(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019145922
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】通信システム、通信制御装置、通信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/70 20130101AFI20190802BHJP
【FI】
   !H04L12/70 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】2018026437
(22)【出願日】20180216
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目3番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】藤井 勇彰
【住所又は居所】東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】竹内 直人
【住所又は居所】東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社内
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA11
5K030HC01
5K030HC09
5K030HD03
5K030HD09
5K030JA11
5K030JT03
5K030LB01
5K030LB05
5K030LC09
5K030MD09
(57)【要約】
【課題】アクセス網を介して端末を外部の通信網に接続させる通信システムにおいて、端末のアクセス経路に拠らずに、端末に同一のアドレスを設定することを可能とする。
【解決手段】 アクセス網と外部通信網との間で通信の中継を行う通信制御装置と、アドレス管理装置とを備える通信システムにおいて、前記アドレス管理装置は、端末毎に、端末で使用するアドレスを格納する格納手段を備え、前記通信制御装置は、前記アクセス網を介して端末から接続要求を受信し、当該接続要求に基づいて、当該端末のアドレスを前記アドレス管理装置から取得し、当該アドレスを前記端末に通知するアドレス取得通知手段と前記端末の経路情報を前記外部通信網に向けて広報する経路情報広報手段とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセス網と外部通信網との間で通信の中継を行う通信制御装置と、アドレス管理装置とを備える通信システムであって、
前記アドレス管理装置は、端末毎に、端末で使用するアドレスを格納する格納手段を備え、
前記通信制御装置は、
前記アクセス網を介して端末から接続要求を受信し、当該接続要求に基づいて、当該端末のアドレスを前記アドレス管理装置から取得し、当該アドレスを前記端末に通知するアドレス取得通知手段と
前記端末の経路情報を前記外部通信網に向けて広報する経路情報広報手段と
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記通信システムは、前記通信制御装置と前記外部通信網とを接続する接続網を更に備え、
前記接続網は、複数の端末の経路情報を集約した経路情報を前記外部通信網に広報する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記格納手段は、端末毎に、端末の電話番号と当該端末で使用するアドレスとを対応付けて格納し、
前記アドレス取得通知手段は、前記接続要求に含まれる前記端末の電話番号に対応するアドレスを前記アドレス管理装置から取得する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
アクセス網と外部通信網との間で通信の中継を行う通信制御装置と、端末毎に、端末で使用するアドレスを格納する格納手段を備えるアドレス管理装置とを備える通信システムにおける前記通信制御装置であって、
前記アクセス網を介して端末から接続要求を受信し、当該接続要求に基づいて、当該端末のアドレスを前記アドレス管理装置から取得し、当該アドレスを前記端末に通知するアドレス取得通知手段と
前記端末の経路情報を前記外部通信網に向けて広報する経路情報広報手段と
を備えることを特徴とする通信制御装置。
【請求項5】
コンピュータを、請求項4に記載の通信制御装置における各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
アクセス網と外部通信網との間で通信の中継を行う通信制御装置と、端末毎に、端末で使用するアドレスを格納する格納手段を備えるアドレス管理装置とを備える通信システムにおける通信方法であって、
前記通信制御装置が、前記アクセス網を介して端末から接続要求を受信し、当該接続要求に基づいて、当該端末のアドレスを前記アドレス管理装置から取得し、当該アドレスを前記端末に通知するアドレス取得通知ステップと
前記端末の経路情報を前記外部通信網に向けて広報する経路情報広報ステップと
