(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021004129
(43)【公開日】20210114
(54)【発明の名称】プリンタの記録媒体搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20201211BHJP
   B41J 15/14 20060101ALI20201211BHJP
【FI】
   !B65H5/06 H
   !B41J15/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】2019119245
(22)【出願日】20190627
(71)【出願人】
【識別番号】307015301
【氏名又は名称】武藤工業株式会社
【住所又は居所】東京都世田谷区池尻三丁目1番3号
(74)【代理人】
【識別番号】100067758
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 綾雄
(72)【発明者】
【氏名】内山 公貴
【住所又は居所】長野県諏訪郡下諏訪町御田町3128 武藤工業株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 光幸
【住所又は居所】長野県諏訪郡下諏訪町御田町3128 武藤工業株式会社内
【テーマコード(参考)】
2C060
3F049
【Fターム(参考)】
2C060BC03
2C060BC15
2C060BC24
2C060BC33
2C060BC55
3F049AA10
3F049CA33
3F049DA12
3F049DA19
3F049EA08
3F049LA07
3F049LB03
3F049LB08
3F049LB11
(57)【要約】
【課題】
グリッドローラ20に対する加圧ローラ8の加圧力を多段階に変更でき、多種の用紙に適応できる記録媒体搬送装置を提供する。
【解決手段】
所定方向に移動可能に機体に支持されたメディアセットレバー46と、ヘッドガイドレール6に複数取り付けられた加圧ベース24と、ヘッドガイドレール6に沿って回転自在に支持された軸体22と、加圧ローラ8を有し、各加圧ベース24に軸部を中心として揺動自在に支持された加圧アーム30と、各加圧アーム30に加圧ローラ8がグリッドローラ20に向かう方向の付勢力を付与する付勢力付与手段と、メディアセットレバー46の移動を軸体の回転運動に変換する運動変換手段とを備え、付勢力付与手段の各加圧アーム30に対する付勢力がメディアセットレバー46の移動により駆動される軸体22の回転に対応して多段階に変化するようにした。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動系に連結するグリッドローラ20と、該グリッドローラ20に対向して記録媒体の横幅方向に分割配置された複数の加圧ローラ8とで、記録媒体を挟持し、グリッドローラ20の回転により記録媒体を搬送し、該記録媒体に印刷を行うプリンタの記録媒体搬送装置であって、記録媒体の横幅方向に沿って機体に架設されたヘッドガイドレール6と、所定方向に移動可能に機体に支持されたメディアセットレバー46と、前記ヘッドガイドレール6に複数取り付けられた加圧ベース24と、前記ヘッドガイドレール6に沿って回転自在に支持された軸体22と、加圧ローラ8を有し、前記各加圧ベース24に軸部32を中心として揺動自在に支持された加圧アーム30と、前記各加圧アーム30に前記加圧ローラ8が前記グリッドローラ20に向かう方向の付勢力を付与する付勢力付与手段と、前記メディアセットレバー46の移動を前記軸体22の回転運動に変換する運動変換手段とを備え、前記付勢力付与手段の前記各加圧アーム30に対する付勢力が前記メディアセットレバー46の移動により駆動される前記軸体22の回転に対応して多段階に変化するようにしたことを特徴とするプリンタの記録媒体搬送装置。
【請求項2】
