(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019145707
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】ボール搭載装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20190802BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20190802BHJP
   B23K 3/06 20060101ALI20190802BHJP
   B23K 3/00 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !H01L21/92 604H
   !H05K3/34 505F
   !H05K3/34 505E
   !H05K3/34 505A
   !H01L21/92 604Z
   !B23K3/06 H
   !B23K3/00 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】2018029693
(22)【出願日】20180222
(71)【出願人】
【識別番号】592141488
【氏名又は名称】アスリートFA株式会社
【住所又は居所】長野県諏訪市大字四賀2970番地1
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】小竹 利幸
【住所又は居所】長野県諏訪市大字四賀2970番地1 アスリートFA株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】矢沢 一郎
【住所又は居所】長野県諏訪市大字四賀2970番地1 アスリートFA株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】宮原 順一
【住所又は居所】長野県諏訪市大字四賀2970番地1 アスリートFA株式会社内
【テーマコード(参考)】
5E319
【Fターム(参考)】
5E319AA03
5E319AA07
5E319AB05
5E319AC01
5E319BB04
5E319BB20
5E319CC33
5E319GG20
(57)【要約】
【課題】導電性ボールを極薄いワークに搭載することが可能なボール搭載装置を提供する。
【解決手段】伸縮性を有するテープ9が貼着された搬送用リング8の内側に配置され、テープ9の表面側に仮貼着されているワークであるウエハ10にフラックスFを印刷するフラックス印刷装置11と、フラックスFが印刷されたウエハ10に導電性ボール3を振り込むボール振込装置12を有する。テープ9を介してウエハ10を吸着ステージ52に真空吸着し、搬送用リング8をクランプステージ49とクランプリング50とによって挟持したうえで、ウエハ10の上面10aが搬送用リング8の上面8cに対して同じ高さになるまでテープ9を引き伸ばしながら搬送用リング8を引き下げ、フラックス印刷及びボール振込を行うボール搭載装置1。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性を有するテープが貼着された搬送用リングの径方向内側に配置され、前記テープの貼着面側に仮貼着されたワークに導電性ボールを搭載するボール搭載装置であって、
フラックス印刷用マスクのマスク開口部から前記ワークにフラックスを印刷するフラックス印刷装置と、
前記フラックスが印刷された前記ワーク上に、ボール振込用マスクのボール振込用孔から前記導電性ボールを振り込むボール振込装置と、
前記テープを介して前記ワークを真空吸着する吸着ステージと、前記搬送用リングを厚み方向で挟持するクランプステージ及びクランプリングと、前記ワークの上面と前記搬送用リングの上面とが同じ高さになるまで前記テープを引き伸ばしながら前記搬送用リングを引き下げるクランプユニット上下駆動アクチェータと、を有するクランプユニットと、
を有している、
ことを特徴とするボール搭載装置。
【請求項2】
請求項1に記載のボール搭載装置において、
前記クランプユニットは、前記クランプステージの周囲に前記クランプステージに対し前記クランプリングを同期された速度で上昇及び降下動作させる複数のクランプリング上下駆動アクチュエータを有している、
ことを特徴とするボール搭載装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のボール搭載装置において、
前記搬送用リングの引き下げ量は、前記搬送用リングを引き下げる際に前記テープを引き伸ばした後、前記搬送用リングを引き下げ前の位置に戻した際に、前記テープが引き伸ばし前の状態に復元可能な範囲内である、
ことを特徴とするボール搭載装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のボール搭載装置において、
前記ボール振込用マスクに対向する前記クランプリングの上面には、前記吸着ステージの外周から離間した位置で前記ボール振込用マスクを吸着する真空吸着溝が設けられている、
ことを特徴とするボール搭載装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のボール搭載装置において、
前記クランプリングは、前記ワークに向かって突設する鍔部を有し、
フラックス印刷の際に、前記クランプリングの上面は前記鍔部を含めて前記ワークの上面と同じ高さ位置に調整されている、
ことを特徴とするボール搭載装置。
【請求項6】
請求項1に記載のボール搭載装置において、
前記吸着ステージは、前記ワークを真空吸着する際に前記ワークが陥没しない大きさの真空吸着孔を有している、
