(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021003990
(43)【公開日】20210114
(54)【発明の名称】車両用シート構造
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/54 20060101AFI20201211BHJP
   B60N 2/72 20060101ALI20201211BHJP
   A47C 3/025 20060101ALN20201211BHJP
【FI】
   !B60N2/54
   !B60N2/72
   !A47C3/025
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】2019119280
(22)【出願日】20190627
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
【住所又は居所】大阪府池田市ダイハツ町1番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】白澤 義文
【住所又は居所】大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハツ工業株式会社内
【テーマコード(参考)】
3B087
3B091
【Fターム(参考)】
3B087DD02
3B087DD17
3B091AB04
3B091AC07
(57)【要約】
【課題】 複数のトーションバーから自在傾斜部材に作用する復元力をより効果的に制御することが可能な車両用シート構造を提供する。
【解決手段】 回転軸心Cの位置が互いに等しく、かつ第1方向xに延びる一対の回転軸(第1回転軸13)の一方が設けられた第1支持体11と、前記一対の回転軸の他方が設けられた第2支持体12と、により下端が回転可能に支持された自在傾斜部材(第1自在傾斜部材20)と、第1支持体11および前記自在傾斜部材に支持された第1トーションバー51と、第2支持体12および前記自在傾斜部材に支持された第2トーションバー52と、を備え、第1トーションバー51は、第1方向xに延び、かつ軸心の位置が回転軸心Cの位置と等しい第1ねじり部511を有し、第2トーションバー52は、第1方向xに延び、かつ第1ねじり部511よりも第2方向yに離れて位置する第2ねじり部521を有する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸心が車両上下方向に対して直交する第1方向に延び、かつ前記回転軸心の位置が互いに等しい一対の回転軸の一方が設けられた第1支持体と、
前記一対の回転軸の他方が設けられ、かつ前記第1支持体に対して前記第1方向に離れて位置する第2支持体と、
下端が前記一対の回転軸を介して前記第1支持体および前記第2支持体に対して回転可能に支持された自在傾斜部材と、
前記第1支持体および前記自在傾斜部材の双方に支持された第1トーションバーと、
前記第2支持体および前記自在傾斜部材の双方に支持された第2トーションバーと、を備え、
前記第1トーションバーは、前記第1方向に延び、かつ軸心の位置が前記回転軸心の位置と等しい第1ねじり部と、前記第1支持体から最も近くに位置する前記第1ねじり部の端から前記車両上下方向および前記第1方向の双方に対して直交する第2方向に延び、かつ前記第1支持体に支持された第1基部と、前記第1トーションバーの自然状態において前記第2支持体から最も近くに位置する前記第1ねじり部の端から車両上方に延び、かつ前記自在傾斜部材に支持された第1入力部と、を有し、
前記第2トーションバーは、前記第1方向に延び、かつ前記第1ねじり部よりも前記第2方向に離れて位置する第2ねじり部と、前記第2支持体から最も近くに位置する第2ねじり部の端から前記第2方向において前記第1基部と同じ向きに延び、かつ前記第2支持体に支持された第2基部と、前記第2トーションバーの自然状態において前記第1支持体から最も近くに位置する前記第2ねじり部の端から前記車両上方に延び、かつ前記自在傾斜部材に支持された第2入力部と、を有することを特徴とする、車両用シート構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のトーションバーと、当該複数のトーションバーからの復元力が作用する自在傾斜部材とを備える車両用シート構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のトーションバーと、当該複数のトーションバーからの復元力が作用する自在傾斜部材(特許文献1ではシートバックフレーム)とを備える車両用シート構造の一例が開示されている。本構造においては、複数のトーションバーが自在傾斜部材に作用する復元力の発生手段となっている。これにより、シートがリクライナの姿勢をとったときであっても、シートを元の姿勢に戻すことができる。さらに本構成をとると、復元力の発生手段としてコイルばねを用いる場合よりも、シートの車幅方向の寸法を抑制することができる。