駆動系に連結するグリッドローラ20と、該グリッドローラ20に対向して記録媒体の横幅方向に分割配置された複数の加圧ローラ8とで記録媒体を挟持し、グリッドローラ20の回転により記録媒体を搬送し、該記録媒体に印刷を行うプリンタの記録媒体搬送装置であって、記録媒体の横幅方向に沿って機体に架設されたヘッドガイドレール6と、機体に対して所定方向に移動可能に機体に支持されたメディアセットレバー46と、前記ヘッドガイドレール6に複数取り付けられた加圧ベース24と、前記ヘッドガイドレール6に沿って回転自在に支持された軸体22と、加圧ローラ8を有し、前記各加圧ベース24に軸部32を中心として揺動自在に支持された加圧アーム30と、前記各加圧アーム30に前記加圧ローラ8が前記グリッドローラ20に向かう方向の付勢力を付与する付勢力付与手段と、前記メディアセットレバー46の移動を前記軸体22の回転運動に変換する運動変換手段とを備え、前記付勢力付与手段の前記各加圧アーム30に対する付勢力が、前記メディアセットレバー46の移動に伴う前記軸体22の回転に対応して付与されるようにするとともに、前記各加圧アーム30に、前記軸体22と前記加圧アーム30との連係を解除可能に遮断し、前記加圧ローラ8が前記グリッドローラ20から上昇した状態を保持するための加圧停止手段を設けたことを特徴とするプリンタの記録媒体搬送装置。
【請求項3】
前記付勢力付与手段の設定した付勢力を前記加圧アーム30ごとに変更するための付勢力変更手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のプリンタの記録媒体搬送装置。
【請求項4】
前記各加圧アーム30に前記軸体22と前記加圧アーム30との連係を解除可能に遮断し、加圧ローラ8が、グリッドローラ20から上昇した状態を保持するための加圧停止手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のプリンタの記録媒体搬送装置。
【請求項5】
前記付勢力付与手段を、前記軸体22に固定されたカム体42と、前記加圧ベース24に回転自在に軸支された加圧ばねアーム26と、前記加圧ばねアーム26の一方の偏心部を係止する凸部40を有する多段加圧ツマミ部材38と、前記加圧ばねアーム26の他方の偏心部と前記加圧アーム30との間に取り付けられたコイルばね36とで構成し、前記カム体42の加圧凸面44の前記加圧ばねアーム26に対する位置に応じて、前記加圧ばねアーム26に付与される付勢力が変化するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプリンタの記録媒体搬送装置。
【請求項6】
前記運動変換手段を、前記メディアセットレバー46に形成されたガイドスリット56と、一方側が凸起60を介して前記ガイドスリット56にスライド自在に係合し、他方側が前記軸体22に固定されたリンク片58とで構成し、前記メディアセットレバー46の機体に対する位置に応じて前記リンク片58が前記軸体22を中心として揺動し、該リンク片58の揺動によって前記軸体22が回転するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプリンタの記録媒体搬送装置。
【請求項7】
前記付勢力変更手段を、前記加圧アーム30にガイド部を介して多段加圧ツマミ部材38をスライド自在に配置した構成とし、前記多段加圧ツマミ部材38に凸部40を設け、該多段加圧ツマミ部材38をガイド部の奥方向に最も押し込んだ基準位置と、これより所定量ガイド部から1段引き出した1段引き位置と、該1段引き位置より更に所定量引き出した2段引き位置の各位置に脱着自在に係止可能とし、前記多段加圧ツマミ部材38が基準位置のとき、前記凸部40が前記加圧ばねアーム26の一方向の回転を係止し、前記1段引き位置のとき、前記凸部40が前記加圧ばねアーム26を係止する位置から所定量後退し、前記2段引き位置のとき、前記凸部40が前記加圧ばねアーム26を係止する位置から大きく後退して前記加圧ばねアーム26の一方向の回転をフリーとしたことを特徴とする請求項3に記載のプリンタの記録媒体搬送装置。
【請求項8】
