(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021045967
(43)【公開日】20210325
(54)【発明の名称】立体造形物、平面画像の立体化法、立体プレートの製造方法、及びメス型の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/386 20170101AFI20210226BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20210226BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20210226BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALI20210226BHJP
【FI】
   !B29C64/386
   !B33Y10/00
   !B33Y80/00
   !B33Y50/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】2020185865
(22)【出願日】20201106
(62)【分割の表示】2020115386の分割
【原出願日】20200703
(31)【優先権主張番号】2019124456
(32)【優先日】20190703
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】2019152261
(32)【優先日】20190822
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519242584
【氏名又は名称】坂手 修三
【住所又は居所】岡山県真庭市西原31−2
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂手 修三
【住所又は居所】岡山県真庭市西原31−2
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL85
(57)【要約】
【課題】立体造形物を高い専門的知識や技術がなくても簡易にかつ安価で製造する。
【解決手段】平面画像の立体化法は、造形対象物1の形象の平面画像を立体的に表した本体6を、厚みを有する芯材を彫刻して造形する造形工程S1と、本体6の表面に下地材を塗布するコーティング工程S2と、平面画像に基づいて造形対象物1の画像データを作成するデータ化工程S3と、造形対象物1の画像データが印刷されたラッピングシール8を作成するシール作成工程S4と、本体6の表面にラッピングシール8を貼り付ける貼付工程S5とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
造形対象物の形象の平面画像を立体的に表した本体を、厚みを有する芯材を彫刻して造形する造形工程と、
前記平面画像に基づいて前記造形対象物の画像データを作成するデータ化工程と、
前記造形対象物の画像データが印刷されたラッピングシールを作成するシール作成工程と、
前記本体の表面に前記ラッピングシールを貼り付ける貼付工程と、を含む、平面画像の立体化法。
【請求項2】
前記造形工程では、前記平面画像において前記造形対象物を複数の部位に区分けし、前記芯材から前記造形対象物の各部位の輪郭に沿った複数のパーツを切り出し、前記複数のパーツをパーツ毎に所定の形状となるよう加工することで前記複数のパーツの組み合わせにより前記本体を造形し、
前記データ化工程では、前記造形対象物の部位毎に画像データを作成し、
前記シール作成工程では、前記造形対象物の部位毎の画像データが印刷された複数のラッピングシールを作成し、
前記貼付工程では、前記複数のパーツの表面に、パーツ毎に前記複数のラッピングシールの中の対応するラッピングシールを貼り付ける、請求項1に記載の平面画像の立体化法。
【請求項3】
前記複数のパーツが切り出された前記芯材を前記複数のパーツよりも薄く加工した後、前記芯材の表面に背景を施す背景作成工程と、
前記貼付工程後の前記複数のパーツを前記背景作成工程後の前記芯材に嵌め込んで前記芯材と一体化する一体化工程と、をさらに含む、請求項2に記載の平面画像の立体化法。
【請求項4】
前記造形工程では、前記芯材から前記本体を切り出して所定の形状に造形し、
該平面画像の立体化方法は、
前記本体が切り出された前記芯材を前記本体よりも薄く加工した後、前記芯材の表面に背景を施す背景作成工程と、
前記貼付工程後の前記本体を前記背景作成工程後の前記芯材に嵌め込んで前記芯材と一体化する一体化工程と、をさらに含む、請求項1に記載の平面画像の立体化法。
【請求項5】
造形対象物の形象の平面画像を立体的に表した本体を造形する造形工程と、
前記平面画像に基づいて前記造形対象物の画像データを作成するデータ化工程と、
前記造形対象物の画像データが印刷されたラッピングシールを作成するシール作成工程と、
前記本体の表面に前記ラッピングシールを貼り付ける貼付工程と、を含み、
前記造形工程では、前記平面画像において前記造形対象物を複数の部位に区分けし、前記本体を前記造形対象物の複数の部位に対応して複数のパーツに分割し、前記複数のパーツをパーツ毎に所定の形状となるよう加工することで前記複数のパーツの組み合わせにより前記本体を造形し、
前記データ化工程では、前記造形対象物の部位毎に画像データを作成し、
前記シール作成工程では、前記造形対象物の部位毎の画像データが印刷された複数のラッピングシールを作成し、
前記貼付工程では、前記複数のパーツの表面に、パーツ毎に前記複数のラッピングシールの中の対応するラッピングシールを貼り付ける、平面画像の立体化法。
【請求項6】
造形対象物の形象の平面画像を立体的に表した本体を造形する造形工程と、
前記平面画像に基づいて前記造形対象物の画像データを作成するデータ化工程と、
前記造形対象物の画像データが印刷されたラッピングシールを作成するシール作成工程と、
前記本体の表面に前記ラッピングシールを貼り付ける貼付工程と、を含み、
前記造形工程では、前記平面画像において前記造形対象物を複数の部位に区分けし、前記本体を前記造形対象物の複数の部位に対応して複数のパーツに分割し、前記複数のパーツをパーツ毎に所定の形状となるよう加工することで前記複数のパーツの組み合わせにより前記本体を造形し、
前記貼付工程では、前記複数のパーツの表面に、1枚の前記ラッピングシールをまとめて貼り付ける、平面画像の立体化法。
【請求項7】
造形対象物の形象の平面画像を立体的に表した本体を造形する造形工程と、
前記平面画像に基づいて前記造形対象物の画像データを作成するデータ化工程と、
前記造形対象物の画像データが印刷されたラッピングシールを作成するシール作成工程と、
前記本体の表面に前記ラッピングシールを貼り付ける貼付工程と、を含み、
前記データ化工程では、前記平面画像において複数の部位に区分けされた前記造形対象物の部位毎に画像データを作成し、
前記シール作成工程では、前記造形対象物の部位毎の画像データが印刷された複数のラッピングシールを作成し、
前記貼付工程では、前記複数のラッピングシールを個別に前記本体の対応する部位の表面に貼り付ける、平面画像の立体化法。
【請求項8】
造形対象物の形象の平面画像を立体的に表した本体を造形する造形工程と、
前記平面画像に基づいて前記造形対象物の画像データを作成するデータ化工程と、
前記造形対象物の画像データが印刷されたラッピングシールを作成するシール作成工程と、
前記本体の表面に前記ラッピングシールを貼り付ける貼付工程と、を含み、
前記本体には、1又は複数の空気吸出し用の穴が形成されており、
前記貼付工程では、前記本体と前記ラッピングシールとの間の空気を吸い出しながら前記本体に対する前記ラッピングシールの貼付が行われる、平面画像の立体化法。
【請求項9】
前記データ化工程において作成される前記造形対象物の各部位の画像データは、前記造形対象物の全体画像データから該部位の輪郭で切り取った実画像データを拡張することで形成される、請求項2又は5に記載の平面画像の立体化法。
【請求項10】
前記造形対象物の各部位の画像データは、該部位の前記実画像データと、前記実画像データの周囲の少なくとも一部に付け加えられた付加画像データとからなる、請求項9に記載の平面画像の立体化法。
