(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021046989
(43)【公開日】20210325
(54)【発明の名称】給水加熱システム及びこれを備えた発電プラント並びに給水加熱システムの運転方法
(51)【国際特許分類】
   F22D 1/32 20060101AFI20210226BHJP
   F22B 33/18 20060101ALI20210226BHJP
   F22D 1/18 20060101ALI20210226BHJP
   F22D 11/00 20060101ALI20210226BHJP
   F01K 3/26 20060101ALI20210226BHJP
   F01D 17/00 20060101ALI20210226BHJP
【FI】
   !F22D1/32 Z
   !F22B33/18
   !F22D1/18
   !F22D11/00 B
   !F01K3/26
   !F01D17/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】2019171308
(22)【出願日】20190920
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
【住所又は居所】神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目3番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】田村 真吾
【住所又は居所】神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目3番1号 三菱日立パワーシステムズ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】真保 陽一
【住所又は居所】神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目3番1号 三菱日立パワーシステムズ株式会社内
【テーマコード(参考)】
3G071
【Fターム(参考)】
3G071AA06
3G071AA07
3G071BA22
3G071EA02
3G071FA01
(57)【要約】
【課題】発電プラントの幅広い負荷範囲にわたって、給水加熱用ボイラで発生した蒸気を有効に利用することができる給水加熱システムを提供する。
【解決手段】ボイラ3と、ボイラ3にて生成された蒸気によって駆動される蒸気タービン5と、蒸気タービン5によって駆動される発電機と、蒸気タービン5の複数位置から抽気された抽気蒸気によってボイラ3へ供給される給水を加熱する複数の給水加熱器50,54と、を備えた発電プラント1に用いられる給水加熱システム6であって、ボイラ3に供給される給水を加熱する給水加熱用ボイラ7と、給水加熱用ボイラ7で発生した蒸気を加熱用蒸気として2以上の給水加熱器54a,54cに対してそれぞれ供給可能とする2以上の給水加熱用蒸気配管62a,62bと、発電プラント1の負荷に応じて、加熱用蒸気を流通させる給水加熱用蒸気配管62a,62bを選択する制御部30と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラと、
前記ボイラにて生成された蒸気によって駆動される蒸気タービンと、
前記蒸気タービンによって駆動される発電機と、
前記蒸気タービンの複数位置から抽気された抽気蒸気によって前記ボイラへ供給される給水を加熱する複数の給水加熱器と、
を備えた発電プラントに用いられる給水加熱システムであって、
前記ボイラに供給される前記給水を加熱する給水加熱用ボイラと、
前記給水加熱用ボイラで発生した蒸気を加熱用蒸気として2以上の前記給水加熱器に対してそれぞれ供給可能とする2以上の給水加熱用蒸気配管と、
前記発電プラントの負荷に応じて、前記加熱用蒸気を流通させる前記給水加熱用蒸気配管を選択する制御部と、
を備えている給水加熱システム。
【請求項2】
前記給水加熱器は、高圧側に設けられた高圧側給水加熱器と、該高圧側給水加熱器よりも低圧側に設けられた第1低圧側給水加熱器と、を備え、
前記給水加熱用蒸気配管は、前記高圧側給水加熱器に接続された高圧側給水加熱用蒸気配管を備え、
前記第1低圧側給水加熱器と前記蒸気タービンとを接続する抽気配管と、
前記抽気配管に設けられた抽気弁と、
を備え、
前記制御部は、前記発電プラントが所定値以上の高負荷とされた場合に、前記高圧側給水加熱用蒸気配管を選択し、かつ、前記発電プラントが前記高負荷よりも低い第1低負荷とされた場合に、前記高圧側給水加熱器に接続された前記給水加熱用蒸気配管を選択するとともに、前記抽気弁を開状態から閉状態とする請求項1に記載の給水加熱システム。
【請求項3】
前記給水加熱器は、高圧側に設けられた高圧側給水加熱器と、前記高圧側給水加熱器よりも低圧側に設けられた第2低圧側給水加熱器と、を備え、
前記給水加熱用蒸気配管は、前記高圧側給水加熱器に接続された高圧側給水加熱用蒸気配管と、前記第2低圧側給水加熱器に接続された低圧側給水加熱用蒸気配管と、を備え、
前記制御部は、前記発電プラントが所定値以上の高負荷とされた場合に、前記高圧側給水加熱用蒸気配管を選択し、かつ、前記発電プラントが前記高負荷よりも低い第2低負荷とされた場合に、前記高圧側給水加熱用蒸気配管に加えて、前記低圧側給水加熱用蒸気配管を選択する請求項1又は2に記載の給水加熱システム。
【請求項4】
前記給水を脱気する脱気器と、
前記給水加熱用ボイラで発生した蒸気を前記脱気器へ導く脱気器側加熱用蒸気配管と、
を備えている請求項1から3のいずれかに記載の給水加熱システム。
【請求項5】
前記脱気器側加熱用蒸気配管に設けられた脱気器側制御弁を備え、
前記制御部は、前記給水加熱用蒸気配管が接続された前記給水加熱器の圧力、又は、前記給水加熱用蒸気配管が接続された前記給水加熱器の出口における給水温度に基づいて、前記脱気器側制御弁の開度を制御する請求項4に記載の給水加熱システム。
【請求項6】
前記給水加熱用蒸気配管内を流通する前記加熱用蒸気を冷却する減温器を備えている請求項1から5のいずれかに記載の給水加熱システム。
【請求項7】
前記給水加熱用ボイラは、バイオマス燃料を主燃料として用いるバイオマスボイラとされている請求項1から6のいずれかに記載の給水加熱システム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の給水加熱システムを備えている発電プラント。
【請求項9】
ボイラと、
前記ボイラにて生成された蒸気によって駆動される蒸気タービンと、
前記蒸気タービンによって駆動される発電機と、
