(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019146376
(43)【公開日】20190829
(54)【発明の名称】回転電機ユニット、回転電機および車両
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/19 20060101AFI20190802BHJP
   H02K 5/20 20060101ALI20190802BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20190802BHJP
   B60L 15/00 20060101ALI20190802BHJP
   B60K 11/02 20060101ALI20190802BHJP
   B60K 1/00 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !H02K9/19 A
   !H02K5/20
   !B60L3/00 Z
   !B60L15/00 H
   !B60K11/02
   !B60K1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】2018028867
(22)【出願日】20180221
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】奈須野 佑仁亜
【住所又は居所】埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【テーマコード(参考)】
3D038
3D235
5H125
5H605
5H609
【Fターム(参考)】
3D038AB01
3D235AA01
3D235BB45
3D235CC12
3D235HH02
5H125AA01
5H125AB01
5H125AC08
5H125CD06
5H125DD18
5H125EE05
5H125EE08
5H125EE09
5H125EE52
5H125EE62
5H125FF22
5H605AA01
5H605BB01
5H605BB05
5H605BB10
5H605CC01
5H605DD13
5H609BB01
5H609PP01
5H609PP06
5H609PP09
5H609QQ05
5H609QQ16
5H609QQ20
5H609RR26
5H609RR28
5H609RR37
5H609RR42
5H609RR46
5H609RR48
5H609RR50
5H609RR68
(57)【要約】
【課題】通常時の冷媒吐出量を増やすことなく、登坂時の冷却が可能となる回転電機ユニット、回転電機および車両を提供する。
【解決手段】回転電機ユニット20は、回転電機本体に向け冷媒を送り込む冷媒通路43および冷媒供給管33と、冷媒供給管33の冷媒を回転電機本体の上部に放出する第1冷却用滴下パイプ31a〜31cと、冷媒供給管33の冷媒を回転電機本体の前方部に放出する第2冷却用滴下パイプ32と、第2冷却用滴下パイプ32への流路を開閉する冷媒切替機構35と、車両の登坂を判定するECU2(登坂判定部)と、を備え、登坂判定部は、車両が登坂中と判定した場合、冷媒切替機構35を開成して第2冷却用滴下パイプ32より冷媒を放出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された回転電機ユニットであって、
回転電機本体と、
前記回転電機本体に向け冷媒を送り込む冷媒流路と、
前記冷媒流路の冷媒を前記回転電機本体の上部に放出する第1冷媒放出部と、
前記冷媒流路の冷媒を前記回転電機本体の前方部に放出する第2冷媒放出部と、
前記第2冷媒放出部への流路を開閉する流路開閉手段と、
前記車両の登坂を判定する登坂判定部と、を備え、
前記登坂判定部は、
前記車両が登坂中と判定した場合、前記流路開閉手段を開成して前記第2冷媒放出部から冷媒を放出する
ことを特徴とする回転電機ユニット。
【請求項2】
前記第2冷媒放出部は、前記回転電機本体の車両前方寄りで、冷媒を放出可能な位置に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機ユニット。
【請求項3】
前記第1冷媒放出部は、前記回転電機本体の周方向に沿って複数並列に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機ユニット。
【請求項4】
前記登坂判定部は、さらに、
回転電機のステータの巻線温度が高い領域、車両の低速急坂登坂時、または、車両の低回転高トルク領域を判定し、車両が当該判定状態にある場合、前記流路開閉手段を開成して前記第2冷媒放出部より冷媒を放出する
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機ユニット。
