(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021005727
(43)【公開日】20210114
(54)【発明の名称】ミリ秒アニールシステムのための予熱方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/26 20060101AFI20201211BHJP
   G01J 5/00 20060101ALI20201211BHJP
【FI】
   !H01L21/26 T
   !G01J5/00 101C
   !H01L21/26 Q
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】58
(21)【出願番号】2020165466
(22)【出願日】20200930
(62)【分割の表示】2018516779の分割
【原出願日】20161213
(31)【優先権主張番号】62/272,811
(32)【優先日】20151230
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】502278714
【氏名又は名称】マトソン テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Mattson Technology, Inc.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア フレモント ベイサイド パークウェイ 47131
【住所又は居所原語表記】47131 Bayside Parkway, Fremont, CA 94538, USA
(71)【出願人】
【識別番号】520111187
【氏名又は名称】ベイジン イータウン セミコンダクター テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing E−Town Semiconductor Technology Co., Ltd.
【住所又は居所】中華人民共和国 100176 ベイジン エコノミック アンド テクニカル ディヴェロプメント ゾーン ジンハイ アル ロード ナンバー 28 ビルディング ナンバー 8
【住所又は居所原語表記】No. 8 Building, No. 28 Jinghai Er Rd., Economic and Technical Development Zone, 100176 Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マークス リーベラー
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア フレモント ベイサイド パークウェイ 47131
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン プファーラー
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア フレモント ベイサイド パークウェイ 47131
(72)【発明者】
【氏名】マークス ハーゲドアン
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア フレモント ベイサイド パークウェイ 47131
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ヴァナベマ
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア フレモント ベイサイド パークウェイ 47131
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル コスチェエフ
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア フレモント ベイサイド パークウェイ 47131
【テーマコード(参考)】
2G066
【Fターム(参考)】
2G066AC01
2G066AC20
2G066BA23
2G066BA30
2G066BA43
2G066CA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】半導体基板を熱処理するための、システム、方法、装置およびプロセスを提供する。
【解決手段】予熱プロセスにおいて、、ミリ秒アニールシステムのプロセスチャンバにおけるウェハ支持プレートに基板を収容すること、温度センサを使用することによって、ウェハ支持プレートの1つまたは複数の温度測定値を取得すること、ウェハ支持プレートの温度に少なくとも部分的に基づいて、ウェハ支持プレートを加熱するために予熱レシピを適用すること、を含む。予熱プロセスが、ミリ秒アニールシステムにおけるウェハ支持プレートの視野を有している温度センサから1つまたは複数の温度測定値を取得すること、1つまたは複数の温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、ミリ秒アニールシステムにおけるウェハ支持プレートを加熱するためにパルス制御式予熱レシピを適用すること、を含む。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミリ秒アニールシステムのための温度測定システムにおいて、前記温度測定システムは、
ウェハ面プレートによって上部チャンバおよび下部チャンバに分割されているプロセスチャンバを有しているミリ秒アニールシステムにおける基板の1つまたは複数の温度測定値を、約450℃未満のプロセス温度において取得するように構成されている遠赤外線温度センサと、
前記遠赤外線温度センサからの測定値を処理して、約450℃未満の温度において、前記基板の温度を求めるように構成されている処理回路と、
を含んでいる温度測定システム。
【請求項2】
前記遠赤外線温度センサは、約8μmから約14μmまでのスペクトル範囲に関連付けられたパイロメータを含んでいる、
請求項1記載の温度測定システム。
【請求項3】
前記遠赤外線温度センサは、ミリ秒アニールシステムの前記上部チャンバの角に取り付けられている、
請求項1記載の温度測定システム。
【請求項4】
前記遠赤外線温度センサは、前記ミリ秒アニールシステムの水の窓によって遮られない、
請求項3記載の温度測定システム。
【請求項5】
前記温度測定システムはさらに、前記ミリ秒アニールシステムにおけるウェハ支持プレートの温度を測定するように構成されている第2の温度センサを含んでおり、前記第2の温度センサは、前記下部チャンバに配置されており、かつ、前記ウェハ支持プレートの視野を有している、
請求項1記載の温度測定システム。
【請求項6】
ミリ秒アニールシステムのための予熱方法において、前記予熱方法は、
上部プロセスチャンバおよび下部プロセスチャンバに分割されているプロセスチャンバを有している前記ミリ秒アニールシステムにおけるウェハ支持プレートの視野を有している温度センサから1つまたは複数の温度測定値を取得するステップと、
前記1つまたは複数の温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記ミリ秒アニールシステムにおける前記ウェハ支持プレートを加熱するためにパルス制御式予熱レシピを適用するステップと、
を含み、
ただし、パルス制御式加熱レシピを適用している間は、前記ウェハ支持プレート上に基板は配置されていない、
予熱方法。
【請求項7】
前記ウェハ支持プレートは、石英材料を含んでいる、
請求項6記載の予熱方法。
【請求項8】
前記ウェハ支持プレートの温度に少なくとも部分的に基づいて、前記ウェハ支持プレートを加熱するためにパルス制御式予熱レシピを適用するステップは、前記ウェハ支持プレートの温度が事前設定温度に達するまで、前記ウェハ支持プレートを加熱するために前記パルス制御式予熱レシピを適用するステップを含んでいる、
請求項6記載の予熱方法。
【請求項9】
前記ウェハ支持プレートが、前記事前設定温度に達すると、前記予熱方法は、
前記パルス制御式予熱レシピを停止するステップと、
前記パルス制御式予熱レシピとは異なるプロセスレシピを、前記プロセスチャンバにおける第2の基板に適用するステップと、
を含んでいる、
請求項8記載の予熱方法。
【請求項10】
前記パルス制御式予熱レシピは、加熱光のパルスの数を指定している、
請求項6記載の予熱方法。
【請求項11】
前記温度センサは、約4μmよりも大きい波長に関連付けられた測定温度を有しているパイロメータを含んでいる、
