前記治具取付工程において、前記天井パネルには前記天井パネル仮受用治具が所定距離離間して2つ取り付けられることを特徴とする請求項4に記載の天井パネル施工方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、天井パネルを取り付ける位置は高いため、天井パネルを支えながら天井パネルを取り付ける作業は作業者にとって非常に負担が大きかった。
【0006】
このように、建物の躯体に天井パネルを取り付ける際の効率的かつ安定な作業の実施が課題となっている。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、天井パネルを建物の躯体に取り付ける作業を効率的かつ安定して実施できる天井パネル施工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、本発明の天井パネル施工方法によれば、建物を構成する躯体に天井パネルを取り付ける天井パネル施工方法であって、前記天井パネルが略鉛直となるように前記躯体から懸下する天井パネル懸下工程と、前記天井パネルを前記躯体に固定する天井パネル取付工程と、を行うことにより解決される。
【0009】
上記のように構成された本発明の天井パネル施工方法によれば、天井パネルが略鉛直となるように躯体から懸下されることで、天井パネルが躯体に固定されるまでは、作業者の頭上の空間が天井パネルによって塞がれることがない。したがって、天井パネルを建物の躯体に取り付ける作業を効率的かつ安定して実施できる。また、天井パネルの施工性が向上し、工期を短縮することが可能となる。
【0010】
また、上記の構成において、前記天井パネルは、第1天井パネルと、該第1天井パネルに隣接する第2天井パネルと、を含み、前記天井パネル取付工程において、前記第1天井パネルを前記躯体に固定した後、前記第2天井パネルを前記躯体に固定する前に前記第1天井パネルの上に断熱材を配置する断熱材施工工程を行うとよい。
上記の構成では、第1天井パネルの上に断熱材を配置する作業を、第2天井パネルが配置される前の空間を介して行うことができるため、断熱材の施工が容易なものとなる。
【0011】
また、上記の構成において、前記天井パネルは、外枠部と、前記外枠部の間に配される中間部と、前記外枠部及び前記中間部を連結する複数の接続部と、を備える格子形状をなす枠体であり、前記天井パネル懸下工程において、前記天井パネルの外周を構成する前記外枠部及び前記接続部で囲まれる面が略鉛直となるように前記天井パネルを前記躯体から懸下するとよい。
【0012】
また、上記の構成において、前記天井パネル懸下工程を行う前に、前記躯体に係合する係合部を有する第1部材と、前記天井パネルを保持する第2部材と、前記第1部材と前記第2部材を連結する連結部材と、を備える天井パネル仮受用治具を用意する天井パネル仮受用治具用意工程と、前記天井パネルに前記天井パネル仮受用治具を取り付ける治具取付工程と、前記天井パネルに取り付けられた前記天井パネル仮受用治具を前記躯体に係合させる係合工程と、を行うとよい。
上記の構成では、天井パネル仮受用治具によって天井パネルが略鉛直となるように躯体から懸下されるため、天井パネル懸下工程を容易に行うことが可能となる。
【0013】
また、上記の構成において、前記治具取付工程において、前記天井パネルには前記天井パネル仮受用治具が所定距離離間して2つ取り付けられるとよい。
上記の構成では、1つの天井パネルに対して2つの天井パネル仮受用治具が所定距離離間して取り付けられるため、天井パネル懸下工程において安定して天井パネルを懸下することができる。
【0014】
また、上記の構成において、前記躯体が梁であり、前記係合工程において前記天井パネル仮受用治具の前記係合部を前記梁のフランジに係合するとよい。
上記の構成では、天井パネル仮受用治具の係合部を、梁のフランジに対して係合させるという簡易な操作で天井パネルを梁に対して仮受けすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る天井パネル施工方法によれば、天井パネルが略鉛直となるように躯体から懸下されることで、天井パネルが躯体に固定されるまでは、作業者の頭上の空間が天井パネルによって塞がれることがない。したがって、天井パネルを建物の躯体に取り付ける作業を効率的かつ安定して実施できる。また、天井パネルの施工性が向上し、工期を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】天井パネルを懸下した建物の躯体の構成を模式的に示す図である。