前記蒸気タービンの複数位置から抽気された抽気蒸気によって前記ボイラへ供給される給水を加熱する複数の給水加熱器と、
を備えた発電プラントに用いられる給水加熱システムの運転方法であって、
前記給水加熱システムは、前記ボイラに供給される前記給水を加熱して利用可能な蒸気を発生させる給水加熱用ボイラと、
前記給水加熱用ボイラで発生した蒸気を加熱用蒸気として2以上の前記給水加熱器に対してそれぞれ供給可能とする2以上の給水加熱用蒸気配管と、
を備え、
前記発電プラントの負荷に応じて、前記加熱用蒸気を流通させる前記給水加熱用蒸気配管を選択する給水加熱システムの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給水加熱システム及びこれを備えた発電プラント並びに給水加熱システムの運転方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
石炭焚きボイラなどの大型のボイラは、中空形状をなして鉛直方向に設置される火炉を有し、この火炉壁に複数の燃焼バーナが火炉の周方向に沿って配設されている。また、石炭焚きボイラは、火炉の鉛直方向上方に煙道が連結されており、この煙道に蒸気を生成するための熱交換器が配置されている。そして、燃焼バーナが火炉内に燃料と空気(酸化性ガス)との混合気を噴射することで火炎が形成され、燃焼ガスが生成されて煙道に流れる。燃焼ガスが流れる領域に熱交換器が設置され、熱交換器を構成する伝熱管内を流れる水や蒸気を加熱して過熱蒸気が生成される。
【0003】
上記のようなボイラを備えた発電プラントでは、ボイラで生成された過熱蒸気が蒸気タービンへと送られ、蒸気タービンが回転駆動する。蒸気タービンで得られた回転駆動力は、発電機へと伝達されて、発電機にて発電が行われる。
【0004】
特許文献1には、発電プラントと追設の給水加熱用ボイラ(バイオマスボイラ)を備え、給水加熱用ボイラの蒸気(外部蒸気)を既設発電プラントの給水系統のエコノマイザ入口に設けた独立熱交換器に供給して給水を加熱する構成が開示されている。
特許文献2には、外部蒸気の熱量が変動した際に給水加熱器で回収する蒸気量を制御する発明が開示されている。
特許文献3には、エコノマイザ入口給水温度または給水圧力が一定となるように外部蒸気の蒸気量を制御する発明が開示されている。
特許文献4には、外部蒸気を低圧給水加熱器へ供給し、低圧給水器内の器内圧力を制御する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6224858号公報
【特許文献2】特許第6419888公報
【特許文献3】特許第6342539号公報
【特許文献4】特開2004−190546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各上記特許文献に記載された公知技術では、外部蒸気を用いて発電プラントのボイラ給水を加熱することが開示されているものの、発電プラントは一定の所定負荷(所定発電量)で運転されることを前提としている。しかし、発電プラントは、定格負荷(定格発電量)から最低負荷までのような幅広い負荷範囲で運転させるものであり、このような幅広い負荷範囲に対して、バイオマス燃料を用いて蒸気を発生するバイオマスボイラ等の給水加熱用ボイラで発生した外部蒸気を効率的に活用するにあたり、どのように利用するかということまでは検討されていない。
【0007】
発電プラントが部分負荷で運転されている際には、給水加熱用ボイラで発生した外部蒸気を給水加熱器に供給せずに熱回収しないという運用が考えられる。あるいは、部分負荷でも給水加熱器で回収できる程度の外部蒸気の熱量に給水加熱用ボイラの運転を制限するという運用が考えられる。
【0008】
しかし、このような運用は、給水加熱用ボイラの外部蒸気の有効利用が制限されるという点で問題がある。そこで、幅広い負荷範囲に対応して運用される発電プラントにおいても無駄なく外部蒸気を給水加熱器にて熱回収できるような運用が望まれている。
【0009】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、発電プラントの幅広い負荷範囲にわたって、給水加熱用ボイラで発生した蒸気を有効に利用することができる給水加熱システム及びこれを備えた発電プラント並びに給水加熱システムの運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様に係る給水加熱システムは、ボイラと、前記ボイラにて生成された蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記蒸気タービンによって駆動される発電機と、前記蒸気タービンの複数位置から抽気された抽気蒸気によって前記ボイラへ供給される給水を加熱する複数の給水加熱器と、を備えた発電プラントに用いられる給水加熱システムであって、前記ボイラに供給される前記給水を加熱する給水加熱用ボイラと、前記給水加熱用ボイラで発生した蒸気を加熱用蒸気として2以上の前記給水加熱器に対してそれぞれ供給可能とする2以上の給水加熱用蒸気配管と、前記発電プラントの負荷に応じて、前記加熱用蒸気を流通させる前記給水加熱用蒸気配管を選択する制御部と、を備えている。
【0011】
本開示の一態様に係る給水加熱システムの運転方法は、ボイラと、前記ボイラにて生成された蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記蒸気タービンによって駆動される発電機と、前記蒸気タービンの複数位置から抽気された抽気蒸気によって前記ボイラへ供給される給水を加熱する複数の給水加熱器と、を備えた発電プラントに用いられる給水加熱システムの運転方法であって、前記給水加熱システムは、前記ボイラに供給される前記給水を加熱する給水加熱用ボイラと、前記給水加熱用ボイラで発生した蒸気を加熱用蒸気として2以上の前記給水加熱器に対してそれぞれ供給可能とする2以上の給水加熱用蒸気配管と、を備え、前記発電プラントの負荷に応じて、前記加熱用蒸気を流通させる前記給水加熱用蒸気配管を選択する。
【発明の効果】
【0012】
発電プラントの幅広い負荷範囲にわたって、給水加熱用ボイラで発生した蒸気を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本開示の発電プラントの第1実施形態を示し、100%負荷時の状態を示した概略構成図である。
【図2】図1に対応し、50%負荷時の状態を示した概略構成図である。
【図3】図1に対応し、30%負荷時の状態を示した概略構成図である。
【図4】本開示の発電プラントの第2実施形態を示し、100%負荷時の状態を示した概略構成図である。
【図5】図4の脱気器側制御弁の制御を示した概略構成図である。
