(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2019205046
(43)【公開日】20191128
(54)【発明の名称】イヤホンまたはヘッドホン
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20191101BHJP
【FI】
   !H04R1/10 104F
   !H04R1/10 104E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】2018098290
(22)【出願日】20180522
(71)【出願人】
【識別番号】710014351
【氏名又は名称】オンキヨー株式会社
【住所又は居所】大阪府寝屋川市日新町2番1号
(72)【発明者】
【氏名】藤井 貴哉
【住所又は居所】大阪府寝屋川市日新町2番1号 オンキヨー株式会社内
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BB09
5D005BB16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ジャックとプラグとの挿抜によりコード接続が可能なイヤホンまたはヘッドホンに関し、ユーザーが比較的に強い力を掛けてコードのプラグを押しつけても、ジャックがハウジングの内部側に押し込まれてしまわないようにするイヤホンまたはヘッドホンを提供する。
【解決手段】イヤホンまたはヘッドホンは、スピーカーユニットに音声信号を供給するコード7のプラグ12を挿抜可能に接続するジャック11が取り付けられたハウジング2を備える。ハウジング2は、ジャック11をハウジング2の所定位置に取り付けるホルダー部材5と、ハウジング2の内部空間に配置され、ハウジング2の内壁部とジャック11とに当接してジャック11およびホルダー部材5を所定位置からハウジング2の内部側へ動かないように固定するストッパー部材20と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカーユニットに音声信号を供給するコードのプラグを挿抜可能に接続するジャックが取り付けられたハウジングを備え、
該ハウジングが、該ジャックを該ハウジングの所定位置に取り付けるホルダー部材と、該ハウジングの内部空間に配置され、該ハウジングの内壁部と該ジャックとに当接して該ジャックおよび該ホルダー部材を該所定位置から該ハウジングの内部側へ動かないように固定するストッパー部材と、を備える、
イヤホンまたはヘッドホン。
【請求項2】
前記ホルダー部材が、前記ジャックを挿入して固定する貫通孔を規定し、該ジャックが、該ホルダー部材の該貫通孔の縁部に前記ハウジングの前記内部空間の側から係止するジャックフランジ部を有し、
前記ストッパー部材が、該ハウジングの前記内壁部に当接する第1当接部と、該ジャックフランジ部に当接する第2当接部と、を少なくとも有する、
請求項1に記載のイヤホンまたはヘッドホン。
【請求項3】
前記ホルダー部材が、前記ハウジングの前記所定位置に設けられる貫通孔の縁部に前記内部空間側から係止するホルダーフランジ部をさらに有し、
前記ストッパー部材が、該ホルダーフランジ部に当接する第3当接部をさらに有する、
請求項2に記載のイヤホンまたはヘッドホン。
【請求項4】
前記ストッパー部材が、少なくとも前記第1当接部と前記第2当接部と前記第3当接部とに囲まれるように規定される領域内に、前記ジャックから突出する端子、および、該端子並びに前記スピーカーユニットに接続するコード部材を配置する空間を規定する筐体を有する、
請求項3に記載のイヤホンまたはヘッドホン。
【請求項5】
前記ハウジングが、前記所定位置に設けられる前記貫通孔とは直交する方向から前記ストッパー部材を挿入可能な開口を有し、該開口を塞ぐように前記スピーカーユニットが取り付けられている、
請求項1から4のいずれかに記載のイヤホンまたはヘッドホン。
【請求項6】
少なくともその一端側に前記プラグが取り付けられた前記コードをさらに備える、請求項1から5のいずれかに記載のイヤホンまたはヘッドホン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーの耳に装着されて音声再生するイヤホンまたはヘッドホンに関して、特に、ジャックとプラグとの挿抜によりコード接続が可能なイヤホンまたはヘッドホンに関する。