ことを特徴とするボール搭載装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のボール搭載装置において、
前記クランプユニットを昇降し、前記フラックス印刷用マスク及び前記ボール振込用マスクに対する前記ワークの高さ位置を調整するステージ上下駆動アクチュエータを有している、
ことを特徴とするボール搭載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボール搭載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体チップの高密度化に伴い、半導体チップの接続手段として微小径の導電性ボールを基板などの電極上に高密度に搭載するボール搭載装置が採用されるようになってきている。このようなボール搭載装置は、フラックス印刷用マスクを使用して電極上にフラックスを印刷し、ボール振込用マスクのボール振込用孔内に導電性ボールを振り込むことによってフラックスが印刷された電極上に導電性ボールを搭載するものである。
【0003】
特許文献1には、まず、ワークをフラックス印刷装置に搬送し、印刷用スキージによってフラックス印刷用マスクのマスク開口部からワークにフラックスを印刷する。その後、ワークをボール振込装置に搬送し、ブラシスキージによってボール振込用マスクのボール振込用孔から導電性ボールをワーク上に振り込むというボール搭載装置が開示されている。近年、電子機器の小型化に伴って、厚みが200μm以下の極薄いワークが使用されることもある。このように極薄いワークはワーク単体で搬送することが困難である。そこで、極薄いワークにおいては、剛性を有する搬送用リングにテープを貼着し、このテープにワークを仮貼着したワーク搬送用ユニットの形態で搬送しフラックス印刷及びボール振込を行う。又、特許文献1に記載のボール搭載装置は、フラックス印刷やボール振込の際に、それぞれのステージに設けられた多数の吸着用孔によってワークを真空吸着してステージ固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−30036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ワーク搬送用ユニットにおいて、ワークは搬送用リングの径方向の中央部に配置される。例えば、ワークの厚みを200μmとし搬送用リングの厚みを1.5mmとすれば、ワークの上面は搬送用リングの上面よりも1.3mm低い位置となる。つまり、ワークの周囲に搬送用リングのバンクができていることになり、フラックス印刷或いはボール振込の際にフラックス印刷用マスクやボール振込用マスクとワークとの間に過大な隙間ができてしまったり、各スキージが搬送用リングに当たってしまったりして、所定位置に均一なフラックス印刷ができないことや所定位置に導電性ボールを過不足なく振り込むことができないという課題がある。
【0006】
又、従来から使用されている直径が300mm、厚みが775μmのワークにおいては、ワークを真空吸着する真空吸着孔の直径を3mm程度とすることが一般的である。しかし、厚みが200μm以下のワークの場合、真空吸着孔の直径を3mmにすると、真空吸着の際の負圧によってワークが真空吸着孔内に陥没し、良好なフラックス印刷及びボール搭載ができなくなるという課題がある。
【0007】
そこで、本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、導電性ボールを極薄い板状のワークに搭載することが可能なボール搭載装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]本発明のボール搭載装置は、伸縮性を有するテープが貼着された搬送用リングの径方向内側に配置され、前記テープの貼着面側に仮貼着されたワークに導電性ボールを搭載するボール搭載装置であって、フラックス印刷用マスクのマスク開口部から前記ワークにフラックスを印刷するフラックス印刷装置と、前記フラックスが印刷された前記ワーク上に、ボール振込用マスクのボール振込用孔から前記導電性ボールを振り込むボール振込装置と、前記テープを介して前記ワークを真空吸着する吸着ステージと、前記搬送用リングを厚み方向で挟持するクランプステージ及びクランプリングと、前記ワークの上面と前記搬送用リングの上面とが同じ高さになるまで前記テープを引き伸ばしながら前記搬送用リングを引き下げるクランプユニット上下駆動アクチェータを有するクランプユニットと、を有していることを特徴とする。
【0009】
例えば、厚みが200μm以下というような極薄いワークは、ワーク単体で搬送することが困難である。そこで、このような極薄いワークにおいては、剛性を有する搬送用リングにテープを介してワークを仮貼着した状態でフラックス印刷及びボール振込を行う。このような場合、ワーク上面よりも搬送用リングの上面が高くなり段差ができてしまうことから、良好なフラックス印刷ができなくなり、又、過不足なく導電性ボールを振り込むことができない。
【0010】
本発明のボール搭載装置によれば、クランプユニット上下駆動アクチュエータによって、ワークの上面が搬送用リングの上面に対して同じ高さになるまで搬送用リングを引き下げ、ワークの上面と搬送用リングの上面との段差をなくすことによって、良好なフラックス印刷を可能にし、さらに、導電性ボールを過不足なくワークに搭載することが可能となる。なお、ワークの上面と搬送用リングの上面が同じ高さとは、必ずしも高さが一致しなくてもよく、ワーク上面が搬送用リングの上面より僅かに高い場合も含む。
【0011】
[2]本発明のボール搭載装置においては、前記クランプユニットは、前記クランプステージの周囲に前記クランプステージに対し前記クランプリングを同期された速度で上昇及び降下動作させる複数のクランプリング上下駆動アクチュエータを有していることが好ましい。
【0012】
