(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021046376
(43)【公開日】20210325
(54)【発明の名称】錯体、錯体集積体、ガス吸着剤、ガス吸着方法およびガス脱離方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 235/20 20060101AFI20210226BHJP
   B01J 20/22 20060101ALI20210226BHJP
   B01J 20/34 20060101ALI20210226BHJP
   B01D 53/04 20060101ALI20210226BHJP
   B01D 53/047 20060101ALI20210226BHJP
   C07F 15/06 20060101ALN20210226BHJP
   C07F 15/04 20060101ALN20210226BHJP
   C07F 1/08 20060101ALN20210226BHJP
   C07F 15/02 20060101ALN20210226BHJP
   C07F 3/06 20060101ALN20210226BHJP
【FI】
   !C07D235/20
   !B01J20/22 A
   !B01J20/34 E
   !B01J20/34 H
   !B01D53/04 220
   !B01D53/047
   !C07F15/06CSP
   !C07F15/04
   !C07F1/08 C
   !C07F15/02
   !C07F3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】71
(21)【出願番号】2019170452
(22)【出願日】20190919
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 平成30年10月23日「第8回CSJ化学フェスタ2018」にて発表、その予稿集を平成30年9月26日「https://festa.csj.jp/program_list.php?enty=2018」を通じて発表、平成30年10月30日「International Congress on Pure & Applied Chemistry Langkawi 2018」にて発表、その予稿集を平成30年10月29日「International Congress on Pure & Applied Chemistry Langkawi 2018、予稿集、第261頁、マレーシア化学会」にて発表、平成30年12月8日「弘前大学農学生命科学部公開シンポジウム「地域未利用資源を考えるIN八戸」」にて発表、平成30年12月14日「第2回小山高専−弘前大−長岡技科大合同研究発表会」にて発表、平成31年2月5日「平成30年度弘前大学戦略1プロジェクト研究成果報告会」にて発表、平成31年2月28日「平成30年度弘前大学理工学部物質創成化学科卒業研究発表会」にて発表、その要旨を平成31年2月26日「平成30年度弘前大学理工学部物質創成化学科卒業研究発表会 要旨」にて発表、平成31年3月8日「平成30年度弘前大学機関研究・異分野連携型若手研究支援事業・青森ブランド価値創造研究・グロウカルファンド研究成果発表会」にて発表、その成果集を平成31年3月8日「平成30年度 研究成果集 弘前大学異分野連携型若手研究支援事業 弘前大学グロウカル(Grow×Local)ファンド 弘前大学機関研究、第10頁、編集・発行 弘前大学研究推進部研究推進課」にて発表、平成31年3月16日「日本化学会第99春季年会」にて発表、その予稿集を平成31年3月1日「http://www.csj.jp/nenkai/99haru/」を通じて発表、平成31年3月17日「日本化学会第99春季年会」にて発表、その予稿集を、平成31年3月1日「http://www.csj.jp/nenkai/99haru/」を通じて発表、令和1年5月30日「第68回高分子学会年次大会」にて発表、その予稿集を、令和1年5月14日「http://main.spsj.or.jp/nenkai.html」を通じて発表、令和1年8月9日「化学系学協会東北大会予稿集
(71)【出願人】
【識別番号】504229284
【氏名又は名称】国立大学法人弘前大学
【住所又は居所】青森県弘前市文京町1番地
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
(72)【発明者】
【氏名】太田 俊
【住所又は居所】青森県弘前市文京町1番地 国立大学法人弘前大学内
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 由理香
【住所又は居所】青森県弘前市文京町1番地 国立大学法人弘前大学内
(72)【発明者】
【氏名】向井 凌大
【住所又は居所】青森県弘前市文京町1番地 国立大学法人弘前大学内
【テーマコード(参考)】
4D012
4G066
4H048
4H050
【Fターム(参考)】
4D012BA01
4D012CA12
4D012CD03
4D012CD05
4D012CD07
4D012CG01
4G066AB01B
4G066AB05B
4G066AB07B
4G066AB09B
4G066AB10B
4G066AB12B
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4G066AB15B
4G066AB21B
4G066AB24B
4G066BA36
4G066CA29
4G066CA33
4G066CA43
4G066CA52
4G066DA01
4G066GA01
4G066GA06
4G066GA14
4G066GA31
4G066GA32
4G066GA33
4H048AA01
4H048AB99
4H048AD15
4H048BB14
4H048BC10
4H048BC19
4H048VA12
4H048VA20
4H048VA32
4H048VB10
4H050AA01
4H050AB99
4H050AD15
4H050BB14
4H050BC10
4H050BC19
4H050WB13
4H050WB14
4H050WB17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】新たなガス吸着剤としての錯体の提供。
【解決手段】下記で表される錯体およびそれらを用いるガス吸着剤など。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される錯体。
【化1】
(一般式(1)において、
Mは、周期律表1〜3族および7〜15族から選択される原子であり、
1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R1が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R2が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
m、nはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R3およびR4は互いに結合し環を形成してもよく、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
pは、1〜4の整数である。
但し、「Mがニッケル原子であり、mおよびnが0であり、R3がフェニル基であり、R4が水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2であるニッケル錯体」および「Mがニッケル原子、コバルト原子、銅原子、または亜鉛原子であり、mおよびnが0であり、R3およびR4が共に水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2である錯体」を含まない。)
【化2】
(一般式(2)において、
5は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、または炭素数2〜5のアルキニル基から選択される基であり、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
1およびX2はそれぞれ独立に、下記一般式(5)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
-はハロゲンアニオンである。)
【化3】
(一般式(3)において、
3は、下記一般式(6)で表される配位子であり、
4は、下記一般式(7)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
-はハロゲンアニオンである。)
【化4】
(一般式(4)において、
5は、下記一般式(8)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子である。)
【化5】
(一般式(5)において、
6およびR7は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R6が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R7が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
q、rはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
8は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線aは、一般式(2)における酸素原子との結合位置を示し、
波線bは、一般式(2)における一方のFe原子との結合位置を示し、
波線cは、一般式(2)における他方のFe原子との結合位置を示す。)
【化6】
(一般式(6)において、
9およびR10は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R9が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R10が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく
s、tはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
11は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線dは、一般式(3)における酸素原子との結合位置を示し、
波線eは、一般式(3)における一方のCu原子との結合位置を示し、
波線fは、一般式(3)における他方のCu原子との結合位置を示す。)
【化7】
(一般式(7)において、
12およびR13は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R12が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R13が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
u、vはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R14およびR15は互いに結合し環を形成してもよく
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線gは、一般式(3)における一方のCu原子との結合位置を示し、
波線hは、波線gで結合するCu原子と同一のCu原子との結合位置を示す。)
【化8】
(一般式(8)において、
16〜R19は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R16が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R17が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R18が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R19が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
w、x、y、zはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
20およびR21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R20およびR21は互いに結合し環を形成してもよく、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線iおよびjは、一般式(4)における一方のCo原子との結合位置を示し、
波線k、lは、一般式(4)における前記波線iおよびjで結合するCo原子と別のCo原子との結合位置を示す。)
【請求項2】
前記一般式(1)において、前記Mは、周期律表3族および8〜12族から選択される原子である、請求項1に記載の錯体。
【請求項3】
前記一般式(1)において、前記R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記m、nはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、前記R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記pは、2または3であり、
前記一般式(2)において、前記R5は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、または炭素数2〜5のアルキニル基から選択される基であり、
前記一般式(5)において、前記R6およびR7は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記q、rはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、前記R8は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
前記一般式(6)において、前記R9およびR10は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記s、tはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、前記R11は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
前記一般式(7)において、前記R12およびR13は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記u、vはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、前記R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
前記一般式(8)において、前記R16〜R19は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記w、x、y、zはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、前記R20およびR21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基である、
請求項1または2に記載の錯体。
【請求項4】
下記化学式(1−1)〜(1−7)、(2−1)、(3−1)、または(4−1)で表される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の錯体。
【化9】
【化10】
(化学式(3−1)において、aは、炭素原子への結合を意味し、bはCu原子への結合を意味する。)
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の錯体が複数集積化した、錯体集積体。
【請求項6】
