前記下流ガイド部は、記録材の後端が前記上流ガイド部の後端を通過する前に前記二次転写部を通過する記録材と接触して記録材をガイドする位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
前記下流ガイド部と前記二次転写部の間の距離は、前記上流ガイド部と前記二次転写部の間の距離よりも短いことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の画像形成装置。
前記下流ガイド部が前記第2位置に位置しているとき、前記下流ガイド部が記録材と接触する領域は、前記第2仮想線よりも前記二次転写ローラが設けられている側に配置されることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の画像形成装置。
【背景技術】
【0002】
昨今の電子写真プロセスを用いた画像形成装置においては、より高剛度の記録紙に対しても高い画質仕様を満たすため、中間転写ベルトから記録紙へトナー像を転写(二次転写)する際の記録紙の姿勢を規制する技術が採用されている。例えば、二次転写中の記録紙の通紙姿勢を規制する具体的な手段として二次転写が行われる領域(二転ニップ)からみて記録紙の搬送方向上流に通紙ガイド(二転上流ガイド)を配置する方法などがある。二転上流ガイドを二転ニップ通過中の記録紙へ当接させることによって通紙姿勢を規制し、記録紙と中間転写ベルトの接触状態を適切にすることで画質向上を図る技術が知られる。
【0003】
二転ニップ上流における記録紙と中間転写ベルトの接触状態が適切でない場合には画像不良の発生原因となる。図1の二転ニップ近傍の概略断面の例を用いて説明する。ここで二転ニップNは中間転写ベルトTを介在して対向配置される二転内ローラRiと二転外ローラRoによって形成される領域のことであり、記録紙Pに対して二転転写がなされる領域を表す。このような二次転写領域において、二次転写中の二転ニップNの上流における記録紙Pと中間転写ベルトT表面との空隙Sが適正量確保できない場合がある。例えば、記録紙と中間転写ベルトが必要以上に接近してしまうと、記録紙Pと中間転写ベルトTの間の表面速差に起因するトナー像の転写位置ずれが発生しやすくなり、トナーが擦れたような画像不良が発生してしまう。特に厚紙など高剛度な記録紙は変型しにくいため二次転写中の通紙姿勢がベルトに沿いやすく、上記のような画像不良が課題となりやすい(図2A参照)。そこで、この画像不良を解決するための手段として二転ニップ上流の搬送路上方に二転上流ガイドGを設ける方法が知られる。上流ガイドGが二転ニップ通過中の記録紙Pと当接することで二転ニップ上流において記録紙と中間転写ベルトが必要以上に接近することを防止し、上述の空隙Sを適正量確保することが可能となる(図2B参照)。
【0004】
ところがこの上流ガイドを備えた構成においては、記録紙が上流ガイドを抜ける際に後端部が中間転写ベルトTに向かって衝突して発生するショックブレ(ガイド抜けショック)が課題となる。特に記録紙が高剛度紙であった場合、その変動量が大きくなりガイド抜けショックの発生率が悪化しやすくなってしまう。
【0005】
この課題に対しては二転上流ガイドの構成を工夫する技術が提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1では、二転上流ガイドの先端部に可撓性部材を設ける構成が提案されている。この構成によれば、通紙中の記録紙の二転上流ガイドへの当接具合に合わせて可塑性部材が変形することで、ベルトへの衝突圧が低減されてガイド抜けショックの抑制が可能であるとしている。
【0007】
また、特許文献2では二転上流ガイドの先端高さを制御により可変とする構成が提案されている。この構成によれば記録紙が二転上流ガイドを抜ける直前に二転上流ガイドの先端高さをベルトに近い側に移動させることで、同様にガイド抜けショックを低減可能としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の二転上流ガイドの可撓性部材の変形を利用した構成で、二転ニップ上流において中間転写ベルトと記録紙を接近させた状態を作りだすことになる。この場合、上述したトナー像擦れによる画像不良の発生リスクが高くなる。そのため画一的な二転上流ガイド構成だけで様々な厚さ、剛度をもったメディアのガイド抜けショックの防止及び画像不良の防止を両立させることは困難だといえる。
