(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021002753
(43)【公開日】20210107
(54)【発明の名称】電子制御装置、データ受信方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20201204BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20201204BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20201204BHJP
   B60R 16/023 20060101ALI20201204BHJP
【FI】
   !H04L12/28 200D
   !G06F13/00 301B
   !B60R16/02 660X
   !B60R16/023 P
   !H04L12/28 100A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】2019115435
(22)【出願日】20190621
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立オートモティブシステムズ株式会社
【住所又は居所】茨城県ひたちなか市高場2520番地
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】星野 智裕
【住所又は居所】茨城県ひたちなか市高場2520番地 日立オートモティブシステムズ株式会社内
【テーマコード(参考)】
5K033
【Fターム(参考)】
5K033AA02
5K033BA06
5K033CB19
5K033DA01
5K033EA06
(57)【要約】
【課題】正常な測定データを用いてエンジンを制御することができる電子制御装置、データ受信方法およびコンピュータプログラムを提供すること。
【解決手段】電子制御装置1は、車両に搭載されるセンサを制御する複数の制御回路11(1)〜11(n)と、車両の制御処理を実行するマイクロコンピュータ12とを備え、制御回路は、センサの測定データを分割し、複数のパケットを生成するパケット生成部111と、各パケットを所定周期でマイクロコンピュータへ送信する送信部112とを備え、マイクロコンピュータは、各パケットを受信する受信割り込み処理と、受信割り込み処理よりも高優先に設定され、エンジンを制御するエンジン制御割り込み処理とを実行し、マイクロコンピュータは、各パケットを受信完了する前にエンジン制御割り込み処理が実行される場合には、受信したパケットを削除する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるセンサを制御する複数の制御回路と、
前記車両の制御処理を実行するマイクロコンピュータと
を備え、
前記制御回路は、
前記センサの測定データを分割し、複数のパケットを生成するパケット生成部と、
前記各パケットを所定周期で前記マイクロコンピュータへ送信する送信部と
を備え、
前記マイクロコンピュータは、
前記パケットを受信する受信割り込み処理と、
前記受信割り込み処理よりも高優先に設定され、エンジンを制御するエンジン制御割り込み処理と
を実行し、
前記マイクロコンピュータは、前記各パケットを受信完了する前に前記エンジン制御割り込み処理が実行される場合には、受信した前記パケットを削除する
電子制御装置。
【請求項2】
前記マイクロコンピュータは、
前記センサから受信した受信パケットの数をカウントし、
一周期の前記受信パケットの数と、前記制御回路が送信した送信パケットの数とが異なる場合には、前記受信パケットを削除し、
前記一周期から後の周期で受信した前記パケットから数をカウントし始める
請求項1に記載の電子制御装置。
【請求項3】
前記マイクロコンピュータには、前記受信割り込み処理が実行される割り込み予定時間が設定され、
前記マイクロコンピュータは、
前記割り込み予定時間から所定時間よりも長く前記エンジン制御割り込み処理が実行される場合には、次の周期まで前記受信割り込み処理を停止させる
請求項1に記載の電子制御装置。
【請求項4】
前記マイクロコンピュータは、
前記割り込み予定時間から前記所定時間内に前記受信割り込み処理が実行されない場合には、受信した前記パケットを削除する
請求項3に記載の電子制御装置。
【請求項5】
前記所定時間は、次の割り込み予定時間までに前記受信割り込み処理が終了する時間に設定される
