判定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特別遊技が実行される特別遊技状態に移行させるか否かの移行判定を行い、前記移行判定の結果を報知する変動遊技の進行を制御する主制御手段と、
前記変動遊技において遊技演出を画像表示手段に実行させる演出実行手段と、
を備え、
前記遊技演出は、飾り図柄の変動表示及び停止表示により前記移行判定の結果を報知する飾り図柄変動演出と、複数の演出モード画像から選択される演出モード画像が前記画像表示手段において前記飾り図柄の背面側で複数回の前記変動遊技に跨って表示され得る複数のモード画像演出と、前記移行判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることの移行期待度を明示又は示唆する複数の特定演出と、を含み、
前記複数の演出モード画像は、特定キャラクタを主体とする特定キャラクタ演出モード画像と、前記特定キャラクタを主体としない非特定キャラクタ演出モード画像と、を含み、
前記複数のモード画像演出は、前記特定キャラクタ演出モード画像が前記画像表示手段において前記飾り図柄の背面側に表示される特定キャラクタモード画像演出と、前記非特定キャラクタ演出モード画像が前記画像表示手段において前記飾り図柄の背面側に表示される非特定キャラクタモード画像演出と、を含み、
前記演出実行手段は、
前記特定キャラクタモード画像演出が実行された当該変動遊技における前記移行判定の結果が所定の結果である場合に前記複数の特定演出のうちの所定の特定演出が実行された場合、当該所定の特定演出が実行された所定期間後に前記特定キャラクタモード画像演出を実行させる手段を備えることを特徴とする遊技機。
前記特定キャラクタ演出は、前記移行判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることの移行期待度が所定期待度である第1の特定キャラクタ演出と、前記移行期待度が前記所定期待度よりも低い第2の特定キャラクタ演出と、を含み、
前記所定の特定演出は、前記第2の特定キャラクタ演出であることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る遊技機の構成の一例を示す斜視図。
【図2】図1に示す遊技機の構成の一例を示す展開図。
【図3】図1に示す遊技機の構成の一例を示す展開図。
【図4】図1に示す遊技機の遊技盤の一例を示す正面図。
【図5】図4に示す遊技盤に設けられる開閉扉の一例を示す斜視図。
【図6】図4に示す遊技盤に設けられる開閉扉、クルーン装置及び遊技球滞留部の一例を示す図。
【図7】クルーン装置の斜視図。
【図8】図6のX1−X1切断線に沿う断面図。
【図9】遊技球滞留部に遊技球を滞留させる特定期間、クルーン装置の特殊アウト玉口に入球した遊技球の数を累積する所定期間、及び非設定値を示す特定情報を7セグメント表示部に表示する規定期間を説明するための図。
【図10】図10(A)は図8のX2−X2切断線に沿う断面図、図10(B)及び図10(C)は図8のX3−X3切断線に沿う断面図。
【図11】図11(A)は図4に示す遊技盤に設けられる7セグメント表示部の一例を示す図、図11(B)は7セグメント表示部での数字の表示例を示す図、図11(C)は7セグメント表示部でのアルファベットの表示例を示す図。
【図12】図1に示す遊技機のシステム構成の一例を示すブロック図。
【図13】図1に示す遊技機の主制御装置の記憶領域の一例を示すブロック図。
【図14】主制御装置で使用されるテーブルの一例を示す図。
【図15】主制御装置で使用されるテーブルの一例を示す図。
【図16】主制御装置の記憶領域の一例を示すブロック図。
【図17】主制御装置の性能情報表示装置の一例を模式的に示す図。
【図18】性能情報表示装置の性能表示モニタでの表示例を示す図。
【図19】性能情報表示装置の設定値表示部での表示例を示す図。
【図20】主制御装置で実行される主タイマ割込処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図21】図20の主タイマ割込処理で実行される始動入賞処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図22】図21の始動入賞処理で実行される第1保留コマンド設定処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図23】主制御装置で実行されるメイン処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図24】図23のメイン処理で実行される変動遊技制御処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図25】図24の変動遊技制御処理で実行されるデータ設定処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図26】図24の変動遊技制御処理で実行される変動開始処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図27】図23のメイン処理で実行される設定値変更処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図28】図23のメイン処理で実行される特定性能情報更新処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図29】図28の特定性能情報更新処理で更新されるベース情報の一例を示す図。
【図30】図23のメイン処理で実行される性能表示モニタの表示制御処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図31】図23のメイン処理で実行される性能表示モニタの表示制御処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図32】図23のメイン処理で実行される性能表示モニタの表示制御処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図33】図23のメイン処理で実行される性能表示モニタの表示制御処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図34】図1に示す遊技機の音声ランプ制御装置で実行される副タイマ割込処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図35】図34の副タイマ割込処理で実行される表示順序設定処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図36】図35の表示順序設定処理で参照される数字表示順序決定テーブルの一例を示す図。
【図37】図34の副タイマ割込処理で実行されるコマンド判定処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図38】図37のコマンド判定処理において変動パターンコマンドを受信した場合に使用される第1停止図柄選択テーブル及び変動種別テーブルの一例を示す図である。
【図39】図37のコマンド判定処理において変動パターンコマンドを受信した場合に使用される演出パターン種別選択テーブルの一例を示す図。
【図40】図34の副タイマ割込処理で実行される設定値示唆処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図41】図40の設定値示唆処理で実行される7セグメント表示部制御処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図42】音声ランプ制御装置に設定される7セグメント表示部制御情報記憶エリアを説明するための図。
【図43】セグメント表示部の制御例、及び7セグメント表示部制御情報記憶エリアの更新例を説明するための図。
【図44】7セグメント表示部の制御例を説明するための図。
【図45】7セグメント表示部制御情報記憶エリアの更新例を説明するための図。
【図46】図40の設定値示唆処理で実行されるエンディング付加画像制御処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図47】大当たり遊技のエンディング演出での画面移行例を示す図。
【図48】本発明の第2の実施形態に係る遊技機の音声ランプ制御装置で実行される設定値示唆処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図49】図48の設定値示唆処理で実行される7セグメント表示部制御処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図50】図48の設定値示唆処理で実行されるエンディング付加画像制御処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図51】本発明の第3の実施形態に係る遊技機の音声ランプ制御装置で実行される表示順序設定処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図52】図51の表示順序設定処理で参照されるテーブルの一例を示す図。
【図53】本発明の第4の実施形態に係る遊技機の構成の一例を示す斜視図。
【図54】図53に示す遊技機のシステム構成の一例を示すブロック図。
【図55】図53に示す遊技機の音声ランプ制御装置で実行される副タイマ割込処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図56】図55の副タイマ割込処理で実行される操作検出処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図57】図56の操作検出処理で実行される操作ボタン操作検出処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図58】図56の操作検出処理で実行される操作検出パターン判定処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図59】検出パターンと操作状況との関係を示すテーブル。
【図60】待機状態における図柄表示部での画面移行例を示す図。
【図61】図55の副タイマ割込処理で実行される待機状態画面移行処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図62】図55の副タイマ割込処理で実行される待機状態画面移行処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図63】図62の待機状態画面移行処理で実行される7セグ履歴選択画面処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図64】本発明の第5の実施形態に係る遊技機の遊技盤の一例を示す正面図。
【図65】図64に示す遊技機のシステム構成の一例を示すブロック図。
【図66】ランプ表示部での点消灯例を示す図。
【図67】図34の副タイマ割込処理で実行される設定値示唆処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図68】音声ランプ制御装置に設定される7セグメント表示部制御情報記憶エリアの更新例を説明するための図。
【図69】大当たり遊技においてランプ表示部が制御される場合のラウンド遊技での画面移行例を示す図。
【図70】大当たり遊技のエンディング演出での表示画面例を示す図。
【図71】ランプ表示部の他の例を示す図。
【図72】本発明の第6の実施形態に係る遊技機の主制御装置で実行されるデータ設定処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図73】音声ランプ制御装置のRAMに設定される保留情報記憶エリアの一例を示すブロック図。
【図74】図柄表示部で変動表示及び停止表示される飾り図柄の一例を示す図。
【図75】音声ランプ制御装置で使用される演出パターン種別選択テーブルの一例を示す図。
【図76】図76(A)は演出パターン種別と最終個別リーチ種別との関係を示す図、図76(B)はキャラクタステージ滞在時の演出パターン種別選択テーブルの一例を示す図。
【図77】マリンスーパーリーチ演出(ミッション演出)の一例を示す図。
【図78】マリンスペシャルリーチ演出(バトル演出)の一例を示す図。
【図79】通常遊技状態におけるステージ演出での滞在ステージの移行例を示す図。
【図80】ステージ演出(背景演出)の一例を示す図。
【図81】図81(A)は通常ステージでの特定外れリーチ後のキャラクタステージへの移行例を示す図、図81(B)は通常ステージでのステージ移行出目と移行先キャラクタステージへとの関係の一例を示す図。
【図82】キャラクタステージでのSPSPリーチ外れ後の移行先キャラクタステージへとの関係の一例を示す図。
【図83】音声ランプ制御装置で実行されるコマンド判定処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図84】図83のコマンド判定処理で実行される演出パターン設定処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図85】図83のコマンド判定処理で実行される演出パターン設定処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図86】図83のコマンド判定処理で実行される演出パターン設定処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図87】図83のコマンド判定処理で実行される演出パターン設定処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図88】図83のコマンド判定処理で実行される停止図柄組み合わせ設定処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態〜第5の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。また、以下の各実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0010】
[第1の実施形態]
まず、図1〜図47を参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係る遊技機10について説明する。
【0011】
[遊技機10の概略構成]
ここで、図1は遊技機10の外観斜視図、図2及び図3は遊技機10の展開図、図4は遊技機10の遊技盤31の正面図である。以下、本実施形態で使用する前後左右及び上下の表現は、図1〜図3に示されている前後方向D1、上下方向D2、及び左右方向D3により定義されるものとする。
【0012】
図1〜図3に示すように、遊技機10は、前面枠11、内枠12、裏パックユニット13、及び外枠14を備えるパチンコ遊技機であり、遊技ホールの島設備(不図示)に外枠14が固定されることにより遊技ホールに設置される。なお、本実施形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を例に挙げて説明するが、例えば回胴式遊技機(スロットマシン)、アレンジボール遊技機、じやん球遊技機のような他の遊技機にも本発明が適用可能である。
【0013】
[前面枠11の構成]
前面枠11は、外枠14で左端部が回動可能に支持されることにより外枠14に対して開閉可能である。また、内枠12は、前面枠11で左端部が回動可能に支持されることにより前面枠11に対して開閉可能である。さらに、裏パックユニット13は、内枠12で左端部が回動可能に支持されることにより内枠12に対して開閉可能である。
【0014】
前面枠11は、操作ボタン20、発射ハンドル22、上皿23、下皿24、パネル25、スピーカ26、及び電飾部27などを備える。
【0015】
操作ボタン20は、上皿23の前方に設けられている。操作ボタン20は、押下操作の有無に応じて、後述の音声ランプ制御装置5に対する入力信号を切り換える操作スイッチ20a(図12参照)を備える。これにより、音声ランプ制御装置5では、操作ボタン20の操作状態(操作あり及び操作なし)を判断することが可能である。この操作ボタン20は、大当たり抽選での抽選結果を遊技者に明示する変動遊技で実行される変動遊技演出における予め定められた操作受付期間での遊技者による操作ボタン20に対する操作を契機として実行される操作ボタン演出などを実行させるために操作される。
【0016】
なお、操作ボタン20の設置位置は、上皿23の前方に限らず、遊技者が操作可能な位置であれば前面枠11の任意の位置であってよい。また、操作ボタン20は、一つに限らず二つ以上であってもよい。
【0017】
また、操作ボタン20に代えて、タッチキーを表示し、そのタッチキーの遊技者による操作を受け付けるタッチパネルが設けられることも考えられる。また、操作ボタン20は、ジョグダイヤルを備えたものであってもよい。これらの場合には、変動遊技演出においてタッチパネル又はパネル25に対する遊技者の操作が操作ボタン演出などに反映されることになる。
【0018】
発射ハンドル22は、遊技者が遊技球を発射させるために操作する回転式ハンドルである。遊技機10では、遊技者による発射ハンドル22の回転操作量に応じた強さで後述の遊技球発射機構32から遊技球が発射されることにより基本的な遊技が行われる。遊技機10では、遊技者により発射ハンドル22が操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構32が駆動制御される。
【0019】
上皿23は、パネル25の下方に配置されており、後述の払出機構130の払出装置132から払い出された遊技球を貯留し、貯留されている遊技球を1列に整列させた状態で遊技球発射機構32に導くために用いられる。また、下皿24は、上皿23のさらに下方に設けられており、上皿23で余剰となった遊技球を貯留するために用いられる。
【0020】
パネル25は、遊技者が遊技機10の前方から内枠12の遊技盤31を視認することのできる無色透明又は有色透明のガラス又は合成樹脂である。スピーカ26は、前面枠11の上端部の左右に設けられた一対のスピーカであり、音声を出力する音声出力演出を実行する。なお、スピーカ26の設置位置は、前面枠11の上端部に限らない。また、電飾部27は、表示ランプ、LEDなどの光源を内蔵しており、点灯色、点灯又は消灯などの点滅態様によりランプ演出を実行する。
【0021】
[内枠12の構成]
図2及び図3に示すように、内枠12は、遊技盤31、遊技球発射機構32、及び制御ユニット33を備える。内枠12は、上述のように前面枠11で左端部が回動可能に支持されることにより前面枠11に対して開閉可能である。そのため、遊技盤31、遊技球発射機構32、及び制御ユニット33は、前面枠11に対して開閉可能である。なお、図2では図示の簡略化のために遊技盤31の盤面上の記載を省略している。
【0022】
制御ユニット33は、遊技盤31の背面側に設けられており、メイン制御ユニット331及びサブ制御ユニット332を有する。なお、遊技機10では、メイン制御ユニット331からサブ制御ユニット332の一方向に、制御内容を指示するためのコマンド(制御信号)が送信される。メイン制御ユニット331及びサブ制御ユニット332の詳細については後段で詳述する。
【0023】
図4に示すように、遊技盤31には、内レール311、外レール312、一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315、可変入賞口316、スルーゲート317、アウト口318、可変表示ユニット34、メイン表示部36、クルーン装置37、遊技球滞留部38、及び7セグメント表示部39が設けられている。
【0024】
内レール311及び外レール312は、遊技球発射機構32から発射された遊技球を遊技盤31の盤面上の遊技領域に向けて送り出すための搬送路である。そして、内レール311及び外レール312から発射された後、一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315又は可変入賞口316に入球しなかった遊技球はアウト口318から排出される。
【0025】
ここで、遊技球発射機構32は、図2に示すように、発射レール321、球送り装置322、及びソレノイド323を備える。発射レール321は、遊技球発射機構32から遊技盤31の内レール311及び外レール312に向けて形成されており、遊技球発射機構32から発射される遊技球を内レール311及び外レール312に導くものである。球送り装置322は、ソレノイドなどの駆動手段を有しており、上皿23に貯留されている遊技球を1球ずつ発射レール321上に供給する。ソレノイド323は、発射レール321上に供給された遊技球を内レール311及び外レール312に向けて発射させる駆動手段である。そして、遊技機10では、遊技者による発射ハンドル22の操作に応じてソレノイド323が駆動制御され、遊技球が遊技球発射機構32から遊技盤31に発射される。なお、遊技球発射機構32は、ソレノイド323に代えてモーターなどの他の駆動手段を用いて遊技球を発射させる機構であってもよい。
【0026】
図4の説明に戻り、一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315、可変入賞口316、及びアウト口318には、遊技盤31を前後方向に貫通する開口部が形成されている。そして、遊技盤31の背面側には、一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315、及び可変入賞口316各々に対応して、遊技球の入球を個別に検出可能な入球センサ313a,314a,315a,316a(図12参照)が設けられている。また、一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315、及びアウト口318の開口部を通過した遊技球は、遊技盤31の背面側に集められることで後述のアウト玉センサ318a(図12参照)によって検出される。また、可変入賞口316は、遊技盤31の右側中央部に設けられており、遊技盤31の右側領域に打ち出された遊技球が入球可能である。可変入賞口316の貫通部316bを通過した遊技球は、後述の誘導路316c(図6参照)によってクルーン装置37に導かれる。スルーゲート317は、遊技球が通過し得るゲートであり、スルーゲート317を通過する遊技球を個別に検出可能な入球センサ317a(図12参照)を有する。遊技盤31では、遊技盤31の右側領域に打ち出された遊技球がスルーゲート317を通過する可能性があり、スルーゲート317での遊技球の通過が検出されることを契機として第2入賞口315を開放するか否かの普通当たり抽選が実行される。
【0027】
入球センサ313a〜317a、アウト玉センサ318a及び特殊アウト玉センサ384(図12参照)はメイン制御ユニット331に電気的に接続されており、入球センサ313a〜317a、アウト玉センサ318a及び特殊アウト玉センサ384の検出結果はメイン制御ユニット331に入力される。メイン制御ユニット331(MPU41)は、入球センサ313a〜317aでの検出結果に応じて払出制御装置7に遊技球の払い出しを行わせるコマンドを送信する。以下、入球センサ313a〜316aにより遊技球の入球が検出されることを入賞と称することがある。また、メイン制御ユニット331(MPU41)は、アウト玉センサ318aでの検出結果に基づいてアウト玉数をカウントする。ここでカウントされるアウト玉数は、遊技球発射機構32によって遊技盤31に打ち出された発射遊技球数と一致する。
【0028】
さらに、メイン制御ユニット331(MPU41)は、特殊アウト玉センサ384の検出結果に基づいて検出された遊技球が後述のクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した特殊アウト玉であることを示す特殊アウト玉検知コマンドを設定し、この特殊アウト玉検知コマンドを図23のメイン処理でのステップS1301の外部出力処理において音声ランプ制御装置5に送信する。これにより、音声ランプ制御装置5では、特殊アウト玉の数がカウントされる。
【0029】
なお、入球センサ313a〜317a、アウト玉センサ318a及び特殊アウト玉センサ384は、例えば電磁誘導型の近接センサであるが、他の検出手法により遊技球の入球を個別に検知することが可能な任意のセンサであってもよい。
【0030】
また、第2入賞口315には、遊技球の第2入賞口315への入球の制限の有無を切り換える電動役物(電役)315bが設けられている。電動役物315bは、遊技盤31の背面側に設けられたソレノイドなどの駆動手段によって開閉される。そして、遊技盤31では、電動役物315bが開くことにより第2入賞口315への遊技球の入球が可能となり、電動役物315bが閉じることにより第2入賞口315への遊技球の入球が制限される。
【0031】
さらに、可変入賞口316には、遊技球の可変入賞口316への入球の制限の有無を切り換える開閉扉319が設けられている。開閉扉319は、遊技盤31の背面側に設けられたソレノイドなどの駆動手段によって開閉される。そして、遊技盤31では、開閉扉319が開くことにより可変入賞口316への遊技球の入球が可能となり、開閉扉319が閉じることにより可変入賞口316への遊技球の入球が制限される。なお、開閉扉319は、大当たり遊技における開閉実行モードでのラウンド遊技において可変入賞口316を開放する位置に移動され、それ以外では可変入賞口316を閉鎖する位置で待機される。これにより、可変入賞口316には、大当たり遊技でのラウンド遊技において遊技盤31の右側領域に打ち出された遊技球99が入球可能である。
【0032】
図5及び図6に示すように、開閉扉319は、ベース319a、一対のガード壁319b、及び一対のガイド319cを有する。ベース319aは、開閉扉319を遊技盤31に回動可能に取り付けるための一対の取り付け部319dを有し、開閉扉319が作動位置にある場合に遊技盤31から水平よりも若干上方に突出する。これにより、開閉扉319は、作動位置にある場合に、遊技盤31の右側領域に打ち出される遊技球99を受け取ることができる。一対のガード壁319bは、ベース319aの左右の縁部において延出し、ベース319aが受け取った遊技球99がベース319aの左右からこぼれ落ちるのを防止する。また、一対のガイド319cは、ベース319aが受け取った遊技球99を可変入賞口316に誘導する。一対のガイド319cは、ガード壁319bから可変入賞口316の近傍まで延びており、遊技球99が通過可能な隙間を形成している。また、可変入賞口316は、開閉扉319が受け取った遊技球99を遊技盤31の背面側に排出する貫通部316bを有する。この貫通部316bは、遊技盤31の背面側に設けられた誘導路316cに連通する。誘導路316cは、上下方向D2に延び、下部開口を有する。そして、開閉扉319が受け取った遊技球99は、可変入賞口316に入球され、貫通部316b及び誘導路316cを介してクルーン装置37に誘導される。なお、誘導路316cには、入球センサ316aが設けられている。これにより、可変入賞口316に入球された遊技球99は、貫通部316bを通過して誘導路316cに導入される際に検出される。この入球センサ316aは、メイン制御ユニット331に電気的に接続されている。これにより、入球センサ316aの検出結果はメイン制御ユニット331に入力され、メイン制御ユニット331では可変入賞口316に遊技球99が入球されたことを検出できる。
【0033】
遊技機10では、第1入賞口314又は第2入賞口315への遊技球の入球が入球センサ314a又は入球センサ315aによって検出されると、メイン制御ユニット331により大当たり抽選が行われる。そして、メイン制御ユニット331は、大当たり抽選での抽選結果に従ってメイン表示部36の表示を制御する。また、メイン制御ユニット331による抽選結果は、サブ制御ユニット332に送信され、サブ制御ユニット332は、抽選結果に従って可変表示ユニット34の表示などを制御する。
【0034】
また、遊技機10では、一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315、及び可変入賞口316への遊技球の入球が、入球センサ313a〜316aによって検出されると、予め設定された数の賞球が払い出される。例えば、一般入賞口313に入球した場合の賞球数は10個、第1入賞口314又は第2入賞口315に入球した場合の賞球数は3個、可変入賞口316に入球した場合の賞球数は10個である。特に、遊技機10では、メイン制御ユニット331で行われた抽選結果が大当たりである場合に大当たり遊技状態(特別遊技状態)に移行し、可変入賞口316が開放される後述のラウンド遊技(単位遊技)が所定回数(例えば5回又は16回)繰り返されることにより、多量の賞球の払い出しが期待できる。
【0035】
また、第1入賞口314又は第2入賞口315に遊技球が入賞すると、大当たり抽選が実行される。そして、抽選結果が当選である場合は通常遊技状態よりも有利な予め定められた大当たり遊技状態に移行する。なお、本実施形態では、大当たり遊技状態には、5R大当たり遊技状態(5R通常大当たり遊技状態及び5R確変大当たり遊技状態)、及び16R確変大当たり遊技状態が含まれる。5R大当たり遊技状態は、所定時間が経過するまで、又は可変入賞口316に上限数(例えば9)以上の遊技球が入賞するまで可変入賞口316が開放されるラウンド遊技(単位遊技)が5回行われる開閉実行モードを含む遊技状態である。16R確変大当たり遊技状態は、ラウンド遊技(単位遊技)が16回行われる開閉実行モードを含む遊技状態であり、5R大当たり遊技状態よりも多量の賞球の払い出しが期待でき、5R大当たり遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0036】
図4に示すように、可変表示ユニット34は、遊技盤31の略中央部に形成されている開口31Aを通して視認可能に配置された液晶ディスプレイなどの図柄表示部341を有している。この図柄表示部341は、静止画又は動画を表示するものであり、図柄表示部341の表示内容は、サブ制御ユニット332によって制御される。具体的に、図柄表示部341では、第1入賞口314又は第2入賞口315への入球に応じてメイン制御ユニット331により行われる大当たり抽選での抽選結果に応じた飾り図柄の変動表示演出、及び変動表示演出に伴って実行される変動遊技演出のような種々の画像演出が行われる。また、図柄表示部341は、ドットマトリクスディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどであってもよく、液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイと、有機ELディスプレイとを組み合わせたものであってもよい。
【0037】
例えば、図柄表示部341における飾り図柄の変動表示演出は、例えば「1」〜「9」の数字が付された複数種類の飾り図柄が縦方向、横方向、斜め方向などに順にスクロールすることにより行われる。なお、飾り図柄の間には他の文字又は図柄などの副図柄が表示されてもよい。また、本実施形態では、副図柄はなく、飾り図柄の種類が「1」〜「9」の9種類である。
【0038】
遊技機10では、変動遊技において、図柄表示部341における図柄変動表示の開始から予め設定されている変動表示時間の経過後に、全ての飾り図柄の変動が停止するように飾り図柄の変動表示が実行される。より具体的に、飾り図柄の変動表示では、まず予め設定されている変動方向(例えば横方向、縦方向など)に沿って飾り図柄が全て変動し、複数の飾り図柄の変動が順に停止する。そして、全てのラインにおける飾り図柄の変動が停止して所定時間が経過すると、当該飾り図柄の変動表示が終了する。
【0039】
図柄表示部341における飾り図柄の変動表示が終了すると、図柄表示部341では、1又は複数の有効ラインに飾り図柄が並んだ状態が表示されることになる。このとき、飾り図柄の停止状態が、メイン制御ユニット331による大当たり抽選での抽選結果を明示又は示唆することになる。例えば、抽選結果が「5R確変大当たり」、「16R確変大当たり」又は「5R通常大当たり」である場合には、同じ種別の飾り図柄が有効ラインに並んだ状態が表示され、大当たりであることが明示される。また、大当たり種別については、有効ラインにおける飾り図柄の組み合わせによって明示される場合もあるが、必ずしも明示される訳ではない。具体的には、例えば、抽選結果が「16R確変大当たり」の場合には、飾り図柄のうち16R確変大当たりを示す図柄組み合わせとして設定された、例えば「777」の図柄組み合わせが有効ラインに並んだ状態が表示されるか、「777」以外の同じ飾り図柄の組み合わせが有効ラインに並んだ状態が表示される。また、抽選結果が「5R確変大当たり」の場合には、飾り図柄のうち予め5R確変大当たりを示す図柄組み合わせとして設定された、例えば「333」などの図柄組み合わせが有効ラインに並んだ状態が表示されるか、「777」や「333」などの16R確変大当たり又は5R確変大当たりを示す図柄の組み合わせ以外の同じ飾り図柄の組み合わせが有効ラインに並んだ状態が表示される。また、抽選結果が「5R通常大当たり」の場合には、飾り図柄のうち予め通常大当たりを示す図柄組み合わせとして設定された、例えば「222」や「444」などの確変大当たりを示す飾り図柄の組み合わせ以外の同じ飾り図柄の組み合わせが有効ラインに並んだ状態が表示される。また、抽選結果が「外れ」の場合には、異なる飾り図柄の組み合わせが有効ラインに並んだ状態(例えば「323」又は「723」など)が表示される。
【0040】
また、図柄表示部341には、変動遊技において飾り図柄の変動表示と共に、大当たり抽選での抽選結果が大当たりであることの期待度を示唆する変動遊技演出が表示される。なお、抽選結果が「16R確変大当たり」の場合に16R確変大当たりを示す飾り図柄の組み合わせ以外の大当たり図柄組み合わせが有効ラインに並んだ状態が表示された場合には、変動遊技演出として、5R確変大当たり又は5R通常大当たりであることを示唆する示唆演出が実行される。この場合、大当たり遊技演出において、当該変動遊技に対する抽選結果が16R確変大当たりであることを明示する昇格演出が実行される。同様に、抽選結果が「5R確変大当たり」の場合に確変大当たりを示す飾り図柄の組み合わせ以外の大当たり図柄組み合わせが有効ラインに並んだ状態が表示された場合には、変動遊技演出として、5R通常大当たりであることを示唆する示唆演出が実行される。この場合、大当たり遊技演出において、当該変動遊技に対する抽選結果が5R確変大当たりであることを明示する昇格演出などが実行される。
【0041】
さらに、図柄表示部341には、遊技状態が大当たり遊技状態に移行した場合、オープニング演出、開閉実行モード演出及びエンディング演出を含む大当たり遊技演出が表示される。
【0042】
また、遊技盤31には、磁石センサや電波センサ(共に不図示)を設けることも考えられる。磁石センサは、例えば第1入賞口314や可変入賞口316の周辺に設けられる。磁石センサは、メイン制御ユニットに電気的に接続され、磁石センサの検知結果はメイン制御ユニット331に入力される。これにより、磁石を用いて不正に第1入賞口314や可変入賞口316に遊技球を誘導させようとする行為が行われた場合に、その不正行為を検知することが可能である。一方、電波センサは、例えば第1入賞口314や第2入賞口315の周辺に設けられる。電波センサは、メイン制御ユニット331に電気的に接続されており、電波センサの検知結果はメイン制御ユニット331に入力される。これにより、不正に入球センサ314a,315aに電波を入力して遊技球の入球を誤検知させる行為が行われた場合に、その不正行為を検知することが可能である。なお、電波センサは、例えば50MHz〜3GHzの電波を検知可能である。
【0043】
図4に示すように、クルーン装置37は、可変入賞口316に入球された遊技球を、後述の通常アウト玉口378及び特殊アウト玉口373(図7及び図8参照)のいずれかに振り分けるものである。ここで、図6は図4に示す遊技盤31に設けられる開閉扉319、クルーン装置37及び遊技球滞留部38の一例を示す図、図7はクルーン装置37の斜視図、図8は図6のX1−X1切断線に沿う断面図である。
【0044】
図6から図8に示すように、クルーン装置37は、底壁371及びこの底壁371を囲む円環状の周壁372を有する皿状である。底壁371は、平面視円形であり、高位底部371aと、低位底部371bと、高位底部371aと低位底部371bとの間に設けられた左下がりの傾斜部371cとを有する。
【0045】
高位底部371aは、底壁371の右側部分を構成し、右下がりに傾斜している。高位底部371aには、特殊アウト玉口373(特殊排出口)を有する特殊アウト玉通路374が設けられている。この特殊アウト玉通路374は、傾斜部371cの右縁に隣接し、高位底部371aの前後方向D1の中央部において、上下方向D2に延びるように設けられている。この特殊アウト玉通路374は、遊技球99の直径より大きな内径を有する円筒状に形成されている。また、特殊アウト玉通路374の下端部には、第1誘導部材375が連結されている。この第1誘導部材375は、特殊アウト玉通路374を通過する遊技球99を遊技球滞留部38に導くためのものである。第1誘導部材375は、特殊アウト玉通路374の下端部に連結される上部開口375a及び下部開口375bを有する。下部開口375bは、上部開口375aよりも右側に設けられており、特殊アウト玉通路374の遊技球99を特殊アウト玉通路374よりも右側から遊技球滞留部38に向けて放出する。
【0046】
