(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021047118
(43)【公開日】20210325
(54)【発明の名称】トナー濃度センサおよび画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/59 20060101AFI20210226BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20210226BHJP
【FI】
   !G01N21/59 L
   !G03G15/00 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】2019170690
(22)【出願日】20190919
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
【住所又は居所】京都府京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801番地
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】河合 肇
【住所又は居所】京都府京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801番地 オムロン株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健太
【住所又は居所】京都府京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801番地 オムロン株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】宮下 誠司
【住所又は居所】京都府京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801番地 オムロン株式会社内
【テーマコード(参考)】
2G059
2H270
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB09
2G059EE02
2G059GG02
2G059JJ11
2G059KK03
2G059LL04
2H270KA32
2H270LA18
2H270LD02
2H270LD03
2H270LD08
2H270LD15
2H270MA01
2H270MA14
2H270MB14
2H270MB21
2H270MB22
2H270MB27
2H270MB29
(57)【要約】
【課題】組み付けばらつきや組み付け公差の影響を受け難く、発光素子および受光素子とレンズ部との高さ方向の光軸ずれを抑制できるトナー濃度センサ等を提供する。
【解決手段】トナー濃度センサ(1)は、基板(10)に表面実装された発光素子と受光素子とを備え、基板(10)は発光素子から出射される光の光路に平行に設けられている。基板(10)の素子実装面(10a)に配され、発光素子および受光素子を覆うケース(30)と、基板(10)の縁側に配され、発光素子から出射される光を透過させ、対象物で反射した光を透過させるレンズ部(20)とを備える。レンズ部(20)は、ケース(30)の素子実装面(10a)に突き当たる固定ボス形成面より面一に延長された延長面(30aa)を基準面として、基板(10)に対する高さ方向の位置決めがなされている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、
前記発光素子から照射され対象物で反射した光を受光する受光素子と、
前記発光素子および前記受光素子を表面実装し、前記発光素子から出射される光の光路に平行に設けられた基板と、
前記基板の素子実装面に配され、前記発光素子および前記受光素子を覆うケースと、
前記基板の縁側に配され、前記発光素子から出射される光を透過させ、前記対象物で反射した光を透過させるレンズ部と、を備え、
前記レンズ部は、前記基板の素子実装面又は前記ケースの前記素子実装面に突き当たる面より面一に延長された延長面を基準面として、前記基板に対する高さ方向の位置決めがなされているトナー濃度センサ。
【請求項2】
前記レンズ部は、
前記発光素子から出射される光を透過させ、前記対象物で反射した光を透過させるレンズ部本体と、
前記レンズ部本体より突き出るように形成された耳部と、を有し、
前記耳部が前記素子実装面又は前記延長面に突き当てられている請求項1に記載のトナー濃度センサ。
【請求項3】
前記レンズ部は、前記延長面を基準面として位置決めされ、
前記基板の素子実装面の反対面に配される遮光部材を備え、
前記遮光部材は、前記耳部を受ける耳受部を有し、
前記耳部が前記ケースの前記延長面と前記遮光部材の前記耳受部との間に挟持されている請求項2に記載のトナー濃度センサ。
