【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照して、実施形態について説明する。図1は、実施形態の建設機械の情報通信システムの一例を示す概要図である。
【0012】
本実施形態の建設機械の情報通信システムSYSは、ショベル100、管理装置300、端末装置400、端末装置500、情報処理装置600、及び飛行体700を含む。
【0013】
建設機械の情報通信システムSYSにおいて、ショベル100と管理装置300とは、ネットワークを介して通信を行い、管理装置300はショベル100を管理する。以下の説明では、建設機械の情報通信システムSYSを、情報通信システムSYSと呼ぶ。
【0014】
また、本実施形態の管理装置300は、端末装置400、端末装置500、情報処理装置600、及び飛行体700と、ネットワークを介して通信を行う。
【0015】
本実施形態のショベル100は、建設機械の一例である。ショベル100は、下部走行体1と、旋回機構2を介して旋回可能に下部走行体1に搭載される上部旋回体3と、アタッチメント(作業装置)としてのブーム4、アーム5、及び、バケット6と、キャビン10を備える。
【0016】
下部走行体1は、例えば、左右一対のクローラを含み、それぞれのクローラが走行油圧モータ1A,1B(図2参照)で油圧駆動されることにより、自走する。
【0017】
上部旋回体3は、旋回油圧モータ2A(図2参照)で油圧駆動されることにより、下部走行体1に対して旋回する。
【0018】
ブーム4は、上部旋回体3の前部中央に俯仰可能に枢着され、ブーム4の先端には、アーム5が上下回動可能に枢着され、アーム5の先端には、バケット6が上下回動可能に枢着される。ブーム4、アーム5、及び、バケット6は、それぞれ、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及び、バケットシリンダ9により油圧駆動される。
【0019】
キャビン10は、オペレータ(作業員)が搭乗する操縦室であり、上部旋回体3の前部左側に搭載される。
【0020】
ショベル100は、例えば、基地局を末端とする移動体通信網、上空の通信衛星を利用する衛星通信網、インターネット等を含む所定の通信ネットワークNWを通じて、管理装置300と相互に通信を行うことができる。
【0021】
本実施形態の管理装置300は、ショベル100の移動経路を示す経路情報を定期的に取得しても良い。また、本実施形態の管理装置300は、端末装置400から位置情報を取得し、位置情報の推移に応じて、端末装置400の移動経路を特定しても良い。
【0022】
端末装置400は、例えば、ショベル100を操作する作業員によって使用される端末装置である。以下の説明では、端末装置(携帯端末)400を作業員用端末400と呼ぶ場合がある。作業中は、端末装置400は、施工現場に存在する。
【0023】
本実施形態の端末装置500は、例えば、ショベル100を用いた作業を行う施工業者によって使用される端末装置である。以下の説明では、端末装置500を施工業者用端末500と呼ぶ場合がある。
【0024】
情報処理装置600は、ショベル100を用いた作業が行われる施工現場の作業員によって利用される施設に設置された情報処理装置である。以下の説明では、情報処理装置600を、第三者用端末600と呼ぶ場合がある。第三者用端末600は、第三者用端末600が設置された施設と対応付けられている。
【0025】
具体的には、第三者端末600は、コンビニエンスストアのレジ端末、無人トイレに設置された端末、無人のコンビニエンスストアに設置されたセルフレジ端末等を含む。
【0026】
作業員によって利用される施設とは、例えば、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、宿泊施設、休憩施設、又は商業施設等である。より具体的には、これらの施設は、トイレ設備が屋内に設けられており、食料品、飲料品等の調達や、飲食が可能な施設であることが好ましい。また、これらの施設は、管理装置300の管理者と施設との事前の交渉によって、作業員による設備の利用が許可されている。
【0027】
本実施形態の飛行体700は、例えば、施工現場を空撮するために用いられるドローン等である。飛行体700は、管理装置300との通信が可能である。
【0028】
本実施形態の情報通信システムSYSにおいて、管理装置300は、作業員用端末400から位置情報を取得し、位置情報の推移に基づき、施工現場までの作業員の移動経路を求める。そして、管理装置300は、移動経路に基づいて、作業員用端末400の現在位置から最も近い施設を特定し、施設の位置を示す位置情報を作業員用端末400と、飛行体700と、に通知する。
【0029】
尚、本実施形態における、最も近い施設とは、作業員用端末400の現在位置からの移動経路が最も短い施設である。尚、最も近い施設とは、施工現場からの移動距離が最も短い施設としても良い。
【0030】
このとき、管理装置300は、作業員用端末400に対して、施設内のトイレ設備や電子レンジ等の利用が可能であることや、食料品、飲料品の調達が可能であること等を通知する。
【0031】
作業員用端末400は、この通知を受けると、施設で販売されている食料品、飲料品等の購入画面を表示させ、商品の選択を受け付けると、選択された商品の注文依頼を管理装置300へ送信する。
【0032】
管理装置300は、この注文依頼を第三者用端末600へ送信する。第三者用端末600は、注文依頼にしたがって、施工業者用端末500に対して選択された商品の決済要求を行い、施工業者用端末500によって決済が行われると、その旨を、管理装置300を介して作業員用端末400に通知する。
【0033】
作業員用端末400の利用者である作業員は、この通知を受けて、飛行体700を操作すると、飛行体700は、施設の位置情報にしたがって、第三者用端末600が設置された施設まで飛行する。そして、飛行体700は、施設において、注文された商品の積み込みが完了すると、出発地点である施工現場まで戻る。
【0034】
本実施形態では、このように、作業員の移動経路に基づき、作業員用端末400の現在位置から最も近い施設と、施設の設備が利用可能であることを作業員に通知する。
【0035】
このため、本実施形態によれば、施工現場が、例えば、商業施設や休憩施設等が近傍に存在しない山間部等であっても、作業員に対して、施設内のトイレ設備を提供できる。また、本実施形態では、作業員が食料品や飲料品を容易に調達できるようにすることができる。したがって、本実施形態によれば、トイレ設備の使用や食事の調達等についての作業員の憂慮を解消することができ、施工現場の作業環境を改善することができる。
【0036】
さらに、本実施形態によれば、管理装置300は、施工現場毎に、作業員による施設での商品の注文履歴を管理し、施工業者に対して確認させることができる。したがって、本実施形態によれば、施工業者が複数の施工現場において施工を進めている場合でも、施工現場毎に、作業員の飲食等にかかる費用等を把握することができる。
【0037】
さらに、本実施形態によれば、施設側は、設備を提供することで、売上の増加を見込むことができる。
【0038】
尚、図1の例では、情報通信システムSYSに含まれるショベル100は1台としたが、これに限定されない。情報通信システムSYSに含まれるショベル100の台数は任意であって良く、管理装置300と通信が可能なショベル100は全て情報通信システムSYSに含まれても良い。
【0039】
また、図1の例では、情報通信システムSYSには、ショベル100、施工業者用端末500、飛行体700を含む構成としたが、これに限定されない。本実施形態の情報通信システムSYSは、例えば、管理装置300、作業員用端末400、情報処理装置600を含み、それ以外の装置は含まれなくても良い。
【0040】
また、本実施形態の管理装置300は、ショベル100と地理的に離れた位置に設置される端末装置である。管理装置300は、例えば、ショベル100が作業する施工現場外に設けられる管理センタ等に設置され、一又は複数のサーバコンピュータ等を中心に構成されるサーバ装置である。この場合、サーバ装置は、情報通信システムSYSを運用する事業者或いは当該事業者に関連する関連事業者が運営する自社サーバであっても良いし、クラウドサーバであっても良い。
【0041】
次に、図2を参照して、本実施形態の情報通信システムSYSについて、さらに説明する。図2は、実施形態の建設機械の情報通信システムの一例を示す構成図である。
【0042】
尚、図中において、機械的動力ラインは二重線、高圧油圧ラインは太い実線、パイロットラインは破線、電気駆動・制御ラインは細い実線でそれぞれ示される。
【0043】
本実施形態のショベル100の油圧アクチュエータを油圧駆動する油圧駆動系は、エンジン11と、メインポンプ14と、レギュレータ14aと、コントロールバルブ17を含む。また、ショベル100の油圧駆動系は、上述の如く、下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6のそれぞれを油圧駆動する走行油圧モータ1A,1B、旋回油圧モータ2A、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9等の油圧アクチュエータを含む。
【0044】
エンジン11は、油圧駆動系におけるメイン動力源であり、例えば、上部旋回体3の後部に搭載される。具体的には、エンジン11は、後述するエンジン制御装置(ECU:Engine Control Unit)74による制御下で、予め設定される目標回転数で一定回転し、メインポンプ14及びパイロットポンプ15を駆動する。エンジン11は、例えば、軽油を燃料とするディーゼルエンジンである。
【0045】
レギュレータ14aは、メインポンプ14の吐出量を制御する。例えば、レギュレータ14aは、コントローラ30からの制御指令に応じて、メインポンプ14の斜板の角度(傾転角)を調節する。