なお、第1誘導部材375には、遊技球滞留部38に滞留できない遊技球99の滞留する機能を持たせることも可能である。ところで、本実施形態では、当該遊技機10に設定される遊技設定値である設定値以外の遊技設定値である非設定値に対応する数字(特定情報)が、所定期間(図9参照)にクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数(所定期間に満たされる特定の条件の数)に基づいて、7セグメント表示部39において提示される。そして、本実施形態では、7セグメント表示部39のセグメント数が7個(ドットポイントDPを除く)であるために、7個の情報で確実に1つの非設定値を特定できる。また、遊技設定値が1〜6の6段階であるために5個の非設定値が存在し、そのため35個の情報で全ての非設定値を特定できる。即ち、遊技機10では、少なくとも35個(規定数)の情報を提示できることが要求される。そのため、遊技球滞留部38は、後述の特定期間(図9参照)に規定数以上の遊技球99を滞留できるように構成することが好ましい。ところが、遊技機10の各種部材の配置によっては、遊技球滞留部38に規定数以上の遊技球99を滞留させるように構成することが困難なことも考えられる。この場合に、第1誘導部材375に遊技球99の貯留する機能を持たせることで、遊技球滞留部38のみでは困難な数の遊技球99を、第1誘導部材375を利用して滞留させることができる。これにより、規定数以上の遊技球99を特定期間に滞留させることが可能になり、全ての非設定値を特定するために必要な情報が提示される。同様に、第1誘導部材375が連結される特殊アウト玉通路374にも、遊技球99を滞留させるようにしてもよい。これにより、各種部材の配置の都合上、遊技球滞留部38だけでなく、第1誘導部材375に遊技球99を滞留させる機能を持たせることよっても規定数以上の遊技球99の滞留が困難な場合に、特殊アウト玉通路374を利用することで規定数以上の遊技球99の滞留させることが可能になる。その結果、規定数以上の遊技球99を特定期間に滞留させることが可能になり、全ての非設定値を特定するために必要な情報が提示される可能性がある。
【0047】
一方、特定期間において滞留させる遊技球99の数に制限数を設けることも考えられる。例えば、前記制限数を前記規定数に設定する(制限数を規定数に一致させる)ことが考えられる。この場合、例えば特殊アウト玉口373への遊技球99の入球数に対応した数の情報(特定情報の個別情報)が提示される場合には、1回の特定期間において全ての非設定値を特定するための情報が提示される可能性がある。また、特殊アウト玉口373への遊技球99のうちの所定の条件を満たす遊技球99の数、例えば抽選に当選した数に対応した数の情報が提示される場合には、前記抽選の当選確率に応じた期待数の情報が提示され、この情報の期待数は基本的には規定数がよりも小さいため、全ての非設定値を特定するために必要な情報の全てが提示されない可能性がある。これにより、1回の特定期間での特殊アウト玉口373への遊技球99の入球によって設定値が特定されることを防止でき、その結果、設定値が低い場合(大当たり確率が低い場合)に遊技者が遊技中の遊技機10での遊技を早期に終了してしまうことを防止できる。
【0048】
なお、特定期間において滞留させる遊技球99の数に制限数を設ける手段としては、例えば遊技球滞留部38、第1誘導部材375及び特殊アウト玉通路374に遊技球99が滞留される構成を採用し、制限数の遊技球99が特殊アウト玉通路374に入球される場合に、その遊技球99を特殊アウト玉口373の近傍に位置させることで(玉詰まりを発生させることで)、特殊アウト玉通路374への遊技球99の入球を制限することが考えられる。これのような構成によれば、複雑な構成や制御を必要とすることなく、簡易な機械的な構成によって特定期間おいて滞留させる遊技球99を制限数に制限することが可能になる。
【0049】
一方、遊技球滞留部38は、後述のように左下がりに傾斜した滞留レーン381を有する。つまり、第1誘導部材375は、遊技球滞留部38における滞留レーン381の右部(上流側)に遊技球99を誘導する。そして、特殊アウト玉口373に入球した遊技球99は、各種入賞口313〜316に入球することはなく、スルーゲート317を通過することもない。そのため、特殊アウト玉口373に入球した遊技球99は、各種入賞口313〜316に入球やスルーゲート317の通過が見込めなくなった時点、例えば特殊アウト玉通路374に導入された時点(特殊アウト玉センサ384で検出された時点)でアウト玉として取り扱われる。
【0050】
低位底部371bは、底壁371の左側部分を構成し、中央に向けて低位となるように傾斜している。低位底部371bには、通常アウト玉口378を有する通常通路376が設けられている。この通常通路376は、傾斜部371cの左縁に隣接した位置において、低位底部371bにおける周壁372に沿った部分を除いて、上下方向D2に延びるように設けられている。この通常通路376は、通常アウト玉口378を介して入球した遊技球99を遊技盤31の背面側に導くためのものであり、特殊アウト玉口373よりも大きな開口面積を有する半円筒状に形成されている。また、通常通路376の下端部には、第2誘導部材377が連結されている。この第2誘導部材377は、アウト口318の開口部を通過した遊技球と同様に、通常通路376を通過する遊技球99を遊技盤31の背面側に集める。そして、第2誘導部材377によって集められた遊技球99は、アウト玉センサ318a(図12参照)によって検出され、アウト玉としてカウントされる。
【0051】
このようなクルーン装置37には、上述のように遊技盤31の右側領域に打ち出されて開閉扉319に受け取られた遊技球99が誘導路316cによって導かれる。そして、クルーン装置37に導かれた遊技球99は、周壁372に沿って底壁371上を移動する。これにより、クルーン装置37において遊技球99の流下が遅延される。そして、底壁371上を移動する遊技球99の大部分は、例えば運動エネルギーが小さくなることで、またクルーン装置37の周壁372や他の遊技球99と衝突するなどして、通常アウト玉口378に入球する。通常アウト玉口378に入球した遊技球99は、通常通路376及び第2誘導部材377を移動してアウト玉センサ318a(図12参照)によって検出可能な位置に導かれる。
【0052】
一方、底壁371上を移動する遊技球の一部、は、通常アウト玉口378の周縁や他の遊技球との衝突などによりなどで移動方向が変更され、特殊アウト玉口373に入球する。特殊アウト玉口373に入球した遊技球99は、特殊アウト玉通路374及び第1誘導部材375を介して遊技球滞留部38に向けて放出される。
【0053】
ここで、底壁371上を移動する遊技球99が特殊アウト玉口373に入球する入球確率は、例えば0.5%以上5%以下、好ましくは1%以上3%以下に設定される。換言すれば、10R分のラウンド遊技当たりでの特殊アウト玉口373への入球期待数は、例えば0.5個以上5個以下、好ましくは1個以上3個以下に設定される。このような範囲に前記入球確率又は前記入球期待数を設定することで、遊技者に設定値が早期に特定されてしまうことを防止できる一方で、現実的に設定値を特定することが可能になる。これにより、設定値が低い場合などに早期に設定値が特定される場合に当該遊技機10での遊技が終了されることを防止しつつ、設定値が特定できないことによる退屈感から当該遊技機10での遊技が終了されることを防止することが可能になる。
【0054】
なお、本実施形態では、特殊アウト玉口373が底壁371の高位底部371aに設けられ、通常アウト玉口378が特殊アウト玉口373に比べて開口面積が大きいことから、特殊アウト玉口373は通常アウト玉口378に比べて著しく遊技球99が入球し難くされているが、これらのうちの全部又は一部に代えて又は加えて、他の手段によって特殊アウト玉口373に遊技球99が入球し難くすることも考えられる。例えば、特殊アウト玉口373の周辺部に特殊アウト玉口373への遊技球99の入球を阻害する阻害手段を設けることが考えられる。阻害手段としては、例えば特殊アウト玉口373を囲む壁部などの特殊アウト玉口373への入球を阻害する障害物、特殊アウト玉口373の周辺部において遊技球99と反発する磁力又は電磁力を発生させる手段、特殊アウト玉口373の周辺部においてエアーを噴出させることでエアーカーテンを形成する手段が考えられる。
【0055】
また、特殊アウト玉口373を開閉する開閉部を設け、この開閉部によって特殊アウト玉口373への遊技球の入球が困難になるようにしてもよい。この場合、特殊アウト玉口373を通常アウト玉口378と同一平面上に設けてもよく、通常アウト玉口378を特殊アウト玉口373と同一又は略同一の開口面積を有するものとして形成してもよい。
【0056】
また、可変入賞口316に入球された遊技球99を通常アウト玉口378と特殊アウト玉口373とに振り分ける振分手段は、クルーン装置37に限らず、他の手段であってもよい。例えば、切替弁などの回動部材や回転部材、又は遊技盤31に打設される釘の配置を調整することによって、通常アウト玉口378と特殊アウト玉口373とに振り分けるようにしてもよい。
【0057】
図4及び図8に示すように、遊技球滞留部38は、クルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した遊技球99を受け入れ、その遊技球99を特定期間が経過するまで滞留させるものである。そして、特定期間の経過後に後述の7セグメント表示部39のセグメントA〜Gが制御され、所定期間が経過するまでに特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の累積数に応じて、7セグメント表示部39に数字が表示される。ここで、図9は、遊技球滞留部に遊技球を滞留させる特定期間、クルーン装置の特殊アウト玉口に入球した遊技球の数を累積する所定期間、及び非設定値を示す特定情報を7セグメント表示部に表示する規定期間を説明するための図である。
【0058】
なお、以下においては、図9を参照し、特定期間を遊技球滞留部38に遊技球99を滞留させる期間として、所定期間をクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数を累積カウントする期間として、「規定期間」を特定期間においてクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数に基づいて非設定値を示す数字(特定情報)の全部又は一部を7セグメント表示部39に表示させる期間として説明するが、「特定期間」は遊技球滞留部38に遊技球99を滞留させる期間に限定されるものではく、「所定期間」はクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数を累積カウントする期間に限定されるものではない。つまり、「特定期間」、「所定期間」及び「規定期間」は、少なくとも以下に説明する期間を含む。
【0059】
図9(A)及び図9(B)に示すように、遊技球滞留部38に遊技球99を滞留させる特定期間は、大当たり遊技(オープニング)が開始されてから当該大当たり遊技における開閉実行モードが終了(エンディングが開始)されるまでの間であり、所定期間に開始される大当たり遊技ごとに特定期間が設定される。即ち、特定期間の始期は大当たり遊技が開始される時点であり、特定期間の終期は当該大当たり遊技の開閉実行モードが終了される時点(エンディングが開始される時点)である。具体的には、図9(A)に示すように、低確率モードで通常大当りに当選した場合(初当たりが通常大当たりで単発大当たりである場合)、特定期間は、当該大当たり遊技が開始されてから当該大当たり遊技の開閉実行モードが終了するまでの間である。また、図9(B)に示すように、低確率モードで確変大当りに当選した場合(初当たりが確変大当たりで大当たり連荘が開始される場合)、高確率モードで通常大当たりに当選した場合の当該通常大当たり遊技によって大当たり連荘が終了するまでの間に実行される全ての大当たり遊技に対して、各大当たり遊技が開始されてから当該大当たり遊技の開閉実行モードが終了されるまでの間が特定期間として設定される。即ち、大当たり連荘では、この大当たり連荘中に実行される大当たり遊技の数に対応して複数の特定期間が設定される。
【0060】
換言すれば、大当たりの種別や当選タイミングを問わず、1回の大当たり遊技の特定期間においてクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数に対応した数の、後述の7セグメント表示部39のセグメントA〜Gが、規定期間である当該大当たり遊技でのエンディングにおいて点消灯の制御対象となる。つまり、規定期間は、特定期間においてクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数に基づいて、当該遊技機10に設定される大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率を規定する遊技設定値(設定値)以外の遊技設定値(複数の非設定値)示す数字を、7セグメント表示部39に表示させる期間として設定される。
【0061】
そして、1回の大当たり遊技の特定期間において特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数が7個以上14個未満である場合には、当該遊技機10に設定される大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率を規定する遊技設定値(設定値)以外の遊技設定値(複数の非設定値)を特定する数字が、後述の図36の表示順序設定処理において設定される表示順序に応じて、大当たり遊技における特定期間経過後のエンディング(規定期間)において7セグメント表示部39に1つ表示される。また、大当たり遊技における特定期間経過後のエンディング(規定期間)では、7セグメント表示部39において、1回の大当たり遊技の特定期間において特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数が14個以上20個未満である場合には複数の非設定値を特定する2つの数字が前記表示順序に応じた順番で表示され、21個以上28個未満である場合には複数の非設定値を特定する3つの数字が前記表示順序に応じた順番で表示され、28個以上35個未満である場合には複数の非設定値を特定する4つの数字が前記表示順序に応じた順番で表示され、35個以上である場合には複数の非設定値を特定する5つの数字(全ての数字)が前記表示順序に応じた順番で表示される。なお、1回の大当たり遊技の特定期間において特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数が7個未満である場合には、大当たり遊技における特定期間経過後のエンディング(規定期間)において7セグメント表示部39には複数の非設定値を特定する数字は1個も表示されない。
【0062】
このように、遊技機10では、大当たり遊技が実行されるたびに、特定期間にクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数に基づいて、後述の7セグメント表示部39に複数の非設定値を特定する1個〜5個の数字が表示され得り、5個の非設定値を特定する数字が表示されることで設定値が特定可能になる。例えば、7セグメント表示部39に数字の1が表示されることで遊技設定値1が非設定値であることを特定でき、7セグメント表示部39に数字の2が表示されることで遊技設定値2が非設定値であることを特定でき、7セグメント表示部39に数字の3が表示されることで遊技設定値3が非設定値であることを特定でき、7セグメント表示部39に数字の4が表示されることで遊技設定値4が非設定値であることを特定でき、7セグメント表示部39に数字の5が表示されることで遊技設定値5が非設定値であることを特定でき、7セグメント表示部39に数字の6が表示されることで遊技設定値6が非設定値であることを特定できる。また、7セグメント表示部39に2〜6の5つの数字が表示されることで非設定値が遊技設定値2〜6であることが特定できるために設定値が遊技設定値1であると把握できる。同様に、7セグメント表示部39に1、3〜6の5つの数字が表示されることで設定値が遊技設定値2であると把握でき、7セグメント表示部39に1、2、4〜6の5つの数字が表示されることで設定値が遊技設定値3であると把握でき、7セグメント表示部39に1〜3、5、6の5つの数字が表示されることで設定値が遊技設定値4であると把握でき、7セグメント表示部39に1〜4、6の5つの数字が表示されることで設定値が遊技設定値5であると把握でき、7セグメント表示部39に1〜5の5つの数字が表示されることで設定値が遊技設定値6であると把握できる。
【0063】
また、7セグメント表示部39において表示対象となっている数字は、全てのセグメントA〜Gが制御対象となる前に把握することも可能である。例えば、セグメントA→セグメントB→セグメントC→セグメントD→セグメントE→セグメントF→セグメントGの順序でセグメントA〜Gが制御対象となる場合、最初の制御対象であるセグメントAが消灯状態とされると、7セグメント表示部39に表示される数字の候補は「1」及び「4」である。そして、6番目の制御対象であるセグメントFが点灯状態とされることで「4」であると認識でき、セグメントFが消灯状態とされることで「1」であると認識できる。即ち、数字の「1」又は「4」は、全てのセグメントA〜Gが制御対象となる前の6番目の制御対象であるセグメントFが制御対象となった段階で認識することができる。また、最初の制御対象であるセグメントAが点灯状態とされると、7セグメント表示部39に表示される数字の候補は「2」、「3」、「5」及び「6」である。そして、2番目の制御対象であるセグメントBが点灯状態とされることで「2」及び「3」のいずれかであると判断でき、セグメントBが消灯状態とされることで「5」及び「6」のいずれかであると判断できる。さらに、3番目の制御対象であるセグメントCが点灯状態とされることで「3」であると認識でき、セグメントCが消灯状態とされることで「2」であると認識できる。即ち、数字の「2」又は「3」は、全てのセグメントA〜Gが制御対象となる前の3番目の制御対象であるセグメントCが制御対象となった段階で認識することができる。さらに、5番目の制御対象であるセグメントEが点灯状態とされることで「6」であると認識でき、セグメントEが消灯状態とされることで「5」であると認識できる。即ち、数字の「5」又は「6」は、全てのセグメントA〜Gが制御対象となる前の5番目の制御対象であるセグメントEが制御対象となった段階で認識することができる。つまり、数字の「2」及び「3」は3番目の制御対象であるセグメントCが点灯又は消灯される段階で認識でき、数字の「5」及び「6」は5番目の制御対象であるセグメントEが点灯又は消灯される段階で認識でき、数字の「1」及び「4」は6番目の制御対象であるセグメントFが点灯又は消灯される段階で認識できる。そして、本実施形態では、7セグメント表示部39の全てのセグメントA〜Gが制御対象となる前に非設定値を示す数字が把握される場合であっても、全てのセグメントA〜Gが制御対象とならない限りは、次の優先順位の数字を表示するための制御が開始されない。これにより、全ての非設定値を特定するためには、非設定値に対応する数字が把握可能な段階で次の優先順位の数字を表示するための制御が開始される場合に比べて、より多くの特定の条件を満たす必要がある。その結果、全ての非設定値が特定されるまでの困難度、ひいては設定値が認識される困難度を高めることができるため、少ない遊技時間で設定値が認識されることが防止される。従って、設定値が低い場合であっても当該設定値が短時間で遊技者に把握されることを防止することができるため、当該遊技機10での遊技時間の減少を防止でき、遊技機10の稼働率の低下を抑制できる。
【0064】
なお、7セグメント表示部39の全てのセグメントA〜Gが制御対象となる前に非設定値を示す数字が把握される場合に、次の優先順位の数字を表示するための制御が開始するようにしてもよい。例えば、数字の優先順位が「1」→「2」→「3」→・・・である場合に、数字の「1」に対する制御順序が6番目であるセグメントFが制御対象とされることで7セグメント表示部39に表示される数字が「1」であることが把握される場合に、制御順位が7番目であるセグメントGを制御対象とすることなく、次の優先順位である数字の「2」を表示させるための制御を開始してもよい。ところで、全てのセグメントA〜Gが制御対象となった後に次の表示対象となる数字を表示するためにセグメントA〜Gが制御される場合、全てのセグメントA〜Gが制御対象となる前に7セグメント表示部39に表示される数字を認識できても、全てのセグメントA〜Gが制御対象となった後でないと、次の表示対象である数字を表示するためのセグメントA〜Gの制御が開始されない。従って、遊技者が全てのセグメントA〜Gが制御対象となる前に7セグメント表示部39に表示される数字を認識した場合であっても、次に表示対象となる数字の表示が開始されるまで、既に遊技者が認識した数字を特定するため情報が7セグメント表示部39に表示される。つまり、全てのセグメントA〜Gが制御対象となった後に次の表示対象となる数字を表示するためにセグメントA〜Gが制御される場合、遊技者にとって不必要な情報が7セグメント表示部39に表示されることがあり、このような不必要な情報が7セグメント表示部39に表示される期間では遊技に対する興味が低下することが懸念される。これに対して、7セグメント表示部39の全てのセグメントA〜Gが制御対象となる前に非設定値を示す数字が把握される場合に、次の優先順位の数字を表示するための制御が開始するようにすれば、1つの非設定値が特定可能とされた後に、当該非設定値を推測に寄与しないセグメントA〜Gが制御対象となれることがない。これにより、不必要にセグメントA〜Gが制御対象とされることによる遊技に対する興味の低下が防止される。
【0065】
一方、クルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数を累積カウントする所定期間は、低確率モードでの大当たりに対する大当たり遊技が開始されてから、通常大当たりの開閉実行モードが終了するまでの間である。即ち、所定期間の始期は低確率モードでの大当たりに対する大当たり遊技が開始される時点であり、所定期間の終期は通常大当たり遊技の開閉実行モードが終了される時点(当該通常大当たり遊技のエンディングが開始される時点)である。具体的には、図9(A)に示すように、低確率モードで通常大当りに当選した場合(初当たりが通常大当たりで単発大当たりである場合)、所定期間は、当該大当たり遊技が開始されてから当該大当たり遊技の開閉実行モードが終了するまでの間である。即ち、単発大当たりの場合には、所定期間は、遊技球滞留部38に遊技球99を滞留させる特定期間に一致する。また、図9(B)に示すように、低確率モードで確変大当りに当選した場合(初当たりが確変大当たりで大当たり連荘が開始される場合)、所定期間は、大当たり連荘が開始される契機となる初当たりに対する確変大当たり遊技が開始されてから、大当たり連荘が終了される契機となる通常大当たりに対する大当たり遊技の開閉実行モードが終了されるまでの期間である。即ち、大当たり連荘の場合、所定期間は、遊技球滞留部38に遊技球99を滞留させる特定期間に一致せず、所定期間内に開始される大当たり遊技の数に応じて複数設定される。
【0066】
ところで、大当たり遊技が開始された場合、特段の事情が無い限りは、大当たり遊技の途中で遊技を終了し、又は大当たり連荘の途中で遊技を終了することはない。そのため、遊技球滞留部38に遊技球99を滞留させる特定期間が大当たり遊技ごと設定されることで、特定期間が終了する前に遊技者が遊技を終了することが防止される。また、クルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数を累積カウントする所定期間が低確率モードでの大当たりに対する大当たり遊技の開始から通常大当たりに対する大当たり遊技の開閉実行モードの終了までに設定されることで、所定期間が終了する前に遊技者が遊技を終了することが防止される。そして、大当たり遊技では、特定期間の経過した後のエンディング(規定期間)において、特定期間における遊技球滞留部38での遊技球99の滞留数(クルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数)に基づいて7セグメント表示部39が制御されることで、非設定値が特定又は推測可能な情報(非設定値に対応する数字の全部又は一部)が表示され、通常大当たりに対する大当たり遊技の開閉実行モードの経過後のエンディングでは、所定期間におけるクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の累積数に対応して非設定値が特定又は推測可能な情報(非設定値に対応する数字の全部又は一部)が表示される。これらにより、設定値以外の非設定値が特定又は推測可能なタイミングを知り得ない遊技者が遊技を進行する場合であっても、非設定値が特定又は推測可能なタイミングの前に遊技を終了することが防止される。そのため、非設定値が特定又は推測可能なタイミングを知り得ない遊技者であっても、非設定値の特定又は推測可能となり、全ての非設定値が特定されることで設定値を特定することも可能になる。加えて、非設定値が特定又は推測可能なタイミングを狙って遊技を行う他の遊技者のいわゆるハイエナ行為を排除できる。
【0067】
また、特定期間が所定期間に開始される大当たり遊技ごとに設定されることで、連荘大当たりでは、所定期間が初大当たりから大当たり連荘の最後の大当たり遊技に跨って設定される。そのため、連荘大当たりでは、単発当たりに比べて所定期間が長く、大当たり遊技が実行される回数が多くなるほど所定期間も長くなる。その結果、連荘大当たりのほうが単発当たりに比べてクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球される遊技球99の数が多くなる可能性が高く、連荘大当たりでは連荘回数が多いほど特殊アウト玉口373に入球される遊技球99の数が多くなる可能性が高くなる。これにより、遊技者は、連荘大当たり回数が多いほど、獲得できる遊技価値の期待値が多くなるだけでなく、非設定値を特定又は推測するための情報を多く得られ、非設定値ひいては設定値を推測又は特定し易くなるという利益を得ることができる。
【0068】
なお、遊技球滞留部38に遊技球99を滞留させる特定期間の始期は、大当たり遊技中に設定すればよく、大当たり遊技の開始時に限らず、開閉実行モードが開始(初当たりのオープニングが終了)される時点であってもよい。また、特定期間の終期は、大当たり遊技中に設定すればよく、通常大当たり後に移行するエンディング中に設定してもよい。好ましくは、特定期間は、1回の大当たり遊技に対して、開閉実行モードを含む1つの区間として設定することが好ましい。これにより、開閉実行モードにおいて可変入賞口316に遊技球99が入球されることを契機として成立する特定の条件の数に基づいて(クルーン装置37の特殊アウト玉口373を通過した遊技球99の数に基づいて)、特定期間の経過後に7セグメント表示部39に非設定値を特定するための情報を表示することができる。その結果、開閉実行モードでは特殊アウト玉口373に遊技球99が入球されるか否かに着目して遊技を楽しむことができ、開閉実行モードの終了後には、即ち特定期間の経過後では7セグメント表示部39に表示される内容に着目し、表示内容に基づいて非設定値を特定又は推測して遊技を楽しむことができる。
【0069】
また、クルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数を累積カウントする所定期間の始期は、初当たり(低確率モードでの大当たり)に対する大当たり遊技が開始される時点に限らず、大当たり遊技に設定すればよい。好ましくは、初当たり(低確率モードでの大当たり)に対する大当たり遊技、例えば初当たり(低確率モードでの大当たり)に対する大当たり遊技の開閉実行モードが開始(初当たりのオープニングが終了)される時点であってもよい。このように、所定期間の始期を初当たりに対する大当たり遊技に設定することで、単発大当たり及び連荘大当たりを問わず、1回の初当たりに対して必ず所定期間が設定されるため、1回の初当たりに対して非設定値を推測又は特定する機会が少なくとも1回は保証される。
【0070】
一方、所定期間の終期は、通常大当たり遊技の開閉実行モードが終了する時点に限らず、大当たり遊技中に設定すればよく、例えば大当たり遊技のエンディング、典型的には通常大当たり遊技のエンディングに設定することが考えられる。また、所定期間の終期は、通常大当たり遊技が終了(当該大当たりでのエンディングが終了)される時点、又は通常大当たり後に移行される時短モードが終了される時点であってもよい。また、本実施形態では、ループ確変機を前提として説明しているが、ST機、V−ST機、一種二種混合機などの他の形態の遊技機では、その態様に応じて所定期間を設定することも考えられる。例えば、V−ST機では、初当たりでV入賞がない場合(通常大当たり)、ループ確変機の通常大当たりの場合と同様に前記所定期間を設定し、初当たりでV入賞がある場合(確変大当たり)、初当たりの大当たり遊技又は開閉実行モードの開始を所定期間の始期とし、V入賞がない大当たりでの開閉実行モードの終了時点、又は高確率モードでの規定回数の大当たり抽選の終了時点などを所定期間の終期とすることが考えられる。
【0071】
また、所定期間は、大当たり遊技とは無関係に、変動遊技が実行される期間(大当たり遊技の終了から大当たり遊技の開始までの期間)に設定することも考えられる。例えば、所定期間は、非設定値を示す特定情報(数字)の全部又は一部が表示される条件(特定の条件)の種別に応じて設定することができ、通常遊技状態(高確率モードかつ低頻度サポートモード)に滞在する期間(時短モードの終了時点から次回の大当たりが開始されるまでの期間)、時短モードに滞在する期間(通常大当たりの終了時点から通常遊技状態に移行されるまでの期間)、低確率モードに滞在する期間(通常大当たりの終了時点から次回の大当たり遊技が開始されるまでの期間)、高確率モード及び低確率モードの一方又は双方において所定数の大当たり抽選を受けるまでの期間、高確率モード及び低確率モードの一方又は双方において所定数の普通当たり抽選を受けるまでの期間、高確率モード及び低確率モードの一方又は双方において一般入賞口313に所定数の遊技球99が入賞されるまでの期間、高確率モード及び低確率モードの一方又は双方において第1入賞口314に所定数の遊技球99が入賞されるまでの期間、高確率モード及び低確率モードの一方又は双方において第2入賞口315に所定数の遊技球99が入賞されるまでの期間、高確率モード及び低確率モードの一方又は双方においてスルーゲート317を所定数の遊技球99が通過するまでの期間、高確率モード及び低確率モードの一方又は双方において所定数の遊技球99が遊技盤31に打ち出されるまでの期間などが挙げられる。また、所定期間は、変動遊技ごとに設定してもよい。即ち、所定期間は、変動遊技の開始(飾り図柄の変動表示の開始)から、変動遊技の終了(飾り図柄の変動表示の終了)までの期間に設定することも考えられる。この場合、1回の変動遊技の全期間を所定期間としてもよいし、1回の変動遊技のうちの一部期間を所定期間としてもよい。1回の変動遊技のうちの一部期間を所定期間とする場合、所定期間としては、飾り図柄の変動表示の開始から飾り図柄がリーチ状態となるまでの期間、飾り図柄の変動表示の開始からスペシャルリーチ演出などの発展演出が開始されるまでの期間、飾り図柄がリーチ状態となってから発展演出が開始されるまでの期間、飾り図柄がリーチ状態となってから発展演出が終了されるまでの期間、発展演出が実行される期間などが考えられる。
【0072】
このように、変動遊技が実行される期間に所定期間が設定されることで、大当たり遊技が実行される期間以外においても、非設定値を特定又は推測し、設定値を認識又は推測することが可能になる。これにより、変動遊技が実行される期間において非設定値(設定値)を特定又は推測しつつ遊技の進行を楽しむことが可能になる。
【0073】
そして、所定期間を変動遊技が実行される期間に設定する場合、クルーン装置37などの振分手段は、遊技盤31の左側領域に打ち出した遊技球99を通常打ち出す左打ちを行う場合に遊技球99が通常アウト玉口378と特殊アウト玉口373とに振り分ける位置(例えば遊技盤31の左側領域(一般入賞口313の上方又は下方)や中央領域(第1入賞口314の上方や側方))に設けることも考えられる。この場合、特殊な打ち出し(遊技盤31の右側領域に遊技球99を打ち出す右打ち)を行うことなく、非設定値(設定値)の特定又は推測を行うことができる。これにより、一般入賞口313や第1入賞口314への遊技球99の入球確率を低下させることなく、通常通りに遊技を進行しつつ非設定値(設定値)の特定又は推測を楽しむことができる。
【0074】
また、所定期間の始期は、特定の条件の種別によっては、遊技機10に対する主電源のオン時に設定することも考えられ。また、所定期間の終期は、特定の条件の種別によっては、遊技機10に対する主電源のオフ時に設定することも考えられる。
【0075】
なお、特定の条件としては、所定期間においてクルーン装置37などの振分手段によって振り分けられる遊技球99が特殊アウト玉口373に入球されることに代えて、特殊アウト玉口373以外の特定領域を遊技球99が通過すること、例えばスルーゲート317を遊技球99が通過又は各種入賞口313〜316に遊技球99が入球されることが挙げられる。
【0076】
また、一般入賞口313や第1入賞口314などに入球し、又はスルーゲート317を通過する遊技球99をクルーン装置37などの振分手段に誘導する構成とし、振分手段によって振り分けられる遊技球99が特殊アウト玉口373に入球されることを特定の条件としてもよい。この場合にも、特殊な打ち出しを行うことなく、通常通りに遊技を進行しつつ非設定値(設定値)の特定又は推測を楽しむことができる。
【0077】
また、特定の条件は、遊技の進行において発生し得る特定の事象が発生することなどであってもよい。この場合の特定の事象は、遊技者にとって有利な事情及び不利な事象のいずれであってもよい。特定の事象が遊技者に有利な事象である場合には、遊技者は特定の事象が発生することで得られる特典に加えて、非設定値(設定値)を示す特定情報の全部又は一部をさらに得ることができる。一方、特定の事象が遊技者に不利な事象である場合には、遊技者は特定の事象が発生することによる不利益に対する救済として、非設定値(設定値)を示す特定情報の全部又は一部をさらに得ることができる。特定の事象としては、例えば大当たりに所定回数(1回を含む)以上当選すること(大当たり遊技が所定回数(1回を含む)以上実行されること)、確変又は通常大当たりに所定回数(1回を含む)以上当選すること(確変又は通常大当たり遊技が所定回数(1回を含む)以上実行されること)、大当たり連荘回数が所定回数以上に到達すること(通常大当たりに当選するまでに確変大当たりに連続して所定回数以上当選すること)、大当たりに当選するまでの大当たり抽選回数が所定回数以上に到達すること、大当たり遊技の開閉実行モードのラウンド遊技において上限数を超える遊技球99の入賞(オーバー入賞)が発生することなどが考えられる。
【0078】
また、特定の事象としては、変動遊技や大当たり遊技において予め設定される特定の演出が実行されることなどであってもよい。この場合の特定の演出は、特に制限はなく、例えば非リーチ演出及びリーチ演出のいずれに設定してもよく、オープニング演出、ラウンド遊技演出及びエンディング演出のいずれに設定してもよい。典型的には、特定の演出は、変動遊技演出のうちの大当たり又は確変大当たりが確定するプレミア演出、大当たり遊技において当該大当たり遊技の終了後に保留連荘が実行されること(大当たり遊技の開始時、開閉実行モードの開始時、開閉実行モードの終了時又は大当たり遊技の終了時などの大当たり遊技の特定時点で保留の中に抽選結果が大当たりであるものが含まれること)を明示する演出が挙げられる。さらに、特定の事象としては、図柄表示部341において飾り図柄が特定の組み合わせで停止表示、又は仮停止表示(中間停止表示)されることも考えられる。例えば、図柄表示部341において飾り図柄が「777」で停止表示される場合、「767」のように特定のリーチ外れ目で停止表示される場合、「367」のように特定の非リーチ外れ目(バラケ目)で停止表示される場合などの他、リーチ演出としてスーパーリーチ演出やスペシャルリーチ演出などの発展演出が実行される場合に発展演出が実行されることを明示する仮停止表示(中間停止表示)が考えられる。発展演出が実行されることを明示する仮停止表示(中間停止表示)としては、例えば「7発展7」のように、左右の飾り図柄がリーチ状態で仮停止表示(中間停止表示)され、中図柄として「発展」などの発展演出が実行されることを明示する図柄が一時的に停止表示されることが考えられる。また、特定の条件は、特定の生み合わせの複数の特定の事象が発生することであってもよい。
【0079】
また、特定の条件は、設定値との関係で成立するものであってもよい。つまり、特定の条件に設定値が含まれてもよく、例えば特定の設定値において特定の事象が発生する場合に特定の条件が成立するようにしてもよい。この場合、特定の条件の種別が設定値に依存する一方で、後述のように7セグメント表示部39での非設定値を示す数字の表示順序は設定値によって規定される。そのため、特定の条件の種別によって異なる順序で7セグメント表示部39において非設定値を示す数字が表示される。これにより、設定値ごとに、例えば大当たり当選確率が高いか、低いかなどに基づいて表示順序を設定でき、設定値ごとに複数の非設定値を示す数字の表示に関して特徴付けを行うことも可能になる。
【0080】
また、特定の条件が満たされる場合に非設定値を示す特定情報又はその一部(特殊情報)を表示する規定期間は、大当たり遊技のエンディングごとに設定される場合には限定されず、他のタイミングであってもよく、所定期間との関係、特定期間との関係、又は特定の条件との関係などに応じて設定することが考えられる。例えば、規定期間は、後述の第2の実施形態で説明するように所定期間の経過後、典型的に所定期間の終期が設定される5R通常大当たり遊技のエンディングのみであってもよく、大当たり遊技以外、例えば大当たり遊技の終了後であってもよい。また、規定期間は、所定期間が変動遊技の実行期間に設定される場合、例えば変動遊技における飾り図柄の変動開始時、飾り図柄がリーチ状態で仮停止表示タイミング、スーパーリーチ演出やスペシャルリーチ演出などの発展演出が開始されるタイミング、発展演出の実行中などが考えられる。つまり、規定期間は、変動遊技が実行される期間に設定することも考えられる。規定期間を変動遊技が実行される期間に設定される場合、大当たり抽選の結果と共に、非設定値を示す特定情報を表示させることが可能になる。例えば、図柄表示部341において大当たり抽選での抽選結果が飾り図柄の変動表示によって表示される場合に、図柄表示部341に特定情報を同時に表示させることも可能になる。これにより、変動遊技に対する遊技者の興味を、特定情報の表示によって向上させることが可能になる。