【請求項5】
車両に搭載された回転電機ユニットであって、
回転電機本体と、
前記回転電機本体に向け冷媒を送り込む冷媒流路と、
前記回転電機本体の周方向に沿って複数並列に配置され、前記冷媒流路の冷媒を前記回転電機本体の上部に放出する冷媒放出部と、
前記冷媒放出部のうち一部の前記冷媒放出部への流路を開閉する流路開閉手段と、
前記車両の登坂を判定する登坂判定部と、を備え、
前記登坂判定部は、
前記車両が登坂中と判定した場合、前記流路開閉手段を閉成して前記冷媒放出部のうち一部の前記冷媒放出部への冷媒の供給を断ち、他の前記冷媒放出部への冷媒の流量を増やす
ことを特徴とする回転電機ユニット。
【請求項6】
一部の前記冷媒放出部は、
前記回転電機本体の車両後方寄りに配置された冷媒放出部である
ことを特徴とする請求項5に記載の回転電機ユニット。
【請求項7】
回転電機本体と、
前記回転電機本体に向け冷媒を送り込む冷媒流路と、
前記冷媒流路の冷媒を前記回転電機本体の上部に放出する第1冷媒放出部と、
前記冷媒流路の冷媒を前記回転電機本体の前方部に放出する第2冷媒放出部と、
前記第2冷媒放出部への流路を開閉する流路開閉手段と、を備え、
車両の登坂を判定する登坂判定部を備える車両に搭載された回転電機であって、
前記登坂判定部により、前記車両が登坂中と判定した場合、前記流路開閉手段を開成して前記第2冷媒放出部より冷媒を放出する
ことを特徴とする回転電機。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の回転電機ユニットを搭載した車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機ユニット、回転電機および車両に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車両は、走行用動力源としてエンジン(内燃機関)と走行用モータとを搭載し、これらの双方あるいは一方を適宜用いることで高効率な走行を実現している。例えば、高速道路等を巡航する際には専らエンジンを用い、加速走行や登坂走行を行う際にはエンジンと走行用モータとの双方を用いることで、良好な燃費と高い走行性能とを実現している。
発電機および電動機を有するハイブリッド車両では、変速機のギヤ潤滑を兼ねるATF(Automatic Transmission Fluid:自動変速機油)等の冷媒を発電機および電動機のステータ側コイルに滴下させることにより、ステータ側コイルの冷却が行われている。
【0003】
特許文献1には、ロータシャフトと該ロータシャフトの外周部に固定されているロータコアとを備えて回転可能に保持されるロータと、該ロータの外周側に回転不能に固定されるステータとを有する電動機と、該ロータコア内に軸方向に形成される軸方向油路と、該軸方向油路に油を供給する油供給油路と、前記油供給油路と前記軸方向油路との間を開閉可能に設けられ、前記ロータの温度が予め設定された冷却必要温度に達すると、変形されて前記油供給油路と前記軸方向油路とを連通させるバイメタルまたは形状記憶合金と、を備える車両の電動機冷却装置が記載されている。特許文献1に記載の車両の電動機冷却装置は、電動機に供給される油を車両の走行状態に応じて制御することで、油の剪断損失およびポンプ損失を抑制することができる、としている。
【0004】
特許文献2には、2つのモータ/ジェネレータを並設した車輌用駆動装置が開示されている。2つのモータ/ジェネレータは、それぞれ回転軸を有し、互いの回転軸が同軸状に重畳するように配置されている。各モータ/ジェネレータの回転軸中には、それぞれ、回転軸の軸方向に沿って冷却経路が形成されている。ポンプから送り出された冷媒が回転軸の冷却経路を流通し、各回転軸に形成された複数の冷媒噴出孔から冷媒を噴出している。特許文献2では、これにより、モータ/ジェネレータの各ハウジング内に収納されたスイッチング素子を含む2つのモータ/ジェネレータを効果的に冷却することができる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−125167号公報
【特許文献2】特開2003−339102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、回転電機冷却は、平坦路で最適化されており、巻線の発熱が厳しい状態の一つである登坂路(回転電機が傾いている状態)に特化した冷却は実現されていない。
回転電機の上部から冷却オイル(冷媒)が流れてくるため、回転電機下部には上部の冷却により暖められた冷媒しか流れてこない課題がある。
