(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021047945
(43)【公開日】20210325
(54)【発明の名称】磁気ディスク装置及びリード処理方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 20/10 20060101AFI20210226BHJP
   G11B 5/60 20060101ALI20210226BHJP
   G11B 5/31 20060101ALI20210226BHJP
【FI】
   !G11B20/10 301Z
   !G11B5/60 P
   !G11B5/31 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】2019169200
(22)【出願日】20190918
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 太亮
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号 東芝デバイス&ストレージ株式会社内
【テーマコード(参考)】
5D033
5D042
5D044
【Fターム(参考)】
5D033AA05
5D033BB43
5D042NA02
5D042PA02
5D042TA07
5D044BC01
5D044CC05
5D044DE27
5D044DE68
5D044FG04
5D044FG07
5D044GK19
(57)【要約】      (修正有)
【課題】信頼性を向上することが可能な磁気ディスク装置及びリード処理方法を提供する。
【解決手段】磁気ディスク装置1は、ディスク10と、ディスクに対してデータをライトするライトヘッド15Wと、ディスクからデータをリードし、リード処理中にリードデータの信号品質を示す第1値を検出可能な第1リードヘッド15R1と、ディスクからデータをリードし、リード処理中にリードデータの信号品質を示す第2値を検出可能な第2リードヘッド15R2とを有するヘッド15と、第1値と前記第2値とに基づいて、第1リードヘッド及び第2リードヘッドによりリードできない可能性があるかリードできない可能性がないかを判定するシステムコントローラ130とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクと、
前記ディスクに対してデータをライトするライトヘッドと、
前記ディスクからデータをリードし、リード処理中にリードデータの信号品質を示す第1値を検出可能な第1リードヘッドと、
前記ディスクからデータをリードし、リード処理中にリードデータの信号品質を示す第2値を検出可能な第2リードヘッドと、
を有するヘッドと、
前記第1値と前記第2値とに基づいて、前記第1リードヘッド及び前記第2リードヘッドによりリードできない可能性があるかリードできない可能性がないかを判定するコントローラと、を備える磁気ディスク装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記第1値に対応する第1基準値及び前記第1値の比に相当する第1変化率が前記第1変化率に対応する第1閾値よりも大きい場合、前記第1リードヘッドによりリードできない可能性があると判定する、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記第2値に対応する第2基準値及び前記第2値の比に相当する第2変化率が前記第2変化率に対応する第2閾値よりも大きい場合、前記第2リードヘッドによりリードできない可能性があると判定する、請求項2に記載の磁気ディスク装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記第1リードヘッドがリードできない可能性があると判定した場合、リード処理中に検出できない前記第1リードヘッドのリード処理の特性を示す第1特性値に基づいて前記第1リードヘッドによりリードできるかリードできないかを判定する、請求項2に記載の磁気ディスク装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記第1特性値に対応する第3基準値及び前記第1特性値の比に相当する第3変化率が前記第3変化率に対応する第3閾値よりも大きい場合、前記第1リードヘッドによりリードできないと判定し、前記第2リードヘッドによりリード処理を実行する、請求項4に記載の磁気ディスク装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記第1リードヘッド及び前記第2リードヘッドによりリードできない可能性があると判定した場合、リード処理中に検出できない前記第1リードヘッドのリード処理の特性を示す第1特性値とリード処理中に検出できない前記第2リードヘッドのリード処理の特性を示す第2特性値とに基づいて前記第1リードヘッド及び前記第2リードヘッドによりリードできるかリードできないかを判定する、請求項3に記載の磁気ディスク装置。
【請求項7】
前記第1値は、リードヘッド15R1によりリードしたリードデータのゲインの出力値に相当する第1DGain値と、リードヘッド15R1によりリードしたリードデータの出力振幅非対称性に相当する第1Asymmetry値とを含み、
前記第2値は、リードヘッド15R2によりリードしたリードデータのゲインの出力値に相当する第2DGain値と、リードヘッド15R2によりリードしたリードデータの出力振幅非対称性に相当する第2Asymmetry値とを含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
【請求項8】
前記第1特性値は、リードヘッド15R1の抵抗値と、リードヘッド15R1でリードしたリードデータのエラーレート値とを含む、請求項4又は5に記載の磁気ディスク装置。
【請求項9】
ディスクと、前記ディスクに対してデータをライトするライトヘッドと、前記ディスクからデータをリードし、リード処理中にリードデータの信号品質を示す第1値を検出可能な第1リードヘッドと、前記ディスクからデータをリードし、リード処理中にリードデータの信号品質を示す第2値を検出可能な第2リードヘッドとを有するヘッドと、備える磁気ディスク装置に適用されるリード処理方法であって、
