(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021066096
(43)【公開日】20210430
(54)【発明の名称】記録装置及び記録装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20210402BHJP
【FI】
   !B41J2/01 305
   !B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】2019193388
(22)【出願日】20191024
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
【住所又は居所】埼玉県三郷市中央1丁目14番地1
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】特許業務法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾高 祥司
【住所又は居所】埼玉県三郷市中央1丁目14番地1 キヤノンファインテックニスカ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】新井田 裕久
【住所又は居所】埼玉県三郷市中央1丁目14番地1 キヤノンファインテックニスカ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】中西 佑太
【住所又は居所】埼玉県三郷市中央1丁目14番地1 キヤノンファインテックニスカ株式会社内
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA01
2C056EB13
2C056EB36
2C056EB59
2C056EC07
2C056EC12
2C056EC35
2C056EC37
2C056FA13
(57)【要約】
【課題】
逆搬送送量を少なくして記録装置の生産性を向上させる。
【解決手段】
第1の搬送方向に搬送されて次に記録される第1の記録領域の位置を特定可能な第1の特定部を検知することに基づいて前記第1の記録領域への記録動作を制御すると共に、前記第1の記録領域への記録動作後、前記第1の搬送方向とは逆方向の第2の搬送方向に搬送し、次に記録される第2の記録領域が記録位置を通過した後、前記第2の記録領域の位置を特定可能な前記第1の特定部に相当する特定部が検知位置に到達するよりも先に検知位置に到達する第2の特定部を検知することに基づいて前記第2の記録領域への記録動作を制御する。
【選択図】 図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に複数の記録領域が配置される記録媒体を搬送するための搬送手段と、
前記記録媒体の記録領域に記録を行う記録手段と、
前記記録媒体の複数の記録領域の前記搬送方向に対するそれぞれの位置を特定可能な特定部を検知するための検知手段と、
前記搬送手段により第1の搬送方向に搬送されて次に記録される前記記録媒体の第1の記録領域の位置を特定可能な第1の特定部を前記検知手段が検知することに基づいて前記第1の記録領域への記録動作を制御すると共に、前記第1の記録領域への記録動作後、前記搬送手段により前記記録媒体を前記第1の搬送方向とは逆方向の第2の搬送方向に搬送し、前記第1の記録領域の次に記録される前記記録媒体の第2の記録領域が前記記録手段により記録される位置を通過した後、前記第2の記録領域の位置を特定可能な前記第1の特定部に相当する特定部が前記検知手段の検知位置に到達するよりも先に前記検知手段の検知位置に到達する第2の特定部を前記検知手段が検知することに基づいて前記記録手段の前記第2の記録領域への記録動作を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記記録手段の記録開始タイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記第1の特定部は、前記第1の搬送方向における前記第1の記録領域の先端であり、前記第2の特定部は、前記第1の搬送方向における前記第2の記録領域の後端又は前記第2の記録領域とは異なる記録領域の先端若しくは後端であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記搬送手段により前記記録媒体を前記第2の搬送方向に搬送して前記検知手段により前記第2の特定部が検知された後、前記記録媒体を前記第1の搬送方向に搬送し、前記検知手段が前記第2の特定部を検知することに基づいて前記記録手段の前記第2の記録領域への記録動作を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1の記録領域への記録動作時に前記第2の特定部が前記検知手段により検知される検知タイミングと、前記第1の記録領域への記録動作後、前記第2の特定部が前記搬送手段により前記第2の搬送方向に搬送されて前記第2の記録領域への記録動作時に前記検知手段に検知される検知タイミングとの差に基づいて、前記第2の記録領域への前記記録手段の記録開始タイミングを補正することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項6】