【0081】
ここで、図10(A)は図8のX2−X2切断線に沿う断面図、図10(B)は後述のストッパ部383が上限位置にある場合の図8のX3−X3切断線に沿う断面図、図10(C)はストッパ部383が下限位置にある場合の図8のX3−X3切断線に沿う断面図である。以下、図10に加えて図6及び図8を参照して遊技球滞留部38の構成を説明する。
【0082】
図6、図8、及び図10に示すように、遊技球滞留部38は、特殊アウト玉口373に遊技球が入球される遊技球99を特定期間において滞留させるものであり、滞留レーン381、排出レーン382及びストッパ部383を備える。
【0083】
滞留レーン381は、クルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球された遊技球99を受け入れ、この遊技球99の滞留を許容する。滞留レーン381は、上部が開放されており、左下がりに傾斜している。滞留レーン381は、深さ寸法が遊技球の直径よりも小さく、滞留レーン381に滞留された遊技球99の少なくとも一部が視認可能である(図4参照)。これにより、滞留レーン381に遊技球99が滞留されたことを視認可能であると共に、滞留された遊技球99の数、つまり特定期間内にクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球された遊技球99の数を視認可能である。また、滞留レーン381は、樹脂などにより透明に形成されることが好ましい。そうすることで、滞留レーン381に滞留された遊技球99の数の把握が容易となる。なお、滞留レーン381に滞留された遊技球99を視認可能にすることに代えて又は加えて、滞留レーン381に滞留された遊技球99の数を表示するようにしてもよい。滞留レーン381に滞留された遊技球99の数を表示は、例えばランプの点灯個数、図柄表示部341での画像表示などが考えられる。
【0084】
排出レーン382は、滞留レーン381の左端部に連続し、滞留レーン381に滞留された遊技球99を所定部位、例えばアウト玉センサ318a(図12参照)によって検出可能な位置に誘導する。
【0085】
また、排出レーン382には、特殊アウト玉センサ384が設けられている。この特殊アウト玉センサ384は、滞留レーン381に滞留した遊技球99が排出レーン382を移動する際に検出するものである。つまり、特殊アウト玉センサ384は、滞留レーン381に滞留された遊技球99の数、即ち特定期間内にクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した特殊アウト玉の数をカウントするために利用される。具体的には、図12に示すように、特殊アウト玉センサ384は、主制御装置4のMPU41に接続されており、MPU41によって特殊アウト玉センサ384からの出力がモニタリングされることで、MPU41が排出レーン382を遊技球99が移動したか否かを判断する。また、MPU41は、特殊アウト玉センサ384によって遊技球99が検出された場合に特殊アウト玉検知コマンドを設定し、この特殊アウト玉検知コマンドを後述の図23のメイン処理でのステップS1301の外部出力処理において音声ランプ制御装置5に送信する。一方、音声ランプ制御装置5は、特殊アウト玉検知コマンドを受信した場合、MPU51によって特殊アウト玉の数をカウントし、特殊アウト玉の数と設定値とに基づいて7セグメント表示部39での表示内容を制御する(図37のコマンド判定処理、及び図40の設定値示唆処理参照)。
【0086】
なお、特殊アウト玉センサ384としては、例えば電磁誘導型の近接センサが用いられるが、他の検出手法(例えば光学センサ)により遊技球99を検出してもよい。また、特殊アウト玉センサ384は、音声ランプ制御装置5に接続されていてもよい。この場合、主制御装置4のMPU41では特殊アウト玉検知コマンドが設定されないが、音声ランプ制御装置5では、特殊アウト玉センサ384からの出力に基づいて特殊アウト玉の数がカウントされる。
【0087】
ストッパ部383は、滞留レーン381と排出レーン382との間に設けられており、遊技盤31の背面側に設けられたソレノイドなどの駆動手段によって上限位置と下限位置との間で上下動される。上限位置は、先端部が上方に突出する位置であり、ストッパ部383が上限位置にあることで滞留レーン381に遊技球99を滞留させること可能になる(図10(B)参照)。一方、下限位置は、先端部が上方に突出しない位置であり、ストッパ部383が下限位置にあることで滞留レーン381の遊技球99が排出レーン382を介して排出可能な状態とされる(図10(C)参照)。そして、排出レーン382に導かれた遊技球99は、アウト玉センサ318a(図12参照)によって検出可能な位置に導かれる。
【0088】
なお、滞留レーン381に遊技球99を滞留可能とし、滞留レーン381の遊技球99を排出レーン382に排出可能とする手段は、上下動可能なストッパ部383に限らず、例えば前後動可能なストッパ部、起立状態と伏臥状態との間などで回動可能なストッパ部などの他の手段であってもよい。また、磁力や電磁力の作用により遊技球99が移動しないようにすることで遊技球99を滞留させ、磁力や電磁力の作用を解除することで遊技球99を排出する構成であってもよい。さらに、滞留レーン381を上下動可能な構成とすることで遊技球99が滞留される状態と排出される状態とを実現することもできる。例えば、滞留レーン381を排出レーン382よりも低位置に待機させることで遊技球99を滞留させる一方で、滞留レーン381を排出レーン382よりも高位置に移動させることで遊技球99を排出レーン382に移行させる構成であってもよい。その他、遊技盤31に遊技球99を遊技盤31の背面側に排出可能な開口部を設け、滞留レーン381に遊技球99を滞留可能な位置と、前記開口部から遊技球99を遊技盤31の背面側に排出可能な位置との間で滞留レーン381の上下動可能に構成してもよい。また、滞留レーン381に代えて、箱状の可動体を移動させることで、遊技球99を可動体に滞留可能な状態と、遊技球99を遊技盤31の背面側に排出可能な状態とすることも考えられる。
【0089】
ここで、図11(A)は図4に示す遊技盤31に設けられる7セグメント表示部39の一例を示す図、図11(B)は7セグメント表示部での数字の表示例を示す図、図11(C)は7セグメント表示部でのアルファベットの表示例を示す図である。
【0090】
図11(A)に示すように、7セグメント表示部39は、7つのセグメントA〜G及びドットポイントDPからなる。各セグメントA〜G及びドットポイントDPは、個別に点灯及び消灯が可能であり、図11(B)に示すように少なくとも1〜6の数字、及び図11(C)に示すように少なくともA〜Fのアルファベットを表示可能である。本実施形態では、7セグメント表示部39には、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる大当たり確率(図14(A)及び図14(B)参照)に対応する複数(6つ)の遊技設定値(数値情報)から、当該遊技機10での大当たり確率を規定するために設定される遊技設定値(設定値(所定数値情報))以外の複数(5つ)の遊技設定値(非設定値(特定数値情報))のそれぞれを示す数字(特定情報)が、各セグメントA〜Gの点灯又は消灯によって数字で表示される。具体的には、7セグメント表示部39には、非設定値が遊技設定値1である場合にはセグメントB及びCが点灯されることで数字の1が表示され、非設定値が遊技設定値2である場合にセグメントA、B、D、E及びGが点灯されることで数字の2が表示され、非設定値が遊技設定値3である場合にはセグメントA〜D及びGが点灯されることで数字の3が表示され、非設定値が遊技設定値4である場合にはセグメントB、C、F及びGが点灯されることで数字の4が表示され、非設定値が遊技設定値5である場合にはセグメントA、C、D、F及びGが点灯されることで数字の5が表示され、非設定値が遊技設定値6である場合にはセグメントA、C〜Gが点灯されることで数字の6が表示される。また、本実施形態では、非設定値に対応する数字が表示される段階でドットポイントDPが点灯され、非設定値に対応する数字が表示されたことが明示される。
【0091】
また、7セグメント表示部39において非設定値に対応する数字は、後述するように主電源のオン時(電源投入時)又は設定値の変更時に決定される順序で表示される(図35及び図36参照)。また、後述のように7セグメント表示部39の各セグメントA〜Gの点灯又は消灯の制御順序は、セグメントA、セグメントB、セグメントC、セグメントD、セグメントE、セグメントF、及びセグメントGに設定(固定)されている。
【0092】
そして、7セグメント表示部39では、後述のように所定期間にクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数(所定期間に満たされる特定の条件の数)に対応するセグメントが点消灯の制御対象とされ、7セグメント表示部39に数字、又は数字の一部が表示される。ここで、7セグメント表示部39に表示される数字は、遊技設定値のちの設定値以外の非設定値を示すものである。そのため、7セグメント表示部39に表示される数字の一部は、遊技設定値を示すものではなく、非設定値を示す特定情報の一部を示すものであり、特殊情報を示すものに該当する。換言すれば、特殊情報は、7セグメント表示部39の複数のセグメントA〜Gの一部を利用して表示される。このように、7セグメント表示部39に非設定値を示す数字だけでなく、数字の一部(特殊情報)が表示されることで、遊技者は、7セグメント表示部39に数字が表示される場合に非設定値を特定することができるだけでなく、7セグメント表示部39に表示される数字の一部に基づいて非設定値を推測することができる。そのため、7セグメント表示部39に数字が表示されない場合であっても数字の一部に基づいて非設定値を推測して楽しむことができるため、遊技の興趣が向上される。
【0093】
なお、7セグメント表示部39において各セグメントA〜Gが制御対象となっているか否かは遊技者に明示してもよいし明示しなくてもよい。各セグメントA〜Gが制御対象となっていることが明示される場合は、明示されない場合に比べて設定値の推測が容易となる。そして、本実施形態では、各セグメントA〜Gの制御順序が固定されているため、各セグメントA〜Gが制御対象となっていることが明示されず、設定値の推測が困難な手法が採用されている。なお、各セグメントA〜Gが制御対象となっていることを遊技者に明示する場合、例えば制御対象のセグメントを点滅させることで当該セグメントが制御対象であることを遊技者に明示し、制御対象のセグメントを点灯させる場合とは異なる色で点灯させることで当該セグメントが制御対象であることを遊技者に明示することが考えられる。
【0094】
また、7セグメント表示部39では、非設定値を特定するための情報を非設定値に対応させたアルファベットで表示するようにしてもよい。例えば、非設定値が遊技設定値1である場合にアルファベットのAが表示され、非設定値が遊技設定値2である場合にアルファベットのBが表示され、非設定値が遊技設定値3である場合にアルファベットのCが表示され、非設定値が遊技設定値4である場合にアルファベットのDが表示され、非設定値が遊技設定値5である場合にアルファベットのEが表示され、非設定値が遊技設定値6である場合にアルファベットのFが表示されることが考えられる(図11(C)参照)。
【0095】
メイン表示部36は、遊技盤31の右上部に配置された普通図柄表示部361、第1特別図柄表示部362、第2特別図柄表示部363、第1保留数表示部364及び第2保留数表示部365を備える。
【0096】
普通図柄表示部361は、普通図柄(普図)としてのLED対を含み、スルーゲート317への入賞を契機として実行される電動役物315bを開放するか否かの普図当たり抽選での抽選結果を、LED対の点消灯の組み合わせによって表示する。メイン制御ユニット331(MPU41)は、スルーゲート317への入賞を契機としてLED対を点滅(普通図柄を変動表示)させ、変動表示時間の経過後に各LEDを点灯又は消灯させることで普図当たり抽選の結果を表示させる。
【0097】
第1特別図柄表示部362は、第1特別図柄(第1特図)としての7セグメント表示装置を含み、第1入賞口314への入賞を契機として実行される大当たり遊技を実行するか否かの第1特別図柄抽選(第1特図抽選、大当たり抽選)での抽選結果を、7セグメント表示装置における7つのセグメントの点消灯の組み合わせによって表示する。メイン制御ユニット331(MPU41)は、第1入賞口314への入賞を契機として7セグメント表示装置の7つのセグメントを点滅(第1特別図柄を変動表示)させ、変動表示時間の経過後に各セグメントを点灯又は消灯させることで大当たり抽選の結果を表示させる。
【0098】
第2特別図柄表示部363は、第2特別図柄(第2特図)としての7セグメント表示装置を含み、第2入賞口315への入賞を契機として実行される大当たり遊技を実行するか否かの第2特別図柄抽選(第2特図抽選、大当たり抽選)での抽選結果を、7セグメント表示装置における7つのセグメントの点消灯の組み合わせによって表示する。メイン制御ユニット331(MPU41)は、第2入賞口315への入賞を契機として7セグメント表示装置の7つのセグメントを点滅(第2特別図柄を変動表示)させ、変動表示時間の経過後に各セグメントを点灯又は消灯させることで大当たり抽選の結果を表示させる。
【0099】
第1保留数表示部364は、4つLEDからなるLED群を含み、第1入賞口314への入賞により生じた変動表示の第1特図の保留数Nを、4つLEDの点灯個数によって表示する。
【0100】
第2保留数表示部365は、4つLEDからなるLED群を含み、第2入賞口315への入賞により生じた変動表示の第2特図の保留数Mを、4つLEDの点灯個数によって表示する。
【0101】
[裏パックユニット13]
図3に示すように、裏パックユニット13は、払出機構130及び周辺制御ユニット140を備える。
【0102】
払出機構130は、遊技ホールの島設備(不図示)から供給される球技球を貯留するタンク131と、タンク131から上皿23に向けて遊技球を払い出す払出装置132とを備える。なお、上皿23の遊技球が飽和している場合、払出装置132から払い出される遊技球は下皿24に払い出される。
【0103】
図12に示すように、周辺制御ユニット140は、払出制御装置7、発射制御装置8、及び電源制御装置9を備える。払出制御装置7は、払出装置132による遊技球の払出玉数などを制御する。発射制御装置8は、発射ハンドル22の操作に応じて遊技球発射機構32を制御する。電源制御装置9は、遊技機10が接続された島設備(不図示)から供給される電力を所定の電圧レベルに変換し、遊技機10内に設けられた制御装置及び駆動手段に供給する。
【0104】
[遊技機10のシステム構成]
次に、図12〜図19を参照しつつ、遊技機10のシステム構成について説明する。
【0105】
[メイン制御ユニット331]
図12に示すように、メイン制御ユニット331は、遊技機10における遊技の主たる制御を実行する主制御装置4を備える。主制御装置4は、予め設定された大当たり遊技状態への移行の抽選として、大当たり抽選を実行する。主制御装置4は、MPU41、入出力I/F42及び性能情報表示装置4Aを備える。
【0106】
MPU41は、1チップマイコンとして構成された演算装置である。また、MPU41には、ROM411及びRAM412が内蔵されている。MPU41は、ROM411などに記憶されている制御プログラムに従って処理を実行する。また、主制御装置4で実行される処理の一部又は全部は電子回路によって実行されてもよい。
【0107】
入出力I/F42は、主制御装置4に信号を入力し、主制御装置4から制御信号を出力する入出力インターフェースである。また、入出力I/F42には、入球センサ313a〜317a、アウト玉センサ318a、及び特殊アウト玉センサ384などが接続されている。そして、MPU41は、入球センサ313a〜317aからの検出信号に基づいて一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315、及び可変入賞口316への入球の有無、スルーゲート317への遊技球99の通過の有無を判断する。また、MPU41は、アウト玉センサ318aからの検出信号に基づいてアウト玉数(発射玉数)をカウントする。さらに、入出力I/F42には、音声ランプ制御装置5、払出制御装置7、発射制御装置8、及び電源制御装置9などが接続されている。
【0108】
そして、MPU41は、音声ランプ制御装置5に、変動パターンコマンド、第1保留コマンド、第2保留コマンド、シフトコマンド、大当たり遊技開始コマンド、ラウンド遊技開始コマンド、ラウンド遊技終了コマンド、エンディング開始コマンド、大当たり遊技終了コマンド、特殊アウト玉検知コマンド、設定値変更コマンドなどのコマンドを出力する。
【0109】
変動パターンコマンドは、変動表示時間及び大当たり抽選での抽選結果を音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであり、大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合には大当たり種別に関する情報を含む。変動パターンコマンドは、メイン表示部36による図柄変動表示を開始する際に、後述の保留格納エリア412bに記憶されている情報に基づいて、後述の図26の変動開始処理でのステップS1605において設定される。なお、変動パターンコマンドは、変動表示時間のみを音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであってもよい。この場合、大当たり抽選での抽選結果や大当たり種別を音声ランプ制御装置5に通知するコマンドは、変動パターンコマンドとは別のコマンドとして設定される。
【0110】
第1保留コマンド及び第2保留コマンドは、後述の保留格納エリア412bに記憶されている保留数N又は保留数Mが増加する際に、増加した保留に対する大当たり抽選での抽選結果、変動パターン、及び保留数N又は保留数Mを音声ランプ制御装置5に通知するコマンドである。第1保留コマンド及び第2保留コマンドは、保留数N又は保留数Mの増加があった場合に、後述の保留格納エリア412bに記憶されている情報に基づいて設定される(後述の図22の第1保留コマンド設定処理のステップS1207又はステップS1209)。
【0111】
シフトコマンドは、保留数N又は保留数Mが減少する場合に、第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4又は第1保留エリアREB1〜第4保留エリアREB4での大当たり抽選での抽選結果を示す当否情報がシフトしたことを音声ランプ制御装置5に通知するコマンドである。シフトコマンドは、後述の図25のデータ設定処理でのステップS1508において設定される。
【0112】
大当たり遊技開始コマンドは、大当たり遊技が開始すること、即ち遊技状態が大当たり遊技状態に移行することを音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであり、大当たり遊技状態に移行する際に、後述の図23のメイン処理での遊技状態移行処理において設定される。また、大当たり遊技開始コマンドは、大当たり遊技が開始することを音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであるため、音声ランプ制御装置5では大当たり遊技開始コマンドを受信することで、大当たり遊技が開始されることだけでなく、オープニングが開始されることも把握できる。但し、大当たり開始コマンドとは別にオープニング開始コマンドを設定し、オープニング開始コマンドによって音声ランプ制御装置5にオープニングが開始されることを把握させるようにしてもよい。
【0113】
ラウンド遊技開始コマンドは、大当たり遊技における開閉実行モードにおいて、各ラウンド遊技を開始すること、及び当該ラウンド遊技が何ラウンド目であるかを示すラウンド数情報を音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであり、後述の図23のメイン処理での大当たり遊技制御処理において設定される。なお、音声ランプ制御装置5では、ラウンド遊技開始コマンドによってオープニングが終了し、開閉実行モードが開始されることを把握できるが、ラウンド遊技開始コマンドとは別にオープニングの終了時にオープニング終了コマンドを設定し、又は開閉実行モードが開始時に開閉実行モード開始コマンドを設定するようにしてもよい。また、ラウンド遊技開始コマンドとは別に、ラウンド遊技開始時に、これから開始されるラウンド遊技のラウンド数を示すコマンドを設定し、そのコマンドを音声ランプ制御装置5に送信するようにしてもよい。
【0114】
ラウンド遊技終了コマンドは、大当たり遊技における開閉実行モードにおいて、該当ラウンド遊技を終了することを音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであり、後述の図23のメイン処理での大当たり遊技制御処理において設定される。
【0115】
大当たり遊技終了コマンドは、大当たり遊技が終了することを音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであり、後述の図23のメイン処理での大当たり遊技制御処理において設定される。
【0116】
特殊アウト玉検知コマンドは、特殊アウト玉センサ384によっての検出された遊技球がクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した特殊アウト玉であることを示すコマンドであり、後述の図20の主タイマ割込処理でのステップS1001のセンサ検出処理において設定される。なお、音声ランプ制御装置5では、特殊アウト玉検知コマンドに基づいて所定期間での特殊アウト玉数をカウントし、7セグメント表示部39での制御内容が決定される。
【0117】
設定値変更コマンドは、設定値が変更されたこと、及び変更後の設定値を音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであり、後述の図27の設定値変更処理でのステップS1710において設定される。
【0118】
なお、前述のコマンド以外のコマンドが主制御装置4から音声ランプ制御装置5に出力されることがあるがそれらの説明は省略する。
【0119】
また、主制御装置4には、MPU41に動作クロックを供給する手段として、発振回路及び分周回路なども搭載される。発振回路は、予め定められた所定周波数のクロック信号を出力し、分周回路は、発振回路から出力されるクロック信号の周波数を変更してMPU41に入力する。具体的に、MPU41によって実行される後述の主タイマ割込処理の実行周期は、分周回路から出力されるクロック信号によって定まる。
【0120】
本実施形態では、分周回路からMPU41に、予め設定された間隔(例えば4msec)でクロック信号が供給され、MPU41が、クロック信号の立ち上がり(又は立下り)が発生するごとに後述の主タイマ割込処理を起動して実行するものとする。なお、発振回路及び分周回路は、サブ制御ユニット332及び周辺制御ユニット140にも必要に応じて搭載され、サブ制御ユニット332及び周辺制御ユニット140における制御主体の動作クロックを供給する。また、メイン制御ユニット331からサブ制御ユニット332及び周辺制御ユニット140にクロック信号が供給されてもよい。
【0121】
ROM411は、制御プログラム及びパラメータ情報が予め記憶された不揮発性の記憶部である。RAM412は、種々の情報の読み書きが可能な揮発性の記憶部であり、MPU41によって実行される処理の一次記憶領域(作業領域)として使用される。例えば、RAM412は、音声ランプ制御装置5などに送信されるコマンドの設定などに用いられる。なお、RAM412は不揮発性の記憶部であってもよい。
【0122】
ここで、図13を参照しつつ、遊技機10の主制御装置4のMPU41が大当たり抽選などを行うための記憶領域について説明する。具体的には、MPU41は、RAM412の抽選用カウンタ412a、保留格納エリア412b及び電役保留エリア412cに格納されるカウンタ情報を用いて、大当たり抽選及び変動表示時間の設定などを実行する。
【0123】
抽選用カウンタ412aには、大当たり当選の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判断する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、外れ種別を判断する際に使用するリーチ乱数カウンタC3とが含まれる。また、抽選用カウンタ412aには、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCIN1と、メイン表示部36及び図柄表示部341における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCS1とが含まれる。さらに、抽選用カウンタ412aには、第2入賞口315の電動役物315bを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する普通当たり乱数カウンタC4と、普通当たり乱数カウンタC4の初期値設定に使用する普通当たり初期値カウンタCIN2とが含まれる。以下、これらの複数種類のカウンタをまとめて説明する場合は単にカウンタと略称する。
【0124】
そして、カウンタC1〜C4,CIN1,CIN2,CS1は、MPU41によって短時間間隔で前回値に1が加算され、予め設定された最大値に達した後に0に戻るループカウンタとして用いられる。カウンタC1〜C4,CIN1,CIN2,CS1には更新後の値が記録され、大当たり抽選及び変動表示時間の設定などの際にMPU41によって参照される。
【0125】
保留格納エリア412bは、第1保留格納エリアREA、第2保留格納エリアREB、及び実行エリアAEを備える。第1保留格納エリアREAは、第1保留エリアREA1、第2保留エリアREA2、第3保留エリアREA3、第4保留エリアREA4、及び保留数記憶エリアNAAを含む。以下、第1保留格納エリアREAに記憶されている各値に基づいて大当たり抽選が行われ、第1特別図柄表示部362が変動表示及び停止表示する変動遊技の種別を第1特別図柄遊技と称することがある。第2保留格納エリアREBは、第1保留エリアREB1、第2保留エリアREB2、第3保留エリアREB3、第4保留エリアREB4、及び保留数記憶エリアNABを含む。以下、第2保留格納エリアREBに記憶されている各値に基づいて大当たり抽選が行われ、第2特別図柄表示部363が変動表示及び停止表示する変動遊技の種別を第2特別図柄遊技と称することがある。
【0126】
そして、第1入賞口314に遊技球が入球した場合には、RAM412に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1に対応する情報が大当たり抽選で用いられる当否情報として取得され、第1保留格納エリアREAの第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4のいずれかに格納される。また、第2入賞口315に遊技球が入球した場合には、RAM412に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1に対応する情報が大当たり抽選で用いられる当否情報として取得され、第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1〜第4保留エリアREB4のいずれかに格納される。当否情報の取得処理は、制御プログラムに従った処理を実行することにより、本発明の判定手段として機能するMPU41によって実行される。なお、第1保留格納エリアREA及び第2保留格納エリアREBごとに対応して、抽選用カウンタ412a(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1など)が個別に設けられてもよい。
【0127】
このように、遊技機10では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3に加えて、変動種別カウンタCS1が第1保留格納エリアREAの第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4及び第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1〜第4保留エリアREB4のいずれかに格納される。
【0128】
そのため、第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4及び第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1〜第4保留エリアREB4に格納されている当否情報に基づいて実行される変動遊技に19対する大当たり抽選の抽選結果に加えて、図柄表示部341で表示される図柄変動表示の変動パターン(変動表示時間)を事前に判断することが可能である。
【0129】
具体的に、第1入賞口314に遊技球が入球した場合、当否情報は、第1保留エリアREA1、第2保留エリアREA2、第3保留エリアREA3、第4保留エリアREA4の優先順位で空いている領域に格納される。保留数記憶エリアNAAには、第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4のうち当否情報が記憶されている数が保留数Nとして格納される。
【0130】
また、第2入賞口315に遊技球が入球した場合、当否情報は、第1保留エリアREB1、第2保留エリアREB2、第3保留エリアREB3、第4保留エリアREB4の優先順位で空いている領域に格納される。保留数記憶エリアNABには、第1保留エリアREB1〜第4保留エリアREB4のうち当否情報が記憶されている数が保留数Mとして格納される。
【0131】
即ち、遊技機10では、第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4、及び第1保留エリアREB1〜第4保留エリアREB4の最大保留数に対応する合計8つの記憶領域により、第1入賞口314及び第2入賞口315への入賞履歴としての当否情報をそれぞれ最大4つまで保留することが可能である。
【0132】
なお、第1入賞口314及び第2入賞口315に共通して最大保留数が8つの保留用エリアが設けられていることも他の実施形態として考えられ、この場合でも合わせて最大8つまで入賞履歴としての当否情報を保留することが可能である。当否情報の記憶処理は、制御プログラムに従った処理を実行することによりMPU41によって実行される。
【0133】
実行エリアAEは、メイン表示部36及び図柄表示部341における図柄変動表示が開始される際に、第1保留格納エリアREAの第1保留エリアREA1又は第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1に格納された当否情報を移動させるために用いられる記憶領域である。具体的には、第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1の当否情報が優先して実行エリアAEに移動され、第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1に当否情報が存在せず保留数記憶エリアNABが0である場合に、第1保留格納エリアREAの第1保留エリアREA1の当否情報が実行エリアAEに移動される。
【0134】
なお、第1保留格納エリアREAの保留数記憶エリアNAAに記憶されている保留数Mと第2保留格納エリアREBの保留数記憶エリアNABに記憶されているにおける保留数Nとの差が2以上である場合には、数が多い方の保留用エリアの値が優先して実行エリアAEに移動されることも他の実施形態として考えられる。また、第1保留格納エリアREAの第1保留エリアREA1及び第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1の当否情報が交互に実行エリアAEに移動されることも他の実施形態として考えられる。
【0135】
そして、MPU41は、1回の変動遊技の開始に際して、実行エリアAEに当否情報として記憶されている数値情報に基づいて大当たり抽選などを行う。このとき、第1保留格納エリアREAの第1保留エリアREA1が実行エリアAEに移動された場合には、第2保留エリアREA2に格納された当否情報は第1保留エリアREA1にシフトし、第3保留エリアREA3に格納された当否情報は第2保留エリアREA2にシフトし、第4保留エリアREA4に格納された当否情報は第3保留エリアREA3にシフトする。
【0136】
同じく、第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1が実行エリアAEに移動された場合には、第2保留エリアREB2に格納された当否情報は第1保留エリアREB1にシフトし、第3保留エリアREB3に格納された当否情報は第2保留エリアREB2にシフトし、第4保留エリアREB4に格納された当否情報は第3保留エリアREB3にシフトする。
【0137】
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜637の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCIN1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCIN1は、大当たり乱数カウンタC1と同様の範囲内(0〜738)で更新されるループカウンタである。大当たり乱数カウンタC1は、定期的に更新され、遊技球が第1入賞口314又は第2入賞口315に入賞したタイミングで保留格納エリア412bに格納される。
【0138】
大当たり当選となる乱数の値は、ROM411における当否テーブル記憶エリアに記憶された当否テーブルにより、低確率モード及び確変遊技状態である高確率モードに対応して2種類設定されている。ここで、図14(A)は低確率モードに対応する低確率モード当否テーブル、図14(B)は高確率モードに対応する高確率モード当否テーブルの一例を示す図である。
【0139】
図14(A)及び図14(B)に示す例では、低確率モード当否テーブル及び高確率モード当否テーブルとして、それぞれ大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率(大当たり確率)が遊技設定値に応じて異なる複数の当否テーブルが設けられている。低確率モード当否テーブル及び高確率モード当否テーブルは、6段階の遊技設定値1から6に対応してそれぞれ6つの当否テーブルを含む。遊技設定値6、遊技設定値5、遊技設定値3、遊技設定値2及び遊技設定値1の順に、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる大当たり確率が高く遊技者に有利となる。
【0140】
遊技設定値1では、0〜65535の65536個の乱数値のうち、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる乱数値の数は、低確率モード当否テーブルについては206個(0〜205)、高確率モード当否テーブルについては821個(0〜820)である。つまり、遊技設定値1では、低確率モードの大当たり確率が約1/318.1(206/65536)であり、高確率モードの大当たり確率が低確率モードの約4倍である約1/79.9(820/65536)である。
【0141】
遊技設定値2では、0〜65535の65536個の乱数値のうち、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる乱数値の数は、低確率モード当否テーブルについては212個(0〜211)、高確率モード当否テーブルについては845個(0〜844)である。つまり、遊技設定値2では、低確率モードの大当たり確率が約1/309.1(212/65536)であり、高確率モードの大当たり確率が低確率モードの約4倍である約1/77.6(845/65536)である。
【0142】
遊技設定値3では、0〜65535の65536個の乱数値のうち、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる乱数値の数は、低確率モード当否テーブルについては218個(0〜217)、高確率モード当否テーブルについては869個(0〜868)である。つまり、遊技設定値3では、低確率モードの大当たり確率が約1/300.6(218/65536)であり、高確率モードの大当たり確率が低確率モードの約4倍である約1/75.4(869/65536)である。
【0143】
遊技設定値4では、0〜65535の65536個の乱数値のうち、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる乱数値の数は、低確率モード当否テーブルについては224個(0〜223)、高確率モード当否テーブルについては893個(0〜892)である。つまり、遊技設定値4では、低確率モードの大当たり確率が約1/292.6(224/65536)であり、高確率モードの大当たり確率が低確率モードの約4倍である約1/73.4(893/65536)である。
【0144】
遊技設定値5では、0〜65535の65536個の乱数値のうち、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる乱数値の数は、低確率モード当否テーブルについては230個(0〜229)、高確率モード当否テーブルについては917個(0〜916)である。つまり、遊技設定値5では、低確率モードの大当たり確率が約1/284.9(230/65536)であり、高確率モードの大当たり確率が低確率モードの約4倍である約1/71.5(917/65536)である。
【0145】
