(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021005022
(43)【公開日】20210114
(54)【発明の名称】レンズユニット及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20201211BHJP
   G03B 15/00 20210101ALN20201211BHJP
   G03B 17/08 20210101ALN20201211BHJP
【FI】
   !G02B7/02 A
   !G02B7/02 B
   !G02B7/02 H
   !G02B7/02 Z
   !G03B15/00 V
   !G03B15/00 S
   !G03B17/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】2019119260
(22)【出願日】20190627
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
【住所又は居所】長野県諏訪郡下諏訪町5329番地
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(74)【代理人】
【識別番号】100194283
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 大勇
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 忠史
【住所又は居所】長野県諏訪郡下諏訪町5329番地 日本電産サンキョー株式会社内
【テーマコード(参考)】
2H044
2H101
【Fターム(参考)】
2H044AA02
2H044AA03
2H044AA10
2H044AA15
2H044AA17
2H044AB02
2H044AB10
2H044AB24
2H044AB25
2H044AG01
2H044AJ04
2H101CC54
(57)【要約】
【課題】ガラス製のレンズとプラスチック製のレンズとが組み合わされたレンズユニットにおいて、レンズ間の位置精度を高くする。
【解決手段】第5レンズL5は、光学的に機能する第5レンズ本体L5Aと、光軸の周りで第5レンズ本体L5Aの周囲を囲む第5レンズフランジ部L5Bとが一体化されて構成され、ガラスモールドによって成形される。第5レンズL5と接合レンズL60とが光軸Aに沿った方向で他の部材を介さずに直接当接することによって、第5レンズL5と接合レンズL60との間の位置関係が精密に定まる。この際、接合レンズL60は鏡筒10と光軸Aに沿った方向で直接当接することによってその位置が定まるため、接合レンズL60と鏡筒10との間の光軸Aに沿った方向での位置関係も精密に定まる。このため、第5レンズL5、接合レンズL60、鏡筒10の間の光軸Aに沿った方向における位置関係(間隔)を特に精密に定めることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側にかけて光軸に沿って、最も物体側となる第1レンズと、当該第1レンズよりも像側に配された複数のレンズが積層されて鏡筒に対して固定されるレンズユニットであって、
複数の前記レンズのうちの一つは、光路が含まれるように構成されるレンズ本体と、当該レンズ本体の前記光軸からみた径方向の外側において形成されたフランジ部とが、一体となって形成されたガラス製であるガラスレンズであり、
前記ガラスレンズは、樹脂材料製であるレンズホルダによって前記径方向の外側を支持されて前記鏡筒の内部に収容され、
前記ガラスレンズと前記光軸に沿った方向で隣接する前記レンズである2つの隣接レンズは、前記レンズホルダと当接することによって前記光軸に沿った方向における前記ガラスレンズとの間の位置関係が定まり、
かつ、2つの前記隣接レンズのうちの一方は、前記フランジ部と当接することによって前記ガラスレンズとの間の前記光軸に沿った方向における位置関係が定められたことを特徴とするレンズユニット。
【請求項2】
前記一方の前記隣接レンズは、前記フランジ部と当接するように、前記ガラスレンズ側のレンズ面よりも突出するように当該レンズ面よりも前記径方向の外側において環状に形成された隣接レンズ側フランジ部を具備することを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項3】
前記レンズホルダ、前記一方の前記隣接レンズのうちの一つは、前記鏡筒に対して圧入固定され、
前記レンズホルダ、前記一方の前記隣接レンズのうちの他の一つは、前記一つとの間で、互いに形成された係合構造同士を係合させることによって、前記径方向における相互の位置関係が定められたことを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズユニット。
【請求項4】
前記一方の前記隣接レンズは前記ガラスレンズの像側に配され、かつ前記鏡筒に対して圧入固定され、かつ前記レンズホルダとの間で、互いに形成された係合構造同士を係合させることによって、前記レンズホルダに対する前記径方向における位置関係が定められたことを特徴とする請求項3に記載のレンズユニット。
【請求項5】
前記レンズホルダには、前記光軸に沿った貫通孔であり前記ガラスレンズが装着されるレンズ組み込み孔と、物体側において形成された前記光軸と垂直な平面である物体側レンズホルダ面と、物体側において前記レンズ組み込み孔と連結するように前記レンズ組み込み孔の周囲において前記物体側レンズホルダ面から局所的に掘り下げられた複数の溝である接着剤用溝と、が設けられ、
前記接着剤用溝に、前記ガラスレンズと前記レンズホルダとを固定する接着剤層が形成されたことを特徴とする請求項4に記載のレンズユニット。
【請求項6】
2つの前記隣接レンズのうちの他方と前記ガラスレンズとの間に絞りを具備し、
前記絞りには、前記光軸の周りの周方向において複数の位置決め孔が形成され、
前記レンズホルダにおける物体側には、前記物体側レンズホルダ面から物体側に突出する複数の凸部が前記位置決め孔に対応して形成され、
前記絞りは、前記凸部を前記位置決め孔に係合させ、かつ前記物体側レンズホルダ面に係止された状態で前記レンズホルダに装着されたことを特徴とする請求項5に記載のレンズユニット。
【請求項7】
請求項5に記載のレンズユニットの製造方法であって、
前記一方の前記隣接レンズに対して、前記レンズホルダを、互いに形成された前記係合構造同士を係合させた状態で配置するレンズホルダ位置決め工程と、
前記レンズホルダ位置決め工程後の前記レンズホルダにおける前記レンズ組み込み孔に前記ガラスレンズを挿入するレンズ挿入工程と、
前記レンズ挿入工程後における前記接着剤用溝に固化前の接着剤を投入して固化させる接着工程と、
前記接着工程後における前記一方の前記隣接レンズ、前記レンズホルダ、及び前記ガラスレンズが一体化された構造を、前記鏡筒に対して圧入固定するレンズ組固定工程と、
を具備することを特徴とするレンズユニットの製造方法。
【請求項8】
請求項6に記載のレンズユニットの製造方法であって、
前記一方の前記隣接レンズに対して、前記レンズホルダを、互いに形成された前記係合構造同士を係合させた状態で配置するレンズホルダ位置決め工程と、
前記レンズホルダ位置決め工程後の前記レンズホルダにおける前記レンズ組み込み孔に前記ガラスレンズを挿入するレンズ挿入工程と、
前記レンズ挿入工程後における前記接着剤用溝に固化前の接着剤を投入して固化させる接着工程と、