前記第1の記録領域への記録動作時に前記第2の記録領域の前記第1の特定部に相当する特定部が前記検知手段により検知される検知タイミングを記憶する記憶手段を更に有し、
前記制御手段は、前記第1の記録領域への記録動作時に前記第2の特定部が前記検知手段により検知される検知タイミングと、前記第1の記録領域への記録動作後、前記第2の特定部が前記搬送手段により前記第2の搬送方向に搬送されて前記第2の記録領域への記録動作時に前記検知手段に検知される検知タイミングとの差により補正する前記記憶手段に記憶された検知タイミングに基づいて、前記第2の記録領域への前記記録手段の記録動作を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項7】
前記記録媒体の記録領域は、台紙から剥離可能なラベルの領域であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項8】
前記記録媒体の記録領域は、ミシン目間の領域であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項9】
前記検知手段は、前記記録媒体に設けられたマークを特定部として検知することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項10】
前記検知手段は、前記ラベルと前記台紙の透過率の差を前記特定部として検知することを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
【請求項11】
搬送方向に複数の記録領域が配置される記録媒体を搬送して記録手段により前記記録領域に記録を行うと共に、前記記録媒体の複数の記録領域の前記搬送方向に対するそれぞれの位置を特定可能な特定部を検知手段により検知し、第1の搬送方向に搬送されて次に記録される前記記録媒体の第1の記録領域の位置を特定可能な第1の特定部を前記検知手段が検知することに基づいて前記第1の記録領域への記録動作を制御すると共に、前記第1の記録領域への記録動作後、前記記録媒体を前記第1の搬送方向とは逆方向の第2の搬送方向に搬送し、前記第1の記録領域の次に記録される前記記録媒体の第2の記録領域が前記記録手段により記録される位置を通過した後、前記第2の記録領域の位置を特定可能な前記第1の特定部に相当する特定部が前記検知手段の検知位置に到達するよりも先に前記検知手段の検知位置に到達する第2の特定部を前記検知手段が検知することに基づいて前記記録手段の前記第2の記録領域への記録動作を制御することを特徴とする記録装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の記録領域が並んで位置される記録媒体に記録を行う記録装置及び記録装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ロール状の台紙に記録領域としての複数のラベルが並べられた状態で仮着された記録媒体(ラベルシート)を搬送しながら印刷し、印刷されたラベル部分をカッター装置により切断して、切断された印刷済みのラベル部分を印刷物として排出する記録装置が知られている。
【0003】
このような記録装置では、ラベルの所望の位置に正しく印刷を行うため、例えば、ラベルの搬送方向先端を、印刷位置より搬送方向上流側に設けられた先端検知センサで検知し、その検知位置から印刷位置までの搬送量を、搬送系に設けられたエンコーダ等によりカウントすることで印刷タイミングを決定している。
【0004】
一方、このような記録装置では、印刷位置と切断位置との間には一定の距離がある。従って、印刷が完了したラベルを切断位置に搬送して切断した際に次に印刷すべきラベルは既に印刷位置を通過しており、その次に印刷すべきラベルを印刷するためには、一旦ラベルシートを逆搬送してその次に印刷すべきラベルを印刷可能位置まで戻さなければならない。
【0005】
この場合、例えば、印刷後ラベルシートの搬送を切断位置で停止した際に発生する慣性でラベルシートにたるみが生じ、このたるみが逆搬送により巻き取られて解消する瞬間に衝撃で搬送系とラベルシートとの間に滑りが発生して、搬送系に設けられたエンコーダを逆カウントして次に印刷すべきラベルを印刷位置まで戻そうとしてもラベルの所望の位置に正しく印刷出来ないといったことがあった。
【0006】
