(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019145838
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】シールドケースの実装方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20190802BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !H05K13/04 B
   !H05K9/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】2019087507
(22)【出願日】20190507
(62)【分割の表示】2015120590の分割
【原出願日】20150615
(71)【出願人】
【識別番号】501398606
【氏名又は名称】富士通コンポーネント株式会社
【住所又は居所】東京都品川区東品川四丁目12番4号
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】村永 正和
【住所又は居所】東京都品川区東品川四丁目12番4号 富士通コンポーネント株式会社内
【テーマコード(参考)】
5E321
5E353
【Fターム(参考)】
5E321AA02
5E321CC12
5E321GG01
5E321GG05
5E353BB07
5E353CC03
5E353EE21
5E353EE23
5E353JJ02
5E353KK01
5E353KK14
5E353MM08
5E353QQ12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シールドケースの上面全体が撮影されなくても、回路基板上の正確な位置に実装されることが可能なシールドケースの実装方法を提供する。
【解決手段】シールドケース11は、側面から外側に向けて突出する爪部11cを備えている。実装装置のマイコンが爪部11cを起点としてシールドケース11の中央点の位置を算出し、駆動部が、算出された中央点の位置に基づいて、シールドケース11を回路基板12上の正確な位置に実装する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空箱状であり、且つ側面から外側に向けて突出する爪部を備えているシールドケースの一部を上方から撮影し、
撮影画像から、前記爪部を起点として前記シールドケースの第1中央点の座標を算出し、
当該算出された第1中央点の座標を回路基板の所望の位置に設定し、
当該設定された所望の位置の座標に基づいて前記シールドケースを移動させることを特徴とするシールドケースの実装方法。
【請求項2】
前記撮影画像は、前記シールドケースに重なる矩形領域であり且つ矩形の4隅の少なくともいずれか1箇所が前記爪部と接する領域である第1領域を含み、
前記撮影画像から前記爪部の座標及び前記第1領域の第2中央点を検出し、
前記シールドケース及び前記第1領域の寸法、並びに前記爪部に近接した前記シールドケースの角から当該爪部までの距離を使ってオフセット量を算出し、当該算出されたオフセット量を前記第1領域の第2中央点の座標に加算することで前記シールドケースの第1中央点の座標を算出することを特徴とする請求項1に記載のシールドケースの実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールドケースの実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チップコンデンサのグランド端子をシールドケースの内壁に当接させて半田付けすることにより、回路基板上におけるシールドケースの位置決めを行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。図1(A),(B)は、チップコンデンサ2が搭載された回路基板1及びシールドケース3の斜視図である。図1(C)は、図1(A)の回路基板1上にシールドケース3が搭載された場合のチップコンデンサ2の周辺を示す部分拡大図である。図1(D)は、図1(B)の回路基板1上にシールドケース3が搭載された場合のチップコンデンサ2の周辺を示す部分拡大図である。図1(C),(D)において、チップコンデンサ2のグランド端子2aはシールドケース3の内壁に半田付けされる。
【0003】
また、図1(E)に示すように、シールドケース3は、バネ性を有する形状に形成され且つチップコンデンサ2のグランド端子2aを付勢する腕部3aを有する場合がある。この場合、シールドケース3はチップコンデンサ2及び腕部3aによって位置決めされる。
【0004】
さらに、シールドケースの上面に認識マーク又は穴を設け、実装装置の画像認識により、シールドケースの位置決めを行う技術が知られている(例えば、特許文献2,3参照)。図2(A)は、シールドケース5の上面に認識マーク6が形成されている例を示す図であり、図2(B)は、回路基板7に搭載されたシールドケース8の上面に穴9が形成されている例を示す図である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−329322号公報