前記接着工程後の前記レンズホルダにおける複数の前記凸部の各々に複数の前記位置決め孔の各々を係合させた状態で前記絞りを前記物体側レンズホルダ面に載置して固定する絞り固定工程と、
前記絞り固定工程後における前記一方の前記隣接レンズ、前記レンズホルダ、前記ガラスレンズ、及び前記絞りが一体化された構造を、前記鏡筒に対して圧入固定するレンズ組固定工程と、
を具備することを特徴とするレンズユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のレンズと、これらを外側で固定する鏡筒とを具備するレンズユニット、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車、監視カメラ等に搭載される撮像装置において使用される光学系として、物体側から像側(撮像素子側)に至るまでの間に複数のレンズを光軸(撮像装置の光軸)方向に配したレンズユニットが使用されている。このレンズユニットは可視光による物体の画像を撮像素子上に良好に結像させるように設計される。このため、各レンズ間の位置関係、各レンズと鏡筒間、レンズユニットと撮像素子間の位置関係が高い精度で固定されることが要求される。
【0003】
使用される複数のレンズの中には、ガラス製のものと樹脂材料(プラスチック)製のものが存在する。ガラス製のレンズは、傷がつきにくい、屈折率の温度依存性が小さい等の利点を有するのに対し、プラスチック製のレンズは、様々な形状のものを安価に製造できるという利点を有する。このため、例えば非球面レンズとしてはプラスチック製のレンズが好ましい。また、隣接するレンズ間やレンズと鏡筒との間の位置関係を固定するための構造をレンズ自身に形成することもできるが、プラスチック製のレンズにおいては、光学的に機能する球面、非球面のレンズ面と、このような構造とを一体化して形成することも容易である。プラスチック製のレンズの材料としては、良好な光学特性を有するポリカーボネート等の非晶性プラスチックが用いられる。このため、上記のようなレンズユニットにおいては、特にガラス製であることが好ましいもののみをガラス製とし他のレンズをプラスチック製とすることが、撮像装置を安価とするためには好ましい。
【0004】
このようにプラスチック製のレンズとガラス製のレンズとが組み合わせて鏡筒に収納されたレンズユニットについては、例えば特許文献1に記載されている。このレンズユニットにおいては、第1〜第7レンズが物体側から像側に向けて順次設けられ、このうち、外部に露出し特に傷がつきやすい第1レンズと、特に絞りに近い位置にあるために屈折率の温度依存性が小さいことが要求される第4レンズとして、ガラス製のレンズが用いられる。
【0005】
このうち、特に第4レンズは、自身がガラス製であるが、実際にはその周囲がプラスチック製のガラスレンズ保持部に固定された状態で鏡筒内に固定される。このため、実際には第4レンズとガラスレンズ保持部とが一体化された構造をプラスチックレンズと同様のものとして扱うことができる。鏡筒、隣接するプラスチック製のレンズとこの構造との間の位置関係を固定するための構造は、全てがガラスレンズ保持部に形成される。この際、この構造は、位置関係の微調整が可能なような構成とされている。このため、このレンズユニットを用いて、良好な撮像特性が得られる撮像装置を安価に得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018−54922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の構造においては、ガラス製のレンズである第4レンズと隣接するレンズとの間の位置関係は、ガラスレンズ保持部を介して間接的に定まる。このため、隣接するレンズとガラスレンズとの間の位置精度は、実際には第4レンズのガラスレンズ保持部との間の位置精度に大きく依存した。このため、この構造においては、第4レンズと、隣接するレンズとの間の位置関係の精度を安定して高くすることは困難であった。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みなされたもので、ガラス製のレンズとプラスチック製のレンズとが組み合わされたレンズユニットにおいて、レンズ間の位置精度を高くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るレンズユニットは、物体側から像側にかけて光軸に沿って、最も物体側となる第1レンズと、当該第1レンズよりも像側に配された複数のレンズが積層されて鏡筒に対して固定されるレンズユニットであって、複数の前記レンズのうちの一つは、光路が含まれるように構成されるレンズ本体と、当該レンズ本体の前記光軸からみた径方向の外側において形成されたフランジ部とが、一体となって形成されたガラス製であるガラスレンズであり、前記ガラスレンズは、樹脂材料製であるレンズホルダによって前記径方向の外側を支持されて前記鏡筒の内部に収容され、前記ガラスレンズと前記光軸に沿った方向で隣接する前記レンズである2つの隣接レンズは、前記レンズホルダと当接することによって前記光軸に沿った方向における前記ガラスレンズとの間の位置関係が定まり、かつ、2つの前記隣接レンズのうちの一方は、前記フランジ部と当接することによって前記ガラスレンズとの間の前記光軸に沿った方向における位置関係が定められている。
【0010】
この構成においては、ガラスレンズはレンズホルダで支持された状態で鏡筒内において固定され、ガラスレンズと光軸に沿った方向で物体側、像側で隣接する隣接する隣接レンズは、共にレンズホルダと当接する。ただし、隣接レンズのうちの一方は、ガラスレンズにおけるフランジ部と直接当接することによって、光軸に沿った方向におけるガラスレンズとの間の位置関係が定まる。これによって、特にこの隣接レンズとガラスレンズとの間の位置関係を特に精密に定めることができる。また、こうした形状のガラスレンズは、ガラスモールドによって容易に製造することができる。
【0011】
この際、前記一方の前記隣接レンズは、前記フランジ部と当接するように、前記ガラスレンズ側のレンズ面よりも突出するように当該レンズ面よりも前記径方向の外側において環状に形成された隣接レンズ側フランジ部を具備してもよい。
【0012】
この場合、ガラスレンズと直接当接する側の隣接レンズにおいて、レンズ面に影響を及ぼすことなく、ガラスレンズを係止するための隣接レンズ側フランジ部が形成される。隣接レンズが樹脂材料製である場合、こうした形状は成形によって容易に形成することができる。
【0013】
この際、前記レンズホルダ、前記一方の前記隣接レンズのうちの一つは、前記鏡筒に対して圧入固定され、前記レンズホルダ、前記一方の前記隣接レンズのうちの他の一つは、前記一つとの間で、互いに形成された係合構造同士を係合させることによって、前記径方向における相互の位置関係が定められていてもよい。
【0014】
この場合には、レンズホルダ、ガラスレンズと直接接する隣接レンズのうちの一つは、鏡筒の内面と当接する。一方、このうちの他の一つは、この一つと係合構造を係合させることによって径方向における位置が定まる。これによって、ガラスレンズとこの隣接レンズとの間の径方向における位置関係も精密に定めることができる。
【0015】
この際、前記一方の前記隣接レンズは前記ガラスレンズの像側に配され、かつ前記鏡筒に対して圧入固定され、かつ前記レンズホルダとの間で、互いに形成された係合構造同士を係合させることによって、前記レンズホルダに対する前記径方向における位置関係が定められていてもよい。
