(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019145884
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】電話機、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20190802BHJP
   H04M 1/725 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !H04M1/00 S
   !H04M1/725
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】2018025530
(22)【出願日】20180216
(71)【出願人】
【識別番号】710014351
【氏名又は名称】オンキヨー株式会社
【住所又は居所】大阪府寝屋川市日新町2番1号
(72)【発明者】
【氏名】高山 賢次郎
【住所又は居所】大阪府寝屋川市日新町2番1号 オンキヨー&パイオニアテクノロジー株式会社内
【テーマコード(参考)】
5K127
【Fターム(参考)】
5K127AA13
5K127BA02
5K127BB01
5K127BB33
5K127GB03
5K127GC13
5K127HA02
5K127JA22
5K127JA54
5K127KA01
5K127KA16
(57)【要約】
【課題】
コードレス電話機においてハンズフリーダイヤル後、オフフックし、電話機本体から送受話器にダイヤル番号が送信され、送受話器からリダイヤルを行っても、正しい電話番号に接続することができる電話機を提供する。
【解決手段】
コードレス電話機で、電話機本体は、電話機本体に対してダイヤル入力された番号のうち、先頭から第1の所定の桁数を送受話器に送信する先頭桁送信部と、電話機本体に対してダイヤル入力された番号のうち、末尾から第2の所定の桁数を前記送受話器に送信する末尾桁送信部とを有し、送受話器は、先頭桁送信部及び末尾桁送信部からの送信を受信する受信部と、表示部と、表示部に表示する情報を記憶する第1記憶部と、電話機の通話先の番号に関する情報を記憶する第2記憶部とを有し、先頭桁送信部から送信された番号を第2記憶部に記憶し、末尾桁送信部から送信された番号を第1記憶部に記憶することを特徴とする電話機。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話機本体と、
前記電話機本体と無線接続される送受話器と、
を、有する電話機であって、
前記電話機本体は、
前記電話機本体に対してダイヤル入力された番号のうち、先頭から第1の所定の桁数を前記送受話器に送信する先頭桁送信部と、
前記電話機本体に対してダイヤル入力された番号のうち、末尾から第2の所定の桁数を前記送受話器に送信する末尾桁送信部と、
を、有し、
前記送受話器は、
前記先頭桁送信部及び前記末尾桁送信部からの送信を受信する受信部と、
表示部と、
前記表示部に表示する情報を記憶する第1記憶部と、
前記電話機の通話先の番号に関する情報を記憶する第2記憶部と、
を、有し、
前記先頭桁送信部から送信された番号を前記第2記憶部に記憶し、前記末尾桁送信部から送信された番号を前記第1記憶部に記憶することを特徴とする電話機。
【請求項2】
前記通話先の番号に関する情報は、リダイヤル操作に用いられる番号、もしくは通話履歴として前記送受話器に記憶される番号であることを特徴とする請求項1記載の電話機。
【請求項3】
前記先頭桁送信部及び前記末尾桁送信部からの送信は、前記送受話器が、前記電話機本体からオフフックされた後に行われることを特徴とする請求項1記載の電話機。
【請求項4】
前記送受話器が前記電話機本体に載置された状態で通話が開始され、かつ通話が終了した時、前記先頭桁送信部は前記電話機本体に対してダイヤル入力された番号のうち、先頭から前記第1の所定の桁数を前記送受話器に送信することを特徴とする請求項1記載の電話機。
【請求項5】
前記末尾桁送信部が前記第2の所定の桁数を送信した後、前記先頭桁送信部が前記第1の所定の桁数を送信することを特徴とする請求項1から3記載の電話機。
【請求項6】
電話機本体と、
前記電話機本体と無線接続される送受話器と、
を、有する電話機の制御方法であって、
前記電話機本体は、