【請求項4】
前記耳部および前記耳受部に連通する連通孔が設けられ、
前記延長面の前記連通孔に対応する部分に前記連通孔に嵌合する凸部が設けられ、
前記レンズ部は、前記凸部が前記連通孔に嵌合されることで前記ケースおよび前記遮光部材にて保持されている請求項3に記載のトナー濃度センサ。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載のトナー濃度センサを搭載した画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば複写機やプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられるトナー濃度センサおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トナー濃度センサは、画像形成装置において品質の良い画像を得るために重要な部品である。トナー濃度センサは、光を照射する発光素子と、該発光素子から照射され対象物で反射された光(反射光)を受光する受光素子とを有する。
【0003】
例えば、中間転写ベルトを備えた中間転写式の画像形成装置の場合、中間転写ベルト上に濃度測定用のトナーパッチが形成される。トナー濃度センサは、該トナーパッチ形成部分に発光素子から光を照射し、その反射光を受光素子にて受光する。受光素子には受光量に応じた光電流が発生し、発生した光電流の電圧を検出することで、トナーパッチの濃度を検出することができる。
【0004】
画像形成装置では、この検出結果に基づいて画像濃度制御を行う。例えば、潜像形成用の書込光強度、帯電バイアス、現像バイアス等を変更する調整を行う。また、2成分現像方式であれば、現像器内のトナー濃度の目標値を調節したりする。
【0005】
このようなトナー濃度センサにおいて、発光素子および受光素子を基板(プリント基板)に表面実装し、発光素子および受光素子の光路が基板と平行になるように構成したものがある(例えば、特許文献1)。基板には、発光素子および受光素子を覆うようにケースが被せられる。ケースには発光素子および受光素子それぞれに対応した光路が形成されている。多くの場合、基板の素子実装面の反対面には遮光部材が配置される。
【0006】
また、基板の縁側には、発光素子からの照射光、および対象物からの反射光を透過させるレンズ部が配置される。レンズ部は、外周部がケースに保持され、外周部をケースの上面に突き当てることで、基板に対する高さ方向の位置決めがなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4531357号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のレンズ部の外周部をケースの上面に突き当て高さ方向の位置決めを行う構成では、ケースの上面が位置決めの基準面となる。このようなケースを介した位置決めでは、ケースの部品公差も累積されるため、レンズ部は、発光素子および受光素子よりも組み付けばらつきや組み付け公差の影響を受けやすくなる。その結果、レンズ部の高さ方向の位置(以降、高さ位置とも称する)が設計で狙った位置からずれてしまい、発光素子および受光素子とレンズ部との間で光軸ずれが発生する。なお、発光素子および受光素子は、基板の素子実装面を基準面としているため上記影響を受け難い。発光素子および受光素子とレンズ部との間で光軸ずれが発生すると、トナー濃度を高い精度で検出することができなくなり、ひいては画像形成装置における画質の低下を招来する。
【0009】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、組み付けばらつきや組み付け公差の影響を受け難く、発光素子および受光素子とレンズ部との高さ方向の光軸ずれを抑制できるトナー濃度センサ等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係るトナー濃度センサは、発光素子と、前記発光素子から照射され対象物で反射した光を受光する受光素子と、前記発光素子および前記受光素子を表面実装し、前記発光素子から出射される光の光路に平行に設けられた基板と、前記基板の素子実装面に配され、前記発光素子および前記受光素子を覆うケースと、前記基板の縁側に配され、前記発光素子から出射される光を透過させ、前記対象物で反射した光を透過させるレンズ部と、を備え、前記レンズ部は、前記基板の素子実装面又は前記ケースの前記素子実装面に突き当たる面より面一に延長された延長面を基準面として、前記基板に対する高さ方向の位置決めがなされている。
【0011】