この場合には、ガラスレンズと直接当接する側の隣接レンズは、像側の隣接レンズとされる。この場合、後述する製造方法を実行する際に、ガラスレンズとこの隣接レンズとを引き離す方向の力が加わることが抑制され、組立時におけるレンズホルダからのガラスレンズの脱落が特に抑制される。
【0016】
この際、前記レンズホルダには、前記光軸に沿った貫通孔であり前記ガラスレンズが装着されるレンズ組み込み孔と、物体側において形成された前記光軸と垂直な平面である物体側レンズホルダ面と、物体側において前記レンズ組み込み孔と連結するように前記レンズ組み込み孔の周囲において前記物体側レンズホルダ面から局所的に掘り下げられた複数の溝である接着剤用溝と、が設けられ、前記接着剤用溝に、前記ガラスレンズと前記レンズホルダとを固定する接着剤層が形成されていてもよい。
この場合には、接着剤用溝中の接着剤を用いて、ガラスレンズとレンズホルダとの間を強固に固定することができ、かつこの作業が容易となる。
【0017】
この際、2つの前記隣接レンズのうちの他方と前記ガラスレンズとの間に絞りを具備し、前記絞りには、前記光軸の周りの周方向において複数の位置決め孔が形成され、前記レンズホルダにおける物体側には、前記物体側レンズホルダ面から物体側に突出する複数の凸部が前記位置決め孔に対応して形成され、前記絞りは、前記凸部を前記位置決め孔に係合させ、かつ前記物体側レンズホルダ面に係止された状態で前記レンズホルダに装着されていてもよい。
この場合には、レンズホルダに対して、更に絞りも固定されるため、ガラスレンズと絞りとの間の位置関係も精密に定まる。また、絞りを装着する作業も容易である。
【0018】
本発明に係るレンズユニットの製造方法は、前記一方の前記隣接レンズに対して、前記レンズホルダを、互いに形成された前記係合構造同士を係合させた状態で配置するレンズホルダ位置決め工程と、前記レンズホルダ位置決め工程後の前記レンズホルダにおける前記レンズ組み込み孔に前記ガラスレンズを挿入するレンズ挿入工程と、前記レンズ挿入工程後における前記接着剤用溝に固化前の接着剤を投入して固化させる接着工程と、前記接着工程後における前記一方の前記隣接レンズ、前記レンズホルダ、及び前記ガラスレンズが一体化された構造を、前記鏡筒に対して圧入固定するレンズ組固定工程と、を具備する。
この場合には、ガラスレンズと直接当接する側の隣接レンズとレンズホルダとの間の位置関係がレンズホルダ位置決め工程によって定まった後で、ガラスレンズとこの隣接レンズとの間の位置関係がレンズ挿入工程において定まり、その後でガラスレンズとレンズホルダとが接着工程によって固定される。その後、隣接レンズ、レンズホルダ、ガラスレンズが一体とされて鏡筒に圧入固定される際に、これらの間の位置関係が維持され、かつレンズホルダからレンズが脱落することが抑制される。
【0019】
また、本発明に係るレンズユニットの製造方法は、前記一方の前記隣接レンズに対して、前記レンズホルダを、互いに形成された前記係合構造同士を係合させた状態で配置するレンズホルダ位置決め工程と、前記レンズホルダ位置決め工程後の前記レンズホルダにおける前記レンズ組み込み孔に前記ガラスレンズを挿入するレンズ挿入工程と、前記レンズ挿入工程後における前記接着剤用溝に固化前の接着剤を投入して固化させる接着工程と、前記接着工程後の前記レンズホルダにおける複数の前記凸部の各々に複数の前記位置決め孔の各々を係合させた状態で前記絞りを前記物体側レンズホルダ面に載置して固定する絞り固定工程と、前記絞り固定工程後における前記一方の前記隣接レンズ、前記レンズホルダ、前記ガラスレンズ、及び前記絞りが一体化された構造を、前記鏡筒に対して圧入固定するレンズ組固定工程と、を具備する。
この場合においても、前記の製造方法と同様に、隣接レンズ、レンズホルダ、ガラスレンズが一体とされて鏡筒に圧入固定される際に、これらの間の位置関係が維持され、かつレンズホルダからレンズが脱落することが抑制される。この際、絞りもこの中で固定され、ガラスレンズと絞りとの間の位置関係も精密に定まる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ガラス製のレンズとプラスチック製のレンズとが組み合わされたレンズユニットにおいて、レンズ間の位置精度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態に係るレンズユニットの断面図である。
【図2】実施形態に係るレンズユニットで用いられる鏡筒の断面図(a)、斜視図(b)である。
【図3】実施形態に係るレンズユニットの分解組立図である。
【図4】実施形態に係るレンズユニットにおける第5レンズ(ガラスレンズ)の物体側(a)、像側(b)からみた斜視図である。
【図5】実施形態に係るレンズユニットにおけるレンズホルダの物体側(a)、像側(b)からみた斜視図である。
【図6】実施形態に係るレンズユニットにおける第5レンズ体の物体側(a)、像側(b)からみた斜視図である。
【図7】実施形態に係るレンズユニットにおける隣接レンズ(接合レンズ)の物体側(a)、像側(b)からみた斜視図である。
【図8】実施形態に係るレンズユニットの製造方法を示す工程断面図である。
【図9】実施形態に係るレンズユニットの製造方法における絞り固定工程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本実施形態に係るレンズユニット1の、光軸Aに沿った断面図である。ここでは、物体(Ob)側は図中上側であり、像(Im)側は図中下側であり、撮像素子100は図中最下部に位置する。レンズL1〜L7の各々は、鏡筒10に対して直接あるいは間接的に固定される。図1においては、各レンズ間あるいは各レンズと鏡筒10の間を固定するための構成が主に記載されており、実際には撮像素子100と鏡筒10の位置関係を固定するための構造も設けられているが、その記載は省略されている。また、図1においては各部材間の位置関係が記載されており、図1における隣接する部材間同士の正確な接触の状態については後述する。このため、例えば図1においては実際には接触していない、あるいは局所的にのみ接触する部材間も、便宜上全て接触しているように記載されている。
【0023】
撮像素子100は2次元CMOSイメージセンサであり、各画素は光軸Aと垂直な面内で2次元に配列されており、実際には撮像素子100はカバーガラス(図示せず)で覆われている。図1において、第1レンズL1から第7レンズL7を備えるレンズユニット1が構成される。レンズユニット1は、撮像対象の可視光の画像を所望の視野、所望の形態で撮像素子100上(像面)に結像させるように構成される。
【0024】
図1において、最も物体側(図中上側)に設けられた第1レンズL1は、魚眼レンズであり、主にこれによって、撮像装置の視野等が定まる。これよりも撮像素子100側(像側)に、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6、第7レンズL7が順次配置されている。各レンズは、光軸Aの周りで略対称な形状を具備する。また、光束を制限するための絞り20は第5レンズL5と第4レンズL4の間に配置されている。また、実際には不要な光を除去するための遮光板も第2レンズL2と第3レンズL3までの間に設けられるが、その記載は図1では省略されている。
【0025】