請求項6記載の予熱方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本願は、2015年12月30日に出願された、米国仮特許出願第62/272,811号、発明の名称「Pre−heat Processes for Millisecond Anneal System」の優先権の利益を主張するものであり、この文献は参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
分野
本発明は、一般的に、基板、例えば半導体基板を処理するために使用される熱プロセスチャンバに関し、より詳細にはミリ秒アニール熱プロセスチャンバに関する。
【背景技術】
【0003】
ミリ秒アニールシステムは、基板、例えばシリコンウェハを超高速に熱処理するための半導体プロセスに使用することができる。半導体プロセスにおいては、ドーパント種の拡散を制御しつつ、それと同時に、注入ダメージを回復させるため、堆積された層の品質を向上させるため、層界面の品質を向上させるため、ドーパントを活性化させるため、また他の目的を達成するために、高速な熱処理をアニールステップとして使用することができる。
【0004】
毎秒104℃を上回ることができる割合で基板の上面全体を加熱するために、集中的で短時間の露光を使用することによって、半導体基板のミリ秒の、または超高速の温度処理を達成することができる。基板の一方の表面のみを高速に加熱することによって、基板の厚さにわたり大きい温度勾配を生じさせることができ、その一方で、基板のバルクは、露光の前に温度を維持する。したがって、基板のバルクはヒートシンクとして機能し、その結果、上面の高速な冷却速度が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施の形態の態様および利点は、下記の明細書において部分的に明らかになるか、明細書から理解されるか、または実施の形態の実践によって理解される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの例示的な態様は、ミリ秒アニールシステムのための予熱方法(プロセス)である。予熱プロセスは、ミリ秒アニールシステムのプロセスチャンバにおけるウェハ支持プレートに基板を収容することを含んでいる。プロセスチャンバは、上部チャンバおよび下部チャンバに分割されている。プロセスは、温度センサを使用することによって、ウェハ支持プレートの1つまたは複数の温度測定値を取得することを含んでいる。プロセスは、ウェハ支持プレートの1つまたは複数の温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、ウェハ支持プレートを加熱するために予熱レシピを適用することを含んでいる。
【0007】
本発明の別の例示的な態様は、ミリ秒アニールシステムのための温度測定システムに関する。温度測定システムは、約450℃未満のプロセス温度において、ミリ秒アニールシステムにおける半導体基板の1つまたは複数の温度測定値を取得するように構成されている遠赤外線温度センサを含んでいる。ミリ秒アニールシステムは、ウェハ面プレートを有しているプロセスチャンバを含むことができる。ウェハ面プレートは、プロセスチャンバを、上部チャンバおよび下部チャンバに分割することができる。温度測定システムは、温度センサからの測定値を処理して、約450℃未満の温度において、半導体基板の温度を求めるように構成されている処理回路を含むことができる。
【0008】
本発明のさらに別の例示的な態様は、ミリ秒アニールシステムのための予熱プロセスに関する。予熱プロセスは、ミリ秒アニールシステムにおけるウェハ支持プレートの視野を有している温度センサから1つまたは複数の温度測定値を取得することを含んでいる。ミリ秒アニールシステムは、上部プロセスチャンバおよび下部プロセスチャンバに分割されているプロセスチャンバを有している。プロセスは、1つまたは複数の温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、ミリ秒アニールシステムにおけるウェハ支持プレートを加熱するためにパルス制御式予熱レシピを適用することを含んでいる。パルス制御式加熱レシピを適用している間は、ウェハ支持プレート上に基板は配置されていない。
【0009】
本発明の例示的な態様に対して変更および修正を行うことができる。
【0010】
本発明の他の例示的な態様は、半導体基板を熱処理するための、システム、方法、装置およびプロセスに関する。
【0011】
種々の実施の形態のそれらの特徴、態様および利点ならびに他の特徴、態様および利点は、下記の明細書および添付の特許請求の範囲を参照することにより一層理解されるであろう。本願に組み込まれ、また本願の一部を成す添付の図面は、本発明の実施の形態を示しており、また明細書と共に、関連する原理を説明するために用いられる。
【0012】
当業者に対する実施の形態の詳細な説明を、添付の図面を参照しながら下記に記す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例による、例示的なミリ秒アニール加熱プロフィールを示す。
【図2】本発明の実施例による、例示的なミリ秒アニールシステムの一部の例示的な斜視図を示す。
【図3】本発明の実施例による、例示的なミリ秒アニールシステムの分解図を示す。
【図4】本発明の実施例による、例示的なミリ秒アニールシステムの断面図を示す。
【図5】本発明の実施例による、ミリ秒アニールシステムにおいて使用される例示的なランプの斜視図を示す。
【図6】本発明の実施例による、ミリ秒アニールシステムのウェハ面プレートにおいて使用される例示的なエッジ反射器を示す。
【図7】本発明の実施例による、ミリ秒アニールシステムにおいて使用することができる例示的な反射器を示す。
【図8】本発明の実施例による、ミリ秒アニールシステムにおいて使用することができる例示的なアークランプを示す。
【図9】本発明の実施例による、例示的なアークランプの動作を示す。
【図10】本発明の実施例による、例示的なアークランプの動作を示す。
【図11】本発明の実施例による、例示的な電極の断面図を示す。
【図12】本発明の実施例による、ミリ秒アニールシステムにおいて使用される例示的なランプに水およびガス(例えばアルゴンガス)を供給するための例示的な閉ループシステムを示す。
【図13】本発明の実施例による、ミリ秒アニールシステムのための例示的な温度測定システムを示す。
【図14】本発明の実施例による、半導体基板を中間温度に加熱するためのタングステンハロゲンランプを備えている例示的なミリ秒アニールシステムを示す。
【図15】本発明の実施例による、例示的なプロセスのフローチャートを示す。
【図16】本発明の実施例による、ウェハ支持プレートの温度を求めるように構成されているパイロメータ温度センサを有している例示的なプロセスチャンバを示す。
【図17】石英から成るウェハ支持プレートに関連付けられた、典型的な熱放射スペクトルを示す。
【図18】本発明の実施例による、緩和によるウェハ支持プレート温度分布のグラフ表示を示す。
【図19】本発明の実施例による、例示的なプロセスのフローチャートを示す。
【図20】本発明の実施例による、例示的なパルス制御式予熱レシピを示す。
【図21】本発明の実施例による、例示的なパルス制御式予熱レシピを示す。
【図22】本発明の実施例による、遠赤外線温度センサを有している例示的なミリ秒アニールシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、複数の実施の形態をより詳細に説明し、またそれらの実施の形態のうちの1つまたは複数は、図面に図示されている。各実施例は、実施の形態の説明を目的として表されており、本発明の限定を目的として表されたものではない。実際には、当業者であれば、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、種々の修正および変更を実施の形態に対して行えることが分かる。例えば、1つの実施の形態の一部として図示または説明された特徴を別の実施の形態と共に用いて、さらに別の実施の形態を創作することができる。したがって、本発明の態様がそのような修正および変更をカバーすることが意図されている。
【0015】
概観
本発明の例示的な態様は、基板のミリ秒熱処理中の第1の基板(例えば、シリコンウェハ)の影響を低減するための、ミリ秒アニールシステムのための予熱プロセスに関する。説明および考察を目的として、本発明の態様を、「ウェハ」または半導体ウェハを参照しながら考察する。当業者であれば、本明細書における開示内容によって、本発明の例示的な態様を、任意のワークピース、半導体基板または他の適切な基板に関連させて使用できることを理解するであろう。さらに、数値と関連させた「約」という語の使用は、記載された数値の10%以内を表すことが意図されている。
【0016】
