前記揚水管の軸線に沿って前記据付プレートに螺合され、前記固定プレートにおける前記第1摺接部の外側の当接部に当接する軸部を有する第2ジャッキボルトを備える、請求項1又は2に記載のポンプ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のポンプでは、固定プレート上の環状枠(ジャッキ座)に螺合したジャッキボルトで据付プレートを押圧することで、固定プレートに対する据付プレートの位置(姿勢)を調整している。しかし、この特許文献1の構成では、特に大型のポンプの場合、姿勢変更による据付プレートの変位が大きくなるため、固定プレートの所定位置に据付プレートを配置できない虞がある。
【0005】
本発明は、据付床に対する姿勢を調整可能なポンプにおいて、固定プレートの所定位置に据付プレートを確実に配置できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、据付床に形成された取付孔から下向きに突出された揚水管と、前記揚水管の上端に接続され、前記据付床上に配管された吐出管と、前記据付床に対して前記揚水管及び前記吐出管を取り付けるための取付機構とを備え、前記取付機構は、前記取付孔を取り囲むように前記据付床に敷設され、球面凹部及び前記球面凹部を相補する球面凸部のうちの一方からなる第1摺接部を有する環状の固定プレートと、前記吐出管又は前記揚水管に設けられ、前記球面凹部及び前記球面凸部のうちの他方からなる第2摺接部を有し、前記第1摺接部上に前記第2摺接部が配置された環状の据付プレートと、前記固定プレートに対して前記据付プレートを締結する締結部材と、前記締結部材による非締結状態で、前記固定プレートに対する前記据付プレートの位置を調整可能な調整機構とを備え、前記調整機構は、前記固定プレートの外側に位置するように前記据付床に突設されたジャッキ座と、前記ジャッキ座に螺合され、前記据付プレートの外周部に当接する軸部を有する第1ジャッキボルトとを備える、ポンプを提供する。
【0007】
締結部材による固定プレートと据付プレートの締結を解除し(非締結状態)、第1摺接部を有する固定プレートに対して第2摺接部を有する据付プレートを移動させることで、据付床に対する揚水管及び吐出管の姿勢を調整できる。また、締結部材によって固定プレートと据付プレートを締結することで、据付床に対するポンプの姿勢が維持される。
【0008】
姿勢を調整するための第1ジャッキボルトを螺合するジャッキ座は据付床に突設されている。そのため、ポンプの大型化に伴って据付プレートが大きくなり、姿勢変更による据付プレートの変位が大きくなっても、その変位を許容できる。よって、固定プレートの所定位置に据付プレートを確実に配置でき、据付床に対するポンプの姿勢を調整できる。
【0009】
前記ジャッキ座は、前記固定プレートの外周の少なくとも一部を取り囲む枠体を有し、前記枠体には、前記第1ジャッキボルトを移動可能に挿通する円弧状の挿通孔が設けられている。
【0010】
この態様によれば、ポンプを揺動させる方向に応じて最適な位置に第1ジャッキボルトを配置できるため、調整時の作業性を向上できる。
【0011】
前記揚水管の軸線に沿って前記据付プレートに螺合され、前記固定プレートにおける前記第1摺接部の外側の当接部に当接する軸部を有する第2ジャッキボルトを備える。
【0012】
この態様によれば、固定プレートに据付プレートが固着している場合、これらを第2ジャッキボルトの螺合によって離反できる。第2ジャッキボルトの軸部は、固定プレートの当接部に当接し、第1摺接部には当接しない。よって、第2ジャッキボルトによって第1摺接部を傷つけることはないため、第1摺接部と第2摺接部の間の無駄な抵抗の発生を防止できる。
【0013】
前記据付プレートは、前記揚水管の軸線と交差する方向に突出し、前記第2ジャッキボルトを配置する突出部を備える。
【0014】
この態様によれば、据付プレートを過度に大きくすることなく、第2ジャッキボルトによる固定プレートの第1摺動部の損傷を防止できる。
【0015】
前記取付機構は、前記固定プレートに設けられ、上方が開口された締結穴と、前記締結穴を取り囲むように前記据付プレートに設けられた遊嵌孔と、前記遊嵌孔の上端を塞ぐように前記据付プレート上に配置された座金とを備え、前記締結部材は、前記座金及び前記遊嵌孔を貫通して前記締結穴に螺合されており、前記座金は、前記据付プレート上に配置された第1部材と、前記第1部材上に移動可能に配置された第2部材とを備え、前記第1部材は、前記遊嵌孔と連通するとともに前記締結部材が貫通され、前記第1部材が延びる方向への前記締結部材の相対的な移動を許容する連通孔を有し、前記第2部材は、前記連通孔と連通するとともに前記締結部材が挿通され、記第1部材に対する前記第2部材の姿勢の変更によって前記連通孔に対する位置を変更可能な挿通孔を有する。前記連通孔の中心は、円形状の前記第1部材の中心と間隔をあけて位置する。
【0016】