【0046】
メインポンプ14は、例えば、エンジン11と同様、上部旋回体3の後部に搭載され、高圧油圧ライン16を通じてコントロールバルブ17に作動油を供給する。メインポンプ14は、上述の如く、エンジン11により駆動される。メインポンプ14は、例えば、可変容量式油圧ポンプであり、上述の如く、コントローラ30による制御の下、レギュレータ14aにより斜板の傾転角が調節されることでピストンのストローク長が調整され、吐出流量(吐出圧)が制御されうる。
【0047】
コントロールバルブ17は、例えば、上部旋回体3の中央部に搭載され、オペレータによる操作装置26に対する操作に応じて、油圧駆動系の制御を行う油圧制御装置である。コントロールバルブ17は、上述の如く、高圧油圧ライン16を介してメインポンプ14と接続され、メインポンプ14から供給される作動油を、操作装置26の操作状態に応じて、油圧アクチュエータ(走行油圧モータ1A,1B、旋回油圧モータ2A、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9)に選択的に供給する。具体的には、コントロールバルブ17は、メインポンプ14から油圧アクチュエータのそれぞれに供給される作動油の流量と流れる方向を制御する複数の制御弁を含む。例えば、コントロールバルブ17は、ブーム4(ブームシリンダ7)に対応する制御弁を含む。また、例えば、コントロールバルブ17は、アーム5(アームシリンダ8)に対応する制御弁を含む。また、例えば、コントロールバルブ17は、バケット6(バケットシリンダ9)に対応する制御弁を含む。また、例えば、コントロールバルブ17は、上部旋回体3(旋回油圧モータ2A)に対応する制御弁を含む。また、例えば、コントロールバルブ17には、下部走行体1の右側のクローラ及び左側のクローラのそれぞれに対応する右走行制御弁及び左走行制御弁が含まれる。
【0048】
本実施形態に係るショベル100の操作系は、パイロットポンプ15と、操作装置26と、操作バルブ31を含む。
【0049】
パイロットポンプ15は、例えば、上部旋回体3の後部に搭載され、パイロットライン25を介して操作装置26及び操作バルブ31にパイロット圧を供給する。パイロットポンプ15は、例えば、固定容量式油圧ポンプであり、上述の如く、エンジン11により駆動される。
【0050】
操作装置26は、キャビン10の操縦席付近に設けられ、オペレータが各種動作要素(下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、バケット6等)の操作を行うための操作入力手段である。換言すれば、操作装置26は、オペレータがそれぞれの動作要素を駆動する油圧アクチュエータ(即ち、走行油圧モータ1A,1B、旋回油圧モータ2A、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9等)の操作を行うための操作入力手段である。操作装置26は、その二次側のパイロットラインがコントロールバルブ17にそれぞれ接続される。これにより、コントロールバルブ17には、操作装置26における下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の操作状態に応じたパイロット圧が入力されうる。そのため、コントロールバルブ17は、操作装置26における操作状態に応じて、それぞれの油圧アクチュエータを駆動することができる。
【0051】
操作バルブ31は、コントローラ30からの制御指令(例えば、制御電流)に応じて、パイロットライン25の流路面積を調整する。これにより、操作バルブ31は、パイロットポンプ15から供給される一次側のパイロット圧を元圧として、二次側のパイロットラインに制御指令に対応するパイロット圧を出力することができる。操作バルブ31は、その二次側ポートが、コントロールバルブ17のそれぞれの油圧アクチュエータに対応する制御弁の左右のパイロットポートに接続され、コントローラ30からの制御指令に応じたパイロット圧を制御弁のパイロットポートに作用させる。これにより、コントローラ30は、オペレータにより操作装置26が操作されていない場合であっても、パイロットポンプ15から吐出される作動油を、操作バルブ31を介して、コントロールバルブ17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給させ、油圧アクチュエータを動作させることができる。
【0052】
尚、操作バルブ31に加えて、油圧アクチュエータ内に発生する過剰な油圧を作動油タンクにリリーフする電磁リリーフ弁が設けられてもよい。これにより、オペレータによる操作装置26に対する操作量が過剰な場合等において、積極的に、油圧アクチュエータの動作を抑制させることができる。例えば、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9のボトム側油室及びロッド側油室のそれぞれの過剰な圧力を作動油タンクにリリーフする電磁リリーフ弁が設けられてよい。
【0053】
本実施形態に係るショベル100の制御系は、コントローラ30と、ECU74と、吐出圧センサ14bと、操作圧センサ15aと、表示装置40と、入力装置42と、撮像装置80と、状態検出装置S1と、通信機器T1を含む。
【0054】
コントローラ30は、ショベル100の駆動制御を行う。コントローラ30は、その機能が任意のハードウェア、ソフトウェア、或いは、その組み合わせにより実現されてよい。例えば、コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置と、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性の補助記憶装置と、各種入出力用のインタフェース装置等を含むコンピュータを中心に構成される。コントローラ30は、例えば、補助記憶装置にインストールされる各種プログラムをCPU上で実行することにより各種機能を実現する。
【0055】
例えば、コントローラ30は、オペレータ等の所定操作により予め設定される作業モード等に基づき、目標回転数を設定し、ECU74に制御指令を出力することより、ECU74を介して、エンジン11を一定回転させる駆動制御を行う。
【0056】
また、例えば、コントローラ30は、必要に応じてレギュレータ14aに対して制御指令を出力し、メインポンプ14の吐出量を変化させることにより、いわゆる全馬力制御やネガコン制御を行う。
【0057】
また、例えば、コントローラ30は、ショベル100に関する各種情報を管理装置300にアップロードする機能(以下、「アップロード機能」)を有していても良い。具体的には、コントローラ30は、ショベル100の所定の種別の作業時における作業パターン実績情報及び環境条件実績情報を、通信機器T1を通じて、管理装置300に送信(アップロード)してよい。コントローラ30は、例えば、補助記憶装置等にインストールされる一以上のプログラムをCPU上で実行することにより実現される、アップロード機能に関する機能部として、情報送信部301を含む。
【0058】
また、例えば、コントローラ30は、オペレータによる操作装置26を通じたショベル100の手動操作をガイド(案内)するマシンガイダンス機能に関する制御を行う。また、コントローラ30は、オペレータによる操作装置26を通じたショベル100の手動操作を自動的に支援するマシンコントロール機能に関する制御を行ってよい。コントローラ30は、例えば、補助記憶装置等にインストールされる一以上のプログラムをCPU上で実行することにより実現される、マシンガイダンス機能及びマシンコントロール機能に関する機能部として、作業パターン取得部302と、マシンガイダンス部303を含む。
【0059】
尚、コントローラ30の機能の一部は、他のコントローラ(制御装置)により実現されてもよい。即ち、コントローラ30の機能は、複数のコントローラにより分散される態様で実現されてもよい。例えば、上述したマシンガイダンス機能及びマシンコントロール機能は、専用のコントローラ(制御装置)により実現されてもよい。
【0060】
ECU74は、コントローラ30からの制御指令に応じて、エンジン11の各種アクチュエータ(例えば、燃料噴射装置等)を制御し、エンジン11を設定された目標回転数(設定回転数)で定回転させる(定回転制御)。このとき、ECU74は、エンジン回転数センサ11aにより検出されるエンジン11の回転数に基づき、エンジン11の定回転制御を行う。
【0061】
吐出圧センサ14bは、メインポンプ14の吐出圧を検出する。吐出圧センサ14bにより検出された吐出圧に対応する検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0062】
操作圧センサ15aは、上述の如く、操作装置26の二次側のパイロット圧、即ち、操作装置26におけるそれぞれの動作要素(油圧アクチュエータ)の操作状態に対応するパイロット圧を検出する。操作圧センサ15aによる操作装置26における下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の操作状態に対応するパイロット圧の検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0063】
表示装置40は、コントローラ30と接続され、コントローラ30による制御下で、キャビン10内の着座したオペレータから視認し易い位置に設けられ、各種情報画像を表示する。表示装置40は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等である。
【0064】