下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される錯体が、複数集積化した錯体集積体から構成される、ガス吸着剤。(但し、ガス吸着剤が吸着するガス状分子が、ジエチルエーテルであり、錯体が下記一般式(1)で表される錯体であり、かつ一般式(1)においてMがニッケル原子であり、mおよびnが0であり、R3がフェニル基であり、R4が水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2であるニッケル錯体である場合を除く。)
【化11】
(一般式(1)において、
Mは、周期律表1〜3族および7〜15族から選択される原子であり、
1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R1が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R2が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
m、nはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R3およびR4は互いに結合し環を形成してもよく、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
pは、1〜4の整数である。)
【化12】
(一般式(2)において、
5は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、または炭素数2〜5のアルキニル基から選択される基であり、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
1およびX2はそれぞれ独立に、下記一般式(5)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
-はハロゲンアニオンである。)
【化13】
(一般式(3)において、
3は、下記一般式(6)で表される配位子であり、
4は、下記一般式(7)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
-はハロゲンアニオンである。)
【化14】
(一般式(4)において、
5は、下記一般式(8)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子である。)
【化15】
(一般式(5)において、
6およびR7は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R6が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R7が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
q、rはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
8は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線aは、一般式(2)における酸素原子との結合位置を示し、
波線bは、一般式(2)における一方のFe原子との結合位置を示し、
波線cは、一般式(2)における他方のFe原子との結合位置を示す。)
【化16】
(一般式(6)において、
9およびR10は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R9が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R10が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく
s、tはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
11は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線dは、一般式(3)における酸素原子との結合位置を示し、
波線eは、一般式(3)における一方のCu原子との結合位置を示し、
波線fは、一般式(3)における他方のCu原子との結合位置を示す。)
【化17】
(一般式(7)において、
12およびR13は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R12が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R13が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
u、vはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R14およびR15は互いに結合し環を形成してもよく
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線gは、一般式(3)における一方のCu原子との結合位置を示し、
波線hは、波線gで結合するCu原子と同一のCu原子との結合位置を示す。)
【化18】
(一般式(8)において、
16〜R19は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R16が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R17が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R18が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R19が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
w、x、y、zはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
20およびR21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R20およびR21は互いに結合し環を形成してもよく、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線iおよびjは、一般式(4)における一方のCo原子との結合位置を示し、
波線k、lは、一般式(4)における前記波線iおよびjで結合するCo原子と別のCo原子との結合位置を示す。)
【請求項7】
ガス吸着剤が吸着するガス状分子が、Ri−O−Ri、NRii3、CHn4-n、1〜3個のハロゲン原子で置換されたエタン、Rii−CO−Rii、Rii−S−Rii、Rii−SO−Rii、RiiCOORii、および二酸化炭素から選択される少なくとも1種であり、
iは、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜5のアルキル基であり、2つのRiは互いに結合し環を形成してもよく、Riiは、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子であり、nは0〜3の整数である、請求項6に記載のガス吸着剤。
【請求項8】
ガス吸着剤が吸着するガス状分子が、水、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アンモニア、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、アセトン、プロピオンアルデヒド、酢酸、および酢酸エチルから選択される少なくとも1種である、請求項6に記載のガス吸着剤。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか一項に記載のガス吸着剤を用いてガス状分子を吸着する、ガス吸着方法。
【請求項10】
請求項6〜8のいずれか一項に記載のガス吸着剤に吸着されたガス状分子を、加熱することにより脱離する、ガス脱離方法。
【請求項11】
請求項6〜8のいずれか一項に記載のガス吸着剤に吸着されたガス状分子を、減圧乾燥させることにより脱離する、ガス脱離方法。
【請求項12】
前記減圧乾燥が、圧力が0.1Pa〜10000Pa、温度が55℃〜300℃、時間が35分〜24時間の条件下で行われる、請求項11に記載のガス脱離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錯体、錯体集積体、ガス吸着剤、ガス吸着方法およびガス脱離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排ガス処理等の分野でガスを吸着するガス吸着剤について開発が行われてきた。特にガスの吸着および分離等の機能を持つ多孔性材料、例えば多孔性配位高分子について強い興味が持たれてきた。多孔性配位高分子は金属イオンと有機物との配位結合を利用して、内部に空間(細孔)を持つ結晶性の高分子構造(多孔性構造)を形成する。
【0003】
特許文献1には多孔性配位高分子金属錯体を用いたガス吸着剤について記載されている。同文献の0072段落には、ガスの吸着圧力および吸着温度について「例えば、吸着圧力は0.01〜10MPaが好ましく、0.1〜3.5MPaがより好ましい。また、吸着温度は195K〜343Kが好ましく、273〜313Kがより好ましい。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−74590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、新たなガス吸着剤を提供することを目的とし、前記ガス吸着剤として用いることが可能な錯体集積体、および前記錯体集積体を構成する錯体を提供することを目的とする。また、前記ガス吸着剤を用いた、ガス吸着方法、ガス脱離方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、以下の錯体、錯体集積体、ガス吸着剤を見出し、前記ガス吸着剤を用いたガス吸着方法およびガス脱離方法も見出した。すなわち、本発明は、例えば以下の[1]〜[12]に関する。
【0007】
[1] 下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される錯体。
【0008】
【化1】
(一般式(1)において、
Mは、周期律表1〜3族および7〜15族から選択される原子であり、
1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R1が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R2が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
m、nはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R3およびR4は互いに結合し環を形成してもよく、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
pは、1〜4の整数である。
【0009】
但し、「Mがニッケル原子であり、mおよびnが0であり、R3がフェニル基であり、R4が水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2であるニッケル錯体」および「Mがニッケル原子、コバルト原子、銅原子、または亜鉛原子であり、mおよびnが0であり、R3およびR4が共に水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2である錯体」を含まない。)
【0010】
【化2】
(一般式(2)において、
5は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、または炭素数2〜5のアルキニル基から選択される基であり、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
1およびX2はそれぞれ独立に、下記一般式(5)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
-はハロゲンアニオンである。)
【0011】
【化3】
(一般式(3)において、
3は、下記一般式(6)で表される配位子であり、
4は、下記一般式(7)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
-はハロゲンアニオンである。)
【0012】
【化4】
(一般式(4)において、
5は、下記一般式(8)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子である。)
【0013】
【化5】
(一般式(5)において、
6およびR7は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R6が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R7が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
q、rはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
8は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線aは、一般式(2)における酸素原子との結合位置を示し、
波線bは、一般式(2)における一方のFe原子との結合位置を示し、
波線cは、一般式(2)における他方のFe原子との結合位置を示す。)
【0014】
【化6】
(一般式(6)において、
9およびR10は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R9が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R10が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく
s、tはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
11は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線dは、一般式(3)における酸素原子との結合位置を示し、
波線eは、一般式(3)における一方のCu原子との結合位置を示し、
波線fは、一般式(3)における他方のCu原子との結合位置を示す。)
【0015】
【化7】
(一般式(7)において、
12およびR13は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R12が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R13が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
u、vはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R14およびR15は互いに結合し環を形成してもよく
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線gは、一般式(3)における一方のCu原子との結合位置を示し、
波線hは、波線gで結合するCu原子と同一のCu原子との結合位置を示す。)
【0016】
【化8】
(一般式(8)において、
16〜R19は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R16が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R17が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R18が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R19が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