を備えることを特徴とする通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、網間を接続する通信制御装置に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
モバイル網を介して端末を閉域網やInternet等の外部のパケット通信網に接続させるサービスが普及している。このようなサービスでは、モバイル網とパケット通信網との間で通信の中継等を行う通信制御装置(交換機と称してもよい)が用いられる。
【0003】
また、1つの通信制御装置が故障してもサービスを継続できるよう、複数の通信制御装置を備えることで冗長性を確保することも行われている。
【0004】
従来技術では通常、端末がアクセスする通信制御装置毎に、端末に異なるIPアドレスが設定される。例えば、通信制御装置Aと通信制御装置Bが使用される場合において、ある端末が通信制御装置Aにアクセスする場合に当該端末に設定されるIPアドレスと、当該端末が通信制御装置Bにアクセスする場合に当該端末に設定されるIPアドレスとは異なるものとなる。これは通常、冗長構成をとる異なる通信制御装置は異なるネットワークに属するためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−244197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、端末がアクセスする通信制御装置毎に、端末に異なるIPアドレスが設定される従来技術では、管理サイトから端末への試験や機能アップデート等の管理サイトから端末への通信を行うことができない場合が生じる。
【0007】
管理サイトにおいて通信制御装置毎に当該端末が使用するIPアドレスを管理していたとしても、管理サイトでは、端末がどの通信制御装置にアクセスしているかを把握できないので、管理サイトは、端末がアクセスしている通信制御装置とは異なるIPアドレスで端末への通信を行うことがあり、その場合には管理サイトから端末への通信を行うことができない。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、アクセス網を介して端末を外部の通信網に接続させる通信システムにおいて、端末のアクセス経路に拠らずに、端末に同一のアドレスを設定することを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
開示の技術によれば、アクセス網と外部通信網との間で通信の中継を行う通信制御装置と、アドレス管理装置とを備える通信システムであって、
前記アドレス管理装置は、端末毎に、端末で使用するアドレスを格納する格納手段を備え、
前記通信制御装置は、
前記アクセス網を介して端末から接続要求を受信し、当該接続要求に基づいて、当該端末のアドレスを前記アドレス管理装置から取得し、当該アドレスを前記端末に通知するアドレス取得通知手段と
前記端末の経路情報を前記外部通信網に向けて広報する経路情報広報手段と
を備えることを特徴とする通信システムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
開示の技術によれば、アクセス網を介して端末を外部の通信網に接続させる通信システムにおいて、端末のアクセス経路に拠らずに、端末に同一のアドレスを設定することを可能とする技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態における通信システムの全体構成図である。
【図2】通信制御装置100の機能構成図である。
【図3】認証装置200の機能構成図である。
【図4】データ格納部220に格納されているデータの例を示す図である。
【図5】装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図6】通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図7】通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(本実施の形態)を説明する。以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。例えば、本実施の形態では、パケット通信としてIPパケット通信を例にとって説明をしているが、本発明はIPパケット通信以外のパケット通信にも適用可能である。
【0013】
(通信システムの全体構成)
図1に本発明の実施の形態における通信システムの全体構成図を示す。本実施の形態に係る通信システムは、携帯電話機やスマートフォン等の端末300が、モバイル網等のアクセス網400を利用して閉域網(企業ネットワーク等)やインターネット等の外部のパケット通信網600に接続し、IPによるパケット通信を行うことを可能とする通信システムである。
【0014】
図1に示すように、本実施の形態における通信システムは、端末300、アクセス網400、通信制御装置100A、100B、認証装置200A、200B、接続網500、及びパケット通信網600を有し、図示の接続線等で示すように装置間で通信可能に構成されている。なお、通信制御装置100A、100B、認証装置200A、200Bを有する構成を通信システムと称してもよい。