【図2】天井パネルの構成を示す図である。
【図3A】本実施形態に係る天井パネル施工方法で用いる天井パネル仮受用治具の正面図である。
【図3B】本実施形態に係る天井パネル施工方法で用いる天井パネル仮受用治具の上面図である。
【図3C】本実施形態に係る天井パネル施工方法で用いる天井パネル仮受用治具の側面図である。
【図4】天井パネル仮受用治具を用いて天井パネルを仮受けした状態を示す模式図である。
【図5】天井パネル仮受用治具を用いて天井パネルを仮受けした状態を示す説明図である。
【図6】本実施形態に係る天井パネル施工方法のフロー図である。
【図7】本実施形態に係る天井パネル施工方法の枠部材懸下工程において、天井パネル仮受用治具を用いて天井パネルを懸下した状態を示す模式的説明図である。
【図8】本実施形態に係る天井パネル施工方法の第1枠部材取付工程において、第1枠部材を躯体に取り付けた状態を示す模式的説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1乃至図8に基づき、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)に係る天井パネル施工方法について説明する。本実施形態に係る天井パネル施工方法は、戸建住宅等の建物1の躯体に対して、天井パネル6を取り付ける作業において実施される方法である。
【0018】
図1には、建設作業中の建物1の構造を部分的に示した。図1に示されるように、建物1は、梁2、柱3等の躯体を備える。なお、図1においては、建物1の構造を簡略化して示しているため、実際の構造とは相違する点が含まれていることがある。
【0019】
梁2は、例えば金属製の梁(鉄骨梁)であり、上端及び下端部にはフランジ2Aが形成されている。梁2は、上端と下端のフランジ2Aの間がウェブ2Bで接続された断面略H形状のH形鋼の鉄骨梁であり、フランジ2Aが地面に対して水平に配置されている。柱3は、例えば金属製の柱(鉄骨柱)であり、梁2とボルト5により連結されている。所定サイズの角材である不図示の桟木が、梁2の下において、不図示の天井吊ランナーにより梁2に対して固定されている。天井吊ランナーは上部のクリップ部がフランジ2Aに係止されるとともに、天井吊ランナーの下部がビス等の取付具により桟木と固定されている。
【0020】
図2に、天井パネル6の構成例を示す。図2に示されるように、天井パネル6は、外枠部材6A(外枠部)と、外枠部材6Aの間に配される中間部材6Bとを、複数の接続部材6C(接続部)により連結した格子形状をなす枠体である。2本の接続部材6Cの長手方向における一方の端部付近には、それぞれネジ6Dが取り付けられている。なお、図2に示す天井パネル6は、接続部材が5本の2Pサイズであるが、天井パネル6としては、3Pサイズ(接続部材6Cが7本)や、4Pサイズ(接続部材6Cが9本)のものも例示される。
【0021】
<天井パネル仮受用治具10>
次に、図3A乃至3Cを参照しながら、本実施形態に係る天井パネル施工方法で用いる天井パネル仮受用治具10の構成について説明する。天井パネル仮受用治具10は、各部材を金属、樹脂、木などの材料を適宜用いて作製することが可能である。
【0022】
図3Aには、天井パネル仮受用治具10の正面図を、図3Bには、天井パネル仮受用治具10の上面図を、図3Cには、天井パネル仮受用治具10の側面図を示した。
【0023】
図3Aに示されるように、天井パネル仮受用治具10は、主な構成として躯体係合部材20(第1部材)と、パネル固定部材30(第2部材)と、ワイヤーW(連結部材)と、を備えている。以下に詳述するように、躯体係合部材20は、躯体を構成する梁2に係合し、パネル固定部材30は天井パネル6を保持する機能を有している。
【0024】
以下、天井パネル仮受用治具10の構成における上下方向は、躯体係合部材20が上、パネル固定部材30が下の状態である場合における上下方向とする。
【0025】
(躯体係合部材20)
躯体係合部材20(第1部材)は、図3Aに示すように、正面視において略コ字状に曲折して形成されており、梁2の上部のフランジ2Aに載置される載置部21を有している。載置部21は、その一端部に、梁2の上部のフランジ2Aのエッジと係合する係合部22が形成されている。