遊技設定値6では、0〜65535の65536個の乱数値のうち、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる乱数値の数は、低確率モード当否テーブルについては236個(0〜235)、高確率モード当否テーブルについては941個(0〜940)である。つまり、遊技設定値6では、低確率モードの大当たり確率が約1/277.7(236/65536)であり、高確率モードの大当たり確率が低確率モードの約4倍である約1/69.6(941/65536)である。
【0146】
なお、大当たり乱数カウンタC1の値がこれらの大当たり当選となる乱数値以外である場合には大当たり抽選での抽選結果が外れとなる。
【0147】
ここで、低確率モード当否テーブル及び高確率モード当否テーブルでは、同一遊技設定値どうしの大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる乱数が共通するが、大当たりとなる乱数が共通していないことも考えられる。また、大当たり当選となる乱数は、連続した値でなく、一部又は全部が離散した値であってもよい。
【0148】
また、低確率モード当否テーブル及び高確率モード当否テーブルは、6段階の遊技設定値に応じて6つずつ設けられているが、各モードの当否テーブルは少なくとも1つあればよい。つまり、遊技設定値は6段階に限定されない。また、低確率モード当否テーブルを複数段階の遊技設定値に対応させて複数設ける一方、高確率モード当否テーブルを1つ設けることも考えられる。即ち、低確率モードに対して複数段階の遊技設定値を設け、高確率モードに対しては段階的な遊技設定値を設けず、大当たり確率を一様とすることも考えられる。もちろん、低確率モードでの大当たり確率を一様とし、高確率モードに対して複数段階の遊技設定値を設けてもよい。
【0149】
大当たり種別カウンタC2は、0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1入賞口314又は第2入賞口315に入賞したタイミングで保留格納エリア412bに格納される。遊技機10では、ROM411における振分テーブル記憶エリアに記憶された振分テーブルにより、確変大当たり及び通常大当たりの2種類の大当たり種別ごとに対応する大当たり種別カウンタC2の値が設定されている。
【0150】
ここで、図14(C)は振分テーブルの一例を示す図である。図14(C)に示す例では、変動遊技の種別が第1入賞口314への入賞を契機とする第1特別図柄遊技である場合、5R確変大当たりとなる乱数の数は0〜9の10個であり、16R確変大当たりとなる乱数の数は10〜14の5個であり、5R通常大当たりとなる乱数の数は15〜19の5個である。一方、変動遊技の種別が第2入賞口315への入賞を契機とする第2特別図柄遊技である場合、5R確変大当たりとなる乱数の数は0〜4の5個であり、16R確変大当たりとなる第4の乱数の数は5〜14の10個であり、5R通常大当たりとなる乱数の数は15〜19の5個である。即ち、遊技機10は、第1特別図柄遊技及び第2特別図柄遊技における確変大当たりの確率が同じである、いわゆるループ確変機である。また、遊技機10では、第1特別図柄に比べて第2特別図柄遊技における16R確変大当たりの確率が高く設定されている。即ち、確変遊技状態(高確率モードかつ電動役物315bの開放確率が高い高頻度サポートモード)では、時短遊技状態(低確率モードかつ高頻度サポートモード)や通常遊技状態(低確率モードかつ電動役物315bの開放確率が低い低頻度サポートモード)に比べて、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなった場合の遊技球の獲得期待値が高く設定されている。
【0151】
なお、本実施形態では、入賞により第1特別図柄遊技を実行する契機となる第1入賞口314、及び入賞により第2特別図柄遊技を実行する契機となる第2入賞口315ごとに個別の振分テーブルが設定されており、遊技球が第1入賞口314及び第2入賞口315のいずれに入賞したかに応じて大当たり種別の振り分け確率が異なるが、第1特別図柄遊技と第2特別図柄遊技とで大当たり種別の振り分け確率が同一であることも考えられる。また、遊技機10は、ループ確変機に限らず、いわゆるST機、V−ST機、一種二種混合機などとして構成することも考えられる。
【0152】
そして、MPU41は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり抽選での抽選結果が「5R確変大当たり」、「16R確変大当たり」、「5R通常大当たり」、及び「外れ」のいずれであるかを判定する。
【0153】
ここで、大当たり抽選での抽選結果が5R確変大当たり又は5R通常大当たりの場合は、大当たり遊技において可変入賞口316が開放されるラウンド遊技が5回繰り返される開閉実行モードが実行される。また、大当たり抽選での抽選結果が16R確変大当たりの場合は、大当たり遊技においてラウンド遊技が16回繰り返される開閉実行モードが実行される。
【0154】
5R確変大当たり又は16R確変大当たりの場合には、大当たり遊技の終了後に大当たりの当選確率が高い高確率モードかつ電動役物315bの開放確率が高い高頻度サポートモードである確変遊技状態に移行する。そして、本実施形態では、確変遊技状態は、MPU41によって大当たり抽選での抽選結果が「5R確変大当たり」、「16R確変大当たり」又は「5R通常大当たり」であると判定されるまで継続する。
【0155】
一方、5R通常大当たりの場合には、大当たり遊技の終了後に大当たりの当選確率が低い低確率モードかつ電動役物315bの開放確率が高い高頻度サポートモードである時短遊技状態に移行する。そして、本実施形態では、時短遊技状態(低確率モードかつ高頻度サポートモード)は、例えば50回、100回などの予め設定された規定回数の大当たりの抽選での抽選結果を遊技者に報知するまで継続し、又は規定回数の経過前に大当たりの抽選での抽選結果が大当たりであることを遊技者にした場合に終了する。
【0156】
ところで、遊技機10をループ確変機ではなく、ST機やV−ST機として構成する場合、確変大当たり時における大当たり遊技の終了後に、予め設定された規定回数(例えば50回、100回)の大当たり抽選が確変遊技状態(高確率モードかつ高頻度サポートモード)で実行され、規定回数が経過するまでに大当たり抽選での抽選結果が大当たりとならない場合に、通常遊技状態(低確率モードかつ低頻度サポートモード)に移行し、高頻度サポートモードが終了する。また、変動遊技において確変遊技状態から時短遊技状態や通常遊技状態への転落抽選を行うことも他の実施形態として考えられる。なお、大当たり抽選での抽選結果が外れの場合には、大当たり遊技状態及び時短遊技状態へは移行されない。本実施形態では、遊技機10が5R確変大当たり、16R確変大当たり及び5R通常大当たりの3種類の大当たり種別を有する場合を例に挙げて説明するが、これに限らず、例えば2ラウンド確変大当たり、2ラウンド通常大当たり、16R通常大当たりなどの他の大当たり種別を有することも考えられる。
【0157】
また、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。リーチ乱数カウンタC3は、定期的に更新され、遊技球が第1入賞口314又は第2入賞口315に入賞したタイミングで保留格納エリア412bに格納される。
【0158】
遊技機10では、リーチ乱数カウンタC3によって、大当たり抽選での抽選結果が外れである場合に図柄表示部341で表示される変動表示の停止結果の種別が選択される。具体的には、ROM411における外れ種別テーブル記憶エリアに記憶された外れ種別テーブルにより、リーチが発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する前後外れリーチ、同じくリーチが発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する前後外れ以外リーチ、及びリーチが発生しない完全外れの3種類の外れ種別ごとに対応するリーチ乱数カウンタC3の値が設定されている。
【0159】
ここで、図14(D)は外れ種別テーブルの一例を示す図である。図14(D)に示す例では、前後外れリーチとなる乱数の値は0〜8であり、前後外れ以外リーチとなる乱数の値は9〜38であり、完全外れとなる乱数の値は39〜238である。なお、MPU41は、5R確変大当たり、16R確変大当たり又は5R通常大当たりに当選する変動遊技、即ち開閉実行モードに移行する変動遊技においては、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生と判断する。
【0160】
ここに、リーチとは、図柄表示部341における図柄の変動表示が開始されてから図柄が停止表示されるまでの間に、大当たりに当選したことを示す飾り図柄の図柄組み合わせになりやすい状態が示される変動状態である。一例において、図柄表示部341における有効ライン上の3つの停止位置のうち2つの停止位置に同一の図柄が停止表示され、残りの1つの停止位置に対応する表示図柄が変動する状態である。また、図柄表示部341におけるリーチの変動状態中には、所定のキャラクタなどの動画が表示されて期待度を示唆するストーリー演出処理や、遊技者による操作ボタン20に対する操作が演出に反映される遊技者参加型の操作演出処理などが実行される。なお、これらの演出処理の実行中には図柄表示部341における変動表示が非表示となること、縮小又は拡大して表示されることも考えられる。
【0161】
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート317に遊技球が入賞したタイミングでRAM412における電役保留エリア412cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、電役保留エリア412cに格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物315bを所定時間だけ開放状態にするか否かの抽選が行われる。例えば、電動役物開放カウンタC4が0〜199である場合に当選、電動役物開放カウンタC4が200〜250である場合に外れであることが考えられる。
【0162】
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。具体的に、変動種別カウンタCS1は、大当たり抽選での抽選結果に応じて、図柄表示部341で表示される図柄変動表示の変動パターン種別(変動表示時間)を決定するものである。このように、変動パターン種別が決定されることで、音声ランプ制御装置5では、高速変動演出(基本演出、非リーチ演出)、ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出、スペシャルリーチ演出などの大まかな変動遊技演出種別が、変動パターン種別(変動表示時間)に応じて決定される。変動種別カウンタCS1は、MPU41により後述するメイン処理が1回実行されるごとに1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。また、変動種別カウンタCS1の値は、遊技球が第1入賞口314又は第2入賞口315に入賞したタイミングで保留格納エリア412bに格納される。
【0163】
そして、MPU41は、変動種別カウンタCS1と予め設定された変動テーブルとに基づいて変動表示時間を示す変動パターンを決定する。具体的に、MPU41は、ROM411の変動テーブル記憶エリアに予め記憶されている通常大当たり変動テーブル、確変大当たり変動テーブル、又は外れ変動テーブルを参照しつつ変動パターンの種別を特定する。なお、これらの変動テーブルは、低確率モード及び高確率モードごとに個別に設けられてもよい。また、確変大当たり変動テーブルは、5R確変大当たり及び16R確変大当たりのそれぞれに対して個別に設けられてもよい。
【0164】
ここで、図15(A)、図15(B)及び図15(C)は、通常大当たり変動テーブル、確変大当たり変動テーブル及び外れ変動テーブルの一例を示す図である。図15(A)、図15(B)及び図15(C)に示すように、通常大当たり変動テーブル、確変大当たり変動テーブル及び外れ変動テーブルでは、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターンが予め対応付けられている。そして、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が「5R通常大当たり」である場合は通常大当たり変動テーブル、抽選結果が「5R確変大当たり」又は「16R確変大当たり」である場合は確変大当たり変動テーブル、抽選結果が「外れ」である場合は外れ変動テーブルをそれぞれ参照し、変動パターンの種別を特定する。
【0165】
より具体的に、図15(A)及び図15(B)に示すように、通常大当たり変動テーブル及び確変大当たり変動テーブルでは、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン「01」〜「03」のいずれかが選択される。ここに、変動パターン「01」が選択された場合、音声ランプ制御装置5では変動種別(演出パターン種別)として変動表示時間が30sであるノーマルリーチ演出パターンが決定され、図柄表示部341においてノーマルリーチ演出パターンが実行される。ノーマルリーチ演出パターンは、変動遊技演出における最終の個別演出種別がノーマルリーチ演出となる演出パターンである。また、変動パターン「02」が選択された場合、音声ランプ制御装置5では変動種別(演出パターン種別)として変動表示時間が60sであるスーパーリーチ演出パターンが決定され、図柄表示部341においてスーパーリーチ演出パターンが実行される。スーパーリーチ演出パターンは、変動遊技演出における最終の個別演出種別がスーパーリーチ演出となる演出パターンである。さらに、変動パターン「03」が選択された場合、音声ランプ制御装置5では変動種別(演出パターン)として変動表示時間が最も長い90sであるスペシャルリーチ演出パターンが決定され、図柄表示部341においてスペシャルリーチ演出パターンが実行される。スペシャルリーチ演出パターンは、変動遊技演出における最終の個別演出種別がスペシャルリーチ演出となる演出パターンである。
【0166】
図15(C)に示すように、外れ変動テーブルでは、リーチ乱数カウンタC3の値によって決定される外れ時の停止種別(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)ごとに、変動種別カウンタCS1と変動パターンとの対応関係が定められている。より具体的に、外れ時の停止種別が前後外れリーチ又は前後外れ以外リーチである場合には、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン「01」〜「03」のいずれかが選択される。一方、外れ時の停止種別が完全外れである場合には、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン「04」又は「05」のいずれかが選択される。なお、変動パターン「04」が選択された場合、音声ランプ制御装置5では変動種別(演出パターン種別)として変動表示時間が7sであるリーチなし演出パターン(非リーチ演出パターン)が決定され、図柄表示部341において非リーチ演出パターンが実行される。また、変動パターン「05」が選択された場合、音声ランプ制御装置5では変動種別(演出パターン種別)として変動表示時間が10sであるリーチなし演出パターン(非リーチ演出パターン)が決定され、図柄表示部341において非リーチ演出パターンが実行される。
【0167】
例えば、遊技機10では、変動パターン「04」に対応する外れ時の変動表示として、キャラクタ、メッセージなどが表示される予告演出などを伴うことなく変動表示が外れ図柄で停止する外れパターンの変動表示が実行される。また、遊技機10では、変動パターン「05」に対応する外れ時の変動表示として、キャラクタ、メッセージなどが表示される予告演出などを伴って変動表示が外れ図柄で停止する外れパターンの変動表示が実行される。また、変動パターン「05」に対応する外れ時の変動表示の際には、遊技者による操作ボタン20の操作が反映される遊技者参加型の操作演出が予告演出として実行されることもある。
【0168】
なお、変動パターンの種別は、図15(A)、図15(B)及び図15(C)に示す例には限定されない。また、確変大当たり変動テーブルは、5R確変大当たり及び16R確変大当たりのそれぞれに対して個別に設けられてもよい。
【0169】
例えば、遊技機10では、変動パターン「01」に対応するノーマルリーチ演出パターンにおいて実行されるノーマルリーチ演出として、キャラクタ、ストーリーなどが異なる複数種類のノーマルリーチ演出が用意されており、その中から選択されたいずれかのノーマルリーチ演出が実行される。
【0170】
同じく、遊技機10では、変動パターン「02」に対応するスーパーリーチ演出パターンにおいて実行されるスーパーリーチ演出として、キャラクタ、ストーリーなどが異なる複数種類のスーパーリーチ演出が用意されており、その中から選択されたいずれかのスーパーリーチ演出が実行される。スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも変動時間が長いリーチ演出であり、ノーマルリーチ演出よりも大当たり抽選での抽選結果が大当たりである確率(期待度)が高く、スペシャルリーチ演出よりも大当たり当選している確率(期待度)が低いことを遊技者に示唆する際に実行される。
【0171】
さらに、遊技機10では、変動パターン「03」に対応するスペシャルリーチ演出パターンにおいて実行されるスペシャルリーチ演出として、キャラクタ及びストーリーなどが異なる複数種類のスペシャルリーチ演出が用意されており、その中から選択されたいずれかのスペシャルリーチ演出が実行される。スペシャルリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも変動時間が長いリーチ演出であって、例えばノーマルリーチ演出又はスーパーリーチ演出から発展する演出である。スペシャルリーチ演出は、ノーマルリーチ演出やスペシャルリーチ演出よりも大当たり当選している確率(期待度)が高いことを遊技者に示唆する際に実行される。
【0172】
なお、変動パターンに対応する演出パターンには、遊技者による操作ボタン20に対する操作状況が演出に反映される操作演出、例えば単発操作が演出に反映される単発操作演出、遊技者による操作ボタン20の連打操作が演出に反映される連打操作演出、遊技者による操作ボタン20の長押し操作が演出に反映される長押し操作演出などの遊技者参加型の操作演出が含まれることがある。
【0173】
そして、MPU41は、メイン表示部36の第1特別図柄表示部362又は第2特別図柄表示部363及び図柄表示部341による変動表示時間を示す変動パターンを特定すると、その変動パターン及び大当たり抽選での抽選結果を示す変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置5に入力する。具体的に、MPU41は、抽選結果が「5R通常大当たり」である場合は、変動パターン「01」〜「03」の前に5R通常大当たりである旨を示す「A」を付した変動パターンコマンド「A01」〜「A03」のいずれかを出力する。また、MPU41は、抽選結果が「5R確変大当たり」である場合は、変動パターン「01」〜「03」の前に5R確変大当たりである旨を示す「B」を付した変動パターンコマンド「B01」〜「B03」のいずれかを出力する。さらに、MPU41は、抽選結果が「16R確変大当たり」である場合は、変動パターン「01」〜「03」の前に16R確変大当たりである旨を示す「C」を付した変動パターンコマンド「C01」〜「C03」のいずれかを出力する。また、MPU41は、抽選結果が「外れ」である場合は、変動パターン「01」〜「05」の前に外れである旨を示す「D」を付した変動パターンコマンド「D01」〜「D05」のいずれかを出力する。これにより、音声ランプ制御装置5は、変動パターンコマンドに基づいて、変動パターン(変動表示時間)及び抽選結果を判断することが可能であり、その変動パターン及び抽選結果に基づいて、図柄表示部341で表示される変動種別及び演出種別などの変動態様の詳細を決定する。そして、音声ランプ制御装置5は、決定した変動態様の詳細に基づいて図柄表示部341に変動表示を実行させ、スピーカ26から変動表示に合わせて音声を再生し、電飾部27を点灯、点滅又は消灯させる。
【0174】
このように、遊技機10では、主制御装置4のMPU41は、図柄表示部341における変動表示について、変動種別カウンタCS1及び変動テーブルに基づいて変動パターン(変動表示時間)を決定する簡易な処理を実行することになる。そのため、遊技機10のMPU41が8ビットマイコンで構成される場合であっても、そのMPU41により安定して大当たり抽選を実行することができる。また、実際に図柄表示部341に表示される変動態様の詳細は音声ランプ制御装置5で決定されるため、その変動態様としては多種多様な変動態様を選択的に実行することが可能である。
【0175】
ここで、図16は、図1に示す遊技機の主制御装置4のMPU41におけるRAM412に設定される遊技情報格納エリア412dの一例を示すブロック図である。遊技情報格納エリア412dには、遊技履歴、出玉性能などに関する遊技情報が格納されている。本実施形態では、遊技情報格納エリア412dには、遊技情報として、「アウト玉数」、「一般入賞口払出玉数」、「第1入賞口払出玉数」、「第2入賞口払出玉数」、「可変入賞口払出玉数」、「設定値」、「ベース情報」、「連続役物比率情報」、「役物比率情報」、「累積大当たり抽選回数」、「単位大当たり抽選回数」、「大当たり回数」、及び「連続外れ回数」が格納されている。これらの遊技情報のうち、「設定値」、「ベース情報」、「連続役物比率情報」、「役物比率情報」、及び「単位大当たり抽選回数」が出玉性能に関する遊技情報(性能情報)に該当する。
【0176】
「アウト玉数」は、通常遊技状態(低確率モードかつ低頻度サポートモード)において遊技盤31に発射された遊技球数の積算値である。この「アウト玉数」は、後述の図20の主タイマ割込処理でのステップS1001のセンサ検出処理においてアウト玉センサ318aによって検出されるアウト玉をカウントした値として格納される。
【0177】
「一般入賞口払出玉数」は、通常遊技状態(低確率モードかつ低頻度サポートモード)において一般入賞口313への入賞に対して払い出される遊技球の積算値である。この「一般入賞口払出玉数」は、通常遊技状態において入球センサ313aによって一般入賞口313への入賞が検出された場合に、後述の図23のメイン処理でのステップS1303の賞球コマンド設定処理において一般入賞口313への入賞に応じた賞球数の払い出しを払出制御装置7に行わせるための賞球コマンドを設定する際に、今回の入賞による払出玉数を加算した値に更新する。
【0178】
「第1入賞口払出玉数」は、通常遊技状態(低確率モードかつ低頻度サポートモード)において第1入賞口314への入賞に対して払い出される遊技球の積算値である。この「第1入賞口払出玉数」は、通常遊技状態において入球センサ314aによって第1入賞口314への入賞が検出された場合に、後述の図23のメイン処理でのステップS1303の賞球コマンド設定処理において第1入賞口314への入賞に応じた賞球数の払い出しを払出制御装置7に行わせるための賞球コマンドを設定する際に、今回の入賞による払出玉数を加算した値に更新する。
【0179】
「第2入賞口払出玉数」は、時短遊技状態(低確率モードかつ高頻度サポートモード)において第2入賞口315への入賞に対して払い出される遊技球の積算値である。この「第2入賞口払出玉数」は、時短遊技状態において入球センサ315aによって第2入賞口315への入賞が検出された場合に、後述の図23のメイン処理でのステップS1303の賞球コマンド設定処理において第2入賞口315への入賞に応じた賞球数の払い出しを払出制御装置7に行わせるための賞球コマンドを設定する際に、今回の入賞による払出玉数を加算した値に更新する。
【0180】
「可変入賞口払出玉数」は、大当たり遊技状態において可変入賞口316への入賞に対して払い出される遊技球の積算値である。この「可変入賞口払出玉数」は、大当たり遊技状態において入球センサ316aによって可変入賞口316への入賞が検出された場合に、後述の図23のメイン処理でのステップS1303の賞球コマンド設定処理において可変入賞口316への入賞に応じた賞球数の払い出しを払出制御装置7に行わせるための賞球コマンドを設定する際に、今回の入賞による払出玉数を加算した値に更新する。
【0181】
「設定値」は、大当たり抽選(当否判定)で用いる低確率モード当否テーブル(図14(A)参照)及び高確率モード当否テーブル(図14(B)参照)を選択するためのものである。換言すれば、「設定値」は、低確率モード及び高確率モードでの大当たり確率を規定する。本実施形態では、後述のように6段階の設定値(大当たり確率の異なる6種類の低確率モード当否テーブル(図14(A)参照)及び高確率モード当否テーブル(図14(B)参照))が準備されている。「設定値」は、後述の図27の設定値変更処理において更新される。
【0182】
「ベース情報」は、通常遊技状態(低確率モードかつ低頻度サポートモード)における払戻率(出玉率)である「ベース」に関する情報であり、この「ベース」は通常遊技状態における「アウト玉数」に対する「一般入賞口払出玉数」と「第1入賞口払出玉数」との合算払出玉数の比率である。「ベース」を数式で表すと、「ベース」=100×(「一般入賞口払出玉数」+「第1入賞口払出玉数」)/「アウト玉数」である。「ベース情報」は、現状ベースBL、前回6万玉ベースB1及び前々回6万玉ベースB2に関する情報を含む。ここで、前回6万玉ベースB1及び前々回6万玉ベースB2は、後述の図28の特定性能情報更新処理においてアウト玉数が60000玉に達するごとに更新される(ステップS1805及びS1806)。具体的には、直近のアウト玉数が60000玉に到達したときの「ベース」は前回6万玉ベースB1として、もう一つ前のアウト玉数が60000玉に到達したときの「ベース」は前々回6万玉ベースB2として、それぞれRAM412の遊技情報格納エリアの「ベース情報」として保存される。また、アウト玉数のカウンタ値が60000玉に到達するまでは現状ベースBLとして演算され(ステップS1804)、現状ベースBLがRAM412の遊技情報格納エリアの「ベース情報」として保存される。また、アウト玉数のカウンタ値が60000玉に到達するまでは現状ベースBLとして演算される場合、「ベース情報」には、先に説明した「一般入賞口払出玉数」、「第1入賞口払出玉数」及び「アウト玉数」とは別に、ベース演算用の「一般入賞口払出玉数」、「第1入賞口払出玉数」及び「アウト玉数」が格納される。
【0183】
なお、本実施形態では、「ベース情報」が「現状ベースBL」、「前回6万玉ベースB1」及び「前々回6万玉ベースB2」を含んでおり、過去2回分の6万玉ベースが履歴として残されているが、過去3回分以上の6万玉ベースを履歴として残すようにしてもよい。また、「ベース情報」として、遊技機10が遊技ホールに設置されてから現在に至るまの累積ベースを含ませてもよい。
【0184】
「連続役物比率情報」は、賞球の払い出しがある全ての入賞口(一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315及び可変入賞口316)への入賞による総払出玉数において、可変入賞口払出玉数が占める比率である「連続役物比率」に関する情報である。「連続役物比率」を数式で表すと、「連続役物比率」=100×「可変入賞口払出玉数」/「総払出玉数」である。「連続役物比率情報」は、例えば後述の図28の特定性能情報更新処理において更新される。本実施形態では、「連続役物比率情報」は、遊技機10が遊技ホールに設置されてからの現在に至るまでの累積連続役物比率として記憶される。なお、「連続役物比率情報」は、一定期間(例えば一定数の大当たり回数(例えば100回)に対するもの、通常遊技状態での一定数の大当たり抽選(例えば1000回)が実行されるまでの期間、アウト玉数が一定数(例えば6万玉)に達するまでの期間)に対する連続役物比率であってもよい。もちろん、「連続役物比率情報」は、累積連続役物比率と、一定数期間での連続役物比率との両方を含んでいてもよい。
【0185】
「役物比率情報」は、賞球の払い出しがある全ての入賞口(一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315及び可変入賞口316)への入賞による総払出玉数において、第2入賞口払出玉数と可変入賞口払出玉数との合算払出玉数が占める比率である「役物比率」に関する情報である。「役物比率」を数式で表すと、「役物比率」=100×(「第2入賞口払出玉数」+「可変入賞口払出玉数」)/「総払出玉数」である。「役物比率情報」は、例えば後述の図28の特定性能情報更新処理において更新される。本実施形態では、「役物比率情報」は、遊技機10が遊技ホールに設置されてからの現在に至るまでの累積役物比率として記憶される。なお、「役物比率情報」は、一定期間(例えば一定数の大当たり回数(例えば100回)に対するもの、通常遊技状態での一定数の大当たり抽選(例えば1000回)が実行されるまでの期間、アウト玉数が一定数(例えば6万玉)に達するまでの期間)に対する役物比率であってもよい。もちろん、「連続役物比率情報」は、累積役物比率と、一定数期間での役物比率との両方を含んでいてもよい。
【0186】
「累積大当たり抽選回数」は、遊技ホールの営業開始前に遊技機10の起動が開始されてから現在に至るまでに、通常遊技状態(低確率モードかつ低頻度サポートモード)において大当たり抽選を行った回数である。換言すれば、「累積大当たり抽選回数」は、通常遊技状態における第1入賞口314への入賞を契機としてメイン表示部36の第1特別図柄表示部362の図柄変動表示が実行された累積変動表示回数でもある。「累積大当たり抽選回数」は、後述の図26の変動開始処理でのステップS1606でメイン表示部36の図柄変動表示を開始させるごとに1ずつ加算される。また、「累積大当たり抽選回数」は、遊技機10の主電源のオフによってRAM412の遊技情報格納エリア412dからクリアされる。
【0187】
「単位大当たり抽選回数」は、通常遊技状態(低確率モードかつ低頻度サポートモード)における一定数のマイナス差玉当たりの、第1入賞口314への入賞を契機として大当たり抽選を受けた回数(メイン表示部36の第1特別図柄表示部の図柄変動表示が実行された回数)である。本実施形態では、一定数は「250玉」であり、差玉は「アウト玉数」から「一般入賞口払出玉数」及び「第1入賞口払出玉数」を差し引いた玉数である。つまり、「単位大当たり抽選回数」は、遊技ホールで1000円に対して250玉の貸玉を受ける場合、1000円平均の第1特別図柄表示部362の第1特別図柄の変動表示回数(大当たり抽選を受けた回数)である。なお、「単位大当たり抽選回数」は、通常遊技状態における一定数の「アウト玉数」当たりの大当たり抽選を受けた回数であってもよい。「単位大当たり抽選回数」は、後述の図28の特定性能情報更新処理において更新される。本実施形態では、「単位大当たり抽選回数」は、遊技機10が遊技ホールに設置されてからの現在に至るまでの累積単位大当たり抽選回数として記憶される。なお、「単位大当たり抽選回数」は、一定期間(例えば一定数の大当たり回数(例えば100回)に対するもの、通常遊技状態での一定数の大当たり抽選(例えば1000回)が実行されるまでの期間、アウト玉数が一定数(例えば6万玉)に達するまでの期間)に対するものであってもよい。もちろん、「単位大当たり抽選回数」として、累積単位大当たり抽選回数と、一定数期間での単位大当たり抽選回数との両方を遊技情報として記憶してもよい。
【0188】
「大当たり回数」は、遊技ホールの営業開始前に遊技機10の起動が開始されてから現在に至るまでに行った大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなった回数である。「大当たり回数」は、後述の図23のメイン処理でのステップS1306で実行される遊技状態移行処理において、遊技状態を大当たり遊技状態に移行させるごとに1ずつ加算される。また、「大当たり回数」は、遊技機10の主電源のオフによってRAM412の遊技情報格納エリア412dからクリアされる。
【0189】
「連続外れ回数」は、通常遊技状態(低確率モードかつ低頻度サポートモード)において大当たり抽選での抽選結果が連続して外れとなった回数であり、抽選結果が大当たりである場合に0回にクリアされる。「連続外れ回数」は、後述の図26の変動開始処理でのステップS1606でメイン表示部36の図柄変動表示を開始させる場合に、ステップS1603での低確率モード当否テーブルに基づく当否判定の結果が外れであれば1ずつ加算され、当否判定の結果が大当たりである場合に0回にクリアされる。本実施形態では、「連続外れ回数」は、遊技機10の主電源のオフによってRAM412の遊技情報格納エリア412dからクリアされる。もちろん、「連続外れ回数」は、遊技機10の主電源のオフによって遊技情報格納エリア412dからクリアされないようにしてもよい。
【0190】
図12の説明に戻り、性能情報表示装置4Aは、RAM412に設定される遊技情報格納エリア412dに遊技情報(性能情報)として格納される「ベース情報」及び「設定値」を表示するものである。性能情報表示装置4Aは、性能表示モニタ43、性能表示スイッチ44、設定値表示部45、設定値変更操作部46及びROM47を備える。ここで、図17は、性能情報表示装置4Aの一例を模式的に示す図である。
【0191】
図17に示すように、性能表示モニタ43は、遊技機10での「ベース情報」を表示するものであり、内枠12を展開した状態において、視認可能な位置に設けられている(図3参照)。性能表示モニタ43は、複数(本実施形態では4つ)の7セグメント表示器431〜434により構成されており、4ケタ7セグと称されるものである。なお、性能表示モニタ43は、主制御装置4に設けることが好ましいが、メイン制御ユニット331における主制御装置4以外の装置に設けられてもよく、メイン制御ユニット331以外の遊技の他の構成要素に設けられてもよい。また、メイン表示部36の第1特別図柄表示部362及び/又は第2特別図柄表示部363を利用して「ベース情報」を表示させることも考えられる。
【0192】
7セグメント表示器431〜434は、「0」〜「9」の数字、及び「A」〜「F」のアルファベットを表示可能である。なお、7セグメント表示器431〜434では、アルファベットの「B」を表示する場合に数字の「8」と区別するためにドットが点灯されて「8.」と表示され、アルファベットの「D」を表示する場合に数字の「0」と区別するためにドットが点灯されて「0.」と表示される。また、「A」〜「F」のアルファベットのいずれのアルファベットを表示する場合においても、アルファベットであることを明示するめにドットを点灯させることも考えられる。
【0193】
性能表示モニタ43は、4つの7セグメント表示器431〜434のうちの左2つの7セグメント表示器431,432が「ベース種別」が略記号で表示される識別セグであり、右2つの7セグメント表示器433,434がMPU41によって演算されるベース値(%)が表示される比率セグである。例えば、現状ベースBLが31%であるある場合には、識別セグである左2つの7セグメント表示器431,432において現状ベースBLの略記号である「BL」が「8.」、「L」として表示され、比率セグである右2つの7セグメント表示器433,434においてベース値である「31」が「3」、「1」として表示される。つまり、4つの7セグメント表示器431〜434では、左から順に、「8.」、「L」、「3」、「1」と表示される。
【0194】
性能表示スイッチ44は、押下操作によって性能表示モニタ43(4つの7セグメント表示器431〜434)の電源のオンオフを一括して切り替えるものであり、内枠12を展開した状態において操作容易な位置に設けられる(図3参照)。図示した例では、性能表示スイッチ44の上半部が押下されることで電源がオンにされ、下半部が押下されることで電源がオフにされる。性能表示スイッチ44に対して電源をオンにする操作が行われると、4つの7セグメント表示器431〜434に通電され、性能表示モニタ43でのベース情報の表示が可能にされる。一方、性能表示スイッチ44に対して電源をオフにする操作が行われると、4つの7セグメント表示器431〜434への通電が遮断され、性能表示モニタ43でのベース情報が非表示にされる。なお、性能表示スイッチ44は、主制御装置4以外に設けられてもよい。
【0195】
ここで、図18(A)は、性能表示モニタ43での表示例である。図18(A)に示すように、性能表示スイッチ44がオフである場合、7セグメント表示器431〜434が消灯状態であるため、ベース情報が非表示状態とされる。図18(B)〜図18(D)に示すように、性能表示スイッチ44がオンにされると、性能表示スイッチ44がオフにされない限り、「ベース情報」として、現状ベースBL→前回6万玉ベースB1→前々回6万玉ベースB2→現状ベースBLに順にループして、各ベースが一定時間ごとに繰り返し表示される。図18(B)に示す例では現状ベースBLが28%であることを示し、図18(C)に示す例では前回6万玉ベースB1が34%であることを示し、図18(D)に示す例では前々回6万玉ベースB2が32%であることを示している。一方、図18(A)に示すように、性能表示スイッチ44がオフされた場合、7セグメント表示器431〜434が消灯され、性能表示モニタ43でのベース情報が非表示とされる。
【0196】
なお、性能表示モニタ43に「ベース情報」を表示させるのに必要なプログラム、例えば現状ベースBL、前回6万玉ベースB1及び前々回6万玉ベースB2を演算するプログラム、性能表示モニタ43に現状ベースBL、前回6万玉ベースB1及び前々回6万玉ベースB2を一定時間ごとに順に表示させるプログラムなどは、主制御装置4にMPU41のROM412とは別に設けられるROM47に格納される。これにより、MPU41のROM411の負荷を軽減できる。但し、MPU41のROM411に容量的な余裕がある場合には、ROM411に性能表示モニタ43に「ベース情報」を表示させるのに必要なプログラムを格納してもよい。また、主制御装置4にとは別に設けられるROMなどの記憶手段に性能表示モニタ43に「ベース情報」を表示させるのに必要なプログラムを格納してもよい。
