(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021005047
(43)【公開日】20210114
(54)【発明の名称】露光装置、露光方法、および物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20201211BHJP
【FI】
   !G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】2019120050
(22)【出願日】20190627
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】岡本 智洋
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノン株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】坂本 憲稔
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノン株式会社内
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AA05
2H197AA06
2H197AA09
2H197BA11
2H197CD02
2H197CD12
2H197CD13
2H197CD16
2H197CD17
2H197CD18
2H197CD41
2H197CD43
2H197CD48
2H197DA09
2H197DA10
2H197DB10
2H197DB11
2H197DB19
2H197DB21
2H197DB33
2H197DC02
2H197DC03
2H197DC13
2H197DC14
2H197DC16
2H197DC18
2H197EA03
2H197EA04
2H197EA26
2H197HA03
2H197HA04
2H197HA10
(57)【要約】
【課題】 投影光学系により投影される像の誤差をより低減できる露光装置を提供する。
【解決手段】 基板を露光する露光処理を行う露光装置であって、前記基板を保持して移動するステージと、前記基板に像を投影する投影光学系と、前記投影光学系により投影される像を計測する像計測部と、前記ステージを移動させる制御部と、を有し、前記制御部は、前記像計測部により計測された計測結果から取得した前記像の変化に関する情報に基づき、前記ステージを待機させる第1位置を決定する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を露光する露光処理を行う露光装置であって、
前記基板を保持して移動するステージと、
前記基板に像を投影する投影光学系と、
前記投影光学系により投影される像を計測する像計測部と、
前記ステージを移動させる制御部と、を有し、
前記制御部は、前記像計測部により計測された計測結果から取得した前記像の変化に関する情報に基づき、前記ステージを待機させる第1位置を決定する、
ことを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ステージを待機させた直後に計測された前記像の計測結果と、前記ステージを待機位置から移動させて前記露光処理を行った後に計測された前記像の計測結果とに基づき、前記第1位置を決定することを特徴とする、請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記像の計測結果は、前記像の倍率、シフト、回転のうち少なくとも1つを計測した計測結果を含むことを特徴とする、請求項2に記載の露光装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記像の変化に関する情報に基づき、前記ステージを待機位置から移動させて開始した前記露光処理を中断した時に前記ステージを待機させる第2位置を決定することを特徴とする、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の露光装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ステージを待機させた直後に計測された前記像の計測結果、前記処理を中断している状態で計測された前記像の計測結果、及び前記処理を完了した直後に計測された前記像の計測結果に基づき、前記第1位置及び前記第2位置を決定することを特徴とする、請求項4に記載の露光装置。
【請求項6】
基板を露光する露光処理を行う露光装置であって、
前記基板を保持して移動するステージと、
前記基板に像を投影する投影光学系と、
前記投影光学系の温度を計測する温度計測部と、を有し
前記ステージを移動させる制御部と、を有し、
前記制御部は、前記ステージを待機させた直後に計測された前記投影光学系の温度と前記ステージを待機位置から移動させて前記露光処理を行った後に計測された前記投影光学系の温度とに基づき、前記第1位置を決定することを特徴とする露光装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記温度計測部により計測された温度に基づき、前記処理を中断した時に前記ステージを待機させる第2位置を決定することを特徴とする、請求項6に記載の露光装置。
【請求項8】
前記投影光学系の温度を計測する温度計測部と、を有し
前記制御部は、前記温度計測部により計測された温度と前記像の計測結果との第1の関係に基づき求めた前記像に関する補正量を用いて前記像を補正させることを特徴とする、請求項1に記載の露光装置。