前記第1値と前記第2値とに基づいて、前記第1リードヘッド及び前記第2リードヘッドによりリードできない可能性があるかリードできない可能性がないかを判定する、リード処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、磁気ディスク装置及びリード処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のリードヘッドを含むヘッドを有する2次元記録(Two-Dimensional Magnetic Recording : TDMR)方式の磁気ディスク装置が開発されている。TDMR方式の磁気ディスク装置は、例えば、複数のリードヘッドでリードしたデータの信号波形を合成する処理を実行することができる。複数のリードヘッドの内の少なくとも1つのリードヘッドが故障等によりリードできなくなった状態でTDMR方式の磁気ディスク装置がこの処理を実行した場合、エラーレートが大きくなり、リード処理時にアンリカバードエラーが発生し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9401167号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/171993号明細書
【特許文献3】米国特許第9837106号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、信頼性を向上することが可能な磁気ディスク装置及びリード処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態に係る磁気ディスク装置は、ディスクと、前記ディスクに対してデータをライトするライトヘッドと、前記ディスクからデータをリードし、リード処理中にリードデータの信号品質を示す第1値を検出可能な第1リードヘッドと、前記ディスクからデータをリードし、リード処理中にリードデータの信号品質を示す第2値を検出可能な第2リードヘッドと、を有するヘッドと、前記第1値と前記第2値とに基づいて、前記第1リードヘッド及び前記第2リードヘッドによりリードできない可能性があるかリードできない可能性がないかを判定するコントローラと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、実施形態に係る磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施形態に係るディスクに対するヘッドの配置の一例を示す模式図である。
【図3】図3は、ヘッドをトラックに位置決めした場合のライトヘッドと2つのリードヘッドとの幾何学的配置の一例を示す模式図である。
【図4】図4は、ヘッドをトラックに位置決めした場合のライトヘッドと2つのリードヘッドとの幾何学的配置の一例を示す図である。
【図5】図5は、実施形態に係るリード処理方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図面は、一例であって、発明の範囲を限定するものではない。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る磁気ディスク装置1の構成を示すブロック図である。
磁気ディスク装置1は、後述するヘッドディスクアセンブリ(HDA)と、ドライバIC20と、ヘッドアンプ集積回路(以下、ヘッドアンプIC、又はプリアンプと称する場合もある)30と、揮発性メモリ70と、バッファメモリ(バッファ)80と、不揮発性メモリ90と、1チップの集積回路であるシステムコントローラ130とを備える。また、磁気ディスク装置1は、ホストシステム(ホスト)100と接続される。磁気ディスク装置1は、例えば、2次元記録(Two-Dimensional Magnetic Recording : TDMR)方式の磁気ディスク装置である。
【0008】
HDAは、磁気ディスク(以下、ディスクと称する)10と、スピンドルモータ(SPM)12と、ヘッド15を搭載しているアーム13と、ボイスコイルモータ(VCM)14とを有する。ディスク10は、スピンドルモータ12に取り付けられ、スピンドルモータ12の駆動により回転する。アーム13及びVCM14は、アクチュエータを構成している。アクチュエータは、VCM14の駆動により、アーム13に搭載されているヘッド15をディスク10の所定の位置まで移動制御する。ディスク10およびヘッド15は、2つ以上の数が設けられてもよい。
【0009】
ディスク10は、そのデータをライト可能な領域に、ユーザから利用可能なユーザデータ領域10aと、システム管理に必要な情報をライトするシステムエリア10bとが割り当てられている。以下、ディスク10の円周に沿う方向を円周方向と称し、円周方向に交差する方向を半径方向と称する。ディスク10の所定の円周方向の所定の位置を円周位置と称し、ディスク10の所定の半径方向の所定の位置を半径位置と称する。また、半径位置及び円周位置をまとめて単に位置と称する場合もある。ディスク10(のユーザデータ領域10a)は、半径方向の所定の範囲毎に複数の領域(以下、ゾーンと称する場合もある)に区分されている。ゾーンは、複数のトラック(シリンダ)を含む。また、トラックは、複数のセクタを含む。“トラック”は、ディスク10の半径方向に区分した複数の領域内の1つの領域、ディスク10の円周方向に延長するデータ、トラックにライトされたデータや、その他の種々の意味で用いる。“セクタ”は、トラックを円周方向に区分した複数の領域の内の1つの領域、ディスク10の所定の位置にライトされたデータ、セクタにライトされたデータや、その他の種々の意味で用いる。トラックの半径方向の幅をトラック幅と称する。所定のトラックの所定の円周位置におけるトラック幅の中心位置をトラックセンタと称する場合もあるし、所定のトラックにおいてトラック幅の中心を通る経路をトラックセンタと称する場合もある。
【0010】
ヘッド15は、スライダを本体として、当該スライダに実装されているライトヘッド15Wとリードヘッド15Rとを備える。ライトヘッド15Wは、ディスク10にデータをライトする。リードヘッド15Rは、ディスク10に記録されているデータをリードする。リードヘッド15Rは、複数のリードヘッド、例えば、2つのリードヘッド15R1、15R2を有している。リードヘッド15R1は、例えば、ライトヘッド15Wから最も離れた位置に設けられている。リードヘッド15R2は、例えば、ライトヘッド15Wからリードヘッド15R1の次に離れた位置に設けられている。言い換えると、リードヘッド15R2は、ライトヘッド15W及びリードヘッド15R1の間に位置している。なお、リードヘッド15Rは、3つ以上のリードヘッドを有していてもよい。以下、複数のリードヘッド15R、例えば、2つのリードヘッド15R1、15R2をまとめてリードヘッド15Rと称する場合もあるし、複数のリードヘッド15R、例えば、リードヘッド15R1及び15R2のいずれか1つを単にリードヘッド15Rと称する場合もある。
【0011】
