前記添加ガスとを供給する工程と、
(d)前記処理容器内の排気を停止した状態で、前記処理容器内への前記クリーニングガスと前記添加ガスとの供給を停止して、前記処理容器内へ前記クリーニングガスと前記添加ガスとを封じ込めた状態を維持する工程と、
(e)前記処理容器内を排気する工程と、を含み、
前記サイクルBにおける(a)および(b)は、
(f)前記処理容器内を排気した状態で、前記処理容器内へ前記クリーニングガスと前記添加ガスとを供給する工程を含む。
【0171】
(付記12)
付記11に記載の方法であって、好ましくは、
前記サイクルAを前記サイクルBよりも先行して行う。
【0172】
(付記13)
本発明の他の態様によれば、
処理容器内の基板に対して処理を行う工程と、
付記1のように前記処理容器内の部材をクリーニングする工程と、
を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0173】
(付記14)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板に対して処理が行われる処理容器と、
前記処理容器内へガスを供給する少なくとも3つの供給部と、
前記処理容器内へクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給系と、
前記処理容器内へ前記クリーニングガスと反応する添加ガスを供給する添加ガス供給系と、
付記1のように前記処理容器内の部材をクリーニングするように、前記クリーニングガス供給系および前記添加ガス供給系を制御するよう構成される制御部と、
を有する基板処理装置が提供される。
【0174】
(付記15)
本発明のさらに他の態様によれば、
付記1のように基板処理装置の処理容器内の部材をクリーニングする手順をコンピュータによって前記基板処理装置に実行させるプログラム、または、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【符号の説明】
【0175】
200 ウエハ(基板)
249a ノズル(供給部)
249b ノズル(供給部)
249c ノズル(供給部)
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】