【0015】
本実施の形態においては、アクセス網400としてモバイル網を用いることを想定しており、端末300は、モバイル網を利用した通信を行うことができるスマートフォン等の無線端末である。ただし、これは例であり、アクセス網400は有線網(例:固定電話網、インターネット)であってもよいし、端末300は通信機能を持つPC等であってもよい。
【0016】
なお、ここでは、端末300が通信制御装置100A、100Bにアクセスすることから、これらの間にある網をアクセス網400と称している。
【0017】
上記のように、本実施の形態におけるアクセス網400はモバイル網である。当該モバイル網は、一般的なモバイル網であり、基地局、基地局制御装置等を含んでいる。
【0018】
なお、アクセス網400としてのモバイル網は、1つのモバイル事業者により提供されるモバイル網であってもよいし、複数のモバイル事業者により提供される複数のモバイル網であってもよい。複数のモバイル事業者により提供される複数のモバイル網が使用される場合において、端末300は、当該複数のモバイル網のそれぞれに接続する機能を備えてもよい。
【0019】
通信制御装置100A、100Bは、端末300へのIPアドレスの割り当て、アクセス網400と外部のパケット通信網600との間でパケットの中継を行う装置である。以降、通信制御装置100A、100Bを特に区別しない場合には、「通信制御装置100」と表記する。本実施の形態では、冗長性を持たせる等の目的で、2つの通信制御装置100A、100Bが備えられているが、これは例であり、3つ以上の通信制御装置100が備えられてもよい。なお、通信制御装置100を交換機と称してもよい。また、複数の通信制御装置100を備えることは必須ではない。例えば、1つの通信制御装置100を備える場合において、通信制御装置100の属するネットワークが変更になる等の設定変更がある場合でも、本実施の形態に係る技術により、端末300には同一のIPアドレスを設定できる。
【0020】
アクセス網400としてモバイル網を用いる本実施の形態において、通信制御装置100は、例えばLTEにおけるP−GW(PDN GateWay)あるいは3GにおけるGGSN(Gateway GPRS Support Node)に相当する。ただし、これらは例であり、通信制御装置100はP−GW、GGSN以外のノード装置であってもよい。
【0021】
認証装置200A、200Bは、端末300のユーザの認証を行う装置であり、特に本実施の形態においては、後述するようにIPアドレスを通知する機能を含む。なお、以降、認証装置200A、200Bを特に区別しない場合には、「認証装置100」と表記する。認証装置100をアドレス管理装置と称してもよい。本実施の形態では、2つの認証装置200A、200Bが備えられているが、これは例であり、3つ以上の認証装置100が備えられてもよい。また、1つの認証装置100が備えられることとしてもよい。なお、複数の認証装置100が備えられる場合において、各認証装置には同じデータが保持される。
【0022】
接続網500は、アクセス網400と外部のパケット通信網600との間の分界点となる網であり、複数のルータ501〜504を含む。なお、図1の接続網500においては4つのルータが示されているが、これは一例に過ぎない。
【0023】
(装置構成例)
図2に、通信制御装置100の機能構成例を示す。図2に示すように、通信制御装置100は通信部110、IPアドレス取得通知部120、IPアドレス経路広報部130、切断処理部140を含む。
【0024】
通信部110は、端末300と接続網500との間のパケットの中継を行う。具体的には、通信部110は、端末300との間にトンネルを設定し、端末300との間ではトンネルを用いたIPパケットの送受信を行う。接続網500との間ではトンネルを使用しないでIPパケットの送受信を行う。
【0025】
IPアドレス取得通知部120は、端末300からの接続要求に基づいて、認証装置200から、当該端末300に対して予め登録されているIPアドレスを取得し、当該IPアドレスを当該端末300に通知する。IPアドレス経路広報部130は、端末300の経路情報(端末300のIPアドレス)を接続網500に対して広報(advertise)する。切断処理部140は、端末300が通信切断を行う際の処理を行う。
【0026】
図3に、認証装置200の機能構成例を示す。図3に示すように、認証装置200は、認証処理部210、データ格納部220を含む。認証処理部210は、通信制御装置200からの認証要求に基づいて、データ格納部220を参照することで認証処理を行う。認証処理としては、例えば、認証要求に含まれる電話番号がデータ格納部220に登録されているか否か、認証要求に含まれるID/パスワード(端末300から送られたもの)が、データ格納部220に登録されているID/パスワードと一致するか否か、等の処理がある。認証装置200は更に端末300の状態(接続中等)を管理する機能を含んでもよい。
【0027】
