(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021046448
(43)【公開日】20210325
(54)【発明の名称】癌療法における使用のためのトランス−クロミフェン
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20210226BHJP
   A61K 31/138 20060101ALI20210226BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20210226BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210226BHJP
   A61K 45/06 20060101ALI20210226BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20210226BHJP
【FI】
   !A61K45/00
   !A61K31/138
   !A61P35/00
   !A61P43/00 111
   !A61K45/06
   !A61K31/7088
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】30
(21)【出願番号】2020216526
(22)【出願日】20201225
(62)【分割の表示】2018094685の分割
【原出願日】20131022
(31)【優先権主張番号】61/722,013
(32)【優先日】20121102
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】509115199
【氏名又は名称】レプロス セラピューティクス インコーポレイティド
【住所又は居所】アメリカ合衆国 ニュージャージー 07940, マディソン, ジラルダ ファームズ 5
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ エス. ポドルスキ
【住所又は居所】アメリカ合衆国 テキサス 77381, ザ ウッドランズ, ペブル ホロウ コート 3
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド ディー. ウィール
【住所又は居所】アメリカ合衆国 テキサス 77059, ヒューストン, ビューフィールド コート 13903
(72)【発明者】
【氏名】クアン シュー
【住所又は居所】アメリカ合衆国 テキサス 77381, ザ ウッドランズ, エヌ. ミスティー モーニング トレース 71
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ フォンテノー
【住所又は居所】アメリカ合衆国 テキサス 77381, ザ ウッドランズ, メイウィンド コート 24
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C084AA17
4C084AA19
4C084AA20
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC202
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4C084ZC412
4C086AA01
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4C086MA04
4C086NA05
4C086ZB26
4C086ZC01
4C086ZC41
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4C206AA02
4C206FA05
4C206KA01
4C206MA01
4C206MA04
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZB26
4C206ZC41
(57)【要約】
【課題】本発明は、癌及び関連疾患の治療のための、抗エストロゲン剤、好ましくはトランス−クロミフェンなどの選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)を含む組成物の投与に関する。
【解決手段】本発明は、抗エストロゲン薬、好ましくはトランス−クロミフェンなどのSERMを含む組成物を投与することによる、それを必要とする対象のIGF−1レベルを低下させるための方法を目的とする。対象は、限定するものではないが、300ng/ml以上、350ng/ml以上、400ng/ml以上、又は500ng/ml以上のIGF−1レベルを含む正常範囲よりも血清IGF−1レベルの高いヒト男性又は女性であってよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図面に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2012年11月2日出願の米国仮特許出願第61/722,013号の利益を主張し、その内容が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、癌及び関連疾患を治療するための組成物及び方法に関する。具体的には、本発明は、対象においてインスリン様増殖因子1(IGF−1)のレベルを低下させることにより、対象の癌を治療するための、トランス−クロミフェン又はその代謝産物などの選択的エストロゲン受容体調節薬の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
インスリン様増殖因子(IGF)軸には、多数の異なるシグナル伝達因子(IGF−1、IGF−2及びIGF−3)、それらの種々の同族結合タンパク質(IGF−BP)、並びにまたIGF、インスリン、及びIGF−インスリンハイブリッドの受容体タンパク質(それぞれIGF−R、INS−R、及びIGN−R)の間の複雑な相互作用が含まれる。IGFは、インスリンに構造が類似する増殖刺激ペプチドであり、これらは、有糸分裂、細胞分化、及びアポトーシスの調節に関与する。通常、IGF−1は、主に肝臓によって産生され、内分泌ホルモンとして広く機能する。IGF−1シグナル伝達経路における変更が、骨肉腫、乳癌、膀胱癌、婦人科系癌、胃腸癌、前立腺癌及び肺癌を含む多数の腫瘍で報告されている。動物及びヒトの研究は、このような癌において、IGF−1が、腫瘍細胞によって産生され、IGF−Rと相互作用する傍分泌及び自己分泌ホルモン(これは、頻繁に腫瘍細胞によっても同様に過発現される)としても機能することを示している[Arnaldez及びHelman、Hematol.Oncol.Clin.No
rth Am.,26;527(2012)]。多くの研究により、IGF−1の高血清
レベルと癌発症率及び死亡率の増加との間の関係が立証されている。したがって、IGF軸は、有効な癌療法を開発するために新たな機会を提供する。IGF−R機能を遮断し、IGF−BPの利用可能性を増加させるための種々の戦略を含むIGF軸を開発するためのいくつかの治療的アプローチが探索されている[Heideggerら、Cancer
Biology and Therapy 11:701(2011)]。
【0004】
IGF−Rは、Arteaga及びOsbourneにより、インビトロでIGF−Rに対する抗体が、乳癌細胞の増殖を阻害することが報告された[Arteaga及びOs
borne、Cancer Res 49:6237(1989)]とき、20年以上前
に有望な治療標的として最初に同定された。以来、IGF−Rを標的化する30もの異なる薬剤が開発され、抗IGF−R療法を評価する60を超える臨床試験が報告されている[Heideggerら、Cancer Biology and Therapy 1
1:701(2011)で検討]。IGF−Rを標的化する薬剤の大部分は、モノクロー
ナル抗体(mAb)であり、これは初期の第I相及び第II相の試験で良好な安全性プロファイルを示した。しかしながら、異なる薬剤治療と組み合わせた最近の第III相試験により、このアプローチにいくつかの問題があることが示唆された。パクリタキセル又はエルロチニブ(上皮増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR−TKI))のいずれかと併用して使用される、より効果的な抗IGF−R mAbの1つであるフィギツムマブの第III相試験において、初期結果により、薬剤の併用はいずれの薬剤の単独を超えて有意に有効ではなく、併用薬剤コホートが有害作用のレベルの上昇を経験するという安全性に対する懸念が示されたために、2010年の3月に同試験が中止された。興味深いことに、高レベルの遊離IGF−1は、フィギツムマブ療法に対する耐性についてのマーカーのように考えられた[Gaulbertoら(2010b)、Br J Cancer 104:68(2010)]。意義深いことは、フィギツムマブ治療群でみられ
た副作用の1つは、高血糖症であって、これは、IGF−R作用の阻害は、INS−Rと相互干渉することを示唆している。この欠点にもかかわらず、フィギツムマブ及び関連する抗IGF−R mAbは、依然として利用可能な最良の候補薬の中の1つであり、治療の効果を高め、副作用を防止又は低下させるための方法は、通常の臨床用途においてこの薬剤のクラスを開発するために貴重であると思われる。
【0005】
抗IGF−R mAb療法に対する1つの代替案は、IGF−Rのシグナル伝達チロシンキナーゼ活性(IGFR−TKI)を標的とするものである。生化学的戦略は、肺癌、肝細胞癌及び腎臓癌の治療用に既に承認炭のゲフィチニブ、エルロチニブなどのEGFR−TKI薬と同様である。本質的に、IGFR−TKIは、IGF−RのATP結合部位と競合し、リン酸化された活性な立体配座への受容体の移行を遮断する。初期臨床結果は、IGF−R mAbで観察されたものと同様な副作用、特に高血糖症に関するものを報告している。したがって、IGFR−TKI治療は、IGF−RとINS−R系との間の相互干渉による同様な問題を生じるように思われる。実際は、IGF−R、INS−R及びIGN−RのATP結合ドメインは事実上同一であり、IGFR−TKI薬は、同等な又はほぼ同等な親和性で受容体種のそれぞれに結合する可能性が高いために、この効果は、相互干渉だけによるものではない場合がある。
【0006】
癌療法のためにIGF−Rを標的化するための第3のアプローチは、翻訳の前にIGF−R転写物を選択的に標的化しかつ破壊するアンチセンスオリゴヌクレオチド(IGFR−ASO)を用いるものである。前臨床試験は、パクリタキセル耐性前立腺腫瘍モデルの増殖を抑制することができる少なくとも1つのIGFR−ASOを含める多数の有望な候補薬が開発されている。IGFR−ASO戦略の特異性は、IGF−R mAb及びIGFR−TKI療法で観察される相互干渉問題、特に高血糖症を誘発する傾向を回避するために、大きな期待が持てる。しかしながら、この系の生物学は複雑であり、IGFR−ASOが臨床的に有用であることを立証することは確実ではない。パイロット臨床試験は、IGFR−ASOが十分に耐用性であるが、このアプローチは不良な半減期及び送達問題を欠点とすることを示した。使用可能な経口送達ルートはなく、このような化合物のルーチンの臨床用途は、この制限の克服を必要とするであろう。
【0007】
IGF軸の1つの他の態様は、癌療法としてのその可能性探ってきた。このアプローチでは、IGF−Rを活性化することができる利用可能な遊離IGFを低下させるために、IGF−BPの利用可能性を高める。IGF−BPは、それらの特異的な同族IGFに対して特に選択的であり、前臨床論文は、これらタンパク質が、アポトーシス誘発特性、抗増殖特性及び抗血管新生特性を呈することを示している。残念ながら、このアプローチの臨床試験は存在せず、全てのインビトロでの試験結果が、動物モデルにおいて再現されているわけではない。有望であるにもかかわらず、多くの研究は、この戦略を有用な療法に発展させるために道半ばである。
【0008】
IGF−BPを用いる初期段階の研究を除き、IGF−Rの活性を制限するために、IGF−1の利用可能性を直接的に制限するための方法は知られていない。安全で、経口送達される薬剤に関与するIGF−RとINS−Rとの間の相互干渉を誘発することなく、IGF−Rを活性化するのに利用可能なIGF−1のレベルを低下させるための戦略は、本分野に大きな価値があると思われる。
【0009】