【0026】
係合部22は、梁2のフランジ2Aを受容するように折り曲げられており、その内側の端部が下方に傾斜している。また、図3A及び図3Bに示すように、躯体係合部材20は、係合部22が設けられた端部とは反対側の他端部に載置部21から下方に曲折して操作部23が設けられている。
【0027】
そして、躯体係合部材20は、係合部22から離間した位置において、載置部21から下方に突出する突出部24を有している。図3A及び図3Bに示す例では、載置部21に設けた不図示の貫通孔にボルトを挿通し、ナットを取り付けることで突出部24が構成されている。
【0028】
(パネル固定部材30)
パネル固定部材30(第2部材)は、図3A及び図3Cに示すように、ワイヤーWが取り付けられるワイヤー取付部31(連結部材取付部)と、天井パネル6に取り付けられたネジ6D(係合突部)と係合する被係合部32と、被係合部32から曲折して設けられた下方延出部33と、を有している。
【0029】
図3Aに示すように、ワイヤー取付部31は、被係合部32から傾斜して延出しており、躯体係合部材20が梁2に係合したときに、被係合部32が略鉛直となるように構成されている。ワイヤー取付部31において、被係合部32と反対側の端部付近にワイヤーWが取り付けられる。
【0030】
ここで、図3Cに示すように、被係合部32は、ネジ6Dの頭部及び軸部が挿通される挿通孔32aと、挿通孔32aと連続して設けられ、ネジ6Dの軸部を受容する受容溝32bを備えている。なお、受容溝32bの幅は、ネジ6Dの軸部を受け入れ可能であり、かつ、挿通孔32aの直径よりも小さくなるように構成されている。
【0031】
(ワイヤーW)
ワイヤーW(連結部材)は、例えば、可撓性を有する金属製の線材であり、図3Aに示すように、上方の第1端部W1と、下方の第2端部W2と、を備えている。ワイヤーWの第1端部W1は、係合部22よりも操作部23に近い位置において、躯体係合部材20の載置部21に対して取り付けられている。ワイヤーWの第2端部W2は、パネル固定部材30のワイヤー取付部31の端部付近に取り付けられている。
【0032】
図4に示されるように、天井パネル仮受用治具10のうちパネル固定部材30の被係合部32に、天井パネル6を構成する接続部材6Cからから突出するネジ6D(係合突部)を係合させておき、躯体係合部材20の係合部22を梁2の上部のフランジ2Aに係合させることで、天井パネル6は、その面が略鉛直となるようにワイヤーWによって吊り下げられる。
【0033】
図4に示すように、躯体係合部材20の係合部22がフランジ2Aに係合した際に、上部のフランジ2Aの下面と係合部22の間に隙間ができている。つまり、天井パネル仮受用治具10は、異なるフランジ厚の梁2に対しても適用することが可能であるように構成されている。梁2のフランジ厚が薄い場合、躯体係合部材20の係合部22を係合させた際に、躯体係合部材20が回転して、フランジ2Aに対して傾斜して、浮いてしまうことがある。躯体係合部材20は、係合部22から離間した位置において、載置部21から下方に突出する突出部24がストッパーの役割を果たすことで、躯体係合部材20の回転が抑制される。
【0034】
<天井パネル仮受用治具10を用いた天井パネル施工方法>
以下、図5乃至図8を参照しながら説明するように、本実施形態に係る天井パネル施工方法は、建物1を構成する梁2(躯体)に天井パネル6(枠部材)を取り付ける天井パネル施工方法である。以下に示す例では、天井パネル仮受用治具10を用いて作業を行う例を説明するが、天井パネル仮受用治具10を用いることなく、他の代替手段を用いて作業を行うことも可能である。なお、図5、図7及び図8において、天井パネル仮受用治具10の図示を省略している。
【0035】
本実施形態に係る天井パネル施工方法は、建物1を構成する梁2などの躯体に天井パネル6を取り付ける天井パネル施工方法であって、天井パネル6が略鉛直となるように躯体から懸下する天井パネル懸下工程(ステップS4)と、天井パネル6を梁2などの躯体に固定する天井パネル取付工程(ステップS5やステップS7)と、を行うことを特徴とする(図6)。
【0036】