また、認証処理部220は、認証要求に含まれる電話番号に対応するIPアドレスをデータ格納部220から取得し、通信制御装置100に返す等の処理も実行する。
【0028】
図4(a)、(b)に、データ格納部220に格納されているデータ(テーブル)の例を示す。なお、図4(a)、(b)は、データ格納部220に格納されているデータのうちの、端末300に提供するIPアドレスに関するものに着目した図である。
【0029】
図4(a)に示す例において、データ格納部220に格納されているテーブルは、ユーザ(端末)毎に、電話番号とIPアドレスを対応付けたテーブルである。このIPアドレスは予め登録しておくものである。
【0030】
図4(b)に示す例において、データ格納部220に格納されているテーブルは、ユーザ(端末)毎に、複数の電話番号に、1つのIPアドレスが対応付けられたテーブルである。この場合は、端末が電話番号の異なる複数のモバイル網に接続可能であることを想定している。このように、複数の電話番号に、1つのIPアドレスを割り当てておくことで、端末300には、接続するモバイル網に依存せずに、同一のIPアドレスが割り当てられる。
【0031】
また、認証装置200における認証機能と、IPアドレス取得・返却機能とを別々の装置として備えることとしてもよい。この場合、IPアドレス取得・返却機能の装置をアドレス管理装置と称し、当該アドレス管理装置には、図4(a)(b)等に示すデータが保持される。
【0032】
なお、本実施の形態で説明する例では、電話番号をキーとしてIPアドレスを取得することとしているが、キーとする情報は電話番号に限られない。ユーザあるいは端末に紐づけられる情報であって、接続要求時に端末300から通知可能な情報であればキー情報として使用できる。
【0033】
(ハードウェア構成例)
通信制御装置100及び認証装置200はいずれも、例えば、コンピュータに、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。すなわち、当該装置が有する機能は、当該コンピュータに内蔵されるCPUやメモリ、ハードディスクなどのハードウェア資源を用いて、当該装置で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(可搬メモリ等)に記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記プログラムをインターネットや電子メールなど、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0034】
図5は、当該装置(通信制御装置100及び認証装置200のいずれにも該当)をコンピュータで実現する場合におけるハードウェア構成例を示す図である。図5に示す装置は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置150、補助記憶装置152、メモリ装置153、CPU154、インタフェース装置155、表示装置156、及び入力装置157等を有する。
【0035】
当該装置での処理を実現するプログラムは、例えば、CD−ROM又はメモリカード等の記録媒体151によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体151がドライブ装置150にセットされると、プログラムが記録媒体151からドライブ装置150を介して補助記憶装置152にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体151より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置152は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0036】
メモリ装置153は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置152からプログラムを読み出して格納する。CPU154(プロセッサ)は、メモリ装置153に格納されたプログラムに従って当該装置に係る機能を実現する。インタフェース装置155は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置156はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置157はキーボード及びマウス、ボタン、又はタッチパネル等で構成され、様々な操作指示を入力させるために用いられる。
【0037】
なお、当該装置を遠隔から操作したり、遠隔で表示を行う場合には、表示装置156及び入力装置157を備えないこととしてもよい。
【0038】
(動作例)
次に、図6、図7を参照して、図1に示した本実施の形態における通信システムの動作例を説明する。なお、端末300がパケット通信網600に接続する際に、通信制御装置100Aと通信制御装置100Bのどちらを用いてもよいが、下記の例では、例として、通信制御装置100Aを使用している。また、認証装置200については認証装置200Aを使用している。通信制御装置100Bを用いる場合でも、下記の動作と同じ動作が実行され、端末300には同一のIPアドレスが設定される。
