(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019145848
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】部品実装システムおよび部品実装方法ならびに補正値算出装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20190802BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !H05K13/04 M
   !H05K13/08 Q
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】2019108049
(22)【出願日】20190610
(62)【分割の表示】2017002995の分割
【原出願日】20170112
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区城見2丁目1番61号
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100115554
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 幸一
(72)【発明者】
【氏名】谷口 昌弘
【住所又は居所】大阪府門真市松葉町2番7号 パナソニックスマートファクトリーソリューションズ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】永冶 利彦
【住所又は居所】大阪府門真市松葉町2番7号 パナソニックスマートファクトリーソリューションズ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】古市 聖
【住所又は居所】大阪府門真市松葉町2番7号 パナソニックスマートファクトリーソリューションズ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】木原 正宏
【住所又は居所】大阪府門真市松葉町2番7号 パナソニックスマートファクトリーソリューションズ株式会社内
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353AA02
5E353CC04
5E353CC05
5E353CC13
5E353EE02
5E353EE62
5E353JJ02
5E353KK01
5E353KK11
5E353LL06
5E353QQ11
5E353QQ12
(57)【要約】
【課題】装置変動の影響による部品の実装位置ずれを精度良く補正することができる部品実装システムおよび部品実装方法ならびに補正値算出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】基板に部品を実装する部品実装工程(ST2)と、基板に実装された部品の正規位置からの位置ずれ量を取得する位置ずれ量取得工程(ST10)と、取得された位置ずれ量に基づき、部品実装工程(ST2)における実装動作を補正するフィードバック補正値を算出する補正値算出工程(ST7)と、を含んでいる。そして、補正値算出工程(ST7)において、分割エリア内に実装された部品の位置ずれ量から基板上の複数の分割エリア毎のフィードバック補正値が算出され、部品実装工程(ST2)において、フィードバック補正値を用いて実装動作が補正される。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装ヘッドを有する部品実装部を複数有し、各々の部品実装部の実装ヘッドで基板に部品を実装する実装動作を行う部品実装装置と、
前記部品実装装置で基板に実装された部品の位置ずれ量を取得する検査装置と、
前記検査装置で取得された前記位置ずれ量に基づき、前記実装動作を補正するフィードバック補正値を算出する補正値算出手段と、を備え、
前記補正値算出手段は、前記基板上の複数の分割エリア内に実装された前記部品のうち選択された前記部品の前記位置ずれ量から、前記分割エリア毎の前記フィードバック補正値を前記部品実装部毎に算出し、
前記部品実装装置は、前記部品実装部による前記実装動作を前記フィードバック補正値を用いて補正する、部品実装システム。
【請求項2】
前記検査装置は、前記部品を撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像された画像から前記位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出部と、を備える、請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項3】
前記検査装置は、生産中に前記位置ずれ量を取得し、前記補正値算出手段は、生産中に前記フィードバック補正値を算出する、請求項1または2に記載の部品実装システム。
【請求項4】
前記部品実装部は、前記部品を吸着して所定の角度で回転させて基板に実装する部品吸着部を含み、
前記補正値算出手段は、前記基板に実装された前記部品のうち、前記部品吸着部により特定の一の回転角度で実装された前記部品の前記位置ずれ量を用いて前記フィードバック補正値を算出する、請求項1から3のいずれかに記載の部品実装システム。
【請求項5】
前記位置ずれ量を生産中に継続して記憶する位置ずれ量記憶部をさらに備え、
前記補正値算出手段は、前記分割エリア毎に所定数の前記位置ずれ量が集まる毎に前記フィードバック補正値を算出する、請求項1から4のいずれかに記載の部品実装システム。
【請求項6】
前記フィードバック補正値の算出に利用する前記部品を選択する部品選択手段をさらに備える、請求項1から5のいずれかに記載の部品実装システム。
【請求項7】
実装ヘッドを有する複数の部品実装部によって基板に部品を実装する部品実装工程と、
前記部品実装工程において基板に実装された部品の位置ずれ量を取得する位置ずれ量取得工程と、