毎秒104℃を上回ることができる割合でウェハの上面全体を加熱するために、集中的で短時間の露光(例えば「閃光」)を使用することによって、半導体ウェハのミリ秒の、または超高速の熱処理を達成することができる。典型的な熱処理サイクルには、以下のことが含まれると考えられる:(a)冷たい半導体基板をチャンバに搬入すること;(b)例えば窒素ガス(大気圧)によってチャンバをパージすること;(c)半導体基板を中間温度TIに加熱すること;(d)ウェハのバルクの温度をTIに維持しながら、閃光による露光でもって半導体基板の上面をミリ秒にわたり加熱すること;(e)半導体基板のバルクをヒートシンクに伝導性に接続した状態での半導体基板の上面の伝導冷却によって急速に冷却すること;(f)大気圧のプロセスガスを冷却剤として用いて、熱放射および熱対流によって半導体基板のバルクを緩慢に冷却すること;(g)半導体基板を再びカセットへと搬送すること。
【0017】
熱処理サイクルにおけるこれらのプロセスステップの正確なパラメータ(例えば、持続時間、温度設定点、加熱率など)をプロセスレシピに予め記載しておくことができる。プロセスレシピを編集することができ、またユーザによって修正することができる。1つまたは複数の電子システムコントローラによって、実行時に、レシピを実施することができる。(1つまたは複数の)コントローラは、1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のメモリデバイスを含むことができる。メモリデバイスは、レシピをコンピュータ可読命令として記憶することができ、このコンピュータ可読命令が、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、(1つまたは複数の)コントローラによってレシピが実施される。
【0018】
システムは、1つまたは複数のメモリデバイスに記憶されている、事前に規定された複数のレシピを有することができる。用途または熱処理のタイプによって、どのレシピが実施されるかを決定することができる。例えば25個の半導体基板を保持するカセットを収容しているFOUP(Front Opening Unified Pods)または他の適切な投入機構によって、半導体基板をシステムに搬入することができる。25個の半導体基板のエンティティは、半導体基板の1つの「バッチ」または1つの「ロット」を成すことができる。一般的に、1つのロットは同一のプロセスレシピによって処理される。同一のレシピを用いる複数のロットの処理間に休止期間が存在しない場合、システムは連続モードで稼働していると言える。
【0019】
下記において詳細に考察するように、そのような処理サイクルが実行されるプロセスチャンバは、(1)例えば石英ガラスから作製されたウェハ支持プレート;(2)高反射性かつ水冷式のアルミニウムプレートから作製されたチャンバ壁;(3)水冷式の石英プレートから作製されており、かつ加熱光に対して透過性である、上部および下部の水の窓、を含むことができる。ウェハ支持プレートを除き、チャンバの全てのコンポーネントを能動的に冷却することができ、また半導体基板の熱処理全体にわたり一定の温度に維持することができる。幾つかの実施の形態においては、ウェハ支持プレートが能動的には冷却されない。
【0020】
システムが冷たい状態で始動される場合、各熱処理サイクルは、半導体基板が加熱される際に、ウェハ支持プレートを加熱し、かつサイクルの冷却フェーズ中にウェハ支持プレートを冷却する。一般的に、加熱フェーズは冷却フェーズよりも支配的なので、プレートの平均温度は、平衡温度に達するまで、サイクル毎に上昇していく。平衡温度に達するまで、熱処理が実施される全ての半導体基板は、異なる熱放射背景を経ることになるので、これによって処理プロセスのサーマルバジェットに影響が及ぼされ、したがって処理結果にも影響が及ぼされる。良好な再現性を達成するために、冷たい状態のプロセスチャンバを、平衡温度に予熱することが必要になると考えられる。このことは、複数の予熱ダミーウェハにプロセスレシピを実施することによって達成することができる。例えば、このために6個の予熱ダミーウェハを使用することができ、また最初のロットが処理される前に処理することができる。システムが連続モードで動作している場合、ウェハ支持プレートは、平衡温度に自動的に維持されているので、予熱ダミーウェハは必要ない。
【0021】
ダミーウェハの欠点は、複数の予熱ダミーウェハが必要となり、また予熱サイクルが相当な処理時間を要することである。これは、システムが連続モードで動作し続けることができない場合、またはそれぞれがウェハ支持プレートの異なる平衡温度を要求する種々のアプリケーションを実行しなければならない場合に特に該当する。その結果、ロット間で予熱ダミーウェハを処理しなければならなくなる。
【0022】
本発明の例示的な態様は、予熱処理時間を短縮すること、および/またはプロセスチャンバを平衡温度に予熱するためのダミーウェハの数を低減することに関する。このようにして、ミリ秒アニールシステムの動作の効率を向上させることができる。
【0023】
例えば、1つの実施例は、ミリ秒アニールシステムのための予熱プロセスに関する。このプロセスは、ミリ秒アニールシステムのプロセスチャンバにおけるウェハ支持プレートに基板を収容することを含むことができる。プロセスチャンバを、上部チャンバおよび下部チャンバに分割することができる。プロセスは、温度センサを使用することによって、ウェハ支持プレートの1つまたは複数の温度測定値を取得すること、およびウェハ支持プレートの1つまたは複数の温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、ウェハ支持プレートを加熱するために予熱レシピを適用すること、を含むことができる。
【0024】
この実施例に対して変更および修正を行うことができる。例えば、幾つかの実施の形態においては、ウェハ支持プレートが石英材料であってよい。幾つかの実施の形態においては、基板が、ダミー半導体基板を含むことができる。
【0025】
幾つかの実施の形態においては、ウェハ支持プレートの1つまたは複数の温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、ウェハ支持プレートを加熱するために予熱レシピを適用することは、ウェハ支持プレートの温度が事前設定温度に達するまで、ウェハ支持プレートを加熱するために予熱レシピを適用することを含むことができる。ウェハ支持プレートが事前設定温度に達すると、プロセスは、予熱レシピを停止すること、およびプロセスチャンバにおける第2の基板にプロセスレシピを適用すること、を含むことができる。プロセスレシピは、予熱レシピとは異なる。
【0026】
幾つかの実施の形態においては、予熱レシピが、ミリ秒アニールシステムにおける下部プロセスチャンバの近傍に配置されている1つまたは複数の連続モードランプを使用することによる、ウェハ支持プレートおよび基板の加熱を指定する。1つまたは複数の連続モードランプは、ウェハ支持プレートの1つまたは複数の温度測定値に少なくとも部分的に基づいて制御される。
【0027】
幾つかの実施の形態においては、温度センサが、約4μmよりも大きい波長に関連付けられた測定温度を有しているパイロメータを含むことができる。幾つかの実施の形態においては、温度センサが、下部チャンバに配置されており、かつミリ秒アニールシステムの水の窓によって遮られることのないウェハ支持プレートの視野を有している。
【0028】
本発明の別の実施例は、ミリ秒アニールシステムのための温度測定システムに関する。温度測定システムは、約450℃未満、例えば約300℃未満、例えば約250℃未満のプロセス温度において、ミリ秒アニールシステムにおける半導体基板の1つまたは複数の温度測定値を取得するように構成されている遠赤外線温度センサを含むことができる。ミリ秒アニールシステムは、ウェハ面プレートを有しているプロセスチャンバを含むことができる。ウェハ面プレートは、プロセスチャンバを、上部チャンバおよび下部チャンバに分割することができる。温度測定システムは、温度センサからの測定値を処理して、約450℃未満、例えば約300℃未満、例えば約250℃未満の温度において、半導体基板の温度を求めるように構成されている処理回路を含むことができる。
【0029】
幾つかの実施の形態においては、遠赤外線温度センサが、約8μm〜約14μmのスペクトル範囲に関連付けられたパイロメータを含んでいる。幾つかの実施の形態においては、遠赤外線温度センサが、ミリ秒アニールシステムの上部チャンバの角に取り付けられている。遠赤外線温度センサを、ミリ秒アニールシステムの水の窓によって遮られないようにすることができる。
【0030】
幾つかの実施の形態においては、温度測定システムがさらに、ミリ秒アニールシステムにおけるウェハ支持プレートの温度を測定するように構成されている第2の温度センサを含んでいる。第2の温度センサを、下部プロセスチャンバに配置することができ、また第2の温度センサは、ウェハ支持プレートの視野を有することができる。