請求項3に記載の電子制御装置。
【請求項6】
前記センサは、空燃比センサである
請求項1に記載の電子制御装置。
【請求項7】
前記エンジン制御割り込み処理は、インジェクタの燃料噴射時間の制御または前記インジェクタの燃料噴射量の制御の少なくともいずれか一方である
請求項1に記載の電子制御装置。
【請求項8】
センサを制御する制御回路から測定データを受信するデータ受信方法であって、
前記制御回路は、
前記測定データを複数のパケットに分割し、
前記各パケットをマイクロコンピュータに送信し、
前記マイクロコンピュータは、
受信割り込み処理によって、前記制御回路から前記パケットを受信し、
前記各パケットを受信完了する前に、前記受信割り込み処理よりも優先度の高いエンジン制御割り込み処理が実行される場合には、受信した前記パケットを削除する
データ受信方法。
【請求項9】
コンピュータを、電子制御装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータ上に、
車両に搭載されるセンサを制御し、測定データを複数のパケットへ分割する複数のセンサ制御部と、
前記センサ制御部から前記パケットを受信する受信割り込み処理および、前記受信割り込み処理よりも高優先に設定され、エンジンを制御するエンジン制御割り込み処理を実行し、前記車両を制御する車両制御部と、
前記各パケットを受信完了する前に前記エンジン制御割り込み処理が実行される場合には、受信した前記パケットを削除する機能と
をそれぞれ実現させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子制御装置、データ受信方法およびコンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車に備えられる電子制御装置は、多種多様なセンサから測定データを取得する。電子制御装置に備えられるマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略記する場合がある)は、測定データに基づいて自動車を制御する。自動車を安全に制御する為に、マイコンは、測定データを正常に取得することが求められる。
【0003】
マイコンは、測定データをセンサから受信する受信割り込み処理を含む複数の割り込み処理を実行する。電子制御装置は、各割り込み処理に優先度を設定することによって、自動車の走行に関するエンジン制御割り込み処理を優先的に実行することができる。エンジン制御割り込み処理は、エンジンの回転速度等によって割り込みが発生する頻度が変化する。これにより、マイコンは、エンジン制御割り込み処理が発生しても測定データを正常に取得することが求められる。
【0004】
特許文献1の技術では、実行可能な状態にある複数のタスクの優先順位に基づいて、CPU(Central Processing Unit)に割り当てるタスクを決定する。通信I/F(InterFace)のデータ受信によってCPUに対する割り込み要求が発生すると、CPUは、割り込みハンドラを起動する。割り込みハンドラは、通信I/Fに到着した受信データに付与されている優先度情報に基づいて、データ受信のために待ち状態にある複数のタスクの起床順序を決定する。割り込みハンドラは、優先度情報によって高い優先度が与えられた受信データの受信待ちを行っているタスクを優先的に実行可能とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−249357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、割り込みハンドラによって優先順位の高いタスクをいち早く実行可能状態に遷移させる。優先順位の高いタスクの実行終了後に優先順位の低いタスクが実行される。電子制御装置は、エンジン制御割り込み処理の終了後に受信割り込み処理を実行する。これにより、電子制御装置は、測定データのうちの一部のデータをセンサから受信できない場合が考えられる。。
【0007】
マイコンは、DMA(Direct Memory Access)を使用することによって、受信割り込み処理によって測定データを受信するよりも高速に測定データをセンサから受信することができる。しかしながら、DMAに割り当てられるセンサの通信が有限であるため、DMAに割り当てることができないセンサの測定データは、受信割り込み処理によって受信する。
【0008】