前記位置ずれ量取得工程において取得された前記位置ずれ量に基づき、前記部品実装工程における実装動作を補正するフィードバック補正値を算出する補正値算出工程と、を含み、
前記補正値算出工程において、前記分割エリア内に実装された前記部品のうち選択された前記部品の前記位置ずれ量から、前記基板上の複数の分割エリア毎の前記フィードバック補正値が前記部品実装部毎に算出され、
前記部品実装工程において、前記部品実装部による実装動作が前記フィードバック補正値を用いて補正される、部品実装方法。
【請求項8】
前記位置ずれ量取得工程は、前記部品を撮像する撮像工程と、前記撮像工程において撮像された画像から前記位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出工程と、を含む、請求項7に記載の部品実装方法。
【請求項9】
生産中に、前記位置ずれ量取得工程において前記位置ずれ量が取得され、生産中に、前記補正値算出工程において前記フィードバック補正値が算出される、請求項7または8に記載の部品実装方法。
【請求項10】
前記部品実装工程において、部品を吸着した部品吸着部を所定の角度で回転させて実装し、
前記補正値算出工程において、前記基板に実装された前記部品のうち、特定の一の回転角度で実装された前記部品の前記位置ずれ量を用いて前記フィードバック補正値が算出される、請求項7から9のいずれかに記載の部品実装方法。
【請求項11】
前記位置ずれ量を生産中に継続して記憶する位置ずれ量記憶工程をさらに含み、
前記補正値算出工程において、前記分割エリア毎に所定数の前記位置ずれ量が集まる毎に前記フィードバック補正値が算出される、請求項7から10のいずれかに記載の部品実装方法。
【請求項12】
前記フィードバック補正値の算出に利用する前記部品を選択する部品選択工程をさらに含む、請求項7から11のいずれかに記載の部品実装方法。
【請求項13】
実装ヘッドを有する部品実装部を複数有する部品実装装置により基板に実装された部品の位置ずれ量に基づき、前記基板上の複数の分割エリア毎に、前記分割エリア内に実装された前記部品のうち選択された前記部品の前記位置ずれ量から前記部品実装部の実装動作を補正するフィードバック補正値を前記部品実装部毎に算出する補正値算出部を備える、補正値算出装置。
【請求項14】
前記補正値算出部は、前記基板に実装された前記部品のうち、特定の一の回転角度で実装された前記部品の前記位置ずれ量を用いて前記フィードバック補正値を算出する、請求項13に記載の補正値算出装置。
【請求項15】
前記補正値算出部は、前記分割エリア毎に所定数の前記位置ずれ量が集まる毎に前記フィードバック補正値を算出する、請求項13または14に記載の補正値算出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に実装された部品の位置ずれ量に基づいて算出されたフィードバック補正値を用いて基板に部品を実装する部品実装システムおよび部品実装方法ならびにフィードバック補正値を算出する補正値算出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置は、X軸ビームおよびY軸ビームよりなるXYビームによって水平方向に移動する実装ヘッドが備える吸着ノズルによって、部品供給装置が供給する部品を取り出して基板に実装している。従来、基板に部品を実装する実装精度を向上させるため、基板上に実装された部品の正規位置からの実装位置ずれを検査装置等で検査し、実装位置ずれ量を基に算出されたフィードバック補正値を用いて部品実装装置の実装動作を補正することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の部品実装システムでは、部品実装装置の下流に配置された検査装置によって基板上に実装された部品毎に実装位置ずれ量を検出し、部品毎に算出されたフィードバック補正値を用いて部品実装装置における実装動作を補正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016―58603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、基板上に実装される部品毎に実装位置ずれをフィードバックしているが、部品の実装位置ずれが発生する要因はXYビームの歪みなど部品実装装置の構成要素の種々の変動による部分が大きく、実装精度を向上させるためにはさらなる改善の余地があるという課題があった。
【0006】
そこで本発明は、装置変動の影響による部品の実装位置ずれを精度良く補正することができる部品実装システムおよび部品実装方法ならびに補正値算出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の部品実装システムは、実装ヘッドを有する部品実装部を複数有し、各々の部品実装部の実装ヘッドで基板に部品を実装する実装動作を行う部品実装装置と、前記部品実装装置で基板に実装された部品の位置ずれ量を取得する検査装置と、前記検査装置で取得された前記位置ずれ量に基づき、前記実装動作を補正するフィードバック補正値を算出する補正値算出手段と、を備え、前記補正値算出手段は、前記基板上の複数の分割エリア内に実装された前記部品のうち選択された前記部品の前記位置ずれ量から、前記分割エリア毎の前記フィードバック補正値を前記部品実装部毎に算出し、前記部品実装装置は、前記部品実装部による前記実装動作を前記フィードバック補正値を用いて補正する。
【0008】
本発明の部品実装方法は、実装ヘッドを有する複数の部品実装部によって基板に部品を実装する部品実装工程と、前記部品実装工程において基板に実装された部品の位置ずれ量を取得する位置ずれ量取得工程と、前記位置ずれ量取得工程において取得された前記位置ずれ量に基づき、前記部品実装工程における実装動作を補正するフィードバック補正値を算出する補正値算出工程と、を含み、前記補正値算出工程において、前記分割エリア内に実装された前記部品のうち選択された前記部品の前記位置ずれ量から、前記基板上の複数の分割エリア毎の前記フィードバック補正値が前記部品実装部毎に算出され、前記部品実装工程において、前記部品実装部による実装動作が前記フィードバック補正値を用いて補正される。