前記電話機本体に対してダイヤル入力された番号のうち、先頭から第1の所定の桁数を前記送受話器に送信する先頭桁送信ステップと、
前記電話機本体に対してダイヤル入力された番号のうち、末尾から第2の所定の桁数を前記送受話器に送信する末尾桁送信ステップと、
を、有し、
前記送受話器は、
前記先頭桁送信ステップ及び前記末尾桁送信ステップによる送信を受信する受信ステップと、
表示部と、
前記表示部に表示する情報を記憶する第1記憶部と、
前記電話機の通話先の番号に関する情報を記憶する第2記憶部と、
を、有し、
前記先頭桁送信ステップにより送信された番号を前記第2記憶部に記憶するステップと、前記末尾桁送信ステップにより送信された番号を前記第1記憶部に記憶するステップと、
を、有することを特徴とする電話機の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
電話機本体と送受話器とが無線接続されるコードレス電話機では、電話機本体に対してダイヤルされた番号が、リダイヤル用情報として、送受話器に無線送信される技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−13474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コードレス電話機には、送受話器を電話機本体に載置した状態でダイヤル及び通話を行う機能、いわゆるハンズフリーダイヤル及びハンズフリー通話が可能なものがある。ハンズフリーで電話機本体にダイヤル操作を行うと、電話機本体の表示部にはダイヤルされた番号が表示される。またダイヤルされた番号は、電話機本体の記憶部に、リダイヤル用や通話履歴用として記憶される。
【0005】
ハンズフリーダイヤルを行っているときは、電話機本体と送受話器とは、通常無線接続されない。ハンズフリーでは電話機本体でダイヤルから通話までが完結するため、送受話器との情報のやり取りは不要だからである。しかし、ハンズフリーダイヤル後、送受話器を電話機本体からオフフックすると、電話機本体と送受話器とが無線接続され、送受話器で通話ができるようになる。この際、電話機本体からダイヤルした番号の情報が送受話器に送信される。送受話器はコードレスなので、通話中や通話後に移動して電話機本体から離れた場所で使用する状況も考えられるためである。
【0006】
ハンズフリー通話時に電話機本体に対してダイヤルされた番号は、電話機本体のメモリに記憶され、また表示される。ダイヤルされた番号の桁数がメモリの記憶容量を超えた場合は、ダイヤル番号の後方の桁が記憶され、また表示される。メモリ容量をオーバーフローした前方の桁は削除される。電話機本体の表示用メモリに記憶されたこのダイヤル番号は、無線接続後、送受話器に送信され、送受話器の表示部に表示され、またリダイヤル用や、通話履歴用として送受話器に記憶される。
【0007】
しかし、ダイヤルした番号の桁数が電話機本体のメモリ容量の桁数よりも多い場合、送受話器に記憶された番号は、後方の桁しかないため、送受話器からリダイヤルを行うと、正しい電話番号に接続することができなくなってしまう。また通話履歴から電話帳データを作成しても、誤った電話番号になってしまう。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、電話機本体と送受話器が無線接続されるコードレス電話機において、電話機本体に対してハンズフリーダイヤル後、オフフックし、電話機本体から送受話器にダイヤル番号が送信され、送受話器で記憶され、記憶されたダイヤル番号に基づき送受話器からリダイヤルを行っても、正しい電話番号に接続することができる電話機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電話機は、電話機本体と、前記電話機本体と無線接続される送受話器と、を、有する電話機であって、前記電話機本体は、前記電話機本体に対してダイヤル入力された番号のうち、先頭から第1の所定の桁数を前記送受話器に送信する先頭桁送信部と、前記電話機本体に対してダイヤル入力された番号のうち、末尾から第2の所定の桁数を前記送受話器に送信する末尾桁送信部と、を、有し、前記送受話器は、前記先頭桁送信部及び前記末尾桁送信部からの送信を受信する受信部と、表示部と、前記表示部に表示する情報を記憶する第1記憶部と