w、x、y、zはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
20およびR21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R20およびR21は互いに結合し環を形成してもよく、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線iおよびjは、一般式(4)における一方のCo原子との結合位置を示し、
波線k、lは、一般式(4)における前記波線iおよびjで結合するCo原子と別のCo原子との結合位置を示す。)
【0017】
[2] 前記一般式(1)において、前記Mは、周期律表3族および8〜12族から選択される原子である、[1]に記載の錯体。
[3] 前記一般式(1)において、前記R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記m、nはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、前記R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記pは、2または3であり、
前記一般式(2)において、前記R5は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、または炭素数2〜5のアルキニル基から選択される基であり、
前記一般式(5)において、前記R6およびR7は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記q、rはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、前記R8は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
前記一般式(6)において、前記R9およびR10は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記s、tはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、前記R11は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
前記一般式(7)において、前記R12およびR13は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記u、vはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、前記R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
前記一般式(8)において、前記R16〜R19は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記w、x、y、zはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、前記R20およびR21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基である、
[1]または[2]に記載の錯体。
【0018】
[4] 下記化学式(1−1)〜(1−7)、(2−1)、(3−1)、または(4−1)で表される、[1]〜[3]のいずれかに記載の錯体。
【0019】
【化9】
【0020】
【化10】
(化学式(3−1)において、aは、炭素原子への結合を意味し、bはCu原子への結合を意味する。)
【0021】
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の錯体が複数集積化した、錯体集積体。
[6] 下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される錯体が、複数集積化した錯体集積体から構成される、ガス吸着剤。(但し、ガス吸着剤が吸着するガス状分子が、ジエチルエーテルであり、錯体が下記一般式(1)で表される錯体であり、かつ一般式(1)においてMがニッケル原子であり、mおよびnが0であり、R3がフェニル基であり、R4が水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2であるニッケル錯体である場合を除く。)
【0022】
【化11】
(一般式(1)において、
Mは、周期律表1〜3族および7〜15族から選択される原子であり、
1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R1が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R2が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
m、nはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R3およびR4は互いに結合し環を形成してもよく、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
pは、1〜4の整数である。)
【0023】
【化12】
(一般式(2)において、
5は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、または炭素数2〜5のアルキニル基から選択される基であり、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
1およびX2はそれぞれ独立に、下記一般式(5)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
-はハロゲンアニオンである。)
【0024】
【化13】
(一般式(3)において、
3は、下記一般式(6)で表される配位子であり、
4は、下記一般式(7)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
-はハロゲンアニオンである。)
【0025】
【化14】
(一般式(4)において、
5は、下記一般式(8)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子である。)
【0026】
【化15】
(一般式(5)において、
6およびR7は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R6が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R7が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
q、rはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
8は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線aは、一般式(2)における酸素原子との結合位置を示し、
波線bは、一般式(2)における一方のFe原子との結合位置を示し、
波線cは、一般式(2)における他方のFe原子との結合位置を示す。)
【0027】
【化16】
(一般式(6)において、
9およびR10は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R9が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R10が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく
s、tはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
11は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線dは、一般式(3)における酸素原子との結合位置を示し、
波線eは、一般式(3)における一方のCu原子との結合位置を示し、
波線fは、一般式(3)における他方のCu原子との結合位置を示す。)
【0028】
【化17】
(一般式(7)において、
12およびR13は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R12が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R13が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
u、vはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R14およびR15は互いに結合し環を形成してもよく
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線gは、一般式(3)における一方のCu原子との結合位置を示し、
波線hは、波線gで結合するCu原子と同一のCu原子との結合位置を示す。)
【0029】
【化18】
(一般式(8)において、
16〜R19は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R16が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R17が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R18が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R19が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
w、x、y、zはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
20およびR21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R20およびR21は互いに結合し環を形成してもよく、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線iおよびjは、一般式(4)における一方のCo原子との結合位置を示し、
波線k、lは、一般式(4)における前記波線iおよびjで結合するCo原子と別のCo原子との結合位置を示す。)
【0030】
[7] ガス吸着剤が吸着するガス状分子が、Ri−O−Ri、NRii3、CHn4-n、1〜3個のハロゲン原子で置換されたエタン、Rii−CO−Rii、Rii−S−Rii、Rii−SO−Rii、RiiCOORii、および二酸化炭素から選択される少なくとも1種であり、
iは、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜5のアルキル基であり、2つのRiは互いに結合し環を形成してもよく、Riiは、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子であり、nは0〜3の整数である、[6]に記載のガス吸着剤。
【0031】
[8] ガス吸着剤が吸着するガス状分子が、水、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アンモニア、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、アセトン、プロピオンアルデヒド、酢酸、および酢酸エチルから選択される少なくとも1種である、[6]に記載のガス吸着剤。
【0032】
[9] [6]〜[8]のいずれか一項に記載のガス吸着剤を用いてガス状分子を吸着する、ガス吸着方法。
【0033】
[10] [6]〜[8]のいずれか一項に記載のガス吸着剤に吸着されたガス状分子を、加熱することにより脱離する、ガス脱離方法。
【0034】
[11] [6]〜[8]のいずれか一項に記載のガス吸着剤に吸着されたガス状分子を、減圧乾燥させることにより脱離する、ガス脱離方法。
【0035】
[12] 前記減圧乾燥が、圧力が0.1Pa〜10000Pa、温度が55℃〜300℃、時間が35分〜24時間の条件下で行われる、[11]に記載のガス脱離方法。
【発明の効果】
【0036】
本発明の錯体の分子が複数集積化することにより得られる錯体集積体は、ガス吸着剤として用いることができる。本発明のガス吸着方法は、前記ガス吸着剤を用いることにより、ガス状分子を吸着する際に、大きな圧力を必要とせず、大気圧中に微量にガス状分子が存在する場合でも吸着することが可能である。また、吸着されたガス状分子は、ガス脱離方法により脱離することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、実施例1で得られたジメチルスルホキシドを結晶化溶媒としてとりこんだ化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)の単結晶X線構造解析の結果から作成した、三次元構造を示す図である。
【図2】図2は、実施例1で得られたジメチルスルホキシドを結晶化溶媒としてとりこんだ化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)の単結晶X線構造解析の結果から作成した、三次元構造を示す図である。
【図3】図3は、実施例1で得られたジメチルスルホキシドを結晶化溶媒としてとりこんだ化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)の単結晶X線構造解析の結果から作成した、三次元構造を示す図である。
【図4】図4は、図2、3に示した細孔CHの模式図である。
【図5】図5は、実施例11のガス吸着実験−1を説明するための図である。
【図6】図6は、実施例11のガス吸着実験−2におけるX線回析測定の結果を示す図である。
【図7】図7は、実施例11のガス吸着およびガス脱離実験(サイクル試験)の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
次に本発明について具体的に説明する。
[錯体、錯体集積体]
本発明の錯体は、下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される錯体である。なお、一般式(1)〜(4)のいずれかで表される錯体を、本発明の錯体とも記す。
【0039】
【化19】
(一般式(1)において、
Mは、周期律表1〜3族および7〜15族から選択される原子であり、
1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R1が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R2が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
m、nはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R3およびR4は互いに結合し環を形成してもよく、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
pは、1〜4の整数である。
【0040】
但し、「Mがニッケル原子であり、mおよびnが0であり、R3がフェニル基であり、R4が水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2であるニッケル錯体」および「Mがニッケル原子、コバルト原子、銅原子、または亜鉛原子であり、mおよびnが0であり、R3およびR4が共に水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2である錯体」を含まない。)
【0041】
【化20】
(一般式(2)において、
5は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、または炭素数2〜5のアルキニル基から選択される基であり、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
