(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021005223
(43)【公開日】20210114
(54)【発明の名称】画像形成装置および書き込み位置決定方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/06 20060101AFI20201211BHJP
   G06F 13/10 20060101ALI20201211BHJP
   G06F 13/14 20060101ALI20201211BHJP
【FI】
   !G06F3/06 301J
   !G06F13/10 340A
   !G06F13/14 330A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】2019118683
(22)【出願日】20190626
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番2号
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】手嶋 克智
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番2号 コニカミノルタ株式会社内
(57)【要約】
【課題】1回のアクセスで複数の記憶領域にアクセスする制御を行う場合におけるアクセス性能の低下を抑制することが可能な画像形成装置および書き込み位置決定方法を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、複数の記憶領域が割り当てられた不揮発性記憶部と、不揮発性記憶部に対する1回のアクセスで、複数の記憶領域にアクセスする制御を行う制御部とを備える。制御部は、記憶領域のアクセス位置に応じたアクセス性能を示すアクセス性能情報を参照し、複数の記憶領域のアクセスに要求される所定のアクセス性能を満たすように、記憶領域に対するデータの書き込み位置を決定する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記憶領域が割り当てられた不揮発性記憶部と、
前記不揮発性記憶部に対する1回のアクセスで、前記複数の記憶領域にアクセスする制御を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記記憶領域のアクセス位置に応じたアクセス性能を示すアクセス性能情報を参照し、前記複数の記憶領域のアクセスに要求される所定のアクセス性能を満たすように、前記記憶領域に対するデータの書き込み位置を決定する、
画像形成装置。
【請求項2】
前記不揮発性記憶部は、第1の画像データを記憶する第1の記憶領域と、前記第1の記憶領域よりもデータのアクセスが高速であり、第2の画像データを記憶する第2の記憶領域とが割り当てられ、
前記制御部は、前記第2の記憶領域のアクセス位置に応じたアクセス性能を示す前記アクセス性能情報を参照し、前記第1および第2の記憶領域のアクセスに要求される所定のアクセス性能を満たすように、前記第2の記憶領域に対する前記第2の画像データの書き込み位置を決定する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の記憶領域は、前記不揮発性記憶部の内周側に割り当てられ、小容量の前記第1の画像データを記憶し、
前記第2の記憶領域は、前記不揮発性記憶部の外周側に割り当てられ、大容量の前記第2の画像データを記憶する、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記不揮発性記憶部に対する1回のアクセスで、前記第1の記憶領域に複数の前記第1の画像データを書き込み、その後、前記第2の記憶領域に複数の前記第2の画像データを書き込む制御を行う、
請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1および第2の記憶領域のアクセス性能が良い条件の場合、前記第1および第2の記憶領域のアクセス性能が悪い条件の場合において前記所定のアクセス性能を満たさない前記第2の記憶領域の位置を、前記第2のデータの書き込み位置として決定する、
請求項2〜4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2の記憶領域のうち前記所定のアクセス性能を満たさない領域を前記第1の記憶領域として割り当てる、
請求項2〜5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
複数の記憶領域が割り当てられた不揮発性記憶部に対する1回のアクセスで、前記複数の記憶領域にアクセスする制御を行い、
前記記憶領域のアクセス位置に応じたアクセス性能を示すアクセス性能情報を参照し、前記複数の記憶領域のアクセスに要求される所定のアクセス性能を満たすように、前記記憶領域に対するデータの書き込み位置を決定する、
書き込み位置決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および書き込み位置決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル複写機やプリンタ等の画像形成装置において、大容量の画像データを記憶するための不揮発性記憶手段としてハードディスク(HDD;Hard Disk Drive)が搭載されている。また、画像形成装置では、ハードディスクに対してパーティションの設定、具体的には、RAW領域およびファイルシステム(FS)領域の設定が行われている。
【0003】
このような画像形成装置において、ハードディスクは、原稿の画像データを後から検索して再利用可能に保存する目的として利用される場合と、揮発性メモリの容量不足を補い、原稿の画像データをページごとに所定のタイミングで出力するために一時的に記憶する目的として利用される場合がある。
