(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021003915
(43)【公開日】20210114
(54)【発明の名称】マルチコプター
(51)【国際特許分類】
   B64C 25/08 20060101AFI20201211BHJP
   B64C 27/08 20060101ALI20201211BHJP
【FI】
   !B64C25/08
   !B64C27/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】2019117225
(22)【出願日】20190625
(71)【出願人】
【識別番号】517077935
【氏名又は名称】株式会社エアロジーラボ
【住所又は居所】大阪府箕面市如意谷1丁目12番26号
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100135839
【弁理士】
【氏名又は名称】大南 匡史
(72)【発明者】
【氏名】谷 紳一
【住所又は居所】大阪府箕面市如意谷1丁目12番26号 株式会社エアロジーラボ内
(57)【要約】
【課題】凹凸のある場所に着陸した場合であっても円滑に離陸することができるマルチコプターを提供する。
【解決手段】マルチコプター1は、モータ15によって回転し揚力を発生される回転翼2を有し、回転翼2を回転させて飛行するものである。マルチコプター1は、着地する複数の脚部20を有し、脚部20のいずれか又は全部が伸縮して姿勢を水平方向に修正することができる。そのため、マルチコプター1は、傾斜姿勢で着陸した場合であっても円滑に離陸させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータによって回転し揚力を発生される回転翼を有し、回転翼を回転させて飛行するマルチコプターにおいて、
着地時に姿勢を水平方向に修正する姿勢修正手段を有することを特徴とするマルチコプター。
【請求項2】
着地する複数の脚部を有し、当該脚部のいずれか又は全部が伸縮して姿勢を水平方向に修正することを特徴とする請求項1に記載のマルチコプター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に「ドローン」と称されるマルチコプターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の回転翼(プロペラ)を有し、垂直離着陸するマルチコプターが知られている。マルチコプターは、当初、玩具として販売されたが、次第に高機能化し、航空写真の撮影や、物資の運搬等の業務用にも使用されつつある。
【0003】
マルチコプターには、着地用の脚がある。脚の数は、4本あるいは3本の場合が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018−129713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般にマルチコプターは、無線によって遠隔操作される。ここでマルチコプターを操縦者の近くから離陸させ、操縦者から遠く離れた場所に着陸させる場合がある。そして無線によって操縦者から遠く離れた場所に着陸しているマルチコプターを離陸させる場合がある。
また自動操縦でマルチコプターを飛ばす場合もある。例えば制御装置に座標等を入力し、指定された場所にマルチコプターを飛ばす。この場合でも、着陸した場所から離陸することとなる。
【0006】
自動操縦でマルチコプターを飛ばした場合、例えば山間部や崖に着陸する場合がある。この場合、地面が凸凹していたり、段や坂があると、マルチコプターが傾斜した姿勢で着陸してしまう場合が想定される。
マルチコプターの回転翼は、回転翼に対して垂直方向に推進力を発生させるから、マルチコプターは、水平に近い姿勢からでなければ離陸することができない。
そのため遠隔操作でマルチコプターを飛ばし、斜め姿勢で着陸してしまうと、離陸させることができなくなってしまう。
【0007】
本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、凹凸のある場所に着陸した場合であっても円滑に離陸させることができるマルチコプターを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するための態様は、モータによって回転し揚力を発生される回転翼を有し、回転翼を回転させて飛行するマルチコプターにおいて、着地時に姿勢を水平方向に修正する姿勢修正手段を有することを特徴とするマルチコプターである。
【0009】
本態様のマルチコプターは、着地した状態で姿勢を水平方向に修正することができる。そのため凹凸のある場所に着陸して傾いた姿勢となった場合でも、水平姿勢に近い状態に戻して離陸させることができる。
【0010】
上記した態様において、着地する複数の脚部を有し、当該脚部のいずれか又は全部が伸縮して姿勢を水平方向に修正することが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のマルチコプターは、傾斜姿勢で着陸した場合であっても円滑に離陸させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態のマルチコプターの斜視図である。
【図2】図1のマルチコプターの脚部の拡大図であり、(a)は脚部を縮めた状態を示し(b)は脚部を伸ばした状態を示す。
【図3】(a)乃至(c)は、図1のマルチコプターの離陸時の動作を示す説明図である。
【図4】脚部の変形例を示す斜視図である。
【図5】脚部の他の変形例を示す正面図であり、(a)は脚部を縮めた状態を示し(b)は脚部を伸ばした状態を示す。
【図6】脚部のさらに他の変形例を示す斜視図であり、(a)は脚部を縮めた状態を示し(b)は脚部を伸ばした状態を示す。