そこで、本発明は、上記の課題を解決する為になされたものであり、正常な測定データを用いてエンジンを制御することが可能な電子制御装置、データ受信方法およびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
電子制御装置は、車両に搭載されるセンサを制御する複数の制御回路と、車両の制御処理を実行するマイクロコンピュータとを備え、制御回路は、センサの測定データを分割し、複数のパケットを生成するパケット生成部と、各パケットを所定周期でマイクロコンピュータへ送信する送信部とを備え、マイクロコンピュータは、各パケットを受信する受信割り込み処理と、受信割り込み処理よりも高優先に設定され、エンジンを制御するエンジン制御割り込み処理とを実行し、マイクロコンピュータは、各パケットを受信完了する前にエンジン制御割り込み処理が実行される場合には、受信したパケットを削除する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、正常な測定データを用いてエンジンを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施例における電子制御装置とエンジンの概略図。
【図2】電子制御装置の通信の説明図。
【図3】マイコンのハードウェア構成図。
【図4】受信割り込み処理の説明図。
【図5】受信割り込み処理の流れ図。
【図6】パケット数判定処理の流れ図。
【図7】第2実施例における受信割り込み処理の説明図。
【図8】受信割り込み処理の流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施形態の実施例を図面に基づいて説明するが、本実施形態は、各図面に記載の実施例に限定されるものではない。本実施形態は、例えば、正常な測定データを用いてエンジンを制御することが可能な電子制御装置に関するものである。
【実施例1】
【0013】
図1は、電子制御装置1とエンジン2の概略図である。電子制御装置1は、エンジン2を制御する。電子制御装置1は、エンジン2と電気的に接続される。エンジン2は、例えば、吸気フィルタ21と、主通路22と、流量センサ23と、スロットルバルブ24と、吸気マニホールド25と、インジェクタ26と、吸気バルブ27と、点火プラグ28と、ピストン30と、気筒31と、排気バルブ32と、空燃比センサ33とを備える。
【0014】
なお、流量センサ23および空燃比センサ33を特に区別しない場合には、「センサ」と示す場合がある。センサは、流量センサ23および空燃比センサ33に限らず、クランクセンサまたはカムセンサ等の他のセンサでもよい。
【0015】
エンジン2内に吸入された気体34は、吸気フィルタ21によってゴミを取り除かれる。気体34は、主通路22を通過し、流量センサ23にて流量が計測される。流量センサ23は、気体34の情報を電子制御装置1に送信する。電子制御装置1は、スロットルバルブ24を制御し、気体34の流量を調節する。気体34は、吸気マニホールド25を通過し、インジェクタ26によって燃料が噴射される。吸気バルブ27が開くと、燃料が混ざった気体34は、燃焼室29に流入する。気体34は、ピストン30が上昇することによって圧縮される。気体34は、点火プラグ28によって点火される。気体34は、燃焼し膨張することによって、ピストン30を下降させる。排気バルブ32が開くことによって、燃焼後の気体35は排気される。空燃比センサ33は、気体35の酸素濃度を測定する。空燃比センサ33は、測定データを電子制御装置1に送信する。電子制御装置1は、空燃比センサ33からの測定データに基づいて、インジェクタ26の燃料噴射量を制御する。
【0016】
電子制御装置1は、車両に搭載されるセンサを制御する複数の制御回路11(1)〜11(n)(nは任意の定数を示す)と、車両の制御処理を実行するマイクロコンピュータ(図中ではマイコンと略記する場合がある)12とを備える。なお、制御回路11(1)〜11(n)は、特に区別しない場合には、制御回路11と示す場合がある。制御回路11(1)は、例えば、流量センサ23を制御する(図2参照)。制御回路11(2)は、例えば、空燃比センサ33を制御する。
【0017】
制御回路11は、マイコン12から独立してセンサの制御をする。制御回路11は、マイコン12と通信可能な集積回路である。制御回路11は、例えば、パケット生成部111と送信部112とを備える。なお、図中において、「部」は省略して示す場合がある。例えば、パケット生成部111は、図中では、「パケット生成」と示す場合がある。