、前記電話機の通話先の番号に関する情報を記憶する第2記憶部と、を、有し、前記先頭桁送信部から送信された番号を前記第2記憶部に記憶し、前記末尾桁送信部から送信された番号を前記第1記憶部に記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電話機本体と送受話器が無線接続されるコードレス電話機において、電話機本体に対してハンズフリーダイヤル後、オフフックし、電話機本体から送受話器にダイヤル番号が送信され、送受話器で記憶され、記憶されたダイヤル番号に基づき送受話器からリダイヤルを行っても、正しい電話番号に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る電話機の外観の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る電話機の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る電話機の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】従来の電話機の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る電話機のメモリと表示等の一例を示す図である。
【図6】従来の実施形態に係る電話機のメモリと表示等の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の電話機に係る実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は電話機本体に送受話器が載置され、電話機本体と送受話器が無線接続されるコードレス電話機を例にとって説明するがこれに限るものではなく、例えば、送受話器が電話機本体と分離された充電台に載置されるコードレス電話機や、送受話器の他にさらに無線接続される受話子機を有するいわゆる親子電話機や、コードレス電話機の機能を備えたファクシミリ等にも適用可能である。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る電話機1の外観を示す図である。図1に示すように電話機1は、電話機本体3と、送受話器2、とを備える。送受話器2は、待機時やオンフックダイヤル、オンフック通話の時は、電話機本体3のクレイドル8に載置され、オフフックダイヤル、オフフック通話の時は、クレイドル8から取り外し使用される。電話機本体3と送受話器2とは無線で接続される。
【0014】
送受話器2には、受話口4、送話口7が設けられている。また、例えばダイヤルした番号、通話履歴、電話番号帳データ、現在時刻、通話時間等の各種情報を表示可能な表示部5、各種操作ボタンを含む操作部6が設けられている。
【0015】
電話機本体3には、例えばダイヤルした番号、通話履歴、電話番号帳データ、現在時刻、通話時間等の各種情報を表示可能な表示部9、ダイヤルボタンを含む操作部12が設けられている。また、オンフック通話を行うときに、通話する相手の音声を出力するスピーカー10と、電話機1の使用者の音声を収音するマイク11を備える。オンフック通話は、操作部12に含まれる、図示していない通話開始ボタンを押下することによって、開始される。
【0016】
図2は、本発明の実施形態に係る電話機1の構成を示すブロック図である。電話機本体3は主制御部20と、RAM(Random Access Memory)24と、不揮発性メモリ25と、公衆回線制御部27と、表示部28と、操作部29と、無線部23と、を備える。
【0017】
主制御部20は、不揮発性メモリ25に記憶されている制御プログラムに従って、電話機本体3を構成する各部を制御する。不揮発性メモリ25は、制御プログラム等を記憶している。またリダイヤル用のダイヤル番号、通話履歴、電話番号帳データなども記憶している。RAM24は、主制御部20の主メモリとして機能し、ダイヤルした番号や、表示部28に表示するデータの記憶等を行う。公衆回線制御部27は、公衆回線26と接続し外部の電話機等と通信を行う。表示部28は、液晶表示装置等からなる。
【0018】
また電話機1の送受話器2は、主制御部30と、RAM(Random Access Memory)34と、不揮発性メモリ35と、表示部36と、操作部37と、無線部33と、送話口7を構成するマイク32と、受話口4を構成するスピーカー31と、を備える。