【0007】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたもので、通常時の冷媒吐出量を増やすことなく、登坂時の冷却が可能となる回転電機ユニット、回転電機および車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決すべく、請求項1に記載の回転電機ユニットは、車両に搭載された回転電機ユニットであって、回転電機本体と、前記回転電機本体に向け冷媒を送り込む冷媒流路と、前記冷媒流路の冷媒を前記回転電機本体の上部に放出する第1冷媒放出部と、前記冷媒流路の冷媒を前記回転電機本体の前方部に放出する第2冷媒放出部と、前記第2冷媒放出部への流路を開閉する流路開閉手段と、前記車両の登坂を判定する登坂判定部と、を備え、前記登坂判定部は、前記車両が登坂中と判定した場合、前記流路開閉手段を開成して前記第2冷媒放出部から冷媒を放出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通常時の冷媒吐出量を増やすことなく、登坂時の冷却が可能となる回転電機ユニット、回転電機および車両を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る回転電機ユニットが搭載されたハイブリッド車両の透視斜視図である。
【図2】上記第1の実施形態に係る回転電機ユニットにおいて、冷媒供給部がステータの周方向に沿って配置された状態を模式的に示す斜視図である。
【図3】上記第1の実施形態に係る回転電機ユニットの冷媒切替機構の拡大断面図である。
【図4】比較例の回転電機ユニットの課題を説明する図であり、(a)は、車両が平地を走行するときの複数の冷媒供給部の配置関係を示す駆動モータの側面図、(b)は、車両が上り坂を走行するときの複数の冷媒供給部の配置関係を示す駆動モータの側面図である。
【図5】上記第1の実施形態に係る回転電機ユニットの動作を示すフローチャートである。
【図6】上記第1の実施形態に係る回転電機ユニットの車両が上り坂(登坂路)を走行するときの複数の冷媒供給部の配置関係を示す駆動モータの側面図である。
【図7】上記第1の実施形態に係る回転電機ユニットの切替用ソレノイドのON条件を説明する図である。
【図8】上記第1の実施形態に係る回転電機ユニットの動作を示すフローチャートである。
【図9】上記第1の実施形態に係る回転電機ユニットの切替用ソレノイドのON条件の閾値マトリックスを示す図である。
【図10】上記第1の実施形態に係る回転電機ユニットの冷媒供給部がステータの周方向に沿って配置された状態を模式的に示す斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る回転電機ユニットの車両が平坦路を走行するときの複数の冷媒供給部の配置関係を示す駆動モータの側面図である。
【図12】上記第2の実施形態に係る回転電機ユニットの車両が上り坂(登坂路)を走行するときの複数の冷媒供給部の配置関係を示す駆動モータの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態に係る回転電機ユニット、回転電機および車両について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る回転電機ユニットが搭載されたハイブリッド車両の透視斜視図である。
図1に示すように、ハイブリッド車両1は、走行用の動力源である、図示しないエンジンと、並設された駆動モータ(回転電機)21(図2参照)および発電機(回転電機)(図示略)と、を備える。駆動モータ21および発電機は、それぞれ回転軸を有し、互いの回転軸が同軸状に重畳するように配置されている。駆動モータ21および発電機は、ハイブリッド車両1に搭載された回転電機ユニット20を構成する。
ハイブリッド車両1は、ECU(Electronic Control Unit)2(登坂判定部)と、ブレーキ用BRKECU3と、エンジンENGECU4と、スロットルアクチュエータ5と、スロットル開度センサ6と、VSC(Vehicle Stability Control;車両安定制御)油圧制御ユニット7と、ブレーキ圧センサ8と、操舵角センサ9と、ヨーレイトセンサ10と、車輪速センサ11と、車体の傾きを検出する3軸加速度センサであるGセンサ12と、を備える。
【0012】
ECU2は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを内蔵し、当該メモリに記憶されたマップおよびプログラムと各センサの検出結果とに基づいて所定の演算処理を実行し、その演算処理の結果でハイブリッド車両1が所望の状態となるように車両の各機器を制御する。すなわち、ECU2は、これらスロットル開度センサ6、ブレーキ圧センサ8、操舵角センサ9、ヨーレイトセンサ10、車輪速センサ11、車両の加速度を検知するGセンサ12を含むセンサ情報をもとに、スロットルアクチュエータ5およびVSC油圧制御ユニット7を制御するとともに、ハイブリッド車両1全体の走行制御を行う。