【0004】
前者の目的で利用される場合、サムネイル形式の画像データがファイルシステム領域に書き込まれ、ユーザーが後に再利用したい画像データ及びその名称を指定して保存することにより、当該画像データを後から検索して読み出して利用することを可能としている。
【0005】
後者の目的で利用される場合、画像形成用に変換した後の画像データ、すなわちラスター画像処理(RIP処理)によりビットマップ形式に変換された画像データは高速アクセス可能なRAW領域に書き込まれ保存される。ビットマップ形式の画像データをRAW領域に保存することで、ページ毎の画像データを、露光や給紙などの画像形成タイミングに正確に合わせて遅れることなく画像形成部に供給することができる。
【0006】
ここで、CPU(Central Processing Unit)は、ハードディスクに接続されるSATA(Serial AT Attachment)インターフェースを制御して、RAW領域およびファイルシステム領域にアクセスする。具体的には、CPUは、SATAインターフェースを介して、RAW領域およびファイルシステム領域に画像データを書き込む制御や、RAW領域およびファイルシステム領域に記憶された画像データを読み出す制御を行う。
【0007】
なお、画像形成装置のハードディスクに格納された(画像)データに対するアクセスを効率よく行って、装置全体の生産性を高める技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−20540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ハードディスクに対する1回のアクセスで、RAW領域およびファイルシステム領域にアクセスする制御を行う場合、プロトコル変換処理を行うSATAインターフェースにおけるデータ転送速度がボトルネックになり、RAW領域およびファイルシステム領域に対する全体のアクセス性能が低下するという問題があった。
【0010】
なお、特許文献1に記載の技術は、ハードディスクに対する1回のアクセスで、複数の記憶領域にアクセスする制御を行う場合におけるアクセス性能の低下を抑制することを目的としたものではなく、したがってそのための構成を有していない。
【0011】
本発明は、1回のアクセスで複数の記憶領域にアクセスする制御を行う場合におけるアクセス性能の低下を抑制することが可能な画像形成装置および書き込み位置決定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、
複数の記憶領域が割り当てられた不揮発性記憶部と、
前記不揮発性記憶部に対する1回のアクセスで、前記複数の記憶領域にアクセスする制御を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記記憶領域のアクセス位置に応じたアクセス性能を示すアクセス性能情報を参照し、前記複数の記憶領域のアクセスに要求される所定のアクセス性能を満たすように、前記記憶領域に対するデータの書き込み位置を決定する。
【0013】
本発明に係る書き込み位置決定方法は、
複数の記憶領域が割り当てられた不揮発性記憶部に対する1回のアクセスで、前記複数の記憶領域にアクセスする制御を行い、
前記記憶領域のアクセス位置に応じたアクセス性能を示すアクセス性能情報を参照し、前記複数の記憶領域のアクセスに要求される所定のアクセス性能を満たすように、前記記憶領域に対するデータの書き込み位置を決定する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、1回のアクセスで複数の記憶領域にアクセスする制御を行う場合におけるアクセス性能の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施の形態における画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。
【図2】本実施の形態における画像形成装置の制御系の主要部を示す図である。
【図3】アクセス位置がディスク外周から内周になるにつれてパフォーマンスが低下する様子を示す図である。
【図4】RAW領域およびファイルシステム領域の設定が行われた記憶部にアクセスする制御を行う場合のアクセス性能を示す図である。
【図5】1回のアクセスで、RAW領域およびファイルシステム領域にアクセスする制御を行う場合のアクセス性能を示す図である。
【図6】1回のアクセスで、RAW領域およびファイルシステム領域にアクセスする制御を行う場合のアクセス性能を示す図である。
【図7】1回のアクセスで、RAW領域およびファイルシステム領域にアクセスする制御を行う場合のアクセス性能を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態における画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。図2は、本実施の形態における画像形成装置1の制御系の主要部を示す図である。
【0018】
図1、2に示すように、画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体上に形成されたC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)およびK(ブラック)の各色トナー像を中間転写体に一次転写し、中間転写体上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙に二次転写することにより、画像を形成する。
【0019】
また、画像形成装置1には、CMYKの4色に対応する感光体を中間転写体の走行方向に直列配置し、中間転写体に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
【0020】
図1、2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60および制御部100を備えている。