また、図2(a)は、鏡筒10のみの光軸Aに沿った断面図、図2(b)は、鏡筒10を図1における斜め上側(物体側)からみた斜視図である。この鏡筒10の物体側(図中上側)に、内周面が略円筒形状の空洞部である第1収容部10Aが設けられ、第1収容部10Aの像側の底面は第1レンズL1と当接する第1載置部11である。また、第1載置部11よりも像側(図中下側)には、第1収容部10Aと同軸とされ、第1収容部10Aより小径とされた略円筒形状の空洞部である第2収容部10Bが設けられ、第2収容部10Bの像側の底面は接合レンズL60(後述する像側レンズ)と当接する第2載置部(載置面)12である。第1収容部10A、第2収容部10Bの中心軸は共通とされ、光軸Aと等しい。また、図2(a)に示されるように、実際には第2収容部10Bの内周面は物体側から像側に向かって徐々に小さくされる。
【0026】
図1において、各レンズにおける物体側、像側のレンズ面(画像を形成する光が通過する面)は、レンズユニット1が所望の結像特性をもたらすように、適宜曲面(凸曲面、凹曲面)加工されている。以下では、各レンズにおける物体側のレンズ面を第1表面R1、像側のレンズ面を第2表面R2と呼称する。また、レンズ面の形状(凸曲面又は凹曲面)としては、第1表面R1の形状については物体側からみた形状、第2表面R2の形状については像側からみた形状を、それぞれ意味するものとする。
【0027】
一般的に、このような小型の撮像装置におけるレンズを構成する材料としては、ガラスと樹脂材料の2種類がある。前者は機械的強度が高いが高価であり、後者は機械的強度は低いが安価である。また、ガラスの熱膨張係数は樹脂材料より小さいため、高温時における熱膨張に起因する形状や位置の微細な変化が結像特性(焦点位置の変化等)に与える影響が大きくなるレンズは、ガラス製とすることが好ましい。このため、レンズユニット1を高性能かつ安価とするためには、ガラス製のものが好ましいレンズのみガラス製とし、他のレンズを樹脂材料製とすることが好ましい。
【0028】
この観点において、本実施の形態では、最も物体側に配置された第1レンズL1は撮像装置1の最表面に位置するために、傷が付きにくいガラス製とされる。また、絞り20と隣接するレンズ(第4レンズL4及び第5レンズL5)は、温度変化に起因する焦点距離の変化が顕著に表れるため、いずれか一方(本実施の形態では第5レンズL5)がガラス製とされる。他のレンズとしては、安価な樹脂材料製のものが用いられる。
【0029】
第1レンズL1は、その物体側のレンズ面L1R1が凸曲面、その像側のレンズ面L1R2が凹曲面とされた負レンズである。第1レンズL1の上面側では、レンズ面L1R1がほぼ全体を占めている。第1レンズL1の下面側(像側)において、レンズ面L2R2の外側には、光軸Aと垂直な平面で構成された第1レンズ第1下面L1Aが設けられる。第1レンズ第1下面L1Aの更に外側には、第1レンズ第1下面L1Aと平行かつ第1下面L1Aよりも物体側(図中上側)に位置する第1レンズ第2下面L1Bが設けられる。また、第1レンズL1の最外周部は、光軸Aを中心軸とする円筒形状の第1レンズ外周面L1Cを構成する。これらの面のうち、光学的に使用されるのは、レンズ面L1R1、L1R2であり、他の面は、第1レンズL1を鏡筒10に対して固定するために用いられる。
【0030】
図1において、鏡筒10の上端側は、第1レンズL1の物体側への移動を規制するように光軸A(中心)側に向かって屈曲した第1レンズ係止部13となっている。また、第1レンズ第1下面L1Aは、鏡筒10の第1載置面11と当接する。このため、第1レンズL1の鏡筒10に対する光軸A方向における位置関係は、物体側(図中上側)では第1レンズ係止部13によって定まり、像側(図中下側)では第1載置面11により定まる。この際、第1レンズ第1下面L1Aよりも外側においては、第1レンズ第2下面L1Bと第1載置面11との隙間に、光軸A方向と垂直な方向で圧縮されて弾性変形したリング状のOリング30が配されることにより、鏡筒10内部における防水機能が得られる。なお、上記のような第1レンズ係止部13の形状は、第1レンズl1を鏡筒10に固定するために加工(熱カシメ)した後の形状であり、固定前における鏡筒10の上端部側の形状は、図2(a)に示されるように、上側から第1レンズL1を図1に示されるように鏡筒10内に挿入可能な形状とされる。
【0031】
また、第1レンズ外周面L1Cは、鏡筒10における第1収容部10Aの内周面と当接する。これによって、第1レンズL1と鏡筒10の光軸Aと垂直な方向(径方向)における位置関係が定まる。すなわち、上記の構成により、第1レンズL1は鏡筒10に対して固定される。
【0032】
第2レンズL2は、その物体側のレンズ面L2R1が凸曲面、その像側のレンズ面L2R2が凹曲面とされた負レンズである。第2レンズL2の物体側(図中上側)において、レンズ面L2R1の外側には、光軸Aと垂直でありレンズ面L2R1よりも像側(図中下側)に位置する平面である第2レンズ第1上面L2Aが設けられる。また、第2レンズL2の像側(図中下側)において、レンズ面L2R2よりも外側には、光軸Aと平行な面及び垂直な面で構成された段差部(係合構造)L2Bが設けられる。第2レンズL2の最外周を構成する面である第2レンズ外周面L2Cは、第2収容部10Bの内周面と当接する。第2レンズ外周面L2Cは、その光軸A周りの内径が像側に向かって徐々に小さくなるような略円錐面形状に形成されている。これにより、第2レンズL2と鏡筒10の光軸Aの径方向における位置関係は定まる。
【0033】
また、第1載置部11よりも内側(光軸Aに近い側)かつレンズ面L1R2及びレンズ面L2R1よりも外側の領域において、第2レンズ第1上面L2Aと第1レンズ第2下面L1Bの間には、弾性体で構成され、かつ光軸A方向で薄い弾性部材40が配されている。すなわち、第1レンズL1と第2レンズL2は光軸Aに沿った方向では直接接さず、これらの間には弾性部材40が設けられている。
【0034】
第3レンズL3は、その物体側のレンズ面L3R1が凹曲面、その像側のレンズ面L3R2が凸曲面とされた正レンズである。第3レンズL3の物体側(図中上側)において、レンズ面L3R1の外側には、第2レンズL2における段差部L2Bと係合するように形成された段差部(係合構造)L3Aが設けられる。また、第3レンズL3の像側(図中下側)において、レンズ面L3R2よりも外側には、光軸Aと平行な面及び垂直な面で構成された段差部(係合構造)L3Bが設けられる。また、第3レンズL3の最外周を構成する略円筒形状の面である第3レンズ外周面L3Cは、第2収容部10Bの内周面とは非接触とされる。
【0035】
第4レンズL4は、その物体側の面L4R1が凹曲面、その像側の面L4R2が凸曲面とされた正レンズである。第4レンズL4の物体側(図中上側)において、レンズ面L4R1の外側には、第3レンズL3における段差部L3Bと係合するように形成された段差部(係合構造)L4Aが設けられる。また、第4レンズL4の像側(図中下側)において、レンズ面L4R2よりも外側には、光軸Aと平行な面及び垂直な面で構成された段差部(係合構造)L4Bが設けられる。また、第4レンズL4の最外周を構成する略円筒形状の面である第4レンズ外周面L4Cは、第2収容部10Bの内周面とは非接触とされる。すなわち、第3レンズL3、第4レンズL4は鏡筒10とは非接触とされる。
【0036】