【0013】
ECU2は、ハイブリッド車両1の登坂を判定する登坂判定部としての機能を有する。ECU2は、ハイブリッド車両1が登坂中と判定した場合、冷媒切替機構35(流路開閉手段)(後記)を開成して第2冷却用滴下パイプ32(後記)から冷媒を放出させる。
ECU2は、回転電機のステータの巻線温度が高い領域、ハイブリッド車両1の低速急坂登坂時、または、ハイブリッド車両1の低回転高トルク領域を判定し、ハイブリッド車両1が当該判定状態にある場合、冷媒切替機構35を開成して第2冷却用滴下パイプ32から冷媒を放出させる。
【0014】
BRKECU3は、制動力を車輪に対して最適に制御配分するABS(Antilock Brake System)制御、走行状態に最も適したブレーキ液圧制御などを実行する。BRKECU3は、Gセンサ12の出力信号からハイブリッド車両1が走行する路面の傾斜角度を検出する。
ENGECU4は、ECU2から車両情報を受け取り、トランスミッションを含むほぼ全てのエンジン制御を行う。
なお、BRKECU3やENGECU4は、ECU2に統合されていてもよい。
【0015】
図2は、回転電機ユニット20において、冷媒供給部30がステータの周方向に沿って配置された状態を模式的に示す斜視図である。
なお、図2中では、駆動モータ21のステータ22に配置される冷媒供給部30を図示しているが、駆動モータ21に並設される発電機や、駆動モータ21のモータハウジングおよびロータの図示を省略している。
駆動モータ21は、例えば、3相交流ブラシレスモータからなり、図示しないモータハウジング側に固定されるステータ22と、ステータホルダ23と、ステータコア24と、ステータコア24を巻回する巻線(コイル)25と、を有する。
なお、駆動モータ21に並設された発電機ついても駆動モータ21と同様の構成のジェネレータステータ、ステータホルダ、ステータコア、ステータコアを巻回する巻線(コイル)を有する。以下の説明において、ステータ冷却という場合、駆動モータ21のステータ22と発電機のジェネレータステータとを含む。
【0016】
駆動モータ21のステータホルダ23および発電機のステータホルダ(図示略)の外周部には、冷媒供給部30が備えられている。
冷媒供給部30は、ステータ22の周方向(図2中の矢印C方向)に沿って配置された複数の第1冷却用滴下パイプ31a〜31c(第1冷媒放出部)および第2冷却用滴下パイプ32(第2冷媒放出部)と、第1冷却用滴下パイプ31a〜31cおよび第2冷却用滴下パイプ32の端部が取り付けられ、第1冷却用滴下パイプ31a〜31cおよび第2冷却用滴下パイプ32に冷媒を供給する冷媒供給管33(冷媒流路)と、冷媒導入口34と、第1冷却用滴下パイプ31aと第2冷却用滴下パイプ32の間の冷媒供給管33に設けられ、第2冷却用滴下パイプ32への冷媒を流入または遮断する切替えを行う冷媒切替機構35(流路開閉手段)と、第2冷却用滴下パイプ32へ冷媒を流入する坂時冷媒流路36と、を備える。
【0017】
第1冷却用滴下パイプ31a〜31cは、冷媒供給管33(後記)の冷媒を回転電機本体の上部に放出する。
第1冷却用滴下パイプ31a〜31cは、回転電機本体の上部(ステータホルダ23の上部)で、周方向(図2中の矢印C方向)に沿って所定角度離間して配置されている。第1冷却用滴下パイプ31a〜31cは、ハイブリッド車両1の平地走行時では、回転電機本体の上部に冷媒を噴出するように配置される。
【0018】
第2冷却用滴下パイプ32は、冷媒供給管33の冷媒を回転電機本体の前方部に放出する。
第2冷却用滴下パイプ32は、回転電機本体の車両前方寄りで、回転電機本体の周方向に沿って配置されている。すなわち、第2冷却用滴下パイプ32は、ハイブリッド車両1が登り坂を走行する場合、回転電機本体の車両前方寄りに冷媒を噴出するように配置される。
第1冷却用滴下パイプ31a〜31cおよび第2冷却用滴下パイプ32には、冷媒供給管33(冷媒流路)から供給された冷媒を巻線25に向かって流出する流出孔(噴出孔)37が形成されている。
【0019】
第1冷却用滴下パイプ31a〜31cを、回転電機本体の上部で、周方向に沿って配置することで、ハイブリッド車両1の平地走行時、巻線25を含むステータ22全体に対して冷媒を容易に且つ効率的に供給することができる。
【0020】
一方、第2冷却用滴下パイプ32を、回転電機本体の車両前方寄りで、周方向(図2中の矢印C方向)に沿って配置することで、登坂状態では冷媒切替機構35(流路開閉手段)の切替用ソレノイド35をONして、冷媒を坂時冷媒流路36および第2冷却用滴下パイプ32側に流し、ハイブリッド車両1の登り坂走行時、回転電機発熱状態でステータ22全体に対してより多くの冷媒を効率的に供給することができる。
【0021】