図2は、本実施形態に係るディスク10に対するヘッド15の配置の一例を示す模式図である。図2に示すように、半径方向においてディスク10の外周に向かう方向を外方向(外側)と称し、外方向と反対方向を内方向(内側)と称する。また、図2に示すように、円周方向において、ディスク10の回転する方向を回転方向と称する。なお、図2に示した例では、回転方向は、反時計回りで示しているが、逆向き(時計回り)であってもよい。図2において、ユーザデータ領域10aは、内方向に位置する内周領域IRと、外方向に位置する外周領域ORと、内周領域IRと外周領域ORとの間に位置する中周領域MRとに区分されている。図2には、トラックセンタTRCnを有するトラックTRnと、トラックセンタTRCn−1を有するトラックTRn−1とを示している。トラックTRn−1は、トラックTRnよりも内側に位置している。例えば、トラックTRnは、中周領域MRに位置し、トラックTRn−1は、内周領域IRに位置していてもよい。トラックセンタTRCn及びTRCn−1、ディスク10に対して同心円状に位置している。例えば、トラックセンタTRCn及びTRn−1は、真円状に位置している。なお、トラックセンタTRCn及びTRn−1は、円状でなくてもよく、ディスク10の半径方向に変動する波状に位置していてもよい。
【0012】
ヘッド15をトラックTRn、例えば、トラックセンタTRCnに位置決めしている場合、スキュー角は、例えば、0°となる。ヘッド15が半径方向においてトラックセンタTRCnから外方向に移動するに従って、スキュー角の絶対値は、増大する。また、ヘッド15が半径方向においてトラックセンタTRCnから内方向に移動するに従って、スキュー角の絶対値は、増大する。
【0013】
図3は、ヘッド15をトラックTRnに位置決めした場合のライトヘッド15Wと2つのリードヘッド15R1、15R2との幾何学的配置の一例を示す模式図である。図3には、ライトヘッド15Wの中心部WCと、リードヘッド15R1の中心部RC1と、リードヘッド15R2の中心部RC2と、リードヘッド15R1の中心部RC1とリードヘッド15R2の中心部RC2との中間に位置する中間部MPとを示している。以下、リードヘッド15R1の中心部RC1とリードヘッド15R2の中心部RC2との間の円周方向の間隔をダウントラック間隔(Down Track Separation:DTS)と称する場合もある。リードヘッド15R1の中心部RC1とリードヘッド15R2の中心部RC2との間の半径方向の間隔をクロストラック間隔(Cross Track Separation:CTS)又はヘッド間隔と称する場合もある。以下、説明の便宜上、“ライトヘッドの中心部”及び“ライトヘッドの各部”を単に“ライトヘッド”と称し、“リードヘッドの中心部”、“複数のリードヘッドの内の2つのリードヘッドの中間部”、及び“リードヘッドの各部”を単に“リードヘッド”と称する場合もある。
【0014】
図3に示した例では、中間部MPをトラックTRnのトラックセンタTRCnに位置決めした場合、ヘッド15(ライトヘッド15W、リードヘッド15R1、リードヘッド15R2、及び中間部MP)は、円周方向に沿って並んでいる。この場合、リードヘッド15R1とリードヘッド15R2とは、半径方向にずれていない。つまり、中間部MPをトラックセンタTRCnに位置決めした場合のCTSは、0である。なお、中間部MPをトラックセンタTRCnに位置決めした場合、リードヘッド15R1及び15R2は、半径方向にずれていてもよいし、ライトヘッド15Wとリードヘッド15R1及び15Rとは、半径方向にずれていてもよい。
【0015】
図3に示した例では、中間部MPをトラックセンタTRCnに位置決めした場合、リードヘッド15R1とリードヘッド15R2とは、円周方向にX0で離間している。つまり、中間部MPをトラックセンタTRCnに位置決めした場合のDTSは、X0である。
【0016】
図4は、ヘッド15をトラックTRn−1に位置決めした場合のライトヘッド15Wと2つのリードヘッド15R1、15R2との幾何学的配置の一例を示す図である。
図4に示した例では、中間部MPをトラックTRn−1のトラックセンタTRCn−1に位置決めした場合、ヘッド15(ライトヘッド15W、リードヘッド15R1、リードヘッド15R2、及び中間部MP)は、円周方向に対してθ1で内方向に傾いている。つまり、中間部MPをトラックセンタTRCn−1に位置決めした場合、スキュー角は、θ1である。中間部MPをトラックセンタTRCn−1に位置決めした場合、リードヘッド15R1とリードヘッド15R2とは、半径方向にCTS=Y1で離間している。図4に示した例では、中間部MPをトラックセンタTRCn−1に位置決めした場合、リードヘッド15R1とリードヘッド15R2とは、円周方向にDTS=X1で離間している。なお、図示していないが、中間部MPをトラックTRnよりも外方向に位置する所定のトラックに位置決めした場合、ヘッド15(ライトヘッド15W、リードヘッド15R1、リードヘッド15R2、及び中間部MP)は、所定のスキュー角で外方向に傾く。
【0017】
ドライバIC20は、システムコントローラ130(詳細には、後述するMPU60)の制御に従って、SPM12およびVCM14の駆動を制御する。
ヘッドアンプIC(プリアンプ)30は、リードアンプ及びライトドライバを備えている。リードアンプは、ディスク10からリードしたリード信号を増幅して、システムコントローラ130(詳細には、後述するリード/ライト(R/W)チャネル50)に出力する。ライトドライバは、R/Wチャネル50から出力されるライトデータに応じたライト電流をヘッド15に出力する。ヘッドアンプIC30は、システムコントローラ130、例えば、後述するMPU60の制御に従って、ディスク10の記録ビットの磁化方向を変化させるための記録磁界を励起させる記録電流をライトヘッド15Wに供給する。また、ヘッドアンプIC30は、リードヘッド15Rに電流を印加して磁気抵抗効果(Magneto Resisrtive)抵抗値(以下、単に、抵抗値と称する場合もある)を測定できる。
【0018】
揮発性メモリ70は、電力供給が断たれると保存しているデータが失われる半導体メモリである。揮発性メモリ70は、磁気ディスク装置1の各部での処理に必要なデータ等を格納する。揮発性メモリ70は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、又はSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)である。
【0019】
バッファメモリ80は、磁気ディスク装置1とホスト100との間で送受信されるデータ等を一時的に記録する半導体メモリである。なお、バッファメモリ80は、揮発性メモリ70と一体に構成されていてもよい。バッファメモリ80は、例えば、DRAM、SRAM(Static Random Access Memory)、SDRAM、FeRAM(Ferroelectric Random Access memory)、又はMRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)等である。
不揮発性メモリ90は、電力供給が断たれても保存しているデータを記録する半導体メモリである。不揮発性メモリ90は、例えば、NOR型またはNAND型のフラッシュROM(Flash Read Only Memory :FROM)である。
【0020】