入力装置42は、キャビン10内の着座したオペレータから手が届く範囲に設けられ、オペレータによる各種操作を受け付け、操作内容に対応する信号を出力する。例えば、入力装置42は、表示装置40と一体化される。また、入力装置42は、表示装置40と別に設けられてもよい。入力装置42は、表示装置40のディスプレイに実装されるタッチパネル、操作装置26に含まれるレバーの先端に設けられるノブスイッチ、表示装置40の周囲に設置されるボタンスイッチ、レバー、トグル等を含む。入力装置42に対する操作内容に対応する信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0065】
撮像装置80は、ショベル100の周辺を撮像する。撮像装置80は、ショベル100の前方を撮像するカメラ80F、ショベル100の左方を撮像するカメラ80L、ショベル100の右方を撮像するカメラ80R、及び、ショベル100の後方を撮像するカメラ80Bを含む。
【0066】
カメラ80Fは、例えば、キャビン10の天井、即ち、キャビン10の内部に取り付けられている。また、カメラ80Fは、キャビン10の屋根、ブーム4の側面等、キャビン10の外部に取り付けられていてもよい。カメラ80Lは、上部旋回体3の上面左端に取り付けられ、カメラ80Rは、上部旋回体3の上面右端に取り付けられ、カメラ80Bは、上部旋回体3の上面後端に取り付けられている。
【0067】
撮像装置80(カメラ80F,80B,80L,80R)は、それぞれ、例えば、非常に広い画角を有する単眼の広角カメラである。また、撮像装置80は、ステレオカメラや距離画像カメラ等であってもよい。撮像装置80によるショベル100の周辺の撮像画像(以下、「周辺画像」)は、コントローラ30に取り込まれる。
【0068】
状態検出装置S1は、ショベル100の各種状態に関する検出情報を出力する。状態検出装置S1から出力される検出情報は、コントローラ30に取り込まれる。
【0069】
例えば、状態検出装置S1は、アタッチメントの姿勢状態や動作状態を検出する。具体的には、状態検出装置S1は、ブーム4、アーム5、及び、バケット6の俯仰角度(以下、それぞれ、「ブーム角度」、「アーム角度」、「バケット角度」)を検出してよい。つまり、状態検出装置S1は、ブーム角度、アーム角度、及びバケット角度のそれぞれを検出するブーム角度センサ、アーム角度センサ、及びバケット角度センサを含んでよい。また、状態検出装置S1は、ブーム4、アーム5、及び、バケット6の加速度、角加速度等を検出してよい。この場合、状態検出装置S1は、例えば、ブーム4、アーム5、及び、バケット6のそれぞれに取付けられる、ロータリエンコーダ、加速度センサ、角加速度センサ、6軸センサ、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)等を含みうる。また、状態検出装置S1は、ブーム4、アーム5、及び、バケット6のそれぞれを駆動するブームシリンダ7、アームシリンダ8、及び、バケットシリンダ9のシリンダ位置、速度、加速度等を検出するシリンダセンサを含みうる。
【0070】
また、例えば、状態検出装置S1は、機体、つまり、下部走行体1及び上部旋回体3の姿勢状態を検出する。具体的には、状態検出装置S1は、水平面に対する機体の傾斜状態を検出してよい。この場合、状態検出装置S1は、例えば、上部旋回体3に取り付けられ、上部旋回体3の前後方向及び左右方向の2軸回りの傾斜角度(以下、「前後傾斜角」及び「左右傾斜角」)を検出する傾斜センサを含みうる。
【0071】
また、例えば、状態検出装置S1は、上部旋回体3の旋回状態を検出する。具体的には、状態検出装置S1は、上部旋回体3の旋回角速度や旋回角度を検出する。この場合、状態検出装置S1は、例えば、上部旋回体3に取り付けられるジャイロセンサ、レゾルバ、ロータリエンコーダ等を含みうる。つまり、状態検出装置S1は、上部旋回体3の旋回角度等を検出する旋回角度センサを含んでよい。
【0072】
また、例えば、状態検出装置S1は、アタッチメントを通じてショベル100に作用する力の作用状態を検出する。具体的には、状態検出装置S1は、油圧アクチュエータの作動圧(シリンダ圧)を検出してよい。この場合、状態検出装置S1は、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9のそれぞれのロッド側油室及びボトム側油室の圧力を検出する圧力センサを含みうる。
【0073】
また、例えば、状態検出装置S1は、コントロールバルブ17内の制御弁のスプールの変位を検出するセンサを含んでよい。具体的には、状態検出装置S1は、ブームスプールの変位を検出するブームスプール変位センサを含んでよい。また、状態検出装置S1は、アームスプールの変位を検出するアームスプール変位センサを含んでよい。また、状態検出装置S1は、バケットスプールの変位を検出するバケットスプール変位センサを含んでよい。また、状態検出装置S1は、旋回スプールの変位を検出する旋回スプール変位センサを含んでよい。また、状態検出装置S1は、右走行制御弁及び左走行制御弁のそれぞれを構成する右走行スプール及び左走行スプールの変位を検出する右走行スプール変位センサ及び左走行スプール変位センサを含んでよい。
【0074】
また、例えば、状態検出装置S1は、ショベル100の位置や上部旋回体3の向き等を検出する。この場合、状態検出装置S1は、例えば、上部旋回体3に取り付けられるGNSS(Global Navigation Satellite System)コンパス、GNSSセンサ、方位センサ等を含みうる。
【0075】
通信機器T1は、通信ネットワークNWを通じて外部機器と通信を行う。通信機器T1は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応する移動体通信モジュールや、衛星通信網に接続するための衛星通信モジュール等である。
【0076】
情報送信部301は、ショベル100の所定の種別の作業時における作業パターン実績情報及び環境条件実績情報を、通信機器T1を通じて、管理装置300に送信する。情報送信部301により送信される作業パターン実績情報には、例えば、状態検出装置S1から入力される各種検出情報が含まれる。また、情報送信部301により送信される環境条件実績情報には、例えば、撮像装置80から入力されるショベル100の周辺画像が含まれる。また、情報送信部301により送信される環境条件実績情報には、ショベル100の内的環境条件、例えば、大容量バケット仕様、ロングアーム仕様、クイックカップリング仕様等の可変される仕様に関する情報が含まれてもよい。
【0077】
情報送信部301は、例えば、予め規定される対象の種別の作業が行われているか否かを逐次判定し、対象の種別の作業が行われていると判定すると、当該作業が行われている期間の作業パターン実績情報(つまり、状態検出装置S1から入力される各種検出情報)及び環境条件情報(つまり、撮像装置80から入力されるショベル100の周辺画像)を紐付けて、内部メモリ等に記録する。このとき、併せて、対象の種別の作業の開始及び終了に関する日時情報、並びに、当該作業時のショベル100の位置情報が、作業パターン実績情報及び環境条件実績情報のセットに更に紐付けられる態様で、内部メモリに保存されてもよい。このとき、日時情報は、例えば、コントローラ30内部の所定の計時手段(例えば、RTC(Real Time Clock))から取得されうる。そして、情報送信部301は、ショベル100のキーオフ時(停止時)等の所定のタイミングにおいて、記録された作業パターン実績情報及び環境条件実績情報のセットを、通信機器T1を通じて、管理装置300に送信する。また、情報送信部301は、対象の種別の作業が行われるたびに、その終了後、記録された作業パターン実績情報及び環境条件実績情報のセットを、通信機器T1を通じて、管理装置300に送信してもよい。
【0078】
尚、環境条件実績情報には、撮像装置80に代えて、或いは、加えて、ショベル100に搭載される他のセンサにより検出される検出情報が含まれてよい。例えば、ショベル100には、ミリ波レーダ、LIDAR(Light Detecting and Ranging)等の他のセンサが搭載され、環境条件実績情報には、これらの距離センサの検出情報が含まれる態様であってもよい。以下、後述する現環境条件情報についても同様である。また、環境条件実績情報には、天候情報が含まれてもよい。天候情報は、例えば、状態検出装置S1に含まれうる雨滴感知センサ、照度センサ等の検出情報が含まれうる。また、情報送信部301は、作業パターン実績情報だけを管理装置300に送信してもよい。また、情報送信部301は、状態検出装置S1の検出情報や撮像装置80によるショベル100の周辺画像を、通信機器T1を通じて、逐次、管理装置300にアップロードしてもよい。この場合、管理装置300は、ショベル100からアップロードされる情報の中から対象の種別の作業が行われたときの情報を抽出し、作業パターン実績情報及び環境情報を生成してよい。
【0079】
作業パターン取得部302は、所定の種別の作業を行う場合に、所定の目標指標に関する現在の環境条件に最適の作業パターン(最適作業パターン)を管理装置300から取得する。例えば、作業パターン取得部302は、オペレータによる入力装置42に対する所定操作(以下、「取得要求操作」)に応じて、ショベル100の現在の環境条件に関する情報(以下、「現環境条件情報」)を含む、作業パターンの取得を要求する信号(取得要求信号)を、通信機器T1を通じて、管理装置300に送信する。
【0080】
これにより、管理装置300は、ショベル100の現在の環境条件に合わせた最適な作業パターンをショベル100に提供できる。現環境条件情報には、例えば、撮像装置80によるショベル100の最新の周辺画像が含まれる。また、現環境条件情報には、ショベル100の内的環境条件、例えば、大容量バケット仕様、ロングアーム仕様、クイックカップリング仕様等の可変される仕様に関する情報が含まれてもよい。また、現環境条件情報には、状態検出装置S1に含まれうる雨滴感知センサや照度センサ等の検出情報、つまり、天候情報が含まれてもよい。そして、作業パターン取得部302は、取得要求信号に応じて管理装置300から送信され、通信機器T1により受信される作業パターンに関する情報を取得する。