【図6】図5の変形例を示した概略構成図である。
【図7】図1に対して減温器を設けた発電プラントを示した概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本開示に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1には、第1実施形態に係る発電プラント1が示されている。発電プラント1は、ボイラ3と、蒸気タービン5と、バイオマスボイラ(給水加熱用ボイラ)7とを備えている。なお、本実施形態では、バイオマス燃料を燃焼するバイオマスボイラ7を用いた例を示しているが、バイオマスボイラに限定するものでなく、給水を加熱して所定の蒸気を発生させるものであれば、燃焼する燃料や熱源を限定するものではない。
【0015】
ボイラ3は、ボイラ本体3aの火炉内に例えば石炭や油等の化石燃料を用いて火炎を形成するバーナ(図示せず)を備えている。火炉を形成する炉壁は伝熱管とフィンによって構成された水冷壁とされており、水冷壁で加熱された水は蒸気ドラムへと導かれる。水冷壁(図示せず)の鉛直下方側には水ドラムが設けられている。なお、本実施形態では、ドラムを有する亜臨界圧ボイラを例としているが、ドラムを有さない超臨界圧ボイラにも適用することができる。
【0016】
バーナの火炎によって発生する燃焼排ガスは、火炉の鉛直上方側へと流れ、過熱器13へと導かれる。過熱器13の燃焼排ガス流れ下流側には、再熱器17とエコノマイザ(節炭器)18とがこの順番で設けられている。
【0017】
エコノマイザ18には、給水(水)を供給するための給水配管24が接続されている。給水配管24を通る給水は、後述するように、バイオマスボイラ7で発生した蒸気によって加熱された後にエコノマイザ18へと供給される。なお、エコノマイザ18へ供給する給水は可能な限り高い給水温度を実現しつつ、エコノマイザ18で加熱した後の水(給水)が飽和温度を超えて蒸気化(スチーミング)しないように制御することが好ましい。
【0018】
エコノマイザ18を通過した燃焼排ガス流れ下流側には、ボイラ本体3aに接続された排ガスダクトが設けられている。排ガスダクトの途中位置には、燃焼ガス中のNOxを除去する脱硝装置(図示せず)が設けられている。脱硝装置を通過した燃焼排ガスは、例えば、空気予熱器(図示せず)で熱交換され、また燃焼ガス中のSOxを除去するために脱硫装置(図示せず)にてSOx等を除去された後に、更に下流側では図示しない煤塵処理装置、誘引通風機(IDF:Induced Draft Fan)などが必要に応じて設けられており、排ガスダクトの下流端部の煙突から大気へと排出される。
【0019】
過熱器13を出た過熱蒸気は、図1に示すように、主蒸気配管32を通り蒸気タービン5へと導かれる。蒸気タービン5は、本実施形態では、例えば、高圧タービン34と中圧タービン35と低圧タービン36とを備えている。これらタービン34,35,36にて発生した回転動力によって発電機(図示せず)が回転駆動され、発電が行われる。
【0020】
主蒸気配管32は、高圧タービン34の入口に接続されている。高圧タービン34の排気側には、高圧タービン出口配管38が接続されている。高圧タービン出口配管38の下流端は再熱器17に接続されており、高圧タービン34で所定の膨張を行ってタービンを回転駆動させる仕事を終えた蒸気が再熱器17へと導かれるようになっている。
【0021】
再熱器17の蒸気出口側と中圧タービン35との間には、再熱蒸気を中圧タービン35に供給する再熱蒸気供給配管40が設けられている。
【0022】
中圧タービン35の排気側には、中圧タービン出口配管42が接続されている。中圧タービン出口配管42の下流端は低圧タービン36の入口に接続されており、中圧タービン35で所定の膨張を行ってタービンを回転駆動させる仕事を終えた蒸気が低圧タービン36へと導かれるようになっている。
【0023】
低圧タービン36の排気側には、低圧タービン出口配管44が接続されている。低圧タービン出口配管44の下流端は復水器46に接続されている。復水器46では、図示しない冷却水によって蒸気が真空下で冷却され凝縮液化する。復水器46にて液化した復水は給水となって、復水ポンプ48によって低圧給水加熱器50へと導かれる。
【0024】
本実施形態では、例えば、4つの低圧給水加熱器50が給水流れの上流側から順に、第4低圧給水加熱器50d、第3低圧給水加熱器50c、第2低圧給水加熱器50b及び第1低圧給水加熱器50aが直列に設けられている。それぞれの低圧給水加熱器50では、低圧タービン36から低圧抽気蒸気配管52a,52b,52c,52dを介して導かれた低圧蒸気によって復水器46から導かれた給水が加熱される。
【0025】
第1低圧給水加熱器50aにて加熱された給水は、脱気器53へ導かれる。脱気器53では、中圧タービン35から脱気用抽気配管53aを介して抽気された中圧蒸気を用いて給水から気相分(空気、特に酸素)が除去されて、所定の水質が安定して確保される。
【0026】
脱気器53にて脱気された給水は、給水ポンプ51を通り高圧給水加熱器54へと導かれる。本実施形態では、例えば、3つの高圧給水加熱器54が給水流れの下流側から順に第1高圧給水加熱器54a、第2高圧給水加熱器54b(第1高圧給水加熱器54aよりも低圧側となる第1低圧側給水加熱器)、第3高圧給水加熱器54c(第2高圧給水加熱器54bよりも低圧側となる第2低圧側給水加熱器)が設けられている。第3高圧給水加熱器54cでは、中圧タービン35から第3高圧抽気配管55cを介して抽気された中圧タービン抽気蒸気によって給水が加熱される。第3高圧抽気配管55cには、制御部30によって開度が制御される第3高圧抽気弁56cが設けられている。第3高圧抽気弁56cの抽気蒸気流れの下流側には、第3高圧逆止弁57cが設けられている。第3高圧逆止弁57cは、第3高圧給水加熱器54cへ向かう抽気蒸気流れを許容し、その逆方向の流れを制限する。
【0027】
第3高圧給水加熱器54c(第2低圧側給水加熱器)によって加熱された給水は、給水流れの順に、第2高圧給水加熱器54b(第1低圧側給水加熱器)及び第1高圧給水加熱器54aへと導かれる。
【0028】
第2高圧給水加熱器54bに導かれる高圧蒸気は、第2高圧抽気配管55bを介して導かれる。第2高圧抽気配管55bには、制御部30によって開度が制御される第2高圧抽気弁56bが設けられている。第2高圧抽気弁56bの抽気蒸気流れの下流側には、第2高圧逆止弁57bが設けられている。第2高圧逆止弁57bは、第2高圧給水加熱器54bへ向かう抽気蒸気流れを許容し、その逆方向の流れを制限する。
【0029】