冷媒切替機構35は、第2冷却用滴下パイプ32への流路を開閉する。冷媒切替機構35は、切替用ソレノイド35ONにより、登坂時冷媒流路36への冷媒流路を開く。登坂時冷媒流路36に供給された冷媒は、第2冷却用滴下パイプ32から回転電機本体の車両前方寄りに放出される。
【0022】
回転電機ユニット20は、冷媒(ATF)を貯留する冷媒貯留部40と、冷媒貯留部40に貯留された冷媒を駆動モータ21、発電機(図示略)にそれぞれ送給するメカオイルポンプ41と、メカオイルポンプ41から送られた冷媒を冷却するATF冷却器42とを備える。冷媒貯留部40、メカオイルポンプ41、および、ATF冷却器42は、それぞれ冷媒通路43(冷媒流路)を介して接続されている。この冷媒通路43の終端部は、駆動モータ21のモータハウジング26(図4参照)に接続されている。
【0023】
冷媒貯留部40は、駆動モータ21および発電機を収容し、駆動モータ21および発電機を冷却した冷媒を貯留する冷媒用ケース(例えば、オイルパン)として機能する。
メカオイルポンプ41は、冷媒(ATF)を循環させるものであり、図示しないエンジンの回転駆動力および駆動モータ21の回転駆動力によって出力するメカ式ポンプである。なお、メカ式ポンプに代替して、例えば、電動式ポンプを用いてもよい。
【0024】
駆動モータ21および発電機には、冷媒通路43の終端部に接続され、駆動モータ21や発電機に対して回転電機のハウジング側から冷媒を供給する冷媒供給部30が設けられる。
また、冷媒供給部30は、回転電機ユニット20に隣接して配置され、回転電機ユニット20と連結可能な図示しないトランスミッションの部品(例えば、ギア、ベアリング)44を冷却する。なお、図2における抵抗の記号は、熱抵抗を示している。
【0025】
図3は、回転電機ユニット20の冷媒切替機構35の拡大断面図である。
図3に示すように、冷媒切替機構35は、ENGECU4(図1参照)からの駆動信号によりON/OFFする切替用ソレノイド51と、収容孔53内に収容され、切替用ソレノイド51のロッド52が当接する球状の弁体54と、この弁体54を着座する方向に付勢するコイルスプリング55と、を備える。弁体54が着座する着座部56は、冷媒供給管33の内径方向に突設された立壁33aに係着されている。
冷媒切替機構35は、切替用ソレノイド51のOFF時、ロッド52をコイルスプリング55のばね力によって、冷媒の流れに抗して弁体54を着座部56に着座する方向(弁閉状態とする方向)に付勢している。これにより、冷媒供給管33は不通状態となり、冷媒が、登坂時冷媒流路36および第2冷却用滴下パイプ32側には流入しない。
冷媒切替機構35は、切替用ソレノイド51のON時、ロッド52はコイルスプリング55の付勢力に抗して弁体54を着座部56から開放する方向(弁開状態とする方向)に押す。これにより、冷媒供給管33は連通状態となり、着座部56と弁体54との間のクリアランスを介して冷媒が、登坂時冷媒流路36を経由して第2冷却用滴下パイプ32側に流入する(図3の矢印参照)。
【0026】
以下、上述のように構成された回転電機ユニット20の作用効果について説明する。
まず、比較例について説明する。
図4は、比較例の回転電機ユニットの課題を説明する図であり、(a)は、車両が平地を走行するときの複数の冷媒供給部の配置関係を示す駆動モータの側面図、(b)は、車両が上り坂を走行するときの複数の冷媒供給部の配置関係を示す駆動モータの側面図である。図2と同一構成部分には同一符号を付している。
図4において、駆動モータ21は、モータハウジング26と、回転軸27と一体的に回転可能に設けられたロータ28と、を備える。なお、図4(a)、図4(b)において、点Oは、回転軸27の中心を示している。
【0027】
例えば、車両が上り坂を走行する際、駆動輪を回転駆動させる駆動モータ12に対して大きな負荷(トルク)が付与される。このため、駆動モータ21に対して大きな電流を供給する必要がある。これにより、駆動モータ21の巻線25の発熱量は、平地走行時と比較して大きくなる。
そこで、図4(a)に示すように、車両の平地走行時では、第1冷却用滴下パイプ31aと第1冷却用滴下パイプ31cとの間に配置される第1冷却用滴下パイプ31bを、鉛直線V(一点鎖線参照)よりも車両前方側に向けて傾斜角度α(図4(b)参照)だけ傾斜させた位置に設定する。
【0028】
これにより、図4(b)に示すように、車両の上り坂走行時では、鉛直線Vに対する上り坂走行時の車両の傾斜角度(上り坂の角度)αだけ車両前方に向けて傾斜させた仮想線L(一点鎖線参照)上に第1冷却用滴下パイプ31bが位置するように設定することが好ましい。この結果、車両の上り坂走行時に大きな発熱量を発生する駆動モータ21の巻線25を、第1冷却用滴下パイプ31a〜31cによって均等且つ効率的に冷却することができる。
【0029】
