(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021046081
(43)【公開日】20210325
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
   B60K 17/06 20060101AFI20210226BHJP
   B60K 13/04 20060101ALI20210226BHJP
【FI】
   !B60K17/06 G
   !B60K13/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】2019169568
(22)【出願日】20190918
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】大山 佳倫
【住所又は居所】大阪府堺市堺区石津北町64番地 株式会社クボタ 堺製造所内
(72)【発明者】
【氏名】森田 悠介
【住所又は居所】大阪府堺市堺区石津北町64番地 株式会社クボタ 堺製造所内
(72)【発明者】
【氏名】大野 俊樹
【住所又は居所】大阪府堺市堺区石津北町64番地 株式会社クボタ 堺製造所内
【テーマコード(参考)】
3D038
3D039
【Fターム(参考)】
3D038BA07
3D038BB04
3D038BC20
3D039AA04
3D039AA20
3D039AB23
3D039AC34
3D039AD53
(57)【要約】
【課題】ベルト式無段変速装置から排出される冷却風によるエンジンの冷却をエンジンが効率よく冷却される状態で行わせる。
【解決手段】ベルト式無段変速装置21は、変速ケース23に形成され、回転ファンの回転によって変速ケース23の外部から内部に冷却風を吸引する吸気口と、変速ケース23に形成され、回転ファンの回転によって変速ケース23の内部から外部に冷却風を排出する排気口36と、を有している。排気口36は、エンジン11の排気管19bに対してエンジン11が位置する側に配置され、かつ、エンジン11に向けて開口されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
前記エンジンの横側方に設けられ、前記エンジンの動力が入力されるとともに入力された動力を変速して走行装置に向けて出力するベルト式無段変速装置と、
前記ベルト式無段変速装置の上方を前後方向に通され、前記エンジンの排気を排出する排気管と、が備えられ、
前記ベルト式無段変速装置は、ベルトプーリ、及び、前記ベルトプーリに巻回された無端ベルトを収容する変速ケースと、前記変速ケースの内部に設けられた回転ファンと、前記変速ケースに形成され、前記回転ファンの回転によって前記変速ケースの外部から内部に冷却風を吸引する吸気口と、前記変速ケースに形成され、前記回転ファンの回転によって前記変速ケースの内部から外部に冷却風を排出する排気口と、を有し、
前記排気口は、前記排気管に対して前記エンジンが位置する側に配置され、かつ、前記エンジンに向けて開口されている作業車。
【請求項2】
前記排気口は、前記エンジンの横側部に対向している請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記エンジンの後部に接続され、前記エンジンに燃焼用空気を供給する空気供給装置が備えられ、
前記排気口は、前記空気供給装置の横側部に対向している請求項1または2に記載の作業車。
【請求項4】
前記エンジンに設けられ、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサが備えられ、
前記排気口は、前記水温センサに対向している請求項1から3のいずれか一項に記載の作業車。
【請求項5】
前記エンジンに設けられ、前記エンジンの点火電圧を発生するイグニッションコイルが備えられ、
前記排気口は、前記イグニッションコイルに対向している請求項1から4のいずれか一項に記載の作業車。
【請求項6】
前記変速ケースの上部から上向きに突設され、かつ、前記排気口が形成され、冷却風を前記排気口に案内する排気ガイド部が備えられている請求項1から5のいずれか一項に記載の作業車。
【請求項7】
前記排気管に対して前記エンジンが位置する側に配置され、かつ、前記変速ケースの内部から外部に前記排気管に沿う方向に向けて冷却風を排出する第2排気口が前記変速ケースに形成されている請求項1から6のいずれか一項に記載の作業車。
【請求項8】
前記変速ケースの上部から上向きに突設され、かつ、前記排気口及び前記第2排気口が形成され、冷却風を前記排気口及び前記第2排気口に案内する排気ガイド部が備えられている請求項7に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車の一例として、特許文献1に示されるように、エンジンと、エンジンの横側方に設けられ、エンジンの動力が入力されるとともに入力された動力を変速して走行装置に向けて出力するベルト式無段変速装置と、ベルト式無段変速装置の上方を前後方向に通され、エンジンの排気を排出する排気管と、が備えられた多目的車両がある。