【請求項9】
前記制御部は、時間と前記温度計測部により計測された温度との第2の関係を取得して、前記第1の関係と前記第2の関係に基づき求めた補正量を用いて前記像を補正させることを特徴とする、請求項8に記載の露光装置。
【請求項10】
前記制御部は、複数の位置のそれぞれに前記ステージを待機させた後に前記露光処理を行うことにより、前記複数の位置に対応した前記像の変化に関する情報を取得することを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の露光装置。
【請求項11】
前記像の変化に関する情報は、前記像の倍率、シフト、回転のうち少なくとも1つの変化に関する情報を含むことを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の露光装置。
【請求項12】
基板を露光する露光処理を行う露光装置を制御する制御方法であって、
前記基板に像を投影する投影光学系により投影される像を計測する第1計測工程と、
前記第1計測工程の後に前記基板を保持して移動するステージを移動する移動工程と、
前記移動工程の後に前記投影光学系により投影される像を計測する第2計測工程と、
前記第1計測工程と前記第2計測工程により計測された計測結果から取得した前記像の変化に関する情報に基づき、前記ステージを待機させる第1位置を決定する工程と、を有することを特徴とする制御方法。
【請求項13】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の露光装置を用いて基板を露光する露光処理を行う工程と、
前記工程で露光された前記基板から物品を製造する工程と、
を有することを特徴とする物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置、露光方法、および物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス、MEMS、カラーフィルターまたはフラットパネルディスプレイなどの物品の製造において、基板上に形成されるパターンの微細化が進み、パターンの寸法精度の向上への要求が高まっている。
【0003】
したがって、原版(レチクル、マスク)に形成されたパターンの像を基板に投影する露光処理を行う露光装置において、基板に投影される像には高い精度が要求される。
【0004】
特許文献1は、基板に対して露光処理を行う露光装置内の温度の影響を考慮して、露光処理を行う間にステージが滞在する平均位置にステージを待機させる技術を開示している。特許文献1には、この技術により露光装置内の温度の変化を抑えることができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開9−148236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
露光装置には温度が制御された気体が供給されており気体の流れが形成されている。また、露光装置内には基板に光を投影するための投影光学系が配置されている。基板を保持するステージを、特許文献1のように平均位置に配置させることにより露光装置内の温度の変化を抑えても、気体の流れと投影光学系の位置関係によっては、投影光学系の温度に変化が生じる可能性がある。そして、投影光学系の温度変化により投影光学系に含まれる光学素子などの部材が変形すると、投影光学系により投影される像が変化する。
【0007】
そこで本発明は、投影光学系により投影される像の誤差をより低減できる露光装置、露光方法、および物品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の一側面としての露光装置は、基板を露光する露光処理を行う露光装置であって、前記基板を保持して移動するステージと、前記基板に像を投影する投影光学系と、前記投影光学系により投影される像を計測する像計測部と、前記ステージを移動させる制御部と、を有し、前記制御部は、前記像計測部により計測された計測結果から取得した前記像の変化に関する情報に基づき、前記ステージを待機させる第1位置を決定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、投影光学系により投影される像の誤差をより低減できる露光装置、露光方法、および物品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】露光装置の構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係るウエハ、及びウエハステージを示す図である。
【図3】ウエハステージの配置を示す図である。
【図4】ウエハステージの可動領域を示す図である。
【図5】投影光学系により投影される像の倍率の変化を示す図である。
【図6】像の変化に基づき待機位置を決定する方法を示すフローチャートである。
【図7】温度の変化に基づき待機位置を決定する方法を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態に係るウエハ、及びウエハステージを示す図である。
【図9】露光処理が中断される場合に待機位置を決定する方法を示すフローチャートである。
【図10】像の倍率と温度との関係を示す図を示す図である。
【図11】温度に基づき投影光学系を制御する方法を示すフローチャートである。
【図12】物品の全体的な製造プロセスを示すフローチャートである。