しかしながら、図4(b)に示すように、車両の上り坂走行時では、ステータホルダ23の上部から冷媒(ATF)が流れてくるので、駆動モータ21の下部(ステータ22の前方下部)には、上部の冷却で暖められた冷媒(ATF)しか流れてこない。このため、登坂路では、平坦路に比べ回転電機が冷却されにくい。
【0030】
次に、本実施形態に係る回転電機ユニット20の動作について説明する。
図5は、回転電機ユニット20の動作を示すフローチャートであり、ECU2により所定タイミングで繰り返し実行される。
まず、ステップS1でBRKECU3は、Gセンサ12の出力信号からハイブリッド車両1が走行する路面の傾斜角度を検出する。
ステップS2では、ECU2はハイブリッド車両1の状態を検知する。具体的には、ハイブリッド車両1の傾斜角度が閾値以上か否かを判別し、ハイブリッド車両1の傾斜角度が閾値以上の場合、ハイブリッド車両1の上り坂走行時であると判定する。なお、上記閾値には、時間判定値を含ませてもよい。時間判定値を考慮することで、短期間の上り坂走行の場合を除外することができ、必要以上の冷媒切替機構35の切替え動作を回避することができる。ただし、所定時間内において、車両が上り坂走行と平地走行とを繰り返す場合がある。この場合、上り坂走行を継続する場合と同様に、駆動モータ21の巻線25が発熱する。このため、上記閾値に、時間判定値を導入する際には、所定時間内の上り坂走行の積算時間を考慮することが好ましい。
【0031】
ハイブリッド車両1の傾斜角度が閾値以上で継続した場合、上り坂走行時であると判断して、ステップS3でECU2は切替用ソレノイド51をONにする制御指令を出力する。
ステップS4で切替用ソレノイド51はONし、弁体54を着座部56から開放する方向(弁開状態とする方向)に押す。これにより、冷媒供給管33を連通状態とし、冷媒を第2冷却用滴下パイプ32側の冷媒供給管33に流入させる(図3の矢印参照)。
【0032】
ステップS5で切替用ソレノイド51はONし、冷媒切替機構35は切替用ソレノイド51のロッド52を、コイルスプリング55の付勢力に抗して弁体54を着座部56から開放する方向(弁開状態とする方向)に押す。これにより、冷媒が、登坂時冷媒流路36を経由して第2冷却用滴下パイプ32に流入し(図3の矢印参照)、第2冷却用滴下パイプ32の流出孔(噴出孔)37から駆動モータ21の下部(ステータ22の前方下部)に噴射する。
ステップS6では、登坂時で発熱状態にある回転電機の前方下部(駆動モータ21のステータ22の前方下部)を冷却して本フローの処理を終了する。
【0033】
図6は、本実施形態に係る回転電機ユニットの車両が上り坂(登坂路)を走行するときの複数の冷媒供給部の配置関係を示す駆動モータの側面図である。
図6および図2に示すように、登坂時、切替用ソレノイド51をONして、冷媒を第2冷却用滴下パイプ32側の冷媒供給管33である登坂時冷媒流路36に流入させる。登坂時冷媒流路36に流入した冷媒は、第2冷却用滴下パイプ32の流出孔(噴出孔)37から、駆動モータ21の下部(ステータ22の前方下部)に噴射する(図6および図2の符号a参照)。これにより、冷却したい部位を、より直接的に冷却することが可能になる。登坂時冷媒流路36は、登坂時のみ使用することで、通常時の冷媒吐出量を増やすことなく、登坂時の冷却が厳しい状況のみ選択的に冷媒の掛かり方を変えることができる。
【0034】
切替用ソレノイド51のON条件についてさらに詳細に説明する。
図7は、切替用ソレノイド51のON条件を説明する図である。図7は、縦軸に車両駆動力(N)・回転電機トルク(Nm)をとり、横軸に車両車速(km/h)・回転電機回転速度(rpm)をとる。
図7の丸囲みに示す領域は、巻線温度が高い領域であり、例えば、低速急坂登坂時すなわち低回転高トルク領域で巻線温度が高くなる。一例を挙げると、巻線発熱の厳しい、車速<10km/h、かつ、登坂角>10degのときを、切替用ソレノイド51のON条件とする。
【0035】
本実施形態では、車両が、このような巻線温度が高い領域にある場合、切替用ソレノイド51ONにより冷媒切替機構35を切替え、冷媒を登坂時冷媒流路36に流入させ、第2冷却用滴下パイプ32の流出孔(噴出孔)37から、駆動モータ21の下部(ステータ22の前方下部)に噴射させる。これにより、登坂時の冷却が厳しい状況のみ選択的に冷媒の掛かり方を変えることができる。
【0036】
図8は、回転電機ユニットの動作を示すフローチャートである。図5と同一処理を行う部分には同一ステップ番号を付して重複箇所の説明を省略する。
まず、ステップS1でBRKECU3は、Gセンサ12の出力信号からハイブリッド車両1が走行する路面の傾斜角度を検出する。
ステップS12では、ECU2はハイブリッド車両1の状態を検知し、切替用ソレノイド51のON/OFFを決定する。具体的には、ハイブリッド車両1の傾斜角度が閾値以上か否かを判別し、車速条件をもとに図9の閾値マトリックスを参照して切替用ソレノイド51のON/OFFを決定する。図9に示すように、登坂角<10degのときは車速にかかわらず、切替用ソレノイド51はONしない。登坂角≧10degのときは車速≦10km/hのときのみ切替用ソレノイド51をONする。