タモキシフェンは、エストロゲン受容体(ER)に結合するトリフェニルアルキレン誘導体である。タモキシフェンは、標的組織に応じて、エストロゲン性及び抗エストロゲン性作用の双方を有する。タモキシフェンは、哺乳動物上皮細胞に対して強い抗エストロゲン性である故に、乳癌の予防及び治療の双方で使用される。タモキシフェンは、当初、新しい避妊薬を発見することを指向するプログラムでスクリーニングされた。タモキシフェンは受胎能の制御に有用な薬剤ではなかったが、タモキシフェンは、最終的には、乳癌の臨床治療に有用であることが発見された。タモキシフェンの治療メカニズムは複雑であり、タモキシフェンの一次作用は、エストロゲン受容体を介して及ぼされるが、この薬剤は、同様にIGF−1レベルを調節することができる。しかしながら、少なくとも1つの研究は、タモキシフェン治療後の循環IGF−1レベルに対する変更を報告しなかった[C
ampbellら、J.Clin.Pathol:Mol Pathol.54:307(2001)]。インビトロでの研究は、タモキシフェンがまた、少なくともいくつかの
癌細胞型においてIGF−1自己分泌ループを阻害することがあるが、他のものでは何の効果も有さないことを示唆している[Howerら、Cancer Res.56:40
49(1960)]。
【0010】
タモキシフェンは、肝臓チトクロームP450酵素による代謝活性化を必要とするプロドラッグである。特に、CYP2D6は、薬学的に不活性なタモキシフェン及びその最も優勢な代謝産物(N−デスメチルタモキシフェン)を、その前駆体のいずれかよりもERに対して非常に高い親和性を有する、薬剤の薬学的に活性な形態であるエンドキシフェン(4−ヒドロキシ−N−デスメチル−タモキシフェン)に変換することで役立つ。CYP3A4はまた、タモキシフェン又は4−ヒドロキシ−タモキシフェンをN−デスメチル型に活性化することで重要な役割を果たす。タモキシフェン代謝の広範囲な薬理ゲノミクス分析は、CYP2D6の特定のヒト対立遺伝子が、タモキシフェンをエンドキシフェンに活性化することができず、したがってこれら対立遺伝子を有する患者は、タモキシフェンによる治療の利点を享受しないことを示している。
【0011】
エストロゲン性及び抗エストロゲン性活性の双方を具備する別の構造的に類似するトリフェニルアルキレン誘導体が、クロミフェンである。クロミフェンは、視床下部上の正常なエストロゲンフィードバック及びその後の下垂体上の負のフィードバックを遮断する。これは黄体形成ホルモン及び卵胞刺激ホルモンの増加を引き起こす。男性では、これら性腺刺激ホルモンのレベルの増加が、精巣のライディヒ細胞からのより高いテストステロンレベルの産生を引き起こす。女性では、これらの性腺刺激ホルモンのレベルの増加が、排卵を引き起こす。クエン酸クロミフェンは、長年にわたって女性不妊症を治療するために使用され、重篤な副作用は比較的低いレベルに留まっている。
【0012】
Ernstら、J.Pharmaceut.Sci.65:148(1976)は、クロミフェンは、シス、Z−、クロミフェン(シス−クロミフェン、若しくはズクロミフェン)及びトランス−、E−、クロミフェン、(トランス−クロミフェン若しくはエンクロミフェン)と呼ばれる2つの幾何異性体の混合物であることを示した。Ernstらは、(トランス−異性体)が抗エストロゲン性であり、シス−異性体が、より強力かつよりエストロゲン性形態であることを記載したが、シス−異性体が抗エストロゲン性活性を有することも報告されている[上記参照]。最近、クロミフェンの単離されたトランス−異性体が、特に、男性の続発性の性機能低下症を治療するために開発され、現在、Androxal(登録商標)として第III相試験の段階にある。
タモキシフェンと同様に、クロミフェンは、肝臓酵素CYP2D6及びCYP3A4によって、それぞれ4−ヒドロキシ及びN−脱アルキルの形態に代謝される[Chobad
iら、Drug Metab.Pharmacokinet 23:101(2008)及びMurdterら、Hum.Mol.Genet.21:1145(2012)]。
また、Murdterは、4−ヒドロキシ−トランス−クロミフェン((E)−4OH−クロミフェン)及びN−デスエチル−4−ヒドロキシ−トランス−クロミフェン((E)−DE−4−OH−クロミフェン)が、ヒトエストロゲン受容体に対する強力なリガンドであることも示している[上記参照]。タモキシフェン及びクロミフェンのいずれも、同一の肝臓酵素によって共に活性化されるという事実は、他のトリフェニルアルキレン誘導体も、これら酵素によって代謝されれば、活性医薬化合物を生成し得ることを示唆している。加えて、両化合物が、抗エストロゲン薬として作用するという事実は、これらが同様の抗癌活性並びに他の有用な製薬学的性質を共有し得ることを暗示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Arnaldez及びHelman、Hematol.Oncol.Clin.North Am.,26;527(2012)
【非特許文献2】Heideggerら、Cancer Biology and Therapy 11:701(2011)
【非特許文献3】Arteaga及びOsborne、Cancer Res 49:6237(1989)
【非特許文献4】Gaulbertoら(2010b)、Br J Cancer 104:68(2010)
【非特許文献5】Campbellら、J.Clin.Pathol:Mol Pathol.54:307(2001)
【非特許文献6】Howerら、Cancer Res.56:4049(1960)
【非特許文献7】Ernstら、J.Pharmaceut.Sci.65:148(1976)
【非特許文献8】Chobadiら、Drug Metab.Pharmacokinet 23:101(2008)
【非特許文献9】Murdterら、Hum.Mol.Genet.21:1145(2012)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
薬剤開発の過程において、本発明者らは、単離されたトランス−クロミフェンによる男性の治療が、IGF−1の明らかで有意な減少を伴うことを観察した。したがって、クロミフェンの特定の誘導体及び関連するトリフェニルアルキレン誘導体は、IGF軸を標的とするあるクラスの新規の癌療法になる。これら化合物の薬学的特性は、これらが、タモキシフェン及びIGF軸標的化療法に代わる魅力的で毒性が少ない代替品になることを示唆している。
【課題を解決するための手段】
【0015】
一部の実施形態では、本発明は、それを必要とする対象の血清中のインスリン様増殖因子1(IGF−1)のレベルを低下させるための方法に関し、当該方法は、抗エストロゲン薬若しくは類似体又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の有効量を対象に投与する工程を含む。対象は、限定するものではないが、300ng/ml以上、350ng/ml以上、400ng/ml以上、又は500ng/ml以上のIGF−1レベルを含む正常範囲よりも血清IGF−1レベルの高いヒト男性又は女性であってよい。好ましくは、抗エストロゲン薬は、選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)である。特に好ましい実施形態では、IGF−1レベルの高いヒト男性が、トランス−クロミフェン若しくは類似体又はその薬学的に許容される塩を含む組成物を投与され、この組成物は、実質的にシス−クロミフェンを含まない。本発明による使用のための好ましいトランス−クロミフェン類似体は、(E)−4−OH−クロミフェン(図2)及び(E)−4−OH−デスエチルクロミフェン(図3)である。
【0016】
関連する実施形態では、本発明は、それを必要とする対象に、抗エストロゲン薬又はその薬学的に許容される塩の有効量を含む組成物を投与する工程を含む、癌を治療するための方法を提供する。この対象は、血清IGF−レベルの高いヒト男性又は女性であってよい。好ましい実施形態では、癌は、肺癌、肝細胞癌、乳癌、腎臓癌、胃腸癌、子宮癌、卵巣癌、骨肉腫及び膀胱癌からなる群から選択される。抗エストロゲン薬は、SERMであることができ、特に好ましい実施形態では、この組成物は、活性作用物質若しくは類似体又はその薬学的に許容される塩として、約0%〜29重量(w/w)%の(シス−、Z−、トランス−クロミフェン)(以降、「シス−クロミフェン」と呼ぶ)と、約100%〜71重量%の(トランス−、E−、シス−クロミフェン)(以降「トランス−クロミフェン」と呼ぶ)を含む。
【0017】
また、本発明は、高IGF−1レベルを治療するための方法に関し、当該方法は、それを必要とする対象に、抗エストロゲン薬、好ましくはトランス−クロミフェン又はその類似体若しくは医薬的に許容可能な塩などのSERMの有効量を含む組成物を投与する工程を含む。対象は、ヒトの男性又は女性である。
【0018】
また、本発明は、対象における腫瘍増殖を未治療の対象と比較して低減又は遅延させるための方法を提供し、当該方法は、抗エストロゲン薬、好ましくはトランス−クロミフェンなどのSERMを含む組成物のIGF−1低減量を対象に投与する工程を含む。対象は、ヒトの男性又は女性であってよい。
【0019】
また、本発明は、ヒト成長ホルモン(hGH)の下垂体産生を抑制するための方法を提供し、当該方法は、抗エストロゲン薬、好ましくはトランス−クロミフェンなどのSERM若しくは類似体又は薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与する工程を含む。対象は、ヒト男性又は女性であってよい。
【0020】
また、本発明は、2型糖尿病を有する対象において癌を予防する又は癌の低下させるリスクを低下させるための方法を提供し、当該方法は、抗エストロゲン薬、好ましくはトランス−クロミフェン若しくは類似体又は薬学的に許容される塩などのSERMのIGF−1低下量を対象に投与する工程を含む。対象は、ヒト男性又は女性であってよい。好ましくは、抗エストロゲン薬は、AMP活性化タンパク質キナーゼ(AMPK)の活性化及びmTorの抑制を通して癌のリスクを更に低下させるよう作用するメトホルミン、フェンホルミン、又はブホルミンと共に対象に共投与される。
【0021】
また、本発明は、抗エストロゲン薬、好ましくはトランス−クロミフェン若しくは類似体又はその薬学的に許容される塩などのSERMの有効量を含む組成物が、1種以上の作用物質と共に、順次又は同時に共投与される併用療法を提供する。一部の実施形態では、抗エストロゲン薬は、抗−IGF受容体抗体、IGF受容体関連キナーゼ阻害薬、IGF受容体アンチセンスオリゴヌクレオチド又はIGF結合タンパク質(複数可)などの血清IGF−1レベル又はIGF−1シグナル伝達をその受容体を通して更に低下させるよう設計された1種以上の作用物質と共に共投与される。他の実施形態では、抗エストロゲン薬は、AMPKの活性化及び下流mTor経路の抑制を通して作用する、例えばメトホルミン、フェンホルミン、又はブホルミン等の癌低下させるリスクを低下させることができる1種以上の化学予防剤と共に共投与される。更に他の実施形態では、抗エストロゲン薬は、例えばタキサン、シスプラチン、カルボプラチン、5−フルオロウラシル、イリノテカン、トポテカン、ヒドロキシウレア、VM−26、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ブレオマイシン等の増殖細胞を優先的に標的にする1種以上の化学療法剤と共に共投与される。
本発明は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
それを必要とする対象の血清中のインスリン様増殖因子1(IGF−1)のレベルを低下させるための方法であって、選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)を含む組成物の有効量を前記対象に投与する工程を含む方法。
(項目2)
前記組成物が、約0%〜29重量%のシス−クロミフェン及び約100%〜約71重量%のトランス−クロミフェン若しくは類似体又はその薬学的に許容される塩を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記組成物が、活性作用物質として、約100重量%のトランス−クロミフェン若しくは類似体又はその薬学的に許容される塩を含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記組成物が、約5〜100mgのトランス−クロミフェンを含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記組成物が、12.5〜50mg、好ましくは約12.5mg、25mg又は50mgのトランス−クロミフェンを含む、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記組成物が毎日投与される、項目1〜5のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記組成物が、少なくとも2週間の期間にわたって投与される、項目6に記載の方法。(項目8)
