(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019145752
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】オイリーシランの処理装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20190802BHJP
   C01B 33/12 20060101ALI20190802BHJP
   B01D 53/73 20060101ALI20190802BHJP
   B01D 53/68 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !H01L21/31 B
   !C01B33/12 Z
   !B01D53/73
   !B01D53/68 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】2018031210
(22)【出願日】20180223
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
【住所又は居所】東京都大田区羽田旭町11番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(72)【発明者】
【氏名】京谷 敬史
【住所又は居所】東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内
(72)【発明者】
【氏名】駒井 哲夫
【住所又は居所】東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内
(72)【発明者】
【氏名】江田 健
【住所又は居所】東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内
(72)【発明者】
【氏名】落合 俊治
【住所又は居所】東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内
【テーマコード(参考)】
4D002
4G072
5F045
【Fターム(参考)】
4D002AA18
4D002AA26
4D002AC10
4D002BA13
4D002BA20
4D002CA20
4D002DA17
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4D002EA01
4D002EA02
4D002FA05
4D002HA04
4G072AA11
4G072AA25
4G072EE01
4G072GG03
4G072GG04
4G072HH07
4G072JJ11
4G072JJ18
4G072KK03
4G072RR01
4G072RR05
4G072RR12
4G072UU01
5F045AB02
5F045AC03
5F045AC05
5F045AC13
5F045BB20
5F045EG08
(57)【要約】
【課題】半導体製造プロセスから排出されるオイリーシランを排気系から分離回収し、無害化処理するオイリーシランの処理装置および方法を提供する。
【解決手段】半導体製造プロセスのプロセスチャンバー1からケイ素と塩素を含む化合物であるオイリーシランを含む排ガスを真空排気する排気系4に設けられる処理装置であって、プロセスチャンバー1から排出される排ガス中のオイリーシランをプロセスチャンバー1の出口で他のガス成分から分離する分離装置10と、分離装置10から排出される液状のオイリーシランをシリカ又はケイ酸塩又はヘキサフルオロケイ酸イオンの形態で安定化する安定化装置20とを備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造プロセスのプロセスチャンバーからケイ素と塩素を含む化合物であるオイリーシランを含む排ガスを排気する排気系に設けられる処理装置であって、
前記プロセスチャンバーから排出される排ガス中のオイリーシランをシリカ又はケイ酸塩の形態で安定化する安定化装置を備えたことを特徴とするオイリーシランの処理装置。
【請求項2】
半導体製造プロセスのプロセスチャンバーからケイ素と塩素を含む化合物であるオイリーシランを含む排ガスを排気する排気系に設けられる処理装置であって、
前記プロセスチャンバーから排出される排ガス中のオイリーシランをHFによりヘキサフルオロケイ酸イオンの形態で安定化する安定化装置を備えたことを特徴とするオイリーシランの処理装置。
【請求項3】
前記安定化装置は、排ガス中のオイリーシランをアルカリ条件下でシリカ又はケイ酸塩の形態で安定化することを特徴とする請求項1に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項4】
前記オイリーシランを安定化する過程で起こる加水分解反応の終了を、水温、pH、電気伝導度、反応槽から発生するHClガス濃度、反応槽から発生するHガス濃度から選ばれる1種類以上の変化を用いて判定することを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項5】
前記オイリーシランを安定化する過程で起こるSi−Si結合の分解反応終了およびSi−H結合の分解反応終了を、反応槽から発生するHガス濃度、水温から選ばれる1種類以上の変化を用いて判定することを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項6】
前記オイリーシランを安定化する過程で起こるSi−Si結合の分解反応終了および前記Si−H結合の分解反応終了を、反応槽内液の濁度変化によって判定することを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項7】
垂直な2重管の内管にオイリーシランを流して前記反応槽へオイリーシランを滴下し、内管と外管との間に形成される流路にオイリーシランと反応しないガスを流して、オイリーシランの加水分解を抑制するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項8】