【0018】
パケット生成部111は、センサから取得した測定データを分割し、「複数のパケット」の一例としての複数の分割データa1〜a3,b1〜b3,c1〜c3(図4参照)を生成する。なお、各分割データa1〜a3,b1〜b3,c1〜c3は、特に区別しない場合には、「分割データa」と示す場合がある。分割データaには、ヘッダまたはパリティ等が含まれてもよい。すなわち、例えば、分割データa1〜a3がヘッダを示し、分割データb1〜b3,c1〜c3が測定データを示してもよい。
【0019】
パケット生成部111は、生成した分割データaを送信部112に送信する。送信部112は、分割データaを通信周期k(図4参照)でマイコン12へ送信する。
【0020】
マイコン12は、例えば、通信機能121と、演算処理装置122と、DMAC(Direct Memory Access Controller)123と、メモリ124とを備える。通信機能121は、制御回路11と通信可能に接続される。
【0021】
演算処理装置122は、マイコン12の中枢となる構成要素の一つであり、制御、演算または情報転送等の様々な処理を行う。演算処理装置122は、例えば、CPUである。DMAC123は、マイコン12を介さずに、通信機能121とメモリ124とのデータ転送を行う。DMAC123は、演算処理装置122から入出力情報を取得する。メモリ124は、演算処理装置122の作業領域として用いられるもので、各種データを記憶する。
【0022】
マイコン12は、分割データaを受信する受信割り込み処理41(m)(図4参照,mは任意の定数を示す)と、受信割り込み処理41(m)よりも高優先に設定され、エンジン2を制御するエンジン制御割り込み処理40とを実行する。なお、受信割り込み処理41(m)は、特に区別しない場合には、受信割り込み処理41と示す場合がある。
【0023】
マイコン12は、受信割り込み処理41によって、分割データaを通信機能121から取得する。マイコン12は、測定データを算出し、メモリ124に保存する。すなわち、マイコン12は、受信割り込み処理41によって、センサから測定データを取得する。
【0024】
マイコン12は、エンジン制御割り込み処理40を実行することによって、メモリ124に保存される測定データに基づいて、エンジンを制御する。エンジン制御割り込み処理40は、例えば、インジェクタ26の噴射量制御、インジェクタ26の噴射タイミング制御、気体34の吸気タイミングまたは気体35の排気タイミング等である。
【0025】
図2は、電子制御装置1の通信の説明図である。流量センサ23は、例えば、制御回路11(1)に測定データを送信する。制御回路11(1)は、マイコン12に分割データと同期信号とを送信する。空燃比センサ33は、制御回路11(2)に測定データを送信する。制御回路11(2)は、マイコン12に分割データaと同期信号r(図4参照)とを送信する。なお、一つの制御回路11に複数のセンサが通信可能に接続されてもよい。
【0026】
図3は、マイコン12のハードウェア構成図である。マイコン12は、例えば、通信機能121と、演算処理装置122と、DMAC123と、メモリ124と、タイマ機能125と、割り込みコントローラ126とを備える。各機能121〜126は、バス127を介して互いに通信可能に接続される。
【0027】
タイマ機能125は、通信周期kの開始タイミングおよび受信割り込み処理41の発生タイミングを検出する。割り込みコントローラ126は、周辺機器からの割り込み指令によって、受信割り込み処理41またはエンジン制御割り込み処理40等を演算処理装置122に実行させる。
【0028】
以下の電子制御装置1における受信割り込み処理41の説明において、空燃比センサ33を一例にあげて説明する。図4は、受信割り込み処理41の説明図である。図4(1)には、同期信号rを示す。同期信号rは、例えば、時刻ts1にて制御回路11(2)から送信される。タイマ機能125は、時刻ts1を通信周期kの開始タイミングとして検出する。すなわち、マイコン12は、通信周期の開始タイミングを制御回路11からの同期信号rに基づいて設定する。
【0029】
図4(2)には、分割データaを示す。第1の周期(時刻ts1〜時刻ts2)において、制御回路11(2)は、分割データa1、分割データb1、分割データc1の順番でマイコン12に送信する。第2の周期(時刻ts2〜時刻ts3)において、制御回路11は、分割データa2、分割データb2、分割データc2の順番でマイコン12に送信する。第3の周期(時刻ts3〜)において、制御回路11は、分割データa3、分割データb3、分割データc3の順番でマイコン12に送信する。