【図7】脚部のさらに他の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態のマルチコプター1は、8個の回転翼2を備えたドローンであり、無線によって遠隔操作される。マルチコプター1は、公知のそれと同様に、回転翼2を回転することによって下降気流による揚力を発生させて中空に浮き上がり、各回転翼2の回転数を相違させることによって水平方向に移動する。
また各回転翼2の回転数を相違させることにより、機体を回転させることや、機体の向きを変えつつ斜め上に進むといった多彩な動きをさせることもできる。
【0014】
本実施形態のマルチコプター1は、本体部3と、8個の回転翼2を有している。
本体部3は、支持フレーム10と、機器載置部11と、接地部12を有している。
本実施形態のマルチコプター1では、中央の機器載置部11に、蓄電池及び制御装置(図示せず)が搭載されている。
マルチコプター1には、特徴的な機器として、姿勢検知センサー13が搭載されている。姿勢検知センサー13は、マルチコプター1の姿勢が水平姿勢であるか傾斜姿勢であるかを検知するものである。
【0015】
回転翼2は、公知のそれと同様、モータ15の出力軸に直接取り付けられている。
そして本実施形態では、図示しない取り付け部材によって、モータ15が支持フレーム10の上部に固定されている。
【0016】
接地部12は、着陸時に地面と当接し、本体部3を中空に保持するものである。本実施形態では、接地部12は、4本の脚部20によって構成されている。
本実施形態で採用する脚部20は、いずれも先端が着地するものであり、伸縮機能を備えている。
本実施形態で採用する脚部20は、図2の様に固定脚21と移動脚22を有している。移動脚22は、外周にネジ23が形成された棒である。
固定脚21の下端近傍には、雌ねじ部材25が固定されており、前記した移動脚22は雌ねじ部材25と係合している。
また移動脚22の上端には昇降用モータ26の回転軸が取り付けられている。昇降用モータ26の本体部は、図示しないガイドを介して固定脚21に取り付けられている。そのため昇降用モータ26は、固定脚21に沿って上下方向にのみ自由度を持つ。
【0017】
本実施形態で採用する脚部20は、昇降用モータ26を回転することによって移動脚22が回転する。移動脚22のネジ23は、雌ねじ部材25と係合しているから、昇降用モータ26を回転することによって移動脚22が回転する。移動脚22のネジ23が回転することによって回転運動が直線運動に変換され、移動脚22が固定脚21に沿って上下に移動する。その結果、図2(a)(b)の様に脚部20の全長が伸縮する。
【0018】
次に、マルチコプター1の機能について説明する。
マルチコプター1では、離陸する前に内蔵する姿勢検知センサー13で自身の姿勢を検知する。
例えば図3(a)の様な傾斜面にマルチコプター1が着陸した場合、内蔵する姿勢検知センサー13が、どの向きに傾斜しているかを判断する。図3(a)の例によると、脚部20b側が下の位置となる様に傾斜している。
【0019】
制御装置は、姿勢検知センサー13の信号を受信すると、いずれかの昇降用モータ26を回転してマルチコプター1の姿勢を水平に修正する。
図3の例では、図3(b)の様に下方となっている脚部20bの昇降用モータ26を回転し、脚部20bの全長を伸ばして支持フレーム10の傾斜下方側を持ち上げる。
そして図3(b)の様に支持フレーム10が略水平姿勢になると、モータ15を駆動して離陸する。
離陸後は、脚部20bの昇降用モータ26を逆回転し、図3(c)の様に脚部20bの長さを縮めてもとの長さに戻す。
離陸時の姿勢は、水平姿勢であることが望ましいが、完全な水平姿勢に至らせることは必須ではない。
【0020】
以上説明した実施形態では、下方側となった脚部20bを伸ばして支持フレーム10を水平姿勢に戻したが、上方側となった脚部20aを縮めて支持フレーム10を水平姿勢に戻してもよい。
以上説明した実施形態では、4本の脚部20が全て伸縮するが、伸縮しないものが含まれていてもよい。
また通常の着陸時に使用する脚部とは別に伸縮する部材(脚部)を設け、当該部材を伸ばして姿勢を修正してもよい。
【0021】
以上説明した実施形態では、ネジ機構を採用して脚部20を伸縮させたが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
例えば図4の様に、ラックアンドピニオンを利用して脚部30を伸縮させてもよい。
図4に示す脚部30は、移動脚31にラック32を設け、固定脚33側にピニオン36が配されている。ピニオン36は昇降用モータ35で回転する。
図4に示す脚部30では、昇降用モータ35を回転することにより、移動脚31が移動し、脚部30を伸縮する。
【0022】
図5は、リンク機構を応用して脚部40を伸縮させるものである。図5に示す脚部40は、4本のリンク41a、41b、41c、41dがいずれも回転可能に接続されて四角形を構成している。
そしてリンク41a、41bの間に雌ねじ42があり、リンク41c、41dの間からネジ棒43が挿入されてリンク41a、41bの間の雌ねじ42と係合している。
またネジ棒43には昇降用モータ45が接続されている。
図5に示す脚部40は、ネジ棒43を回転することにより、各リンク41a、41b、41c、41dの傾斜角度が変わり、全長が伸縮する。
【0023】
図6は、カム機構を応用して脚部50を伸縮させるものである。図6に示す脚部50は、固定脚51の先端にカム52が取り付けられている。カム52は図示しない昇降用モータによって回転する。
図6に示す脚部50では、カム52を回転することによって、カム52の接地部位を変更し、全長を伸縮する。
【0024】
図7は、シリンダー62によって脚部60を伸縮させるものである。
図7に示す脚部60は、固定脚61の先端にシリンダー62が取り付けられている。また固定脚61に小型のボンベ63が取り付けられている。
図7に示す脚部60では、ボンベ63からシリンダー62に圧縮空気を導入し、脚部60の全長を伸縮する。
【符号の説明】
【0025】
1 マルチコプター
2 回転翼
12 接地部
13 姿勢検知センサー
20、30、40、50、60 脚部
21、33 固定脚
22、31 移動脚
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】