この態様によれば、遊嵌孔に対する第1部材の姿勢を調整し、第1部材に対する第2部材の姿勢を調整することで、締結穴の軸線上に挿通孔を配置し、挿通孔、連通孔及び遊嵌孔を通して締結部材を締結穴に螺合できる。よって、大型のポンプであっても、遊嵌孔を覆うように座金を確実に配置でき、座金を介して締結部材による締結力を据付プレートに均等に加えることができる。そのため、締結部材によって固定プレートに対して据付プレートを確実に締結でき、据付床にポンプを確実に取り付けることができる。
【0017】
前記締結部材は、前記座金及び前記遊嵌孔を貫通して前記締結穴に螺合される軸部と、前記座金及び前記据付プレートを前記固定プレートとの間に挟み込む頭部とを有し、前記座金は球面状に窪む凹部を有し、前記座金と前記頭部の間には、前記凹部を相補する球面状に突出する凸部を有する球面座金が配置されている。また、前記頭部と前記球面座金の間には、筒状のスペーサが配置されている。
【0018】
据付床に対するポンプの姿勢を調整すると、固定プレートの軸線に対して据付プレートの軸線が傾斜するため、締結穴(つまり締結部材)の軸線に対する座金を含む遊嵌孔の軸線も傾斜する。この場合、締結部材による座金の押圧が局部的になるため、座金を押圧する力に偏りが生じる虞がある。しかし、この態様によれば、座金と締結部材の頭部との間に球面状の凸部を有する球面座金が配置されているため、座金に対して締結部材が傾斜していても、座金を偏りなく押圧し、据付プレートを固定プレートに締結できる。また、座金と頭部の間にスペーサが更に配置されるため、細長い軸部の過度の突出を防止できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のポンプでは、固定プレートの所定位置に据付プレートを確実に配置でき、据付床に対するポンプの姿勢を調整できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0022】
図1Aから図1Cは、本発明の実施形態に係る立軸ポンプ10を示す。この立軸ポンプ10は、吸水槽1の上方を覆うポンプ床(据付床)2に取り付けられ、吸水槽1に流入した雨水等の液体を下流側へ排出する。
【0023】
図1Aに示すように、立軸ポンプ10は、ポンプケーシング12、回転軸18、及び羽根車21を備え、取付機構25を介してポンプ床2に配置されている。図1Aに示す初期状態では水平なポンプ床2が、何らかの原因で図1Bに示すように傾くことがある(傾斜角α)。この場合、ポンプ床2に対するポンプケーシング12の傾き(姿勢)を、図1Cに示すように取付機構25によって調整可能である。
【0024】
図1Aに示すように、ポンプケーシング12は、揚水管13と、揚水管13の上端に接続された吐出管14とを備え、ポンプ床2に形成された取付孔2aに上方から差し込むことで、ポンプ床2に取り付けられている。揚水管13は、取付孔2aから鉛直方向下向きに突出する直管である。吐出管14は、概ね90度屈曲された曲がり管であり、ポンプ床2から上方へ突出している。吐出管14には、下流側の吐出槽に配管された送水管(図示せず)が機械的に接続される。
【0025】
吐出管14の下端側には、揚水管13を含むポンプケーシング12をポンプ床2に固定するためのフランジ部15が一体に設けられている。フランジ部15は、吐出管14の外周から揚水管13の軸線Aに対して直交方向に突出しており、取付孔2aの内径よりも大きい外径を有する。なお、フランジ部15は揚水管13の上部に設けてもよい。吐出管14の上部には、駆動モータ(図示せず)を取り付けるためのモータ台16が設けられている。モータ台16の上端は、貫通孔3aを貫通してモータ床3の上方に突出している。
【0026】
回転軸18は、吐出管14を貫通して軸線Aに沿って揚水管13内に配置されている。回転軸18の上端は、吐出管14から外部へ突出し、駆動モータに機械的に接続されている。吐出管14における回転軸18が貫通する部分は、軸封装置19によって液密にシールされている。
【0027】
羽根車21は、回転軸18の下端に取り付けられ、揚水管13の内側下部に配置されている。駆動モータによって回転軸18が回転されることで、羽根車21は、回転軸18と一体に回転し、ポンプケーシング12内を通して吸水槽1内の液体を下流側へ排出する。
【0028】
図1A及び図2Aに示すように、ポンプ床2に対してポンプケーシング12を取り付けるために、取付機構25は、固定プレート27、据付プレート30、及び締結部材33を備える。また、取付機構25は、締結部材33による非締結状態で、固定プレート27に対して据付プレート30の姿勢(角度と位置)を調整するための調整機構35を備える。
【0029】
図2A、図3及び図4Aに示すように、固定プレート27は、取付孔2aを取り囲むようにポンプ床2の上面に敷設された円環状の鋳造物である。固定プレート27の内径は、揚水管13及び吐出管14の外径よりも大きく、固定プレート27の外径は、取付孔2aの内径及びフランジ部15の外径よりも大きい。
【0030】