オイリーシランの滴下機構の洗浄を、芳香族化合物および有機塩素化合物から選ばれる1種類以上の溶媒によって行うことを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項9】
オイリーシランの滴下機構の洗浄を四塩化ケイ素によって行うことを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項10】
オイリーシランの滴下機構の洗浄を三フッ化塩素ガスによって行うことを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項11】
分離されたオイリーシランを切り替え可能な2個以上の貯槽によって貯留することを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項12】
前記安定化装置の反応槽に、オイリーシランを不活性ガスにより圧送することを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項13】
芳香族化合物、有機塩素化合物および四塩化ケイ素から選ばれる1種類以上の溶媒によってオイリーシランを希釈した後に、前記安定化装置の反応槽に送るようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項14】
芳香族化合物、有機塩素化合物および四塩化ケイ素から選ばれる1種類以上の溶媒によってオイリーシランを希釈した後に、前記加水分解反応と、Si−Si結合の分解反応およびSi−H結合の分解反応を同時に行うことを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項15】
オイリーシランを前記安定化装置の反応槽に送る流路に加熱手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項16】
前記オイリーシランを安定化する過程で起こる加水分解反応時、およびSi−Si結合の分解反応時およびSi−H結合の分解反応時に、反応槽内水温および/または反応槽から発生する水素ガス濃度を監視することを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項17】
プロセス側でオイリーシランと反応性のあるガスが流れる際に、バルブを閉止することにより排気系と前記安定化装置との接続を絶つことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項18】
前記安定化装置の反応槽における気液界面に生成する生成物を除去する手段を有することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項19】
上記除去手段は、スプレーノズルによる散水か反応槽内水位の変化によることを特徴とする請求項18に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項20】
半導体製造プロセスのプロセスチャンバーからケイ素と塩素を含む化合物であるオイリーシランを含む排ガスを排気する排気系で用いられる処理方法であって、
前記プロセスチャンバーから排出される排ガス中のオイリーシランをシリカ又はケイ酸塩の形態で安定化することを特徴とするオイリーシランの処理方法。
【請求項21】
半導体製造プロセスのプロセスチャンバーからケイ素と塩素を含む化合物であるオイリーシランを含む排ガスを排気する排気系で用いられる処理方法であって、
前記プロセスチャンバーから排出される排ガス中のオイリーシランをHFによりヘキサフルオロケイ酸イオンの形態で安定化することを特徴とするオイリーシランの処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造におけるSi単結晶のエピタキシャル成膜プロセス等の半導体製造プロセスから排出される排ガス中に含まれるケイ素と塩素を含む化合物であるオイリーシランを無害化する処理装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造におけるSi単結晶のエピタキシャル成膜プロセスにおいては、原料にジクロロシラン、トリクロロシラン、ヘキサクロロジシラン等のクロロシラン類と、水素ガスを用いて、ウェハ上にSiをエピタキシャル成長させる。この時、プロセスチャンバー内には反応副生成物としてケイ素と塩素を含む化合物であるオイリーシランが生成される。またプロセスチャンバー内には、ポリシリコン等の反応副生成物が堆積するが、この反応副生成物を除去するために、HClガス等の塩素系ガスを用いたクリーニングが行われる。この際にもオイリーシランが生成される。このオイリーシランは室温で液体であり蒸気圧が低く、粘度も高い。この性質により、配管や真空ポンプ等の排気系に溜まるため、オイリーシランを排気系から分離回収し、無害化処理する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−225411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、半導体製造プロセスから排出されるオイリーシランを無害化処理するオイリーシランの処理装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明のオイリーシランの処理装置の一態様は、半導体製造プロセスのプロセスチャンバーからケイ素と塩素を含む化合物であるオイリーシランを含む排ガスを排気する排気系に設けられる処理装置であって、前記プロセスチャンバーから排出される排ガス中のオイリーシランをシリカ又はケイ酸塩の形態で安定化する安定化装置を備えたことを特徴とする。