【0197】
また、性能表示モニタ43では、「ベース情報」に代えて、又は「ベース情報」に加えて、「連続役物比率情報」や「役物比率情報」などの遊技情報格納エリア412dに格納された他の性能情報を表示させてもよい。
【0198】
また、性能表示モニタ43は、7セグメント表示器に限らず、ドットマトリクスディスプレイ、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの他の形態の表示器により構成されてもよい。
【0199】
図17の説明に戻り、設定値表示部45は、大当たり抽選で参照する低確率モード当否テーブル(図14(A)参照)及び高確率モード当否テーブル(図14(B)参照)を選択するための上述の設定値を表示するものであり、7セグメント表示器によって構成されている。なお、設定値表示部45は、7セグメント表示器に限らず、ドットマトリクスディスプレイ、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの他の形態の表示器により構成されてもよく、性能表示モニタ43を利用して設定値を表示するようにしてもよい。
【0200】
設定値変更操作部46は、押下操作によって7セグメント表示器の電源のオンオフを切り替え、7セグメント表示器の電源がオンである場合に回転操作されることによって設定値の変更を可能にする。設定値変更操作部46は、例えば押下操作によってオンオフされる接点式スイッチとしての機能と、回転操作(所定角度の回転)によって接点が切り替えられるロータリースイッチとしての機能とを有する。ここで、図19は、主制御装置の設定値表示部45での表示例を示す図である。
【0201】
図19(A)に示すように、設定値表示部45が消灯状態である場合に設定値変更操作部46に対する押下操作がなされると、7セグメント表示器が通電されることで設定値表示部45に数字が表示される。このときに表示される数字は、RAM412の遊技情報格納エリア412dに格納された設定値であり、現在の設定値を示している。図示した例では、設定値は「1」である。一方、設定値表示部45が点灯状態である場合に設定値変更操作部46に対する押下操作がなされると、7セグメント表示器への通電が遮断されることで設定値表示部45が消灯状態となる。
【0202】
図19(B)に示すように、設定値表示部45が点灯状態である場合に設定値変更操作部46に対する回転操作がなされると、設定値表示部45に表示される数字が変更される。図示した例では、設定値表示部45が右回転されることで設定値表示部45に表示される数字が大きくなり、設定値表示部45が左回転されることで設定値表示部45に表示される数字が小さくなる。そして、設定値表示部45が回転されることで設定値表示部45に表示される数字が変更された場合、変更後の数字が設定値としてRAM412の遊技情報格納エリア412dに保存される。そのため、目的とする設定値に対応する数字を設定値表示部45に表示させた状態で設定値変更操作部46を押下して7セグメント表示器の電源がオフにされた場合、電源がオフされる直前に表示されていた数字が設定値として決定される。これにより、MPU41は、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存された設定値に応じて選択される低確率モード当否テーブル(図14(A)参照)又は高確率モード当否テーブル(図14(B)参照)に基づいて大当たり抽選を行うことができる。
【0203】
なお、設定値を変更する方法は、設定値変更操作部46を回転させてから設定値表示部45の電源をオフにする方法には限らない。例えば、設定値変更操作部46を回転させてから操作ボタン20(図1参照)を押下することで設定値を決定する方法、操作ボタン20(図1参照)を連打又は長押しすることで設定値表示部45に表示される数字を変更させてから設定値表示部45の電源をオフにする方法、主制御装置4などに設けられる鍵穴に鍵を差し込んで鍵を回転させることで設定値表示部45に表示される数字を変更させてから鍵を抜く方法などであってもよい。
【0204】
ここで、設定値表示部45を備える性能情報表示装置4Aは、制御ユニット33におけるメイン制御ユニット331の主制御装置4に設けられている。また、制御ユニット33は、遊技盤31の背面側に設けられ、前面枠11に対して開閉可能である。そのため、設定値表示部45は、遊技盤31の背面側に設けられ、遊技盤31と共に制御ユニット33を前面枠11に対して開閉させることで、遊技機10の外部(前面枠11の正面側)から視認可能な状態と視認不能な状態とを選択可能である。即ち、遊技盤31(制御ユニット33)を前面枠11に対して閉鎖することで設定値表示部45を視認できない一方で、遊技盤31(制御ユニット33)を前面枠11に対して開放することで設定値表示部45を視認できる。これにより、遊技者が遊技機10において遊技を実行する場合、遊技盤31が開放されない限り、設定値表示部45が視認されることがないため、設定値表示部45に表示される数字によって設定値が遊技者に把握されることが防止される。そして、設定値表示部45は、点灯状態である場合に設定値変更操作部46に対する押下操作がなされることで消灯状態とされる。そのため、遊技ホールの営業時間中に設定値表示部45の消灯状態を維持することで、遊技機10などでの玉詰まりなどにより遊技盤31を開放することで設定値表示部45が視認可能な状態とされても、設定値表示部45によって設定値が遊技者に把握されることを防止できる。
【0205】
一方、設定値表示部45は、消灯状態である場合に設定値変更操作部46に対する押下操作がなされることで点灯状態とされ、設定値に対応する数字が非表示にされる。そのため、遊技ホールの営業時間外において、遊技盤31を前面枠11に対して開放し、設定値変更操作部46に対する押下操作を行うことで、設定値表示部45が点灯状態とされることによって設定値表示部45に表示される数字に基づいて設定値を確認することができ、さらに、設定値変更操作部46に対する回転操作によって設定値を変更することができる。これにより、営業時間内での設定値の秘匿性を確保しつつ、簡易な作業によって営業時間外において設定値の変更が可能になる。
【0206】
[サブ制御ユニット332]
図12に示すように、サブ制御ユニット332は、音声ランプ制御装置5及び表示制御装置6を備えており、主制御ユニット331から入力される制御信号に基づいて図柄表示部341における図柄変動表示及び演出表示を実行する。
【0207】
[音声ランプ制御装置5]
音声ランプ制御装置5は、MPU51及び入出力I/F52などを備える。MPU51は、1チップマイコンとして構成された演算装置である。また、MPU51には、ROM511及びRAM512が内蔵されている。
【0208】
ROM511は、制御プログラム及びパラメータ情報が予め記憶された不揮発性の記憶部である。また、ROM511には、変動遊技演出、大当たり遊技演出などで使用される音声、ランプ点滅パターンなどの情報も記憶されている。RAM512は、種々の情報の読み書きが可能な揮発性の記憶部であり、MPU51によって実行される処理の一次記憶領域(作業領域)として使用される。なお、RAM512は、不揮発性の記憶部であってもよい。
【0209】
音声ランプ制御装置5は、ROM511に記憶されている制御プログラムに従った処理をMPU51によって実行することにより、主制御装置4から入力されるコマンド(制御信号)に基づいて、表示制御装置6にコマンド(制御信号)を入力し、図柄表示部341の表示を制御する。また、音声ランプ制御装置5は、図柄表示部341の表示に合わせてスピーカ26からの再生音声出力及び電飾部27の点滅態様も制御する。例えば、MPU51は、後述の変動遊技演出及び大当たり遊技演出を実行する場合に、図柄表示部341での画像表示、スピーカ26からの再生音声出力及び電飾部27の点滅態様を制御する。
【0210】
入出力I/F52は、音声ランプ制御装置5に信号を入力し、音声ランプ制御装置5から制御信号を出力する入出力インターフェースである。具体的に、入出力I/F52には、主制御装置4及び表示制御装置6が接続されている。そして、主制御装置4から音声ランプ制御装置5には、変動パターンコマンド、第1保留コマンド、第2保留コマンド、シフトコマンドなどのコマンドが入力される。また、音声ランプ制御装置5は、表示制御装置6に表示変動パターンコマンドなどを出力する。なお、表示制御装置6が、主制御装置4からのコマンドを受信し、そのコマンドを音声ランプ制御装置5に入力する構成も他の実施形態として考えられる。また、サブ制御ユニット332が、音声ランプ制御装置5及び表示制御装置6の両方の機能を有する一つの制御装置を備える構成も他の実施形態として考えられる。
【0211】
また、入出力I/F52には、スピーカ26及び電飾部27が接続されている。そして、音声ランプ制御装置5では、MPU51が、主制御装置4から入力されるコマンドに基づいて、スピーカ26から出力される音声、電飾部27の点滅態様、遊技球滞留部38のストッパ部383の上下動、7セグメント表示部39などを制御することが可能である。MPU51によって遊技球滞留部38のストッパ部383の上下動が制御されることで、遊技球滞留部38の滞留レーン381においてクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球された遊技球(特殊アウト玉)が滞留される状態と、滞留レーン381に滞留された遊技球(特殊アウト玉)が排出レーン382を介して排出される状態とが選択される。また、7セグメント表示部39の各セグメントA〜Gは、MPU51によって点灯又は消灯が制御される。また、入出力I/F52には、操作スイッチ20aが接続されている。これにより、MPU51は、操作ボタン20に対して操作が行われたことを検出し、それの検出結果に基づいて、図柄表示部341で実行される画像遊技演出、スピーカ26から音声が出力される音声出力演出、電飾部27の点滅態様によるランプ演出などを制御することも可能である。
【0212】
MPU51は、主制御装置4から入力される変動パターンコマンド、第1保留コマンド、第2保留コマンド、シフトコマンドなどのコマンドに基づいて所定の演算処理を実行する。
【0213】
具体的に、MPU51は、変動パターンコマンドが入力された場合に、変動パターンコマンドに基づいて変動パターン(飾り図柄の停止図柄組み合わせ(図38(A)参照)、変動表示時間、変動種別(図38(B)参照))、及び演出パターン種別(図39(A)〜図37(C)参照)を決定し、その変動パターンに対応する表示変動パターンコマンドを表示制御装置6に送信し(図37のコマンド判定処理でのステップS2105参照)、図柄表示部341における図柄変動表示を開始させる。このとき、図柄表示部341では、変動パターンコマンドが外れを示す場合には外れに対応する飾り図柄の組み合わせが表示される。
【0214】
[表示制御装置6]
表示制御装置6は、音声ランプ制御装置5から入力されるコマンド(制御信号)に基づいて図柄表示部341の表示を制御する。具体的に、表示制御装置6は、音声ランプ制御装置5から入力される表示変動パターンコマンドなどに基づいて図柄表示部341の表示を制御することにより図柄変動表示及び演出表示を実行する。
【0215】
表示制御装置6は、MPU61及び入出力I/F62などを備え、入出力I/F62には音声ランプ制御装置5及び図柄表示部341が接続されている。なお、音声ランプ制御装置5及び表示制御装置6の間は双方向通信可能であってもよい。
【0216】
MPU61は、1チップマイコンとして構成された演算装置であり、MPU61には、ROM611及びRAM612が内蔵されている。また、表示制御装置6には、時間を計時するタイマ回路、割込を受け付ける割込回路などの他の回路も内蔵されている。MPU61は、ROM611などに記憶されている制御プログラムに従って処理を実行する。また、表示制御装置6で実行される処理の一部又は全部は電子回路によって実行されてもよい。
【0217】
ROM611には、制御プログラムの他、図柄表示部341の図柄変動表示で用いられる飾り図柄などの変動図柄、予告演出画像、リーチ演出画像、大当たり演出画像、外れ演出画像などの画像が複数種類記憶されている。なお、図柄表示部341に表示される画像には静止画及び動画が含まれる。また、ROM611には、変動表示パターンコマンドごとに対応する表示スケジュールが記憶されている。具体的に、表示スケジュールには、使用する画像の種類や表示タイミングの他、変動図柄の変動表示時間も含まれる。そして、表示制御装置6では、MPU61が、変動表示パターンコマンドに対応する表示スケジュールに従って画像を図柄表示部341に表示させることにより図柄変動表示及び演出表示が実現される。
【0218】
RAM612は、種々の情報の読み書きが可能な揮発性の記憶部であり、MPU61によって実行される処理の一次記憶領域(作業領域)として使用される。なお、RAM612は不揮発性の記憶部であってもよい。
【0219】
[払出制御装置7]
払出制御装置7には、MPU71及び入出力I/F72などが搭載されている。MPU71は、1チップマイコンとして構成された演算装置である。また、MPU71には、ROM711及びRAM712が内蔵されている。
【0220】
ROM711は、制御プログラム及びパラメータ情報が予め記憶された不揮発性の記憶部である。また、RAM712は、種々の情報の読み書きが可能な揮発性の記憶部であり、MPU71によって実行される処理の一次記憶領域(作業領域)として使用される。なお、RAM712は不揮発性の記憶部であってもよい。
【0221】
入出力I/F72は、払出制御装置7に信号を入力し、払出制御装置7から制御信号を出力する入出力インターフェースである。具体的に、入出力I/F72には、払出装置132及び球貸装置100が接続されている。
【0222】
払出装置132は、前述したように、タンク131から上皿23に向けて遊技球を払い出すものであり、遊技球の払出の有無を切り換える球止部材を駆動させるモーターなどの駆動部132aと、払い出される遊技球を個別に検出する払出センサ132bとを備える。払出制御装置7は、払出センサ132bによる検出結果に基づいて駆動部132aを制御することにより任意の数の遊技球を払い出す。また、払出制御装置7には、状態復帰スイッチ73が設けられている。状態復帰スイッチ73は、例えば、払出装置132の球詰まりなどの払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。
【0223】
球貸装置100は、遊技機10と併せて島設備に設置される。そして、球貸装置100は、遊技機10の前面枠11に設けられている不図示の球貸操作装置の操作に応じて、球貸装置100に挿入されているカードなどの記録媒体に記憶されている金額の範囲内で予め設定された金額に相当する数の遊技球を払い出して遊技者に貸し出すことが可能である。具体的には、球貸装置100から払出制御装置7に、所定数の遊技球を払い出す旨の制御信号が入力されることにより、MPU71により払出装置132が制御されて所定数の遊技球が払い出される。なお、記録媒体はカードに限らず、例えばICチップを内蔵するコイン型、スティック型の記憶媒体であってもよい。また、球貸装置100は、現金の挿入によりその現金に応じた所定数の遊技球を貸し出すことが可能なものであってもよい。
【0224】
[発射制御装置8]
発射制御装置8は、遊技球発射機構32の駆動を制御する発射制御IC81を備える。具体的に、発射制御IC81は、発射ハンドル22が回転操作されている間、遊技球発射機構32の球送り装置322を駆動させることにより、上皿23に貯留されている遊技球を発射レール321上に供給させる。そして、発射制御IC81は、発射ハンドル22の操作量を検出し、その操作量に応じて遊技球発射機構32のソレノイド323を駆動させることにより、発射レール321上の遊技球を遊技盤31に向けて発射させる。このとき、発射制御IC81は、予め設定された周期(例えば0.6sec)でON/OFFが切り替わるクロック信号を駆動信号として球送り装置322及びソレノイド323を駆動させる。これにより、遊技機10では、0.6secごとに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射される。
【0225】
また、発射ハンドル22には、遊技者による回転操作量を検出するための可変抵抗が設けられており、発射ハンドル22の回転操作量に応じて電圧が発射制御IC81に入力される。これにより、発射制御IC81は、発射ハンドル22の回転操作量に応じて入力される電圧値に基づいて、発射ハンドル22の回転操作量が多いほど遊技球発射機構32からの遊技球の発射強度が強くなるようにソレノイド323への印加電圧を調整する。
【0226】
さらに、発射ハンドル22には、遊技者が発射ハンドル22に触れていることを検出するためのタッチセンサ21a、及び遊技者が任意に遊技球の発射を停止させるための操作を行う球止めスイッチ21bが設けられている。発射制御IC81は、タッチセンサ21a及び球止めスイッチ21bを用いて、タッチセンサ21aにより遊技者が発射ハンドル22に触れていないことを検出した場合、又は球止めスイッチ21bが遊技者によって操作されていることを検出した場合に、遊技球発射機構32による遊技球の発射を停止させる。これにより、例えば発射ハンドル22が回転操作された状態で固定され、遊技者が発射ハンドル22に触れていない状況における遊技が防止される。また、遊技者は、発射ハンドル22を回転操作したまま親指などで球止めスイッチ21bを任意のタイミングで操作することにより、球技球の発射を停止させることができる。
【0227】
[電源制御装置9]
電源制御装置9は、種々のセンサ、駆動部などを駆動するための+12V電圧、制御装置で使用されるロジック用の+5V電圧などを生成する。そして、電源制御装置9は、生成した+12V又は+5Vの電圧を、主制御装置4、音声ランプ制御装置5、表示制御装置6、払出制御装置7、発射制御装置8などに供給する。
【0228】
なお、電源制御装置9には、遊技機10の電源をON/OFFするための電源スイッチ90、遊技機10を初期状態に戻す際に操作されるRAM消去スイッチ91が設けられている。遊技機10は、RAM消去スイッチ91がONの状態で電源スイッチ90が操作されて電源が投入された場合に初期化される。
【0229】
また、電源制御装置9には、電源設備から供給される電力により充電される充電手段としてコンデンサ及び二次電池が設けられている。これにより、遊技機10では、電源設備からの電力供給が遮断された場合でも、制御装置に設けられたRAMの情報が、前記コンデンサから放電される電力によって所定期間保持される。また、遊技機10では、電源設備からの電力供給が遮断された場合でも、制御装置が、二次電池から放電される電力により所定期間の間は駆動可能である。
【0230】
さらに、電源制御装置9は、電力供給が遮断されたと判断した場合に、主制御装置4、音声ランプ制御装置5、払出制御装置7などに停電信号を入力する。例えば、電源制御装置9は、電源設備から供給される電力に基づいて予め設定された24Vの直流電圧を出力する場合、その直流電圧が予め設定された22V未満に達した場合に停電状態であると判断する。なお、主制御装置4、音声ランプ制御装置5、払出制御装置7などは、電源制御装置9から停電信号を受信すると、実行中の制御を中断して所定のNMI割込処理を実行する。
【0231】
[主制御装置4の処理]
次に、図20〜図33を参照しつつ、主制御装置4のMPU41によって実行される処理について説明する。具体的に、遊技機10において、MPU41は、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理、立ち上げ処理後に実行されるメイン処理、定期的に起動される主タイマ割込処理、停電時に実行されるNMI割込処理などを実行する。なお、本実施形態では、立ち上げ処理、NMI割込処理などについては説明を省略し、主タイマ割込処理及びメイン処理について説明する。また、立ち上げ処理では、RAM412が正常に動作しているか否かが確認され、RAM412が正常に動作していることを条件に主タイマ割込処理の実行が許可される。
【0232】
[主制御装置4の主タイマ割込処理]
ここで、図20は、主制御装置4のMPU41により実行される主タイマ割込処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。主タイマ割込処理は、例えば2msecごとに実行される。以下、図20を参照しつつ、主タイマ割込処理を説明する。
【0233】
<ステップS1001>
図20に示すように、ステップS1001では、MPU41は、主制御装置4に接続されているセンサなどの検出状態を判断するセンサ検出処理を実行する。例えば、入球センサ313a〜317a、アウト玉センサ318a、特殊アウト玉センサ384などの検出状態を判断する。このとき、MPU41は、入球センサ313a〜317aのいずれかへの遊技球の入球が検出された場合には、その情報を入賞検知情報としてRAM412に保存する。また、MPU41は、アウト玉センサ318aによってアウト玉が検出された場合には、RAM412の遊技情報格納エリア412dに記憶されたアウト玉数に1加算して遊技情報格納エリア412dのアウト玉数を更新する。さらに、MPU41は、特殊アウト玉センサ384によって特殊アウト玉が検出された場合には、特殊アウト玉検知コマンドを設定し、この特殊アウト玉検知コマンドをRAM412に記憶する。
【0234】
<ステップS1002>
次に、ステップS1002では、MPU41は、乱数初期値カウンタCIN1,CIN2の更新を実行する。具体的には、MPU41は、乱数初期値カウンタCIN1,CIN2でのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にクリアする。
【0235】
<ステップS1003>
続いて、ステップS1003では、MPU41は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び普通当たり乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、MPU41は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び普通当たり乱数カウンタC4でのカウンタ値にそれぞれ1を加算し、それらのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にクリアする。
【0236】
<ステップS1004及びS1005>
その後、MPU41は、第1入賞口314又は第2入賞口315への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(ステップS1004)、発射制御処理を実行する(ステップS1005)。なお、始動入賞処理の詳細は、図21を参照して後述する。
【0237】
一方、発射制御処理は、遊技者が発射ハンドル22に触れていることがタッチセンサ21aにより検出されており、発射を停止させるための球止めスイッチ21bが操作されていないことを条件に、遊技球の発射を有効にする処理である。また、発射制御処理は、遊技者が発射ハンドル22に触れていないことがタッチセンサ21aにより検出されている場合、又は球止めスイッチ21bが操作されている場合には、遊技球の発射を無効にする処理である。MPU41は、遊技球の発射が有効である場合に、発射制御装置8に対して遊技球の発射指示をする。
【0238】
<ステップS1006>
ステップS1006では、MPU41は、電役保留エリア412cに格納されている普通当たり乱数カウンタC4に基づいて第2入賞口315の電動役物315bを電役開放状態とするか否かの普通当たり抽選が実行されるスルーゲート処理を実行する。具体的に、スルーゲート処理では、まずMPU41が、高頻度サポートモードフラグに基づいて現在の遊技モードが高頻度サポートモードであるか否かを判断する。そして、MPU41は、高頻度サポートモードでない場合には、普通当たり乱数カウンタC4が0〜29である場合に普通当たりであると判断し、普通当たり乱数カウンタC4が30〜249である場合に外れであると判断する。また、MPU41は、高頻度サポートモードの場合には、普通当たり乱数カウンタC4が0〜199である場合に普通当たりであると判断し、普通当たり乱数カウンタC4が200〜249である場合に外れであると判断する。そして、MPU41は、スルーゲート処理において普通当たりであると判断した場合には、電動役物315bが予め定められた所定時間だけ開放状態にする。これにより、電動役物315bが並設された遊技盤31の右上方の第2入賞口315への入賞が可能になる。
【0239】
[始動入賞処理]
ここで、図21は、図20の主タイマ割込処理におけるステップS1004でMPU41により実行される始動入賞処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図21を参照しつつ、始動入賞処理を説明する。
【0240】
<ステップS1101>
図21に示すように、ステップS1101では、MPU41は、第1入賞口314に対する入賞があったか否かを判断する。ここで、MPU41は、第1入賞口314にたいする入賞があったと判断すると(ステップS1101:Yes)、処理をステップS1102に移行し、第1入賞口314に対する入賞がなかったと判断すると(ステップS1101:No)、処理をステップS1106に移行する。
【0241】
<ステップS1102及びS1103>
ステップS1102では、MPU41は、RAM412の保留数記憶エリアNAAに記憶されている保留数Nが最大保留数(本実施形態では4)であるか否かを判断する。ここで、MPU41は、保留数Nが最大保留数であれば(ステップS1102:Yes)、処理をステップS1106に移行する。一方、MPU41は、保留数Nが最大保留数でなければ(ステップS1102:No)、保留数Nに1を加算する(ステップS1103)。
【0242】
<ステップS1104>
ステップS1104では、MPU41は、図20のステップS1003で更新される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と、後述のメイン処理で更新される変動種別カウンタCS1(図23のステップS1302及びS1312)とのカウンタ値を取得し、そのカウンタ値をRAM412における保留格納エリア412bの第1保留格納エリアREAの第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4のうち最初の空き保留エリアに格納する。
【0243】
<ステップS1105>
ステップS1105では、MPU41は、ステップS1104で取得された第1保留に対する当否情報が後述の変動開始処理(図24のS1408、図26)における大当たりの当否の判定対象となる前に当否情報の内容を確認し、この確認結果に基づいて第1保留コマンドをRAM412に設定する第1保留コマンド設定処理を実行する。なお、第1保留コマンド設定処理の詳細は、図22を参照して後述する。
【0244】
<ステップS1106>
ステップS1106では、MPU41は、第2入賞口315に対する入賞があったか否かを判断する。ここで、MPU41は、第2入賞口315に対する入賞があったと判断すると(ステップS1106:Yes)、処理をステップS1107に移行し、第2入賞口315に対する入賞がなかったと判断すると(ステップS1106:No)、当該始動入賞処理を終了し、処理を図20のステップS1005に移行する。
【0245】
<ステップS1107及びS1108>
ステップS1107では、MPU41は、RAM412の保留数記憶エリアNABに記憶されている保留数Mが最大保留数(本実施形態では4)であるか否かを判断する。ここで、MPU41は、保留数Mが最大保留数であれば(ステップS1107:Yes)、当該始動入賞処理を終了し、処理を図20のステップS1005に移行する。一方、MPU41は、保留数Mが最大保留数でなければ(ステップS1107:No)、保留数Mに1を加算する(ステップS1108)。
【0246】
<ステップS1109>
ステップS1109では、MPU41は、図20のステップS1003で更新される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と、後述のメイン処理で更新される変動種別カウンタCS1(図23のステップS1302及びS1312)とのカウンタ値を取得し、そのカウンタ値をRAM412における保留格納エリア412bの第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1〜第4保留エリアREB4のうち最初の空き保留エリアに格納する。
【0247】
<ステップS1110>
ステップS1110では、MPU41は、ステップS1109で取得された第2保留に対する当否情報が後述の変動開始処理(図24のS1408、図26)における大当たりの当否の判定対象となる前に、前記当否情報の内容を確認し、この確認結果に基づいて第2保留コマンドをRAM412に設定する第2保留コマンド設定処理を実行する。ここで、第2保留コマンド設定処理は、図22を参照して後述する第1保留コマンド設定処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。なお、第2保留コマンド設定処理は、図22の第1保留コマンド設定処理において、「第1保留コマンド」を「第2保留コマンド」、「保留数N」を「保留数M」と読み替えればよい。
【0248】
[第1保留コマンド設定処理]
ここで、図22は、図21の始動入賞処理におけるステップS1105でMPU41により実行される第1保留コマンド設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1保留コマンドには、当該コマンドが第1保留コマンドである旨を示す情報と、第1保留コマンドの種別(大当たり種別又は外れ)、変動パターン及び保留数Nなどの情報とが含まれる。以下、図22を参照しつつ、第1保留コマンド設定処理を説明する。
【0249】
<ステップS1201>
図22に示すように、MPU41は、第1保留格納エリアREAの保留数記憶エリアNAAから保留数Nを読み出すと共に、それぞれの第1保留に対応する大当たり乱数カウンタC1の値をRAM412から読み出す(ステップS1201)。
【0250】
<ステップS1202>
ステップS1202では、MPU41は、高確率モードであるか否かを判断し、高確率モードである場合は(ステップS1202:Yes)、処理をステップS1203に移行し、高確率モードでない場合は(ステップS1202:No)、処理をステップS1204に移行する。例えば、MPU41は、高確率モードであるか否かを、後述のメイン処理における遊技状態移行処理(図23のステップS1306)において高確率モードへの移行時にオンに設定され、高確率モードから大当たり遊技状態などの他の遊技状態への移行時にオフに設定される高確率モードフラグに基づいて判断する。
【0251】
<ステップS1203及びS1204>
ステップS1203では、MPU41は、後述の図27の設定値変更処理におけるステップS1712で設定値に応じて保存される高確率モード当否テーブル(図14(B)参照)を読み出し、その高確率モード当否テーブルに基づいて、ステップS1201で読み出された大当たり乱数カウンタC1のカウンタ値が大当たり当選に対応する値であるか否かの当否判定を実行する。一方、ステップS1204では、MPU41は、後述の図27の設定値変更処理におけるステップS1712で設定値に応じて保存される低確率モード当否テーブル(図14(A)参照)を読み出し、その低確率モード当否テーブルに基づいて、ステップS1201で読み出された大当たり乱数カウンタC1のカウンタ値が大当たり当選に対応する値であるか否かの当否判定を実行する。
【0252】
なお、ステップS1203及びS1204では、後述の図27の設定値変更処理におけるステップS1712で設定値に応じて保存される高確率モード当否テーブル又は低確率モード当否テーブルに基づいて当否判定が実行されるが、ステップS1203又はS1204において、後述の図27の設定値変更処理におけるステップS1710で保存される設定値を読み出した上で、その設定値に応じた高確率モード当否テーブル又は低確率モード当否テーブルを逐一選択して当否判定を行ってもよい。
【0253】
<ステップS1205>
ステップS1205では、MPU41は、大当たり乱数カウンタC1のカウンタ値が大当たり当選に対応する値であるか否かを判断する。ここで、MPU41は、大当たり乱数カウンタC1から読み出されたカウンタ値が大当たり当選に対応する値であると判断した場合は(ステップS1205:Yes)、処理をステップS1206に移行し、大当たり乱数カウンタC1から読み出されたカウンタ値が大当たり当選に対応する値でないと判断した場合は(ステップS1205:No)、処理をステップS1208に移行する。
【0254】
<ステップS1206>
ステップS1206では、MPU41は、RAM412から大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1のカウンタ値を読み出す。例えば、図21の始動入賞処理におけるステップS1104で当否情報が第3保留エリアREA3に格納された場合には、その第3保留エリアREA3に格納された当否情報に含まれる大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1のカウンタ値が読み出される。なお、第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4のうち図21の始動入賞処理におけるステップS1104で当否情報が格納された保留エリアは、保留数記憶エリアNAに記憶されている保留数Nの値によって判断可能である。
【0255】
<ステップS1207>
ステップS1207では、MPU41は、大当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1及び保留数Nを第1保留コマンドに設定する。このように、第1保留コマンドに、ステップS1201で読み出された保留数Nが含まれるため、第1保留コマンドを受信する音声ランプ制御装置5のMPU51は、第1保留コマンドに含まれる保留数Nを参照することにより、当該第1保留コマンドが第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4のいずれに格納された当否情報に対応するものであるかを認識することが可能である。
【0256】
<ステップS1208及びS1209>
ステップS1208では、MPU41は、RAM412から変動種別カウンタCS1のカウンタ値を読み出す。次いで、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が外れであることを示す情報、変動種別カウンタCS1及び保留数Nを第1保留コマンドに設定する(ステップS1209)。
【0257】
なお、当該第1保留コマンド設定処理でオンに設定される第1保留コマンドは、RAM412に記憶されており、主制御装置4のMPU41によって実行される後述の図23のメイン処理のステップS1301において他のコマンドと共に音声ランプ制御装置5に送信された後に消去される。さらに、ここで説明した第1保留コマンドの内容は一例に過ぎず、音声ランプ制御装置5において前記保留コマンドと同様の内容を把握することが可能であれば、ここで説明するものに限らない。例えば、第1保留コマンドの一部又は全部の情報が他のコマンドに含まれることも考えられる。
【0258】
[主制御装置4のメイン処理]
次に、図23を参照しつつ、主制御装置4のMPU41によって実行されるメイン処理について説明する。メイン処理では変動遊技及び大当たり遊技の進行に対する主要な制御処理が実行される。メイン処理では、ステップS1301〜S1309の処理が、例えば4msec周期の定期処理として実行され、ステップS1310〜S1312のカウンタ更新処理がステップS1301〜S1309の処理の終了後から次周期までの残余時間で実行される。
【0259】
<ステップS1301>
図23に示すように、ステップS1301では、MPU41は、図20の主タイマ割込処理又は前回のメイン処理で設定されたコマンドなどの出力データをサブ制御ユニット332や周辺制御ユニット140などの制御装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、RAM412において変動パターンコマンド、第1保留コマンド、第2保留コマンド、シフトコマンド、大当たり開始コマンド、ラウンド遊技開始コマンド、エンディング開始コマンド、設定値変更コマンド、単位大当たり抽選回数更新コマンドなどのコマンドが設定されている場合には、音声ランプ制御装置5にそのコマンドを送信する。また、当該メイン処理での後述のステップS1303の賞球コマンド設定処理においてRAM412に賞球コマンドが設定されている場合には、その賞球コマンドを払出制御装置7に対して送信する。
【0260】
<ステップS1302>
ステップS1302では、MPU41は、変動種別カウンタCS1の値を更新する。具体的には、MPU41は、変動種別カウンタCS1でのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にクリアする。
【0261】
<ステップS1303>
ステップS1303では、MPU41は、払出制御装置7及びサブ制御ユニット332に出力する賞球コマンドをRAM412に設定する。具体的に、MPU41は、RAM412に記憶されている入賞検知情報に基づいて、一般入賞口313、可変入賞口316などに入賞が発生したか否かを判断する。そして、入賞が発生している場合は、その入賞に応じて払い出す賞球数を示す賞球コマンドをRAM412に設定する。このとき、MPU41は、通常遊技状態(低確率モードかつ低頻度サポートモード)では、一般入賞口313又は第1入賞口314に入賞が発生している場合に、RAM412の遊技情報格納エリア412dに格納される一般入賞口払出玉数又は第1入賞口払出玉数を、今回の入賞による払出玉数を加算した値に更新する。また、MPU41は、時短遊技状態(低確率モードかつ高頻度サポートモード)又は確変遊技状態(高確率モードかつ高頻度サポートモード)では、第2入賞口315に入賞が発生している場合に、RAM412の遊技情報格納エリア412dに格納される第2入賞口払出玉数を、今回の入賞による払出玉数を加算した値に更新する。さらに、MPU41は、大当たり遊技状態では、可変入賞口316に入賞が発生している場合に、RAM412の遊技情報格納エリア412dに格納される可変入賞口払出玉数を、今回の入賞による払出玉数を加算した値に更新する。