このとき、天井パネル懸下工程(ステップS4)を行う前に、梁2に係合する係合部22を有する躯体係合部材20(第1部材)と、天井パネル6を保持するパネル固定部材30(第2部材)と、躯体係合部材20とパネル固定部材30を連結するワイヤーW(連結部材)と、を備える天井パネル仮受用治具10を用意する天井パネル仮受用治具用意工程(ステップS1)と、天井パネル6に天井パネル仮受用治具10を取り付ける治具取付工程(ステップS2)と、天井パネル6に取り付けられた天井パネル仮受用治具10を躯体としての梁2に係合させる係合工程(ステップS3)と、を行うと好適である(図6)。
以下、各工程について、4Pサイズの天井パネル6(図2)を例に、図面を参照して詳細に説明をする。
【0037】
(天井パネル仮受用治具用意工程)
天井パネル仮受用治具用意工程(図6、ステップS1)では、図3A乃至図3Cの天井パネル仮受用治具10を用意する。具体的には、各天井パネル6に対して、それぞれ2つの天井パネル仮受用治具10を用意する。
【0038】
(治具取付工程)
次に、治具取付工程(図6、ステップS2)では、天井パネル6の長手方向の端部付近にそれぞれ天井パネル仮受用治具10を取り付ける。具体的には、1枚の天井パネル6に対して、2つの天井パネル仮受用治具10を用意して、天井パネル仮受用治具10のパネル固定部材30に対して天井パネル6を取り付ける。
【0039】
このとき、パネル固定部材30の被係合部32にネジ6Dを相通して固定する。より詳細には、ネジ6Dの頭部及び軸部を被係合部32の挿通孔32aに挿通した後に、ネジ6Dの軸部を受容溝32bに受容させる。この状態で、ネジ6Dを締め付けることで、パネル固定部材30に対して天井パネル6が取り付けられる。同様の手順で、もう一方のネジ6Dに対してもパネル固定部材30を取り付けて、天井パネル6の両端部にそれぞれ2つの天井パネル仮受用治具10が取り付けられた状態とする。
【0040】
この手順を繰り返して、各天井パネル6の長手方向の端部付近に天井パネル仮受用治具10を取り付ける。なお、天井パネル仮受用治具用意工程(ステップS1)及び治具取付工程(ステップS2)は、天井パネル6の施工現場で行うことが可能であるが、工期の短縮の観点から、天井パネル6の製造工場で事前に行っておくことが好ましい。
【0041】
また、天井パネル6にパネル固定部材30を取り付けた後に、養生テープなどにより、ワイヤーWや躯体係合部材20を天井パネル6に貼り付けて一時的に固定してもよい。このようにしておくことで、天井パネル仮受用治具10が邪魔となることがなくなり、異なる天井パネル6の間のワイヤーW及び躯体係合部材20の絡まりが抑制される。したがって、複数の天井パネル6を重ねて載置することが可能となるため、作業現場における省スペース化、運搬時の効率化、天井パネル6を1枚ずつ取る際の作業の効率化が実現される。
【0042】
さらに、後述する天井パネル懸下工程において、天井パネル6を略水平となるように梁2から懸下する場合には、天井パネル6の4隅にそれぞれ天井パネル仮受用治具10を取り付ける必要があるが、本実施形態では、天井パネル6を略鉛直となるように梁2から懸下するため、1枚の天井パネル6に対して、2つの天井パネル仮受用治具10を用いるだけでよいため、使用する天井パネル仮受用治具10の数を節約することができる。
【0043】
(係合工程)
次に、係合工程(図6、ステップS3)では、天井パネル6に取り付けられた2つの天井パネル仮受用治具10を梁2に係合させる。具体的には、2人の作業者が脚立などの作業足場に登り、天井パネル6の長手方向の端部付近に取り付けられた2つの天井パネル仮受用治具10をそれぞれ梁2に係合させる。
より詳細には、2人の作業者それぞれが、天井パネル仮受用治具10が備える躯体係合部材20の係合部22を、梁2の上部のフランジ2Aに引っ掛け、載置部21をフランジ2Aの上面に載置する。
【0044】
(天井パネル懸下工程)
天井パネル懸下工程(図6、ステップS4)では、天井パネル6が略鉛直となるように梁2から懸下する。具体的には、天井パネル6の外周を構成する外枠部材6A及び接続部材6Cで囲まれる面が略鉛直となるように天井パネル6を梁2から懸下する(図5)。このとき、図7に示されるように、懸下した天井パネル6の間において、上方にはスペースSPが確保されている。このスペースSPは、後述する第1天井パネル取付工程及び第2天井パネル取付工程において、天井パネル6が取り付けられる位置に相当する空間である。
【0045】
天井パネル6を仮受けする場合、通常は、スペースSPを天井パネル6の面で塞ぐように(換言すると天井パネル6の面が地面に対して水平となるように)仮止めすることが考えられるが、作業者の頭上の空間が塞がってしまうことになり、天井裏に相当する空間における作業や、断熱材の施工を行うことが難しくなってしまう。