1およびX2はそれぞれ独立に、下記一般式(5)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
-はハロゲンアニオンである。)
【0042】
【化21】
(一般式(3)において、
3は、下記一般式(6)で表される配位子であり、
4は、下記一般式(7)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
-はハロゲンアニオンである。)
【0043】
【化22】
(一般式(4)において、
5は、下記一般式(8)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子である。)
【0044】
【化23】
(一般式(5)において、
6およびR7は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R6が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R7が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
q、rはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
8は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線aは、一般式(2)における酸素原子との結合位置を示し、
波線bは、一般式(2)における一方のFe原子との結合位置を示し、
波線cは、一般式(2)における他方のFe原子との結合位置を示す。)
【0045】
【化24】
(一般式(6)において、
9およびR10は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R9が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R10が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく
s、tはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
11は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線dは、一般式(3)における酸素原子との結合位置を示し、
波線eは、一般式(3)における一方のCu原子との結合位置を示し、
波線fは、一般式(3)における他方のCu原子との結合位置を示す。)
【0046】
【化25】
(一般式(7)において、
12およびR13は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R12が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R13が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
u、vはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R14およびR15は互いに結合し環を形成してもよく
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線gは、一般式(3)における一方のCu原子との結合位置を示し、
波線hは、波線gで結合するCu原子と同一のCu原子との結合位置を示す。)
【0047】
【化26】
(一般式(8)において、
16〜R19は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R16が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R17が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R18が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R19が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
w、x、y、zはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
20およびR21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R20およびR21は互いに結合し環を形成してもよく、
zは、炭素数1〜5のアルキル基であり、
波線iおよびjは、一般式(4)における一方のCo原子との結合位置を示し、
波線k、lは、一般式(4)における前記波線iおよびjで結合するCo原子と別のCo原子との結合位置を示す。)
なお、本発明において、「置換されていてもよいXX基」との記載があるが、該記載は、「XX基」を構成する水素原子が、置換されていてもよいことを意味する。
【0048】
一般式(1)において、Mは、周期律表1〜3族および7〜15族から選択される原子であり、好ましくは周期律表3族および8〜12族から選択される原子である。Mの具体例としては、Y、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Pdが挙げられ、Fe、Ni、Co、Cu、Znから選択される金属原子が、価格の観点からより好ましい。
【0049】
前記炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基、n‐ブチル基、s‐ブチル基、t‐ブチル基、n-ペンチル基が挙げられ、メチル基、エチル基、またはn‐プロピル基が、短く、また、かさ高くない方が、立体効果による影響を受けにくく、想定している結晶構造を形成しやすい観点から好ましい。
【0050】
前記炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、o‐トリル基、m‐トリル基、p‐トリル基、2,4,6‐トリメチルフェニル基、4‐tert‐ブチルフェニル基が挙げられ、フェニル基が、かさ高くない方が、立体効果による影響を受けにくく、想定している結晶構造を形成しやすい観点から好ましい。
【0051】
炭素数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n‐プロポキシ基、イソプロポキシ基、n‐ブトキシ基、s‐ブトキシ基、t‐ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、またはn‐プロポキシ基が、短く、また、かさ高くない方が、立体効果による影響を受けにくく、想定している結晶構造を形成しやすい観点から好ましい。
【0052】
炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基としては、ビニル基および、前記炭素数1〜5のアルキル基で例示したアルキル基(メチル基、エチル基等)で水素原子が置換されたビニル基が挙げられ、ビニル基、またはメチル基で一つの水素原子が置換されたビニル基が、短く、また、かさ高くない方が、立体効果による影響を受けにくく、想定している結晶構造を形成しやすい観点から好ましい。
【0053】
炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基としては、‐SO3H基、‐SO3z基[ここでRzは、炭素数1〜5のアルキル基である]が挙げられ、‐SO3H基、または‐SO3z'基[ここでRz'は、メチル基またはエチル基である]が、短く、また、かさ高くない方が、立体効果による影響を受けにくく、想定している結晶構造を形成しやすい観点から好ましい。
【0054】
炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基としては、‐NH2基、‐N(Ry2基[ここでRyは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基であり、Ryが同時に水素原子ではない。]が挙げられ、‐NH2基、または‐N(Ry'2基[ここでRy'は、それぞれ独立に水素原子、メチル基またはエチル基であり、Ry'が同時に水素原子ではない。]が、短く、また、かさ高くない方が、立体効果による影響を受けにくく、想定している結晶構造を形成しやすい観点から好ましい。
【0055】
炭素数2〜5のアルケニル基としては、ビニル基、1‐プロペニル基、アリル基(2‐プロペニル基)、イソプロペニル基、1‐ブテニル基、2‐ブテニル基、3‐ブテニル基、ペンテニル基、2‐メチル‐2‐プロペニル基、1‐メチル‐2‐プロペニル基、2‐メチル‐1‐プロペニル基が挙げられ、ビニル基、またはアリル基が、短く、また、かさ高くない方が、立体効果による影響を受けにくく、想定している結晶構造を形成しやすい観点から好ましい。
【0056】
炭素数2〜5のアルキニル基としては、エチニル基、1‐プロピニル基、2‐プロピニル基(プロパルギル基)、1‐ブチニル基、2‐ブチニル基、3‐ブチニル基、1‐ペンチニル基、2‐ペンチニル基、3‐ペンチニル基、4‐ペンチニル基、1‐メチル‐2‐プロピニル基、2‐メチル‐3‐ブチニル基、1‐メチル‐2‐ブチニル基、1,1‐ジメチル‐2‐プロピニルが挙げられ、エチニル基、1‐プロピニル基、または2‐プロピニル基(プロパルギル基)が、短く、また、かさ高くない方が、立体効果による影響を受けにくく、想定している結晶構造を形成しやすい観点から好ましい。
【0057】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、原子半径の観点から、塩素原子または臭素原子が好ましい。また、ハロゲンアニオンとしては、前記ハロゲン原子の一価のアニオン(例えばCl‐、Br‐)が挙げられる。同一の分子(錯体)内に、複数のハロゲン原子が存在する場合には、各ハロゲン原子は同一でも異なっていてもよいが、合成容易の観点から、同一のハロゲン原子であることが好ましい。また、同一の分子(錯体)内に、ハロゲン原子と、ハロゲンアニオンとが存在する場合には、ハロゲンアニオンは、ハロゲン原子と同種のアニオンであることが好ましい。同種のアニオンとは、例えばハロゲン原子が塩素原子である場合には、Cl‐を意味し、ハロゲン原子が臭素原子である場合には、Br‐を意味する。
【0058】
前記一般式(1)において、前記R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキル基であることがより好ましい。前記m、nはそれぞれ独立に0〜2の整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。また、前記m、nは同一の整数であることが合成容易の観点から好ましい。前記R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、またはハロゲン原子から選択される基であることがより好ましい。前記pは、2または3であることが好ましく、2であることがより好ましい。
【0059】
また、前記一般式(1)においては、前記R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記m、nはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、前記R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記pは、2または3であることが、原料の入手容易性の観点から好ましい。
【0060】
前記一般式(2)において、前記R5は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、または炭素数2〜5のアルキニル基から選択される基であることが、原料の入手容易性の観点から好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基から選択される基であることがより好ましい。
【0061】
前記一般式(5)において、前記R6およびR7は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキル基であることがより好ましい。前記q、rはそれぞれ独立に0〜2の整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。また、前記q、rは同一の整数であることが合成容易の観点から好ましい。前記R8は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることがより好ましい。
【0062】
また、前記一般式(5)においては、前記R6およびR7は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記q、rはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、前記R8は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることが、原料の入手容易性の観点から好ましい。
【0063】
前記一般式(6)において、前記R9およびR10は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキル基であることがより好ましい。前記s、tはそれぞれ独立に0〜2の整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。また、前記s、tは同一の整数であることが合成容易の観点から好ましい。前記R11は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることがより好ましい。
【0064】
また、前記一般式(6)においては、前記R9およびR10は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記s、tはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、前記R11は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることが、原料の入手容易性の観点から好ましい。
【0065】
前記一般式(7)において、前記R12およびR13は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキル基であることがより好ましい。前記u、vはそれぞれ独立に0〜2の整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。また、前記u、vは同一の整数であることが合成容易の観点から好ましい。前記R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることがより好ましい。
【0066】
また、前記一般式(7)においては、前記R12およびR13は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記u、vはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、前記R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることが、原料の入手容易性の観点から好ましい。
【0067】
前記一般式(8)において、前記R16〜R19は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキル基であることがより好ましい。前記w、x、y、zはそれぞれ独立に0〜2の整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。また、前記w、x、y、zは同一の整数であることが合成容易の観点から好ましい。前記R20およびR21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることがより好ましい。
【0068】
