(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021005729
(43)【公開日】20210114
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シート、及び、それを用いてなる太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/049 20140101AFI20201211BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20201211BHJP
   B32B 27/36 20060101ALI20201211BHJP
【FI】
   !H01L31/04 562
   !B32B27/32 C
   !B32B27/36
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】2020167344
(22)【出願日】20201001
(62)【分割の表示】2015245945の分割
【原出願日】20151217
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】島崎 格
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】玉木 啓晶
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】白髭 靖史
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】小保内 直博
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
【テーマコード(参考)】
4F100
5F151
【Fターム(参考)】
4F100AA21C
4F100AH06B
4F100AH06D
4F100AK04B
4F100AK04D
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4F100AK06D
4F100AK07C
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4F100AL08B
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4F100EH17
4F100GB41
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4F100JA04B
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4F100JJ03
4F100JK14
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4F100JL12
5F151BA14
5F151BA18
5F151JA03
5F151JA04
5F151JA05
(57)【要約】
【課題】太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シートであって、太陽電池モジュールとしての一体化時に発生する封止材一体型裏面保護シート特有のシワの発生を回避することができるように改良された封止材一体型裏面保護シートを提供すること。
【解決手段】オレフィン系樹脂をベース樹脂とする封止材層1と、ポリエステル系樹脂層を含んでなる裏面保護層2とが積層されてなる、太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シート10において、封止材層1は、融点100℃以上115℃以下の低密度ポリエチレンをベース樹脂とするコア層11と、融点100℃未満の低密度ポリエチレンをベース樹脂とするスキン層12とを含んでなる多層構造を有し、コア層11のベース樹脂と、スキン層12のベース樹脂との融点の差が20℃以下である封止材一体型裏面保護シート10とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレフィン系樹脂をベース樹脂とする封止材層と、ポリエステル系樹脂層を含んでなる裏面保護層とが積層されてなる、太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シートであって、
前記封止材層は、融点100℃以上115℃以下の低密度ポリエチレンをベース樹脂とするコア層と、融点100℃未満の低密度ポリエチレンをベース樹脂とするスキン層とを含んでなる多層構造を有し、
前記コア層のベース樹脂と、前記スキン層のベース樹脂との融点の差が20℃以下である封止材一体型裏面保護シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シート、及び、それを用いてなる太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池モジュールの層構成は、図5に示す層構成が一般的である。即ち、受光面側から、透明前面基板5、受光面側封止材シート4、太陽電池素子3、非受光面側封止材シート8及び裏面保護シート9が順に積層された構成である。