システムコントローラ(コントローラ)130は、例えば、複数の素子が単一チップに集積されたSystem-on-a-Chip(SoC)と称される大規模集積回路(LSI)を用いて実現される。システムコントローラ130は、ハードディスクコントローラ(HDC)40と、リード/ライト(R/W)チャネル50と、マイクロプロセッサ(MPU)60と、を含む。HDC40、R/Wチャネル50、及びMPU60は、それぞれ、互いに電気的に接続されている。システムコントローラ130は、例えば、ドライバIC20、ヘッドアンプIC60、揮発性メモリ70、バッファメモリ80、不揮発性メモリ90、及びホストシステム100等に電気的に接続されている。
【0021】
HDC40は、後述するMPU60からの指示に応じて、ホスト100とR/Wチャネル50との間のデータ転送を制御する。HDC40は、後述するMPU60からの指示に応じて、エラーレート、例えば、Sector Error Rate(SER)を測定できる。HDC40は、例えば、揮発性メモリ70、バッファメモリ80、及び不揮発性メモリ90等に電気的に接続されている。
R/Wチャネル50は、MPU60からの指示に応じて、ディスク10からリードしたリードデータ及びディスク10へライトするライトデータの信号処理を実行する。R/Wチャネル50は、リードデータの信号品質を測定する回路、又は機能を有している。R/Wチャネル50は、例えば、ヘッドアンプIC30等に電気的に接続されている。R/Wチャネル50は、ヘッド15(リードヘッド15R)によるリード処理中に検出できるリードデータの信号品質に関連する信号及び値(以下、データ品質値と称する場合もある)をリアルタイムで測定する。言い換えると、R/Wチャネル50は、リードヘッド15Rによりリードしたリードデータに基づくデータ品質値をリアルタイムで測定する。データ品質値は、例えば、DGain値、及びAsymmetry値を含む。DGain値は、R/Wチャネル50において信号処理したリードデータのゲインの出力値に相当する。Asymmetry値は、リードデータの出力振幅非対称性を示す値である。
【0022】
MPU60は、磁気ディスク装置1の各部を制御するメインコントローラである。MPU60は、ドライバIC20を介してVCM14を制御し、ヘッド15の位置決めを実行する。MPU60は、ディスク10へのデータのライト動作を制御すると共に、ホスト100から転送されるライトデータの保存先を選択する。また、MPU60は、ディスク10からのデータのリード動作を制御すると共に、ディスク10からホスト100に転送されるリードデータの処理を制御する。MPU60は、磁気ディスク装置1の各部に接続されている。MPU60は、例えば、ドライバIC20、HDC40、及びR/Wチャネル50等に電気的に接続されている。
【0023】
MPU60は、リード/ライト制御部610、及び判定部620を含む。MPU60は、これら各部、例えば、リード/ライト制御部610、及び判定部620等の処理をファームウェア上で実行する。なお、MPU60は、これら各部、例えば、リード/ライト制御部610及び判定部620を回路として備えていてもよい。
【0024】
リード/ライト制御部610は、ホスト100からのコマンド等に従って、データのリード処理及びライト処理を制御する。リード/ライト制御部610は、ドライバIC20を介してVCM14を制御し、ヘッド15をディスク10上の所定の位置に位置決めし、データをリード又はライトする。例えば、リード/ライト制御部610は、所定のトラックをリードする場合に中間部MPを所定のトラックの目標とする半径位置(以下、目標位置と称する)、例えば、トラックセンタに位置決めして、リードヘッド15R1及び15R2でこのトラックをリードする。リードヘッド15R1及び15R2で所定のデータをリードした場合、リード/ライト制御部610は、R/Wチャネル50を介してリードヘッド15R1でリードしたリードデータの信号波形とリードヘッド15R2でリードしたリードデータの信号波形とを合成した信号波形の処理を実行する。また、リード/ライト制御部610は、所定のトラックをリードヘッド15R1及び15R2のいずれか一方でリードすることもできる。リード/ライト制御部610は、リードヘッド15R1を所定のトラックの目標位置、例えば、トラックセンタに位置決めして、リードヘッド15R1でこのトラックをリードする。リードヘッド15R1のみで所定のデータをリードした場合、リード/ライト制御部610は、R/Wチャネル50を介してリードヘッド15R1でリードしたリードデータの信号波形の処理を実行する。リード/ライト制御部610は、リードヘッド15R2を所定のトラックの目標位置、例えば、トラックセンタに位置決めして、リードヘッド15R2でこのトラックをリードする。リードヘッド15R2のみで所定のデータをリードした場合、リード/ライト制御部610は、R/Wチャネル50を介してリードヘッド15R2でリードしたリードデータの信号波形の処理を実行する。磁気ディスク装置1が2つのリードヘッド15R1及び15R2を備えている場合に、2つのリードヘッド15R1及び15R2でリード処理を実行することをTDMR modeと称し、2つのリードヘッド15R1及び15R2の内の一方のみでリード処理を実行することをsingle head modeと称する場合もある。
【0025】
判定部620は、各リードヘッド15Rがリードできない又はリード処理を正常に実行できないリードヘッド(以下、不良リードヘッドと称する場合もある)であるか不良リードヘッドでないかを判定し、TDMR modeからsingle head modeに切り替えて、複数のリードヘッド15Rの内の少なくとも1つの不良リードヘッド15R以外のリードヘッド15Rでリード処理を実行する。例えば、判定部620は、リードヘッド15R1及び15R2が不良リードヘッドであるか不良リードヘッドがないかを判定する。リードヘッド15R1が不良リードヘッドであると判定した場合、判定部620は、TDMR modeからsingle head modeに切り替えて、例えば、ヘッドアンプIC30の設定値をTDMR modeの設定値からsingle head modeの設定値に切り替え、R/Wチャネル50の設定値をTDMR modeの設定値からsingle head modeの設定値に切り替え、スキュー角の設定値をTDMR modeの設定値からsingle head modeの設定値に切り替えて、リードヘッド15R2でリード処理を実行する。
【0026】
判定部620は、各リードヘッド15Rのリードチャネル50のTDMR modeの設定値、各リードヘッド15Rのリードチャネル50のsingle head modeの設定値、各リードヘッド15RのヘッドアンプIC30のTDMR modeの設定値、各リードヘッド15RのヘッドアンプIC30のsingle head modeの設定値、各リードヘッド15Rのスキュー角(Yew角)のTDMR mode の設定値、及び各リードヘッド15RのヘッドアンプIC30のsingle head modeの設定値、及び各リードヘッド15Rのスキュー角(Yew角)のsingle head mode の設定値等を所定の記録領域、例えば、システムエリア10b、又は不揮発性メモリ90等に記録していてもよい。