【0081】
マシンガイダンス部303は、マシンガイダンス機能及びマシンコントロール機能に関する制御を行う。つまり、マシンガイダンス部303は、オペレータによる操作装置26を通じた各種動作要素(下部走行体1、上部旋回体3、並びに、ブーム4、アーム5、及びバケット6を含むアタッチメント)の操作を支援する。
【0082】
例えば、マシンガイダンス部303は、オペレータにより操作装置26を通じてアーム5の操作が行われている場合に、予め規定される目標設計面(以下、単に「設計面」)とバケット6の先端部(例えば、爪先や背面)とが一致するように、ブーム4及びバケット6の少なくとも一つを自動的に動作させてよい。また、マシンガイダンス部303は、併せて、アーム5を操作する操作装置26の操作状態に依らず、アーム5を自動的に動作させてもよい。つまり、マシンガイダンス部303は、オペレータによる操作装置26の操作をトリガにして、予め規定された動作をアタッチメントに行わせてよい。
【0083】
より具体的には、マシンガイダンス部303は、状態検出装置S1、撮像装置80、通信機器T1、及び入力装置42等から各種情報を取得する。また、マシンガイダンス部303は、例えば、取得した情報に基づいてバケット6と設計面との間の距離を算出する。そして、マシンガイダンス部303は、算出したバケット6と設計面との距離等に応じて、操作バルブ31を適宜制御し、油圧アクチュエータに対応する制御弁に作用するパイロット圧を個別に且つ自動的に調整することにより、それぞれの油圧アクチュエータを自動的に動作させることができる。操作バルブ31には、例えば、ブーム4(ブームシリンダ7)に対応するブーム比例弁が含まれる。また、操作バルブ31には、例えば、アーム5(アームシリンダ8)に対応するアーム比例弁が含まれる。また、操作バルブ31には、例えば、バケット6(バケットシリンダ9)に対応するバケット比例弁が含まれる。また、操作バルブ31には、例えば、上部旋回体3(旋回油圧モータ2A)に対応する旋回比例弁が含まれる。また、操作バルブ31には、例えば、下部走行体1の右側のクローラ及び左側のクローラのそれぞれに対応する右走行比例弁及び左走行比例弁が含まれる。
【0084】
マシンガイダンス部303は、例えば、掘削作業を支援するために、操作装置26に対するアーム5の開閉操作に応じて、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9の少なくとも一つを自動的に伸縮させてよい。掘削作業は、設計面に沿ってバケット6の爪先で地面を掘削する作業である。マシンガイダンス部303は、例えば、オペレータが操作装置26に対して手動でアーム5の閉じ方向の操作(以下、「アーム閉じ操作」)を行っている場合に、ブームシリンダ7及びバケットシリンダ9のうちの少なくとも一つを自動的に伸縮させる。
【0085】
また、マシンガイダンス部303は、例えば、法面や水平面の仕上げ作業を支援するためにブームシリンダ7、アームシリンダ8、及び、バケットシリンダ9の少なくとも一つを自動的に伸縮させてもよい。仕上げ作業は、例えば、バケット6の背面を地面に押さえ付けながら設計面に沿ってバケット6を手前に引く作業を含む。マシンガイダンス部303は、例えば、オペレータが操作装置26に対して手動でアーム閉じ操作を行っている場合に、ブームシリンダ7及びバケットシリンダ9の少なくとも一つを自動的に伸縮させる。これにより、所定の押し付け力でバケット6の背面を完成前の斜面(法面)或いは水平面に押し付けながら、完成後の法面或いは水平面である設計面に沿ってバケット6を移動させることができる。
【0086】
また、マシンガイダンス部303は、上部旋回体3を設計面に正対させるために旋回油圧モータ2Aを自動的に回転させてもよい。この場合、マシンガイダンス部303は、入力装置42に含まれる所定のスイッチが操作されることにより、上部旋回体3を設計面に正対させてよい。また、マシンガイダンス部303は、所定のスイッチが操作されるだけで、上部旋回体3を設計面に正対させ且つマシンコントロール機能を開始させてもよい。
【0087】
また、例えば、マシンガイダンス部303は、所定の種別の作業(例えば、掘削作業、積込み作業、仕上げ作業等)が行われている場合に、オペレータによる操作装置26に対する操作に応じて、アタッチメント、上部旋回体3、及び、下部走行体1の少なくとも一部の動作を、作業パターン取得部302により取得された作業パターン(最適作業パターン)に合わせるように制御する。これにより、オペレータは、ショベル100の操縦に関する習熟度に依らず、ショベル100の動作を、所定の目標指標、例えば、作業の速さの評価が相対的に高くなるように管理装置300から出力される、現在のショベル100の環境条件に最適な作業パターンに合わせることができる。
【0088】
また、マシンガイダンス部303は、最適作業パターンに基づき、ショベル100の動作の制御を行いながら、オペレータに対して、当該最適作業パターンに対応するショベル100の動作を表示装置40に表示させてもよい。例えば、マシンガイダンス部303は、最適作業パターンに基づき、ショベル100の動作の制御を行っている場合、最適作業パターンに対応するシミュレーション結果の動画を表示装置40に表示させる。これにより、オペレータは、実際の作業パターンの内容を表示装置40の動画で確認しながら、作業を進めることができる。
【0089】
本実施形態の管理装置300は、作業員情報記憶部310、施工計画情報記憶部320、施設情報記憶部330、注文履歴情報記憶部340、施設管理部350を有する。
【0090】
作業員情報記憶部310は、作業員に関する情報が格納される。施工計画情報記憶部320は、施工業者による施工計画を示す情報が格納される
施設情報記憶部330は、作業員が利用することができる施設に関する情報が格納される。具体的には、施設情報記憶部330は、施工現場から所定範囲内に存在する施設であって、且つ、管理装置300の管理者との交渉により、設備の利用が許可されている施設に関する情報が格納される。管理装置300の管理者とは、例えば、情報通信システムSYSを運用する事業者或いは当該事業者に関連する関連事業者である。
【0091】
注文履歴情報記憶部340は、作業員が施設に対して行った注文の履歴を示す情報が格納される。各記憶部の詳細は後述する。
【0092】
尚、図2に示す各記憶部は、1つの記憶部305として構成されても良い。言い換えれば、記憶部305は、作業員情報記憶部310、施工計画情報記憶部320、施設情報記憶部330、注文履歴情報記憶部340を含む。
【0093】
施設管理部350は、作業員用端末400の位置情報の推移から求められる作業員用端末400の移動経路に基づき、作業員が利用する施設を特定し、作業員用端末400に通知する。また、施設管理部350は、作業員用端末400と第三者用端末600との仲介を行う。また、施設管理部350は、施工業者用端末500に対して、作業員による施設での商品の注文状況を確認させる。
【0094】
尚、図2の例では、作業員情報記憶部310、施工計画情報記憶部320、施設情報記憶部330、注文履歴情報記憶部340が管理装置300に設けられるものとしたが、これに限定されない。上述した各記憶部は、一部又は全部が管理装置300と通信が可能な外部の装置に設けられていても良い。
【0095】
また、図2の例では、施設管理部350が管理装置300に設けられるものとしたが、これに限定されない。施設管理部350は、例えば、複数の管理装置によって実現されても良い。
【0096】
以下に、本実施形態の管理装置300について説明する。図3は、実施形態の管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0097】
本実施形態の管理装置300は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置311、出力装置312、ドライブ装置313、補助記憶装置314、メモリ装置315、演算処理装置316及びインタフェース装置317を含むコンピュータである。
【0098】
入力装置311は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス等により実現される。出力装置312は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等により実現される。インタフェース装置317は、LANカード等を含み、ネットワークに接続する為に用いられる。
【0099】
施設管理部350を実現させる施設管理プログラムは、管理装置300を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。施設管理プログラムは、例えば記憶媒体318の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。施設管理プログラムを記録した記憶媒体318は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記憶媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記憶媒体を用いることができる。
【0100】
また、施設管理プログラムは、これらのプログラムを記録した記憶媒体318がドライブ装置313にセットされると、記憶媒体318からドライブ装置313を介して補助記憶装置314にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた施設管理プログラムは、インタフェース装置317を介して補助記憶装置314にインストールされる。
【0101】