【図13】ウエハプロセスの詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して詳細に説明する。各図において、同一の部材については、同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の実施に有利な具体例を示すにすぎない。また、以下の実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の課題解決のために必須のものであるとは限らない。
【0012】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る露光装置について説明する。本実施形態では、露光装置として露光装置を用いた例について説明する。図1は、露光装置の構成を示す図である。また、以下では、後述の投影光学系6から照射される光の光軸に平行な方向をZ軸方向とし、Z軸方向に垂直な平面内で互いに直交する2方向をX軸方向およびY軸方向とする。また、X軸回りの回転、Y軸回りの回転、Z軸回りの回転をそれぞれθX、θY、θZとする。
【0013】
露光装置100は、レチクル1からの光でウエハ3(基板)を露光する露光処理(基板に対する処理)を行う。ここで、レチクル1は、所定のパターンが形成されたレチクル、またはマスクであり、後述の照明光学系5により照明された光を透過する。ウエハ3は、例えば、シリコンウエハ、ガラスプレート、フィルム状基板等である。また、ここでは、露光装置100としてレチクル1とウエハ3とを走査方向に互いに同期して移動させつつレチクル1に形成されたパタ−ンをウエハ3に露光する走査型露光装置(スキャニングステッパ−)を使用する場合を例にして説明する。なお、本実施形態はレチクル1を固定しレチクルパタ−ンをウエハ3に露光するタイプの露光装置(ステッパ−)にも適用することができる。
【0014】
露光装置100には、レチクル1を保持して移動するレチクルステージ2とウエハ3を保持して移動するウエハステージ4が搭載される。レチクルステージ2は、例えば、投影光学系6の光軸に垂直な平面内、すなわちXY平面内で移動可能及びθZ方向に回転可能である。レチクルステージ2はリニアモ−タ等の駆動装置(不図示)により駆動され、駆動装置はX、Y、θZの3軸方向に駆動可能であり、後述の制御部21により制御される。なお、駆動装置は、3軸方向に駆動可能としたが、1軸方向から6軸方向のいずれかで駆動可能としてもよい。レチクルステージ2上にはミラー7が設けられている。また、このミラー7に対向する位置にはこのミラー7の位置を計測するためのXY方向用のレーザ干渉計9が設けられている。レーザ干渉計9は、光源からの光を分離して、一方の光をミラー7に照射する。そして、レーザ干渉計9は、光源からの光から分離された他方の光とミラー7により反射された光との位相差を検出してミラー7までの距離を計測する。レーザ干渉計9を用いることにより、レチクルステージ2上のレチクル1のXY方向の位置、及びθZの回転角をリアルタイムで計測される。
【0015】
ウエハステージ4は、ウエハ3を不図示のウエハチャックを介して保持するθZチルトステージと、θZチルトステージを支持する不図示のXYステージと、XYステージを支持する不図示のベースとを備えている。ウエハステージ4はリニアモ−タ等の駆動装置(不図示)により駆動される。駆動装置はX、Y、Z、θX、θY、θZの6軸方向に駆動可能であり、後述の制御部21により制御される。なお、駆動装置は、6軸方向に駆動可能としたが、1軸方向から6軸方向のいずれかで駆動可能としてもよい。また、ウエハステージ4上にはミラー8が設けられている。また、このミラー8に対向する位置にはXY方向を計測するためのレーザ干渉計10とZ方向を計測するためのレーザ干渉計12が設けられている。レーザ干渉計10、及び12も、レーザ干渉計9と同様の方法によりミラー8までの距離を計測する。ウエハステージ4のXY方向の位置及びθZはレーザ干渉計10によりリアルタイムで計測され、計測結果は制御部21に出力される。また、ウエハステージ4のZ方向の位置、θX、θYについてはこのレーザ干渉計12によりリアルタイムで計測される。
【0016】
また、ウエハステージ4には、後述の基準マーク17を備えた基準プレート11が設置されている。基準プレート11の表面の高さは、ウエハステージ4に保持されたウエハ3の表面と同じ高さになるように定められる。ここで、ミラー8、レーザ干渉計10、及びレーザ干渉計12を合わせてウエハステージ4の位置を計測するための位置計測部22とする。また、位置計測部22は、ウエハステージ4に配置されたスケールを備え、スケールの位置を検出することによりウエハステージ4の位置を計測するエンコーダであってもよい。
【0017】
照明光学系5は、レチクルステージ2に保持されたレチクル1に光を照射して、レチクル1上の所定の照明領域を照明する。照明光学系5は、レチクル1上の所定の照明領域を均一な照度分布の光で照明する。照明光学系5から照射される光は、水銀ランプ、KrFエキシマレ−ザ、及びArFエキシマレ−ザのうち少なくとも1つの光源からの光を含む。また、波長が数nm〜百nmの極端紫外光(Extreme Ultra Violet:EUV光)を含んでもよい。
【0018】