【0027】
判定部620は、不良リードヘッドを判定する機能に対応するビット(以下、判定ビットと称する場合もある)がONである場合、R/Wチャネル50においてリード処理中に検出可能な各リードヘッドの各データ品質値に基づいて複数のリードヘッド15Rの少なくとも1つが不良リードヘッドの可能性があるか不良リードヘッドである可能性がないかを判定する。判定部620は、例えば、判定ビットを所定の記録領域、例えば、システムエリア10b、又は不揮発性メモリ90等に記録していてもよい。少なくとも1つのリードヘッド15Rが不良リードヘッドの可能性があると判定した場合、判定部620は、抵抗値やエラーレート(SER)等を含むリード特性値に基づいて不良リードヘッドの可能性があると判定した少なくとも1つのリードヘッド(以下、判定対象リードヘッドと称する場合もある)15Rが不良リードヘッドであるか不良リードヘッドでないかを判定する。リード特性値は、例えば、リードヘッド15Rのリード処理の特性を示す値に相当する。リード特性値をリード処理中に検出できないため、判定部620は、少なくとも1つのリードヘッド15Rが判定対象リードヘッドであると判定した場合に少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rのリード特性値を取得する。判定部620は、リード特性値、例えば、抵抗値やエラーレート(SER)、及びエラーレートを測定する各リードヘッドの位置情報等を所定の記録領域、例えば、システムエリア10b、又は不揮発性メモリ90等に記録していてもよい。少なくとも1つの判定対象リードヘッドが不良リードヘッドであると判定した場合、判定部620は、TDMR modeからsingle head modeに切り替えて、複数のリードヘッド15Rの少なくとも1つの不良リードヘッド15R以外のリードヘッド15Rでリード処理を実行する。
【0028】
例えば、判定部620は、複数のリードヘッドのそれぞれの複数のデータ品質値の変化率(以下、データ品質変化率と称する場合もある)の少なくとも1つが閾値(以下、品質変化率閾値と称する場合もある)よりも大きいか品質変化率閾値以下であるかを判定する。データ品質変化率は、リードヘッド15R毎の出荷前のデータ品質値の基準値とリードヘッド15R毎の現在測定したデータ品質値との比(%)に相当する。言い換えると、データ品質変化率は、リードヘッド15R毎のデータ品質値の基準値に対するリードヘッド15R毎の現在測定したデータ品質値の比(%)に相当する。品質変化率閾値は、データ品質変化率に対応する閾値である。品質変化率閾値は、例えば、リードヘッド15R毎に設定されている。判定部620は、データ品質変化率、及び品質変化率閾値をリードヘッド15R毎に所定の記録領域、例えば、システムエリア10b、揮発性メモリ70、又は不揮発性メモリ90等に記録していてもよい。判定部620は、データ品質変化率が品質変化率閾値よりも大きいと判定した少なくとも1つのリードヘッド15Rを判定対象リードヘッド15Rであると判定する。
【0029】
一例では、判定部620は、判定ビットがONであるかOFFでるかを判定する。判定ビットがONであると判定した場合、判定部620は、R/Wチャネル50においてリード処理中に検出可能な複数のリードヘッド15Rのそれぞれの複数のDGain値の変化率(以下、DGain変化率と称する場合もある)の少なくとも1つが閾値(ゲイン変化率閾値)よりも大きいかゲイン変化率閾値以下であるかを判定する。DGain変化率は、リードヘッド15R毎の出荷前のDGain値の基準値とリードヘッド15R毎の現在測定したDGain値との比(%)に相当する。言い換えると、DGain変化率は、リードヘッド15R毎の出荷前のDGain値の基準値に対するリードヘッド15R毎の現在測定したDGain値の比(%)に相当する。DGain変化率閾値は、DGain変化率に対応する閾値である。DGain変化率閾値は、例えば、リードヘッド15R毎に設定されている。判定部620は、DGain変化率、及びDGain変化率閾値をリードヘッド15R毎に所定の記録領域、例えば、システムエリア10b、揮発性メモリ70、又は不揮発性メモリ90等に記録していてもよい。判定部620は、DGain変化率がゲイン変化率閾値よりも大きいと判定した少なくとも1つのリードヘッド15Rを判定対象リードヘッド15Rであると判定する。また、判定部620は、R/Wチャネル50においてリード処理中に検出可能な複数のリードヘッド15Rのそれぞれの複数のAsymmetry値の変化率(以下、Asymmetry変化率と称する)の少なくとも1つが閾値(以下、Asymmetry変化率閾値と称する場合もある)よりも大きいかAsymmetry以下であるかを判定する。Asymmetry変化率は、リードヘッド15R毎の出荷前のAsymmetry値の基準値とリードヘッド15R毎の現在測定したAsymmetry値との比(%)に相当する。言い換えると、Asymmetry変化率は、リードヘッド15R毎の出荷前のAsymmetry値の基準値に対するリードヘッド15R毎の現在測定したAsymmetry値の比(%)に相当する。Asymmetry変化率閾値は、Asymmetry変化率に対応する閾値である。Asymmetry変化率閾値は、例えば、リードヘッド15R毎に設定されている。判定部620は、Asymmetry変化率、及びAsymmetry変化率閾値をリードヘッド15R毎に所定の記録領域、例えば、システムエリア10b、揮発性メモリ70、又は不揮発性メモリ90等に記録していてもよい。判定部620は、Asymmetry変化率がAsymmetry変化率閾値よりも大きいと判定した少なくとも1つのリードヘッド15Rを判定対象リードヘッド15Rであると判定する。
【0030】
判定部620は、少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rのリード特性値の変化率(以下、リード特性変化率と称する場合もある)が所定の閾値(以下、特性変化率閾値と称する場合もある)よりも大きいか特性変化率閾値以下であるかを判定する。リード特性変化率は、リードヘッド15R毎の出荷前のリード特性値の基準値とリードヘッド15R毎の現在測定したリード特性値との比(%)に相当する。言い換えると、リード特性変化率は、リードヘッド15R毎のリード特性値の基準値に対するリードヘッド15R毎の現在測定したデータのリード特性値の比(%)に相当する。特性変化率閾値は、リード特性変化率に対応する閾値である。特性変化率閾値は、例えば、リードヘッド15R毎に設定されている。判定部620は、リード特性変化率、及び特性変化率閾値をリードヘッド15R毎に所定の記録領域、例えば、システムエリア10b、揮発性メモリ70、又は不揮発性メモリ90等に記録していてもよい。判定部620は、リード特性変化率が特性変化率閾値よりも大きいと判定した少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rを不良リードヘッドと判定し、TDMR modeからsingle head modeに切り替えて、複数のリードヘッドの少なくとも1つの不良リードヘッド以外のリードヘッド15Rでリード処理を実行する。