また、本発明のオイリーシランの処理装置の別の態様は、半導体製造プロセスのプロセスチャンバーからケイ素と塩素を含む化合物であるオイリーシランを含む排ガスを排気する排気系に設けられる処理装置であって、前記プロセスチャンバーから排出される排ガス中のオイリーシランをHFによりヘキサフルオロケイ酸イオンの形態で安定化する安定化装置を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明の好ましい態様は、前記安定化装置は、排ガス中のオイリーシランをアルカリ条件下でシリカ又はケイ酸塩の形態で安定化することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記オイリーシランを安定化する過程で起こる加水分解反応の終了を、水温、pH、電気伝導度、反応槽から発生するHClガス濃度、反応槽から発生するHガス濃度から選ばれる1種類以上の変化を用いて判定することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記オイリーシランを安定化する過程で起こるSi−Si結合の分解反応終了およびSi−H結合の分解反応終了を、反応槽から発生するHガス濃度、水温から選ばれる1種類以上の変化を用いて判定することを特徴とする。
【0007】
本発明の好ましい態様は、前記オイリーシランを安定化する過程で起こるSi−Si結合の分解反応終了および前記Si−H結合の分解反応終了を、反応槽内液の濁度変化によって判定することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、垂直な2重管の内管にオイリーシランを流して前記反応槽へオイリーシランを滴下し、内管と外管との間に形成される流路にオイリーシランと反応しないガスを流して、オイリーシランの加水分解を抑制するようにしたことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、オイリーシランの滴下機構の洗浄を、芳香族化合物および有機塩素化合物から選ばれる1種類以上の溶媒によって行うことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、オイリーシランの滴下機構の洗浄を四塩化ケイ素によって行うことを特徴とする。
【0008】
本発明の好ましい態様は、オイリーシランの滴下機構の洗浄を三フッ化塩素ガスによって行うことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、分離されたオイリーシランを切り替え可能な2個以上の貯槽によって貯留することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記安定化装置の反応槽に、オイリーシランを不活性ガスにより圧送することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、芳香族化合物、有機塩素化合物および四塩化ケイ素から選ばれる1種類以上の溶媒によってオイリーシランを希釈した後に、前記安定化装置の反応槽に送るようにしたことを特徴とする。
【0009】
本発明の好ましい態様は、芳香族化合物、有機塩素化合物および四塩化ケイ素から選ばれる1種類以上の溶媒によってオイリーシランを希釈した後に、前記加水分解反応と、Si−Si結合の分解反応およびSi−H結合の分解反応を同時に行うことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、オイリーシランを前記安定化装置の反応槽に送る流路に加熱手段を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記オイリーシランを安定化する過程で起こる加水分解反応時、およびSi−Si結合の分解反応時およびSi−H結合の分解反応時に、反応槽内水温および/または反応槽から発生する水素ガス濃度を監視することを特徴とする。
【0010】
本発明の好ましい態様は、プロセス側でオイリーシランと反応性のあるガスが流れる際に、バルブを閉止することにより排気系と前記安定化装置との接続を絶つことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記安定化装置の反応槽における気液界面に生成する生成物を除去する手段を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、上記除去手段は、スプレーノズルによる散水か反応槽内水位の変化によることを特徴とする。
【0011】
本発明のオイリーシランの処理方法の一態様は、半導体製造プロセスのプロセスチャンバーからケイ素と塩素を含む化合物であるオイリーシランを含む排ガスを排気する排気系で用いられる処理方法であって、前記プロセスチャンバーから排出される排ガス中のオイリーシランをシリカ又はケイ酸塩の形態で安定化することを特徴とする。
本発明のオイリーシランの処理方法の別の態様は、半導体製造プロセスのプロセスチャンバーからケイ素と塩素を含む化合物であるオイリーシランを含む排ガスを排気する排気系で用いられる処理方法であって、前記プロセスチャンバーから排出される排ガス中のオイリーシランをHFによりヘキサフルオロケイ酸イオンの形態で安定化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、半導体製造プロセスから排出されるオイリーシランを排気系から分離回収し、オイリーシランをシリカ又はケイ酸塩又はヘキサフルオロケイ酸イオンの形態で安定化することができる。したがって、オイリーシランを無害化することができるとともに、配管や真空ポンプ等の排気系にオイリーシランが溜まり、排気系を閉塞する事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明に係るオイリーシランの処理装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】図2は、図1に示す安定化装置の貯槽の詳細構造を示す図であり、貯槽内の液位を検知する液位検知センサを備えた貯槽を示す模式的断面図である。
【図3】図3は、2つの貯槽と2つの貯槽の上下流にある分離装置および反応槽とを模式的に示す図である。
【図4】図4は、図3に示す配管系統における各種状態と各種状態におけるバルブの開閉状態を示す図である。
【図5】図5は、貯槽内に不活性ガスを供給して不活性ガスの圧力によって貯槽内の液体を圧送する構成を示す模式図である。
【図6】図6は、図1に示す安定化装置の反応槽の詳細構造を示す模式的断面図である。
【図7】図7は、反応槽の他の実施形態を示す模式的断面図である。
【図8】図8は、図7に示す滴下機構の詳細構造を示す斜視図である。