投影光学系6は、レチクル1を透過した光をウエハステージ4に保持されたウエハ3に照射して、レチクル1に形成されたパターンの像を所定の投影倍率βでウエハ3に投影する。このように、ウエハ3は投影光学系6から照射される光により露光され、ウエハ3上にパターンが形成される。また、投影光学系6は複数の光学素子で構成されており、所定の投影倍率βは例えば1/4、または1/5である。また、投影光学系6は、投影光学系6により投影される像を補正するための不図示の補正部を有する。補正部は、例えば、投影光学系6の光学素子を、X、Y、Z、θX、θY、θZの6軸方向のうち少なくとも1方向に駆動することにより、投影光学系6により投影される像を補正することができる。
【0019】
第1マーク検出部13は、レチクルステージ2の近傍に配置され、レチクルステージ2上に配置されている基準マーク(不図示)と、投影光学系6を介してウエハステージ4上にある後述の基準マーク17とに光を照射する。そして、第1マーク検出部13は、例えばCMOSセンサなどの受光素子を備え、レチクルステージ2上の基準マークとウエハステージ4上の基準マーク17からの反射光を受光素子で受光して検出する。そして、この受光素子の信号に基づき、レチクルステージ2上の基準マークとウエハステージ4上の基準マーク17の位置及びフォ−カスを合わせることで、レチクルステージ2とウエハステージ4の相対的な位置関係を合わせることができる。また、第1マーク検出部13により検出される基準マークは反射型マークである例を説明したが、基準マークは透過型でもよい。基準マークが透過型の場合、基準マークの下部に受光素子を備える。また、第1マーク検出部13は、レチクル1上にあるレチクルマーク(不図示)とウエハ3上にある後述のウエハマーク19を検出することもできる。
【0020】
フォーカス計測部15は、ウエハステージ4によって保持されたウエハ3の高さ(Z軸方向の位置)を計測する。フォーカス計測部15は、フォーカスセンサ(不図示)を備える。フォーカスセンサは、投影光学系6の下面付近を挟むように設置され、片側からウエハ3に斜入射光を照射し、反対側で反射した光を検出する。次に、検出された光の光量から画像処理系(不図示)がZ軸方向の変位量に換算し、領域内の各点のZ軸方向の変位量から近似平面が算出される。そして、投影光学系6を通して投影されたレチクル1のパターンの像にウエハ3の表面を合わせるように、ウエハステージ4の駆動が制御される。
【0021】
第2マーク検出部16は、ウエハステージ4の上方に、投影光学系6の光軸から所定の距離だけ離れた位置に配置される。第2マーク検出部16は、検出光を上方からウエハ3上の後述のウエハマーク19又は基準プレート11にある後述の基準マーク18に照射する照射系と、基準マーク18やウエハマーク19からの反射光を受光する受光系を備えている。第2マーク検出部16は、ウエハマーク19又は基準マーク18からの反射光に基づき、基準マーク18又はウエハマーク19の位置を検出する。また、第2マーク検出部16により検出された基準マーク18の位置を用いて、ウエハステージ4のキャリブレーション処理が行われる。また、第2マーク検出部16により計測されたウエハマーク19の位置を用いて、ウエハステージ4のXY方向の位置などが制御される。
【0022】
温度計測部14は、投影光学系6の側面に配置され、投影光学系6の温度を計測する。また、温度計測部14は、投影光学系6の温度を計測することが可能な位置であれば、温度計測部14が配置される位置は投影光学系6の側面に限られない。例えば、温度計測部14は、投影光学系6の上面、投影光学系6の下面、又は投影光学系6の内部に配置されてもよい。また、例えば、温度計測部14は、投影光学系6の近傍に配置された部材に配置されてもよい。
【0023】
像計測部23は、投影光学系6により投影される像性能を計測する。像計測部23は、基準プレート11の下方に配置され、基準プレート11上の透過型の基準マークを透過する光を検出するセンサを備える。照明光学系5により照明された光は、レチクル1上にあるレチクルマーク、投影光学系6、及び基準プレート11上の透過型の基準マークを介して像計測部23に照射される。また、像計測部23は、ウエハステージ4の駆動により基準プレート11上の基準マークの位置を変えながら、照射される光を計測する。像計測部23の計測結果から、投影光学系6により投影される像の倍率、シフト、回転などの像性能を取得することができる。また、像計測部として第1マーク検出部13を用いることもできる。第1マーク検出部13は、レチクルステージ2上に配置されている基準マークと投影光学系6を介して基準プレート11上の反射型の基準マークとに光を照射して、反射される光を計測する。また、第1マーク検出部13は、ウエハステージ4の駆動により基準プレート11上の基準マークの位置を変えながら、反射される光を計測する。第1マーク検出部13の計測結果から、投影光学系6により投影される像の倍率、シフト、回転などの像性能を取得することができる。
【0024】
制御部21は、露光装置100の各部を統括的に制御する。制御部21は、例えば、制御プログラムに従って制御のための演算などを行うCPUなどのプロセッサを有する処理部、制御プログラムや固定的なデータを保持するROM、処理部のワークエリア及び一時的なデータを保持するRAMを含む。また、制御部21は、ROM、RAMよりも大容量のデータを保存することができる磁気記憶装置(HDD)を含む。また、制御部21は、CD、DVD、メモリカードといった外部メディアを装填してデータの読み込みや書き込みを行うドライブ装置を含む。本実施形態において、ROM、RAM、磁気記憶装置、ドライブ装置のうち少なくとも1つを記憶部として、記憶部に制御プログラム、固定的なデータ、処理部のワークエリア、及び一時的なデータを保持するものとする。
【0025】