【0031】
本発明の別の実施例は、ミリ秒アニールシステムのための予熱プロセスに関する。予熱プロセスは、ミリ秒アニールシステムにおけるウェハ支持プレートの視野を有している温度センサから1つまたは複数の温度測定値を取得することを含むことができる。ミリ秒アニールシステムは、上部プロセスチャンバおよび下部プロセスチャンバに分割されているプロセスチャンバを有することができる。プロセスは、1つまたは複数の温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、ミリ秒アニールシステムにおけるウェハ支持プレートを加熱するためにパルス制御式予熱レシピを適用することを含んでいる。パルス制御式加熱レシピを適用している間は、ウェハ支持プレート上に基板は配置されていない。幾つかの実施の形態においては、ウェハ支持プレートが石英材料である。
【0032】
幾つかの実施の形態においては、ウェハ支持プレートの温度に少なくとも部分的に基づいて、ウェハ支持プレートを加熱するためにパルス制御式予熱レシピを適用することは、ウェハ支持プレートの温度が事前設定温度に達するまで、ウェハ支持プレートを加熱するために予熱レシピを適用することを含んでいる。ウェハ支持プレートが事前設定温度に達すると、プロセスは、予熱レシピを停止すること、およびプロセスチャンバにおける第2の基板にプロセスレシピを適用すること、を含むことができる。プロセスレシピは、予熱レシピとは異なる。
【0033】
幾つかの実施の形態においては、パルス制御式予熱レシピが、加熱光のパルスの数を指定することができる。幾つかの実施の形態においては、温度センサが、約4μmよりも大きい波長に関連付けられた測定温度を有しているパイロメータを含むことができる。
【0034】
例示的なミリ秒アニールシステム
例示的なミリ秒アニールシステムは、集中的で短時間の露光を提供して、例えば約104℃/sを上回ることができる割合で、ウェハの上面を加熱するように構成することができる。図1には、ミリ秒アニールシステムを使用して達成される、半導体基板の例示的な温度プロフィール100が示されている。図1に図示されているように、半導体基板(例えば、シリコンウェハ)のバルクが、傾斜フェーズ102中に中間温度TIに加熱される。中間温度TIは、約450℃〜約900℃の範囲であってよい。中間温度TIに達すると、半導体基板の上面を、非常に短い集中的な閃光に晒すことができ、その結果、約104℃/sまでの加熱の割合が得られる。窓110は、短い集中的な閃光中の、半導体基板の温度プロフィールを示す。曲線112は、閃光による露光中の、半導体基板の上面の急速な加熱を示す。曲線116は、閃光による露光中の、半導体基板のその他の部分またはバルクの温度を表す。曲線114は、ヒートシンクとして機能する半導体基板のバルクを介する、半導体基板の上面の伝導冷却による急速な冷却を示す。半導体基板のバルクは、基板に関する高速な上面冷却速度を生じさせるヒートシンクとして機能する。曲線104は、冷却剤としてのプロセスガスを用いる、熱放射および熱対流による半導体基板のバルクの緩慢な冷却を示す。
【0035】
例示的なミリ秒アニールシステムは、例えば半導体基板の上面をミリ秒の長さで露光するための、つまり、いわゆる「閃光」を生じさせるための光源として、複数のアークランプ(例えば、4つのアルゴンアークランプ)を含むことができる。基板が中間温度(例えば、約450℃〜約900℃)に加熱されると、閃光を半導体基板に供給することができる。複数の連続モードアークランプ(例えば、2つのアルゴンアークランプ)を使用して、半導体基板を中間温度に加熱することができる。幾つかの実施の形態においては、中間温度への半導体基板の加熱が、ウェハのバルク全体を加熱する傾斜割合で、半導体基板の底部表面を介して達成される。
【0036】
図2から図5には、本発明の実施例による、例示的なミリ秒アニールシステム80の種々の態様が図示されている。図2から図4に図示されているように、ミリ秒アニールシステム80は、プロセスチャンバ200を含むことができる。プロセスチャンバ200を、ウェハ面プレート210によって、上部チャンバ202および下部チャンバ204に分割することができる。半導体基板(例えばシリコンウェハ)60を、ウェハ支持プレート214(例えば、ウェハ面プレート210に挿入された石英ガラスプレート)に取り付けられている支持ピン(例えば、石英支持ピン)212によって支持することができる。
【0037】
図2および図4に図示されているように、ミリ秒アニールシステム80は、例えば半導体基板60の上面をミリ秒の長さで露光するための、つまり、いわゆる「閃光」を生じさせるための光源として、上部チャンバ202の近傍に配置されている、複数のアークランプ220(例えば、4つのアルゴンアークランプ)を含むことができる。基板が中間温度(例えば、約450℃〜約900℃)に加熱されると、閃光を半導体基板に供給することができる。
【0038】
下部チャンバ204の近傍に設けられている、複数の連続モードアークランプ240(例えば、2つのアルゴンアークランプ)を使用して、半導体基板60を中間温度に加熱することができる。幾つかの実施の形態においては、中間温度への半導体基板60の加熱が、下部チャンバ204から、半導体基板60のバルク全体を加熱する傾斜割合で、半導体基板の底部表面を介して達成される。
【0039】
図3に図示されているように、半導体基板60を加熱するための、(例えば、中間温度への半導体基板の加熱に使用するための)下部アークランプ240からの光、および(例えば、閃光によるミリ秒の加熱の提供に使用するための)上部アークランプ220からの光を、水の窓260(例えば、水冷式の石英ガラス窓)を介して、プロセスチャンバ200に入射させることができる。幾つかの実施の形態においては、水の窓260は、2つの石英ガラス板から成るサンドイッチ構造を含むことができ、それら2つの石英ガラス板の間において、約4mmの厚さの水の層が石英板を冷却するために循環しており、また例えば約1,400nmを上回る波長に対する光学的なフィルタを提供することができる。
【0040】
さらに図3に図示されているように、プロセスチャンバ壁250は、加熱光を反射するための反射性のミラー270を含むことができる。反射性のミラー270は、例えば、水冷式の研磨されたアルミニウムパネルであってよい。幾つかの実施の形態においては、ミリ秒アニールシステムにおいて使用されるアークランプのメインボディは、ランプ放射に関する反射器を含むことができる。例えば、図5には、ミリ秒アニールシステム80において使用することができる、上部ランプアレイ220および下部ランプアレイ240の両方の斜視図が示されている。図示されているように、各ランプアレイ220および240のメインボディは、加熱光を反射するための反射器262を含むことができる。それらの反射器262は、ミリ秒アニールシステム80のプロセスチャンバ200の反射表面の一部を形成することができる。
【0041】
半導体基板の温度均一性を、半導体基板の異なる領域に入射する光の密度を操作することによって制御することができる。幾つかの実施の形態においては、メイン反射器に対して小型の反射器の反射等級を変更することによって、かつ/またはウェハを包囲するウェハ支持面に取り付けられたエッジ反射器の使用によって、均一性の調整を達成することができる。
【0042】
例えば、下部ランプ240からの光を半導体基板60の縁部に再方向付けるために、エッジ反射器を使用することができる。一例として、図6には、例示的なエッジ反射器264が図示されており、このエッジ反射器264は、下部ランプ240からの光を半導体基板60の縁部に方向付けるために使用することができるウェハ面プレート210の一部を形成している。エッジ反射器264を、ウェハ面プレート210に取り付けることができ、またこのエッジ反射器264は、半導体基板60を取り囲むことができるか、または少なくとも部分的に取り囲むことができる。
【0043】
幾つかの実施の形態においては、ウェハ面プレート210の近傍のチャンバ壁に、付加的な反射器を取り付けることもできる。例えば、図7には、加熱光のための反射器ミラーとして機能することができ、またプロセスチャンバ壁に取り付けることができる、例示的な反射器が図示されている。より詳細には、図7には、下部チャンバ壁254に取り付けられている、例示的なくさび形反射器272が示されている。また図7には、上部チャンバ壁252の反射器270に取り付けられている反射性の素子274も示されている。半導体基板60の処理の均一性を、プロセスチャンバ200における、くさび形反射器272および/または他の反射性の素子(例えば反射性の素子274)の反射等級を変更することによって調整することができる。
【0044】