補助記憶装置314は、管理装置300の有する各記憶部等を実現するものであり、管理装置300にインストールされた施設管理プログラムを格納すると共に、管理装置300による各種の必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置315は、管理装置300の起動時に補助記憶装置314から施設管理プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置316はメモリ装置315に格納された施設管理プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0102】
次に、図4乃至図7を参照して、本実施形態の管理装置300の有する各記憶部について説明する。管理装置300の有する各記憶部は、例えば、補助記憶装置314やメモリ装置315等に設けられても良い。
【0103】
図4は、実施形態の作業員情報記憶部の一例を示す図である。本実施形態の作業員情報記憶部310は、作業員用端末400において、作業員によって入力された作業員に関する情報が格納される。以下の説明では、作業員情報記憶部310に格納された情報を作業員情報と呼ぶ。
【0104】
本実施形態の作業員情報は、情報の項目として、ユーザID、パスワード、氏名、年齢、住所、性別、連絡先、作業場所、作業日程、作業時間等を含む。
【0105】
作業員情報記憶部310において、項目「ユーザID」は、その他の項目と対応付けられている。項目「ユーザID」の値は、作業員を特定する識別情報である。したがって、項目「ユーザID」の値は、作業員を識別するための作業員IDと同義である。また、項目「ユーザID」の値は、作業員が利用する作業員用端末400を識別する端末IDであっても良いし、端末IDと対応付けられていても良い。つまり、項目「ユーザID」の値は、作業員用端末400を特定する情報である。
【0106】
項目「パスワード」の値は、作業員が情報通信システムSYSにログインする際等に入力されるパスワードである。項目「氏名」、「年齢」、「住所」、「性別」、「連絡先」のそれぞれの値は、作業員の氏名、年齢、住所、性別、連絡先を示す。
【0107】
項目「作業場所」の値は、作業員が作業を行う施工現場を示す。項目「作業日程」は、作業員が作業を行う日程を示す。項目「作業時間」の値は、作業員が作業を行う時間帯を示す。
【0108】
尚、本実施形態では、項目「ユーザID」、「パスワード」、「氏名」、「年齢」、「住所」、「性別」、「連絡先」の値は、作業員用端末400において、作業員によって入力されても良い。この場合、項目「作業場所」、「作業日程」、「作業時間」の値は、施工業者用端末500によって、後述する施工計画情報が入力された際に、ユーザIDと対応付けられて、作業者情報記憶部310に格納されても良い。
【0109】
図5は、実施形態の施工計画情報記憶部の一例を示す図である。本実施形態の施工計画情報記憶部320は、施工業者用端末500において、施工業者によって入力される施工計画を示す情報が格納される。
【0110】
以下の説明では、施工計画情報記憶部320に格納された情報を施工計画情報と呼ぶ。本実施形態の施工計画情報記憶部320では、施工計画情報は、施工現場毎に格納される。
【0111】
本実施形態の施工計画情報は、情報の項目として、作業工程、作業日程、作業場所、作業時間、作業員を含む。これらの各項目は、施工業者を特定する識別情報と対応付けられている。尚、図5の例では、施工業者を特定する識別情報を、施工業者名としているが、これに限定されない。
【0112】
項目「作業日程」の値は、施工計画において決定される作業工程を示し、項目「作業日程」の値は、作業が行われる日程を示す。
【0113】
項目「作業場所」の値は、対応する作業工程の作業が行われる施工現場を示し、項目「作業時間」の値は、作業の開始時刻と終了時刻とを示す。言い換えれば、項目「作業時間」の値は、作業員が作業を行う時間帯を示す。項目「作業員」の値は、対応する作業工程の作業に従事する作業員のユーザIDを示す。
【0114】
図5の例では、作業工程1の作業は、施工現場が×市○区であり、2019年6月7日〜6月9日の期間で、9:00〜17:00に行われる作業であり、ユーザID「1」、「2」、「3」の作業員が作業を行う予定であることがわかる。
【0115】
図6は、実施形態の施設情報記憶部の一例を示す図である。本実施形態の施設情報記憶部330は、予め管理装置300に設けられていても良い。
【0116】
施設情報記憶部330は、例えば、「作業員が設備を利用する代わりに、食料品や飲料品を購入すること」等といった条件の交渉を管理装置300の管理者が予め行っている施設に関する情報が格納される。以下の説明では、施設情報記憶部330に格納される情報を施設情報と呼ぶ。
【0117】
本実施形態の施設情報は、情報の項目として、施設ID、第三者用端末ID、施設名、位置情報、URL(Uniform Resource Locator)、設備等を有し、項目「施設ID」とその他の項目とが対応付けられている。
【0118】
項目「施設ID」の値は、施設を特定するための識別情報を示す。項目「施設ID」の値によって特定される施設は、施工現場から所定範囲内に存在する施設である。
【0119】
項目「第三者用端末ID」の値は、施設に設置された第三者用端末600を特定するための識別情報であり、項目「施設名」の値は、施設の名称を示す。
【0120】
項目「位置情報」の値は、施設の位置を緯度・経度で示す位置情報を示す。項目「URL」の値は、施設で販売している商品の注文画面や、施設で利用する設備等を選択させる画面を表示させるためのURLを示す。項目「設備」の値は、施設で利用が許可されている設備の種類を示す。
【0121】
図6の例では、施設ID「1」であり、第三者用端末ID「101」の第三者用端末600が設置されたFコンビニは、トイレ、ATM(automated/automatic teller machine)、電子レンジが利用可能であることがわかる。
【0122】
図7は、実施形態の注文履歴情報記憶部の一例を示す図である。本実施形態の注文履歴情報記憶部340は、作業員用端末400から注文依頼を受け付けて、第三者用端末600に対して発注を行った商品を示す注文履歴情報が格納される。
【0123】
本実施形態の注文履歴情報は、作業員用端末400からの注文依頼に応じて第三者用端末600に発注された商品を示す発注済み情報341と、発注された商品の代金が決済済みであることを示す決済情報342と、を含む。
【0124】
発注済み情報341は、管理装置300が、作業員用端末400から注文依頼を受け付けて、第三者用端末600に発注を行う度に追加される。決済情報342は、管理装置300が、発注済み情報341が示す商品代金の決済完了通知を施工業者用端末500から受信すると、発注済み情報341に対応付けられて、注文履歴情報記憶部340に格納される。
【0125】
本実施形態の注文履歴情報において、発注済み情報341は、情報の項目として、施設ID、ユーザID、購入商品、単価、個数等を含み、決済情報342は、情報の項目として、決済日、決済時刻等を含む。また、これらの各項目は、施工業者を特定する識別情報と対応付けられている。
【0126】
項目「購入商品」の値は、ユーザIDによって特定される作業員が、施設IDで特定される施設において購入した商品を示し、項目「単価」の値は、商品の単価を示し、項目「個数」の値は、購入された商品の数を示す。
【0127】
項目「決済日」の値は、作業員からの商品の注文に応じて施工業者用端末500が決済を行った日付を示し、項目「決済時刻」の値は、決済を行った時刻を示す。
【0128】
図7の例では、ユーザID「1」の作業員が施設ID「1」の施設で注文した450円の焼き肉弁当1つの代金について、2019年6月7日の11時55分に決済されたことがわかる。
【0129】
次に、図8を参照して、本実施形態の管理装置300の機能について説明する。図8は、実施形態の管理装置の機能を説明する図である。
【0130】
本実施形態の管理装置300の施設管理部350は、入力受付部351、位置情報取得部352、施設特定部353、通知出力部354、認証部355、発注部356、注文履歴更新部357、注文履歴取得部358、表示制御部359を有する。
【0131】
入力受付部351は、管理装置300に対する各種の入力を受け付ける。具体的には、入力受付部351は、例えば、作業員用端末400からの作業員情報や、施工業者用端末500からの施工計画情報、施設情報の入力を受け付ける。
【0132】
位置情報取得部352は、作業員用端末400から位置情報を取得する。具体的には、位置情報取得部352は、例えば、施工計画情報に含まれる作業の開始時刻となったときに、作業員用端末400から位置情報を取得しても良い。また、位置情報取得部352は、例えば、施工計画情報に含まれる作業の終了時刻になったときに、作業員用端末400から、その日に作業員用端末400が蓄積していた位置情報群を取得しても良い。
【0133】
施設特定部353は、位置情報取得部352が取得した位置情報と、施設情報記憶部330とに基づき、作業員用端末400の移動経路を推定し、移動経路に応じて、作業員用端末400の現在位置から最も近い施設を特定する。施設特定部353の処理の詳細は後述する。
【0134】
通知出力部354は、作業員用端末400、施工業者用端末500、第三者用端末600のそれぞれに対して出力する各種の通知を生成し、出力する。
【0135】
認証部355は、作業員用端末400から商品の注文依頼を受け付けると、作業員用端末400が施設を利用する権限を有する作業員であるか否かを判定し、権限を有する作業員である場合に、この作業員を認証する。認証部355の処理の詳細は、後述する。
【0136】
発注部356は、作業員用端末400から商品の注文依頼を受け付けると、第三者用端末600に対して、注文依頼に応じた商品の発注を通知する。
【0137】
注文履歴更新部357は、発注部356により、注文依頼に応じた発注が行われると、注文履歴情報記憶部340を更新する。具体的には、注文履歴更新部357は、発注が行われると、発注内容を示す発注済み情報341を注文履歴情報記憶部340に追加する。