制御部21は、例えば、第1マーク検出部13を制御してレチクルステージ2上の基準マークやレチクル1上のレチクルマークなどを検出することができる。また、制御部21は、例えば、第2マーク検出部16を制御してウエハステージ4上の基準マークやウエハ3上のウエハマークを検出することができる。
【0026】
ここで、ウエハマーク19と基準マーク17及び基準マーク18について説明する。図2は、ウエハ、及びウエハステージ4を示す図である。ウエハステージ4上には基準プレート11が配置されており、基準プレート11上に基準マーク17、及び基準マーク18が配置されている。図2の例では、3つの基準プレート11がウエハステージ4上においてウエハ3の周辺に配置されているが、配置される基準プレート11の数は3つに限られない。上述の通り、第1マーク検出部13によりレチクルステージ2上の基準マークと基準マーク17が検出され、第2マーク検出部16により基準マーク18が検出される。検出されたマークの位置の情報を用いて、制御部21は、例えば、レチクル1とウエハ3との位置合せを行うために、レチクルステージ2、及びウエハステージ4のXY方向の位置を制御する。
【0027】
また、ウエハ3上には露光される複数の露光領域20が配置されており、それぞれの露光領域20の近傍(図2の例では、各露光領域20に対して−Y方向の近傍)にウエハマーク19が配置されている。上述の通り、第2マーク検出部16によりウエハマーク19が検出され、例えば、それぞれの露光領域20と投影光学系6との位置合せを行うためにウエハステージ4の位置が制御される。
【0028】
次に、ウエハステージ4の配置について説明する。図3は、ウエハステージ4の配置を示す図である。図3は、ウエハステージ4が配置される6か所の位置を例示している。また、図3では、投影光学系6と第2マーク検出部16の位置も図示されている。露光装置100内の空間は、不図示の空調機構によって温度制御が行われている。空調機構は、温度が制御された気体を露光装置100内に供給することにより温度制御を行っている。
【0029】
図3のようにウエハステージ4の位置が変化した場合、空調機構により供給される気体の流れが変化して、露光装置100内の温度分布が変化する。また、気体の流れとウエハステージ4の位置関係が変化すると、投影光学系6の温度が変化して投影光学系6に含まれる光学素子等の部材が変形しうる。そして、投影光学系6に含まれる部材の変形は、投影光学系6により投影される像の変化の原因となりうる。よって、露光装置100で露光処理が行われている状態と、露光装置100で露光処理が行われずウエハステージ4が待機している状態とで、投影光学系6に含まれる部材の変形が抑制されることが望ましい。
【0030】
そこで、本実施形態では、ウエハステージ4を複数の待機位置に待機させた後に、ウエハステージ4を移動させてウエハ3の露光を行う。そして、複数の待機位置について投影光学系6の変形が抑制されるウエハステージ4の待機位置を求める。
【0031】
図4は、ウエハステージ4の可動領域を示す図である。図4において、POSITION1〜16は、ウエハステージ4が待機位置にあるときのウエハステージ4の中心の位置を示している。ここでは、ウエハステージ4の中心の位置を待機位置として説明する。図4の例では、複数の待機位置として16点の位置が示されているが、待機位置の数、位置は図4の例に限られない。
【0032】
図5は、投影光学系により投影される像の倍率の変化を示す図である。グラフAとグラフBは、互いに異なる待機位置に待機させた後に投影光学系6により投影される像の倍率の変化量を示している。図5において、横軸は時間、縦軸は像の変化量を表している。横軸は、ウエハステージ4を待機位置に所定時間、待機させた直後の初期時間を原点として、その後にウエハステージ4が待機位置から移動した後の時間の経過を表している。また、縦軸は初期時間における像の倍率を原点として、その後にウエハステージ4が待機位置から移動してからの像の倍率の変化を表している。また、グラフA、Bは、2つの待機位置に対応する投影倍率の変化を表している。図5の例では、グラフA、B共に、時間の経過とともに投影倍率が大きくなっている。また、グラフAに示す像の倍率の変化量は、グラフBに示す像の倍率の変化量よりも大きいことを示している。このことから、グラフBに対応する待機位置のほうが、グラフAに対応する待機位置よりも望ましいことがわかる。また、このような違いが発生する要因の1つとして、投影光学系6が温度の変化により変形して、投影光学系6により投影される像が変化することが考えられる。また、ここでは像の倍率を例に説明したが、像のシフト、回転なども同様に変化する。
【0033】
次に、投影光学系6により投影される像の変化に基づき待機位置を決定する方法について説明する。図6は、像の変化に基づき待機位置を決定する方法を示すフローチャートである。S110において、制御部21は、ウエハステージ4を所定の時間だけ待機位置に待機させる。ここで、所定の時間は、露光装置100内の温度を制御するための気体の流れが安定して、投影光学系6の温度が安定するために十分な時間とする。
【0034】
S112において、制御部21は、S110でウエハステージ4を所定の時間だけ待機位置に待機させた直後に、像計測部23により投影光学系6により投影された像を計測して、像の情報として像の倍率を取得する。ここで、S112及び後述のS116において、像の情報として像の倍率を取得する例を説明するが、像の倍率に限定されず、像の情報として、像の倍率、シフト、回転のうち少なくとも1つを取得してもよい。
【0035】
