(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021004465
(43)【公開日】20210114
(54)【発明の名称】建具の製造方法及び建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/72 20060101AFI20201211BHJP
【FI】
   !E06B3/72
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】2019117513
(22)【出願日】20190625
(71)【出願人】
【識別番号】000000413
【氏名又は名称】永大産業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市住之江区平林南2丁目10番60号
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】村上 晋之助
【住所又は居所】大阪府大阪市住之江区平林南2丁目10番60号 永大産業株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】山頭 幸生
【住所又は居所】大阪府大阪市住之江区平林南2丁目10番60号 永大産業株式会社内
【テーマコード(参考)】
2E016
【Fターム(参考)】
2E016HA10
2E016JA01
2E016JA11
2E016KA02
2E016KA05
2E016LA01
2E016LC02
2E016MA11
2E016NA02
2E016NA04
2E016QA13
(57)【要約】
【課題】建具を簡易に製造することができる建具の製造方法及び建具を提供する。
【解決手段】本実施の形態に係る建具1の製造方法は、挿入溝24が設けられている芯材2と、前記芯材2を化粧する化粧部材3とを備える建具1を製造する方法において、前記化粧部材3は、前記芯材2を覆う板状の化粧本体31と、該化粧本体31の周縁部に、前記化粧本体31に交差する方向に突設されている挿入部32とを有し、前記芯材2と、夫々の前記挿入部32が互いに固定されている少なくとも2つの前記化粧部材3とを準備し、互いに固定されている2つの前記挿入部32を、前記芯材2の同一の挿入溝24に挿入することを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入溝が設けられている芯材と、
前記芯材を化粧する化粧部材と
を備える建具を製造する方法において、
前記化粧部材は、
前記芯材を覆う板状の化粧本体と、
該化粧本体の周縁部に、前記化粧本体に交差する方向に突設されている挿入部と
を有し、
前記芯材と、夫々の前記挿入部が互いに固定されている少なくとも2つの前記化粧部材とを準備し、
互いに固定されている2つの前記挿入部を、前記芯材の同一の挿入溝に挿入することを特徴とする建具の製造方法。
【請求項2】
少なくとも一面が化粧されている多角形状の化粧板を準備し、
該化粧板の他面に、前記化粧板の一辺に沿って溝を形成し、
夫々に前記溝が設けられた2枚の前記化粧板を、前記一辺同士が沿い、前記一面同士が接触するように重ね、
2枚の前記化粧板夫々の前記溝と前記一辺との間に位置する部分を互いに固定し、
2枚の前記化粧板夫々について、前記溝を境に、前記一面の側が山になるように山折りすることによって、夫々の前記挿入部が互いに固定されている2つの前記化粧部材を形成することを特徴とする請求項1に記載の建具の製造方法。
【請求項3】
挿入溝が設けられている芯材と、
夫々が前記芯材を化粧する複数の化粧部材と
を備える建具において、
前記化粧部材は、
前記芯材を覆う化粧本体と、
該化粧本体の周縁部に、前記化粧本体に交差する方向に突設されている挿入部と
を有し、
前記挿入溝に2つの前記化粧部材夫々の挿入部が挿入されており、
同一の前記挿入溝に挿入されている2つの前記挿入部は互いに固定されていることを特徴とする建具。
【請求項4】