前記対象がヒト男性である、項目1〜7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記対象の前記IGF−1レベルが、300ng/ml以上、約350ng/ml以上、約400ng/ml以上、又は500ng/ml以上などの正常範囲以上である、項目1〜8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記組成物が、前記対象の前記IGF−1レベルを、少なくとも20%まで、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%まで低下させるのに有効な量のSERMを含む、項目1〜9のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記組成物が、前記対象の前記IGF−1レベルを、20%〜45%まで低下させるのに有効な量のSERMを含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記対象が、肺癌、肝細胞癌、乳癌、腎臓癌、胃腸癌、卵巣癌、子宮癌、骨肉腫及び膀胱癌からなる群から選択される癌を有する、項目1〜11のいずれか一項に記載の方法。(項目13)
前記対象が、肺癌、肝細胞癌、腎臓癌、胃腸癌、骨肉腫、乳癌又は膀胱癌を有するヒト男性である、項目12に記載の方法。
(項目14)
1種以上の化学療法剤が、前記SERMと共投与される、項目12又は13に記載の方法。
(項目15)
前記1種以上の化学療法剤が、抗IGF受容体抗体、IGF受容体関連キナーゼ阻害薬、IGF結合タンパク質及びIGF受容体アンチセンスオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記SERM及び前記1種以上の化学療法剤が順次投与される、項目14又は15に記載の方法。
(項目17)
前記SERM及び前記1種以上の化学療法剤が共投与される、項目14又は15に記載の方法。
(項目18)
前記SERMが、(E)−4−OH−クロミフェン及び(E)−4−OH−N−デスエチルクロミフェン又はこれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択されるトランス−クロミフェンの代謝産物である、項目1〜17のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
対象の癌を治療するための方法であって、IGF−1のレベルが高い対象に、SERMを含む組成物の有効量を投与する工程を含む方法。
(項目20)
前記組成物が、約0%〜29重量%のシス−クロミフェン及び約100%〜約71重量%のトランス−クロミフェン又はその薬学的に許容される塩又は類似体を含む、項目18に記載の方法。
(項目21)
前記組成物が、活性作用物質として、約100重量%のトランス−クロミフェン若しくは類似体又はその薬学的に許容される塩又は類似体を含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記患者の、前記治療前のIGF−1レベルが200mg/ml〜1000ng/mlである、項目1〜21のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
前記組成物が、前記患者の前記IGF−1レベルを、少なくとも20%まで、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%まで低下させるのに有効な量のSERMを含む、項目19〜22のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
前記組成物が、約5〜100mgのトランス−クロミフェンを含む、項目20〜23のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記組成物が、12.5〜50mgの、好ましくは約12.5mg、25mg又は50mgのトランス−クロミフェンを含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
対象における腫瘍増殖を未治療の対象と比較して減少又は遅延させるための方法であって、SERMを含む組成物の血清IGF−1低減量を前記対象に投与する工程を含む方法。
(項目27)
前記組成物が、活性作用物質として、100重量%のトランス−クロミフェン又はその薬学的に許容される塩を含む、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記対象が、ヒト男性である、項目26に記載の方法。
(項目29)
2型糖尿病を有する対象において癌のリスクを低下させるための方法であって、SERMの血清IGF−1低減量を含む組成物と、メトホルミン、フェンホルミン、及びブホルミンからなる群から選択される薬剤とを共投与する工程を含む方法。
(項目30)
前記組成物及び前記薬剤が、順次投与される、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記組成物及び前記薬剤が、共投与される、項目29に記載の方法。
(項目32)
前記対象が、ヒト男性である、項目29に記載の方法。
(項目33)
前記薬理学的に有効な塩が、クエン酸塩である、項目1〜32のいずれか一項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】全血清IGF−1レベルに及ぼすAndroxal(商標)及びTestimの効果を示す。
【図2】(E)−4−OH−クロミフェンの化学構造を示す。
【図3】(E)−4−OH−DE−クロミフェンの化学構造を示す。
【図4】(Z)−4−OH−クロミフェンの化学構造を示す。
【図5】4−OH−ピロリジノタモキシフェンの化学構造を示す。
【図6】4−OH−トレミフェンの化学構造を示す。
【図7】4−OH固定環式タモキシフェンの化学構造を示す。
【図8】4−メトキシ−N−ジエチル化ピロリジノタモキシフェン(ナフォキシジン)の化学構造を示す。
【図9】(4−ヒドロキシピロリジノタモキシフェンの化学構造を示す。
【図10】4−OH−フィスペミフェンの化学構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、それを必要とする対象においてIGF−レベルを低下させるための方法を提供する。本発明は、トランス−クロミフェンが血清IGF−1のレベルを有意に低下させるために有用であるとの驚くべき発見に基づく。クロミフェンは、性腺刺激ホルモンLH及びFSHの分泌を特異的に刺激することにより、視床下部−下垂体軸のレベルでその効果を及ぼすと考えられている。癌の構築及び増殖のいずれにおいても、これらホルモンが一般的な役割を果たすことは知られていない。エンクロミフェンが男性に及ぼす効果に関する研究では、コルチコトロピン、プロラクチン又は甲状腺刺激ホルモンなどの下垂体から分泌される他のホルモンでの変化は認めなかった。下垂体により分泌される成長ホルモン(GH)は、肝臓によるIGF−1の産生を駆動することが知られている。理論に拘束されるものではないが、トランス−クロミフェンは、GHの下垂体産生を抑制することによって、肝臓IGF−1の内分泌に刺激された産生を低下させると考えられる。血清IGF−1レベルを低下させることでのトランス−クロミフェンの活性は、共通の原因疾患として、IGF−1の強い発現又は過発現を有する種々の癌を治療するために有用な組成物を与える。
【0024】
好ましくは、この組成物は、250ng/ml以上の、300ng/ml以上の、350ng/ml以上の、400ng/ml以上の、450ng/ml以上の又は500ng/ml以上のIGF−1レベルなどの正常範囲よりも血清IGF−1レベルの高い対象に投与される。例として、この対象は、300〜1200ng/ml又はこの間の任意の範囲の血清IGF−1レベルを有し得る。ヒトのIGF−1レベルの正常範囲は、年齢及び性別の双方に依存し、例えば、Friedrich N.ら、Growth Horm.IGF Res.,18(3):228−37(2008)を参照して決定することができる。
【0025】
一部の実施形態では、本発明は、対象の血清IGF−1レベルを低下させるための方法及び対象の癌を治療するための方法を提供し、方法は、クロミフェン又はそのトリフェニルアルキレン類似体の1つの有効量を含む組成物の投与を含む。好ましくは、組成物は、トランス−クロミフェン又は(E)−4−OH−クロミフェン(図2)及び(E)−4−OH−デスエチル−クロミフェン(図3)から選択される代謝産物から本質的になる。この対象は、ヒト男性又は女性であってよい。
【0026】
用語「癌」を本明細書で使用するとき、これは、国立癌研究所の癌用語辞典(Dictionary of Cancer Terms)又はこの症候群の任意の他の認識された定義によって定義される通りの癌に関すると理解されるべきである。当該技術分野で使用される「癌」に関する同義語としては、カルチノーマ(癌腫)(これは、臓器に沿って並び又は臓器を覆う皮膚内又は組織内で発生する癌に関する一般用語である);肉腫(これは、骨、軟骨、脂肪、筋肉、血管、又は他の結合組織若しくは支持組織で発生する癌の一般用語である);白血病(これは、骨髄などの血液形成組織中で発症する癌を指す);リンパ腫並びに多発性骨髄腫(これは、免疫系の細胞で発生する癌である)が挙げられる。用語「癌」を本明細書で使用するとき、これはまた、カルチノーマ、肉腫、白血病、リンパ腫及び多発性骨髄腫を指す。加えて、癌は、それらが発生する体内の部位によって多くの場合記述される。例えば、精巣癌は、精巣に源を発するカルチノーマ又は肉腫を指してもよく、卵巣癌は、卵巣に源を発するカルチノーマ又は肉腫を指してもよい。乳癌は、乳房又は乳腺組織に源を発するカルチノーマ、肉腫又はリンパ腫であってよい。肺癌は、肺のカルチノーマ、肉腫、リンパ腫又は多発性骨髄腫であってよい。
【0027】
身体の一部で源を発する癌細胞は、転移として知られるプロセスによって、身体の他の部分に移動し得る。身体の別の部分から移動した癌細胞から形成される腫瘍は、「転移性腫瘍」又は「転移性癌」と呼ばれる。場合によっては、転移性腫瘍又は転移性癌の発生源は不明なことがある。転移性癌は、体全体に広がるか、又はこれは体内の単一の部位若しくは部位の限定されたセットに厳密に隔離され得る。転移性腫瘍は、互いに、又は元の腫瘍とは異なっている場合があるので、これらは特定の抗ガン治療に異なった反応を示す。
【0028】
用語「血清IGF−1」とは、IGF結合タンパク質に結合されていない血清中の循環IGF−1を指す。この点に関して、血清IGF−1のレベルは、肝細胞によるIGF−1の産生及びIGF−1を捕捉するIGF−1結合タンパク質の濃度に依存することが理解されるべきである。
【0029】
クロミフェンの類似体を代表するトリフェニルアルキレン誘導体のファミリーは、全ての非修飾のシス及びトランス型、並びにクロミフェン、トモキシフェン、ピロリジノタモキシフェン、トレミフェン、固定環式タモキシフェン、フィスペミフェンの4−ヒドロキシル化、N−脱アルキル化及び4−ヒドロキシ−N−脱アルキル化類似体、同様に実質的に類似の構造を有する全ての他の分子を含むよう本明細書で定義される。
【0030】
本発明の種々の実施形態では、抗エストロゲン薬、好ましくはトランス−クロミフェンなどのSERMの有効量を含む組成物の投与が、血清IGF−1のレベルが高い対象の癌を治療するために使用される。癌としては、限定するものではないが、転移性であるか、身体のいずれの部分にも位置付けられないかに関わらず、カルチノーマ、肉腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫を含んでもよい。好ましくは、癌は、血清IGF−1の上昇したレベルにより特徴付けられる。対象は、ヒト男性又は女性であってよい。
【0031】
本発明の別の実施形態では、抗エストロゲン薬、好ましくはトランス−クロミフェンの有効量を含む組成物の癌を有する対象への投与は、任意の既知の治療計画と併用されてもよい。一態様では、既知の治療計画は、限定するものではないが、抗IGF受容体抗体、IGF受容体関連キナーゼ、及びIGF受容体アンチセンスオリゴヌクレオチドなどの薬物療法を含めるIGF軸を標的にしてもよい。他の態様では、既知の治療計画は、癌細胞を優先的に標的にする1種以上の化学療法剤を含んでもよい。この点については、癌細胞は自己分泌/傍分泌様式で作用するIGF−1を産生することができることが知られている。したがって、本発明の組成物との癌細胞標的化化学療法剤の共投与は、内分泌及び自己分泌/傍分泌IGF−1の双方を低下させるためのメカニズムを提供する。このような癌細胞標的化化学療法剤としては、限定するものではないが、EGF軸、又はエストロゲン受容体薬を標的にする化学療法、シクロホスファミドなどのアルキル化薬、5−フルオロウラシルなどの抗代謝薬、ブレオマイシンなどの抗腫瘍抗体、ビンブラスチンなどの植物アルカロイド、エトポシドなどのトポイソメラーゼ阻害薬、免疫療法等が挙げられる。加えて、このような組成物は、癌に対して標的化される放射線療法に関連付けて効果が実証されている。本発明の組成物は、上述した既知の治療計画のいずれかと共に、同時に、別々に又は順次投与されてもよい。