S114において、制御部21は、ウエハ3を露光するための位置にウエハステージ4を移動させ、ウエハ3の露光処理を行う。ここで、S114において行われる処理は、ウエハステージ4が待機位置から移動することを伴う処理であればよく、露光処理だけに限定されるものではない。例えば、ウエハステージ4のキャリブレーション処理やウエハ3上のウエハマーク19の計測処理などを行ってもよい。
【0036】
S116において、制御部21は、S114でウエハ3の露光処理を完了した直後に、像計測部23により投影光学系6により投影された像を計測して、像の倍率を取得する。そして、制御部21は、S112で取得した像の倍率とS116で取得した像の倍率とに基づいて、像の変化に関する情報を取得する。ここで、像の変化に関する情報は、例えば、S112で取得した像の倍率とS116で取得した像の倍率との差または比率を取得する。ここで、S116における像の倍率の取得は、1枚のウエハ3を露光した後に行ってもよいし、複数のウエハ3を露光した後に行ってもよい。また、1枚又は複数のウエハ3を露光する毎に複数回、像の倍率の取得を行ってもよい。また、複数回、像の倍率の取得を行った場合、像の変化に関する情報は、複数の像の倍率の差または比率の平均値、中央値、ばらつきなどの統計値とすることができる。
【0037】
S118において、制御部21は、全ての待機位置に関して像の変化に関する情報を取得したか判断する。全ての待機位置に関して像の変化に関する情報を取得したと判断された場合には、S120に進む。全ての待機位置に関して像の変化に関する情報を取得したと判断されない場合には、S110に戻り、次の待機位置について処理を行う。
【0038】
S120において、制御部21は、複数の待機位置に対応した像の変化に関する情報に基づいて、像の変化が小さくなる待機位置をウエハステージ4の待機位置として決定する。ここで、制御部21は、像の変化が最も小さくなる待機位置を決定してもよいし、スループットの向上や他のユニットの温度変化などを考慮して、像の変化ができるだけ小さくなる待機位置を決定してもよい。
【0039】
また、S114、及びS116において、重ね合わせ検査装置によりウエハ3を検査した結果から、露光領域20の倍率、シフト、回転のうち少なくとも1つを取得してもよい。ここで、重ね合わせ検査装置とは、パターンが形成された基板上の露光領域において、形成されたパターンの位置ずれを検査する装置である。
【0040】
また、像の変化は投影光学系6の温度の変化に相関があるため、像の変化に関する情報として温度計測部14により計測された投影光学系6の温度の変化を用いてもよい。図7は、温度の変化に基づき待機位置を決定する方法を示すフローチャートである。S210において、制御部21は、ウエハステージ4を所定の時間だけ待機位置に待機させる。
【0041】
S212において、制御部21は、S210でウエハステージ4を所定の時間だけ待機位置に待機させた直後に、温度計測部14により計測された投影光学系6の温度を取得する。
【0042】
S214において、制御部21は、ウエハ3を露光するための位置にウエハステージ4を移動させ、ウエハ3の露光処理を行う。
【0043】
S216において、制御部21は、S214でウエハ3の露光処理を完了した直後に、温度計測部14により計測された投影光学系6の温度を取得する。そして、制御部21は、S212で取得した露光前の温度とS216で取得した露光後の温度に基づいて、温度の変化に関する情報を取得する。ここで、温度の変化に関する情報は、例えば、露光前の温度と露光後の温度との差または比率とすることができる。また、複数の温度計測部14により複数の位置において温度を計測した場合には、温度の変化に関する情報は、例えば、複数の温度の差または比率の平均値、中央値、ばらつきなどの統計値とすることができる。
【0044】
S218において、制御部21は、全ての待機位置に関して温度の変化に関する情報を取得したか判断する。全ての待機位置に関して温度の変化に関する情報を取得したと判断された場合には、S220に進む。全ての待機位置に関して温度の変化に関する情報を取得したと判断されない場合には、S210に戻り、次の待機位置について処理を行う。そして、S220において、制御部21は、温度の変化に関する情報に基づいて、温度の変化が小さくなる待機位置をウエハステージ4の待機位置として決定する。ここで、制御部21は、温度の変化が最も小さくなる待機位置を決定してもよいし、スループットの向上や他のユニットの温度変化などを考慮して、温度の変化ができるだけ小さくなる待機位置を決定してもよい。
【0045】
また、ウエハ3を露光する場合に、制御部21は、投影光学系6の温度の変化が小さくなるような順番で露光領域20の露光を行うように制御してもよい。図2における露光領域20の露光を行う場合、制御部21は、例えば、露光領域20のNo.1からNo.37の順番で露光を行うように制御する。しかし、このような順番で露光が行われると投影光学系6の温度の変化が大きくなることがある。そこで、投影光学系6の温度の変化を小さくするために、制御部21は、露光領域20のNo.1、No.37、No.2、No.36...No.18、No.20、No.19といった順番で露光を行うよう制御してもよい。また、ウエハ3を露光している間に温度計測部14により計測された投影光学系6の温度の変化が予め定めた許容範囲を超えた場合に、制御部21は投影光学系6の温度の変化を小さくするように露光順番を変更してもよい。
【0046】
また、本実施形態では、ウエハステージ4の待機位置を決定する方法を説明したが、同様の方法でレチクルステージ2の待機位置を決定することができる。