【請求項11】
板材の表面において前記本体を位置させる領域の周囲に背景を施す背景作成工程と、
前記貼付工程後の前記本体を前記領域に位置するように前記背景作成工程後の前記板材の表面に設置して前記板材と一体化する一体化工程と、をさらに含む、請求項5〜8のいずれか一項に記載の平面画像の立体化方法。
【請求項12】
造形対象物の形象の平面画像に由来した画像データが印刷された複数のラッピングシールが、前記平面画像を立体的に表した本体の表面に貼り付けられている立体造形物であって、
前記複数のラッピングシールは、前記平面画像における前記造形対象物の複数の部位に関する画像データがそれぞれ印刷されており、
前記本体は、前記造形対象物の複数の部位に対応して複数のパーツに分割されており、
前記複数のパーツがパーツ毎に所定の形状となるよう加工されていることで前記複数のパーツの組み合わせにより前記本体が立体形状とされており、
前記複数のパーツの表面に、パーツ毎に前記複数のラッピングシールの中の対応するラッピングシールが貼り付けられる、立体造形物。
【請求項13】
前記パーツの表面に貼り付けられたラッピングシールの一部は、該パーツに隣接する他のパーツとの間に挟まれている、請求項12に記載の立体造形物。
【請求項14】
造形対象物の形象の平面画像に由来した画像データが印刷された1枚のラッピングシールが、前記平面画像を立体的に表した本体の表面に貼り付けられている立体造形物であって、
前記本体は、前記平面画像における前記造形対象物の複数の部位に対応して複数のパーツに分割されており、前記複数のパーツがパーツ毎に所定の形状となるよう加工されていることで前記複数のパーツの組み合わせにより前記本体が立体形状とされており、
前記複数のパーツの表面に、前記1枚のラッピングシールがまとめて貼り付けられる、立体造形物。
【請求項15】
造形対象物の形象の平面画像に由来した画像データが印刷された複数のラッピングシールが、前記平面画像を立体的に表した本体の表面に貼り付けられている立体造形物であって、
前記複数のラッピングシールは、前記平面画像における前記造形対象物の複数の部位に関する画像データがそれぞれ印刷されており、
前記複数のラッピングシールが個別に前記本体の対応する部位の表面に貼り付けられる、立体造形物。
【請求項16】
造形対象物の形象の平面画像に由来した画像データが印刷された1枚のラッピングシールが、前記平面画像を立体的に表した本体の表面に貼り付けられており、
前記本体には、前記本体に対する前記ラッピングシールの貼付の際に前記本体と前記ラッピングシールとの間の空気を吸い出すための1又は複数の穴が形成されている、立体造形物。
【請求項17】
表面の前記本体を位置させる領域の周囲に背景が施された板材をさらに備え、
前記本体が前記領域に位置するように前記板材の表面に前記本体が設置されて前記板材と一体化されている、請求項12〜16のいずれか一項に記載の立体造形物。
【請求項18】
造形対象物の形象の平面画像を立体的に表した本体を造形する造形工程であって、前記平面画像において前記造形対象物を複数の部位に区分けし、前記本体を前記造形対象物の複数の部位に対応して複数のパーツに分割し、前記複数のパーツをパーツ毎に所定の形状となるよう加工することで前記複数のパーツの組み合わせにより前記本体を造形する造形工程と、
前記平面画像に基づいて前記造形対象物の画像データを作成するデータ化工程と、
前記造形対象物の画像データが印刷されたラッピングシールが表面に貼り付けられたプラスチック板、もしくは前記造形対象物の画像データが表面に直接印刷されたプラスチック板を前記本体の表面に対して、前記プラスチック板と前記本体との間をバキュームしながらヒートプレスする工程と、
前記プラスチック板から前記本体を取り外す工程と、を含む、立体プレートの製造方法。
【請求項19】
造形対象物の形象の平面画像を立体的に表した本体を造形する造形工程であって、前記平面画像において前記造形対象物を複数の部位に区分けし、前記本体を前記造形対象物の
複数の部位に対応して複数のパーツに分割し、前記複数のパーツをパーツ毎に所定の形状となるよう加工する造形工程と、
前記平面画像に基づいて前記造形対象物の画像データを作成するデータ化工程であって、前記造形対象物の部位毎に画像データを作成するデータ化工程と、
前記造形対象物の部位毎の画像データが印刷された複数のラッピングシールが個別に表面に貼り付けられた複数のプラスチック板、もしくは前記造形対象物の部位毎の画像データが個別に表面に直接印刷された複数のプラスチック板を前記複数のパーツの表面に対して、パーツ毎に対応するプラスチック板と前記パーツとの間をバキュームしながらヒートプレスする工程と、
前記複数のプラスチック板から前記複数のパーツを取り外す工程と、
前記複数のプラスチック板を組み合わせて一体化する工程と、を含む、立体プレートの製造方法。
【請求項20】
厚みを有する芯材を彫刻して、造形対象物の形象の平面画像を立体的に表した本体を造形する造形工程と、
前記本体を原型として用いることでメス型を製造する工程と、を含み、
前記造形工程では、前記平面画像において前記造形対象物を複数の部位に区分けし、前記芯材から前記造形対象物の各部位の輪郭に沿った複数のパーツを切り出し、前記複数のパーツをパーツ毎に所定の形状となるよう加工することで前記複数のパーツの組み合わせにより前記本体を造形する、メス型の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体造形物、平面画像の立体化法、立体プレートの製造方法、及びメス型の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
立体看板は、会社の商品やキャラクターを立体的に表現した看板である。立体看板などの立体造形物を製造するための既存の一般的な方法としては、例えば粘土などを用いて原型を制作し、石膏などで型取りを行ってメス型を制作した後、メス型に樹脂を注入し、樹脂の硬化後、脱型して立体造形物の本体を造形した後、本体の表面を研磨及び塗装し、塗料を乾燥させることで立体造形物を得る方法がある。しかし、この方法では、塗装の工程で材料費がかかるとともに、材料の乾燥・硬化時間が長いために作業時間がかかる。そのために立体造形物の価格を上げざるを得ないという課題がある。また、塗装の工程で専門的知識及び高度な技術が必要であるため、作業者により完成後の立体造形物の出来に差が出るとの課題がある。
【0003】
その他の方法として、発泡スチロールなどを切削して立体造形物の本体を造形し、本体の表面に硬質ウレタンなどを塗布してすることでコーティングを行い、その後、本体の表面を塗装することで立体造形物を得る方法がある(例えば特許文献1を参照)。この方法においても、塗装の工程で専門的知識及び高度な技術が必要であり、作業者により完成後の立体造形物の出来に差が出るうえ、材料費や作業時間がかかるといった課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−182300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した従来の造形方法における課題であった「高価格」、「高い専門的知識・技術の要求」を解決するためになされたものであり、写真などの平面画像に表現されている物を、実物同様のモデル(立体造形物や立体プレート)に立体化する技術を提供し、立体造形物を簡易にかつ安価で製造することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様は、平面画像の立体化法に関する。本発明の平面画像の立体化法は、造形対象物の形象の平面画像を立体的に表した本体を造形する造形工程と、前記平面画像に基づいて前記造形対象物の画像データを作成するデータ化工程と、前記造形対象物の画像データが印刷されたラッピングシールを作成するシール作成工程と、前記本体の表面に前記ラッピングシールを貼り付ける貼付工程と、を含むことを特徴としている。
【0007】
本発明の平面画像の立体化法において好ましい実施態様は、前記本体は、厚みを有する芯材を彫刻して造形することを特徴としている。
【0008】