【0003】
太陽電池モジュールを構成する上記の各部材のうち、封止材シートとしては、透明性や施工性、製造コスト他等の観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)かなる樹脂シートが汎用的に用いられていた。しかしながら、EVA樹脂は、長期間の使用に伴って徐々に分解する傾向があり、太陽電池モジュールの内部で劣化して強度が低下したり、太陽電池素子に影響を与える酢酸ガスを発生させたりする可能性がある。このため、EVA樹脂の代わりに、近年においては、ポリオレフィン系の樹脂を使用した太陽電池モジュール用の封止材シートが提案されており、その需要が拡大している。
【0004】
太陽電池モジュールの最外層に保護層として配置される裏面保護シートとしては、フッ素系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂を用いた樹脂シートが広く用いられている。又、更には、これらのバリア性を有する樹脂シート等の各部材をドライラミネート法等によって積層した多層シートが用いられている。
【0005】
そして、近年においては、太陽電池モジュールに対する意匠上の要請による薄型化や、製造工程の簡略化による生産性向上を目的として、上記の封止材シートと裏面保護シートとが、予め一体品として形成されている、封止材一体型裏面保護シートの開発も進んでいる(特許文献1参照)。
【0006】
この封止材一体型裏面保護シート(図3の10)は、例えば図3に示す層構成において太陽電池モジュール(図3の100)に配置され、太陽電池モジュールの薄型化や生産性の向上に寄与する。しかし、その一方で、太陽電池モジュールとしての一体化を行う熱ラミネーションの工程中において、従来のように封止材シートと裏面保護シートとを個別に積層する場合には発生していなかった新たな問題、即ち、図4の写真に示すような封止材層における特異なシワの発生が散見されるに至った。このシワは、上記の熱ラミネーション時に、専らガラス性の透明前面基板の中央付近の上方位置範囲において発生するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012−84842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、太陽電池モジュールの薄型化と製造コスト低減に寄与しうる封止材一体型裏面保護シートであって、太陽電池モジュールとしての一体化時に発生する封止材一体型裏面保護シート特有のシワの発生を回避することができるように改良された封止材一体型裏面保護シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の封止材一体型裏面保護シート熱ラミネーション時における特有のシワの発生が、「封止材層と裏面保護層との熱収縮率の差異」、及び、「ラミネート時の高温加熱によりガラス性の透明前面基板が微少なカール変形」に起因するものであることを究明した。カール変形起因のシワの発生は、より具体的には、ガラス性の透明前面基板が、高温により、ラミネータ機の上でカール変形すると、ガラス板の端部が反り反って熱源から遊離してしまい、これに伴い、ガラス板上の相対位置によって封止材層への熱の伝わり方に差異が生じることによるものである。
【0010】
通常、多層の封止材層においては、内層側のコア層よりも表面側のスキン層の方が、低融点の樹脂で形成されており、これらの各層間においては、加熱時に発生する収縮応力が異なる。封止材一体型裏面保護シートを用いた太陽電池モジュールの製造工程においては、上記のガラス板のカール変形に起因して、ガラス板の中央付近が外周部よりも相対的に高温となるため、専らガラス板中央部分において、この収縮応力の差異に起因して、図4に示すような特有のシワが封止材層表面に発生するものと考えられる。
【0011】
本発明者らは、封止材一体型裏面保護シートにおいて、封止材層を形成するベース樹脂の融点を、独自の特定範囲に最適化することにより、封止材一体型裏面保護シートの好ましい各物性を保持したまま、この特有のシワの発生を回避することができることに想到し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
【0012】
(1) オレフィン系樹脂をベース樹脂とする封止材層と、ポリエステル系樹脂層を含んでなる裏面保護層とが積層されてなる、太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シートであって、前記封止材層は、融点100℃以上115℃以下の低密度ポリエチレンをベース樹脂とするコア層と、融点100℃未満の低密度ポリエチレンをベース樹脂とするスキン層とを含んでなる多層構造を有し、前記コア層のベース樹脂と、前記スキン層のベース樹脂との融点の差が20℃以下である封止材一体型裏面保護シート。
【0013】