【背景技術】
【0002】
イヤホン並びにヘッドホンは、ユーザーの耳に当接するように近接配置される、又は、外耳道内に挿入されるスピーカーユニットに音声信号を印加することにより音を再生する。イヤホンまたはヘッドホンの中には、様々な形態のものがある。
【0003】
例えば、イヤホンの中には、ヘッドホンのように比較的に大きなスピーカーユニットを備えて、耳介に本体を載せるように装着する耳掛部を備えるものがある。また、本体部を耳介の内側に収めるように装着し、本体部の放音面から外耳道に向け音を放出して使用するインナーイヤー型がある。また、本体部を耳介の内側に収めるように装着し、さらに本体部から突出する音筒部をそれに装着されたイヤピースと共に外耳道内に挿入して使用するカナル型と称されるタイプのイヤホンが普及している。
【0004】
また、イヤホン並びにヘッドホンでは、ハウジング内に収容された電気音響変換器であるスピーカーユニットに音声信号を供給する接続コードが、着脱自在に構成されるものがある。イヤホンまたはヘッドホンのコードは、ユーザーの動きに対応した上でコードが何か不測の対象物に引っかかったりする結果、引っ張られて強い力が加わる場合にも断線を防止する必要がある場合があるので、コードの一端側にプラグを設け、ハウジング側にプラグが接続するジャックを設けるといった挿抜可能なコード接続端子構造を設ける場合がある。
【0005】
なお、イヤホンまたはヘッドホンでは、小型のプラグ/ジャックを設けることが必要になる場合には、MMCX端子と呼称される小型の同軸端子が使用される場合がある。ただし、挿抜可能なMMCX端子を採用するイヤホンまたはヘッドホンでは、同軸端子であるが故にプラグ/ジャックの結合部分が回転してしまい、ハウジングとコードの位置関係を固定できず、接続時の使い勝手が悪くて不都合が生じるという問題がある。例えば、イヤホンを装着後にユーザーの動きに起因してコードが動くと、プラグ/ジャックの結合部分が回転するので、場合によってはハウジングからコードが脱落する、あるいは、装着した耳からイヤホンが脱落する、といった問題を生じる場合がある(特許文献1)。
【0006】
特に、MMCX端子のプラグ/ジャックは、端子同士が係合する力が比較的に弱いので、頻繁にジャックからプラグが抜けてしまう状態になりやすく、ユーザーは強い力を掛けてコードのプラグをハウジングに設けられるジャックに押しつけるような使い方が繰り返されるようになってしまうことがある。その結果、イヤホンまたはヘッドホンのMMCX端子のジャックは、ハウジングの内部側に押し込まれるように破壊されてしまう場合があるという問題がある。
【0007】
【特許文献1】特開2018−37753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ジャックとプラグとの挿抜によりコード接続が可能なイヤホンまたはヘッドホンに関し、ユーザーが比較的に強い力を掛けてコードのプラグを押しつけても、ジャックがハウジングの内部側に押し込まれてしまわないようにするイヤホンまたはヘッドホンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のイヤホンまたはヘッドホンは、スピーカーユニットに音声信号を供給するコードのプラグを挿抜可能に接続するジャックが取り付けられたハウジングを備え、ハウジングが、ジャックをハウジングの所定位置に取り付けるホルダー部材と、ハウジングの内部空間に配置され、ハウジングの内壁部とジャックとに当接してジャックおよびホルダー部材を所定位置からハウジングの内部側へ動かないように固定するストッパー部材と、を備える。
【0010】
好ましくは、本発明のイヤホンまたはヘッドホンは、ホルダー部材が、ジャックを挿入して固定する貫通孔を規定し、ジャックが、ホルダー部材の貫通孔の縁部にハウジングの内部空間の側から係止するジャックフランジ部を有し、ストッパー部材が、ハウジングの内壁部に当接する第1当接部と、ジャックフランジ部に当接する第2当接部と、を少なくとも有する。
【0011】
また、好ましくは、本発明のイヤホンまたはヘッドホンは、ホルダー部材が、ハウジングの所定位置に設けられる貫通孔の縁部に内部空間側から係止するホルダーフランジ部をさらに有し、ストッパー部材が、ホルダーフランジ部に当接する第3当接部をさらに有する。