第1高圧給水加熱器54aに導かれる高圧蒸気は、第1高圧抽気配管55aを介して導かれる。第1高圧抽気配管55aには、制御部30によって開度が制御される第1高圧抽気弁56aが設けられている。第1高圧抽気弁56aの抽気蒸気流れの下流側には、第1高圧逆止弁57aが設けられている。第1高圧逆止弁57aは、第1高圧給水加熱器54aへ向かう抽気蒸気流れを許容し、その逆方向の流れを制限する。
【0030】
本実施形態では、第1高圧抽気配管55aは、第2高圧抽気配管55bよりも高圧タービン34の上流側(高圧側)に接続されているので、第1高圧抽気配管55aによって導かれる高圧蒸気の圧力は、第2高圧抽気配管55bによって導かれる高圧蒸気の圧力よりも高くされている。また、第2高圧抽気配管55bによって導かれる高圧蒸気の圧力は、第3高圧抽気配管55cによって導かれる高圧蒸気の圧力よりも高くされている。したがって、高圧給水加熱器54の圧力は、第3高圧給水加熱器54c、第2高圧給水加熱器54b、第1高圧給水加熱器54aの順に高くなる。
【0031】
高圧給水加熱器54にて加熱に用いられた後の蒸気はドレン水となり、ドレン水系統(図示せず)を介して、順次低圧段の高圧給水加熱器54へと送られ、最終的には脱気器53にて回収される。また、低圧給水加熱器50にて加熱に用いられた後の蒸気はドレン水となり、ドレン水系統(図示せず)を介して、順次低圧段の低圧給水加熱器50へと送られ、最終的にはドレンポンプ(図示せず)を介して復水管に回収される。
【0032】
第1高圧給水加熱器54aにて加熱された後の給水は、給水配管24を通り、エコノマイザ18へと導かれる。
【0033】
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
【0034】
<給水加熱システム>
次に、上述した発電プラント1に設けられる給水加熱システム6について説明する。
給水加熱システム6は、上述の給水加熱器50,54に加えて、バイオマスボイラ7を主として備えている。
【0035】
バイオマスボイラ7には、バイオマスボイラ給水配管60が設けられている。本実施形態ではバイオマスボイラ給水配管60の上流端は、給水ポンプ51の下流側と第3高圧給水加熱器54cとの間の給水配管24に接続されている。また、バイオマスボイラ7の蒸気発生能力に応じて、第3高圧給水加熱器54cと第2高圧給水加熱器54bとの間に接続してもよい。バイオマスボイラ給水配管60には、適宜、開閉弁や流量調整弁等を設けても良い。バイオマスボイラ給水配管60によって、給水ポンプ51から吐出された給水の一部がバイオマスボイラ7へと導かれる。
【0036】
バイオマスボイラ7は、バイオマス燃料を燃焼させることによって給水を加熱して蒸気を発生する。本実施形態におけるバイオマスボイラ7の蒸発量は、例えばボイラ3の30%以下、好ましくは20%以下とされている。バイオマスボイラ7の出力となる蒸気量は、制御部30によって制御される。具体的には、バイオマスボイラ7に投入するバイオマス燃料の供給量、燃焼用空気の流量、発生した蒸気の供給量等が制御部30によって制御される。
【0037】
バイオマスボイラ7で発生した蒸気は、ボイラ3へ供給される給水を加熱する加熱用蒸気として給水加熱用蒸気配管62から出力される。給水加熱用蒸気配管62は、高圧側となる第1給水加熱用蒸気配管62aと低圧側となる第2給水加熱用蒸気配管62bとに分岐される。バイオマスボイラ7で発生した加熱用蒸気は、ボイラ3の外部で生成された外部蒸気であり、以降は単に「外部蒸気」と記載する。
【0038】
第1給水加熱用蒸気配管62aの下流端は、第1高圧抽気配管55aに接続されている。第1給水加熱用蒸気配管62aには、制御部30によって開度が制御される第1制御弁63aが設けられている。
【0039】
第2給水加熱用蒸気配管62bの下流端は、第3高圧抽気配管55cに接続されている。第2給水加熱用蒸気配管62bには、制御部30によって開度が制御される第2制御弁63bが設けられている。
【0040】
一般に、高圧給水加熱器54の方が低圧給水加熱器50よりもタービン抽気蒸気のエネルギー量が多く、熱交換量は大きく設計されている。したがって、本実施形態のように、バイオマスボイラ7で発生した蒸気エネルギーを有効利用するために、バイオマスボイラ7で発生した外部蒸気は高圧給水加熱器54の高圧抽気配管55a,55cへ供給することが好ましい。
【0041】
上記構成の給水加熱システム6を備えた発電プラント1は、以下のように動作する。
ボイラ3の過熱器13にて生成された過熱蒸気は、蒸気タービン5の高圧タービン34へと導かれ、高圧タービン34を回転駆動させた後に、再熱器17へと導かれる。再熱器17へと導かれた蒸気はボイラ3によって再加熱され、再熱蒸気として中圧タービン35へと導かれる。再熱蒸気は、中圧タービン35を回転駆動させた後に、低圧タービン36へと導かれて低圧タービン36を回転駆動させる。このように得た回転動力によって発電機37が回転駆動され、発電が行われる。
【0042】
低圧タービン36にて所定の膨張を行ってタービンを回転駆動させる仕事を終えた蒸気は復水器46にて復水となり、給水として低圧給水加熱器50、脱気器53、高圧給水加熱器54を順次通過することによって加熱される。その後、給水は、ボイラ3のエコノマイザ18に供給される。
【0043】
発電プラント1の負荷(定格負荷に対する割合)に応じた運転について説明する。
発電プラント1の負荷は、例えば電源系統内の需給電力量を調整する上位側の制御システム又はオペレータによって制御部30へ入力される。
【0044】
バイオマスボイラ7は、例えばバイオマスボイラ7の定格蒸発量のような一定量の蒸気を発生する所定の負荷で運転されている。
各抽気弁56a,56b,56c及び各制御弁63a,63bの状態は、表1の通りである。なお、表1では、一例として発電プラントの100%負荷、75%負荷、50%負荷、30%負荷のそれぞれについて示してある。なお、各図において、黒塗りで示した弁は閉状態を示し、白抜きで示した弁は開状態を示している。
【0045】
【表1】
【0046】
<100%負荷>
発電プラント1が100%負荷(定格負荷)のときは、第1高圧抽気弁56aは全閉とされ、第1制御弁63aは調整開とされる。第2高圧抽気弁56bは全開、第3高圧抽気弁56cは全開、第2制御弁63bは全閉とされる。
【0047】
バイオマスボイラ7で発生した外部蒸気(加熱用蒸気)は、給水加熱用蒸気配管62及び第1給水加熱用蒸気配管62aを通り、第1高圧抽気配管55aへと導かれる。第1制御弁63aは、例えば所望の圧力となるように開状態(調整開)とされた後、開度一定とされている。
第1高圧抽気弁56aは全閉とされているので、高圧タービン34から蒸気が抽気されることはなく、抽気蒸気を節約するようになっている。また、第1高圧抽気弁56aを全閉とすることによって、第1高圧逆止弁57aのチャタリングを防止することができる。
【0048】