【0046】
図5及び図7に示されるように、本実施形態に係る天井パネル施工方法では、天井パネル6を仮受けした状態で、天井パネル6が頭上の空間を塞ぐことなく、作業者の頭上にスペースSPが確保されることで、天井裏に相当する位置において、配線作業や上階の排水管を設置する作業等を行うことが容易となる。
【0047】
(第1天井パネル取付工程)
第1天井パネル取付工程(図6、ステップS5)では、天井パネル6を梁2に固定する。具体的には、図7及び図8に示すように仮受けされた天井パネル6を取付位置に持ち上げ、梁2(厳密には、梁2に対して固定された桟木)に対して従来公知の方法で固定した後に、天井パネル仮受用治具10を取り外す。具体的には、ネジ6Dを緩めて、パネル固定部材30を持ち上げることで、パネル固定部材30を天井パネル6から取り外す。そして、操作部23を上方に持ち上げるように操作して、躯体係合部材20を梁2のフランジ2Aから取り外す。
【0048】
(断熱材施工工程)
断熱材施工工程(図6、ステップS6)では、天井パネル取付工程において、天井パネル6(第1天井パネル)を梁2に固定した後、隣接する天井パネル6(第2天井パネル)を梁2に固定する前に、固定した天井パネル6(第1天井パネル)の上に断熱材を配置する。このとき、図8に示されるように、固定した天井パネル6に隣接した位置にスペースSP1が確保されている。このスペースSP1は、次の第2天井パネル取付工程において、固定した天井パネル6(第1天井パネル)に隣接する天井パネル6(第2天井パネル)が取り付けられる位置に相当する空間である。
【0049】
天井パネル6を略水平となるように梁2から懸下する場合には、断熱材を天井パネル6の格子の隙間から挿入する必要があるため作業時間が長くなってしまう。本実施形態では、作業者は、スペースSP1(図8)を介して、固定した天井パネル6(第1天井パネル)の上に断熱材(不図示)を配置することができるため、断熱材の施工を短時間で行うことが可能となる。
【0050】
(第2天井パネル取付工程)
第2天井パネル取付工程(図6、ステップS7)では、第1天井パネル取付工程で取り付けた天井パネル6(第1天井パネル)に隣接する天井パネル6(第2天井パネル)を取付位置に持ち上げ、梁2(厳密には、梁2に対して固定された桟木)に固定する。具体的には、第1天井パネル取付工程と同様の手順で、図8に示すように仮受けされた天井パネル6(第2天井パネル)を、梁2に対して従来公知の方法で固定した後に、天井パネル仮受用治具10を取り外す。
【0051】
そして、第1天井パネル取付工程、断熱材施工工程、第2天井パネル取付工程を繰り返すことで、天井パネルの施工が断熱材の施工とともに順次行われる。上記の工程を行う本実施形態に係る天井パネル施工方法によって、建物1を構成する梁2(躯体)に天井パネル6が取り付けられる。
【0052】
本実施形態に係る天井パネル施工方法を、2人1組で行う場合、脚立を離間して設置しておき、作業者各々が、係合工程、天井パネル懸下工程、第1天井パネル取付工程、断熱材施工工程、第2天井パネル取付工程を順次行うことで、1人作業よりも作業時間が一層短縮される。
【0053】
また、本実施形態に係る天井パネル施工方法では、断熱材施工工程において、第1天井パネル取付工程で固定した天井パネル6に隣接した位置にスペースSP1が確保されているため、天井パネル6の格子の隙間から挿入できないようなサイズの断熱材も施工できるため、天井パネル6及び断熱材の施工までを含めたトータルの作業時間が大幅に短縮される。
【0054】
また、本実施形態に係る天井パネル施工方法では、天井パネル懸下工程において天井パネル6が略鉛直となるように梁2から懸下されているが、天井パネル6を取り付けた後の状態では天井パネル6が略水平となるため、天井パネル6を本固定したか否かが明白であり作業の完了を容易に確認することができる。
【0055】
また、本実施形態に係る天井パネル施工方法では、天井パネル懸下工程において天井パネル6が略鉛直となるように梁2から懸下されており、懸下した天井パネル6の間において、上方にはスペースSPが確保されているため、脚立に上った際に、身を屈める必要がなく、天井裏に相当する位置における作業を負担なく行うことができる。つまり、建物の建設作業に必要な時間や労力を抑制することが可能となる。