図8から図11には、半導体基板60の上面をミリ秒の長さで集中的に露光するための(例えば「閃光」を生じさせるための)光源として使用することができる、例示的な上部アークランプ220の種々の態様が図示されている。例えば、図8には、例示的なアークランプ220の横断面図が示されている。アークランプ220は、例えば、オープンフローのアークランプであってよく、このアークランプでは、加圧されたアルゴンガス(または他の適切なガス)がアーク放電中に高圧プラズマに変換される。アーク放電は、負に帯電されたカソード222と、そこから距離を置いて設けられている(例えば、約300mm離隔されている)、正に帯電されたアノード230と、の間の石英管225において行われる。カソード222とアノード230との間の電圧が、アルゴンの降伏電圧(例えば、約30kV)または他の適切なガスの降伏電圧に達すると、安定した低誘導性のプラズマが即座に形成され、このプラズマが電磁スペクトルの可視範囲およびUV範囲の光を放射する。図9に図示されているように、ランプは、半導体基板60の処理のためにランプによって提供された光を反射するために使用することができるランプ反射器262を含むことができる。
【0045】
図10および図11には、本発明の実施例による、ミリ秒アニールシステム80におけるアークランプ220の例示的な動作の異なる態様が図示されている。より詳細には、プラズマ226が、水壁228によって内側から水冷される石英管225内に包含されている。水壁228は、高い流速でランプ220のカソード端部に注入され、またアノード端部において排出される。同一のことが、アルゴンガス229についても当てはまり、このアルゴンガス229もまた、カソード端部においてランプ220に供給され、アノード端部から排出される。水壁228を形成する水は、遠心作用が水の渦を生じさせるように、ランプの軸線に対して垂直に注入される。したがって、ランプの中心線に沿って、アルゴンガス229のためのチャネルが形成される。アルゴンガス柱229は、水壁228と同一方向に回転する。プラズマ226が形成されると、水壁228は石英管225を保護し、かつプラズマ226を中心軸線に向かって閉じ込める。水壁228および電極(カソード230およびアノード222)のみが、高エネルギのプラズマ226と直接的に接触する。
【0046】
図11には、本発明の実施例による、アークランプと共に使用される例示的な電極(例えば、カソード230)の断面図が示されている。図11には、カソード230が図示されている。しかしながら、類似の構成をアノード222に対して使用することができる。
【0047】
幾つかの実施の形態においては、電極が高い熱負荷に晒されるので、電極のうちの一方または両方がそれぞれ先端部232を含むことができる。この先端部をタングステンから作製することができる。またこの先端部を水冷式の銅製ヒートシンク234に接合かつ/または融着させることができる。銅製ヒートシンク234は、電極の内部冷却システムの少なくとも一部(例えば、1つまたは複数の水冷チャネル236)を含むことができる。電極はさらに、水または他の液体の循環および電極の冷却を提供するための水冷チャネル236を備えている真鍮製ベース部235を含むことができる。
【0048】
本発明の態様による例示的なミリ秒アニールシステムにおいて使用されるアークランプは、水およびアルゴンガスのための、オープンフローのシステムであってよい。しかしながら幾つかの実施の形態においては、保存上の理由から、両媒体を閉ループ系において循環させることができる。
【0049】
図12には、本発明の実施例によるミリ秒アニールシステムにおいて使用される、オープンフローのアルゴンアークランプを動作させるために必要とされる水およびアルゴンガスを供給するための、例示的な閉ループ系300が図示されている。
【0050】
より詳細には、高純度水302およびアルゴン304がランプ220に供給される。高純度水302は、水壁および電極の冷却のために使用される。ランプから送り出されるものは、ガス/水混合物306である。この水/ガス混合物306は、ランプ220の入口に再び供給できるようになる前に、セパレータ310によって、ガスを含まない水302および乾性のアルゴン304に分離される。ランプ220を介する所要圧力降下を生じさせるために、ガス/水混合物306が、水駆動式のジェットポンプ320を用いてポンピングされる。
【0051】
高出力電気ポンプ330は、ランプ220における水壁を駆動させるための水圧、ランプ電極のための冷却水、およびジェットポンプ320のための駆動流を供給する。ジェットポンプ320の下流側に設けられているセパレータ310を、混合物(アルゴン)から液相および気相を抽出するために使用することができる。アルゴンはさらに、ランプ220に再び流入する前に、コアレッシングフィルタ340において乾燥される。必要に応じて、付加的なアルゴンをアルゴン源350から供給することができる。
【0052】
アークによって水中に放出された粒子を除去するために、水は1つまたは複数の粒子フィルタ350を通過する。イオン性汚染は、イオン交換樹脂によって除去される。水の一部は、混床イオン交換フィルタ370を通過する。イオン交換バイパス370への入口弁372を、水の抵抗率によって制御することができる。水の抵抗率が下側の値よりも低下すると弁372が開かれ、水の抵抗率が上側の値に達すると、弁372が閉じられる。システムは、活性炭フィルタバイパスループ380を含むことができ、そこでは水の一部を付加的にろ過して、有機汚染を除去することができる。水温を維持するために、水は熱交換器390を通過することができる。
【0053】
本発明の実施例によるミリ秒アニールシステムは、半導体基板の両表面(例えば、上面および下面)の温度を独立して測定するための能力を有することができる。図13には、ミリ秒アニールシステム80のための例示的な温度測定システム150が図示されている。
【0054】
ミリ秒アニールシステム80の簡略化された図が図13に示されている。半導体基板60の両面の温度を、複数の温度センサによって、例えば温度センサ152および温度センサ154によって独立して測定することができる。温度センサ152は、半導体基板60の上面の温度を測定することができる。温度センサ154は、半導体基板60の下面を測定することができる。幾つかの実施の形態においては、約1,400nmの測定波長を有している、狭帯域高温測定センサを、例えば半導体基板60の中心領域の温度を測定するための温度センサ152および/または温度センサ154として使用することができる。幾つかの実施の形態においては、温度センサ152および154が、閃光による加熱によって生じるミリ秒温度スパイクを分解するには十分な高さであるサンプリングレートを有している、超高速放射計(UFR:ultra−fast radiometer)であってよい。
【0055】
温度センサ152および154の読取り値は、補償された放射率であってよい。図13に図示されているように、放射率補償スキームは、診断用フラッシュ156と、基準温度センサ158と、半導体ウェハの上面および下面を測定するように構成されている温度センサ152および154と、を含むことができる。診断用加熱および測定値を、診断用フラッシュ156(例えば、試験用フラッシュ)と共に使用することができる。基準温度センサ158からの測定値を、温度センサ152および154の放射率補償のために使用することができる。
【0056】
幾つかの実施の形態においては、ミリ秒アニールシステム80が、水の窓を含むことができる。水の窓は、温度センサ152および154の測定帯域にあるランプ放射を抑制する光学フィルタを提供することができ、それによって温度センサ152および154は、半導体基板に由来する放射のみを測定する。
【0057】
温度センサ152および154の読取り値を、プロセッサ回路160に供給することができる。プロセッサ回路160を、ミリ秒アニールシステム80のケーシング内に配置することができるが、代替的には、プロセッサ回路160を、ミリ秒アニールシステム80から離れた場所に配置することができる。本明細書に記載する種々の機能を、所望される場合には、単一のプロセッサ回路によって実行することができるか、または局所的なプロセッサ回路および/または遠隔のプロセッサ回路の他の組合せによって実行することができる。
【0058】
下記において詳細に考察するように、温度測定システムは、別の温度センサを含むことができ、例えば、ウェハ支持プレートの1つまたは複数の温度測定値を取得するように構成されている(例えば、図16に図示されているような)温度センサ、および/または例えば約450℃を下回る温度、例えば約300℃未満、例えば約250℃未満の温度において、半導体基板の1つまたは複数の温度測定値を取得するように構成されている(例えば、図22に図示されているような)遠赤外線温度センサを含むことができる。プロセッサ回路160は、温度センサから取得した測定値を処理して、半導体基板および/またはウェハ支持プレートの温度を求めるように構成することができる。