固定プレート27の上面には、所定曲率で下向きに窪む球面凹部からなる第1摺接部27aが設けられている。第1摺接部27aの上面には、固定プレート27の軸線を中心とする同心円状の凹溝27bが設けられている。この凹溝27bには、固定プレート27の上面(第1摺接部27a)と据付プレート30の下面(第2摺接部30a)との間をシールするためのシール部材28が配置されている。
【0031】
固定プレート27は、第1摺接部27aの径方向外側に、平面状かつ円環状の当接部27cを備える。当接部27cには、後述するジャッキボルト42が当接する。
【0032】
据付プレート30は、吐出管14のフランジ部15の下部に取り付けられた円環状の鋳造物である。据付プレート30の内径は、揚水管13及び吐出管14の外径よりも大きい。据付プレート30の外径は、取付孔2aの内径よりも大きく、固定プレート27の外径よりも小さい。
【0033】
据付プレート30の下面には、第1摺接部27aと同一曲率で下向きに突出し、第1摺接部27a(球面凹部)を相補する球面凸部からなる第2摺接部30aが設けられている。第1摺接部27a上に配置される第2摺接部30aの表面には、第1摺接部27aの表面とは硬度と摩擦係数が異なる表面層31が形成されている。表面層31は、例えばハードクロムメッキ又はフッ素樹脂コーティングによって形成されている。
【0034】
なお、第1摺接部27aを上向きに突出する球面凸部によって構成し、第2摺接部30aを上向きに窪む球面凹部によって構成してもよい。表面層31は、第2摺接部30aの表面とは硬度と摩擦係数が異なるように、第1摺接部27aの表面に設けてもよい。
【0035】
締結部材33は、座金45及び据付プレート30の遊嵌孔30cを貫通して固定プレート27の締結穴27dに螺合され、固定プレート27に対して据付プレート30を締結する。この締結部材33による締結構造については後で詳述する。
【0036】
(調整機構の概要)
図2A、図3及び図4Aに示すように、調整機構35は、固定プレート27に対して据付プレート30を移動させ、ポンプ床2に対する揚水管13の姿勢を調整する。調整機構35は、固定プレート27の外側に配置されたジャッキ座37と、ジャッキ座37に配置された複数のジャッキボルト(第1ジャッキボルト)41と、据付プレート30に配置された複数のジャッキボルト(第2ジャッキボルト)42とを備える。ジャッキボルト41は、固定プレート27に対して据付プレート30を水平(径)方向に移動させる横移動部材である。ジャッキボルト42は、固定プレート27に対して据付プレート30を垂直(縦)方向に移動させる縦移動部材である。
【0037】
ジャッキ座37は、ポンプ床2に下部が埋設されて上部が突出された複数(本実施形態では4個)の基部38と、固定プレート27の周方向に隣接した基部38に架設された枠体(円弧梁)39とを備える。また、枠体39の固定プレート27側には、ジャッキボルト41を螺合するためのナット40を備える。
【0038】
複数の基部38はそれぞれ、矩形状のブロック体である。固定プレート27に対して基部38は、固定プレート27の径方向外側に定められた間隔をあけて位置し、固定プレート27の周方向に等間隔(90度)で配置されている。基部38には、固定プレート27の径方向に貫通し、ジャッキボルト41を挿通させる挿通孔38aが設けられている。
【0039】
枠体39は、揚水管13を移動させる方向に応じて最適な位置にジャッキボルト41を配置するために設けられている。枠体39は、固定プレート27と同軸の円弧状であり、隣接した基部38間に配置され、固定プレート27の外周の一部を取り囲む。枠体39の内径は、ポンプ床2が定められた許容範囲の最大角度で傾いた状態で、固定プレート27に対する据付プレート30の補正(変位)を許容可能な寸法に設定されている。
【0040】
枠体39の両端には挿通孔38aに対応するボルト孔39aがそれぞれ設けられている。挿通孔38aに挿通したボルトをボルト孔39aに螺合することで、枠体39が基部38に固定される。両端のボルト孔39aの間には、ジャッキボルト41を移動可能に挿通する円弧状の挿通孔39bが設けられている。枠体39を一対の基部38に取り付けた状態で、挿通孔39bは、一対の基部38のうちの一方から他方にかけて延びている。よって、ポンプケーシング12の所定の角度位置に枠体39を配置することで、概ね全ての角度位置にジャッキボルト41を配置できる。
【0041】
個々のジャッキボルト41は、外周にねじ山が形成された軸部41aと、軸部41aの一端に設けられた頭部41bとを備える。軸部41aは、挿通孔39bを通してナット40に螺合され、据付プレート30の外周部(外周面)30bに当接する。つまり、挿通孔39bと据付プレート30の外周部30bとが一致するように、基部38に対して枠体39が固定されている。ナット40に螺合したジャッキボルト41を締め付けることで、据付プレート30の外周部30bを押圧し、固定プレート27に対して据付プレート30を水平方向に移動できる(図4B参照)。
【0042】