このようにすれば、クランプステージとクランプリングとで搬送用リングの周囲を均一に挟持することが可能となる。従って、吸着ステージの周囲360度に亘ってほぼ均一の引張り力でテープを引き伸ばすことが可能となり、ウエハの位置ずれが発生しない。
【0013】
[3]本発明のボール搭載装置においては前記搬送用リングの引き下げ量は、前記搬送用リングを引き下げる際に前記テープを引き伸ばした後、前記搬送用リングを引き下げ前の位置に戻した際に、前記テープが引き伸ばし前の状態に復元可能な範囲内であることが好ましい。
【0014】
ボール搭載後、テープが引き伸ばし状態から引き伸ばし前の状態に復元することによって、搬送用リング、テープ及びワークが給材前の初期状態に復元する。従って、テープに撓みが残らず、さらに、搭載された導電性ボールが搬送用リングの厚みの範囲内に収まることから除材経路において支障なく搬送及び除材することが可能となる。
【0015】
[4]本発明のボール搭載装置においては、前記ボール振込用マスクに対向する前記クランプリングの上面には、前記吸着ステージの外周から離間した位置で前記ボール振込用マスクを吸着する真空吸着溝が設けられていることが好ましい。
【0016】
このような構成によれば、ワーク及び搬送用リング両者の上面高さは同じであり、ワークは吸着ステージで真空吸着され、ボール振込用マスクはクランプリングに真空吸着される。従って、ワークとボール振込用マスクとの位置ずれを抑えつつ、平坦なボール振込用マスク上に導電性ボールを移動させることができるので、導電性ボールをワーク上に過不足なく振り込むことが可能となる。
【0017】
[5]本発明のボール搭載装置においては、前記クランプリングは、前記ワークに向かって突設する鍔部を有し、フラックス印刷の際に前記クランプリングの上面は前記鍔部を含めて前記ワークの上面と同じ高さ位置に調整されていることが好ましい。
【0018】
ワークとクランプリング両者の上面高さを合わせ、さらに鍔部によってワークとの平面方向の隙間を抑えながらフラックス印刷用マスクの下面を支持することができる。このようにすれば、フラックス印刷の際に、例えば印刷用スキージなどによってウエハの外周付近においてフラックス印刷用マスクを変形させたり、ワークに過剰な押圧力を加えたりすることを抑制することが可能となる。
【0019】
[6]本発明のボール搭載装置においては、前記吸着ステージは、前記ワークを真空吸着する際に前記ワークが陥没しない大きさの真空吸着孔を有していることが好ましい。
【0020】
例えば、ワークの厚みが200μm以下というように従来の一般的なワークに比べ極薄い場合には、従来の一般的な真空吸着孔の直径が3mm程度とすると、ワークを真空吸着する際にワークが真空吸着孔に陥没してしまうことがある。そこで、真空吸着孔の直径を例えば、0.5mm〜1.0mmと従来の半分以下に小さくすれば、吸着力を維持しつつワークの陥没を抑制することが可能となる。
【0021】
[7]本発明のボール搭載装置においては、前記クランプユニットを昇降し、前記フラックス印刷用マスク及び前記ボール振込用マスクに対する前記ワークの高さ位置を調整するステージ上下駆動アクチュエータを、さらに有していることが好ましい。
【0022】
このような構成にすれば、ワークとフラックス印刷用マスク或いは前記ボール振込用マスクとの高さを適切に調整できるため、均一なフラックス印刷や過不足のないボール振込を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態に係るボール搭載装置1の概略構成を示す平面図である。
【図2】ウエハ搬送用ユニット2を拡大して示す図である。
【図3】ワークがウエハ10であるときの構成例を示す平面図である。
【図4】クランプユニット6及びクランプ搬送用ユニット45の構成を示す斜視図である。
【図5】ウエハ10が吸着ステージ52に真空吸着された状態を模式的に示す断面図である。
【図6】搬送用リング8を引き下げ、テープ9を引き伸ばした状態を模式的に示す断面図である。
【図7】フラックスFをウエハ10に印刷する動作を示す図である。
【図8】導電性ボール3をウエハ10に振り込む動作を示す図である。
【図9】ボール搭載方法の主要工程を示す工程フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態に係るボール搭載装置1について図1〜図9を参照しながら説明する。なお、以下に説明するワークは、電子部品を固定して配線するための板状またはフィルム状の部材であり、プリント配線基板やシリコンウエハなどを含む。ワークの形状としては円形や四角形などである。そこで、以下に説明するワークの1例としてウエハ10と記載し説明する。又、導電性ボールは、例えば、半田ボール、金属ボール、導電性プラスチックボール、導電性セラミックボールなど導電性を有し直径が30μm〜300μmの球体をボール3として説明する。
【0025】
[ボール搭載装置の全体構成及び動作]
図1は、ボール搭載装置1の概略構成を示す平面図である。なお、図1において、図示左右方向をX軸、X軸に直交する方向をY軸、X−Y平面に対して鉛直方向Z軸又は上下方向と表し説明する。ボール搭載装置1は、ウエハ搬送用ユニット2をストックする給材部としてのローダ4aと、ローダ4aからプレアライナ5にウエハ搬送用ユニット2を搬送し、プレアライナ5からクランプユニット6にウエハ搬送用ユニット2を搬送する搬送ロボット7とを有している。ウエハ搬送用ユニット2は、搬送用リング8と、搬送用リング8の下面側に貼着されるテープ9と、テープ9の表面側(貼着面側)に仮貼着されたウエハ10とから構成されている。ウエハ搬送用ユニット2の構成は、図2を参照して後述し、クランプユニット6の構成は図4を参照して後述する。
【0026】