【0059】
半導体基板を中間温度TIに加熱するための代替源は、下部プロセスチャンバに配置されている複数のタングステンハロゲンランプから成るアレイであってよい。例えば、2つの連続モードアークランプは、250kWの総出力のために、それぞれ125kWの電力を有することができる。それぞれが6kWを有している40個のタングステンハロゲンランプから成るアレイによって、同一の出力を提供することができる。図14には、半導体基板60を中間温度TIに加熱するためのタングステンハロゲンランプ245を備えている例示的なミリ秒アニールシステムが図示されている。ハロゲンランプを用いる加熱の利点は、経済的な利点である。タングステンハロゲンランプは、廉価であると考えられ、またより長い耐用年数を有することができる。また、タングステンハロゲンランプは、高価な水冷式ユニットおよび水処理ユニットを必要とせずに、電気的な接続部だけを必要とすると考えられる。
【0060】
チャンバ事前調整のための例示的な予熱プロセス
本発明の例示的な態様によれば、平衡温度にいつ達したかを求めるためのウェハ支持プレート温度測定システムの使用によって、チャンバを予熱するために必要とされる時間および予熱ダミーウェハの数を低減することができる。例えば、幾つかの実施の形態においては、特別な予熱レシピを用いてダミーウェハに熱を加えることによって、ウェハ支持プレートを加熱することができる。ウェハ支持プレートの温度が所望の温度に達すると、直ちに予熱レシピの実行を停止することができ、またウェハロットにおける最初のデバイスウェハを用いたプロセスレシピの実行を開始することができる。
【0061】
図15には、本発明の実施例による、例示的なプロセス(400)のフローチャートが図示されている。プロセス(400)を、ミリ秒アニールシステムにおいて、例えば図1から図14を参照して考察した例示的なミリ秒アニールシステムのうちの1つにおいて実施することができる。図15には、説明および考察を目的として、特定の順序で実行される複数のステップが示されている。当業者であれば、本明細書における開示によって、本明細書に記載する方法またはプロセスのうちのいずれかの種々のステップを、本発明の範囲から逸脱することなく、種々のやり方で修正、適合、拡張、省略、かつ/または整理できることを理解するであろう。
【0062】
(402)においては、方法が、ミリ秒アニールシステムのプロセスチャンバにおけるウェハ支持プレートに半導体基板を収容することを含んでいる。例えば、ダミーウェハを、図2から図4に図示したプロセスチャンバ200におけるウェハ支持プレート214に収容することができる。半導体基板を支持ピンによって支持することができる。ウェハ支持プレートを、石英材料から作製することができる。例えば、ウェハ支持プレートは、石英ガラスプレートであってよい。
【0063】
(404)において、プロセスは、温度センサを使用することによって、ウェハ支持プレートの1つまたは複数の温度測定値を取得することを含むことができる。図16には、本発明の実施例による、ウェハ支持プレート214の温度を求めるように構成されている、温度センサ162(例えば石英パイロメータ)を有している例示的なプロセスチャンバ200が図示されている。図示されているように、温度センサ162は、下部チャンバ204の角のうちの1つにおいてプロセスチャンバの底部に取り付けられているので、例えば温度センサ162の視野は、半導体基板60および水の窓260によって遮られない。幾つかの実施の形態においては、温度センサ162を、ウェハ支持プレート214の中心に向けることができる。
【0064】
幾つかの実施の形態においては、温度センサ162が、石英の伝送カットオフを超える(例えば約4μmよりも大きい)測定波長を有しているパイロメータであってよい。例えば、図17には、石英から作製されたウェハ支持プレートに関連付けられた、典型的な熱放射スペクトル502が示されている。図示されているように、約4μmを超えると、支持プレートの石英は不透明になり、熱放射を放出する。熱放射を、温度センサ162を用いた高温測定によって測定し、ウェハ支持プレートの温度を求めることができる。
【0065】
図15の(406)においては、プロセスが、ウェハ支持プレートの温度は閾値温度(例えば、事前設定温度)に達したか否かを求めることを含むことができる。閾値温度を、ウェハ支持プレートの平衡温度に関連付けることができる。ウェハ支持プレートの温度が閾値温度に達していない場合(例えば、閾値温度以下である場合)、図15の(408)に示されているように、プロセス(400)が、ウェハ支持プレートおよび半導体基板(例えばダミーウェハ)を加熱するために予熱レシピを適用することを含むことができる。幾つかの実施の形態においては、予熱レシピが、ウェハ支持プレートに配置されているダミーウェハを加熱するための連続モードランプだけを使用することができる。幾つかの実施の形態においては、半導体基板の温度および/またはウェハ支持プレートの温度を制御入力として用いる閉ループ制御において、ランプを動作させることができる。
【0066】
幾つかの実施の形態においては、事前レシピの加熱サイクルが、ソークウェハ温度設定点とスパイクウェハ温度設定点との1つまたは複数の組合せ、ならびに閃光灯を使用することによる閃光での加熱を含むことができる。幾つかの実施の形態においては、加熱サイクルが、閉ループモードを使用しない。その代わりに、連続モードランプが、開ループ方式において固定の出力値で駆動される。幾つかの実施の形態においては、予熱レシピの加熱サイクルが、開始温度の一貫性を向上させるために、したがって事前調整の再現性を向上させるために、加熱フェーズの前に冷却フェーズを含むことができる。
【0067】
ウェハ支持プレートの温度が閾値温度に達すると、プロセス(400)は、予熱レシピを停止すること(410)を含むことができる。プロセス(400)は、続いて、処理のためにデバイス半導体基板を搬入すること(412)、また半導体基板を熱処理するためのプロセスレシピを適用すること(414)を含むことができる。プロセスレシピは、予熱レシピとは異なっていてもよく、また大量の半導体基板の中から1つのデバイス半導体基板を処理するためのレシピを含むことができる。
【0068】
例示的なダミーウェハなしの予熱プロセス
本発明の例示的な態様によれば、予熱ダミーウェハを必要としない予熱プロセスを実施することができる。ウェハ支持プレートを石英から作製することができ、石英は、自身の光学的な特性に起因して、光によって加熱されにくい。本発明の実施例によるミリ秒アニールシステムにおいては、アークランプ(例えば、アルゴンアークランプ)を半導体基板の処理のために使用することができる。ランプから放出されたランプ放射の大部分は、水の窓によって透過される波長範囲である、1.5μmよりも短い波長の光を含むことができる。他の高速な熱プロセスシステムにおいては、光源が、約3,000Kのタングステンハロゲンランプであると考えられ、このタングステンハロゲンランプでは、スペクトルのピークが約1μmである。石英ガラスは、約90%を上回る透過効率を有しており、約2μmまでの光に対して透過性であると考えられる。その結果、アークランプからのランプ光の直接的な吸収によるウェハ支持プレートの加熱率は低い。
【0069】
図15に示したプロセスのような、予熱ダミーウェハを使用する予熱プロセスにおいては、この問題を回避することができる。それらの実施例においては、ランプ光が大部分、近赤外線範囲までのUV範囲(例えば、約0.2μmから約1μm)のランプ光に関する優れた吸収体である半導体基板を加熱するために使用される。ダミーウェハは、その温度によって決定される波長範囲の光を再放射するので(プランクの法則)、加熱源の短波長の光が長波長の範囲に変換される。例えば、1,000℃の半導体基板は、約2μmよりも大きい波長範囲にある自身の放射をほぼ全て放出し、これは石英材料によって即座に吸収される。したがって、石英ウェハ支持プレートは、半導体基板に由来する二次放射によって間接的に加熱される。
【0070】
本発明の実施例によれば、半導体基板が存在していることを必要とすることなく、光によってウェハ支持プレートの高透過性の石英を加熱するための方法が提供される。このプロセスは、図15のプロセスと同一の原理を使用することができる。例えば、ウェハ支持プレートの温度が、例えば石英パイロメータセンサによって測定される。ウェハ支持プレートの温度が閾値温度(例えば、ウェハ支持プレートの平衡温度に関連付けられた温度)に達するまで、予熱レシピを適用することができる。
【0071】