【0003】
ここで、車両のリアシートは、シートバックの骨組としての自在傾斜部材に加えて、シートクッションを車両下方から支持する自在傾斜部材を備えることがある。これにより、シートクッションが車両下方に沈み込み、かつ前方に倒れ込んだシートバックがシートクッションを車両上方から覆うチルトダウンの姿勢をリアシートがとることができる。この場合において、シートクッションを車両下方から支持する自在傾斜部材の作動範囲(角度)に対して、当該自在傾斜部材に求められる復元力の発生範囲(角度)が小となる。さらにこの場合において、当該復元力の発生手段として複数のトーションバーを用いることとする。この条件において、当該複数のトーションバーの各々の直径をより大とすると、復元力が不要な当該自在傾斜部材の作動範囲においても当該自在傾斜部材に復元力が作用することとなり、チルトダウンの姿勢において当該自在傾斜自在が起き上がってしまうこととなる。したがって、複数のトーションバーから当該自在傾斜部材に作用する復元力をより効果的に制御する方策が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第WO2006/075532号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の事情に鑑み、複数のトーションバーから自在傾斜部材に作用する復元力をより効果的に制御することが可能な車両用シート構造を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供される車両用シート構造は、回転軸心が車両上下方向に対して直交する第1方向に延び、かつ前記回転軸心の位置が互いに等しい一対の回転軸の一方が設けられた第1支持体と、前記一対の回転軸の他方が設けられ、かつ前記第1支持体に対して前記第1方向に離れて位置する第2支持体と、下端が前記一対の回転軸を介して前記第1支持体および前記第2支持体に対して回転可能に支持された自在傾斜部材と、前記第1支持体および前記自在傾斜部材の双方に支持された第1トーションバーと、前記第2支持体および前記自在傾斜部材の双方に支持された第2トーションバーと、を備え、前記第1トーションバーは、前記第1方向に延び、かつ軸心の位置が前記回転軸心の位置と等しい第1ねじり部と、前記第1支持体から最も近くに位置する前記第1ねじり部の端から前記車両上下方向および前記第1方向の双方に対して直交する第2方向に延び、かつ前記第1支持体に支持された第1基部と、前記第1トーションバーの自然状態において前記第2支持体から最も近くに位置する前記第1ねじり部の端から車両上方に延び、かつ前記自在傾斜部材に支持された第1入力部と、を有し、前記第2トーションバーは、前記第1方向に延び、かつ前記第1ねじり部よりも前記第2方向に離れて位置する第2ねじり部と、前記第2支持体から最も近くに位置する第2ねじり部の端から前記第2方向において前記第1基部と同じ向きに延び、かつ前記第2支持体に支持された第2基部と、前記第2トーションバーの自然状態において前記第1支持体から最も近くに位置する前記第2ねじり部の端から前記車両上方に延び、かつ前記自在傾斜部材に支持された第2入力部と、を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明にかかる車両用シート構造によれば、複数のトーションバーから自在傾斜部材に作用する復元力をより効果的に制御することが可能となる。
【0008】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面に基づき以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態にかかる車両用シート構造の側面図である。
【図2】図1に示す車両用シート構造の斜視図である。
【図3】図2の部分拡大平面図である。
【図4】図1に示す車両用シート構造において、第1自在傾斜部材が前方に最も倒れたときの状態を示す側面図である。