(2) 前記封止材層は、コア層の両面にスキン層が積層されている3層構造を有し、全層の厚さが200μm以上400μm以下であって、前記コア層は、該コア層の全樹脂成分中の含有量比において、ポリプロピレンを5質量%以上40質量%以下含有し、密度0.910g/cm以上0.950g/cm以下の低密度ポリエチレンの含有量が60質量%以上95質量%以下であって、前記スキン層は、該スキン層の全樹脂成分中の含有量比において、密度0.880g/cm以上0.910g/cm未満の低密度ポリエチレンを80質量%以上100質量%以下含有し、ポリプロピレンは実質的に含有しない、(1)に記載の封止材一体型裏面保護シート。
【0014】
(3) 前記裏面保護層が、ポリエチレンテレフタレート層及び/又は耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート層を含んで構成されている(1)又は(2)に記載の封止材一体型裏面保護シート。
【0015】
(4) (1)から(3)のいずれかに記載の封止材一体型裏面保護シートが、太陽電池素子の非受光面側に、前記スキン層が対面する態様で、積層されている太陽電池モジュール。
【0016】
(5) 最表面にガラス性の透明前面基板が配置されていて、該透明前面基板の面積が1m以上である(4)に記載の太陽電池モジュール。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、太陽電池モジュールの薄型化と製造コスト低減に寄与しうる封止材一体型裏面保護シートであって、太陽電池モジュールとしての一体化時に発生する封止材一体型裏面保護シート特有のシワの発生を回避することができるように改良された封止材一体型裏面保護シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の封止材一体型裏面保護シートを構成する封止材層の層構成の一例を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の封止材一体型裏面保護シートの層構成の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の封止材一体型裏面保護シートを用いてなる太陽電池モジュールの層構成の概略を模式的に示す断面図である。
【図4】従来の封止材一体型裏面保護シートの太陽電池モジュールとしての一体化工程(熱ラミネーション)において封止材層に発生していた特有のシワの断面写真である。
【図5】従来の一般的な太陽電池モジュールの層構成の一例を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の封止材一体型裏面保護シート、及び、それを用いた太陽電池モジュールの詳細について説明する。本発明は以下に記載される実施形態に限定されるものではない。
【0020】
<封止材一体型裏面保護シート>
図1又は図2に示す通り、本発明の太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シート10は、主として太陽電池素子を太陽電池モジュール外部からの衝撃から保護する機能を果たす封止材層1と、主として太陽電池モジュール外部からの水分等の侵入を阻止するバリア性を有する裏面保護層2と、が積層一体化されてなる多層シートである。封止材層1と裏面保護層とはいずれも各種の樹脂シート等により構成されるが、それぞれ求められる機能が異なるため、通常は異なる材料樹脂により構成される。そしてこれらの異なる樹脂からなる各樹脂層は、通常、接着剤を用いたドライラミネート法によって積層一体化される。
【0021】
そして、太陽電池モジュールとしての一体化工程に先駆けて予め一体化された封止材一体型裏面保護シート10は、図3に示すように、太陽電池モジュール100において、太陽電池素子3の非受光面側に積層されて太陽電池モジュールを構成する。又、封止材一体型裏面保護シート10は、より詳しくは、図4又は図5に示す通り、太陽電池モジュール100において、封止材層1を太陽電池素子3の非受光面側に対面させる態様で配置される。
【0022】
封止材一体型裏面保護シート10の厚さは、以下に詳細を説明する封止材層1、裏面保護層2を含む総厚さが、250μm以上500μm以下であることが好ましい。
【0023】
[封止材層]
封止材一体型裏面保護シート10を構成する封止材層1は、コア層とスキン層を含んでなる多層構造を有する。封止材層1は、コア層11における一方の面にのみスキン層12が積層される層構成であってもよいが、図1に示す通り、コア層11の両面にスキン層12が積層される層構成であることが好ましい。上記いずれの構成においても、封止材層1は、各層毎に以下に説明する樹脂組成物成分を、それぞれ最適な組成で配合することにより、太陽電池モジュール用の封止材層に求められる耐熱性、熱加工適性や、柔軟性、基材密着性及び太陽電池モジュールの薄型化への対応等、各種の要求物性を保持したまま、太陽電池モジュールとしての一体化時に発生する封止材一体型裏面保護シート特有のシワの発生を回避することができる。
【0024】