この実施態様の平面画像の立体化方法においては、前記造形工程では、前記平面画像において前記造形対象物を複数の部位に区分けし、前記芯材から前記造形対象物の各部位の輪郭に沿った複数のパーツを切り出し、前記複数のパーツをパーツ毎に所定の形状となるよう加工することで前記複数のパーツの組み合わせにより前記本体を造形し、前記データ
化工程では、前記造形対象物の部位毎に画像データを作成し、前記シール作成工程では、前記造形対象物の部位毎の画像データが印刷された複数のラッピングシールを作成し、前記貼付工程では、前記複数のパーツの表面に、パーツ毎に前記複数のラッピングシールの中の対応するラッピングシールを貼り付けることが好ましい。さらに、この実施態様の平面画像の立体化方法においては、前記複数のパーツが切り出された前記芯材を前記複数のパーツよりも薄く加工した後、前記芯材の表面に背景を施す背景作成工程と、前記貼付工程後の前記複数のパーツを前記背景作成工程後の前記芯材に嵌め込んで前記芯材と一体化する一体化工程と、をさらに含むことが好ましい。
【0009】
なお、この実施態様の平面画像の立体化方法においては、前記造形工程では、前記芯材から前記本体を切り出して所定の形状に造形していてもよく、かつ、前記本体が切り出された前記芯材を前記本体よりも薄く加工した後、前記芯材の表面に背景を施す背景作成工程と、前記貼付工程後の前記本体を前記背景作成工程後の前記芯材に嵌め込んで前記芯材と一体化する一体化工程と、をさらに含んでいてもよい。
【0010】
また、本発明の平面画像の立体化法において好ましい実施態様は、前記造形工程では、前記平面画像において前記造形対象物を複数の部位に区分けし、前記本体を前記造形対象物の複数の部位に対応して複数のパーツに分割し、前記複数のパーツをパーツ毎に所定の形状となるよう加工することで前記複数のパーツの組み合わせにより前記本体を造形し、前記データ化工程では、前記造形対象物の部位毎に画像データを作成し、前記シール作成工程では、前記造形対象物の部位毎の画像データが印刷された複数のラッピングシールを作成し、前記貼付工程では、前記複数のパーツの表面に、パーツ毎に前記複数のラッピングシールの中の対応するラッピングシールを貼り付けることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の平面画像の立体化法において好ましい実施態様は、前記造形工程では、前記平面画像において前記造形対象物を複数の部位に区分けし、前記本体を前記造形対象物の複数の部位に対応して複数のパーツに分割し、前記複数のパーツをパーツ毎に所定の形状となるよう加工することで前記複数のパーツの組み合わせにより前記本体を造形し、前記貼付工程では、前記複数のパーツの表面に、1枚の前記ラッピングシールをまとめて貼り付けることを特徴としている。
【0012】
また、本発明の平面画像の立体化法において好ましい実施態様は、前記データ化工程では、前記平面画像において複数の部位に区分けされた前記造形対象物の部位毎に画像データを作成し、前記シール作成工程では、前記造形対象物の部位毎の画像データが印刷された複数のラッピングシールを作成し、前記貼付工程では、前記複数のラッピングシールを個別に前記本体の対応する部位の表面に貼り付けることを特徴としている。
【0013】
また、本発明の平面画像の立体化法において好ましい実施態様は、前記本体には、1又は複数の空気吸出し用の穴が形成されており、前記貼付工程では、前記本体と前記ラッピングシールとの間の空気を吸い出しながら前記本体に対する前記ラッピングシールの貼付が行われることを特徴としている。
【0014】
上述した本発明の平面画像の立体化法において、前記データ化工程で前記造形対象物の部位毎に画像データを作成する実施態様では、前記データ化工程において作成される前記造形対象物の各部位の画像データは、前記造形対象物の全体画像データから該部位の輪郭で切り取った実画像データを拡張することで形成されることが好ましい。この実施態様の平面画像の立体化方法においては、前記造形対象物の各部位の画像データは、該部位の前記実画像データと、前記実画像データの周囲の少なくとも一部に付け加えられた付加画像データとからなることがさらに好ましい。
【0015】
また、本発明の平面画像の立体化法において好ましい実施態様は、板材の表面において前記本体を位置させる領域の周囲に背景を施す背景作成工程と、前記貼付工程後の前記本体を前記領域に位置するように前記背景作成工程後の前記板材の表面に設置して前記板材と一体化する一体化工程と、をさらに含むことを特徴としている。
【0016】
本発明の第2態様は、平面画像を立体化した立体造形物に関する。本発明の立体造形物は、造形対象物の形象の平面画像に由来した画像データが印刷された1又は複数のラッピングシールが、前記平面画像を立体的に表した本体の表面に貼り付けられていることを特徴としている。
【0017】
本発明の立体造形物において好ましい実施態様は、前記複数のラッピングシールは、前記平面画像における前記造形対象物の複数の部位に関する画像データがそれぞれ印刷されており、前記本体は、前記造形対象物の複数の部位に対応して複数のパーツに分割されており、前記複数のパーツがパーツ毎に所定の形状となるよう加工されていることで前記複数のパーツの組み合わせにより前記本体が立体形状とされており、前記複数のパーツの表面に、パーツ毎に前記複数のラッピングシールの中の対応するラッピングシールが貼り付けられることを特徴としている。この実施態様の立体造形物においては、さらに、前記パーツの表面に貼り付けられたラッピングシールの一部は、該パーツに隣接する他のパーツとの間に挟まれていることが好ましい。
【0018】
また、本発明の立体造形物において好ましい実施態様は、前記本体は、前記平面画像における前記造形対象物の複数の部位に対応して複数のパーツに分割されており、前記複数のパーツがパーツ毎に所定の形状となるよう加工されていることで前記複数のパーツの組み合わせにより前記本体が立体形状とされており、前記複数のパーツの表面に、1枚の前記ラッピングシールがまとめて貼り付けられることを特徴としている。
【0019】
また、本発明の立体造形物において好ましい実施態様は、前記複数のラッピングシールは、前記平面画像における前記造形対象物の複数の部位に関する画像データがそれぞれ印刷されており、前記複数のラッピングシールが個別に前記本体の対応する部位の表面に貼り付けられることを特徴としている。
【0020】
また、本発明の立体造形物において好ましい実施態様は、1枚の前記ラッピングシールが前記本体の表面に貼り付けられ、前記本体には、前記本体に対する前記ラッピングシールの貼付の際に前記本体と前記ラッピングシールとの間の空気を吸い出すための1又は複数の穴が形成されていることを特徴としている。
【0021】
また、本発明の立体造形物において好ましい実施態様は、表面の前記本体を位置させる領域の周囲に背景が施された板材をさらに備え、前記本体が前記領域に位置するように前記板材の表面に前記本体が設置されて前記板材と一体化されていることを特徴としている。
【0022】
本発明の第3態様は、平面画像を立体化した立体プレートの製造方法に関する。本発明の立体プレートの製造方法は、造形対象物の形象の平面画像を立体的に表した本体を造形する造形工程であって、前記平面画像において前記造形対象物を複数の部位に区分けし、前記本体を前記造形対象物の複数の部位に対応して複数のパーツに分割し、前記複数のパーツをパーツ毎に所定の形状となるよう加工することで前記複数のパーツの組み合わせにより前記本体を造形する造形工程と、前記平面画像に基づいて前記造形対象物の画像データを作成するデータ化工程と、前記造形対象物の画像データが印刷されたラッピングシールが表面に貼り付けられたプラスチック板、もしくは前記造形対象物の画像データが表面に直接印刷されたプラスチック板を前記本体の表面に対して、前記プラスチック板と前記
本体との間をバキュームしながらヒートプレスする工程と、前記プラスチック板から前記本体を取り外す工程と、を含むことを特徴としている。
【0023】