【0021】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102およびRAM(Random Access Memory)103等を備えている。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103(揮発性メモリ)に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されているLUT(Look Up Table)等の各種データが参照される。
【0022】
記憶部72は、本発明の「不揮発性記憶部」として機能し、ハードディスク(HDD;Hard Disk Drive)で構成される。記憶部72は、メディア(ディスク)を線速度一定で回転させてアクセスを行うために、図3の実線に示すように、アクセス位置がディスク外周側から内周側になるにつれてアクセス性能(パフォーマンス、MB/s:メガバイト秒)が低下する特性を有する。すなわち、記憶部72の最外周側にアクセスする場合のアクセス性能が最も高くなる。
【0023】
本実施の形態では、記憶部72に対してパーティションの設定、具体的には、RAW領域およびファイルシステム(FS)領域の設定が行われている。ファイルシステム領域(本発明の「第1の記憶領域」に対応)は、記憶部72の内周側に割り当てられ、小容量の画像データ(本発明の「第1の画像データ」に対応)を記憶する。RAW領域(本発明の「第2の記憶領域」に対応)は、記憶部72の外周側に割り当てられ、大容量の画像データ(RAWデータとも言う。本発明の「第2の画像データ」に対応)を記憶する。
【0024】
より具体的に説明すると、記憶部72は、原稿の画像データを後から検索して再利用可能に保存する目的として利用される場合と、揮発性メモリ(RAM103)の容量不足を補い、原稿の画像データをページごとに所定のタイミングで出力するために一時的に記憶する目的として利用される場合がある。
【0025】
前者の目的で利用される場合、サムネイル形式の画像データ(第1の画像データ)がファイルシステム領域(第1の記憶領域)に書き込まれ、ユーザーが後に再利用したい画像データ及びその名称を指定して保存することにより、当該画像データを後から検索して読み出して利用することを可能としている。
【0026】
後者の目的で利用される場合、画像形成用に変換した後の画像データ、すなわちラスター画像処理(RIP処理)によりビットマップ形式に変換された画像データ(第2の画像データ)は、ファイルシステム領域よりも高速アクセス可能なRAW領域(第2の記憶領域)に書き込まれ保存される。ビットマップ形式の画像データをRAW領域に保存することで、ページ毎の画像データを、露光や給紙などの画像形成タイミングに正確に合わせて遅れることなく画像形成部40に供給することができる。
【0027】
制御部100は、記憶部72に接続されるSATA(Serial AT Attachment)インターフェース73を制御して、RAW領域およびファイルシステム領域にアクセスする。SATAインターフェース73は、制御部100と記憶部72との間におけるデータ転送を可能にするために、USBプロトコルとSATAプロトコルとの間でプロトコル変換する機能を有する。制御部100は、SATAインターフェース73を介して、RAW領域およびファイルシステム領域に画像データを書き込む制御や、RAW領域およびファイルシステム領域に記憶された画像データを読み出す制御を行う。
【0028】
制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙に画像を形成する。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
【0029】
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11及び原稿画像走査装置(スキャナー)12等を備えて構成される。
【0030】
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることができる。
【0031】
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿D又はコンタクトガラス上に載置された原稿Dを光学的に走査し、原稿Dからの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
【0032】
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面及び各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー及びスタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
【0033】
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備えている。例えば、画像処理部30は、制御部100の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正及びシェーディング補正等の各種補正処理、並びに圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
【0034】
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分及びK成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、及び中間転写ユニット42等を備えている。
【0035】
Y成分、M成分、C成分及びK成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
【0036】