封止材層1のコア層とスキン層は、それぞれ所定の融点範囲にはる低密度ポリエチレンをベース樹脂とする。コア層11については、融点100℃以上115℃以下、の低密度ポリエチレンをベース樹脂とし、スキン層12については、融点80℃以上100℃未満の低密度ポリエチレンをベース樹脂とする。又、上記融点範囲内において、更にコア層11とスキン層12の各層のベース樹脂の融点の差が20℃以下の範囲となるように樹脂組成を調整する。このように、コア層のベース樹脂の融点を絶対値としても、且つ、スキン層のベース樹脂との相対値においても、上記範囲に低融点かして、各層の収縮応力の差異を低減することによって、上記の特有のシワの発生を回避することができる。
【0025】
封止材層1の厚さは、200μm以上400μm以下であればよく、250μm以上350μm以下の範囲であることが好ましい。厚さが200μm以上であれば、十分に上記の耐熱性他、諸々の要求物性を保持することができる。尚、スキン層12がコア層11の両面に積層されて三層構造の封止材層1を構成する場合においては、それらの厚さ比は、スキン:コア:スキンの厚さ比において、1:3:1〜1:30:1の範囲であることが好ましい。
【0026】
[コア層]
コア層11は、封止材層1に、主として、耐熱性や適度な剛性を付与する機能を有する。コア層11は、低密度ポリエチレンをベース樹脂とするコア層組成物からなる。コア層組成物は、更に所定の含有量比の範囲内でポリプロピレンを混合することが好ましい。
【0027】
コア層11の厚さは、一例として、100μm以上240μm以下が挙げられ、特に限定されない。コア層11の厚さが100μm以上であることにより、封止材層1に、良好な寸法安定性を付与することがでる。又、コア層11の厚さが240μm以下であることにより、封止材層1に、ラミネート加工時のシート搬送適性を付与することができる。
【0028】
(コア層組成物)
コア層11を形成するコア層組成物は、密度0.910g/cm以上0.950g/cm以下の低密度ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする。この低密度ポリエチレン系樹脂のコア層組成物の全樹脂成分中における含有量比は60質量%以上95質量%以下であればよく、好ましくは75質量%以上85質量%以下である。そして、このベース樹脂の融点を上述の範囲とする。尚、本発明に用いる樹脂組成物中の各樹脂の含有量比は、例えば、DSC(示差走査熱量測定)やIR(赤外分光法)で検出されるピーク比等から分析することができる。
【0029】
コア層組成物は、全樹脂成分中の含有量比において、ポリプロピレンを、5質量%以上40質量%以下、好ましくは10質量%以上30質量%以下、より好ましくは10質量%以上25質量%以下含有する。この通り、コア層11は、低密度ポリエチレン樹脂層、好ましくは低密度ポリエチレンとポリプロピレンの混合樹脂層であり、耐熱性及び寸法安定性を付与する層として機能する層である。
【0030】
コア層組成物に上記の所定量範囲で含有させるポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレン(ホモPP)樹脂を用いることがより好ましい。ホモPPは、ポリプロピレン単体のみからなる重合体であり結晶性が高いため、ブロックPPやランダムPPと比較して、更に高い剛性を有する。これをコア層組成物への添加樹脂として用いることにより、封止材層1の寸法安定性を更に高めることができる。又、ホモPPの230℃におけるMFRは、5g/10分以上125g/10分以下であることが好ましい。上記MFRが5g/10分未満であると、分子量が大きくなり剛性が高くなりすぎて、封止材層1の好ましい十分な柔軟性がスキン層12の物性によっても担保できなくなる。又、上記MFRが125g/10分を超えると、加熱時の流動性が十分に抑制されず、封止材層1に、上記のように耐熱性及び寸法安定性を十分に付与することが出来ない。尚、本明細書における「MFR」とは、他に特段の断りのない限り、JIS7210に準じて測定した190℃、荷重2.16kgにおけるMFRの値(但し、ポリプロピレン樹脂のMFRについては、同、230℃、荷重2.16kgにおけるMFRの値)のことを言うものとする。
【0031】
但し、ポリプロピレンは、上記のいずれの構造体であっても、ベース樹脂とする低密度ポリエチレンよりも遙かに高い剛性を有する。よって、例えば、上記の適切な添加量範囲を超えて、40質量%を超えるポリプロピレンをコア層組成物に添加した場合には、コア層11においてポリプロピレンの物性が過剰に優位となり、封止材層1全体としての好ましい柔軟性がスキン層12の物性によっても担保できなくなる。そこで、ポリプロピレンをコア層組成物においても上記範囲内で限定的に添加することが好ましい。
【0032】
上記含有量範囲でポリプロピレンを混合することにより、封止材シートを400μm以下の薄型のシートとした場合においても良好な耐熱性を封止材層1に備えさせることができる。
【0033】
[スキン層]