【0003】
上記したベルト式無段変速装置が備えられた作業車において、ベルトプーリ、及び、ベルトプーリに巻回された無端ベルトを収容する変速ケースと、変速ケースの内部に設けられた回転ファンと、変速ケースに形成され、回転ファンの回転によって変速ケースの外部から内部に冷却風を吸引する吸気口と、を有し、変速ケースの内部に吸引された冷却風によるベルト式無段変速装置の冷却を可能にされたものがある。
【0004】
この種の作業車として、たとえば特許文献2に示される作業車がある。この作業車では、ベルト式無段変速装置としてのベルト無段変速装置が備えられ、ベルト無段変速装置は、変速ケース、回転ファンとしての吸気用フィン、吸気口としての冷却風導入口を、有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017−105329号公報
【特許文献2】特開2012−51505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したベルト式無段変速装置を備える作業車では、変速ケースの内部に吸引されてベルト式無段変速装置を冷却した冷却風が変速ケースの外部に排出されるよう構成される。そこで、変速ケースの外部に排出される冷却風をエンジンの冷却に活用してエンジン冷却構造を簡素化することが望まれている。
【0007】
本発明は、ベルト式無段変速装置から排出される冷却風によるエンジンの冷却をエンジンが効率よく冷却されるようにして行える作業車を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による作業車は、
エンジンと、前記エンジンの横側方に設けられ、前記エンジンの動力が入力されるとともに入力された動力を変速して走行装置に向けて出力するベルト式無段変速装置と、前記ベルト式無段変速装置の上方を前後方向に通され、前記エンジンの排気を排出する排気管と、が備えられ、前記ベルト式無段変速装置は、ベルトプーリ、及び、前記ベルトプーリに巻回された無端ベルトを収容する変速ケースと、前記変速ケースの内部に設けられた回転ファンと、前記変速ケースに形成され、前記回転ファンの回転によって前記変速ケースの外部から内部に冷却風を吸引する吸気口と、前記変速ケースに形成され、前記回転ファンの回転によって前記変速ケースの内部から外部に冷却風を排出する排気口と、を有し、前記排気口は、前記排気管に対して前記エンジンが位置する側に配置され、かつ、前記エンジンに向けて開口されている。
【0009】
本構成によると、変速ケースの内部から外部に排出される冷却風が排気管による加熱を受けないでエンジンに当たってエンジンを冷却するので、ベルト式無段変速装置から排出される冷却風によってエンジンが効率よく冷却される。
【0010】
本発明においては、前記排気口は、前記エンジンの横側部に対向していると好適である。
【0011】
本構成によると、排気口から排出される冷却風がエンジンに当たりやすいので、ベルト式無段変速装置から排出される冷却風によってエンジンがより効率よく冷却される。
【0012】
本発明においては、前記エンジンの後部に接続され、前記エンジンに燃焼用空気を供給する空気供給装置が備えられ、前記排気口は、前記空気供給装置の横側部に対向していると好適である。
【0013】
本構成によると、排気口から排出される冷却風が空気供給装置に当たって空気供給装置を冷却するので、ベルト式無段変速装置から排出される冷却風を燃焼用空気の冷却に活用した簡素な冷却構造によってエンジンの燃焼用空気を冷却できる。
【0014】
本発明においては、前記エンジンに設けられ、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサが備えられ、前記排気口は、前記水温センサに対向していると好適である。
【0015】
本構成によると、排気口から排出される冷却風が水温センサに当たって水温センサを冷却するので、ベルト式無段変速装置から排出される冷却風を水温センサの冷却に活用した簡素な冷却構造によって水温センサの昇温による検出不良を回避できる。
【0016】
本発明においては、前記エンジンに設けられ、前記エンジンの点火電圧を発生するイグニッションコイルが備えられ、前記排気口は、前記イグニッションコイルに対向していると好適である。
【0017】
本構成によると、排気口から排出される冷却風がイグニッションコイルに当たってイグニッションコイルを冷却するので、ベルト式無段変速装置から排出される冷却風をイグニッションコイルの冷却に活用した簡素な冷却構造によってイグニッションコイルの温度上昇を抑制できる。
【0018】
本発明においては、前記変速ケースの上部から上向きに突設され、かつ、前記排気口が形成され、冷却風を前記排気口に案内する排気ガイド部が備えられていると好適である。