【0019】
主制御部30は、不揮発性メモリ35に記憶されている制御プログラムに従って、送受話器2を構成する各部を制御する。不揮発性メモリ35は、制御プログラム等を記憶している。また、リダイヤル用のダイヤル番号、通話履歴、電話番号帳データなども記憶している。RAM34は、主制御部30の主メモリとして機能する。表示部36は、例えば、ダイヤルした番号、電話番号帳データ、通話履歴、現在時刻、通話時間等の各種情報を表示可能な表示装置、例えば液晶表示装置からなる。
【0020】
電話機本体3と、送受話器2は、無線で接続されているコードレス電話機である。無線による接続は、無線部23と、無線部33とを、介して行われる。無線通信はDECT規格に準拠して行われることが多いが、本発明はDECT規格以外の通信規格でも、実施可能である。電話機本体3と送受話器2との間の無線通信は、送受話器2を電話機本体3からオフフックする操作をトリガーとして開始される。
【0021】
次に従来の電話機の、電話機本体と送受話器間のデータ通信と、表示状態について図6を参照して説明する。図6では電話機本体3の表示部9と、送受話器2の表示部5の表示桁数を24桁として説明するが、これに限るものではなく、また電話機本体3と送受話器2の表示部の表示桁数は同じである必要もない。他の例としては、電話機本体3の表示部9の表示桁数が16桁、送受話器2の表示部5の表示桁数が12桁などである。また、電話機本体3の表示部9の表示桁数よりも、送受話器の表示部5の表示桁数が多くても良い。
【0022】
図6(b)は、オンフックの状態で電話機本体3の操作部12に含まれる通話開始ボタンを押下し、オンフック通話を開始し、ダイヤル(オンフックダイヤル)を行った場合を示している。ダイヤル番号は例えば「0312345678」の10桁である。電話機本体3のメモリ(RAM24)は、2つのメモリ領域、即ち前方メモリと後方メモリを有している。前方メモリは履歴記憶用、後方メモリは表示用に用いられる。前方メモリと後方メモリの記憶可能な桁数は、例えばそれぞれ24桁である。一般的に電話番号は、固定電話で10桁、携帯電話で11桁である。メモリ容量は過剰に持つとコストアップになるため、このように24桁程度にすることが多い。10桁ダイヤルする図6(b)の例では、ダイヤル番号の全桁を記憶することができる。なお前方メモリと後方メモリの容量は、同じである必要はない。電話機本体3の後方メモリに記憶されたダイヤル番号は、電話機本体3の表示部9に表示される。電話機本体3の表示部9の表示桁数よりもダイヤル番号が多い場合は、記憶されたダイヤル番号の後方の桁から表示され、表示桁数よりオーバーフローした番号は前方部分が削除されて表示されるが、この場合表示桁数が24桁であるので、すべてのダイヤル番号が表示される。
【0023】
オンフックダイヤルを行い、その後オフフック通話のために送受話器2をオフフックすると、電話機本体3と送受話器2とが無線接続され、ダイヤル番号に関する情報が送信される。送信されるダイヤル番号に関する情報は、電話機本体3の後方メモリに記憶されている番号である。この場合、送受話器2の表示部5の表示桁数は24桁なので、ダイヤル番号10桁は全て表示される。送信された桁数よりも送受話器2の表示部5の表示桁数が少ない場合は、後方の桁から表示され、表示桁数よりオーバーフローした番号は前方部分が削除される。
【0024】
通話が終了(終話)した後、電話機本体3のメモリ(RAM24)の前方メモリに記憶されているダイヤル番号の先頭から所定の桁数(この場合24桁)を、電話機本体3に通話履歴として記憶する。ダイヤル桁数は10桁なので、10桁全てが記憶される。この通話履歴は、電話機本体1からのリダイヤルや、電話番号帳データの作成等に用いられる。これに対し、送受話器2では、電話機本体3から送信された、後方メモリに記憶されたダイヤル番号がそのまま通話履歴用に記憶される。
【0025】
次に図6(a)を参照して、図6(b)より多い桁数のダイヤルを行った場合を説明する。通常電話番号は10桁程度だが、通話先からの音声ガイダンスに従って、更にダイヤルする場合がある。例えば宅配便の再配達日時の指定を行う場合などである。図6(a)で、オンフック通話の状態で、ダイヤルを例えば30桁行ったとする。一例として「0312345678 1234567890 1234567890」である。なお、ダイヤル番号の間にスペースを設けているが、これは図を見やすくするためであり、実際は必要ない。以下同様である。