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、及びドラムクリーニング装置415等を備えている。
【0037】
感光体ドラム413は、例えばアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)及び電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層することで構成された、光導電性を有する感光体である。感光体ドラム413は、例えば負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。
【0038】
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。帯電装置414は、ストロコロン帯電器である。
【0039】
露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。レーザー光の照射により感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されると、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。その結果、感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
【0040】
現像装置412は、各色成分の現像剤(例えば、小粒径のトナーとキャリアー(磁性体)とからなる二成分現像剤)を収容しており、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。現像装置412における現像ローラーは、回転駆動される円筒状の現像スリーブ412Aと、現像スリーブ412A内に内挿され、回転しないように現像装置412の筺体に固定された円柱状のマグネットローラーとからなる。
【0041】
マグネットローラーは、その周方向に沿って複数の磁石が配されてなり、その磁力によってキャリアーが現像スリーブ412Aの外周面上に担持されて搬送され、感光体ドラム413と対向する位置(現像位置)で起立して磁気ブラシが形成される。キャリアーに静電吸着されて搬送されてきたトナーが、当該現像位置において、現像スリーブ412Aと感光体ドラム413との電位差により感光体ドラム413側に移動し、その周面に形成された静電潜像が現像される。
【0042】
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレードを有する。一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーは、ドラムクリーニングブレードによって掻き取られ、除去される。
【0043】
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
【0044】
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
【0045】
中間転写ベルト421は、導電性および弾性を有するベルトであり、表面に高抵抗層を有する。中間転写ベルト421は、制御部100からの制御信号によって回転駆動される。
【0046】
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
【0047】
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
【0048】
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側、つまり一次転写ローラー422と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
【0049】
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側、つまり二次転写ローラー424と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
【0050】
ベルトクリーニング装置426は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。
【0051】
定着部60は、用紙Sの定着面、すなわちトナー像が形成されている面側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙Sの裏面すなわち定着面の反対の面側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B、および加熱源等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙Sを挟持して搬送する定着ニップが形成される。
【0052】
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。
【0053】
上側定着部60Aは、定着面側部材である無端状の定着ベルト61、加熱ローラー62および定着ローラー63を有する。定着ベルト61は、加熱ローラー62と定着ローラー63とによって張架されている。
【0054】
下側定着部60Bは、裏面側支持部材である加圧ローラー64を有する。加圧ローラー64は、定着ベルト61との間で用紙Sを挟持して搬送する定着ニップを形成している。
【0055】
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類毎に収容される。
【0056】