【0009】
本発明の補正値算出装置は、実装ヘッドを有する部品実装部を複数有する部品実装装置により基板に実装された部品の位置ずれ量に基づき、前記基板上の複数の分割エリア毎に、前記分割エリア内に実装された前記部品のうち選択された前記部品の前記位置ずれ量から前記部品実装部の実装動作を補正するフィードバック補正値を前記部品実装部毎に算出する補正値算出部を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、装置変動の影響による部品の実装位置ずれを精度良く補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態の部品実装システムの構成説明図
【図2】本発明の一実施の形態の部品実装装置の構成を示す平面図
【図3】本発明の一実施の形態の部品実装装置の部分断面図
【図4】本発明の一実施の形態の部品実装装置の実装ヘッドおよび部品供給部の構成説明図
【図5】本発明の一実施の形態の部品実装システムの制御系の構成を示すブロック図
【図6】本発明の一実施の形態の検査装置において算出される部品の位置ずれ量の説明図
【図7】(a)(b)本発明の一実施の形態の部品実装装置において基板に実装される部品の形状の例を示す説明図
【図8】(a)(b)本発明の一実施の形態の部品実装装置において使用されるキャリヤテープのポケットと部品のギャップの例を示す説明図
【図9】本発明の一実施の形態の部品実装システムにおいて設定される分割エリアの例を示す説明図
【図10】本発明の一実施の形態の部品実装装置におけるX軸ビームの歪みによる位置ずれ量への影響の説明図
【図11】本発明の一実施の形態の検査装置により(a)撮像された分割エリアに実装された部品の例を示す説明図(b)算出された位置ずれ量の例とフィードバック補正値の関係を示す説明図
【図12】本発明の一実施の形態の部品実装システムにおける部品実装方法のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品実装システム、部品実装装置、検査装置の仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図2、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸方向として、基板搬送方向のX方向(図2における左右方向)、基板搬送方向に直交するY方向(図2における上下方向)が示される。図3、及び後述する一部では、水平面と直交する高さ方向としてZ方向(図3における上下方向)が示される。Z方向は、部品実装装置が水平面上に設置された場合の上下方向である。図4、及び後述する一部では、Z方向の軸(Z軸)を回転軸とする回転の方向であるθ方向が示される。
【0013】
まず図1を参照して、部品実装システム1の構成を説明する。部品実装システム1は、基板に部品を実装して実装基板を製造する機能を有するものであり、半田印刷装置M1、部品実装装置M2,M3および検査装置M4を備えている。これらの装置は通信ネットワーク2を介して管理コンピュータ3に接続されている。なお、部品実装システム1が備える部品実装装置M2,M3は2台に限定されることはなく、1台でも3台以上でも良い。
【0014】
半田印刷装置M1は、実装対象の基板に部品接合用のクリーム半田をスクリーン印刷する。部品実装装置M2,M3は、部品実装部12(図2参照)によって部品接合用のクリーム半田が印刷された基板に部品供給部から取り出した部品を移送搭載する部品実装動作を行う。検査装置M4は、部品実装装置M2,M3によって部品が実装された基板における部品の実装状態を検査して、部品の正規位置からの位置ずれ状態などを検出する。管理コンピュータ3は、ライン管理機能と、検査装置M4によって取得された部品の位置ずれ量を含む検査情報に基づいて、部品実装装置M2,M3にフィードバックする実装動作を補正するフィードバック補正値Vcを算出する機能を併せて有している。
【0015】
次に図2、図3を参照して、部品実装装置M2,M3の構成を説明する。なお図3は、図2におけるA−A断面を部分的に示している。部品実装装置M2,M3は、部品供給部から供給された部品を基板に実装する実装動作を実行する機能を有する。図2において、基台4の中央には、基板搬送機構5がX方向に配設されている。基板搬送機構5は、上流側から搬送された基板6を、実装作業位置に搬入して位置決め保持する。また、基板搬送機構5は、部品実装作業が完了した基板6を下流側に搬出する。
【0016】
基板搬送機構5の両側方(フロント側、リア側)には、部品供給部7が配置されている。それぞれの部品供給部7には、複数のテープフィーダ8が並列に装着されている。テープフィーダ8は、部品を収納するポケットが形成されたキャリヤテープを部品供給部7の外側から基板搬送機構5に向かう方向(テープ送り方向)にピッチ送りすることにより、部品実装部12の実装ヘッドが部品を吸着する部品吸着位置に部品を供給する。
【0017】
基台4上面においてX方向の両端部には、リニア駆動機構を備えたY軸ビーム9がY方向に沿って配設されている。Y軸ビーム9には、同様にリニア駆動機構を備えた2基(フロント側、リア側)のX軸ビーム10が、Y方向に移動自在に結合されている。X軸ビーム10はX方向に沿って配設されている。2基のX軸ビーム10には、それぞれ実装ヘッド11がX方向に移動自在に装着されている。実装ヘッド11は、部品を吸着保持して昇降可能な複数の吸着ユニット11aを備える。吸着ユニット11aのそれぞれの下端部には、部品を吸着保持する吸着ノズル11b(図3参照)が装着されている。
【0018】