図2A及び図3に示すように、ジャッキボルト42は、揚水管13(据付プレート30)の軸線Aに沿って据付プレート30が備える突出部32に螺合されている。突出部32は、矩形状のブロックからなり、揚水管13の軸線Aと交差する方向(つまり据付プレート30の径方向)に突出し、据付プレート30の周方向に等間隔(90度)で複数設けられている。外周部30bよりも外側に位置する突出部32の先端部には、揚水管13の軸線Aに沿って貫通し、ジャッキボルト42を螺合するボルト孔32aが設けられている。複数の突出部32のボルト孔32aを通る仮想円の直径は、第1摺接部27aの外径よりも大きい。
【0043】
ジャッキボルト42は、外周にねじ山が形成された軸部42aと、軸部42aの一端に設けられた頭部42bとを備える。軸部42aは、ボルト孔32aに螺合され、第1摺接部27aの外側に形成された当接部27cに当接する。複数の突出部32に螺合したジャッキボルト42をそれぞれ下向きに締め付けることで、固定プレート27の当接部27cを押圧し、固定プレート27に対して据付プレート30を垂直上向きに移動(離反)できる。
【0044】
次に、調整機構35による据付プレート30の姿勢調整方法について説明する。
【0045】
図1Bに示すように、意図しない負荷によって傾いたポンプ床2に対してポンプケーシング12の姿勢を調整する場合、まず、締結部材33とジャッキボルト41を緩め、固定プレート27と据付プレート30を非締結状態とする。
【0046】
続いて、図4Bに示すように、据付プレート30を移動させる向きの逆側に枠体39を固定し、ジャッキボルト41を締め付ける。これにより、据付プレート30の外周部30bを押圧し、第1摺接部27a上に対して第2摺接部30aを移動(摺動)させる。球面状の摺接部27a,30aによる据付プレート30の回転によって、固定プレート27に対する据付プレート30の姿勢(角度)が調整されることで、ポンプ床2に対するポンプケーシング12の姿勢が調整される。
【0047】
なお、ジャッキボルト41による押圧を安定させるために、図4Bに示すように、ジャッキボルト41は複数(図示では3個)用いることが好ましい。また、固定プレート27に対する据付プレート30の移動が困難な場合、ジャッキボルト42を締め付けることで、ジャッキボルト42で固定プレート27の当接部27cを押圧し、摺接部27a,30aを離反させることが好ましい。必要に応じて2以上の枠体39を配置し、それぞれの枠体39にジャッキボルト41を配置してもよい。
【0048】
図1Cに示すように、ジャッキボルト41の操作によって揚水管13の軸線Aと鉛直方向に延びる基準線Lとを一致させると、締結部材33を締め付ける。これにより固定プレート27に対して据付プレート30が再び締結される。
【0049】
調整機構35による調整は上記方法に限定されず、以下のようにしてもよい。
【0050】
固定プレート27と据付プレート30を非締結状態とした後、ジャッキボルト42を締め付けることで、ジャッキボルト42の先端で固定プレート27の当接部27cに押圧し、第1摺接部27aと第2摺接部30aを離反させる。
【0051】
次に、据付プレート30の傾斜の下側に位置するジャッキボルト42を締め付け、揚水管13の軸線Aが鉛直方向に延びるように調整する。この状態で所定位置に枠体39を固定し、ジャッキボルト41を締め付けることで、固定プレート27に対して据付プレート30を水平方向に移動させる。
【0052】
図1Cに示すように、ジャッキボルト41の操作によって揚水管13の軸線Aと基準線Lとを一致させると、ジャッキボルト42を緩める。これにより、球面状の第1摺接部27a上に相補する球面状の第2摺接部30aを載置する。その後、締結部材33を締め付け、固定プレート27に対して据付プレート30を再び締結する。
【0053】
このように、ポンプ床2が傾いた場合、調整機構35によって揚水管13の軸線Aが基準線Lに一致するように、ポンプケーシング12の姿勢を調整できる。よって、調整後の立軸ポンプ10では、駆動によって、羽根車21が揚水管13の内周面に干渉したり、回転軸18の軸受けや軸封装置19に過負荷が加わったりしないため、初期と同様に液体を排出できる。
【0054】
なお、図1Bに示すように、ポンプ床2が傾く場合にはモータ床3も傾くことが多く、その傾斜角βはポンプ床2の傾斜角αとは異なることが多い。駆動モータの振動によるモータ床3への影響の抑制しつつ、傾きの有無に拘わらずモータ床3上にモータ台16(駆動モータ)を支持するために、これらの間には支持部材43が配置されている。
【0055】
支持部材43は、モータ台16から横向きに突出した支持プレート16aとモータ床3との間に配置されている。支持プレート16aは、モータ床3から上方に突出したモータ台16の上端に設けられており、その外径は貫通孔3aの直径よりも大きい。
【0056】