【0039】
<接続時の動作例>
まず、端末300がパケット通信網600に接続する際の動作例を図6のシーケンス図を参照して説明する。
【0040】
S101において、端末300は、接続要求を送信する。通信制御装置100Aが当該接続要求を受信する。当該接続要求には、端末300の電話番号、及び、接続先を示す宛先アドレスが含まれる。この宛先アドレスは、例えばAPN(Access Point Name)である。なお、接続要求に電話番号が含まれることは一例である。接続要求に、電話番号に代えて、あるいは、電話番号に加えて、ユーザ情報(例:図4(b)の「ユーザ」を識別する情報)や、前述したキー情報として使用できる端末情報が含まれていてもよい。以下では、電話番号をキー情報として使用する場合を例にとって説明する。
【0041】
S102では、接続要求を受信した通信制御装置100Aにおいて、IPアドレス取得通知部120が、端末300の電話番号を含む認証要求を認証装置200Aに送信する。認証装置200Aでは、認証処理部210が、認証処理を行うとともに、データ格納部220から端末300の電話番号に対応するIPアドレスを取得する。例えば、図4(a)の例において、端末300の電話番号が「電話番号1」であるとすると、これに対応する「IPアドレス1」が取得される。更に、端末300の状態として例えば「接続中」がデータ格納部220に記録される。
【0042】
S103において、認証装置200Aは、電話番号に対応するIPアドレスが含まれる認証応答を通信制御装置100Aに返す。
【0043】
S104において、通信制御装置100AのIPアドレス取得通知部120は、認証装置200Aから受信したIPアドレスを含む接続応答を、端末300に送信する。これにより、端末300は、当該IPアドレスを設定し、パケット通信網600との通信において自身のIPアドレスとして使用できる。
【0044】
本実施の形態では、S101とS104の手順により、端末300と通信制御装置100A(の通信部110)との間にトンネルが設定され、端末300と通信制御装置100Aとの間では、当該トンネルを介してIPパケットの通信がなされる。このトンネルは例えばGTP(GPRS Tunneling Protocol)トンネルである。
【0045】
S105において、通信制御装置100AのIPアドレス経路広報部130は、ルーティングプロトコルを用いて、端末300のIPアドレスの経路情報を接続網500に広報(送信)する(つまり、パケット通信網600に向けて広報する)。ここでの経路情報は、通信制御装置100Aに接続される端末300のIPアドレス(例:10.10.0.1/32)を有する。経路情報が送信されると、接続網500における各ルータに経路情報が広報される。経路情報をあるポート(インタフェースと称しても良い)で受け取った各ルータは、端末300のIPアドレスを宛先とするパケットを受け取った場合に、そのポートからパケットを出力するようにルーティングテーブルを設定する。
【0046】
S106において、接続網500(における例えばルータ503)は、複数の端末のIPアドレスを集約した経路情報をパケット通信網600へ広報する。複数の端末のIPアドレスを集約した経路情報とは、例えば、予め定めたネットワークのアドレス(複数の端末に割り当てられるIPアドレスの共通のネットワーク部、例:10.10.0.0/15)である。これにより、パケット通信網600においては、例えば端末300のIPアドレスを宛先とするパケットを接続網500に向けて転送するルーティングを実施できる。
【0047】
S106において、集約した経路情報を用いずに、S105のように個々の端末の経路情報を広報する場合、閉域網等であるパケット通信網600で許容されない数十万経路が広報されることになるが、集約した経路情報を用いることで、閉域網等であるパケット通信網600で許容される経路数の経路情報とすることができる。
【0048】
なお、S105における経路情報の広報は、端末300が通信制御装置100Aに接続されている間、定期的に行うこととしてもよい。また、S106における経路情報の広報は、集約アドレスに該当するIPアドレスの端末300が少なくとも1つ通信制御装置100Aに接続されている間、定期的に行うこととしてもよい。S107において、端末300とパケット通信網600とで通信が行われる。
【0049】
<切断時の動作例>
次に、端末300がパケット通信網600との通信を切断する際の動作例を図7のシーケンス図を参照して説明する。
【0050】
S201において、端末300は切断要求を送信し、通信制御装置100Aは当該切断要求を受信する。
【0051】
S202において、通信制御装置100Aの切断処理部140は、切断通知を認証装置200Aに送信する。認証装置200Aでは、認証処理部210が、当該端末300の状態を「切断」とし、S203において切断応答を通信制御装置100Aに返す。
【0052】