【0138】
また、注文履歴更新部357は、発注された商品代金の決済の完了を示す決済完了通知を施工業者用端末500から受け付けると、決済情報342を発注済み情報341と対応付けて、注文履歴情報記憶部340に格納する。
【0139】
注文履歴取得部358は、施工業者用端末500から、決済状況の確認要求を受けて、注文履歴情報記憶部340から決済情報を取得する。
【0140】
表示制御部359は、作業員用端末400、施工業者用端末500、第三者用端末600のそれぞれに対する表示を制御する。
【0141】
次に、図9を参照して、本実施形態の情報通信システムSYSの動作について説明する。図9は、情報通信システムの動作を説明する第一のシーケンス図である。
【0142】
情報通信システムSYSにおいて、管理装置300は、位置情報取得部352により、作業員用端末400に対して、位置情報の取得要求を行う(ステップS901)。作業員用端末400は、この要求を受けて、管理装置300に対して自機の位置情報を送信する(ステップS902)。尚、管理装置300が位置情報の取得要求を行うタイミングは、任意のタイミングであって良い。例えば、管理装置300は、作業の開始時刻や終了時刻に、作業員用端末400に位置情報の取得要求を送信しても良い。
【0143】
また、本実施形態の作業員用端末400は、作業の開始時刻から定期的に位置情報の取得を開始し、管理装置300から取得要求を受け付けるまで蓄積していても良い。この場合、作業員用端末400は、位置情報の取得要求を受け付けると、蓄積していた位置情報群を管理装置300へ送信しても良い。尚、作業員用端末400は、一般的なスマートフォン等であって良く、GPS(Global Positioning System)機能を有する。
【0144】
管理装置300は、位置情報取得部352により、作業員用端末400から送信された位置情報を取得すると、施設特定部353により、取得した位置情報と、施設情報記憶部330とに基づき、作業員用端末400の現在位置から最も近い施設を特定する(ステップS903)。
【0145】
続いて、管理装置300は、通知出力部354により、特定される施設についての利用予定に関する情報を抽出し(ステップS904)、特定された施設の第三者用端末600に対して、施設の利用の予定に関する情報を送信する(ステップS905)。以下の説明では、施設の利用の予定に関する情報を、利用予定情報と呼ぶ場合がある。
【0146】
具体的には、通知出力部354は、作業員用端末400から取得した位置情報と、施工計画情報記憶部320とを参照して、施工現場を特定する。また、通知出力部354は、管理装置300の有する計時機能により、作業員用端末400の位置情報を取得した日時を特定する。次に、通知出力部354は、施工計画情報記憶部320を参照し、特定された施工現場及び日時と対応する作業員を特定する。
【0147】
そして、通知出力部354は、特定された作業員の人数、作業時間等を含む情報を、利用予定情報として、第三者用端末600に送信する。第三者用端末600は、利用予定情報を受信すると、利用予定情報を表示させる(ステップS906)。
【0148】
本実施形態では、このように、第三者用端末600に、作業員の利用の予定を通知することができる。
【0149】
また、管理装置300は、施設が特定されると、表示制御部359により、作業員用端末400に対して、特定された施設の施設情報の表示を指示する(ステップS907)。言い換えれば、管理装置300は、作業員用端末400に対して、特定された施設の施設情報を送信する。
【0150】
作業員用端末400は、表示指示を受けて、施設情報をディスプレイに表示させる(ステップS908)。
【0151】
ステップS908において、作業員用端末400では、例えば、施設の利用方法を選択するための画面や、施設で販売している商品の購入画面等が表示されても良い。
【0152】
施設の利用方法を選択するための画面には、例えば、選択肢として、トイレの利用、商品の購入、宅配便の受け取り等といった、施設で提供されるサービスの一覧が表示されても良い。
【0153】
作業員用端末400は、商品の購入画面において、商品が選択されて注文依頼を指示する操作が行われると、注文依頼を管理装置300へ送信する(ステップS909)。この注文依頼には、作業員用端末400のユーザIDが含まれる。また、このとき、作業員用端末400は、注文依頼と共に、自機の現在位置を示す位置情報と、注文依頼を行ったときの日時を示す日時情報とを管理装置300に送信する。
【0154】
管理装置300は、注文依頼と共に、位置情報と日時情報を受け付けると、認証部355により、作業員用端末400のユーザである作業員の認証を行う(ステップS910)。図9のステップS911以降の処理は、ステップS910において、作業員が認証された場合の処理である。
【0155】
管理装置300は、認証部355によって作業員が認証されると、通知出力部354により、飛行体700に対して、特定された施設の位置情報を通知する(ステップS911)。
【0156】
また、管理装置300は、発注部356により、注文依頼に応じて、第三者用端末600に対して商品の発注を通知する(ステップS912)。続いて、管理装置300は、注文履歴更新部357により、発注内容を示す発注済み情報341を注文履歴情報記憶部340に格納する(ステップS913)。
【0157】
第三者用端末600は、発注の通知を受け付けると、発注を受けたことを示す画面を表示させ(ステップS914)、施工業者用端末500に対して、発注された商品代金の決済要求を送信する(ステップS915)。決済要求には、商品代金の合計金額が含まれる。
【0158】
施工業者用端末500は、決済要求を受け付けると、決済を行い(ステップS916)、決済の完了を示す決済完了通知を第三者用端末600へ通知する(ステップS917)。
【0159】
尚、施工業者用端末500による決済は、様々な方法で行うことができる。例えば、施工業者用端末500は、施工業者名義のクレジットカードや電子マネー等を用いて決済を行っても良い。
【0160】
第三者用端末600は、施工業者用端末500から決済完了通知を受け付けると、決済完了通知を管理装置300へ送信する(ステップS918)。
【0161】
管理装置300は、決済完了通知を受け付けると、決済完了通知を受け付けた日付と時刻を決済情報342とし、発注済み情報341と対応付けて注文履歴情報記憶部340に格納する(ステップS919)。
【0162】
尚、発注済み情報341と決済情報342との対応付けは、施設IDを用いて行っても良い。この場合、第三者用端末600から施工業者用端末500に送信される決済要求と、施工業者用端末500から通知される決済完了通知には、施設IDが含まれる。
【0163】
続いて、管理装置300は、表示制御部359により、注文依頼を行った作業員用端末400に対し、決済完了の通知と、飛行体700の操作画面の表示を指示する(ステップS920)。作業員用端末400は、決済完了の通知を含む操作画面を表示させる(ステップS921)。
【0164】
作業員用端末400は、操作画面において、飛行体700に対する飛行を指示する操作を受け付けると、飛行体700に対して飛行を指示する(ステップS922)。尚、このとき、作業員用端末400は、飛行指示と共に、自機の位置情報を飛行体700に送信しても良い。この位置情報は、飛行体700が施設から戻ってくるときの参考位置とされても良い。
【0165】
飛行体700は、飛行指示を受けると、ステップS911で通知された施設の位置情報を目標地点として、飛行を開始する。そして、飛行体700は、施設において決済が完了した商品の飛行体700への積み込みが完了すると、再び飛行を開始し、施工現場まで戻る。
【0166】
このとき、飛行体700は、例えば、再び飛行を開始した時点で、管理装置300に対して帰路についたことを示す通知を送信する(ステップS924)。
【0167】
管理装置300は、この通知を受け付けると、表示制御部359により、作業員用端末400に対して、飛行体700に積み込まれた商品の受取を確認するための確認画面の表示を指示する(ステップS925)。
【0168】
作業員用端末400は、表示指示を受けて、受け取り画面を表示させる(ステップS926)。続いて、作業員用端末400は、受け取り画面において、商品を受け取ったことを示す操作を受け付けると、受け取り完了通知を管理装置300に送信する(ステップS927)。管理装置300は、この受け取り完了通知を第三者用端末600に通知する(ステップS928)。
【0169】
ここまでの処理により、情報通信システムSYSを用いた作業員による商品の購入が完了する。
【0170】
このように、本実施形態によれば、作業員は、キャッシュレスで商品を購入することができるため、現金を準備する必要がなく、利便性を向上させることができる。
【0171】
尚、図9に示す各ステップは、情報通信システムSYSにおける一連の動作として実行されなくても良い。例えば、ステップS901からステップS905の処理は、一日の作業が終了した後に行われても良い。
【0172】
また、本実施形態では、飛行体700は、作業員用端末400からの飛行指示を受けて施工現場から施設に向かい、商品が積み込まれた後で、施設から施工現場に戻るように構成されている。しかしながら、飛行体700は、施設で待機している飛行体であってもよい。この場合、飛行体700は、第三者用端末600から飛行指示を受けて施設から施工現場に向かい、商品を降ろした後で、施工現場から施設に戻るように構成されていてもよい。
【0173】
次に、図10及び図11を参照して、施設特定部353と認証部355の処理について説明する。図10は、施設特定部の処理を説明するフローチャートである。図10は、図9のステップS903の処理の詳細を示している。
【0174】