【図9】図9は、反応槽のさらに別実施形態を示す模式的断面図である。
【図10】図10は、図6に示すように構成された反応槽による処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、図9に示すように反応槽から生成物を分取する別槽を設けた実施形態における処理手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、反応槽の上流側に気液分離槽を設ける実施形態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るオイリーシランの処理装置および方法の実施形態を図1乃至図12を参照して説明する。図1乃至図12において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明に係るオイリーシランの処理装置の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、半導体製造プロセスのプロセスチャンバー1には、配管2および真空ポンプ3またはブロワー等から構成される排気系4が接続されており、排気系4によってプロセスチャンバー1からケイ素と塩素を含む化合物であるオイリーシランを含む排ガスが排気される。なお、ブロワーを用いる場合は、除害装置5の下流側に設けることが好ましい。プロセスチャンバー1の出口には、プロセスチャンバー1から排出される排ガス中のオイリーシランを他のガス成分から分離する分離装置10が設置されている。分離装置10で分離された他のガス成分は排気系4を介して除害装置5に排気され、除害装置5において無害化処理される。分離装置10の方式はいかなるものでもよいが、例えば以下のものが利用できる。
・冷却水が供給されたウォータージャケットが傾いた排ガス配管の外周に備えられており、冷却によって排ガス中のオイリーシランを凝縮させ、得られた液体を分離する装置/方法。
・特許文献1(特開2016−225411号公報)に示されるような、配管径の変化によってガス流を加速し、慣性衝突によって液滴を捕集する装置/方法。
【0015】
分離装置10から排出された液状のオイリーシランは、安定化装置20(図1において点線で囲った部分)に導入され、安定化装置20において安定化処理される(後述する)。安定化装置20は、分離装置10で分離されたオイリーシランを貯留する複数(図示例では2個)の貯槽21と、複数の貯槽21から圧送されるオイリーシランを反応させて処理する反応槽22とから構成されている。安定化装置20の上流側には、バルブV1が設置されており、プロセス側でオイリーシランと反応性のあるガスが流れる際に、バルブV1を閉止することにより排気系4と安定化装置20との接続を絶つことができる。また、複数の貯槽21の上流側および下流側には、複数のバルブV2〜V8が設置されており、バルブV2〜V8を適宜切替えることにより複数の貯槽21にオイリーシランを貯留し、バルブV2〜V8を適宜切替えることにより複数の貯槽21のうち1つの貯槽21からオイリーシランを反応槽22に送ることができる。
【0016】
各貯槽21には、芳香族化合物、有機塩素化合物および四塩化ケイ素から選ばれる1種類以上の溶媒が供給可能に構成されており、貯槽21内のオイリーシランを希釈できるようになっている。また、各貯槽21の上部には、加圧された不活性ガスが供給可能に構成されており、貯槽21内の希釈されたオイリーシランを不活性ガスにより反応槽22に圧送するようになっている。オイリーシランを反応槽22に圧送する流路には、加熱手段としてのヒーター18が設けられている。このヒーター18によりオイリーシランを加熱することで、オイリーシランの粘度が上昇した場合にも、輸送に必要な不活性ガスの圧力を低減することができる。
【0017】
反応槽22は、液状のオイリーシランをシリカ又はケイ酸塩又はヘキサフルオロケイ酸イオンの形態で安定化する反応を行うように構成されている。液状のオイリーシランをシリカ又はケイ酸塩の形態で安定化する場合、反応槽22は、一つの槽でオイリーシランの加水分解とアルカリ分解の2段階の安定化処理を実施する。処理後に、反応槽22からアルカリ排水が排出される。液状になったオイリーシランは分離装置10の傾斜管(図示しない)に沿って流下し、集液部(図示しない)に集液され、集液部から安定化装置20に送られる。一方、他のガス成分は、排気系4を介して除害装置5に排気される。
【0018】
図2は、図1に示す安定化装置20の貯槽21の詳細構造を示す図であり、貯槽21内の液位を検知する液位検知センサを備えた貯槽21を示す模式的断面図である。図2に示すように、貯槽21の壁面には投光部32と受光部33とを備えた透過型液位検知センサが設置されている。投光部32と受光部33とは互いに対向するように貯槽21の壁面に設置されている。投光部32と貯槽21の壁面との間および受光部33と貯槽21の壁面との間には、それぞれ、光を透過させるための石英窓34が設けられている。このように、貯槽21に透過型液位検知センサを設けることにより、石英窓34に液膜が付着した場合であっても、石英窓34に付着した液膜を透過して、正確に貯槽21内の液位を検知することができる。
【0019】
図3は、2つの貯槽21,21と2つの貯槽21,21の上下流にある分離装置10および反応槽22とを模式的に示す図である。図3に示すように、分離装置10と2つの貯槽21,21との間を接続する各種配管および2つの貯槽21,21と反応槽22との間を接続する各種配管が設けられており、これらの各種配管には切替用バルブV1,V2L,V2R,V3L,V3R,V4L,V4R,V5L,V5Rが設置されている。
【0020】