【0031】
一例では、判定部620は、少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rの抵抗値の変化率(以下、抵抗変化率と称する場合もある)が所定の閾値(以下、抵抗変化率閾値と称する場合もある)よりも大きいか抵抗変化率閾値以下であるかを判定する。抵抗変化率は、リードヘッド15R毎の出荷前の抵抗値の基準値とリードヘッド15R毎の現在測定した抵抗値との比(%)に相当する。言い換えると、抵抗変化率は、リードヘッド15R毎の出荷前の抵抗値の基準値に対するリードヘッド15R毎の現在測定した抵抗値の比(%)に相当する。抵抗変化率閾値は、抵抗変化率に対応する閾値である。抵抗変化率閾値は、例えば、リードヘッド15R毎に設定されている。判定部620は、抵抗変化率、及び抵抗変化率閾値をリードヘッド15R毎に所定の記録領域、例えば、システムエリア10b、揮発性メモリ70、又は不揮発性メモリ90等に記録していてもよい。判定部620は、抵抗変化率が抵抗変化率閾値よりも大きいと判定した少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rを不良リードヘッドと判定し、TDMR modeからsingle head modeに切り替えて、複数のリードヘッドの内の不良リードヘッド以外のリードヘッド15Rでリード処理を実行する。判定部620は、1つの判定対象リードヘッド15Rのエラーレートの変化率(以下、エラーレート変化率と称する場合もある)が所定の閾値(以下、エラーレート変化率閾値と称する場合もある)よりも大きいかエラーレート変化率閾値以下であるかを判定する。エラーレート変化率は、リードヘッド15R毎の出荷前のエラーレートの基準値とリードヘッド15R毎の現在測定したエラーレートとの比(%)に相当する。言い換えると、エラーレート変化率は、リードヘッド15R毎の出荷前のエラーレートの基準値に対するリードヘッド15R毎の現在測定したエラーレートの比(%)に相当する。エラーレート変化率閾値は、エラーレート変化率に対応する閾値である。エラーレート変化率閾値は、例えば、リードヘッド15R毎に設定されている。判定部620は、エラーレート変化率、及びエラーレート変化率閾値をリードヘッド15R毎に所定の記録領域、例えば、システムエリア10b、揮発性メモリ70、又は不揮発性メモリ90等に記録していてもよい。判定部620は、エラーレート変化率がエラーレート変化率閾値よりも大きいと判定した少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rを不良リードヘッドと判定し、TDMR modeからsingle head modeに切り替えて、複数のリードヘッドの内の不良リードヘッド以外のリードヘッド15Rでリード処理を実行する。
【0032】
例えば、判定ビットがONであると判定した場合、判定部620は、リードヘッド15R1に対応するDGain値とリードヘッド15R2に対応するDGain値とを取得する。判定部620は、リードヘッド15R1に対応するDGain値に基づいてリードヘッド15R1に対応するDGain変化率を算出し、リードヘッド15R2に対応するDGain値に基づいてリードヘッド15R2に対応するDGain変化率を算出する。判定部620は、リードヘッド15R1に対応するDGain変化率とリードヘッド15R2に対応するDGain変化率とがゲイン変化率閾値よりも大きいかゲイン変化率閾値以下であるかを判定する。リードヘッド15R1に対応するDGain変化率がゲイン変化率閾値よりも大きいと判定し、リードヘッド15R2に対応するDGain変化率がゲイン変化率閾値以下であると判定した場合、判定部620は、リードヘッド15R1を判定対象リードヘッド15R1であると判定する。また、判定部620は、リードヘッド15R1に対応するAsymmetry変化率とリードヘッド15R2に対応するAsymmetry変化率とがAsymmetry変化率閾値よりも大きいかAsymmetry変化率閾値以下であるかを判定する。リードヘッド15R1のAsymmetry変化率がAsymmetry変化率閾値よりも大きいと判定し、リードヘッド15R2に対応するAsymmetry変化率がAsymmetry変化率閾値以下であると判定した場合、判定部620は、リードヘッド15R1を判定対象リードヘッド15R1であると判定する。
【0033】
例えば、判定部620は、DGain変化率がDGain変化率閾値よりも大きいと判定するかAsymmetry変化率がAsymmetry変化率閾値よりも大きいと判定するかした判定対象リードヘッド15R1に対応する抵抗値を取得する。また、例えば、判定部620は、DGain変化率がDGain変化率閾値よりも大きいと判定し、且つAsymmetry変化率がAsymmetry変化率閾値よりも大きいと判定した判定対象リードヘッド15R1に対応する抵抗値を取得する。判定部620は、判定対象リードヘッド15R1に対応する抵抗値に基づいて判定対象リードヘッド15R1に対応する抵抗変化率を算出する。判定部620は、判定対象リードヘッド15R1に対応する抵抗変化率が抵抗変化率閾値よりも大きいか抵抗変化率閾値以下であるかを判定する。判定部620は、判定対象リードヘッド15R1に対応する抵抗変化率が抵抗変化率閾値よりも大きいと判定した判定対象リードヘッド15R1を不良リードヘッドと判定する。判定対象リードヘッド15R1を不良リードヘッドと判定した場合、判定部620は、TDMR modeからsingle head modeに切り替えて、所定のトラックにリードヘッド15R2を位置決めしてリードヘッド15R2のみでこのトラックをリードする。言い換えると、判定対象リードヘッド15R1を不良リードヘッドと判定した場合、判定部620は、所定のトラックをリードヘッド15R2のみでリードするsingle head modeを実行する。なお、前述した例では、リードヘッド15R1が不良リードヘッドであるとしたが、リードヘッド15R2が不良リードヘッドである場合にも、判定部620は、リードヘッド15R1が不良リードヘッドである場合と同様の処理を実行する。言い換えると、リードヘッド15R2を不良リードヘッドと判定した場合、判定部620は、所定のトラックをリードヘッド15R1のみでリードするsingle head modeを実行する。
【0034】
