(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021005261
(43)【公開日】20210114
(54)【発明の名称】処理システム監視装置、処理システム監視方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20201211BHJP
【FI】
   !G05B23/02 301T
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】2019119324
(22)【出願日】20190627
(71)【出願人】
【識別番号】000222174
【氏名又は名称】東洋エンジニアリング株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内1丁目5番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 啓伍
【住所又は居所】千葉県習志野市茜浜2丁目8番1号 東洋エンジニアリング株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】岡本 晋太朗
【住所又は居所】千葉県習志野市茜浜2丁目8番1号 東洋エンジニアリング株式会社内
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA05
3C223AA11
3C223BA01
3C223CC01
3C223DD01
3C223EB01
3C223EB02
3C223EB03
3C223EB07
3C223FF04
3C223FF13
3C223FF17
3C223FF24
3C223FF35
3C223GG01
3C223HH04
3C223HH05
3C223HH08
3C223HH14
3C223HH15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】処理システムに含まれる機器の状態の変化を分かりやすく表示する。
【解決手段】処理システム監視装置50は、処理システムを監視する装置であり、取得部510及び処理部530を有している。処理システムにはセンサ群が設けられている。取得部510は、センサ群の測定値及び機器に対する操作量の少なくとも一方(システム情報)を取得する。処理部530は、処理システムの構成を示す構成図を表示部540の表示画面に含ませるとともに、処理システムに設定された監視対象部に紐付いた図形を、その監視対象部に相当する部分又はその近傍に表示させる。この際、処理部530は、この図形の表示の有無及び図形の大きさを、システム情報の処理結果を用いて決定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理システムを監視する処理システム監視装置であって、
前記処理システムは、複数の機器及び前記複数の機器を接続する配管を有しており、
前記処理システム監視装置は、
前記複数の機器の少なくとも一つ及び/又は前記配管に設けられた少なくとも一つのセンサの測定値、並びに少なくとも一つの前記機器に対する操作量の少なくとも一方を含むシステム情報を取得する取得部と、
前記システム情報を処理し、当該処理結果を表示画面に表示させる処理部と、
を備え、
前記処理部は、
前記処理システムの構成を示す構成図を前記表示画面に含ませるとともに、前記処理システムに設定された監視対象部に紐付いた図形を、前記構成図のうち前記監視対象部に相当する部分又はその近傍に表示させ、
前記図形の表示の有無及び前記図形の大きさを、前記システム情報の処理結果を用いて決定する、処理システム監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の処理システム監視装置において、
前記処理部は、
第1の前記センサの前記測定値又は前記機器に対する前記操作量を用いて算出した値を、当該第1のセンサ又は機器の評価値として設定し、
前記第1のセンサ又は機器に対して設定された基準値又は基準範囲と、前記評価値と、の比較結果を用いて、前記図形の表示の有無及び前記図形の大きさを決定する、処理システム監視装置。
【請求項3】
請求項1に記載の処理システム監視装置において、
前記処理部は、
第1の前記センサの測定値若しくは前記機器に対する前記操作量を用いて算出した値を、第2の前記センサ又は前記機器の評価値として設定し、
前記第2のセンサ又は機器に対して設定された基準値又は基準範囲と、前記評価値と、の比較結果を用いて、前記図形の表示の有無及び前記図形の大きさを決定する、処理システム監視装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の処理システム監視装置において、
前記処理部は、前記基準値又は基準範囲と前記評価値との差分が大きくなるにつれて、前記図形を大きくする、処理システム監視装置。