上記構成によれば、レンズ部は、基板の素子実装面、又はケースの素子実装面に突き当たる面と面一の延長面を基準面として、基板に対する高さ方向の位置決めがなされている。これにより、レンズ部と発光素子および受光素子とで、高さ方向の位置決めに用いる基準面を共有することとなり、ケースの上面を基準面としていた従来構成よりも、組み付けばらつきや組み付け公差の影響を抑えることが可能になる。よって、発光素子および受光素子とレンズ部との高さ方向の光軸ずれを抑制することができ、光学特性のばらつきによる検出精度の低下を防止して、トナー濃度を高い精度で検出することができる。
【0012】
本開示の一態様に係るトナー濃度センサにおいては、さらに、前記レンズ部は、前記発光素子から出射される光を透過させ、前記対象物で反射した光を透過させるレンズ部本体と、前記レンズ部本体より突き出るように形成された耳部と、を有し、前記耳部が前記素子実装面又は前記延長面に突き当てられている構成とすることもできる。上記構成によれば、レンズ部を基板の素子実装面又はケースの延長面を基準面として高さ方向の位置決めする構成を容易に実現できる。
【0013】
本開示の一態様に係るトナー濃度センサにおいては、さらに、前記レンズ部は、前記延長面を基準面として位置決めされ、前記基板の素子実装面の反対面に配される遮光部材を備え、前記遮光部材は、前記耳部を受ける耳受部を有し、前記耳部が前記ケースの前記延長面と前記遮光部材の前記耳受部との間に挟持されている構成とすることもできる。上記構成によれば、レンズ部をケースと遮光部材との間で保持する構成を容易に実現できる。
【0014】
本開示の一態様に係るトナー濃度センサにおいては、さらに、前記耳部および前記耳受部に連通する連通孔が設けられ、前記延長面の前記連通孔に対応する部分に前記連通孔に嵌合する凸部が設けられ、前記レンズ部は、前記凸部が前記連通孔に嵌合されることで前記ケースおよび前記遮光部材にて保持されている構成とすることもできる。上記構成によれば、レンズ部をケースと遮光部材との間で保持しつつ、容易に組み付けることができる。
【0015】
本開示の一態様に係る画像形成装置は、トナー濃度を高い精度で検出可能な上述した本開示の一態様に係るトナー濃度センサを搭載しているので、品質の良い画像を得ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、組み付けばらつきや組み付け公差の影響を受け難く、発光素子および受光素子とレンズ部との高さ方向の光軸ずれを抑制できるトナー濃度センサ等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態に係るトナー濃度センサを上方より見た斜視図である。
【図2】上記トナー濃度センサを下方より見た斜視図である。
【図3】上記トナー濃度センサの分解斜視図である。
【図4】上記トナー濃度センサのケースを下方より見た斜視図である。
【図5】上記トナー濃度センサに搭載されている発光素子、受光素子の位置関係を示す説明図である。
【図6】上記トナー濃度センサの平面図である。
【図7】図6のA−D線矢視断面図である。
【図8】図6のE−F線矢視断面図である。
【図9】上記トナー濃度センサに設けられた差し込み構造の効果を説明するイメージ図である。
【図10】差し込み構造が設けられていない場合の外乱光の侵入を示すイメージ図である。
【図11】上記トナー濃度センサ1が搭載される画像形成装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。本実施形態では、本開示のトナー濃度センサの一態様として、画像形成装置に搭載されたトナー濃度センサを例示する。
【0019】
§1 適用例
まず、図1、図4、図7、図11を用いて、トナー濃度センサ1が適用される場面の一例について説明する。トナー濃度センサ1は、例えば、図11に示すような画像形成装置51に搭載される。画像形成装置51は、例えばカラーレーザープリンタ等である。まずは、画像形成装置51の概略構造について説明する。
【0020】
画像形成装置51は、上部に原稿読み取り部52を有し、この原稿読み取り部52で読み取った原稿データに基づいて作像部53で画像を形成し、下部に設けた給紙部54から供給された紙54aに画像を転写して、上部の排紙部55から排紙する。作像部53には転写ベルト56が張設されており、光書き込み装置57からの光が露光された感光体ドラム58にトナーを付着させ、このトナーを前記転写ベルト56に一次転写して前記画像を形成する。ここに紙54aが供給されると、転写ベルト56から紙に対して前記画像が二次転写される。このあと紙54aは定着部59に搬送されて、熱と圧力によりトナーが紙54aに定着される。
【0021】
図中、60は帯電ロール、61は現像スリーブ、62はトナーケースである。これらと前記感光体ドラム58を備える作像ユニット63は、イエロー63Y、マゼンダ63M、シアン63C、ブラック64Bの4個が配設されている。
【0022】