【図5】図4に示す状態において、第1トーションバーおよび第2トーションバーの各々に発生するねじり角の大きさを示す図である。
【図6】図1に示す車両用シート構造において、第1自在傾斜部材が後方に最も倒れたときの状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態について、添付図面に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図6に基づき、本発明の一実施形態にかかる車両用シート構造(以下「シート構造A」という。)について説明する。シート構造Aは、第1支持体11、第2支持体12、第1自在傾斜部材20、第2自在傾斜部材30、一対の連結部材40、第1トーションバー51、第2トーションバー52、シートクッション61およびシートバック62を備える。シート構造Aは、車両のリアシートを対象としている。さらに、シート構造Aにおいては、第1自在傾斜部材20および第2自在傾斜部材30のうち、第1自在傾斜部材20を本発明における自在傾斜部材の対象としている。
【0012】
ここで、説明の便宜上、車両上下方向に対して直交する方向を第1方向xと呼ぶ。第1方向xは、一般的なシート構造Aの使用状態において車両左右方向(車幅方向)を指す。車両上下方向および第1方向xの双方に対して直交する方向を第2方向yと呼ぶ。第2方向yは、一般的なシート構造Aの使用状態において車両前後方向を指す。この場合において、車両前方側を第2方向yの一方側と呼ぶ。車両後方側を第2方向yの他方側と呼ぶ。さらに、図1〜図6(ただし、図5を除く。)において示されるuprを車両上方向、dwnを車両下方向、frを車両前方向、rrを車両後方向、rhを車両右方向、lhを車両左方向とする。以下の説明で、特記なく前後を用いる場合は、シート構造Aに着座した乗員から視ての前後方向の前後を指す。
【0013】
第1支持体11および第2支持体12は、図2に示すように、第1方向xにおいて互いに離れて位置し、かつ第2方向yに延びている。シート構造Aにおいては、第1支持体11が車両右側に位置し、かつ第2支持体12が車両左側に位置する。第1支持体11および第2支持体12は、シートのスライド機構をなす一対のアッパレール(図示略)に取り付けられている。当該一対のアッパレールは、車体のフロアパネルに固定された一対のロアレール(図示略)に滑動可能に支持されている。この構成とは他に、第1支持体11および第2支持体12が車体のフロアパネルに固定された場合でもよい。第1支持体11および第2支持体12は、第1自在傾斜部材20および第2自在傾斜部材30を支持している。シート構造Aにおいては、第1支持体11および第2支持体12は、互いに分離された部材である。この他に、第1支持体11および第2支持体12は、ベースプレートなどを介して一体となった部材でもよい。
【0014】
次に、図1に基づき、シート構造Aの機構について説明する。第1支持体11(図1においては図示略)には、一対の第1回転軸13の一方と、一対の第2回転軸14の一方とが設けられている。第2支持体12には、一対の第1回転軸13の他方と、一対の第2回転軸14の他方とが設けられている。一対の第1回転軸13、および一対の第2回転軸14は、ともに第1方向xに延びている。一対の第1回転軸13の回転軸心(図2に示す回転軸心C)の位置は、互いに等しい。あわせて、一対の第2回転軸14の回転軸心の位置は、互いに等しい。一対の第1回転軸13は、一対の第2回転軸14よりも第2方向yの一方側に位置する。
【0015】
第1自在傾斜部材20は、その下端が一対の第1回転軸13を介して第1支持体11および第2支持体12に対して第1方向xの回りに回転可能に支持されている。第2自在傾斜部材30は、その下端が一対の第2回転軸14を介して第1支持体11および第2支持体12に対して第1方向xの回りに回転可能に支持されている。第1自在傾斜部材20の上端には、一対の第1連結軸211が設けられている。一対の第1連結軸211は、ともに第1方向xに延び、かつこれらの回転軸心の位置は互いに等しい。第2自在傾斜部材30において、一対の第2回転軸14よりも上方には、一対の第2連結軸31が設けられている。一対の第2連結軸31は、ともに第1方向xに延び、かつこれらの回転軸心の位置は互いに等しい。
【0016】