このような問題を解決するために、特許文献1では、ラベルシートを逆搬送する際に次に印刷すべきラベルの先端が先端検知センサより搬送方向上流となる位置まで戻すようにし、印刷時に先端検知センサによる位置決めを再度行うことで、印字位置精度を維持させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−361954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示の方法では、次に印刷すべきラベルの先端が先端検知センサより搬送方向上流となる位置まで逆搬送させる必要があるため、印刷位置と先端検知センサの検知位置が離れている場合、逆搬送に必要な搬送量が多くなり、生産性が低下してしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、以上の事情に鑑みなされたもので、逆搬送量を少なくして生産性の向上を図る記録装置及び記録装置の制御方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、搬送方向に複数の記録領域が配置される記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の記録領域に記録を行う記録手段と、前記記録媒体の複数の記録領域の前記搬送方向に対するそれぞれの位置を特定可能な特定部を検知するための検知手段と、前記搬送手段により第1の搬送方向に搬送されて次に記録される前記記録媒体の第1の記録領域の位置を特定可能な第1の特定部を前記検知手段が検知することに基づいて前記第1の記録領域への記録動作を制御すると共に、前記第1の記録領域への記録動作後、前記搬送手段により前記記録媒体を前記第1の搬送方向とは逆方向の第2の搬送方向に搬送し、前記第1の記録領域の次に記録される前記記録媒体の第2の記録領域が前記記録手段により記録される位置を通過した後、前記第2の記録領域の位置を特定可能な前記第1の特定部に相当する特定部が前記検知手段の検知位置に到達するよりも先に前記検知手段の検知位置に到達する第2の特定部を前記検知手段が検知することに基づいて前記記録手段の前記第2の記録領域への記録動作を制御する制御手段とを有する記録装置とするものである。
【0011】
また、本発明は、搬送方向に複数の記録領域が配置される記録媒体を搬送して記録手段により前記記録領域に記録を行うと共に、前記記録媒体の複数の記録領域の前記搬送方向に対するそれぞれの位置を特定可能な特定部を検知手段により検知し、第1の搬送方向に搬送されて次に記録される前記記録媒体の第1の記録領域の位置を特定可能な第1の特定部を前記検知手段が検知することに基づいて前記第1の記録領域への記録動作を制御すると共に、前記第1の記録領域への記録動作後、前記記録媒体を前記第1の搬送方向とは逆方向の第2の搬送方向に搬送し、前記第1の記録領域の次に記録される前記記録媒体の第2の記録領域が前記記録手段により記録される位置を通過した後、前記第2の記録領域の位置を特定可能な前記第1の特定部に相当する特定部が前記検知手段の検知位置に到達するよりも先に前記検知手段の検知位置に到達する第2の特定部を前記検知手段が検知することに基づいて前記記録手段の前記第2の記録領域への記録動作を制御する記録装置の制御方法とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、逆搬送量を少なくして生産性を向上させることのできる記録装置及び記録装置の制御方法を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る記録装置の内部構造の概略を示す概略正面断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るカッター装置の概略構成図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る本印刷タイミングを制御する制御方法を示す説明図である。
【図5】従来技術における逆搬送処理を示す説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る図2に示されるCPU201のメインフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態に係る図2に示されるCPU201のフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施形態に係る図2に示されるCPU201のフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態に係る図2に示されるCPU201のフローチャートである。