支持部材43には、弾塑性体からなる防振ゴムが用いられている。この防振ゴムは、定められた荷重未満の負荷が加わると弾性的に変形し、定められた荷重以上の負荷が加わると塑性的に変形する特性を有する。つまり、駆動モータの振動(定められた荷重未満の負荷)によって弾性的に伸縮する一方、地震等によって定められた荷重以上の負荷が加わると塑性変形する防振ゴムが、支持部材43として用いられている。
【0057】
このように構成された調整機構35を備える立軸ポンプ10は、以下の特徴を有する。
【0058】
ジャッキボルト41を螺合するジャッキ座37はポンプ床2に突設されている。そのため、立軸ポンプ10の大型化に伴って据付プレート30が大きくなり、姿勢変更による据付プレート30の変位が大きくなっても、その変位を許容できる。よって、固定プレート27の所定位置に据付プレート30を確実に配置でき、ポンプ床2に対する立軸ポンプ10の姿勢を調整できる。
【0059】
ジャッキ座37は、固定プレート27の外周の一部を取り囲む枠体39を有し、枠体39にはジャッキボルト41を移動可能に挿通する円弧状の挿通孔39bが設けられている。よって、ポンプケーシング12を揺動させる方向に応じて最適な位置にジャッキボルト41を配置できるため、調整時の作業性を向上できる。
【0060】
ジャッキボルト42は、揚水管13の軸線Aに沿って据付プレート30に螺合され、固定プレート27における第1摺接部27aの外側の当接部27cに当接する。つまり、ジャッキボルト42は、固定プレート27の第1摺接部27aには当接しない。よって、ジャッキボルト42によって第1摺接部27aを傷つけることはないため、第1摺接部27aと第2摺接部30aの間の無駄な抵抗の発生を防止できる。その結果、固定プレート27に対する据付プレート30の調整作業性の低下を防止できる。
【0061】
据付プレート30は、揚水管13の軸線Aと交差する方向に突出し、ジャッキボルト42を配置する突出部32を備える。よって、据付プレート30を過度に大きくすることなく、ジャッキボルト42による固定プレート27の第1摺接部27aの損傷を防止できる。また、ジャッキ座37の大型化も防止できる。
【0062】
ここで、固定プレート27の軸線はポンプ床2に対して直交方向に延びるため、その角度はポンプ床2の傾きに依存する。つまり、図1Aに示すようにポンプ床2が水平な場合、固定プレート27の軸線は鉛直方向に延びる基準線Lと一致する。しかし、図1Bに示すようにポンプ床2が傾斜角αで傾いた場合、固定プレート27の軸線は、傾斜角αに対して直交方向に延びるため、基準線Lに対して交差した状態になる。
【0063】
一方、据付プレート30の軸線は、揚水管13の軸線Aと一致する。ポンプ床2が水平な状態で揚水管13の軸線Aが基準線Lと一致するように、固定プレート27と据付プレート30には、締結部材33による締結構造が設けられている。しかし、図1Cに示すように、傾斜したポンプ床2に対してポンプケーシング12の姿勢を調整した場合、固定プレート27の軸線と据付プレート30の軸線とは一致しなくなる。そして、据付プレート30に対して締結部材33が貫通する位置及び角度も変わる。そこで、本実施形態では、締結部材33による締結構造を以下のようにしている。
【0064】
(締結構造の概要)
図2A及び図3に示すように、締結構造は、固定プレート27に設けられた締結穴27dと、据付プレート30に設けられた遊嵌孔30cと、据付プレート30上に配置された座金45とを備える。そして、締結部材33は、座金45及び遊嵌孔30cを貫通して締結穴27dに螺合されている。そのうち、締結穴27d及び締結部材33の軸線の角度は、ポンプ床2の傾きに依存する。座金45(連通孔46aと挿通孔47a)及び遊嵌孔30cの軸線の角度は、ポンプケーシング12の傾きに依存する。
【0065】
締結穴27dは、第1摺接部27aの上面で開口され、下端が塞がれたボルト穴である。この締結穴27dは、固定プレート27の軸線を中心として、周方向に間隔をあけて複数(本実施形態では8個)設けられている。締結穴27dの軸線A1は、固定プレート27の軸線に沿って延びている。
【0066】
遊嵌孔30cは、据付プレート30の軸線(揚水管13の軸線A)に沿って第2摺接部30aを貫通するように設けられた円形状の孔である。遊嵌孔30cは、締結穴27dと対応するように、据付プレート30の軸線を中心として周方向に間隔をあけて複数設けられている。固定プレート27の軸線と据付プレート30の軸線を一致させた状態では、図2Aに示すように、遊嵌孔30cの軸線A2は締結穴27dの軸線A1と一致し、遊嵌孔30cが締結穴27dを取り囲む。つまり、据付プレート30の軸線を中心として遊嵌孔30cを形成する周方向及び径方向の位置は、固定プレート27の軸線を中心として締結穴27dを形成する周方向及び径方向の位置と同一である。遊嵌孔30cの直径は、締結穴27dの直径よりも大きく、ポンプ床2が定められた許容範囲の最大角度で傾いた状態で、固定プレート27に対する据付プレート30の補正、つまり貫通させた締結部材33の移動を許容する寸法に設定されている。
【0067】