トナー濃度センサ1は、このような画像形成装置51における転写ベルト56に対向して設けられ、転写ベルト56上に形成された濃度検知用のトナーパッチのトナー濃度を検出する。なお、転写ベルト56が設けられていない構成では、トナー濃度センサ1は前記作像ユニット63に設けられ、感光体ドラム58上に形成された濃度検知用のトナーパッチのトナー濃度を検出する。
【0023】
図1に示すように、トナー濃度センサ1は、矩形状の基板10に、ケース30、レンズ部20およびホルダ40が組み付けられた構成である。図3に示すように、基板10の素子実装面10aに、発光素子11および受光素子12,13が表面実装されている。基板10は、発光素子11および受光素子12,13の光路と平行に配置されている。ケース30は、これら発光素子11および受光素子12,13を覆うように素子実装面10aに配されている。レンズ部20は、基板10の縁10f側に配され、ケース30とホルダ40とで保持されている。
【0024】
図7に示すように、レンズ部20は、ケース30の素子実装面10aに突き当たるボス形成面30aより面一に延長された延長面30aaを基準面として、基板10に対する高さ方向の位置決めがなされている。延長面30aaは、基板10の素子実装面10aと同じ高さ位置にある。レンズ部20の高さ方向の位置決めを行う基準面を、基板10の素子実装面10aと同じ高さ位置にある延長面30aaとすることで、レンズ部20、発光素子11、受光素子12、受光素子13の間で基準面(太線X)が共有される。
【0025】
これにより、従来のケースの上面にレンズ部を突き当てて、ケースの上面を基準面とする構成に比べて、組み付けばらつきや組み付け公差の影響を受け難くなる。よって、発光素子11、受光素子12,13と、レンズ部20との間の光軸ずれ(一点鎖線Y)を抑制することができる。その結果、トナー濃度を精度良く検出することができ、画像形成装置51における画質調整制御が正確に実施され、画質が向上する。
【0026】
なお、本実施形態では、ケース30の延長面30aaをレンズ部20の基準面として用いているが、基板10の素子実装面10aを基準面とすることもできる。
【0027】
§2 構成例
(トナー濃度センサ1の概略構成)
トナー濃度センサ1について説明する。図1は、トナー濃度センサ1を上方より見た斜視図である。図2は、トナー濃度センサ1を下方より見た斜視図である。図3は、トナー濃度センサ1の分解斜視図である。図4は、トナー濃度センサ1のケース30を下方より見た斜視図である。
【0028】
図1、図2に示すように、トナー濃度センサ1は、矩形形状をなす基板10を有し、該基板10にケース30とホルダ40とが組み付けられ、該基板10の縁側にレンズ部20が、ケース30とホルダ40とに保持された状態で配設されている。以下、説明の便宜上、基板10の長手方向を左右方向、基板10の厚み方向を上下方向又は高さ方向、基板10のレンズ部20が配設されている側を前方とし、その反対を後方として説明する。
【0029】
図3に示すように、基板10の上面10aには、光を照射する発光素子11と、この発光素子11から照射されて対象物で反射された光が入射する受光素子12,13とが表面実装されている。以下、発光素子11および受光素子12,13が表面実装されている基板10の上面10aを素子実装面10aと称する。発光素子11には発光ダイオードが用いられ、受光素子12,13にはフォトトランジスタやフォトダイオードなどが用いられる。
【0030】
ケース30は、基板10の素子実装面10aに配され、発光素子11および受光素子12,13を覆っている。ホルダ40は、基板10の素子実装面10aの反対面10bに配されている。ホルダ40は、レンズ部20に基板10の反対面10b側からの外乱光の侵入を防止する遮光部材である。
【0031】
図4に示すように、ケース30には、発光素子11から出射される出射光の光路、および受光素子12,13にそれぞれ入射する入射光の光路を形成する通路31,32,33が形成されている。また、ケース30における通路31と通路32の間、および通路31と通路33の間には、基板10に形成された切込み10c,10cを貫通して反対面10bから突き出る遮蔽壁34,34が形成されている。さらに、ケース30における通路31,32,33の開口部には、開口部を区画する複数の区画壁36が形成されている。レンズ部20は、これら区画壁36の前方に配される。
【0032】
ケース30の前部には、レンズ部20が設置される設置用開口部38が形成されている。設置用開口部38の開口縁部がレンズ部20の外周部が突き合わされる取り付け端面に相当する。ケース30側の開口縁上端面39には、レンズ部20の外周部の上端面24aに形成された後述する凸部24aaが差し込まれる凹部39aが設けられている。凸部24aaと凹部39aとで差し込み構造60を構成している。
【0033】