一方、第2制御弁63bは全閉とされている。したがって、第2給水加熱用蒸気配管62bから第3高圧抽気配管55cへはバイオマスボイラ7で発生した外部蒸気は供給されていない。これにより、バイオマスボイラ7で発生した蒸気の全量を第1高圧給水加熱器54aへと供給する。
【0049】
<75%負荷>
発電プラント1が75%負荷のときは、100%負荷と同様の運用となる。バイオマスボイラ7で発生する外部蒸気の蒸気条件も、100%負荷時と同様とされている。これにより、給水温度を低下させずに発電プラント1の発電効率の低下を抑制することができる。一方、給水加熱用の外部蒸気を使用しない従来の発電プラントの運転では、発電プラント1の負荷低下によってタービン抽気圧力が低下するため、第1高圧給水加熱器54aの出口給水温度(すなわちエコノマイザ18の入口給水温度)も低下し、発電効率の低下要因となっていた。
【0050】
<50%負荷>
図2に、発電プラント1が50%負荷(第1低負荷)とされたときの運転方法が示されている。
発電プラント1が50%のときも、バイオマスボイラ7で発生する外部蒸気の蒸気条件は100%負荷時と同様とされている。
【0051】
発電プラント1が50%負荷のときは、第1高圧抽気弁56aは全閉とされ、第1制御弁63aは調整開とされる。第3高圧抽気弁56cは全開、第2制御弁63bは全閉とされる。ただし、第2高圧抽気弁56bは、100%負荷時及び75%負荷時と異なり、全閉とされる。
【0052】
発電プラント1の50%負荷時は、負荷減少による給水流量の減少に伴い、第1高圧給水加熱器54aで外部蒸気を全量回収すると、第1高圧給水加熱器54aの出口給水温度が上昇しすぎて制限値を超過するおそれがある。制限値を超過すると、エコノマイザ18で給水が蒸発してしまうスチーミングが発生してしまう。そこで、第1高圧給水加熱器54aの入口給水温度を下げるために、第2高圧抽気弁56bを全閉として、高圧タービン34から第2高圧給水加熱器54bへの抽気を停止することとしている。
【0053】
<30%負荷>
図3に、発電プラント1が30%負荷(第2低負荷)とされたときの運転方法が示されている。
発電プラント1が30%負荷のときも、バイオマスボイラ7で発生する外部蒸気の蒸気条件は100%負荷時と同様とされている。
【0054】
発電プラント1が30%負荷のときは、第1高圧抽気弁56aは全閉とされ、第1制御弁63aは調整開とされる。第2高圧抽気弁56bは全閉とされる。ただし、50%負荷時と異なり、第3高圧抽気弁56cは全閉とされ、第2制御弁63bは調整開とされる。
【0055】
発電プラント1の30%負荷時は、50%負荷時に比べて発電プラント1の給水流量が減少するため、さらに、第1高圧給水加熱器54aの出口給水温度をエコノマイザ18でスチーミングを生じない制限値以内に抑える必要がある。そこで、第3高圧抽気弁56cを全閉とすることによって、中圧タービン35から第3高圧給水加熱器54cへの抽気を停止とした。
仮に、バイオマスボイラ7で発生した外部蒸気を第1高圧給水加熱器54aに全量回収すると、第1高圧給水加熱器54aでの給水温度の上昇値が制限値を超過して第1高圧給水加熱器54aを損傷させてしまうおそれがある。そこで、第2制御弁63bを調整開とすることによって、バイオマスボイラ7で発生した外部蒸気を第3高圧給水加熱器54cにも分配して供給することで、給水加熱器1台あたりの給水温度の上昇値を低下させることとした。第2制御弁63bの弁開度は、例えば所望の圧力となるように開状態(調整開)とされた後、開度一定とされる。
【0056】
以上説明した本実施形態の作用効果は以下の通りである。
発電プラント1の負荷に応じて、バイオマスボイラ7で発生した外部蒸気を流通させる給水加熱用蒸気配管62a,62bを選択することした。これにより、発電プラント1の負荷に対して必要な給水加熱量に応じて、外部蒸気を高圧給水加熱器54に対して適切な量だけ供給することができる。これにより、バイオマスボイラ7で発生した外部蒸気を可及的に多く使用することができ、これに応じて蒸気タービン5から抽気する抽気蒸気を低減することができる。そして、抽気蒸気を低減することで、ボイラ3に供給する燃料(例えば石炭等の化石燃料)の使用量やボイラ3での燃料の燃焼により発生する二酸化炭素の発生量を低減することができる。
よって、発電プラント1の幅広い負荷範囲にわたって、バイオマスボイラ7で発生した蒸気を有効に利用することができる。
【0057】
発電プラント1が100%負荷や75%負荷といったような高負荷とされた場合には、第1高圧給水加熱器54aに接続された第1給水加熱用蒸気配管62aを選択して、バイオマスボイラ7で発生した高圧で高温の外部蒸気を効果的に給水の加熱に使用する。
発電プラント1が50%負荷とされた場合には、負荷減少による給水流量の減少に伴い、第1高圧給水加熱器54aには高負荷時ほどの加熱量は要しない。このときには第2高圧抽気弁56bを全閉として高圧タービン34からの抽気を停止し、第2高圧給水加熱器54bにおける給水の加熱を停止する。これにより、第1高圧給水加熱器54aに供給する外部蒸気の必要量が増えるので、バイオマスボイラ7で発生した外部蒸気を無駄なく使用することができる。
また、エコノマイザ18へ供給する給水は可能な限り高い給水温度を実現しつつ、第1高圧給水加熱器54aの出口給水温度の過剰な上昇を回避することで、エコノマイザ18におけるスチーミングを防止することができる。
【0058】
発電プラントが30%負荷とされた場合には、第1高圧給水加熱器54aには高負荷時ほどの加熱量は要しないので、第3高圧給水加熱器54cに接続された第2給水加熱用蒸気配管62bをさらに選択する。これにより、バイオマスボイラ7で発生した外部蒸気を複数の給水加熱器54a,54cに分配することで外部蒸気を無駄なく使用することができる。
また、バイオマスボイラ7で発生した外部蒸気を第3高圧給水加熱器54cにも分配して供給することで、給水加熱器1台あたりの給水温度上昇値を低下させて、給水加熱器の仕様温度を上回ることを防止して損傷を防止することができる。
【0059】
以上のように給水加熱用蒸気配管62a,62bを選択する一方で高圧抽気弁56a,56b,56cの開閉を行うことで、発電プラント1の負荷によらず、バイオマスボイラ7の負荷を一定にして運転することができ、効率の良いバイオマスボイラ7の運転が可能となる。
【0060】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について、図4を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態に対して、脱気器53へ外部蒸気を導く脱気器側加熱用蒸気配管70が設けられている点で相違する。それ以外は第1実施形態と同様なので、その説明は省略する。なお、発電プラント1の100%負荷、75%負荷、50%負荷、30%負荷における各抽気弁56a,56b,56c及び各制御弁63a,63bの状態についても第1実施形態と同様である。