【0019】
本構成によると、ベルト式無段変速装置から排出される冷却風が変速ケースの上部よりも高い箇所から排出されるので、ベルト式無段変速装置から排出される冷却風をエンジンの下部よりも高温になりやすい上部に当たりやすくできる。
【0020】
本発明においては、前記排気管に対して前記エンジンが位置する側に配置され、かつ、前記変速ケースの内部から外部に前記排気管に沿う方向に向けて冷却風を排出する第2排気口が前記変速ケースに形成されていると好適である。
【0021】
本構成によると、冷却風が排気口の他に第2排気口からも排出されるので、回転ファンの速度変化によって冷却風の風量が多くなっても、冷却風がスムーズに排出される。第2排気口から排出される冷却風が排気管に対してエンジンが位置する側から排出されるので、第2排気口から排出される冷却風も排気管による加熱を受け難くできる。
【0022】
本発明においては、前記変速ケースの上部から上向きに突設され、かつ、前記排気口及び前記第2排気口が形成され、冷却風を前記排気口及び前記第2排気口に案内する排気ガイド部が備えられていると好適である。
【0023】
本構成によると、排気ガイド部を排気口及び第2排気口に共用の支持部材にした簡素な支持構造によって排気口及び第2排気口を変速ケースの上部よりも高い箇所に配置できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】多目的作業車の全体を示す左側面図である。
【図2】原動部及び動力伝達部を示す平面図である。
【図3】ベルト式無段変速装置及び排気管を示す側面図である。
【図4】排気口及び第2排気口を示す後面図である。
【図5】ベルト式無段変速装置を示す横断平面図である。
【図6】別の実施形態を備える排気ガイドを示す後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一例である実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、作業車の一例である多目的作業車の走行車体に関し、図1に示される矢印Fの方向を「車体前方」、矢印Bの方向を「車体後方」、矢印Uの方向を「車体上方」、矢印Dの方向を「車体下方」、紙面表側の方向を「車体左方」、紙面裏側の方向を「車体右方」とする。
【0026】
〔多目的作業車の全体の構成〕
図1に示されるように、多目的作業車は、走行装置としての左右一対の前車輪1が操向可能かつ駆動可能に装備され、走行装置としての左右一対の後車輪2が駆動可能に装備された走行車体を備えている。走行車体の前部に、車体フレーム3の前部などの上方を覆うフロントリッド4が設けられている。前車輪1と後車輪2との間に、運転座席5、前車輪1を操向操作するステアリングホィール6を有する運転部7が形成されている。運転部7に、搭乗空間を覆うロプス8が備えられている。車体フレーム3の後部に、荷台9が設けられている。荷台9の下方に、エンジン11(図2参照)を有する原動部10、及び、エンジン11の動力を前車輪1及び後車輪2に伝達する動力伝達部20が形成されている。
【0027】
〔原動部の構成について〕
原動部10は、図2に示されるように、エンジン11、エンジン用の空気供給装置12、エンジン用の排気マフラー13、エンジン用のエアクリーナ14を有している。
【0028】
エンジン11は、車体フレーム3のうちの後部分に備えられた左右一対の後部フレーム部3aよりも車体横内側に設けられている。エンジン11の後部に形成された吸気部11aに空気供給装置12の前部が接続されている。空気供給装置12の後部にスロットルバルブ15を介してレゾネータ16が接続されている。レゾネータ16の吸気部に第1吸気管17を介してエアクリーナ14の吐出部が接続されている。エアクリーナ14の吸気部から第2吸気管18が前方に向けてフロントリッド4の内部まで延ばされている。エンジン11の吸引力により、フロントリッド4(図1参照)の内部に位置する空気が第2吸気管18を介してエアクリーナ14に導入され、エアクリーナ14において、導入された空気の塵埃除去が行われる。塵埃を除去された空気が第1吸気管17を介してレゾネータ16に導入され、レゾネータ16によって吸気音の消音処理をされつつスロットルバルブ15を介して空気供給装置12に導入され、空気供給装置12によってエンジン11に燃焼用空気として供給される。
【0029】
図2,4に示されるように、エンジン11の上部に、エンジン11の点火電圧を発生する二つのイグニッションコイル40が設けられている。エンジン11の上部における横側部に、水温センサ41が設けられている。水温センサ41は、エンジン11に接続された冷却水循環管路42におけるエンジン冷却水の温度を計測する。
【0030】