【0032】
本発明の別の実施形態では、抗エストロゲン薬の有効量を含む組成物の投与が、対象のIGF−1の上昇したレベルを治療するために使用される。この対象は、男性又は女性であってよい。
【0033】
本発明の別の実施形態では、癌及びIGF−1のレベルが高い患者は、抗エストロゲン薬、好ましくはトランス−クロミフェンの有効量を含む組成物を投与される。患者の血清のIGF−1レベルが高いかどうかは、前述のように、患者の年齢及び性別を参考にして決定される。種々の実施形態では、癌患者は、約250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1010、1020、1030、1040、1050又は1060ng/mlよりも高いIGF−1レベルを有し得る。好ましい実施形態では、癌患者は、正常範囲よりも高いIGFレベル、例えば、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050ng/mlよりも高い、又は300〜1050、400〜1050、又は500〜1050ng/mlなどのこの間のいずれかの範囲のIGFレベルを有する。組成物は、癌患者のIGF−1レベルを正常範囲、例えば約500、400、300、250、又は200ng/mlより低下させるのに有効な、抗エストロゲン薬、好ましくはトランス−クロミフェンの量を含んでもよい。
【0034】
一部の実施形態では、本発明の方法のいずれかによる治療を必要とする対象は、続発性の性機能低下症の男性である。関連する実施形態では、本発明の方法のいずれかによる治療を必要とする対象は、肥満指数が、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31又は少なくとも32のヒト男性である。例えば、治療を必要とする対象は、肥満指数が、少なくとも25のヒト男性であってよい。
【0035】
関連する実施形態では、本発明の方法のいずれかによる治療を必要とする対象は、2型糖尿病を有するヒト男性又は女性であり、この場合、本発明の組成物は、癌の低下させるリスクを低下させるためにデザインされた薬剤投与計画の一部として優先的に投与される。好ましい実施形態では、対象は、2型糖尿病を有する男性であり、抗エストロゲン薬、好ましくはトランス−クロミフェンなどのSERMは、メトホルミン、フェンホルミン、又はブホルミンと共に、対象に順次又は同時に共投与される。
【0036】
本発明の好ましい実施形態では、単一の癌又は転移癌を有し、血清IGF−1レベルの高い患者は、癌を治療するために、1mg〜200mgの投与量でトランス−クロミフェンを含む組成物の有効量の1種以上の投与量を投与される(しかし、最適な投与量は、当業者のレベルの範囲内にある)。シス−クロミフェンも、シス−クロミフェンに対するトランスクロミフェンの比が71/29を超える限り、組成物中に存在してもよい。上述のErnstらで記載されたものなどのクロミフェンのトランス−並びにシス−異性体の類似体及び本明細書に記載される代謝産物もまた、本発明の実施上有用である。
【0037】
抗エストロゲン薬の「有効量」は、対象のIGF−1レベルを治療の開始前のベースラインレベルより低く下げるのに有効な量として定義される。好ましくは、本発明の組成物は、対象のIGF−1レベルを、治療の過程にわたって、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%又は少なくとも40%まで低下させるのに有効である。例えば、組成物は、対象の血清IGF−1レベルを15%〜40%まで低下させるのに有効であってよい。好ましくは、組成物は、例えば、IGF−1についてのMayo Clinic Reference Values[www.mayomedicallaboratories.com/test-catalog/Clinical+and+Interpretive/833357で利用可能(前回アクセスが2012年10月22日)]を参
照して、血清IGF−1レベルを、対象の性別及び年齢の正常範囲まで低下させるために効である。本発明の組成物は、例えば、米国特許第6,221,399号、日本国特許第4−312522号、Meshaliら、Int.J.Phar.89:177−181(1933)、Kharenkoら著、Intern.Symp.Control rel.Bioact.Mater.22:232−233(1955);国際公開第95/35093、Dangprasitら著、Drug.Devel.and Incl.Phrm.21(20):2323−2337(1995);米国特許第6,143,353号、同第6,190,591号、同第6,096,338号、同第6,096,338号、同第6,129,933号、同第6,126,969号、同第6,248,363号に記載されている通りに調製される徐放性製剤、及び当該技術分野において周知の他の徐放性製剤の形態であってよい。本発明の方法における使用に好ましい抗エストロゲン薬は、トランス−クロミフェンであり、その用量は、1〜200mg又は5〜100mgの範囲であってよい。トランス−クロミフェンの投与量は、12.5mg、25mg又は50mgであってよい。
【0038】
本願で使用する場合、用語「治療する」又は「治療」は、治療上の治療及び予防策若しくは防止策を指し、この目的は、癌に伴う症状などの望ましくない生理的若しくは心理的変容又は異常を予防若しくは遅らせる(減らす)ことである。本発明の目的上、有益又は望ましい臨床結果としては、限定するものではないが、検出可能若しくは検出不能であるにしろ、症状の緩和、疾患の拡大の減少、安定化された(すなわち、悪化しない)疾患の状態、疾患進行の遅延化若しくは緩慢化、疾患状態の改善若しくは緩和又は寛解(部分的か全体的であっても)が挙げられる。「治療」はまた、治療を受けない場合の予想された生存期間に比べて生存期間を延長させることを意味する。治療を必要とする個体としては、病状又は異常を既に有しているもの並びに病状又は異常を発症しやすいもの又は病状又は異常が予防されるべきであるものが挙げられる。
【0039】
本願で使用するとき、用語「調節する」又は「調節」とは、治療上の治療及び予防策若しくは防止策を指し、この目的は、望ましくない臨床パラメータを予防又は遅らせる(減らす)ことである。本発明の目的上、有益又は望ましい臨床パラメータとしては、限定するものではないが、臨床パラメータの修正、臨床パラメータの拡大の減少、安定化された(すなわち、悪化しない)臨床パラメータ及び臨床パラメータの拡大の遅延化若しくは緩慢化が挙げられる。
【0040】
「抗エストロゲン薬」とは、エストロゲン依存性標的組織に及ぼすそれらの効果を発現することを防止し、したがって、種々のエストロゲン依存性プロセスを拮抗する化合物を意味する。抗エストロゲン性トランス−クロミフェン異性体が血清IGF−1レベルを低下させる上で有用であるとの予期せぬ発見に基づいて、抗エストロゲン性活性を有する他の化合物も本発明で有用であると期待される。全ての場合、本発明の実施で有用な抗エストロゲン薬は、哺乳動物のIGF−1レベルを低下させることができるものである。理論に拘束されるものではないが、抗エストロゲン薬の投与は、内分泌IGF−1の成長ホルモンによって駆動される肝臓の産生を遮断することにより、IGF−1のレベルの引き起こすと考えられている。
【0041】
本発明の実施上有用な抗エストロゲン薬は、純粋な抗エストロゲン薬であってもよく、又はいくつかの組織及び他のエストロゲン性組織において抗エストロゲン性特性を示す選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)の場合のように、部分的なエストロゲン性作用を有してもよい。
【0042】
本発明のSERMとしては、限定するものではないが、トリフェニルアルキレン類を含み、これらは2−[4−(1,2−ジフェニルブト−1−エニル)フェノキシ]−N,N−ジメチル-エタンアミン(タモキシフェン)及び参照により本明細書に援用される米国
特許第4,536,516号に記載される他の化合物;4’−ヒドロキシ−2−[4−(1,2−ジフェニルブト−1−エニル)フェノキシ]−N,N−ジメチル-エタンアミン(4’−ヒドロキシタモキシフェン)及び参照により本明細書に援用される米国特許第4,623,660号に記載される他の化合物、並びに脱アルキル化変異型4’−ヒドロキシ−2−[4−(1,2−ジフェニルブト−1−エニル)フェノキシ]−N−モノメチル−
エタンアミン(エンドキシフェンとしても知られる);固定環式タモキシフェン及びその4‘−ヒドロキシル、N−デスメチル、N−エスエチル、4’−ヒドロキシ−N−デスメチル並びに4’−ヒドロキシ−N−デスエチル型;1−[4’−(ジメチルアミノエトキシ)フェニル]−1−(3’−ヒドロキシフェニル)−2−フェニルブト−1−エン(ドロルオキシフェン)及び米国特許第5,047,431号に記載される他の化合物、同様にそれらの4’−ヒドロキシ、N−デスエチル及び4’−ヒドロキシ−N−デスエチル型;2−[p−[4−クロロ−1,2−ジフェニル−1−ブテニル]フェノキシ]−N,N-ジメチルエチルアミン(トレミフェン)及びそれぞれが参照により本明細書に援用され
る米国特許第4,696,949号、同第5,491,173号並びに4,996,225号に記載されている他の化合物、同様に4’−ヒドロキシトレミフェン、N−デスメチル−トレミフェン及びN−デスメチル−4’ヒドロキシトレミフェン;1−(2−(4−(1−(4−ヨード−フェニル)−2−フェニル−ブト−1−エニル)−フェノキシ)-エチル)-ピロリジノン(イドキシフェン)及び参照により本明細書に援用される米国特許第4,839,155号に記載される他の化合物;同様に4−ヒドロキシピロリジノタモキシフェン;2−(2−{4−[(1Z)−4−クロロ−1,2−ジフェニルブト−1−エン−1−イル]フェノキシ}エトキシ)エタン−1−オール(フィスペミフェン)及びそのそれぞれが参照により本明細書に援用される米国特許第7,504,530号に記載される他の化合物、同様に4’−ヒドロキシフィスペミフェン;クロミフェン及びその両異性体;それぞれが参照により本明細書に援用される米国特許第4,696,949号及び同第6,576,645号に記載される化合物、同様に(E)4’−ヒドロキシクロミフェン、(E)N−デスエチル−クロミフェン及び(E)N−デスエチル−4’−ヒドロキシクロミフェンが挙げられる。
【0043】
また、本発明のSERMSとしては、限定するものではないが、[6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチオフェン−3−イル]−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−メタノン(ラロキシフェン)及びその双方が参照により本明細書に援用される米国特許第4,418,068号並びに同第5,393,763号記載される他の化合物;LY353381並びにLY335563及び国際公開第9
8/45286号、同第98/45287号並びに同第98/45288号に記載される他の化合物などのベンゾチオフェン誘導体;(+)−7−ピバロイルオキシ−3−(4’ピバロイルオキシフェニル)−4−メチル−2−(4”−(2”ピペリジノエトキシ)フェニル)−2H−ベンゾピラン(EM 800/SCH 57050)及び国際公開第96/26201に記載される他の化合物;(2S)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−
4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジル)エトキシ]フェニル]−2H−クロメン−7−オール(EM 652)などのベンゾピラン誘導体;シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オール(ラソフォキシフェン/CP 336,156)及び米国特許第5,552,412号に記載されている他の化合物;3,4−ジヒドロ−2−(p−メトキシフェニル)−1−ナフチル−p−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]フェニルケトン(トリオキシフェン/LY133314)及び参照により本明細書に援用される米国特許第4,230,862号に記載の他の化合物などのナフタレン誘導体;更に参