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、レジストローラー53a等の複数の搬送ローラーを備えた搬送機構により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー53aが配設されたレジスト部により、給紙された用紙Sの傾きが補正されると共に搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に転写され、定着部60において定着工程が施される。定着工程によりトナー像が定着された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により画像形成装置1の外部に排紙される。
【0057】
ところで、画像形成装置1においては、記憶部72(ハードディスク)に対する1回のアクセスで、RAW領域およびファイルシステム領域にアクセスする制御を行う場合、プロトコル変換処理を行うSATAインターフェース73におけるデータ転送速度がボトルネックになり、RAW領域およびファイルシステム領域に対する全体のアクセス性能が低下するという問題があった。
【0058】
図4は、制御部100が、SATAインターフェース73を介して、RAW領域およびファイルシステム領域の設定が行われた記憶部72にアクセスする制御を行う場合のアクセス性能(実線)を示す。図4に示すように、記憶部72の外周側に割り当てられたRAW領域の一部の領域(図4の例では、領域R1)において、図3に示す例(一点鎖線)と比べて、アクセス性能が低下している。これは、プロトコル変換処理を行うSATAインターフェース73におけるデータ転送速度がボトルネックになり、当該データ転送速度が記憶部72のアクセス性能の最大値となるからである。
【0059】
図5は、制御部100が、SATAインターフェース73を介して、記憶部72(ハードディスク)に対する1回のアクセスで、RAW領域およびファイルシステム領域にアクセスする制御を行う場合、RAW領域のアクセス位置(アクセス開始位置)に応じたアクセス性能(実線)を示す。例えば、1ページ分の画像形成処理を行う際に、1ページ分のサムネイル形式の画像データをファイルシステム領域に書き込むとともに、1ページ分のビットマップ形式の画像データをRAW領域に書き込む制御を行う場合のアクセス性能を示す。
【0060】
図5に示すように、記憶部72の外周側に割り当てられたRAW領域の一部の領域(図5の例では、領域R1)において、図3に示す例(一点鎖線)と比べて、アクセス性能が低下している。具体的には、RAW領域のアクセス位置が記憶部72の外周側に向かうにつれて、SATAインターフェース73におけるデータ転送速度がボトルネックになりRAW領域のアクセス性能が増大しないのに(図4を参照)、ファイルシステム領域への距離(シーク時間)が増大するため、1回のアクセスでRAW領域およびファイルシステム領域にアクセスする際のアクセス性能が低下してしまう。
【0061】
そこで本実施の形態では、制御部100は、1回のアクセスでRAW領域およびファイルシステム領域にアクセスする際においてRAW領域のアクセス位置に応じたRAW領域およびファイルシステム領域のアクセス性能(図5の実線に対応。パフォーマンスカーブとも言う。)を示すアクセス性能情報を参照する。そして、制御部100は、RAW領域およびファイルシステム領域のアクセスに要求される所定のアクセス性能を満たすようにRAW領域に対する画像データ(ビットマップ形式)の書き込み位置を決定する。アクセス性能情報は、記憶部72のアクセス性能を測定する実験を予め行った結果として、例えば記憶部72のファイルシステム領域に記憶されている。
【0062】
図5に示す例では、制御部100は、記憶部72に記憶されるアクセス性能情報を参照し、RAW領域およびファイルシステム領域のアクセスに要求される所定のアクセス性能Pを満たすようにRAW領域に対する画像データ(ビットマップ形式)の書き込み位置Aを決定する。すなわち、制御部100は、RAW領域において書き込み位置Aから内周側に向かって1ページ分のビットマップ形式の画像データを書き込み、その後、ファイルシステム領域において1ページ分のサムネイル形式の画像データを書き込む制御を行う。このような制御を行うことにより、1回のアクセスで複数の記憶領域(RAW領域、ファイルシステム領域)にアクセスする制御を行う場合、要求される所定のアクセス性能Pが満たされ、アクセス性能の低下を抑制することができる。
【0063】
特に、複数ページ分の画像形成処理(大量ページ印刷)を行う際に、複数ページ分のサムネイル形式の画像データをファイルシステム領域に書き込むとともに、複数ページ分のビットマップ形式の画像データをRAW領域に書き込む制御を行う場合には次のように制御を行うのが望ましい。すなわち、制御部100は、記憶部72に対する1回のアクセスで、RAW領域の書き込み位置Aから複数ページ分のビットマップ形式の画像データを連続的に書き込み、その後、ファイルシステム領域に複数ページ分のサムネイル形式の画像データを連続的に書き込む制御を行う。これにより、複数ページ分の画像形成処理を行う場合に、RAW領域およびファイルシステム領域にアクセスする際のシーク時間を最小限に抑え、所定のアクセス性能Pを満たすように、RAW領域に記憶された画像データ(ビットマップ形式)を読み出す制御を行うことができる。ひいては、ページ毎の画像データを、露光や給紙などの画像形成タイミングに正確に合わせて遅れることなく画像形成部40に供給することができる。
【0064】
また、記憶部72に対する1回のアクセスで、RAW領域およびファイルシステム領域にアクセスする制御を行う際、アクセス性能が良い条件とアクセス性能が悪い条件とが存在する。アクセス性能が良い条件の場合とは、例えば、画像形成装置1においてコピー(複写)処理のみの単体処理を実行する場合、大量ページの印刷処理を実行する場合、画像メモリ(RAM103)の空き容量が大きい場合である。大量ページの印刷処理を実行する場合は、連続してRAW領域にアクセスすることができ、その分、シーク時間を短縮できるからである。画像メモリ(RAM103)の空き容量が大きい場合は、画像メモリ(RAM103)の容量不足が発生しにくくなり、RAW領域に一時的に記憶させる画像データ量が小さくなるからである。