図2に示されるように、排気マフラー13は、エンジン11の左後方に設けられている。排気マフラー13の吸気部13aと、エンジン11の前部に形成された排気部11bとが排気管19によって接続されている。エンジン11の排気が排気管19によって排気マフラー13に排気され、排気マフラー13によって消音されつつ大気中に排出される。
【0031】
排気管19は、図2,3に示されるように、エンジン11の排気部11bからエンジン11の横側方に設けられたベルト式無段変速装置21の前部の上方まで延ばされた上流側の排気管部19aと、ベルト式無段変速装置21の上方を前後方向に通され、上流側の排気管部19aと排気マフラー13の吸気部13aとを接続している下流側の排気管部19bと、を有している。上流側の排気管部19aは、エンジン11の排気部11bから排気マフラー13の吸気部13aの手前まで延びる二本の排気管部材のうちの前部分によって構成されている。下流側の排気管部19bは、二本の排気管部材のうちの後部分と、二本の排気管部材の後端部を排気マフラー13の吸気部13aに接続している一本の接続管部材とによって構成されている。
【0032】
〔動力伝達部の構成について〕
動力伝達部20は、図1,2に示されるように、エンジン11の横側方に設けられたベルト式無段変速装置21と、エンジン11の後下方に設けられた走行ミッション22と、を有している。
【0033】
ベルト式無段変速装置21は、図5に示されるように、変速ケース23を有している。変速ケース23に、ベルトプーリ24、ベルトプーリ24よりも後方に設けられたベルトプーリ25、ベルトプーリ24とベルトプーリ25とに巻回された無端ベルト26が収容されている。ベルトプーリ24は、エンジン11の出力軸11cに相対回転不能に支持されている。ベルトプーリ25は、走行ミッション22の入力軸22aに相対回転不能に支持されている。ベルトプーリ24及びベルトプーリ25のそれぞれは、一対の半割プーリ体によって構成され、ベルトプーリ24及びベルトプーリ25におけるベルト巻回径の変更が可能になっている。ベルトプーリ24の一方の半割プーリ体に、ベルトプーリ24のベルト巻回径を変更するプーリ径調節機構27が備えられている。ベルトプーリ25の一方の半割プーリ体に、ベルトプーリ25のベルト巻回径を拡径付勢するスプリング28が備えられている。
【0034】
ベルト式無段変速装置21は、エンジン11の動力が入力され、入力された動力を無段階に変速して前車輪1及び後車輪2に向けて出力する。
すなわち、ベルト式無段変速装置21においては、エンジン11の動力が出力軸11cによってベルトプーリ24に入力されてベルトプーリ24が駆動される。ベルトプーリ24の動力が無端ベルト26によってベルトプーリ25に伝達されてベルトプーリ25が駆動される。ベルトプーリ25の動力が入力軸22aによって走行ミッション22に入力される。プーリ径調節機構27が操作されることにより、ベルトプーリ24のベルト巻回径が変更され、これに伴って、無端ベルト26がベルトプーリ25を押圧操作してベルトプーリ25のベルト巻回径が縮小されたり、スプリング28の拡径操作によってベルトプーリ25のベルト巻回径が拡大されたりして、入力されるエンジン11の動力が回転速度を無段階に変化させた動力に変速されてベルトプーリ25から入力軸22aに伝達される。
【0035】
走行ミッション22においては、ベルト式無段変速装置21がベルトプーリ25によって出力する動力が入力軸22aによって入力され、入力された動力が後輪用差動機構(図示せず)に伝達されて後輪差動機構から左右の後車輪2に伝達される。入力された動力が前輪出力軸(図示せず)に伝達されて前輪出力軸から回転軸29(図1参照)に伝達される。回転軸29の動力が前輪駆動ケース30(図1参照)に収容された前輪差動機構(図示せず)に入力されて前輪差動機構から左右の前車輪1に伝達される。
【0036】
〔ベルト式無段変速装置及び原動部を冷却する構成について〕
図5に示されるように、変速ケース23の内部に回転ファン31が設けられている。回転ファン31は、ベルトプーリ25の一方の半割プーリ体に一体成形され、ベルトプーリ25によって駆動される。図3,5に示されるように、変速ケース23に吸気口32が形成されている。吸気口32は、変速ケース23のうちの回転ファン31に対向する部分に形成されており、回転ファン31の回転によって発生する吸引力が吸気口32に及び易くなっている。吸気口32から吸気ダクト33が延ばされている。吸気ダクト33は、図1に示されるように、車体フレーム3のうちの運転部7に対応する部分に備えられた運転部フレーム部3bと、運転部フレーム部3bの後端部と吸気口32とを連通させる連通管34と、によって構成されている。運転部フレーム部3bは、鋼管材によって構成されている。運転部フレーム部3bが吸気ダクト33に活用されている。運転部フレーム部3bの前端部に冷却風の取入口35が開口されている。取入口35は、フロントリッド4の内部に開口されている。
【0037】