同一の前記挿入溝に挿入されている2つの前記挿入部は、縫合によって互いに固定されていることを特徴とする請求項3に記載の建具。
【請求項5】
同一の前記挿入溝に挿入されている2つの前記挿入部は、ステープルを用いて互いに固定されていることを特徴とする請求項3に記載の建具。
【請求項6】
前記化粧本体は多角形状をなし、
前記挿入部は前記化粧本体の一辺に沿って延び、
同一の前記挿入溝に挿入されている2つの前記挿入部は、全長に亘って互いに固定されていることを特徴とする請求項3から5の何れか一項に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建具の製造方法及び建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開き戸、引き戸、又は吊り戸等を構成するパネル状の建具が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の建具においては、挿入溝が設けられている芯材と、夫々が芯材を化粧する複数の化粧部材とを備える。各化粧部材は、矩形平板状の化粧本体と、化粧本体の長辺に沿い、化粧本体に交差する方向に突設されている挿入部とを有する。芯材の挿入溝の1つに、2つの化粧部材夫々の挿入部が挿入され、各化粧部材の化粧本体が芯材を覆う。同一の挿入溝に挿入された2つの挿入部の境界部分が建具の目地のように見えるので、建具の意匠性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−125227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の建具を製造する場合、製造者は2つの化粧部材夫々の挿入部を個別に芯材の挿入溝に挿入するので、建具の製造手順が煩雑である。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、建具を簡易に製造することができる建具の製造方法及び建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施の形態に係る建具の製造方法は、挿入溝が設けられている芯材と、前記芯材を化粧する化粧部材とを備える建具を製造する方法において、前記化粧部材は、前記芯材を覆う板状の化粧本体と、該化粧本体の周縁部に、前記化粧本体に交差する方向に突設されている挿入部とを有し、前記芯材と、夫々の前記挿入部が互いに固定されている少なくとも2つの前記化粧部材とを準備し、互いに固定されている2つの前記挿入部を、前記芯材の同一の挿入溝に挿入することを特徴とする。
【0008】
本実施の形態にあっては、2つの化粧部材夫々の挿入部が、芯材の挿入溝に挿入される。2つの挿入部は互いに固定されているので、同一の挿入溝に同時的に挿入される。即ち、製造者が2つの化粧部材夫々の挿入部を個別に芯材の挿入溝に挿入する必要がない。故に、建具を簡易に製造することができる。
【0009】
本実施の形態に係る建具の製造方法は、少なくとも一面が化粧されている多角形状の化粧板を準備し、該化粧板の他面に、前記化粧板の一辺に沿って溝を形成し、夫々に前記溝が設けられた2枚の前記化粧板を、前記一辺同士が沿い、前記一面同士が接触するように重ね、2枚の前記化粧板夫々の前記溝と前記一辺との間に位置する部分を互いに固定し、2枚の前記化粧板夫々について、前記溝を境に、前記一面の側が山になるように山折りすることによって、夫々の前記挿入部が互いに固定されている2つの前記化粧部材を形成することを特徴とする。
【0010】
本実施の形態にあっては、2枚の化粧板夫々の非化粧面に溝が設けられる。次に、2枚の化粧板夫々の化粧面が、夫々の溝の位置が互いに沿うようにして、互いに重ね合わされる。更に、2枚の化粧板夫々の挿入部となる部分同士が固定されてから、各化粧板が溝を境にして折り曲げられる。以上の結果、夫々が化粧本体と挿入部とを有し、夫々の挿入部が互いに固定されている2つの化粧部材を、簡易に製造することができる。
【0011】