一対の連結部材40のうち、一方の当該連結部材40は、第1支持体11に設けられた一対の第1回転軸13の一方、および一対の第2回転軸14の一方を介して、第1自在傾斜部材20および第2自在傾斜部材30に対して第1方向xの回りに回転可能に支持されている。一対の連結部材40のうち、他方の当該連結部材40は、第2支持体12に設けられた一対の第1回転軸13の他方、および一対の第2回転軸14の他方を介して、第1自在傾斜部材20および第2自在傾斜部材30に対して第1方向xの回りに回転可能に支持されている。これにより、第1自在傾斜部材20、第2自在傾斜部材30、および一対の連結部材40は、第1自在傾斜部材20をてこ、第2自在傾斜部材30の一対の第2回転軸14から一対の第2連結軸31までに至る区間をクランクとした、てこクランク機構をなしている。
【0017】
シート構造Aの座部であるシートクッション61は、一対の連結部材40に取り付けられている。一対の連結部材40は、シートクッション61の骨組となっている。これにより、シートクッション61は、一対の連結部材40と一体となって可動する。シート構造Aの背もたれ部であるシートバック62は、第2自在傾斜部材30に取り付けられている。第2自在傾斜部材30は、シートバック62の骨組となっている。これにより、シートバック62は、第2自在傾斜部材30と一体となって可動する。第2自在傾斜部材30を前方に向けて倒すと、第1自在傾斜部材20が前方に向けて回転し、かつ一対の連結部材40が車両下方に移動する。この結果、シート構造Aは、シートクッション61が車両下方に沈み込み、かつ前方に倒れ込んだシートバック62がシートクッション61を車両上方から覆うチルトダウンの姿勢をとる。さらに、第2自在傾斜部材30を後方に向けて倒すと、第1自在傾斜部材20が後方に向けて回転し、かつ一対の連結部材40が後方に移動する。この結果、シート構造Aは、シートバック62が後方に倒れ、かつシートクッション61が後方に移動するリクライナの姿勢をとる。
【0018】
次に、図2および図3に基づき、第1自在傾斜部材20、第1トーションバー51および第2トーションバー52について説明する。
【0019】
図2に示すように、第1自在傾斜部材20は、一対のアーム部21、および連結部22を有する。一対のアーム部21は、第1方向xにおいて互いに離れて位置する。一対のアーム部21の一方は、その下端において一対の第1回転軸13の一方を介して第1支持体11に対して第1方向xの回りに回転可能に支持されている。一対のアーム部21の他方は、その下端において一対の第1回転軸13の他方を介して第2支持体12に対して第1方向xの回りに回転可能に支持されている。連結部22は、第1方向xに延びている。連結部22の第1方向xの両端は、一対のアーム部21につながっている。これにより、一対のアーム部21は、ともに同一の回転挙動をする。連結部22の第2方向yの他方側には、軸受部221、および一対の押え部222が設けられている。第1方向xにおいて、軸受部221は、一対の押え部222の間に位置する。
【0020】
図2に示すように、第1トーションバー51は、第1支持体11と第1自在傾斜部材20の双方に支持されている。第1トーションバー51は、第1ねじり部511、第1基部512および第1入力部513を有する。
【0021】
第1ねじり部511は、第1自在傾斜部材20の連結部22の軸受部221に支持されている。第1ねじり部511には、トルクが入力される。第1ねじり部511にトルクが入力されると、当該トルクの入力方向とは反対方向の復元力が第1ねじり部511に発生する。第1ねじり部511は、第1方向xに延びている。第1ねじり部511の軸心N1(図4および図5参照)の位置は、一対の第1回転軸13の回転軸心Cの位置と等しい。第1ねじり部511のうち、軸受部221により支持された区間は、当該区間の軸方向の変位と、当該軸方向の回りの回転変位が許容されている。
【0022】
第1基部512は、第1支持体11から最も近くに位置する第1ねじり部511の端から第2方向yに延びている。シート構造Aにおいては、第1基部512は、第2方向yの他方側に延びている。第1基部512は、第1支持体11に設けられた第1ブラケット111に支持されている。第1ブラケット111は、一対の第1回転軸13よりも第2方向yの他方側に位置する。第1基部512のうち、第1ブラケット111に支持された区間は、当該区間の軸方向の変位と、当該軸方向の回りの回転変位が許容されている。
【0023】