【0012】
また、好ましくは、本発明のイヤホンまたはヘッドホンは、ストッパー部材が、少なくとも第1当接部と第2当接部と第3当接部とに囲まれるように規定される領域内に、ジャックから突出する端子、および、端子並びにスピーカーユニットに接続するコード部材を配置する空間を規定する筐体を有する。
【0013】
また、好ましくは、本発明のイヤホンまたはヘッドホンは、ハウジングが、所定位置に設けられる貫通孔とは直交する方向からストッパー部材を挿入可能な開口を有し、開口を塞ぐようにスピーカーユニットが取り付けられている。
【0014】
また、好ましくは、本発明のイヤホンまたはヘッドホンは、少なくともその一端側にプラグが取り付けられたコードをさらに備える。
【0015】
以下、本発明の作用について説明する。
【0016】
本発明のイヤホンまたはヘッドホンは、スピーカーユニットに音声信号を供給するコードのプラグを挿抜可能に接続するジャックが取り付けられたハウジングを備える。イヤホンまたはヘッドホンは、少なくともその一端側にプラグが取り付けられたコードをさらに備えるようにしてもよい。
【0017】
ハウジングは、ジャックをハウジングの所定位置に取り付けるホルダー部材と、ストッパー部材と、を備える。ストッパー部材は、ハウジングの内部空間に配置され、ハウジングの内壁部とジャックとに当接してジャックおよびホルダー部材を所定位置からハウジングの内部側へ動かないように固定するので、ユーザーが比較的に強い力を掛けてコードのプラグをジャックに対して押しつけても、ジャックがハウジングの内部側に押し込まれてしまわないようにすることができる。
【0018】
このイヤホンまたはヘッドホンのホルダー部材は、ジャックを挿入して固定する貫通孔を規定し、ジャックが、ホルダー部材の貫通孔の縁部にハウジングの内部空間の側から係止するジャックフランジ部を有する。また、ストッパー部材は、ハウジングの内壁部に当接する第1当接部と、ジャックフランジ部に当接する第2当接部と、を少なくとも有する。また、好ましくは、ホルダー部材は、ハウジングの所定位置に設けられる貫通孔の縁部に内部空間側から係止するホルダーフランジ部をさらに有し、ストッパー部材は、ホルダーフランジ部に当接する第3当接部をさらに有するようにしてもよい。ストッパー部材が、ハウジングの内壁部とジャックのジャックフランジ部とに当接するので、強く押し込もうとする力に対抗することができ、また、ホルダーフランジ部により引き抜く方向の力にも対抗することができる。
【0019】
ストッパー部材は、少なくとも第1当接部と第2当接部と第3当接部とに囲まれるように規定される領域内に、ジャックから突出する端子、および、端子並びにスピーカーユニットに接続するコード部材を配置する空間を規定する筐体を有するようにするのが好ましい。ストッパー部材の筐体の内側にもジャックから突出する端子、接続するコード部材を配置できるので、ハウジングの内部空間が小さく限られるイヤホンであっても、ジャックおよびホルダー部材をハウジングの所定位置から動かないように固定することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のジャックとプラグとの挿抜によりコード接続が可能なイヤホンまたはヘッドホンは、ユーザーが比較的に強い力を掛けてコードのプラグを押しつけても、ジャックがハウジングの内部側に押し込まれてしまわないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるイヤホンについて説明する図である。(実施例1)
【図2】本発明の好ましい実施形態によるイヤホンのハウジングの内部構造について説明する図である。(実施例1)
【図3】本発明の好ましい実施形態によるイヤホンのハウジングの内部構造について説明する図である。(実施例1)
【図4】本発明の好ましい実施形態によるイヤホンのハウジングの内部構造について説明する図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態によるイヤホンまたはヘッドホンについて説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【実施例1】