照により本明細書に援用される米国特許第6,509,356号に記載されるものなどの1−(4−置換アルコキシ)ベンジル)ナフタレン化合物;3,4−トランス−2,2−ジメチル−3−フェニル−4−[4−(2−(2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ)フェニル)−7−メトキシクロマン(レボルメルオキシフェン)及び国際公開第97/25034号、同第97/25035号、同第97/25037号、並びに同第97/25038号に記載される他の化合物;更に1−(2−((4−(−メトキシ−2,2,ジメチルl−3−フェニル−クロマン−4−イル)−フェノキシ)−エチル)−ピロリジン(セントクロマン)及び参照により本明細書に援用される米国特許第3,822,287号に記載される他の化合物などのクロマンが挙げられる。
【0044】
本発明の他のSERMとしては、限定するものではないが、それぞれが参照により本明細書に援用される、米国特許第6,387,920号、同第6,743,815号、同第6,750,213号、同第6,869,969号、同第6,927,224号、同第7,045,540号、同第7,138,426号、同第7,151,196、及び7,157,604号が挙げられる。
【0045】
本発明の更なる非限定的な抗エストロゲン薬としては、6α−クロロ−16α−メチル−プレグン−4−エン−3,20−ジオン(クロメテロン);6−クロロ−17−ヒドロキシプレグナ−1,4,6−トリエン−3,20−ジオン(デルマジノン);1−[2−[4−[1−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロ−2−フェニルエテニル]フェノキシ]エチル]−ピロリジン(ニトロミフェン/CN−55,945−27);及び1−[2−[p−(3,4−ジヒドロ−6−メトキシ−2−フェニル−1−ナフチル)フェノキシ]エチル]ピロリジン(ナフォキシジン)が挙げられる。
【0046】
本発明の更なる非限定的な抗エストロゲン薬としては、J.Med.Chem.,33:2635−2640(1990)、J.Med.Chem.,30:131−136(1987)、国際公開第93/10741号、同第95/17383号、同第93/23374号及び双方ともに参照により本明細書に援用される米国特許第6,503,938号並びに同第6,069,153号に開示されるものなどが挙げられる。
【0047】
本発明の更なる非限定的な抗エストロゲン薬としては、2−[3−(1−シアノ−1−メチル−エチル)−5−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)フェニル]−2−メチル−プロパンニトリル(アナストロゾール)及び欧州特許第0296749号に記載される他の化合物;6−メチレンアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン(エキセメスタン)及び参照により本明細書に援用される米国特許第4,808,616号に記載される他の化合物;4−[(4−シアノフェニル)−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]ベンゾニトリル(レトロゾール)及び参照により本明細書に援用される米国特許第5,473,078号に記載される化合物;1−[4’−ジメチルアミノエトキシ]フェニル]−1−(3’−ヒドロキシフェニル)−2−フェニルブト−1−エン(ドロルオキシフェン)及び参照により本明細書に援用される米国特許第5,047,431号に記載される他の化合物;2α,3α−エピチオ−5α−アンドロスタン−17β−オール(エピチオスタノール);2α,3α−エピチオ−5α−アンドロスタン−17β−イル−1−メトキシシクロペンチルオキシ(メピチオスタン);4−[(2Z,4Z)−4−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサ−2,4−ジエン−3−イル]フェノール(シクラジン)及び双方ともに参照により本明細書に援用される米国特許第2,464,203号並びに同第2,465,505号に記載される他の化合物;Unlisted Drugs、28(10):169(0)(1976)に記載されるCI−680;Unlisted Drugs、26(7):106(1)(1974)に記載されるCI−628;13−エチル−17α−エチニル−17β−ヒドロキシゴナ−4,9,1−トリエン−3−オン(R2323);双方ともにGeynetら、Gynecol.Invest.3(1):2−29(1972)に記載されるジフェノールヒドロクリセン及びエリチロ−MEA;Merk Index、第10版、#2149に記載される1−
[1−クロロ−2,2−ビス(4−メトキシフェニル)エテニル]−4−メトキシ−ベンゼン(クロロトリアンチセン);Merk Index、第10版、#3668に記載される1−[4−(2−ジエチルアミノエトキシ)フェニル]−1−フェニル−2−(p−アニシル)エタノール(エタモキシトリフェトール);並びに2−p−クロロフェニル−1−[p−(2−ジエチルアミノエトキシ)フェニル]−1−p−トリルエタノール(トリパラノール)及び参照により本明細書に援用される米国特許第2,914,562号に記載される他の化合物が挙げられる。
【0048】
更に他の抗エストロゲン薬としては、限定するものではないが、(2e)−3−(4−((1e)−1,2−ジフェニルブト−1−エニル)フェニル)アクリル酸(GW5638)、GW7604並びにWilsonら、Endocrinology、138(9):3901−3911及び国際公開第95/10513号に記載されている他の化合物;1−[4−(2−ジエチルアミノエトキシ)フェニル]−2−(4−メトキシフェニル)−1−フェニル−エタノール(MER−25)、N,N−ジエチル−2−[4−(5−メトキシ−2−フェニル−3H−インデン−1−イル)フェノキシ]エタンアミド塩酸塩(U−11、555A)、1−[2−[4−(6−メトキシ−2−フェニル−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)フェノキシ]エチル]pピロリジン塩酸塩(U−11、100A)、ICI−46,669、2−[4−[(Z)−1,2−ジフェニルブト−1−エニル]フェノキシ]−N,N−ジメチル−エタンアミン;2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸(ICI−46,474)及びTereniusら、Gynec
.Invest.,3:96−107(1972)に記載される他の化合物;2−ヒドロキシ−6−ナフタレンプロピオン酸(アレノール酸);[4−[(4−アセチルオキシフェニル)−シクロヘキシリデン−メチル]フェニル]アセテート(シクロフェニル/ICI−48213);[6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾチオフェン−3−イル]−[4−[2−(1−ピペリジル)エトキシ]フェニル]メタノン(ケオキシフェン);4−[(Z)−1−[4−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル]−2−(4−プロパン−2−イルフェニル)ブト−1−エニル]フェノール(DP−TAT−59/ミプロキシフェン);(1RS,2RS)−4,4’−ジアセトキシ−5,5’−ジフルオロ−(1−エチル−2−メチレン)ジ−m−フェニレンジアセテート(アセフルラノール);6−hydroxy−2−(p−hydroxyphenyl)−benzo(b)thien−3−yl[2−(1−pyrrolidinyl)−ethoxyphenyl]ketone (LY−117018);並びに[6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−フェニル)ベンゾ(b)チエン−3−イル]−[4−(2−(1−ピペリジニル)−エトキシ)フェニル]メタノン(LY−156758)が挙げられる。
【0049】
本発明の更に他の抗エストロゲン薬としては、限定するものではないが、それぞれが参照により本明細書に援用される米国特許第5,681,835号、同第5,877,219号、同第6,207,716号、同第6,340,774号及び同第6,599,921号に記載されるものなどの非ステロイド性エストロゲン受容体リガンド;参照により本明細書に援用される米国特許第4,659,516号に記載されるものなどのステロイド誘導体;国際公開第98/07740号に記載されるものなどの7α−11−アミノアルキル−エストラトリエン;国際公開第99/33855号に記載されるものなどの11−β−ハロゲン−7α置換エストラトリエン;参照により本明細書に援用される米国特許出願第10/305,418号に記載されるものなどの17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエン;参照により本明細書に援用される米国特許第7,132,417号に記載されるものなどの2−フェニル−1−[4−(2−アミノエトキシ)−ベンジル]−インドール;参照により本明細書に援用される米国特許第6,844,336号に記載されるものなどの4−フルオロアルキル−2h−ベンゾピラン;(4−(2−(2−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−エトキシ)−フェニル)−(6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−メタノン並びに国際公開第95/10513号、及び参照により本明細書に援用される米国特許第4,133,814号に記載される他のベンゾチオフェン;参照により本明細書に援用される米国特許第5,998,402号に記載されるものなどの2−フェニル−1−[4−(2−アミノエトキシ)−ベンジル]−インドール;参照により本明細書に援用される米国特許第5,985,910号に記載されるものなどの3−[4−(2−フェニル−インドール−1−イルメチル)フェニル]−アクリルアミド及び参照により本明細書に援用される米国特許第5,985,910号に記載される他の化合物;2−フェニル−1−[4−(アミノ−1−イル−アルク−1−イニル)−ベンジル]−1H−インドール−5−オール並びに双方ともに参照により本明細書に援用される米国特許第5,780,497号及び同第5,880,137号に記載される他の化合物;それぞれが参照により本明細書に援用される米国特許第6,455,517号、同第6,548,491号、同第6,747,018号及び同第7,041,839号に記載されるものなどのステロイド;参照により本明細書に援用される米国特許第4,094,994号に記載されるものなどのジ−(3’−ヒドロキシフェニル)−アルカン化合物;参照により本明細書に援用される米国特許第4,751,240号に記載されるものなどフェノール誘導体;Saeedら、J.Med.Chem.,33:3210−3216(1990)及びSharmaら、J.Med.Chem.33:3216−3229(1990)に記載されるものなどの2,3−ジアリール−2H−1−ベンゾピラン類似体;並びにDuraniら、J.Med.Chem.,32:1700−1707(1989)に記載されるものなどのベンゾフラン及びトリアリールフラン類似体が挙げられる。
【0050】
一実施形態では、本発明の組成物は、1種以上の抗エストロゲン薬の薬学的に許容される塩を含む。プロセス条件に応じて、得られた塩化合物は、中性形態又は塩形態のいずれであってよい。塩形態としては、水和物及び他の溶媒和物が含まれ、結晶多形も含まれる。これら最終産物の遊離塩基及び塩も本発明により使用することができる。
【0051】
酸付加塩は、アルキルなどの塩基性の薬剤を用いて又はイオン交換によって遊離塩基に転換することができる。得られた遊離塩基もまた、有機又は無機酸との塩を形成する場合もある。
【0052】
酸付加塩の調製では、好ましくは、薬学的に許容される塩を適切に形成するような酸が使用される。このような酸の例は、塩酸、硫酸、リン酸、クエン酸、脂肪酸、脂環式カルボン酸又はスルホン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、フマル酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、エンボン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、フェニル酢酸、マンデル酸、アロゲンベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ガラクタル酸、ガラクツロン酸又はナフタレンスルホン酸など)である。結晶形態多形は全て、本発明により使用することができる。好ましい塩は、クエン酸塩である。