前記メディアセットレバー46を、機体に設けたガイドに沿って機体の前後方向にスライド自在とし、前記メディアセットレバー46側に、該メディアセットレバー46を、基準位置に脱着自在に係止する位置決め部52を設け、前記メディアセットレバー46の機体に対する位置を前記基準位置と、該基準位置より機体の奥に所定量移動した押し込み位置と、前記基準位置より機体の外側に大きく引き出した引き出し位置とに移動可能とし、前記メディアセットレバー46と、前記多段加圧ツマミ部材38がともに基準位置のとき、前記コイルばね36の弾力により、前記加圧ローラ8がグリッドローラ20に、コイルばね36の弾力に対応する標準の圧力で圧接し、前記メディアセットレバー46が前記押し込み位置にあり、前記多段加圧ツマミ部材38が基準位置のとき、前記カム体42の凸面44が前記加圧ばねアーム26の偏心部を押し上げ、前記加圧ローラ8の前記グリッドローラ20に対する加圧力が前記標準の圧力よりも大きな強に設定され、前記メディアセットレバー46が前記基準位置にあり、前記多段加圧ツマミ部材38が前記1段引き位置のとき、前記凸部40が前記加圧ばねアーム26の偏心部を係止する位置から所定量後退し、前記加圧ローラ8のグリッドローラ20に対する加圧力が弱に設定されるようにしたことを特徴とする請求項7に記載のプリンタの記録媒体搬送装置。
【請求項9】
前記メディアセットレバー46が前記引き出し位置にあり、加圧ローラ8が前記グリッドローラ20から離反した状態にあるとき、前記多段加圧ツマミ部材38を前記2段引き位置に位置させると、前記メディアセットレバー46の移動運動が前記加圧アーム30に伝達されない加圧停止状態となり、加圧ローラ8がグリッドローラ20から離反した状態が保持されるようにしたことを特徴とする請求項7に記載のプリンタの記録媒体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタの記録媒体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動ローラ(グリッドローラ)と、ピンチローラ(加圧ローラ)とで記録媒体をはさんで移動するプリンタにおいて、ピンチローラの押圧力をコイルばねにより可変するようにした記録媒体搬送装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、インクジェット記録装置において、駆動ローラと、複数に分割配置され、記録媒体(用紙)を所定の圧力で押圧している従動ローラ(ピンチローラ)を備え、従動ローラの駆動ローラに対する加圧力を個別に調整可能としたものが知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-72489号公報
【特許文献2】特開2015-20857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インクジェットプリンタなどにおいて、同じプリンタを使用して、多種類の用紙に印刷を行う場合、用紙の種類や材質、重量などに応じて加圧ローラのグリッドローラ(駆動ローラ)に対する加圧力を多段階に変更し、印刷する用紙に合わせた設定を行うことが望ましい。
本発明の主たる目的は、加圧ローラのグリッドローラに対する加圧力を多段階に変更が可能な記録媒体搬送装置を提供することである。
また、使用する用紙幅に対応して、多数の加圧ローラの中、個別の加圧ローラを選択的に使用できる機能が求められる。
本発明の他の目的は、多数の加圧ローラの中、個別の加圧ローラを選択的に使用できるようにして、多種類の用紙幅に対応できる記録媒体搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、駆動系に連結するグリッドローラ20と、該グリッドローラ20に対向して記録媒体の横幅方向に分割配置された複数の加圧ローラ8とで、記録媒体を挟持し、グリッドローラ20の回転により記録媒体を搬送し、該記録媒体に印刷を行うプリンタの記録媒体搬送装置であって、記録媒体の横幅方向に沿って機体に架設されたヘッドガイドレール6と、所定方向に移動可能に機体に支持されたメディアセットレバー46と、前記ヘッドガイドレール6に複数取り付けられた加圧ベース24と、前記ヘッドガイドレール6に沿って回転自在に支持された軸体22と、加圧ローラ8を有し、前記各加圧ベース24に軸部32を中心として揺動自在に支持された加圧アーム30と、前記各加圧アーム30に前記加圧ローラ8が前記グリッドローラ20に向かう方向の付勢力を付与する付勢力付与手段と、前記メディアセットレバー46の移動を前記軸体22の回転運動に変換する運動変換手段とを備え、前記付勢力付与手段の前記各加圧アーム30に対する付勢力が前記メディアセットレバー46の移動により駆動される前記軸体22の回転に対応して多段階に変化するようにしたことを特徴とする。