スキン層12は、封止材層1の一方の最外層又は両方の最外層に配置される層である。スキン層12は、太陽電池モジュール100において、太陽電池素子3の非受光面側の表面及び受光面側封止材シート4との密着面、又は、封止材一体型裏面保護シート10を形成する際の裏面保護層2との密着面となる。特に前者の場合において、封止材層1の密着性や、太陽電池モジュールとしての一体化のためのラミネート加工時における他部材の凹凸への追従性(以下「モールディング特性」と言う)の向上に寄与する。
【0034】
スキン層12の厚さは、封止材層1に要求される厚さ(薄さ)を考慮して適宜決定すればよい。一例として、スキン層12が、コア層11の一方の面に積層される層構成の場合、スキン層12の好ましい厚さとしては、3μm以上150μm以下が挙げられる。スキン層12の厚さが3μm以上であることにより、封止材層1に十分な密着性とモールディング特性を付与することができる。
【0035】
(スキン層組成物)
スキン層12を形成するスキン層組成物は、密度0.880g/cm以上0.910g/cm未満の低密度ポリエチレンをベース樹脂とする。この低密度ポリエチレン系樹脂のスキン層組成物の全樹脂成分中における含有量比は80質量%以上100質量%以下であればよく、好ましくは98質量%以上100質量%以下である。そして、このベース樹脂の融点を上述の範囲とする。
【0036】
スキン層組成物は、コア層組成物と異なり、ポリプロピレンを実質的に含有しない。このようなスキン層12は、コア層組成物のベース樹脂よりも密度が低い低密度ポリエチレンを主たる成分とする層であり、主として封止材層1にモールディング特性と密着性とを付与する層として機能する層である。尚、本発明における「ポリプロピレンは実質的に含有しない」とは、例えば、コア層に添加された樹脂由来のポリプロピレンが、スキン層に極微量含浸していて、これが検出されたとしても、本発明の技術思想上、「ポリプロピレンは実質的に含有しない」ものとみなすという意味である。上記の極微量とは、例えばスキン層中の含有量比で、0.1質量%未満が目安である。
【0037】
スキン層組成物には、上記密度範囲の低密度ポリエチレン(LDPE)、より好ましくは、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、上記密度範囲にある直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いることができる。密着成分の種類、密度範囲及び含有量比を上述した組成範囲とすることにより、スキン層12を有する封止材層1に、好ましい柔軟性を付与することができる。
【0038】
又、スキン層組成物には、シラン変性ポリエチレンが、所定の割合で含有されていることが好ましい。シラン変性ポリエチレン系樹脂は、主鎖となる直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)等に、エチレン性不飽和シラン化合物を側鎖としてグラフト重合してなるものである。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、封止材層1の密着性を更に向上させることができる。
【0039】
エチレン性不飽和シラン化合物の含量であるグラフト量は、スキン層を形成するポリエチレン系樹脂100質量部に対する前記エチレン性不飽和シラン化合物のグラフト量が、例えば、0.001質量部以上15質量部以下、好ましくは、0.05質量部2質量部以下、より好ましくは、0.1質量部以上1.0質量部以下となるように適宜調整すればよい。エチレン性不飽和シラン化合物の含量が多い場合には、機械的強度及び耐熱性等に優れるが、含量が過度になると、引っ張り伸び及び熱融着性等に劣る傾向にある。
【0040】
シラン変性ポリエチレン系樹脂は、例えば、特開2003−46105号公報に記載されている方法で製造でき、当該樹脂を太陽電池モジュール用の封止材組成物の成分として使用することにより、強度、耐久性等に優れ、且つ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れ、更に、太陽電池モジュールを製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する太陽電池モジュールを製造しうる。
【0041】
直鎖低密度ポリエチレンとグラフト重合させるエチレン性不飽和シラン化合物として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシランより選択される1種以上を使用することができる。
【0042】
(その他の成分)
スキン層組成物及びコア層組成物には、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、封止材層1に、耐候性を付与するための各種の耐候性マスターバッチ、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の成分が例示される。これらの含有量は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれ封止材組成物中に0.001質量%以上5質量%以下の範囲内であることが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、封止材層1に、長期に亘る安定した機械強度の向上や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