【請求項5】
請求項4に記載の処理システム監視装置において、
前記処理部は、さらに前記比較結果を用いて前記図形の色を決定する、処理システム監視装置。
【請求項6】
請求項5に記載の処理システム監視装置において、
前記処理部は、前記差分が大きくなっているときと、前記差分が小さくなっているときとで前記図形の色を異ならせる、処理システム監視装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の処理システム監視装置において、
前記処理部は、
指定された期間で複数回得られた前記測定値のそれぞれについて、前記図形の表示の有無及び前記図形の大きさを決定し、
当該決定に従って、前記表示画面における前記図形の表示の有無及び前記図形の大きさを連続的に変化させる、処理システム監視装置。
【請求項8】
請求項7に記載の処理システム監視装置において、
前記処理部は、前記期間における前記測定値又は前記操作量の少なくとも一方の推移を前記表示画面に表示させる、処理システム監視装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の処理システム監視装置において、
前記処理部は、前記期間を指定する入力を、入力デバイスを介して取得する処理システム監視装置。
【請求項10】
複数の機器及び前記複数の機器を接続する配管を有している処理システムを監視するコンピュータが、
前記複数の機器の少なくとも一つ及び/又は前記配管に設けられた少なくとも一つのセンサの測定値、並びに少なくとも一つの前記機器に対する操作量の少なくとも一方を含むシステム情報を取得し、
前記システム情報を処理し、当該処理結果を表示画面に表示させ、
さらに、前記処理システムの構成を示す構成図を前記表示画面に含ませるとともに、前記処理システムに設定された監視対象部に紐付いた図形を、前記構成図のうち前記監視対象部に相当する部分又はその近傍に表示させ、
前記図形の表示の有無及び前記図形の大きさを、前記測定値の処理結果を用いて決定する、処理システム監視方法。
【請求項11】
コンピュータを、処理システムを監視する処理システム監視装置として機能させるプログラムであって、
前記処理システムは、複数の機器及び前記複数の機器を接続する配管を有しており、
前記コンピュータに、
前記複数の機器の少なくとも一つ及び/又は前記配管に設けられた少なくとも一つのセンサの測定値、並びに少なくとも一つの前記機器に対する操作量の少なくとも一方を含むシステム情報を取得する取得機能と、
前記システム情報を処理し、当該処理結果を表示画面に表示させる処理機能と、
を持たせ
前記処理機能は、
前記処理システムの構成を示す構成図を前記表示画面に含ませるとともに、前記処理システムに設定された監視対象部に紐付いた図形を、前記構成図のうち前記監視対象部に相当する部分又はその近傍に表示させ、
前記図形の表示の有無及び前記図形の大きさを、前記測定値の処理結果を用いて決定する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理システム監視装置、処理システム監視方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
化学プラントに代表されるように、複数の機器を配管で接続した処理システムがある。この処理システムには、その処理システムの状態を把握するために、複数のセンサが設けられている。一般的には、これらセンサの測定値は、オペレータ向けの画面に表示されている。
【0003】
一方、特許文献1には、プラント状態図を表示部に表示させることが記載されている。プラント状態図において、機器などは、その機器の状態値に応じて色及び濃度の少なくとも一方が変わる。状態値は、プラントに設置された機器、装置、及び設備の少なくとも1つを用いて求められる。
【0004】
なお、特許文献2には、記憶装置からプラントデータを読み出してタイムチャート画面で表示する際に、監視制御システムのオペレータの操作とプラントからの情報を区別して表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018−45642号公報
【特許文献2】特開2014−89542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
処理システムは連続して運転される場合が多いため、処理システムに異常が生じる前に、その予兆を人が認識できるようにすることが好ましい。このためには、機器の状態の変化を分かりやすく表示する必要がある。
【0007】
本発明の目的の一例は、処理システムの状態を示す画面において、処理システムに含まれる機器の状態の変化を分かりやすく表示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、処理システムを監視する処理システム監視装置であって、
前記処理システムは、複数の機器及び前記複数の機器を接続する配管を有しており、