すなわち、車両傾斜角度が閾値以上のとき、下記判定により切替用ソレノイド51をONする。
以下の2条件を共に満たした場合
・車速≦10km/h
且つ
・登坂角≧10deg
切替用ソレノイド51をONする。
【0037】
ハイブリッド車両1の傾斜角度が閾値以上で継続した場合、上り坂走行時であると判断して、ステップS3でECU2は切替用ソレノイド51をONにする制御指令を出力する。
ステップS4で切替用ソレノイド51はONし、弁体54を着座部56から開放する方向(弁開状態とする方向)に押す。これにより、冷媒供給管33を連通状態とし、冷媒を第2冷却用滴下パイプ32側の冷媒供給管33に流入させる(図3の矢印参照)。
【0038】
ステップS5で切替用ソレノイド51はONし、冷媒切替機構35はロッド52がコイルスプリング55の付勢力に抗して弁体54を着座部56から開放する方向(弁開状態とする方向)に押す。これにより、冷媒が、第2冷却用滴下パイプ32側の冷媒供給管33に流入し(図3の矢印参照)、駆動モータ21の下部(ステータ22の前方下部)に冷媒を噴出する。
ステップS6では、登坂時で発熱状態にある回転電機の前方下部(駆動モータ21のステータ22の前方下部)を冷却して本フローの処理を終了する。
【0039】
以上説明したように、本実施形態の回転電機ユニット20は、回転電機本体に向け冷媒を送り込む冷媒通路43および冷媒供給管33と、冷媒供給管33の冷媒を回転電機本体の上部に放出する第1冷却用滴下パイプ31a〜31cと、冷媒供給管33の冷媒を回転電機本体の前方部に放出する第2冷却用滴下パイプ32と、第2冷却用滴下パイプ32への流路を開閉する冷媒切替機構35と、第2冷却用滴下パイプ32へ冷媒を流入する坂時冷媒流路36と、ハイブリッド車両1の登坂を判定するECU2(登坂判定部)と、を備え、登坂判定部は、ハイブリッド車両1が登坂中と判定した場合、冷媒切替機構35を開成して坂時冷媒流路36への流路を通し第2冷却用滴下パイプ32から冷媒を放出する。
【0040】
この構成により、第1冷却用滴下パイプ31a〜31c(第1冷媒放出部)を、回転電機本体の上部で、周方向に沿って配置することで、ハイブリッド車両1の平地走行時、巻線25を含むステータ22全体に対して冷媒を容易に且つ効率的に供給することができる。
【0041】
一方、第2冷却用滴下パイプ32を、回転電機本体の車両前方寄りで、周方向(図2中の矢印C方向)に沿って配置することで、登坂状態では冷媒切替機構35の切替用ソレノイド35をONして、冷媒を坂時冷媒流路36および第2冷却用滴下パイプ32側に流す。登坂時冷媒流路36に供給された冷媒は、第2冷却用滴下パイプ32から回転電機本体の車両前方寄りに放出され、登坂状態での回転電機本体の冷却範囲を増加させることができる。その結果、ハイブリッド車両1の上り坂(登坂路)走行時、すなわち回転電機発熱状態で回転電機本体全体に対してより多くの冷媒を効率的に供給することができる。
【0042】
また、ハイブリッド車両1の傾斜状態を検知して冷媒切替機構35が坂時冷媒流路36への流路を切り替えることで、通常時の冷媒吐出量を増やすことなく、登坂時の冷却が可能となる。坂時冷媒流路36は、登坂時のみ使用することで、登坂時の冷却が厳しい状況のみ選択的に冷媒(ATF)の掛かり方を変えることができる。また、冷却したい部位を、より直接的に冷却することが可能になる。
【0043】
また、本実施形態では、図5のフローに示すように、車速条件をもとに図9の閾値マトリックスを参照して切替用ソレノイド51のON/OFFを決定するので、登坂時の発熱だけでなく、その他の回転電機発熱状態での選択的冷却が可能になる。
【0044】
また、本実施形態では、ECU2(登坂判定部)は、回転電機のステータの巻線温度が高い領域、ハイブリッド車両1の低速急坂登坂時、または、ハイブリッド車両1の低回転高トルク領域を判定し、ハイブリッド車両1が当該判定状態にある場合、冷媒切替機構35を開成して第2冷却用滴下パイプ32(第2冷媒放出部)より冷媒を放出する。これにより、回転電機発熱状態の全般において、選択的冷却が可能になり、通常時の冷媒吐出量を増やすことなく、回転電機本体の冷却が可能となる。
【0045】
(第2の実施形態)
図10は、本発明の第2の実施形態に係る回転電機ユニットの冷媒供給部がステータの周方向に沿って配置された状態を模式的に示す斜視図である。
図10に示すように、回転電機ユニット20Aは、駆動モータ21のステータホルダ23および発電機のステータホルダ(図示略)の外周部に冷媒供給部60を備える。冷媒供給部60は、駆動モータ21や発電機に対して回転電機のハウジング側から冷媒を供給する。