本実施の形態に係る建具は、挿入溝が設けられている芯材と、夫々が前記芯材を化粧する複数の化粧部材とを備える建具において、前記化粧部材は、前記芯材を覆う化粧本体と、該化粧本体の周縁部に、前記化粧本体に交差する方向に突設されている挿入部とを有し、前記挿入溝に2つの前記化粧部材夫々の挿入部が挿入されており、同一の前記挿入溝に挿入されている2つの前記挿入部は互いに固定されていることを特徴とする。
【0012】
本実施の形態にあっては、芯材に挿入溝が設けられており、複数の化粧部材夫々が化粧本体と挿入部とを有する。
2つの化粧部材夫々の化粧本体は芯材を覆う。芯材の同一の挿入溝には、2つの化粧部材夫々の挿入部が挿入されている。以上の結果、化粧部材は芯材を化粧する。
同一の挿入溝に挿入されている2つの挿入部は、互いに固定されている。故に、これらが互いに離隔することが抑制されるので、建具の美観が損なわれることを抑制することができる。
【0013】
本実施の形態に係る建具は、同一の前記挿入溝に挿入されている2つの前記挿入部は、縫合によって互いに固定されていることを特徴とする。
【0014】
本実施の形態にあっては、例えばミシンで縫うことによって、2つの化粧部材夫々の挿入部を簡易に互いに固定することができる。
【0015】
本実施の形態に係る建具は、同一の前記挿入溝に挿入されている2つの前記挿入部は、ステープルを用いて互いに固定されていることを特徴とする。
【0016】
本実施の形態にあっては、例えばタッカーでステープルを打ち込むことによって、2つの化粧部材夫々の挿入部を簡易に互いに固定することができる。
【0017】
本実施の形態に係る建具は、前記化粧本体は多角形状をなし、前記挿入部は前記化粧本体の一辺に沿って延び、同一の前記挿入溝に挿入されている2つの前記挿入部は、全長に亘って互いに固定されていることを特徴とする。
【0018】
本実施の形態にあっては、同一の挿入溝に挿入されている2つの挿入部が、全長に亘って互いに固定されている。故に、これらの間に部分的に隙間が生じることが抑制されるので、建具の美観が損なわれることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本実施の形態の建具の製造方法及び建具によれば、建具を簡易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態1に係る建具の正面図である。
【図2】図1におけるII−II線による建具の断面図である。
【図3】建具の分解斜視図である。
【図4】芯材の拡大斜視図である。
【図5】建具の拡大断面図である。
【図6】化粧部材の斜視図である。
【図7】化粧部材の素材である化粧板の斜視図である。
【図8】2枚の化粧板の固定を説明するための平面図である。
【図9】化粧部材の製造手順を説明するための平面図である。
【図10】実施の形態2に係る建具が備える化粧部材の斜視図である。
【図11】実施の形態3に係る建具の正面図である。
【図12】図11におけるXII−XII線による建具の断面図である。
【図13】実施の形態4に係る建具が備える化粧部材の素材である化粧板の斜視図である。
【図14】化粧板の折り曲げを説明するための平面図である。
【図15】実施の形態5に係る建具の断面図である。
【図16】他の構成の建具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0022】
実施の形態 1.
図1は、実施の形態1に係る建具の正面図である。
図中1は建具であり、建具1は一方向に長い矩形状をなす。建具1は、長手方向を上下に向けて、開き戸、引き戸、又は吊り戸等を構成する。
【0023】
図2は、図1におけるII−II線による建具1の断面図である。
図3は、建具1の分解斜視図である。
図2及び図3に示すように、建具1はフラッシュパネルであり、芯材2を備える。
芯材2は、枠体21、縦桟22、及び複数本の横桟23,23,…を備える。
枠体21は縦長の矩形状をなす。枠体21は、2本の縦枠211,211と2本の横枠212,212とが縦勝ちに組まれることによって構成されている。