図4は、図3に示す配管系統における各種状態と各種状態におけるバルブの開閉状態を示す図である。図4に示すように、状態1では、分離装置10と左右の貯槽21,21との間の均圧を図るときの各種バルブの開閉状態を示す。状態2では、左側の貯槽21に集液し、右側の貯槽21が待機状態になるときの各種バルブの開閉状態を示す。状態3では、右側の貯槽21に集液するように切り替え、左側の貯槽21から貯留された液体を反応槽22へ圧送するときの各種バルブの開閉状態を示す。状態4では、左側の貯槽21からの液体の圧送が完了した状態の各種バルブの開閉状態を示す。状態5では、左側の貯槽21を排気して左側の貯槽21と分離装置10との間の均圧を図るときの各種バルブの開閉状態を示す。状態6では、左側の貯槽21の排気が完了し、左側の貯槽21が待機状態になるときの各種バルブの開閉状態を示す。状態7では、左側の貯槽21に集液するように切り替え、右側の貯槽21から貯留された液体を反応槽22へ圧送するときの各種バルブの開閉状態を示す。状態8では、右側の貯槽21からの圧送を完了したときの各種バルブの開閉状態を示す。状態9では、右側の貯槽21を排気して右側の貯槽21と分離装置10との間の均圧を図るときの各種バルブの開閉状態を示す。状態10では、右側の貯槽21の排気が完了し、右側の貯槽21が待機状態になるときの各種バルブの開閉状態を示す。
【0021】
図3および図4に示すように構成することにより、左右の貯槽21,21のいずれか一方から反応槽22への液体の圧送を行うことができる。この場合、左右の貯槽21,21からの圧送は切り替えを速やかに行うことができるため、液体をほぼ途切れることなく反応槽22に圧送することができる。また、左右の貯槽21,21から反応槽22への圧送後には左右の貯槽21,21の排気を速やかに行って、分離装置10と左右の貯槽21,21との均圧を図り、分離装置10から左右の貯槽21,21への液体の集液に支障がないようにしている。
【0022】
図5は、貯槽21内に不活性ガスを供給して不活性ガスの圧力によって貯槽21内の液体を圧送する構成を示す模式図である。図5に示すように、貯槽21内には液体が収容されており、貯槽21には電空レギュレータ35、マスフローコントローラ(マスフロメーター)36を介して不活性ガス(例えば、N)が供給されるようになっている。貯槽21内の圧力が圧力センサ37により測定され、貯槽21内の温度が温度センサ38により測定されるように構成されている。これにより、電空レギュレータ35で所定の圧力Pを設定し、電空レギュレータ35およびマスフローコントローラ(マスフロメーター)36を介して貯槽21内に不活性ガスを供給するが、供給初期においては貯槽21内の圧力が低い状態にあり、不活性ガスを供給し続けることによって徐々に貯槽21内の圧力が上昇していき、最終的に貯槽21内の圧力が一定圧力になる。この一定圧力になったときに初めて貯槽21から反応槽22に供給される液体の量が一定になるため、この状態になって初めて貯槽21から反応槽22への液体の供給を開始する。
【0023】
貯槽21から反応槽22への液体供給は滴下機構23を介して行われる。滴下機構23からの滴下流量は、貯槽21内の圧力P、貯槽21内の液面の上方にある空間の体積Vおよび貯槽21内の不活性ガスの温度Tに基づいてPV=nRTから求めることができる。すなわち、貯槽21内の不活性ガスの容積Vが分かれば、容積Vの増加分だけ貯槽21内から液体が排出されたことになる。したがって、貯槽21内の圧力Pおよび温度Tを測定しつつ、不活性ガスの容積変化分dV/dtを求めることによって、この容積変化分が滴下流量に相当するということになる。この滴下流量は、電空レギュレータ35の圧力調整によって制御することができる。
なお、PV=nRTにおけるnは、貯槽21内の不活性ガスのモル数である。モル数nの時間変化は常時マスフローコントローラ(マスフロメーター)36の実流量信号から求めることができる。Rは気体定数である。また、滴下流量の制御精度を高めるために、必要に応じて貯槽21内の温度を一定に保つ手段を備えることが望ましい。例えば貯槽21を断熱材で覆う、および/またはヒーターによって加温する等、温度Tを一定に保つ手段を持つことが望ましい。
【0024】
図6は、図1に示す安定化装置20の反応槽22の詳細構造を示す模式的断面図である。図6に示すように、反応槽22には、反応槽22内にオイリーシランを滴下する滴下機構23と、反応槽22内の液体を攪拌する回転翼からなる攪拌装置24と、反応槽22内の液体の流れに乱れを生じさせる邪魔板25とが配置されている。攪拌装置24は、回転翼でなくともよく、ポンプの水流等の反応槽22内の液体を攪拌する装置であればよい。図6に示す例では、滴下機構23は1本のノズルから構成されている。反応槽22には給水管から給水されるようになっている。反応槽22の外側には、反応槽22を加熱する複数のヒーター26が配置されている。また、反応槽22には、反応槽22内の液体のpHを測定するpH電極27と、反応槽22内の液体の温度を測定する温度センサ28と、反応槽22から発生する水素ガス濃度を監視するHセンサ29とが設置されている。さらに、反応槽22には、反応槽22の気液界面に生成する生成物に散水して生成物を除去するためのスプレーノズル30が設置されている。なお、生成物を除去する手段として、スプレーノズル30に代えて、反応槽22内水位の変化による手段であってもよい。
【0025】
図7は、反応槽22の他の実施形態を示す模式的断面図である。図7に示すように、反応槽22の底部にはポンプ40の吸込側に接続される吸込配管41が設けられ、ポンプ40の吐出側にはポンプ40から吐出された液体を反応槽22内に移送する吐出配管42が設けられている。吐出配管42は、反応槽22の中段部から反応槽22の液相内に液体を吹き込む配管42aと、反応槽22の上段部から反応槽22の上端部に液体を噴出する配管42bとに分岐している。配管42aから吹き込まれた液体により反応槽22内の液体を攪拌し、配管42bから吹き込まれた液体により反応槽22の内壁面に濡れ壁を形成して壁面への加水分解生成物の付着を防止するようにしている。
【0026】
図8は、図7に示す滴下機構23の詳細構造を示す斜視図である。図8に示すように、滴下機構23は、垂直に配置された2重管から構成されており、2重管の内管23aにオイリーシランを流して反応槽22へオイリーシランを滴下し、内管23aと外管23bとの間に形成される流路にオイリーシランと反応しないガス(例えば、N)を流して、オイリーシランの加水分解を抑制するようにしている。このようにオイリーシランの加水分解を抑制することにより、滴下機構23の閉塞を防止することができる。
【0027】
図9は、反応槽22のさらに別実施形態を示す模式的断面図である。図9に示すように、反応槽22内の液体にオイリーシランを滴下した後の生成物を反応槽22の底部から分取する別槽31を設け、別槽31内に水酸化カリウム(KOH)を注入して、生成物を中和するようにしたものである。この場合、別槽31の大きさでH発生量を決定することができるため、Hの発生量を調整することができる。
