(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021002657
(43)【公開日】20210107
(54)【発明の名称】複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ及びこれを有する電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/06 20060101AFI20201204BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20201204BHJP
   H01F 1/34 20060101ALI20201204BHJP
   H01F 1/37 20060101ALI20201204BHJP
【FI】
   !H01F17/06 F
   !H01F17/00 D
   !H01F1/34 140
   !H01F1/37
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】2020106385
(22)【出願日】20200619
(31)【優先権主張番号】10-2019-0073650
(32)【優先日】20190620
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520224476
【氏名又は名称】イム, ウク
【住所又は居所】韓国 16809 キョンキド ヨンジンシ スジク ソンボク2ロ 158 #605−904
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】特許業務法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イム, ウク
【住所又は居所】韓国 16809 キョンキド ヨンジンシ スジク ソンボク2ロ 158 #605−904
【テーマコード(参考)】
5E041
5E070
【Fターム(参考)】
5E041AB01
5E041BB01
5E041BD01
5E041CA01
5E041NN04
5E070AA01
5E070AB06
5E070BA12
5E070BB01
5E070CB03
5E070CB13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】誘電体インダクタの基本特性を維持しつつ、フェライトインダクタの長所である高いQ値を具現可能に設計された複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタを提供する。
【解決手段】ハイブリッドインダクタは、誘電体122と磁性体124とが混合したハイブリッド誘電体層120及びハイブリッド誘電体層120内に配置された電極パターンを含む。ハイブリッド誘電体層122は、誘電体122に磁性体124が添加された混合物である。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体と磁性体とが混合したハイブリッド誘電体層;及び、
前記ハイブリッド誘電体層内に配置された電極パターン;を含み、
前記ハイブリッド誘電体層は、誘電体に磁性体が添加された混合物であることを特徴とする、複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ。
【請求項2】
前記誘電体は、セラミック材質であり、
前記磁性体は、フェライト材質であることを特徴とする、
請求項1に記載の複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ。
【請求項3】
前記ハイブリッド誘電体層は、
前記誘電体に磁性体が添加された混合物を焼結した焼結体であることを特徴とする、
請求項1に記載の複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ。
【請求項4】
前記ハイブリッド誘電体層は、
前記誘電体95〜99.999重量%及び磁性体0.001〜5重量%を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ。
【請求項5】
前記ハイブリッド誘電体層は、
前記誘電体98〜99.99重量%及び磁性体0.01〜2重量%を含むことを特徴とする、
請求項4に記載の複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ。
【請求項6】
前記ハイブリッド誘電体層は、複数の層からなり、
前記電極パターンは、前記複数の層からなるハイブリッド誘電体層の一面及び他面のうち少なくとも一つに配置された水平部と、前記複数の層からなるハイブリッド誘電体層を貫通して、前記水平部を連結する少なくとも一つの貫通部を有することを特徴とする、
請求項1に記載の複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ。
【請求項7】
ハイブリッドインダクタ;及び、
前記ハイブリッドインダクタに連結された少なくとも一つの電子素子;を含み、
前記ハイブリッドインダクタは、誘電体と磁性体とが混合したハイブリッド誘電体層;及び前記ハイブリッド誘電体層内に配置された電極パターン;を含み、