縦枠211、横枠212、縦桟22、及び横桟23夫々は断面矩形状の棒材である。この棒材は、例えば木製の帯状の板材が夫々の厚み方向に複数枚積層された構成を有する。
【0024】
縦桟22は横枠212,212間に架け渡されている。縦桟22は、縦枠211,211間の中心よりも、図に向かって左寄りに配されている。
横桟23,23,…夫々は、縦枠211,211の何れか一方と縦桟22との間に架け渡されている。横桟23,23,…は横枠212,212間に等配されている。
【0025】
図4は、芯材2の拡大斜視図である。図4には、図3において破線で囲まれた部分が示されている。
図2〜図4に示すように、芯材2には2本の挿入溝24,24が設けられている。
各挿入溝24は縦桟22及び横枠212,212に設けられている。挿入溝24は矩形断面を有し、芯材2の全長に亘る。
挿入溝24,24は、芯材2における建具1の正面側及び背面側に配されている。横方向における挿入溝24,24夫々の配置位置は互いに等しい。
【0026】
図5は、建具1の拡大断面図である。図5には、図2において破線で囲まれた部分が示されている。
図1〜図3、及び図5に示すように、芯材2の正面は2つの化粧部材3,3によって化粧されている。
各化粧部材3は、化粧本体31及び挿入部32を有する。
化粧本体31は一方向に長い矩形板状をなす。
【0027】
挿入部32は、矩形断面を有する凸条状をなし、化粧本体31の全長に亘る。挿入部32は、化粧本体31の一方の長辺部に、化粧本体31に直交する向きに突設されている。
向かって左側の化粧部材3及び向かって右側の化粧部材3においては、化粧本体31の横幅の長さが互いに異なる。
【0028】
向かって左側の化粧部材3の化粧本体31は、芯材2の正面の左部分(芯材2の挿入溝24から芯材2の左端まで)を覆っている。右側の化粧部材3の化粧本体31は、芯材2の正面の中央部分及び右部分(芯材2の挿入溝24から芯材2の右端まで)を覆っている。
化粧部材3,3の挿入部32,32は互いに固定されており、芯材2の正面側の挿入溝24に挿入されている。
【0029】
図6は、化粧部材3,3の斜視図である。
化粧部材3,3は、挿入部32,32を介して化粧本体31,31が互いに隣り合うように配されている。挿入部32,32は、糸33を用いて、全長に亘って互いに縫合されている。図6においては、糸33は一点鎖線で模式的に示されている。図5においては、糸33は破線で模式的に示されている。
図1〜図3及び図5に示すように、化粧本体31,31が芯材2の正面を覆い、挿入部32,32が挿入溝24に挿入されることによって、芯材2を化粧部材3が正面側から目隠しする。
芯材2の正面と同様に、芯材2の背面は化粧部材3,3によって化粧されている。
【0030】
図2及び図3に示すように、建具1は、2つの帯状化粧部材11,11を備える。一方の帯状化粧部材11は、向かって左側の縦桟22の左側面と、向かって左側の化粧部材3,3夫々の左端面とを左側から覆っている。同様に、他方の帯状化粧部材11は、向かって右側の縦桟22の右側面と、向かって右側の化粧部材3,3夫々の右端面とを右側から覆っている。
以上のように、建具1の両面及び両側面が化粧されている。
【0031】
本実施の形態では、隣接する化粧部材3,3夫々の視覚的な形態(色彩、模様、又は質感等)が互いに異なる。故に、建具1の意匠性を向上させることができる。図1では、化粧部材3の視覚的な形態の差異を、クロスハッチングの有無で示している。
なお、隣接する化粧部材3,3の視覚的な形態は互いに同じでもよい。
【0032】
図5に示すように、化粧部材3において、化粧本体31の外面と挿入部32との境界部分は弧状に湾曲している。この結果、挿入溝24に挿入されている挿入部32,32の境界部分は、凸曲面を有するV字溝状の目地のように見える。故に、建具1の意匠性を向上させることができる。
【0033】
同一の挿入溝24に挿入されている2つの挿入部32,32は、互いに固定されている。故に、例えば挿入部32,32が互いに離隔して挿入部32,32の間に隙間が生じることが抑制される。しかも、挿入部32,32は、全長に亘って縫合されている。故に、挿入部32,32の間に部分的に隙間が生じることも抑制される。