第1入力部513は、第1トーションバー51の自然状態(第1ねじり部511に復元力が発生しない状態)において、第2支持体12から最も近くに位置する第1ねじり部511の端から車両上方に延びている。第1入力部513は、第1自在傾斜部材20の連結部22の一対の押え部222のうち、第2支持体12から最も近くに位置する当該押え部222に支持されている。これにより、第1自在傾斜部材20が回転すると、第1入力部513は、第1ねじり部511の軸心N1(図4および図5参照)の回りに回転する。第1入力部513が回転すると、第1ねじり部511にトルクが入力される。第1入力部513のうち、当該押え部222に支持された区間は、当該区間の軸方向の変位と、当該軸方向の回りの回転変位が許容されている。
【0024】
図2に示すように、第2トーションバー52は、第2支持体12と第1自在傾斜部材20の双方に支持されている。第2トーションバー52は、第2ねじり部521、第2基部522および第2入力部523を有する。
【0025】
第2ねじり部521は、第1自在傾斜部材20の連結部22の軸受部221に支持されている。第2ねじり部521には、トルクが入力される。第2ねじり部521にトルクが入力されると、当該トルクの入力方向とは反対方向の復元力が第2ねじり部521に発生する。第2ねじり部521は、第1方向xに延びている。図3に示すように、第2ねじり部521は、第1トーションバー51の第1ねじり部511よりも第2方向yに間隔δを持って離れて位置する。シート構造Aにおいては、第2ねじり部521は、第1ねじり部511よりも第2方向yの一方側に離れて位置する。第2ねじり部521のうち、軸受部221により支持された区間は、当該区間の軸方向の変位と、当該軸方向の回りの回転変位が許容されている。
【0026】
第2基部522は、第2支持体12から最も近くに位置する第2ねじり部521の端から第2方向yに延びている。これにより、第2基部522は、第1トーションバー51の第1基部512に対して第1方向xに離れて位置する。シート構造Aにおいては、第2基部522は、第2方向yの他方側に延びている。第2基部522は、第2支持体12に設けられた第2ブラケット121に支持されている。第2ブラケット121は、一対の第1回転軸13よりも第2方向yの他方側に位置する。第2基部522のうち、第2ブラケット121に支持された区間は、当該区間の軸方向の変位と、当該軸方向の回りの回転変位が許容されている。
【0027】
第2入力部523は、第2トーションバー52の自然状態(第2ねじり部521に復元力が発生しない状態)において、第1支持体11から最も近くに位置する第2ねじり部521の端から車両上方に延びている。これにより、第2入力部523は、第1トーションバー51の第1入力部513に対して第1方向xに離れて位置する。第2入力部523は、第1自在傾斜部材20の連結部22の一対の押え部222のうち、第1支持体11から最も近くに位置する当該押え部222に支持されている。これにより、第1自在傾斜部材20が回転すると、第2入力部523は、第2ねじり部521の軸心N2(図4および図5参照)の回りに回転する。第2入力部523が回転すると、第2ねじり部521にトルクが入力される。第2入力部523のうち、当該押え部222に支持された区間は、当該区間の軸方向の変位と、当該軸方向の回りの回転変位が許容されている。
【0028】
図3に示すように、シート構造Aにおいては、第2トーションバー52の第2基部522が、第1トーションバー51よりも車両下方を通過している。ここで、本発明においては、第2トーションバー52の第2ねじり部521が、第1ねじり部511よりも第2方向yの他方側に離れて位置する構成でもよい。この場合においては、第2トーションバー52の第2入力部523が、第1トーションバー51よりも車両下方を通過する構成となる。
【0029】
次に、シート構造Aの作用効果について説明する。
【0030】
シート構造Aは、自在傾斜部材(第1自在傾斜部材20)、第1トーションバー51および第2トーションバー52を備える。第1トーションバー51の第1ねじり部511の軸心N1の位置は、第1自在傾斜部材20の下端に位置する一対の第1回転軸13の回転軸心Cの位置と等しい。第2トーションバー52の第2ねじり部521は、第1ねじり部511よりも第2方向yに離れて位置する。
【0031】