前記ハイブリッド誘電体層は、誘電体に磁性体が添加された混合物であることを特徴とする、複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタを有する電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッドインダクタの具現技術に関し、より具体的には、複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ及びこれを有する電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路における受動素子として使用されるインダクタ(L)、キャパシタ(C)及び抵抗(R)は、各々の固有機能と役割を有したりするが、相互結合して新しい回路的機能を行ったりもする。
【0003】
例えば、キャパシタは、基本的に直流を遮断し、交流信号は通過させる役割を行うものの、時定数回路、時間遅延回路、RCフィルター及びLCフィルターを構成したりし、キャパシタ自体でノイズ(Noise)を除去する役割を行ったもする。
【0004】
インダクタの場合、高周波ノイズ(Noise)の除去、インピーダンスの整合等の機能を行う。
【0005】
このようなインダクタは、磁性体素材を用いた磁性体インダクタと、誘電体素材を用いた誘電体インダクタとに分けられて、製品化されている。
【0006】
以下では、添付の図面を参照して、従来のインダクタについてより具体的に説明する。
【0007】
図1は、従来のインダクタの特性を説明するための模式図であり、図2は、従来の誘電体インダクタと磁性体インダクタの特性を示した模式図である。
【0008】
図1及び図2に示したように、従来のインダクタは、誘電体を用いた高周波用誘電体インダクタと、磁性体を用いた低周波用フェライトインダクタとに分けられる。
【0009】
誘電体インダクタは、透磁率が1であるため、高いインダクタンス値を得にくい点があるものの、損失が相対的に小さいため、高い周波数における高い品質係数値を有するインダクタを容易に具現するという長所がある。
【0010】
一方、磁性体インダクタは、透磁率が高いため、同じ空間における高いインダクタンスを具現することが容易であるものの、磁性体の損失が大きいため、高い品質係数値を得にくく、高周波動作も難しい短所がある。
【0011】
このように、誘電体インダクタと磁性体インダクタは、可用周波数が確実と異なり、求められる特性も異なるため、適用分野が両分して開発されており、現在、製品も両分されている。
【0012】
一方、図3は、磁性体と誘電体が交互に積層したインダクタ構造を示した図面であり、図4は、コモンモードフィルター構造を示した模式図で、図5は、コモンモードフィルター製品を示した写真である。
【0013】
図3に示したように、磁性体と誘電体が交互に積層した複合構造のインダクタが示されている。
【0014】
図4及び図5には、複合構造のインダクタを用いたコモンモード(common mode)ノイズを制御するコモンモードフィルター(common mode filter)構造と製品を示した。
【0015】
このようなコモンモードフィルターは、高速差動信号ライン間での不均衡により発生するコモンモードノイズを除去する。また、コモンモードフィルターは、スマートフォンを初め、モバイル機器やデジタル機器の数〜数百GHzの高周波帯域で円滑なデータを処理するための必須部品である。
【0016】
このようなコモンモードフィルターは、磁性体と誘電体が積層した複合構造を利用したが、透磁率の特性を利用するインダクタは、磁性体構造内に具現され、誘電率の特性を利用するキャパシタは、誘電体構造に具現されている。
【0017】
すなわち、複合構造を利用したものの、ここで具現されたインダクタは、磁性体インダクタに相当するものである。このように、従来技術は、磁性体又は誘電体の一種類の素材としてインダクタを具現してきたところ、磁性体又は誘電体の固有特性に起因するインダクタ特性のみを示すだけである。
【0018】
関連する先行文献としては、韓国公開特許公報第10−2014−0131418号(2014年11月13日に公開)があり、同文献にはハイブリッド型パワーインダクタ及びその製造方法が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、誘電体インダクタの基本特性を維持しつつ、フェライトインダクタの長所である高いQ値を具現可能に設計された複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ及びこれを有する電子部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するための本発明の実施例による複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタは、誘電体と磁性体とが混合したハイブリッド誘電体層;及び前記ハイブリッド誘電体層内に配置された電極パターン;を含み、前記ハイブリッド誘電体層は、誘電体に磁性体が添加された混合物であることを特徴とする。
【0021】
前記誘電体は、セラミック材質であり、前記磁性体は、フェライト材質であることを特徴とする。
【0022】
また、前記ハイブリッド誘電体層は、前記誘電体に磁性体が添加された混合物を焼結した焼結体であるのが好ましい。
【0023】
前記ハイブリッド誘電体層は、前記誘電体95〜99.999重量%及び磁性体0.001〜5重量%を含んでいてもよい。