【0026】
ダイヤルした番号は、電話機本体3のメモリ(RAM24)の前方メモリと後方メモリに記憶される。ここでもそれぞれ24桁記憶できるとする。ダイヤルされた番号の内、前方メモリには、ダイヤル番号の前方の24桁が記憶され、最後の6桁は削除される。後方メモリにはダイヤル番号の後方の24桁が記憶され、最初の6桁は削除される。後方メモリに記憶されたダイヤル番号は、電話機本体3の表示部9に送信され表示される。図6(a)では、後方メモリと表示部9の桁数が共に24桁で同じなので、電話機本体3の表示部9には「5678 1234567890 1234567890」の24桁分表示される。なお後方メモリの記憶桁数が表示部9の表示桁数よりも多い場合は、表示部9の表示桁数を超えた前方部分から削除され、ダイヤル番号の後方から表示部9の桁数分だけ表示される。また、前方メモリに記憶された24桁は、電話機本体3からのリダイヤルや電話帳データに用いられる。
【0027】
送受話器2がオフフックされると、無線通信が確立され、電話機本体3の後方メモリに記憶されたダイヤル番号が、送受話器2に送信される。図6(a)では送受話器2の表示部5の桁数は24桁なので、後方メモリに記憶されたすべての番号が、送受話器2の表示部5に表示される。表示部5の表示桁数が後方メモリの記憶桁数より小さい場合、表示部5の桁数を超えたダイヤル番号は前方から削除され、ダイヤル番号の後方から表示部5の桁数分だけ表示される。
【0028】
通話が終了すると、オフフック通話中に電話機本体3から送受話器2へ送信された、電話機本体3の後方メモリに記憶されたダイヤル番号が、送受話器2の通話履歴として記憶される。しかしダイヤル番号が後方メモリの記憶桁数を超えた場合、後方メモリの記憶桁数を超えたダイヤル番号の前方部分は削除されているため、記憶された通話履歴を用いて、リダイヤルや、電話番号帳データの登録をすると、正しい電話番号に接続されなくなってしまう。
【0029】
この状態を防ぐには、想定されるダイヤル番号の桁数を十分に超える記憶容量を電話機本体3のメモリ(RAM24)、及び送受話器2のメモリ(RAM34)に持たせ、電話機本体3のメモリから全ダイヤル番号送信して、送受話器2に全ダイヤル番号を記憶すれば解決するが、必要以上に大きな記憶容量を持たせることはコストアップに繋がる。また、音声ガイダンスによってダイヤルする桁数は、状況によって大きく変わるため、必要十分な桁数を想定すること自体が困難である。従って、必要十分なRAM34の容量を決定することが難しい。
【0030】
また、上述の従来例では、電話機本体3の後方メモリに記憶されたダイヤル番号、即ち表示に用いる情報を、通話履歴よりも優先して使用する構成となっている。その理由は、例えば送受話器2を電話機本体3から離れた場所に移動して、通話中にさらに音声ガイダンスなどに従って、ダイヤルする場合、ダイヤル番号を送受話器2の表示部5で確認できる方が便利なためである。
【0031】
さらに、送信する桁数が多い場合は、通信規格に依存する通信プロトコルの制限(例えば40桁)があるため、これを超えると複数に分割して送信しなくてはならなくなる場合がある。そうすると通信に時間がかかり、送受話器2の表示部5での表示が遅れるという問題も発生する。このような要請からも、電話機本体3から送受話器2へのダイヤル番号情報の送信桁数は、最小限に抑えられることが多い。その結果、後方メモリに記憶されたダイヤル番号のみが、送受話器2へ送信される。
【0032】
この従来技術の、動作のフローチャートを図4に示す。まず、電話機本体3の通話開始ボタンを押下し、回線を閉結し、オンフック通話状態にする(S1)。次にオフフックされたか否かを判定する(S2)。オフフックされた場合(S2:No)、その後のダイヤル操作は、電話機本体3と送受話器2とが常に無線接続された連動通話の状態となり、送受話器2は電話機本体3と同じダイヤル情報を持つことになる。電話機本体3の前方メモリの24桁が、送受話器3の履歴用に記憶されるため、本発明の課題は発生しない。
【0033】