また、前記一般式(8)においては、前記R16〜R19は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記w、x、y、zはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、前記R20およびR21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であることが、原料の入手容易性の観点から好ましい。
【0069】
本発明の錯体は、前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される錯体であり、構造の単純さの観点から前記一般式(1)で表される錯体が好ましい。
本発明の錯体は、具体的には、下記化学式(1−1)〜(1−7)、(2−1)、(3−1)、または(4−1)で表されることが好ましい。これらの錯体は、安価な金属を中心に持つため好ましい。中でも、本発明の錯体は、化学式(1−1)〜(1−7)のいずれかで表されることが構造の単純さの観点から好ましい。
【0070】
【化27】
【0071】
【化28】
(化学式(3−1)において、aは、炭素原子への結合を意味し、bはCu原子への結合を意味する。)
【0072】
本発明の錯体は、通常は下記化学式(α)で表される化合物が、配位子として金属原子に配位している。なお、本発明の錯体は、化学式(α)で表される化合物が、金属原子に配位する前、同時、または後に、反応系中の溶媒等の反応系中の物質と反応し、化学式(α)で表される化合物の構造が一部変化した状態で、金属原子に配位していてもよい。また、化学式(α)で表される化合物が、金属原子に配位する前、同時、または後に、化学式(α)で表される化合物同士が結合してもよい。言い換えると化学式(α)で表される化合物の誘導体が、金属原子に配位していてもよい。後述の実施例では、使用した配位子が有さないヒドロキシ基、エトキシ基、塩素原子等が導入された配位子が、錯体を構成している場合や、二つの配位子が結合し、一つの配位子として錯体を構成している場合があった。
【0073】
本発明の錯体は、金属原子に配位する配位子が、原則ベンゾイミダゾール(C762)の2位の水素が脱離したベンゾイミダゾリル基(C752)を2つ有し、該ベンゾイミダゾリル基は炭素原子を介して連結されていることを特徴の一つとしている。本発明の錯体は、同一錯体(分子内)で、ベンゾイミダゾリル基の窒素原子が、金属原子に配位するだけでなく、錯体間(分子間)でも、ハロゲン原子と、ベンゾイミダゾリル基を構成するNH部分の水素原子とが、水素結合を形成することにより、錯体集積体を構成することが可能である。また、ガス状分子と、ベンゾイミダゾリル基を構成するNH部分の水素原子とが、水素結合を形成することが可能であるため、本発明の錯体集積体は、後述のガス吸着剤として使用することができる。
【0074】
【化29】
(一般式(α)において、
aおよびRbは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、Raが複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、Rbが複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
A、Bはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、
cおよびRdは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、−CO−Rz基、カルボキシ基、−COO−Rz基、−O−CO−Rz基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、RcおよびRdは互いに結合し環を形成してもよく、Rzは、炭素数1〜5のアルキル基である。)
一般式(α)における、各基の例示としては、前述の基が挙げられる。また、RaおよびRbの好適態様としては、前記R1およびR2の好適態様と同様であり、AおよびBの好適範囲は、前記m、nの好適範囲と同様であり、RcおよびRdの好適態様としては、前記R3およびR4の好適態様と同様である。
【0075】
化学式(α)で表される化合物の製法に関しては、例えば以下の文献を参照することができる(Antonia Albers, Serhiy Demeshko, Sebastian Dechert, Eckhard Bill, Eberhard Bothe, and Franc Meyer, “The Complete Characterization of a Reduced Biomimetic [2Fe-2S] Cluster", Angewandte Chemie International Edition, 2011年50巻9191-9194ページ, DOI:10.1002/anie.201100727)。
【0076】
本発明の錯体の製造方法としては、特に限定はないが、例えば以下の方法で製造することが可能である。
(I):化学式(α)で表される化合物等の、本発明の錯体において金属原子に配位する配位子に相当する化合物を用意する。該化合物の用意は、合成により行っても、購入することにより行ってもよい。
(II):ハロゲン化金属等の金属化合物と、前記配位子に相当する化合物とを、溶媒中で反応させ、錯体を合成する。
(III):(II)で得られた錯体を、必要に応じて精製する。
【0077】
本発明の錯体の単結晶(錯体集積体)を溶液中より作製する場合には、溶媒分子が、結晶中にとりこまれていてもよい。この溶媒分子を、結晶化溶媒という。結晶化溶媒を用いた場合には、得られる錯体の単結晶(錯体集積体)には、結晶化溶媒が含まれていてもよい。結晶化溶媒は、乾燥、減圧乾燥等の方法により除去することが可能であり、例えば結晶化溶媒を、後述のガス脱離方法に従って除去することが可能である。
【0078】
本発明の錯体の製造方法の詳細としては、例えば、後述の実施例に記載の方法で行うことが可能である。
前記金属化合物としては、例えば、塩化ニッケル六水和物(NiCl2・6H2O)、塩化亜鉛(ZnCl2)、塩化コバルト六水和物(CoCl2・6H2O)、塩化銅(CuCl2)、塩化鉄四水和物(FeCl2・4H2O)、塩化鉄(FeCl3)が挙げられる。
【0079】
前記溶媒としては、例えば、エタノールが挙げられる。
本発明の錯体は、その分子が複数集積することにより、集積体を構成することが可能である。すなわち、本発明の錯体集積体は、前記錯体が複数集積化した、錯体集積体である。
【0080】
前記錯体集積体は、錯体を構成するベンゾイミダゾリル基の窒素原子に結合する水素原子と、別の錯体を構成するハロゲン原子との水素結合により集積化した錯体集積体が好ましい。
【0081】
本発明者らは、錯体を構成するベンゾイミダゾリル基の窒素原子に結合する水素原子と、別の錯体を構成するハロゲン原子との水素結合は、錯体が集積化する際に秩序立った配列を作るための駆動力として働いているものと考えている。すなわち、錯体集積体の製造方法は、錯体を構成するベンゾイミダゾリル基の窒素原子に結合する水素原子と、別の錯体を構成するハロゲン原子とが水素結合により結合して集積化することを特徴とする。
【0082】
図1に、実施例1で得られたジメチルスルホキシドを結晶化溶媒としてとりこんだ化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)の単結晶X線構造解析の結果から作成した、三次元構造を示す。図1では、集積化に寄与していると考えられる錯体を構成するベンゾイミダゾリル基の窒素原子に結合する水素原子と、別の錯体を構成する塩素原子との水素結合、および、ジメチルスルホキシドを構成する酸素原子と、錯体を構成するベンゾイミダゾリル基の窒素原子に結合する水素原子との水素結合が図示されている。図1に示されるように、化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)は、錯体がジグザグ型に配列することにより構成される。
【0083】
[ガス吸着剤、ガス吸着方法、ガス脱離方法]
本発明のガス吸着剤は、前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される錯体が、複数集積化した錯体集積体から構成される。
【0084】
なお、本発明の錯体においては、一般式(1)で表される錯体から、「Mがニッケル原子であり、mおよびnが0であり、R3がフェニル基であり、R4が水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2であるニッケル錯体」および「Mがニッケル原子、コバルト原子、銅原子、または亜鉛原子であり、mおよびnが0であり、R3およびR4が共に水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2である錯体」は除かれているが、本発明のガス吸着剤においては、一般式(1)で表される錯体が、「Mがニッケル原子であり、mおよびnが0であり、R3がフェニル基であり、R4が水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2であるニッケル錯体」および「Mがニッケル原子、コバルト原子、銅原子、または亜鉛原子であり、mおよびnが0であり、R3およびR4が共に水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2である錯体」であってもよい。但し、ガス吸着剤が吸着するガス状分子が、ジエチルエーテルであり、錯体が下記一般式(1)で表される錯体であり、かつ一般式(1)においてMがニッケル原子であり、mおよびnが0であり、R3がフェニル基であり、R4が水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2であるニッケル錯体である場合は本発明に含まれない。なお、一般式(1)においてMがニッケル原子であり、mおよびnが0であり、R3がフェニル基であり、R4が水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2であるニッケル錯体とは、下記化学式(1’−8)で表される錯体である。
【0085】
また、本発明のガス吸着剤においては、一般式(1)表される錯体において、Mがニッケル原子、コバルト原子、銅原子、または亜鉛原子であり、mおよびnが0であり、R3およびR4が共に水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2である錯体でないことが好ましい。
【0086】
【化30】
本発明のガス吸着剤は、錯体を構成するベンゾイミダゾリル基の窒素原子に結合する水素原子と、ガス状分子を構成する酸素原子等のヘテロ原子との水素結合によりガス状分子の吸着を行うことが好ましい。本発明者らの検討によると、本発明の錯体はその分子中に複数のベンゾイミダゾリル基を有するが、少なくとも一つのベンゾイミダゾリル基の窒素原子に結合する水素原子は、別の錯体を構成するハロゲン原子と水素結合することにより、錯体集積体を構成することに寄与すると考えられ、別のベンゾイミダゾリル基の窒素原子に結合する水素原子が、ガス状分子を構成するヘテロ原子と水素結合をすることにより、ガス状分子の吸着に寄与すると考えられる。
【0087】
ガス吸着剤として用いられる錯体集積体の構造について、図2等を参照しつつ説明する。なお、図1〜4では、錯体が、化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)である場合を図示しており、ガス吸着剤、ガス吸着方法、およびガス脱離方法については、錯体が、化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)である場合を中心に説明する。錯体が、化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)以外の場合でも、上述の錯体であれば、同様にガス吸着剤として使用することができ、ガス吸着方法、およびガス脱離方法についても問題なく実施することができる。
【0088】
図2は、実施例1で得られたジメチルスルホキシドを結晶化溶媒としてとりこんだ化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)の単結晶X線構造解析の結果から作成した、三次元構造を示す。図2に示されるように、化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)は単結晶状態で細孔CH(チャネル。図2では点線円で示す。)を持っている。本発明のガス吸着剤は、この細孔CH内にガス状分子を吸着することにより、吸着剤として作用する。図2右図は、ジメチルスルホキシドが、細孔CHに保持されている状況を図示している。
【0089】
次にガス吸着剤として用いられる化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)の構造について、図3を参照しつつ説明する。図3は、実施例1で得られたジメチルスルホキシドを結晶化溶媒としてとりこんだ化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)の単結晶X線構造解析の結果から作成した、三次元構造を示す。図3は、化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)が既にジメチルスルホキシドをとりこんでいる状態、すなわち前記細孔CH内にジメチルスルホキシドがとりこまれている状態を示す。図3左図は化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)内にジメチルスルホキシドが取り込まれ、N−H・・・O水素結合によりジメチルスルホキシドが細孔内に保持されている様子を示す。一例として、図3左図の細孔CH(点線四角で示す。)内を拡大した図を図3右図に示す。図3右図に示されるように、二つの化学式(1−1)で表される錯体に由来する二つのベンゼン環(ベンゾイミダゾリル基を構成しないベンゼン環、すなわち、ベンゾイミダゾリル基を連結する炭素原子に直接結合するベンゼン環)が2つのジメチルスルホキシド分子の間に入り込んでいる様子がわかる。図4は、図2、3に示した細孔CHの模式図を示す。図4で、黒色の長方形は、水素結合により、図面奥に向かって、1次元に配列した化学式(1−1)で表される錯体(但し、錯体が有するベンゼン環を除く)を示す。黒色の長方形から伸びるベンゼン環は、化学式(1−1)で表される錯体に由来するベンゼン環(ベンゾイミダゾリル基を構成しないベンゼン環、すなわち、ベンゾイミダゾリル基を連結する炭素原子に直接結合するベンゼン環)を示す。黒色の長方形同士を繋ぐ点線は、前記化学式(1−1)で表される錯体がつくる一次元鎖間に働く、ベンゾイミダゾリル基同士のπ−π相互作用を示す。また、点線四角で表される空間は、細孔CHを示す。図2〜4に示されるように、ジメチルスルホキシド分子は、1次元に配列した化学式(1−1)で表される錯体が、ベンゼン環等により形成する細孔CH中に保持されている。化学式(1−1)で表される錯体が形成する細孔CHは、ジメチルスルホキシドの吸着だけでなく、取り込んだジメチルスルホキシド分子の効率的な引き抜き(脱離)を促進している可能性が考えられる。つまり、細孔CHにより、ジメチルスルホキシドが周りの化学式(1−1)で表される錯体に完全に覆われてしまうことを防いでいる可能性が考えられる。
【0090】
本発明のガス吸着剤が吸着するガス状分子が、Ri−O−Ri、NRii3、CHn4-n、1〜3個のハロゲン原子で置換されたエタン、Rii−CO−Rii、Rii−S−Rii、Rii−SO−Rii、RiiCOORii、および二酸化炭素から選択される少なくとも1種であることが好ましい。ここで、前記Riは、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜5のアルキル基であり、2つのRiは互いに結合し環を形成してもよく、Riiは、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子であり、nは0〜3の整数である。
【0091】