前記処理システム監視装置は、
前記複数の機器の少なくとも一つ及び/又は前記配管に設けられた少なくとも一つのセンサの測定値、並びに少なくとも一つの前記機器に対する操作量の少なくとも一方を含むシステム情報を取得する取得部と、
前記システム情報を処理し、当該処理結果を表示画面に表示させる処理部と、
を備え、
前記処理部は、
前記処理システムの構成を示す構成図を前記表示画面に含ませるとともに、前記処理システムに設定された監視対象部に紐付いた図形を、前記構成図のうち前記監視対象部に相当する部分又はその近傍に表示させ、
前記図形の表示の有無及び前記図形の大きさを、前記システム情報の処理結果を用いて決定する、処理システム監視装置が提供される。
【0009】
本発明によれば、複数の機器及び前記複数の機器を接続する配管を有している処理システムを監視するコンピュータが、
前記複数の機器の少なくとも一つ及び/又は前記配管に設けられた少なくとも一つのセンサの測定値、並びに少なくとも一つの前記機器に対する操作量の少なくとも一方を含むシステム情報を取得し、
前記システム情報を処理し、当該処理結果を表示画面に表示させ、
さらに、前記処理システムの構成を示す構成図を前記表示画面に含ませるとともに、前記処理システムに設定された監視対象部に紐付いた図形を、前記プロセスフロー図のうち前記監視対象部に相当する部分又はその近傍に表示させ、
前記図形の表示の有無及び前記図形の大きさを、前記測定値の処理結果を用いて決定する、処理システム監視方法が提供される。
【0010】
本発明によれば、コンピュータを、処理システムを監視する処理システム監視装置として機能させるプログラムであって、
前記処理システムは、複数の機器及び前記複数の機器を接続する配管を有しており、
前記コンピュータに、
前記複数の機器の少なくとも一つ及び/又は前記配管に設けられた少なくとも一つのセンサの測定値、並びに少なくとも一つの前記機器に対する操作量の少なくとも一方を含むシステム情報を取得する取得機能と、
前記システム情報を処理し、当該処理結果を表示画面に表示させる処理機能と、
を持たせ、
前記処理機能は、
前記処理システムの構成を示す構成図を前記表示画面に含ませるとともに、前記処理システムに設定された監視対象部に紐付いた図形を、前記構成図のうち前記監視対象部に相当する部分又はその近傍に表示させ、
前記図形の表示の有無及び前記図形の大きさを、前記測定値の処理結果を用いて決定する、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、処理システムに含まれる機器の状態の変化を分かりやすく表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係る処理システム監視装置の使用環境を説明するための図である。
【図2】処理システム監視装置の機能構成の一例を示す図である。
【図3】処理システム監視装置のハードウエア構成を例示するブロック図である。
【図4】処理システム監視装置が行う処理例を示すフローチャートである。
【図5】基準値又は基準範囲の設定方法を説明するための図である。
【図6】処理部が表示部に表示させる画面の第1例である。
【図7】処理部が表示部に表示させる画面の第2例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0014】
図1は、実施形態に係る処理システム監視装置50の使用環境を説明するための図である。処理システム監視装置50は、処理システム10を監視する装置である。
【0015】
処理システム10は、例えば化学プラントや工場の製造ラインの少なくとも一部分であり、複数の機器20を配管30でつないだ構成を有している。機器20の一例は、化学プラントの構成要素、例えば処理対象物に対して何らかの処理を行う処理装置、処理対象物を一時的に貯蔵するタンク、ポンプ、コンプレッサ、タービン、熱交換器、蒸留塔、反応容器、ドライヤー、加熱炉、ファン、及びバルブの少なくとも一つであるが、これらに限定されない。また、機器20には、プロセスを制御する制御端も含まれる。制御端は、例えば電磁弁(ソレノイドバルブ)、ポジショナ、モーターポンプのモーター、及び電気ヒーターの動作を制御する開閉制御装置につながるリレースイッチの少なくとも一つであるが、これらに限定されない。
【0016】
処理システム10にはセンサ群40が設けられている。センサ群40は複数のセンサを有している。これらのセンサは、機器20及び配管30の状態を検知するために設けられている。好ましくは、センサは、複数の機器20のそれぞれ及び複数の配管30のそれぞれに設けられているが、少なくとも一つの配管30には設けられていなくてもよい。センサ群40が有するセンサは、例えば流量計、液位計、温度計、圧力計、振動計、分析計、電流計、電圧計、速度計、及び、バルブの開度を検知するセンサであるが、これらに限定されない。
【0017】