図4は、第1トーションバー51および第2トーションバー52の双方に復元力が発生しない状態から、第1自在傾斜部材20が前方(図4に示す矢印の向き)に最も倒れたときの状態を示している。この状態は、図1に示すシートクッション61が車両下方に沈み込み、かつ前方に倒れ込んだシートバック62がシートクッション61を車両上方から覆うチルトダウンの姿勢をシート構造Aがとることを示している。この状態において、第1トーションバー51の第1ねじり部511と、第2トーションバー52の第2ねじり部521との各々には、図4に示す矢印の向きとは反対向きの復元力が発生する。あわせて、第1トーションバー51の第1入力部513と、第2トーションバー52の第2入力部523との各々は、点Oを中心とした回転角θで回転変位する。このとき、第1ねじり部511の軸心N1には変位が生じない。しかし、第2ねじり部521の軸心N2には、車両下方に向けた軸心N1の回りの変位が生じ、仮想軸心n2の位置に到達する。シート構造Aにおいては、第2トーションバー52の第2基部522の近傍に位置する軸心N2の一部区間に変位が生じる。これにより、図5に示すように、第2入力部523により第1ねじり部521に入力されるトルクに対応する第2ねじり部521のねじり角φ2は、第1入力部513により第1ねじり部511に入力されるトルクに対応する第1ねじり部511のねじり角φ1よりも小となる。よって、第2ねじり部521に発生する復元力は、第1ねじり部511に発生する復元力よりも小となる。したがって、第1トーションバー51および第2トーションバー52から第1自在傾斜部材20に作用する復元力がより小さくなるため、シート構造Aのチルトダウンの姿勢から第1自在傾斜部材20の起き上がりを抑制することができる。以上により、シート構造Aによれば、複数のトーションバー(第1トーションバー51および第2トーションバー52)から自在傾斜部材(第1自在傾斜部材20)に作用する復元力をより効果的に制御することが可能となる。
【0032】
さらに、シート構造Aにおいては、第2トーションバー52の第2基部522および第2入力部523のいずれかが、第1トーションバー51よりも車両下方を通過している。図6は、第1トーションバー51および第2トーションバー52の双方に復元力が発生しない状態から、第1自在傾斜部材20が後方(図6に示す矢印の向き)に最も倒れたときの状態を示している。この状態は、図1に示すシートバック62が後方に最も倒れ、かつシートクッション61が後方に最も移動したリクライナが最大となる姿勢をシート構造Aがとることを示している。この状態において、第1トーションバー51の第1ねじり部511と、第2トーションバー52の第2ねじり部521との各々には、図6に示す矢印の向きとは反対向きの復元力が発生する。このとき、第1ねじり部511の軸心N1には変位が生じない。しかし、第2ねじり部521の軸心N2には、軸心N1に向けた変位が生じ、仮想軸心n2の位置に到達する。シート構造Aにおいては、第2トーションバー52の第2基部522の近傍に位置する軸心N2の一部区間に変位が生じる。軸心N2が仮想軸心n2の位置に到達すると、第2トーションバー52の第2基部522および第2入力部523のいずれかが、第1トーションバー51に接触する。シート構造Aにおいては、第2基部522が第1トーションバー51に接触する。これにより、第2トーションバー52は、第1トーションバー51から反力を受けることとなるため、第2ねじり部521に発生した復元力がさらに増加する。したがって、第1トーションバー51および第2トーションバー52から第1自在傾斜部材20に作用する復元力がより大きくなるため、シート構造Aが最大となるリクライナの姿勢をとったときであっても、第1自在傾斜部材20を元の姿勢に戻すことができる。
【0033】
本発明における自在傾斜部材は、第1自在傾斜部材20のみならず、第2自在傾斜部材30にもその対象とすることができる。この場合においては、本発明は、車両のリアシートのみならず、車両のフロントシートにも適用することができる。
【0034】
本発明は、先述した実施形態に限定されるものではない。本発明の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0035】
A:シート構造
11:第1支持体
111:第1ブラケット
12:第2支持体
13:第1回転軸
14:第2回転軸
20:第1自在傾斜部材
21:アーム部
211:第1連結軸
22:連結部
221:軸受部
222:押え部
30:第2自在傾斜部材
31:第2連結軸
40:連結部材
51:第1トーションバー
511:第1ねじり部
512:第1基部
513:第1入力部
52:第2トーションバー
521:第2ねじり部
522:第2基部
523:第2入力部
61:シートクッション
62:シートバック
C:回転軸心
N1,N2:軸心
n2:仮想軸心
δ:間隔
θ:回転角
φ1,φ2:ねじり角
x:第1方向
y:第2方向
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】