【0047】
また、本実施形態では、1つのウエハステージ4を備えた露光装置について説明したが、2以上のウエハステージ4を備えた露光装置にも適用することができる。
【0048】
以上、本実施形態の露光装置によれば、投影光学系により投影される像の変化が小さくなるステージの待機位置を決定することができるので、投影光学系により投影される像の誤差をより低減することができる。
【0049】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る露光装置について説明する。なお、ここで言及しない事項は、第1実施形態に従いうる。
【0050】
露光装置における露光処理では、1枚のウエハ3を露光する間に露光処理が中断される場合がある。例えば、1枚のウエハ3を露光するために複数のレチクル1が必要になることがあり、1枚のウエハ3を露光する間にレチクルの交換を行うことがある。図8は、本実施形態に係るウエハ3、及びウエハステージ4を示す図である。図8に示すウエハ3には、形成するパターン、大きさなどがそれぞれ異なる第1露光領域20Aと第2露光領域20Bが存在している。このように異なる露光領域を露光する場合には、異なるレチクル1が必要になる。そのため、例えば、まず第1露光領域20Aを露光するための第1レチクル1Aをレチクルステージ2に配置した後に第1露光領域20Aを露光する。そして、不図示のレチクル搬送部により、レチクルステージ2に配置された第1レチクル1Aと第2露光領域20Bを露光するための第2レチクル1Bとの交換を行う。そして、第2レチクル1Bをレチクルステージ2に配置した後に第2露光領域20Bを露光する。第1レチクル1Aと第2レチクル1Bの交換を行っている間は、ウエハ3に対して露光は中断されるため、ウエハステージ4を待機位置に待機させる。このとき、像の変化が小さくなる待機位置にウエハステージ4を待機させることが望ましい。
【0051】
そこで、本実施形態では、ウエハの露光処理が中断されている間にウエハステージ4が待機する待機位置を決定する実施形態について説明する。
【0052】
次に、露光処理が中断される場合に待機位置を決定する方法について説明する。図9は、露光処理が中断される場合に待機位置を決定する方法を示すフローチャートである。S310において、制御部21は、ウエハステージ4を所定の時間だけ待機位置に待機させる。
【0053】
S312において、制御部21は、S310でウエハステージ4を所定の時間だけ待機位置に待機させた直後に、像計測部23により投影光学系6により投影された像を計測して、像の倍率を取得する。像の変化に関する情報は、第1実施形態と同様の方法で取得される。
【0054】
S314において、制御部21は、ウエハ3上の第1露光領域20Aを露光するための位置にウエハステージ4を移動させ、ウエハ3上の第1露光領域の露光を開始する。そして、制御部21は、ウエハ3上のすべての第1露光領域20Aの露光が完了した後にS316に進む。
【0055】
S316において、制御部21は、不図示のレチクル搬送部により第1レチクル1Aと第2レチクル1Bの交換を行っている間に、ウエハステージ4を待機位置に待機させる。ここで、S310における待機位置とS316における待機位置は同じ位置でもよいし、異なる位置でもよい。
【0056】
S318において、制御部21は、第1レチクル1Aと第2レチクル1Bの交換により露光処理が中断されている状態で像計測部23により投影光学系6により投影された像を計測して、像の倍率を取得する。
【0057】
S320において、制御部21は、ウエハ3上の第2露光領域20Bを露光するための位置にウエハステージ4を移動させ、ウエハ3上の第2露光領域20Bの露光を開始する。を行う。そして、制御部21は、ウエハ3上のすべての第2露光領域20Bの露光が完了した後にS322に進む。
【0058】
S322において、ウエハ3上の第2露光領域の露光処理を完了した直後に像計測部23により投影光学系6により投影された像を計測して、像の倍率を取得する。そして、制御部21は、像の変化に関する情報を取得する。ここで、像の変化に関する情報は、例えば、露光前に取得した像の倍率、第1露光領域を露光した後に露光が中断している間に取得した像の倍率、及び第2露光領域を露光した後に取得した像の倍率に基づき取得できる。例えば、露光前に取得した像の倍率を基準として、露光が中断している間に取得した像の倍率、露光後に取得した像の倍率のそれぞれの差または比率の平均値、中央値、ばらつきなどの統計値とすることができる。
【0059】
S324において、制御部21は、全ての待機位置に関して像の変化に関する情報を取得したか判断する。全ての待機位置に関して像の変化に関する情報を取得したと判断された場合には、S326に進む。全ての待機位置に関して像の変化に関する情報を取得したと判断されない場合には、S310に戻り、次の待機位置について処理を行う。ここで、S310における待機位置とS316における待機位置を異なる位置とした場合は、全ての待機位置の組み合わせについて像の変化に関する情報を取得した場合にS326に進む。
【0060】
S326において、制御部21は、複数の像の変化に関する情報に基づいて、像の倍率の変化が小さくなる待機位置をウエハステージ4の待機位置として決定する。
【0061】
また、本実施例では、像の倍率を取得することによりウエハステージ4の待機位置を決定する方法について説明したが、温度計測部14により計測された温度の変化に基づき待機位置を決定してもよい。