座金45は、複数の遊嵌孔30cの上端をそれぞれ塞ぐように複数用いられる。図5A及び図6に示すように、個々の座金45は、据付プレート30上に移動可能に配置された座金本体(第1部材)46と、座金本体46上に移動可能に配置された回転座(第2部材)47とを備える。
【0068】
座金本体46は、所定の厚みを有し、遊嵌孔30cの直径よりも大径の円板状である。座金本体46には、遊嵌孔30cに連通する連通孔46aと、回転座47を回転可能に保持する保持部46bとが設けられている。
【0069】
連通孔46aは、締結部材33が貫通される円形状の孔である。座金本体46が延びる方向(つまり軸線Aと直交する方向)への締結部材33の相対的な移動を許容するように、連通孔46aの直径は締結部材33の直径よりも大きく形成されている。図7及び図8Aから図8Cに示すように、遊嵌孔30cに対する連通孔46aの位置は、据付プレート30に対する座金本体46の姿勢(回転角度位置)によって変更可能である。
【0070】
具体的には、図2A、図5A及び図7に示すように、遊嵌孔30cの軸線A2上に座金本体46の中心点O1を配置した状態で、連通孔46aは次のように形成されている。連通孔46aの中心点O2は、座金本体46の中心点O1(遊嵌孔30cの中心)と間隔D1をあけて位置する。この間隔D1は、遊嵌孔30cの半径r1の半分未満に設定されている。連通孔46aの半径r2は、遊嵌孔30cの半径r1よりも小さく、遊嵌孔30cの半径r1の半分よりも大きい。より具体的には、連通孔46aの半径r2は、平面視で遊嵌孔30cの内周面に内接する寸法に設定されている。
【0071】
図5A及び図6に示すように、保持部46bは、円形状に形成された凹部からなり、その円形状の底面に連通孔46aが同心円状に設けられている。保持部46bの直径は連通孔46aの直径よりも大きい。保持部46bの軸方向の深さは、回転座47の軸方向の厚みと同一にしているが、回転座47の軸方向の厚みよりも浅くしてもよいし、回転座47の軸方向の厚みよりも深くしてもよい。
【0072】
回転座47は、保持部46bの直径と概ね同一直径の円板状で、保持部46b内に回転可能に配置されている。回転座47には、連通孔46aに連通し、締結部材33が挿通される挿通孔47aが設けられている。
【0073】
挿通孔47aは、回転座47の軸方向に貫通する円形状の孔である。挿通孔47aの直径は、締結部材33の直径よりも大きく、挿通孔47aの軸線に対して定められた角度で傾斜した締結部材33を挿通可能な大きさに設定されている。座金本体46の中心点O1から挿通孔47aが最も離れて位置する回転座47の姿勢(図7参照)において、挿通孔47aは遊嵌孔30c内に位置する。図7及び図9Aから図9Cに示すように、連通孔46aに対する挿通孔47aの位置は、座金本体46に対する回転座47の姿勢(回転角度位置)によって変更可能である。
【0074】
具体的には、図7に示すように、挿通孔47aの中心点O3は、回転座47の中心(つまり連通孔46aの中心点O2)と間隔D2をあけて位置する。この間隔D2は、前述した間隔D1と同一に設定されている。これにより、保持部46b内での回転座47の回転によって、挿通孔47a(つまり締結部材33)は、座金本体46の中心点O1(つまり遊嵌孔30cの軸線A2)に位置することが可能である(図8B参照)。
【0075】
このように構成された座金45は、据付プレート30に対する座金本体46の自転と、座金本体46に対する回転座47の自転とを、個別に行うことが可能である。これらの自転によって、遊嵌孔30cに対する連通孔46aの位置と、連通孔46aに対する挿通孔47aの位置とを調整できる。その結果、遊嵌孔30c内の所定位置に挿通孔47a(つまり締結部材33)を配置できる。
【0076】
具体的には、図7及び図8Aから図8Cに示すように、遊嵌孔30cの軸線A2を中心として座金本体46が自転することにより、遊嵌孔30c内において連通孔46a(回転座47)が軸線A2(中心点O1)を中心として公転する。連通孔46aは、回転座47が特定の姿勢の場合には遊嵌孔30c内の一部にしか連通しないが、回転座47の自転によって遊嵌孔30c内の全領域に順次連通可能である。なお、座金本体46の中心点O1から挿通孔47aが最も離れて位置する回転座47の姿勢の場合、挿通孔47aは、遊嵌孔30cの内周面に沿って公転する(回転軌跡T1)。
【0077】
図7及び図9Aから図9Cに示すように、中心点O2を中心として回転座47が自転することにより、連通孔46a内において挿通孔47aが中心点O2を中心として公転する(回転軌跡T2)。これにより、挿通孔47aは、連通孔46a内において中心点O1と中心点O3の間の所定位置に移動できる。
【0078】
つまり、座金本体46の自転によって遊嵌孔30cの周方向における挿通孔47aの配置領域が調整され、回転座47の自転によって遊嵌孔30cの径方向における挿通孔47aの位置が調整される。これにより、遊嵌孔30c内における締結穴27dの上方に挿通孔47aを配置し、貫通させた締結部材33を締結穴27dに螺合できる。
【0079】