ボール搭載装置1は、ウエハ10にフラックスFを印刷するフラックス印刷装置11と、フラックスFが印刷されたウエハ10に導電性ボール3を振り込むボール振込装置12と、フラックス印刷用マスク13に付着した余分なフラックスFを除去するクリーニング装置14とを有している。フラックスFは、フラックス印刷用マスク13を使用してウエハ3に印刷され、振り込まれた導電性ボール3がリフロー炉などで固着されるまでの間に位置ずれや落下しない程度の粘性を有している。
【0027】
搬送ロボット7は、ウエハ搬送用ユニット2をローダ4aからプレアライナ5、クランプユニット6に搬送し、導電性ボール3が振り込まれたウエハ搬送用ユニット2を除材部としてのアンローダ4bに搬送する。プレアライナ5では、ウエハ10の中心又はアライメントマークと搬送用リング8の4か所のノッチ8a(図2参照)の双方のクランプユニット6に対する位置を補正する。搬送ロボット7は、ウエハ搬送用ユニット2をクランプユニット6に搬送し、搬送後、待機位置に戻る。
【0028】
クランプユニット6に搬送されたウエハ搬送用ユニット2は、ウエハ10がテープ9を介して吸着ステージ15に真空吸着される。ウエハ10は、ウエハ矯正装置16により吸着ステージ15に押圧されることによって反りが矯正される。クランプユニット6は、ステージY軸アクチュエータ17によってY軸方向に位置が調整され、ステージX軸アクチュエータ18によってウエハ搬送用ユニット2を保持した状態でフラックス印刷装置11の所定位置に移送される。
【0029】
フラックス印刷装置11では、フラックス印刷用マスク13及び印刷用スキージ19を使用してウエハ10に所定のパターンでフラックスFを印刷する。なお、ステージY軸アクチュエータ17上には、ステージ上下駆動アクチュエータ46(図4参照)が配設されており、クランプユニット6を上下方向に昇降し、ウエハ10とフラックス印刷用マスク13との間を所定の隙間寸法に調整する。印刷用スキージ19は、Y軸駆動装置20,20によってY軸方向に移動しつつフラックスFをウエハ10に所定のパターンで印刷する。フラックスFの印刷方法は、図7を参照して説明する。
【0030】
クリーニング装置14は、フラックス印刷用マスク13に付着した余分なフラックスFを、溶剤を含ませたシート又はロールを用いて除去する装置である。クリーニング装置14は、フラックス印刷用マスク13に付着した余分なフラックスFをエアガンで吹き飛ばしたり、真空吸引したりしてもよい。フラックスFが印刷されたウエハ10は、クランプユニット6に保持された状態でステージX軸アクチュエータ18によってボール振込装置12に搬送される。
【0031】
ボール振込装置12は、X軸駆動装置21、Y軸駆動装置22,22及びZ軸駆動装置23を有しており、ボール振込部24,24をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動させる。ステージ上下駆動アクチュエータ46(図4参照)は、クランプユニット6をZ軸方向に昇降させ、ウエハ10とボール振込用マスク26との高さ位置を調整する。ボール振込装置12は、ボール振込用マスク26とブラシスキージ27(図8参照)を有する。ボール振込装置12は、X軸駆動装置21及びY軸駆動装置22によって、ボール振込部24,24をX軸方向及びY軸方向に移動しつつ、ブラシスキージ27を回転させてボール振込用孔42(図8参照)から導電性ボール3をウエハ10上に振り込む。
【0032】
ボール振込装置12は、3台の位置検出カメラ28,28,29を有している。位置検出カメラ28,28は、搬送されてきたウエハ10のアライメントマーク(不図示)を画像認識してウエハ10の平面位置とX軸及びY軸に対する角度を検出する。位置検出カメラ29は、ボール振込用マスク26のボール振込用孔42と電極37(共に図8参照)との位置ずれやボール振込用マスク26のアライメントマーク(不図示)を検出する。この検出結果に基づきステージY軸アクチュエータ17及びステージX軸アクチュエータ18によってボール振込用孔42とウエハ10の電極37との位置合わせを行う。
【0033】
なお、図1に示すボール振込部24,24は、X軸方向に2個配置した例を記載しているが、ボール振込部24,24をY軸方向に配置する、或いは、2個に限らず3個以上配置してもよく、大型化して1個配置するようにしてもよい。ボール振込部24,24には、ボール供給装置(不図示)から導電性ボール3が所定量(所定数)供給される。
【0034】
[ウエハ搬送用ユニット2の構成]
図2は、ウエハ搬送用ユニット2を拡大して示す図である。図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)のA−A切断線で切断した断面図である。ウエハ搬送用ユニット2は、搬送時に撓まない程度の剛性を有する搬送用リング8と、搬送用リング8の下面8bに貼着される弾性及び伸縮性を有するテープ9と、テープ9の表面(貼着面)9aに仮貼着されたウエハ10とから構成されている。仮貼着とは、ウエハ10がテープ9に密接固定されてはいるが、剥離することが可能な状態をいう。ウエハ10を貼着する粘着剤は、ウエハ10をスクライブしチップに個片化する際にはウエハ10を強固に固定しておく必要があり、スクライブ後、テープ10からチップを剥離する際には固定力を弱め剥離し易くすることが求められる。そこで、ウエハ10がテープ9に貼着されている状態を仮貼着と記載する。粘着剤としては例えば、UV(紫外線)照射によって粘着力を変えることが可能な機能を有するものを使用することが好ましい。なお、テープ9の厚みは粘着剤を含めて40μm〜200μmである。ウエハ10は、ウエハ搬送ユニット2の形態にすることによって、破損したり、変形したり、撓んだりすることなく搬送することが可能となる。
【0035】