【0061】
図4に示されているように、第2給水加熱用蒸気配管62bから分岐するように脱気器側加熱用蒸気配管70が設けられている。脱気器側加熱用蒸気配管70の下流端は、脱気器53に接続されている。脱気器側加熱用蒸気配管70には、脱気器側制御弁70aが設けられている。脱気器側制御弁70aは、制御部30によって所望の開度に制御される。
【0062】
一般に、給水加熱器50,54は、給水側の伝熱量(受熱量)と抽気蒸気側の伝熱量(放熱量)とが常にバランスする運転特性がある。すなわち、抽気蒸気流量は、給水との伝熱量がバランスする流量となるように蒸気タービン5から抽気されて各給水加熱器50,54に供給される。より具体的には、蒸気タービン5を流通する蒸気のうち、各給水加熱器50,54に必要な蒸気量が常に蒸気タービン5から抽気されて各給水加熱器50,54へ供給される。
【0063】
一方、バイオマスボイラ7で発生した蒸気の全量が、外部蒸気として第1高圧給水加熱器54a及び第3高圧給水加熱器54cへ供給されるため、バイオマスボイラ7から外部蒸気を給水加熱器50,54に供給しない場合に比べて、発電プラント1の負荷に対する各給水加熱器50,54の状態によって必要な加熱蒸気量をバランスさせることが難しい。
【0064】
そこで、負荷に応じて変動する給水加熱器50,54に対応できるように(例えば給水加熱器50,54での給水温度の上昇値が制限値を超過しないように)、バイオマスボイラ7で発生した外部蒸気の供給先を制御することとした。
【0065】
本実施形態では、バイオマスボイラ7で発生した外部蒸気のうち加熱量がバランスする必要な蒸気量を第1高圧給水加熱器54a及び/又は第3高圧給水加熱器54cの加熱用蒸気として回収し、余剰となった蒸気は脱気器53へ排出して流量調整することとした。これにより、バイオマスボイラ7の負荷(蒸気発生量)を一定とすることができ、効率よくバイオマスボイラ7を運転することができる。
【0066】
なお、バイオマスボイラ7で発生した外部蒸気を各高圧抽気配管55a,55cに設けた制御弁にて蒸気量を制御する方法もある。しかし、複数の高圧給水加熱器54への蒸気分配を想定しているため、複数の制御弁の動作が干渉することで蒸気流量の制御が不安定となることを避けるために、余剰となる蒸気量を脱気器53へ排出制御する方が好ましい。
【0067】
図5に示すように、脱気器側制御弁70aは、第3高圧給水加熱器54cの胴側の流体(加熱側流体)の圧力に基づいて制御される。第3高圧給水加熱器54cの胴側圧力は、第3高圧抽気配管55cに設置した圧力センサ72によって計測する。圧力センサ72は、第3高圧抽気弁56cよりも第3高圧給水加熱器54c側に設置されている。圧力センサ72の出力は、制御部30へと送信される。
【0068】
バイオマスボイラ7で発生した外部蒸気の流量が給水加熱に必要な蒸気流量よりも大きくなった場合、第1高圧給水加熱器54a及び第3高圧給水加熱器54cで回収する蒸気が余剰となり、第3高圧給水加熱器54cの胴側圧力が回収する蒸気が余剰でない場合よりも上昇する。この圧力変動を圧力センサ72で計測し、制御部30にて蒸気アンバランスの先行信号と捉え、脱気器側制御弁70aの開度を開とするよう制御する。これにより、第1高圧給水加熱器54a及び第3高圧給水加熱器54cにおいて蒸気流量がバランスする。
【0069】
なお、脱気器側加熱用蒸気配管70を第1給水加熱用蒸気配管62aに設け、第1高圧給水加熱器54aの胴側の流体(加熱側流体)の圧力を計測して制御するようにしても良い。
【0070】
図5の構成に代えて、図6に示すように、第1高圧給水加熱器54aの出口給水温度を計測する温度センサ74に基づいて脱気器側制御弁70aを制御しても良い。同図では、脱気器側加熱用蒸気配管70は、第1給水加熱用蒸気配管62aに接続されている。
温度センサ74は、第1高圧給水加熱器54aの出口側の給水配管24に設置されている。温度センサ74の出力は、制御部30へと送信される。
第1高圧給水加熱器54aで回収する蒸気が余剰となり、第1高圧給水加熱器54aの胴側圧力が上昇すると、第1高圧給水加熱器54aの出口給水温度も上昇する。この温度変動を制御部30が蒸気アンバランスの先行信号と捉え、脱気器側制御弁70aの開度を開とするよう制御する。これにより、第1高圧給水加熱器54a及び第3高圧給水加熱器54cにおいて蒸気流量がバランスする。
【0071】
なお、脱気器側加熱用蒸気配管70を第2給水加熱用蒸気配管62bに設け、第3高圧給水加熱器54cの出口給水温度を計測して制御するようにしても良い。
【0072】
上述した各実施形態では、タービン抽気系統の抽気流量が減少する場合に高圧逆止弁57a,57b,57cのチャタリング防止のため高圧抽気弁56a,56b,56cを全閉とした。しかし、チャタリングしない抽気流量で運転可能であれば、抽気を完全停止せずに高圧抽気弁56a,56b,56cを開としても良い。
【0073】
上述した各実施形態では、制御部30に与えられた発電プラント1の負荷設定値を条件として負荷条件ごとに運転状態を切り替えることとした。本実施形態では発電プラント1の100%負荷、75%負荷、50%負荷、30%負荷における例を示したが、運転状態を切り替えはこの負荷の割合値に限定されることはなく、任意に設定してもよい。これに代えて、第1高圧給水加熱器54aの入口および出口に温度計を設け、第1高圧給水加熱器54aの出口給水温度や、第1高圧給水加熱器54aでの給水温度上昇値(第1高圧給水加熱器54aの出口温度−入口温度)を条件に、負荷の割合値を推定して運転状態を切り替える制御としてもよい。
【0074】
発電プラント1の定格運転時(100%負荷運転時)に第1高圧給水加熱器54aへバイオマスボイラ7で発生した外部蒸気の全量を供給することとした。しかし、バイオマスボイラ7で発生した外部蒸気の蒸気条件や適用プラントの条件に応じて、他の給水加熱器や、複数台の給水加熱器へ加熱用の外部蒸気を供給してもよい。
また、発電プラント1の部分負荷時の加熱用の外部蒸気の供給先についても、全てを高圧給水加熱器54に限定するものではなく、一部を低圧給水加熱器50や、加熱用の外部蒸気を熱源として利用可能なその他の機器へ供給してもよい。
【0075】
発電プラント1の抽気配管55a,55b,55cの設計温度を考慮して、第1高圧抽気配管55a、第3高圧抽気配管55cに外部蒸気を供給する構成とした。しかし、他の給水加熱器へ蒸気を供給しても良い。
【0076】