【0028】
図10は、図6に示すように構成された反応槽22による処理手順を示すフローチャートである。図10に示すように、まず、反応槽22に給水される(ステップS1)。反応槽22内に所定量の水が供給されると、攪拌装置24による攪拌が開始され(ステップS2)、滴下機構23からオイリーシランが反応槽22内の水面上に滴下される(ステップS3)。前述したように、オイリーシランは溶媒によって希釈された後に滴下機構23から滴下される。このオイリーシランの滴下により、オイリーシランと反応槽22内の水が反応してオイリーシランの加水分解反応が起こる(ステップS4)。プロセスチャンバー1から排出されるオイリーシランには、SiCl10(デカクロロテトラシラン)、SiCl12(ドデカクロロペンタシラン)、SiCl14(テトラデカクロロヘキサシラン)、SiCl12、SiCl10(デカクロロシクロペンタシラン)、SiCl13H等が含まれる。
【0029】
オイリーシランの加水分解反応は、例えば次式(1)(2)で表すことができる。オイリーシランがSiCl10、SiCl12である場合の加水分解反応を以下に示す。
SiCl10+10HO → Si(OH)10+10HCl・・・(1)
SiCl12+14HO → Si(OH)14+12HCl+2H・・・(2)
なお、SiCl12のようにH原子を含むものの場合、式(2)のようにHとして脱離せず、次式(2’)のような加水分解反応で停止する場合もあると考えられる。
SiCl12+12HO → Si(OH)12+12HCl・・・(2’)
【0030】
オイリーシランの加水分解反応時、反応槽22内の水温および/または反応槽22から発生する水素ガス濃度を監視する。この監視により、反応槽22内の水温を40℃〜60℃に制御する。この場合、反応槽22内の水温の制御を、反応槽22内への水の注入またはオイリーシラン滴下の停止または反応槽22を加熱するヒーター26の電源断により行う。前記加水分解反応の終了を、水温、pH、電気伝導度、反応槽22から発生するHClガス濃度、反応槽22から発生するHガス濃度から選ばれる1種類以上の変化を用いて判定する。
式(1)、式(2)で例示した加水分解反応で生じたSi(OH)10やSi(OH)14は、次式のような構造を持つと考えられている。
【化1】
【化2】
これらの構造はSi−Si結合を含んでおり、乾燥すると衝撃や加熱により爆発を起こす性質があるので、さらに安定化を進める必要がある。
また、式(2’)で例示した加水分解反応で生じたSi(OH)12は次式のような構造を持つと考えられ、Si−Si結合の他にSi−H結合を含む。Si−H結合もまた、乾燥すると衝撃や加熱により爆発を行う性質があるので、さらに安定化を進める必要がある。
【化3】
【0031】
次に、反応槽22内にアルカリを添加し(ステップS5)、Si−Si結合の分解反応およびSi−H結合の分解反応により、シリカ又はケイ酸塩の形態にする(ステップS6)。前記加水分解反応(ステップS4)と、Si−Si結合の分解反応およびSi−H結合の分解反応(ステップS6)を同時に行うようにしてもよい。
ただし、ステップS4とステップS6を同時に実施すると、反応が激しく起こるので、必要に応じてオイリーシランの滴下速度を小さくし、および/または溶媒(四塩化ケイ素)による希釈を行った後に滴下することが望ましい。
【0032】
前記Si−Si結合の分解反応および前記Si−H結合の分解反応は、アルカリ性水溶液内で行い、例えば、次式(3)(4)で表すことができる。
【化4】
【化5】
これらの反応により、Si−Si結合やSi−H結合を失った生成物は、下式(5)によりシリカを経てケイ酸塩となり溶解する。
【化6】
また、前記Si−Si結合の分解反応および前記Si−H結合の分解は、HFによるヘキサフルオロケイ酸イオン(SiF2−)の生成反応によっても実現可能であり、その反応は例えば、次式(6)(7)(7’)で表すことができる。
Si(OH)10+24HF → 8H+4SiF2−+10HO+3H・・・(6)
Si(OH)14+36HF → 12H+6SiF2−+14HO+5H・・・(7)
Si(OH)12+36HF → 12H+6SiF2−+12HO+7H・・・(7’)
【0033】
前記Si−Si結合の分解反応時およびSi−H結合の分解反応時に、反応槽22内水温および/または反応槽22から発生する水素ガス濃度を監視する。この監視により、反応槽22内の水温を40℃〜60℃に制御する。この場合、反応槽22内の水温の制御を、反応槽22を加熱するヒーター26の電源断により行う。
前記Si−Si結合の分解反応終了および前記Si−H結合の分解反応終了を、反応槽22から発生するHガス濃度、水温から選ばれる1種類以上の変化を用いて判定する。前記Si−Si結合の分解反応および前記Si−H結合の分解反応の終了を、反応槽内液の濁度変化によって判定してもよい。Si−Si結合の分解反応およびSi−H結合の分解反応が終了したら、攪拌装置24による攪拌を停止する(ステップS7)。その後、反応槽22から排水し(ステップS8)、オイリーシランの滴下機構23の洗浄を行う(ステップS9)。この場合、オイリーシランの滴下機構23の洗浄を、芳香族化合物および有機塩素化合物から選ばれる1種類以上の溶媒によって行う。また、オイリーシランの滴下機構23の洗浄を四塩化ケイ素によって行うこともできる。さらに、オイリーシランの滴下機構23の洗浄を三フッ化塩素ガスよって行うこともできる。ただし、三フッ化塩素ガスとオイリーシランの反応は激しく大きな発熱を伴うものなので、必要に応じて、窒素等の不活性ガスで希釈した三フッ化塩素ガスを用いたり、洗浄を減圧下で実施するとよい。
洗浄が終了したら、再び反応槽22へ給水し(ステップS1)、上述した工程を繰り返す。このように、本発明の反応槽22においては、単一の反応槽で回分式で処理を行うようにしている。
【0034】