【0023】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるイヤホン1について説明する図である。具体的には、図1(a)は、ユーザーの片耳に装着するイヤホン1の斜視図を示し、図1(b)は、コード7を分離した場合を図示している。また、図2〜4は、イヤホン1のハウジング2の内部構造を説明する断面図、斜視図である。なお、本発明の説明に不要な他の構成については、図示及び説明を省略する。
【0024】
本実施例のイヤホン1は、再生する音波の出口がユーザーの耳介の外耳道孔に挿入されるカナル型のイヤホンであり、コード7の脱着が可能である。イヤホン1は、ユーザーの左右耳にそれぞれ装着する略左右対称形状のイヤホンを備えて、ステレオ再生に対応することができる。以下では、イヤホン1の片方の耳に対応する構成を説明する。もちろん、イヤホン1の形態は、本実施例の場合に限定されない。
【0025】
イヤホン1は、そのハウジング2に、コード7を介して音声信号を供給することで音を再生する(図示しない)スピーカーユニット3が内部に取り付けられている。スピーカーユニット3は、磁気空隙を有する磁気回路を備え、磁気空隙に挿入されて音声信号が供給されるボイスコイルに連結した振動板を振動させる動電型の電気音響変換器であるか、または、電磁型であるバランスドアーマチュア型の電気音響変換器であればよい。スピーカーユニット3は、供給される音声信号により(図示しない)振動板を機械的に振動させて、音波を放射する。したがって、ハウジング2は、スピーカーユニット3を取り付けるとともに、コード7を介して音声信号を供給できるように構成する。
【0026】
例えば、本実施例のハウジング2は、ユーザーの耳介の外耳道孔の大きさに相当するような口径のスピーカーユニット3を取り付けることができる。ハウジング2は、ユーザーの外耳道孔側に配置される(図示しない)ノズル部、並びに、スピーカーユニット3の後方側にキャビティを構成するベース部材4と、コード7のプラグ部8のプラグ12を挿抜可能に接続するジャック11を含むホルダー部材5と、を含む。
【0027】
ハウジング2のベース部材4は、ユーザーの耳介の外耳道孔の形状に沿うように形成される一方端側が閉じられて他方端側に開口を有するような略円筒形状の部材である。ベース部材4は、開口4aの側にスピーカーユニット3が取り付けられるように構成されている。ベース部材4の内部には、略円筒形状の内部空間が規定される。また、ベース部材4の円筒面の下側には、後述するホルダー部材5を固定する貫通孔4bが形成されている。ベース部材4は、スピーカーユニット3の磁気回路が存在する後方側に、前方側の音響空間とは分離した音響空間を形成するように構成されていてもよい。
【0028】
ハウジング2は、スピーカーユニット3を内部に取り付ける(図示しない)スピーカーユニット取付部を備える。ハウジング2は、ユーザーの耳介の外耳道孔に挿入されるように、スピーカーユニット取付部よりも先端側が細く形成される(図示しない)ノズル部を含む。ノズル部は、スピーカーユニット3から放射される音波をユーザーの外耳道に導く音響通路を、その内部側に形成する。ハウジング2のノズル部には、イヤピース6を取り付けるイヤピース取付部が、外周面に形成されている。弾性を有する笠形状のイヤピース6を取り付ければ、イヤピース6が外耳道孔に密着するカナル型のイヤホンを実現できる。イヤピース6により、ユーザーは耳介にイヤホン1を安定して装着することができる。
【0029】
ホルダー部材5は、後述するジャック11をハウジング2のベース部材4の所定位置に取り付ける。具体的には、ホルダー部材5は、図示するようなその中央にジャック11を挿入して固定する貫通孔5cを規定する略円筒形状の基体5bと、基体5bの一端側から外側に広がるようなフランジ部分であるホルダーフランジ部5aを有している。ベース部材4およびホルダー部材5は、剛性を有する金属材料又は樹脂材料から構成してもよい。ベース部材4に対するホルダー部材5の固定と、ホルダー部材5に対するジャック11の固定とには、接着剤を用いてもよい。
【0030】
ホルダー部材5の基体5bの一部は、ベース部材4の貫通孔4bからジャック11がプラグ12に対して接続可能になるように突出する。したがって、ホルダー部材5およびジャック11には、スピーカーユニット3に音声信号を供給するコード7を接続できる。ホルダー部材5に取り付けられるジャック11は、コード7のプラグ12を挿抜可能に接続する。ジャック11は、その端子に接続される(図示しない)内部配線によりスピーカーユニット3に接続し、コード7を介して入力される音声信号をスピーカーユニット3に供給する。