前記の通り、第5レンズL5はガラス製であり、その物体側の面L5R1が凸曲面、その像側の面L5R2が凸曲面とされた正レンズである。また、第5レンズL5は、光路となりレンズ面L5R1、L5R2によって光学的に機能する第5レンズ本体(レンズ本体)L5Aと、光軸の周りで第5レンズ本体L5Aの周囲を囲む環状の第5レンズフランジ部(フランジ部)L5Bとが一体化されて構成される。第5レンズフランジ部L5Bは光路とはならず光学的には機能せず、第5レンズL5の位置決めのために用いられる。第5レンズL5は、第5レンズ本体L5Aと第5レンズフランジ部L5Bとが一体化されてガラスモールドによって成形される。
【0037】
また、第5レンズ(ガラスレンズ)L5は、他のレンズとは異なり、樹脂材料製のレンズホルダ51に圧入固定されて一体化された第5レンズ体L50とされた状態で鏡筒10に収容される。すなわち、第5レンズL5は、第5レンズ体L50となった状態で、樹脂材料製である第3レンズL3、第4レンズL4と同様にレンズとして扱われる。
【0038】
第5レンズ体L50の物体側(図中上側)において、第5レンズL5の外側のレンズホルダ51には、第4レンズL4における段差部L4Bと係合するように形成された段差部(係合構造)L50Aが設けられる。一方、第5レンズ体L50の像側(図中下側)においても、第5レンズL5の外側のレンズホルダ51には、後述する第6レンズL6における段差部L6Bと係合するように形成された段差部(係合構造)L50Bが設けられる。また、第5レンズ体L50の最外周を構成する面である第5レンズ体外周面L50Cは、第2収容部10Bの内周面と当接する。第5レンズ体外周面L50Cは、その光軸A周りの内径が像側に向かって徐々に小さくなるような略円錐面形状に形成されている。これにより、第5レンズ体L50(第5レンズL5)と鏡筒10の光軸Aの径方向における位置関係は定まる。なお、第5レンズ体50の詳細な構造については後述する。
【0039】
第6レンズL6は、その物体側の面L6R1が凹曲面、その像側の面L6R2が凹曲面とされた負レンズである。第7レンズL7は、外径が第6レンズL6よりも小さく、その物体側の面L7R1が凸曲面、その像側の面L7R2が凸曲面とされた正レンズである。また、第6レンズL6、第7レンズL7は対向するレンズ面が嵌合して接合されることにより、最も像側にある接合レンズ(像側レンズ:隣接レンズ))L60を構成するように設定される。つまり、実質的に最も像側のレンズとなる像側レンズは、第6レンズL6の像側のレンズ面L6R2と第7レンズL7の物体側のレンズ面L7R1とが嵌合して接合された接合レンズL60となる。
【0040】
接合レンズL60(第6レンズL6)の物体側(図中上側)において、レンズ面L6R1の外側においては、第5レンズフランジ部L5Bと当接するように物体側に突出する第6レンズフランジ部(隣接レンズ側フランジ部)L6Aが設けられる。また、第5レンズ体L50(レンズホルダ51)の段差部L50Bと係合するように段差部(係合構造)L6Bが設けられる。
【0041】
また、接合レンズL60(第6レンズL6)の像側(図中下側)において、レンズ面L7R2よりも外側には、光軸Aと垂直な平面である接合レンズ下面L6Cが設けられる。接合レンズ下面L6Cは、第2載置部(載置面)12と当接する。接合レンズL60(第6レンズL6)の最外周を構成する面である第6レンズ外周面L6Dは第2収容部10Bの内周面と当接する。第6レンズ外周面L6Dは、その光軸A周りの内径が像側に向かって徐々に小さくなるような略円錐面形状に形成されている。このため、接合レンズL60の光軸Aに沿った方向における位置は、像側では鏡筒10(第2載置部12)によって制限される。なお、接合レンズL60の詳細な構成については後述する。
【0042】
レンズホルダ51の像側に形成された段差部L50Bと第6レンズL6の物体側に設けられた段差部L6Bが係合することによって、レンズホルダ51Aと接合レンズL60(第6レンズL6)との間の光軸Aに沿った方向、及び光軸Aの径方向における位置関係は定まる。前記の通り、接合レンズL60と鏡筒10の位置関係が定まるため、これによって、レンズホルダ51と鏡筒10との間の位置関係が定まる。
【0043】
また、前記の構成により、第4レンズL4の光軸Aに沿った方向における位置は、段差部L4Bと段差部L50Aが係合することによって、像側では第5レンズ体L50、接合レンズL60を介して鏡筒10によって制限される。一方、第4レンズL4の光軸Aの径方向における位置は、段差部L4Bと段差部L50Aが係合することによって、レンズホルダ51を介して第2収容部10Bの内周面により定まる。同様に、第3レンズL3の光軸Aに沿った方向における位置は、段差部L3Bと段差部L4Aが係合することによって、像側では第4レンズL4、レンズホルダ51、接合レンズL60を介して鏡筒10によって制限される。一方、第3レンズL3の光軸Aの径方向における位置は、段差部L3Bと段差部L4Aが係合することによって、第4レンズL4、レンズホルダ51を介して第2収容部10Bの内周面により定まる。
【0044】
また、前記の構成により、第2レンズL2の光軸Aに沿った方向における位置は、段差部L2Bと段差部L3Aが係合することによって、像側では第3レンズL3、第4レンズL4、レンズホルダ51、接合レンズL60を介して鏡筒10によって制限される。一方、第2レンズL2の光軸Aの径方向における位置は、前記の通り、第2収容部10Bの内周面により定まる。
【0045】
すなわち、上記の構成において、第2レンズL2〜接合レンズL60(第7レンズL7)のうち、第2レンズL2、第5レンズL5(第5レンズ体L50)、接合レンズL60は、その外周部が鏡筒10における第2収容部10Bの内周面と当接する接触レンズとなる。これらの接触レンズは、これにより、光軸Aの径方向における鏡筒10との間の位置関係が固定される。一方、第3レンズL3、第4レンズL4は、第2収容部10Bの内周面とは直接接触しない非接触レンズとなる。非接触レンズは、上記のような段差部(係合構造)を介してその物体側、像側の接触レンズと直接あるいは間接的に係合することによって接触レンズとの間の光軸Aの径方向における位置関係が固定されることによって、この方向での鏡筒10との間の位置関係が固定される。これにより、第2レンズL2〜接合レンズL60(第7レンズL7)の全ての、光軸Aの径方向における鏡筒10との間の位置関係が固定される。
【0046】
一方、第3レンズL3、第4レンズL4の外周面は第2収容部10Bの内周面とは非接触とされる。このため、第3レンズL3、第4レンズL4と鏡筒10の熱膨張差に起因して第3レンズL3、第4レンズL4(レンズ系)、鏡筒10に対して力が加わることが抑制される。このため、熱膨張差に起因するレンズの歪等が抑制され、温度変化が結像特性に与える悪影響が低減される。
【0047】
図3は、このレンズユニット1の分解斜視図であり、ここでは、図1で記載が省略された遮光板21も記載されている。ここでは、接合レンズL60、第5レンズ体L50、絞り20、第4レンズL4、第3レンズL3、遮光板21、第2レンズL2、弾性部材40、Oリング30、第1レンズL1が図中上側(物体側)から鏡筒10に対して順次装着される。図示されるように、弾性部材40、Oリング30は、環状とされる。
【0048】
鏡筒10の材料としては、対候性に優れた結晶性プラスチック(ポリエチレン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン)が好ましく用いられる。一方、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第6レンズL6、第7レンズL7は、レンズとしての性能(光透過性や成形性)に優れる非晶性プラスチック(ポリカーボネート等)で構成される。また、レンズホルダ51は第4レンズL4等と同じ非晶性プラスチックで構成されるため、第5レンズ体L50は、全体としては第4レンズL4等と同様のプラスチックレンズとして取り扱うことができる。前記の通り、第1レンズL1、第5レンズL5はガラス製とされる。