【0030】
分割データa1と、分割データb1と、分割データc1とは、第1の周期における空燃比センサ33の測定データを分割したデータである。分割データa2と、分割データb2と、分割データc2とは、第2の周期における空燃比センサ33の測定データを分割したデータである。分割データa3と、分割データb3と、分割データc3とは、第3の周期における空燃比センサ33の測定データを分割したデータである。なお、分割データaは、測定データが三つに分割されたデータに限らず、二つまたは四つ以上に分割されたデータでもよい。
【0031】
図4(3)には、エンジン制御割り込み処理40を示す。エンジン制御割り込み処理40は、例えば、分割データa1の受信完了時刻t11より前に実行開始し、分割データb1の受信完了時刻t12よりも後に終了する(終了時刻te)。なお、「受信完了時刻」とは、通信機能121が制御回路11から分割データaの受信を完了した時刻である。
【0032】
図4(4)には、受信割り込み処理41を示す。受信割り込み処理41は、各分割データaが通信機能121に受信完了したタイミングで実行される。しかしながら、エンジン制御割り込み処理40が受信割り込み処理41よりも高優先なので、受信割り込み処理41は、エンジン制御割り込み処理40の終了後に実行される。受信割り込み処理41(1)は、終了時刻te後に実行され、分割データb1を受信する。受信割り込み処理41(2)は、分割データc1の受信完了時刻t13の後に実行され、分割データc1を受信する。
【0033】
受信割り込み処理41(3)は、分割データa2の受信完了時刻t21の後に実行され、分割データa2を受信する。受信割り込み処理41(4)は、分割データb1の受信完了時刻t22の後に実行され、分割データb2を受信する。受信割り込み処理41(5)は、分割データc2の受信完了時刻t23の後に実行され、分割データc2を受信する。第3通信周期における受信割り込み処理41(6),41(7),41(8)の説明は、受信割り込み処理41(3),41(4),41(5)と同様の説明になるため、詳細を省略する。
【0034】
図4(6)〜図4(8)には、分割データ保存部を示す。分割データ保存部は、例えば、メモリ124に備えられる分割データaの記憶領域である。分割データ保存部は、第1〜第3分割データ保存部を備えるが、三つの保存領域に限らず、二つまたは四つ以上の保存領域を備えてもよい。
【0035】
第1分割データ保存部には、例えば、受信割り込み処理41(1)にて分割データb1が保存され、受信割り込み処理41(3)にて分割データa2が保存され、受信割り込み処理41(6)にて分割データa3が保存される。第2分割データ保存部には、例えば、受信割り込み処理41(2)にて分割データc1が保存され、受信割り込み処理41(4)にて分割データb2が保存され、受信割り込み処理41(7)にて分割データb3が保存される。第3分割データ保存部には、例えば、受信割り込み処理41(5)にて分割データc2が保存され、受信割り込み処理41(8)にて分割データc3が保存される。
【0036】
図4(9)は、測定データ保存部を示す。測定データ保存部には、分割データaを結合することによって生成した測定データが保存される。測定データ保存部には、例えば、受信割り込み処理41(5)によって分割データc2が第3分割データ保存部に保存された後に、分割データa2,b2,c2に基づいて生成された測定データが保存される。
【0037】
図4(10)は、受信カウンタを示す。受信カウンタは、新たに分割データ保存部に保存された分割データaの数をカウントする。受信カウンタは、通信周期の開始タイミングts1において「0」を示し、受信割り込み処理41(1)によって「1」に変更される。受信カウンタは、受信割り込み処理41(2)によって「2」に変更される。受信カウンタは、受信割り込み処理41(3)によって「1」に変更される。受信カウンタは、受信割り込み処理41(4)によって「2」に変更される。受信カウンタは、受信割り込み処理41(5)によって「3」に変更される。その後受信カウンタは、「0」に変更される。受信カウンタは、受信割り込み処理41(6)によって「1」に変更される。受信カウンタは、受信割り込み処理41(7)によって「2」に変更される。
【0038】