図7に示すように、温度条件によっては、バイオマスボイラ7で発生した外部蒸気を減温器65により減温して各高圧抽気配管55a,55cに供給しても良い。減温器65に供給する流体としては、例えば給水ポンプ51から導かれた給水を用いることができる。加熱用の外部蒸気の給水加熱用蒸気配管62の途中に減温器65を設けることで、高圧抽気配管55a,55cの設計温度を超過することなく、外部蒸気の温度を調整することが可能となる。なお、減温器65は、図4に示した第2実施形態に対しても採用することができる。
【0077】
第1高圧給水加熱器54a及び第3高圧給水加熱器54cに供給された外部蒸気のドレンは、発電プラント1の脱気器53に回収する。このため、既存の発電プラントに対して給水加熱システム6を追設する場合には、バイオマスボイラ7の給水系統(薬注装置等のボイラ水処理系統)および復水系統を既設発電プラントの給水・復水系統の一部を兼用することが可能となり、追設が必要となる系統を簡略化することができる。
【0078】
第1高圧給水加熱器54a及び第3高圧給水加熱器54cに供給する加熱用の外部蒸気の供給流量は、予めシミュレーションにて外部蒸気の圧力もしくは各給水加熱器50,54の出口給水温度に応じて計画流量を設定しておくことで、バイオマスボイラ7から供給される外部蒸気の流量を適切に設定しておくこととしても良い。
【0079】
上述した各実施形態では、給水を加熱する追加的な蒸気発生装置としてバイオマスボイラ7を用いることとしたが、必ずしも燃料にバイオマスを用いなくてもよい。燃料としては例えばゴミや燃焼可能な廃棄物や化石燃料などを用いることができる。また、外部蒸気として、工場排熱等を熱源とする蒸気発生装置や地域共用熱源等の外部から供給される蒸気を使用することができる。
【0080】
以上説明した各実施形態に記載の給水加熱システム及びこれを備えた発電プラント並びに給水加熱システムの運転方法は、例えば以下のように把握される。
【0081】
本開示の一形態に係る給水加熱システム(6)は、ボイラ(3)と、前記ボイラ(3)にて生成された蒸気によって駆動される蒸気タービン(5)と、前記蒸気タービン(5)によって駆動される発電機と、前記蒸気タービン(5)の複数位置から抽気された抽気蒸気によって前記ボイラ(3)へ供給される給水を加熱する複数の給水加熱器(50,54)と、を備えた発電プラント(1)に用いられる給水加熱システム(6)であって、前記ボイラ(3)に供給される前記給水の一部を加熱する給水加熱用ボイラ(7)と、前記給水加熱用ボイラ(7)で発生した蒸気を加熱用蒸気として2以上の前記給水加熱器(54a,54c)に対してそれぞれ供給可能とする2以上の給水加熱用蒸気配管(62a,62b)と、前記発電プラント(1)の負荷に応じて、前記加熱用蒸気を流通させる前記給水加熱用蒸気配管(62a,62b)を選択する制御部(30)と、を備えている。
【0082】
給水加熱用ボイラで発生した蒸気は、給水加熱器で給水を加熱する加熱用蒸気(外部蒸気)として用いられる。加熱用蒸気は2以上の給水加熱用蒸気配管を介して、2以上の給水加熱器に接続されている。発電プラントの負荷に応じて、加熱用蒸気を流通させる給水加熱用蒸気配管を選択することした。これにより、発電プラントの負荷に対して必要な給水加熱量に応じて、加熱用蒸気を給水加熱器に対して適切な量だけ供給することができる。これにより、給水加熱用ボイラで発生した加熱用蒸気を可及的に多く使用することができ、これに応じて蒸気タービンから抽気する抽気蒸気を低減することができる。そして、抽気蒸気を低減することで、ボイラに供給する燃料(例えば石炭等の化石燃料)の使用量やボイラでの燃料の燃焼により発生する二酸化炭素の発生量を低減することができる。
よって、発電プラントの幅広い負荷範囲にわたって、給水加熱用ボイラで発生した蒸気を有効に利用することができる。
【0083】
本開示の一形態に係る給水加熱システム(6)では、前記給水加熱器(54)は、高圧側に設けられた高圧側給水加熱器(54a)と、該高圧側給水加熱器(54a)よりも低圧側に設けられた第1低圧側給水加熱器(54b)と、を備え、前記給水加熱用蒸気配管(62a,62b)は、前記高圧側給水加熱器(54a)に接続された高圧側給水加熱用蒸気配管(62a)を備え、前記第1低圧側給水加熱器(54b)と前記蒸気タービン(34)とを接続する抽気配管(55b)と、前記抽気配管(55b)に設けられた抽気弁(56b)と、を備え、前記制御部(30)は、前記発電プラント(1)が所定値以上の高負荷とされた場合に、前記高圧側給水加熱用蒸気配管(62a)を選択し、かつ、前記発電プラント(1)が前記高負荷よりも低い第1低負荷(50%負荷)とされた場合に、前記高圧側給水加熱器(54a)に接続された前記給水加熱用蒸気配管(62a)を選択するとともに、前記抽気弁(56b)を開状態から閉状態とする。
【0084】
発電プラントが所定値以上の高負荷で運転するとされた場合には、高圧側給水加熱器に接続された高圧側給水加熱用蒸気配管を選択して、給水加熱用ボイラで発生した高圧で高温の加熱用蒸気を効果的に給水の加熱に使用する。
発電プラントが所定値以上の高負荷よりも低い第1低負荷で運転するとされた場合には、高圧側給水加熱器には高負荷時ほどの加熱量は要しない。このときには第1低圧側給水加熱器に接続する抽気配管に設けた抽気弁を閉状態として、第1低圧側給水加熱器の加熱を停止する。これにより、高圧側給水加熱器に供給する加熱用蒸気の必要量が増えるので、給水加熱用ボイラで発生した加熱用蒸気を無駄なく使用することができる。
以上のように給水加熱用蒸気配管を選択する一方で抽気弁の開閉を行うことで、発電ボイラの負荷によらず、給水加熱用ボイラの負荷を一定にして運転することができ、効率の良い給水加熱用ボイラの運転が可能となる。なお、所定値以上の高負荷は、加熱用蒸気の全量を高圧側給水加熱器に供給して給水の加熱に利用しても高圧側給水加熱器出口給水温度の過剰な上昇(エコノマイザにおけるスチーミング)が発生しない負荷である。
【0085】
本開示の一形態に係る給水加熱システム(6)では、前記給水加熱器(54)は、高圧側に設けられた高圧側給水加熱器(54a)と、前記高圧側給水加熱器(54a)よりも低圧側に設けられた第2低圧側給水加熱器(54c)と、を備え、前記給水加熱用蒸気配管(62a,62b)は、前記高圧側給水加熱器(54a)に接続された高圧側給水加熱用蒸気配管(62a)と、前記第2低圧側給水加熱器(54c)に接続された低圧側給水加熱用蒸気配管(62b)と、を備え、前記制御部(30)は、前記発電プラント(1)が所定値以上の高負荷とされた場合に、前記高圧側給水加熱用蒸気配管(62a)を選択し、かつ、前記発電プラント(1)が前記高負荷よりも低い第2低負荷(30%負荷)とされた場合に、前記高圧側給水加熱用蒸気配管(62a)に加えて、前記低圧側給水加熱用蒸気配管(62b)を選択する。