【0262】
<ステップS1304>
ステップS1304では、MPU41は、変動遊技における遊技を制御するための変動遊技制御処理を実行する。なお、変動遊技制御処理の詳細については図24を参照して後述するが、変動遊技制御処理では、前述の大当たり抽選が実行され、図柄表示部341による図柄変動表示に必要な変動パターンコマンドが設定される。このとき、MPU41は、図20の主タイマ割込処理のステップS1003で更新される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、並びに本処理のステップS1302及びステップS1312で更新される変動種別カウンタCS1の各値に基づいて、大当たり抽選の抽選結果及び変動表示時間を示す変動パターンコマンドをRAM412に設定する。
【0263】
<ステップS1305>
ステップS1305では、MPU41は、大当たり遊技における遊技の進行を制御するための大当たり遊技制御処理を実行する。大当たり遊技制御処理では、オープニング、開閉実行モード及びエンディングからなる大当たり遊技に対する制御処理が実行される。開閉実行モードでは、MPU41は、可変入賞口316が開放されるラウンド遊技を、開閉扉319の開閉動作を制御することで、当該大当たり遊技への移行の契機となった大当たり抽選の結果(大当たり種別)に応じた数だけ実行する。例えば、MPU41は、大当たり種別が5R通常大当たり及び5R確変大当たりである場合にはラウンド遊技を5回実行し、大当たり種別が16R確変大当たりである場合にはラウンド遊技を16回実行する。また、大当たり遊技制御処理では、開閉実行モードにおいて各ラウンド遊技を開始する場合にラウンド遊技開始コマンドをRAM412に設定し、エンディングを開始する場合にエンディング開始コマンドをRAM412に設定する。
【0264】
<ステップS1306>
ステップS1306では、MPU41は、後述の図26の変動開始処理におけるステップS1602又はS1603での大当たり抽選の抽選結果に基づいて、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、MPU41は、所定の条件を満たす場合に遊技状態を、開閉実行モードが実行される大当たり遊技状態、高確率モードかつ高頻度サポートモードである確変遊技状態、低確率モードかつ高頻度サポートモードである時短遊技状態、低確率モードかつ低頻度サポートモードである通常遊技状態などに移行させる。
【0265】
例えば、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合、当該抽選結果を報知する変動遊技の終了後に遊技状態を大当たり遊技状態に移行させる。このとき、MPU41は、RAM412に記憶された大当たり遊技状態フラグをオンに設定する。また、MPU41は、大当たり遊技が終了した場合、当該大当たり遊技を実行する契機となった大当たり抽選での抽選結果に応じて、遊技状態を大当たり遊技状態から所定の遊技状態に移行させる。本実施形態では、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が5R確変大当たり又は16R確変大当たりである場合に、大当たり遊技の終了後に確変遊技状態に移行させ、大当たり抽選での抽選結果が5R通常大当たりである場合に、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態に移行させる。また、時短遊技状態において規定回数の大当たり抽選に対す抽選結果の報知が終了した場合に、当該変動遊技の終了後に遊技状態を通常遊技状態に移行させる。
【0266】
また、MPU41は、遊技状態の移行を移行させた場合、移行前の遊技状態に対するフラグをオフに設定する一方で、移行後の遊技状態に対するフラグをオンに設定する。例えば、MPU41は、大当たり遊技状態から確変遊技状態への遊技状態の移行があった場合に大当たり遊技フラグをオフに設定する一方で高確率モードフラグをオンに設定する。一方、確変遊技状態から大当たり遊技状態への遊技状態の移行があった場合に高確率モードフラグをオフに設定する一方で大当たり遊技フラグをオンに設定する。
【0267】
さらに、MPU41は、遊技状態を大当たり遊技状態に移行させる場合、大当り遊技開始コマンドをRAM412に設定すると共に、RAM412に設定される遊技情報格納エリア412dに保存された「大当たり回数」に1加算する。
【0268】
<ステップS1307>
ステップS1307では、MPU41は、設定値変更処理を実行する。この設定値変更処理では、設定値変更操作部46に対する操作に応じて設定値の表示若しくは非表示、又は遊技情報格納エリア412dに格納された設定値の変更を制御する処理が実行される。なお、設定値変更処理の詳細は、図27を参照して後述する。
【0269】
また、本実施形態では、設定値変更処理がメイン処理において実行されるが、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理、又は立ち上げ処理後から遊技球の打ち出しが開始されるまでの間に限定して実行されることも考えられる。これにより、遊技者により遊技が開始されて以降は、次回の電源投入がなされるまでは設定値の変更が行えないため、遊技ホールの営業時間内で設定値の変更がなされることを防止できる。
【0270】
<ステップS1308>
ステップS1308では、MPU41は、遊技情報のうちの特定性能情報更新処理を実行する。本実施形態では、特定性能情報として、ベース情報、単位大当たり抽選回数、連続役物比率及び役物比率が更新される。なお、特定性能情報更新処理の詳細は、図28及び図29を参照して後述する。
【0271】
<ステップS1309>
ステップS1309では、MPU41は、性能表示モニタ43の表示制御処理を実行する。この性能表示モニタ43の表示制御処理では、ステップS1308で更新されるベース情報を性能表示モニタ43に表示させる処理が実行される。なお、性能表示モニタ43の表示制御処理の詳細は、図30〜図33を参照して後述する。
【0272】
<ステップS1310>
ステップS1310では、MPU41は、次のメイン処理の実行タイミングが到来したか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判断する。ここで、MPU41は、次のメイン処理の実行タイミングが到来したと判断すると(ステップS1310:Yes)、処理をステップS1301に移行させ、前述したS1301以降の各処理を実行する。一方、MPU41は、次のメイン処理の実行タイミングが到来していないと判断すると(ステップS1310:No)、次のメイン処理の実行タイミングが到来するまでの間、即ち次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間の間は、次のメイン処理の実行タイミングが到来したと判断するまで(ステップS1310:Yes)、ステップS1310、ステップS1311及びステップS1312を繰り返し実行する。
【0273】
<ステップS1311>
ステップS1311では、MPU41は、乱数初期値カウンタCIN1,CIN2を更新する。具体的には、MPU41は、乱数初期値カウンタCIN1,CIN2でのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合には当該カウンタ値を0にクリアする。
【0274】
<ステップS1312>
ステップS1312では、MPU41は、変動種別カウンタCS1を更新する。具体的には、変動種別カウンタCS1でのカウンタ値に1を加算し、それらのカウンタ値が最大値に達した場合には当該カウンタ値を0にクリアする。そして、MPU41は、変動種別カウンタCS1を更新した後、処理をステップS1310に戻す。
【0275】
[変動遊技制御処理]
ここで、図24は、図23のメイン処理でのステップS1304において実行される変動遊技制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図24を参照しつつ、変動遊技制御処理を説明する。
【0276】
<ステップS1401>
図24に示すように、ステップS1401では、MPU41は、遊技機10が大当たり遊技中であるか否かを判断し、大当たり遊技中である場合は(ステップS1401:Yes)、当該変動遊技制御処理を終了し、大当たり遊技中でない場合は(ステップS1401:No)、処理をステップS1402に移行する。大当たり遊技の実行の有無は、例えば図23のメイン処理でのステップS1306の遊技状態移行処理において、大当たり遊技状態への移行時にオンに設定され、大当たり遊技状態から他の遊技状態への移行時にオフに設定される大当たり遊技フラグに基づいて判断される。
【0277】
<ステップS1402>
ステップS1402では、MPU41は、図柄変動表示中であるか否かを判断し、図柄変動表示中である場合は(ステップS1402:Yes)、処理をステップS1403に移行させ、図柄変動表示中でない場合は(ステップS1402:No)、処理をステップS1406に移行させる。例えば、図柄変動表示中であるか否かは、後述の図26の変動開始処理でのステップS1606の変動表示開始時にオンに設定され、変動表示時間が経過した場合に(ステップS1403:Yes)、当該変動遊技制御処理のステップS1405でオフに設定される変動表示中フラグに基づいて判断される。
【0278】
<ステップS1403>
ステップS1403では、MPU41は、図柄変動表示の開始から変動表示時間が経過したか否かを判断し、変動表示時間が経過したと判断した場合は(ステップS1403:Yes)、処理をステップS1404に移行し、変動表示時間が経過していないと判断した場合は(ステップS1403:No)、当該変動遊技制御処理を終了する。
【0279】
<ステップS1404及びS1405>
変動表示時間が経過した場合(ステップS1403:Yes)、MPU41は、メイン表示部36の第1特別図柄表示部362又は第2特別図柄表示部363において、当該変動遊技に対応する大当たり抽選の結果に応じた図柄を停止表示させ(ステップS1404)、変動表示中フラグがオフに設定する(ステップS1405)。
【0280】
<ステップS1406>
図柄変動表示中でない場合は(ステップS1402:No)、MPU41は、保留格納エリア412bの保留数記憶エリアNAAに記憶されている保留数N、保留数記憶エリアNABに記憶されている保留数Mの両方が0であるか否かを判断する(ステップS1406)。ここで、MPU41は、保留数N及び保留数Mの両方が0である場合(ステップS1406:Yes)、当該変動遊技制御処理を終了する。一方、MPU41は、保留数N及び保留数Mのいずれか一方が0でない場合は(ステップS1406:No)、処理をステップS1407に移行する。
【0281】
<ステップS1407>
ステップS1407では、MPU41は、保留格納エリア412bに記憶されている当否情報のデータについてデータ設定処理を実行する。MPU41は、ステップS1407の処理を終了した場合、処理をステップS1408に移行する。なお、データ設定処理の詳細は図25を参照して後述する。
【0282】
<ステップS1408>
ステップS1408では、MPU41は、当否情報に基づく変動表示を図柄表示部341に実行させるための変動開始処理を実行し、当該変動遊技制御処理を終了する。なお、変動開始処理の詳細は、図26を参照して後述する。
【0283】
[データ設定処理]
ここで、図25は、図24のステップS1407においてMPU41によって実行されるデータ設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図25を参照しつつ、データ設定処理を説明する。
【0284】
<ステップS1501>
図25に示すように、ステップS1501では、MPU41は、第2特別図柄遊技に対応する保留数Mが0であるか否かを判断し、保留数Mが0である場合(ステップS1501:Yes)、処理をステップS1502に移行する。一方、MPU41は、保留数Mが0でない場合(ステップS1501:No)、処理をステップS1505に移行する。
【0285】
<ステップS1502〜S1504>
保留数Mが0である場合(ステップS1501:Yes)、MPU41は、保留数記憶エリアNAAに記憶されている保留数Nを1減算し(ステップS1502)、第1保留エリアREA1から実行エリアAEに当否情報を移動させる(ステップS1503)。続いて、MPU41は、第2保留エリアREA2〜第4保留エリアREA4の当否情報を1つずつシフトさせる(ステップS1504)。具体的に、ステップS1504では、第2保留エリアREA2の当否情報を第1保留エリアREA1に移動させ、第3保留エリアREA3の当否情報を第2保留エリアREA2に移動させ、第4保留エリアREA4の当否情報を第3保留エリアREA3に移動させる。MPU41は、ステップS1504の処理が終了した場合、処理をステップS1508に移行する。
【0286】
<ステップS1505〜S1507>
ステップS1505は、保留数Mが0である場合に移行するが(ステップS1501:No)、ステップS1501は、図24のステップS1406において保留数M及び保留数Nの両方又は一方が0でない場合に移行する(ステップS1406:No)。そのため、MPU41は、保留数Mが0である場合(ステップS1501:No)、保留数Nが0でないと判断できるため、ステップS1505〜S1507の処理を実行する。
【0287】
具体的には、MPU41は、保留数記憶エリアNABに記憶されている保留数Mを1減算し(ステップS1505)、第1保留エリアREB1から実行エリアAEに当否情報を移動させる(ステップS1506)。続いて、MPU41は、第2保留エリアREB2〜第4保留エリアREB4の当否情報を1つずつシフトさせる(ステップS1507)。具体的に、ステップS1507では、第2保留エリアREB2の当否情報を第1保留エリアREB1に移動させ、第3保留エリアREB3の当否情報を第2保留エリアREB2に移動させ、第4保留エリアREB4の当否情報を第3保留エリアREB3に移動させる。MPU41は、ステップS1507の処理が終了した場合、処理をステップS1508に移行する。
【0288】
<ステップS1508>
ステップS1508では、MPU41は、第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4又は第1保留エリアREB1〜第4保留エリアREB4の当否情報がシフトした旨を示すシフトコマンドをRAM412に設定する。そして、このステップS1508で設定されたシフトコマンドは、MPU41により実行される次回のメイン処理(図23参照)のステップS1301の外部出力処理で音声ランプ制御装置5に送信される。これにより、図柄表示部341に表示される保留図柄の表示数などが変更されることになる。ステップS1508の処理が終了した場合、MPU41は、当該データ設定処理を終了し、処理を図24のステップS1408に移行する。
【0289】
[変動開始処理]
ここで、図26は、図24のステップS1408においてMPU41によって実行される変動開始処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図26を参照しつつ、変動開始処理を説明する。
【0290】
<ステップS1601>
図26に示すように、ステップS1601では、MPU41は、遊技状態が高確率モードである否かを判断する。高確率モードであるか否かは、例えば図23のメイン処理でのステップS1306の遊技状態移行処理でオンに設定される高確率モードフラグがオンに設定されているか否かに基づいて判断される。MPU41は、遊技状態が高確率モードである場合(ステップS1601:Yes)、処理をステップS1602に移行し、遊技状態が高確率モードでない場合(ステップS1601:No)、即ち遊技状態が低確率モードである場合、処理をステップS1603に移行する。
【0291】
<ステップS1602及びS1603>
ステップS1602では、MPU41は、後述の図27の設定値変更処理におけるステップS1712で設定値に応じて保存される高確率モード当否テーブル(図14(B)参照)に基づいて、保留格納エリア412bの実行エリアAEに格納された当否情報に数値情報として含まれる大当たり乱数カウンタC1のカウンタ値が大当たり当選に対応する値であるか否かの当否判定を行う。一方、ステップS1603では、MPU41は、後述の図27の設定値変更処理におけるステップS1712で設定値に応じて保存される低確率モード当否テーブル(図14(A)参照)に基づいて、保留格納エリア412bの実行エリアAEに格納された当否情報に数値情報として含まれる大当たり乱数カウンタC1のカウンタ値が大当たり当選に対応する値であるか否かの当否判定を行う。
【0292】
なお、ステップS1602及びS1603では、後述の図27の設定値変更処理におけるステップS1712で設定値に応じて保存される高確率モード当否テーブル又は低確率モード当否テーブルに基づいて当否判定が実行されるが、ステップS1602及びS1603において、後述の図27の設定値変更処理におけるステップS1710で保存される設定値を読み出した上で、その設定値に応じた高確率モード当否テーブル又は低確率モード当否テーブルを逐一選択して当否判定を行ってもよい。
【0293】
<ステップS1604>
ステップS1604では、MPU41は、当該変動遊技の変動パターンに対応するメイン表示部36の第1特別図柄表示部362又は第2特別図柄表示部363の変動表示時間を変動表示時間カウンタに設定する。具体的に、MPU41は、ステップS1602又はS1603での当否判定の結果が通常大当たりである場合には、変動種別カウンタCS1と通常大当たり変動テーブル(図15(A)参照)とに基づいて変動パターンを特定する。また、MPU41は、ステップS1602又はS1603での当否判定の結果が確変大当たりである場合には、変動種別カウンタCS1と確変大当たり変動テーブル(図15(B)参照)とに基づいて変動パターンを特定する。さらに、MPU41は、ステップS1602又はS1603での当否判定の結果が外れである場合には、変動種別カウンタCS1と外れ変動テーブル(図15(C)参照)とに基づいて変動パターンを特定する。
【0294】
<ステップS1605>
ステップS1605では、MPU41は、当該変動遊技に対する大当たり抽選での抽選結果とステップS1604で特定された変動パターンとを含む変動パターンコマンドをRAM412に設定する。これにより、MPU41により実行される次回のメイン処理(図23参照)のステップS1301では、変動パターンコマンドが音声ランプ制御装置5に送信され、音声ランプ制御装置5は、変動パターンコマンドに基づいて図柄表示部341による図柄変動表示などを実行する。
【0295】
なお、前述したように、MPU41は、抽選結果が「通常大当たり」である場合、変動パターン「01」〜「03」に5R通常大当たりである旨を示す「A」を付した「A01」〜「A03」のいずれかを変動パターンコマンドとしてRAM412に設定する。また、MPU41は、抽選結果が「5R確変大当たり」である場合、変動パターン「01」〜「03」に5R確変大当たりである旨を示す「B」を付した「B01」〜「B03」のいずれかを変動パターンコマンドとしてRAM412に設定する。さらに、MPU41は、抽選結果が「16R確変大当たり」である場合、変動パターン「01」〜「03」に16R確変大当たりである旨を示す「C」を付した「C01」〜「C03」のいずれかを変動パターンコマンドとしてRAM412に設定する。また、MPU41は、抽選結果が「外れ」である場合、変動パターン「01」〜「08」に外れである旨を示す「D」を付した「D01」〜「D08」のいずれかを変動パターンコマンドとしてRAM412に設定する。また、MPU41は、抽選結果が「外れ」である場合、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ及び完全外れのいずれであるかの情報を変動パターンコマンドに含ませる。
【0296】
<ステップS1606>
ステップS1606では、MPU41は、メイン表示部36の図柄変動表示を開始させ、当該変動開始処理を終了する。なお、MPU41は、メイン表示部36の図柄変動表示を開始させた場合、変動表示中フラグをオンに設定する。この変動表示中フラグは、図24の変動遊技制御処理におけるステップS1402において、メイン表示部36の図柄変動表示中であるか否かを判断するために参照される。また、MPU41は、メイン表示部36の図柄変動表示を開始させた場合、RAM412に設定される遊技情報格納エリア412dに保存された「累積大当たり抽選回数」に1加算する。さらに、MPU41は、ステップS1603での低確率モード当否テーブルに基づく当否判定の結果が外れである場合、遊技情報格納エリア412dに保存された「連続外れ回数」に1加算し、当否結果が大当たりである場合に「連続外れ回数」を0回にクリアする。
【0297】
[設定値変更処理]
ここで、図27は、図23のメイン処理のステップS1307で実行される設定値変更処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図27を参照しつつ、設定値変更処理を説明する。
【0298】
<ステップS1701>
図27に示すように、ステップS1701では、MPU41は、図柄変動表示中であるか否かを判断し、図柄変動表示中である場合は(ステップS1701:Yes)、当該設定値変更処理を終了し、図柄変動表示中でない場合は(ステップS1701:No)、処理をステップS1702に移行させる。例えば、図柄変動表示中であるか否かは、図26の変動開始処理でのステップS1606においてオンに設定される変動表示中フラグに基づいて判断される。
【0299】
<ステップS1702>
図柄変動表示中でない場合は(ステップS1701:No)、MPU41は、大当たり遊技状態であるか否かを判断し(ステップS1702)、大当たり遊技状態である場合は(ステップS1702:Yes)、当該設定値変更処理を終了し、大当たり遊技状態でない場合は(ステップS1702:No)、処理をステップS1703に移行させる。例えば、大当たり遊技であるか否かは、図23のメイン処理でのステップS1306の遊技状態移行処理においてオンに設定される大当たり遊技状態フラグに基づいて判断される。
【0300】
<ステップS1703>
図柄変動表示中及び大当たり遊技状態のいずれでもない場合(ステップS1701及びS1702で共にNo)、MPU41は、設定値表示部45の電源がオフからオンに切り替えられたか否か(ステップS1703)、即ち設定値変更操作部46に対して設定値表示部45の電源をオンにする操作がなされたか否かを判断する。つまり、本実施形態では、図柄変動表示中である場合(ステップS1701:Yes)や大当たり遊技状態である場合(ステップS1702:Yes)、設定値の表示が行われず、設定値の変更も行えない。ここで、MPU41は、設定値表示部45の電源がオフからオンに切り替えられた場合(ステップS1703:Yes)、処理をステップS1704に移行し、設定値表示部45の電源がオフからオンに切り替えられていない場合(ステップS1703:No)、処理をステップS1707に移行する。
【0301】
<ステップS1704〜S1706>
設定値表示部45の電源がオフからオンに切り替えられた場合(ステップS1703:Yes)、MPU41は、後述のステップS1710でRAM412の遊技情報格納エリア412dに保存される設定値を読み出し(ステップS1704)、読み出した設定値を示す数字を設定値表示部45に表示させる(ステップS1705)。これにより、現在の設定値を確認することができる。そして、MPU41は、設定値表示部45に設定値が表示されていることを示す設定値表示中フラグをオンに設定し(ステップS1706)、当該設定値変更処理を終了する。
【0302】
<ステップS1707>
設定値表示部45の電源がオフからオンに切り替えられていない場合(ステップS1703:No)、MPU41は、設定値表示中フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS1707)。設定値表示中フラグは、上述のように設定値表示部45に設定値が表示されていることを示すものであり、ステップS1706でオンに設定される。MPU41は、設定値表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1707:Yes)、処理をステップS1708に移行し、設定値表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1707:No)、即ち設定値表示部45が消灯状態で電源がオンにされない場合、当該設定値変更処理を終了する。
【0303】
<ステップS1708>
設定値表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1707:Yes)、MPU41は、設定値変更操作部46が所定角度回転されたか否かを判断する(ステップS1708)。即ち、MPU41は、設定値を変更する回転操作がなされたか否かを判断する。MPU41は、設定値変更操作部46が所定角度回転された場合(ステップS1708:Yes)、処理をステップS1709に移行し、設定値変更操作部46が回転されていない場合(ステップS1708:No)、処理をステップS1711に移行する。
【0304】
<ステップS1709>
設定値変更操作部46が所定角度回転された場合(ステップS1708:Yes)、MPU41は、設定値表示部45での表示を変更する処理を実行する(ステップS1709)。例えば、MPU41は、設定値変更操作部46が右方向に所定角度回転された場合に回転前に設定値表示部45で表示されている数字よりも1つ大きい数字を表示させ、これとは逆に、設定値変更操作部46が左方向に所定角度回転された場合に回転前に設定値表示部45で表示されている数字よりも1つ小さい数字を表示させる。
【0305】
なお、回転前に設定値表示部45で表示されている数字が「6」である場合に右方向に設定値変更操作部46が所定角度回転された場合には設定値表示部45に表示される数字が「1」に変更され、回転前に設定値表示部45で表示されている数字が「1」である場合に左方向に設定値変更操作部46が所定角度回転された場合、設定値表示部45に表示される数字が「6」に変更される。また、設定値表示部45で表示されている数字が「6」である場合に、それ以上右方向に回転しないようにし、設定値表示部45で表示されている数字が「1」である場合に、それ以上左方向に回転しないようにしてもよい。
【0306】
<ステップS1710>
ステップS1710では、MPU41は、設定値表示部45に表示中の数字を設定値としてRAM412の遊技情報格納エリア412dの設定値に上書き保存し、当該設定値変更処理を終了する。これにより、設定値変更操作部46の電源がオンからオフに切り替えられた場合に電源がオフにされる直前にRAM412に保存されている設定値が有効な設定値として最終的にRAM412の遊技情報格納エリア412dに保存される。そのため、設定値変更操作部46が回転させることによって設定値表示部45に表示される数字を変更することで、RAM412に保存される設定値が変更される。そして、目的とする設定値に対応する数字が設定値表示部45に表示された状態で設定値表示部45の電源をオフにすることで設定値を確定させることができる。
【0307】
<ステップS1711>
設定値変更操作部46が所定角度回転されていない場合(ステップS1708:No)、MPU41は、設定値表示部45の電源がオンからオフに切り替えられたか否か(ステップS1711)、即ち設定値変更操作部46に対して設定値表示部45の電源をオフにする操作がなされたか否かを判断する。MPU41は、設定値表示部45の電源がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1711:Yes)、処理をステップS1712に移行し、設定値表示部45の電源がオンからオフに切り替えられていない場合(ステップS1711:No)、当該設定値変更処理を終了する。なお、設定値表示部45の電源がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1711:Yes)、設定値表示部45では、7セグメント表示器への通電が遮断されることで設定値を示す数字が消灯され、上述のように設定値が確定される。
【0308】
<ステップS1712及びS1713>
設定値表示部45の電源がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1711:Yes)、MPU41は、ステップS1710でRAM412の遊技情報格納エリア412dに保存された設定値に応じた低確率モード当否テーブル(図14(A)参照)及び高確率モード当否テーブル(図14(B)参照)を選択してRAM412に保存する(ステップS1712)。そして、MPU41は、設定値表示中フラグをオフに設定し、当該設定値変更処理を終了する。
【0309】
ここで、ステップS1712では、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存された設定値に応じた低確率モード当否テーブル(図14(A)参照)及び高確率モード当否テーブル(図14(B)参照)が選択される。つまり、低確率モード当否テーブルと高確率モード当否テーブルとで同一設定値の当否テーブルが選択されるため、設定値の変更操作が容易である。但し、低確率モードでの設定値と高確率モードでの設定値とを個別に変更可能としてもよい。この場合、例えば低確率モードの設定値を「1」とし、高確率モードの設定値を「6」とするなどように、低確率モードと高確率モードとで異なる段階(数値)の設定値とすることが可能になる。
【0310】
[性能情報更新処理]
ここで、図28は、図23のメイン処理でのステップS1308で実行される特定性能情報更新処理の手順の一例を示すフローチャートである。図29は、図28の特定性能情報更新処理で更新されるベース情報の一例を示す図である。以下、図28及び図29を参照しつつ特定性能情報更新処理を説明する。
【0311】
<ステップS1801及びS1802>
図28に示すように、MPU41は、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報のベース演算用のアウト玉数の読み出しを行い(ステップS1801)、読み出したアウト玉数が60000玉に達しているか否かを判断する(ステップS1802)。MPU51は、アウト玉数が60000玉に達している場合(ステップS1802:Yes)、処理をステップS1805に移行し、アウト玉数が60000玉に達していない場合(ステップS1802:No)、処理をステップS1803に移行する。
【0312】
<ステップS1803及びS1804>
アウト玉数が60000玉に達していない場合(ステップS1802:No)、MPU51は、ベース情報のベース演算用の一般入賞口払出玉数及び第1入賞口払出玉数を読み出す(ステップS1808)。そして、MPU51は、ステップS1801で読み出したベース情報のベース演算用のアウト玉数と、ステップS1803で読み出したベース情報のベース演算用の一般入賞口払出玉数及び第1入賞口払出玉数とに基づいて、現状ベースBLを算出し、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報の現状ベースBLを上書き更新する(ステップS1804)(図29(A)参照)。なお、現状ベースBL(%)は、100×(一般入賞口払出玉数+第1入賞口払出玉数)/アウト玉数として計算される。
【0313】
<ステップS1805〜S1808>
アウト玉数が60000玉に達している場合(ステップS1802:Yes)、MPU41は、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されているベース情報を更新する(ステップS1805〜S1807)。具体的には、図29(A)及び図29(B)に示すように、MPU41は、ベース情報において、前回6万玉ベースB1を前々回6万玉ベースにシフトさせ(ステップS1805)、現状ベースBLを前回6万玉ベースB1にシフトさせ(ステップS1806)、現状ベースBLを0にクリアする(ステップS1807)。そして、MPU41は、RAM412の遊技情報格納エリア412dにおけるベース情報として記憶されるベース演算用の一般入賞口払出玉数、第1入賞口払出玉数及びアウト玉数を0玉にクリアする(ステップS1808)。
【0314】
<ステップS1809>
ステップS1804又はS1808の処理が終了した場合、MPU51は、RAM412の遊技情報格納エリア412dにおける各種情報を読み出して他の特定性能を算出して算出した値に他の特定性能情報を更新し(ステップS1809)、当該特定性能情報更新処理を終了する。この場合の特定性能は、例えば単位大当たり抽選回数、連続役物比率、役物比率などである。
【0315】
[性能表示モニタの表示制御処理]
ここで、図30〜図33は、図23のメイン処理のステップS1309で実行される性能表示モニタ43の表示制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図30〜図33を参照しつつ、性能表示モニタ43の表示制御処理を説明する。
【0316】
<ステップS1901>
図30に示すように、ステップS1901では、MPU41は、BL表示中フラグがオンに設定されているか否かを判断する。ここで、BL表示中フラグは、性能表示モニタ43において現状ベースBLが表示されていることを示すフラグであり、後述のステップS1906又は図33のステップS1930でオンに設定される。MPU41は、BL表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1901:Yes)、処理を図31のステップS1908に移行し、BL表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1901:No)、処理をステップS1902に移行する。
【0317】
<ステップS1902>
BL表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1901:No)、MPU41は、B1表示中フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS1902)。ここで、B1表示中フラグは、性能表示モニタ43において前回6万玉ベースB1が表示されていることを示すフラグであり、後述の図31のステップS1912でオンに設定される。MPU41は、B1表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1902:Yes)、処理を図32のステップS1917に移行し、B1表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1902:No)、処理をステップS1903に移行する。
【0318】
<ステップS1903>
B1表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1902:No)、MPU41は、B2表示中フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS1903)。ここで、B2表示中フラグは、性能表示モニタ43において前々回6万玉ベースB2が表示されていることを示すフラグであり、後述の図32のステップS1921でオンに設定される。MPU41は、B2表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1903:Yes)、処理を図33のステップS1926に移行し、B2表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1903:No)、処理をステップS1904に移行する。
【0319】
<ステップS1904>
B2表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1903:No)、MPU41は、性能表示スイッチ44がオフからオンに切り替えられたか否かを判断する(ステップS1904)。性能表示スイッチ44がオフからオンに切り替えられた場合(ステップS1904:Yes)、処理をステップS1905に移行し、性能表示スイッチ44がオフからオンに切り替えられていない場合(ステップS1904:No)、当該表示制御処理を終了する。
【0320】
<ステップS1905〜S1907>
性能表示スイッチ44がオフからオンに切り替えられた場合(ステップS1904:Yes)、MPU41は、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報に含まれる現状ベースBLを性能表示モニタ43に表示させる(ステップS1905)。例えば、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報が図29(A)に示す例である場合には現状ベースBLが29%であることを示す「8.」、「L」、「2」、「9」が性能表示モニタ43を構成する4つの7セグメント表示器431〜434に表示され、ベース情報が図29(B)に示す例である場合には現状ベースBLが0%であることを示す「8.」、「L」、「0」、「0」が性能表示モニタ43を構成する4つの7セグメント表示器431〜434に表示される。そして、MPU41は、BL表示中フラグをオンに設定し(ステップS1906)、現状ベースBLを性能表示モニタ43に一定時間表示させるためのBL表示時間カウンタをセットし(ステップS1907)、当該表示制御処理を終了する。
【0321】
<ステップS1908及びS1909>