例えば、図1Aに示すように、ポンプ床2が水平な場合、基準線Lに一致させた固定プレート27の軸線と据付プレート30の軸線を一致させることで、基準線Lとポンプケーシング12の軸線Aとが一致する。この場合、図2Aに示すように、締結穴27dの軸線A1と遊嵌孔30cの軸線A2も一致する。そのため、図4A及び図9Bに示すように、座金本体46に対する回転座47の姿勢は、挿通孔47aが座金本体46の中心点O1に位置するように、全て調整される。
【0080】
図1Bに示すように、ポンプ床2が左下がりに傾いた場合、ポンプケーシング12の軸線Aを基準線Lと一致させるには、図1Cに示すように、ポンプ床2に対してポンプケーシング12を時計回りに揺動させる必要がある。この場合、ポンプケーシング12と一緒に据付プレート30が固定プレート27に対して移動するため、図2B及び図2Cに示すように、締結穴27dの軸線A1と遊嵌孔30cの軸線A2と離反する。なお、図2Bは、図1Cにおいて取付機構25の左側に位置する部分の調整状態を示し、図2Cは、図1Cにおいて取付機構25の右側に位置する部分の調整状態を示す。
【0081】
座金45の挿通孔47a(締結部材33)は、前述のように遊嵌孔30c内の希望位置に配置可能である。よって、図4Bに示すように、遊嵌孔30cに対する座金本体46の姿勢と、座金本体46に対する回転座47の姿勢とを調整することで、締結穴27dの軸線A1上に挿通孔47aを配置しつつ、遊嵌孔30cの軸線A2上に座金本体46の中心点O1を一致させることができる。
【0082】
座金本体46と回転座47の位置調整は、据付プレート30から取り外した状態で行ってもよいし、締結穴27dに対する締結部材33の締め付けを緩めた状態で行ってもよい。また、固定プレート27に対する据付プレート30の位置調整は、座金45及び締結部材33を取り外した状態で行ってもよいし、締結穴27dに対して締結部材33を緩めた状態で行ってもよい。
【0083】
以上のように、本実施形態の座金45は、締結部材33の相対的な移動を許容する連通孔46aを有する座金本体46と、座金本体46に対する姿勢変更によって連通孔46aに対する挿通孔47aの位置を変更可能な回転座47とを備える。よって、遊嵌孔30cに対する座金本体46の姿勢を調整し、座金本体46に対する回転座47の姿勢を調整することで、締結穴27dの軸線A1上に挿通孔47aを配置し、挿通孔47aを通して締結部材33を締結穴27dに螺合できる。
【0084】
その結果、たとえ大型のポンプ10であっても、遊嵌孔30cを覆うように座金本体46を確実に配置できるため、座金45を介して締結部材33による締結力を据付プレート30に均等に加えることができる。そのため、締結部材33によって固定プレート27に対して据付プレート30を確実に締結でき、ポンプ床2にポンプ10を確実に取り付けることができる。
【0085】
図2B及び図2Cに示すように、調整によって固定プレート27の軸線に対して据付プレート30の軸線が傾斜すると、座金45を含む遊嵌孔30cの軸線A2に対して締結部材33の軸線も傾斜する。この場合、締結部材33による座金45の押圧が局部的になるため、座金45を押圧する力に偏りが生じる虞がある。そこで、本実施形態では、締結部材33を以下のように構成している。
【0086】
図2A及び図5Aに示すように、締結部材33は、外周にねじ山が形成された軸部33aと、軸部33aの一端に設けられた頭部33bとを備えるボルトである。また、図2Aから図2Cを参照すると、頭部33bと座金45との間には、座金50が配置されるとともに、必要に応じてスペーサ51(図5A及び図5C参照)が配置されている。
【0087】
軸部33aは、座金45及び遊嵌孔30cを貫通して締結穴27dに螺合される。図2Bを参照すると、軸部33aの全長は、固定プレート27において遊嵌孔30cの形成領域の厚みが最大の部分を締め付ける際、スペーサ51を用いることなく固定プレート27と据付プレート30を締結できる寸法に設定されている。
【0088】
頭部33bは、固定プレート27との間に座金45及び据付プレート30を挟み込み、移動不可能に保持する。
【0089】
図5Aから図5Cに示すように、座金50は、球面状に突出する凸部50aを有する球面座金である。座金50における凸部50aの逆側は、スペーサ51が当接する平坦な端面50bである。図6を併せて参照すると、凸部50aと対向する回転座47には、凸部50aが嵌合する凹部47bが形成されている。凹部47bは、凸部50aを相補する球面状の窪みであり、回転座47を軸方向から見て挿通孔47aと同心円状に設けられている。
【0090】
スペーサ51は、円筒状であり、頭部33bと座金50の間に配置されている。図2B及び図5Bに示すように、遊嵌孔30cの形成領域の厚みが最大の部分を締結部材33によって締結する場合、スペーサ51は用いられない。図2C及び図5Cに示すように、遊嵌孔30cの形成領域の厚みが最小の部分を締結部材33によって締結する場合、最も厚いスペーサ51が用いられる。図2A及び図5Aに示すように、厚みが最大と最小の中間部分を締結部材33によって締結する場合、図5Cに示すスペーサ51の半分の厚みのスペーサ51が用いられる。但し、定められた厚みのスペーサ51を1以上用いてもよい。