【0086】
発電プラントが所定値以上の高負荷とされた場合には、高圧側給水加熱器に接続された高圧側給水加熱用蒸気配管を選択して、給水加熱用ボイラで発生した高圧で高温の加熱用蒸気を効果的に給水の加熱に使用する。
発電プラントが所定値以上の高負荷より低く、または第1低負荷よりも低い第2低負荷とされた場合には、高圧側給水加熱器には高負荷時ほどの加熱量は要しないので、第2低圧側給水加熱器に接続された低圧側給水加熱用蒸気配管をさらに選択する。これにより、給水加熱用ボイラで発生した加熱用蒸気を複数の給水加熱器に分配することで加熱用蒸気を無駄なく使用することができる。
以上のように給水加熱用蒸気配管を選択することで、発電ボイラの負荷によらず、給水加熱用ボイラの負荷を一定にして運転することができ、効率の良い給水加熱用ボイラの運転が可能となる。
なお、第1低負荷と第2低負荷とを設定することにより、第1低負荷は第2低負荷よりも高負荷とする方が好ましい。第1低負荷を第2低負荷よりも高負荷とすることで、第1低負荷のときに、第2低負荷側給水加熱器に加熱用蒸気を供給せずに多くの加熱用蒸気を高負荷側給水加熱器に供給することができる。これにより、より高圧で高温の加熱用蒸気を効果的に給水の加熱に使用することができる。
【0087】
本開示の一形態に係る給水加熱システム(6)では、前記給水を脱気する脱気器(53)と、前記給水加熱用ボイラ(7)で発生した蒸気を前記脱気器(53)へ導く脱気器側加熱用蒸気配管(70)と、を備えている。
【0088】
給水加熱用ボイラで発生した加熱用蒸気が給水加熱器の加熱用として用いられた上で余剰となる場合には、脱気器側加熱用蒸気配管を用いて余剰となった加熱用蒸気を脱気器へと導き回収することとした。これにより、高圧給水加熱器の仕様を超えて給水を加熱したり、エコノマイザにおけるスチーミングを防止することができるので、給水加熱用ボイラの運転を一定とすることができ、効率よくバイオマスボイラを運転することができる。
【0089】
本開示の一形態に係る給水加熱システム(6)では、前記脱気器側加熱用蒸気配管(70)に設けられた脱気器側制御弁(70a)を備え、前記制御部(30)は、前記給水加熱用蒸気配管(62a,62b)が接続された前記給水加熱器(54a,54b)の圧力、又は、前記給水加熱用蒸気配管(62a,62b)が接続された前記給水加熱器(54a,54b)の出口における給水温度に基づいて、前記脱気器側制御弁(70a)の開度を制御する。
【0090】
給水加熱器に供給する加熱用蒸気が余剰となると、余剰でない場合に比べて給水加熱器の加熱流体側の圧力が上昇し、及び/又は、給水加熱器の出口における給水温度が上昇する。そこで、給水加熱器の加熱側流体の圧力や給水加熱器の出口における給水温度に基づいて、脱気器側制御弁の開度を制御して脱気器へ導かれる蒸気流量を調整することとした。これにより、各給水加熱器に供給する加熱用蒸気の供給量を適正に維持することができる。
【0091】
本開示の一形態に係る給水加熱システム(6)では、前記給水加熱用蒸気配管(62)内を流通する前記加熱用蒸気を冷却する減温器(65)を備えている。
【0092】
減温器を設けることで、給水加熱用蒸気配管の設計温度を超過することなく、蒸気の温度を調整することができる。
【0093】
本開示の一形態に係る給水加熱システム(6)では、前記給水加熱用ボイラ(7)は、バイオマス燃料を主燃料として用いるバイオマスボイラ(7)とされている。
【0094】
給水加熱用ボイラを、バイオマス燃料を主燃料として用いるバイオマスボイラとすることで、ボイラにてバイオマス燃料を混焼させずに給水加熱用ボイラでバイオマス燃料を専焼させることができる。したがって、ボイラで燃焼させる例えば化石燃料に対するバイオマス燃料の使用比率を高めることができる。また、腐食成分を含む廉価なバイオマス燃料をボイラ本体での燃焼に影響を及ぼすことなく用いることができ、化石燃料使用量を低減し、高効率な発電を行うことができる。
【0095】
本開示の一形態に係る発電プラント(1)は、上記のいずれかに記載の給水加熱システム(6)を備えている。
【0096】
本開示の一形態に係る給水加熱システム(6)の運転方法は、ボイラ(3)と、前記ボイラ(3)にて生成された蒸気によって駆動される蒸気タービン(5)と、前記蒸気タービン(5)によって駆動される発電機と、前記蒸気タービン(5)の複数位置から抽気された抽気蒸気によって前記ボイラ(3)へ供給される給水を加熱する複数の給水加熱器(50,54)と、を備えた発電プラント(1)に用いられる給水加熱システム(6)の運転方法であって、前記給水加熱システム(6)は、前記ボイラ(3)に供給される前記給水を加熱する給水加熱用ボイラ(7)と、前記給水加熱用ボイラ(7)で発生した蒸気を加熱用蒸気として2以上の前記給水加熱器(54a,54c)に対してそれぞれ供給する2以上の給水加熱用蒸気配管(62a,62b)と、を備え、前記発電プラント(1)の負荷に応じて、前記加熱用蒸気を流通させる前記給水加熱用蒸気配管(62a,62b)を選択する。
【符号の説明】
【0097】
1 発電プラント
3 ボイラ
3a ボイラ本体
5 蒸気タービン
6 給水加熱システム
7 バイオマスボイラ(給水加熱用ボイラ)
13 過熱器
17 再熱器
18 エコノマイザ
24 給水配管
30 制御部
32 主蒸気配管
34 高圧タービン
35 中圧タービン
36 低圧タービン
38 高圧タービン出口配管
40 再熱蒸気供給配管
42 中圧タービン出口配管
44 低圧タービン出口配管
46 復水器
48 復水ポンプ
50 低圧給水加熱器
50a 第1低圧給水加熱器
50b 第2低圧給水加熱器
50c 第3低圧給水加熱器
50d 第4低圧給水加熱器
51 給水ポンプ
52a,52b,52c,52d 低圧抽気蒸気配管
53 脱気器
53a 脱気用抽気配管
54 高圧給水加熱器
54a 第1高圧給水加熱器(高圧側給水加熱器)
54b 第2高圧給水加熱器(第1低圧側給水加熱器)
54c 第3高圧給水加熱器(第2低圧側給水加熱器)
55a 第1高圧抽気配管
55b 第2高圧抽気配管
55c 第3高圧抽気配管
56a 第1高圧抽気弁
56b 第2高圧抽気弁
56c 第3高圧抽気弁
57a 第1高圧逆止弁
57b 第2高圧逆止弁
57c 第3高圧逆止弁
60 バイオマスボイラ給水配管
62 給水加熱用蒸気配管
62a 第1給水加熱用蒸気配管(給水加熱用蒸気配管)
62b 第2給水加熱用蒸気配管(給水加熱用蒸気配管)
63a 第1制御弁
63b 第2制御弁
65 減温器
70 脱気器側加熱用蒸気配管
70a 脱気器側制御弁
72 圧力センサ
74 温度センサ
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】