例えば、判定ビットがONであると判定した場合、判定部620は、リードヘッド15R1に対応するDGain値とリードヘッド15R2に対応するDGain値とを取得する。判定部620は、リードヘッド15R1に対応するDGain値に基づいてリードヘッド15R1に対応するDGain変化率を算出し、リードヘッド15R2に対応するDGain値に基づいてリードヘッド15R2に対応するDGain変化率を算出する。判定部620は、リードヘッド15R1に対応するDGain変化率とリードヘッド15R2のDGain変化率とがゲイン変化率閾値よりも大きいかゲイン変化率閾値以下であるかを判定する。リードヘッド15R1に対応するDGain変化率がゲイン変化率閾値よりも大きいと判定し、リードヘッド15R2に対応するDGain変化率がゲイン変化率閾値よりも大きいと判定した場合、判定部620は、リードヘッド15R1及び15R2を判定対象リードヘッド15R1及び15R2であると判定する。また、判定部620は、リードヘッド15R1に対応するAsymmetry変化率とリードヘッド15R2に対応するAsymmetry値とがAsymmetry変化率閾値よりも大きいかAsymmetry変化率閾値以下であるかを判定する。リードヘッド15R1に対応するAsymmetry変化率がAsymmetry変化率閾値よりも大きいと判定し、リードヘッド15R2に対応するAsymmetry変化率がAsymmetry変化率閾値よりも大きいと判定した場合、判定部620は、リードヘッド15R1及び15R2を判定対象リードヘッド15R1及び15R2であると判定する。
【0035】
例えば、判定部620は、DGain変化率がDGain変化率閾値よりも大きいと判定するかAsymmetry変化率がAsymmetry変化率閾値よりも大きいと判定するかした判定対象リードヘッド15R1及び15R2の抵抗値を取得する。また、例えば、判定部620は、DGain変化率がDGain変化率閾値よりも大きいと判定し、且つAsymmetry変化率がAsymmetry変化率閾値よりも大きいと判定した判定対象リードヘッド15R1に対応する抵抗値と判定対象リードヘッド15R2に対応する抵抗値とを取得する。判定部620は、判定対象リードヘッド15R1に対応する抵抗値に基づいて判定対象リードヘッド15R1に対応する抵抗変化率を算出する。判定部620は、判定対象リードヘッド15R2に対応する抵抗値に基づいて判定対象リードヘッド15R2に対応する抵抗変化率を算出する。判定部620は、判定対象リードヘッド15R1に対応する抵抗変化率と判定対象リードヘッド15R2に対応する抵抗変化率とが抵抗変化率閾値よりも大きいか抵抗変化率閾値以下であるかを判定する。判定部620は、抵抗変化率が抵抗変化率閾値よりも大きいと判定した判定対象リードヘッド15R1を不良リードヘッドと判定する。判定対象リードヘッド15R1を不良リードヘッドと判定した場合、判定部620は、TDMR modeからsingle head modeに切り替えて、所定のトラックにリードヘッド15R2を位置決めしてリードヘッド15R2のみでこのトラックをリードする。言い換えると、判定対象リードヘッド15R1を不良リードヘッドと判定した場合、判定部620は、所定のトラックをリードヘッド15R2のみでリードするsingle head modeを実行する。なお、前述した例では、リードヘッド15R1が不良リードヘッドであるとしたが、リードヘッド15R2が不良リードヘッドである場合にも、判定部620は、リードヘッド15R1が不良リードヘッドである場合と同様の処理を実行する。
【0036】
図5は、本実施形態に係るリード処理方法の一例を示すフローチャートである。
MPU60は、判定ビットがONかOFFであるかを判定する(B501)。判定ビットがOFFであると判定した場合(B501のNO)、MPU60は、処理を終了する。判定ビットがONであると判定した場合(B501のYES)、MPU60は、各リードヘッド15Rに対応するデータ品質値を取得する(B502)。例えば、MPU60は、各リードヘッド15Rに対応するDGain値及びAsymmetry値を取得する。MPU60は、各リードヘッド15Rに対応するデータ品質変化率を算出する(B503)。例えば、MPU60は、各リードヘッド15Rに対応するDGain変化率及びAsymmetry変化率を算出する。MPU60は、各リードヘッド15Rに対応する各データ品質変化率が品質変化率閾値よりも大きいか品質変化率閾値以下であるかを判定する(B504)。例えば、MPU60は、各リードヘッド15Rに対応する各DGain変化率がDGain変化率閾値よりも大きいかDGain変化率閾値以下であるかを判定する。また、MPU50は、各リードヘッド15Rに対応する各Asymmetry変化率がAsymmetry変化率閾値よりも大きいかAsymmetry変化率閾値以下であるかを判定する。各リードヘッド15Rに対応する各データ品質変化率が品質変化率閾値以下である場合(B504のNO)、MPU60は、B502の処理に進む。例えば、各リードヘッド15Rに対応する各DGain変化率がDGain変化率閾値以下であると判定し、且つ各リードヘッド15Rに対応する各Asymmetry変化率がAsymmetry変化率閾値以下であると判定した場合、MPU60は、B502の処理に進む。
【0037】
複数のリードヘッド15Rのそれぞれ対応する複数のデータ品質変化率の少なくとも1つが品質変化率閾値よりも大きいと判定した場合(B504のYES)、MPU60は、データ品質変化率が品質変化率閾値よりも大きいと判定した少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rに対応するリード特性値を取得する(B505)。例えば、MPU60は、DGain変化率がDGain変化率閾値よりも大きいと判定するか、Asymmetry変化率がAsymmetry変化率閾値よりも大きいと判定するかした少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rの抵抗値を取得する。例えば、MPU60は、DGain変化率がDGain変化率閾値よりも大きいと判定し、且つAsymmetry変化率がAsymmetry変化率閾値よりも大きいと判定した少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rの抵抗値を取得する。例えば、MPU60は、DGain変化率がDGain変化率閾値よりも大きいと判定するか、Asymmetry変化率がAsymmetry変化率閾値よりも大きいと判定するかした少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rのエラーレートを取得する。また、例えば、MPU60は、DGain変化率がDGain変化率閾値よりも大きいと判定し、且つAsymmetry変化率がAsymmetry変化率閾値よりも大きいと判定した少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rのエラーレートを取得する。
【0038】