本発明のガス吸着剤が吸着するガス状分子としては、水(水蒸気)、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、二酸化炭素、アセトン、メチルイソブチルアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ジエチルスルフィド、酢酸、プロピオン酸、ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸、イソ吉草酸、および酢酸エチルから選択される少なくとも1種であることがより好ましく、水、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アンモニア、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、アセトン、プロピオンアルデヒド、酢酸、および酢酸エチルから選択される少なくとも1種であることが特に好ましい。
【0092】
前記ガス状分子であれば、本発明のガス吸着剤が効率的に吸着を行うことができるため好ましい。
本発明のガス吸着方法は、前記ガス吸着剤を用いてガス状分子を吸着する。ガス状分子としては、前述の物が好ましい。
【0093】
本発明のガス吸着方法は、圧力としては、大気圧(常圧)または加圧下で行われることが好ましい。温度としては、0℃以上の条件下で行うことが好ましく、10℃以上の条件下で行うことがより好ましく、20℃以上の条件下で行うことがさらに好ましい。温度の上限としては特に限定はないが、通常は40℃以下で行われる。本発明のガス吸着方法は、大気圧の空気内に含まれる微量のガス状分子でさえ、吸着することができる。
【0094】
ガス状分子の分子量によっても異なるが、本発明のガス吸着方法は、ガス状分子を吸着する前のガス吸着剤50mgに対して、1mg〜20mgのガス状分子を吸収することができ、好ましくは5mg〜15mgのガス状分子を吸収することができる。
【0095】
本発明のガス脱離方法は、前記ガス吸着剤に吸着されたガス状分子を、加熱することにより脱離する。また、本発明のガス脱離方法は、前記ガス吸着剤に吸着されたガス状分子を、減圧乾燥させることにより脱離してもよい。
【0096】
前記減圧乾燥は、圧力が0.1Pa〜10000Pa、温度が55℃〜300℃、時間が35分間〜24時間の条件下で行われることが好ましく、圧力が0.1Pa〜5000Pa、温度が60℃〜180℃、時間が35分間〜14時間の条件下で行われることがより好ましく、圧力が1.3Pa〜3000Pa、温度が80℃〜120℃、時間が1時間〜3時間の条件下で行われることが特に好ましい。
【0097】
また、本発明のガス脱離方法は、減圧を行わずに、常圧下で行ってもよい。前記加熱を行う際には、気体流通下で加熱することにより、ガス状分子を脱離してもよい。減圧を行わない場合には、温度が100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、140℃〜300℃の条件下で行われることが特に好ましい。また、時間は、5分以上であることが好ましく、15分以上であることがより好ましく、30分〜3時間の条件下で行われることが特に好ましい。気体流通下で加熱することによってガス状分子を脱離する際には、気体として、大気を使用してもよいが、窒素、アルゴンなどの不活性ガスを用いることが好ましい。
【実施例】
【0098】
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔製造例1〕
(化学式(L1)で表される化合物(配位子L1)の合成)
化学式(L1)で表される化合物は、下記スキームに従って合成した。
【0099】
【化31】
上記スキームを参照しつつ化学式(L1)で表される化合物の合成手順(1)〜(6)を下記に示す。
【0100】
(1):o−フェニレンジアミン(17.2g、159mmol)に対して1,2,4−トリクロロベンゼン65mLを加え、180℃に加熱することにより、全てのo−フェニレンジアミンを溶解させた。
(2):180℃を保ったまま、(1)で得られた溶液に、ジエチルフェニルマロネート8.6mL(39.8mmol)を15分かけて滴下した。
(3):(2)の滴下終了後、180℃で1時間撹拌を行った。1時間後加熱をやめ自然放冷により、室温まで冷却したところ、褐色固体が析出した。
(4):(3)で得られた褐色固体をクロロホルム300mLで洗浄した後、6M塩酸100mLを加えたところ、固体の一部が溶解した。
(5):(4)で得られた溶解物と、固体との混合物に対して、ろ過操作を行い、ろ液を回収し、そのろ液に対して、5M水酸化ナトリウム水溶液150mLを加えたところ、配位子L1で表される化合物の白色粉末が析出した。
(6)ろ過操作により、白色粉末を回収し、乾燥させることにより配位子L1で表される化合物を得た(5.03g、15.5mmol、収率39%)。
【0101】
〔製造例2〕
(化学式(L2)で表される化合物(配位子L2)の合成)
化学式(L2)で表される化合物の合成手順(1)〜(7)を下記に示す。
【0102】
【化32】
(1):窒素雰囲気下とした三口フラスコに、ポリリン酸60gを入れ、180℃まで加熱した。
(2)o−フェニレンジアミン(5.8g、54mmol)を入れ、そのほとんどが溶けるまで撹拌した。
(3):250℃まで加熱し、ジエチルマロン酸ジエチル4mL(18mmol)を15分かけて滴下した。
(4):(3)の滴下終了後、250℃で8.5時間撹拌した。
(5):自然放冷により、190℃まで自然放冷後、粘性のある溶液を、水200mLの入ったビーカーに入れた。
(6):この混合液に対して、7.5M水酸化ナトリウム水溶液100mLを加えたところ、固体が析出した。
(7):ろ過操作により、析出した固体を回収し、ジエチルエーテルによる洗浄(20mL×3回、10mL×2回)と乾燥を行うことにより、配位子L2を含む赤紫がかった白色固体を得た(1.30g)。
得られた固体中に配位子L2が含まれていることは、ジメチルスルホキシド(C26SO)中で測定した1H NMRおよび質量スペクトルにより確認した。
[配位子L2のデータ]
1H NMR(ジメチルスルホキシド(C26SO)、500MHz、25℃、軽溶媒モード)δ7.49(br.2H)、7.43(br.2H)、7.12〜7.04(br.m.4H)、1.68(m.4H)、0.72(t.3HH=7Hz、6H)
質量スペクトル(ASAP)m/z305([M+H]+
【0103】
〔製造例3〕
(化学式(L3)で表される化合物(配位子L3)の合成)
化学式(L3)で表される化合物の合成手順(1)〜(7)を下記に示す。
【0104】
【化33】
(1):窒素雰囲気下とした三口フラスコに、o−フェニレンジアミン(5.8g、54mmol)を入れ、そこに1,2,4−トリクロロベンゼン25mLを加え、180℃に加熱することにより、全てのo−フェニレンジアミンを溶解させた。
(2):180℃を保ったまま、(1)で得られた溶液に、エチルマロン酸ジエチル3.4mL(18mmol)を15分かけて滴下した。
(3):(2)の滴下終了後、180℃で4時間撹拌した。
(4):自然放冷により、室温まで冷却したところ、褐色粉末が析出した。
(5):ろ過操作により、析出した褐色粉末を分離し、クロロホルムで洗浄(50mL×3回)した後、6M塩酸50mLを加えたところ、固体の一部が溶解した。
(6):ろ過操作を行い、ろ液を回収し、そのろ液に対して、5M水酸化ナトリウム水溶液100mLを加えたところ、白色粉末が析出した。
(7)ろ過操作により、白色粉末を回収し、乾燥させることにより配位子L3を得た(3.66g、13mmol、収率74%)。
配位子L3が得られたことは、1H NMRおよび質量スペクトルにより確認した。
[配位子L3のデータ]
1H NMR(重ジメチルスルホキシド(C26SO)、500MHz、25℃)δ7.43(br.4H)、6.99(br.4H)、4.47(t.3HH=7Hz 1H)、2.30(dq.3HH=each 7Hz 2H)、0.85(t.3HH=7Hz 3H)
質量スペクトル(ASAP)m/z277([M+H]+
【0105】
〔製造例4〕
(化学式(1’−8)で表される錯体・錯体集積体の合成)
化学式(1’−8)で表される錯体は、下記スキームに従って合成した。
【0106】
【化34】
【0107】
【化35】
上記スキームを参照しつつ化学式(1’−8)で表される錯体の合成手順(1)〜(7)を下記に示す。
【0108】
(スキーム(A)〜(B))
(1)200mLナスフラスコ中に、前記製造例1で得られた化学式(2)で表される化合物を820mg(2.52mmol)はかりとり、エタノール(EtOH)60mLを加えた。
(2)100mLナスフラスコ中に塩化ニッケル六水和物(NiCl2・6H2O)を600mg(2.52mmol)はかりとり、エタノール30mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で30分間撹拌したところ、紫色粉末が析出した。
(4)20分間静置した後、上澄み液を捨て、残った紫色粉末をエタノール10mLで洗浄した。
(5)エバポレーターを用いて乾燥後、得られた紫色粉末を回収した(780mg、1.71mmol)。
【0109】
(スキーム(B)〜(C))
(6)回収した紫色粉末に対して、アセトニトリル(CH3CN)とジエチルエーテル(Et2O)混合溶媒(アセトニトリル:ジエチルエーテル=67.5mL:40.5mL)を加えた後、ろ過し、ろ液を冷蔵庫(10℃)で静置したところ、紫色単結晶が析出した。
(7)析出した単結晶を回収し、乾燥後、収量を測定したところ、620mg、1.17mmol、収率47%であった。
上記スキームで得られた(C)は、化学式(1’−8)で表される錯体の単結晶、すなわち、錯体集積体であり、かつジエチルエーテルを吸着した状態である。
ジエチルエーテルを吸着した錯体集積体が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
【0110】
〔単結晶X線構造解析〕
なお、本製造例および後述の実施例における錯体(錯体集積体)の単結晶X線構造解析は、以下の条件で行った。
装置名:R−AXIS RAPID II
製造会社名:株式会社リガク(登録商標)
X線源:Mo−Kα、波長λ=0.71069Å
検出器:上記装置用の湾曲イメージングプレート
測定温度:−150℃
構造解析ソフトウェア:OlexSys Ltdの “Olex2
[化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)のデータ]
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として1分子のジエチルエーテルを含む
結晶としての組成:C2526Cl24NiO(C2116Cl24Ni・C410O)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=10.7785(7)Å
b=14.6846(8)Å
c=15.8321(8)Å
α=90°
β=103.319(7)°
γ=90°
単位格子体積:V=2438.5(3)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.0514
【0111】
〔実施例1〕
(化学式(1−1)で表される錯体・錯体集積体の合成)
【0112】
【化36】
(1)配位子L1240mg(0.74mmol)を、エタノール(EtOH)20mLに溶解させた。
(2)塩化亜鉛(ZnCl2)100mg(0.73mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で1時間撹拌したところ、白色懸濁液が得られた。
(4)デカンテーションにより、大部分の上澄み液を取り除いた後、エバポレーターを用いて乾燥したところ、白色粉末が得られた(390mg)。
(5)白色粉末を、ジメチルスルホキシド17mLに溶かし、そこにメタノールを30mL加えた。
(6)空気中で少しずつメタノールを蒸発させたところ、化学式(1−1)で表される錯体の無色結晶(錯体集積体)が得られた。
(7)析出した単結晶を回収し、乾燥後、収量を測定したところ、90mg、0.17mmol、収率23%であった。
【0113】
化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
[化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)のデータ]
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として1分子のジメチルスルホキシドを含む
結晶としての組成:C2322Cl24OSZn(C2116Cl24Zn・C26OS)
単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=9.7816(4)Å
b=14.6338(5)Å
c=16.4294(7)Å
α=90°
β=92.520(6)°
γ=90°
単位格子体積:V=2349.46(16)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.0349
【0114】
以下の実施例で合成した錯体では、原料として用いた前記配位子と、一部の構造が異なる配位子によって錯体が構成されているケースがあった。具体的には、前記配位子が有さない、ヒドロキシ基、エトキシ基、塩素原子等が導入された配位子が、錯体を構成している場合があった。これは、錯体合成反応中に、配位子が溶媒等の反応系中の物質と反応したためである。また、配位子同士が結合するケースもあった。
【0115】
〔実施例2〕
(化学式(1−2)で表される錯体・錯体集積体の合成)
【0116】
【化37】
(1)配位子L1270mg(2.83mmol)を、エタノール(EtOH)25mLに溶解させた。
(2)塩化コバルト六水和物(CoCl2・6H2O)200mg(0.84mmol)を、エタノール15mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で1時間撹拌したところ、青色懸濁液が得られた。
(4)10分間静置した後、デカンテーションで上澄み液を捨て、残った紫色粉末をエタノール5mLで洗浄した。
(5)エバポレーターを用いて乾燥後、得られた青色粉末を回収した(450mg)。
(6)回収した青色粉末に対して、アセトニトリル(CH3CN)を50mL加えた後、70℃で約20分間撹拌することにより、青色粉末を完全に溶解させた。
(7)得られた青色溶液に対して、トルエン蒸気を拡散させたところ、化学式(1−2)で表される錯体の青色の単結晶(錯体集積体)が析出した。
(8)析出した単結晶を回収し、乾燥後、収量を測定したところ、80mg、0.16mmol、収率19%であった。
化学式(1−2)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
【0117】
[化学式(1−2)で表される錯体(錯体集積体)のデータ]
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として1分子のアセトニトリルを含む
結晶としての組成:C2319Cl2CoN5O(C2116Cl2CoN4O・C23N)
結晶系:三斜晶系(triclinic system)
空間群:P−1(#2)
格子定数:
a=8.4104(8)Å
b=11.570(1)Å
c=13.2606(11)Å
α=113.257(8)°
β=90.106(6)°
γ=104.557(7)°
単位格子体積:V=1140.02(19)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.0442
【0118】
〔実施例3〕
(化学式(1−3)で表される錯体・錯体集積体の合成)
【0119】
【化38】
(1)配位子L2130mg(0.43mmol)を、エタノール(EtOH)20mLを加えた。
(2)塩化ニッケル六水和物(NiCl2・6H2O)100mg(0.42mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で1時間撹拌したところ、赤紫色懸濁液が得られた。
(4)エバポレーターを用いて乾燥後、得られた紫色粉末を回収した。
(5)回収した紫色粉末に対して、アセトニトリル(CH3CN)35mLを加え、次いで70℃まで加熱することにより、紫色粉末を完全に溶解させた。