また本発明は、駆動系に連結するグリッドローラ20と、該グリッドローラ20に対向して記録媒体の横幅方向に分割配置された複数の加圧ローラ8とで記録媒体を挟持し、グリッドローラ20の回転により記録媒体を搬送し、該記録媒体に印刷を行うプリンタの記録媒体搬送装置であって、記録媒体の横幅方向に沿って機体に架設されたヘッドガイドレール6と、機体に対して所定方向に移動可能に機体に支持されたメディアセットレバー46と、前記ヘッドガイドレール6に複数取り付けられた加圧ベース24と、前記ヘッドガイドレール6に沿って回転自在に支持された軸体22と、加圧ローラ8を有し、前記各加圧ベース24に軸部を中心として揺動自在に支持された加圧アーム30と、前記各加圧アーム30に前記加圧ローラ8が前記グリッドローラ20に向かう方向の付勢力を付与する付勢力付与手段と、前記メディアセットレバー46の移動を前記軸体22の回転運動に変換する運動変換手段とを備え、前記付勢力付与手段の前記各加圧アーム30に対する付勢力が、前記メディアセットレバー46の移動に伴う前記軸体22の回転に対応して付与されるようにするとともに、前記各加圧アーム30に、前記軸体22と前記加圧アーム30との連係を解除可能に遮断し、前記加圧ローラ8が前記グリッドローラ20から上昇した状態を保持するための加圧停止手段を設けたことを特徴とする。
また本発明は、前記付勢力付与手段の設定した付勢力を前記加圧アーム30ごとに変更するための付勢力変更手段を設けたことを特徴とする。
また本発明は、前記各加圧アーム30に前記軸体22と前記加圧アーム30との連係を解除可能に遮断し、加圧ローラ8が、グリッドローラ20から上昇した状態を保持するための加圧停止手段を設けたことを特徴とする。
また本発明は、前記付勢力付与手段を、前記軸体22に固定されたカム体42と、前記加圧ベース24に回転自在に軸支された加圧ばねアーム26と、前記加圧ばねアーム26の一方の偏心部を係止する凸部40を有する多段加圧ツマミ部材38と、前記加圧ばねアーム26の他方の偏心部と前記加圧アーム30との間に取り付けられたコイルばね36とで構成し、前記カム体42の加圧凸面44の前記加圧ばねアーム26に対する位置に応じて、前記加圧ばねアーム26に付与される付勢力が変化するようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記運動変換手段を、前記メディアセットレバー46に形成されたガイドスリット56と、一方側が凸起60を介して前記ガイドスリット56にスライド自在に係合し、他方側が前記軸体22に固定されたリンク片58とで構成し、前記メディアセットレバー46の機体に対する位置に応じて前記リンク片58が前記軸体22を中心として揺動し、該リンク片58の揺動によって前記軸体22が回転するようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記付勢力変更手段を、前記加圧アーム30にガイド部を介して多段加圧ツマミ部材38をスライド自在に配置した構成とし、前記多段加圧ツマミ部材38に凸部40を設け、該多段加圧ツマミ部材38をガイド部の奥方向に最も押し込んだ基準位置と、これより所定量ガイド部から1段引き出した1段引き位置と、該1段引き位置より更に所定量引き出した2段引き位置の各位置に脱着自在に係止可能とし、前記多段加圧ツマミ部材38が基準位置のとき、前記凸部40が前記加圧ばねアーム26の一方向の回転を係止し、前記1段引き位置のとき、前記凸部40が前記加圧ばねアーム26を係止する位置から所定量後退し、前記2段引き位置のとき、前記凸部40が前記加圧ばねアーム26を係止する位置から大きく後退して前記加圧ばねアーム26の一方向の回転をフリーとしたことを特徴とする。