例えば、搬送用リング8の厚みT1を1.5mm、ウエハ10の厚みT2を200μmとしたとき、ウエハ10の上面10aは搬送用リング8の上面8cよりも1.3mm低くなり、段差ができる。このような段差があると、フラックス印刷及びボール振込が良好にできないことがある。そこで、フラックス印刷及びボール振込を良好に行うために、少なくともウエハ10の上面10aと搬送用リング8の上面8cの高さ位置を合わせる必要がある。ウエハ10は、搬送用リング8の内側中央に配置される。ウエハ10と搬送用リングの内周との距離Lは、概ね200mm〜300mmである。詳しくは後述するが、この200mm〜300mmの距離は、テープ9の弾性及び伸縮性を利用し、搬送用リング8を引き下げてウエハ10の上面10aと搬送用リング8の上面8cの高さ位置を合わせ、搬送用リング8の引き下げを解除した際に引き下げ前の状態に復元可能な寸法である。従って、この距離Lは、テープ9の復元可能な許容伸縮量、ウエハ10の外径及び厚みから適宜に設定される。
【0036】
図3は、ワークがウエハ10であるときの構成例を示す平面図である。図3(a)はウエハ10の平面図、図3(b)は図3(a)に示す点線Aで囲まれた電極形成領域(半導体集積回路の形成領域)35の一部を拡大して示す図である。半導体集積回路36は、電極37の群の間に設けられたスクライブライン38で切断することにより個片化された半導体集積回路チップとなる。半導体集積回路36の切断は、導電性ボール3を搭載したウエハ10をリフロー装置でリフローした後や、実装工程の最後に行なわれる。
【0037】
電極37は再配線された電極である。再配線の電極37のピッチは、大略50μm〜400μmである。図3は、ウエハ10に形成された電極37と、電極37が形成されている電極形成領域35の配置とを説明するためのものであり、電極の大きさ、分布や電極形成領域35の形状は実物とは異なり、さらに相似していない。
【0038】
ウエハ10のサイズとしては、直径が300mmや200mmなどである。点線で囲まれた多角形の電極形成領域35に形成された電極37の配置を電極パターンという。フラックス印刷用マスク13のマスク開口部34(図7参照)及びボール振込用マスク26のボール振込用孔42のパターンは、ウエハ10に形成された電極パターンに相当するパターンである。
【0039】
[クランプユニット6の構成]
図4は、クランプユニット6及びクランプ搬送用ユニット45の構成を示す斜視図である。なお、図1も参照しながら説明する。クランプユニット6は、クランプ搬送用ユニット45上に配置されている。クランプ搬送用ユニット45は、ステージY軸アクチェータ17、ステージX軸アクチュエータ18及びステージ上下駆動アクチュエータ46で構成されている。ステージ上下駆動アクチュエータ46は、第1ベース47を介してステージY軸アクチュエータ17に固定されている。クランプユニット6は、第2ベース48を介してステージ上下駆動アクチュエータ46に取付けられている。クランプ搬送用ユニット45は、クランプユニット6をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向(上下方向)に移動する。
【0040】
クランプユニット6は、第2ベース48の上方側に配置されるクランプステージ49と、クランプステージ49に対してウエハ搬送用ユニット2(図示を省略)を挟んで上方側に配置されるクランプリング50とを有している。クランプステージ49は中央に吸着ステージ52より大きい開口部51を有しており、開口部51内には吸着ステージ52が配置されている。吸着ステージ52は、吸着ステージ取付けブロック53を介して第2ベース48に固定され、ステージ上下駆動アクチュエータ46によって上下動が可能となっている。吸着ステージ52には、多数の真空吸着孔55が設けられている。真空吸着孔55は、ウエハ10が仮貼着されているテープ9を真空吸着する孔である。なお、真空吸着孔は円形に限らずスリット状にすることも可能である。吸着ステージ52の中央部には、リフトピン孔56が3か所又は4か所に設けられている。これらリフトピン孔56には、図示しないリフトピンが挿通され、ボール振込後のウエハ搬送用ユニット2の中央部を押し上げ、吸着ステージ52からウエハ搬送用ユニット2を浮き上がらせて除材可能な状態にする。
【0041】
真空吸着孔55の直径は、0.5mm〜1.0mmとする。従来のワークを真空吸着する孔は直径が3mm程度に設定されることが一般的である。しかし、ウエハの厚みが200μm以下レベルの極薄いワークの場合に直径を3mmにすると、真空吸着する際に、ウエハが真空吸着孔内に陥没してしまうことがある。ウエハ10が陥没すると、ウエハ10の平坦度が失われ良好なフラックス印刷やボール搭載ができなくなる恐れがある。そこで、真空吸着孔55の直径を0.5mm〜1.0mmにすることによって、吸着力を維持しつつウエハ10が真空吸着孔55内に陥没しまうことを防止できる。なお、本実施の形態では、吸着ステージ52はウエハ10を吸着するために真空吸着孔55を設けているが、吸着ステージ52を空気が通過可能な多孔質の材料で形成してもよい。
【0042】
クランプリング50は、吸着ステージ52より大きな開口部54を有している。開口部54は、フラックス印刷及びボール振込の際にウエハ10の全体を上方から視認可能な大きさを有している。開口部54の径方向外側には、開口部54と同心円の真空吸着溝57が形成されている。真空吸着溝57は不図示の真空吸引装置に接続され、ボール振込の際にボール振込用マスク26の下面を吸着し、ボール振込用マスク26をクランプリング50に密接させる。なお、真空吸着溝57を放射状に延びる複数の溝で形成しても、複数の孔で形成してもよい。
【0043】