図2において、Y軸ビーム9、X軸ビーム10を駆動することにより、実装ヘッド11はX方向、Y方向に移動する。これにより2つの実装ヘッド11は、それぞれ対応した部品供給部7に配置されたテープフィーダ8の部品吸着位置から部品を吸着ノズル11bによって吸着して取り出して、基板搬送機構5に位置決めされた基板6の実装点に装着する。すなわち、Y軸ビーム9、X軸ビーム10および実装ヘッド11は、部品を基板6に実装する部品実装部12を構成する。このように、部品実装装置M2,M3は、フロント側とリア側の2基の部品実装部12を備えている。
【0019】
部品供給部7と基板搬送機構5との間には、部品認識カメラ13が配設されている。部品供給部7から部品を取り出した実装ヘッド11が部品認識カメラ13の上方を移動する際に、部品認識カメラ13は実装ヘッド11に保持された状態の部品を撮像して部品の保持姿勢を認識する。実装ヘッド11が取り付けられたプレート10aには基板認識カメラ14が取り付けられている。基板認識カメラ14は、実装ヘッド11と一体的に移動する。
【0020】
実装ヘッド11が移動することにより、基板認識カメラ14は基板搬送機構5に位置決めされた基板6の上方に移動し、基板6に設けられた基板マーク(図示せず)を撮像して基板6の位置を認識する。また、基板認識カメラ14はテープフィーダ8の部品吸着位置の上方に移動し、部品吸着位置付近のキャリヤテープの状態を認識する。実装ヘッド11による基板6への部品実装動作においては、部品認識カメラ13による部品の認識結果と、基板認識カメラ14による基板位置の認識結果とを加味して実装位置の補正が行われる。
【0021】
図3に示すように、部品供給部7にはフィーダベース15aに予め複数のテープフィーダ8が装着された状態の台車15がセットされる。基台4に設けられた固定ベース(図示省略)に対して、フィーダベース15aをクランプ機構15bによってクランプすることにより、部品供給部7において台車15の位置が固定される。台車15には、部品Dを保持したキャリヤテープ16を巻回状態で収納するテープリール17が保持されている。テープリール17から引き出されたキャリヤテープ16は、テープフィーダ8によって吸着ノズル11bによる部品吸着位置までピッチ送りされる。
【0022】
次に図4を参照して、実装ヘッド11の構成を説明する。実装ヘッド11は複数の吸着ユニット11aを備えており、各吸着ユニット11aは駆動機構を備えている。駆動機構を駆動することにより、各吸着ユニット11aの下端部に装着された吸着ノズル11bを昇降させる(矢印b)とともに、ノズル軸ANを回転軸として吸着ノズル11bをθ方向に回転させる(矢印c)ことが可能となっている。
【0023】
すなわち、実装ヘッド11は、部品Dを吸着し、部品Dを基板6の実装面と平行な回転方向(θ方向)に所定の角度で回転させて、部品Dを実装する部品吸着部となる。そして、部品実装部12は、部品吸着部を含み、基板6に部品Dを実装する部品実装手段となる。
【0024】
次に図5を参照して、部品実装システム1の制御系の構成を説明する。管理コンピュータ3、部品実装装置M2、M3および検査装置M4は、通信ネットワーク2を介して接続されている。部品実装装置M2、M3は、実装制御部20、実装記憶部21、部品実装部12、表示部22、入力部23、認識処理部24、通信部25を備えている。実装記憶部21には前述の部品実装作業を実行するための実装プログラムの他、実装データ21a、補正値データ21bが記憶されている。
【0025】
実装データ21aには、部品Dを基板6に実装する際に参照されるデータであって、基板6における部品Dの実装位置(正規位置)の座標、実装する際の部品Dの回転角度、実装される部品Dの種類などの情報が含まれている。補正値データ21bには、後述する管理コンピュータ3から送信されたフィードバック補正値Vcが含まれる。
【0026】
実装制御部20はCPUなどの演算装置であり、実装記憶部21に記憶されたプログラムやデータに基づいて各部を制御することにより、部品実装部12による基板6に部品Dを実装する実装動作を制御する。認識処理部24は、基板認識カメラ14による撮像結果を認識処理することにより、基板6の位置を検出する。また、認識処理部24は、部品認識カメラ13による撮像結果を認識処理することにより、実装ヘッド11に保持された状態における部品Dの位置を検出する。
【0027】
そして、実装制御部20は、実装データ21a、補正値データ21b、基板6の位置、部品実装部12に保持された部品Dの位置、フィードバック補正値Vcに基づいて、部品実装部12による実装動作を補正して基板6に部品Dを実装する。また、実装制御部20は、実装ヘッド11(部品吸着部)が保持する部品Dを実装データ21aにおいて指定された回転角度だけ回転させて基板6に実装する。このように、実装制御部20は、部品実装部12(部品実装手段)による基板6に部品Dを実装する実装動作を制御する実装制御手段となる。
【0028】
入力部23は、キーボード、タッチパネル、マウスなどの入力装置であり、操作コマンドやデータ入力時などに用いられる。表示部22は液晶パネルなどの表示装置であり、入力部23による操作のための操作画面などの各種画面などの各種情報を表示する。通信部25は通信インターフェースであり、通信ネットワーク2を介して他の部品実装装置M2,M3、管理コンピュータ3、検査装置M4との間で信号、データの授受を行う。
【0029】
図5において、検査装置M4は、検査制御部30、検査記憶部31、検査用カメラ32、表示部33、入力部34、通信部35を備えている。検査制御部30はCPUなどの演算装置であり、内部処理機能として位置ずれ量算出部30aを備えている。検査記憶部31は記憶装置であり、実装データ31a、位置ずれ量データ31b、などを記憶する。実装データ31aには、部品Dが実装された基板6に関するデータであって、基板6における部品Dの実装位置(正規位置)の座標、実装する際の部品Dの回転角度、実装された部品Dの種類などの情報が含まれている。
【0030】