また、本発明の立体プレートの製造方法は、造形対象物の形象の平面画像を立体的に表した本体を造形する造形工程であって、前記平面画像において前記造形対象物を複数の部位に区分けし、前記本体を前記造形対象物の複数の部位に対応して複数のパーツに分割し、前記複数のパーツをパーツ毎に所定の形状となるよう加工する造形工程と、前記平面画像に基づいて前記造形対象物の画像データを作成するデータ化工程であって、前記造形対象物の部位毎に画像データを作成するデータ化工程と、前記造形対象物の部位毎の画像データが印刷された複数のラッピングシールが個別に表面に貼り付けられた複数のプラスチック板、もしくは前記造形対象物の部位毎の画像データが個別に表面に直接印刷された複数のプラスチック板を前記複数のパーツの表面に対して、パーツ毎に対応するプラスチック板と前記パーツとの間をバキュームしながらヒートプレスする工程と、前記複数のプラスチック板から前記複数のパーツを取り外す工程と、前記複数のプラスチック板を組み合わせて一体化する工程と、を含むことを特徴としている。
【0024】
本発明の第4態様は、平面画像を立体化した立体造形物を製造するために用いるメス型の製造方法に関する。本発明のメス型の製造方法は、厚みを有する芯材を彫刻して、造形対象物の形象の平面画像を立体的に表した本体を造形する造形工程と、前記本体を原型として用いることでメス型を製造する工程と、を含み、前記造形工程では、前記平面画像において前記造形対象物を複数の部位に区分けし、前記芯材から前記造形対象物の各部位の輪郭に沿った複数のパーツを切り出し、前記複数のパーツをパーツ毎に所定の形状となるよう加工することで前記複数のパーツの組み合わせにより前記本体を造形することを特徴としている。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、写真などの平面画像に表現されている物を立体化したうえで、立体化した本体に平面画像に基づき作成されたラッピングシールを貼り付けることで立体造形物としているので、立体造形物を、高い専門的知識や技術がなくても簡易にかつ安価で製造することができる。また、完成後の立体造形物のおおよその仕上がりを事前に把握することができる。
【0026】
また、表面に造形対象物の画像データが印刷されたラッピングシールを貼付したもしくは造形対象物の画像データを印刷した立体プレートを容易に製造することができる。また、本発明によれば、平面画像を立体化した立体造形物を製造するために用いるメス型を容易に製造することができるので、立体造形物を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態の平面画像の立体化法の各工程の流れを示すチャート図である。
【図2】平面画像より作成した線図の平面図である。
【図3】芯材から複数のパーツが切り出された状態を示す斜視図である。
【図4】切削加工後の複数のパーツを組み合わせて、背景作成後の芯材に一体化した状態を示す斜視図である。
【図5】本体の表面形状を調整した後の状態を示す斜視図である。
【図6】造形対象物の各部位に対応する画像データの平面図である。
【図7】複数のパーツに対応するラッピングシールを貼り付ける作業を説明する斜視図である。
【図8】ラッピングシールが貼り付けられた複数のパーツを組み合わせて背景が施された芯材に一体化する状態を示す斜視図である。
【図9】立体造形物の斜視図である。
【図10】本実施形態の平面画像の立体化法と従来の立体造形法とについて、工程の簡略手順及び各工程での作業時間を比較した説明図である。
【図11】変形例1〜4の平面画像の立体化法を簡略して説明する説明図である。
【図12】変形例5〜7の平面画像の立体化法を簡略して説明する説明図である。
【図13】本実施形態のメス型の製造方法の流れを示す工程図である。
【図14】本実施形態の立体プレートの製造方法の流れを示す工程図である。
【図15】変形例の立体プレートの製造方法の流れを示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実態形態について添付図面を参照して説明する。本発明は、造形対象物の形象を写した平面画像から実物同様のモデル(立体造形物や立体プレート)を製造する技術に関する。平面画像としては、例えば写真、絵画、スケッチ、設計図面などを挙げることができるが、造形対象物の形象を二次元で表したものであればこれらに限定されるものではなく、種々のものを用いることができる。製造される立体造形物の用途としては、例えば立体看板、装飾用品、食品サンプルなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、造形対象物は、例えば商品やキャラクターなどの人工物、山や木などの天然物、動物、食物(料理)などを挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、例えば文字や記号などであってもよい。
【0029】
図1に示すように、本実施形態の平面画像の立体化法は、造形対象物の形象の平面画像を立体的に表した本体を造形する造形工程S1と、本体の表面に下地材を塗布するコーティング工程S2と、平面画像に基づいて造形対象物の画像データを作成するデータ化工程S3と、造形対象物の画像データが印刷されたラッピングシールを作成するシール作成工程S4と、コーティング工程S2後の本体の表面にラッピングシールを貼り付ける貼付工程S5と、を含む。以下、各工程について詳細に説明する。
【0030】
造形工程S1では、造形対象物の形象の平面画像を立体的に表すに際し、まず、平面画像において造形対象物を複数の部位に区分けする作業(区分け工程S10)を行う。具体的には、平面画像において、まず、立体的に表す造形対象物の部分と、立体的に表さない背景の部分とに分け、次に、造形対象物の部分について、造形対象物を構成する各部位の輪郭を抽出する。そして、図2に示すように、造形対象物1の各部位10A〜10Nの輪郭を線で表した造形対象物1の線図4を作成する。本実施形態では、造形対象物1がハンバーガーであり、造形対象物1は上下のバンズ10A,10B及び中身の各具材10C〜10Nの各部位10A〜10Nに区分けされている。
【0031】
本実施形態では、厚みを有する芯材を彫刻して本体を造形する例を示している。そのため、造形工程S1では、次に、図3に示すように、芯材5から、平面画像における造形対象物1の各部位10A〜10Nの輪郭に沿った複数のパーツ60A〜60Nを切り出す作業(カット工程S11)が行われる。例えば、線図4を芯材5の上に固定し、線図4に表された造形対象物1の各部位10A〜10Nの輪郭に沿って芯材5をカットすることで、芯材5から複数のパーツ60A〜60Nを切り出す。カット工程S11は、手作業で行われてもよいし、造形対象物の線図データに基づいて自動裁断機やレーザー加工機などの装置を用いて自動で芯材5から複数のパーツ60A〜60Nを切り出すこともできる。
【0032】
なお、線図4は、図2では、造形対象物1の各部位10A〜10Nが実物同様に隣接して表現されているが、各部位10A〜10Nが互いに間隔をあけた状態で表現されていてもよい。ルーターなどを用いて造形対象物1の各部位10A〜10Nの輪郭に沿って芯材5をカットする場合には、刃が太いため、各部位10A〜10N同士の間隔があいていることで、精密に芯材5をカットして複数のパーツ60A〜60Nを切り出すことができる。
【0033】
芯材5は、例えばポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネートなどの合成樹脂の発泡体を用いることができる。芯材5が発泡樹脂からなることで、完成形の立体造形物の重量を軽くすることができる。なお、芯材5の素材は発泡樹脂に限定されるものではなく、例えば木材、木質繊維板(例えばMDF)などの合成木材などを用いることができ、彫刻・切削可能なものであればよい。芯材5の縦幅L、横幅W及び厚みTは、特に限定されるものではなく様々な大きさとすることができ、完成形の立体造形物100(図9に示す)の縦幅、横幅及び最大厚み(二次元平面を三次元立体にするにあたって加わる平面から飛び出す高さ)に応じて適宜設定される。
【0034】
造形工程S1では、次に、芯材5から切り出した複数のパーツ60A〜60Nについて、パーツ毎に造形対象物1の対応する部位に応じた所定の形状となるよう加工する作業(加工工程S12)が行われる。具体的には、平面画像における造形対象物1の各部位10A〜10Nについて、それぞれ完成形の立体造形物ではどのような形体・寸法になるかを想定し、図4に示すように、対応する各パーツ60A〜60Nの形状がそれぞれ想定した形状となるように各パーツ60A〜60Nを彫刻、切削などにより加工する。そして、加工工程S12により所定の形状とされた複数のパーツ60A〜60Nを組み合わせることで、図5に示すように、平面画像に表された造形対象物1を立体的に表した本体6が造形される。