【0062】
また、本実施例では、レチクル交換により露光処理が中断される場合について説明したが、露光処理が中断される原因はレチクル交換に限られない。例えば、露光処理中に何らかのエラーが発生することにより露光処理が中断されてもよい。
【0063】
以上、本実施形態のステージ装置によれば、露光処理が中断する場合に検出される投影光学系6により投影される像の変化が小さくなるステージの待機位置を決定することができるので、像の誤差をより低減することができることができる。
【0064】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係るステージ装置について説明する。なお、ここで言及しない事項は、第1実施形態、第2実施形態に従いうる。
【0065】
第1実施形態、第2実施形態では像の変化が小さくなるようにウエハステージ4の待機位置を決定したが、像に基づき決定された待機位置は、スループットの向上や他のユニットの温度変化の観点では、最適な位置であるとは限らない。そこで、本実施形態では、像の変化が小さくなる待機位置に限らず、任意の待機位置における温度を基準とする温度変化から像の変化を求め、投影光学系6により投影される像を補正するように、投影光学系6を制御する。
【0066】
図10は、像の倍率と温度との関係を示す図である。図10は、横軸を温度計測部14により計測された温度、縦軸を投影光学系6により投影される像の倍率として、実線のグラフで像の倍率と温度との関係を表している。図10に表された通り、像の倍率の変化は温度と相関があるため、温度計測部14により計測された温度を取得することにより、投影光学系6により投影される像を補正することができる。
【0067】
図11は、温度に基づきウエハステージを制御する方法を示すフローチャートである。S410において、制御部21は、温度計測部14により計測された温度を取得する。S412において、制御部21は、記憶部に記憶された、像の倍率と温度との関係(第1の関係)に基づき、像の補正量を取得する。S414において、制御部21は、S412で取得された補正量を用いて、投影光学系6の補正部により像の倍率を補正するように投影光学系を制御する。
【0068】
また、像の倍率により像を補正する例を説明したが、像の倍率に限定されず、像の倍率、シフト、回転のうち少なくとも1つを補正してもよい。
【0069】
また、第1実施形態と同様に、ウエハ3を露光する場合に、制御部21は、投影光学系6の温度の変化が小さくなるような順番で露光領域20の露光を行うように制御してもよい。
【0070】
また、制御部21は、予め露光処理中の時間の経過に対する温度変化を温度計測部14により計測しておき、時間と温度の関係(第2の関係)を記憶部に記憶しておく。そして、次に露光処理を行うときには、像の倍率と温度との関係と、記憶部に記憶された時間と温度の関係とに基づき補正量を算出して、算出された補正量に基づき像の倍率を補正してもよい。
【0071】
以上、本実施形態のステージ装置によれば、投影光学系により投影される像の変化を補正することができるので、像の誤差をより低減することができる。
【0072】
<物品の製造方法>
次に露光装置を利用した物品の製造方法を説明する。図12は、物品としてデバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の全体的な製造プロセスを示すフローチャートである。ステップ1(回路設計)ではデバイスの回路設計を行う。ステップ2(レチクル作製)では設計した回路パターンに基づいてレチクル(原版またはマスクともいう)を作製する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハ(基板ともいう)を製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記のレチクルとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経てデバイスが完成し、これを出荷(ステップ7)する。
【0073】
図13は、ウエハプロセスの詳細を示すフローチャートである。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を成膜する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記の露光装置を用いて、回路パターンが形成されたマスクを介し感光剤が塗布されたウエハを露光してレジストに潜像パターンを形成する。ステップ17(現像)ではウエハに転写されたレジストを現像してレジストパターンを形成する。ステップ18(エッチング)ではレジストパターンが開口した部分を通してレジストパターンの下にある層又は基板をエッチングする。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。本実施形態における物品の製造方法によれば、従来に比べて、物品の性能、品質、生産性および生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
【0074】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【0075】
また、第1実施形態乃至第3実施形態は、単独で実施するだけでなく、第1実施形態乃至第3実施形態のいずれかの組合せで実施することができる。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】