【図10】本発明の第1実施形態に係る逆搬送処理の説明図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係る逆搬送後の印刷処理の説明図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係る逆搬送前と後の先端検知タイミングを示す説明図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る図2に示されるCPU201のメインフローチャートである。
【図14】本発明の第2実施形態に係る先端検知登録処理状態を説明する表である。
【図15】本発明の第2実施形態に係る図2に示されるCPU201のフローチャートである。
【図16】本発明の第2実施形態に係る逆搬送処理の説明図である。
【図17】本発明のその他の実施形態に係るラベルシートを示す説明図である。
【図18】本発明のその他の実施形態に係るラベルシートとは異なる記録媒体を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において本発明が適用される装置の構成や各種条件は適宜修正又は変更可能であり、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0015】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを搭載した記録装置の内部構造の概略を示す概略正面断面図である。
【0016】
図1において、記録装置100は、ホストコンピュータAとUSBケーブルを介して接続されている。記録装置100はロール状の台紙に複数の記録領域としてのラベルが並べられた状態で剥離可能に仮着されたラベルシート101のラベルの幅全体に渡って複数のノズルを配列した4つのフルライン記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)102〜105を記録紙の搬送方向に沿って備えている。4つの記録ヘッド102〜105はそれぞれ、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエロインクを吐出して印刷を行い、4つの記録ヘッド(ブラックヘッド、シアンヘッド、マゼンタヘッド、イエロヘッド)102〜105から吐出される4色のインクによりフルカラー画像を印刷する。
【0017】
画像データはホストコンピュータAで生成され、4色のインクに対応したブラック(K)成分、シアン(C)成分、マゼンタ(M)成分、イエロ(Y)成分に分離された濃度画像データが記録装置100に送信される。その画像データを受信した記録装置100は、ラベルシート101を給紙し、押さえローラ106と搬送ベルト107で挟持して搬送すると共に、搬送ベルト107の搬送に同期した信号を出力する図2に示されるエンコーダ110のカウント値をトリガに各記録ヘッド102〜105により順次印刷を行う。その印刷は、先端検知センサ108で印刷すべきラベルの位置を特定可能な特定部としての搬送方向先端を検知して、そこからの移動距離を基に決定された印刷タイミングに従ってインクをラベルに吐出することにより行われる。また、印刷動作が完了した後、カッター装置109によりラベルシート101の印刷されたラベル部分の切断を行い、印刷物として排出する。
【0018】
図2は、図1に示す記録装置100の制御構成を示すブロック図である。
【0019】
図2において、記録装置100のコントローラ200に備えられたCPU201がROM202に格納されている制御プログラムを実行し各構成要素を制御する。また、コントローラ200はRAM203を各種データ処理の作業領域や受信バッファとして使用し、イメージバッファメモリ204〜207を画像展開部としてブラック、シアン、マゼンタ、イエロの各色成分濃度データを格納するのに用いる。更に、コントローラ200には、記録ヘッド102〜105を駆動するヘッド駆動回路208、各記録ヘッドを記録に最適な状態に保つためのクリーニング動作や、搬送動作、切断動作を制御する各種モータ209を駆動するモータドライバ210を備えている。
【0020】
また、イメージバッファメモリ204〜207、ヘッド駆動回路208、モータドライバ210や、図1で説明した先端検知センサ108、エンコーダ110などを制御するASIC制御回路211を備えている。
【0021】
また、コントローラ200はホストコンピュータAから送信される画像データやクリーニングコマンドなどを、USBケーブルを介して受信するUSBコントローラ212を有し、受信した各種コマンド命令に従って動作する。但し、このようなインタフェースはUSBに限るものではなく、有線或いは無線ネットワークを介してホストコンピュータAと接続されるようにしてもよい。
【0022】
図3は、図1に示されるカッター装置109をラベルシート101の搬送方向から見た概略構成図である。
【0023】