本実施形態の施設特定部353は、位置情報取得部352により、作業員用端末400から位置情報を取得すると、位置情報が作業員用端末400の位置の推移を示すか否かを判定する(ステップS1001)。
【0175】
言い換えれば、施設特定部353は、位置情報取得部352が取得した位置情報が、位置情報群であるか否かを判定している。位置情報群には、作業員用端末400の移動の履歴を示す複数の位置情報が含まれる。つまり、位置情報群とは、作業員用端末400の位置の推移を示す位置推移情報である。ステップS1001において、作業員用端末400の位置が変動していない場合、施設特定部353は、後述するステップS1004へ進む。
【0176】
ステップS1001において、位置情報が作業員用端末400の位置の推移を示す場合、施設特定部353は、作業員用端末400の位置の推移から、作業員用端末400が移動した経路を推定する(ステップS1002)。
【0177】
続いて、施設特定部353は、地図情報において、推定した経路と対応する道路が存在するか否かを判定する(ステップS1003)。
【0178】
この場合、施設特定部353は、例えば、インターネット等を介して提供される地図情報と、推定した経路とを照合させて、対応する道路が地図上に存在するか否かを判定しても良い。
【0179】
ステップS1003において、対応する道路が存在する場合、施設特定部353は、施設情報記憶部330と地図情報とを参照し、作業員用端末400の現在位置から施設までの道路の距離が最も短い施設を特定し(ステップS1004)、処理を終了する。
【0180】
推定した経路と対応する道路が存在するということは、作業員は、一般的な道路を通って移動していることを示している。このため、作業員用端末400の現在位置と地図情報とに基づき、最も近いとされる施設を特定すれば良い。つまり、この場合には、現在位置から施設までの道路の距離が最も短く、且つ、施設までの移動時間が最も短い施設が特定される。
【0181】
ステップS1003において、対応する道路が存在しない場合、施設特定部353は、施設情報記憶部330と、推定した経路と、地図情報とを参照し、施設までの移動時間が最も短くなる施設を特定し(ステップS1005)、処理を終了する。
【0182】
推定した経路と対応する道路が存在しないということは、作業員は、道路として地図情報に登録されていない未完成のルートを通って移動していることを示す。したがって、この場合、施設特定部353は、推定した経路と、地図情報とを組み合わせて、施工現場からの移動時間が最も短くなる施設を特定する。
【0183】
本実施形態では、このようにして、施設を特定することで、施工現場が未完成のルートの先や、道路が存在しない山間部等である場合でも、作業員を誤った方向へ案内したり、移動に時間がかかる施設へ案内することを防止できる。
【0184】
図11は、認証部の処理を説明するフローチャートである。図11は、図9のステップS910の処理の詳細を示している。
【0185】
本実施形態の認証部355は、作業者情報記憶部310を参照し、注文依頼に含まれるユーザIDとユーザIDが一致する作業員情報を特定する(ステップS1101)。
【0186】
続いて、認証部355は、注文依頼と共に取得した作業員用端末400の位置情報が、特定した作業員情報が示す作業場所に含まれるか否かを判定する(ステップS1102)。
【0187】
作業場所に位置情報が含まれない場合とは、作業員用端末400を所持している作業員が、施工現場とは別の場所にいる作業員であり、施設特定部353によって特定された施設を利用する権限が与えられていないことを示す。
【0188】
したがって、認証部355は、ステップS1102において、作業場所に位置情報が含まれない場合、作業員の認証に失敗したことを示すエラーを作業員用端末400に通知し(ステップS1103)、処理を終了する。
【0189】
ステップS1102において、作業場所に位置情報が含まれる場合、認証部355は、注文依頼と共に取得した日時情報が示す日付と時間が、特定された作業員情報が示す作業日程と作業時間に含まれるか否かを判定する(ステップS1104)。
【0190】
日時情報が示す日付と時間が、作業員情報が示す作業日程と作業時間に含まれない場合とは、注文依頼を行った日時が、施設の利用を許可された期間ではなく、この作業員は施設を利用する権限が与えられていないことを示す。
【0191】
したがって、認証部355は、ステップS1103において、作業員情報が示す作業日程と作業時間に含まれない場合、作業員の認証に失敗したものとして、ステップS1103へ進む。
【0192】
ステップS1104において、特定された作業員情報が示す作業日程と作業時間に含まれる場合、認証部355は、注文依頼を行った作業員は、特定された施設を利用する権限があるものとして、この作業員の認証を成功とし(ステップS1105)、処理を終了する。
【0193】
言い換えれば、認証部355は、作業員用端末400から要求(注文依頼)を受けると、施行計画情報と、注文依頼を受けたときの日時を示す日時情報及び作業員用端末400の位置情報とに基づき、要求を第三者用端末600へ送信するか否かを判定する。
【0194】
このように、本実施形態では、認証部355は、作業員用端末400から受け付けた注文依頼が、施工現場から、予め決められた作業日程の期間内の作業時間中に行われたものか否かを判定し、判定結果に応じて、注文依頼を行った作業員を認証する。
【0195】
このため、本実施形態では、例えば、施工現場での作業が終了しているにも関わらず、過去に利用が許可された施設で商品が購入され、商品代金の決済が施工業者に要求されるといった事態を防止でき、施設の不正な利用が抑制される。
【0196】
次に、図12と図13を参照して、作業員用端末400の表示例について説明する。図12は、作業員用端末の表示例を説明する第一の図である。
【0197】
図12(A)に示す画面121は、図9のステップS908で作業員用端末400に表示される画面の例を示す。
【0198】
画面121は、施設特定部353によって特定された施設の施設情報が表示される。画面121は、表示欄121−1、121−2、121−3、121−4を含む。表示欄121−1は、日付と、利用が可能な施設の施設名が表示される。表示欄121−2は、施設の位置情報が表示される。
【0199】
表示欄121−3は、利用可能な設備を示す情報が表示される。表示欄121−4は、画面121を、施設で販売している商品の購入画面へ遷移させるための情報が表示されている。
【0200】
ここで、表示欄121−2について説明する。画面121では、施設の位置情報として、施設までの移動ルートを示す地図が表示されている。
【0201】
表示欄121−2に表示された地図において、作業員用端末400の現在位置は、ポインタPが示す位置である。また、ルートR1は、既存の地図情報には対応する道路がなく、作業員用端末400から取得した位置推移情報によって推定された経路である。ルートR2は、一般的な道路である。また、マークS1とマークS2は、それぞれが施設情報記憶部330に施設情報が格納されている施設を示す。
【0202】
本実施形態では、現在位置と最も距離が近い施設は、ルートR2沿いにあるマークS1が示す施設である。しかしながら、現在位置からルートR2に到達するためには、ルートR1を通らなければならず、作業員は、マークS1が示す施設と離れる方向へ移動してから、再度、マークS1が示す施設へ近づくことになり、移動時間が長くなる。
【0203】
これに対して、マークS2が示す施設である「Fコンビニ」は、現在位置からの距離は、マークS1が示す施設よりも遠い。しかし、「Fコンビニ」は、マークS1が示す施設よりも、ルートR1とルートR2とが交わる点の近くに位置しており、ルートR1を通ることで、作業員は、「Fコンビニ」に近づく。したがって、現在位置から「Fコンビニ」までの移動時間は、現在位置からマークS1が示す施設よりも短くなる。
【0204】
そこで、本実施形態では、利用可能な施設として、「Fコンビニ」を特定し、「Fコンビニ」の施設情報が作業員用端末400に表示させる。
【0205】
また、画面121では、表示欄121−3に利用可能な設備を示す情報が表示されるため、作業員は、施設で利用できる設備を事前に知ることができる。図12の例では、Fコンビニでは、トイレ設備、ATM、電子レンジの利用が可能であることがわかる。
【0206】
画面121において、表示欄121−4に表示されたURLが選択されると、作業員用端末400は、画面121を図12(B)に示す画面122へ遷移させる。
【0207】
図12に示す画面122は、Fコンビニで販売されている商品の購入画面の一例である。画面122は、表示欄122−1、122−2、122−3と操作ボタン123を含む。
【0208】
表示欄122−1は、商品のカテゴリの一覧が表示されており、この一覧からカテゴリを選択することができる。表示欄122−2は、表示欄122−1で選択されたカテゴリに分類された商品の一覧が表示される。本実施形態では、表示欄122−2において、商品の選択を受け付けると、選択された商品を購入予定の商品としても良い。
【0209】
表示欄122−3は、注文依頼を行った後の商品の受け取り方法を選択する選択肢が表示される。画面122の例では、選択肢として、店頭で受け取る方法と、飛行体700(ドローン)で配送する方法とが表示される。
【0210】
作業員用端末400は、画面122において、商品が選択されて、操作ボタン123が操作されると、選択された商品の注文依頼を管理装置300に送信する。
【0211】
図13は、作業員用端末の表示例を説明する第二の図である。図13(A)に示す画面131は、図9のステップS921で作業員用端末400に表示される操作画面の例を示す。
【0212】
画面131には、作業員用端末400から送信された注文依頼に応じて発注された商品の決済が完了したことを示すメッセージ132と、飛行体700に対する飛行を指示するための操作ボタン133とが表示される。