【0053】
塩基付加塩もまた、本発明により使用することができ、遊離酸形態を所望の塩基の十分な量と接触させ、塩を生成することにより、従来の方法で調製することができる。遊離酸形態は、塩形態を酸と接触させ、遊離酸を単離することにより、従来の方法で再生することができる。薬学的に許容される塩基付加塩は、アルキル及びアルキル土類金属又は有機アミンなどの金属又はアミンと共に形成される。カチオンとして使用される金属の例は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等である。好適なアミンの例は、例えば、リシン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン等のアミノ酸である。
【0054】
本発明の組成物は、経口、非経口、経皮、経肛門、経粘膜、又は局所的投与に好適な用量単位(複数可)の形態で調製することができる。非経口投与としては、限定するものではないが、静脈内、動脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、髄腔内、及び関節内投与が挙げられる。
【0055】
本明細書の用語「経口投与」又は「経口送達可能」は、対象への治療薬又はその組成物の送達の任意の形態を含み、薬剤又は組成物が呑み込まれようと呑み込まれまいが、薬剤又は組成物は、対象の口内に配置される。したがって、「経口投与」は、口腔内及び舌下並びに食道(例えば吸入)投与が含まれる。
【0056】
更に別の実施形態では、本発明の組成物は、肛門坐剤として製剤化され、これは、限定するものではないが、ココアバター又はグリセリドを含む坐剤基剤を含有してもよい。
【0057】
本発明の組成物は、吸入用に製剤化されてもよく、これは、限定するものではないが、ドライパウダーとして又はジクロロフルオロメタン若しくはトリクロロフルオロメタンなどの推進剤を用いるエアロゾルの形態で投与され得る、溶液、懸濁液、又は乳剤を含む形態であってよい。
【0058】
本発明の組成物はまた、例えば、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、ペースト剤、ゲル剤、薬用絆創膏、パッチ、又は膜として、経皮送達用に製剤化されてもよい。このような組成物は、任意の好適な賦形剤、例えば経皮吸収促進剤等を含むことができる。
【0059】
本発明の組成物はまた、限定するものではないが、注射又は持続点滴によるものを含める、非経口投与用に製剤化されてもよい。注射用製剤は、油性又は水性媒体中の懸濁液、溶液、又は乳剤の形態であってよい。このような組成物は、限定するものではないが、無菌、無パイロジェン水、及びWFI等を含める好適な媒体を用いて再構成用に、粉末形態で提供することもできる。
【0060】
本発明の組成物はまた、デポ製剤として製剤化することができ、これは、移植により又は筋肉内注射により投与され得る。このような組成物は、好適なポリマー性材料又は疎水性材料(例えば、許容される油中の乳剤として)、イオン交換樹脂、又は難溶性誘導体として(例えば、難溶性塩として)製剤化され得る。
【0061】
本発明の組成物はまた、リポソーム調製物として製剤化されてもよい。リポソーム製剤は、目的の細胞又は角質層に浸透し、細胞膜と融合し、その結果として細胞へのリポソームの内容物を送達させるリポソームを含んでもよい。例えば、Yaroshへの米国特許第5,077,211号、Redziniakらへの米国特許第4,621,023号、又はRedziniakらへの米国特許第4,508,703号に記載されるものなどのリポソームを使用することができる。
【0062】
本発明の組成物は、錠剤(例えば、懸濁錠剤、咀嚼懸濁錠剤、迅速分散錠剤、チュアブル錠剤、発泡性錠剤、二層錠剤など)、カプレット、カプセル(例えば、軟質又は硬質ゼラチンカプセル)、粉末剤(例えば、包装粉末剤、小分け可能な粉末剤、発泡粉末剤)、ロゼンジ剤、サシェ剤、カシェ剤、トローチ剤、ペレット剤、果粒剤、微粒剤、カプセル微粒剤、粉末エアロゾル製剤、又は投与に合理的に適合した任意の他の固形剤形などの固形用量単位の形態であってよい。
【0063】
錠剤は、多数の関連した周知の製剤技術のいずれによっても調製することができる。一実施形態では、錠剤又はその他の固形剤形は、限定するものではないが、(1)乾燥混合、(2)直接圧縮、(3)粉砕、(4)乾式又は非水性造粒、(5)湿式造粒、又は(6)融合を含む方法の1つ又は組み合わせを使用する工程によって調製することができる。
【0064】
錠剤調製の湿式造粒工程の個々のステップには、典型的には、成分の粉砕及びふるい分け、乾燥粉末の混合、湿式集塊化、造粒、並びに最終研磨が含まれる。乾式造粒は、強力な回転式錠剤圧縮機で粉末混合物を粗錠剤又は「スラグ」に圧縮することを伴う。その後、スラグは、研磨作業によって、通常は振動造粒機を通過することによって粒状粒子へと分割される。個々のステップには、粉末の混合、圧縮(スラグ化)、及び研磨(スラグ低減又は粒造)が含まれる。典型的には、湿潤結合剤又は湿気は、このステップのいずれにも関与しない。
【0065】
別の実施形態では、固形投与形態は、抗エストロゲン剤を1種以上の医薬賦形剤と混合して実質的に均質な前製剤混合物を形成することにより調製することができる。その後、前製剤混合物は細分化され、必要に応じて、任意の所望の剤形へと更に加工(例えば、圧縮、封入、包装、分散等)することができる。
【0066】
圧縮錠剤は、本発明の粉末又は粒状組成物の圧縮によって調製することができる。「圧縮錠剤」という用語は、一般的に、単回圧縮によって、又は軽く叩いて事前圧縮しその後最終圧縮することによって調製された、経口摂取に好適な被覆されてない素錠を指す。本発明の錠剤は、取扱いの向上又は保管特徴上の利点を与える剤形を提供するために、被覆されていてもよく、又はそうでなければ配合されていてもよい。1つの実施形態では、任意のそのような被覆は、対象への投与に際して、本発明の組成物の治療効果の開始を実質的に遅延させないように選択される。「懸濁錠剤」という用語は、本明細書中で使用される場合、水中に配置されると迅速に崩壊する圧縮錠剤を指す。
【0067】
本発明の組成物の好適な液体剤形には、液剤、水性又は油性懸濁剤、エリキシル剤、シロップ剤、乳剤、液体エアロゾル製剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤等が含まれる。そのような組成物は、使用前に水又は他の好適な媒体を用いて再構成するための乾燥製品として製剤化することもできる。
【0068】
一実施形態では、液体又は半固形組成物は、室温、冷蔵(例えば、約5〜10℃)温度、又は凍結温度のいずれかで維持された密閉包装容器中に、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12ヶ月間保管した際に、元の抗エストロゲン化合物の少なくとも約90%、少なくとも約92.5%、少なくとも約95%、又は少なくとも約97.5%がそこに存在することを示す。
【0069】
本発明の組成物は、必要に応じて、1種以上の薬学的に許容される賦形剤を含むことができる。本明細書中の「賦形剤」という用語は、対象に治療薬を送達するために、あるいはその取扱い若しくは保管特性を向上するか又は組成物の単位用量の形成を容易にするために、医薬組成物に添加される担体又は媒体として使用される、それ自体は治療薬ではない任意の物質を意味する。賦形剤には、例示としてであって限定するものではないが、希釈剤、崩壊剤、結合剤、接着剤、湿潤剤、潤滑剤、流動促進剤、表面改質剤又は界面活性剤、芳香剤、懸濁化剤、乳化剤、非水性媒体、保存剤、酸化防止剤、接着剤、pH及び浸透圧調節剤(例えば緩衝剤)、保存剤、増粘剤、甘味料、香料、矯味剤、着色剤又は染料、経皮吸収促進剤、及び組成物の外観を良くするために添加される物質が含まれる。
【0070】
本発明の組成物で必要に応じて使用される賦形剤は、固体、半固体、液体、又はそれらの組み合わせであってよい。賦形剤を含有する本発明の組成物は、賦形剤を、薬剤又は治療薬と混合することを含む任意の既知の薬学技術によって調製することができる。
【0071】
本発明の組成物は、必要に応じて、1種以上の薬学的に許容される希釈剤を賦形剤として含む。好適な希釈剤としては、例示として、個別又は組み合わせのいずれかで、無水乳糖及び乳糖一水和物を含む乳糖;直接圧縮可能なデンプン及び加水分解デンプン(例えば、Celutab(登録商標)及びEmdex(商標))を含むデンプン;マンニトール;ソルビトール;キシリトール;デキストロース(例えば、Cerelose(商標)2000)及びデキストロース一水和物;第二リン酸カルシウム二水和物;スクロースに基づく希釈剤;粉砂糖;一塩基性硫酸カルシウム一水和物;硫酸カルシウム二水和物;顆粒乳酸カルシウム三水和物;デキストレート;イノシトール;加水分解穀類固体;アミロース;微結晶性セルロース、α−及び非晶質セルロースの食品級供給源(例えば、Rexcel(商標))並びに粉末セルロースを含むセルロース;炭酸カルシウム;グリシン;ベントナイト;並びにポリビニルピロリドン等が挙げられる。そのような希釈剤は、存在する場合、合計で、組成物の全重量の約5%〜約99%、約10%〜約85%、又は約20%〜約80%を構成する。選択された任意の希釈剤(複数可)は、好ましくは、好適な流動特性、及び錠剤が望ましい場合は、好適な圧縮性を示す。
【0072】
顆粒より細かい微結晶性セルロース(すなわち、乾燥ステップ後に、湿式造粒された組成物に添加される微結晶性セルロース)の使用は、硬さ(錠剤の)及び/又は崩壊時間を向上させるために用いることができる。
【0073】
本発明の組成物は、特に錠剤、カプセル、又は他の固形製剤用に、1種以上の薬学的に許容される崩壊剤を賦形剤として含んでもよい。好適な崩壊剤としては、個々に又は組み合わせにいずれかで、ナトリウムデンプングリコール(例えば、PenWest社のExplotab(商標))及びαデンプン化コーンスターチ(例えば、National(商標)1551、National(商標)1550、及びColocorn(商標)1500)を含むデンプン、粘土(例えばVeegum(商標)HV)、精製セルロース、微結晶性セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びナトリウムカルボキシメチルセルロース等のセルロース、クロスカルメロースナトリウム(例えば、FMC社のAc−Di−Sol(商標))、アルギン酸塩、クロスポビドン、並びに寒天、グアー、キサンタン、イナゴマメ、カラヤ、ペクチン、及びトラガントゴム等のゴムが挙げられる。
【0074】
崩壊剤は、組成物の調製中の任意の好適なステップで、特に造粒ステップの前、又は圧縮する前の潤滑ステップ中に添加することができる。このような崩壊剤は、存在する場合、合計で、組成物の全重量の約0.2%〜約30%、約0.2%〜約10%、又は約0.2%〜約5%を構成する。
【0075】
本発明の組成物は、特に錠剤製剤用に、1種以上の薬学的に許容される結合剤又は接着剤を賦形剤として含んでもよい。そのような結合剤及び接着剤は、粉末を錠剤化するのに十分な粘着性を付与し、定寸化、潤滑化、圧縮、及び包装等の通常工程作業を可能にするが、摂取の際に錠剤が崩壊して組成物の吸収を可能にする。好適な結合剤及び接着剤としては、個別又は組み合わせのいずれかで、アカシア;トラガント;スクロース;ゼラチン;グルコース;限定するものではないが限定するものではないが、α化デンプン(例えば、National(商標)1511及びNational(商標)1500)等のデンプン;限定するものではないが限定するものではないが、メチルセルロース及びカルメロースナトリウム(例えば、Tylose(商標))等のセルロース;アルギン酸及びアルギン酸の塩;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;PEG;グアーガム;ポリサッカライド酸;ベントナイト;ポビドン、例えばポビドンK−15、K−30、及びK−29/32;ポリメタクリレート;HPMC;ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(商標));並びにエチルセルロース(例えば、Ethocel(商標))が挙げられる。そのような結合剤及び/又は接着剤は、存在する場合、合計で、組成物の全重量の約0.5%〜約25%、約0.75%〜約15%、又は約1%〜約10%を構成する。
【0076】