クランプステージ49とクランプリング50の間には、クランプリング上下駆動アクチュエータ58が配設されている。クランプリング上下駆動アクチュエータ58は、クランプリング50をクランプステージ49に対して降下させウエハ搬送用ユニット2の搬送用リング8を挟持する。クランプリング上下駆動アクチュエータ58は、クランプステージ49の4隅に配置され、4隅のクランプリング上下駆動アクチュエータ58を同期駆動することによって、クランプリング50をクランプステージ49に対して平行に昇降させることが可能となっている。クランプリング上下駆動アクチュエータ58の近傍には、クランプリング上下ガイド59が設けられていてクランプステージ49に対してクランプリング50が平行に上下動できるように補助している。すなわち、クランプリング上下ガイド59は、4個のクランプリング上下駆動アクチュエータ58が同期駆動することと協働してクランプリング50がクランプステージ49に対して平行(言い換えれば水平に)に上下動できるように補助する。
【0044】
クランプユニット上下駆動アクチュエータ60は、吸着ステージ取付けブロック53を挟んで対称位置の2か所に配置されている。2か所のクランプユニット上下駆動アクチュエータ60は同時及び同期駆動し、クランプステージ49とクランプリング50とで挟持された搬送用リング8を吸着ステージ52に対して平行に昇降し、搬送用リング8と吸着ステージ52(つまりウエハ10)の高さ位置を調整する。搬送用リング8とウエハ10の高さ調整については、図5、図6を参照して説明する。
【0045】
図5は、ウエハ10が吸着ステージ52に真空吸着された状態を模式的に示す断面図である。吸着ステージ52には、多数の真空吸着孔55が設けられており、真空吸着孔55は、吸引路65を経由して真空吸引装置(不図示)に連通している。吸着ステージ52に載置されたウエハ搬送用ユニット2は、ウエハ10の下方側でテープ9を介して真空吸着孔55によって真空吸着される。真空吸着孔55の直径は0.5mm〜1.0mmと従来例よりも小径としているので、吸着力を維持しつつ、ウエハ10が真空吸着孔55に陥没することはない。吸着ステージ52とクランプステージ49の上面は同じ高さでありテープ9は平坦状態である。搬送用リング8は、クランプステージ49とクランプリング50とで挟持される。クランプユニット6は、ウエハ搬送用ユニット2を保持した状態でフラックス印刷装置11に移送される。なお、吸着ステージ52は、吸着ステージ取付けブロック53の上方側端部に取付けられている。
【0046】
[フラックス印刷方法]
図6は、搬送用リング8を下方に引き下げ、テープ9を引き伸ばした状態を模式的に示す断面図である。図4、図5も参照しながら説明する。ウエハ10は、テープ9を介して吸着ステージ52に真空吸着孔55によって真空吸着されている。搬送用リング8は、クランプステージ49とクランプリング50に挟持された状態でウエハ10の上面10aとクランプリング50の上面50aとが同じ高さになるまで下方に引き下げられる。テープ9は、弾性及び伸縮性を有しているために、図6に示すように、吸着ステージ52とクランプステージ49との間において下方側に引き伸ばされる。ウエハ10は真空吸着されているため位置は変化しない。なお、クランプリング50の上面50aが、ウエハ10の上面10aよりも僅かに下方にあるようにしてもよい。このように、ウエハ10の上面10aとクランプリング50の上面50aとを同じ高さ位置にすることによってフラックス印刷及びボール振込を良好に行うことが可能となる。
【0047】
図7は、フラックスFをウエハ10に印刷する動作を示す図である。図7(a)はフラックス印刷動作を模式的に示す断面図、図7(b)は、図7(a)の点線Aで囲まれた範囲を拡大して示す図である(テープ9及び吸着ステージ52の図示は省略)。フラックス印刷は、ウエハ10を吸着ステージ52に真空吸着した状態で、フラックス印刷用マスク13及び印刷用スキージ19を使用して行う。印刷用スキージ19は、フラックス印刷用マスク13を傷つけないように柔軟性を有する樹脂製とする。ウエハ10は、フラックス印刷用マスク13に対して所定の隙間を有して高さが保持されている。ウエハ10の高さ位置は、ステージ上下駆動アクチュエータ46(図4参照)によって調整される。
【0048】
印刷用スキージ19は、フラックス印刷用マスク13をウエハ10に接触する位置まで押圧しつつ図示矢印方向に移動しながらフラックスFをウエハ10の電極37上に印刷する。図7(a)に示すように、クランプリング50の内周側には、ウエハ10に向かって突設される鍔部50bが形成されており、印刷用スキージ19がウエハ10の周縁部まで移動する際に、フラックス印刷用マスク13が必要以上に撓むことを規制している。鍔部50bは、テープ9には接触しない範囲に形成されている。なお、図7(a)において、フラックス印刷用マスク13の撓みは誇張して表している。
【0049】
図7(b)において、左側のマスク開口部34の位置を位置(1)、中間のマスク開口部34の位置を位置(2)、右側のマスク開口部34の位置を位置(3)と表す。ウエハ10には、導電性ボール3を振り込む位置に凹部40が形成されており、凹部40の底部には電極37が形成されている。位置(1)は、印刷用スキージ19がマスク開口部34を通過した直後のフラックスFを表しており、フラックスFはフラックス印刷用マスク13の表面からはみ出ない。そして、フラックスFは、凹部40内において電極37に接触するように収まる。位置(2)は、印刷用スキージ19がマスク開口部34からウエハ10にフラックスFを印刷する直前を表している。位置(3)は、次に印刷するマスク開口部34を表している。スキージ動作終了後にフラックス印刷用マスク13を版離れさせると、フラックスFは電極37に転写されフラックス印刷が完了する。
【0050】