【0010】
また、特許文献2に記載の二転上流ガイドの先端位置を紙種設定に応じて制御する構成も、二転上流ガイドの中間転写ベルトへの接近可能な領域は限定される。結局のところ高剛度なメディアでガイド抜けショックを防止しようとする場合には効果が不十分となってしまう。
【0011】
本発明は上記課題を鑑み、転写部上流で記録材が中間転写ベルトに必要以上に近づくことを規制しながら、高剛度な記録材であっても、記録材の後端がガイドを抜ける際のショックを低減可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体からトナー像が転写される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトの外面と接触して二次転写部を形成し、該二次転写部において前記中間転写ベルトから記録材にトナー像を転写する二次転写ローラと、前記中間転写ベルトを介して前記二次転写ローラと対向して設けられ、前記二次転写部を形成する対向ローラと、記録材の搬送方向において、前記二次転写部よりも上流に設けられ、前記二次転写部を通過する記録材が前記中間転写ベルトに近づくことを規制する上流ガイド部と、記録材の搬送方向において、前記二次転写部よりも下流の位置で移動可能に設けられ、前記二次転写部を通過する記録材の面のうち前記二次転写ローラと対向する面をガイドする下流ガイド部と、記録材の種類のうち記録材の厚みに関する情報を入力可能な操作部と、前記下流ガイド部を駆動する駆動手段と、前記駆動手段を制御する制御手段と、を備え、前記下流ガイド部は、第1位置と第2位置に移動可能に設けられ、前記第1位置は、前記二次転写ローラの中心と前記対向ローラの中心とを結んだ第1仮想線に直交し、前記二次転写部を通過する第2仮想線に対して、前記下流ガイド部の少なくとも一部は前記対向ローラが設けられている側に侵入する位置であり、前記第2位置は、前記第1仮想線方向に関して、前記第1位置よりも前記二次転写ローラが設けられている側にシフトした位置であり、前記制御手段は、前記操作部に入力された前記情報に基づいて、記録材の厚みが所定量以上の場合は、前記下流ガイド部を第1位置とし、記録材の厚みが前記所定量未満の場合は、前記下流ガイド部の位置を第2位置となるように前記駆動手段を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の構成によれば、転写部上流で記録材が中間転写ベルトに必要以上に近づくことを規制しながら、高剛度な記録材であっても、記録材の後端がガイドを抜ける際のショックを低減可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】二次転写部の概略断面図である
【図2】厚紙通紙時における二次転写部の概略断面図である
【図3】本実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である
【図4】本実施形態に係る二次転写ガイド構成の概略断面図である
【図5】本実施形態に係る二次転写下流ガイドの概略断面図である
【図6】本実施形態に係るブロック図である
【図7】本実施形態に係るガイドを抜けた直後の記録紙の概略図である
【図8】本実施形態に係るガイドを抜けた直後の記録紙後端部の速度をあらわすデータである
【図9】本実施形態に係るガイドを抜けた記録紙後端部との衝突による中間転写ベルトが受けるピーク圧を表すデータである
【図10】本実施形態に係る制御フローチャートである
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態の実施例である画像形成装置について説明する。なお、以下に述べる実施例は本発明における構成をこれに限定するものではない。
【0016】
[画像形成装置全体構成]