【0035】
なお、加工工程S12では、完成形の立体造形物を想定して、例えば、本体6を構成する各パーツ60A〜60Nの角を落として面取りしたり、各パーツ60A〜60Nの表面を削って滑らかにする又は凹凸をつけるなどの表面形状を整形したりすることで、本体6の見た目が完成形の立体造形物に近づくよう調整する作業も行われる。
【0036】
造形工程S1後のコーティング工程S2では、図示は省略するが、本体6の表面に下地材を塗布して表面を保護する作業が行われる。下地材のコーティングにより、本体6の表面の性質(例えば強度や耐久性など)を高めることができるうえ本体6の表面の円滑化を図ることができる。さらに、本体6の表面に対するラッピングシール8の接着性を向上することができる。下地材としては、例えば、水性のウレタン樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、アクリル樹脂塗料などを挙げることができるが、本体6の表面処理に用いることができるものであれば特に限定されない。本実施形態では、本体6を構成する各パーツ50A〜50Nの表面に対して個別に下地材をコーティングする。
【0037】
コーティング工程S2後のデータ化工程S3では、後述する本体6の表面に貼り付けるラッピングシール8A〜8Nを作成するために、平面画像をデータ化して造形対象物の画像データを作成する作業が行われる。データ化工程S3では、まずは、平面画像を画像データとして取り込む作業(データ収集工程S30)が行われる。平面画像を取り込む方法としては、例えば平面画像をスキャニングしたり、カメラで撮像したりすることが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。取り込まれた画像データは、各種演算機能を有するコンピュータに保存される。コンピュータは、ハードウェア構成として、図示しないCPU、メモリ及び補助記憶装置(HDD)などを備えており、CPUがHDDに記憶されている各種プログラムをメモリに読み出して実行することにより、各種演算処理を実行するものである。コンピュータとしては、例えば据置型のコンピュータ、PDAなどの携帯型のコンピュータ、多機能携帯電話(スマートフォン)などを用いることができる。平面画像の画像データは、公知の種々のデータ補正方法を用いて画像を鮮明にしたり修正したりすることができる。
【0038】
データ化工程S3では、次に、取り込んだ画像データに基づいて造形対象物1の部位毎
に画像データを作成する作業(データ作成工程S31)が行われる。具体的には、図6に示すように、取り込んだ画像データから、造形対象物1の各部位10A〜10Nのそれぞれに対して、各部位10A〜10Nに応じた画像データ7A〜7Nを作成する。なお、図6では、部位10A,10C,10I,10Kにそれぞれ対応した画像データ7A,7C,7I,7Kだけが示されており、その他の部位に対応した画像データについては省略されている。
【0039】
このデータ作成工程S31において、本実施形態では、造形対象物1の各部位10A〜10Nに対応する画像データ7A〜7Nは、取り込んだ画像データから造形対象物1の該部位の輪郭で切り取った実画像データ70A〜70Nを拡張することで形成されている。具体的には、画像データ7A〜7Nが、実画像データ70A〜70Nと、実画像データ70A〜70Nの周囲の少なくとも一部に付け加えられた付加画像データ71A〜71Nとで構成されている。実画像データ70A〜70Nは、本体6を構成する各パーツ60A〜60Nの表面のうち、上面の大きさに一致又はほぼ一致している。一方で、本体6を構成する各パーツ60A〜60Nは、平面画像を立体化しているため、上面に加えて厚みの分だけ側面を有しており、実画像データ70A〜70Nだけでは各パーツ60A〜60Nの側面をカバーすることが難しい。そのため、本実施形態では、各パーツ60A〜60Nの上面だけでなく側面もカバーできるように各パーツ60A〜60Nの厚みを考慮してパーツ毎に実画像データ70A〜70Nの周囲に、実画像データ70A〜70Nを元に作成した付加画像データ71A〜71Nを付け加えることで、平面画像を立体化したときに足りなくなる各パーツ60A〜60Nの側面についても画像データ7A〜7Nでカバーすることが可能である。
【0040】
なお、実画像データ70A〜70Nを拡張することで画像データ7A〜7Nを形成する方法としては、上述した実画像データ70A〜70Nへの付加画像データ71A〜71Bの付加以外に、実画像データ70A〜70Nを拡大したり、その一部を引き伸ばしたりしてもよい。
【0041】
データ化工程S3後のシール作成工程S4では、データ化工程S3で作成した平面画像における造形対象物1の各部位10A〜10Nの画像データ7A〜7Nを用いて、各画像データ7A〜7Nが印刷された複数のラッピングシール8A〜8N(図7に示す)を作成する作業が行われる。ラッピングシール8A〜8Nは、例えば紙やフィルムで構成することができ、予め粘着剤や接着剤などが裏面に塗布されていてもよいし、表面に画像データ7A〜7Nが印刷された後に裏面に粘着剤や接着剤などを塗布してもよい。印刷の方法は、特に限定されるものではなく、公知の印刷方法を用いて行うことができる。なお、図7では、画像データ7A,7C,7I,7Kがそれぞれ印刷されたラッピングシール8A,8C,8I,8Kだけが示されており、その他の画像データが印刷されたラッピングシールについては省略されている。また、以下の説明では、複数のラッピングシール8A〜8Nをまとめてラッピングシール8と表示する場合がある。
【0042】
シール作成工程S4後の貼付工程S5では、本体6の表面にラッピングシール8A〜8Nを貼り付ける作業が行われる。具体的に本実施形態では、図7に示すように、本体6を構成する各パーツ60A〜60Nの表面に、パーツ毎に複数のラッピングシール8A〜8Nの中の対応するラッピングシールを貼り付ける。本実施形態では、各パーツ60A〜60Nの上面及び側面にラッピングシール8A〜8Nが貼り付けられるため、図8に示すように各パーツ60A〜60Nを組み合わせて本体6を構成した際には、各ラッピングシール8A〜8N(例えばラッピングシール8C)は、自身が貼り付けられているパーツ60A〜60N(例えばパーツ60C)と該パーツに隣接する他のパーツ60A〜60N(例えばパーツ60A,60E,60H,60I)との間にその一部が挟まれた状態となる。
【0043】
造形工程S1により複数のパーツ60A〜60Nが切り出された後の芯材5(図3に示す)は、後述するように、平面画像の立体的に表されない背景の部分を構成するのに用いられる。
【0044】
本実施形態の平面画像の立体化法は、図1に示すように、造形工程S1後の本体(複数のパーツ)が切り出された芯材を薄く加工する薄肉化工程S60と、薄肉化工程S60後の芯材の表面に下地材を塗布するコーティング工程S61と、コーティング工程S61後の芯材の表面に背景を施す背景入れ工程S62と、貼付工程S5後の本体を背景入れ工程S8後の芯材と一体化する一体化工程S7と、をさらに含んでいる。薄肉化工程S60、コーティング工程S61及び背景入れ工程S62が、背景作成工程S6に相当する。以下、各工程について詳細に説明する。
【0045】
まず、薄肉化工程S60では、厚みT(図3に示す)が、図4に示す加工後の複数のパーツ60A〜60Nよりも薄くなるように芯材5を加工する作業が行われる。薄肉化工程S6により芯材5が、図4に示すようにその厚みが複数のパーツ60A〜60Nの厚みよりも薄い板材とされることで、複数のパーツ60A〜60Nを芯材5に嵌め込んで芯材5と一体化した際に、複数のパーツ60A〜60Nの組み合わせからなる三次元立体の本体6を、背景となる二次元平面の芯材5から飛び出たものとすることができる。なお、本実施形態では、芯材5の裏面に補強板50が貼り付けられているが、補強板50は必ずしも必要ではない。また、薄肉化工程S60後の芯材5の表面は平坦であってもよいし凸凹していてもよい。
【0046】