【特許文献2】特開2000−216600号公報
【特許文献3】特開2009−212412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、実装装置がシールドケースの画像認識によりシールドケースの位置決めを行う場合、シールドケースの外形全体を認識するか又は、図2(A),(B)に示すような認識マーク又は穴などがシールドケースに無いと、実装装置がシールドケースの位置を把握できないという問題がある。さらに、図2(A),(B)に示すようにシールドケースの上面に認識マーク又は穴を設ける場合、実装装置がシールドケースの上面全体の認識マークまたは、穴全体を認識(撮影)しないと、実装装置がシールドケースの位置を把握できないという問題がある。
【0007】
本発明は、シールドケースの上面全体が撮影されなくても、回路基板上の正確な位置に実装されることが可能なシールドケースの実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、明細書に開示されたシールドケースの実装方法は、中空箱状であり、且つ側面から外側に向けて突出する爪部を備えているシールドケースの一部を上方から撮影し、撮影画像から、前記爪部を起点として前記シールドケースの第1中央点の座標を算出し、当該算出された第1中央点の座標を回路基板の所望の位置に設定し、当該設定された所望の位置の座標に基づいて前記シールドケースを移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シールドケースの上面全体が撮影されなくても、回路基板上の正確な位置に実装されることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1(A),(B)は、チップコンデンサが搭載された回路基板及びシールドケースの斜視図である。図1(C)は、図1(A)の回路基板上にシールドケースが搭載された場合のチップコンデンサの周辺を示す部分拡大図である。図1(D)は、図1(B)の回路基板上にシールドケースが搭載された場合のチップコンデンサの周辺を示す部分拡大図である。図1(E)は、シールドケースの変形例を示す部分拡大図である。
【図2】図2(A)は、シールドケースの上面に認識マークが形成されている例を示す図である。図2(B)は、回路基板に搭載されたシールドケースの上面に穴が形成されている例を示す図である。
【図3】図3(A)は、本実施の形態に係るシールドケースの展開図である。図3(B)は、本実施の形態に係るシールドケースの変形例の展開図である。
【図4】図4は、シールドケース及び回路基板の斜視図である。
【図5】図5(A)は、図3(A)のシールドケース及び回路基板の上面図である。図5(B)は、図5(A)のA−A線の断面図である。
【図6】シールドケースの参考例を示す図である。
【図7】図7は、シールドケースを回路基板へ搭載するシステムの概略構成を示す図である。
【図8】図8(A)は、撮影画像と従来のシールドケースとの関係を示す図である。図8(B)は、撮影画像と本実施の形態に係るシールドケースとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図3(A)は、本実施の形態に係るシールドケースの展開図である。図3(B)は、本実施の形態に係るシールドケースの変形例の展開図である。図4は、シールドケース及び回路基板の斜視図である。図4では、図3(A)のシールドケースが使用されている。
【0013】
図3(A)のシールドケース11は、洋白(銅合金)で構成され、上面部11aと、点線20aで折り曲げられる側面部11b及び11dとを備えている。側面部11bは、点線20bで折り曲げることによってシールドケース11の外側に向けて突出する複数の爪部11cを備えている。なお、爪部11cは、側面部11dに設けられてもよく、又は側面部11b及び11dの両方に設けられてもよい。また、爪部11cの個数は1つでも複数でもよい。1つの爪部11cの両脇には、高さh2の切り込み部11eが形成されている。この場合、爪部11cの高さもh2である。尚、側面部11b及び11dの高さはh1であり、高さh2よりも長い(高い)。つまり、爪部11cの高さh2は側面部11b及び11dの高さh1よりも短い(低い)。
【0014】
図3(B)のシールドケース11’は、切り込み部11e及び爪部11cの高さがh1である点で図3(A)のシールドケース11と異なる。図3(B)のシールドケース11’の他の構成要素は、図3(A)のシールドケース11の対応する構成要素と同一である。
【0015】