【0049】
このレンズユニット1においては、特に第5レンズL5及びその周囲の構造が、これらの位置関係を適正に維持することが容易となるような形状とされる。以下に、この点について説明する。なお、以上においては主に図1の組み立て後の構造に基づいた説明がされたのに対し、以下では主に組み立て前の各構成要素について説明される。この際、光軸A、物体側、像側等とは、各構成要素が図1の配置とされた場合におけるものを意味する。
【0050】
図4は、第5レンズL5の物体側からみた斜視図(a)、像側から見た斜視図(b)であり、図5は、レンズホルダ51の物体側からみた斜視図(a)、像側から見た斜視図(b)であり、図6は、第5レンズ体L50の物体側からみた斜視図(a)、像側から見た斜視図(b)である。また、図7は、接合レンズL60の物体側から見た斜視図(a)、像側から見た斜視図(b)である。
【0051】
前記の通り、第5レンズL5は、第5レンズ本体L5Aと環状の第5レンズフランジ部L5Bとが一体化されて構成される。図5に示されるように、レンズホルダ51には、これを光軸A方向で貫通するレンズ組み込み孔51Aが形成される。図1、図6に示されるように、第5レンズL5は、第5レンズフランジ部L5Bの外周面となる第5レンズ外周面L5B1が、レンズホルダ51におけるレンズ組み込み孔51Aの内周面であるレンズホルダ内周面51A1と当接した状態で固定される。ただし、第5レンズ外周面L5B1と当接するレンズホルダ内周面A1は、全周にわたり形成されている必要はなく、例えば3箇所以上でこれらが当接するように形成されていてもよい。また、第5レンズL5はレンズ組み込み孔51A内に軽圧入の状態で装着され、この圧入のみによっては第5レンズL5はレンズホルダ51に対しては固定されず、後述するように接着剤を用いてこれらの間は強固に固定され、第5レンズL5のレンズホルダ51に対する光軸Aの径方向における位置関係が固定される。前記の通り、レンズホルダ51の光軸Aの径方向における鏡筒10に対する位置関係は固定されるため、これによって、第5レンズL5の鏡筒10に対する位置関係は固定される。
【0052】
図5(a)に示されるように、レンズホルダ51における物体側のレンズ組み込み孔51Aの周囲において、周方向に6つ分断されて等間隔で形成された光軸Aと垂直な面である絞り載置面(物体側レンズホルダ面)51Bが設けられる。周方向で隣接する絞り載置面51Bの間は、像側に向けて掘下げられた接着剤用溝51Cとなっている。また、絞り載置面51Bのうち等間隔とされた3つには、凸部51Dが形成されている。後述するように、接着剤用溝51Cは第5レンズL5のレンズホルダ51への固定時に、凸部51Dは絞り20をレンズホルダ51(第5レンズ体L50)に固定するために用いられる。なお、図1においては、周方向において接着剤用溝51Cがある箇所の断面が示されている。
【0053】
また、図1に示されるように、第5レンズフランジ部L5Bの像側の面は、図7に示された接合レンズL60(第6レンズL6)における第6レンズフランジ部L6Aの物体側の面と当接する。これによって、第5レンズL5の接合レンズL60(第6レンズL6)に対する光軸Aに沿った方向における位置関係が固定される。また、前記の通り、接合レンズL60の鏡筒10に対する光軸Aに沿った方向における位置関係は固定されるため、これによって、第5レンズL5の鏡筒10に対する光軸Aに沿った方向における位置関係は固定される。
【0054】
この構造においては、第5レンズL5と接合レンズL60とが光軸Aに沿った方向で他の部材を介さずに直接当接することによって、第5レンズL5と接合レンズL60との間の位置関係(間隔)が精密に定まる。この際、接合レンズL60は鏡筒10と光軸Aに沿った方向で鏡筒10(第2載置部12)と他の部材を介さずに直接当接することによってその位置が定まるため、接合レンズL60と鏡筒10との間の光軸Aに沿った方向での位置関係も精密に定まる。このため、第5レンズL5、接合レンズL60、鏡筒10の間の光軸Aに沿った方向における位置関係(間隔)を特に精密に定めることができる。
【0055】
また、この構造においては、上記のように第5レンズL5、接合レンズL60、鏡筒10の間の光軸Aに沿った方向における位置関係を精密に定めた状態で、鏡筒10内において第5レンズL5をレンズホルダ51に対して接着剤等を用いて固定する必要がある。このための製造方法は、以下に説明するように容易に実行することができる。図8は、この製造方法を模式的に示す工程断面図である。この断面は、図1における断面に対応する。
【0056】
まず、図8(a)に示されるように、接合レンズL60の上にレンズホルダ51を配置し、これらの間の位置決めを、レンズホルダ51側の段差部L50Bと接合レンズL60側の段差部L6Bとを係合させることによって行う(レンズホルダ位置決め工程)。これによって、レンズホルダ51と接合レンズL60との間の位置関係が定まる。
【0057】
この状態で、図8(b)に示されるように、上側(物体側)から第5レンズL5をレンズ組み込み孔51A内に組み込む。この際、第5レンズフランジ部L5Bが接合レンズL60の第6レンズフランジ部L6Aと当接するまで第5レンズL5を上側から押し込むことができる(レンズ挿入工程)。これによって接合レンズL60と第5レンズL5の間の光軸Aに沿った方向での位置関係が定まる。また、第5レンズL5とレンズホルダ51との間の光軸Aの径方向での位置関係は、レンズ組み込み孔51Aにより定まる。ただし、この状態では第5レンズL5はレンズホルダ51に対して軽圧入された状態であるため、固定されていない。
【0058】
この状態で、図8(c)に示されるように、固化前の接着剤を接着剤用溝51C内に接着剤を適量だけ投入すれば、接着剤用溝51C内に接着剤層200を、内側の第5レンズフランジ部L5Bと接し、レンズ組み込み孔51Aの内周面と第5レンズフランジ部L5Bの外周面との間の空隙に充填させるように形成することができる。その後、この接着剤層200が固化することによって、第5レンズL5とレンズホルダ51が、レンズホルダ51と接合レンズL60の位置関係及び第5レンズL5と接合レンズL60の位置関係を適正に保った状態で固定される(接着工程)。その後、図8(d)に示されるように、絞り20がこの状態の第5レンズ体L50に固定される(絞り固定工程)。
【0059】
図9は、絞り固定工程を説明する斜視図であり、絞り20の装着前の状況(a)、装着後の状況(b)が示されている。薄い平板状の絞り20には、これを光軸A方向で貫通する位置決め孔20Aが、中央の開口20Bの外側で凸部51Dに対応するように3つ形成されている。このため、凸部51Dに位置決め孔20Aを係合させ、絞り20を絞り載置面51Bに載置した状態で固定することができる。この際、例えば絞り20の載置後に位置決め孔20Aから物体側に突出した凸部51Dを溶融し周囲と融着することによって、レンズホルダ51(第5レンズ体L50)に絞り20を固定することができる。図1において、絞り20は光軸Aに対して垂直に設けられ、この角度が変動した場合には、撮像装置においてゴーストが発生することがある。これに対して、こうした構成によって、絞り20を第5レンズ体L50に対して適正な態様で固定し、絞り20の光軸Aに対する角度が変動することが抑制される。上記の例では凸部51Dが円形状とされたが、この形状が円形状ではない場合を含め、より一般的には、光軸Aの周りの周方向に沿った位置決め孔20Aの長さが、同方向に沿った凸部51Dの長さよりも長く設定されればよい。これによって、絞りをレンズホルダに装着する作業が容易となり、かつこれによる結像特性に対する悪影響は発生しない。