加熱源がハロゲンランプであるシステムにおいては、センサ信号が、ウェハ支持プレートに由来する放射だけを含んでいるのではなく、光源自体に由来する放射も含んでいる。したがって、ランプがオフのときに、ウェハ支持プレートの温度だけを正確に測定することができる。
【0072】
幾つかの用途においては、シリコンの小片がチャンバの一部である。シリコンのそれらの小片は、半導体基板がチャンバ内に存在しない場合であっても、チャンバ内に残存している。ウェハ支持プレートの石英材料とは異なり、シリコンのそれらの小片は、ランプ光の優れた吸収体であって、能動的には冷却されず、したがって高速に溶融点温度に達する。同一のことが、石英よりも高いランプ光の吸収率、および石英よりも低い溶融点を有している、他の全ての材料(例えば、ゴムガスケット)にも当てはまる。したがって、最大限に許容できる加熱出力は、チャンバ内部の材料によって決定されると考えられる。
【0073】
石英プレートを直接的に加熱することの別の問題は、石英の熱伝導が非常に小さいことである。したがって、半導体基板が存在しない状態で加熱された場合の石英プレートの温度分布は、半導体基板が存在する状態での定常的な状態とは異なる。温度分布は主に加熱源の形状を取る。半導体基板を介した二次加熱が行われる場合、温度分布は円形のパターンである。線形の加熱源(例えば、アークランプおよびタングステンハロゲンランプ)を介した直接的な加熱が行われる場合、温度分布はストライプ状のパターンである。
【0074】
本発明の例示的な態様による予熱プロセスは、温度分布を時間の経過と共に一様にする冷却による緩和でもって、この問題を解消することができる。例えば、図18には、緩和によるウェハ支持プレート温度分布のグラフ表示が示されている。図示されているように、熱伝導によって、複数のランプから成るアレイを用いて形成されたストライプ状の熱パターンが、ウェハ支持プレートの冷却中に平均化される。より詳細には、曲線504は、第1の時点t1におけるウェハ支持プレート上の場所の関数としての、ウェハ支持プレートの温度を表す。曲線506は、第2の時点t2におけるウェハ支持プレート上の場所の関数としての、ウェハ支持プレートの温度を表す。曲線508は、第3の時点t3におけるウェハ支持プレート上の場所の関数としての、ウェハ支持プレートの温度を表す。曲線510は、第4の時点t4におけるウェハ支持プレート上の場所の関数としての、ウェハ支持プレートの温度を表す。図示されているように、時間がt1からt4へと経過するに連れ、ウェハ支持プレートの温度分布は、ウェハ支持プレートにわたり平均温度512に近付いていく。
【0075】
温度分布を一様にするために必要とされる時間は、材料の熱伝導率および温度差に依存する。このことは、熱伝導のフーリエ規則から理解することができる(分かり易くするために、1次元の形態で表す):
x=−k(dT/dx)
x:熱流速密度
k:材料の熱伝導率
dT/dx:温度勾配
【0076】
ウェハ支持プレートの透過性の石英の加熱は、等温のチャンバを基礎とすることができる。平衡状態では、加熱されるべき基板は、等温のチャンバの壁の温度を取り、また温度分布は均一であると考えられる。一次近似では、本発明の実施例によるミリ秒アニールシステムが、高反射性のチャンバ壁に起因して、等温のチャンバであると考えられる。十分に長い時間を想定すれば、いずれの材料も、その光学的な特性にかかわらず、加熱源の温度を取ることになる。換言すれば、加熱光がチャンバの反射ボックスに閉じ込められて、ウェハ支持プレートを何度も通過し、通過の度に、例えば光の10%が吸収される。最終的には、全ての光が吸収され、ウェハ支持プレートは平衡温度に達する。処理されるべき半導体基板が存在しない空のプロセスチャンバにおいては、主な吸収体は、ウェハ支持プレートの石英であると考えられる。
【0077】
本発明の例示的な態様は、平衡温度に達するために必要とされる時間を数分まで短縮することに関する。これを達成するために、ランプをパルス制御式に駆動させることができる。各パルスの加熱出力は、パルス制御が行われない場合に平衡温度に達するために必要とされる加熱出力よりも遙かに高いと考えられる(過熱)。加熱パルスの間に、温度分布を、熱拡散によって緩和させることができる。熱勾配が大きいので、緩和のために必要とされる時間は、パルス制御が行われない場合に比べて遙かに短縮される。多数のパルスが供給された後に、ウェハ支持プレートは、平均的で一様な温度に達することができる。
【0078】
図19には、本発明の実施例による、例示的なプロセス(600)のフローチャートが図示されている。プロセス(600)を、ミリ秒アニールシステムにおいて、例えば図1から図14を参照して考察した例示的なミリ秒アニールシステムのうちの1つにおいて実施することができる。図19には、説明および考察を目的として、特定の順序で実行される複数のステップが示されている。当業者であれば、本明細書における開示によって、本明細書に記載する方法またはプロセスのうちのいずれかの種々のステップを、本発明の範囲から逸脱することなく、種々のやり方で修正、適合、拡張、省略、かつ/または整理できることを理解するであろう。プロセス(600)を、ウェハ支持プレートに半導体基板が配置されていない状態で実施することができる。
【0079】
(602)において、プロセスは、温度センサを使用することによって、ウェハ支持プレートの1つまたは複数の温度測定値を取得することを含むことができる。例えば、ウェハ支持プレートの温度測定値を、図16の温度センサ162から取得することができる。
【0080】
図19の(604)においては、プロセスが、ウェハ支持プレートの温度は閾値温度(例えば、事前設定温度)に達したか否かを求めることを含むことができる。閾値温度を、ウェハ支持プレートの平衡温度に関連付けることができる。ウェハ支持プレートの温度が閾値温度に達していない場合(例えば、閾値温度以下である場合)、図19の(606)に示されているように、プロセス(600)が、ウェハ支持プレートを加熱するためにパルス制御式予熱レシピを適用することを含むことができる。
【0081】
図20には、平衡温度および均一な温度分布に達するためにウェハ支持プレートが必要とする時間を短縮するための、例示的なパルス制御式予熱レシピのグラフ表示が示されている。より詳細には、曲線520は、本発明の例示的な態様による、パルス制御式予熱レシピを実施するためのランプのパルス制御式の加熱を表す。曲線522は、ランプのパルス制御式の加熱に応答した、ウェハ支持プレートの温度を表す。幾つかの実施の形態においては、パルスの加熱出力は、チャンバの熱負荷に関する仕様を上回らない出力である。パルスの数は、10〜100であってよく、また予熱サイクルの総時間は、3〜4分である。
【0082】
幾つかの実施の形態においては、パルス制御式の加熱を、ウェハ支持プレートの温度を測定するように構成されている温度センサ(例えば、パイロメータ)からの温度測定値に少なくとも部分的に基づいて制御することができる。温度センサ信号は、ランプ光による影響も受け、またウェハ支持プレートにおける小さい領域を測定したものに過ぎないので、温度センサ信号は、平均ウェハプレート温度に等しくない可能性がある。幾つかの実施の形態においては、温度センサ信号が上限に達すると、ランプ出力はオフにされ、また石英パイロメータが下限に達すると、ランプ出力はオンにされる。
【0083】
例えば、図20には、本発明の実施例による、温度センサからの、ウェハ支持プレートの温度測定値に基づいた、ウェハ支持プレートの例示的なパルス制御式予熱が示されている。曲線540は、本発明の例示的な態様による、パルス制御式予熱レシピを実施するためのランプのパルス制御式の加熱を表す。図示されているように、温度センサからの信号550が上限552に達すると、パルス制御式の加熱が停止される。温度センサからの信号550が下限554に達すると、パルス制御式の加熱が開始される。複数回のサイクルの後、曲線560によって表されている平均温度が達成され、この平均温度は、一般的に、ウェハ支持プレートにわたり一様である。
【0084】
幾つかの実施の形態においては、平衡温度に達するまでの時間を、一定出力での「過熱」によって、また温度センサ信号が目標温度に達した際の停止によって短縮することができる。パルス制御式の過熱法は、非パルス制御式の過熱を上回る利点を有することができる。例えば、平均温度を、予熱サイクルの持続時間またはパルスの数に無関係にすることができる。さらに、パルス制御式の予熱法は、寄生信号によって石英温度センサ信号に障害が発生する場合においても機能することができる。
【0085】
図19を参照すると、ウェハ支持プレートの温度が閾値温度に達すると、プロセス(600)は、予熱レシピを停止すること(608)を含むことができる。プロセス(600)は、続いて、処理のためにデバイス半導体基板を搬入すること(610)、また半導体基板を熱処理するためのプロセスレシピを適用すること(612)を含むことができる。プロセスレシピは、予熱レシピとは異なっていてもよく、また大量の半導体基板の中から1つのデバイス半導体基板を処理するためのレシピを含むことができる。