図4の中空箱状のシールドケース11の製法では、洋白(銅合金)を材料とするシートから、図3(A)に示すようなシールドケース11が型抜きされる。そして、図3(A)の点線20a及び20bでプレス加工することで、図4に示すような中空のシールドケース11が形成される。図3(A)のシールドケース11では、点線20bで各爪部11cを折り曲げた後、点線20aで側面部11b及び11dを折り曲げる。従って、折り曲げ位置を変えて2回のプレス加工で中空のシールドケース11が形成される。図3(B)のシールドケース11’では、点線20aで側面部11b及び11dを折り曲げ、同じ点線20aで各爪部11cを側面部11bとは異なる角度で折り曲げる。従って、折り曲げ位置を変える必要がなく、1回のプレス加工で中空のシールドケース11’が形成される。
【0016】
図4の回路基板12は、不図示の電子部品が実装される実装領域12aと、半田及びシールドケース11が装着されるランド領域12bとを含む。シールドケース11は、実装領域12aに実装された電子部品からの電磁波の漏れや外部からの電磁波の流入を遮断する。各爪部11cは、実装領域12aに実装された電子部品と接触せずに、電子部品から分離する。
【0017】
図5(A)は、図3(A)のシールドケース11及び回路基板12の上面図であり、図5(B)は、図5(A)のA−A線の断面図である。図5(A)に示すように、各爪部11cは、シールドケース11が取り付けられた回路基板12の端面からはみ出さないように、半田を介して回路基板12上に固定される。図5(B)に示すように、半田13の厚み(即ち、シールドケース11の実装時に使用される、不図示のメタルマスクの厚み)h4は、回路基板12から各爪部11cの先端までの高さh3よりも大きい。つまり、各爪部11cの先端は、回路基板12上の半田13に接触し、回路基板12に固定される。
【0018】
図6は、シールドケースの参考例を示す図である。図6のシールドケース111は、L字状に形成された複数の端子111aを備えている。図6では、L字状に形成された端子111aの底面が回路基板112のランド領域112bに半田付けされるため、ランド領域112bの面積を大きくする必要があり、実装領域112aが小さくなる。これに対し、図3(A)のシールドケース11及び図3(B)のシールドケース11’は、上面視で略矩形であり、矩形の4隅にL字状の端子を備えていないので、ランド領域12bを小さくして、実装領域12aを大きくできる。従って、シールドケース111に比べて、シールドケース11,11’で覆われるモジュールの小型化を実現でき、さらに、高密度実装が実現できる。
【0019】
図7は、シールドケースを回路基板へ搭載するシステムの概略構成を示す図である。このシステムは、シールドケース11又は11’を回路基板12へ実装するための実装装置100を備えている。実装装置100は、各種の計算処理や設定処理を行うマイコン101と、シールドケース11又は11’を移動させる駆動部102と、シールドケース11又は11’を上方から撮影するカメラ103とを備えている。
【0020】
マイコン101が、カメラ103の撮影画像から、シールドケースの中心座標を検出して、検出された中心座標を回路基板12の座標系(即ち、所望の位置)に設定する。駆動部102は、設定された所望の位置の座標に基づいてシールドケース11又は11’を移動させる。これにより、シールドケース11又は11’が回路基板12の所望の位置に配置される。
【0021】
図8(A)は、撮影画像と従来のシールドケースとの関係を示す図である。図8(B)は、撮影画像と本実施の形態に係るシールドケースとの関係を示す図である。
【0022】
図8(A)において、符号30はカメラ103の撮影画像を示し、符号31は従来のシールドケース41の認識マーク42を検出するための認識領域(第1領域)である。認識領域31は、撮影画像30の中央に設定されている所定のサイズの領域である。シールドケース41は、爪部11cを備えておらず、上面に認識マーク42が形成されている。尚、2つの認識マーク42はシールドケース41の対角線上に配置され、2つの認識マーク42の平均座標がシールドケース41の中心座標に一致する。
【0023】
以下、図8(A)において、シールドケース41を回路基板12へ搭載する方法を説明する。カメラ103は、認識領域31内にシールドケース41の外形全体を映し出す。マイコン101は、2つの認識マーク42を検出し、2つの認識マーク42の座標からシールドケース41の中心座標を検出する。そして、マイコン101は、検出された中心座標を回路基板12の座標系(即ち、所望の位置)に設定する。駆動部102は、設定された所望の位置の座標に基づいてシールドケース41を移動させる。これにより、シールドケース41が回路基板12の所望の位置に配置される。
【0024】
以下、図8(B)において、シールドケース11又は11’を回路基板12へ搭載する方法を説明する。図8(B)では、シールドケース11又は11’のサイズが19.6mm×25.1mmであるとする。また、認識領域31のサイズは15mm×15mmである。さらに、カメラ103はX方向に移動できず、Y方向に約30mm移動できるものとする。なお、認識領域31は、撮影画像内のシールドケース11又は11’に重なる矩形領域であり、矩形の4隅の少なくともいずれか1箇所が爪部11cと接する領域である。