また本発明は、前記メディアセットレバー46を、機体に設けたガイドに沿って機体の前後方向にスライド自在とし、前記メディアセットレバー46側に、該メディアセットレバー46を、基準位置に脱着自在に係止する位置決め部52を設け、前記メディアセットレバー46の機体に対する位置を前記基準位置と、該基準位置より機体の奥に所定量移動した押し込み位置と、前記基準位置より機体の外側に大きく引き出した引き出し位置とに移動可能とし、前記メディアセットレバー46と、前記多段加圧ツマミ部材38がともに基準位置のとき、前記コイルばね36の弾力により、前記加圧ローラ8がグリッドローラ20に、コイルばね36の弾力に対応する標準の圧力で圧接し、前記メディアセットレバー46が前記押し込み位置にあり、前記多段加圧ツマミ部材38が基準位置のとき、前記カム体42の凸面44が前記加圧ばねアーム26の偏心部を押し上げ、前記加圧ローラ8の前記グリッドローラ20に対する加圧力が前記標準の圧力よりも大きな強に設定され、前記メディアセットレバー46が前記基準位置にあり、前記多段加圧ツマミ部材38が前記1段引き位置のとき、前記凸部40が前記加圧ばねアーム26の偏心部を係止する位置から所定量後退し、前記加圧ローラ8のグリッドローラ20に対する加圧力が弱に設定されるようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記メディアセットレバー46が前記引き出し位置にあり、加圧ローラ8が前記グリッドローラ20から離反した状態にあるとき、前記多段加圧ツマミ部材38を前記2段引き位置に位置させると、前記メディアセットレバー46の移動運動が前記加圧アーム30に伝達されない加圧停止状態となり、加圧ローラ8がグリッドローラ20から離反した状態が保持されるようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記加圧停止手段を、前記加圧アーム30に、前後方向に移動移動可能に多段加圧ツマミ部材38を設けた構成とし、該多段加圧ツマミ部材38に設けた凸部40によって加圧ばねアーム26の回転を係止するようにし、前記軸体22に設けたカム体42により前記加圧ばねアーム26と前記加圧アーム30間のコイルばね36の弾力に抗して前記加圧アーム30の偏心部を押し下げ、加圧ローラ8をグリッドローラ20に対して上昇させた状態において、前記多段加圧ツマミ部材38を所定距離移動させ、前記凸部40を前記加圧ばねアーム26を係止する位置から離反させて前記加圧ばねアーム26を所定範囲内で回転自在とし、加圧ローラ8がグリッドローラ20に対して上昇した状態が保持されるようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、装置の長手方向に設けた多数の加圧ローラのグリッドローラに対する加圧力を多段階に変更が可能であり、また個別の加圧ローラも選択的に使用することが可能であるため、多種の記録媒体、多種の記録媒体やいろいろな幅の記録媒体にも対応することができる。また個別の加圧ローラは選択的に使用が可能になるだけでなく、選択的に付勢力の変更もできるため、設定を組み合わせることにより多種の記録媒体やいろいろな幅の記録媒体に合わせるように設定して対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の要部の説明図である。
【図2】本発明の要部のA−A線断面説明図である。
【図3】本発明の要部の説明図である。
【図4】本発明の要部の説明図である。
【図5】本発明の要部の説明図である。
【図6】本発明の要部の説明図である。
【図7】本発明の要部の説明図である。
【図8】本発明の要部の説明図である。
【図9】本発明の要部の説明図である。
【図10】本発明の要部の説明図である。
【図11】本発明の要部の説明図である。
【図12】本発明の要部の説明図である。
【図13】本発明の要部の説明図である。
【図14】本発明の要部の外観説明図である。
【図15】プリンタ装置の外観説明図である。
【図16】プリンタ装置の一部の外観説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の実施の形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。