処理システム監視装置50は、上記したように処理システム10を監視する装置であり、センサ群40の測定値を取得する。処理システム監視装置50は、例えばこれらの測定値をセンサ群40から取得してもよいし、センサ群40の測定値をログデータとして記憶している記憶装置から取得してもよい。
【0018】
また、処理システム監視装置50は、処理システム10の複数の機器20に対する操作量を取得する。処理システム監視装置50は、これらの操作量を、処理システム10を制御する制御装置から取得してもよいし、操作量をログデータとして記憶している記憶装置から取得してもよい。処理システム監視装置50は、センサ群40、上記した制御装置、及び上記した記憶装置と、専用線で接続されていてもよいし、インターネット等の公衆通信網を介して接続されていてもよい。また、処理システム監視装置50とこれらの間の通信の少なくとも一部には、無線が使われていてもよい。また、処理システム監視装置50は上記した制御装置と兼ねていてもよい。
【0019】
そして処理システム監視装置50は、これらの測定値及び操作量を処理することにより、処理システム10を監視する。
【0020】
図2は、処理システム監視装置50の機能構成の一例を示す図である。処理システム監視装置50は、取得部510及び処理部530を有している。本図に示す例において、処理システム監視装置50はさらにデータ記憶部520及び表示部540を有している。
【0021】
取得部510は、上記したセンサ群40の測定値及び機器20に対する操作量の少なくとも一方を取得する。取得部510は、センサ群40の測定値をすべて取得してもよいし、必要な測定値のみを選択して取得してもよい。また取得部510は、機器20に対する操作量をすべて取得してもよいし、必要な操作量のみを選択してもよい。取得部510は、測定値及び操作量を選択する場合、時間帯を選択してもよいし、対象となるセンサ又は機器20を選択してもよい。以下、取得部510が取得する測定値及び操作量を、システム情報と記載する。
【0022】
本実施形態において、システム情報はデータ記憶部520に記憶される。データ記憶部520は、例えば処理システム監視装置50に内蔵された記憶デバイスである。データ記憶部520は、揮発性のメモリであってもよいし不揮発性のメモリであってもよい。またデータ記憶部520は、処理システム監視装置50の外部に設けられたストレージであってもよい。
【0023】
処理部530は、上記したシステム情報を処理し、この処理結果を表示部540に表示させる。具体的には、処理部530は、処理システム10の構成を示す構成図、例えばプロセスフロー図を表示部540の表示画面に含ませるとともに、処理システム10に設定された監視対象部に紐付いた図形を、その監視対象部に相当する部分又はその近傍に表示させる。この際、処理部530は、この図形の表示の有無及び図形の大きさを、システム情報の処理結果を用いて決定する。処理部530が行う処理の詳細については、フローチャートを用いて後述する。
【0024】
また、処理部530は、一定周期ごとに、後述する処理を行っていてもよい。この場合、処理システム監視装置50は、処理済データ記憶部(例えばデータベース)を有する。この処理済データ記憶部は、処理部530の処理結果(例えばこの図形の表示の有無及び図形の大きさを示す情報)を日時に紐づけて記憶する。そして表示部540は、処理済データ記憶部から指定された期間のデータを読み出し、後述する表示を行う。
【0025】
なお、処理システム10の構成図は、例えば複数の機器20を示す表示(例えば記号や機器の種類別に設定された図形)と、機器20の接続関係を示す表示(例えば接続線)を有している。また、監視対象部に紐付いた図形は、例えば円形であるが、多角形であってもよいし、楕円形であってもよいし、星形であってもよいし、矢印であってもよい。そしてこの図形の大きさを変化させる際には、相似形の状態で大きさを変化させてもよいし、多少歪ませるなど、相似形から多少変化させてもよい。また、この図形が線のみで構成されている場合(外形線のみの場合も含む)、本実施形態では、線の太さを変えることも、図形の大きさを変えることの一例である。
【0026】
図3は、処理システム監視装置50のハードウエア構成を例示するブロック図である。処理システム監視装置50は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0027】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0028】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0029】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0030】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は処理システム監視装置50の各機能(例えば図2に示した取得部510及び処理部530)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。