本実施例における画像形成装置を図3に示す。図3に示すように、画像形成装置100は、4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成ステーション(101、102、103、104)を備えている。各画像形成ステーション101〜104には、それぞれ像担持体として回転可能な感光ドラム1a、1b、1c、1dが配置されている。各感光ドラム1a〜1dの周りには、その回転方向に沿って、それぞれプロセス手段が配置されている。即ち、帯電装置2a、2b、2c、2d、露光装置3a、3b、3c、3d、現像装置4a、4b、4c、4d、一次転写部5a、5b、5c、5d、およびクリーニング部6a、6b、6c、6dが配置されている。尚、各画像形成ステーションにおける同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを示す符号の末尾のa、b、c、dを省略して総括的に説明することがある。
【0017】
また各画像形成ステーション101〜104中の各感光ドラム1a〜1dの下方には、無端ベルト状の中間転写ベルト7が配置されている。中間転写ベルト7は複数のローラにより掛け回され、そのうち1つの駆動ローラ8に駆動が入力され、中間転写ベルト7は回転駆動する。各画像形成ステーション(101、102、103、104)で形成されたトナー像は各一次転写部5a、5b、5c、5dの位置で中間転写ベルト7上に転写される。
【0018】
中間転写ベルト7の周りには、二次転写部9と、二次転写部9で転写されずに中間転写ベルト7表面に残された残トナーを回収する中間転写クリーニング部10が配置されている。二次転写部9は、中間転写ベルト7表面からトナー像を記録材としての記録紙Pに転写する領域である二転ニップNが含まれる。
【0019】
記録紙Pは紙収納庫11に設けられた給紙部から給紙され、レジスト調整部12で姿勢を整えられた後、二次転写部9に搬送される。
【0020】
ここで、レジスト調整部12は一対のレジローラ13とレジローラ13を駆動するためのレジ駆動部(不図示)を備え、レジローラ13が回転駆動することによって記録紙Pを搬送する。
【0021】
トナー画像が転写された記録紙Pは搬送ベルト14上を搬送される。搬送ベルト14は搬送駆動モータ(不図示)により駆動される。搬送ベルト14内には記録紙Pを吸着するために吸引ファンが配置され、記録紙Pを搬送ベルトに向けて吸着している。その後記録紙Pは搬送ベルト14の下流に配置された定着部15に搬送されて加熱、加圧定着され、記録紙P上にトナー画像が得られる。その後記録紙Pは排紙装置16に搬送され、機外の排紙トレー17上に排出される。
【0022】
[二転ガイド構成]
次に本実施形態における二次転写部9に含まれる二転ガイド構成の詳細について説明する。
【0023】
図4に二次転写部9の概略断面図を示す。二次転写部9は二転ニップNに対し記録紙Pの搬送方向上流の位置に2つの搬送ガイド18、19から成る二転上流ガイドを備える。二転ニップNは中間転写ベルトTを介在して対向配置される対向ローラとしての二転内ローラRiと二次転写ローラとしての二転外ローラRoによって形成される。二次転写部材としての二転外ローラRoは、中間転写ベルトTの外面に当接して二次転写部を形成する。
【0024】
上流ガイド部としての二転上流ガイドはそれぞれ中間転写ベルト7側に配置される二転前上ガイド18と、二転前上ガイド18と対向して設けられた二転前下ガイド19によって構成される。二転前上ガイド18と二転前下ガイド19二転前下ガイド19の間に形成された搬送路で記録紙Pが搬送される。二転前上ガイド18は、記録紙Pのトナーが転写される転写面側(中間転写ベルト7と対向する面)に接触して記録紙Pを二次転写部にガイドする。二転前上ガイド18は中間転写ベルト7に対して位置が固定されており二次転写部9を通過中の記録紙Pが二転ニップN上流において中間転写ベルト7に必要量以上に接触することを防止する機能を持つ。
【0025】