【0031】
また、コード7は、ホルダー部材5のジャック11に接続するプラグ12を略円筒状のプラグ部8の先端部分に備える。コード7は、音声信号を伝送するコード部材9がその一端側に設けられるプラグ12に接続している。なお、コード7のコード部材9の他端側には、他のオーディオ機器等の音声信号の出力端子に接続する(図示しない)プラグを備えていればよい。
【0032】
本実施例のジャック11およびプラグ12は、MMCX端子と呼称される小型の同軸端子の構造であるので、イヤホン1は、図示するようにハウジング2のホルダー部材5と、コード7のプラグ部8とを容易に接続/分離することができる。つまり、コード7のプラグ12と、ホルダー部材5のジャック11が挿抜可能に接続する構成になっている。
【0033】
MMCX端子のジャック11は、ハウジング2の内部側に突出する正負の端子を有する。具体的には、ジャック11は、フランジ状に外側に突出する負の端子部分であって、ホルダー部材5の貫通孔5cの縁部にハウジング2(つまりベース部材4)の内部空間の側から係止するジャックフランジ部11aと、同心円の中心側で突出する正の端子11bと、を有する。なお、コード7のプラグ12も、ジャック11に対応する正負端子を有している。
【0034】
図3および図4において、ジャック11は、図示する上側からホルダー部材5の貫通孔5cに挿入されるので、貫通孔5cの縁部にジャックフランジ部11aが内部空間の側から係止することになる。同様に、ホルダー部材5は、図示する上側であってベース部材4の内部空間側から設けられている貫通孔4bに、側面方向である開口4aから差し入れて落とし込むように挿入されるので、貫通孔4bの縁部にホルダーフランジ部5aが内部空間の側から係止することになる。
【0035】
ただし、MMCX端子は、接続時にジャック11とプラグ12とが相対的に回動可能な構造である。MMCX端子のホルダー部材5およびプラグ部8は、接続しても相対的に回動することになる。つまり、ホルダー部材5とプラグ部8とを接続しても、ハウジング2に対するコード7の回動は固定できないことになる。また、MMCX端子は、プラグ12とジャック11とが係合する力が比較的に弱いので、MMCX端子のみでは頻繁にジャックからプラグが抜けてしまう状態になりやすい。そこで、ユーザーが強い力を掛けてコード7のプラグ12をハウジング2に設けられるジャック11に押しつけるような使い方が繰り返されるようになってしまうと、ジャック11がハウジング2の内部側に押し込まれてしまうという不具合が生じるおそれがある。
【0036】
そこで、本実施例のイヤホン1は、ハウジング2の内部空間に配置されて、ジャック11およびホルダー部材5を所定位置から内部側へ動かないように固定するストッパー部材20を備える。具体的には、ストッパー部材20は、ベース部材4およびホルダー部材5(およびジャック11)の形状に対応した複数の当接部を含む略「コ」の字状の形状を有する図示するような基体を有する。ストッパー部材20は、ジャック11およびホルダー部材5を上記の様に所定位置に配置して、その後に略円形の開口である開口4aの側から挿入される。
【0037】
ストッパー部材20は、ハウジング2のベース部材4の略円筒面の内壁部の所定位置4cに2カ所で当接する第1当接部21と、ジャック11に当接する第2当接部22と、をその略「コ」の字状の形状を有する基体に少なくとも備えている。本実施例の場合には、ストッパー部材20にはさらに、ホルダーフランジ部5aに当接する第3当接部23をその基体に備えている。ストッパー部材20は、剛性を有する金属材料又は樹脂材料から構成するのが好ましい。
【0038】
第1当接部21は、ジャック11およびホルダー部材5が接続されたプラグ部8により内部側へ押し込まれる場合に、ストッパー部材20が押し当てられるベース部材4の略円筒面の内壁部に対応して設けられている。一方で、第2当接部22は、ジャック11およびホルダー部材5が接続されたプラグ部8により内部側へ押し込まれる場合に、押し当てられるジャックフランジ部11aの平面に対応して設けられている。また、第3当接部23は、ジャック11およびホルダー部材5が接続されたプラグ部8により内部側へ押し込まれる場合に、押し当てられるホルダーフランジ部5aの平面に対応して設けられている。