以上の結果、挿入部32,32の間の隙間から芯材2が見えて建具1の美観が損なわれることを抑制することができる。また、挿入部32,32の間の隙間を通して芯材2が過剰に吸放湿し、芯材2に歪みが生じることを抑制することができる。更に、正面側の挿入部32,32が形成する目地の形状と背面側の挿入部32,32が形成する目地の形状とが互いに異なることによる美観の悪化を抑制することができる。
【0034】
挿入溝24に挿入されている挿入部32,32は互いに拘束し合うので、建具1の開閉に伴って挿入部32がばたつき、異音が生じることを抑制することができる。
【0035】
次に、建具1の製造手順について説明する。
図7は、化粧部材3の素材である化粧板300の斜視図である。
製造者は、図7のAに示す化粧板300を4枚準備する。各化粧板300は矩形状をなし、少なくとも一面が化粧されている。本実施の形態においては、化粧板300は基体301及び化粧シート302を備える。基体301は矩形板状をなす。化粧シート302は矩形状をなし、基体301の一面に接着されている。
【0036】
次いで、製造者は、図7のBに示すように、各化粧板300の他面(非化粧面)に溝303を形成する。溝303は化粧板300の全長に亘る。溝303は化粧板300の一方の長辺30aの近傍に設けられる。溝303は、例えばVカット加工によって形成される。
【0037】
図8は、2枚の化粧板300,300の固定を説明するための平面図である。
製造者は、溝303,303が設けられた2枚の化粧板300,300を重ね合わせる。このとき、製造者は、化粧板300,300の長辺30a,30a同士が沿い、化粧板300,300の化粧面同士(化粧シート302,302同士)が接触するようにして、化粧板300,300を重ねる。図8(及び後述する図9)においては、化粧シート302は破線で模式的に示されている。
次に、製造者は、化粧板300,300の溝303,303と長辺30a,30aとの間に位置する部分を互いに固定する。具体的には、製造者は、糸33がセットされた図示しない工業用ミシンを用い、化粧板300,300の当該部分を全長に亘って縫合する。
【0038】
図9は、化粧部材3の製造手順を説明するための平面図である。
更に、製造者は、各化粧板300について、溝303を境に、化粧板300の化粧面側が山になるように山折りすることによって、挿入部32,32が互いに固定されている化粧部材3,3を形成する(図6参照)。
各化粧板300において、溝303から化粧板300の長辺30aまでが挿入部32となり、溝303から化粧板300の他方の長辺までが化粧本体31となる。溝303の底部は、化粧部材3の化粧本体31と挿入部32との境界部分となる。
以上のようにして、製造者は、挿入部32,32が互いに固定されている化粧部材3,3を2組製造する。
【0039】
次いで、製造者は、芯材2を準備し(図3参照)、芯材2の正面及び背面夫々に図示しない接着剤を塗布する。芯材2の挿入溝24,24の内面に能動的に接着剤を塗布する必要はない。
また、製造者は、1組の化粧部材3,3を、挿入部32,32が上向きに突出するようにして、図示しない作業台に載置する。
【0040】
次に、製造者は、芯材2を上側から化粧部材3,3に接近させ、挿入部32,32を挿入溝24に挿入すると共に化粧本体31,31で芯材2の下面を覆う。
更に、製造者は、もう1組の化粧部材3,3を上側から芯材2に接近させ、挿入部32,32を挿入溝24に挿入すると共に化粧本体31,31で芯材2の上面を覆う(図5参照)。
【0041】
次いで、製造者は、2組の化粧本体31,31,…に挟まれた芯材2を、図示しないプレス機で上下両側から加圧する。この結果、芯材2の両面に化粧本体31,31,…が接着される。
【0042】
化粧部材3,3が接着された芯材2の両側面を平滑に整えるために、製造者は、芯材2の2つの長辺部夫々を化粧部材3,3ごと切断する。
更に、製造者は、化粧部材3,3が接着された芯材2の両側面に、接着剤を塗布して帯状化粧部材11,11を接着する。