BL表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1901:Yes)、図31に示すように、MPU41は、図30のステップS1907でセットされるBL表示時間カウンタの値を1減算し(ステップS1908)、減算後のBL表示時間カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS1909)。MPU41は、減算後のBL表示時間カウンタの値が0である場合(ステップS1909:Yes)、処理をステップS1910に移行し、減算後のBL表示時間カウンタの値が0でない場合(ステップS1909:No)、処理をステップS1913に移行する。
【0322】
<ステップS1910〜S1913>
減算後のBL表示時間カウンタの値が0である場合(ステップS1909:Yes)、MPU41は、BL表示中フラグをオフに設定し(ステップS1910)、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報に含まれる前回6万玉ベースB1を性能表示モニタ43に表示させる(ステップS1911)。例えば、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報が図29(A)に示す例である場合には前回6万玉ベースB1が33%であることを示す「8.」、「1」、「3」、「3」が性能表示モニタ43を構成する4つの7セグメント表示器431〜434に表示され、ベース情報が図29(B)に示す例である場合には前回6万玉ベースB1が29%であることを示す「8.」、「1」、「2」、「9」が性能表示モニタ43を構成する4つの7セグメント表示器431〜434に表示される。そして、MPU41は、B1表示中フラグをオンに設定し(ステップS1912)、前回6万玉ベースB1を性能表示モニタ43に一定時間表示させるためのB1表示時間カウンタをセットし(ステップS1913)、当該表示制御処理を終了する。
【0323】
<ステップS1914>
減算後のBL表示時間カウンタの値が0でない場合(ステップS1909:No)、MPU41は、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられたか否かを判断する(ステップS1914)。性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1914:Yes)、処理をステップS1915に移行し、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられていない場合(ステップS1914:No)、当該表示制御処理を終了する。なお、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1914:Yes)、性能表示モニタ43では、7セグメント表示器431〜434への通電が遮断されることで現状ベースBLを示すアルファベット及び数字が消灯される。
【0324】
<ステップS1915及びS1916>
性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1914:Yes)、MPU41は、BL表示中フラグをオフに設定し(ステップS1915)、BL表示時間カウンタの値を0にクリアし(ステップS1916)、当該表示制御処理を終了する。
【0325】
<ステップS1917及びS1918>
B1表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1902:Yes)、図32に示すように、MPU41は、図31のステップS1913でセットされるB1表示時間カウンタの値を1減算し(ステップS1917)、減算後のB1表示時間カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS1918)。MPU41は、減算後のB1表示時間カウンタの値が0である場合(ステップS1918:Yes)、処理をステップS1919に移行し、減算後のB1表示時間カウンタの値が0でない場合(ステップS1918:No)、処理をステップS1923に移行する。
【0326】
<ステップS1919〜S1922>
減算後のB1表示時間カウンタの値が0である場合(ステップS1918:Yes)、MPU41は、B1表示中フラグをオフに設定し(ステップS1919)、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報に含まれる前々回6万玉ベースB2を性能表示モニタ43に表示させる(ステップS1920)。例えば、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報が図29(A)に示す例である場合には前々回6万玉ベースB2が32%であることを示す「8.」、「2」、「3」、「2」が性能表示モニタ43を構成する4つの7セグメント表示器431〜434に表示され、ベース情報が図29(B)に示す例である場合には前々回6万玉ベースB2が33%であることを示す「8.」、「2」、「3」、「3」が性能表示モニタ43を構成する4つの7セグメント表示器431〜434に表示される。そして、MPU41は、B2表示中フラグをオンに設定し(ステップS1921)、前々回6万玉ベースB2を性能表示モニタ43に表示させる一定時間に対応させたB2表示時間カウンタをセットし(ステップS1922)、当該表示制御処理を終了する。
【0327】
<ステップS1923>
減算後のB1表示時間カウンタの値が0でない場合(ステップS1918:No)、MPU41は、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられたか否かを判断する(ステップS1923)。性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1923:Yes)、処理をステップS1924に移行し、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられていない場合(ステップS1923:No)、当該表示制御処理を終了する。なお、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1923:Yes)、性能表示モニタ43では、7セグメント表示器431〜434への通電が遮断されることで前回6万玉ベースB1を示すアルファベット及び数字が消灯される。
【0328】
<ステップS1924及びS1925>
性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1923:Yes)、MPU41は、B1表示中フラグをオフに設定し(ステップS1924)、B1表示時間カウンタの値を0にクリアし(ステップS1925)、当該表示制御処理を終了する。
【0329】
<ステップS1926及びS1927>
B2表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1903:Yes)、図33に示すように、MPU41は、図32のステップS1922でセットされるB2表示時間カウンタの値を1減算し(ステップS1926)、減算後のB2表示時間カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS1927)。MPU41は、減算後のB2表示時間カウンタの値が0である場合(ステップS1927:Yes)、処理をステップS1928に移行し、減算後のB2表示時間カウンタの値が0でない場合(ステップS1927:No)、処理をステップS1932に移行する。
【0330】
<ステップS1928〜S1931>
減算後のB2表示時間カウンタの値が0である場合(ステップS1927:Yes)、MPU41は、B2表示中フラグをオフに設定し(ステップS1928)、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報に含まれる現状ベースBLを性能表示モニタ43に表示させる(ステップS1929)。例えば、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報が図29(A)に示す例である場合には現状ベースBLが29%であることを示す「8.」、「L」、「2」、「9」が性能表示モニタ43を構成する4つの7セグメント表示器431〜434に表示され、ベース情報が図29(B)に示す例である場合には現状ベースBLが0%であることを示す「8.」、「L」、「0」、「0」が性能表示モニタ43を構成する4つの7セグメント表示器431〜434に表示される。そして、MPU41は、BL表示中フラグをオンに設定し(ステップS1930)、現状ベースBLを性能表示モニタ43に一定時間表示させるためのBL表示時間カウンタをセットし(ステップS1931)、当該表示制御処理を終了する。
【0331】
<ステップS1932>
減算後のB2表示時間カウンタの値が0でない場合(ステップS1927:No)、MPU41は、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられたか否かを判断する(ステップS1932)。性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1932:Yes)、処理をステップS1933に移行し、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられていない場合(ステップS1932:No)、当該表示制御処理を終了する。なお、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1932:Yes)、性能表示モニタ43では、7セグメント表示器431〜434への通電が遮断されることで前々回6万玉ベースB2を示すアルファベット及び数字が消灯される。
【0332】
<ステップS1933及びS1934>
性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1932:Yes)、MPU41は、B2表示中フラグをオフに設定し(ステップS1933)、B2表示時間カウンタの値を0にクリアし(ステップS1934)、当該表示制御処理を終了する。
【0333】
[音声ランプ制御装置5の処理]
次に、図34〜図47を参照しつつ、音声ランプ制御装置5でMPU51によって実行される処理について説明する。
【0334】
なお、本実施形態で音声ランプ制御装置5のMPU51が実行する処理の一部又は全部が、表示制御装置6のMPU61によって実行されることも他の実施形態として考えられる。また、音声ランプ制御装置5では、MPU51が、スピーカ26及び電飾部27の制御処理、音声ランプ制御装置5の立ち上げ時の立ち上げ処理、停電時のNMI割込処理なども実行するが、それらの処理については説明を省略する。
【0335】
[音声ランプ制御装置5の副タイマ割込処理]
ここで、図34は、音声ランプ制御装置5のMPU51によって実行される副タイマ割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。MPU51は、例えば副タイマ割込処理を1msec周期の定期処理として実行する。
【0336】
図34に示すように、MPU51は、副タイマ割込処理において、表示順序設定処理(ステップS2000)、カウンタ更新処理(ステップS2001)、コマンド判定処理(ステップS2002)、変動遊技演出処理(ステップS2003)、大当たり遊技演出処理(ステップS2004)、及び設定値示唆処理(ステップS2005)を実行する。
【0337】
[表示順序設定処理]
表示順序設定処理(ステップS2000)では、MPU51は、当該遊技機10での大当たり確率を規定するために設定される遊技設定値(設定値)を参照して、所定期間における7セグメント表示部39に表示させる数字の順序が決定及び記憶(設定)される。なお、本実施形態では、所定期間の大当たり遊技において設定値示唆処理が実行されることで、設定値以外の複数(5つ)の遊技設定値(非設定値)を特定するための5つの数字が7セグメント表示部39に所定順序で表示される。そのため、当該表示順序設定処理では、複数の非設定値を特定する5つの数字を7セグメント表示部39に表示させる順序が設定される。ここで、図35は図34の副タイマ割込処理で実行される表示順序設定処理の手順の一例を示すフローチャート、図36は図35の表示順序設定処理で参照される数字表示順序決定テーブルの一例を示す図である。以下、図35及び図36を参照して表示順序設定処理の詳細を説明する。
【0338】
<ステップS2011>
図35に示すように、表示順序設定処理では、MPU51は、表示順序設定フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2011)。表示順序設定フラグは、所定期間の大当たり遊技における非設定値を特定する数字の表示順序の設定が終了していることを示すフラグであり、当該表示順序設定処理のステップS2016でオンに設定される。また、表示順序設定フラグは、遊技機10の電源投入時にはオフに初期設定される。そのため、音声ランプ制御装置の立ち上げ処理により副タイマ割込処理が許可されることで副タイマ割込処理が実行される場合に、所定期間における7セグメント表示部39のセグメントA〜Gによって表示させる数字の順序が設定される(後述のステップS2014〜S2016)。即ち、遊技機10では、電源投入時に、所定期間における7セグメント表示部39のセグメントA〜Gによって表示させる数字の順序が設定される。
【0339】
ところで、遊技機10の電源は、遊技ホールの開店前に投入されることが多い。そのため、遊技機10の電源投入を契機として7セグメント表示部39での数字の表示順序が設定されることで、営業日ごとに7セグメント表示部39での数字の表示順序が設定される。これにより、7セグメント表示部39での数字の表示順序が固定化されることが防止されるため、7セグメント表示部39において同じ情報の繰り返し提示されることや、7セグメント表示部39での情報の表示が単調化されることを防止できる。
【0340】
ここで、MPU51は、表示順序設定フラグがオンである場合(ステップS2011:Yes)、処理をステップS2012に移行し、表示順序設定フラグがオフである場合(ステップS2011:No)、処理をステップS2014に移行する。
【0341】
<ステップS2012及びS2013>
表示順序設定フラグがオンである場合(ステップS2011:Yes)、MPU51は、設定値変更フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2012)。設定値変更フラグは、当該遊技機10での大当たり確率を規定するために設定される遊技設定値(設定値)が変更されたことを示すフラグであり、後述の図37のコマンド判定処理でのステップS2121においてオンに設定される。MPU51は、設定値変更フラグがオンである場合(ステップS2012:Yes)、設定値変更フラグをオフに設定した後に(ステップS2013)、処理をステップS2014に移行する。即ち、遊技機10では、設定値変更があった場合に、所定期間における7セグメント表示部39のセグメントA〜Gによって表示させる数字の順序が設定される。このように設定値変更があった場合に7セグメント表示部39での数字の表示順序が設定されることで、設定値に応じて数字の表示順序を決定することが可能になるため、7セグメント表示部39での情報の提示が単調化されることを防止できる。
【0342】
一方、MPU51は、設定値変更フラグがオフである場合(ステップS2012:NO)、当該表示順序設定処理を終了する。
【0343】
<ステップS2014〜S2016>
ステップS2014では、MPU51は、RAM512から設定値を取得し、さらに当該設定値及び数字表示順序決定テーブル(図36参照)を参照して7セグメント表示部39で表示される数字の順序を設定する(ステップS2015)。ここで、図36(A)は数字表示順序決定テーブルの一例を示す図であり、図36(B)は図36(A)示す数字表示順序決定テーブルに記載の表示順序と7セグメント表示部39での数字の表示順序との対応関係を示す図である。
【0344】
図36(A)に示すように、数字表示順序決定テーブルでは、当該遊技機10での大当たり確率を規定するために設定される遊技設定値1〜6(設定値1〜6)ごとに、抽選乱数値によって数字の表示順序が規定されている。抽選乱数値は、0〜119の120個であり、各抽選乱数値に1つの表示順序が対応付けられ、各表示順序の選択確率が同一とされている。表示順序は、設定値1の場合に選択される表示順序A1〜A120、設定値2の場合に選択される表示順序B1〜B120、設定値3の場合に選択される表示順序C1〜C120、設定値4の場合に選択される表示順序D1〜D120、設定値5の場合に選択される表示順序E1〜E120、及び設定値6の場合に選択される表示順序F1〜F120を含み、設定値1〜6ごとに、非設定値を示す数字の全ての組み合わせに相当する120個の表示順序が設定されている。
【0345】
設定値1が場合に選択される表示順序A1〜A120は、設定値1を特定する数字の「1」以外の遊技設定値(非設定値)2〜6を特定する5つ数字の「2」〜「6」を表示する順序を規定する(図36(B)参照)。つまり、設定値が1であることで、抽選乱数値に応じて表示順序A1〜A120のいずれかが選択される場合には、設定値1であることを特定する数字の「1」が7セグメント表示部39に表示されることはない。
【0346】
設定値2が場合に選択される表示順序B1〜B120は、設定値2を特定する数字の「2」以外の設定値「1」、「3」〜「6」設定値2〜6を特定する5つ数字の「2」〜「6」を表示する順序を規定する(図36(B)参照)。つまり、設定値が2であることで、抽選乱数値に応じて表示順序B1〜B120のいずれかが選択される場合には、設定値2であることを特定する数字の「2」が7セグメント表示部39に表示されることはない。
【0347】
設定値3が場合に選択される表示順序C1〜C120は、設定値1を特定する数字の「3」以外の設定値1、2、4〜6を特定する5つ数字の「1」、「2」、「4」〜「6」を表示する順序を規定する(図36(B)参照)。つまり、設定値が3であることで表示順序C1〜C120のいずれかが選択される場合には、設定値3であることを特定する数字の「3」が7セグメント表示部39に表示されることはない。
【0348】
設定値4が場合に選択される表示順序D1〜D120は、設定値4を特定する数字の「4」以外の設定値1〜3、5、6を特定する5つ数字の「1」〜「3」、「5」、「6」を表示する順序を規定する(図36(B)参照)。つまり、設定値が4であることで表示順序D1〜D120のいずれかが選択される場合には、設定値4であることを特定する数字の「4」が7セグメント表示部39に表示されることはない。
【0349】
設定値5が場合に選択される表示順序E1〜E120は、設定値5を特定する数字の「5」以外の設定値1〜4、6を特定する5つ数字の「1」〜「4」、「6」を表示する順序を規定する(図36(B)参照)。つまり、設定値が5であることで表示順序E1〜E120のいずれかが選択される場合には、設定値5であることを特定する数字の「5」が7セグメント表示部39に表示されることはない。
【0350】
設定値6が場合に選択される表示順序F1〜F120は、設定値6を特定する数字の「6」以外の設定値1〜5を特定する5つ数字の「1」〜「5」を表示する順序を規定する(図36(B)参照)。つまり、設定値が6であることで表示順序F1〜F120のいずれかが選択される場合には、設定値6であることを特定する数字の「6」が7セグメント表示部39に表示されることはない。
【0351】
そして、7セグメント表示部39で表示される数字の順序を設定した場合(ステップS2015)、MPU51は、表示順序設定フラグをオフに設定し(ステップS2016)、当該表示順序設定処理を終了する。即ち、MPU51は、電源が投入される場合(ステップS2011:No)、及び設定値が変更される場合に(ステップS2013:Yes)、当該遊技機10での大当たり確率を規定するために設定される遊技設定値1〜6(設定値1〜6)に応じて、7セグメント表示部39で表示される数字の順序を設定する。
【0352】
このように、遊技機10では、電源投入により数字表示順序決定テーブルに基づいて7セグメント表示部39での数字の表示順序が決定され、電源投入後においては設定値の変更により数字表示順序決定テーブルに基づいて7セグメント表示部39での数字の表示順序が決定される。これにより、所定の条件(例えば電源投入や設定変更)が成立する場合に、規定期間において所定の順序で数字(非設定値)を7セグメント表示部39において表示させることが可能になる。そして、遊技ホールでは、開店前に遊技機10の電源が投入されることが多いため、遊技機10の電源投入を契機として7セグメント表示部39での数字の表示順序が設定されることで、営業日ごとに7セグメント表示部39での数字の表示順序が設定される。これにより、7セグメント表示部39での数字の表示順序が固定化されることが防止されるため、7セグメント表示部39において同じ情報の繰り返し提示されることや、7セグメント表示部39での情報の表示が単調化されることを防止できる。
【0353】
なお、本実施形態の表示順序設定処理では、遊技機10の電源が投入される場合、及び設定値変更がなされる場合に7セグメント表示部39において表示される数字の表示順序が設定されるが、他の条件(所定の条件)を満たす場合に7セグメント表示部39において表示される数字の表示順序が設定されるようにしてもよい。この場合の所定の条件については、後述の第3の実施形態において説明するが、所定の条件としては、例えば所定期間が開始されること、大当たり遊技が開始されること、大当たり遊技の開閉実行モードが開始されることなどが挙げられる。これらの所定の条件の成立により7セグメント表示部39において表示される数字の表示順序が設定される場合にも、7セグメント表示部39での数字の表示順序が固定化されることが防止されるため、7セグメント表示部39において同じ情報の繰り返し提示されることや、7セグメント表示部39での情報の表示が単調化されることを防止できる。
【0354】
また、図36(A)に示す数字表示順序決定テーブルでは、同一設定値については、全ての数字表示順序が選択される確率が同一であるが、数字表示順序が選択される確率は必ずしも同一である必要はない。例えば、数字表示順序決定テーブルは、同一設定値について、少なくとも一部の数字表示順序が選択される確率が他の数字表示順序とは異なるように設定されることも考えられる。即ち、特定の表示順序が選択されやすくし、これとは逆に特定の表示順序が選択され難くすることが考えられる。このように設定値に応じて少なくとも一部の数字表示順序が選択される確率が他の数字表示順序とは異なるように設定すれば、設定値に応じて、特定の数字表示順序を選択され易くし、また特定の数字表示順序を選択され難くすることも可能である。即ち、全ての数字の表示順序が選択される確率が同一にされる場合とは異なり、特定の非設定値の特定を容易にし、これとは逆に、特定の非設定値の特定を困難にすることも可能になる。これにより、高設定値であることの可能性の高低、低設定値であることの可能性の高低などの調整が可能になる。具体的には、例えば設定値が低設定値(例えば設定値2以下や)である場合に高設定値(例えば設定値5以上)に対応する非設定値を示す数字の表示順序が遅くなるようにしてもよい。この場合、低設定値である場合に高設定値であることの可能性を最後まで残すことで、遊技者に高設定値であることの期待感を抱かせつつ、低設定値であることが遊技者に早期に特定されることが防止される。これにより、遊技に対する興味の低下を抑制しつつ、当該遊技機10での遊技が早期に終了されることを防止し、当該遊技機10での稼働率の低下を抑制できる。これとは逆に、設定値が高設定値(例えば設定値5以上)である場合に低設定値(例えば設定値2以下)に対応する非設定値を示す数字の表示順序が遅くなるようにしてもよい。この場合には、設定値が高設定値であることが特定される直前まで、高設定値に対応する数字と低設定値に対応する数字とが7セグメント表示部39に表示されず、遊技者が高設定値であることを把握する直前まで、低設定値であることの可能性が残される。これにより、遊技者にとって有利な高設定値、及び遊技者な不利な低設定値のいずれであるかに着目し、高設定値であることが把握される直前までのドキドキ感を楽しむことができる。また、設定値とは無関係に、非設定値のうちの最低遊技設定値に対応する数字の表示順序が遅くなく、例えば最も遅くなる表示順序が選択され易くすることも考えられる。この場合、遊技者にとって最も不利な非設定値を示す数字が最後に表示されるため、最後の数字が表示されるまでは、遊技者とって最も不利な非設定値と、それよりも遊技者に有利な非設定値との可能性が残される。これにより、遊技者とって最も不利な遊技設定値(大当たり確率)であることが遊技者に把握され難くなるため、当該遊技機10での遊技が早期に終了されてしまうことを抑制でき、遊技機の稼働率の低下を抑制できる。
【0355】
また、高設定値に対応する非設定値を示す数字と、低設定値に対応する非設定値を示す数字の表示順序が遅くなる数字表示順序が選択さ易いように設定することが考えられる。例えば低設定値に対応する「1」及び「2」のうちの少なくとも一方と、高設定値に対応する「5」及び「6」のうちの少なくとも一方との表示順序が遅い数字表示順序が選択され易くすることも考えられる。この場合にも、遊技者が設定値を把握する直前まで、遊技者にとって有利な高設定値である可能性と、遊技者な不利な低設定値である可能性とが含まれるため、設定値を把握する直前まで、高設定値である低設定値であるかのドキドキ感を楽しむことができる。
【0356】
また、設定値が最高設定値(設定値が6)である場合を除いて、設定値よりも高い非設定値に対応する数字の表示順序が遅くなる数字表示順序が選択さ易いように設定することが考えられる。例えば、設定値よりも有利判定確率が高い非設定値を示す数字の優先順位が、設定値よりも有利判定確率が低い非設定値を示す数字よりも低い表示順序の選択率を高く設定することが考えられる。このように設定値よりも高い非設定値を示す数字の表示順序を遅くすることで、設定値を把握する直前までの実際の設定値よりも設定値が高い可能性を遊技者に期待させることができる。これにより、設定値を把握する直前まで、設定値が高い可能性を期待しつつ非設定値(設定値)を推測して楽しむことができる。これとは逆に、設定値が最低設定値(設定値が1)である場合を除いて、設定値よりも低い非設定値に対応する数字の表示順序が遅くなる数字表示順序が選択さ易いように設定することが考えられる。例えば、設定値よりも有利判定確率が低い非設定値を示す数字の優先順位が、設定値よりも有利判定確率が高い非設定値を示す数字よりも低い表示順序の選択率を高く設定することが考えられる。このように設定値よりも低い非設定値を示す数字の表示順序を遅くすることで、設定値が把握される直前に設定値よりも低い遊技設定値に対応する非設定値を示す数字が非表示の数字として残される。これにより、設定値の最終候補が、実際の設定値と、その設定値よりも低い遊技設定値(非設定値)となる。その結果、最終的には、遊技者な有利な遊技設定値のほうを設定値として把握されるため、設定値が把握される場合の喜びが向上される。
【0357】
また、設定値を問わず、高設定値(例えば設定値5以上)に対応する数字の表示順序が遅くなる数字表示順序が選択さ易いように設定することが考えられる。これとは逆に、低設定値(例えば設定値2以下)に対応する数字の表示順序が早くなる数字表示順序が選択さ易いように設定することが考えられる。このように低設定値に対応する数字の表示順序が早く、高設定値に対応する数字の表示順序が遅くされることで、より高設定値がより遅く表示される。これにより、遊技者が設定値を把握する直前まで、遊技者にとって有利な高設定値である可能性を遊技者に期待させることができるため、設定値が高い可能性を期待しつつ非設定値(設定値)を推測して楽しむことができる。
【0358】
[カウンタ更新処理]
カウンタ更新処理(ステップS2001)では、MPU51は、第1停止図柄種別カウンタ、演出パターン種別カウンタ、変動表示カウンタなどの更新を実行する。具体的には、MPU51は、第1停止図柄種別カウンタ及び演出種別カウンタでのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にクリアする。ここで更新される第1停止図柄種別カウンタは、主制御装置4から受信する変動パターンコマンドに基づいて最初に停止される飾り図柄の種別を決定するために使用される。例えば、第1停止図柄種別カウンタは0〜99の間でループするループカウンタである。また、演出パターン種別カウンタは、主制御装置4から受信する変動パターンコマンドに基づいて演出種別(演出パターン)を決定するために使用される。例えば、演出種別カウンタは0〜109の間でループするループカウンタである。一方、MPU51は、変動表示カウンタを1減算する。この変動表示カウンタは、図柄表示部341の変動表示時間を計時するためのものであり、変動表示カウンタでのカウンタ値は残り変動表示時間が0になる場合に0になるように設定される。従って、変動表示カウンタのカウンタ値に基づいて、残りの変動表示時間、変動中であること、図柄表示部341の変動表示が終了したことなどを把握できる。
【0359】
[コマンド判定処理]
コマンド判定処理(ステップS2002)では、主制御装置4から受信されるコマンドが判定され、そのコマンドに対応する処理が実行される。ここで、図37は、図34の副タイマ割込処理でのステップS2002で実行されるコマンド判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0360】
<ステップS2101>
図37に示すように、ステップS2101では、MPU51は、主制御装置4からコマンドを受信したか否かを判断する。ここで、MPU51は、コマンドを受信した場合(ステップS2101:Yes)、処理をステップS2102に移行する。一方、MPU51は、コマンドを受信していない場合(ステップS2101:No)、当該コマンド判定処理を終了する。なお、主制御装置4から受信したコマンドは、RAM512の未処理コマンド記憶エリアに格納され、MPU51は、未処理コマンド記憶エリアを参照することによりコマンドの受信の有無を判断する。なお、未処理コマンド記憶エリアに記憶されているコマンドは、ステップS2101でコマンドを受信したと判断され、処理の対象となった場合に未処理コマンド記憶エリアから消去され、例えば処理作業用記憶エリアに記憶される。
【0361】
<ステップS2102>
ステップS2102では、MPU51は、受信したコマンドが変動パターンコマンドであるか否かを判断する。ここで、MPU51は、変動パターンコマンドである場合(ステップS2102:Yes)、処理をステップS2103に移行し、コマンドが変動パターンコマンドでない場合(ステップS2102:No)、処理をステップS2106に移行する。
【0362】
<ステップS2103>
ステップS2103では、MPU51は、主制御装置4から受信した変動パターンコマンドに基づいて変動パターン(飾り図柄の停止図柄組み合わせ及び演出種別(演出パターン))を決定する。具体的に、MPU51は、変動パターンコマンドと、予めROM511に記憶されている第1停止図柄選択テーブル(図38(A)参照)、変動種別テーブル(図38(B)参照)及び演出種別テーブル(図39(A)〜図39(C)参照)と、RAM512に記憶されている演出種別カウンタの値とに基づいて変動パターンを決定する。また、MPU51は、変動パターンコマンドに大当たり種別に関する情報が含まれている場合、大当たり種別に応じた大当たりフラグをオンに設定する。具体的には、MPU51は、大当たり種別が5R通常大当たりである場合に5R通常大当たりフラグをオンに設定し、大当たり種別が5R確変大当たりである場合に5R確変大当たりフラグをオンに設定し、大当たり種別が16R確変大当たりである場合に16R確変大当たりフラグをオンに設定する。
【0363】
飾り図柄の停止図柄組み合わせは、第1停止図柄、第2停止図柄及び最終停止図柄からなる。第1停止図柄は、図柄表示部341において最初に停止表示される飾り図柄であり、第2停止図柄は、2番目に停止表示される飾り図柄であり、最終停止図柄は、最後に停止表示される図柄である。演出種別テーブルには、ノーマルリーチに対応するノーマルリーチ演出パターン種別選択テーブル(図39(A)参照)、スーパーリーチに対応するスーパーリーチ演出パターン種別選択テーブル(図39(B)参照)、スペシャルリーチに対応するスペシャルリーチ演出パターン種別選択テーブル(図39(C)参照)が含まれる。
【0364】
ここに、図38(A)は、第1停止図柄選択テーブルの一例を示す図である。図38(A)に示すように、第1停止図柄選択テーブルでは、図柄表示部341において最初に停止表示させる飾り図柄(第1停止図柄)が定められている。なお、図38(A)は、飾り図柄が「1」〜「9」であり、「333」が確変大当たり(5R確変大当たり及び16R確変大当たりのいずれか)であることを示す図柄組み合わせ、「777」が16R確変大当たりであることを示す図柄組み合わせ、「333」及び「777」以外のゾロ目が5R通常大当たり、5R確変大当たり及び16R確変大当たりのいずれかであることを示す図柄組み合わせであることを前提としている。
【0365】
抽選結果が「5R通常大当たり」には、第1停止図柄として「3」及び「7」の振り分けはなく、「3」及び「7」以外の飾り図柄から予め定められた確率で第1停止図柄決定される。即ち、抽選結果が「5R通常大当たり」の場合、5R確変大当たり又は16R確変大当たり(確変大当たり)であることを示す「333」又は「777」の図柄組み合わせが停止表示されることはない。
【0366】
また、抽選結果が「5R確変大当たり」には、第1停止図柄として「7」の振り分けはなく、「7」以外の飾り図柄から予め定められた確率で第1停止図柄決定される。即ち、抽選結果が「5R確変大当たり」の場合、16R確変大当たりであることを示す「777」の図柄組み合わせが停止表示されることはない。一方、抽選結果が「5R確変大当たり」の場合であっても、5R確変大当たりであることを示す「333」の図柄組み合わせ以外のゾロ目の図柄組み合わせが停止表示され得る。即ち、抽選結果が「5R確変大当たり」の場合であっても、飾り図柄の停止表示結果が5R通常大当たりを示唆する「333」の図柄組み合わせ以外のゾロ目の図柄組み合わせが停止表示され得る。そして、抽選結果が「5R確変大当たり」である場合に、第1停止図柄として「7」を除く「3」以外の飾り図柄が決定された場合、MPU51は大当たり遊技において5R確変大当たりであることを明示する5R確変昇格演出を実行させる。
【0367】
さらに、抽選結果が「16確変大当たり」には、「1」〜「9」の全ての飾り図柄に対する振り分けがあり、「1」〜「9」の飾り図柄から予め定められた確率で第1停止図柄決定される。即ち、抽選結果が「16R確変大当たり」の場合であっても、16R確変大当たりであることを示す「777」の図柄組み合わせ以外のゾロ目の図柄組み合わせが停止表示され得る。即ち、抽選結果が「16R確変大当たり」の場合であっても、飾り図柄の停止表示結果が5R確変大当たり又は5R通常大当たりを示唆する「777」の図柄組み合わせ以外のゾロ目の図柄組み合わせが停止表示され得る。そして、抽選結果が「16R確変大当たり」である場合に、第1停止図柄として「7」が決定された場合、MPU51は大当たり遊技において16R確変大当たりであることを明示する16R確変昇格演出を実行させる。
【0368】
そして、MPU51は、抽選結果が大当たりである場合に第1停止図柄を決定すると、第2停止図柄及び最終停止図柄を先に決定した第1停止図柄と同じ図柄に決定する。これにより、当該遊技回に図柄表示部341の有効ラインに停止表示される停止図柄組み合わせが決定される。
【0369】
一方、抽選結果が「外れ」には、「1」〜「9」の全ての飾り図柄に対する振り分けがあり、「1」〜「9」の飾り図柄から予め定められた確率で第1停止図柄決定される。そして、MPU51は、抽選結果が「外れ」である場合に第1停止図柄を決定すると、外れ種別テーブル(図14(D))に基づいて選択された外れ種別、及び先に決定した第1停止図柄に基づいて第2停止図柄を決定する。例えば、前記外れ種別が前後外れリーチである場合、第2停止図柄が第1停止図柄と同じ図柄に決定され、最終停止図柄が第1停止図柄の前後の図柄に決定される。また、前記外れ種別が前後外れ以外リーチである場合、第2停止図柄が第1停止図柄と同じ図柄に決定され、最終停止図柄が第1停止図柄及び第1停止図柄の前後の図柄とは異なる図柄に決定される。また、前記外れ種別が完全外れである場合、第2停止図柄が第1停止図柄とは異なる図柄に決定され、最終停止図柄が第1停止図柄及び第2停止図柄とは無関係に決定される。なお、飾り図柄の停止図柄組み合わせは、表示制御装置6において決定してもよく、第1停止図柄のみを音声ランプ制御装置5において決定し、第2停止図柄及び最終停止図柄を表示制御装置6において決定してもよい。
【0370】
また、図38(B)は、変動種別テーブルの一例を示す図である。図38(B)に示すように、変動種別テーブルでは、変動パターンコマンドに対応する変動表示時間及び変動種別(演出パターン)の内容が定められている。例えば、抽選結果が「通常大当たり」であり変動パターンが「01」である変動パターンコマンド「A01」には、変動表示時間「30s」及び変動種別「ノーマルリーチ演出パターン」が対応付けられている。また、抽選結果が「5R確変大当たり」であり変動パターンが「02」である変動パターンコマンド「B02」には、変動表示時間「60s」及び変動種別「スーパーリーチ演出パターン」が対応付けられており、抽選結果が「16R確変大当たり」であり変動パターンが「03」である変動パターンコマンド「C03」には変動表示時間「90s」及び変動種別「スペシャルリーチ演出パターン」が対応付けられている。さらに、抽選結果が「外れ」であり変動パターンが「04」である変動パターンコマンド「D04」には、変動表示時間「7s」及び変動種別「非リーチ演出パターン」が対応付けられており、抽選結果が「外れ」であり変動パターンが「05」である変動パターンコマンド「D05」には、変動表示時間「10s」及び変動種別「非リーチ演出パターン」が対応付けられている。