入力部34は、キーボード、タッチパネル、マウスなどの入力装置であり、操作コマンドやデータ入力時などに用いられる。表示部33は液晶パネルなどの表示装置であり、入力部34による操作のための操作画面などの各種画面などの各種情報を表示する。通信部35は通信インターフェースであり、通信ネットワーク2を介して部品実装装置M2,M3、管理コンピュータ3との間で信号、データの授受を行う。
【0031】
検査用カメラ32は、基板6に実装された部品Dを上方から撮像する。位置ずれ量算出部30aは、検査用カメラ32により撮像された画像から、基板6に実装された部品Dの正規位置Nからの位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθ(図6参照)を算出する位置ずれ量算出処理を実行する。算出された位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθは、位置ずれ量データ31bとして検査記憶部31に記憶されるとともに、通信部35を介して管理コンピュータ3に送信される。
【0032】
このように、検査装置M4は、部品Dを撮像する検査用カメラ32(撮像部)と、検査用カメラ32により撮像された画像から部品Dの正規位置Nからの位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθを算出する位置ずれ量算出部30aとを備え、部品実装部12(部品実装手段)により基板6に実装された部品Dの正規位置Nからの位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθを取得する位置ずれ量取得手段となる。
【0033】
ここで図6を参照して、位置ずれ量データ31bに含まれる、基板6に実装された部品Dの正規位置Nからの位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθの一例について説明する。部品実装部12による実装動作では、部品供給部7のテープフィーダ8から実装ヘッド11の吸着ノズル11bによって取り出された部品Dが、基板6に設定された実装位置である正規位置Nを目標として移送搭載される。このとき部品Dの部品中心Cが必ずしも正規位置Nに対して正しく一致するとは限らず、X方向に位置ずれ量ΔX,Y方向に位置ずれ量ΔY、θ方向(実装面と平行な回転方向)に位置ずれ量Δθだけ位置ずれした状態にある。
【0034】
この位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθは、基板6に実装された部品Dを検査用カメラ32によって撮像した結果を位置ずれ量算出部30aによって位置ずれ量算出処理することにより取得される。位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθは、1つの基板6に実装される複数の部品Dについてそれぞれ取得されて位置ずれ量データ31bとして記憶される。
【0035】
図5において、管理コンピュータ3は、管理制御部40、管理記憶部41、表示部42、入力部43、通信部44を備えている。入力部43は、キーボード、タッチパネル、マウスなどの入力装置であり、操作コマンドやデータ入力時などに用いられる。表示部42は液晶パネルなどの表示装置であり、入力部43による操作のための操作画面などの各種画面などの各種情報を表示する。通信部44は通信インターフェースであり、通信ネットワーク2を介して部品実装装置M2,M3、検査装置M4との間で信号、データの授受を行う。
【0036】
管理制御部40はCPUなどの演算装置であり、内部処理機能として補正値算出部40a、補正値送信部40b、部品選択部40cを備えている。管理記憶部41は記憶装置であり、実装データ41a、部品情報41b、分割エリア情報41c、位置ずれ量データ41d、補正値データ41eなどを記憶する。
【0037】
実装データ41aには、部品Dを基板6に実装する際に参照されるデータであって、基板6における部品Dの実装位置(正規位置)の座標、実装する際の部品Dの回転角度、実装される部品Dの種類などの情報が含まれている。部品情報41bには、基板6に実装される部品Dの形状、サイズ、部品Dが格納されるキャリヤテープ16のポケット16bと格納される部品DとのギャップGx,Gy(図8参照)などの情報が、部品Dの種類に紐付けられて記憶されている。
【0038】
ここで図7を参照して、部品情報41bに含まれる部品Dの形状について説明する。2種類の部品D(1)、部品D(2)の平面図を図7(a)に、側面図を図7(b)に示す。部品D(1)と部品D(2)は、本体部DaのX方向の両端に電極Dbを有する抵抗、コンデンサなどの2端子素子である。部品D(1)と部品D(2)は、平面視したX方向、Y方向のサイズは同じであるが、電極Dbの間隔が部品D(1)の方が広い形状をしている。そのため、部品D(1)の方が、吸着ノズル11bの下端が当接する吸着面Dc(本体部DaのXY面)が広く、部品吸着時に吸着ノズル11bと部品Dの位置がずれた場合でも正常に吸着可能な吸着位置ずれに対する許容範囲が広い。
【0039】
また、吸着面Dcと電極Db上面の段差Dhは、部品D(2)の方が大きい形状をしている。そのため、吸着ずれにより吸着ノズル11bが本体部Daと電極Dbの境界を含んで吸着した場合の吸着姿勢の傾き(水平面に対する部品の傾き)は、部品D(2)の方が大きい。これらの理由により、部品D(2)は、部品D(1)とサイズは同じであるが、吸着ばらつきに起因する実装位置のばらつき(位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθ)が部品D(1)よりも大きくなる。
【0040】
ここで図8を参照して、部品情報41bに含まれるキャリヤテープ16のポケット16bと格納される部品DとのギャップGx,Gyについて説明する。図8(a)において、キャリヤテープ16(1)のベーステープ16aには、部品D(3)を収納する凹形状のポケット16bと、キャリヤテープ16(1)をピッチ送りするテープフィーダ8のスプロケット(図示省略)が係合する送り穴16cが等間隔に形成されている。部品D(3)を収納したポケット16bの上面には、カバーテープ16dが貼着されている。