(6)得られた紫色溶液に対して、ジエチルエーテル蒸気を拡散させたところ、化学式(1−3)で表される錯体の紫色単結晶(錯体集積体)が析出した。
(7)析出した単結晶を回収し、乾燥後、収量を測定したところ、22mg、0.043mmol、収率10%であった。
化学式(1−3)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
【0120】
[化学式(1−3)で表される錯体(錯体集積体)のデータ]
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として0.5分子のジエチルエーテルを含む
結晶としての組成:C2125Cl24NiO0.5(C1920Cl24Ni・(C410O)0.5
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=12.7659(12)Å
b=10.7255(10)Å
c=17.3421(19)Å
α=90°
β=110.372(8)°
γ=90°
単位格子体積:V=2226.0(4)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.0668
【0121】
〔実施例4〕
(化学式(1−4)で表される錯体・錯体集積体の合成)
【0122】
【化39】
(1)配位子L2130mg(0.43mmol)を、エタノール(EtOH)20mLに溶解させた。
(2)塩化コバルト六水和物(CoCl2・6H2O)100mg(0.42mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で1時間撹拌した。
(4)少量の不溶物をろ過で取り除いた後、ろ液に対して、ジエチルエーテル蒸気を拡散させたところ、化学式(1−4)で表される錯体の青色単結晶(錯体集積体)が析出した。
(5)析出した単結晶を回収し、乾燥後、収量を測定したところ、12mg、0.024mmol、収率6%であった。
化学式(1−4)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
【0123】
[化学式(1−4)で表される錯体(錯体集積体)のデータ]
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として0.5分子のジエチルエーテルを含む
結晶としての組成:C2125Cl24CoN40.5(C1920Cl2CoN4・(C410O)0.5
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=12.9262(16)Å
b=10.7811(10)Å
c=17.2334(17)Å
α=90°
β=110.415(8)°
γ=90°
単位格子体積:V=2250.8(4)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.0516
【0124】
〔実施例5〕
(化学式(1−5)で表される錯体・錯体集積体の合成)
【0125】
【化40】
(1)配位子L2225mg(0.74mmol)を、エタノール(EtOH)20mLに溶解させた。
(2)塩化銅(CuCl2)100mg(0.74mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で1時間撹拌したところ、褐色懸濁液となった。
(4)エバポレーターを用いて乾燥後、アセトニトリル(CH3CN)を50mL加えた後、60℃まで加熱した。
(5)ろ過により不溶物を取り除き、ろ液を室温で静置したところ、橙色微結晶が60mg(0.13mmol、18%)得られた。
(6)橙色微結晶をアセトニトリル50mLに溶かし、ジエチルエーテル蒸気を拡散させたところ、化学式(1−5)で表される錯体の橙色単結晶(錯体集積体)が痕跡量析出した。
化学式(1−5)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
【0126】
[化学式(1−5)で表される錯体(錯体集積体)のデータ]
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として0.5分子のジエチルエーテルを含む
結晶としての組成:C2125Cl24CuN40.5(C1920Cl2CuN4・(C410O)0.5
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=12.9967(10)Å
b=10.7781(8)Å
c=16.9615(10)Å
α=90°
β=109.367(8)°
γ=90°
単位格子体積:V=2241.5(3)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.0413
【0127】
〔実施例6〕
(化学式(1−6)で表される錯体・錯体集積体の合成)
【0128】
【化41】
(1)配位子L3120mg(0.43mmol)を、エタノール(EtOH)20mLに溶解させた。
(2)塩化コバルト六水和物(CoCl2・6H2O)100mg(0.42mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で1時間撹拌したところ、青緑色溶液が得られた。
(4)エバポレーターを用いて乾燥し、得られた青色粉末をテトラヒドロフランに溶解させた後、ジエチルエーテル蒸気を拡散させたところ、化学式(1−6)で表される錯体の青色単結晶(錯体集積体)が痕跡量析出した。
化学式(1−6)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
【0129】
[化学式(1−6)で表される錯体(錯体集積体)のデータ]
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として1分子のテトラヒドロフラン、および0.5分子のジエチルエーテルを含む
結晶としての組成:C2329Cl2CoN41.5(C1716Cl2CoN4O・(C48O)・(C410O)0.5
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:C2/c(#15)
格子定数:
a=24.447(3)Å
b=14.1114(19)Å
c=30.785(4)Å
α=90°
β=97.431(7)°
γ=90°
単位格子体積:V=10531(2)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1652
【0130】
〔実施例7〕
(化学式(1−7)で表される錯体・錯体集積体の合成)
【0131】
【化42】
(1)配位子L3200mg(0.71mmol)を、エタノール(EtOH)20mLに溶解させた。
(2)塩化銅(CuCl2)100mg(0.74mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で1時間撹拌したところ、暗黄褐色懸濁液となった。
(4)ろ過により不溶物を取り除き、濾液に対して、ジエチルエーテル蒸気を拡散させたところ、化学式(1−7)で表される錯体の黄色単結晶(錯体集積体)が痕跡量析出した。
化学式(1−7)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
【0132】
[化学式(1−7)で表される錯体(錯体集積体)のデータ]
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として0.5分子のジエチルエーテルを含む
結晶としての組成:C2125Cl24CuN41.5(C1920Cl2CuN4O・(C410O)0.5
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=8.7021(10)Å
b=11.2382(15)Å
c=23.844(3)Å
α=90°
β=97.425(7)°
γ=90°
単位格子体積:V=2312.3(5)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1191
【0133】
〔実施例8〕
(化学式(2−1)で表される錯体・錯体集積体の合成)
【0134】
【化43】
【0135】
[合成法1]
(1)配位子L1160mg(0.49mmol)を、エタノール(EtOH)20mLに溶解させた。
(2)塩化鉄四水和物(FeCl2・4H2O)100mg(0.50mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で5時間撹拌したところ、黄褐色懸濁液が得られた。
(4)10分間静置した後、デカンテーションで上澄み液を捨て、エバポレーターを用いて乾燥したところ、黄褐色粉末90mgが残った。
(5)黄褐色粉末に対して、アセトニトリル40mLを加え、70℃まで加熱した後、ろ過で不溶物を取り除き、ろ液を室温で静置したところ、化学式(2−1)で表される錯体の黄色の単結晶(錯体集積体)が痕跡量析出した。
【0136】
[合成法2]
(1)配位子L1200mg(0.61mmol)を、エタノール(EtOH)15mLに溶解させた。
(2)塩化鉄(FeCl3)100mg(0.62mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で30分間撹拌した。
(4)ろ過により少量の不溶物を取り除いた後、冷蔵庫(10℃)で静置したところ、化学式(2−1)で表される錯体の黄色の単結晶(錯体集積体)が析出した。
(5)析出した単結晶を回収し、乾燥後、収量を測定したところ、25mg、0.024mmol、収率8%であった。
どちらの合成法においても、化学式(2−1)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
【0137】
[合成法2で得た化学式(2−1)で表される錯体(錯体集積体)のデータ]
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として2分子のエタノールを含む
結晶としての組成:C4842Cl3Fe285(C4430Cl3Fe283・(C26O)2
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=10.9236(4)Å
b=22.8160(8)Å
c=18.8797(8)Å
α=90°
β=100.955(7)°
γ=90°
単位格子体積:V=4619.7(3)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.0587
化学式(2−1)で表される錯体が、合成法1、2のいずれでも得られたことは、単結晶X線構造解析の測定結果が、合成法1および2の場合で同じ空間群となったことより確認した。
【0138】
〔実施例9〕
(化学式(3−1)で表される錯体・錯体集積体の合成)
【0139】
【化44】
(化学式(3−1)において、aは、炭素原子への結合を意味し、bはCu原子への結合を意味する。)
(1)配位子L1360mg(1.11mmol)を、エタノール(EtOH)20mLに溶解させた。
(2)塩化銅(CuCl2)150mg(1.12mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で30分間撹拌したところ、橙色粉末が析出した。
(4)10分間静置した後、デカンテーションで上澄み液を捨て、残った橙色粉末を0℃において、エタノール5mLで洗浄した。
(5)エバポレーターを用いて乾燥後、得られた橙色粉末を回収した(370mg)。
(6)回収した橙色粉末に対して、アセトニトリル(CH3CN)を45mL加えた後、60℃で撹拌することにより、橙色粉末を完全に溶解させた(緑色溶液となる)。
(7)緑色溶液を室温で静置したところ、化学式(3−1)で表される錯体の緑色単結晶(錯体集積体)が痕跡量析出した。
化学式(3−1)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
【0140】
[化学式(3−1)で表される錯体(錯体集積体)のデータ]
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として1分子のエタノールおよび2分子のアセトニトリルを含む
結晶としての組成:C4842Cl4Cu2102(C4230Cl4Cu28O・(C23N)2・(C26O))
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=11,8127(9)Å
b=18.5385(15)Å
c=21.5547(14)Å
α=90°
β=105.417(7)°
γ=90°
単位格子体積:V=4550.4(6)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1143
【0141】
〔実施例10〕
(化学式(4−1)で表される錯体・錯体集積体の合成)
【0142】
【化45】
(1)配位子L3120mg(0.43mmol)を、エタノール(EtOH)20mLに溶解させた。
(2)塩化コバルト六水和物(CoCl2・6H2O)100mg(0.42mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で1時間撹拌したところ、青緑色溶液が得られた。
(4)エバポレーターを用いて乾燥し、得られた青色粉末をテトラヒドロフランに溶解させた後、−30℃でジエチルエーテル蒸気を拡散させたところ、化学式(4−1)で表される錯体の青色単結晶(錯体集積体)が痕跡量析出した。
化学式(4−1)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
【0143】
[化学式(4−1)で表される錯体(錯体集積体)のデータ]
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として6分子のジエチルエーテルを含む
結晶としての組成:C2125Cl24CuN40.5(C3430Cl4Co28・(C48O)6
結晶系:三斜晶系(triclinic system)
空間群:P−1(#2)
格子定数:
a=11.108(4)Å
b=12.193(5)Å
c=12.927(5)Å
α=64.311(9)°
β=84.268(8)°
γ=82.689(10)°
単位格子体積:V=1563.0(10)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1568
【0144】
〔実施例11〕
化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)について、ガス脱離、ガス吸着について評価するために、以下の実験を行った。
(化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)からのジエチルエーテル脱離方法)
製造例4で得られた化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)50mgを真空検体乾燥機に入れ、ULVAC(登録商標)社製真空ポンプG−50DA(到達圧力1.3Pa)を用いて、100℃で14時間、減圧乾燥させた。
その結果、ジエチルエーテルを含む単結晶が、ジエチルエーテルを含まない化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)(単結晶)へと変換されていることが、単結晶X線構造解析により確認された。
【0145】
[ジエチルエーテルを含まない化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)のデータ]
結晶としての組成:C2116Cl24Ni
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/n(#14)
a = 16.270(6)Å
b = 13.049(5)Å
c = 19.811(8)Å
α = 90°
β = 107.132(8)o
γ = 90°
単位格子体積:V=4019(3)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1966