【0043】
[裏面保護層]
封止材一体型裏面保護シート10を構成する裏面保護層2は、バリア性を備える樹脂からなる単層の樹脂層として形成することができる。或いは、封止材一体型裏面保護シート10を構成する裏面保護層2は、単層の樹脂層とその他の層とが積層されて構成される、バリア性を有する多層構造の層としても形成することもできる。
【0044】
裏面保護層2を形成する材料樹脂としては、従来、太陽電池モジュール用の裏面保護シートとして用いられてきた各種の樹脂を用いることができる。裏面保護層2を形成する樹脂シートとしては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂を用いることができる。これらの中でも、絶縁性能、機械強度、コスト、透明性等の物性及び経済性の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)を好ましく用いることができる。尚、上記ポリエチレンテレフタレート(PET)の融点は260℃程度であり、その他のポリエステル系樹脂についても融点は220℃〜280℃程度の範囲にある。いずれも封止材層1を形成するオレフィン系樹脂よりは十分に高い融点であり、一般的な太陽電池モジュールの製造時の加熱温度(150℃以下)によっては溶融しない高融点の樹脂である。
【0045】
裏面保護層2が多層構造である場合の層構成については、機械強度や水蒸気バリア性向上、及び経済性への配慮という観点から、封止材層と対向する内層側の層をPETで形成し、最外層側に露出する外層側の層22を耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート(耐加水分解性PET)で形成し、これらの各層を接着剤層を介して一体化した構成を特に好ましい層構成の具体例として挙げることができる。
【0046】
裏面保護層2の厚さは、特に限定されないが、裏面保護層2に要求される水蒸気のバリア性等の物性を維持することできる範囲で、封止材一体型裏面保護シート10に要求される厚さを考慮して適宜決定すればよい。裏面保護層2の厚さは、25μm以上300μm以下であることが好ましく、25μm以上250μm以下であることがより好ましい。裏面保護層2の厚さが25μm以上であることにより、封止材一体型裏面保護シート10に好ましい耐久性、耐候性を付与することができる。
【0047】
[封止材一体型裏面保護シートの製造方法]
本発明の封止材一体型裏面保護シートの製造方法について説明する。封止材一体型裏面保護シート10は、裏面保護層2を形成する裏面保護シートを形成する「裏面保護シート形成工程」と、封止材層1を形成する封止材シートを形成する「封止材シート形成工程」と、裏面保護層シートに封止材シートを積層して一体化する「一体化工程」と、を経ることによって製造することができる。
【0048】
(裏面保護シート形成工程)
裏面保護層シートは、上記において説明したPET等の樹脂材料を、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他の成膜化法等により成膜することにより形成することができる。尚、裏面保護層2は、本発明の効果を害さない範囲で、上記樹脂材料の他に顔料等のその他の添加物を含むシートからなるものであってもよい。
【0049】
(封止材シート形成工程)
封止材層シートは、上述のスキン層組成物とコア層組成物とを、公知の共押出し法により一体成形して多層シート化することにより形成することができる。
【0050】
(一体化工程)
封止材層1を構成する封止材シートと、裏面保護層2を構成する裏面保護シートと、及び必要に応じて同様の方法によって形成したその他の層を形成するシートとを適宜積層して、更に一体化することにより、本発明の封止材一体型裏面保護シート10を得ることができる。各シートの一体化は従来公知のドライラミネート法によることができる。ラミネート接着剤は従来公知のものが利用でき特に限定されず、ウレタン系、エポキシ系等の主剤と硬化剤とからなる2液硬化型のドライラミネート接着剤等が適宜使用可能である。尚、この一体化工程は、押出しコートラミネート法や、その応用形態であるサンドイッチラミネート法によることもできる。
【0051】
<太陽電池モジュール>
本発明の封止材一体型裏面保護シート10を用いた太陽電池モジュール100の基本構成について、図3を参照しながら説明する。太陽電池モジュール100は、非受光面側から、封止材一体型裏面保護シート10、太陽電池素子3、受光面側封止材シート4、受光面側の最外層に配置される透明前面基板5が順に積層された構成である。封止材一体型裏面保護シート10は、封止材層1が太陽電池素子3の非受光面側と対面する態様で配置される。
【0052】
太陽電池モジュール100に用いる太陽電池素子3としては、例えば、アモルファスシリコン型、結晶シリコン型、CdTe型、CIS型、GaAs型、その他、特に限定なく従来公知の様々な太陽電池素子を用いることができる。