【0041】
ポケット16bに収納された部品D(3)とポケット16bの内壁の間には、X方向にギャップGx1,Gx2、Y方向にギャップGy1,Gy2が発生している。これらのギャップGによって、ピッチ送り中に部品D(3)がポケット16b内を不規則に移動して、吸着ノズル11bが部品D(3)を吸着する際の吸着位置がばらつく。そのため、部品D(3)を基板6に実装する際の実装位置がばらつく。
【0042】
図8(b)において、キャリヤテープ16(2)のポケット16bには、部品D(3)とサイズが同じ部品D(4)が収納されている。部品D(4)とポケット16bの内壁の間には、X方向にギャップGx3,Gx4、Y方向にギャップGy3,Gy4が発生している。キャリヤテープ16(2)のポケット16bは、キャリヤテープ16(1)のポケット16bより大きく、キャリヤテープ16(2)に発生するギャップG(Gx3+Gx4,Gy3+Gy4)は、キャリヤテープ16(1)に発生するギャップG(Gx1+Gx2,Gy1+Gy2)よりも大きい。そのため、部品D(4)は、部品D(3)とサイズは同じであるが、基板6に実装した際の実装位置のばらつきが部品D(3)より大きくなる。
【0043】
図5において、分割エリア情報41cには、後述するフィードバック補正値Vcを算出する際の対象範囲である分割エリアRに関する情報が含まれている。分割エリアR、基板6上に複数設定される。
【0044】
ここで図9を参照して、基板6上に設けられた分割エリアRの例を説明する。この例では、矩形の基板6をX方向に4等分、Y方向に4等分した、合計16の分割エリアR11〜R44が設定されている。分割エリアRは、基板6のサイズ、実装精度などを考慮し、基板種毎に設定されて分割エリア情報41cに記憶されている。なお、分割エリアRは、基板種に依存せず、基板搬送機構5の実装作業位置上に対応して一律に設定するようにしてもよい。
【0045】
図5において、位置ずれ量データ41dには、実装基板の生産中に継続して検査装置M4において取得される位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθを含む位置ずれ量データ31bが、検査装置M4から逐次送信されて記憶されている。すなわち、位置ずれ量データ41dを記憶する管理記憶部41は、位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθを生産中に継続して記憶する位置ずれ量記憶部となる。
【0046】
補正値算出部40aは、検査装置M4(位置ずれ量取得手段)により取得されて位置ずれ量データ41dに記憶されている基板6に実装された部品Dの正規位置NからのX方向の位置ずれ量ΔXとY方向の位置ずれ量ΔY(以下、単に「位置ずれ量ΔX,ΔY」と称す)に基づき、部品実装部12(部品実装手段)の実装動作を補正するフィードバック補正値Vcを算出する。補正値算出部40aは、基板6上の複数の分割エリアR毎に、分割エリアR内に実装された部品Dの位置ずれ量ΔX,ΔYからフィードバック補正値Vcを算出する。フィードバック補正値Vcを、分割エリアR毎に算出する意義は後述する。
【0047】
また、補正値算出部40aは、分割エリアR毎に所定数の位置ずれ量ΔX,ΔYが集まる毎にフィードバック補正値Vcを統計処理により算出する。統計処理としては、例えば、外れ値を除いた所定数の位置ずれ量ΔX,ΔYの平均値の算出が用いられる。その際の所定数は、統計処理によって算出されるフィードバック補正値Vcの許容誤差などに基づいて決められる。これによって、適正な精度のフィードバック補正値Vcを算出することができる。
【0048】
また、補正値算出部40aは、基板6に実装された部品Dのうち、実装ヘッド11(部品吸着部)により特定の一の回転角度で実装された部品Dの位置ずれ量ΔX,ΔYを用いてフィードバック補正値Vcを算出する。実装ヘッド11に装着された吸着ノズル11bをθ方向に回転させ、吸着ノズル11bに吸着された部品Dを回転させると、吸着ノズル11bの装着具体や吸着ノズル11b自体の歪みに起因して、部品中心Cが移動する場合がある。このような場合でも、回転角が同じ部品Dの位置ずれ量ΔX,ΔYを用いることで、吸着ノズル11bの回転により発生する位置ずれの影響を除去して、フィードバック補正値Vcを精度良く算出することができる。
【0049】
また、補正値算出部40aは、所定の部品実装部12(部品実装手段)によって基板6に実装された部品Dの位置ずれ量ΔX,ΔY毎にフィードバック補正値Vcを算出する。フィードバック補正値Vcを、部品Dを実装する部品実装部12毎に算出する意義は後述する。補正値算出部40aによって算出されたフィードバック補正値Vcは、補正値データ41eとして管理記憶部41に記憶される。
【0050】
分割エリアR毎、部品実装部12毎に算出されたフィードバック補正値Vcは、当該分割エリアRに当該部品実装部12によって実装される全ての部品Dの実装動作の補正に使用される。補正値送信部40bは、基板6に実装される部品Dに対応するフィードバック補正値Vcを紐付して、その部品Dを実装する部品実装装置M2,M3に送信する。送信されたフィードバック補正値Vcは、部品実装装置M2,M3の実装記憶部21に補正値データ21bとして記憶される。これによって、部品Dの実装位置ずれを精度良く補正することができる。
【0051】
ここで図10を参照して、フィードバック補正値Vcを部品実装部12毎、分割エリアR毎に算出する意義について説明する。Y軸ビーム9、X軸ビーム10には、実装動作を連続して行う過程においてリニア駆動機構などが発熱することに起因して経時的に変形(熱変形)が発生する。熱変形の具合は、各Y軸ビーム9、各X軸ビーム10で異なる。図10には、熱変形によりX軸ビーム10が図面左側から図面右側に向かって、正規の位置から部品実装装置M2,M3に内側(紙面上側)に湾曲(変形)している例を示している。