オンフックの状態で(S2:Yes)、ダイヤル操作が行われると(S3:Yes)、ダイヤル情報のうち後方24桁が、電話機本体3のRAM24の後方メモリに記憶される。また、前方の24桁も前方メモリに記憶される(S4)。
【0034】
ここで、オンフックの状態を継続し(S5:No)、ハンズフリー通話を行い終話した場合は、無線接続は行われないため、送受話器2へはダイヤル番号情報が送信されずに、終話となる。オフフックされた場合は(S5:Yes)、電話機本体3と送受話器2は無線接続され(S6)、電話機本体3のメモリ(RAM24)の後方メモリに記憶された24桁が、送受話器2に送信され(S13)、送受話器2の表示部5に後方メモリの番号情報が表示される(S14)。この時、ダイヤル番号の桁数が表示部5の表示桁数よりも多い場合は、ダイヤル番号の前方部分は削除され、後方側だけが表示される。通話が終了すると、電話機本体3から送受話器2に送信された後方メモリの番号が、送受話器2の記憶部(不揮発メモリ35)に通話履歴として記憶され(S15)、リダイヤルや電話番号帳データに用いられる。しかし、ダイヤル桁数が後方メモリの桁数より多い場合、ダイヤル番号の前方部分が削除されているため、この番号を用いてリダイヤルしても、正しい電話番号には接続されない。
【0035】
次に本発明の電話機の実施形態の一例を、図5を参照して説明する。図5では電話機本体3の前方メモリ、及び後方メモリの記憶桁数より多い桁数のダイヤルを行った場合を例にとる。図6(a)と同様に、オンフック通話の状態で、ダイヤルを30桁行ったとする。一例として「0312345678 1234567890 1234567890」である。
【0036】
電話機本体3のメモリのうち、前方メモリはダイヤル番号の前方の24桁、後方メモリは後方の24桁を記憶する。後方メモリに記憶されたダイヤル番号は、電話機本体3の表示部9に表示される。図5では、後方メモリの記憶桁数と表示部9の表示桁数が同じため、すべての桁が表示される。なお、表示部9の表示桁数が、後方メモリの記憶桁数より少ない場合は、表示部9の桁数を超えた前方部分から削除され、ダイヤル番号の後方から表示部9の桁数分だけ表示される。図5では、電話機本体3の表示部9には「5678 1234567890 1234567890」の24桁分表示される。
【0037】
送受話器2がオフフックされると、無線通信が確立される。ここで電話機本体3に記憶されたダイヤル番号情報が、送受話器2に無線通信を介して送信されるが、ダイヤル番号情報は送受話器表示用と送受話器通話履歴用と、別のデータとして、それぞれ送信される。表示用のデータは、後方メモリに記憶されたデータが送信される。
【0038】
表示用データの送信が終了した後に、送受話器2通話履歴用データが送受話器2に送信される。送受話器2の通話履歴用データは、電話機本体3の前方メモリに記憶されているデータが送信され、送受話器2の不揮発メモリ35に「0312345678 1234567890 1234567890」と記憶される。これによって、送受話器2に記憶されている通話履歴を用いてリダイヤルや、電話帳情報データの作成を行っても、正しい電話番号に接続することが可能となる。
【0039】
この動作のフローチャートを図3に示す。オフフックの検出を行うステップ(S5)までは、従来技術の図4と同様である。オフフックを検出し(S5:Yes)、電話機本体3と送受話器2は無線接続されると(S6)、電話機本体3のメモリ(RAM24)に記憶されたダイヤル情報のうち、後方メモリに記憶された表示部用情報が送受話器に送信される(S7)。表示用情報送信した後、通話履歴用情報を送信する(S8)。通話履歴用情報は、電話機本体3のRAM24の前方メモリに記憶されているダイヤル情報で、例えば24桁を送受話器2へ送信する。送信された通話履歴用情報は、送受話器2の不揮発性メモリ35に記憶され(S10)、リダイヤルや、電話番号帳データに用いられる。
【0040】
表示用情報の送信(S7)は、履歴用情報(S8)よりも先に行う方が好ましい。表示用データは、ダイヤル中に確認を行いたい場合があるからである。通話履歴用データを用いるのは通常終話後であるので、表示用データより後で良い。また通話履歴用データは通話中にバックグラウンドで送信することも可能である。通話履歴用データの送信(S8)は、表示(S9)より後でも良い。なお表示用情報送信と通話履歴用情報送信の順番を逆にしても本発明を実施可能である。
【0041】