図8は、導電性ボール3をウエハ10に振り込む動作を示す図である。図8(a)はボール振込動作を模式的に示す断面図、図8(b)は、図8(a)の点線Aで囲まれた範囲を拡大して示す図である(テープ9及び吸着ステージ52の図示は省略)。ボール振込は、フラックスFが印刷されたウエハ10を吸着ステージ52に真空吸着した状態でボール振込用マスク26及びブラシスキージ27を使用して行う。ブラシスキージ27は、ボール振込部24下方のブラシ取付け部41に端部が埋め込まれた結束線状部材で構成されている。ボール振込用マスク26は、クランプリング50に設けられた真空吸着溝57(図4参照)によってクランプリング50に真空吸着される。クランプリング50の上面とウエハ10の上面の高さ位置が一致しているので、ボール振込用マスク26はウエハ10及びクランプリング50の両方に密接する。
【0051】
ブラシスキージ27がウエハ10の外周付近まで移動する際に、ボール振込用マスク26の下面を鍔部50bで支持することによってウエハ10の外周付近においてもボール振込が可能となっている。ウエハ10のボール振込用マスク26に対する高さ位置は、ステージ上下駆動アクチュエータ46(図4参照)によって調整される。ブラシスキージ27は、スキージ回転駆動部(不図示)によって回転しつつX軸方向及びY軸方向に移動し、ブラシスキージ27の回転軌跡内に供給される導電性ボール3をボール振込用マスク26のボール振込用孔42(図8(b)参照)に振り込む。
【0052】
図8(b)に示すように、ボール振込用マスク26上に供給された導電性ボール3は、ブラシスキージ27によってボール振込用孔42に1個ずつ振り込まれる。ウエハ10の電極37上にはフラックスFが塗布されている。導電性ボール3は、ブラシスキージ27によってフラックスFに軽く押しつけられることによって、フラックスFの粘着性によって仮固定される。導電性ボール3は、その後の搬送において仮固定された状態が維持される。
【0053】
[ボール搭載方法]
図9は、ボール搭載方法の主要工程を示す工程フロー図である。まず、ローダ4aにストックされているウエハ搬送用ユニット2をプレアライナ5に搬送する(ステップS1)。プレアライナ5では、ウエハ搬送用ユニット2の位置を補正する。具体的には、ウエハ10の中心又はアライメントマークと搬送用リング8の4か所のノッチ8aとの双方のクランプユニット6に対する位置を補正する(ステップS2)。次に、ウエハ搬送用ユニット2をクランプユニット6に搬送する(ステップS3)。クランプユニット6は、吸着ステージ52にウエハ10を真空吸着し、クランプステージ49とクランプリング50によってウエハ搬送用ユニット2の搬送用リング8を挟持する(ステップS4)。次に、ウエハ矯正装置16においてウエハ10の反りを矯正した後、ウエハ搬送用ユニット2をクランプユニット6で挟持した状態で、フラックス印刷装置11に搬送する(ステップS5)。
【0054】
次いで、吸着ステージ52にテープ9を介してウエハ10を真空吸着した状態で、クランプステージ49とクランプリング50で挟持した搬送用リング8を下方に引き下げテープ9を吸着ステージ52の外周を起点に引き伸ばし、ウエハ10の上面10aとクランプリング50の上面50aの高さ位置を合わせる(ステップS6)。ステージ上下駆動アクチュエータ46によってフラックス印刷用マスク13に対するウエハ10の高さ位置を調整し、フラックス印刷用マスク13のマスク開口部34とウエハ10の電極37との位置を合わせた後、印刷用スキージ19を駆動しウエハ10にフラックスFを印刷する(ステップS7)。フラックスFをウエハ10に印刷した後、フラックス印刷用マスク13をウエハ10の上方に移動し、ウエハ搬送用ユニット2をクランプユニット6に挟持した状態でボール振込装置12に搬送する(ステップS8)。
【0055】
ボール振込装置12は、ウエハ10の電極37とボール振込用マスク26のボール振込用孔42との位置合わせを行い、ボール振込用マスク26をクランプリング50に真空吸着する。その後、ブラシスキージ27によってボール振込用孔42から導電性ボール3をウエハ10上に振り込む(ステップS9)。次に、ボール振込用マスク26の真空吸着を解除してウエハ10の上方にボール振込用マスク26を移動(版離れ)し、搬送用リング8を押し上げテープ9の引き伸ばしを解除する(ステップS10)。続いて、導電性ボール3が搭載されたウエハ搬送用ユニット2を保持した状態でクランプユニット6をウエハ矯正装置16の位置まで移送し、ウエハ搬送用ユニット2を搬送ロボット7によってアンローダ4bに搬送し除材する(ステップS11)。
【0056】
以上説明したボール搭載装置1は、伸縮性を有するテープ9が貼着された搬送用リング8の径方向内側に配置され、テープ9の貼着面である表面9a側に仮貼着された搬送用リング8よりも薄いワークとしてのウエハ10に導電性ボール3を搭載する装置である。ボール搭載装置1は、フラックス印刷用マスク13のマスク開口部34からウエハ10にフラックスFを印刷するフラックス印刷装置11と、フラックスFが印刷されたウエハ10上に、ボール振込用マスク26のボール振込用孔42から導電性ボール3を振り込むボール振込装置12とを有している。さらに、ボール搭載装置1は、テープ9を介してウエハ10を真空吸着する吸着ステージ15と、搬送用リング8を厚み方向で挟持するクランプステージ49及びクランプリング50と、ウエハ10の上面10aと搬送用リング8の上面8cとが同じ高さになるまで前記テープを引き伸ばしながら搬送用リング8を引き下げるクランプユニット上下駆動アクチュエータと、を有するクランプユニット6を有している。
【0057】
ボール搭載装置1によれば、クランプユニット6によってウエハ10の上面10aの位置が搬送用リング8の上面8cの位置に対して同じ高さになるまでテープ9を引き伸ばしつつ搬送用リング8を引き下げ、ウエハ10の上面10aと搬送用リング8の上面8cとの段差をなくす。そうすることによって、ボール振込用マスク26とウエハ10とを密接させることが可能となり、導電性ボール3を過不足なくウエハ10に搭載することが可能となる。フラックス印刷においても、ウエハ10の上面10aと搬送用リング8の上面8cとの段差をなくすことによって、ウエハ10の外周付近における印刷用スキージ19の印刷動作に支障がなくなりマスク開口部34からフラックスFをウエハ10上に均一に塗布することが可能となる。