【0065】
反対に、アクセス性能が悪い条件の場合とは例えば、複数のジョブのコピー処理(マルチ処理)を実行する場合、少量ページの印刷処理を実行する場合、画像メモリ(RAM103)の空き容量が小さい場合である。少量ページの印刷処理を実行する場合は、連続してRAW領域にアクセスすることができず、シーク時間を短縮できないからである。画像メモリ(RAM103)の空き容量が小さい場合は、画像メモリ(RAM103)の容量不足が発生しやすく、RAW領域に一時的に記憶させる画像データ量が大きくなるからである。
【0066】
図6は、制御部100が、SATAインターフェース73を介して、記憶部72に対する1回のアクセスで、RAW領域およびファイルシステム領域にアクセスする制御を行う場合、RAW領域のアクセス位置に応じたアクセス性能(実線)を示す。
【0067】
図6において、実線L1は、アクセス性能が良い条件の場合、RAW領域のアクセス位置に応じたアクセス性能を示す。実線L2は、アクセス性能が悪い条件の場合、RAW領域のアクセス位置に応じたアクセス性能を示す。
【0068】
図6に示す例では、アクセス性能が良い条件の場合、全てのRAW領域において、RAW領域およびファイルシステム領域のアクセスに要求される所定のアクセス性能Pを満たしている。一方、アクセス性能が悪い条件の場合、RAW領域の一部の領域R2,R3において、RAW領域およびファイルシステム領域のアクセスに要求される所定のアクセス性能Pを満たしていない。
【0069】
そこで、本実施の形態では、制御部100は、アクセス性能が良い条件の場合、アクセス性能が悪い条件の場合において所定のアクセス性能Pを満たさないRAW領域の一部の領域R2,R3(アクセス位置)を、画像データ(ビットマップ形式)の書き込み位置として決定する。これにより、アクセス性能が良い条件から悪い条件に変化した場合でも、所定のアクセス性能Pを満たすRAW領域(図5の例では、領域R2,R3以外)を使用して画像データの書き込み、当該画像データの読み出しを行うことができる。そのため、アクセス性能が悪い条件の場合においても、1回のアクセスで複数の記憶領域(RAW領域、ファイルシステム領域)にアクセスする制御を行う場合におけるアクセス性能の低下を抑制することができる。
【0070】
図7は、制御部100が、SATAインターフェース73を介して、記憶部72に対する1回のアクセスで、RAW領域およびファイルシステム領域にアクセスする制御を行う場合、RAW領域のアクセス位置に応じたアクセス性能(実線)を示す。図7に示すように、RAW領域およびファイルシステム領域のアクセスに要求される所定のアクセス性能Pを満たしていない領域R4については、RAW領域ではなく、ファイルシステム領域(FS領域)として割り当てても良い。この場合、制御部100は、記憶部72に対する1回のアクセスで、所定のアクセス性能Pを満たすRAW領域にアクセスし、その後、RAW領域の内周側または外周側に割り当てられているファイルシステム領域にアクセスする制御を行う。これにより、特に、サムネイル形式の画像データが増えた場合においても、所定のアクセス性能Pを満たさない記憶領域(RAW領域)を有効に活用し、ファイルシステム領域における容量不足の発生を防止することができる。
【0071】
以上詳しく説明したように、本実施の形態では、画像形成装置1は、サムネイル形式の画像データ(第1の画像データ)を記憶するファイルシステム領域(第1の記憶領域)と、ファイルシステム領域よりもデータのアクセスが高速であり、ビットマップ形式の画像データ(第2の画像データ)を記憶するRAW領域(第2の記憶領域)とを有する記憶部72(不揮発性記憶部)と、記憶部72に対する1回のアクセスで、ファイルシステム領域およびRAW領域にアクセスする制御を行う制御部100とを備える。制御部100は、RAW領域のアクセス位置に応じたRAW領域およびファイルシステム領域のアクセス性能を示すアクセス性能情報を参照し、RAW領域およびファイルシステム領域のアクセスに要求される所定のアクセス性能Pを満たすようにRAW領域に対する画像データの書き込み位置を決定する。
【0072】
このように構成した本実施の形態によれば、プロトコル変換処理を行うSATAインターフェースにおけるデータ転送速度がボトルネックになり、アクセス性能が低下するおそれがある場合でも、RAW領域およびファイルシステム領域にアクセスする際のシーク時間を考慮し、RAW領域およびファイルシステム領域のアクセスに要求される所定のアクセス性能Pを満たすようにRAW領域に対する画像データの書き込み位置が決定される。そのため、1回のアクセスで複数の記憶領域(RAW領域、ファイルシステム領域)にアクセスする制御を行う場合に、RAW領域およびファイルシステム領域に対する全体のアクセス性能が低下することを抑制することができる。
【0073】
なお、上記実施の形態では、記憶部72に対する1回のアクセスで、2つの記憶領域(RAW領域およびファイルシステム領域)にアクセスする制御を行う場合、所定のアクセス性能Pを満たすように、RAW領域に対する画像データの書き込み位置を決定する例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、1回のアクセスで3つ以上の記憶領域にアクセスする制御を行う場合に本発明を適用し、所定のアクセス性能Pを満たすように、記憶領域に対する画像データの書き込み位置を決定しても良い。
【0074】
また、上記実施の形態では、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 画像形成装置
10 画像読取部
20 操作表示部
21 表示部
22 操作部
30 画像処理部
40 画像形成部
50 用紙搬送部
60 定着部
71 通信部
72 記憶部
73 SATAインターフェース
100 制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】