【0024】
このとき、前記ハイブリッド誘電体層は、前記誘電体98〜99.99重量%及び磁性体0.01〜2重量%を含むことがより好ましい。
【0025】
前記ハイブリッド誘電体層は、複数の層からなり、前記電極パターンは、前記複数の層からなるハイブリッド誘電体層の一面及び他面のうち少なくとも一つに配置された水平部と、前記複数の層からなるハイブリッド誘電体層を貫通して、前記水平部を連結する少なくとも一つの貫通部を有し得る。
【0026】
上記目的を達成するための本発明の実施例による複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタを有する電子部品は、インダクタ;及び前記インダクタに連結された少なくとも一つの電子素子;を含み、前記インダクタは、誘電体と磁性体とが混合したハイブリッド誘電体層;及び前記ハイブリッド誘電体層内に配置された電極パターン;を含み、前記ハイブリッド誘電体層は、誘電体に磁性体が添加された混合物であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明による複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ及びこれを有する電子部品は、誘電体インダクタの基本特性を維持しつつ、フェライトインダクタの長所である高いQ値を示す最適の誘電体及び磁性体の組成比を想到した。
【0028】
この結果、本発明による複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ及びこれを有する電子部品は、誘電体及び磁性体とが混合したハイブリッド誘電体層への材料変更によって誘電体インダクタの基本特性を維持しつつ、フェライトインダクタの長所である高いQ値を有し得るため、5G移動通信に適した高周波及び低損失の特性を共に満たすことができる。
【0029】
これによって、本発明による複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ及びこれを有する電子部品は、インダクタ単品で具現することができるだけでなく、インダクタ、キャパシタ等の電子素子が複数集積したモジュールや部品、例えば、帯域通過フィルター、共振器、電力増幅器、発振器等の回路構成に適用されて、回路全体の性能を改善するために活用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】従来のインダクタ特性を説明するための模式図。
【図2】従来の誘電体インダクタと磁性体インダクタの特性を示した模式図。
【図3】磁性体と誘電体が交互に積層したインダクタ構造を示した図面。
【図4】コモンモードフィルター構造を示した模式図。
【図5】コモンモードフィルター製品を示した写真。
【図6】本発明の実施例による複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタを示した斜視図。
【図7】図6のハイブリッド誘電体層を説明するための模式図。
【図8】実施例1〜5及び比較例1に従って製造されたインダクタを撮影して示した写真。
【図9】実施例1〜4に従って製造されたハイブリッド誘電体層に対する電極反応実験の結果を示した写真。
【図10】実施例1〜5及び比較例1に従って製造されたインダクタに対する周波数別インダクタンス値を測定した結果を示したグラフ。
【図11】実施例1〜5及び比較例1に従って製造されたインダクタに対する周波数別Q値を測定した結果を示したグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下に開示する実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態に具現されるものであり、ただし、本実施例は、本発明の開示を完全にして、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。全明細書における同じ参照符号は、同じ構成要素を指す。
【0032】
以下に添付する図面を参照して本発明の好ましい実施例による複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ及びこれを有する電子部品について詳説すれば、次のとおりである。
【0033】
図6は、本発明の実施例による複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタを示した斜視図であり、図7は、図6のハイブリッド誘電体層を説明するための模式図である。
【0034】
図6及び図7を参照すれば、本発明の実施例による複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ100は、誘電体インダクタの基本特性を維持しつつ、フェライトインダクタの長所である高いQ値を具現可能に設計された。
【0035】
5G移動通信用受動部品のうち一つとして使用されるインダクタ100は、Q値が非常に重要な部品であり、回路を設計する際、インダクタ100のQ値が回路のQ値を決定する最大要素であるため、本発明では、誘電体及び磁性体とが混合したハイブリッド誘電体層120への材料変更によって誘電体インダクタの基本特性を維持しつつ、高いQ値を有するインダクタ100を開発した。
【0036】