【0058】
又、クランプユニット6は、クランプステージ49の周囲にクランプステージ49に対しクランプリング50を同期された速度で上昇及び降下動作させる複数のクランプリング上下駆動アクチュエータ58を有している。このようにすれば、クランプステージ49とクランプリング50とで搬送用リング8の周囲を均一に挟持することが可能となる。従って、搬送リング8を降下させて吸着ステージ52の周囲360度に亘ってほぼ均一の引張り力でテープ9を引き伸ばすことが可能となり、ウエハ10の位置ずれが発生しない。さらに、搬送リング8を上昇させて引き伸ばし前の状態に復元させることによって、ボール搭載後においてウエハ10のダメージを緩和することが可能となる。
【0059】
又、搬送用リング8の引き下げ量は、搬送用リング8を引き下げる際にテープ9を引き伸ばした後、搬送用リング8を引き下げ前の位置に戻した際に、テープ9が引き伸ばし前の状態に復元可能な範囲内としている。ボール搭載後、テープ9が引き伸ばし状態から引き伸ばし前の状態に復元することによって、搬送用リング8、テープ9及びウエハ10が給材前の初期状態に復元する。従って、テープに撓みが残らず、さらに、搭載された導電性ボール3が搬送用リング8の厚みの範囲内に収まることから除材経路において支障なく搬送及び除材することが可能となる。
【0060】
又、ボール振込用マスク26に対向するクランプリング50の上面50aには、吸着ステージ52の外周から離間した位置でボール振込用マスク26を吸着する真空吸着溝57が設けられている。ウエハ10及び搬送用リング8両者の上面高さは同じであり、ウエハ10は吸着ステージ52で真空吸着され、ボール振込用マスク26はクランプリング50に真空吸着される。従って、ウエハ10とボール振込用マスク26との位置ずれを抑えつつ、平坦なボール振込用マスク26上にブラシスキージ27を移動させることができるので、導電性ボール3をウエハ10上に過不足なく振り込むことが可能となる。
【0061】
クランプリング50は、ウエハ10に向かって突設する鍔部50bを有し、フラックス印刷の際にクランプリング50の上面50aは鍔部50bを含めてウエハ10の上面10aと同じ高さ位置に調整されている。このようにすれば、ウエハ10とクランプリング50両者の上面高さを合わせ、さらに鍔部50bによってウエハ10との平面方向の隙間を抑えながらフラックス印刷用マスク13の下面を支持することができる。このようにすれば、フラックス印刷の際には印刷用スキージ19によってウエハ10の外周付近においてフラックス印刷用マスク13を変形させたり、ウエハ10に過剰な押圧力を加えたりすることを抑制することが可能となる。
【0062】
又、吸着ステージ52は、ウエハ10を真空吸着する際にウエハ10が陥没しない大きさの真空吸着孔55を有している。例えば、従来の真空吸着孔の大きさに対して半分以下(例えば、0.5mm〜1.0mm)にすれば、厚みが200μm以下のウエハ10においても、吸着力を維持しつつ、真空吸着孔55内にウエハ10が陥没を防止することが可能となる。なお、ウエハ10の空吸着孔55内への陥没を防止するためには、真空吸着孔55の直径の最適化の他にテープ9の厚み及び真空圧も最適化させることが好ましい。
【0063】
又、ボール搭載装置1は、クランプユニット6を昇降し、フラックス印刷用マスク13或いはボール振込用マスク26に対するウエハ10の高さ位置を調整するステージ上下駆動アクチュエータ46を有している。このような構成にすれば、ウエハ10とフラックス印刷用マスク13及びボール振込用マスク26との高さ位置を適切に調整できるため、均一なフラックス印刷や過不足のないボール振込を行うことが可能となる。
【0064】
以上説明した実施の形態では、ウエハ10の厚みが搬送用リング8の厚みより薄い場合を例示して説明したが、ウエハ10の厚みが搬送用リング8の厚みよりも厚い場合にも適合できる。このような場合においては、クランプユニット上下駆動アクチュエータ60又はクランプリング上下駆動アクチュエータ58によってクランプリング50の上面50aを上昇させてウエハ10の上面10aとの高さを合わせれば、フラックス印刷及びボール搭載を良好に行うことが可能となる。
【0065】
又、上記実施の形態で説明したボール搭載装置1は、ウエハ10、テープ9及び搬送用リング50がウエハ搬送用ユニット2としてフラックス印刷装置11及びボール振込装置12に搬送している。しかし、ウエハ単体をクランプユニット6の吸着ステージ52に真空吸着してフラックス印刷装置11及びボール振込装置12に搬送し、フラックス印刷及びボール振込を行うことも可能である。
【符号の説明】
【0066】
1…ボール搭載装置、2…ウエハ搬送用ユニット、3…導電性ボール、6…クランプユニット、8…搬送用リング、8c…上面(搬送用リング)、9…テープ、9a…表面(貼着面)、10…ウエハ(ワーク)、10a…上面(ウエハ)、11…フラックス印刷装置、12…ボール振込装置、13…フラックス印刷用マスク、19…印刷用スキージ、ボール振込用マスク、27…ブラシスキージ、34…マスク開口部、42…ボール振込用孔、46…ステージ上下駆動アクチュエータ、49…クランプステージ、50…クランプリング、50a…上面(クランプリング)、50b…鍔部、51…開口部(クランプステージ)、52…吸着ステージ、54…開口部(クランプリング)、55…真空吸着孔、57…真空吸着溝、58…クランプリング上下駆動アクチュエータ、60…クランプユニット上下起動アクチュエータ、F…フラックス
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】