【0091】
軸線A1が傾斜した締結穴27dに螺合した締結部材33は、位置調整した据付プレート30の遊嵌孔30cの軸線A2に対して傾斜する。凸部50aを具備しない平坦な座金を用いた場合、頭部33bが回転座47の上面に対して傾斜し、回転座47に対する座金50の当接部分が局部的になるため、座金45を押圧する力に偏りが生じる。
【0092】
これに対して本実施形態では、座金50の凸部50aが回転座47の凹部に面接触するため、締結部材33が傾斜していても、凸部50aが面接触した回転座47に偏りなく締結力を加えることができる。よって、固定プレート27に対して据付プレート30を確実に締結できる。また、座金50と頭部33bの間にスペーサ51が配置されるため、細長い軸部33aの過度の突出を防止できる。
【0093】
なお、本発明のポンプ10は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0094】
例えば、ジャッキ座37は、固定プレート27の径方向において、基部38の外側に枠体39を配置してもよい。枠体39には、円弧状の挿通孔39bを2以上設けてもよい。また、枠体39を円環状とし、円弧状の挿通孔39bを2以上設けてもよい。挿通孔39bを円形状とし、周方向に間隔をあけて複数設けてもよい。ジャッキ座37は、枠体39を用いることなく、複数の基部38のみで構成されてもよい。
【0095】
据付プレート30に対して突出部32は、溶接等によって固着されてもよいし、ボルト等によって着脱可能に固定されてもよい。また、突出部32を据付プレート30に一体に設けてもよい。
【0096】
また、座金45は、図10から図13に示す変形例のようにしてもよい。
【0097】
具体的には、図10に示すように、座金本体46の連通孔46aは、遊嵌孔30cの中心(中心点O1)から遊嵌孔30cの内周までの締結部材33の移動を許容する長さの長溝としてもよい。連通孔46aの溝幅は、締結部材33を挿通可能な寸法である。連通孔46aの一端は座金本体46の中心に位置し、連通孔46aの他端は遊嵌孔30cの内周面近傍に位置する。
【0098】
図11に示すように、回転座47の挿通孔47aは、回転座47の中心(中心点O2)を通り、回転座47の径方向に延びる長溝としてもよい。挿通孔47aの溝幅は、締結部材33を挿通可能な寸法である。なお、図11の変形例では、座金本体46の連通孔46aも長溝によって構成しているが、連通孔46aは図6に示すように円形状の孔によって構成してもよい。
【0099】
図12に示すように、連通孔46a及び挿通孔47aを長溝によって構成する場合、連通孔46aと挿通孔47aは、遊嵌孔30cの径方向の対向部分にかけて径方向に延びる長さで設けてもよい。
【0100】
図13に示すように、座金本体46に保持部46bを設けずに、回転座47を座金本体46の上面に直接配置してもよい。
【0101】
座金本体46に保持部46bを設ける場合、図14に示すように、回転座47の外周に中心に向けて径方向に窪むガイド溝47cを設けるとともに、座金本体46に挿通孔46cを設け、挿通孔46cを通してガイド溝47cにガイドピン53を配置し、座金本体46に対する回転座47の回転をガイドしてもよい。
【0102】
図14に示すように、据付プレート30には、座金本体46を回転可能に保持する保持部30dを設けてもよい。具体的には、保持部30dは、円形状に形成された凹部からなり、その円形状の底面に遊嵌孔30cが同心円状に設けられている。保持部30dの内径は遊嵌孔30cの内径よりも大きい。保持部30dの軸方向の深さは、座金本体46の軸方向の厚みよりも浅くしているが、座金本体46の軸方向の厚みと同一にしてもよいし、座金本体46の軸方向の厚みよりも深くしてもよい。
【0103】
図15に示すように、締結部材33は、締結穴27dに螺合されるスタットボルト(軸部)55と、スタットボルト55に螺合されるナット(頭部)56とからなる構成であってもよい。この場合、ナット56として、軸方向の一端にフランジ部56a及び凸部56bを備える球面座金付きナットを用い、座金50として、一面に凸部56bを相補する球面状の凹部50bを備える球面付き座金を用いてもよい。このようにすれば、スペーサ51を用いる必要がないため、部品点数を削減できる。
【0104】
図16に示すように、座金本体46の上面及び回転座47の上面には、これらの回転角度位置の方向を示す印(矢印)46d,47dを設けてもよい。このようにすれば、作業者は、印46d,47dを見ることで、座金本体46と回転座47が変位(回転)した量、方向、及び位置を判断できる。よって、複数の座金45を調整する際の作業性を向上できる。
【0105】
ポンプ10及びポンプ設備は、ポンプ床2とモータ床3を備える二床式に限られず、ポンプ床2のみを備える一床式であってもよい。