図3において、カッター装置109は、固定刃301と可動刃302を備えており、可動刃は図示しない駆動機構により固定刃に向けて駆動される。可動刃302が固定刃301のエッジを超える位置まで駆動させることでラベルシートが切断される。なお、カッター装置109の機構はこの構成に限ったものではなく、排出されるラベルシートを切断可能であれば他の構成であってもよい。
【0024】
図4は、本実施形態に係る印刷タイミングを制御する制御方法を示す説明図である。
【0025】
先端検知センサ108は発光部と受光部がラベルシート101を挟んで対向して取り付けらており、台紙部とラベル部の光の透過率の差からラベルのエッジ、つまり、ラベルの搬送方向先端を検知できる構成となっている。先端検知センサ108を通過したラベルはエンコーダ110により移動量がカウントされ、先端検知センサ108と各記録ヘッド間の距離L1〜L4によって決定されている既定のカウント値に達したところで記録ヘッドからインクを吐出して印刷が開始される。例えば、ブラックヘッド102は先端検知からL1移動したタイミング、シアンヘッド103は先端検知からL2移動したタイミング、マゼンタヘッド104は先端検知からL3移動したタイミング、イエロヘッド105は先端検知からL4移動したタイミングで吐出を開始する。
【0026】
図5は、従来技術による逆搬送で印刷を行った場合の動作を示す説明図である。
【0027】
図5において、図5の(A)に示されるように、1つ目のラベル101−1の印刷および切断が完了し、2つ目のラベル101−2の印刷動作を開始する際、図5の(B)に示されるように、2つ目のラベル101−2の先端位置が先端検知センサ108に検知される位置より搬送方向上流までラベルシート101を逆搬送させる。そして、図5の(C)に示されるように、印刷方向に搬送する際に2つ目のラベル101−2の搬送方向先端が先端検知センサ108を通過するタイミングを基準に印刷を行っていた。
【0028】
これにより、逆搬送時にラベルシート101に滑りが生じてもラベルの印字位置精度を保つことが可能となっていたが、一方で、逆搬送時に2つ目のラベル101−2の先端位置を、先端検知センサ108が検知する位置より搬送方向上流まで逆搬送させなければならないためその処理に時間を要し、生産性を低下させるといった課題があった。
【0029】
次に、この課題を解決する本実施形態よる印刷動作について説明する
図6は、本実施形態における印刷動作を示す図2のCPU201のメインフローチャートである。
【0030】
図6において、CPU201は、ホストコンピュータAから印刷ジョブを受信すると、ステップS01でモータドライバ210により搬送モータ209を駆動し、ラベルシート101を印刷方向に搬送すると共に、ステップS02でエンコーダ110のカウントアップを開始する。
【0031】
その後、ステップS03で先端検知センサ108がラベルの先端を検知すると、ステップS04で先端検知登録処理を実行する。ステップS04の先端検知登録処理ついては後述するが、この先端検知登録処理は、先端を検知したラベルが次に印刷を行うラベルか否かに関わらず実行するものである。
【0032】
ステップS05でエンコーダ110のカウント値が先端検知センサ108による印刷するラベルの先端検知から所定値に達し、印刷するラベルが記録ヘッド102〜105の対向面に到達したと判定されると、ステップS06で各インクの吐出を開始する。そして、ステップS07でエンコーダ110のカウント値によりインクの吐出開始から1つのラベル分に対応するデータを印刷し終えたと判定されると、S08でインクの吐出を停止させ、ステップS09で後述する印刷完了したラベルかどうかを示す印刷完了登録処理を行う。
【0033】
なお、図6のフローチャートでは、インクの吐出開始及び停止は1つの処理として記述されているが、実際にはブラック、シアン、マゼンタ、イエロの各記録ヘッド102〜105それぞれで吐出の開始及び停止を行う。
【0034】
全色の印刷終了後、ステップS10でエンコーダ110のカウント値によりラベルが切断位置まで搬送れたと判定されると、ステップS11で搬送を停止させ、さらにステップS12でカッター装置109を駆動してラベルシート101の印刷されたラベル部分を切断して印刷物として排出する。
【0035】
そして、ステップS13で後述するラベルシート101の逆搬送処理を行い、逆搬送処理終了後、ステップS14で印刷ジョブが全て終了していると判定されれば印刷処理終了となり、そうでなければステップS01に戻り印刷処理を継続する。
【0036】
図7は、図6のステップS04の先端検知登録処理を示すCPU201のフローチャートである。
【0037】
図7において、ステップS41で逆搬送後に印刷方向へ搬送して1回目の先端検知であるかどうかの判定を行う。ラベルシート101セット直後の印刷方向への搬送による先端検知や、逆搬送後に印刷方向へ搬送して2回目以降の先端検知であれば、ステップS44で先端検知センサ108が先端検知した際のエンコーダ110のカウンタ値及び通過ラベル数を記憶する先端検知登録処理を行って終了となる。一方、逆搬送後に印刷方向へ搬送して1回目の先端検知の場合については後述する。