図11は、図9に示すように反応槽22から生成物を分取する別槽31を設けた実施形態における処理手順を示すフローチャートである。図11に示すように、ステップS4とステップS5との間に、大きな容量の反応槽22から小さな容量の別槽31に液体を移送する工程(ステップS4’)が入る。他の工程は図10に示す通りである。図11に示すように、別槽31がある実施形態の場合には、反応槽22から別槽31に移送されて別槽31においてアルカリ(KOH)を添加して中和するが、この移送工程(ステップS4’)とアルカリの添加工程(ステップS5)は反応槽22内の液体がなくなるまで繰り返される。
【0035】
図12は、反応槽22の上流側に気液分離槽45を設ける実施形態を示す模式図である。図1に示す実施形態では、貯槽21から反応槽22には、液体と不活性ガスとが気液混合されたような状態で送られてくる場合があるため、図12に示す実施形態では、不活性ガスと液体とを気液分離するための気液分離槽45を反応槽22の上流側に設けたものである。気液分離槽45を設けることによって、反応槽22へは液体のみを移送することができる。
【0036】
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
また、処理対象はオイリーシラン以外であっても類似の性質を持つ液体、例えばオルトケイ酸テトラエチル(TEOS:Tetraethyl Orthosilicate)や三臭化ホウ素(BBr)などと水と反応して加水分解するような液体の処理にも利用できる。
【符号の説明】
【0037】
1 プロセスチャンバー
2 配管
3 真空ポンプ
4 排気系
5 除害装置
10 分離装置
11 傾斜管
18 ヒーター
20 安定化装置
21 貯槽
22 反応槽
23 滴下機構
23a 内管
23b 外管
24 攪拌装置
25 邪魔板
26 ヒーター
27 pH電極
28 温度センサ
29 Hセンサ
30 スプレーノズル
31 別槽
32 投光部
33 受光部
34 石英窓
35 電空レギュレータ
36 マスフローコントローラ(マスフロメーター)
37 圧力センサ
38 温度センサ
40 ポンプ
41 吸込配管
42 吐出配管
42a,42b 配管
45 気液分離槽
V1〜V8 バルブ
V2L,V2R,V3L,V3R,V4L,V4R,V5L,V5R バルブ
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【手続補正書】
【提出日】20181107
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造プロセスのプロセスチャンバーからケイ素と塩素を含む化合物であるオイリーシランを含む排ガスを排気する排気系に設けられる処理装置であって、
前記プロセスチャンバーから排出される排ガス中のオイリーシランをシリカ又はケイ酸塩の形態で安定化する安定化装置を備えたことを特徴とするオイリーシランの処理装置。
【請求項2】
半導体製造プロセスのプロセスチャンバーからケイ素と塩素を含む化合物であるオイリーシランを含む排ガスを排気する排気系に設けられる処理装置であって、
前記プロセスチャンバーから排出される排ガス中のオイリーシランをHFによりヘキサフルオロケイ酸イオンの形態で安定化する安定化装置を備えたことを特徴とするオイリーシランの処理装置。
【請求項3】
前記安定化装置は、排ガス中のオイリーシランをアルカリ条件下でシリカ又はケイ酸塩の形態で安定化することを特徴とする請求項1に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項4】
前記オイリーシランを安定化する過程で起こる加水分解反応の終了を、水温、pH、電気伝導度、反応槽から発生するHClガス濃度、反応槽から発生するHガス濃度から選ばれる1種類以上の変化を用いて判定することを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項5】
前記オイリーシランを安定化する過程で起こるSi−Si結合の分解反応終了およびSi−H結合の分解反応終了を、反応槽から発生するHガス濃度、水温から選ばれる1種類以上の変化を用いて判定することを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項6】
前記オイリーシランを安定化する過程で起こるSi−Si結合の分解反応終了および前記Si−H結合の分解反応終了を、反応槽内液の濁度変化によって判定することを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項7】
垂直な2重管の内管にオイリーシランを流して前記安定化装置の反応槽へオイリーシランを滴下し、内管と外管との間に形成される流路にオイリーシランと反応しないガスを流して、オイリーシランの加水分解を抑制するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項8】
オイリーシランの滴下機構の洗浄を、芳香族化合物および有機塩素化合物から選ばれる1種類以上の溶媒によって行うことを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項9】
オイリーシランの滴下機構の洗浄を四塩化ケイ素によって行うことを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項10】
オイリーシランの滴下機構の洗浄を三フッ化塩素ガスによって行うことを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項11】
分離されたオイリーシランを切り替え可能な2個以上の貯槽によって貯留することを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項12】
前記安定化装置の反応槽に、オイリーシランを不活性ガスにより圧送することを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項13】
芳香族化合物、有機塩素化合物および四塩化ケイ素から選ばれる1種類以上の溶媒によってオイリーシランを希釈した後に、前記安定化装置の反応槽に送るようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項14】