【0039】
ストッパー部材20は、ベース部材4の内部空間の形状・寸法と、ジャック11およびホルダー部材5の形状・寸法に対応した形状・寸法になっているので、ストッパー部材20を挿入すると隙間が無くなり、ジャック11およびホルダー部材5が内部側へ押し込まれる場合に、ジャック11およびホルダー部材5を所定位置からハウジング2の内部側へ動かないように固定することができる。ベース部材4に対するストッパー部材20の固定には、接着剤を用いてもよい。
【0040】
また、ホルダー部材5は、ベース部材4の所定位置に設けられる貫通孔4bの縁部に内部空間側から係止するホルダーフランジ部5aをさらに有し、ストッパー部材20は、ホルダーフランジ部5aに当接する第3当接部23をさらに有するので、強く押し込もうとする力に対抗するだけでなく、ジャック11およびホルダー部材5を引き抜こうとする反対方向の力にも対抗することができる。
【0041】
また、図示するように本実施例のストッパー部材20は、その略「コ」の字状の断面を有する基体の内部側に、ジャック11から突出する端子11b、および、この端子並びにスピーカーユニット3に接続する(図示しない)コード部材を配置する空間24を規定している。つまり、ストッパー部材20は、第1当接部21と第2当接部22と第3当接部23とに囲まれるように規定される領域内に、空間24を規定している。この様にすることで、ハウジング2の内部空間が小さく限られる小型のイヤホン1であっても、挿抜によりコード7を接続することが可能なイヤホンとすることができる。
【0042】
なお、ストッパー部材20の形状は、本実施例のような略「コ」の字状の断面を有する形状に限定されない。例えば、ストッパー部材20の形状は、ベース部材4の略円筒形状の内部空間に対応した円筒面を有する形状であってもよく、また、内部に空間を規定しない中身が詰まった塊状の部材であってもよい。ストッパー部材20の形状は、ベース部材4の開口4aから差し入れることができる形状であれば、ジャック11およびホルダー部材5の形状・寸法に対応した形状・寸法になっていて、必要な第1当接部21と第2当接部22と第3当接部23とを備えていればよい。
【0043】
また、本実施例のイヤホン1において、コード7のプラグ部8と、ハウジング2を構成するベース部材4およびホルダー部材5と、の構成は、比較的に大きなスピーカーユニットを備えるヘッドホンにおいても採用可能である。つまり、ヘッドホンにおいても、コードの一端側にプラグを設け、ハウジング側にプラグが接続するジャックを設けるといった挿抜可能なコード接続端子構造を採用する場合には、上記の様なストッパー部材20を設けて、ジャック11がハウジング2の内部側に押し込まれてしまわないようにすることができる。
【0044】
もちろん、イヤホン1のハウジング2に対して脱着可能なコード7に採用されるジャック11およびプラグ12は、上述様なMMCX端子に限らず、ミニプラグとそれに対応するジャックでもよく、他の同軸端子を含む接続端子構造を採用しうる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明のイヤホンは、図示するようなカナル型のイヤホンに限らず、さらに別の耳掛け部を備えるイヤホンであってもよい。また、イヤホンに限らず、ヘッドバンドにより左右両耳に対応するイヤホンを連結して、オーバーヘッドタイプのイヤホンを構成してもよい。また、イヤホンに限らずコードの脱着が可能なヘッドホンにも適用が可能である。また、本発明のヘッドホン並びにイヤホンは、家庭用のステレオ再生、もしくはマルチチャンネルサラウンド再生に限られず、車載用のオーディオ機器や、映画館等の音響再生設備にも適用が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 イヤホン
2 ハウジング
3 スピーカーユニット
4 ベース部材
5 ホルダー部材
6 イヤピース
7 コード
8 プラグ部
9 コード部材
11 ジャック
12 プラグ
20 ストッパー部材
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】