以下、図4に記載の内容を参照しながら電子制御装置1の受信割り込み処理41を説明する。図5は、受信割り込み処理41の流れ図である。受信割り込み処理41は、エンジン制御処理40の終了時刻te後または、分割データaを通信機能121が受信完了した後に実行される。例えば、受信割り込み処理41(1)は、終了時刻te後に実行される。なお、演算処理装置122は、通信機能121の受信が完了したかを通信機能121が備える受信完了フラグで判定してもよい。
【0039】
演算処理装置122は、例えば、受信割り込み処理41(1)を実行し、通信機能121から分割データb1を取得する(S11)。演算処理装置122は、通信機能121の受信完了フラグを初期化し、分割データb1を第1分割データ保存部へ保存する。
【0040】
演算処理装置122は、受信完了割込み処理41(1)が発生した時刻teをタイマ機能125より取得する(S12)。演算処理装置122は、同期信号rの入力タイミングの時刻ts1をタイマ機能125より取得する。演算処理装置122は、カウントを開始する基準タイミングの時刻として、時刻ts1をメモリ124へ格納する。演算処理装置122は、基準タイミングから受信割り込み処理41(1)の発生タイミングまでの時間tt1を算出する。
【0041】
演算処理装置122は、時間tt1と通信周期kとを比較する(S13)。時間tt1が第1通信周期kよりも短いため(S13:Yes)、演算処理装置122は、受信カウンタを「0」から「1」にカウントアップする(S14)。
【0042】
演算処理装置122は、パケット数判定処理(S15)を実行する。なお、受信完了割込みが発生した時間が通信周期k以上の場合(S13:No)の処理(S16〜S18)については後述する。
【0043】
図6は、パケット数判定処理(S15)の流れ図である。演算処理装置122は、受信カウンタとデータの分割数とを比較する(S151)。受信カウンタは、例えば、「1」である。データの分割数は、例えば、分割データa1,b1,c1の「3」である。受信カウンタがデータの分割数に到達していないため(S151:No)、演算処理装置122は、パケット数判定処理(S15)を終了する。
【0044】
なお、受信カウンタがデータの分割数に到達する場合(S151:Yes)の処理(S152〜S154)については後述する。図5に戻り、演算処理装置122は、受信完了割込み処理41(1)を終了する。
【0045】
演算処理装置122は、受信割り込み処理41(2)を実行した後に受信割り込み処理41(3)を実行する。演算処理装置122は、通信機能121から分割データa2を取得する(S11)。演算処理装置122は、通信機能121の受信完了フラグを初期化する。演算処理装置122は、第1分割データ保存部には分割データb1が保存され、第2分割データ保存部には分割データc1が保存されるため、分割データa2を第3分割データ保存部へ保存する。
【0046】
演算処理装置122は、受信完了割込み処理41(3)が発生した時刻t21をタイマ機能125から取得する(S12)。演算処理装置122は、基準タイミング(時刻ts1)から受信割り込み処理41(3)の発生タイミングまでの時間tt2を算出する。
【0047】
演算処理装置122は、受信完了割込み処理41(3)が発生した時間tt2と通信周期kとを比較する(S13)。時間tt2が第1通信周期kよりも長いため(S13:No)、演算処理装置122は、受信カウンタを「2」から「0」に初期化する(S16)。
【0048】
演算処理装置122は、第3分割データ保存部に保存される分割データa2を第1分割データ保存部に保存する(S17)。この際に、演算処理装置122は、受信カウンタを「0」から「1」にカウントアップする。
【0049】
演算処理装置122は、基準タイミングを第1周期の開始タイミングts1から第2周期の開始タイミングts2に更新する(S18)。演算処理装置122は、受信完了割込み処理41(3)を終了する。
【0050】
演算処理装置122は、受信割り込み処理41(4)の後に受信割り込み処理41(5)を実行する。演算処理装置122は、処理(S11,S12)を実行し、受信割り込み処理41(5)の実行時間が通信周期kよりも短いと判定する(S13:Yes)。演算処理装置122は、カウントを「2」から「3」にカウントアップする。演算処理装置122は、パケット数判定部(S15)を実行する。
【0051】