図15は、プリンタ装置の正面側の全体構造を示す外観説明図であり、フロントカバー2を開き、カバー内に配置されたプリントヘッド4とこれを案内するヘッドガイドレール6及びヘッドガイドレール6に沿って多数配列配置されたメディア加圧ローラ8が見えるようにしている。
【0009】
フロントカバー2は、メディア(用紙)セット時や印刷を確認する時などに開閉し、通常は閉じられている。プリンタ装置の機体10の両側には、メンテナンスカバー12,14が配置され、装置の長手方向に渡ってヘッドガイドレール6が架設されている。ヘッドガイドレール6には、プリントヘッド4を備えたキャリッジ16が移動自在に連結している。
【0010】
ヘッドガイドレール6の下方には、用紙などのメディアを支え、メディアを機体10の後方から前方に案内するメディアガイド18が配置されている。プリントヘッド4の移動経路の下方に位置して、機体10には、図1に示すように駆動系に連結するグリッドローラ20が配設されている。
【0011】
ヘッドガイドレール6の下側には、該ヘッドガイドレール6の長手方向に平行に六角表面を有する軸体22(図3参照)が配置され、該軸体22は、機体10の両側に回転自在に支承されている。ヘッドガイドレール6には、図1に示すように、加圧ベース24が複数(本実施形態では20個以上)、所定間隔を有して連結し、各加圧ベース24ごとにL型に屈折した加圧ばねアーム26が軸28を介して、メディア平面に対して垂直で、且つヘッドガイドレール6の長手方向に対して直角な平面内で回転自在に軸支されている。
【0012】
加圧ベース24には、加圧アーム30が両側の軸部32(図14参照)を中心として、メディアの平面に対して垂直な平面内で、回転自在に軸支されている。加圧アーム30の一方には、加圧ローラ8が回転自在に連結し、該加圧ローラ8は、グリッドローラ20に対向している。加圧ばねアーム26の一方と加圧アーム30の他方との間には、コイルばね36が配置され、該コイルばね36の引張力により、加圧アーム30は図1中、軸部32を中心として時計方向に付勢されている。
【0013】
加圧アーム30の表面のガイド部には、多段加圧ツマミ部材38がヘッドガイドレール6の長手方向に対して直角な方向にスライド可能に取り付けられ、多段加圧ツマミ部材38は、基準位置、1段目位置、2段目位置、の3段階の位置で加圧アーム30に対して、解除可能に係止されるようになっている。
【0014】
多段加圧ツマミ部材38には、凸部40が形成され、該凸部40の側面に、加圧ばねアーム26の他方が、コイルバネ36の付勢力により弾接している。軸体22には、カム体42が固定され、該カム体42には、加圧ローラ8を、グリッドローラ20から上昇離反させるための凸面64が形成されている。
機体10の側部には、スライドガイド機構を介して、機体10の前後方向にスライド可能に板状のメディアセットレバー46が支持され、該メディアセットレバー46の前後端には、スライド操作用の把手48,把手48が設けられている。この把手48は図16に示すように機体10に対して前後方向に移動可能な構造のため、機体10の後方に設けられた把手48の使用も可能であり、必要なときに機体の前方又は後方のどちら側からでも使用することができる。
【0015】
図2は、メディアセットレバー46のスライドガイド機構を示し、メディアセットレバー46本体にガイドブッシュ50が固定され、該ガイドブッシュ50に機体10の前後方向に延びるスリット51が形成されている。スリット51の所定位置には、樹脂材により、凹凸面を有する樹脂ベアリング54用の位置決め部52が形成されている。スリット51内には、機体10側に設けられた樹脂ベアリング54が嵌合配置され、前記位置決め部52が脱着可能に樹脂ベアリング54に係止されるように構成されている。
【0016】
前記メディアセットレバー46には、ガイドスリット56が形成され、これにリンク片58の一方の凸起60がスライド自在に嵌合し、リンク片58の他方は、前記軸体22に固定されている。メディアセットレバー46が機体10の前後方向に移動すると、凸起60がガイドスリット56に沿ってスライドし、このスライドに伴ってリンク片58は、軸体22を中心に揺動する。このリンク片58の揺動に伴って、軸体22が回転する。
【0017】