冷媒供給部60は、ステータ22の周方向(図10中の矢印C方向)に沿って配置された複数の第1冷却用滴下パイプ31a〜31c(冷媒放出部)と、第1冷却用滴下パイプ31a〜31cの端部が取り付けられ、第1冷却用滴下パイプ31a〜31cに冷媒を供給する冷媒供給管33と、冷媒導入口34と、冷媒供給管33の第1冷却用滴下パイプ31c(一部の冷媒放出部)の端部(車両後方側の冷媒供給管33の端部)に設けられ、第1冷却用滴下パイプ31cへの冷媒を流入または遮断する切替えを行う冷媒切替機構65(流路開閉手段)と、を備える。
【0046】
冷媒切替機構65は、切替用ソレノイド51を含んで構成される。切替用ソレノイド51は、ON時にロッドが伸張し、ロッドに連結された可動片(図示略)を冷媒供給管33の管内方向に移動させて冷媒供給管33の第1冷却用滴下パイプ31cへの流路を塞ぐ。
【0047】
第1冷却用滴下パイプ31a〜31cは、回転電機本体の上部(ステータホルダ23の上部)で、周方向(図10中の矢印C方向)に沿って所定角度離間して配置されている。第1冷却用滴下パイプ31aは、車両前方側に配置され、第1冷却用滴下パイプ31cは、車両後方側に配置される。
ハイブリッド車両1の平地走行時では、3つすべての第1冷却用滴下パイプ31a〜31cが回転電機本体の上部に冷媒を噴出する。
また、車両が登り坂を走行する場合、第1冷却用滴下パイプ31a〜31cのうち、第1冷却用滴下パイプ31cへは、冷媒切替機構65によって冷媒供給が遮断され、第1冷却用滴下パイプ31aと31b(他の冷媒放出部)のみが回転電機本体の上部に冷媒を噴出する。
【0048】
回転電機前方を冷やしたい場合(例えば登坂時)、回転電機後方の第1冷却用滴下パイプ31cの流路を塞ぐことで、回転電機前方の第1冷却用滴下パイプ31aと31bへの流量を相対的に増やし、積極的な冷却を行う。
【0049】
次に、本実施形態に係る回転電機ユニット20Aの動作について説明する。
図11は、本実施形態に係る回転電機ユニット20Aの車両が平坦路を走行するときの複数の冷媒供給部の配置関係を示す駆動モータの側面図である。
図11に示すように、第1冷却用滴下パイプ31a〜31c(第1冷媒放出部)を、回転電機本体の上部で、周方向に沿って配置することで、ハイブリッド車両1の平地走行時、3つすべての第1冷却用滴下パイプ31a〜31cが回転電機本体の上部に冷媒を噴出する。巻線25を含むステータ22全体に対して冷媒を容易に且つ効率的に供給することができる。
【0050】
図12は、本実施形態に係る回転電機ユニット20Aの車両が上り坂(登坂路)を走行するときの複数の冷媒供給部の配置関係を示す駆動モータの側面図である。
ECU2(登坂判定部)は、ハイブリッド車両1が登坂中と判定した場合、冷媒切替機構65を閉成して第1冷媒放出部31cへの冷媒の供給を断ち、その分、他の第1冷却用滴下パイプ31a,31bへの冷媒の流量を増やす。
【0051】
図12に示すように、登坂時など回転電機前方を冷やしたい場合、回転電機後方の流路を塞ぐことで、第1冷却用滴下パイプ31a,31bへの冷媒の流量を増大させる。これにより、回転電機本体前方の流量を相対的に増やして回転電機本体の冷却範囲を車両前方寄りに変化させ、回転電機本体前方の積極的な冷却を行うことができる。
【0052】
本実施形態は、第1の実施形態の登坂時冷媒流路36および第2冷却用滴下パイプ32の設置が不要になるので、回転電機ユニット20Aをより簡素化することができる。
【0053】
なお、本発明は、上記各実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
例えば、冷却構造としてハイブリッド車両1を挙げたが、回転電機(モータおよびジェネレータ)を備えこれを冷却する必要のある構造体であれば、これに限らない。例えば、ハイブリッド車両1は、エンジンを有さずモータのみを駆動源とする電気自動車または燃料電池車両であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 ハイブリッド車両
2 ECU(登坂判定部)
3 KECU
4 ENGECU
12 Gセンサ
20,20A 回転電機ユニット
21 駆動モータ(回転電機)
22 ステータ
23 ステータホルダ
24 ステータコア
25 巻線(コイル)
26 モータハウジング
27 回転軸
28 ロータ
30,60 冷媒供給部
31a〜31c 第1冷却用滴下パイプ(第1冷媒放出部,第1冷媒放出部)
32 第2冷却用滴下パイプ(第2冷媒放出部)
33 冷媒供給管(冷媒流路)
34 冷媒導入口
35,65 冷媒切替機構(流路開閉手段)
36 坂時冷媒流路
40 冷媒貯留部
41 メカオイルポンプ
42 ATF冷却器
43 冷媒通路
51 切替用ソレノイド
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】