【0031】
また、ストレージデバイス1040は、処理システム監視装置50が行う処理に必要なデータを記憶する記憶部(例えば図2に示したデータ記憶部520)も兼ねている。また、処理部530が使うデータも、ストレージデバイス1040に記憶されている。ただしこの記憶部は、処理システム監視装置50の外部にあってもよい。
【0032】
入出力インタフェース1050は、処理システム監視装置50と各種入出力機器、例えば表示部540となるディスプレイとを接続するためのインタフェースである。ただし、入出力インタフェース1050の機能の少なくとも一部を、ネットワークインタフェース1060に置き換えることもできる。例えば各種入出力機器がLANやWANなどのネットワークを介して接続する場合、処理システム監視装置50はネットワークインタフェース1060を介して各種入出力機器と接続する。
【0033】
ネットワークインタフェース1060は、処理システム監視装置50をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。そして、処理システム監視装置50は、ネットワークインタフェース1060を介して処理システム10の制御装置やセンサ群40に直接または間接的に接続する。処理システム監視装置50がこれら制御装置、センサ群40、又はこれらに関するデータを記憶する記憶装置に間接的に接続する場合、処理システム監視装置50のネットワークインタフェース1060とセンサ群40の間には、例えばゲートウェイが設けられる。これら記憶装置及びゲートウェイは、例えば処理システム10を制御する制御装置の一部である。
【0034】
図4は、処理システム監視装置50が行う処理例、すなわち処理システム10の状態の変化を示す図形を表示するための処理例を示すフローチャートである。この処理とは別に、処理システム監視装置50の処理部530は、上記した構成図を表示部540に表示させ続けている。この構成図には、センサ群40を構成するセンサ別に、そのセンサの測定値がリアルタイムで表示されている。そして処理システム監視装置50は、図4に示す処理をリアルタイムで行い、上記した構成図の中に、監視対象部の状態を示す図形を、その構成図のうち監視対象部の近くに表示させる。監視対象部が複数ある場合、複数の監視対象部それぞれについて、上記した図形が表示される。この際、図形の形状や色は互いに同一であってもよいし、少なくとも一つの図形について、形状や色が他と異なっていてもよい。そして、処理システム監視装置50が表示部540に表示させる図形の変化は、処理システム10の状態の変化をリアルタイムで示すことになる。
【0035】
ただし処理システム監視装置50は、図4に示す処理を、予め指定された時間ごとに自動で繰り返し行ってもよいし、ユーザが指定した期間に対して行ってもよい。後者の場合、処理部530は、その期間で得られた複数の測定値(又は操作量)のそれぞれについて、図形の表示の有無及び前記図形の大きさを決定する。そして処理部530は、当該決定に従って、表示画面における図形の表示の有無及び前記図形の大きさを連続的に変化させる。
【0036】
まず取得部510は、システム情報を取得してデータ記憶部520に記憶させる(ステップS10)。次いで処理部530は、取得したシステム情報を処理することにより、図形表示のための最新の評価値を算出する(ステップS20)。
【0037】
例えば取得部510は、第1のセンサの第1の時刻での測定値そのもの、又は第1の機器20に対する第1の時刻での操作量を、第1の時刻における評価値とする。この際、処理部530は、第1の時刻を含む所定の期間における測定値及び/又は操作量の平均値、中央値、最頻値、最大値、及び最小値の少なくとも一つを、第1の時刻における評価値としてもよい。
【0038】
この例は、例えば、第1のセンサが、いずれかの機器20及び配管30における温度又は圧力を測定しており、その温度又は圧力に通常時とは異なる変化、例えば異常の予兆がみられるか否かを判断する場合に好適である。この例において、処理システム監視装置50による監視対象部は、機器20及び配管30のうち第1のセンサが設けられている部分である。そして処理部530は、第1のセンサの測定値、第1の機器20の操作量、又はこれらの測定値及び/若しくは操作量を用いて算出した値を、当該第1のセンサ又は第1の機器の評価値として設定することができる。そして後述するように、処理部530は、第1のセンサ又は第1の機器に対して設定された基準値又は基準範囲と、評価値と、の比較結果を用いて、図形の表示の有無及び前記図形の大きさを決定することができる。
【0039】