【0043】
化粧部材3,3及び帯状化粧部材11,11が接着された芯材2の縦方向の両端面を平滑に整えるために、製造者は、芯材2の2つの短辺部夫々を化粧部材3,3及び帯状化粧部材11,11ごと切断する。挿入部32,32は芯材2に直接的に固定されていないが、互いに固定されている。故に、切断時に挿入部32がカッターの刃から逃げることによって生じるバリ又は欠け等が抑制される。
以上のようにして、建具1が製造される(図1及び図2参照)。
【0044】
なお、製造者は、芯材2の挿入溝24の内面に能動的に接着剤を塗布してから挿入溝24に化粧部材3,3の挿入部32,32を挿入してもよい。挿入部32,32の間には隙間が生じないので、挿入部32,32の間の隙間から接着剤が漏れ出る虞はない。
【0045】
以上のような建具1の製造方法によれば、化粧部材3,3の挿入部32,32が、芯材2の挿入溝24に挿入される。挿入部32,32は互いに固定されているので、挿入溝24に同時的に挿入される。即ち、製造者が挿入部32を個別に挿入溝24に挿入する必要がない。
また、芯材2の上下に2組の化粧本体31,31,…を配し、2組の化粧本体31,31,…に挟まれた芯材2に加圧処理を1回だけ施すことによって建具1を得ることができる。
【0046】
更に、2枚の化粧板300,300から、1組の化粧部材3,3を簡易に製造することができる。このとき、挿入部32,32を工業用ミシンで縫うことによって、挿入部32,32を簡易に互いに固定することができる。
以上の結果、建具1を簡易に製造することができる。
【0047】
挿入部32,32を縫合している糸33は細いので、挿入部32,32の表面に露出している糸33が挿入部32,32の挿入溝24への挿入を阻害する虞がない。
【0048】
なお、芯材2は上述の構成に限定されない。例えば、芯材2は枠体21とハニカムコアとを備えてもよい。ハニカムコアは矩形パネル状をなし、枠体21の内側に嵌め込まれている。挿入溝24,24夫々は、ハニカムコアから及び横枠212,212に亘る。
挿入溝24は上下に延びる構成に限定されず、左右に延びる構成でもよく、斜めに伸びる構成でもよい。
化粧部材3の化粧本体31の形状は矩形に限定されない。挿入溝24が斜めに伸びる場合、化粧部材3の化粧本体31の形状は、三角形、平行四辺形、台形、又は五角形等の多角形である。
【0049】
次に、実施の形態2〜5を説明する。実施の形態2〜5の建具1及び建具1の製造方法は、実施の形態1の建具1及び建具1の製造方法と略同様である。実施の形態2〜5の建具1及び建具1の製造方法は、実施の形態1の建具1及び建具1の製造方法の作用効果と略同様の作用効果を奏する。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0050】
実施の形態 2.
実施の形態1においては、挿入部32,32の縫合による固定を例示しているが、挿入部32,32の固定は縫合によるものに限定されない。
図10は、実施の形態2に係る建具1が備える化粧部材3,3の斜視図である。
化粧部材3,3の挿入部32,32は、複数のステープル34,34,…を用いて互いに固定されている。ステープル34,34,…は挿入部32,32の長手方向に互いに適長離隔して並んでいる。
【0051】
製造者は、例えば複数のタッカーを挿入部32,32の長手方向に並べ、各タッカーでステープル34を打ち込むことによって、挿入部32,32を簡易に互いに固定することができる。
【0052】
なお、挿入部32,32の固定は、糸33又はステープル34によるものに限定されない。
例えば、挿入部32,32は、挿入部32,32をクリップ又は粘着テープで留めることによって、互いに固定されてもよい。或いは、挿入部32,32は、挿入部32,32間に配された接着剤又は両面テープによって、互いに固定されてもよい。又は、挿入部32,32は、一方の挿入部32に設けられた凸部が他方の挿入部32に設けられた凹部に嵌め込まれることによって、互いに固定されてもよい。
【0053】
実施の形態 3.