MPU60は、少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rのリード特性変化率を算出する(B506)。例えば、MPU60は、少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rの抵抗変化率を取得する。また、MPU60は、少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rに対応するエラーレート変化率を取得する。MPU60は、少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rに対応するリード特性変化率が特性変化率閾値よりも大きいか特性変化率閾値以下であるかを判定する(B507)。例えば、MPU60は、少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rに対応する抵抗変化率が抵抗変化率閾値よりも大きいか抵抗変化率閾値以下であるかを判定する。また、MPU60は、少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rに対応するエラーレート変化率がエラーレート変化率閾値よりも大きいかエラーレート変化率閾値以下であるかを判定する。少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rに対応するリード特性変化率が特性変化率閾値以下であると判定した場合(B507のNO)、MPU60は、B502の処理に進む。例えば、各判定対象リードヘッド15Rの抵抗変化率が抵抗変化率閾値以下、且つ各判定対象リードヘッド15Rに対応するエラーレート変化率がエラーレート変化率閾値以下であると判定した場合、MPU60は、B502の処理に進む。少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rに対応するリード特性変化率が特性変化率閾値よりも大きいと判定した場合(B507のYES)、MPU60は、TDMR modeからsingle head modeに切り替えて、リード特性変化率が特性変化率閾値よりも大きいと判定した不良リードヘッド以外のリードヘッド15Rでリードし、処理を終了する。例えば、MPU60は、TDMR modeからsingle head modeに切り替えて、少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rの抵抗変化率が抵抗変化率閾値よりも大きいと判定するか、少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rに対応するエラーレート変化率がエラーレート変化率閾値よりも大きい判定した不良リードヘッド以外のリードヘッド15Rで所定のトラックをリードする。また、例えば、MPU60は、TDMR modeからsingle head modeに切り替えて、少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rの抵抗変化率が抵抗変化率閾値よりも大きいと判定し、且つ少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rに対応するエラーレート変化率がエラーレート変化率閾値よりも大きい判定した不良リードヘッド以外のリードヘッド15Rで所定のトラックをリードする。
【0039】
本実施形態によれば、磁気ディスク装置1は、複数のリードヘッド15Rを備えている。磁気ディスク装置1は、データ品質値としてDGain値及びAsymmetry値を取得する。磁気ディスク装置1は、リードヘッド15R毎にデータ品質変化率を算出する。磁気ディスク装置1は、リードヘッド15R毎にDGain変化率及びAsymmetry変化率を算出する。磁気ディスク装置1は、各リードヘッドに対応する各DGain変化率がDGain変化率閾値よりも大きいかDGain変化率閾値以下であるかを判定する。また、磁気ディスク装置1は、各リードヘッド15Rに対応する各Asymmetry変化率がAsymmetry変化率閾値よりも大きいかAsymmetry変化率閾値以下であるかを判定する。磁気ディスク装置1は、少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rの抵抗値と、少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rのエラーレート変化率とを取得する。磁気ディスク装置1は、各判定対象リードヘッド15Rの抵抗変化率が抵抗変化率閾値よりも大きいか抵抗変化率閾値以下であるかを判定し、各判定対象リードヘッド15Rに対応するエラーレート変化率がエラーレート変化率閾値よりも大きいかエラーレート変化率閾値以下であるかを判定する。磁気ディスク装置1は、TDMR modeからsingle head modeに切り替えて、少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rの抵抗変化率が抵抗変化率閾値よりも大きいと判定するか、少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rに対応するエラーレート変化率がエラーレート変化率閾値よりも大きいと判定するかした不良リードヘッド以外のリードヘッド15Rで所定のトラックをリードする。また、例えば、磁気ディスク装置1は、TDMR modeからsingle head modeに切り替えて、少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rの抵抗変化率が抵抗変化率閾値よりも大きいと判定し、且つ少なくとも1つの判定対象リードヘッド15Rのエラーレート変化率がエラーレート変化率閾値よりも大きい判定した不良リードヘッド以外のリードヘッド15Rで所定のトラックをリードする。そのため、磁気ディスク装置1は、寿命を向上することができる。従って、磁気ディスク装置1は、信頼性を向上することができる。
【0040】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1…磁気ディスク装置、10…磁気ディスク、10a…ユーザデータ領域、10b…システムエリア、12…スピンドルモータ(SPM)、13…アーム、14…ボイスコイルモータ(VCM)、15…ヘッド、15W…ライトヘッド、15R1、15R2…リードヘッド、20…ドライバIC、30…ヘッドアンプIC、40…ハードディスクコントローラ(HDC)、50…リード/ライト(R/W)チャネル、60…マイクロプロセッサ(MPU)、70…揮発性メモリ、80…バッファメモリ、90…不揮発性メモリ、100…ホストシステム(ホスト)、130…システムコントローラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】