またこの例は、第1の機器20及び配管30の少なくとも一方における測定値や操作量を、第2の機器20にフィードバックして制御する場合にも好適である。言い換えると、処理部530は、第1のセンサの測定値、第1の機器20に対する操作量、又はこれらの測定値及び/若しくは測定値を用いて算出した値を、第2のセンサ又は第2の機器20の評価値として設定することができる。この例において、処理システム監視装置50による監視対象部は、第2のセンサが設けられている部分、又は第2の機器20である。そして後述するように、処理部530は、第2のセンサ又は機器に対して設定された基準値又は基準範囲と、評価値と、の比較結果を用いて、図形の表示の有無及び前記図形の大きさを決定することができる。
【0040】
また処理部530は、第1の時刻での複数のセンサそれぞれによる測定値を予め設定された規則で演算した結果(算出値)を、第1の時刻における評価値としてもよい。この際、処理部530は、第1の時刻を含む所定の期間における演算結果の平均値や、第1の時刻を含む所定の期間における測定値の平均値を演算した結果を、第1の時刻における評価値としてもよい。例えば処理部530は、第1の時刻より所定の期間前から、第1の時刻までの期間における測定値を平均し、この平均値を演算した結果を、第1の時刻における評価値としてもよい。また処理部530は、少なくとも一つのセンサの測定値と少なくとも一つの機器20に対する操作量を演算した結果を評価値としてもよいし、複数の機器20に対する操作量を演算した結果を評価値としてもよい。この例は、評価値に基づいていずれかの機器20を制御する場合に好適である。
【0041】
次いで処理部530は、ステップS20で算出した評価値を、予め設定された基準値又は基準範囲と比較し、比較結果を用いて図形の表示の有無及び図面の表示態様(例えば図面の大きさや色)を決定し(ステップS30及びS40)、決定した表示態様で図形を構成図内の所定の位置に表示させる(ステップS50)。処理部530は、監視対象部ごとに、上記した基準値又は基準範囲を記憶している。
【0042】
上記した基準値又は基準範囲は、例えば処理システム10が正常に動作しているときの評価値を用いて設定されている。一例として、処理部530は、図5に示すように、処理システム10が正常に動作しているときの評価値のヒストグラムを作成し、このヒストグラムの平均値又は中央値を基準値とする。また処理部530は、この中央値又は平均値を中心として設定されたある範囲を、基準範囲としてもよい。この際、処理部530は、ヒストグラムの標準偏差s又は中央絶対偏差s´も算出しておくのが好ましい。
【0043】
なお、基準値又は基準範囲は、所定の関係式を用いて求められてもよい。この関係式は、物理化学等の理論に基づいて設定されていてもよいし、機械学習等を用いて処理システム10が正常運転している(とモデル作成者が判断する)期間の複数の測定値のデータを用いて構築されてもよい。例えば、機械学習等を用いてデータを処理することによって設定する手法においては、PLS、サポートベクター回帰、及びランダムフォレストといった手法が用いられても良いし、ニューラルネットワークを用いた手法(例えば、オートエンコーダ)などが用いられてもよい。この場合、複数の測定値(操作量を含んでも良い)から対象の測定値を推定する関係式は、例えば、処理部530に記憶させておいてよい。例えば、第1の機器20及び配管30の少なくとも一方における測定値や操作量を、第2の機器20にフィードバックして制御する場合、この関係式の入力は操作量であり、出力はセンサによる測定値である。ただし、入力がセンサによる測定値であり、出力が操作量としてもよいし、入力が測定値及び操作量の双方であり、出力が何らかの計算値であってもよい。
【0044】
また評価値や基準値は、主成分分析を用いた多変量統計的プロセス管理法(MSPC)で得られるT2統計量とQ統計量を用いて設定されてもよい。
【0045】
そして処理部530は、ステップS20で算出した評価値と、上記した基準値又は基準範囲との差分を算出し、この差分が大きくなるにつれて、図形が大きくなるようにする。ここで処理部530は、この差分の標準偏差s又は中央絶対偏差s´に対する比が大きくなるにつれて、図形が大きくなるようにしてもよい。ここで、図形の大きさと上記した比は正比例である必要はない。また、図形の大きさには上限値及び下限値が設けられていてもよい。具体的には、処理部530は、上記した比に対して上限値及び下限値を設け、上記した比が下限値を下回る際には図形の大きさを下限値とし、上記した比が上限値を上回る際には図形の大きさを上限値とする。
【0046】
また、処理部530は、この差分が大きくなっているときと、この差分が小さくなっているときとで、図形の色やハッチングを異ならせてもよい。また、監視対象部によって評価値の算出方法及び基準値の設定方法の少なくとも一方が異なることも有る。この場合、処理部530は、評価値の算出方法及び基準値の設定方法の組み合わせ別に、図形の形状や色を変えてもよい。
【0047】