【0038】
図8は前述の印刷処理および切断処理を行い、1つ目のラベル101−1部分を排出した時点のステップS43にて先端検知登録処理が行われたカウンタ値及び通過ラベル数並びにステップS09にて印刷完了登録処理が行われた印刷完了したラベルかどうかの状態を示す表である。
【0039】
図8において、1つ目のラベル101−1から5つ目のラベル101−5までが先端検知登録処理が行われたラベルであることがわかる。
【0040】
図9は、図6のステップS13の逆搬送処理を示すCPU201のフローチャートである。
【0041】
図9において、ステップS131でモータドライバ210により搬送モータ209を逆搬送方向に駆動させてラベルシート101の逆搬送を行うと共に、ステップS132でエンコーダ110のカウントダウンを開始する。そして、印刷時と同様にステップS133で先端検知センサ108によりラベルの先端検知を行う。
【0042】
ステップS133でラベルの先端を検知した場合、ステップS134で通過したラベル数のカウントを行う。これは、逆搬送後にそのラベルが先端検知センサ108の検知位置より印刷時の搬送方向の上流にあるか下流にあるのかを判定するための処理となる。
【0043】
さらに、ステップS135で先端検知センサ108により先端を検知した際の次に印刷するラベルの逆搬送量が切断時の位置から印刷時の搬送方向の最も上流に位置するブラックヘッド102までの距離を超えているか判定し、超えていればステップS136で逆搬送を停止させる。一方、超えていない場合は、引き続きステップS133でラベルの先端検知を続ける。これにより次に印刷するラベルが記録ヘッドの記録位置より印刷時の搬送方向上流に戻り、印刷可能な状態となる。
【0044】
図10は、逆搬送を行った際のラベルシート101の位置を示す逆搬送処理の説明図である。
【0045】
図10において、図10の(A)はラベルシート101の印刷後切断が終了した状態を示すもので、その状態から逆搬送を開始し、先端検知センサ108が最初のラベルの先端を検知した時点のラベルシート101の位置を示すのが図10の(B)となる。この時点ではラベル101−5の先端を検知しているが、次に印刷するラベル101−2の逆搬送量が切断時の位置からブラックヘッド102までの距離Lを超えてないので、逆搬送を継続する。
【0046】
その後、ラベル101−3の先端を検知した際のラベルシート101の位置が図10の(C)である。ここでは次に印刷するラベル101−2の逆搬送量が切断位置からブラックヘッド102までの距離Lを超えているため、逆搬送を停止させる。なお、図5で説明した従来技術では全てのラベルを先端検知センサ108より印刷時の搬送方向上流に戻していたが、本実施形態ではラベル101−2は先端検知センサ108より印刷時の搬送方向下流に位置しているため、逆搬送量が少なくなっているのがわかる。
【0047】
次に、逆搬送後の印刷動作の流れを説明する。
【0048】
図11は、逆搬送後に印刷を行う際のラベルシート101の位置を示す逆搬送後の印刷処理の説明図である。
【0049】
図11において、図11の(A)が逆搬送を終了した状態であり、この状態から図6で説明したステップS01にて再度印刷方向にラベルシート101の搬送を開始すると、図11の(B)に示されるように、すぐにラベル101−3の先端が先端検知センサ108を通過する。
【0050】
すると、図7の先端検知登録処理のステップS41によりこれは逆搬送後1回目の先端検知と判定されるため、ステップS42に進み、前回の印刷方向への搬送でラベル101−3の先端が先端検知センサ108を通過した際のエンコーダ110によるカウント値と今回のエンコーダ110によるカウント値を比較し、その差分を算出する。そして、ステップS43で先端検知センサ108より印刷時の搬送方向下流に位置する次に印刷するラベル101−2の印刷開始タイミング(エンコーダ110のカウント値)にその差分を反映させる。なお、この際、次の差分検知のためにラベル101−3のエンコーダ110のカウント値にもその差分を反映させておく。
【0051】
この点についてさらに詳細に説明する。
【0052】
図12は、図8で説明した前回の印刷方向への搬送で先端検知登録処理を行ったエンコーダ110によるカウンタ値に対する今回のエンコーダ110によるカウント値を示す表である。
【0053】
図12において、図9のステップ134で説明したように、逆搬送処理中にカウントされる先端検知センサ108を通過したラベル数を、図7のステップS44で説明した先端検知登録処理で行った前回印刷方向に搬送した際の通過ラベル数と比較することで、各ラベルが先端検知センサ108の印刷時の搬送方向上流にあるのか下流にあるのかを判定でき、逆搬送が終了した時点で図12の(A)に示されるように、ラベルシート101を印刷方向に搬送した際に次に先端検知センサ108を通過するラベルがラベル101−3であることがわかる。