【0025】
まず、カメラ103が、シールドケース11又は11’の側面の一部を撮影するように、カメラ103や駆動部102の設定が行われる。Y方向がカメラ103の移動方向であるため、カメラ103は連続的に図中の上から下に移動されながら、爪部11cが写るまでシールドケース11又は11’を撮影する。
【0026】
マイコン101は撮影画像30から爪部11cをシールドケース11又は11’のリード部分(つまり基準点)P1として検出し、シールドケース11又は11’の爪部11c間のピッチ(Y方向21.1mm、X方向19.6mm)の設定を行い、カメラ103の認識領域31の仮想中央点P2(Y方向7.5mm、X方向7.5mm)の座標を検出する。
【0027】
マイコン101は、シールドケース11又は11’の寸法、認識領域31の寸法、並びに爪部11cに近接したシールドケース11又は11’の角から当該爪部11cまでの距離(2mm)を使って、認識領域31の仮想中央点P2の座標をシールドケース11又は11’の中央点N1に一致させるオフセット量を算出し、当該オフセット量を認識領域31の仮想中央点P2の座標に加算し、シールドケース11又は11’の中央点N1の座標を算出する。具体的には、マイコン101は、仮想中央点P2のY座標を3.05mm(=25.1/2−7.5−2)だけオフセットすることでシールドケース11又は11’の中央点N1のY座標を算出する。同様に、マイコン101は、仮想中央点P2のX座標を2.3mm(=19.6/2−7.5)だけオフセットすることでシールドケース11又は11’の中央点N1のX座標を算出する。これにより、シールドケース11又は11’の中央点N1の座標が算出される。そして、マイコン101は、算出された中央点N1の座標を回路基板12の座標系(即ち、所望の位置)に設定する。駆動部102は、設定された所望の位置の座標に基づいてシールドケース11又は11’を移動させる、つまり、シールドケース11又は11’の中央点N1が設定された所望の位置の座標に一致するようにシールドケース11又は11’を移動させる。これにより、シールドケース11又は11’が回路基板12の所望の位置に配置される。
【0028】
このように、図8(B)のシールドケースの搭載方法では、カメラ103がシールドケース11又は11’の爪部11cを含むようにシールドケース11又は11’の一部分を撮影することで、マイコン101が爪部11cを起点としてシールドケース11又は11’の中央点N1の座標を算出する。従って、図8(A)のように、シールドケースの上面全体を撮影する必要がない。つまり、2つの認識マークを検出することでシールドケースの中心座標を検出する必要がない。
【0029】
図8(B)では、シールドケース11又は11’の上面全体が撮影されなくても、シールドケース11又は11’は、回路基板12上の正確な位置に実装される。よって、図8(B)のシールドケースの搭載方法は、様々なサイズのシールドケースに対応可能である。また、図8(A)のシールドケースの搭載方法では、カメラ103は、認識領域31内にシールドケース41の外形全体を映し出す必要がある。このため、認識領域31内にシールドケースの外形全体を映し出すことができない場合には、カメラ103のレンズを交換したり、又は広角で撮影可能な別カメラに交換する必要があるが、図8(B)のシールドケースの搭載方法では、カメラ103が爪部11cを含むようにシールドケース11又は11’の一部分を撮影すれば十分なので、カメラ103のレンズ又はカメラ103自体を交換する必要がない。
【0030】
以上説明したように、本実施の形態によれば、シールドケース11又は11’は、側面から外側に向けて突出する爪部11cを備えている。従って、実装装置100のマイコン101が爪部11cを起点としてシールドケース11又は11’の中央点N1の位置を算出することができ、駆動部102が、算出された中央点N1の位置に基づいて、シールドケース11又は11’を回路基板12上の正確な位置に実装することができる。よって、シールドケース11又は11’の上面全体が撮影されなくても、シールドケース11又は11’は、回路基板12上の正確な位置に実装される。
【0031】
また、本実施の形態によれば、シールドケース11又は11’の上面部11aに認識マークを設ける必要がないので、認識マークの位置や大きさを気にせず、上面部11aに情報を自由に記載することができる。また、シールドケース11又は11’の上面部11aに穴を設ける必要がないので、外部からの電磁波を十分に遮蔽でき、シールドケース内の電子部品にノイズが発生することを回避できる。
【0032】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0033】
11,11’ シールドケース
11a 上面部
11b,11d 側面部
11c 爪部
12 回路基板
13 半田
30 撮影画像
31 認識領域
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】