S204において、通信制御装置100Aの切断処理部140は、端末300に対して切断応答を送信する。S201、S204により、端末300と通信制御装置100Aとの間に設定されていたトンネルが切断される。
【0053】
また、通信制御装置100AのIPアドレス経路広報部130は、端末300のIPアドレが通信制御装置100Aからの経路に含まれなくなったことを示す経路情報を接続網500に広報する(S205)。当該経路情報は、例えば、端末300のIPアドレスに到達できないことを示す情報(例:大きなメトリックを設定)である。当該経路情報は接続網500における各ルータに広報され、各ルータにおいて、端末300のIPアドレスへの経路情報は削除される。
【0054】
上記にように端末300のIPアドレスに到達できないことを示す情報を送信することに代えて、図6のS105において定期的に送信していた端末300のIPアドレスの経路情報の送信を停止することとしてもよい。この場合、各ルータにおいて、タイムアウトにより端末300のIPアドレスへの経路情報が削除される。
【0055】
図6のS106に示した経路情報については、端末300が切断されても、他の端末(集約アドレスに該当する端末)が接続されていれば、継続して広報される。図7では、それをS206として示している。S207は、端末300とパケット通信網500との間の通信が切断され、通信ができないことを示している。
【0056】
(実施の形態の効果等)
以上説明した本実施の形態に係る技術により、アクセス網を介して端末を外部の通信網に接続させる通信システムにおいて、端末のアクセス経路に拠らずに、端末に同一のアドレスを設定することができる。
【0057】
これにより、端末等の利用者機器を1つのIPアドレスで管理できるようになるため、通常系/冗長系のいずれの経路を利用しているかを意識することなく利用者機器監視や制御、データ配信等を利用できるようになる。また、サイトや拠点等の接続制御の設定が例えば半分になるため運用が容易になるとともに、利用していないIPアドレスによる通信を防ぐこともできるためセキュリティ向上も図れる。
【0058】
更に、複数のモバイル事業者にまたがって同一IPアドレスを利用することや、3経路以上の冗長経路提供においても同一IPアドレスの利用が実現可能である。
【0059】
(実施の形態のまとめ)
以上、説明したように、本実施の形態により、アクセス網と外部通信網との間で通信の中継を行う通信制御装置と、アドレス管理装置とを備える通信システムであって、前記アドレス管理装置は、端末毎に、端末で使用するアドレスを格納する格納手段を備え、前記通信制御装置は、前記アクセス網を介して端末から接続要求を受信し、当該接続要求に基づいて、当該端末のアドレスを前記アドレス管理装置から取得し、当該アドレスを前記端末に通知するアドレス取得通知手段と前記端末の経路情報を前記外部通信網に向けて広報する経路情報広報手段とを備えることを特徴とする通信システムが提供される。
【0060】
データ格納部220は格納手段の例であり、IPアドレス取得通知部120はアドレス取得通知手段の例であり、IPアドレス経路広報部130は経路情報広報手段の例である。
【0061】
前記通信システムは、前記通信制御装置と前記外部通信網とを接続する接続網を更に備え、前記接続網は、複数の端末の経路情報を集約した経路情報を前記外部通信網に広報することとしてもよい。
【0062】
前記格納手段は、端末毎に、端末の電話番号と当該端末で使用するアドレスとを対応付けて格納し、前記アドレス取得通知手段は、前記接続要求に含まれる前記端末の電話番号に対応するアドレスを前記アドレス管理装置から取得することとしてもよい。
【0063】
また、本実施の形態により、アクセス網と外部通信網との間で通信の中継を行う通信制御装置と、端末毎に、端末で使用するアドレスを格納する格納手段を備えるアドレス管理装置とを備える通信システムにおける前記通信制御装置であって、前記アクセス網を介して端末から接続要求を受信し、当該接続要求に基づいて、当該端末のアドレスを前記アドレス管理装置から取得し、当該アドレスを前記端末に通知するアドレス取得通知手段と
前記端末の経路情報を前記外部通信網に向けて広報する経路情報広報手段とを備えることを特徴とする通信制御装置が提供される。
【0064】
また、本実施の形態により、コンピュータを、上記通信制御装置における各手段として機能させるためのプログラムが提供される。
【0065】
以上、本実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
100、100A、100B 通信制御装置
200、200A、200B 認証装置
300 端末
400 アクセス網
500 接続網
501〜504 ルータ
600 パケット通信網
110 通信部
120 IPアドレス取得通知部
130 IPアドレス経路広報部
140 切断処理部
150 ドライブ装置
151 記録媒体
152 補助記憶装置
153 メモリ装置
154 CPU
155 インタフェース装置
156 表示装置
157 入力装置
210 認証処理部
220 データ格納部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】