【0054】
そして、ラベルシート101を逆搬送後、印刷方向に搬送を開始し、ラベル101−3の先端が先端検知センサ108に検知された際のエンコーダ110のカウント値が図12の(B)に示されるように「301」であったとすると、ラベル101−3の前回の印刷方向に搬送時に先端が先端検知センサ108に検知された際のエンコーダ110のカウント値「299」に対して+2の差分が発生している。この差分については構成により様々な要因が考えられるが、例えば、前回の印刷後、ラベルシート101の搬送を切断位置で停止した際に慣性でラベルシート101にたるみが発生し、逆搬送時にこのたるみが巻き取られた瞬間、ラベルシート101が引っ張られることで、搬送ベルト107とラベルシート101との間で滑りが生じ、搬送ベルト107に同期して信号を出力するエンコーダ110のカウンタ値にずれが発生するといったようなことが考えられる。
【0055】
この逆搬送前後のエンコーダ110のカウント値のずれは、すべてのラベルに対して同様に影響しているはずなので、先端検知したラベル101−3より印刷搬送方向下流に存在する次に印刷するラベル101−2に対してその差分を反映させる。
【0056】
つまり、図12の(C)に示されるように、次に印刷するラベル101−2の先端が前回の印刷方向の搬送時に先端検知センサ108により検知された際のエンコーダ110のカウント値「200」に対して+2の差分を反映させたカウント値「202」を今回印刷するラベル101−2の印刷方向の搬送での先端検知センサ108が先端を検知したエンコーダ110のカウント値とする。これにより、次に印刷するラベル101−2は逆搬送後に実際に先端検知センサ108による先端検知は行っていないが、逆搬送時に発生した滑りなどが考慮された記録タイミングを決定することができ、印字位置精度を保つことが可能となる。
【0057】
以上説明したように、逆搬送後に次に印刷するラベルより印刷搬送方向上流に存在するラベルにより先端検知を行い次に印刷するラベルの記録タイミングを決定することで、印刷位置精度を保ったまま逆搬送量を減らし、生産性を向上することができる。
【0058】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態において、基本的な構成等、第1実施形態と同様の構成についてはそれらを援用するものとし、説明を省略する。また、以下の説明において、第1実施形態と同様の構成及び同様のフローチャートのステップには同一の符号を付してある。
【0059】
第1実施形態では、逆搬送および逆搬送後の先端検知センサ108による検知は、各ラベルの先端のみの検知を行っていたが、本実施形態では、ラベルの先端に加えて後端も検知対象としている。この場合、先端検知センサ108は台紙とラベルの境界を検出しているため、ラベルの後端についても同様に検出が可能である。
【0060】
図13は、本実施形態における印刷動作を示す図2のCPU201のメインフローチャートである。
【0061】
図13において、基本的には実施形態1の図6のフローチャートと同様であるが、S02aにおいて先端検知だけでなく後端検知時にも先端検知登録処理を実行する。記録動作のタイミングについては実施形態1と同様にラベルの先端検知を基準としている。
【0062】
先端検知登録処理については,実施形態1の図7のフローチャートと同様であるが、ラベルの後端検知時にも登録処理を行っているため、例えば、1つ目のラベルの印刷完了時は図14の表のようになる。
【0063】
図15は、図13のステップS13の逆搬送処理を示すCPU201のフローチャートである。
【0064】
図15において、基本的には実施形態1の図9のフローチャートと同様であるが、ステップS133でラベルの先端を検知したタイミングだけでなく、ステップS133aのラベルの後端を検知したタイミングにおいてもステップS135の逆搬送停止の判定を行うことにより、ラベルの位置関係によっては、実施形態1より逆搬送量を減らすことが可能になる。
【0065】
図16は、ラベルの後端検知により逆搬送を停止した場合の逆搬送処理の説明図である。
【0066】
図16において、図16の(A)に示される状態から逆搬送を開始し、図16の(B)に示されるラベル101−4の先端を検知したタイミングではわずかに次に印刷するラベル101−2の逆搬送距離が切断時の位置からブラックヘッド102までの距離Lに達していない。その後、図16の(C)に示されるラベル101−3の後端を検知したタイミングでは次に印刷するラベル101−2の逆搬送距離がLに達しているため、逆搬送が停止される。これに対し、後端検知を行っていない場合は、ラベル101−3の先端を検知するまで逆搬送を継続することになるため、それに比べて逆搬送量が低減されることがわかる。