なお、第1の監視対象部に対する図形の少なくとも一部が、第2の監視対象部に対する図形の少なくとも一部と重なることも有り得る。この場合、第1の監視対象部と第2の監視対象部とで、図形の色及び形状の少なくとも一方を異ならせてもよい。また、一つの監視対象部に対して複数の評価値が算出されることもある。この場合、処理部530は、一つの評価対象部に対して複数の図形を設定し、表示部540は、これら複数の図形を表示する。ここで処理部530は、これら複数の図形の形状、色、及びハッチングの少なくとも一つを異ならせる。
【0048】
図6は、処理部530が表示部540に表示させる画面の第1例である。本図において、処理部530は、処理部530は表示部540にプロセスフロー図を表示させている。そして、このプロセスフロー図のうち複数の監視対象部(例えば機器20に取り付けられたセンサFやバルブ)のそれぞれに、上記した図形を表示させる。また、処理部530は、リアルタイムで図形の大きさを変化させている。本図に示す例において、表示部540は、例えば、処理システム10のオペレータ向けの画面である。
【0049】
ここで、図6(B)において、センサFに関する図形は、図6(A)と比較して大きくなっている。そして図6(A)の状態から図6(B)の状態までは連続的に表示される。このため、表示部540を見ている人は、センサFが設けられた機器20の状態が変化したことを認識しやすい。
【0050】
なお、図形の表示位置は、監視対象部の近傍となっている。ただし監視対象部がセンサである場合、図形は、そのセンサの測定値が表示されている領域の近くであってもよい。
【0051】
また、図形は、監視対象部と重ねて表示されてもよい。また処理システム10の構成図が複数のエリアに分けられている場合、各エリアの特定の場所に、そのエリアが属する監視対象部に関する図形がまとめて表示されてもよい。また、構成図がプラント全体のつながりを示したBlock Flow Diagramである場合、セクションブロック(プラントのプロセスの関係(機器・配管のつながりや機器の操作の影響の関係)に従ってプラントの一部をグループ化した部分)別に、そのセクションブロックに属する監視対象部に関する図形がまとめて表示されてもよい。
【0052】
ここで、上記したエリアやセクションブロック毎に、図形を一つのみ表示してもよい。この場合、処理部530は、例えば、そのセクションブロックに属する複数の監視対象部のそれぞれ、図形の大きさを示す値(例えば上記した比)の算出し、算出した値の大きさの最大値に応じて、図形の大きさを変化させる。
【0053】
図7は、処理部530が表示部540に表示させる画面の第2例である。本図に示す例において、処理部530は、過去の処理システム10の状態を表示部540に表示させている。本図に示す例において、表示部540は、例えば、処理システム10の管理者(監視者)や処理システム10の状態を解析する解析者向けの画面である。
【0054】
そして処理部530は、図6に示した構成図及び図形の他に、タイムチャート(時系列グラフ)を表示部540に表示させている。このタイムチャートは、センサの測定値又は機器20に対する操作量、及び評価値の少なくとも一方の推移を示している。そしてユーザが、例えばマウスなどの入力デバイスを用いて、このタイムチャートのうちの任意の期間を選択すると、処理部530は、その期間の最初から最後までを再生期間として設定し、その再生期間において図形の大きさを連続的に変化させる(再生表示)。ここで処理部530は、ユーザ入力に従って、停止、コマ送り、コマ戻し、早送り、及び巻き戻し等を行ってもよい。なお、この入力の方式としては、例えばドラッグアンドドロップ方式が挙げられるが、これに限定されない。
【0055】
また図7に示した例において、タイムチャートにはヘアラインカーソルが設けられていてもよい。この場合、処理部530は、表示部540に、ヘアラインカーソルが示すタイミングにおける評価値などの各種値を表示させる。
【0056】
なお、図6に示した表示モードと図7に示した表示モードは、ユーザ入力に従って切り替えられる。
【0057】
以上、本実施形態によれば、処理システム10に含まれる機器20の状態は、図形の大きさで示される。このため、人、例えば処理システム10の管理者(監視者)やオペレータは、図形の大きさの変化を把握することにより、機器20の状態の変化を容易に把握することができる。
【0058】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0059】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0060】
10 処理システム
20 機器
30 配管
40 センサ群
50 処理システム監視装置
510 取得部
520 データ記憶部
530 処理部
540 表示部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】