【0060】
次に、図8(e)に示されるように、このように絞り20が固定された後で、図8(d)の構造が、鏡筒10内に圧入されて固定される(レンズ組固定工程)。この際、前記のように、接合レンズ下面L6Cは、第2載置部(載置面)12と当接し、かつ第6レンズ外周面L6Dは第2収容部10Bの内周面と当接するため、接合レンズL60の鏡筒10に対する位置関係は定まる。また、レンズホルダ51は、第5レンズ体外周面L50Cが第2収容部10Bの内周面と当接することによって鏡筒10との間の光軸Aの径方向での位置関係が定まり、かつ段差部L50Bと段差部L6Bとが係合することによって光軸Aに沿った方向及び光軸Aの径方向における接合レンズL60との間の位置関係が定まる。このため、これによって、鏡筒10、接合レンズL60、第5レンズL5、レンズホルダ51、絞り20の間の位置関係が定まる。
【0061】
上記の製造方法によれば、特に、接合レンズL60及び第5レンズ体L50の圧入(図8(e))の際に、第5レンズ体L50(レンズホルダ51)と接合レンズL60との間の位置関係及び第5レンズL5と接合レンズL60との間の位置関係が狂う、あるいはレンズホルダ51が接合レンズL60から外れることが抑制され、これらの間の位置関係が適正に保たれた状態が保たれる。
【0062】
図1における第4レンズL4は、図8(e)の状態において、段差部L4Bと段差部L50Aとを係合させるように、第5レンズ体L50の上側に装着することによって、第5レンズ体L50との間の位置関係が固定される。その後、図3に示された第3レンズL3以上の部材も、互いの位置関係が固定された状態で順次装着することができる。最後に第1レンズL1が弾性部材40、Oリング30が配された後に鏡筒10に対して装着された後で、第1レンズ係止部13をカシメ加工により図1に示されたように形成すれば、全ての構成要素が鏡筒10に対して固定され、レンズユニット1が得られる。
【0063】
このレンズユニット1においては、特に、ガラスレンズである第5レンズL5と、これに隣接するレンズ、鏡筒との間の位置関係が、その製造時において高精度で維持される。このため、良好な結像特性を得ることができる。
【0064】
なお、上記の例では、第5レンズL5がガラスレンズとされ、このガラスレンズにおいて設けられた第5レンズフランジ部(フランジ部)L5Bと、その像側で隣接する接合レンズ(隣接レンズ)L60における第6レンズフランジ部(隣接レンズ側フランジ部)L6Aフランジ部とが当接することによって、第5レンズと接合レンズL60の光軸Aに沿った方向での位置関係が定められた。逆に、ガラスレンズと物体側において隣接するレンズ(上記の例では第4レンズL4)との間において、こうした構成を適用してもよい。こうした場合においても、ガラスレンズ、第4レンズ、鏡筒との間の光軸に沿った方向における位置関係(間隔)を特に精密に定めることができる。
【0065】
ただし、レンズ系を鏡筒側で支持する載置面(第2載置部12)が上記のように像側において物体側を向いて形成されている場合には、図8(e)に示されるように、図8(d)の構造全体を鏡筒10に対して圧入する際に、この構造全体に対して像側に力を加えた場合には、ガラスレンズ(第5レンズL5)は常に隣接レンズ側フランジ部(第6レンズフランジ部L6A)で係止される。このため、この作業の際にガラスレンズに大きな力が加わってもガラスレンズがレンズホルダから脱落することは抑制される。これに対して、ガラスレンズと物体側で隣接するレンズとガラスレンズとの間に上記の構造を適用した場合には、上記の場合とは逆にガラスレンズと隣接レンズ側フランジ部の間を離間させるような力が働く場合があるため、上記の場合と比べてガラスレンズの脱落は発生しやすくなる。このため、ガラスレンズと像側で隣接する隣接レンズとガラスレンズとの間で上記の構成を適用した上記の例が特に好ましい。ただし、ガラスレンズとレンズホルダの間の接着が強固である場合等、ガラスレンズの脱落のおそれがない場合には、ガラスレンズと物体側で隣接する隣接レンズとガラスレンズとの間で上記の構成を適用してもよい。
【0066】
また、上記の例では、絞り20が第5レンズ体L50(レンズホルダ51)に対して固定されるものとしたが、レンズユニットにおける絞りの固定方法は任意である。絞りがレンズホルダに固定されない場合においても、上記の製造方法を同様に適用することができる。
【0067】
また、上記の例では、第5レンズL5の像側(隣接レンズ側)のレンズ面L5R2が凸曲面、接合レンズL60の物体側(ガラスレンズ側)のレンズ面L6R1が凹曲面とされた。これらの形状に応じて、ガラスレンズ側におけるフランジ部、隣接レンズ側の隣接レンズ側フランジ部の形状は適宜設定され、これに応じてガラスレンズ、隣接レンズの全体の形状が設定される。また、ガラスレンズ、隣接レンズ、レンズホルダにおける上記のような互いの位置関係を定めるための構造や、光学的に機能する部分以外の構造については任意である。
【0068】
(本形態の主な特徴)
本実施形態の特徴を簡単に纏めると次の通りである。
(1)このレンズユニット1は、物体(Ob)側から像(Im)側にかけて光軸Aに沿って、最も物体側となる第1レンズL1と、第1レンズL1よりも像側に配された複数のレンズが積層されて鏡筒に対して固定され、複数のレンズのうちの一つは、光路が含まれるように構成されるレンズ本体L5Aと、レンズ本体L5Aの光軸Aからみた径方向外側において形成されたフランジ部L5Bとが、一体となって形成されたガラス製であるガラスレンズL5であり、ガラスレンズL5は、樹脂材料製であるレンズホルダ51によって径方向の外側を支持されて鏡筒10の内部に収容され、ガラスレンズL5と光軸Aに沿った方向で隣接するレンズである2つの隣接レンズ(第4レンズL4、接合レンズL60)は、レンズホルダ51と当接することによって光軸Aに沿った方向におけるガラスレンズL5との間の位置関係が定まり、かつ、2つの隣接レンズのうちの一方(接合レンズL60)は、フランジ部L5Bと当接することによってガラスレンズL5との間の光軸Aに沿った方向における位置関係が定められている。
【0069】
この構成においては、ガラスレンズL5はレンズホルダ51で支持された状態で鏡筒10内において固定され、ガラスレンズL5と光軸Aに沿った方向で物体側、像側で隣接する隣接する隣接レンズ(第4レンズL4、接合レンズL60)は、共にレンズホルダ51と当接する。ただし、隣接レンズのうちの一方(接合レンズL60)は、ガラスレンズL5におけるフランジ部L5Bと直接当接することによって、光軸Aに沿った方向におけるガラスレンズL5との間の位置関係が定まる。これによって、特にこの隣接レンズ(接合レンズL60)とガラスレンズL5との間の位置関係を特に精密に定めることができる。また、こうした形状のガラスレンズL5は、ガラスモールドによって容易に製造することができる。
【0070】
(2)前記一方の隣接レンズ(接合レンズL60)は、フランジ部L5Bと当接するように、ガラスレンズL5側のレンズ面よりも突出するようにレンズ面よりも径方向の外側において環状に形成された隣接レンズ側フランジ部L6Aを具備する。