これにより、送受話器2の表示部5の表示桁数よりも多い桁数が、電話機本体3に対しダイヤルされた後にオフフックされても、送受話器2の表示部5には、ダイヤル情報の後方側が表示されるため、ダイヤルした内容を確認することができる。また通話履歴もダイヤル情報の前方が記憶されるため、リダイヤルを行っても正しい電話番号に通話することができ、また電話番号帳データも、正しく作成することができる。
【0042】
また、表示用情報や通話履歴用情報の送信は、オフフック検出(S5:Yes)をトリガーとして行うのが好ましい。これはオフフック検出により、送受話器の無線接続が確立され(S6)、ダイヤル情報を送るための無線接続の確立を、別に行う必要がなくなるためである。
【0043】
なお、図5に示すように、本発明では送受話器2の表示用データ(後方メモリに記憶)と履歴用データ(前方メモリに記憶)に重複部分が発生すると、従来よりも送信データ量は増える場合がある。しかしこの程度のデータ量の増加は実質的な問題は生じない。データ量の増加よりも、送受話器2での表示と、リダイヤルや電話帳データが正しくなる効果が大きい。
【0044】
(変形例1)
図3で、オフフック検出ステップ(S5)で、オフフックされない場合(S5:No)の場合は、オンフック通話で通話が完結するため、従来は送受話器2にはダイヤル情報は送信されない。しかし終話後、送受話器2からリダイヤルや、電話番号帳データの作成を行う場合、送受話器2にも正しい通話履歴用情報が送信されると便利である。そのためには、オフフック通話で終話したことを検出し(S11:Yes)、終話を検出したら、電話機本体3から送受話器に2へ、通話履歴用情報を送信しても良い。通話履歴用情報は、上述のオフフックした場合と同様に、ダイヤル情報の前方から所定の桁数、即ち前方メモリに記憶されたダイヤル番号送信される。なお、オンフックの状態で通話が完了するため、表示用情報を送信する必要はない。
【0045】
(変形例2)
送受話器2へ送信する表示用情報の桁数は、送受話器2の表示部5の桁数よりも、多い桁数で送信しても良い。表示部5の表示桁数を超えた番号は、前方から順次削除されるためである。これによって、将来の設計変更により、送受話器2の表示部5の表示桁数が増えたとしても、ソフトウェアはそのままで済む。また異なる表示桁数を有する電話機1に対しても、ソフトウェアを共通化し、コストダウンを図ることができる。
【0046】
(変形例3)
上述の実施例では、表示用情報は、電話機本体3の後方メモリに記憶されたダイヤル番号が送受話器2の表示部5に送信されるとしたが、メモリに記憶せずに全データを順次送信し、表示部5の桁数を超えたダイヤル番号が順次削除され、最終的にダイヤル番号の後方から表示部5の桁数分だけ表示するようにしても良い。これによってもダイヤル番号の後方の部分が表示されるので、ダイヤル番号を確認することができる。
【0047】
(変形例4)
上述の実施例では、オンフックダイヤルを例にとったが、オンフックモニターでも実施可能である。オンフックモニターは、電話機本体3にマイク11がなく、スピーカー10から出力される相手の音声をオンフックの状態で聞く使用法である。オンフックモニターの状態からオフフックして通話を行うとき、電話機本体3から送受話器2に表示用情報と履歴用情報を送信すればよい。
【0048】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電話機もまた本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、電話機に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0050】
1…電話機、2…送受話器、3…電話機本体、4…受話口、5…表示部、6…操作部、7…送話口、8…クレイドル、9…表示部、10…スピーカー、11…マイク、12…操作部、20…主制御部、21…スピーカー、22…マイク、23…無線部、24…RAM、25…不揮発性メモリ、26…公衆回線、27…公衆回線制御部、28…表示部、29…操作部、30…主制御部、31…スピーカー、32…マイク、33…無線部、34…RAM、35…不揮発性メモリ、36…表示部、37…操作部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】