本発明の組成物は、1種以上の薬学的に許容される湿潤剤を賦形剤として含んでもよい。本発明の組成物に湿潤剤として使用することができる界面活性剤の非限定的な例としては、四級アンモニウム化合物、例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、及び塩化セチルピリジウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、例えばノノキシノール9、ノノキシノール10、及びオクトキシノール9、ポロキサマー(ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンブロックコポリマー)、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド及び油剤、例えばポリオキシエチレン(8)カプリル酸/カプリン酸モノ−及びジグリセリド(例えば、Gattefosse社のLabrasol(商標))、ポリオキシエチレン(35)ヒマシ油、及びポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えばポリオキシエチレン(20)セトステアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、例えばポリオキシエチレン(40)ステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、例えばポリソルベート20及びポリソルベート80(例えば、ICI社のTween(登録商標)80)、プロピレングリコール脂肪酸エステル、例えばプロピレングリコールラウレート(例えば、Gattefosse社のLauroglycol(商標))、ラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸及びその塩、例えばオレイン酸、オレイン酸ナトリウム、及びオレイン酸トリエタノールアミン、グリセリル脂肪酸エステル、例えばモノステアリン酸グリセリン、ソルビタンエステル、例えばソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレアート、ソルビタンモノパルミテート、及びソルビタンモノステアレート、チロキサポール、並びにそれらの混合物が挙げられる。そのような湿潤剤は、存在する場合、合計で、組成物の全重量の約0.25%〜約15%、約0.4%〜約10%、又は約0.5%〜約5%を構成する。
【0077】
本発明の組成物は、1種以上の薬学的に許容される滑沢剤(抗接着剤及び/又は流動促進剤を含む)を賦形剤として含んでもよい。好適な潤滑剤としては、個別又は組み合わせのいずれかで個別又は組み合わせのいずれかで、グリセリルベハペート(glyceryl behapate)(例えば、Compritol(商標)888);マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム)、ステアリン酸カルシウム、及びステアリン酸ナトリウムを含むステアリン酸及びその塩;硬化植物油(例えば、Sterotex(商標));コロイドシリカ;タルク;ろう;ホウ酸;安息香酸ナトリウム;酢酸ナトリウム;フマル酸ナトリウム;塩化ナトリウム;DL−ロイシン;PEG(例えば、Carbowax(商標)4000及びCarbowax(登録商標)6000);オレイン酸ナトリウム;ラウリル硫酸ナトリウム;及びラウリル硫酸マグネシウムが挙げられる。そのような潤滑剤は、存在する場合、合計で、組成物の全重量の約0.1%〜約10%、約0.2%〜約8%、又は約0.25%〜約5%を構成する。
【0078】
好適な抗接着剤には、タルク、コーンスターチ、DL−ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウム、及びステアリン酸金属塩が含まれる。タルクは、例えば、器具表面に粘着する製剤を低減し、また混合物中の静電気を低下させるために使用される抗接着剤又は流動促進剤である。1種以上の抗接着剤は、存在する場合、組成物の全重量の約0.1%〜約10%、約0.25%〜約5%、又は約0.5%〜約2%を構成する。
【0079】
流動促進剤は、固形製剤の粉体流を容易にするために使用することができる。好適な流動促進剤には、コロイド状二酸化ケイ素、デンプン、タルク、第三リン酸カルシウム、粉末セルロース、及び三ケイ酸マグネシウムが含まれる。コロイド状二酸化ケイ素が特に好ましい。
【0080】
本発明の組成物は、1種以上の消泡剤を含むことができる。シメチコンは、例示的な消泡剤である。消泡剤は、存在する場合、組成物の全重量の約0.001%〜約5%、約0.001%〜約2%、又は約0.001%〜約1%を構成する。
【0081】
本発明で使用するための例示的な酸化防止剤としては、限定するものではないが限定するものではないが、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、及びメタ重亜硫酸カリウム等挙げられる。1種以上の酸化防止剤は、必要に応じて、典型的には、約0.01%〜約2.5%、例えば約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、約0.5重量%、約1重量%、約1.5重量%、約1.75重量%、約2重量%、約2.25重量%、又は約2.5重量%の量で、本発明の組成物中に存在する。
【0082】
種々の実施形態では、本発明の組成物は保存剤を含むことができる。好適な保存剤としては、限定するものではないが限定するものではないが、塩化ベンザルコニウム、メチル、エチル、プロピル又はブチルパラベン、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、ベンゼトニウム、p−ヒドロキシ安息香酸メチル又はプロピル、及びソルビン酸、又
はそれらの組み合わせが挙げられる。典型的には、随意的な保存剤は、約0.01重量%〜約0.5重量%、又は約0.01重量%〜約2.5重量%の量で存在する。
【0083】
1つの実施形態では、本発明の組成物は、緩衝剤を含んでもよい。緩衝剤には、pH変化を低下させる作用剤が含まれる。本発明の種々の実施形態で使用するための例示的な種類の緩衝剤は、例えば、IA族金属の重炭酸塩、IA族金属の炭酸塩を含むIA族金属の塩、アルカリ若しくはアルカリ土類金属緩衝剤、アルミニウム緩衝剤、カルシウム緩衝剤、ナトリウム緩衝剤、又はマグネシウム緩衝剤を含む。好適な緩衝剤には、前述のいずれかの炭酸塩、リン酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、フタル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、例えばリン酸、クエン酸、ホウ酸、酢酸、重炭酸、及び炭酸ナトリウム又はカリウムが挙げられる。
【0084】
好適な緩衝剤の非限定的な例としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミニウムグリシネート、酢酸カルシウム、重炭酸カルシウム、ホウ酸カルシウム、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、フタル酸カルシウム、リン酸カルシウム、コハク酸カルシウム、酒石酸カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、酢酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、乳酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、フタル酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、コハク酸マグネシウム、酒石酸マグネシウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、ホウ酸カリウム、クエン酸カリウム、メタリン酸カリウム、フタル酸カリウム、リン酸カリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリン酸カリウム、コハク酸カリウム、酒石酸カリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、乳酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、合成ヒドロタルサイト、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三ナトリウム、及びトロメタルノール(trometarnol)(一部Merck Index、Merck & Co.Rahway、N.J.(2001)に提供されている一覧表に基づいている)が挙げられる。更に、上記で言及した緩衝剤の任意の2つ以上の組み合わせ又は混合物が、本明細書中に記述されている医薬組成物に使用することができる。1種以上の緩衝剤は、必要に応じて、約0.01重量%〜約5重量%、又は約0.01重量%〜約3重量%の量で、本発明の組成物中に存在する。
【0085】
種々の実施形態では、本発明の組成物は、粘性を増加させる1種以上の作用剤を含んでもよい。粘性を増加させる例示的な作用剤には、限定するものではないが、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、カラゲナン、カルボポール(carbopol)、及び/又はそれらの組み合わせを含む。典型的には、1種以上の粘性増加剤は、必要に応じて、約0.1重量%〜約10重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%の量で、本発明の組成物中に存在する。
【0086】
種々の実施形態では、本発明の組成物は、組成物の官能特性(organoleptic property)を向上させるために「官能剤(organoleptic agent)」を含む。本明細書中の「官能剤」という用語は、本発明の組成物の香味又は芳香を向上させることができるか、又は不快な香味若しくは芳香を隠すことに役立つことができる任意の賦形剤を指す。そのような作用剤には、甘味料、香料、及び/又は矯味剤が含まれる。好適な甘味料及び/又は香料には、医薬組成物を甘くするか又は香味を提供する任意の作用剤が含まれる。随意的な官能剤は、典型的には、約0.1mg/ml〜約10mg/ml、約0.5mg/ml〜約5mg/ml、又は約1mg/mlの量で本発明の組成物に存在する。
【0087】
例示的な甘味料又は香料としては、限定するものではないが、アカシアシロップ、アネトール、アニス油、芳香エリキシル、ベンズアルデヒド、ベンズアルデヒドエリキシル、シクロデキストリン、カラウェー、カラウェー油、カルダモン油、カルダモンの種、カルダモン精、カルダモンチンキ、サクランボ果汁、サクランボシロップ、シナモン、シナモン油、シナモン水、クエン酸、クエン酸シロップ、チョウジ油、ココア、ココアシロップ、コリアンダー油、デキストロース、エリオジクチオン、エリオジクチオン流エキス、エリオジクチオンシロップ、芳香剤、酢酸エチル、エチルバニリン、ウイキョウ油、ショウキョウ、ショウキョウ流エキス、ショウキョウ樹脂油、デキストロース、グルコース、砂糖、マルトデキストリン、グリセリン、カンゾウ、カンゾウエリキシル、カンゾウエキス、カンゾウ純粋エキス、カンゾウ流エキス、カンゾウシロップ、ハチミツ、イソアルコールエリキシル、ラベンダー油、レモン油、レモンチンキ、マンニトール、サリチル酸メチル、ナツメグ油、オレンジビター、エリキシル、オレンジビター、油剤、橙花油、橙花水、オレンジ油、橙皮、ビター、橙皮スイート、チンキ、オレンジ精、オレンジシロップ、ハッカ、ハッカ油、ハッカ精、ハッカ水、フェニルエチルアルコール、ラズベリー果汁、ラズベリーシロップ、ローズマリー油、ローズ油、ローズ水、ストロンガー(stronger)、サッカリン、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、サルサパリラシロップ、サルサパリラ、ソルビトール溶液、スペアミント、スペアミント油、スクロース、スクラロース、シロップ、タイム油、トルーバルサム、トルーバルサムシロップ、バニラ、バニラチンキ、バニリン、野生サクランボシロップ、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0088】
例示的な矯味剤としては、限定するものではないが、シクロデキストリン、シクロデキストリン乳剤、シクロデキストリン粒子、シクロデキストリン複合体、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0089】
例示的な懸濁化剤としては、限定するものではないが限定するものではないが、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/砂糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、及び硬化食用脂が挙げられる。