【0371】
さらに、図39(A)〜図39(C)は、演出パターン種別選択テーブルの一例を示す図である。演出パターン種別選択テーブルは、変動種別(演出パターン)ごとに設定されている。具体的に、図39(A)は変動遊技演出における最終の個別演出種別がノーマルリーチ演出である場合に参照されるノーマルリーチ演出パターン種別選択テーブルであり、図39(B)は変動遊技演出における最終の個別演出種別がスーパーリーチ演出である場合に参照されるスーパーリーチ演出パターン種別選択テーブルであり、図39(C)は変動遊技演出における最終の個別演出種別がスペシャルリーチ演出である場合に参照されるスペシャルリーチ演出パターン種別選択テーブルである。
【0372】
なお、本実施形態では、変動種別各々に対応する演出種別が5種類である場合を例に挙げて説明するが、演出種別は6種類以上であってよい。また、図39では、変動種別がリーチなしの場合の演出種別テーブルは省略している。
【0373】
図39(A)に示すノーマルリーチ演出パターン種別選択テーブルでは、抽選結果(5R通常大当たり、5R確変大当たり、16R確変大当たり、及び外れ)に応じて、演出パターン種別カウンタのカウンタ値に対応する演出パターン種別として「演出パターンX1」〜「演出パターンX5」が定められている。そして、MPU51は、変動種別(演出パターン)がノーマルリーチ演出パターンであると判断した場合には、演出パターン種別カウンタのカウンタ値に対応する演出パターン種別を抽選結果に応じてノーマルリーチ演出パターン種別選択テーブルから選択する。ここで、ノーマルリーチ演出パターン種別選択テーブルに含まれる演出パターンX1〜演出パターンX3は、例えば飾り図柄が高速変動する高速変動演出の終了後に飾り図柄がリーチ状態となるノーマルリーチ演出が実行される演出であり、最終の個別演出種別がノーマルリーチ演出となる演出である。
【0374】
また、図39(B)に示すスーパーリーチ演出パターン種別選択テーブルでは、抽選結果に応じて演出パターン種別カウンタのカウンタ値に対応する演出パターン種別として「演出パターンY1」〜「演出パターンY5」が定められている。そして、MPU51は、変動種別(演出パターン)がスーパーリーチ演出パターンであると判断した場合には、演出パターン種別カウンタのカウンタ値に対応する演出パターン種別を抽選結果に応じてスーパーリーチ演出パターン種別選択テーブルから選択する。ここで、スーパーリーチ演出パターン種別選択テーブルに含まれる演出パターンY1〜演出パターンY3は、例えば高速変動演出の終了後にノーマルリーチ演出が実行され、さらに最終の個別演出種別としてノーマルリーチ演出よりも大当たり期待度の高く、ノーマルリーチ演出よりも演出実行時間の長いスーパーリーチ演出に発展する演出である。なお、スーパーリーチ演出パターン種別選択テーブルは、ノーマルリーチ演出を経由することなく、高速変動演出の終了後にスーパーリーチ演出に発展するスーパーリーチ演出パターン演出を含んでいてもよい。
【0375】
さらに、図39(C)に示すスペシャルリーチ演出パターン種別選択テーブルでは、抽選結果に応じて演出パターン種別カウンタのカウンタ値に対応する演出パターン種別として「演出パターンZ1」〜「演出パターンZ5」が定められている。そして、MPU51は、変動種別(演出パターン)がスペシャルリーチ演出パターンであると判断した場合には、演出パターン種別カウンタのカウンタ値に対応する演出パターン種別を抽選結果に応じてスペシャルリーチ演出パターン種別選択テーブルから選択する。ここで、スペシャルリーチ演出パターン種別選択テーブルに含まれる演出パターンZ1〜演出パターンZ3は、例えば高速変動演出の終了後にノーマルリーチ演出及びスーパーリーチ演出が実行され、さらに最終の個別演出種別としてノーマルリーチ演出やスーパーリーチ演出よりも大当たり期待度の高く、ノーマルリーチ演出よりも演出実行時間の長いスペシャルリーチ演出に発展する演出である。なお、スペシャルリーチ演出パターン種別選択テーブルは、ノーマルリーチ演出及びスーパーリーチ演出の少なくとも一方を経由することなく、高速変動演出又はノーマルリーチ演出の終了後などにスペシャルリーチ演出に発展するスペシャルリーチ演出パターンを含んでいてもよい。
【0376】
そして、MPU51は、変動パターンコマンド、変動種別テーブル、演出種別テーブル及び演出種別カウンタに基づいて決定される飾り図柄の停止図柄組み合わせ、及び変動種別(演出パターン種別)を示す表示変動パターンコマンドをRAM512に設定する。
【0377】
<ステップS2104>
図37の説明に戻り、ステップS2104では、MPU51は、変動パターンコマンドに対応する変動表示時間を変動表示カウンタに設定する。変動表示時間は、変動パターンコマンドに含まれる変動パターン情報に応じて判断される。そして、変動表示カウンタは、図34の副タイマ割込処理でのステップS2001のカウンタ更新処理で1ずつ減算され、MPU51は、変動表示カウンタに基づいて、図柄変動表示中であるか否か、変動表示時間の残り時間などを判断することが可能である。例えば、MPU51は、変動表示カウンタが0になった場合に図柄変動表示の終了と判断することが可能である。
【0378】
<ステップS2105>
ステップS2105では、MPU51は、図柄表示部341における飾り図柄の停止図柄組み合わせ、及び変動種別(演出パターン種別)の内容を特定するための表示変動パターンコマンドを表示制御装置6に出力し、当該コマンド判定処理を終了する。表示変動パターンコマンドは、ステップS2103で決定された飾り図柄の停止図柄組み合わせ、及び変動種別(演出パターン種別)を識別するための情報である。一方、表示制御装置6のROM611には、表示変動パターンコマンド各々に対応する飾り図柄の変動画像及び演出画像などが記憶されている。これにより、表示制御装置6では、MPU61が、表示変動パターンコマンドに対応する飾り図柄の停止図柄組み合わせ、変動種別及び演出種別に応じて図柄表示部341における変動表示及び演出表示を実行する。
【0379】
具体的に、図柄表示部341では、表示制御装置6のMPU61は、予め設定されている変動表示時間が経過するまでの間に複数の飾り図柄(例えば3つ)の変動表示を実行し、複数の飾り図柄の変動が順に停止表示させる。飾り図柄の変動表示中には、表示変動パターンコマンドによって特定される変動種別(演出パターン種別)の内容に対応する各種の演出が図柄表示部341、スピーカ26、電飾部27などで実行される。
【0380】
また、MPU51は、表示変動パターンコマンドを表示制御装置6に出力する場合に、変動遊技演出中フラグをオンに設定する。この変動遊技演出中フラグは、変動遊技演出が実行されていることを示すフラグである。
【0381】
<ステップS2106>
ステップS2106では、MPU51は、受信したコマンドが大当たり遊技開始コマンドであるか否かを判断する。大当たり遊技開始コマンドは、大当り遊技を開始することを示すコマンドであり、上述のように主制御装置4のMPU41によって大当り遊技の開始時に大当り遊技実行フラグをオンに設定した場合に設定される。ここで、MPU51は、受信したコマンドが大当たり遊技開始コマンドである場合(ステップS2106:Yes)、処理をステップS2107に移行し、受信したコマンドが大当たり遊技開始コマンドでない場合(ステップS2106:No)、処理をステップS2109に移行する。
【0382】
<ステップS2107>
大当たり遊技開始コマンドを受信した場合(ステップS2106:Yes)、MPU51は、大当たり遊技演出決定処理を実行する(ステップS2107)。大当たり遊技演出決定処理は、遊技状態が大当たり遊技状態に移行した場合に図柄表示部341などで実行される演出を決定する処理である。具体的には、MPU51は、大当たり遊技において実行されるオープニング演出、エンディング演出、開閉実行モード演出を決定する。
【0383】
<ステップS2108>
ステップS2108では、MPU51は、大当たり遊技演出開始フラグをオンに設定し、当該コマンド判定処理を終了する。大当たり遊技演出開始フラグは、大当たり遊技演出(オープニング演出)を開始させるフラグであり、図34の副タイマ割込処理でのステップS2004の大当たり遊技演出処理においてオープニング演出開始処理を実行するか否かを判断する場合に参照される。
【0384】
<ステップS2109>
ステップS2109では、MPU51は、受信したコマンドがラウンド遊技開始コマンドであるか否かを判断する。ラウンド遊技開始コマンドは、開閉実行モードのラウンド遊技を開始することを示すコマンドであり、図23のメイン処理でのステップS1305の大当たり遊技制御処理においてラウンド遊技を開始する場合に設定される。ここで、MPU51は、受信したコマンドがラウンド遊技開始コマンドである場合(ステップS2109:Yes)、処理をステップS2110に移行し、受信したコマンドがラウンド遊技開始コマンドでない場合(ステップS2109:No)、処理をステップS2111に移行する。
【0385】
<ステップS2310>
ラウンド遊技開始コマンドを受信した場合(ステップS2108:Yes)、MPU51は、ラウンド遊技演出開始フラグをオンに設定し(ステップS2310)、当該コマンド判定処理を終了する。ラウンド遊技開始フラグは、図34の副タイマ割込処理でのステップS2004の大当たり遊技演出において、ラウンド遊技演出を開始するか否かを判断する場合に参照される。
【0386】
<ステップS2111>
ステップS2111では、MPU51は、受信したコマンドがラウンド遊技終了コマンドであるか否かを判断する。ラウンド遊技終了コマンドは、開閉実行モードのラウンド遊技を終了することを示すコマンドであり、図23のメイン処理でのステップS1305の大当たり遊技制御処理においてラウンド遊技を終了する場合に設定される。ここで、MPU51は、受信したコマンドがラウンド遊技終了コマンドである場合(ステップS2111:Yes)、処理をステップS2112に移行し、受信したコマンドがラウンド遊技終了コマンドでない場合(ステップS2111:No)、処理をステップS2113に移行する。
【0387】
<ステップS2312>
ラウンド遊技終了コマンドを受信した場合(ステップS2111:Yes)、MPU51は、ラウンド遊技演出終了フラグをオンに設定し(ステップS2312)、当該コマンド判定処理を終了する。ラウンド遊技終了フラグは、図34の副タイマ割込処理でのステップS2004の大当たり遊技演出において、ラウンド遊技演出を終了するか否かを判断する場合に参照される。
【0388】
<ステップS2113>
ステップS2113では、MPU51は、受信したコマンドが特殊アウト玉検知コマンドであるか否かを判断する。特殊アウト玉検知コマンドは、特殊アウト玉センサ384によっての検出された遊技球がクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した特殊アウト玉であることを示すコマンドであり、図20の主タイマ割込処理でのステップS1001のセンサ検出処理において設定される。ここで、MPU51は、受信したコマンドが特殊アウト玉検知コマンドである場合(ステップS2113:Yes)、処理をステップS2114に移行し、受信したコマンドが特殊アウト玉検知コマンドでない場合(ステップS2113:No)、処理をステップS2115に移行する。
【0389】
<ステップS2114>
ステップS2114では、MPU51は、特殊アウト玉検知フラグをオンに設定、当該コマンド判定処理を終了する。特殊アウト玉検知フラグは、後述の図40の設定値示唆処理でのステップS2208において、特殊アウト玉カウンタの値を加算するか否かを判断する場合に参照される。
【0390】
<ステップS2115>
ステップS2115では、MPU51は、受信したコマンドがエンディング開始コマンドであるか否かを判断する。エンディング開始コマンドは、大当たり遊技におけるエンディングを開始することを示すコマンドであり、図23のメイン処理でのステップS1305の大当たり遊技制御処理において設定される。ここで、MPU51は、受信したコマンドがエンディング開始コマンドである場合(ステップS2115:Yes)、処理をステップS2116に移行し、受信したコマンドがエンディング開始コマンドでない場合(ステップS2115:No)、処理をステップS2117に移行する。
【0391】
<ステップS2116>
ステップS2116では、MPU51は、エンディング演出開始フラグをオンに設定し、当該コマンド判定処理を終了する。エンディング演出開始フラグは、図34の副タイマ割込処理でのステップS2004の大当たり遊技演出処理において、エンディング演出処理を開始するか否かを判断する場合に参照される。また、エンディング演出開始フラグは、図40の設定値示唆処理でのステップS2201において、遊技球滞留部38のストッパ部383を上限位置から下限位置に下動させるか否かを判断する場合に参照される。
【0392】
<ステップS2117>
ステップS2117では、MPU51は、受信したコマンドが大当たり遊技終了コマンドであるか否かを判断する。大当たり遊技終了コマンドは、大当り遊技を終了することを示すコマンドであり、図23のメイン処理でのステップS1305の大当たり遊技制御処理において設定される。ここで、MPU51は、受信したコマンドが大当たり遊技終了コマンドである場合(ステップS2117:Yes)、処理をステップS2118に移行し、受信したコマンドが大当たり遊技終了コマンドでない場合(ステップS2117:No)、処理をステップS2119に移行する。
【0393】
<ステップS2118>
ステップS2118では、MPU51は、大当たり遊技演出終了フラグをオンに設定し、当該コマンド判定処理を終了する。大当たり遊技演出終了フラグは、大当り遊技演出(エンディング演出)を終了させるフラグであり、図34の副タイマ割込処理でのステップS2004の大当たり遊技演出処理において、エンディング演出終了処理を実行するか否かを判断する場合に参照される。また、大当たり遊技演出終了フラグは、図41の7セグメント表示部制御処理でのステップS2301において、7セグメント表示部39での点灯中のセグメントを消灯させるか否かを判断する場合に参照される。
【0394】
<ステップS2119>
ステップS2119では、MPU51は、受信したコマンドが設定値変更コマンドであるか否かを判断する。設定値変更コマンドは、遊技設定値が変更されたこと、及び変更後の遊技設定値を音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであり、図27の設定値変更処理でのステップS1710において設定される。ここで、MPU51は、受信したコマンドが設定値変更コマンドである場合(ステップS2119:Yes)、処理をステップS2120に移行し、受信したコマンドが設定値変更コマンドでない場合(ステップS2119:No)、処理をステップS2121に移行する。
【0395】
<ステップS2120>
ステップS2120では、MPU51は、RAM512に記憶されている設定値を設定値変更コマンドに含まれる変更後の設定値に変更して記憶し、当該コマンド判定処理を終了する。なお、RAM512に記憶された設定値は、図35の表示順序設定処理でのステップS2014で読み出され、7セグメント表示部39での数字の表示順序を決定するために参照される。
【0396】
<ステップS2121>
ステップS2121では、MPU51は、主制御装置4から受信したその他のコマンドに基づく処理を実行した後、当該コマンド判定処理を終了させる。
【0397】
[変動遊技演出処理]
図34の説明に戻り、副タイマ割込み処理の変動遊技演出処理(ステップS2003)では、大当たり抽選での抽選結果を報知する変動遊技において、変動パターンコマンドを受信した場合に図37のコマンド判定処理のステップS2103で決定される演出パターンに即した変動遊技演出が図柄表示部341、スピーカ26、電飾部27などで実行される。
【0398】
[大当たり遊技演出処理]
副タイマ割込み処理の大当たり遊技演出処理(ステップS2004)では、図37のコマンド判定処理のステップS2107の大当たり遊技演出決定処理において決定されたオープニング演出、エンディング演出及び開閉実行モード演出が実行される。なお、本実施形態では、エンディング演出において、7セグメント表示部39での表示結果を示すエンディング付加画像が図柄表示部341に表示される(図47参照)。
【0399】
[設定値示唆処理]
副タイマ割込み処理の設定値示唆処理(ステップS2005)では、遊技球滞留部38のストッパ部383の上下動が制御されると共に、7セグメント表示部39の各セグメントA〜Gの点灯及び消灯が制御される。さらに、設定値示唆処理では、大当たり遊技のエンディング演出として、当該大当たり遊技での7セグメント表示部39での表示結果を示すエンディング付加画像を図柄表示部341に表示させる処理が実行される。ここで、図40は、図37のコマンド判定処理で実行される設定値示唆処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0400】
<ステップS2201>
図40に示すように、ステップS2201では、MPU51は、エンディング演出開始フラグがオンに設定されているか否かを判断する。エンディング演出開始フラグは、エンディング演出を開始させるフラグであり、図37のコマンド判定処理でのステップS2116でオンに設定される。即ち、MPU51は、エンディング演出開始フラグによってエンディング演出が開始されるタイミングであるか否かを判断する。ここで、MPU51は、エンディング演出開始フラグがオンである場合(ステップS2201:Yes)、処理をステップS2202に移行し、エンディング演出開始フラグがオフである場合(ステップS2201:No)、処理をステップS2206に移行する。
【0401】
<ステップS2202>
エンディング演出開始フラグがオンである場合(ステップS2201:Yes)、MPU51は、遊技球滞留部38のストッパ部383を上限位置から下限位置に下動させる(ステップS2202)。即ち、MPU51は、エンディング演出開始タイミングにおいて遊技球滞留部38のストッパ部383を上限位置から下限位置に下動させる。これにより、遊技球滞留部38の滞留レーン381に遊技球99が滞留されている場合には、その遊技球99が排出レーン382に移動される。このとき、特殊アウト玉センサ384によって滞留レーン381から排出レーン382に移動される遊技球99が検知される。
【0402】
<ステップS2203〜S2205>
遊技球滞留部38のストッパ部383を上限位置から下限位置に下動させた場合(ステップS2202)、MPU51は、ストッパ部383が下動中であることを示すストッパ部下動中フラグをオンに設定する(ステップS2203)。ストッパ部下動中フラグは、滞留レーン381に滞留された遊技球(特殊アウト玉)が特殊アウト玉センサ384によって検出され得るタイミングであるか否かを判断するためにステップS2206において参照される。そして、MPU51は、ストッパ部383を上限位置に復帰させるまでの時間に対応させた下動時間カウンタをセットし(ステップS2204)、さらにエンディング演出開始フラグをオフに設定して(ステップS2205)、当該設定値示唆処理を終了する。
【0403】
<ステップS2206>
エンディング演出開始フラグがオフである場合(ステップS2201:No)、MPU51は、ステップS2203でオンに設定されるストッパ部下動中フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2206)。即ち、MPU51は、滞留レーン381に滞留された遊技球(特殊アウト玉)が特殊アウト玉センサ384によって検出され得るタイミングであるか否かを判断する。ここで、MPU51は、ストッパ部下動中フラグがオンである場合(ステップS2206:Yes)、処理をステップS2207に移行し、ストッパ部下動中フラグがオフである場合(ステップS2206:No)、処理をステップS2216に移行する。
【0404】
<ステップS2207>
ストッパ部下動中フラグがオンである場合(ステップS2206:Yes)、MPU51は、特殊アウト玉検知フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2207)。特殊アウト玉検知フラグは、特殊アウト玉センサ384によって遊技球が検出されたことを示すフラグであり、図37のコマンド判定処理でのステップS2114でオンに設定される。ここで、MPU51は、特殊アウト玉検知フラグがオンである場合(ステップS2207:Yes)、処理をステップS2208に移行し、特殊アウト玉検知フラグがオフである場合(ステップS2207:No)、処理をステップS2210に移行する。
【0405】
<ステップS2208及びS2209>
特殊アウト玉検知フラグがオンである場合(ステップS2207:Yes)、MPU51は、RAM512に設定される特殊アウト玉カウンタの値に1を加算し(ステップS2208)、特殊アウト玉検知フラグをオフに設定する(ステップS2209)。即ち、MPU51は、大当たり遊技の開閉実行モードにおいてクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した特殊アウト玉が遊技球滞留部38に滞留されている場合に、特殊アウト玉数をカウントする。このようにカウントされる特殊アウト玉数は、後述の図41の7セグメント表示部制御処理において7セグメント表示部39のセグメントA〜Gの点灯又は消灯を制御するために参照される。
【0406】
<ステップS2210及びS2211>
ステップS2210では、MPU51は、ステップS2204でセットされる下動時間カウンタの値から1を減算する。そして、MPU51は、減算後の下動時間カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS2211)。即ち、MPU51は、下限位置にある遊技球滞留部38のストッパ部383を上限位置に復帰させるタイミングであるか否かを判断する。
【0407】
なお、ストッパ部383を上限位置に復帰させるタイミングであるか否かは、特殊アウト玉が一定期間検出されないか否か、即ち特殊アウト玉検知フラグが所定回数以上連続してオフであるか否かによって判断してもよい。特殊アウト玉が一定期間検出されないことを上限位置にストッパ部383を復帰させることの条件とすれば、特殊アウト玉が多い場合であっても、それらの特殊アウト玉を正確にカウントすることができる。
【0408】
ここで、MPU51は、下動時間カウンタの値が0である場合(ステップS2211:Yes)、処理をステップS2212に移行し、下動時間カウンタの値が0でない場合(ステップS2211:No)、当該設定値示唆処理を終了する。
【0409】
<ステップS2212及びS2213>
下動時間カウンタの値が0である場合(ステップS2211:Yes)、MPU51は、遊技球滞留部38のストッパ部383を下限位置から上限位置に上動させ(ステップS2212)、ステップS2203でオンに設定されるストッパ部下動中フラグをオフに設定する(ステップS2213)。これにより、遊技球滞留部38は、滞留レーン381において遊技球99を滞留させることができる状態に復帰される。
【0410】
<ステップS2214>
ステップS2214では、MPU51は、7セグメント表示部39の点消灯状態を制御する7セグメント表示部制御処理を実行する。つまり、MPU51は、大当たり遊技ごとに、特定期間経過後の当該大当たり遊技のエンディングにおいて、当該大当たり遊技の開閉実行モード中にクルーン装置の特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数に応じて、7セグメント表示部39の点消灯を制御する7セグメント表示部制御処理を実行する。なお、7セグメント表示部制御処理の詳細は、図41〜図45を参照して後述する。
【0411】
<ステップS2215>
ステップS2215では、MPU51は、7セグメント表示部39の点消灯状態に対応させた付加画像を大当たり遊技のエンディングにおいて図柄表示部341に表示させるエンディング付加画像制御処理を実行する。このエンディング付加画像制御処理により、7セグメント表示部39の点消灯状態が図柄表示部341においても確認することが可能になる。なお、7セグメント表示部制御処理の詳細は、図46及び図47を参照して後述する。
【0412】
<ステップS2216>
ストッパ部下動中フラグがオフである場合(ステップS2206:No)、MPU51は、大当たり遊技演出終了フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2216)。大当たり遊技演出終了フラグは、大当たり遊技演出を終了させるフラグであり、図37のコマンド判定処理でのステップS2118でオンに設定される。即ち、MPU51は、大当たり遊技演出終了フラグによって大当たり遊技演出(エンディング演出)が終了されるタイミングであるか否かを判断する。ここで、MPU51は、大当り遊技演出終了フラグがオンである場合(ステップS2216:Yes)、処理をステップS2217に移行し、大当たり遊技演出終了フラグがオフである場合(ステップS2216:No)、当該設定値示唆処理を終了する。
【0413】
<ステップS2217>
大当り遊技演出終了フラグがオンである場合(ステップS2216:Yes)、MPU51は、7セグメント表示部39において点灯されているセグメントA〜Gを消灯させる(ステップS2217)。即ち、MPU51は、大当たり遊技演出が終了される場合に7セグメント表示部39において全てのセグメントA〜Gが消灯された状態にする。換言すれば、7セグメント表示部39のセグメントA〜Gは、大当たり遊技のエンディング中においてのみ点灯され得る。
【0414】
ここで、7セグメント表示部39のセグメントA〜Gには、当該遊技機10での大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率を規定する遊技設定値(設定値)以外の遊技設定値(非設定値)に対応する数字の全部又は一部が表示される。そのため、遊技者は、大当たり遊技が実行されるごとに、当該大当たり遊技のエンディングにおいて非設定値を特定又は推測するための情報を得ることができる。これにより、遊技者は、大当たり遊技が実行されるごとに非設定値の特定又は推測が可能になるため、大当たり遊技において非設定値の特定又は推測を楽しむことができる。また、大当たり遊技ごとに非設定値を特定又は推測できる情報が得られることで、大当たり遊技の回数が多くなると、例えば大当たり連荘の回数が多くなると、全て(5つ)の非設定値を把握することが可能になるため、その場合には設定値を把握することが可能になる。つまり、遊技者は、特定される非設定値に基づいて設定値を把握することが可能であるため、大当たり遊技において設定値を推測することが可能になるため、遊技の興趣が向上される。
【0415】
<ステップS2218及びS2219>
ステップS2218では、MPU51は、大当たり遊技演出終了フラグをオフに設定する(ステップS2218)。さらに、MPU51は、大当たり種別フラグ(5R確変大当たりフラグ、16R確変大当たりフラグ又は5R通常大当たりフラグ)をオフに設定し(ステップS2219)、当該設定値示唆演出を終了する。
【0416】
[7セグメント表示部制御処理]
ここで、図41は、図40の設定値示唆処理のステップS2214で実行される7セグメント表示部制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0417】
<ステップS2301及びステップS2302>
図41に示すように、7セグメント表示部制御処理では、MPU51は、まず図40の設定値示唆処理でのステップS2208において加算されることでRAM512に記憶される特殊アウト玉カウンタの値を取得し(ステップS2301)、この特殊アウト玉カウンタの値が1以上であるか否かを判断する(ステップS2302)。特殊アウト玉カウンタの値は、当該大当たりの開閉実行モードにおいて、可変入賞口316に入賞してクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した特殊アウト玉の数である。そして、MPU51は、特殊アウト玉カウンタの値が1以上である場合(ステップS2302:Yes)、処理をステップS2303に移行し、特殊アウト玉カウンタの値が1以上でない場合、即ち0である場合(ステップS2302:No)、7セグメント表示部39のセグメントA〜Gのいずれも点灯させる必要がないために当該7セグメント表示部制御処理を終了する。
【0418】
<ステップS2303〜S2307>
ステップS2303では、MPU51は、音声ランプ制御装置5のRAM512に設定される7セグメント表示部制御情報記憶エリア(図42(A)参照)から、セグメント表示部制御情報を読み出す(ステップS2303)。セグメント表示部制御情報は、所定期間(クルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数を累積する期間)において、7セグメント表示部39を制御するために必要な情報である。そして、MPU51は、ステップS2301で取得される特殊アウト玉カウンタの値、及びステップS2303で7セグメント表示部制御情報記憶エリアから読み出される7セグメント表示部制御情報に基づいて7セグメント表示部39に対する制御内容を決定し(ステップS2304)、この制御内容に基づいて7セグメント表示部39の制御を実行する(ステップS2305)。なお、7セグメント表示部39に対する制御内容の決定及び制御の詳細については、図42〜図45を参照して後述する。さらに、MPU51は、RAM512に記憶される7セグメント表示部制御情報のうちの既表示情報記憶エリア(図42(A)参照)を更新すると共に(ステップS2306)、特殊アウト玉カウンタの値をクリアし(ステップS2307)、当該7セグメント表示部制御処理を終了する。
【0419】
ここで、図42は、音声ランプ制御装置5のRAM512に設定される7セグメント表示部制御情報記憶エリアを説明するための図である。具体的には、図42(A)は7セグメント表示部制御情報記憶エリアの一例を示す図であり、図42(B)は7セグメント表示部制御情報記憶エリアの制御順序記憶エリアの一例を示す図であり、図42(C)は7セグメント表示部制御情報記憶エリアの既表示情報記憶エリアの初期状態の例(未更新)の一例を示す図である。
【0420】
図42(A)に示すように、7セグメント表示部制御情報記憶エリアは、図42(B)に示す制御順序記憶エリア、及び図42(C)に示す既表示情報記憶エリアを含む。
【0421】
図42(B)に示すように、制御順序記憶エリアは、所定期間(クルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球した遊技球99の数を累積する期間)において、7セグメント表示部39に表示する数字の順序、及び各数字を表示する場合のセグメントA〜Gの制御対象順序を記憶するエリアである。この制御順序記憶エリアは、数字表示順序記憶エリア及びセグメント制御順序記憶エリアを含む。
【0422】
数字表示順序記憶エリアは、所定期間(例えば低確率モードでの大当たりに対する大当たり遊技の開始から通常大当たりに対する大当たり遊技の開閉実行モードの終了まで)が終了するまでの間に、7セグメント表示部39おいて表示させる数字の順序(数字表示順序)を記憶する。数字表示順序は、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率を規定する設定値に対して設定される数字表示順序決定テーブル(図36参照)に基づいて、上述の図35の表示順序設定処理において決定される。図42(B)に示す例の数字表示順序記憶エリアでは、上述の数字表示順序設定処理において、設定値1の場合の数字表示順序決定テーブルに基づいて表示順序A1が設定され、所定期間における7セグメント表示部39での数字の表示順序として「2」→「3」→「4」→「5」→「6」が記憶されている。即ち、遊技ホールの営業中に設定変更がなされない限り、数字表示順序としては各営業日ごとに固定された順序が決定され、同一営業日中の所定期間での数字表示順序が固定化される。このように、当該営業日での所定期間での数字表示順序が固定化されることで、所定期間が開始されるたびに、同一の順序で7セグメント表示部39に数字が表示されるため、数字表示順序の早い数字は表示され易く、数字表示順序の遅い数字は表示され難い。例えば、数字表示順序が「2」→「3」→「4」→「5」→「6」である場合、この順序で数字が表示されるため、「2」や「3」が表示され易い反面、「5」や「6」が表示され難い。これにより、設定値の推測及び特定を可能にしつつ、設定値が容易に特定されてしまうことを防止でき、設定値を推測及び特定することを楽しむことができる。また、数字表示順序が当該営業日中において固定されることによって数字表示順序の早い数字は表示され易く、数字表示順序の遅い数字は表示され難いことで、例えば設定値が低設定である場合に(低確率モードでの大当たり確率が低い場合に)、少ない初当たり回数で遊技者に低設定であることが認識されることを防止でききる。これにより、遊技者が遊技中の遊技機10での遊技を早期終了してしまうことが防止され、当該遊技機10の稼働率の低下を抑制できる。
【0423】
また、7セグメント表示部39には、所定期間での特定期間の回数が多いほど(大当たり連荘回数が多いほど)、より多くの数字が表示されることが期待される。そのため、大当たり連荘の回数が多くなるほど、設定値以外の複数の非設定値をのうちの特定できる非設定値の数も多くなる。その結果、大当たり連荘回数が多くなることで、非設定値を特定するための多くの情報を得ることができるため、設定値の候補を絞り込むことができる。そして、遊技者は、所定期間において35個以上の遊技球99をクルーン装置37の特殊アウト玉口373に入球させることで、全ての非設定値を特定でき、その結果、設定値を認識することが可能になる。そのため、遊技者は、全ての非設定値を特定すること、即ち設定値を認識することを目標としつつ遊技の進行を楽しむことができ、また大当たり連荘が継続するか(大当り種別が確変大当りであるか通常大当たりであるか)に着目して遊技の進行を楽しむことができ、遊技の興趣が向上される。
【0424】
なお、数字表示順序は、遊技機10への電源投入時や設定変更時に設定したものに固定される場合に限らず、低確率モードでの大当たり(初当たり)に対する大当り遊技が開始される場合などに決定されるようにしてもよい。このように、初当たりなどの大当たり遊技が開始される場合に数字表示順序が決定されることで、例えば所定期間ごとに数字表示順序が決定される。これにより、遊技者は、数字表示順序を推測することが困難となるため、7セグメント表示部39に表示される非設定値に対応する数字の順位に対するバラツキが軽減される。そのため、少ない初当たり回数で全ての非設定値を特定することが可能になり、早期に設定値を認識することが可能になる。その結果、遊技者は、全ての非設定値を特定して設定値が認識することを目的として、過去に7セグメント表示部39に表示された数字を踏まえ、7セグメント表示部39に表示されていない数字が表示されることを期待しつつ遊技の進行を楽しむことができる。
【0425】
一方、セグメント制御順序記憶エリアは、7セグメント表示部39において数字を表示する際のセグメントA〜Gの制御順序(セグメント制御順序)を記憶する。セグメント制御順序は、セグメントA→セグメントB→セグメントC→セグメントD→セグメントE→セグメントF→セグメントGに固定されている。即ち、セグメント制御順序は、遊技機10への電源投入や設定変更、大当たり当選などを契機として決定されるものではなく、遊技機10に固有の順序として固定されている。このように、セグメント制御順序が遊技機10に固有の順序として固定されることで、遊技者は7セグメント表示部39において非設定値に対応する数字が表示される際のセグメントA〜Gの制御順序を把握することが可能になる。これにより、遊技者は、7セグメント表示部39に数字が表示される前であっても、7セグメント表示部39に表示される予定の数字を把握することが可能になる。そのため、遊技者は、7セグメント表示部39に表示されたことのない数字に関して、セグメントA〜Gの制御順序に基づいて推測して楽しむことができるため遊技の興趣が向上される。
【0426】
なお、セグメント制御順序は、数字表示順序と同様に遊技機10の電源投入時や設定値の変更時などに決定することによって同一営業日中で固定化される一方で、営業日ごとに決定されるようにすることも考えられる。この場合、セグメント制御順序が遊技機10に固有の順序として固定される場合に比べて、7セグメント表示部39に表示されたことのない数字の把握が困難になる。これにより、全ての非設定値が特定されて設定値が認識されるまでの困難性が高められるため、例えば設定値が低設定である場合に(低確率モードでの大当たり確率が低い場合に)、遊技者に低設定であることが早期に認識されることを防止でききる。これにより、遊技者が遊技中の遊技機10での遊技を早期終了してしまうことが防止される。
【0427】
また、セグメント制御順序は、後述の第3の実施形態において説明するように、低確率モードでの大当たりに対する大当たり遊技が開始される場合(所定期間が開始される場合)などに決定するようにしてもよい。
【0428】
図42(C)に示すように、既表示情報記憶エリアは、所定期間において7セグメント表示部39で既に表示した数字、表示途中の数字、既に制御対象としたセグメントA〜Gに関する情報を記憶するエリアである。この既表示情報記憶エリアは、既表示数字フラグ情報、表示中数字フラグ情報及び既表示セグメントフラグ情報を記憶する。
【0429】
既表示数字フラグ情報は、所定期間において、7セグメント表示部39に表示した数字であるか否かを示すフラグに関する情報である。この既表示数字フラグ情報は、数字1既表示フラグ、数字2既表示フラグ、数字3既表示フラグ、数字4既表示フラグ、数字5既表示フラグ、及び数字6既表示フラグを含む。数字1既表示フラグは、所定期間において遊技設定値1に対応する数字の1が非設定値として7セグメント表示部39に表示されたか否かを示すフラグである。この数字1既表示フラグは、オンに設定されている場合に所定期間において7セグメント表示部39に