また、記録紙Pの搬送方向において、二転ニップNの下流には二次転写後の記録紙Pを搬送ベルト14までガイドするための二転下流ガイド20を備える。下流ガイド部としての二転下流ガイド20により二転ニップNから排紙された後の記録紙Pが支持され、一定の排出角度を維持した状態で二次転写を実施することが出来る。即ち、二転下流ガイド20は、記録材の下面(非転写面側もしくは二次転写外ローラと対向する面)に接触してガイドする。なお、本実施形態における二転下流ガイド20は、回動可能に設けられたコロ部材としての回転コロを備えており二次転写後の記録紙Pを少ない搬送抵抗で搬送することが可能である。さらに二転下流ガイド20は図示しない二転下流ガイド高さ可変機構によって高さを変更することが可能である。即ち、二転下流ガイド20は上下方向に移動可能に設けられている。ここで二転下流ガイド20の高さとは二転内ローラRiの中心を0とする座標系において図中y方向のHyによって表される座標のことである。尚、y軸の向きは重力方向と一致している。
【0026】
なお、二転下流ガイド20の高さは後述する二転下流ガイド高さ変更シーケンスに従って可変される2つの状態を持ち、それぞれ図5−Aで示す二転下流ガイド高さHy=−18mmの状態と図5−Bで示す二転下流ガイド高さHy=−16mmの状態がある。二転下流ガイド20の高さは通紙する記録紙Pの種類に応じて変更され、図5‐Bが厚紙通紙時の高さ(第1位置)を、図5−Aが非厚紙通紙時の高さ(第2位置)をそれぞれ表している。ここで、非厚紙の記録紙が二転下流ガイド20を通過する際の二転下流ガイド高さを図5−Bのように高くとってしまうと、二次転写後の記録紙の搬送抵抗が大きくなりしわやガイド跡が記録紙裏面に生じてしまう可能性がある。そのため、跡が残りにくい厚紙系の記録紙以外の条件においてHy=−18mmよりも二転下流ガイド高さHyを高い位置にとってしまうことは望ましくない。尚、本実施例では、第1位置、第2位置は以下のような位置となるように設定している。即ち、第1位置は、二転内ローラRiの回転中心と、二転外ローラRoの回転中心を結んだ第1仮想線に直交し、二転ニップNを通過する第2仮想線に対して、二転下流ガイド20の少なくとも一部が二転内ローラRi側に侵入する位置である。また、第2位置は、第1仮想線方向に関して、第1位置よりも二転外ローラRo側にシフトした位置である。また、本実施例では、二転下流ガイド20が第2位置に位置するときは、二転下流ガイド20が記録材と接触する領域が第2仮想線よりも二転外ローラRo側に位置されている。また、本実施例では第1位置は第2位置よりも重力方向上方に位置する。また、本実施例では、厚紙通紙時において、厚紙の後端が二転前上ガイド18を通過するタイミングより前に、二転下流ガイド20が二次転写部を通過する記録紙Pをガイドするように二転下流ガイド20の位置が設定されている。また、本実施例では、二転前上ガイド18と二転ニップの間の距離よりも、二転下流ガイド20と二転ニップの間の距離の方が短くなるように設定されている。こうすることで、厚紙のガイド抜けショックを抑制することができる。
【0027】
[制御ブロック図]
次に本実施形態における画像形成装置に関わる制御ブロックについて図6を用いて説明する。
【0028】
制御部としてのCPU101は不揮発性メモリ102に記憶された制御プログラムに基づいて各要素に所定の制御を実行させる制御コントローラである。下記では二転下流ガイド20の高さ可変に関わる内容を説明する。
【0029】
ユーザが印刷ジョブの際に操作部103より入力した用紙設定に従い用紙坪量がCPU101に伝えられる。尚、本実施理では、操作部103が設けられている。ユーザは、操作部103を操作することにより、操作部103から記録材の種類に関する情報(紙種、坪量、表面性等の紙の属性)が入力可能に構成されている。
【0030】
CPU101は操作部103からの用紙坪量データに基づき厚紙条件であるかどうかを判断する。判断結果に基づいて駆動ドライバー104に制御信号を送信し、信号に基づいて二転下流ガイド高さ可変機構105が動作し二転下流ガイド高さHyを変更する。本実施例における二転下流ガイド高さ可変機構105は、二転下流ガイド20が当接するカムをモータで駆動させることで、二転下流ガイド20を上下移動させている。
【0031】
[ガイド抜けショック]
次に本実施形態が解決する主たる課題であるガイド抜けショックの発生及びガイド抜けショックと二転下流ガイド高さの関係について説明する。