【0053】
太陽電池素子3の受光面側の表面を覆って配置される受光面側封止材シート4は、上記の通り、主として太陽電池素子3を外部衝撃から保護する機能を発揮する樹脂シートである。又、受光面側封止材シート4は太陽光線を高い透過率で透過させるために透明なシートであることが求められる。この受光面側封止材シート4を形成する樹脂基材としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、アイオノマー、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂を適宜用いることができる。
【0054】
透明前面基板5は、一般にガラス製の基板である。透明前面基板5は、又、太陽電池モジュール100の耐候性、耐衝撃性、耐久性を維持しつつ、且つ、太陽光線を高い透過率で透過させるものであればその他の部材であってもよい。
【0055】
[太陽電池モジュールの製造方法]
太陽電池モジュール100は、例えば、上記の透明前面基板5、受光面側封止材シート4、太陽電池素子3、及び封止材一体型裏面保護シート10からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。例えば真空熱ラミネート加工による場合、ラミネート温度は、130℃〜180℃の範囲内とすることが好ましい。又、ラミネート時間は、5〜20分の範囲内が好ましく、特に8〜15分の範囲内が好ましい。このようにして、上記各層を一体成形体として加熱圧着成形して、太陽電池モジュール100を製造することができる。
【0056】
ここで、太陽電池モジュール100の透明前面基板5がガラス性であり、且つ、大型のガラス板である場合、上記の真空熱ラミネート加工時に、熱源上に置かれた当該ガラス板の端部の反り上がりがより起こりやすくなる。この場合、一体化処理される太陽電池モジュールの中央部と端部とで実質的な加熱温度に差異が生じてしまうことにより、上述した、封止材一体型裏面保護シートの採用に伴う「特有のシワ」発生がより発生しやすくなる。しかし、封止材一体型裏面保護シートを本発明の封止材一体型裏面保護シート10とすることにより、このような大型の太陽電池モジュールにおいても、上記の「特有のシワ」の発生を十分に抑制することができる。尚、本明細書における大型の太陽電池モジュールとは、透明前面基板の面積が1m以上である太陽電池モジュールのことを言うものとする。
【実施例】
【0057】
以下、実施例をもって本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0058】
<封止材シートの製造>
下記の材料を用いて、上記(封止材シート形成工程)の欄に記載の製造方法により、実施例、比較例の封止材一体型裏面保護シートを構成する封止材シートを作成した。
【0059】
下記の材料をそれぞれ表1の組成で混合したものを、それぞれ実施例、比較例の封止材シートのコア層用及びスキン層のブレンドとして、それぞれ使い分けた。そして、これらの各ブレンドを、φ30mm押出し機、200mm幅のTダイスを有するシート成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/minでシート成型し、それらをスキン/コア/スキンの3層の封止材シートとした。各封止材シートの総厚さと各層の厚さは、いずれの封止材シートについても、各スキン層50μm、コア層200μm、層厚さ300μmとした。
【0060】
封止材シートの材料として以下の原材料を使用した。
低密度ポリエチレン1(LDPE、表中「LD1」と表記):密度0.920g/cm、融点123℃。
低密度ポリエチレン2(LDPE、表中「LD2」と表記):密度0.920g/cm、融点105℃。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、表中「LLD」と表記):密度0.898g/cm、融点97℃。
シラン変性ポリエチレン系樹脂(表中「SiPE」と表記):密度0.901g/cm、MFR1.1g/10分のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部と、を混合し、200℃で溶融、混練し、密度0.901g/cmのシラン変性透明樹脂を得た。
ポリプロピレン(PP、表中「PP」と表記):ホモポリプロピレン。密度0.900g/cm、融点155℃。MFR8.5g/10分(230℃)。
白色顔料:平均粒径0.2μmの酸化チタン。全ての実施例及び比較例の封止材シートのコア層のみに、樹脂成分100質量部当り7質量部添加。
紫外線吸収剤:ケミプロ化成株式会社製、商品名KEMISORB12。全ての実施例、比較例のコア層及びスキン層用の各封止材組成物に、いずれも0.3質量部添加。
耐候安定剤:BASF株式会社製、商品名Tinuvin622SF。全ての実施例、比較例のコア層及びスキン層用の各封止材組成物に、いずれも0.2質量部添加。
酸化防止剤:チバ・ジャパン株式会社製、商品名Irganox1076。全ての実施例、比較例のコア層及びスキン層用の各封止材組成物に、いずれも0.05質量部添加。