これによって、本発明の実施例による複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ100は、5G移動通信に適した高周波及び低損失の特性を共に満たすことができる。
【0037】
このため、本発明の実施例による複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ100は、ハイブリッド誘電体層120及び電極パターン140を含む。
【0038】
ハイブリッド誘電体層120は、誘電体122と磁性体124とが混合したものが用いられる。ここで、ハイブリッド誘電体層120は、誘電体122に磁性体124が添加された混合物であることがより好ましい。
【0039】
このとき、誘電体122は、セラミック材質が用いられる。一例として、誘電体122は、ZnOを主成分とするセラミック材質が用いられてもよく、各種添加剤(例えば、Bi、Sb、Ag、Mn、Co、Zr、Cr、Al等の酸化物)をさらに添加して、必要とするインダクタ特性を具現して、接合性及び収縮率を制御することができるようになる。これによって、誘電体122は、セラミック材質の単独からなるか、又はセラミック材質に各種添加剤がさらに添加された混合物を用いることができる。
【0040】
そして、磁性体124は、フェライト材質が用いられる。一例として、磁性体124は、Fe−Ni−Znを主成分とするフェライト(ferrite)材質が用いられてもよく、構成成分及び含量を調節して、必要とするインダクタンスを制御することができる。また、磁性体124は、各種添加剤(例えば、Bi、Co、Si、又はCu等の酸化物)をさらに添加して、接合性及び塑性時の収縮率を制御することができるようになる。これによって、磁性体124は、フェライト材質の単独からなるか、又はフェライト材質に各種添加剤がさらに添加された混合物を用いることができる。
【0041】
前述したハイブリッド誘電体層120は、誘電体122に磁性体124が添加された混合物を焼結した焼結体であることがより好ましい。
【0042】
このようなハイブリッド誘電体層120は、誘電体122の95〜99.999重量%及び磁性体124の0.001〜5重量%を含むのが好ましく、より好ましい範囲としては、誘電体122の98〜99.99重量%及び磁性体124の0.01〜2重量%を提示することができる。
【0043】
磁性体124がハイブリッド誘電体層120の全体重量の0.001重量%未満で微量添加される場合には、誘電体インダクタと類似に低用量及び高周波の特性を示し、低いQ値を示し得る。逆に、磁性体124がハイブリッド誘電体層120の全体重量の5重量%を超えて多量添加される場合には、フェライトインダクタと同様、高用量及び低周波の特性を示し、誘電体122が含有された長所を発揮することができない問題がある。
【0044】
このように、本発明では、ハイブリッド誘電体層120の磁性体124の分率を最適含量比で制御することによって、誘電体インダクタの特性を維持しつつ、フェライト誘電体の長所である高いQ値を得ることができる。
【0045】
電極パターン140は、ハイブリッド誘電体層120内に配置される。このような電極パターン140は、銅(Cu)、タングステン(W)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)及びクロム(Cr)のうち1種以上の材質で形成されうるが、これに制限されるものではなく、伝導性を有する金属物質であれば制限なく用いることができる。
【0046】
ここで、ハイブリッド誘電体層120は、複数の層からなり得る。この場合、電極パターン140は、水平部142及び貫通部144を有し得る。電極パターン140の水平部142は、複数の層からなるハイブリッド誘電体層120の一面及び他面のうち少なくとも一つに配置される。電極パターン140の貫通部144は、複数の層からなるハイブリッド誘電体層120を貫通して、水平部142を連結するように少なくとも一つが配置される。
【0047】
一方、本発明の実施例による複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタを有する電子部品は、ハイブリッドインダクタ及び電子素子を含む。
【0048】
ここで、電子素子は、ハイブリッドインダクタに少なくとも一つが連結される。
【0049】
このとき、ハイブリッドインダクタは、図7及び図8を参照して説明したハイブリッドインダクタと実質的に同様なものが用いられる。
【0050】
すなわち、ハイブリッドインダクタは、誘電体と磁性体とが混合したハイブリッド誘電体層及び前記ハイブリッド誘電体層内に配置された電極パターンを含む。このとき、ハイブリッド誘電体層は、誘電体に磁性体が添加された混合物が用いられる。
【0051】
今まで考察したように、本発明の実施例による複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ及びこれを有する電子部品は、誘電体インダクタの基本特性を維持しつつ、フェライトインダクタの長所である高いQ値を示す最適の誘電体及び磁性体の組成比を想到した。
【0052】
この結果、本発明の実施例による複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ及びこれを有する電子部品は、誘電体及び磁性体とが混合したハイブリッド誘電体層への材料変更によって誘電体インダクタの基本特性を維持しつつ、フェライトインダクタの長所である高いQ値を有し得るため、5G移動通信に適した高周波及び低損失の特性を共に満たすことができる。