図2,3,4に示されるように、変速ケース23に排気口36及び第2排気口37が形成されている。排気口36は、変速ケース23の上方を前後方向に通る排気管部19bに対してエンジン11が位置する側に配置され、かつ、エンジン11に向けて開口されている。第2排気口37は、排気管部19bに対してエンジン11が位置する側に配置され、かつ、排気管部19bに沿って後方に向かって開口されている。
【0038】
具体的には、図3,4に示されるように、変速ケース23の上部から排気ガイド部38が上向きに突設されている。排気ガイド部38の内部は、変速ケース23に開口された連通口39を介して変速ケース23の内部に連通している。排気ガイド部38のうちのエンジン11及び空気供給装置12に対向する側壁部における上端部に排気口36が形成されている。排気口36は、エンジン11の横側部、空気供給装置12の横側部、及び、水温センサ41のそれぞれに対向している。排気口36は、変速ケース23の上部よりも高い箇所に位置している。排気口36の背後に排気管部19bが位置している。排気ガイド部38の後壁部における上端部に第2排気口37が形成されている。
【0039】
回転ファン31の回転によって発生する吸引力により、変速ケース23の外部としてのフロントリッド4の内部に位置する空気が吸気ダクト33及び吸気口32を介して変速ケース23の内部に吸引されて変速ケース23の内部に冷却風が発生し、発生した冷却風によってベルト式無段変速装置21の冷却が行われる。回転ファン31の回転によって発生する送風力により、冷却後の冷却風が連通口39を介して排気ガイド部38の内部に流入し、排気ガイド部38によって排気口36及び第2排気口37に案内される。排気口36に案内された冷却風が排気口36からエンジン11、空気供給装置12及び水温センサ41に向けて排出されてエンジン11、空気供給装置12及び水温センサ41に当り、エンジン11の冷却が行われ、空気供給装置12によってエンジン11に供給される燃焼用空気の冷却が行われ、水温センサ41の冷却が行われる。排気口36が排気管部19bに対してエンジン11が位置する側に位置し、かつ、排気管部19bが排気口36の背後に位置することにより、排気口36から排出される冷却風が排気管部19bによる加熱を受けないでエンジン11、空気供給装置12及び水温センサ41に当たる。第2排気口37に案内された冷却風が第2排気口37から後方に向けて排出され、排気管部19bによる加熱を受け難い状態で走行車体の後方に排出される。
【0040】
〔別実施形態〕
(1)図6は、別の実施形態を備える排気ガイド部38を示す後面図である。別の実施形態を備える排気ガイド部38の排気口36は、エンジン11及び水温センサ36に対向するのみならず、イグニッションコイル40に対向してイグニッションコイル40に向けて冷却風を排出する状態で開口されている。
【0041】
(2)上記した実施形態では、回転ファン31がベルトプーリ25に一体成形された例を示したが、これに限らない。たとえば、ベルトプーリ24に一体形成された回転ファン、あるいは、ベルトプーリ25やベルトプーリ24とは別部材に形成された回転ファンを採用するものであってもよい。
【0042】
(3)上記した実施形態では、排気ガイド部38が備えられた例を示したが、これに限らない。排気口36及び第2排気口37が変速ケース23に直接に形成されたものであってもよい。
【0043】
(4)上記した実施形態では、排気口36がエンジン11及び空気供給装置12に向けて冷却風を排出するよう構成された例を示したが、これに限らない。冷却風をエンジン11のみに向けて排出するものであってもよい。
【0044】
(5)上記した実施形態では、第2排気口37が備えられた例を示したが、第2排気口37を備えないものであってもよい。
【0045】
(6)上記した実施形態では、運転部フレーム部3bが吸気ダクト33に活用された例を示したが、吸気専用に設けられた吸気ダクトを備えるものであってもよい。
【0046】
(7)上記した実施形態では、前車輪1及び後車輪2が備えられた例を示したが、これに限らない。クローラ走行装置、あるいは、車輪とセミクローラを有する走行装置が備えられたものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、多目的作業車に限らず、田植機、トラクタなど各種の作業車に適用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 走行装置(前車輪)
2 走行装置(後車輪)
11 エンジン
12 空気供給装置
19b 排気管(排気管部)
21 ベルト式無段変速装置
23 変速ケース
24 ベルトプーリ
25 ベルトプーリ
26 無端ベルト
31 変速ケース
32 吸気口
36 排気口
37 第2排気口
38 排気ガイド部
40 イグニッションコイル
41 水温センサ
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】