図3に示すように、このようなケース30は、ケース30の左右の両端部に形成された複数の固定用ボス35を、基板10に形成された孔部10eに嵌合させることで基板10に固定される。ケース30が基板10に組み付けられ固定された状態で、固定用ボス35が形成されているボス形成面30aが基板10の素子実装面10aに突き当たる。つまり、このボス形成面30aが、後述する素子実装面10aに突き当たるケース30側の面に相当する。
【0034】
図3に示すように、レンズ部20は、基板10の前方の縁側であって、ここでは、前方の縁に形成された切欠き部10dに、ケース30とホルダ40とに保持された状態で配されている。レンズ部20は、発光素子11および受光素子12,13それぞれの光路に対応したレンズ21,22,23を備えている。以降、レンズ21,22,23が設けられている部分をレンズ部本体24と称する。レンズ部本体24には、左右方向外側に突き出るように、後述する耳部25,25が形成されている。さらに、レンズ部20に外周部における上端面24aには、ケース30側の開口縁上端面39に形成された凹部39aとで差し込み構造60を構成する凸部24aaが形成されている。
【0035】
ホルダ40は、前部に基板10の切欠き部10dに入り込む厚肉部42を有し、厚肉部42の上面にてレンズ部20の底面を支持する。厚肉部42の上面における、前側の左右方向の両端部は、後述する耳受部41,41として機能する。また、ホルダ40における基板10の反対面10bを覆う薄肉部分には、基板10の反対面10bから突き出たケース30の遮蔽壁34,34が差し込まれる溝44,44が形成されている。
【0036】
(発光素子11、受光素子12,13の位置関係)
図5は、トナー濃度センサ1に搭載されている発光素子11、受光素子12,13の位置関係を示す説明図である。図5に示すように、1個の発光素子11と2個の受光素子12,13とが並んで配設されている。発光素子11は2個の受光素子12,13の間に配置されている。受光素子12は、発光素子11から照射され、対象物Zで反射する反射光のうちの正反射光を受光する第1受光素子であり、主にブラックトナーの濃度検出を行う。受光素子13は、発光素子11から照射されて反射する反射光のうちの拡散反射光を受光する第2受光素子であり、主にイエロー、マゼンダ、シアンのカラートナーの濃度検出を行う。
【0037】
ここで、発光素子11から照射された照射光の光路と基板10の縁10fのなす角は直角ではない。対象物Z上の照射光の光路の交点Qより垂下させた垂線L1とする。垂線L1と交点Qおよび受光素子12を結ぶ直線L2とのなす角θ1は、垂線L1と交点Qおよび発光素子11を結ぶ直線L3とのなす角θ2と等しい。さらに、垂線L1と直線L2のなす角θ1よりも、垂線L1と交点Qおよび受光素子13を結ぶ直線L4とのなす角θ3のほうが大きいという関係を有している。
【0038】
発光素子11、受光素子12,13を、このように角度関係で配置することで、受光素子13には正反射光が到達し難い構成となり、すなわち正反射光と拡散反射光が分離されてそれぞれの受光素子に到達するため、各トナーの濃度の検出精度が向上する。
【0039】
(レンズ部20の取り付け構造)
図3、図4、図6〜図10を用いて、レンズ部20の取り付け構造を説明する。図6は、トナー濃度センサ1の平面図である。なお、図6においてケース30は仮想線にて示す。図7は、図6のA−D線矢視断面図である。図8は、図6のE−F線矢視断面図である。
図9は、トナー濃度センサ1に設けられた差し込み構造60の効果を説明するイメージ図である。図10は、差し込み構造60が設けられていない場合の外乱光の侵入を示すイメージ図である。
【0040】
図7において、太線Xは、発光素子11および受光素子12,13の基板10に対する高さ方向(上下方向)の位置決め基準となる基準面である。基準面は、基板10の素子実装面10aである。ケース30の素子実装面10aに突き当たるボス形成面30aも太線Xに含まれ、素子実装面10aと同じ高さを有する。本実施形態では、この素子実装面10aに突き当たるボス形成面30aを面一に前方に延長させて延長面30aaを形成し、該延長面30aaをレンズ部20の基板10に対する高さ方向の位置決め基準として用いている。
【0041】
具体的には、図3に示すように、レンズ部20におけるレンズ部本体24に、左右方向外側に突き出るように耳部25,25を形成し、該耳部25,25の上面25aをケース30の延長面30aaに下から突き当てている。ケース30の延長面30aaに下から突き当てるため、耳部25,25の位置は自ずとレンズ部本体24の下部となる。
【0042】
本実施形態では、耳部25,25は、基板10の後方に向かって延設され、レンズ部本体24の厚みで形成されるよりも広い面積を確保している。これにより、上面25aをしっかりと延長面30aaに突き当てることが可能となっている。