【0067】
逆搬送後に印刷を行う際は、実施形態1と同様に逆搬送前のラベル101−3の後端検知タイミング(エンコーダ110のカウント値)と、逆搬送後の後端検知タイミング(エンコーダ110のカウント値)を比較し、その差分を先端検知センサ108より下流に位置する次に印刷するラベル101−2のエンコーダ110のカウント値に反映し、印刷位置精度を維持できるようにする。なお、この際、次の差分検知のためにラベル101−3のエンコーダ110のカウント値にもその差分を反映させておく。
【0068】
以上説明したように、逆搬送後に次に印刷するラベルより印刷搬送方向上流に存在するラベルにより先端および後端検知を行い、次に印刷するラベルの記録タイミングを決定することで、印刷位置精度を保ったまま逆搬送量を減らし、生産性を向上することができる。
【0069】
〔その他の実施形態〕
以上説明した各実施形態では、台紙とラベルの透過率の違いにより各ラベルの先端または後端を検知していたが、ラベルシートの形状およびラベルの先端検知方法はそれに限ったものではない。
【0070】
例えば、図17は、他のラベルシートPの形態を示すもので、図17の(A)に示されるように一定間隔で特定部としての先端検知用のマークMが備えられているラベルシートに対し、発光部と受光部を備えたセンサによりマークがある部分とない部分の反射率の違いを検出することで各ラベルの先端を検知する構成とするようにしてもよい。
【0071】
図17の(B)はマーク検知センサの出力波形の概略図であり、マークMのエッジの中間をラベルの境界としてとらえることができるため、その間をラベルDとして認識することで実施形態1と同様の制御を適用することが可能である。なお、実際の印字開始位置については、ラベル先端からの余白値をプリンタドライバ等で設定し、コントロールすることが望ましい。
【0072】
また、図18に示すように、ラベルが仮着されたラベルシートではなく、記録媒体Qに対して一定間隔にミシン目Nが形成されており、ミシン目間を1つの記録領域とし、ミシン目を跨ぐように先端検知用のマークMが形成されているものに対しても、同様の制御が可能である。
【0073】
また、以上の実施形態では、記録領域の先端検知により印刷開始タイミングを制御するようにしているが、これは、記録領域の位置が特定できれば後端検知等の他により印刷開始タイミングを制御するようにしてもよい。
【0074】
また、第1、第2実施形態では、逆搬送後に次に印刷するラベルより印刷搬送方向上流に存在するラベルの逆搬送前のエンコーダのカウント値と逆搬送後のエンコーダのカウント値の差分を次に印刷するラベルのカウント値に反映させて印刷制御を行うようにしているが、次に印刷するラベルのその前に印刷されラベルの印刷時に、次に印刷するラベルが印刷位置を通過する時点で搬送方向上流のどのラベルが先端検知センサの検知位置を通過するかが分かっているので、次に印刷するラベルの印刷制御をこの分かっている上流のラベルで直接制御するようにしてもよい。
【0075】
また、第1、第2の実施形態では、印刷後にラベル部分を切断する構成をとっていたが、本発明はカッター装置が装着されていない記録装置にも適応可能である。つまり、本発明は、記録媒体を逆搬送後、記録領域の搬送位置を検知する検知センサにより印刷タイミングを決定する記録装置であれば適応可能であり、例えば、印刷済みのラベルを剥離して取得するための装置(ピーラ)が装着されており、剥離時に一時停止し、その後逆搬送するする構成など、停止および逆搬送の要因は特に限定されるものではない。
【0076】
また、第1、第2の実施形態では、記録ヘッドが複数搭載されたカラー印刷可能な記録装置について説明したが、本発明は記録ヘッドが1つ搭載されたモノクロ印刷可能な記録装置にも適応可能である。
【0077】
さらに、第1、第2の実施形態では、記録ヘッドよりインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式の記録装置について説明したが、本発明の印刷方式はそれに限ったものではなく、例えばサーマルヘッドによりインクリボンのインクを転写して画像を形成する熱転写方式のプリンタなど、他の印刷方式の記録装置であっても適用可能である。
【符号の説明】
【0078】
100…記録装置
101…ラベルシート
102…ブラックヘッド
103…シアンヘッド
104…マゼンタヘッド
105…イエロヘッド
106…押さえローラ
107…搬送ベルト
108…先端検知センサ
109…カッター装置
110…エンコーダ
200…コントローラ
201…CPU
301…固定刃
302…可動刃
A…ホストコンピュータ
M…先端検知用のマーク
N…ミシン目
Q…記録媒体
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】