ジエチルエーテル分子を含まない単結晶のデータについては、R因子(信頼度因子)の値からみてデータの質にやや難点があるものと思われるものの、構造は確認できた。
【0146】
(ガス吸着実験−1)
前記ジエチルエーテルを含まない化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)を用いて、テトラヒドロフラン、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、プロピオンアルデヒド、酢酸エチル、酢酸に対する吸着実験を行った。
【0147】
吸着実験は密閉系かつ、大気圧で行った。
図5のように、ジエチルエーテルを含まない化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)を50mg用意して(図5の中央、正方形で記載)、そこにテトラヒドロフラン、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、プロピオンアルデヒド、酢酸エチル、または酢酸の蒸気を室温で約一晩拡散させるだけで、各ガス(分子)が吸着された。
【0148】
一晩拡散させた単結晶が各分子を吸着していることは、単結晶X線構造解析により確認した。いずれの単結晶についても、単結晶X線構造解析では、吸着させた分子の占有率は1とおけた。この結果に基づくと、吸着剤基準での吸着効率は100%といえる。
【0149】
[テトラヒドロフランを吸着した結晶のデータ]
結晶としての組成:C2524Cl24NiO(C2116Cl24Ni・C48O)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=10.176(4)Å
b=14.316(6)Å
c=15.892(6)Å
α=90°
β=92.844(9)°
γ=90°
単位格子体積:V=2312.2(16)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.2402
このデータに問題ないことは、別途、化学式(1’−8)で表される錯体をアセトニトリルとテトラヒドロフランの混合溶液中から結晶化させることにより得たデータ(下記)と比較することで確認できた。
結晶としての組成:C2524Cl24NiO(C2116Cl24Ni・C48O)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=10.2373(12)Å
b=14.3632(14)Å
c=16.0660(16)Å
α=90°
β=92.969(6)°
γ=90°
単位格子体積:V=2359.2(4)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.0625
【0150】
[アセトンを吸着した結晶のデータ]
結晶としての組成:C2422Cl24NiO(C2116Cl24Ni・C36O)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=9.929(2)Å
b=14.250(3)Å
c=16.130(3)Å
α=90°
β=93.218(6)°
γ=90°
単位格子体積:V=2278.6(8)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1352
【0151】
[クロロホルムを吸着した結晶のデータ]
結晶としての組成:C2217Cl54Ni(C2116Cl24Ni・CHCl3
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=9.943(5)Å
b=14.346(7)Å
c=15.952(8)Å
α=90°
β=92.665(13)°
γ=90°
単位格子体積:V=2273(2)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1560
【0152】
[ジクロロメタンを吸着した結晶のデータ]
結晶としての組成:C2218Cl44Ni(C2116Cl24Ni・CH2Cl2
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=10.2836(19)Å
b=13.956(3)Å
c=15.800(3)Å
α=90°
β=95.881(7)°
γ=90°
単位格子体積:V=2255.7(8)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1022
【0153】
[1,2−ジクロロエタンを吸着した結晶のデータ]
結晶としての組成:C2320Cl44Ni(C2116Cl24Ni・C24Cl2
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=10.465(4)Å
b=14.072(6)Å
c=15.908(7)Å
α=90°
β=97.946(12)°
γ=90°
単位格子体積:V=2320.2(18)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.2073
【0154】
[プロピオンアルデヒドを吸着した結晶のデータ]
結晶としての組成:C2422Cl24NiO(C2116Cl24Ni・C36O)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=10.161(8)Å
b=14.346(10)Å
c=16.094(11)Å
α=90°
β=95.564(16)°
γ=90°
単位格子体積:V=2335(3)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1500
【0155】
[酢酸エチルを吸着した結晶のデータ]
結晶としての組成:C2524Cl24NiO2(C2116Cl24Ni・C482
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=19.314(5)Å
b=15.906(4)Å
c=16.039(4)Å
α=90°
β=90.134(7)°
γ=90°
単位格子体積:V=4927(2)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.2167
【0156】
[酢酸を吸着した結晶のデータ]
結晶としての組成:C2320Cl24NiO2(C2116Cl24Ni・C242
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=9.872(2)Å
b=15.119(3)Å
c=16.205(3)Å
α=90°
β=106.477(7)°
γ=90°
単位格子体積:V=2319.4(8)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1146
【0157】
また、一晩拡散させた前後で、質量変化を測定したところ、下表に示す質量増加が確認された。単結晶X線構造解析の結果より、錯体1分子あたり、ガスは1分子吸着していると考えられるが、質量増加としては、その理論値を超えるものもあった。この理由としては、実験スケールが小さいことにより、実験誤差が大きいためだと考えられる。いずれにせよ、化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)が種々の分子を吸着していることが確認された。
【0158】
【表1】
【0159】
(ガス吸着実験−2)
ジエチルエーテルを含む製造例4で得られた化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)を50mg用意して、そこにアンモニアの蒸気を、室温で約一晩拡散させたところ、結晶の色が紫色から白色へと変化し、質量が8mg増加した。得られたサンプルは単結晶性が低く、単結晶構造解析はできなかったが、X線回折測定では、回折によるシグナルの変化が観測された。これらの結果より、アンモニアの吸着にも成功していると考えた(図6参照)。
X線回折測定はリガク製多目的X線回折装置 SmartLab 2080A202を用いて以下のように行った。
【0160】
まず、ジエチルエーテルを含む製造例4で得られた化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)を、メノウ乳鉢ですりつぶした後、ガラス試料板(20×20×0.5mm3)に入れた。その試料板を試料室に入れ、X線回折測定を行った。その結果を図6(a)に示す。同様の測定を上記方法によりアンモニアと接触させたのちの錯体(錯体集積体)についてもおこなったところ、図6(b)に示す結果を得た。両者を比較すると明らかに回折パターンに違いがあった。
【0161】
(ガス脱離実験−1)
前記ガス吸着実験−1により得られた、ガス状分子を吸着した化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)から、ガス状分子の脱離を行った。
【0162】
(ガス脱離実験−1−1、アセトンの脱離)
前記ガス吸着実験−1と同様の方法により得たアセトンを含む化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)56mgを真空検体乾燥機に入れ、ULVAC(登録商標)社製真空ポンプG−50DA(到達圧力1.3Pa)を用いて、100℃で2時間、減圧乾燥させた。
【0163】
その結果、アセトンを含む化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)が、アセトンを含まない化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)(単結晶)へと変換されていることが、単結晶X線構造解析により確認された。
【0164】
アセトンを含まない化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)(単結晶)とは、ジエチルエーテルを含まない化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)(単結晶)と同じものである。
【0165】
(ガス脱離実験−1−2、ジクロロメタンの脱離)
ガス脱離実験−1−1と同様の実験を、ガス吸着実験−1と同様の方法により得たジクロロメタンを含む化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)61mgを用いて行なった。
【0166】
その結果、ジクロロメタンを含む化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)が、ジクロロメタンを含まない化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)(単結晶)へと変換されていることが、単結晶X線構造解析により確認された。
【0167】
ジクロロメタンを含まない化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)(単結晶)とは、ジエチルエーテルを含まない化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)(単結晶)と同じものである。
【0168】
(ガス脱離実験−1−3、酢酸エチルの脱離)
ガス脱離実験−1−1と同様の実験を、ガス吸着実験−1と同様の方法により得た酢酸エチルを含む化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)60mgを用いて行なった。
【0169】
その結果、酢酸エチルを含む化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)が、酢酸エチルを含まない化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)へと変換されていることが、単結晶X線構造解析により確認された。
酢酸エチルを含まない化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)は、ジエチルエーテルを含まない化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)(単結晶)とは異なる結晶学的パラメータを持っていた。
【0170】
[酢酸エチルを含む化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)から、酢酸エチルを脱離させることにより得られた酢酸エチルを含まない化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)のデータ]
結晶としての組成:C2116Cl24Ni
結晶系:斜方晶系(orthorhombic system)
空間群:Pca21(#29)
a = 15.814(3)Å
b = 13.274(3)Å
c = 19.276(4)Å
α = 90°
β = 90°
γ = 90°
単位格子体積:V=4046.3(14)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1416
前記ガス吸着実験−1およびガス脱離実験−1の結果より、化学式(1’−8)で表される錯体は、単結晶状態を保ちつつ、アセトン、ジクロロメタン、および酢酸エチルを、可逆的に吸脱着できることが明らかとなった。
【0171】
(ガス吸着およびガス脱離実験(サイクル試験))
前記ガス吸着実験−1およびガス脱離実験−1の結果より、化学式(1’−8)で表される錯体(錯体集積体)は、アセトン、ジクロロメタンおよび酢酸エチルを、可逆的に吸脱着できることが明らかとなった。前記ガス吸着実験−1と同様の実験およびガス脱離実験−1を行なったときの質量の変化は、アセトンの場合、50mg(図7の0)→56mg(図7の吸着1)→47mg(図7の脱離1)、ジクロロメタンの場合、50mg(図7の0)→56mg(図7の吸着1)→49mg(図7の脱離1)、酢酸エチルの場合、50mg→60mg→48mgであったことから、質量をパラメータとすることで、簡便に、化学式(1’−8)で表されるニッケル錯体のリサイクル能力を評価できると考えた。
【0172】
そこで、アセトンとジクロロメタンについて、吸着と脱離を前記ガス吸着実験−1およびガス脱離実験−1と同様の操作を繰り返し、質量の変化を調べたところ、図7に示す結果が得られ、比較的再現性の高い質量の増減が確認された。なお、結晶状態が保たれていることを、アセトンの5回目の脱離状態(図7の脱離5)および6回目の吸着状態(図7の吸着6)において確認した。
【0173】
〔実施例12〕
(化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)からのジメチルスルホキシド脱離方法−1)
実施例1で得られた化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)50mgを真空検体乾燥機に入れ、ULVAC(登録商標)社製真空ポンプG−50DA(到達圧力1.3Pa)を用いて、180℃で6時間、減圧乾燥させた。
【0174】
その結果、質量が35mgまで減少した。この結果より、化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)からのジメチルスルホキシドの脱離に成功していると考えられる。
(化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)からのジメチルスルホキシド脱離方法−2)
減圧乾燥の条件を150℃で2時間に変更した以外は、化学式(1−1)で表される錯体(錯体集積体)からのジメチルスルホキシド脱離方法−1と同様に行った。
この場合も、質量が36mgまで減少したことから、この条件においてもジメチルスルホキシドは脱離できると考えた。
【産業上の利用可能性】
【0175】
本発明のガス吸着剤は、大気圧の空気中に微量に存在する様々なガス状分子の吸着が可能である。本発明のガス吸着剤は、ベンゾイミダゾールと水素結合を作ることが可能なガス状分子であれば吸着することが可能である。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】