【0043】
レンズ部20の底面は、ホルダ40の厚肉部42の上面にて支持されている。耳部25,25の下面25bは、該厚肉部42の上面の左右方向の両端部に形成された耳受部41,41にて受けられている。つまり、耳部25,25は、ケース30の延長面30aaとホルダ40の耳受部41,41との間に挟持さている。ホルダ40の厚肉部は、基板10の後方に向かって延設された耳部25,25と同様の奥行を有し、耳部25,25の下面全体を受けるようになっている。
【0044】
このような構成とすることで、レンズ部20と、発光素子11、受光素子12,13とが、基板10に対する高さ方向の位置決めの基準面を共有することとなる。これにより、従来のケースの上面にレンズ部を突き当てる構成に比べて、組み付けばらつきや組み付け公差の影響を受け難くして、発光素子11、受光素子12,13と、レンズ部20との間の光軸ずれを抑制することができる。図7に、一点鎖線Yにて、発光素子11とレンズ部20のレンズ21の一致させるべき光軸を示す。
【0045】
さらに、本実施形態では、耳部25,25に貫通孔27,27が形成されると共に、耳受部41,41にも貫通孔27,27に連通するように貫通孔43,43が形成されている。そして、ケース30の延長面30aaにおけるこれら連通する貫通孔27,43に対応する部分に、貫通孔27,43に嵌合する固定用ボス(固定用凸部)37が形成されている。レンズ部20は、凸部が固定用ボスが、連通する貫通孔27,43に嵌合されることで、ケース30およびホルダ40にて保持されている。このような構成とすることで、ケース30およびホルダ40とで、レンズ部20を保持しつつ簡単に組み付けることができる。
【0046】
ところで、従来のレンズ部20の上端面24aをケース30側の開口縁上端面39に突き当てて位置決めする構成では上端面24aと開口縁上端面39との間に隙間は発生し難い。しかしながら、上述したように、レンズ部20をケース30の延長面30aaを基準面としてレンズ部20の位置決めを行った場合、組み付けばらつきや組み付け公差によって、上端面24aと開口縁上端面39との間に隙間が発生する場合がある。隙間が発生すると、図10に示すように、上端面24aと開口縁上端面39との間に隙間から外乱光が侵入する恐れがある。なお、図10中、参照符号20’,30’は、差し込み構造を有していないレンズ部、ケースである。
【0047】
そこで、本実施形態においては、さらに、図8に示すように、レンズ部20に外周部およびレンズ部20の外周部と突き合わされるケース30側の取り付け端面に、差し込み構造60を持たせている。具体的には、レンズ部20に外周部における上端面24aと、該上端面24aと突き合わされるケース30側の開口縁上端面39とに差し込み構造60が設けられている。差し込み構造60は、上端面24aに形成されたリブ状の凸部24aaと、開口縁上端面39に形成された溝状の凹部39aとを含む。
【0048】
このような構成とすることで、図9に示すように、上端面24aと開口縁上端面39との間に、組み付けばらつきや組み付け公差によって隙間ができたとしても、隙間からの外乱光の侵入を抑制することができる。その結果、トナー濃度を精度良く検出することができ、画像形成装置51における画質調整制御が正確に実施され、画質が向上する。
【0049】
なお、本実施形態では、上端面24aに凸部24aaを形成し開口縁上端面39に凹部39aを形成しているが、逆に、上端面24aに凹部を形成し開口縁上端面39に凸部を形成してもよい。また、本実施形態では、隙間が生じる恐れのある上辺にのみ差し込み構造60を持たせている。しかしながら、必要に応じて、レンズ部20の外周部と、該外周部と突き合わされるケース30又はケース30およびホルダ40とに、全体的に差し込み構造を持たせてもよい。
【0050】
本発明は上述した上記実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、各変形例に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1 トナー濃度センサ
10 基板
10a 素子実装面
10f 縁
11 発光素子
12,13 受光素子
20 レンズ部
21,22,23 レンズ
24 レンズ部本体
24a 上端面
24aa 凸部(差し込み構造)
25 耳部
25b 下面
27,43 貫通孔(連通孔)
30 ケース
30a ボス形成面(突き当たる面)
30aa 延長面
31,32,33 通路
34 遮蔽壁
38 設置用開口部
39 開口縁上端面
39a 凹部(差し込み構造)
40 ホルダ(遮光部材)
41 耳受部
42 厚肉部
51 画像形成装置
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】