【0052】
図10には、X軸ビーム10上をX方向に移動する実装ヘッド11に装着された吸着ノズル11bの軌跡を示している。一点鎖線で示す軌跡11cは、X軸ビーム10が熱変形していない状態の吸着ノズル11bの位置を示している。実線で示す軌跡11dは、X軸ビーム10が熱変形している状態の吸着ノズル11bの位置を示している。
【0053】
実装ヘッド11は、吸着ノズル11bによって部品Dを基板6上の正規位置N(1)、N(2)、N(3)の3箇所に実装するように、実装動作が制御されているとする。X軸ビーム10に熱変形していない場合は、実装位置である正規位置N(1)、N(2)、N(3)は軌跡11c上にある。しかしながら、X軸ビーム10の熱変形によって、基板6上に実装される部品Dの位置は部品中心C(1)、C(2)、C(3)となり軌跡11d上となる。
【0054】
図10において、図面左側の位置ではX軸ビーム10の熱変形が小さいため、部品中心C(1)の正規位置N(1)からの位置ずれ量ΔX,ΔYは小さい。一方、図面右側になるに従ってX軸ビーム10の熱変形が大きくなるため、部品中心C(2)は正規位置N(2)より矢印d(2)だけ位置ずれし、部品中心C(3)は正規位置N(3)より矢印d(3)だけ位置ずれする。すなわち、X軸ビーム10の熱変形が大きくなるに従って、部品中心C(1)、部品中心C(2)、部品中心C(3)と位置ずれ量ΔX,ΔYが大きくなっている。
【0055】
このように、基板6上の位置によって位置ずれ量ΔX,ΔYが異なる状態では、基板6全体で一つのフィードバック補正値Vcを算出して実装動作を補正すると、基板6上の位置によって位置ずれが適正に補正されない場合がある。このような場合でも、基板6上を複数に分割した分割エリアR毎にフィードバック補正値Vcを算出して実装動作を補正することで、装置変動の影響による部品Dの実装位置ずれを精度良く補正することができる。また、装置変動の影響は、部品実装部12毎で異なるため、部品実装部12毎にフィードバック補正値Vcを算出して実装動作を補正することで、装置変動の影響による部品Dの実装位置ずれを精度良く補正することができる。
【0056】
図5において、部品選択部40cは、実装データ41a、部品情報41bに含まれる部品Dの形状と部品Dのサイズとのいずれか、目標となる実装精度に基づいて、フィードバック補正値Vcの算出に利用する部品Dを選択する。例えば、部品選択部40cは、部品Dを選択するにあたり、基板6に実装した際の実装位置のばらつきが大きな、図7に示す部品D(2)、図8に示す部品D(4)を選択対象から除外する。これによって、部品Dの実装位置ずれを精度良く補正することができる。このように、部品選択部40cは、フィードバック補正値Vcの算出に利用する部品Dを選択する部品選択手段となり、補正値算出部40aは、部品選択手段により選択された部品Dの位置ずれ量ΔX,ΔYからフィードバック補正値Vcを算出する。
【0057】
ここで図11を参照して、補正値算出部40aによるフィードバック補正値Vcの算出の具体例について説明する。図11(a)には、基板6に設けられた分割エリアR23が示されている。分割エリアR23内には、基板6上に実装された10個の部品D1*〜D5*,D6〜D10(実線で表示)とその部品中心C1〜C10(黒丸で表示、C6〜C10は符号省略)、実装目標である正規位置N1〜N10(白丸で表示、N6〜N10は符号省略)、正規位置Nに実装された場合の部品Dの位置(破線で表示)が表示されている。
【0058】
8個の部品D1*〜D5*,D6〜D8は、同じ部品実装部12(例えば、部品実装装置M2のフロント側の部品実装部12)によって基板6に実装されている。このうち、基板6に実装される際の回転角度が部品D1*〜D5*と異なる部品D6,D7は、フィードバック補正値Vcの算出対象から除外される。実装ばらつきが大きな傾向がある形状の部品D8は、部品選択部40cによってフィードバック補正値Vcの算出対象から除外されている。部品D1*〜D5*を実装する部品実装部12と異なる部品実装部12(例えば、部品実装装置M3の部品実装部12)によって基板6に実装される部品D9,D10も、フィードバック補正値Vcの算出対象から除外される。
【0059】
すなわち、補正値算出部40aは、分割エリアR23内に実装された複数の部品D1*〜D5*,D6〜D10のうち、同じ部品実装部12によって同じ回転角度で基板6に実装される部品D1*〜D5*の位置ずれ量ΔX,ΔYからフィードバック補正値Vcを算出する。図11(b)には、検査装置M4によって取得された部品D1*〜D5*の位置ずれ量ΔX,ΔYが、XYグラフで示されている。補正値算出部40aは、部品D1*〜D5*の位置ずれ量ΔX,ΔYを統計処理(ここでは平均値を算出)することにより、X方向のフィードバック補正値Vcx、Y方向のフィードバック補正値Vcyをそれぞれ算出する。
【0060】
上記説明したように、補正値算出部40aは、部品実装手段(部品実装部12)により基板6に実装された部品Dの正規位置Nからの位置ずれ量ΔX,ΔYに基づき、基板6上の複数の分割エリアR毎に、分割エリアR内に実装された部品Dの位置ずれ量ΔX,ΔYから部品実装手段の実装動作を補正するフィードバック補正値Vcを算出する補正値算出手段となる。
【0061】
また、補正値算出部40aを備える管理コンピュータ3は、補正値算出装置となる。なお、補正値算出装置は、部品実装装置M2,M3、検査装置M4と通信ネットワーク2に接続される管理コンピュータ3に限定されることはない。補正値算出装置は、補正値算出部40aを備えるコンピュータであればよく、部品実装装置M2,M3、検査装置M4と接続されていなくてもよい。
【0062】