図1,2は、加圧ローラ8が標準の圧力でグリッドローラ20に弾接している状態を示している。カム体42の加圧凸面44が、加圧ばねアーム26の一方の受圧面62に対向し、加圧ばねアーム26の他方は、多段加圧ツマミ部材38の凸部40に係止されている。
【0018】
この状態において、コイルばね36の伸び量が決定され、このコイルばね36の引張力による加圧アーム30の軸部32を中心とする時計方向の付勢力により、加圧ローラ8は、グリッドローラ20に標準の加圧力で弾接する。
本実施形態では、メディアセットレバー46が、位置決め部52を介して樹脂ベアリング54に係止されている位置を基準位置としている。
【0019】
図4,5は、加圧ローラ8が強の圧力でグリッドローラ20に弾接している状態を示している。カム体42の加圧凸面44が、加圧ばねアーム26の他方の下面に、標準加圧の場合よりも、所定量、右側即ち時計方向にずれて弾接し、加圧ばねアーム26の一方は、軸28を中心として凸面44により、標準状態よりも所定量、時計方向に押し上げられる。これにより、コイルばね36の伸び量が決定され、加圧アーム30の軸部32を中心とする時計方向の付勢力により、標準の圧力より、大きな圧力で加圧ローラ8がグリッドローラ20に弾接する。
【0020】
この状態において、メディアセットレバー46は、図5に示すように、機体10の方向に押し込まれており、そのスリット51の端部は、樹脂ベアリング54に係止されている。また、リンク片58の凸起60は、ガイドスリット56の上部に移動している。
図6,7は、加圧ローラ8が弱の状態でグリッドローラ20に弾接している状態を示している。
【0021】
メディアセットレバー46の位置決め部52が通常位置に樹脂ベアリング54を介して機体10側に係止されている状態において、多段加圧ツマミ部材38が、原位置から図中、右方向1段引き出され、該多段加圧ツマミ部材38の左右の丸突起(図示省略)が、加圧ばねアーム26の弱用の溝(図示省略)に入り、多段加圧ツマミ部材38が前進位置で、加圧アーム30に脱着可能に係止されている。
【0022】
この状態で、多段加圧ツマミ部材38の凸部40は、図1の、加圧ばねアーム26を係止した状態から加圧ばねアーム26に対して離れており、加圧ばねアーム26は、図1の状態から軸28を中心として反時計方向に揺動し、図6に示すように、加圧ばねアーム26は、カム体42の凸面44に係止されている。この加圧ばねアーム26の図6に示す反時計方向の揺動変化により、コイルばね36の加圧アーム30に対する引張力が減少し、加圧ローラ8は、標準状態よりも、弱い圧力で、グリッドローラ20に弾接している。
【0023】
図8は、加圧ローラ8がグリッドローラ20から離反した加圧ローラ8の上昇状態を示している。メディアセットレバー46が機体10側から大きく引き出され、このメディアセットレバー46の移動による軸体22の回転により、カム体42のローラ上昇用凸面64が加圧アーム30の一方の面上に移動している。これにより、加圧アーム30は、軸部32を中心として図中、反時計方向に大きく揺動し、加圧ローラ8は、グリッドローラ20から離反した状態となる。
【0024】
この加圧ローラ20の上昇状態において、メディアセットレバー46は、図9に示すように、スリット51の端部が樹脂ベアリング54に係止された状態となっている。加圧ローラ8の上昇状態において、多段加圧ツマミ部材38を、原位置から、所定量大きく引き出し、図10に示すように加圧アーム30側の2段目の係止位置に係止させると、多段式加圧ツマミ部材38の凸部40の側面が、加圧ベース24に形成された係止面66に当接し、加圧ばねアーム26は、軸28を中心として、反時計方向に揺動自由の状態となり、コイルばね36の加圧アーム30に対する引張力が解除される。即ち加圧キャンセルセット状態となる。
【0025】
図12,13は、加圧キャンセル状態が保持された状態を示している。メディアセットレバー46が基準位置に移動し、カム体42のローラ上昇用凸面64が、加圧アーム30の受圧面から離れても、コイルばね36の引張力が加圧アーム30に作用しない。そのため加圧アーム30は、軸部32を中心として、その一方側の重量による回転トルクにより反時計方向に揺動した状態を保持し、加圧ローラ8は、グリッドローラ20から離反した状態を保持する。