実施の形態1においては、芯材2の正面及び背面夫々を2つの化粧部材3,3が化粧している場合を例示しているが、化粧部材3の個数は3つ以上でもよい。以下に、芯材2の正面及び背面夫々を3つの化粧部材3,3,3が化粧している場合を説明する。
【0054】
図11は、実施の形態3に係る建具1の正面図である。図11では、化粧部材3の視覚的な形態の差異を、クロスハッチングの有無で示している。
図12は、図11におけるXII−XII線による建具1の断面図である。
図11及び図12に示すように、建具1は左右対称形状をなす。
芯材2は2本の縦桟22,22を備える。縦桟22,22は、枠体21の短手方向の中央部において、枠体21の短手方向に並んでいる。縦桟22,22間にも横桟23が架け渡されていてもよい。
以下では、芯材2の正面側の構成について説明する。芯材2の背面側の構成は、芯材2の正面側の構成と同様である。
【0055】
化粧部材3,3,3は横方向に並ぶ。向かって左側(及び右側)の化粧部材3の構成は、実施の形態1の左側(及び右側)の化粧部材3の構成と略同様である。中央の化粧部材3は化粧本体31の2つの長辺部に2つの挿入部32,32を有する。
向かって左側の挿入溝24には、左側の化粧部材3の挿入部32と中央の化粧部材3の左側の挿入部32とが挿入されている。同様に、右側の挿入溝24には、右側の化粧部材3の挿入部32と中央の化粧部材3の右側の挿入部32とが挿入されている。同一の挿入溝24に挿入されている挿入部32,32は、互いに固定されている。
【0056】
左側(及び右側)の化粧部材3の化粧本体31は、芯材2の正面の左部分(及び右部分)を覆い、中央の化粧部材3の化粧本体31は、芯材2の正面の中央部分を覆う。
以上のような建具1を製造する場合、製造者は、3つの化粧部材3,3,3を、挿入部32,32同士の固定によって一体化させる。次に、製造者は、互いに固定された挿入部32,32を2組、2つの挿入溝24,24に挿入し、3つの化粧本体31,31,31を芯材2の正面に接着する。
【0057】
実施の形態 4.
実施の形態1においては、製造者は2枚の化粧板300,300から1組の化粧部材3,3を製造するが、1枚の化粧板300から1組の化粧部材3,3を製造してもよい。
図13は、実施の形態4に係る建具1が備える化粧部材3,3の素材である化粧板300の斜視図である。
製造者は、基体301及び化粧シート302を備える化粧板300を準備する(図7A参照)。
【0058】
製造者は、化粧板300の非化粧面に溝303,303,304を形成する。溝304は化粧板300の全長に亘る。溝304は、例えばVカット加工によって形成される。溝303,303は、溝304の両側に並設される。
【0059】
図14は、化粧板300の折り曲げを説明するための平面図である。
次に、製造者は、溝304を境に、化粧板300の化粧面側が谷になるように谷折りする。この結果、実施の形態1において2枚の化粧板300,300が重ね合わされた状態(図8参照)と略同様の状態の化粧板300が得られる。溝304を境とする折り曲げにおいては、化粧板300が2枚に分割されても特段の問題はない。
この後、製造者は、化粧板300の溝303,303と溝304との間に位置する部分を互いに固定する。
【0060】
以上のような建具1の製造方法によれば、1組の化粧部材3,3を更に簡易に製造することができる。
【0061】
実施の形態 5.
実施の形態1の化粧部材3において、化粧本体31の外面と挿入部32との境界部分は弧状に湾曲しているが、これに限定されるものではない。
図15は、実施の形態5に係る建具1の断面図である。
図15に示す化粧部材3において、化粧本体31の外面と挿入部32との境界部分は平坦な傾斜面である。この結果、挿入溝24に挿入されている挿入部32,32の境界部分はV字溝状の目地のように見える。
【0062】
図16は、他の構成の建具1の断面図である。
図16に示す化粧部材3において、化粧本体31の外面と挿入部32との境界部分は直角状をなす。この結果、挿入溝24に挿入されている挿入部32,32の境界部分はほとんど目立たない。
つまり、建具1は、目地のように見える部分を有する構成に限定されない。
【0063】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
各実施の形態に開示されている構成要件(技術的特徴)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせによって新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 建具
2 芯材
24 挿入溝
3 化粧部材
300 化粧板
303 溝
31 化粧本体
32 挿入部
34 ステープル
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】