芳香族化合物、有機塩素化合物および四塩化ケイ素から選ばれる1種類以上の溶媒によってオイリーシランを希釈した後に、加水分解反応と、Si−Si結合の分解反応およびSi−H結合の分解反応を同時に行うことを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項15】
オイリーシランを前記安定化装置の反応槽に送る流路に加熱手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項16】
前記オイリーシランを安定化する過程で起こる加水分解反応時、およびSi−Si結合の分解反応時およびSi−H結合の分解反応時に、反応槽内水温および/または反応槽から発生する水素ガス濃度を監視することを特徴とする請求項1または2に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項17】
プロセス側でオイリーシランと反応性のあるガスが流れる際に、バルブを閉止することにより排気系と前記安定化装置との接続を絶つことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項18】
前記安定化装置の反応槽における気液界面に生成する生成物を除去する手段を有することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項19】
前記除去手段は、スプレーノズルによる散水か反応槽内水位の変化によることを特徴とする請求項18に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項20】
前記安定化装置の反応槽にポンプの吸込側に接続される吸込配管を設け、前記ポンプの吐出側に液体を前記反応槽に移送する吐出配管を設け、前記吐出配管から吹き込まれた液体により前記反応槽内の液体を攪拌することを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項21】
前記安定化装置の反応槽内の生成物を分取する別槽を設け、前記別槽内にアルカリを添加し、発生する水素ガスの量を調整することを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載のオイリーシランの処理装置。
【請求項22】
半導体製造プロセスのプロセスチャンバーからケイ素と塩素を含む化合物であるオイリーシランを含む排ガスを排気する排気系で用いられる処理方法であって、
前記プロセスチャンバーから排出される排ガス中のオイリーシランをシリカ又はケイ酸塩の形態で安定化することを特徴とするオイリーシランの処理方法。
【請求項23】
半導体製造プロセスのプロセスチャンバーからケイ素と塩素を含む化合物であるオイリーシランを含む排ガスを排気する排気系で用いられる処理方法であって、
前記プロセスチャンバーから排出される排ガス中のオイリーシランをHFによりヘキサフルオロケイ酸イオンの形態で安定化することを特徴とするオイリーシランの処理方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の好ましい態様は、前記オイリーシランを安定化する過程で起こるSi−Si結合の分解反応終了および前記Si−H結合の分解反応終了を、反応槽内液の濁度変化によって判定することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、垂直な2重管の内管にオイリーシランを流して前記安定化装置の反応槽へオイリーシランを滴下し、内管と外管との間に形成される流路にオイリーシランと反応しないガスを流して、オイリーシランの加水分解を抑制するようにしたことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、オイリーシランの滴下機構の洗浄を、芳香族化合物および有機塩素化合物から選ばれる1種類以上の溶媒によって行うことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、オイリーシランの滴下機構の洗浄を四塩化ケイ素によって行うことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の好ましい態様は、芳香族化合物、有機塩素化合物および四塩化ケイ素から選ばれる1種類以上の溶媒によってオイリーシランを希釈した後に、加水分解反応と、Si−Si結合の分解反応およびSi−H結合の分解反応を同時に行うことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、オイリーシランを前記安定化装置の反応槽に送る流路に加熱手段を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記オイリーシランを安定化する過程で起こる加水分解反応時、およびSi−Si結合の分解反応時およびSi−H結合の分解反応時に、反応槽内水温および/または反応槽から発生する水素ガス濃度を監視することを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明の好ましい態様は、プロセス側でオイリーシランと反応性のあるガスが流れる際に、バルブを閉止することにより排気系と前記安定化装置との接続を絶つことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記安定化装置の反応槽における気液界面に生成する生成物を除去する手段を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記除去手段は、スプレーノズルによる散水か反応槽内水位の変化によることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記安定化装置の反応槽にポンプの吸込側に接続される吸込配管を設け、前記ポンプの吐出側に液体を前記反応槽に移送する吐出配管を設け、前記吐出配管から吹き込まれた液体により前記反応槽内の液体を攪拌することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記安定化装置の反応槽内の生成物を分取する別槽を設け、前記別槽内にアルカリを添加し、発生する水素ガスの量を調整することを特徴とする。