薄肉化工程S60後のコーティング工程S61では、図示は省略するが、芯材5の表面に下地材を塗布して芯材5の表面を保護する作業が行われる。下地材のコーティングにより、芯材5の表面の性質(例えば強度や耐久性など)を高めることができるうえ芯材5の表面の円滑化を図ることができる。さらに、芯材5の表面に対するラッピングシール9の接着性を向上することができる。下地材としては、例えば本体6の表面処理に用いるものと同じものを用いることができる。
【0047】
コーティング工程S61後の背景入れ工程S62では、芯材5の表面に背景を施す作業が行われる。例えば本体6と同様に、平面画像を取り込んで作成した画像データから、平面画像において背景の部分についての画像データ(背景画像データ)を作成した後、この背景画像データが印刷されたラッピングシール9を作成して、該ラッピングシール9を芯材5の表面に貼り付けることで、芯材5の表面に背景を施すことができる。なお、芯材5の表面に背景を施す方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、鉛筆や絵の具、マーカーなどを用いて芯材5の表面に絵を描いてもよい。
【0048】
背景入れ工程S62後の一体化工程S7では、背景作成工程S6後の芯材5に対して貼付工程S5後の複数のパーツ60A〜60Nを組み合わせて一体化する作業が行われる。複数のパーツ60A〜60Nを接着剤などによって互いに接合して本体6を組み上げながら本体6を芯材5に接着剤などによって接合することで、図9に示すように立体造形物100が製造される。なお、立体造形物100の表面には、例えば細かな形状を施したり光沢を持たせたりするなどの仕上げ作業を行ってもよい。
【0049】
上述した本実施形態によると、写真などの平面画像があれば、例えば会社の商品やキャラクターを高い精度でリアルに立体化することが可能である。そのため、立体看板などの立体造形物100の発注者は、簡単に発注することができるうえ、完成後の立体造形物のおおよその仕上がりを事前に把握することができる。
【0050】
また本実施形態によると、製造される立体造形物100は、素材が主に発泡樹脂からな
る芯材5であるため、軽量である。よって、発注者は立体造形物100の輸送や取付けを簡便に行うことが可能であり、これらの作業に対して労力やコストが嵩むことがない。
【0051】
また本実施形態によると、造形対象物1の形象の平面画像(例えば写真)に由来した画像データが印刷されたラッピングシール8を用いて本体6の表面にデザインを施しているため、従来の方法で必要であった塗装の工程が不要となる。よって、立体造形物100を製造するための材料費が低額であり、材料の硬化や乾燥に要する時間がなくなるうえ、立体造形物100を製造するにあたり、専門的知識や高度な技術が必要とされる場面が少なくなる。よって、立体造形物100の製造を行う作業者は簡易かつ短い作業時間で立体造形物100を製造することができる。その結果、立体造形物100を低価格にすることができるうえ、作業者により完成後の立体造形物の出来に大きな差が出ることがない。
【0052】
また本実施形態によると、立体形状とされる本体6が芯材5の彫刻によって造形されるため、従来から一般的に本体を造形するのに行われている、例えば粘土などを用いて原型を制作し、石膏などで型取りを行ってメス型を制作した後、メス型にFRPなどの主剤を注入し、主剤の硬化後、脱型して立体造形物の本体を造形するといった作業が不要となる。よって、立体造形物100の製造を行う作業者はさらに簡易かつ短い作業時間で立体造形物100を製造することができる。
【0053】
図10は、本実施形態の平面画像の立体化法と従来の立体造形法の中で最も作業時間の短い硬質ウレタンを散布する立体造形法とについて、工程の簡略手順及び各工程での作業時間を比較した説明図である。なお、作業時間はあくまでも目安である。また、造形対象物1の形象の平面画像には写真を用いている。
【0054】
本実施形態の平面画像の立体化法と従来の立体造形法とを比較すると、本実施形態では、まず、本体を立体形状に造形する時間を大幅に短縮することが可能であることが分かる。また、硬質ウレタンを散布しないため、硬質ウレタンを散布する高額な設備も不要である。さらに、本実施形態では、本体の表面を塗装しないため、塗装に要する時間や材料の乾燥・硬化時間を大幅に短縮することが可能であることが分かる。
【0055】
このように本実施形態によると、従来の立体造形方法における課題であった「高価格」、「高い専門的知識・技術の要求」を解決することができ、低価格で簡易にかつ誰でも出来に大きな差がなく立体造形物を製造することができる。
【0056】
さらに本実施形態によると、製造される立体造形物100は、本体6が複数のパーツ60A〜60Nに分割されており、複数のパーツ60〜60Nをパーツ毎に造形対象物1の対応する部位に応じた所定の形状となるよう加工した後、複数のパーツ60A〜60Nを再度組み合わせることにより本体6が立体形状とされている。よって、本体6をより簡易に立体形状に造形することができるため、より短い作業時間で立体造形物100を製造することができる。
【0057】
加えて、造形対象物1は各部位10A〜10Nの境目で形が大きく変わるが、立体造形物100の本体6を複数のパーツ60A〜60Nで構成することで、立体造形物100においてこの形の変わり目をシャープに造形することができる。よって、立体造形物100をより再現性高く製造することができ、リアルで完成度の高いものとすることができる。
【0058】
さらに本実施形態によると、製造される立体造形物100は、ラッピングシール8A〜8Nにより本体6を構成する各パーツ60A〜60Nの上面だけでなく側面も被覆されている。そのため、立体造形物100の美観を高めることができる。加えて、各パーツ60A〜60Nの表面に貼り付けられたラッピングシール8A〜8Nは、その一部が隣接する
他のパーツ60A〜60Nとの間に挟まれているので、ラッピングシール8A〜8Nが捲れ上がってパーツ60A〜60Nから剥がれることが抑制される。よって、立体造形物100の美観が下がることを防止することができる。
【0059】
さらに本実施形態によると、製造される立体造形物100は、三次元立体の本体6が、背景が施された二次元平面の板材(本実施形態では芯材5)から飛び出たものとされているので、立体と平面との組み合わせにより、三次元立体の本体6が強調され、三次元立体の本体6をよりリアルに見せることができる。
【0060】
さらに本実施形態によると、ラッピングシール8を貼り付ける前の本体6を原型として用いることで、メス型を容易に製造することができる。
【0061】
このメス型の製造方法は、具体的には、図13に示すように、厚みを有する芯材を彫刻して、造形対象物の形象の平面画像を立体的に表した本体6を造形する造形工程と、本体6の表面に下地材を塗布するコーティング工程と、本体6を原型として用いることでメス型11を製造する型作成工程と、メス型11から本体6を取り外す脱型工程と、を含む。造形工程では、上述したS1の工程と同様にして、平面画像において造形対象物を複数の部位に区分けし、芯材から造形対象物の各部位の輪郭に沿った複数のパーツ60X〜60Zを切り出し、複数のパーツ60X〜60Zをパーツ毎に造形対象物の対応する部位に応じた所定の形状となるよう加工することで複数のパーツ60X〜60Zの組み合わせにより本体6を造形する。コーティング工程は、上述したS2の工程と同様にして行うことができる。これにより、平面画像を立体化した立体造形物を製造するために用いるメス型11を容易に製造することができるので、立体造形物を容易に製造することができる。
【0062】
また、造形対象物1の全体画像データが印刷された1枚のラッピングシール8が表面に貼り付けられたプラスチック板もしくは造形対象物1の全体画像データが表面に直接印刷されたプラスチック板を本体6上に配置し、本体6を型にしてプラスチック板を、本体6との間をバキュームしながらヒートプレスした後、脱型して仕上げる。これにより、表面に造形対象物1の画像データが印刷されたラッピングシール8を貼付したもしくは造形対象物1の画像データを印刷した内照式の立体プレートを容易に製造することができる。この立体プレートは、複数重ね合わせて一体化する、又は、複数を周方向に並べて一体化することで、後述する図12に示す造形対象物のように、360°全周にわたって立体化してもよい。