受信カウンタがデータの分割数の「3」に到達しているため(S151:Yes)、演算処理装置122は、分割データa2,b2,c2を結合して測定データを生成する(S152)。演算処理装置122は、測定データを測定データ保存部に保存する。演算処理装置122は、受信カウントと分割データaの保存先を初期化する(S153)。演算処理装置122は、第3周期の開始タイミングts3を基準タイミングに設定する(S154)。
【0052】
以上に示す自動車量電子制御装置1は、分割データaを受信完了する前にエンジン制御割り込み処理が実行される場合には、受信した分割データaを削除する。これにより、電子制御装置1は、分割データaを受信できない場合に生じる不完全な測定データの生成を抑制することができる。その結果、電子制御装置1は、正常な測定データを用いて、車両を制御することができる。
【0053】
演算処理装置122は、通信周期kの開始タイミングから一周期内に受信した受信パケットの数と、制御回路11が送信した送信パケットの数とが異なる場合には、受信したパケットを削除する。これにより、演算処理装置122は、制御回路11が送信した分割データを全て受信したかを判定することができる。これにより、不完全な測定データの生成を抑制することができる。
【実施例2】
【0054】
本実施例は、第1実施例の変形例に相当するため、第1実施例との相違を中心に説明する。図7は、受信割り込み処理41a(m)の説明図である。電子制御装置1は、受信割り込み処理41(m)の実行予定時間に基づいて、受信した分割データaの削除を判定する。実行予定時間とは、受信割り込み処理41a(m)が実行される予定の時間を示し、分割データaの受信完了時刻に関連する。
【0055】
図7(1)には、同期信号rを示す。図7(2)には、分割データaを示す。図7(3)には、エンジン制御割り込み処理40を示す。図7(4)には、受信割り込み処理41a(m)を示す。なお、受信割り込み処理41a(m)は、特に区別しない場合には、受信割り込み処理41aと示す場合がある。
【0056】
受信割り込み処理41a(1)は、分割データa1の受信完了時刻t11の後に実行され、分割データa1を受信する。受信割り込み処理41a(2)は、分割データa2の受信完了時刻t21の後に実行され、分割データa2を受信する。受信割り込み処理41a(3)は、分割データb2の受信完了時刻t22の後に実行され、分割データb2を受信する。受信割り込み処理41a(4)は、分割データc2の受信完了時刻t23の後に実行され、分割データc2を受信する。なお、受信割り込み処理41a(5)〜41a(7)の説明は、受信割り込み処理41a(2)〜41a(4)の説明と同様であるため省略する。
【0057】
受信完了時刻t11〜t13,t21〜t23は、受信割り込み処理41の実行予定時間である。受信割り込み処理41a(1)の実行予定時間は、例えば、受信完了時刻t11である。受信割り込み処理41a(2)の実行予定時間は、例えば、受信完了時刻t21である。受信割り込み処理41a(3)の実行予定時間は、例えば、受信完了時刻t22である。受信割り込み処理41a(4)の実行予定時間は、例えば、受信完了時刻t23である。
【0058】
図4(6)〜図4(8)には、分割データ保存部を示す。第1分割データ保存部には、例えば、受信割り込み処理41a(1)にて分割データa1が保存され、後述する処理(S26)によって分割データa1が削除され、受信割り込み処理41a(2)にて分割データa2が保存され、受信割り込み処理41(5)にて分割データa3が保存される。第2分割データ保存部には、例えば、受信割り込み処理41a(3)にて分割データb2が保存され、受信割り込み処理41(6)にて分割データb3が保存される。第3分割データ保存部には、例えば、受信割り込み処理41a(4)にて分割データc2が保存され、受信割り込み処理41(7)にて分割データc3が保存される。
【0059】
以下、図7に記載の内容を参照しながら電子制御装置1の受信データ割り込み処理41aを説明する。図8は、受信データ割り込み処理41aの流れ図である。演算処理装置122は、受信割り込み制御が許可されているかを判定する(S19)。受信割り込み制御が許可されている場合(S19:Yes)には、演算処理装置122は、実行開始予定時間を取得する(S23)。演算処理装置122は、例えば、受信完了時刻t11を実行開始予定時間としてタイマ機能125から取得する。
【0060】
なお、受信割り込み制御が許可されていない状態とは、後述する処理(S27)にて受信割り込み制御が停止される場合を示す。受信割り込み処理41a(m)が許可されていない場合(S19:No)における処理(S20〜S22)は、後述する。