【0071】
この場合、ガラスレンズL5と直接当接する側の隣接レンズL60において、レンズ面に影響を及ぼすことなく、ガラスレンズL5を係止するための隣接レンズ側フランジ部L6Aが形成される。隣接レンズL60が樹脂材料製である場合、こうした形状は成形によって容易に形成することができる。
【0072】
(3)レンズホルダ61、前記一方の隣接レンズL60のうちの一つは、鏡筒10に対して圧入固定され、レンズホルダ51、前記一方の隣接レンズL60のうちの他の一つは、前記一つとの間で、互いに形成された係合構造(L50B,L6B)同士を係合させることによって、径方向における相互の位置関係が定められている。
【0073】
この場合には、レンズホルダ51、ガラスレンズL5と直接接する隣接レンズのうちの一つは、鏡筒10の内面と当接する。一方、このうちの他の一つは、この一つと係合構造(L50B,L6B)を係合させることによって径方向における位置が定まる。これによって、ガラスレンズL5とこの隣接レンズL60との間の径方向における位置関係も精密に定めることができる。
【0074】
(4)一方の隣接レンズ(L60)はガラスレンズL5の像側に配され、かつ鏡筒10に対して圧入固定され、かつレンズホルダ51との間で、互いに形成された係合構造(L50B,L6B)同士を係合させることによって、レンズホルダ51に対する径方向における位置関係が定められている。
この場合には、ガラスレンズL5と直接当接する側の隣接レンズは、像側の隣接レンズ(接合レンズ)L60とされる。この場合、後述する製造方法を実行する際に、ガラスレンズL5とこの隣接レンズL60とを引き離す方向の力が加わることが抑制され、組立時におけるレンズホルダ51からのガラスレンズL5の脱落が特に抑制される。
【0075】
(5)レンズホルダ51には、光軸Aに沿った貫通孔でありガラスレンズL5が装着されるレンズ組み込み孔51Aと、物体側において形成された光軸Aと垂直な平面である物体側レンズホルダ面51Bと、物体側においてレンズ組み込み孔51Aと連結するようにレンズ組み込み孔51Aの周囲において物体側レンズホルダ面51Bから局所的に掘り下げられた複数の溝である接着剤用溝51Cと、が設けられ、接着剤用溝51Cに、ガラスレンズL5とレンズホルダ51とを固定する接着剤層200が形成されている。
この場合には、接着剤用溝51C中の接着剤を用いて、ガラスレンズL5とレンズホルダ51との間を強固に固定することができ、かつこの作業が容易となる。
【0076】
(6)2つの隣接レンズのうちの他方(第4レンズL4)とガラスレンズL5との間に絞り20を具備し、絞り20には、光軸Aの周りの周方向において複数の位置決め孔20Aが形成され、レンズホルダ51における物体側には、物体側レンズホルダ面51Bから物体側に突出する複数の凸部51Dが位置決め孔20Aに対応して形成され、絞り20は、凸部51Dを位置決め孔20Aに係合させ、かつ物体側レンズホルダ面51Bに係止された状態でレンズホルダ51に装着されている。
この場合には、レンズホルダ51に対して、更に絞り20も固定されるため、ガラスレンズ51と絞り20との間の位置関係も精密に定まる。また、絞り20を装着する作業も容易である。
【0077】
(7)このレンズユニット1の製造方法は、前記一方の隣接レンズL60に対して、レンズホルダ51を、互いに形成された係合構造(L50B,L6B)同士を係合させた状態で配置するレンズホルダ位置決め工程と、レンズホルダ位置決め工程後のレンズホルダ51におけるレンズ組み込み孔51AにガラスレンズL5を挿入するレンズ挿入工程と、レンズ挿入工程後における接着剤用溝51Cに固化前の接着剤を投入して固化させる接着工程と、接着工程後における隣接レンズL60、レンズホルダ51、及びガラスレンズL5が一体化された構造を、鏡筒10に対して圧入固定するレンズ組固定工程と、を具備する。
この場合には、ガラスレンズL5と直接当接する側の隣接レンズL60とレンズホルダ51との間の位置関係がレンズホルダ位置決め工程によって定まった後で、ガラスレンズL5とこの隣接レンズL60との間の位置関係がレンズ挿入工程において定まり、その後でガラスレンズL5とレンズホルダ51とが接着工程によって固定される。その後、隣接レンズL60、レンズホルダ51、ガラスレンズL5が一体とされて鏡筒10に圧入固定される際に、これらの間の位置関係が維持され、かつレンズホルダ51からレンズL5が脱落することが抑制される。
【0078】
(8)本発明に係るレンズユニット1の製造方法は、一方の前記隣接レンズL60に対して、レンズホルダ51を、互いに形成された係合構造(L50B,L6B)同士を係合させた状態で配置するレンズホルダ位置決め工程と、レンズホルダ位置決め工程後のレンズホルダ51におけるレンズ組み込み孔51AにガラスレンズL5を挿入するレンズ挿入工程と、レンズ挿入工程後における接着剤用溝51Cに固化前の接着剤を投入して固化させる接着工程と、接着工程後のレンズホルダ51における複数の凸部51Dの各々に複数の位置決め孔20Aの各々を係合させた状態で絞り20を物体側レンズホルダ面51Bに載置して固定する絞り固定工程と、絞り固定工程後における隣接レンズL60、レンズホルダ51、ガラスレンズL5、及び絞り20が一体化された構造を、鏡筒10に対して圧入固定するレンズ組固定工程と、を具備する。
この場合においても、前記の製造方法と同様に、隣接レンズL60、レンズホルダ51、ガラスレンズL5が一体とされて鏡筒10に圧入固定される際に、これらの間の位置関係が維持され、かつレンズホルダ51からレンズL5が脱落することが抑制される。この際、絞り20もこの中で固定され、ガラスレンズL5と絞り20との間の位置関係も精密に定まる。
【0079】
本発明を、実施形態及びその変形例をもとに説明したが、この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0080】
1 レンズユニット
10 鏡筒
10A 第1収容部
10B 第2収容部
11 第1載置部
12 第2載置部(載置面)
13 第1レンズ係止部
20 絞り
20A 位置決め孔
20B 開口
21 遮光板
30 Oリング
40 弾性部材
51 レンズホルダ
51A レンズ組み込み孔
51A1 レンズホルダ内周面
51B 絞り載置面(物体側レンズホルダ面)
51C 接着剤用溝
51D 凸部
100 撮像素子
A 光軸
Im 像(側)
L1 第1レンズ
L1A 第1レンズ第1下面
L1B 第1レンズ第2下面
L1C 第1レンズ外周面
L2 第2レンズ
L2A 第2レンズ第1上面
L2B、L3A、L3B、L4A、L4B、L50A、L50B、L6B 段差部(係合構造)
L2C 第2レンズ外周面
L3 第3レンズ
L3C 第3レンズ外周面
L4 第4レンズ
L4C 第4レンズ外周面
L5 第5レンズ(ガラスレンズ)
L5A 第5レンズ本体(レンズ本体)
L5B 第5レンズフランジ部(フランジ部)
L5B1 第5レンズ外周面
L6 第6レンズ
L6A 第6レンズフランジ部(隣接レンズ側フランジ部)
L6C 接合レンズ下面
L6D 第6レンズ外周面
L7 第7レンズ
L50 第5レンズ体
L50C 第5レンズ体外周面
L60 接合レンズ(像側レンズ)
Ob 物体(側)
R1 第1表面
R2 第2表面
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】