【0063】
この立体プレートの製造方法は、具体的には、図14に示すように、造形対象物の形象の平面画像12を立体的に表した本体6を造形する造形工程と、本体6の表面に下地材を塗布するコーティング工程と、平面画像12に基づいて造形対象物の画像データを作成するデータ化工程と、造形対象物の画像データが印刷されたラッピングシール8が表面に貼り付けられたプラスチック板13、もしくは造形対象物の画像データが表面に直接印刷されたプラスチック板(図示せず)を本体6上に配置して、プラスチック板13の表面に対して、プラスチック板13と本体6との間をバキュームしながらヒートプレスするヒートプレス工程と、プラスチック板13から本体6を取り外す脱型工程と、を含む。造形工程では、例えば上述したS1の工程と同様にして、平面画像12において造形対象物を複数の部位に区分けし、芯材から造形対象物の各部位の輪郭に沿った複数のパーツ60X〜60Zを切り出し、複数のパーツ60X〜60Zをパーツ毎に造形対象物の対応する部位に応じた所定の形状となるよう加工することで複数のパーツ60X〜60Zの組み合わせにより本体6を造形する。これにより、本体6に対してプラスチック板13をバキュームしながらヒートプレスする際に、本体6の各パーツ60X〜60Zの隙間から空気が抜けるので、空気を効果的に排出することができる。なお、コーティング工程、データ化工程、及びラッピングシール8を作成する工程は、上述したS2〜S4の工程と同様にして行う
ことができる。プラスチック板13が透光性であることで立体プレート14を内照式とできるが、プラスチック板13は不透光性であってもよい。なお、図14では、ラッピングシール8付きのプラスチック板13を本体6にヒートプレスした後に本体6をプラスチック板13から取り外すことで、立体プレート14を製造している。しかし、これに限らず、本体6の外面にFRPを貼り込む・吹き付けた後に硬化させることで、本体6の外面にFRPからなるプレート基部を製造し、その後、プレート基部から本体6を取り外し、プレート基部の表面に造形対象物の画像データが印刷されたラッピングシール8を貼り付けることで、立体プレートを製造することもできる。
【0064】
また、立体プレート14は、次の方法によっても製造することができる。具体的には、図15に示すように、造形対象物の形象の平面画像12を立体的に表した本体6を造形する造形工程であって、平面画像12において造形対象物を複数の部位に区分けし、本体6を造形対象物の複数の部位に対応して複数のパーツ60X〜60Zに分割し、複数のパーツ60X〜60Zをパーツ毎に造形対象物の対応する部位に応じた所定の形状となるよう加工する造形工程と、各パーツ60X〜60Zの表面に下地材を塗布するコーティング工程と、平面画像12に基づいて造形対象物の画像データを作成するデータ化工程であって、造形対象物の部位毎に画像データを作成するデータ化工程と、造形対象物の部位毎の画像データが印刷された複数のラッピングシール8X〜8Zが個別に表面に貼り付けられた複数のプラスチック板13X〜13Z、もしくは造形対象物の部位毎の画像データが個別に表面に直接印刷された複数のプラスチック板(図示せず)を複数のパーツ60X〜60Z上に配置し、プラスチック板13X〜13Zの表面に対して、パーツ毎に対応するプラスチック板とパーツとの間をバキュームしながらヒートプレスするヒートプレス工程と、複数のプラスチック板13X〜13Zから複数のパーツ60X〜60Zを取り外す脱型工程と、複数のプラスチック板13X〜13Zを組み合わせて一体化する組立工程と、を含む。造形工程では、例えば上述したS1の工程と同様にして、平面画像12において造形対象物を複数の部位に区分けし、芯材から造形対象物の各部位の輪郭に沿った複数のパーツ60X〜60Zを切り出し、複数のパーツ60X〜60Zをパーツ毎に造形対象物の対応する部位に応じた所定の形状となるよう加工することで本体6を造形することができる。複数のプラスチック板13X〜13Zは、対応するパーツ60X〜60Zの表面(各パーツ60X〜60Zを組み合わせた際の露出する面)を覆う本体部分で主に構成されていてもよい。ただし、図15に示すように、複数のプラスチック板13X〜13Zは、対応するパーツ60X〜60Zの側面(各パーツ60X〜60Zを組み合わせた際に互いに合わさって露出しない面)の少なくも一部を覆う糊代部分も含むことで、この糊代部分同士を貼り合わせて各パーツ60X〜60Zを組み合わせることにより、各パーツ60X〜60Zを良好に一体化できるので好ましい。なお、コーティング工程、データ化工程、及びラッピングシール8を作成する工程は、上述したS2〜S4の工程と同様にして行うことができる。なお、図15では、ラッピングシール8X〜8Z付きのプラスチック板13X〜13Zを本体6のパーツ60X〜60Zにヒートプレスした後にパーツ60X〜60Zをプラスチック板13X〜13Zから取り外すことで、立体プレート14を製造している。しかし、これに限らず、本体6のパーツ60X〜60Zの外面にFRPを貼り込む・吹き付けた後に硬化させることで、本体6のパーツ60X〜60Zの外面にFRPからなるプレート基部を製造し、その後、各プレート基部から本体6のパーツ60X〜60Zを取り外し、各プレート基部の表面に造形対象物の部位毎の画像データが印刷されたラッピングシール8X〜8Zを貼り付けて、各プレート基部を一体化することで、立体プレートを製造することもできる。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0066】
例えば上記実施形態において、各ラッピングシール8A〜8Nは、対応するパーツ60
A〜60Nの側面の全てを必ずしも被覆するものでなくてもよく、対応するパーツ60A〜60Nの側面のうち外部から見える領域について被覆することができるものであればよい。
【0067】
また上記実施形態では、本体6の複数のパーツ60A〜60Nの表面に対して、造形対象物1の部位毎の画像データが印刷された複数枚のラッピングシール8A〜8Nを個別に対応するパーツに貼り付けた後、複数のパーツ60A〜60Nを互いに接合して本体6としている。しかしこれに限らず、図11の変形例1に示すように、複数のパーツ60A〜60Nを互いに接合して本体6とした後、本体6を構成する複数のパーツ60A〜60Nの表面に対して、複数枚のラッピングシール8A〜8Nを個別に対応するパーツに貼り付けてもよい。変形例1では、複数枚のラッピングシール8A〜8Nは、際の部分を互いに重ね合わせてもよいし、本体6の隣り合うパーツの境目で押し込めるように構成してもよい。あるいは、図11の変形例2に示すように、複数のパーツ60A〜60Nを互いに組み合わせて本体6とした後、本体2を構成する複数のパーツ60A〜60Nの表面に対して、造形対象物1の全体画像データが印刷された1枚のラッピングシール8をまとめて貼り付けてもよい。この際には、本体6とラッピングシール8との間の空気を吸い出しながら行うことが好ましく、本体6が複数のパーツ60A〜60Nに分けられていることで各パーツの60A〜60Nの隙間から空気が効果的に抜けるので、本体6にラッピングシール8を良好に密着させることができる。変形例1,2では、コーティング工程S2では、本体6を構成する各パーツ50A〜50Nの表面に対して個別に下地材をコーティングするのではなく、図11に示すように、まとめて下地材をコーティングしてもよい。
【0068】
また上記実施形態では、本体6を複数のパーツ60A〜60Nに分割しているが、造形対象物1が例えば凹凸の少ない形状である場合などには、図11の変形例3,4に示すように、本体6を複数のパーツ60A〜60Nに分割することなく立体形状に造形してもよい。この場合には、図11の変形例4に示すように、本体6の表面に、造形対象物1の全体画像データが印刷された1枚のラッピングシール8を貼り付けてもよいし、図11の変形例3に示すように、造形対象物1の部位毎の画像データが印刷された複数枚のラッピングシール8A〜8Nを個別に本体6の対応する部位の表面に貼り付けてもよい。変形例3では、複数枚のラッピングシール8A〜8Nは、際の部分を互いに重ね合わせてもよいし、本体6の隣り合う部位の境目で押し込めるように構成してもよい。変形例4では、本体6とラッピングシール8との間の空気を吸い出しながら行うことが好ましく、本体6に1又は複数の空気吸出し用の穴を形成することで、当該穴から空気が効果的に抜けるので、本体6にラッピングシール8を良好に密着させることができる。変形例3,4では、造形工程S1において、芯材5から本体6を切り出して所定の形状に造形する。また、背景作成工程S6では、本体6が切り出された芯材5を本体6よりも薄く加工した後、芯材5の表面に背景を施し、一体化工程S7では、貼付工程S5後の本体6を背景作成工程S6後の芯材5に嵌め込んで芯材5と一体化する。