次に図12のフローに沿って、部品Dの位置ずれ量ΔX,ΔYから算出されるフィードバック補正値Vcを用いて実装動作を補正する部品実装方法について説明する。まず、部品選択部40c(部品選択手段)は、フィードバック補正値Vcの算出に利用する部品Dを選択する(ST1:部品選択工程)。次いで実装制御部20は、実装データ21a、補正値データ21bに基づいて、部品Dが実装される分割エリアRのフィードバック補正値Vcを用いて実装動作を補正して、基板6に部品Dを実装する(ST2:部品実装工程)。その際、実装制御部20は必要に応じ、実装データ21aに基づいて、吸着された部品Dを基板6の実装面と平行な回転方向に所定の角度で回転させて基板6に実装させる。
【0063】
次いで検査用カメラ32(撮像部)は、部品実装装置M2,M3で部品Dが実装されて検査装置M4に搬送された基板6上の部品Dを撮像する(ST3:撮像工程)。次いで位置ずれ量算出部30aは、撮像工程(ST3)において撮像された画像から部品Dの正規位置Nからの位置ずれ量ΔX,ΔYを算出する(ST4:位置ずれ量算出工程)。このように、撮像工程(ST3)と位置ずれ量算出工程(ST4)は、部品実装工程(ST2)において基板6に実装された部品Dの正規位置Nからの位置ずれ量ΔX,ΔYを取得する位置ずれ量取得工程(ST10)となる。
【0064】
図12において、次いで管理記憶部41は、検査装置M4(位置ずれ量取得手段)より送信される位置ずれ量ΔX,ΔYを生産中に継続して記憶する(ST5:位置ずれ量記憶工程)。次いで補正値算出部40aは、分割エリアR毎、部品実装部12毎に所定数の位置ずれ量ΔX,ΔYが集まった否かを判断する(ST6:算出可否判断工程)。
【0065】
所定数の位置ずれ量ΔX,ΔYが集まると(ST6においてYes)、補正値算出部40aは、位置ずれ量取得工程(ST10)において取得された位置ずれ量ΔX,ΔYに基づき、基板6上の複数の分割エリアR毎、部品Dを実装する部品実装部12毎に、分割エリアR内に実装された部品Dの位置ずれ量ΔX,ΔYから、部品実装工程(ST2)における実装動作を補正するフィードバック補正値Vcを算出する(ST7:補正値算出工程)。すなわち、補正値算出工程(ST7)において、分割エリアR毎に所定数の位置ずれ量ΔX,ΔYが集まる毎にフィードバック補正値Vcが算出される。
【0066】
また、補正値算出工程(ST7)において、基板6に実装された部品Dのうち、特定の一の回転角度で実装された部品Dの位置ずれ量ΔX,ΔYを用いてフィードバック補正値Vcが算出される。また、補正値算出工程(ST7)において、部品選択工程(ST1)において選択された部品Dの位置ずれ量ΔX,ΔYからフィードバック補正値Vcが算出される。
【0067】
図12において、次いで補正値送信部40bは、基板6に実装される部品Dに対応するフィードバック補正値Vcを紐付して、その部品Dを実装する部品実装装置M2,M3に送信する(ST8:補正値送信工程)。フィードバック補正値Vcが送信されると部品実装工程(ST2)に戻り、新たに送信されて記憶された補正値データ21bに含まれるフィードバック補正値Vcに基づいて、基板6に部品Dが実装される。算出可否判断工程(ST6)において、所定数の位置ずれ量ΔX,ΔYが集まっていないと判断された場合(No)、フィードバック補正値Vcは算出されずに部品実装工程(ST2)に戻り、既に記憶されている補正値データ21bに基づいて、基板6に部品Dが実装される。
【0068】
このように、部品実装システム1では、実装基板の生産中に位置ずれ量ΔX,ΔYが取得され、生産中に算出されたフィードバック補正値Vcに基づいて、実装動作が補正される。すなわち、生産中に、位置ずれ量取得工程(ST10)において検査装置M4(位置ずれ量取得手段)が位置ずれ量ΔX,ΔYを取得し、生産中に、補正値算出工程(ST7)において補正値算出部40a(補正値算出手段)がフィードバック補正値Vcを算出する。
【0069】
上記説明したように、本実施の形態の部品実装システム1は、基板6に部品Dを実装する部品実装手段(部品実装部12)と、部品実装手段による実装動作を制御する実装制御手段(実装制御部20)と、基板6に実装された部品Dの位置ずれ量ΔX,ΔYを取得する位置ずれ量取得手段(検査装置M4)と、取得された位置ずれ量ΔX,ΔYに基づき、実装動作を補正するフィードバック補正値Vcを算出する補正値算出手段(補正値算出部40a)とを備えている。
【0070】
そして、補正値算出手段は、基板6上の複数の分割エリアR毎に、分割エリアR内に実装された部品Dの位置ずれ量ΔX,ΔYからフィードバック補正値Vcを算出し、実装制御手段は、部品Dが実装される分割エリアRのフィードバック補正値Vcを用いて部品実装手段による実装動作を補正している。これによって、熱変形などの装置変動の影響による部品Dの実装位置ずれを精度良く補正することができる。
【0071】
なお、部品実装システム1において、位置ずれ量取得手段は、検査装置M4に限定されることはない。例えば、位置ずれ量取得手段は、検査用カメラ32と位置ずれ量算出部30aを備える部品実装装置M2,M3で構成してもよい。また、補正値算出手段は、管理コンピュータ3が備える補正値算出部40aに限定されることはない。例えば、補正値算出手段は、部品実装装置M2,M3に補正値算出部40aを備えさせる構成でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の部品実装システムおよび部品実装方法ならびに補正値算出装置は、装置変動の影響による部品の実装位置ずれを精度良く補正することができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0073】
1 部品実装システム
3 管理コンピュータ(補正値算出装置)
6 基板
11 実装ヘッド(部品吸着部)
12 部品実装部
32 検査用カメラ(撮像部)
D 部品
M2,M3 部品実装装置
M4 検査装置
N 正規位置
R 分割エリア
ΔX,ΔY 位置ずれ量
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】