【0213】
作業員用端末400は、画面131において、操作ボタン133が操作されると、飛行体700に対して飛行の指示と、自機の位置情報とを送信する。
【0214】
図13(B)に示す画面134は、図9のステップS926で作業員用端末400に表示される確認画面の一例を示す。
【0215】
画面134には、商品の受取の確認を促すメッセージ135と、商品を受け取ったことを示す受け取り完了通知を送信するための操作ボタン136とが表示される。
【0216】
作業員用端末400は、画面134において、操作ボタン136が操作されると、管理装置300に対して、商品を受け取ったことを示す受け取り完了通知を送信する。
【0217】
次に、図14を参照して、第三者用端末600の表示例について説明する。図14は、第三者用端末の表示例を説明する図である。
【0218】
図14(A)に示す画面141は、図9のステップS906で第三者用端末600に表示される画面の例を示す。
【0219】
画面141には、第三者用端末600が設置された施設を利用する予定である作業員の人数、作業時間、利用する可能性がある設備を含む利用予定情報が表示される。
【0220】
本実施形態では、このように、施設側に対し、施設を利用する予定がある作業員の利用予定を予め通知することができる。したがって、施設側では、商品に対する需要の増減を把握することができ、予め需要が大きいと推測される商品を多めに仕入れる、といった対応をとることができる。
【0221】
図14(B)に示す画面142は、図9のステップS914で第三者用端末600に表示される画面の例を示す。
【0222】
画面142は、表示欄143、144、145を有する。表示欄143には、第三者用端末600が発注を受け付けたことを示すメッセージが表示される。表示欄144には、受け付けた発注の内容を示す一覧が表示される。表示欄145には、発注された商品に対して指定された受け取り方法が表示される。
【0223】
本実施形態では、このように、発注の内容を施設側に通知することで、施設側では、発注された商品の受け渡しを速やかに行えるように、準備することができる。
【0224】
また、本実施形態では、施工業者に対し、施工現場毎の商品の注文状況を確認させることができる。
【0225】
図15は、情報通信システムの動作を説明する第二のシーケンス図である。図15では、施工業者が、施工現場毎の商品の注文状況や決済状況を確認する場合の情報通信システムSYSの動作を示す。
【0226】
本実施形態の情報通信システムSYSにおいて、管理装置300は、例えば、注文履歴更新部357により、注文履歴情報記憶部340が更新されると(ステップS1501)、通知出力部354により、注文履歴情報が更新されたことを施工業者用端末500に通知する(ステップS1502)。施工業者用端末500は、この通知を受け付けると、注文履歴情報が更新されたことを示すメッセージを表示させても良い。
【0227】
施工業者用端末500は、注文履歴情報の確認要求を示す操作を受け付けると(ステップS1503)、確認要求を管理装置300へ送信する(ステップS1504)。
【0228】
管理装置300は、確認要求を受け付けると、注文履歴取得部358により、確認要求を行った施工業者と対応する注文履歴情報を取得する(ステップS1505)。続いて、管理装置300は、表示制御部359により、注文履歴情報の確認画面の表示指示を施工業者用端末500に通知する(ステップS1506)。施工業者用端末500は、表示指示を受けて、注文履歴情報の確認画面を表示させる(ステップS1507)。
【0229】
以下に、図16及び図17を参照して、施工業者用端末500の表示例について説明する。図16は、施工業者用端末の表示例を示す第一の図である。
【0230】
図16に示す画面161は、例えば、施工業者Aが、×市○区の施工現場における作業期間中に、注文履歴情報の確認要求を行った場合に、施工業者用端末500に表示される確認画面の一例を示す。
【0231】
画面161は、表示欄162、163を有する。表示欄162には、施工現場を示す情報「×市○区」と、施工現場で行われている作業と、作業期間中であることを示す情報「作業工程1(作業期間中)」と、特定された施設を示す情報「Fコンビニ」が表示される。
【0232】
また、表示欄163には、施工現場で作業工程1に従事している作業員のユーザIDと、作業期間中の一日毎の施設での商品の注文履歴情報とが表示される。
【0233】
ここでは、施工現場「×市○区」で行われる作業工程1の作業日程は、2019年6月7日から2019年6月9日までの3日間である。したがって、表示欄163は、2019年6月7日の作業員毎の注文履歴情報が表示される表示欄164と、2019年6月8日の作業員毎の注文履歴情報が表示される表示欄165と、2019年6月9日の作業員毎の注文履歴情報が表示される表示欄166とを含む。
【0234】
また、表示欄164、165、166には、一日に注文された商品代金の合計金額と、合計金額に対する決済の状況を示すステータスとが含まれる。
【0235】
図16に示す画面161は、例えば、2019年6月7日の作業時間が終了した後に、施工業者用端末500に表示された画面である。
【0236】
したがって、図16の例では、2019年6月7日と対応する表示欄164における決済の状況を示すステータスは、決済完了とされている。
【0237】
また、2019年6月8日と対応する表示欄165では、作業員が注文した商品代金の合計金額が500円であり、決済の状況を示すステータスは、未決済とされている。また、表示欄165では、ユーザID「1」の作業員は、既に、Fコンビニに対して商品の注文依頼を行っていることがわかる。
【0238】
また、2019年6月9日と対応する表示欄166では、注文依頼を行った作業員はおらず、合計金額は0円であり、ステータスは未決済である。
【0239】
図17は、施工業者用端末の表示例を示す第二の図である。図17に示す画面161Aは、例えば、施工業者Aが、×市○区の施工現場における作業期間終了後に、注文履歴情報の確認要求を行った場合に、施工業者用端末500に表示される確認画面の一例を示す。
【0240】
画面161Aは、表示欄162A、163A、167を有する。表示欄162Aは、施工現場を示す情報「×市○区」と、施工現場で行われている作業と、作業期間が終了したことを示す情報「作業工程1(作業期間終了)」とが表示される。
【0241】
表示欄163Aは、表示欄164、165A、166Aを有する。表示欄164、165A、166Aは、それぞれの日の作業員毎の注文履歴情報と、商品代金の合計金額と、が表示され、決済の状況を示すステータスが「決済完了」とされている。
【0242】
また、表示欄167は、特定された施設を示す情報「Fコンビニ」と、作業期間中に決済された金額の合計金額を示す情報「¥7,700」とが表示されている。
【0243】
このように、本実施形態によれば、施工業者は、自身が管理する施工現場において、作業員の飲食等にかかった費用を把握することができる。
【0244】
尚、図16及び図17に示した確認画面には、例えば、注文履歴情報以外の作業員による施設の利用状況が表示されても良い。
【0245】
具体的には、本実施形態の管理装置300は、図9のステップS908において、作業員用端末400に、施設情報として施設の利用方法を選択するための画面において、選択された利用方法を、作業員のユーザIDと対応付けて注文履歴情報の一部として保持しても良い。
【0246】
そして、管理装置300は、施工業者用端末500から確認画面の表示要求を受け付けた場合に、作業員毎の施設の利用方法を確認画面に表示させても良い。具体的には、例えば、作業員の中で、「Fコンビニ」で宅配便を受け取った作業員が存在した場合には、その旨を確認画面に表示させても良い。
【0247】
また、本実施形態では、管理装置300から第三者用端末600に対して商品が発注された場合に、第三者用端末600から施工業者用端末500に対して決済要求が通知されるものとしたが、これに限定されない。本実施形態では、例えば、施設で購入した商品について、作業員が作業員用端末400を用いて決済を行っても良い。その場合、第三者用端末600は、管理装置300から商品の発注を受け付けると、商品の注文依頼を行った作業員用端末400に対して決済要求を通知すれば良い。
【0248】
また、本実施形態の情報通信システムSYSでは、作業員が管理装置300を経由して施設から商品を購入したり、施設の設備を利用したりした場合には、施設での決済に利用することができるポイントやクーポン等を、施工業者用端末500や作業員用端末400に付与しても良い。ポイントやクーポンの付与は、管理装置300によって行われても良い。
【0249】
例えば、ユーザID「1」の作業員が、管理装置300を介してFコンビニで商品を購入した場合、管理装置300は、Fコンビニの第三者用端末600に対して発注した商品の商品代金の合計額に応じたポイントを、作業員用端末400と施工業者用端末500に付しても良い。このように、本実施形態の情報通信システムSYSでは、施設での支払いに充てることができるポイントやクーポンを付与することで、作業員や施工業者による施設の利用を促進することができる。
【0250】
また、本実施形態では、管理装置300の施設特定部353によって、複数の施設が特定されても良い。例えば、施工現場の近傍に、施設A、Bが存在し、施設Aはトイレ設備を提供するが、飲食物は提供せず、施設Bは飲食物を提供するが、トイレ設備は提供しない場合、施設特定部353は、施設A、Bの両方を特定し、作業員用端末400に通知しても良い。
【0251】
この場合、情報通信システムSYSは、施設特定部353によって施設を特定する際に、希望する施設の利用方法等を作業員用端末400から入力させても良い。
【0252】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。