【0069】
また上記実施形態では、3次元立体の本体6を2次元平面の芯材5と一体化しているが、本体6を一体化させる2次元平面は必ずしも本体6(複数のパーツ60A〜60N)を切り出した芯材5である必要はなく、他の板材であってもよい。この実施形態では、背景作成工程S6では、板材の表面において本体6を位置させる領域の周囲に背景を施し、一体化工程S7では、貼付工程S5後の本体6を前記領域に位置するように背景作成工程S6後の板材の表面に設置して板材と一体化する。
【0070】
また上記実施形態では、3次元立体の本体6を2次元平面の芯材5と一体化しているが、本体6は必ずしも2次元平面と一体化させる必要はない。例えば、図12の変形例5〜7に示すように、造形対象物の形象に関する複数の平面画像をもとにして複数の本体を造形し、その後、表面に下地材のコーティング及びラッピングシールの貼り付けを行った複
数の本体を重ね合わせて一体化する、又は、複数の本体を周方向に並べて一体化することで、造形対象物を360°全周にわたって立体化した立体造形物を製造してもよい。
【0071】
あるいは、図示は省略するが、造形対象物の形象に関する複数の平面画像をもとにして造形対象物を360°全周にわたって立体化した本体を造形し、その後、本体の表面に下地材をコーティングし、さらに、造形対象物の全体画像データが印刷された1枚のラッピングシールを本体の表面に貼り付ける、又は、造形対象物の部位毎の画像データが印刷された複数枚のラッピングシールを個別に本体の対応する部位の表面に貼り付けることで、造形対象物を360°全周にわたって立体化した立体造形物100を製造してもよい。複数枚のラッピングシールを貼り付ける場合、際の部分を互いに重ね合わせてもよいし、本体の隣り合う部位の境目で押し込めるように構成してもよい。
【0072】
また上記実施形態では、立体造形物100や立体プレート14の製造の際に、合成樹脂の発泡体などの芯材5を彫刻することにより本体6を造形しているが、本体6の立体造形方法はこれに限られるものではない。例えば、本体6が粘土からなり、粘土を例えば手作業で成形する又は型の内面に粘土を貼り込むなどして成形加工することで本体6を造形してもよい。あるいは、本体6がプラスチックやFRPなどの繊維強化プラスチックからなり、樹脂を型の内部に流し込む又は型の内面に貼り込む・吹き付けるなどして成形加工することで本体6を造形してもよい。あるいは、本体6を3Dプリンタ等の積層造形法やその他の3次元造形法を用いて造形してもよい。
【0073】
この実施形態においても、本体6を複数のパーツ60A〜60Nに分け、複数のパーツ60A〜60Nをパーツ毎に所定の形状となるよう加工して、複数のパーツ60A〜60Nを組み合わせることで本体6を造形してもよい。
【0074】
具体的に、造形工程では、平面画像において造形対象物を複数の部位に区分けし、本体6を造形対象物の複数の部位に対応して複数のパーツに分割し、複数のパーツをパーツ毎に対応する造形対象物の部位に応じた所定の形状となるよう加工することで、複数のパーツの組み合わせにより本体を造形する。そして、ラッピングシールについては、上記実施形態と同様、データ化工程において、造形対象物の部位毎に画像データを作成し、シール作成工程において、造形対象物の部位毎の画像データが印刷された複数のラッピングシールを作成する。そして、貼付工程において、複数のパーツの表面に、パーツ毎に複数のラッピングシールの中の対応するラッピングシールを貼り付けることで、本体を芯材の彫刻により造形しなくても、立体造形物を製造することができる。
【0075】
また、図11の変形例2と同様に、造形対象物の全体画像データが印刷された1枚のラッピングシールを、本体を構成する複数のパーツの表面に対してまとめて貼り付けてもよい。具体的には、造形工程では、平面画像において造形対象物を複数の部位に区分けし、本体を造形対象物の複数の部位に対応して複数のパーツに分割し、複数のパーツをパーツ毎に対応する造形対象物の部位に応じた所定形状となるよう加工することで、複数のパーツの組み合わせにより本体を造形する。そして、貼付工程において、複数のパーツの表面に、1枚のラッピングシールをまとめて貼り付けることで、本体を芯材の彫刻により造形しなくても、立体造形物を製造することができる。
【0076】
また、図11の変形例3と同様に、本体を複数のパーツに分割することなく立体形状に造形するとともに、造形対象物の部位毎の画像データが印刷された複数枚のラッピングシールを個別に本体の対応する部位の表面に貼り付けてもよい。具体的には、造形工程では、造形対象物の形象の平面画像を立体的に表した本体を造形し、データ化工程では、平面画像において複数の部位に区分けされた造形対象物の部位毎に画像データを作成し、シール作成工程では、造形対象物の部位毎の画像データが印刷された複数のラッピングシール
を作成し、そして、貼付工程において、複数のラッピングシールを個別に本体の対応する部位の表面に貼り付けることで、本体を芯材の彫刻により造形しなくても、立体造形物を製造することができる。
【0077】
これらの実施形態においても、3次元立体の本体を2次元平面の板材と一体化してもよい。具体的には、背景作成工程では、板材の表面において本体を位置させる領域の周囲に背景を施し、一体化工程において、貼付工程後の本体を前記領域に位置するように背景作成工程後の板材の表面に設置して板材と一体化する。
【0078】
また上記実施形態では、造形対象物について、1枚の平面画像に基づいて造形対象物を180度立体的に表した本体を造形しているが、造形工程では、造形対象物の形象を異なる角度から描写した複数枚の平面画像を用い、複数枚の平面画像に基づいて造形対象物を360度立体的に表した本体を造形してもよい。この場合には、データ化工程とシール作成工程では、複数枚の平面画像に基づいて造形対象物の複数の画像データを作成して各画像データが印刷された複数枚のラッピングシールを作成する。そして、貼付工程では、複数枚のラッピングシールを個別に、本体の対応する部位の表面に貼り付けることで、立体造形物を製造する。なお、複数枚のラッピングシールは、際の部分を互いに重ね合わせてもよいし、本体の隣り合う部位の境目で押し込めるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 造形対象物
10A〜10N 部位
2 背景
3 平面画像
5 芯材
6 本体
60A〜60N パーツ
7A〜7N 画像データ
8A〜8N ラッピングシール
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【手続補正書】
【提出日】20201112
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
造形対象物の形象の平面画像を立体的に表した本体を造形する造形工程であって、前記平面画像において前記造形対象物を複数の部位に区分けし、前記本体を前記造形対象物の複数の部位に対応して複数のパーツに分割し、前記複数のパーツをパーツ毎に所定の形状となるよう加工する造形工程と、
前記平面画像に基づいて前記造形対象物の画像データを作成するデータ化工程であって、前記造形対象物の部位毎に画像データを作成するデータ化工程と、
前記造形対象物の部位毎の画像データが印刷された複数のラッピングシールが個別に表面に貼り付けられた複数のプラスチック板、もしくは前記造形対象物の部位毎の画像データが個別に表面に直接印刷された複数のプラスチック板を前記複数のパーツの表面に対して、パーツ毎に対応するプラスチック板と前記パーツとの間をバキュームしながらヒートプレスする工程と、
前記複数のプラスチック板から前記複数のパーツを取り外す工程と、
前記複数のプラスチック板を組み合わせて一体化する工程と、を含む、立体プレートの製造方法。