【0053】
これによって、本発明の実施例による複合材料を用いた性能強化型ハイブリッドインダクタ及びこれを有する電子部品は、インダクタの単品で具現することができるだけでなく、インダクタ、キャパシタ等の電子素子が複数集積したモジュールや部品、例えば、帯域通過フィルター、共振器、電力増幅器、発振器等の回路構成に適用されて、回路全体の性能を改善するために活用されうる。
【0054】
実施例
以下では、本発明の好ましい実施例を介して本発明の構成及び作用をさらに詳説する。ただし、これは、本発明の好ましい例示として提示されたものであり、どのような意味でも、これによって本発明が制限されると解釈されてはならない。
【0055】
ここに記載していない内容は、この技術分野における熟練者であれば、技術的に十分に類推することができるため、その説明を省略する。
【0056】
1.インダクタ製造
実施例1
誘電体99.5wt%及びフェライト0.5wt%で組成されたハイブリッド誘電体層を用いてハイブリッドインダクタを製造した。
【0057】
実施例2
誘電体99.0wt%及びフェライト1.0wt%で組成されたハイブリッド誘電体層を用いてハイブリッドインダクタを製造した。
【0058】
実施例3
誘電体98.5wt%及びフェライト1.5wt%で組成されたハイブリッド誘電体層を用いてハイブリッドインダクタを製造した。
【0059】
実施例4
誘電体98.0wt%及びフェライト2.0wt%で組成されたハイブリッド誘電体層を用いてハイブリッドインダクタを製造した。
【0060】
実施例5
誘電体97.5wt%及びフェライト2.5wt%で組成されたハイブリッド誘電体層を用いてハイブリッドインダクタを製造した。
【0061】
比較例1
誘電体100wt%で組成された誘電体層を用いて誘電体インダクタを製造した。
【0062】
2.物性評価
図8は、実施例1〜5及び比較例1によるインダクタを撮影して示した写真である。
【0063】
図8に示したように、実施例1〜5及び比較例1に従って製造されたインダクタを撮影した実測写真が示されている。
【0064】
このとき、実施例1〜5に従って製造されたインダクタは、磁性体が0.5wt%、1.0wt、1.5wt%、2.0wt%及び3.0wt%でそれぞれ組成されたハイブリッド誘電体層を用いたものであり、比較例1に従って製造されたインダクタは、誘電体100wt%で組成された誘電体層を用いたものである。
【0065】
一方、図9は、実施例1〜4に従って製造されたハイブリッド誘電体層に対する電極反応実験の結果を示した写真である。
【0066】
図9に示したように、実施例1〜4に従って製造されたハイブリッド誘電体層は、誘電体99.5wt%及び磁性体0.5wt%、誘電体99wt%及び磁性体1.0wt、誘電体98.5wt%及び磁性体1.5wt%と、誘電体98wt%及び磁性体2.0wt%でそれぞれ組成される最適分率に制御されることによって、クラックの発生なしに電極パターンと同時塑性が行われることを確認することができる。
【0067】
一方、図10は、実施例1〜5及び比較例1に従って製造されたインダクタに対する周波数別インダクタンス値を測定した結果を示したグラフである。
【0068】
図10に示したように、実施例1〜4に従って製造されたインダクタの場合、比較例1に従って製造されたインダクタに比べて、0〜1200MHzの周波数帯域におけるインダクタンス値がほとんど上昇したことを確認することができる。ただし、磁性体が3wt%で多量添加された実施例5の場合には、比較例1に従って製造されたインダクタに類似するインダクタンス値を示していることを確認した。
【0069】
図11は、実施例1〜5及び比較例1に従って製造されたインダクタに対する周波数別Q値を測定した結果を示したグラフである。
【0070】
図11に示したように、実施例1〜4に従って製造されたインダクタの場合、比較例1によって製造されたインダクタに比べて、0〜1200MHzの周波数帯域におけるQ値がほとんど上昇したことを確認することができる。ただし、磁性体が3wt%で多量添加された実施例5の場合には、比較例1に従って製造されたインダクタに類似するQ値を示していることを確認した。
【0071】
特に、比較例1に従って製造されたインダクタのQ最大値は、14と測定されたが、実施例3に従って製造されたインダクタのQ最大値は、17.2と測定され、実施例3に従って製造されたインダクタのQ最大値が約20%程上昇したことを確認した。
【0072】
以上では、本発明の実施例を中心に説明したが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する技術者の水準で多様な変更や変形を加えることができる。このような変更と変形は、本発明が提供する技術思想の範囲を脱しない限り、本発明に属すると言える。よって、本発明の権利範囲は、以下に記載する請求の範囲によって判断すべきである。
【符号の説明】
【0073】
100 ハイブリッドインダクタ
120 ハイブリッド誘電体層
122 誘電体
124 磁性体
140 電極パターン
142 電極パターンの水平部
144 電極パターンの貫通部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】