【0090】
例示的な乳化剤には、限定するものではないが、レシチン、ソルビタンモノステアレート、及びアカシアが含まれる。非水性媒体には、限定するものではないが、食用油、アーモンド油、分画ヤシ油(fractionated coconut oil)、油状エステル、プロピレングリコール、及びエチルアルコールが含まれる。
【0091】
当該技術分野で既知のように、前述の賦形剤は、複数の役割を果たすことができる。例えば、デンプンは、崩壊剤としても増量剤としても役立つことができる。上記の賦形剤の分類は、どのような形あれ限定的と解釈するべきではない。
【0092】
本発明の組成物は、限定するものではないが、経口的、非経口的、舌下、経皮的、直腸的、経粘膜的、局所的、吸入による、頬側による投与、又はそれらの組み合わせを含む任意の様式で投与することができる。非経口投与には、限定するものではないが、静脈内、動脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、髄腔内、関節内、槽内、及び脳室内が含まれる。
【0093】
治療に使用するために必要な治療上有効量の組成物は、他の要因の中でも、活性が望まれる時間の長さ、並びに治療される患者の年齢及び状態に応じて変動し、最終的には診察する医師によって決定される。しかしながら、一般に、ヒト治療のために典型的に使用される用量は、1日当たり約0.001mg/kg〜約500mg/kg、例えば1日当たり約1μg/kg〜約1mg/kg、又は1μg/kg〜約100μg/kgの範囲にある。ほとんどの大型哺乳動の場合、1日の合計用量は、約1〜100mgまで、好ましくは約2〜80mgである。投与計画は、最適な治療応答を提供するために調節することができる。望ましい用量は、単回投与、又は適切な間隔、例えば1日当たり2回、3回、又は4回以上のサブ投与で投与される複数回投与として便利に投与することができる。
【0094】
例示として、本発明の組成物を対象に投与し、約1μg/kg〜約1mg/kg体重、例えば、約1μg/kg、約25μg/kg、約50μg/kg、約75μg/kg、約100μg/kg、約125μg/kg、約150μ/kg、約175μ/kg、約200μg/kg、約225μg/kg、約250μg/kg、約275μg/kg、約300μg/kg、約325μg/kg、約350μg/kg、約375μg/kg、約400μg/kg、約425μg/kg、約450μg/kg、約475μg/kg、約500μg/kg、約525μg/kg、約550μg/kg、約575μg/kg、約600μg/kg、約625μg/kg、約650μg/kg、約675μg/kg、約700μg/kg、約725μg/kg、約750μg/kg、約775μg/kg、約800μg/kg、約825μg/kg、約850μg/kg、約875μg/kg、約900μg/kg、約925μg/kg、約950μg/kg、約975μg/kg、又は約1mg/kg体重の量の抗エストロゲン剤を対象に提供してよい。
【0095】
好ましい実施形態では、本発明による組成物は、約1mgから約200mgの間の用量のtrans−クロミフェンを含む(最適用量の決定は当業者のレベルによるが)。組成物は、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、又はそれらの間の用量のtrans−クロミフェンを含んでもよい。組成物は、trans−クロミフェンとcis−クロミフェンとを、約71/29、72/28、73/27、74/26、75/25、76/24、77/23、78/22、79/21、80/20、81/19、82/18、83/17、84/16、85/15、86/14、87/13、88/12、89/11、90/10、91/9、92/8、93/7、94/6、95/5、96/4、97/3、98/2、99/1、99.5/0.5、又はそれらの間の比で含んでもよい。上記のErnstらに記述されているもの等の、クロミフェンのトランス異性体及びシス異性体の類似体も、本発明の実施に有用である。
【0096】
本発明の組成物は、長期的に投与することもできる。この点に関して、組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、又は31日以上の期間、投与することができる。組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12ヶ月以上の期間、投与することもできる。組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10年以上の期間、投与することもできる。投与期間中、組成物は、毎日、又は1日おき等のように、定期的に投与することができる。
【0097】
本発明の組成物は、断続的に投与することもできる。例えば、組成物は、1、2、3、4、又は5週間以上の投与期間、その後ある期間中断し、その後1、2、3、4、又は5週間以上の投与期間で投与することもできる。
【0098】
本明細書中に参照された参考文献は全て、それらの全体が参照により組み込まれる。
【0099】
以下の実施例は、本発明を例示するのが目的であり、添付の特許請求の範囲に記載のように本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0100】
実施例1:トランス−クロミフェン及び外因性テストステロンの遊離血清IGF−1に及ぼす効果
単離されたトランス−クロミフェン異性体の遊離血清IGF−1に及ぼす効果を、3つの別個の臨床試験でテストした。
【0101】
朝の総テストステロン血液レベルが<300ng/dl、血清LHが<15IU/mlであり、6ヶ月から2年の局所的テストステロン療法を以前に行ったことがある成人男性被験者に、トランス-クロミフェン(経口カプセルを介して25mg/日)又は局所的テ
ストステロンゲル(Testim(登録商標))、毎日50mgを塗布)のいずれかを、最初の試験に従って6ヶ月間投与した。最初のスクリーニング来院(来院1−V1)後に、被験者の局所的テストステロンの補充療法を、3週間又は3ヶ月間のいずれかの期間中断した。ウォッシュアウト期間の終わりに(来院2−V2)、免疫酵素分析(Immunodiagnostics Systems Ltd.、OCTEIA(登録商標)IGF−1キット)によって、ベースライン血清(循環)IGF−1測定の定量分析を被験者で行い、トランス−クロミフェン又はTestim(登録商標)のいずれかによる治療を開始した。追跡測定値を、最初の投与後3ヶ月(来院4−V4)、最初の投与後6ヶ月(来院5−V5)及び治療を停止した後1ヶ月(来院6−V6)で採取した。7人の被験者が6ヶ月間のトランス−クロミフェン療法を完了し、5人の被験者が6ヶ月間のTestim(登録商標)療法を完了した。結果を図1に示す。ベースライン(V2)では、両患者群の血清IGF−1レベルは、約140ng/mlと平均化された。治療の3ヶ月後(V4)に、血清IGF−1レベルは、トランス−クロミフェン群で80ng/ml以下に有意に減少し、Testim(登録商標)群では相当する減少は観察されなかった。治療の6ヶ月後(V5)に、IGF−1レベルは、トランス−クロミフェン群で抑制されたままであったが、一方Testim(登録商標)群は、6ヶ月の時点でIGF−1における変更を示さなかった。したがって、血清IGF−1レベルは、トランス−クロミフェンを投与された被験者では40%を超えて低減されたが、外因性テストステロンは、循環血清IGF−1には効果を有さなかった。重要なことは、低テストステロンは別として、これら被験者は、他の点では健康であり、したがって、トランス−クロミフェンを投与することは、肝臓によって産生されるIGF−1(すなわち、成長ホルモン依存性IGF−1)IGF−1の血清レベルを低下させるための有効な方法を提供する。
【0102】
別の試験では、トランス−クロミフェンによる治療後の、テストステロンの低い/低い〜正常のヒト男性で血清IGF−1レベルを測定した。簡潔に記載すると、38人の男性が一日当たり12.5mgのトランス−クロミフェンの投与を受け、35人の男性が、一日当たり25mgのトランス−クロミフェンの投与を受け、43人の男性がプラセボの投与を受けた(対照群)。上記のように、血清IGF−1レベルを、免疫酵素分析によってベースラインで測定し、その後、各治療群に対してトランス−クロミフェン又はプラセボでの3ヶ月間の治療が続いた。結果を下表1に示し、これは12.5mgの群では〜32%の血清IGF−1レベルでの平均減少を、25mgの群では、36%の平均減少を示す。
【0103】
【表1】
【0104】
第3の試験では、トランス−クロミフェンの3つの用量(6.5mg、12.5mg及び25mg、それぞれ毎日投与)がベースラインに対するIGF−1レベルに及ぼす効果を、アンドロゲル(Androgel)(毎日投与)に対して比較した。簡潔に記載すると、テストステロンレベルが350ng/dl以下のヒト男性(平均年齢=53.1歳、平均BMI=31.8)を、4つの治療群に無作為化割付した。IGF−1レベルをベースライン及び治療の6週間後に、上記の通りに免疫酵素分析によって測定した。結果を下表2に示し、これは、トランス−クロミフェンで治療された被験者の血清IGF−1レベルにおける35%〜45%の減少を示す。
【0105】
【表2】
【0106】
考察
以上をまとめると、これらの結果は、トランス−クロミフェンが、血清IGF−1レベルを有意に下げ、それによって、SERMをIGF−1が強く発現されるか又は過発現される種々の癌を治療するために有用にすることを示唆している。理論に拘束されるものではないが、トランス−クロミフェンは、内分泌依存性メカニズムにより肝臓IGF−1の産生を抑制し、それによって循環血清IGF−1の濃度を低下させると考えられる。
【0107】
実施例2:抗エストロゲン薬による癌の治療
癌を有する被験者を、実施例1に報告したものと同様なプロトコルによって治療することができる。この場合、遊離循環IGF−1レベルは、薬剤治療より前に確立され、治療の過程を通してモニタリングされる。薬剤はトランス−クロミフェンであることができ、これは、トランス−クロミフェンの抗エストロゲン性類似体のいずれか又はトランス−クロミフェンを含む種々の抗エストロゲン薬の組み合わせであってよい。実施例1とは対照的に、薬剤治療は、循環IGF−1レベルが正常かつ安定したレベルまで到達したと判定されるまで若しくは癌が治療されるまで続けられる。
【0108】
実施例3:抗エストロゲン薬との癌の抗IGF−R抗体治療の改善
フィギツムマブなどの抗IGF−R抗体による治療を受けている癌の被験者は、循環IGF−1を低下させるためのトランス−クロミフェン又は他の抗エストロゲン薬による前治療又は同時治療から利益を享受することができる。この場合、遊離循環IGF−1レベルは、高エストロゲン薬治療の前に確立される。IGF−1の高レベルが検出される場合には、被験者が抗体療法に積極的異に応答する可能性が低いことを示し、被験者は、循環IGF−1を低下させるために、トランス−クロミフェン又は別の抗エストロゲンで治療される。一旦IGF−1レベルが許容されるレベルまで減少されたら、治療上の抗体治療を開始する。
【0109】
実施例4;抗エストロゲン薬との癌のIGF−Rチロシンキナーゼ阻害薬治療の改善
IGF−Rに対して有効なチロシンキナーゼ阻害薬での治療を受けている癌の被験者は、循環IGF−1を低下させるためのトランス−クロミフェン又は他の抗エストロゲン薬による前治療又は同時治療から利益を享受することができる。この場合、遊離循環IGF−1レベルは、IGF−Rに対して有効なチロシンキナーゼ阻害薬による治療の前に、又はこれと同時に抑制される。
【0110】
実施例5:抗エストロゲン薬との癌のIGF−BP治療の有効性の改善
遊離循環IGF−1のレベルを低下させるためのIGF−BPによる治療を受けている癌の被験者は、循環IGF−1の産生を低下させるためのトランス−クロミフェン又は他の抗エストロゲン薬による前治療又は同時治療から利益を享受することができる。この場合、遊離循環IGF−1レベルは、IGF−BPによる治療の前に、又はこれと同時に抑制される。
【0111】
実施例6:抗エストロゲン薬との癌のIGF−ASO治療の有効性の改善
腫瘍細胞上に存在するIGF−Rの量を低下させるIGF−ASOによる治療を受けている癌の被験者は、循環IGF−1の産生を低下させるために、トランス−クロミフェン又は他の抗エストロゲン薬による前治療又は同時治療から利益を享受することができる。この場合、遊離循環IGF−1レベルは、IGF−ASOによる治療の前に、又はこれと同時に抑制される。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【外国語明細書】
2021046448000001.pdf