【0061】
<封止材一体型裏面保護シートの製造>
上記各実施例、比較例の封止材シートと、表面にコロナ処理を施したPETフィルム(帝人デュポン社製、「Melinex S」、厚さ125μm)と、を、従来公知のドライラミネート法で積層して各実施例、比較例の封止材一体型裏面保護シートを得た。
【0062】
上記実施例、比較例の各封止材シート及び封止材一体型裏面保護シートについて、下記記載の試験方法及び評価基準に基づいて、ラミネート加工時のラミネータ汚染有無とセル保護性能、及び、耐熱性と本発明の課題である上記の特有のシワの発生の有無について、それぞれ測定して評価した。結果を表1に示す。
【0063】
<ラミネート加工時のラミネータ汚染有無評価>
白板半強化ガラス、太陽電池素子(Q−CELLS社製、セルQ6LTT−200/152 156mm)(2×2個)を、受光面側用の封止材シート、及び実施例、比較例の各「封止材一体型裏面保護シート」を、それぞれ白板半強化ガラス/受光面側用の封止材シート/太陽電池素子/封止材/封止材一体型裏面保護シートの順で積層し、下記のラミネート条件で、真空加熱ラミネート処理を行い、それぞれの実施例、比較例について太陽電池モジュール評価用サンプルを得た。
このサンプルをラミネータから取り出した直後に、同ラミネータの下部にある熱板及び天板部のラバー部分を目視で観察して、ラミネート加工時のラミネータ汚染の有無について評価した。評価結果を表1に「ラミネータ汚染」として示す。
(ラミネート条件) 真空引き:5.0分
加圧(0kPa〜100kPa):1.0分
圧力保持(100kPa):10.0分
温度150℃
(ラミネータ汚染有無評価基準)
A:樹脂汚れなし。
B:ラミネータ付属の刷毛で1往復、撫でることにより除去可能な程度の樹脂汚れがある。
C:上記刷毛による除去が不可能な程度の樹脂汚れがある。
【0064】
<ラミネート加工時の太陽電池素子保護性能評価>
上記の各太陽電池モジュール評価用サンプルについて、EL発光試験機で測定し、ラミネート加工時の太陽電池素子の保護性能を評価した。評価結果を表3及び表4に「セル保護性能」として示す。
(セル保護性能評価基準)
A:全ての太陽電池素子の全面に割れが無い
B:一部の太陽電池素子に割れはあるが、全面に発光が確認できるもの
C:割れがあり発光が確認できない場所があるもの
【0065】
<シワ発生抑制効果の評価>
上記の各太陽電池モジュール評価用サンプルについて、封止材層表面におけるシワの発生の有無を目視により確認した。但し、本評価を検証するための試験においては、シワ発生にはガラスの反りが熱伝導に影響していると考え、評価用サンプルを設置後30秒後にラミネートを開始した。尚、この方法によるラミネート開始時には、各実施例、比較例において、ガラス板端部の一部に熱源からの微細な遊離が観察された。
(シワ発生抑制効果評価基準)
A:シワの発生なし。
B:図4のシワの写真とは異なり封止材層が折りたたまれていないシワ発生が確認される。
C:図4のシワの写真のように封止材層が折りたたまれたシワが確認される。
【0066】
<耐熱性評価>
耐熱性については下記の耐熱クリープ試験により測定評価した。結果を表3に示す。
【0067】
[耐熱クリープ試験(mm)の試験方法]
7.5×5.0cmにカットした実施例、比較例の製膜後の封止材シートを、ガラス基板(白板フロート半強化ガラス JPT3.2 150mm×150mm×3.2mm)上に2枚重ね置き、その上からガラス基板(白板フロート半強化ガラス JPT3.2 75mm×50mm×3.2mm)を重ね置き、上記の「ラミネート加工時のラミネータ汚染有無評価」試験時と同一の熱ラミネート条件により、真空加熱ラミネータ処理を行い、それぞれの実施例、比較例について太陽電池モジュール評価用サンプルを得た。これらの太陽電池モジュール評価用サンプルについて、下記条件による耐熱クリープ試験を行い、耐熱性を評価した。
太陽電池モジュール評価用サンプルを垂直に置き、100℃で12時間放置し、放置後のガラス基板(白板フロート半強化ガラス JPT3.2 75mm×50mm×3.2mm)の移動距離を計測評価した。それぞれの実施例、比較例の製膜後の封止材シートについて測定結果を、以下の評価基準A〜Cにより評価した。
(耐熱性評価基準) A:2.0mm未満
B:2.0mm以上6.0mm未満
C:6.0mm以上
【0068】
【表1】
【0069】
表1より、本発明の封止材一体型裏面保護シートは、柔軟性と耐熱性をバランスよく兼ね備え、太陽電池素子の保護性能という封止材としての基本性能も良好に保持しながら、封止材一体型裏面保護シート特有の現象である熱ラミネーション時の特異なシワの発生を回避することができるものであることが分る。
【符号の説明】
【0070】
1 封止材層
11 コア層
12 スキン層
2、7 裏面保護層
3 太陽電池素子
4 受光面側封止材シート
5 透明前面基板
6 非受光面側封止材シート
10 封止材一体型裏面保護シート
100 太陽電池モジュール
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】