【0086】
ウェハ支持プレートの温度センサ測定値を使用する例示的な低温制御
本発明の別の例示的な態様は、ミリ秒アニールシステムが遠赤外線の温度センサを使用することによって動作することができる最小中間温度を低減することに関する。上記において考察したように、熱処理中に半導体基板の温度を測定するために使用される典型的な温度センサは、UFRを含んでいる。UFRは、通常の場合、半導体基板の温度を求めるために1.45μmの波長を使用する。この波長について、僅かにドープされたシリコンは、約450℃を下回る温度では透過性である。したがって、UFR温度センサは、450℃を下回る温度を測定するためには使用することができない。
【0087】
本発明の実施例によれば、遠赤外線温度センサ(例えば、石英パイロメータ温度センサ)を、半導体基板の温度を測定するために使用することができる。センサは、約8μm〜約14μmの遠赤外線のスペクトル範囲を有することができ、このスペクトル範囲は、低温でのシリコンの放射率が0ではなく、かつ放射信号を取得することができる範囲である。
【0088】
幾つかの実施の形態においては、遠赤外線温度センサの視野が水の窓によって遮られないように、遠赤外線温度センサを、ミリ秒アニールシステムの上部チャンバにおける角のうちの1つに取り付けることができる。例えば、図22には、本発明の実施例による、ミリ秒アニールシステム80の上部チャンバ202の角における遠赤外線温度センサ164の例示的な配置が図示されている。温度センサ164は、水の窓によって遮られることのない、プロセスチャンバ内に取り付けられている基板60の視野を有することができる。
【0089】
幾つかの実施の形態においては、センサが下側半分のチャンバに取り付けられており、かつシリコンウェハに熱的に結合されているウェハ支持プレートの温度を直接的に測定する。直接的に半導体基板を測定するのではなくウェハ支持プレートを測定することの利点は、ウェハの放射率がデバイスパターンに依存しており、かつウェハの放射率を変更できることであり、これに対して、石英ウェハ支持プレートの放射率は一定である。
【0090】
本発明の対象を、本発明の特定の実施例を参照しながら詳細に説明したが、当業者であれば、上記の記載を理解することによって、そのような実施の形態の代替形態、変形形態および等価形態を容易に創作できることは明らかである。したがって、本明細書の範囲は、限定的なものではなく、むしろ例示的なものであり、また本発明の対象は、当業者には容易に明らかになるであろう、本発明の対象に対するそのような修正、変更および/または追加が含まれることを排除するものではない。
【0091】
以下、親出願(特願2018−516779)の出願当初の請求項である。
[請求項1]
ミリ秒アニールシステムのための予熱方法において、前記予熱方法は、
前記ミリ秒アニールシステムのプロセスチャンバであって、上部チャンバおよび下部チャンバに分割されているプロセスチャンバ内のウェハ支持プレートに基板を収容するステップと、
温度センサを使用することによって、前記ウェハ支持プレートの1つまたは複数の温度測定値を取得するステップと、
前記ウェハ支持プレートの前記1つまたは複数の温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記ウェハ支持プレートを加熱するために予熱レシピを適用するステップと、
を含んでいる予熱方法。
[請求項2]
前記ウェハ支持プレートは、石英材料を含んでいる、
請求項1記載の予熱方法。
[請求項3]
前記基板には、ダミー半導体基板が含まれる、
請求項1記載の予熱方法。
[請求項4]
前記ウェハ支持プレートの前記1つまたは複数の温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記ウェハ支持プレートを加熱するために予熱レシピを適用するステップは、前記ウェハ支持プレートの温度が事前設定温度に達するまで、前記ウェハ支持プレートを加熱するために前記予熱レシピを適用するステップを含んでいる、
請求項1記載の予熱方法。
[請求項5]
前記ウェハ支持プレートが、前記事前設定温度に達すると、前記予熱方法は、
前記予熱レシピを停止するステップと、
前記予熱レシピとは異なるプロセスレシピを、前記プロセスチャンバにおける第2の基板に適用するステップと、
を含んでいる、
請求項4記載の予熱方法。
[請求項6]
前記予熱レシピは、前記ミリ秒アニールシステムにおける前記下部チャンバの近傍に配置されている1つまたは複数の連続モードランプを使用することによる、前記ウェハ支持プレートおよび前記基板の加熱を指定している、
請求項1記載の予熱方法。
[請求項7]
前記1つまたは複数の連続モードランプは、前記ウェハ支持プレートの前記1つまたは複数の温度測定値に少なくとも部分的に基づいて制御される、
請求項6記載の予熱方法。
[請求項8]
前記温度センサは、約4μmよりも大きい波長に関連付けられた測定温度を有しているパイロメータを含んでいる、
請求項1記載の予熱方法。
[請求項9]
前記温度センサは、前記下部チャンバに配置されており、かつ、前記ミリ秒アニールシステムの水の窓によって遮られることのない前記ウェハ支持プレートの視野を有している、
請求項1記載の予熱方法。
[請求項10]
ミリ秒アニールシステムのための温度測定システムにおいて、前記システムは、
ウェハ面プレートによって上部チャンバおよび下部チャンバに分割されているプロセスチャンバを有しているミリ秒アニールシステムにおける基板の1つまたは複数の温度測定値を、約450℃未満のプロセス温度において取得するように構成されている遠赤外線温度センサと、
前記温度センサからの測定値を処理して、約450℃未満の温度において、前記基板の温度を求めるように構成されている処理回路と、
を含んでいる温度測定システム。
[請求項11]
前記遠赤外線温度センサは、約8μmから約14μmまでのスペクトル範囲に関連付けられたパイロメータを含んでいる、
請求項10記載の温度測定システム。
[請求項12]
前記遠赤外線温度センサは、ミリ秒アニールシステムの前記上部チャンバの角に取り付けられている、
請求項10記載の温度測定システム。
[請求項13]
前記遠赤外線温度センサは、前記ミリ秒アニールシステムの水の窓によって遮られない、
請求項12記載の温度測定システム。
[請求項14]
前記温度測定システムはさらに、前記ミリ秒アニールシステムにおけるウェハ支持プレートの温度を測定するように構成されている第2の温度センサを含んでおり、前記第2の温度センサは、前記下部チャンバに配置されており、かつ、前記ウェハ支持プレートの視野を有している、
請求項10記載の温度測定システム。
[請求項15]
ミリ秒アニールシステムのための予熱方法において、前記予熱方法は、
上部プロセスチャンバおよび下部プロセスチャンバに分割されているプロセスチャンバを有している前記ミリ秒アニールシステムにおけるウェハ支持プレートの視野を有している温度センサから1つまたは複数の温度測定値を取得するステップと、
前記1つまたは複数の温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記ミリ秒アニールシステムにおける前記ウェハ支持プレートを加熱するためにパルス制御式予熱レシピを適用するステップと、
を含み、
ただし、パルス制御式加熱レシピを適用している間は、前記ウェハ支持プレート上に基板は配置されていない、
予熱方法。
[請求項16]
前記ウェハ支持プレートは、石英材料を含んでいる、
請求項15記載の予熱方法。
[請求項17]
前記ウェハ支持プレートの温度に少なくとも部分的に基づいて、前記ウェハ支持プレートを加熱するためにパルス制御式予熱レシピを適用するステップは、前記ウェハ支持プレートの温度が事前設定温度に達するまで、前記ウェハ支持プレートを加熱するために前記予熱レシピを適用するステップを含んでいる、
請求項15記載の予熱方法。
[請求項18]
前記ウェハ支持プレートが、前記事前設定温度に達すると、前記予熱方法は、
前記予熱レシピを停止するステップと、
前記予熱レシピとは異なるプロセスレシピを、前記プロセスチャンバにおける第2の基板に適用するステップと、
を含んでいる、
請求項17記載の予熱方法。
[請求項19]
前記パルス制御式予熱レシピは、加熱光のパルスの数を指定している、
請求項15記載の予熱方法。
[請求項20]
前記温度センサは、約4μmよりも大きい波長に関連付けられた測定温度を有しているパイロメータを含んでいる、
請求項15記載の予熱方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【外国語明細書】