【0061】
演算処理装置122は、受信割り込み処理41a(1)の実行予定時間を検出する。演算処理装置122は、受信完了時間t11から所定時間tr内に受信割り込み処理41a(1)が実行されるかを判定する(S24)。すなわち、演算処理装置122は、分割データaを取りこぼししない時間で受信割り込み処理41aが実行されるかを判定する。なお、所定時間trは、任意の時間を設定してもよい。
【0062】
演算処理装置122は、受信割り込み処理41a(1)が所定時間tr内で実行される為(S24:Yes)、分割データa2を第1分割データ保存部に保存する(S11)。演算処理装置122は、次に実行される受信割り込み処理41aの実行予定時間を、次の受信完了時刻t12に設定する(S25)。演算処理装置122は、受信割り込み処理41a(1)を終了する。
【0063】
次に演算処理装置122は、エンジン制御割り込み処理40が終了(時刻te)した後に、受信割り込み処理41を実行するか判定する。演算処理装置122は、受信割り込み処理41aが許可されているため(S19:Yes)、受信完了時刻t12から所定時間tr内に受信割り込み処理41が実行されたかを判定する(S24)。
【0064】
受信完了時刻t12から所定時間tr内に受信割り込み処理41が実行されないため(S24:No)、演算処理装置122は、分割データa1を第1分割データ保存部から削除する(S26)。すなわち、演算処理装置122は、実行予定時間から所定時間tr内に受信割り込み処理41aが実行されない場合には、受信した分割データaを削除する。
【0065】
演算処理装置122は、受信割り込み処理41aを停止させる(S27)。すなわち、演算処理装置122は、受信割り込み処理41aが実行予定時間から所定時間tr内に実行されない場合には、次の周期まで受信割り込み処理を停止させる。
【0066】
演算処理装置122は、次の周期の内の最初の受信完了時刻に実行予定時間を設定する(S28)。演算処理装置122は、例えば、第2周期の受信完了時刻t21に実行予定時刻を設定する。
【0067】
次に演算処理装置122は、受信完了時刻t21において、受信割り込み処理41a(2)を実行するかを判定する(S19)。受信割り込み処理41aが許可されないため(S19:No)、演算処理装置122は、受信割り込み処理41aが停止された終了時刻teと、受信割り込み処理41(2)との周期が異なるかを判定する(S20)。
【0068】
終了時刻teが第1周期であり、受信割り込み処理41a(2)が第2周期で実行されるため(S20:Yes)、演算処理装置122は、受信割り込み処理41aの停止を解除する(S21)。演算処理装置122は、受信割り込み処理41a(2)が受信完了時刻t21から所定時間tr内で実行される為(S24:Yes)、分割データa2を第1分割データ保存部に保存する(S11)。
【0069】
演算処理装置122は、次の受信完了予定時刻t22に実行予定時刻を設定する(S25)。演算処理装置122は、受信割り込み処理41a(2)を終了する。
【0070】
以上に示す電子制御装置1は、受信割り込み処理41aを次の周期まで停止させることによって、不要な受信割り込み処理41aの実行を抑制することができる。すなわち、電子制御装置1は、測定データの生成が完了しないと判定する場合には、受信割り込み処理41aを停止することによって、演算処理装置122の使用率を抑制することができる。これにより、演算処理装置122は、他の処理に対する効率性を向上させることができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0072】
1・・・電子制御装置,2・・・エンジン,21・・・フィルタ,22・・・主通路,23・・・流量センサ,24・・・エアフロ―メータ,25・・・,26・・・インジェクタ,27・・・吸気バルブ,28・・・点火プラグ,29・・・燃焼室,30・・・ピストン,31・・・気筒,32・・・排気バルブ,33・・・空燃比センサ,34・・・気体,35・・・気体,11(1)〜11(n)・・・制御回路,12・・・マイクロコンピュータ,111・・・パケット生成部,112・・・送信部,121・・・通信機能,122・・・演算処理装置,123・・・DMAC,124・・・メモリ
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】