【0026】
次に、本実施形態の動作について説明する。
まず、作業者は、印刷媒体(メディア)のロール状態に巻かれているメディアを機体10側のロール紙受け(図示省略)にセットし、メディアセットレバー46を手前に大きく引き出して(図9参照)、加圧ローラ8を、グリッドローラ20から離反させる。
【0027】
次に、ロール状態に巻かれているメディアを引き出し、グリッドローラ20と加圧ローラ8間に導く。印刷の前にグリッドローラ20に対する加圧ローラ8の圧力を標準、強、弱とキャンセルのどの状態を使用するのかを使用するメディアにより設定をしておく。なおメディアをセットした後に変更して設定を行っても良い。
次に、メディアセットレバー46を、押し込んで加圧ローラ8を下降し、グリッドローラ20に圧着して、メディアガイド18上のメディアを、グリッドローラ20と加圧ローラ8とで挟持する。
【0028】
次に、作業者は、外部コンピュータとプリンタ装置とをインターフェースを介して接続し、外部コンピュータ装置及びプリンタ装置の電源をそれぞれ投入する事により、外部コンピュータ装置は、所定のプログラムを実行することにより作業者からの指令の入力を待つ待機状態となる。
【0029】
次に、作業者は外部コンピュータ装置を操作して、プリンタ装置に画像の印刷を開始させる。これにより、プリンタ装置に内蔵されるコントローラは外部コンピュータ装置から出力される画像データに基づいてプリントヘッド4とメディアとの相対的な位置関係を変化させながら、プリントヘッド4の作動を制御して、メディアガイド18上のメディアに向けてプリントヘッド4のノズルからインクの液滴を吐出しプリントを行う。
【0030】
印刷時における加圧ローラ8のグリッドローラ20に対する加圧力は、標準、強、弱の多段階に設定可能であり、作業者は、メディアセットレバー46の操作及び多段加圧つまみ部材38の操作により、印刷の前に設定動作を行う。多数の加圧ローラ8の中、使用しないものを選択する場合には、加圧ローラ8を上昇させた状態で、多段加圧つまみ部材38を大きく2段係止位置まで引き出すことで、不使用状態とすることができる。これにより、幅の異なる多種のメディアに対応させることが可能となる。
【0031】
本件発明は、この加圧力を調整する構造を設けることにより、多種類のメディアへの対応が可能となり、搬送を行う場所ごとに違う加圧力の設定を行うことも可能である。そのため、違う種類の用紙を左右に同時に並べて搬送を行う場合、片方を通常の設定、片方を弱の設定にして搬送を行うことも可能であり、中央部分をキャンセルにして加圧を行わないようにしておけば、別々のメディアを一度に搬送することも可能である。
なお、本件で使用するメディアは紙、布、ターポリン、マーキングフィルムなどのロール状の媒体のものでも良く、また板状にて提供されるものでも良い。板状のものを搬送する場合には、メディアガイド18が一定の範囲でメディアを平坦な状態に保持できると印刷後の搬送は滑らかになるので、そのような構造を用いても良い。
【0032】
なお、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え変更を行うことができる。これらの実施の形態やその変更は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0033】
2 フロントカバー
4 プリントヘッド
6 ヘッドガイドレール
8 加圧ローラ
10 機体
12 メンテナンスカバー
14 メンテナンスカバー
16 キャリッジ
18 メディアガイド
20 グリッドローラ
22 軸体
24 加圧ベース
26 加圧ばねアーム
28 軸
30 加圧アーム
32 軸部
36 コイルばね
38 多段加圧ツマミ部材
40 凸部
42 カム体
44 凸面
46 メディアセットレバー
48 把手
50 ガイドブッシュ
51 スリット
52 位置決め部
54 樹脂ベアリング
56 ガイドスリット
58 リンク片
60 凸起
62 受圧面
64 凸面
66 係止面
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】