【0032】
図7は記録紙Pの後端Ptが二転上流上ガイド18を抜けた直後の状態を表す概略図である。ここで後端Ptの記録紙Pの搬送方向の鉛直方向の速度v(P)(図7参照)が大きい場合にガイド抜けショックが発生する。すなわちv(P)が大きい場合には後端Ptが中間転写ベルトTへ衝突する際のピーク圧p(p)が大きくなりガイド抜けショックが発生する。
【0033】
次に二転下流ガイド20の高さHyとv(p)及びp(p)の関係について説明する。なお、本節に記載するv(p)及びp(p)の値はいずれの場合においても厚紙(坪量350gsm/ガーレ式剛度117mN)をプロセススピード348mm/sで通紙した際のデータである。
【0034】
図8は記録紙の後端Ptが二転前上ガイド20を抜けた直後の瞬間速さv(p)をプロットしたものである。ここでグラフ上の横軸は紙の位置を示しており。x=40が紙後端Ptの位置である。ここで、二転下流ガイド高さHy=−18mmの条件(図5−A条件)における速度プロットを図8−Aに表し、二転下流ガイド高さHy=−16mmの条件(図5−B条件)における速度プロットを図8−Bに表す。図8−Aより二転下流ガイド高さ=−18の場合にはv(P)=1488mm/sであり、図8−Bより二転下流ガイド高さ=−16の場合にはv(P)=710mm/sである。
【0035】
また、図9は中間転写ベルトT表面にかかるピーク圧p(P)の時間変動を表している。ここでグラフ上のx軸は時間を表しておりx=0は記録紙Pの先端が二転ニップNに突入した時刻である。また、グラフ上のy軸は中間転写ベルト表面にかかる圧力(Mpa)のピーク値を表している。なお、今回抽出した圧力のピーク値は中間転写ベルトT表面の各座標のうち二転ニップN位置からベルト周方向上流に向かって30mmまでの範囲で観測したものである。ここで二転下流ガイド高さHy=−18mmの条件(図5−A条件)におけるピーク圧のプロットを図9−Aで示し、二転下流ガイド高さHy=−16mmの条件(図5−B条件)におけるピーク圧p(P)のプロットを図9−Bで示す。図9−Aより二転下流ガイド高さ=−18mmの場合のピーク圧p(P)は3.2E−03Mpaであり、図9−Bより二転下流ガイド高さ=−16mmの場合のピーク圧p(P)は8.2E−05Mpaである。
【0036】
以上より二転下流ガイド高さHyが高い条件において、記録紙Pの後端Ptが二転前上流ガイド20を抜けた際の後端Ptの速度v(P)と、中間転写ベルトT表面にかかるピーク圧p(P)はともに低くなることが分かる。すなわち、本実施形態における二転部構成において、厚紙通紙時には二転下流ガイドの高さを通常時よりも2mm高くすることでピーク圧p(P)を十分に大きく下げることが出来るためガイド抜けショックの防止が可能である。
【0037】
[二転下流ガイド高さ変更シーケンス]
ここで二転下流ガイド20の高さHyの変更動作に関して、実際の印刷ジョブのジョブスタート前のフローに沿って説明する。図10に本実施形態における二転下流ガイド高さ変更に関する制御フローチャートを示す。
【0038】
まず、ユーザ操作により通紙される記録紙Pの坪量Wが画像形成装置に通知される(201)。次に記録紙Pが厚紙であるかの判定W≧W(b)がなされる(202)。即ち、記録紙Pの厚みに関する情報としての坪量Wが所定量W(b)以上であるかの判定がなされる。ここで本実施例ではW(b)=300gsmに設定されている。用紙が厚紙である場合(坪量Wが所定量以上である場合)は二転下流ガイド高さHyを確認し(203)、二転下流ガイド高さがLowだった場合は二転下流ガイド高さ可変機構104を駆動して高さHyをHighに変更する(204)。一方、用紙坪量がW<W(b)であった場合(坪量Wが所定量未満である場合)は二転下流ガイド高さHyを確認し(205)、高さHyがHighであれば同様に二転下流ガイド高さ可変機構104を駆動して高さHyをLowに変更する(206)。その後、二転下流ガイド高さ可変機構104の駆動がOFF(207)された後、印刷ジョブがスタートする(208)。
【0039】
なお、本実施例におけるHyは上述したようにLow=−18mm、High=−16mmである。